説明

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

【課題】撮影画像を絵画調画像に変換する場合、撮影画像としての適度なリアリティと絵画としての趣との双方を備えた画像の生成を可能とする。
【解決手段】撮影画像である元画像データG1を絵画変換し、第1の絵画調画像データG2を生成する。元画像データG1からモノクロ画像データG3を生成し、顔検出で検出した顔領域以外の背景領域をぼかした背景ぼけ画像G4を生成する。背景ぼけ画像G4から、各画素の輝度に応じた透過率を画素毎に設定したα混合データG5等の半透明画像を生成し、半透明画像を第1の絵画調画像データG2に透過合成することによって第2の絵画調画像データG6を生成する。第2の絵画調画像データG6として、第1の絵画調画像データに比べて細部のつぶれが目立たず、かつ無用な刷毛目や色調が現れる度合が減少した画像データが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば写真撮影により得られた撮影画像を、絵画調等の視覚的特徴を備えた画像に変換するための画像処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1には、写真撮影により得られた撮影画像を絵画調(油絵調や水彩画調等)の画像に変換する際、顔認識技術を用いて撮影画像内に存在する人物の種別(年齢、性別、人種等)を特定し、前記撮影画像を、特定した人物の種別に対応付けられている種類の絵画調を備えた画像に変換する(絵画変換する)画像処理技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−139329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の画像処理技術では、人物の種別に応じて画調を変えたとしても、景色や建物等は比較的美しく変換されるが、画像内の細部、特に人物部分は不自然になってしまうことがある。すなわち絵画変換を行うと、人物の顔部分につぶれが生じたり、無用な刷毛目や色調が現れたりして細部のリアリティが失われる。言い換えると絵画的にデフォルメされ過ぎるという課題があった。
【0005】
本発明は、撮影画像を絵画調画像に変換する場合、撮影画像としての適度なリアリティと絵画としての趣との双方を備えた画像の生成を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明においては、撮影画像を、人工的な特徴を備えた第1の変換画像に変換する変換手段と、前記撮影画像の被写体にぼけを生じさせた合成用のぼけ画像を生成するぼけ画像生成手段と、前記ぼけ画像生成手段により生成された前記ぼけ画像を所定の透過率で前記変換手段による変換後の第1の変換画像に透過合成することにより第2の変換画像を生成する透過合成手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影画像を絵画調画像に変換する場合、撮影画像としての適度なリアリティと絵画としての趣との双方を備えた画像の生成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像サービスサイトを含むネットワークを示すブロック図である。
【図2】画像サービスサイトを実現するサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【図3】ぼかし強度テーブルを示す概念図である。
【図4】サーバーの制御部による画像変換処理を示すフローチャートである。
【図5】画像変換処理の要部を示す説明図である。
【図6】人物の顔が存在する元画像と、第1の絵画調画像の例を示す図である。
【図7】図6に対応する背景ぼけ画像と、第2の絵画調画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、SNS機能を持った画像サービスサイト10を含むネットワークを示すブロック図である。画像サービスサイト10は、ユーザーからアップロードされた画像データ(主としてデジタルカメラにより撮影された写真の画像データ)の保存や、アップロードされた画像データの絵画調画像への変換、アップロードされた画像や、変換後の絵画調画像の閲覧、ダウンロード等のサービスを行うサイトである。
【0010】
画像サービスサイト10には、インターネット500を介して、任意のユーザーが使用する複数の端末1−1、1−2、1−3・・・が接続される。端末1−1、1−2、1−3・・・は、通信機能、及び画像データにより表される画像の表示機能を備えた任意の装置であり、例えば通常のパーソナルコンピュータや、スマートフォンを含む携帯電話端末である。
【0011】
図2は、画像サービスサイト10を実現するとともに本発明が適用されたサーバー11の概略構成を示すブロック図である。サーバー11は、主として制御部12と、通信処理部13、表示用バッファ14、管理データ記憶部15、絵画変換部16、画像記憶部17、プログラム記憶部18から構成される。
【0012】
通信処理部13は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に基づいてサーバー11と端末1−1、1−2、1−3・・・との間における、画像データを含む各種のデータの送受信を制御する。
