説明

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

【課題】ユーザが指示を行うための適切なシートを簡単に印刷させることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
読取装置が原稿を読み取ることで得られた読取画像の内容に対応するシートであって、当該原稿の読取画像に処理を実行させるためのシートに対応するシート画像を、印刷装置にシートへ印刷させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指示を行うためのシートを印刷させる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、スキャン、カードスロット、FAX等の機能に加えて、ネットワーク機能を備えた複合機(Multifunction Peripheral、以下、「MFP」という)が、そのネットワーク機能を用いてサーバと接続することが知られている。MFPはネットワークを介してサーバ側の能力を利用してサーバ上で様々な機能を動作させることができる。
【0003】
このようなシステムにおいて、ユーザが記入シートに記入を行い、そのシートをスキャナに読み取らせることで、サーバに対して処理内容を指示する技術が知られている。特許文献1に記載のシステムでは、ユーザが記入したシートがスキャナにより読み取られると、その読取画像がサーバに送信され、サーバはユーザがシートに記入した内容に従って、エアコン、テレビ等の電子機器の制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−30774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術のように、ユーザがシートを用いて指示を行う場合、ユーザは、装置に実行させたい処理内容や機能に応じたシートを印刷装置に印刷させる必要がある。
【0006】
しかしながら、たとえばユーザが指示することができる機能が多岐にわたる場合、機能に対応するシートの種類が多くなり、ユーザが所望の種類のシートを印刷させることが困難になる場合がある。
【0007】
そこで本発明は、ユーザが指示を行うための適切なシートを簡単に印刷させることができる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、読取装置が原稿を読み取ることで得られた読取画像を取得する取得手段と、上記取得手段により取得された読取画像の内容を判定する判定手段と、上記判定手段により判定された読取画像の内容に対応するシートであって、上記取得手段により取得された前記原稿の読取画像に処理を実行させるためのシートに対応するシート画像を、印刷装置にシートへ印刷させる印刷制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが指示を行うための適切なシートを簡単に印刷させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1である画像処理システムIDS1を示す構成図である。
【図2】複合機100の概略構成を示すブロック図である。
【図3】サーバ200の概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1においてアプリナビシートを生成する動作のシーケンス図である。
【図5】読取画像の解析処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】「A4/文書」が原稿画像であるときのアプリナビシートANS1を示す。
【図7】アプリナビシートANS1に記入済のアプリナビシートANS2を示す。
【図8】「L版/写真」が原稿画像であるときのアプリナビシートANS3を示す。
【図9】本発明の実施例2である複合機300を示すブロック図である。
【図10】複合機300の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1である画像処理システムIDS1を示す構成図である。
【0013】
画像処理システムIDS1は、通信ネットワークで接続された端末としての複合機100とサーバ200とによって構成されている。複合機100とサーバ200との間で互いに通信する場合、HTTPを通して制御し、複合機100とサーバ200との間の制御プロトコルについては公知の方法を用いる。
【0014】
図2は、複合機100の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
複合機100において、CPU101は、システム制御部であり、複合機100の全体を制御する。ROM102は、CPU101が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(OS)プログラム等の固定データを格納する。本実施例では、ROM102に格納されている各制御プログラムは、ROM102に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0016】
