説明

画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム

【課題】複数画像を1つの画面に表示する場合において、各画像の端部領域に影響を与えることなく、隣同士に配置された画像間の境界をユーザに認識させないように表示可能な画面を生成する画像処理装置等を提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、複数の画像を配置した画面を生成する画像処理装置であって、複数の画像を、隙間を空けて配置する画像配置部142と、上記隙間を、該隙間に隣接する前記画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間する補間処理部144とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像を処理する画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療診断や検査においては、種々の画像取得装置によって取得された被検体の医用画像を用いて診断を行うことが主流となっている。そのため、医用画像を観察して異常所見のあるものを選び出す読影医の負担を軽減する技術が望まれている。
【0003】
例えば、被検体内に導入されて体内を撮像するカプセル型内視鏡により1回の検査で取得される体内画像の数は、約6万枚に上る。そのため、大量の画像の読影効率を上げるために、複数の画像を1つの画面に同時に表示して観察する場合もある。複数画像を同時に表示する技術としては、例えば、特許文献1に生体内画像ストリームにある複数のフレームを実質的に同時に表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0027500号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の画像を1つの画面に表示する場合、平滑化による畳み込みやミラーリング等の処理により、別個の画像の間の境界線を融合することが知られている。
しかしながら、隣接する画像間の境界線を平滑化等の処理によって融合する場合、各画像の端部領域の画素値に影響を与えてしまう。そのため、例えば、画像内の端部領域に重要な所見箇所がある場合、そのような所見箇所の像の状態を変化させてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、複数画像を1つの画面に表示する場合において、各画像の端部領域に影響を与えることなく、隣同士に配置された画像間の境界をユーザに認識させないように表示可能な画面を生成する画像処理装置、画像処理方法、及び、画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、複数の画像を配置した画面を生成する画像処理装置であって、前記複数の画像を、隙間を空けて配置する画像配置部と、前記隙間を、該隙間と隣接する前記画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間する補間処理部とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記画像処理装置において、前記複数の画像の各々は矩形状をなし、各画像の4隅に位置する三角形状の隅領域をマスキングする画像処理部と、自身及び他の画像によって囲まれる隅領域を補間する隅領域補間部をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
上記画像処理装置において、前記隅領域補間部は、補間対象の前記隅領域内の補間画素の画素値を、前記各画像の画素であって、前記隅領域の境界線に対して前記補間画素と対称な位置にある画素の画素値を用いて算出することを特徴とする。
【0010】
上記画像処理装置において、前記隅領域補間部は、補間対象の前記隅領域内の補間画素の画素値を、マスキングされた前記各画像の端部画素であって、前記境界線に沿った端部画素の画素値を用いて算出することを特徴とする。
【0011】
上記画像処理装置において、前記補間処理部は、前記隙間内の補間画素の画素値を、前記隙間と隣接する2つの画像に含まれる画素であって、該画像と前記隙間との境界に対して前記補間画素と対称な位置にある画素の画素値を用いて算出することを特徴とする。
【0012】
上記画像処理装置において、前記補間処理部は、前記補間画素の画素値を、前記境界に対して前記補間画素と対称な位置にある画素の画素値と、前記境界に対して前記隙間と対称な領域に含まれる画素の画素値の平均値とを、前記境界と前記補間画素との距離に応じてブレンドすることによって算出することを特徴とする。
【0013】
上記画像処理装置において、前記補間処理部は、前記補間画素の画素値を、前記隙間に隣接する2つの画像に含まれる画素であって、前記境界に対して前記補間画素とそれぞれ対称な位置にある2つの画素の画素値を、前記境界と前記補間画素との距離に応じてブレンドすることによって算出することを特徴とする。
【0014】
上記画像処理装置において、前記補間処理部は、前記隙間内の補間画素の画素値を、前記隙間に隣接する2つの画像の端部画素の内、互いに対向する2つの端部画素の画素値の間で傾斜的又は段階的に変化させることによって取得することを特徴とする。
【0015】
上記画像処理装置において、前記補間処理部は、前記隙間の内、前記隅領域補間部によって補間された前記隅領域と隣接する領域内の補間画素の画素値を、前記隙間に隣接する2つの画像に含まれる画素であって、前記隅領域の境界線に対して前記補間画素とそれぞれ対称な位置にある2つの画素の画素値を、前記隙間と該隙間に隣接するいずれかの画像との境界と前記補間画素との距離に応じてブレンドすることによって算出することを特徴とする。
【0016】
上記画像処理装置において、前記画像配置部は、1つの画面に配置される前記複数の画像の向きを、前記複数の画像間で対応する周縁領域の類似度に基づいて決定することを特徴とする。