【0013】
管理データ記憶部15は、画像サービスサイト10を利用するユーザー(以下、単にユーザーという。)に関する種々の情報や、それらのユーザーによってアップロードされた画像データ等からなる各種の管理データを記憶する。管理データ記憶部15は、例えばハードディスク装置により構成される。
【0014】
絵画変換部16は、ユーザーからアップロードされた画像データや、画像記憶部17に記憶されている画像データを絵画調画像の画像データ(以下、絵画調画像データという。)に変換する絵画変換処理を行うための画像処理回路、及びメモリ等から構成される。
【0015】
ここで、絵画変換処理とは、写真等の画像を構成する各画素を所定のパラメータ(絵画変換パラメータ)に従って変換し、(a)油絵調、(b)水彩画調、(c)パステル調、(d)色鉛筆画調、(e)クレヨン画調、(f)イラスト画調、(g)点描画調、(h)エアブラシ、(i)シルクスクリーン調、(i)刺繍絵調、(k)コラージュ(糊付け)調、HDR(High Dynamic Range)等、いわゆる絵画調に変換する画像処理である。
【0016】
なお、HDRは、通常の写真では表現できない広いダイナミックレンジの写真を、トーンマッピングにより狭いダイナミックレンジ幅内に入れ込むことで露出過多の白飛びや露出不足の黒つぶれを補正して表現力を増大した画像である。つまりHDRは、撮影画像(写真)を人の脳が受けた記憶や印象に近づけた画像である。
【0017】
絵画変換処理は、原理的にはエフェクト処理の一種であり、基本的にはフォトレタッチソフト等で知られている各種エフェクト処理のパラメータを調整・組み合わせて絵画調に見えるように変換するプログラムが組んであるものである。
【0018】
エフェクト処理としては、例えば以下のような処理がある。
(a)解像度処理・・・画像にテクスチャをマッピングし、特殊な質感を与えるテクスチャ処理、画像を輪郭部・細かい模様などのテクスチャ部・平坦部に分類し、それぞれに適宜処理を施すことで、質感と解像感を高める。
(b)HSV処理・・・色を色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)の3要素に分類して調整する。
(c)RGB処理・・・画像のR(赤)G(緑)B(青)各色の度合いを調整する。
(d)RGB交換処理・・・画像のR(赤)G(緑)B(青)各色の値をR→G→Bの方向に交換する。
(e)エッジ抽出処理・・・ラプラシアンフィルタと呼ばれるフィルタをかけてエッジを抽出する。
(f)中間濃度抽出処理・・・メディアンフィルタと呼ばれるフィルタをかけて中間濃度を抽出する。
(g)濃度抽出処理・・・隣接する画素のRGBのヒストグラムを抽出し、それぞれ最小/中間/最大の濃度を抽出した場合の処理を行う。
(h)イコライズ処理・・・画像の一番暗い部分を黒、一番明るい部分を白とし、間のヒストグラムを適宜分布させ、コントラスト修正を行ったり、画像のヒストグラムを引き伸ばしたりする。
(i)ガンマ補正処理・・・明るい部分と暗い部分を維持して中間的な明るさを調節する。
(j)シャドー処理・・・画像の暗い領域を明るくしたり、明るい領域を暗くしたりする。
(k)ソラリゼーション処理・・・各ピクセルのRGB値が、しきい値以上の明るさの時に、そのRGB値を反転する
(l)ノイズ付加処理・・・ランダムにドットを描画し、ノイズを発生させ、ノイズの量や色を調整する。
【0019】
画像記憶部17は、ユーザーからアップロードされた画像データや、前述した絵画調画像データを記憶する。画像記憶部17は、例えば大容量のハードディスク装置によって構成される画像データベースである。
【0020】
表示用バッファ14は、サーバー11が、画像記憶部17に記憶されている画像データ等をユーザーに閲覧させる際、閲覧用の1又は多数の画像データからなる表示用のデータを記憶するメモリである。
【0021】
制御部12は、サーバー11の全体的な動作、すなわち画像サービスサイト10の運営に要する各種の動作を制御する。また、制御部12は、絵画変換部16と協同して後述するアート変換処理を行う。制御部12は、CPU及びその周辺回路や、作業用の外部メモリ、高機能のグラフィックアクセラレータ等から構成される。
【0022】
プログラム記憶部18は、制御部12に上記の各種処理を行わせるためのプログラム、及び種々のデータを更新可能に記憶するハードディスク装置等の記憶装置である。プログラム記憶部18に記憶されている種々のデータには、図3に示したぼかし強度テーブル100を示すデータも含まれる。
【0023】
ぼかし強度テーブル100は、制御部12が後述する画像変換処理を行う際に、処理対象の撮影画像から生成されるモノクロ画像に対するぼかし処理で使用されるデータであって、図3に示したように、絵画変換部16において変換可能な画調(油絵調、水彩画調、パステル調等)の種類に対応するぼかし強度を示すものである。
【0024】
具体的なぼかし強度は経験則に基づいて予め決められたものであり、基本的には、任意の撮影画像である元画像を絵画調画像に変換したとき元画像の細部に生じる変化が小さな画調のぼかし強度に比べ、元画像の細部に生じる変化が大きな画調のぼかし強度が相対的に高くなっている。例えば油絵調と水彩画調とを比較すると、油絵調のぼかし強度が相対的に高めに調整されており、水彩画調のぼかし強度が相対的に低めに調整されている。
【0025】