RAM103は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成され、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されている。RAM103には、データが消去されては困るプログラム制御変数等を格納する。また、オペレータが登録した設定値や複合機100の管理データ等を格納するメモリエリアも設けられている。画像メモリ104は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、画像データを蓄積する。また、一部の領域をソフトウエア処理の実行のためのワークエリアとして確保してある。
【0017】
データ変換部105は、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)等の解析や、キャラクタデータのCG(Computer Graphics)展開等、画像データの変換を行う。読取制御部106は、読取部107が、CISイメージセンサによって原稿を光学的に読み取り、電気的な画像データに変換した画像信号を、図示しない画像処理制御部を介して、2値化処理や中間調処理等の各種画像処理を施し、高精細な画像データを出力する。
【0018】
なお、読取制御部106、読取部107は、下記の2つの読取制御方式のどちらを採用するようにしてもよい。第1の方式は、原稿を搬送しながら、固定されているCISイメージセンサで読み取りを行うシート読取制御方式である。また、第2の方式は、原稿台に固定されている原稿を、移動するCISイメージセンサでスキャンするブック読取制御方式である。表示操作部108は、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー等必要最低限のキーと、LED(発光ダイオード)や7seg表示部等を含む。ユーザは、この表示操作部108に含まれているキーを押下することにより、複合機100に指示を与えることができる。そして、複合機100は、ユーザによるキーの押下に応じて指示を入力し、その指示に応じた各種機能を起動する。
【0019】
通信制御部109は、通信ネットワークに接続し、インターネットプロバイダへの接続や、サーバ200との間でのデータや画像情報等の通信を行う。なお、通信ネットワークへの接続に関しては、公知の方法を使用し、その説明を省略する。解像度変換処理部110は、ミリ系の画像データとインチ系の画像データとの相互変換等の解像度変換制御を行う。なお、解像度変換処理部110において、画像データの拡大縮小処理も可能である。符号復号化処理部111は、複合機100で扱う画像データ(非圧縮、MH、MR、MMR、JBIG、JPEG等)を相互に符号復号化処理したり、拡大縮小処理を行ったりする。
【0020】
記録制御部112は、印刷される画像データに対し、図示しない画像処理制御部を介して、スムージング処理や記録濃度補正処理、色補正等の各種画像処理を施すことによって、高精細な画像データに変換し、記録部113に出力する。つまり、記録制御部112は、アプリナビシート取得手段が取得したアプリナビシートを印刷装置に印刷させる印刷制御を実行する。また、記録制御部112は、USBホスト制御部115を制御することによって、記録部113の状態情報データを定期的に取得する役割も果たす。
【0021】
記録部113は、レーザビームプリンタやインクジェットプリンタ等からなる記録部であり、記録制御部112で生成したカラー画像データ、またはモノクロ画像データを印刷部材に印刷する。USBファンクション制御部114は、USBインタフェースの通信制御を行い、USB通信規格に従って、プロトコル制御を行う。CPU101が実行するUSBファンクション制御タスクからのデータを、パケットに変換し、外部の図示しないPCにUSBパケット送信を行い、逆に、外部のPCからのUSBパケットを、データに変換してCPU101に送信する。
【0022】
USBホスト制御部115は、USB通信規格で定められたプロトコルで通信を行う制御部である。USB通信規格は、双方向のデータ通信を高速に行うことができる規格であり、1台のホスト(マスター)に対し、複数のハブまたはファンクション(スレーブ)を接続することができる。USBホスト制御部115は、USB通信におけるホストの機能を有する。上記構成要素101〜106、108〜115は、CPU101が管理するCPUバス121を介して、相互に接続されている。
【0023】
図3は、サーバ200の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
CPU201は、ROM202、RAM203、または、内部記憶装置204、外部記憶装置205を介した外部記憶ディスク206から読み出されたプログラムに従って、システムバスを介してサーバ200の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の制御プログラム等を格納している。
【0025】
