説明

画像処理装置、画像処理方法、および表示システム

【課題】映像に応じてダイナミックレンジが変化する表示装置の表示品質の劣化を抑制する。
【解決手段】出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき映像に応じて変化するLCDのために、映像の処理を行って表示すべき映像を作成する映像処理回路108は、LCDのダイナミックレンジをLCDコントローラ109から取得し、取得したダイナミックレンジに応じて、ノイズ除去回路22がノイズ除去の程度を変更して映像のノイズ除去を行い、エッジ強調回路23がエッジ強調の程度を変更して映像のエッジ強調を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示すべき画像に応じてダイナミックレンジが変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理装置、画像処理方法、および表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時の表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)よりも薄型化及び軽量化が可能なFPD(Flat Panel Display)が利用されている。FPDの例としては、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイ、FED(Field Emission Display)などが挙げられる。これらFPDのうち、LCDが特に普及している。最近のLCD(液晶表示装置)は、バックライトとしてLED(発光ダイオード)を利用しているものが増加している。このようなバックライトは、「LEDバックライト」と呼ばれている。
【0003】
一般に、LCDは、画素ごとに発光素子を備えるPDP等のFPDに比べて、表示可能な最も暗い色と最も明るい色との比であるコントラスト比が低い。そこで、近時では、LEDバックライトにおける個々のLEDの明るさを制御することによりコントラスト比を向上させる、いわゆるローカルディミング(Local Dimming)機能を有するLCDが市販されている(例えば、シャープ株式会社製の型番XS1など)。さらに、最近では、暗く制御されているLEDによって節約された電力を、明るく制御されているLEDに追加供給することにより、コントラスト比をさらに向上させたLCDも市販されている(例えば、シャープ株式会社製の型番60X50Aなど)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005−523655(2005年08月04日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常のLCDでは、出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジは、上記コントラスト比に対応する。一方、コントラスト比を向上させた上記LCDでは、上記ダイナミックレンジは、画像の暗い領域の割合および明るい領域の割合に応じて変化することになる。
【0006】
ダイナミックレンジが大きくなると、画像に含まれるノイズの大きさも大きくなるので、ノイズが目立つ画像が表示されることになる。また、画像ごとにダイナミックレンジが変化すると、表示される画像のノイズ感、精細感、鮮鋭感などが画像ごとに異なってしまい、表示品質が劣化することになる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像に応じてダイナミックレンジが変化する表示装置の表示品質の劣化を抑制できる画像処理装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理装置であって、上記課題を解決するために、前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得手段と、該取得手段が取得したダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る画像処理方法は、出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理方法であって、上記課題を解決するために、前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得ステップと、該取得ステップにて取得されたダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理ステップとを含むことを特徴としている。
【0010】
上記の構成および方法によると、表示すべき画像に応じてダイナミックレンジが変化する表示装置のダイナミックレンジを取得し、取得されたダイナミックレンジに応じて、画像の処理の程度を変更する。そして、変更された程度で前記画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する。
【0011】
これにより、例えば、ダイナミックレンジが大きくなるような画像に対し、ノイズの除去の程度を大きくしてノイズの除去を行うことにより、ノイズの目立たない画像を前記表示装置に表示することができる。また、前記表示すべき画像に応じてダイナミックレンジが変化しても、当該表示すべき画像は、前記ダイナミックレンジに応じた程度で画像の処理が行われたものであるので、前記表示装置に表示される画像のノイズ感、精細感、鮮鋭感などを揃えることができる。従って、前記表示装置の表示品質の劣化を抑制することができる。
【0012】
本発明に係る画像処理装置では、前記取得手段は、前記画像処理手段が処理すべき画像から前記ダイナミックレンジを推定して取得することを特徴としている。また、本発明に係る画像処理方法では、前記取得ステップは、前記画像処理ステップが処理すべき画像から前記ダイナミックレンジを推定して取得することを特徴としている。この場合、処理すべき画像から前記ダイナミックレンジを推定し、推定されたダイナミックレンジに応じた程度で、前記画像の処理が行われるフィードフォワード型となり、前記表示品質の劣化を、良好な追従性で抑制することができる。