以下、サーバー11が、例えばユーザーによりアップロードされた画像や、画像記憶部17に記憶されている画像をユーザーの指示に従い絵画調画像へ変換する際の制御部12の動作について説明する。
【0026】
サーバー11においては、絵画調画像へ変換すべき処理対象の画像(以下、元画像という。)がユーザーによって指定されると、制御部12が図4のフローチャートに示した画像変換処理を実行する。なお、図5は、画像変換処理の要部を示す説明図である。
【0027】
制御部12は、ユーザーによって元画像が指定されることにより処理を開始し、直ちに前処理を行う(ステップS1)。この前処理は、元画像に対して画素単位での画像処理を可能とするために、JPEG形式等の画像データをビットマップ形式の画像データに変換する処理である。
【0028】
次に、制御部12は、ユーザーに、変換したい画調を選択させる(ステップS2)。ユーザーに選択させる画調としては、前述した油絵調、水彩画調、パステル調、色鉛筆画調、HDR等である。
【0029】
次に、制御部12は、ステップS1の前処理で変換した元画像の画像データ(以下、元画像データという)を絵画変換部16へ送り、絵画変換部16に、ユーザーに選択された画調への絵画変換処理を行わせる(ステップS3)。
【0030】
すなわち、制御部12は、絵画変換部16に、選択された画調に応じた画調変換アルゴリズムによる絵画変換処理を行わせることによって、図5に示したように元画像データG1を第1の絵画調画像データG2に変換する。また、制御部12は、絵画変換部16により変換された第1の絵画調画像データG2を表示用バッファ14に確保されている作業領域に保存する。なお、以下の説明においては、ステップS3の処理による変換後の絵画調画像を第1の絵画調画像という。
【0031】
引き続き、制御部12は、絵画変換部16による絵画変換処理とは別に、図5に示したように元画像を対象として画像内に存在する任意の人物の顔を検出する顔検出処理を行う(ステップS4)。顔検出処理は、例えば二値化や輪郭抽出、パターンマッチング等の画像認識技術を用いて、一定範囲の位置関係にある目や鼻や口が存在する人物の顔に相当する特定領域(以下、顔領域という。)を探索する公知の技術を適用した処理である。
【0032】
また、ステップS4の顔検出処理で検出する顔領域は、頭髪部分を除く顔の輪郭によって囲まれる領域である。なお、顔検出処理に際して必要とするパターンデータ等の各種データはプログラム記憶部18に記憶されている。
【0033】
次に、制御部12は顔検出処理の結果に応じて以下の処理を実行する。まず、元画像において任意の人物の顔が検出できなかった場合(ステップS5:NO)、制御部12は、直ちに確認表示を行う(ステップS11)。
【0034】
ステップS11の処理は、表示用バッファ14の作業領域に記憶した、元画像データG1の変換後の画像データを確認用の画素数、例えば800×600画素にリサイズし、ユーザーの端末1へ送り、端末1の画面上に変換後の画像を表示させるための処理である。つまり人物の顔が検出できなかったときのステップS11の処理は、従来行われている一般的な絵画変換によって生成された絵画調画像をユーザーの端末1に画面表示に表示させる処理である。
【0035】
一方、ステップS4の顔検出処理で元画像において任意の人物の顔が検出できた場合(ステップS5:YES)、制御部12は以下の処理を行う。図6(a)は、顔検出処理において人物の顔が検出できた場合における元画像G1、図6(b)は、ステップS3の処理による絵画変換処理後の第1の絵画調画像G2の例を示した図である。なお、図6(a)、図6(b)の各画像には、便宜上、図5に示した対応する各画像データ(元画像データ、第1の絵画調画像データ)と同様の符号を付してある。また、これについては、後述する説明で参照する図7についても同様である。
【0036】
人物の顔が検出できた場合、制御部12は、図5にも示したように、元画像データG1から輝度成分のみからなるモノクロ画像データG3を生成した後(ステップS6)、生成したモノクロ画像データG3に対するぼかし強度を決定する(ステップS7)。
【0037】
ステップS7の処理に際して制御部12は、図3に示したぼかし強度テーブル100を参照し、モノクロ画像データG3に対するぼかし強度として、ユーザーに選択されかつ第1の絵画調画像G2において表現されている画調に応じたぼかし強度を決定する。つまり制御部12は、例えばユーザーに選択された画調が油絵調であったときには、ユーザーに選択された画調が水彩画であったときよりも高めのぼかし強度を決定する。
【0038】
次に、制御部12は、モノクロ画像データG3に対してステップS7の処理で決定したぼかし強度によるぼかし処理を施すことにより、図5に示したように背景ぼけ画像データG4を生成する(ステップS8)。なお、ステップS8のぼかし処理は、例えば移動平均フィルタ、メディアンフィルタ、ガウシアンフィルタといった、公知の平滑化(又は平坦化)フィルタを用いたフィルタリング処理である。ここでぼかし処理とは、所謂ソフトフォーカス処理と明確に区別される狭義のぼかし処理ではなく、所謂ソフトフォーカス処理を含む広義のぼかし処理を意味する。
【0039】