【0017】
上記画像処理装置において、前記画像配置部は、前記複数の画像間で対応する周縁領域同士の類似度に応じて、前記複数の画像を上下及び/又は左右に反転させることを特徴とする。
【0018】
上記画像処理装置において、前記画像配置部は、前記複数の画像の各々における中心領域と周縁領域との類似度に応じて、前記複数の画像を上下及び/又は左右に反転させることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る画像処理方法は、複数の画像を配置した画面を生成する画像処理装置が行う画像処理方法であって、前記複数の画像を、隙間を空けて配置する画像配置ステップと、前記隙間を、該隙間に隣接する前記画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間する補間処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る画像処理プログラムは、複数の画像を配置した画面を生成する画像処理プログラムであって、前記複数の画像を、隙間を空けて配置する画像配置ステップと、前記隙間を、該隙間に隣接する前記画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間する補間処理ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の画像を隙間を空けて配置し、この隙間を該隙間に隣接する画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間するので、各画像の端部領域に影響を与えることなく、且つ、隣同士に配置された画像間の境界をユーザに認識させないような画面を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す画像処理装置を含む内視鏡システムの概略構成例を示す模式図である。
【図3】図3は、図1に示す画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図1に示す画像処理部によって生成された体内画像の例を示す模式図である。
【図5】図5は、4つの隅領域がマスキングされた体内画像の例を示す模式図である。
【図6】図6は、1画面に表示する画像の組の決定方法を説明する図である。
【図7】図7は、1画面に表示する画像の配置方法を説明する図である。
【図8】図8は、補間対象の隅領域を説明する図である。
【図9】図9は、4つの画像が隙間を空けてマトリックス状に配置された状態を示す図である。
【図10】図10は、4つの画像の間の隙間領域が補間された状態を示す模式図である。
【図11】図11は、4つの画像をつなげた画像に対して隅領域をマスキングした状態を示す図である。
【図12】図12は、隅領域の補間処理を示すフローチャートである。
【図13A】図13Aは、実施の形態1における隅領域の補間処理を説明する図である。
【図13B】図13Bは、実施の形態1における隅領域の補間処理を説明する図である。
【図14】図14は、実施の形態1における隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。
【図15A】図15Aは、実施の形態1における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図15B】図15Bは、実施の形態1における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図15C】図15Cは、実施の形態1における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図15D】図15Dは、実施の形態1における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図15E】図15Eは、実施の形態1における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図16】図16は、実施の形態2における隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。
【図17A】図17Aは、実施の形態2における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図17B】図17Bは、実施の形態2における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図17C】図17Cは、実施の形態2における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図17D】図17Dは、実施の形態2における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図18】図18は、実施の形態3における隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。
【図19A】図19Aは、実施の形態3における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図19B】図19Bは、実施の形態3における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図20】図20は、実施の形態4における隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。