【0013】
本発明に係る画像処理装置では、前記取得手段は、前記表示装置における実際のダイナミックレンジを前記表示装置から取得してもよい。この場合、前記表示装置における実際のダイナミックレンジに応じた程度で画像の処理が行われるフィードバック型となり、前記表示品質の劣化を精度よく抑制することができる。
【0014】
さらに、画像の或る処理については、フィードバック型を利用する一方、画像の別の処理については、フィードフォワード型を利用してもよい。また、画像の他の処理については、フィードバック型およびフィードフォワード型の両方を利用してもよい。この場合、画像の処理の特性に応じて、ダイナミックレンジの取得先を変更することができ、前記表示品質の劣化を良好に抑制することができる。
【0015】
前記画像の処理の例としては、ノイズ除去、エッジ強調などが挙げられる。
【0016】
本発明に係る画像処理装置では、前記画像処理手段は、前記画像に含まれるノイズを除去するノイズ除去手段を備えており、該ノイズ除去手段は、前記取得手段が取得したダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記ノイズの除去の強度を大きくすることを特徴としている。また、本発明に係る画像処理方法では、前記画像処理ステップは、前記画像に含まれるノイズを除去するノイズ除去ステップを含んでおり、該ノイズ除去ステップは、前記取得ステップにて取得されたダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記ノイズの除去の強度を大きくすることを特徴としている。
【0017】
なお、前記ダイナミックレンジに対する前記ノイズの除去の強度の変化率が大きいので、前記ダイナミックレンジの変化に対し、前記ノイズの除去の強度を追従性よく変更することが好ましい。そこで、前記ノイズ除去手段は、処理対象の画像から前記取得手段が推定したダイナミックレンジを利用するか、或いは、該ダイナミックレンジと、前記表示装置から前記取得手段が取得した実際のダイナミックレンジとの両方を利用することが好ましい。
【0018】
本発明に係る画像処理装置では、前記画像処理手段は、前記画像のエッジ強調を行うエッジ強調手段を備えており、該エッジ強調手段は、前記取得手段が取得したダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記エッジ強調の強度を小さくすることを特徴としている。また、本発明に係る画像処理方法では、前記画像処理ステップは、前記画像のエッジ強調を行うエッジ強調ステップを含んでおり、該エッジ強調ステップは、前記取得ステップにて取得されたダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記エッジ強調の強度を小さくすることを特徴としている。
【0019】
なお、前記ダイナミックレンジに対する前記エッジ強調の強度の変化率が小さいので、前記ダイナミックレンジの変化に対し、前記ノイズの除去の強度を精度よく変更することが好ましい。そこで、前記エッジ強調手段は、前記表示装置から前記取得手段が取得した実際のダイナミックレンジを利用することが好ましい。
【0020】
なお、出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置と、該表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する上記構成の画像処理装置とを備える表示システムであれば、上述の効果と同様の効果を奏することができる。
【0021】
また、表示すべき画像に応じてダイナミックレンジが変化する表示装置の例としては、複数の発光ダイオードをバックライトとして利用したLCD(液晶表示装置)、画素ごとに発光素子を備えたPDP、などが挙げられる。
【0022】
そのうち、前記表示すべき画像を表示するための複数の発光素子を備えており、前記表示すべき画像の黒領域に対応する前記発光素子の発光を停止する表示装置に対し本発明は好適である。さらに、前記発光素子の発光の停止による余剰の電力を、前記表示すべき画像の白領域に対応する前記発光素子に追加供給する表示装置に対し本発明はさらに好適である。
【0023】
本発明に係る表示システムは、出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置と、該表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理装置とを備える表示システムであって、上記課題を解決するために、前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得手段と、該取得手段が取得したダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理手段とを備え、前記表示装置は、前記表示すべき画像を表示するための複数の発光素子を備えており、前記表示すべき画像の黒領域に対応する前記発光素子の発光を停止しており、前記表示装置は、前記発光素子の発光の停止による余剰の電力を、前記表示すべき画像の白領域に対応する前記発光素子に追加供給することを特徴としている。
【0024】
なお、外部から画像の信号を受信し、受信した画像の信号に基づいて画像を表示するテレビジョン受像機である表示システムに本発明は好適である。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に係る画像処理装置は、表示すべき画像に応じて表示装置のダイナミックレンジが変化しても、当該表示すべき画像は、前記ダイナミックレンジに応じた程度で画像の処理が行われたものであるので、前記表示装置に表示される画像のノイズ感、精細感、鮮鋭感などを揃えることができ、前記表示装置の表示品質の劣化を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態であるテレビにおける映像処理回路の概略構成を示すブロックズである。