RAM203は、一時的にプログラムや画像データを記憶し、サーバ200の処理を高速に動作させるためのものである。内部記憶装置204には、オペレーティングシステム、各種アプリケーションプログラムや画像データ等が格納されている。内部記憶装置204には、複合機100に対する各種制御命令やデータの送受信を行うためのアプリケーションソフト等がインストールされている。また、上記アプリケーションソフトには、アプリナビシートを作成する工程を含む。
【0026】
上記「アプリナビシート」は、ユーザが記入することにより指示を行うためのシートであり、複合機100の読取部107によりシートが読み取られると、そのシートにユーザが記入した内容に応じた処理が実行される。本実施例では特に、アプリナビシートによりサーバ200に対する指示を行うことが可能である。たとえば読取部107によりシートと共に原稿が読み取られると、原稿の読取画像が複合機100からサーバ200に送信され、読取画像を受信したサーバ200において、シートにユーザが記入した内容に従って読取画像に対する処理が実行される。
【0027】
なお、上記のアプリナビシートを印刷する場合に、本実施例では、アプリナビシートに対応するシート画像を、サーバ200のアプリケーションソフトが作成して、作成されたシート画像を通信部209から複合機100に送信する。そして、複合機100が、サーバ200から受信したシート画像を印刷することにより、アプリナビシートを印刷することができる。
【0028】
また、上記のようにシート画像を作成するサーバ200は、複数のアプリケーションソフトのそれぞれに対応する種類のシート画像を作成することが可能である。そして、ユーザが使用するアプリケーションソフトに対応するシート画像を作成して、複合機100にそのシート画像を送信する。具体的には、複合機100の読取部107により原稿が読み取られて、その読取画像がサーバ200に送信されると、サーバ200は、その読取画像に基づき原稿の内容(種類)や大きさを特定する。そして、サーバ200は、特定した原稿の内容(種類)や大きさに応じたシート画像を作成し、複合機100にシート画像を送信する。このシート画像の作成処理の詳細については、図4を用いて後述する。
【0029】
なお、上記のアプリナビシートに対応するシート画像の作成処理は、アプリナビシート作成用のアプリケーションが行ってもよいし、原稿の種類に応じたアプリケーション自身がシート画像を作成してもよい。さらに、シート画像を、アプリケーションソフトが新たに作成する場合に限らない。たとえば、複数種類のシートのそれぞれに対応するシート画像を内部記憶装置204に予め記憶させておき、原稿の種類や大きさに応じたシート画像を内部記憶装置204から読み出して、複合機100へ送信してもよい。
【0030】
このようなアプリケーションソフトは、これらが記憶された他のコンピュータ可読媒体から外部記憶ディスク206(CD/DVDメディア等)によってデータを受け取り、外部記憶装置205を制御することによってインストールされる。
【0031】
操作部207は、オペレータが操作するためのデバイスであり、たとえばキーボードやマウス(不図示)である。オペレータはこの操作部207を操作することにより、サーバ200に対する指示を行うことができる。なお、本実施例ではサーバ200が操作部207を備えるものであるが、サーバ200の外部の操作デバイスが接続されている場合であってもよい。
【0032】
表示部208は、オペレータに対して各種表示を行う。通信部209は、通信ネットワークに接続し、インターネットプロバイダへの接続や、複合機100との間でのデータや画像情報等の通信を行う。なお、通信ネットワークへの接続に関しては、公知の方法を使用し、その説明を省略する。
【0033】
図4は、実施例1においてアプリナビシートを生成する動作を示す全体シーケンス図である。
【0034】
まず、ユーザが、複合機100の表示操作部108を操作し、読取部107による読取と、その読取で得られた読取画像のサーバ200への送信とを指示する。S401で、読取制御部106及び読取部107を用いて、不図示の原稿台やADFに置かれた写真や文書等、ユーザが処理したい原稿を読み取る。続いて、S402で、通信制御部109を用いて、S401で読み取った読取画像をサーバ200に送信する。
【0035】
このときに、複合機100を特定するための情報(シリアル番号、MACアドレス、アカウントとパスワード等)や言語情報や仕向け情報等、各種情報を同時にサーバに通知するようにしてもよい。
【0036】
一方、サーバ200では、S401において複合機100が読み取った読取画像を、通信部209で受信する。続いて、S403で、内部記憶装置204に記憶されている画像解析のアプリケーションを用いて、受信した読取画像を解析し、当該読取画像に対応する原稿の種類を判定する。
【0037】