【図21A】図21Aは、実施の形態4における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図21B】図21Bは、実施の形態4における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図21C】図21Cは、実施の形態4における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図21D】図21Dは、実施の形態4における隙間領域の補間処理を説明する図である。
【図22】図22は、実施の形態5における隅領域の補間処理を示すフローチャートである。
【図23】図23は、実施の形態5における隅領域の補間処理を説明する図である。
【図24】図24は、実施の形態5における隅領域の補間処理を説明する図である。
【図25】図25は、実施の形態6における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を示すフローチャートである。
【図26A】図26Aは、実施の形態6における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を説明する図である。
【図26B】図26Bは、実施の形態6における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を説明する図である。
【図27】図27は、実施の形態7における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を示すフローチャートである。
【図28A】図28Aは、実施の形態7における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を説明する図である。
【図28B】図28Bは、実施の形態7における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を説明する図である。
【図29】図29は、実施の形態7における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態においては、一例として、被検体の体内に導入されて体内を撮像するカプセル型内視鏡によって取得された体内画像に対する画像処理について説明するが、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムは、種々の画像取得装置(医用観察装置)によって取得された医用画像の処理に適用することが可能である。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置1は、入力部11と、インタフェース(I/F)部12と、一時記憶部13と、演算部14と、記憶部15と、表示制御部16と、表示部17と、
制御部18とを備える。
【0025】
入力部11は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の入力デバイスによって実現される。入力部11は、ユーザの操作に応じた入力信号を、インタフェース部12を介して制御部18に入力する。
【0026】
インタフェース部12は、USBポート等の外部機器(可搬型の記録媒体から画像データを読み取る読取装置等)との接続ポートを含み、入力部11を介して入力される種々の命令及び情報や、USBポート等を介して入力される画像データ及びその関連情報を表す信号の入力等を受け付ける。
【0027】
一時記憶部13は、DRAMやSRAM等の揮発性メモリによって実現され、インタフェース部12を介して入力された画像データやその関連情報を一時的に記憶する。或いは、一時記憶部13の代わりに、HDD、MO、CD−R、DVD−R等の記録媒体及び該記録媒体を駆動する駆動装置を設け、インタフェース部12から入力された画像データを上記記録媒体に一旦格納するようにしても良い。
【0028】
演算部14は、CPU等のハードウェアによって実現され、画像処理プログラムを読み込むことにより、インタフェース部12から入力された画像データに画像処理を施し、体内画像を所定の形式で表示部17に表示させるための画像データを生成する。
【0029】
より詳細には、演算部14は、一時記憶部13に記憶された画像データに対してホワイトバランス処理、デモザイキング、色変換、濃度変換(ガンマ変換等)、平滑化(ノイズ除去等)、鮮鋭化(エッジ強調等)等の基本的な画像処理を施す画像処理部141と、複数の体内画像が一覧可能に配置された画面を生成するための画像処理を実行する画像配置部142、隅領域補間部143、補間処理部144、及びマスキング部145とを有する。
【0030】
記憶部15は、フラッシュメモリ、RAM、ROM等の半導体メモリや、HDD、MO、CD−R、DVD−R等の記録媒体及び該記録媒体を駆動する駆動装置等によって実現される。記憶部15は、画像処理装置1を動作させると共に種々の機能を画像処理装置1に実行させるためのプログラム、演算部14において画像処理が施された画像データ及びその関連情報、並びにプログラムの実行中に使用されるデータ等を記憶する。例えば、記憶部15は、複数の体内画像が一覧可能に配置された画面を生成する画像処理プログラムを記憶する。
【0031】
表示制御部16は、体内画像や、その他種々の情報を所定の形式で表示するよう表示部17を制御する。
【0032】
表示部17は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の表示装置によって実現される。表示部17は、表示制御部16の制御の下で、例えば複数の体内画像が一覧可能に配置された読影画面を表示する。
【0033】
制御部18は、CPU等のハードウェアによって実現され、記憶部15に記憶された各種プログラムを読み込むことにより、インタフェース部12を介して入力される画像データや各種操作信号等に従って、画像処理装置1を構成する各部への指示やデータの転送等を行い、画像処理装置1全体の動作を統括的に制御する。
このような画像処理装置1は、ワークステーションやパーソナルコンピュータによって実現される。