【図2】上記テレビの概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記テレビにおけるLCDコントローラおよびLCDの概略構成を示すブロック図である。
【図4】上記LCDにおけるLEDバックライトの制御と、上記LCDのダイナミックレンジの変化との関係を示す図である。
【図5】上記LEDバックライトの輝度情報の一例を表形式で示す図である。
【図6】2次微分を利用して映像のエッジ強調を行う方法を示すグラフである。
【図7】映像のノイズ除去の係数と、映像のエッジ強調の係数とがダイナミックレンジに対しどのように変化するかを示すグラフである。
【図8】本発明の別の実施形態であるテレビにおける映像処理回路の概略構成を示すブロック図である。
【図9】或る映像における輝度信号のヒストグラムの一例を示すグラフである。
【図10】本発明の他の実施形態であるテレビにおける映像処理回路の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。図2は、本実施形態であるテレビジョン受像機(以下「テレビ(TV)」と略称する。)1の概略構成を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、テレビ(表示システム)1は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)レシーバ100、映像入力端子101a、音声入力端子101b、BDドライブ102、チューナ103、IP放送チューナ104、衛星放送チューナ105、OSD生成部106、映像セレクタ107、映像処理回路(画像処理装置)108、LCDコントローラ(表示装置)109、LCD(表示装置)110、音声セレクタ111、音声処理回路112、デジタルアンプ113、スピーカ114、イーサネット(登録商標)I/F115、ROM(Read-Only Memory)116、RAM(Random Access Memory)117、CPU(Central Processing Unit)118、赤外線受光部119、カメラ120、及び、人感センサ121を備えている。図2においては、映像信号の経路を実線で、音声信号の経路を1点鎖線で、データや制御信号の経路(バス)を太線で示している。
【0029】
(1)HDMIレシーバ100が受信した映像、(2)映像入力端子101aから入力された映像、(3)BDドライブ102がBD(Blu-ray Disc)から読み出した映像、(4)(地上波デジタル放送用)チューナ103が受信した映像、(5)IP放送チューナ104が受信した映像、及び、(6)衛星放送チューナ105が受信した映像は、それぞれ、映像セレクタ107に供給される。また、(1)HDMIレシーバ100が受信した音声、(2)音声入力端子101bから入力された音声、(3)BDドライブ102がBDから読み出した音声、(4)チューナ103が受信した音声、(5)IP放送チューナ104が受信した音声、及び、(6)衛星放送チューナ105が受信した音声は、それぞれ、音声セレクタ111に供給される。
【0030】
なお、(a)チューナ103が何れのチャンネルを介して伝送されたコンテンツを受信するか、(b)IP放送チューナ104が何れのサーバから配信されたコンテンツを受信するか、(c)衛星放送チューナ105が何れのチャンネルを介して伝送されたコンテンツを受信するかを決める選択制御は、CPU118によって行われる。また、(d)BDドライブ102における再生、停止、早送り、巻戻し、チャプタ遷移などの再生制御も、CPU118によって行われる。
【0031】
映像セレクタ107は、(1)HDMIレシーバ100から供給された映像、(2)映像入力端子101aから供給された映像、(3)BDドライブ102から供給された映像、(4)チューナ103から供給された映像、(5)IP放送チューナ104から供給された映像、及び、(6)衛星放送チューナ105から供給された映像のうちの何れか1つを選択する。映像セレクタ107によって選択された映像は、映像処理回路108に供給される。なお、映像セレクタ107が何れの映像を選択するかは、CPU118によって制御される。
【0032】
映像処理回路108は、映像セレクタ107から供給された映像に対し、画質の調整、スケーリング、画像強調などの映像処理を施す。映像処理回路108によって映像処理が施された映像は、LCDコントローラ109に供給される。
【0033】
ここで、画質の調整とは、例えば、輝度、シャープネス、及び、コントラストの少なくとも何れかを変化させることを指す。また、スケーリングとは、表示すべき映像本来のアスペクト比を保ったままサイズを縮小することを指す。また、画像強調は、画像を鮮鋭化したり、画像の線及びエッジを強調したり、画像のノイズを除去したりするなどして、見易い画像に変換することを指す。なお、映像処理回路108が画質をどのように変化させるか、映像をどの程度縮小するか、及び画像強調をどの程度行うかは、CPU118によって制御される。また、映像処理回路108の詳細については後述する。
【0034】
LCDコントローラ109は、映像処理回路108から供給された映像が表示されるようにLCD110を駆動する。これにより、映像セレクタ107により選択された映像がLCD110から出力される。なお、OSD生成部106からOSD画像が供給されている場合、LCDコントローラ109は、OSD生成部106から供給されたOSD画像を映像処理回路108から供給された映像に重ねて表示する。また、LCDコントローラ109及びLCD110の詳細については後述する。
【0035】