続いて、S404で、サーバ200は、内部記憶装置204に記憶されているアプリナビシート作成のアプリケーションを用いて、S403で判定された原稿の種類に応じたアプリナビシートに対応するシート画像を作成する。本実施例では、このとき作成されるアプリナビシートにより指示可能な機能に、原稿の種類に関わらず共通のものと、原稿の種類に応じて追加される機能を含ませる。具体的には、読取原稿に対する「メール送信」、「FAX送信」、「メモリカードへの保存」、「ネットワークフォルダーへの保存」の4つの機能を原稿の種類に関わらず共通に指定可能な機能として、その機能のそれぞれを指定するための記入欄をシートに含ませる。
【0038】
一方、原稿の種類に応じた機能として、原稿の種類が写真であると判定された場合には、写真共有サイトへの写真のアップロード機能を指定するための記入欄をアプリナビシートに含ませる。また、原稿の種類が文書であると判定された場合には、文書用の画像補正、コピーを指定するための記入欄を、アプリナビシートに含ませる。アプリナビシートに含まれる内容については、図6〜図8を用いて後述する。
【0039】
なお、S404において、アプリナビシートを作成して取得する代わりに、複数のアプリナビシートを予め、ROM202等に記憶し、S403における画像解析の結果に応じたアプリナビシートを、ROM202等から選択して取得するようにしてもよい。つまり、S404において、複数のアプリナビシートのうちの1つのアプリナビシートを作成または選択して取得するアプリナビシート取得を行う。
【0040】
なお、原稿の種類に依存しない機能として、「メール送信」、「FAX送信」、「メモリカードへ保存」、「ネットワーク上のフォルダーへ保存」としたが、他の機能であってもよい。また、S402で原稿画像と共に、複合機100の言語情報や仕向け情報を受信し、ユーザに適した言語でアプリナビシートを作成するようにしてもよい。また、S404で作成されるアプリナビシートの形式は、複合機100がサポートしている形式であればよい。たとえば、JPEGのような画像であってもよく、PDFのようなページ記述言語で記載されていてもよい。
【0041】
続いて、S405では、S404で生成したアプリナビシートのシート画像を、通信部209を用いて、複合機100に送信する。
【0042】
一方、複合機100では、サーバ200からアプリナビシートのシート画像を通信制御部109で受信する。続いて、S406で、複合機100は、受信したアプリナビシートのシート画像を、記録制御部112を用いて印刷する。続いて、S407で、ユーザは、印刷されたアプリナビシートを参照して、使用したいアプリケーションやパラメータを選択し、アプリナビシートに記入する。続いて、S408で、ユーザが不図示の原稿台やADFに、記入済アプリナビシートを置き、表示操作部108を操作し、シートの読取と、読取画像の送信とを指示すると、読取制御部106が読取部107を用いて、アプリナビシートを読み取る。
【0043】
続いて、S409で、通信制御部109を用いて、S408で読み取った記入済アプリナビシートの読取画像を、サーバ200に送信する。このときに、複合機100を特定するための情報(シリアル番号、MACアドレス、アカウントとパスワード等)や言語情報や仕向け情報等、各種情報を同時にサーバに通知するようにしてもよい。一方、サーバ200では、複合機100から記入済アプリナビシートの読取画像を通信部209で受信する。
【0044】
続いて、S410で、サーバ200は、内部記憶装置204に記憶されているアプリナビシート解析アプリケーションを用いて、受信した記入済アプリナビシートの読取画像を解析する。この読取画像の解析では、マークシート技術やOCR技術等、公知の方法を使用し、その説明を省略する。記入前のアプリナビシートがどのようなものであるかを、アプリナビシート解析アプリケーションが認識する場合、複合機100を特定するための情報を、上記認識のために使用するようにしてもよい。または、S404でアプリナビシートを作成する際に、アプリナビシートの内容を特定するための情報(たとえば、バーコードやQRコード(登録商標)等)を、アプリナビシートに記載するようにしてもよい。最後に、S411で、サーバ200は、S410のアプリナビシートの解析結果に基づいて判定された原稿の種類に応じて、内部記憶装置204に記憶されている、当該原稿の種類に応じたアプリケーションを起動する。
【0045】
図5は、図4のS403における、サーバ200による読取画像の解析処理の動作を示すフローチャートである。まず、S501で、サーバ200が、複合機100から受信した読取画像の原稿種類を判別する。なお、原稿種類を判別する場合、公知の方法を使用し、その説明を省略する。
【0046】
S501で原稿種類を判別した結果、原稿の種類が写真であれば、S502で、アプリナビシートに記載する候補のアプリケーションに、写真用のアプリケーションを追加する。たとえば、「写真焼き増し(写真用の画像補正してコピー)」や「写真共有サイトへのアップロード」等のアプリケーションが追加される。一方、原稿種類を判別した結果、原稿の種類が文書であれば、S503で、アプリナビシートに記載する候補のアプリケーションに、文書用のアプリケーションを追加する。たとえば、「生成するPDFファイルにOCR処理を適用して検索可能PDFを生成する」オプション設定の追加や、「文書用の画像補正してコピー」等のアプリケーションが追加される。