また、ステップS8の処理で制御部12が生成する背景ぼけ画像データG4は、ステップS4の顔検出処理で検出した顔領域を除く画像内の背景領域のみをぼかしたデータである。つまりステップS8の処理に際して制御部12は、画像内の背景領域を対象として、ユーザーに選択されかつ第1の絵画調画像G2において表現されている画調に応じた強度のぼかし処理を行う。なお、画像内の顔領域は、先に述べたように人物の頭髪部分を除く顔の輪郭によって囲まれる領域である。
【0040】
図7(a)は、ステップS8の処理に伴い生成される背景ぼけ画像データG4により表される画像、すなわち背景ぼけ画像の例を示した図である。
【0041】
引き続き、制御部12は、図5に示したように、背景ぼけ画像データG4の各画素に輝度に応じて異なる透過率を設定したα混合データG5を生成する(ステップS9)。その際、制御部12は、背景ぼけ画像データG4の各画素の透過率を、輝度の低い画素に対し輝度の高い画素が相対的に高い透過率となることを基本として所定の透過率に設定する。より具体的に述べると、制御部12は、画調に対応して予め決められている変化特性、すなわち輝度の変化に対する透過率の変化を示す変化特性に従い画素毎の透過率を決定し、それにより、輝度の低い画素に対し輝度の高い画素が相対的に高い透過率となるように設定する。
【0042】
なお、ステップS9の処理で制御部12が生成するα混合データG5は、各画素の色情報に、2つの画像を公知のαブレンディングにより混合して合成するときの画素値の演算に使用される混合係数であるα値を加えた画像データであり、α値により透過率が表されたデータである。
【0043】
しかる後、図5に示したように制御部12は、ステップS9の処理で生成したα混合データG5を、ステップS3で生成した第1の絵画調画像データG2に合成することによって第2の絵画調画像データG6を生成し、生成した第2の絵画調画像データG6を表示用バッファ14の作業領域に記憶する(ステップS10)。
【0044】
ステップS7の合成処理は前述したαブレンディングによるものである。つまり制御部12は、図7(a)に示したような背景ぼけ画像G4を画素毎に透過率が異なる半透明画像として、図6(b)に示したような第1の絵画調画像G2に透過合成することにより、図7(b)に示したような第2の絵画調画像G6を生成する。なお、図7(b)に示した第2の絵画調画像G6はあくまでも便宜的なものである。
【0045】
ここで、第1の絵画調画像G2に透過合成される背景ぼけ画像G4は、顔領域を除く背景領域のみがぼけた画像であるが、背景領域においても細部につぶれが生じたり、無用な刷毛目や等が現れたものではない。そのため、ステップS10の処理で生成される第2の絵画調画像G6においては、第1の絵画調画像G2に比較して元画像G1に近い状態、つまり「写真らしさ」が確保されたものとなる。
【0046】
同時に、背景ぼけ画像G4の顔領域にはぼけが生じていないことから、第2の絵画調画像G6の顔領域には、背景領域よりもさらに元画像G1に近い状態(「写真らしさ」)が確保されたものとなる。なお、第2の絵画調画像G6の他の特徴については後述する。
【0047】
そして、制御部12は、ステップS10の処理で第2の絵画調画像データを生成した後には、ステップS5の処理に際して元画像から任意の人物の顔が検出できなかった場合と同様、前述した確認表示を行う(ステップS11)。すなわち制御部12は表示用バッファ14の作業領域に記憶した第2の絵画調画像データをリサイズしてユーザーの端末1へ送り、端末1の画面上に第2の絵画調画像G6を表示させる。
【0048】
しかる後、制御部12は、ステップS11で確認表示した内容で変換内容を決定するか、または画調を変更するかのいずれかをユーザーに選択させるとともに、決定が選択されなければ(ステップS12:NO)、ステップS2の処理へ戻り、ユーザーに新たな画調を再選択させる。
【0049】
そして、制御部12は、ユーザーから決定指示があれば(ステップS12:YES)、後処理を行う(ステップS13)。ステップS13の後処理は、主として表示用バッファ14に記憶されている第1の絵画調画像データ、又は第2の絵画調画像データを元画像と同様のJPEG形式等の画像データに変換する処理である。これにより、制御部12は、画像変換処理を終了する。なお、ステップS13の後処理を経た画像データは、最終的にはユーザーの端末1へ送られるか、または画像記憶部17に記憶される。
【0050】
以上説明したように本実施形態においては、元画像を絵画調画像に変換する際、元画像が図6(a)に示したような任意の人物の顔が存在するポートレート等の撮影画像であった場合には、図4に示したステップS6〜S10の処理により、最終的な絵画調画像として第2の絵画調画像G6を生成する(図5参照)。
【0051】
すなわち最終的な絵画調画像として、前述したように第1の絵画調画像G2に比較して、顔領域と背景領域とからなる全領域に元画像G1に近い状態(「写真らしさ」)が確保され、かつ顔領域には背景領域よりもさらに元画像G1に近い状態が確保された画像を生成するようにした。
【0052】
したがって、本実施形態によれば、元画像がポートレート等である場合には、元画像を絵画調画像に変換した後においても、画像の細部、特に目、鼻、眉、唇といった人物の顔の細部のリアリティを維持することができ、撮影画像としての適度なリアリティと絵画としての趣との双方を備えた画像を生成することができる。
【0053】
しかも、第1の絵画調画像G2に対し、顔領域を除く画像内の背景領域のみをぼかした背景ぼけ画像G4を透過合成することから、人物の顔部分に、違和感のない状態で他の背景部分よりも顕著なリアリティを確保することができる。