【0034】
図2は、図1に示す画像処理装置1に入力される体内画像の画像データを取得する内視鏡システムの概略構成例を示す模式図である。図2に示す内視鏡システムは、被検体100の体内に導入されて撮像を行い、体内画像の画像データを無線送信するカプセル型内視鏡20と、カプセル型内視鏡20から無線送信された画像データを受信する受信装置30とを備える。
【0035】
カプセル型内視鏡20は、被検体内を照明する照明素子、被検体内からの反射光を集光する集光レンズ、受光した光を電気信号(撮像信号)に変換するCCD等の撮像素子、撮像素子によって取得された撮像信号を処理する信号処理部を構成するIC、及び送信用無線アンテナ等の各種部品を内蔵している。カプセル型内視鏡20は、被検体100の口から飲み込まれた後、臓器の蠕動運動等によって被検体100の消化管内を移動しつつ、生体部位(食道、胃、小腸、および大腸等)を所定の時間間隔(例えば0.5秒間隔)で順次撮像する。そして、撮像によって得られた撮像信号に対して所定の信号処理を施すことにより画像データを生成し、この画像データを該画像データの関連情報と共に受信装置30に順次無線送信する。この関連情報には、カプセル型内視鏡20の個体を識別するために割り当てられた識別情報(例えばシリアル番号)等が含まれる。
【0036】
受信装置30は、複数(図2においては8個)の受信アンテナ32a〜32hを有するアンテナユニット32を介して、カプセル型内視鏡20から無線送信された画像データ及び関連情報を受信する。各受信アンテナ32a〜32hは、例えばループアンテナを用いて実現され、被検体100の体外表面上の所定位置(例えば、カプセル型内視鏡20の通過経路である被検体100内の各臓器に対応した位置)に配置される。
【0037】
受信装置30は、カプセル型内視鏡20によって撮像が行われている間(例えば、カプセル型内視鏡20が被検体100の口から導入され、消化管内を通過して排出されるまでの間)、被検体100に携帯される。受信装置30は、この間、アンテナユニット32を介して受信した画像データに、各受信アンテナ32a〜32hにおける受信強度情報や受信時刻情報等の関連情報をさらに付加し、これらの画像データ及び関連情報を内蔵メモリに格納する。カプセル型内視鏡20による撮像の終了後、受信装置30は被検体100から取り外され、画像処理装置1のUSBポート等に接続されたクレードル31にセットされる。それにより、受信装置30は画像処理装置1と接続され、内蔵メモリに格納した画像データを画像処理装置1に送信する。
【0038】
次に、図1に示す画像処理装置1の動作について説明する。図3は、画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS11において、画像処理装置1は、カプセル型内視鏡20によって撮像された体内画像の画像データ及び関連情報を受信装置30からクレードル31を介して順次取得し、一時記憶部13に記憶させる。
【0039】
なお、画像処理装置1への画像データ等の取り込みは、上記クレードル31を介した方法に限定されない。例えば、サーバに保存された画像データに対する処理を行う場合には、サーバと接続された通信装置を介して画像データを取り込んでも良いし、CD−R、DVD−R等の可搬型の記録媒体に記録された画像データに対する処理を行う場合には、例えば画像処理装置1に内蔵された読取装置により記録媒体から画像データを読み込んでも良い。或いは、画像処理装置1に医用観察装置を接続し、当該医用観察装置から直接画像データを取り込んでも良い。
【0040】
続くステップS12において、画像処理部141は一時記憶部13に記憶された画像データに所定の画像処理を施すことにより、表示用の画像を生成する。図4に示す画像110は、そのようにして生成された一連の体内画像の内の一つを示す模式図である。
【0041】
ステップS13において、画像処理部141は、各体内画像に対し、被検体100に関する有効な情報が含まれていない領域をマスキングする。例えば、カプセル型内視鏡20によって体内を撮像する場合、通常、図4に示す画像110のように、視野が円形状となった体内画像が取得される。この場合、4隅の所定の線(以下、隅領域境界線という)111から外側の三角形状の領域(以下、隅領域という)112a〜112dが、マスキングされる。図5に示す画像113は、そのようにして生成された八角形状の体内画像の例である。
【0042】
ステップS14において、記憶部15は、生成された一連の画像に対応する画像データを時系列順に沿って記憶する。
【0043】
続くステップS15において、画像配置部142は、1画面に表示する画像の組、及び1画面内での各画像の位置を決定する。即ち、図6に示すように、画像配置部142は、記憶部15に記憶された一連の画像113−n(n=1、2、…)を、1画面における画像の表示数に応じて、各画面の画面番号N(N=1、2、…)に割り当てる。ここで、nは、各画像の画像番号(例えば、撮像時刻順の番号)を表し、Nは、各画面の表示順序を表す。なお、1画面における画像の表示数はデフォルトで決めておいても良いし(例えば4枚)、複数の選択肢(例えば2枚、4枚、6枚、8枚等)の中から入力部11を用いてユーザが選択できるようにしても良い。例えば、1画面に4枚の画像を表示する場合、図6に示すように、画面番号N=1には画像113−1〜113−4が割り当てられ、画面番号N=2には画像113−5〜113−8が割り当てられる。
【0044】
続いて、画像配置部142は、各画面内における画像113−nの位置を決定する。例えば、1画面に4枚の画像113−nを2行2列のマトリックス状に配置する場合において、画像113−nを左上から時計回りに時系列に配置するとき、図7に示すように、画面番号N=1においては、画像113−1が画面の左上に配置され、画像113−2が画面の右上に配置され、画像113−3が画面の右下に配置され、画像113−4が画面の左下に配置される。
【0045】