【0047】
続いて、S504で、サーバ200は、受信した読取画像の原稿サイズを判別する。原稿サイズを判別した結果、原稿サイズがL版であればS505へ遷移し、A4であればS506へ遷移し、名刺であればS507へ遷移する。そして、アプリナビシートに記載する候補のアプリケーションに、各画像サイズに適したアプリケーションを追加する。たとえば、原稿サイズが名刺であれば、「サーバ上で動作するユーザ毎の名刺情報を管理する名刺管理アプリケーションに対して、名刺情報を登録する」等のアプリケーションが追加される。この場合、S402で、ユーザを特定する必要があるので、複合機100を特定するための情報(シリアル番号、MACアドレス、アカウントとパスワード等)を、サーバ200に送信する必要がある。また、S403で受信した読取画像を、S411においてアプリケーションを実行させるときに使用する場合があるので、内部記憶装置204に記憶しておく。
【0048】
図6は、図5の処理により、原稿サイズ、原稿種類が「A4/文書」と判定された場合に、サーバ200が作成したアプリナビシートANS1の例を示す図である。
【0049】
アプリナビシートANS1の基本アプリケーション601の欄には、画像解析の結果に関わらないアプリケーションが4つ記載され、アプリケーション毎のパラメータが記載されている。また、共通パラメータ602の欄には、基本アプリケーションを使用した際の共通のパラメータが記載されている。ここでは、共通のパラメータとして、ファイル形式を指定できるものとする。ユーザが実行させる機能として「メモリカードへ保存」もしくは「ネットワーク上のフォルダーへ保存」が選択された場合に、「共通パラメータ」で指定されている種類のファイルが生成されて、上記の機能に応じたフォルダーに格納される。
【0050】
なお、ファイル生成ファイルの種類共通パラメータとして、S403の解析の結果、原稿画像が文書であると判別されると、「検索可能PDF」の項目が記載される。S403の解析の結果、写真であると判別されると、上記「検索可能PDF」の項目は記載されない。
【0051】
また、追加アプリケーション603の欄には、S403の解析の結果、原稿画像がA4/文書であると判別されると、「文書用の画像補正してコピー」のアプリケーションを指定するための記入欄が記載される。これにより、ユーザが文書の原稿を複合機100の読取部107に読み取らせると、ユーザは文書用の画像補正を指示可能なシートを取得することができる。
【0052】
また、ユーザは、基本アプリケーション601、追加アプリケーション603のいずれか1つのアプリケーションを選択し、記載する必要がある。また、必要なパラメータの欄を記載する必要がある。ただし、ユーザが複数のアプリケーションを指定して、読取画像に対してその複数のアプリケーションに応じた複数の処理を実行するようにしてもよい。
【0053】
図7は、サーバ200から受信したアプリナビシートANS1にユーザが記入した記入済アプリナビシートANS2の例を示す図である。S410で、図7に示すアプリナビシートANS2の読取画像がサーバ200に受信された場合、アプリナビシート解析アプリケーションは、次の認識を行う。つまり、ユーザにより指定されたアプリケーションが「メール送信」であり、送信先メールアドレスが「abc@de.jp」、共通パラメータが「検索可能PDF」であることを認識する。そして、サーバ200は、「メール送信」のアプリケーションを起動する。
【0054】
サーバ200の「メール送信」のアプリケーションは、S403において複合機100から受信し、内部記憶装置204に保存されている読取画像を検索可能PDFに変換する。そして、その検索可能PDFファイルを添付して、abc@de.jpのメールアドレスに電子メールを送信する。検索可能PDFへの変換方法や電子メールの送信方法は、公知の方法を使用し、その説明を省略する。
【0055】
図8は、図5の処理により、原稿サイズ、原稿種類が「L版/写真」とサーバ200に判定された場合に作成されるアプリナビシートANS3の例を示す図である。
【0056】
アプリナビシートANS3の基本アプリケーション801、共通パラメータ802の欄は原稿が文書であった場合と共通であり、それぞれ図6に示す基本アプリケーション601、共通パラメータ602と同じであるので、それらの説明を省略する。
【0057】
ここでは、複合機100により読み取られた原稿の種類が写真であると判定されているので、アプリナビシートANS3の追加アプリケーション803の欄には、「写真共有サイトにアップロード」のアプリケーションが記載されている。これにより、ユーザは、写真原稿を複合機100に読み取らせることにより、写真原稿に応じたサービスである「写真共有サイト」を利用して、そのサイトに写真原稿の読取画像をアップロードさせることができる。
【0058】