音声セレクタ111は、HDMIレシーバ100から供給された音声、映像入力端子101aから供給された音声、BDドライブ102から供給された音声、チューナ103から供給された音声、IP放送チューナ104から供給された音声、及び、衛星放送チューナ105から供給された音声のうちの何れか1つを選択する。音声セレクタ111によって選択された音声は、音声処理回路112に供給される。なお、音声セレクタ111が何れの音声を選択するかは、CPU118によって制御される。ただし、映像セレクタ107における映像の選択と、音声セレクタ111における音声の選択とは連動しており、例
えば、映像セレクタ107がHDMIレシーバ100から供給された映像を選択しているときには、音声セレクタ111もHDMIレシーバ100から供給された音声を選択する。
【0036】
音声処理回路112は、音声セレクタ111から供給された音声の音量及び音質を調整する。ここで、音質の調整とは、音声セレクタ111から供給された音声の周波数特性を変化させること(例えば、低域の強調や高域の強調など)を指す。音声処理回路112によって音量及び音質を調整された音声は、デジタルアンプ113に供給される。なお、音声処理回路112によって音量及び音質をどのように変化させるかは、CPU118によって制御される。
【0037】
デジタルアンプ113は、音声処理回路112から供給された音声が出力されるようにスピーカ114を駆動する。これにより、音声セレクタ111により選択された音声がスピーカ114から出力される。
【0038】
CPU118は、赤外線受光部119が受信したリモコン信号、カメラ120が撮像した画像、及び、人感センサ121が出力する出力信号に応じて上記各部を制御する。人感センサ121の出力信号は、その感知範囲内に視聴者が存在するか否かを示す2値信号である。赤外線受光部119を用いた制御としては、例えば、チューナ103にて選択するチャンネルをリモコン信号に応じて切り替える制御や、映像セレクタ107及び音声セレクタ111にて選択する映像及び音声をリモコン信号に応じて切り替える制御などが挙げられる。また、カメラ120を用いた制御としては、例えば、映像処理回路108において画質をどのように調整するかを、撮像した画像に基づいて特定した視聴者に応じて切り替える制御などが挙げられる。また、人感センサ121を用いた制御としては、例えば、LCD110のバックライトを点灯するか消灯するかを、感知結果に応じて切り替える制御などが挙げられる。
【0039】
また、CPU118は、HDMIレシーバ100が外部装置(図示せず)から受信したCEC(Consumer Electronics Control)コマンドを実行したり、HDMIレシーバ100が上記外部装置に送信するCECコマンドを生成したりすることによって、上記外部装置との連携動作を実現する。上記外部装置の例としては、携帯電話端末、HDD(Hard Disk Drive)レコーダなどが挙げられる。
【0040】
ROM116は、CPU118によって実行されるプログラムなどの固定データが格納される、読み出し可能かつ書き込み不能なメモリである。OSD画像を生成するためにOSD生成部106が参照するJPEGデータやSVG(Scalable Vector Graphics)データなども、このROM116に格納される。一方、RAM117は、CPU118が演算のために参照するデータ、及び、CPU118が演算によって生成したデータなどの可変データが格納される、読み出し可能かつ書き込み可能なメモリである。
【0041】
イーサネット(登録商標)I/F115は、テレビ1をネットワークに接続するためのインターフェースである。上述したIP放送チューナ104は、このイーサネット(登録商標)I/F115を介してインターネット上のサーバにアクセスする。
【0042】
なお、テレビ1は、通信機能を有している。すなわち、電子メールクライアント、ウェブブラウザ、通話用アプリケーションなどの通信用アプリケーションを実行する機能を有している。このような機能は、CPU118がROM116に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、テレビ1に通話機能を持たせる場合、通話時にユーザの声を拾うためのマイクをテレビ1(または、テレビ1を操作するためのリモコン)に内蔵することが望ましい。
【0043】
次に、LCDコントローラ109およびLCD110の詳細について説明する。図3は、LCDコントローラ109およびLCD110の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
図3に示すように、本実施形態では、LCD110は、液晶モジュール10の背面側に複数のLEDがLEDバックライト11として設けられた構成である。また、LCDコントローラ109は、供給された映像を表示するように液晶モジュール10を制御する表示制御部12と、LEDバックライト11を制御するバックライト制御部13とを備える構成である。
【0045】
本実施形態では、バックライト制御部13は、供給された映像に基づいて、LEDバックライト11の個々のLEDの輝度を制御する。これにより、LCD110のダイナミックレンジを変更することができる。この点について、図4および図5を参照して詳細に説明する。
【0046】
図4は、LEDバックライト11の制御と、LCD110のダイナミックレンジの変化との関係を示す図である。同図の上段および下段には、3つの液晶モジュール10およびLEDバックライト11と、3つのダイナミックレンジとが、それぞれ対応づけて示されている。
【0047】
図4の左側には、バックライト制御部13が、LEDバックライト11におけるLEDを個別に制御しない場合が示されている。この場合、LEDバックライト11から均一な輝度の光が液晶モジュール10を介して出射されることになる。また、この場合、LCD110のダイナミックレンジは、液晶モジュール10のコントラスト比に対応することになる。
【0048】