【0054】
また、本実施形態においては、背景ぼけ画像G4を第1の絵画調画像G2に透過合成するとき、背景ぼけ画像G4には画素毎に異なる透過率を設定し、かつ輝度の低い画素の透過率に対して輝度の高い画素の透過率を相対的に高くする構成とした。
【0055】
そのため、例えば背景ぼけ画像G4における人物の顔のうちで、頬などの輝度の高い部分ほど第1の絵画調画像G2に近い状態、つまり「絵画らしさ」が維持され、同時に目、鼻、眉、唇などの輝度の低い部分ほど元画像G1に近い状態、つまり「写真らしさ」が付加される。したがって、最終的な絵画調画像として、撮影画像におけるリアリティと絵画としての趣とがバランス良く表現された画像を生成することができる。
【0056】
さらに、背景ぼけ画像G4における各画素の透過率を、最終的に生成する絵画調画像(第2の絵画調画像G6)に確保すべき目標とする画調に応じた変化特性に従って決定するようにした。したがって、背景ぼけ画像G4における各画素に、目標とする画調に応じた適切な透過率を設定することができ、これによっても、最終的な絵画調画像として、撮影画像におけるリアリティと絵画としての趣とがバランス良く表現された画像を生成することができる。
【0057】
また、背景ぼけ画像G4を生成する際には、モノクロ画像G3の背景領域を、最終的に生成する絵画調画像(第2の絵画調画像G6)に確保すべき目標とする画調に対応した強度でぼかすようにした。すなわち、背景ぼけ画像G4における背景領域のぼけ度合を、絵画変換に伴い細部に生じる変化が大きな画調のときには、絵画変換に伴い細部に生じる変化が小さな画調のときに比べ相対的に強くした。
【0058】
したがって、最終的に生成する絵画調画像において、目標とする画調に関係なく人物の顔以外の部分が必要以上に元画像に近づくことが抑制でき、これによっても、撮影画像におけるリアリティと絵画としての趣とがバランス良く表現された画像を生成することができる。
【0059】
さらに、第2の絵画調画像G6は、背景ぼけ画像G4がモノクロ画像であることから、全体として第1の絵画調画像G2に比べて彩度を低下させることができる。これにより、撮影画像としての適度なリアリティが確保されることと相まって、単に特定の画調を備えるだけでなく、いわゆる「写真油絵」や「横浜写真」が有する独特の風合いをも備えた画像を生成することができる。特に、本実施形態においては、背景ぼけ画像G4の輝度の低い画素の透過率を輝度の高い画素の透過率よりも相対的に低くし、明るい部分に比べて暗い部の彩度を高めにすることによって、より「写真油絵」や「横浜写真」に近い画像を得ることができる。
【0060】
「写真油絵」や「横浜写真」は、幕末から明治中頃、写実的な西洋画や写真技術があいついで日本に導入された頃に盛んに制作されたものである。すなわち「写真油絵」は、焼付け写真紙の表面をフィルム状にはがしたもの(ポジ)に、裏側から着色彩色したものである。また、「横浜写真」は、白黒写真に着色師が色付けした写真である。
【0061】
なお、以上の説明においては、元画像を第1の絵画変換画像に変換するとき、元画像に対して、アフィン変換など歪み変形処理や、バラツキやゆらぎ、非忠実性を含む手書き風タッチなどの特徴(画調)を得るための変形処理を含む絵画変換処理を施す場合についての説明を省略した。元画像に対して変形処理を含む絵画変換処理を施す場合には、背景ぼけ画像を第1の絵画変換画像に透過合成する以前に、背景ぼけ画像にも元画像に対する変形処理と同様の変形処理を施す必要がある。
【0062】
以下、本実施形態の変形例について説明する。本実施形態においては、第1の絵画調画像に透過合成する合成用のぼけ画像を、元画像をモノクロ化した画像にぼかし処理を行い生成した背景ぼけ画像とし、最終的な絵画調画像として「写真油絵」や「横浜写真」が有する独特の風合いを備えた画像を生成するものについて説明した。しかし、背景ぼけ画像は、元画像から生成したカラー画像としてもよい。その場合であっても、撮影画像としての適度なリアリティと絵画としての趣との双方を備えた画像を生成することができる。
【0063】
また、本実施形態においては、背景ぼけ画像G4を第1の絵画調画像G2に透過合成するとき、背景ぼけ画像G4には画素毎に異なる透過率を設定した。しかし、本発明の実施に際しては、各画素の輝度に関係なく背景ぼけ画像に一定の透過率を設定するようにしてもよい。
【0064】
また、本発明において、背景ぼけ画像に一定の透過率を設定して背景ぼけ画像を第1の絵画調画像に透過合成するときの具体的な合成方法は任意であり、例えば背景ぼけ画像をメッシュ状に半透明化して第1の絵画調画像に合成する方法を採用することができる。
【0065】
ここで背景ぼけ画像をメッシュ状に半透明化するとは、例えば背景ぼけ画像を市松模様、チェック柄、ストライプ柄状の画像やα画像に変換する意味である。具体的には、例えば背景ぼけ画像を市松模様とする場合には、市松模様の黒部分を不透明(1または混合率100%)、白部分を透明(0または混合率0%)とし、全画素の1/2を透明で1/2を不透明とすれば、背景ぼけ画像の透過率を50%とすることができる。また、例えば背景ぼけ画像をストライプ柄状の画像とする場合には、黒:白=1:2のストライプ柄とすれば、背景ぼけ画像の混合率を1/3、つまり透過率を33%とすることができる。
【0066】