なお、ユーザが写真共有サイトを利用する場合、ユーザは、その写真共有サイトに登録されているアカウントとパスワードを入力し、サイトから認証される必要がある。そこで、図8に示すアプリナビシートには、写真共有サイトのアカウント・パスワードを記載するための記入欄が設けられている。ユーザがこの記入欄にアカウント・パスワードを記入して複合機100で読み取らせると、S410において、サーバ200により、ユーザがシートに記入したアカウント・パスワードが取得される。そして、S410により、写真共有サイトにアクセスするためのアプリケーションにより、アカウント・パスワードが写真共有サイトのサーバに送信されて、そのサーバにおいて認証が行われる。そして、ユーザ認証が行われると、S403において複合機100から受信していた読取画像を写真共有サイトのサーバに送信して、そのサーバに読取画像を格納させる。
【0059】
また、図6、図8に示す例では、アプリナビシートを、1枚のシートで実現しているが、アプリケーションの数が多くて、1枚のシートに入らない場合、複数枚のシートで構成したアプリナビシートを使用するようにしてもよい。また、追加アプリケーション603や追加アプリケーション803の欄には、1つのアプリケーションと1つのパラメータとが記載されているが、2つ以上の追加アプリケーションを記載するようにしてもよい。
【0060】
また、たとえば、「A4/文書」の原稿画像を送信する場合であっても、図8に示すアプリナビシートANS3における「写真共有サイトにアップロード」のアプリケーションを使いたいユーザが存在する可能性がある。このために、図示しない「全ての追加アプリケーションを記載したシートを印刷する」等の選択肢を記載した場合、図5に示す画像の解析処理の結果に関わらず、全ての追加アプリケーションを記載したシートを印刷する等の機能を持つようにしてもよい。
【0061】
上記実施例によれば、読取装置により原稿が読み取られると、その原稿の種類や大きさが判定されて、判定された種類や大きさに応じたシートが印刷される。そして、そのシートがユーザに記入されて読取装置により読み取られることにより、上記原稿の読取画像に対する処理を行う。
【0062】
したがって、上記実施例によりユーザは、読取装置に原稿を読み取らせることによって、その原稿に対応し、その原稿の読取画像を処理する機能を実行させるためのシートを、簡単に取得することができる。また、上記実施例によれば、印刷した記入シートを用いて、サーバと接続して実現する様々なアプリーションを使用することができる。
【0063】
上記実施例においては、複合機100により原稿やアプリナビシートが読み取られると、その原稿やシートの読取画像がサーバ200に送信され、サーバ200により読取画像の解析、シート画像の作成、アプリケーションソフトの実行を行っていた。しかし、この構成に限るものではなく、サーバ200の代わりに、図示しない第2のサーバや、第2の複合機、さらに複合機100と接続されたPC等の外部装置のうちの少なくとも1つを使用するようにしてもよい。また、複合機100の代わりに、端末装置を使用し、サーバ200の代わりに、上記端末装置以外の装置である外部装置を使用するようにしてもよい。
【0064】
なお、上記実施例では、読取画像により、原稿の種類(内容)とサイズの両方を判定し、その判定結果に応じたアプリナビシートを印刷させていた。しかし、これに限らず、原稿の内容とサイズのいずれかを判定して、その判定結果に応じてシートを印刷させるようにしてもよい。
【0065】
さらに、原稿の種類、サイズに限らず、原稿の枚数であってもよい。そして、原稿の枚数に応じた種類のアプリナビシートを印刷する。たとえば、読取画像を解析した結果、1枚の原稿が読み取られたと判定された場合には、その原稿の読取画像をJPEGファイルとしてメモリに記憶させるためのシートを印刷する。一方、複数枚の原稿が読み取られたと判定された場合には、PDFファイル等のマルチページのファイルを作成するためのシートを印刷する。上記のように読取画像の内容に応じて原稿枚数を判定する場合、読取画像の枚数を原稿としてもよいし、読取画像を解析して原稿領域を特定し、その読取画像に含まれる原稿枚数を特定してもよい。
【0066】
また、原稿の大きさを判定する場合、各種の判定方法を採用することができる。たとえば原稿台全面の読取画像をサーバ200が取得して、エッジ判定等により、その読取画像のうちの原稿領域を特定することで、原稿サイズを判定してもよい。もしくは、MFPが備える原稿サイズセンサにより検知した原稿サイズをサーバ200が取得してもよい。さらに、ユーザがMFPに原稿を読み取らせるときに設定した原稿サイズを示す情報を、サーバ200がMFPから取得し、その情報が示す原稿サイズを特定してもよい。
【0067】
また、上記の実施例におけるシートは、ユーザがマーク欄を塗りつぶすことにより、指示を行うものであった。しかし、これに限らず、たとえば読取画像に基づきユーザが記入した文字を文字認識し、その内容に応じて処理を行ってもよいし、またユーザが記入する代わりに、シール等を貼るようにしてもよい。つまり、シートに対してユーザが情報を付加し、その情報に応じて処理を実行するようにすればよく、情報を付加する形式は限定されない。
【実施例2】
【0068】
図9は、本発明の実施例2である複合機300を示すブロック図である。
【0069】