図4の中央には、バックライト制御部13が、供給された映像における黒領域に対応するLEDバックライト11のLEDを非点灯(発光停止)に制御する場合、すなわちローカルディミングを行う場合が示されている。この場合、上記黒領域に対応するLEDが非点灯となることにより、該LEDから液晶モジュール10を介して出射される光の輝度が低下することになる。これにより、LCD110のダイナミックレンジが広がることになる。
【0049】
図4の右側には、バックライト制御部13が、非点灯のLEDによる余剰の電力を、供給された映像における白領域に対応するLEDバックライト11のLEDに追加供給するように制御する場合が示されている。この場合、上記白領域に対応するLEDの輝度が増加するので、該LEDから液晶モジュール10を介して出射される光の輝度が増加することになる。これにより、LCD110のダイナミックレンジがさらに広がることになる。
【0050】
図4に示すように、バックライト制御部13は、1画面を複数のエリアに分割し、各エリアにおけるLEDバックライト11の輝度情報を、供給された映像に基づいて算出する。バックライト制御部13は、算出した輝度情報に基づいて、LEDバックライト11のLEDの輝度を制御する。
【0051】
図5は、LEDバックライト11の輝度情報の一例を表形式で示す図である。図示の例では、16×9=144のエリアに分割されており、図4に示す映像に基づいて上記輝度情報が算出されている。図5の例では、輝度情報が0であるエリアのLEDには、電力が供給されず、輝度情報が100を超えているエリアのLEDには、追加電力が供給される。
【0052】
なお、LEDバックライト11のLEDがエリアごとに配置されていることが望ましい。この場合、バックライト制御部13によるLEDの輝度制御が容易となる。また、表示制御部12の表示制御とバックライト制御部13の輝度制御とは連動させることが望ましい。例えば、バックライト制御部13が、上記LEDについて非点灯としたり、輝度を増加したりすると、表示ムラが発生する虞がある。このため、表示制御部12は、上記表示ムラを抑えるように液晶モジュール10を制御することが望ましい。
【0053】
次に、本実施形態の映像処理回路108の詳細について説明する。図1は、映像処理回路108の上記画像強調に関する概略構成を示すブロック図である。図示のように、映像処理回路108は、映像検出回路20、ノイズ検出回路21、ノイズ除去回路(取得手段、画像処理手段、ノイズ除去手段)22、エッジ強調回路(取得手段、画像処理手段、エッジ強調手段)23、および合成回路24を備える構成である。
【0054】
映像検出回路20は、映像セレクタ107から供給された映像における輝度信号のヒストグラム、APL(Average Picture Level)など、上記映像に関する各種情報を検出する。映像検出回路20によって検出された情報は、映像処理回路108における各種の映像処理に利用される。
【0055】
ノイズ検出回路21は、映像セレクタ107から供給された映像に含まれるノイズを検出する。ノイズ検出回路21によって検出された映像のノイズ成分は、ノイズ除去回路22に供給され、映像のノイズ以外の成分は、エッジ強調回路23に供給される。
【0056】
ノイズ除去回路22は、ノイズ検出回路21から供給された映像のノイズ成分を除去する。ノイズ除去回路22によってノイズ成分が除去された映像の処理後の成分は、合成回路24に供給される。
【0057】
上記ノイズ成分を除去する方法の一例として、時間軸のIIR(無限パルス応答)フィルタを利用する方法が挙げられる。この方法では次式の演算が行われる。
【0058】
=YN−1×α+YCUR×(1−α) ・・・(1)
ここで、Yは第Nフレームの輝度信号、YN−1は第(N−1)フレームの輝度信号、YCURは処理対象のフレーム(第Nフレーム)のオリジナルの輝度信号を表す。また、αはノイズ除去効果に関する係数であり、0〜1の値である。係数αを大きくするほど前のフレーム(第(N−1)フレーム)の影響が大きくなり、ノイズの除去効果が大きくなる。なお、上記ノイズ成分を除去するその他の方法を利用してもよい。
【0059】
エッジ強調回路23は、ノイズ検出回路21から供給された映像のノイズ以外の成分に対し、エッジの強調を行う。エッジ強調回路23によってエッジが強調された映像の処理後の成分は、合成回路24に供給される。
【0060】
上記エッジを強調する方法の一例として、2次微分を利用する方法が挙げられる。図6は、2次微分を利用して上記エッジを強調する方法を示すグラフである。まず、同図の(a)のような輝度信号(原信号)に対し、2次微分を行うと、同図の(b)のようになり、さらに係数βで乗算すると、同図の(c)のようになる。そして、原信号−(原信号の2次微分)×βを算出すると、同図の(d)のようになり、エッジの強調された信号となる。係数βを大きいほど、エッジの強調の程度が大きくなる。なお、上記エッジを強調するその他の方法を利用してもよい。
【0061】
合成回路24は、ノイズ除去回路22からの映像の処理後の成分と、エッジ強調回路23からの映像の処理後の成分とを合成して、画像強調後の映像を作成する。合成回路24によって合成された画像強調後の映像は、LCDコントローラ109に供給される。
【0062】
本実施形態では、ノイズ除去回路22は、LCD110のダイナミックレンジをLCDコントローラ109から取得し、取得したダイナミックレンジに応じて、ノイズ除去の強度を変更している。また、エッジ強調回路23は、LCD110のダイナミックレンジをLCDコントローラ109から取得し、取得したダイナミックレンジに応じて、エッジの強調の強度を変更している。
【0063】
具体的には、LCDコントローラ109のバックライト制御部13は、上述のように算出した、各エリアにおけるLEDバックライト11の輝度情報(図5)から、最大値および最小値を抽出する。次に、バックライト制御部13は、抽出した最大値および最小値の差をLCD110のダイナミックレンジとして、ノイズ除去回路22およびエッジ強調回路23に送信する。これにより、ノイズ除去回路22およびエッジ強調回路23は、LCD110のダイナミックレンジを取得できる。