また、各画素の輝度に関係なく背景ぼけ画像を一定の透過率で第1の絵画調画像に透過合成する場合には、本実施形態とは逆に第1の絵画調画像側に所定の透過率を設定したうえで、第1の絵画調画像と背景ぼけ画像とを合成するようにしてもよい。
【0067】
また、本実施形態においては、背景ぼけ画像における背景領域のぼかし強度を、最終的に生成する絵画調画像(絵画調画像)に確保すべき目標とする画調に対応して予め決められているぼかし強度とした。また、背景ぼけ画像の各画素の透過率を、目標とする画調に応じて予め決められている変化特性に従って決定するようにした。
【0068】
しかし、背景ぼけ画像における背景領域のぼかし強度や、背景ぼけ画像の各画素の透過率は、例えば元画像と第1の絵画調画像との間における局所的な変化度合を確認し、確認した変化度合に基づき決定するようにしてもよい。
【0069】
例えば背景領域のぼかし強度を上記の変化度合に基づいて決定する場合には、ぼかし強度を、上記の変化度合と画調毎に予め決めてある調整値とをパラメータとする所定の関数を用いて算出するようにしてもよい。
【0070】
また、例えば背景ぼけ画像の各画素の透過率を上記の変化度合に基づいて決定する場合には、透過率の決定に際して使用する変化特性を、上記の変化度合に応じて選択的に使用するようにしてもよい。さらに、前述したように背景ぼけ画像に各画素の輝度に関係なく一定の透過率を設定する場合であれば、その透過率を、上記の変化度合と画調毎に予め決めてある調整値とをパラメータとする所定の関数を用いて算出するようにしてもよい。
【0071】
なお、上記の局所的な変化度合は、例えば元画像と第1の絵画調画像とを複数ブロックにそれぞれ分割したときのブロック毎の代表色や、代表色の割合、ブロック毎に輪郭抽出を行い抽出される輪郭線のブロック内における密度といった1又は複数の特徴量に基づいて判断すればよい。
【0072】
また、本実施形態においては、主として元画像において任意の人物の顔を検出し、顔が検出できたことを条件として、顔領域を除く背景領域をぼかした背景ぼけ画像を生成し、生成した背景ぼけ画像を第1の絵画調画像に透過合成するものについて説明した。しかし、本発明においては、元画像における検出対象は必ずしも人物の顔でなくともよく、その領域が検出可能な特定の被写体であれば、花や動物(犬や猫等)が検出対象であっても構わない。
【0073】
また、最終的に生成する絵画調画像において元画像に近いリアリティを確保する領域は、必ずしも画像認識処理によって検出可能な顔領域等でなくともよく、ユーザーにより手動で指定された領域であっても構わない。その場合、制御部12には、例えば以下のような処理を行わせればよい。
【0074】
すなわち、例えば元画像を第1の絵画調画像に変換した後、ユーザーに、タッチパネルやマウス等の操作によって第1の絵画調画像において任意の領域、つまり元画像に近いリアリティの確保を希望する領域を指定させる。そして、制御部12には、ユーザーにより指定された領域を特定領域として検出した後、当該特定領域を除く背景領域のみをぼかした背景ぼけ画像を生成させ、生成した背景ぼけ画像を第1の絵画調画像に透過合成させる処理を行わせればよい。
【0075】
上記のように元画像に近いリアリティを確保する領域をユーザーにより手動で指定された領域とすれば、最終的に生成する絵画調画像において、ユーザーが必要に応じ、かつ好みに応じた部分に、違和感のない状態で他の背景部分よりも顕著なリアリティを確保することができる。
【0076】
また、本実施形態においては、第1の絵画調画像に透過合成する合成用のぼけ画像を、顔領域を除く背景領域にぼかし処理を施した背景ぼけ画像とした。しかし、本発明の実施に際しては、合成用のぼけ画像を画像全体にぼかし処理を施した画像としてもよい。なお、処理を施す画像は、先に述べたように元画像から生成したモノクロ画像に限らず、元画像でもよい。
【0077】
その場合であっても、最終的な絵画調画像として、人物の顔部分はもとより、他の部分についても細部のつぶれが目立たず、かつ無用な刷毛目や色調が現れる度合が減少した画像を生成することができる。したがって、少なくとも第1の絵画調画像に比べれば、絵画としての趣を確保しつつ、リアリティのある画像を得ることができる。
【0078】
さらに、合成用のぼけ画像を画像全体にぼかし処理を施した画像とする場合においては、元画像がポートレート等の撮影画像であるか否かに関係なく、最終的な絵画調画像として、第1の絵画調画像に、画像全体にぼかし処理を施した合成用のぼけ画像を透過合成した画像を生成するようにしても構わない。その場合においても、少なくとも第1の絵画調画像に比べれば、絵画としての趣を確保しつつ、リアリティのある画像を得ることができる。
【0079】
また、本実施形態においては、背景ぼけ画像の生成に際しにおいてぼかし処理を施さない顔領域を、頭髪部分を除く顔の輪郭によって囲まれる領域とする場合について説明した。しかし、顔領域は頭髪部分を含む領域としてもよいし、頭髪部分を含んだ顔部分を囲む矩形又は円形、楕円形等の特定領域としてもよい。
【0080】
また、本実施形態においては、元画像データを第1の絵画調画像データに変換する絵画変換処理を行う絵画変換部16を備えた構成について説明したが、言うまでもなく、本発明の実施に際しては、絵画変換部16に代えて、制御部12に絵画変換処理を行わせる構成を採用することもできる。
【0081】