複合機300の構成は、基本的には、複合機100と同じである。ただし、複合機300は、画像処理システムIDS1における複合機100の機能とサーバ200の機能とを有する。つまり、実施例2においては、複合機300自身が、原稿やアプリナビシートの読取、読取画像の解析、シート画像の作成・印刷、アプリケーションソフトの実行を行う。なお、本実施例では複合機はサーバと通信を行う必要はないため、複合機100とサーバ200との間における交信機能と同様の交信機能を持つ必要はない。
【0070】
複合機300において、CPU301は、読取部107が読み取った読取画像に応じた機能を実現するに際してユーザに記載させるためのアプリケーションシートである複数のアプリナビシートのうちの1つのアプリナビシートを作成して取得する。そして、CPU301は、取得されたアプリナビシートを記録部113に印刷させる。
【0071】
図10は、複合機300の動作を示すフローチャートである。
【0072】
S601で、原稿を読み取り、S603で、読み取った読取原稿を解析し、S604で、解析結果に応じたアプリナビシートを作成して取得する。S606で、作成したアプリナビシートを印刷し、この印刷されたアプリナビシートに、S607で、ユーザが記入し、S608で、記入済アプリナビシートを読み取る。そして、S610で、読み取った記入済アプリナビシートの読取画像を解析し、S611で、この解析結果に応じたアプリケーション毎の処理を実行する。
【0073】
なお、S604において、アプリナビシートを作成して取得する代わりに、複数のアプリナビシートを予め、ROM302等に記憶し、画像解析の結果に応じたアプリナビシートを、ROM302等から選択して取得するようにしてもよい。
【0074】
また、以上の実施例は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、上記のプログラムは、1つのコンピュータ(CPU、MPU等)により実行されてもよいし、または複数のコンピュータが協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
100…複合機
112…記録制御部
113…記録部
200…サーバ
206…外部記憶ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取装置が原稿を読み取ることで得られた読取画像を取得する取得手段と;
上記取得手段により取得された読取画像の内容を判定する判定手段と;
上記判定手段により判定された読取画像の内容に対応するシートであって、上記取得手段により取得された上記原稿の読取画像に処理を実行させるためのシートに対応するシート画像を、印刷装置にシートへ印刷させる印刷制御手段と;
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記印刷制御手段は、メモリに予め記憶されている、複数種類のシートのそれぞれに対応する複数のシート画像から、読取画像の内容に対応するシート画像を当該メモリから読み出して、読み出された当該シート画像を印刷装置に印刷させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記印刷制御手段は、読取画像の内容に応じて、シート画像を新たに作成し、作成された当該シート画像を印刷装置に印刷させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記印刷制御手段により印刷され、ユーザにより情報が付加された上記シートを、読取装置が読み取って得られた読取画像を取得する第2の取得手段と;
上記第2の取得手段により取得された読取画像に含まれている、ユーザにより上記シートに付加された上記情報に基づき、上記取得手段により取得された上記原稿の読取画像に処理を実行する実行手段と;
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記判定手段は、上記原稿の読取画像に基づき、当該原稿の種類、大きさ、枚数の少なくとも1つを判定し、上記印刷制御手段は、上記判定手段により判定された当該原稿の当該原稿の種類、大きさ、枚数の少なくとも1つに対するシート画像を印刷させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
読取装置が原稿を読み取ることで得られた読取画像を取得する取得工程と;
上記取得工程において取得された読取画像の内容を判定する判定工程と;
上記判定工程において判定された読取画像の内容に対応するシートであって、上記取得工程において取得された上記原稿の読取画像に処理を実行させるためのシートに対応するシート画像を、印刷装置にシートへ印刷させる印刷制御工程と;
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−98604(P2013−98604A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236915(P2011−236915)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】