【0064】
次に、ノイズ除去回路22およびエッジ強調回路23は、取得したダイナミックレンジに応じて、係数αおよび係数βをそれぞれ変更する。図7の(a)・(b)は、それぞれ、係数αおよび係数βがダイナミックレンジに対しどのように変化するかを示すグラフである。
【0065】
図7の(a)に示すように、ノイズ除去回路22では、ダイナミックレンジが大きくなるにつれて、係数αを大きくし、ノイズの除去効果を大きくしている。これにより、ダイナミックレンジが大きくなっても、ノイズの目立たない画像を表示することができる。
【0066】
また、図7の(b)に示すように、エッジ強調回路23では、ダイナミックレンジが大きくなるにつれて、係数βを小さくし、エッジの強調の程度を小さくしている。これにより、ダイナミックレンジが大きくなっても、エッジの目立ちすぎない画像を表示することができる。
【0067】
また、表示すべき映像に応じてダイナミックレンジが変化しても、当該表示すべき映像は、上記ダイナミックレンジに応じた程度でノイズ除去およびエッジ強調が行われたものであるので、LCD110に表示される画像のノイズ感、精細感、鮮鋭感などを揃えることができる。従って、LCD110の表示品質の劣化を抑制することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、図7に示すように、取得されたダイナミックレンジに応じた係数α・βが決定される。しかしながら、ダイナミックレンジは、映像に応じて頻繁に変化する可能性があり、この場合、係数α・βが頻繁に変更されて、表示される映像に違和感が発生する可能性がある。そこで、次式のように、係数α・βにLPF(Low Pass Filter)を施して、係数α・βを滑らかに変化させてもよい。
【0069】
α(第Nフレーム)=(α(第(N−3)フレーム)×1+α(第(N−2)フレーム)×2+α(第(N−1)フレーム)×3+α(LPF前の第Nフレーム)×4)/10 ・・・(2)
β(第Nフレーム)=(β(第(N−3)フレーム)×1+β(第(N−2)フレーム)×2+β(第(N−1)フレーム)×3+β(LPF前の第Nフレーム)×4)/10 ・・・(3)
この場合、映像に応じてダイナミックレンジが頻繁に変化しても、係数α・βが滑らかに変更されるので、表示される映像に違和感が発生することを抑制できる。
【0070】
また、ダイナミックレンジは1フレームごとに取得してもよいし、所定のフレームごと、または所定時間ごとに取得してもよい。さらに、所定のフレームごと、または所定時間ごとに、複数のダイナミックレンジを取得してもよいし、該複数のダイナミックレンジの平均値を取得してもよい。このように、ダイナミックレンジを取得するタイミングは任意に設定することができる。
【0071】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について、図8および図9を参照して説明する。本実施形態のテレビ1は、図1〜図7に示すテレビ1に比べて、映像処理回路108の構成が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
図8は、本実施形態における映像処理回路108の上記画像強調に関する概略構成を示すブロック図である。図示のように、LCD110のダイナミックレンジに基づく映像処理回路108の制御が、図1ではフィードバック型であるのに対し、本実施形態ではフィードフォワード型となっている。
【0073】
本実施形態の映像処理回路108は、図1に示す映像処理回路108に比べて、映像検出回路30の構成が異なり、その他の構成は同様である。映像検出回路30は、図1に示す映像検出回路20の機能に対し、映像セレクタ107から供給された映像から、LCD110のダイナミックレンジを推定する機能を追加している。
【0074】
上記ダイナミックレンジを推定する方法の一例として、映像における輝度信号(濃淡情報)のヒストグラムを利用する方法が挙げられる。図4を参照すると、LCD110のダイナミックレンジは、映像における黒領域の存在により最小値が低下し、さらに、映像における白領域の存在により最大値が上昇することが理解できる。特に、黒領域が多く存在し、白領域が少し存在する場合に、ダイナミックレンジが最も広がる。従って、映像の黒領域および白領域から、LCD110のダイナミックレンジがどの程度広がるかを推定することができる。
【0075】
本実施形態の映像検出回路30は、まず、映像セレクタ107から供給された映像から、輝度信号のヒストグラムを算出し、算出したヒストグラムから、上記映像における黒領域のピクセル数と白領域のピクセル数とを算出する。図9は、図4に示される映像における輝度信号のヒストグラムの一例を示すグラフである。図示のグラフにおいて、横軸は輝度信号の量子化単位(LSB)を示し、縦軸はピクセルの度数を示している。輝度信号の最小部分が上記黒領域に対応し、最大部分が上記白領域に対応する。
【0076】
次に、映像検出回路30は、算出した黒領域のピクセル数と白領域のピクセル数とから、LCD110のダイナミックレンジを次式により推定する。
【0077】
(ダイナミックレンジ)=((黒領域のピクセル数)×δ+(白領域のピクセル数)×(1−δ))/全体のピクセル数 ・・・(4)
ここで、係数δは0より大きく1以下の実数である。
【0078】
そして、映像検出回路30は、推定したダイナミックレンジをノイズ除去回路22およびエッジ強調回路23に送信する。これにより、ノイズ除去回路22およびエッジ強調回路23では、取得したダイナミックレンジに応じて、係数αおよび係数βがそれぞれ変更されることになる。
【0079】
〔実施の形態3〕
次に、本発明の他の実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態のテレビ1は、図1〜図7に示すテレビ1に比べて、映像処理回路108の構成が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0080】