また、本実施形態においては、主として撮影画像を絵画調画像に変換する場合について説明したが、本発明は、撮影画像を絵画調以外の任意の人工的な特徴を備えた画像に変換する場合にも適用することができる。なお、本発明において人工的な特徴とは、デジタルカメラ等により撮影されデジタルデータとして記録された撮影画像には表現されていない、撮影画像に意図的な加工を施すことによって得られる特徴である。
【0082】
また、ここでは画像サービスサイト10を実現するサーバー11に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、元画像を絵画調画像と初めとする人工的な所定の特徴を備えた種々の画像に変換することができる画像処理機能を備えたものであれば、任意の装置に適用することができる。任意の装置としては、例えばデジタルカメラや、デジタルカメラにより撮影された撮影画像を鑑賞用として表示することを主たる目的とするデジタルフォトフレーム、汎用的なパーソナルコンピュータ等が含まれる。
【0083】
以上、本発明の変形例等について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
撮影画像を、人工的な特徴を備えた第1の変換画像に変換する変換手段と、前記撮影画像の所定領域にぼけを生じさせた合成用のぼけ画像を生成するぼけ画像生成手段と、前記ぼけ画像生成手段により生成された前記ぼけ画像を所定の透過率で前記変換手段による変換後の第1の変換画像に透過合成することにより第2の変換画像を生成する透過合成手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
[請求項2]
前記ぼけ画像生成手段は、前記撮影画像の所定領域にぼかし処理を施すことにより前記ぼけ画像を生成するぼかし手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
[請求項3]
前記ぼけ画像生成手段は、前記撮影画像からモノクロ画像を生成するモノクロ画像生成手段と、前記モノクロ画像生成手段により生成されたモノクロ画像の前記所定領域にぼかし処理を施すことにより前記ぼけ画像を生成するぼかし手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
[請求項4]
前記撮影画像から特定の被写体に相当する被写体領域を検出する検出手段を備え、前記ぼかし手段は、前記検出手段により検出された被写体領域を除く背景領域のみにぼかし処理を施すことを特徴とする請求項2又は3記載の画像処理装置。
[請求項5]
前記検出手段は、前記被写体領域として任意の人物の顔に相当する領域を検出することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
[請求項6]
前記ぼけ画像生成手段は、前記検出手段により前記撮影画像から特定の被写体に相当する被写体領域が検出されたことを条件として前記ぼけ画像を生成し、前記透過合成手段は、前記検出手段により前記撮影画像から特定の被写体に相当する被写体領域が検出されたことを条件として前記第2の変換画像を生成することを特徴とする請求項4又は5記載の画像処理装置。
[請求項7]
前記ぼけ画像生成手段は、前記ぼかし手段が画像にぼかし処理を施す際のぼかし強度を、前記変換手段による前記撮影画像の変換内容に応じて決定することを特徴とする請求項2乃至6いずれか記載の画像処理装置。
[請求項8]
前記透過合成手段は、前記所定の透過率を前記ぼけ画像の各画素の輝度に応じ画素毎に決定し、前記ぼけ画像を第1の変換画像に透過合成することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の画像処理装置。
[請求項9]
前記透過合成手段は、前記所定の透過率を前記ぼけ画像の各画素の輝度と前記変換手段による前記撮影画像の変換内容とに応じ画素毎に決定し、前記ぼけ画像を第1の変換画像に透過合成することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
[請求項10]
前記透過合成手段は、前記所定の透過率を前記変換手段による前記撮影画像の変換内容に応じて決定し、前記ぼけ画像を第1の変換画像に透過合成することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の画像処理装置。
[請求項11]
前記第1の変換画像は特定の画調を有する絵画調画像であり、前記変換手段は前記撮影画像を前記絵画調画像に変換することを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載の画像処理装置。
[請求項12]
撮影画像を、人工的な特徴を備えた第1の変換画像に変換する工程と、前記撮影画像の所定領域にぼけを生じさせた合成用のぼけ画像を生成する工程と、前記前記ぼけ画像を所定の透過率で前記第1の変換画像に透過合成することにより第2の変換画像を生成する工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。
[請求項13]
コンピュータに、撮影画像を、人工的な特徴を備えた第1の変換画像に変換する手順と、前記撮影画像の所定領域にぼけを生じさせた合成用のぼけ画像を生成する手順と、前記前記ぼけ画像を所定の透過率で前記第1の変換画像に透過合成することにより第2の変換画像を生成する手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0084】