図10は、本実施形態における映像処理回路108の上記画像強調に関する概略構成を示すブロック図である。図示のように、本実施形態では、ノイズ除去回路22は、推定されたダイナミックレンジを映像検出回路30から取得するフィードフォワード型である。一方、エッジ強調回路23は、実際のダイナミックレンジをLCDコントローラ109から取得するフィードバック型である。
【0081】
フィードバック型の場合、実際のダイナミックレンジを利用するので、制御の精度が良いが、上記ダイナミックレンジが以前の映像のものであるので、追従性に難がある。一方、フィードフォワード型の場合、推定されたダイナミックレンジを利用するので、制御の精度に難があるが、上記ダイナミックレンジが処理対象の映像のものであるので、追従性が良い。
【0082】
また、ノイズ除去回路22では、図7の(a)に示すように、ダイナミックレンジに対する係数αの変化率が大きい。このため、ノイズ除去回路22をフィードバック型とすると、追従性が悪くなり、表示される映像が一瞬だけノイズっぽくなる虞がある。そこで、本実施形態では、ノイズ除去回路22は、追従性の良いフィードフォワード型としている。
【0083】
一方、エッジ強調回路23では、図7の(b)に示すように、ダイナミックレンジに対する係数αの変化率が小さいので、フィードバック型としても、追従性がさほど悪化しない。そこで、本実施形態では、エッジ強調回路23は、制御の精度の良いフィードバック型としている。このように、フィードバック型およびフィードフォワード型を、映像処理の内容に応じて使い分けることが可能である。
【0084】
なお、ノイズ除去回路22は、映像検出回路30からの推定されたダイナミックレンジと、LCDコントローラ109からの実際のダイナミックレンジとの両方を利用してもよい。この場合、ノイズ除去回路22は、追従性の良いフィードフォワード型と、制御の精度の良いフィードバック型とを併用することになり、LCD110の表示品質の劣化を効果的に抑制することができる。
【0085】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0086】
例えば、上記実施形態では、表示装置としてLCD110を利用している。しかしながら、PDP、ELディスプレイなど、画素ごとに発光素子を備えるFPDでも、図4に示すように表示装置のダイナミックレンジを広げることが可能であるので、上記FPDを上記表示装置として利用してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、LCD110のダイナミックレンジに基づく変更を、ノイズ除去およびエッジ強調などの画像強調に対して適用しているが、画質の調整など、任意の映像処理に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明に係る画像処理装置は、表示すべき画像に応じて表示装置のダイナミックレンジが変化しても、当該表示すべき画像は、前記ダイナミックレンジに応じた程度で画像の処理が行われたものであるので、前記表示装置に表示される画像のノイズ感、精細感、鮮鋭感などを揃えることができ、前記表示装置の表示品質の劣化を抑制することができるので、表示すべき画像に応じてダイナミックレンジが変化する任意の表示装置のための画像処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 テレビ(表示システム)
10 液晶モジュール
11 LEDバックライト
12 表示制御部
13 バックライト制御部
20 映像検出回路
21 ノイズ検出回路
22 ノイズ除去回路(取得手段、画像処理手段、ノイズ除去手段)
23 エッジ強調回路(取得手段、画像処理手段、エッジ強調手段)
24 合成回路
30 映像検出回路
108 映像処理回路(画像処理装置)
109 LCDコントローラ(表示装置)
110 LCD(表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理装置であって、
前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得手段と、
該取得手段が取得したダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理手段とを備えており、
前記取得手段は、前記画像処理手段が処理すべき画像から前記ダイナミックレンジを推定して取得することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記表示装置における実際のダイナミックレンジを前記表示装置から取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理装置であって、
前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得手段と、
該取得手段が取得したダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理手段とを備えており、
前記画像処理手段は、前記画像に含まれるノイズを除去するノイズ除去手段を備えており、
該ノイズ除去手段は、前記取得手段が取得したダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記ノイズの除去の強度を大きくすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
前記ノイズ除去手段は、処理対象の画像から前記取得手段が推定したダイナミックレンジを利用するか、或いは、該ダイナミックレンジと、前記表示装置から前記取得手段が取得した実際のダイナミックレンジとの両方を利用することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理装置であって、
前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得手段と、
該取得手段が取得したダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理手段とを備えており、
前記画像処理手段は、前記画像のエッジ強調を行うエッジ強調手段を備えており、
該エッジ強調手段は、前記取得手段が取得したダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記エッジ強調の強度を小さくすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記エッジ強調手段は、前記表示装置から前記取得手段が取得した実際のダイナミックレンジを利用することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置と、
該表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する請求項1から6までの何れか1項に記載の画像処理装置とを備える表示システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記表示すべき画像を表示するための複数の発光素子を備えており、前記表示すべき画像の黒領域に対応する前記発光素子の発光を停止することを特徴とする請求項7に記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示装置は、前記発光素子の発光の停止による余剰の電力を、前記表示すべき画像の白領域に対応する前記発光素子に追加供給することを特徴とする請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置と、該表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理装置とを備える表示システムであって、
前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得手段と、
該取得手段が取得したダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理手段とを備え、
前記表示装置は、前記表示すべき画像を表示するための複数の発光素子を備えており、前記表示すべき画像の黒領域に対応する前記発光素子の発光を停止しており、
前記表示装置は、前記発光素子の発光の停止による余剰の電力を、前記表示すべき画像の白領域に対応する前記発光素子に追加供給することを特徴とする表示システム。
【請求項11】
前記表示装置は、複数の発光ダイオードをバックライトとして利用した液晶表示装置であることを特徴とする請求項7から10までの何れか1項に記載の表示システム。
【請求項12】
外部から画像の信号を受信し、受信した画像の信号に基づいて画像を表示するテレビジョン受像機であることを特徴とする請求項7から11までの何れか1項に記載の表示システム。
【請求項13】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理方法であって、
前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得ステップと、
該取得ステップにて取得されたダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理ステップとを含んでおり、
前記取得ステップは、前記画像処理ステップが処理すべき画像から前記ダイナミックレンジを推定して取得することを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理方法であって、
前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得ステップと、
該取得ステップにて取得されたダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理ステップとを含んでおり、
前記画像処理ステップは、前記画像に含まれるノイズを除去するノイズ除去ステップを含んでおり、
該ノイズ除去ステップは、前記取得ステップにて取得されたダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記ノイズの除去の強度を大きくすることを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
出力可能な輝度の幅であるダイナミックレンジが、表示すべき画像に応じて変化する表示装置のために、画像の処理を行って前記表示すべき画像を作成する画像処理方法であって、
前記表示装置のダイナミックレンジを取得する取得ステップと、
該取得ステップにて取得されたダイナミックレンジに応じて、前記画像の処理の程度を変更して前記画像の処理を行う画像処理ステップとを含んでおり、
前記画像処理ステップは、前記画像のエッジ強調を行うエッジ強調ステップを含んでおり、
該エッジ強調ステップは、前記取得ステップにて取得されたダイナミックレンジが大きくなるにつれて、前記エッジ強調の強度を小さくすることを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−59089(P2013−59089A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−244896(P2012−244896)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【分割の表示】特願2011−177223(P2011−177223)の分割
【原出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU−RAY DISC
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】