11 サーバー
12 制御部
14 表示用バッファ
16 絵画変換部
17 画像記憶部
18 プログラム記憶部
100 ぼかし強度テーブル
G1 元画像データ、元画像
G2 第1の絵画調画像データ、第1の絵画調画像
G3 モノクロ画像データ
G4 背景ぼけ画像データ、背景ぼけ画像
G5 α混合データ
G6 第2の絵画調画像データ、第2の絵画調画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像を、人工的な特徴を備えた第1の変換画像に変換する変換手段と、
前記撮影画像の所定領域にぼけを生じさせた合成用のぼけ画像を生成するぼけ画像生成手段と、
前記ぼけ画像生成手段により生成された前記ぼけ画像を所定の透過率で前記変換手段による変換後の第1の変換画像に透過合成することにより第2の変換画像を生成する透過合成手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ぼけ画像生成手段は、前記撮影画像の所定領域にぼかし処理を施すことにより前記ぼけ画像を生成するぼかし手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ぼけ画像生成手段は、
前記撮影画像からモノクロ画像を生成するモノクロ画像生成手段と、
前記モノクロ画像生成手段により生成されたモノクロ画像の前記所定領域にぼかし処理を施すことにより前記ぼけ画像を生成するぼかし手段と
を含むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記撮影画像から特定の被写体に相当する被写体領域を検出する検出手段を備え、
前記ぼかし手段は、前記検出手段により検出された被写体領域を除く背景領域のみにぼかし処理を施す
ことを特徴とする請求項2又は3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記被写体領域として任意の人物の顔に相当する領域を検出することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ぼけ画像生成手段は、前記検出手段により前記撮影画像から特定の被写体に相当する被写体領域が検出されたことを条件として前記ぼけ画像を生成し、
前記透過合成手段は、前記検出手段により前記撮影画像から特定の被写体に相当する被写体領域が検出されたことを条件として前記第2の変換画像を生成する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記ぼけ画像生成手段は、前記ぼかし手段が画像にぼかし処理を施す際のぼかし強度を、前記変換手段による前記撮影画像の変換内容に応じて決定することを特徴とする請求項2乃至6いずれか記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記透過合成手段は、前記所定の透過率を前記ぼけ画像の各画素の輝度に応じ画素毎に決定し、前記ぼけ画像を第1の変換画像に透過合成することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記透過合成手段は、前記所定の透過率を前記ぼけ画像の各画素の輝度と前記変換手段による前記撮影画像の変換内容とに応じ画素毎に決定し、前記ぼけ画像を第1の変換画像に透過合成することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記透過合成手段は、前記所定の透過率を前記変換手段による前記撮影画像の変換内容に応じて決定し、前記ぼけ画像を第1の変換画像に透過合成することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記第1の変換画像は特定の画調を有する絵画調画像であり、前記変換手段は前記撮影画像を前記絵画調画像に変換することを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載の画像処理装置。
【請求項12】
撮影画像を、人工的な特徴を備えた第1の変換画像に変換する工程と、
前記撮影画像の所定領域にぼけを生じさせた合成用のぼけ画像を生成する工程と、
前記前記ぼけ画像を所定の透過率で前記第1の変換画像に透過合成することにより第2の変換画像を生成する工程と
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
撮影画像を、人工的な特徴を備えた第1の変換画像に変換する手順と、
前記撮影画像の所定領域にぼけを生じさせた合成用のぼけ画像を生成する手順と、
前記前記ぼけ画像を所定の透過率で前記第1の変換画像に透過合成することにより第2の変換画像を生成する手順と
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−98925(P2013−98925A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242576(P2011−242576)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】