ステップS16において、隅領域補間部143は、ステップS15における決定に従って画像113−nを画面に配置したときに、自身及び他の画像113−nによって囲まれる隅領域(即ち、画面の中心部に集約される隅領域)を補間する。これは、画面の内部に、境界線やスポットが生じないようにするためである。図8は、図7に示す規則で画像113−nを配置した場合に補間対象となる隅領域を示す図である。この場合、左上に配置される画像113−1については右下の隅領域112c、右上に配置される画像113−2については左下の隅領域112d、右下の画像113−3については左上の隅領域112a、及び、左下の画像113−4については右上の隅領域112bが補間対象となる。画面の中心部に集約される隅領域以外の隅領域(例えば、画像113−1の隅領域112a、112b、112d等)については、補間しても良いし補間しなくても良い。本実施の形態1においては、各画像113の全ての隅領域112a〜112dを補間するものとする。
【0046】
ステップS17において、画像配置部142は、ステップS15における決定に従って、同じ画面に配置される複数の画像を、隙間を空けて配置する。図9は、4つの画像121〜124を、X方向における隙間領域SP、及びY方向における隙間領域SPを介してマトリックス状に配置した状態を示している。
【0047】
続くステップS18において、補間処理部144は、隙間領域に隣接する画像の端部領域の画素の画素値を用いて隙間領域を補間することにより、複数の画像を1つにつなげる
。例えば、図9の場合、隙間領域SPについては、隙間領域SPに隣接する画像121の端部領域121、画像122の端部領域122、画像123の端部領域123、及び画像124の端部領域124に含まれる画素の画素値で補間する。また、隙間領域SPについては、隙間領域SPに隣接する画像121の端部領域121、画像122の端部領域122、画像123の端部領域123、及び画像124の端部領域124に含まれる画素の画素値で補間する。なお、隙間領域SPと隙間領域SPとが交わる中心領域SPについては、先に補間された隙間領域(例えば隙間領域SP→隙間領域SPの順で補間を行う場合には、隙間領域SP)の端部領域に含まれる画素の画素値で補間される。それにより、図10に示すように、4つの画像121〜124が自然につなげられた画面130が生成される。
【0048】
さらに、ステップS19において、マスキング部145は、図11に示すように、画面130の4つの隅領域131をマスキングして、画面130の外形を、元の個別の画像113と同様の形状(八角形状)に合わせる。
ステップS20において、記憶部15は、このようにして生成された画面130を、画面番号(N)順に記憶する。
【0049】
次に、隅領域の補間処理(ステップS16)について、説明する。図12は、隅領域の補間処理を示すフローチャートである。また、図13A及び13Bは、隅領域の補間処理を説明する図である。図13Aに示すように、1つの画面に4つの隅領域がマスキングされた画像115〜118をマトリックス状に配置する場合、画面中央の隅領域115a〜118aが補間対象となる。
【0050】
まず、ステップS101において、隅領域補間部143は、各画像115〜118から、対応する隅領域境界線115b〜118bに対して隅領域115a〜118aと対称な領域に含まれる画素を抽出し、それらの画素の画素値を取得する。具体的には、画像115から隅領域境界線115bに対して隅領域115aと対称な領域115c内の画素が抽出され、画像116から隅領域境界線116bに対して隅領域116aと対称な領域116c内の画素が抽出され、画像117から隅領域境界線117bに対して隅領域117aと対称な領域117c内の画素が抽出され、画像118から隅領域境界線118bに対して隅領域118aと対称な領域118c内の画素が抽出される。
【0051】
ステップS102において、隅領域補間部143は、取得した領域115c〜118c内の画素の画素値を用いて、対応する隅領域115a〜118aを補間する。具体的には、隅領域115a内の任意の補間画素P’の画素値として、隅領域境界線115bに対して画素P’と対称な位置にある画素Pの画素値を適用する。他の隅領域116a〜118aについても同様である。それにより、図13Bに示すように、隅領域境界線115b〜118bが目立たないように隅領域115a〜118aを補間することができる。
【0052】
なお、画面の中心部に集約される隅領域115a〜118a以外の隅領域についても、同様の方法により補間しても良い。例えば、隅領域117dや隅領域118dについては、隅領域境界線117e、118eに対して隅領域117d、118dとそれぞれ対称な領域117f、118f内の画素の画素値を用いて補間すれば良い。
【0053】
次に、隙間領域の補間処理(ステップS18)について説明する。図14は、隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。また、図15A〜図15Eは、隙間領域の補間処理を説明する図である。図15Aに示すように、以下においては、1つの画面に4つの画像121〜124をマトリックス状に配置する場合について説明する。
【0054】
まず、ステップS111において、補間処理部144は、各画像121〜124から、
Y方向における隙間領域SPに隣接する端部領域121a〜124a内の画素の画素値を取得する。このとき、各端部領域121a〜124aの幅は、隙間領域SPの幅d(例えば32ピクセル)の半分(d/2)とする。
【0055】
続くステップS112において、補間処理部144は、図15Bに示すように、隙間領域SPの両側の端部領域内の画素の画素値の平均値を算出する。具体的には、画像121及び124に挟まれた隙間領域SPY−1について、端部領域121a及び124a内の画素の画素値の平均値AVEY−1を算出する。また、画像122及び123に挟まれた隙間領域SPY−2について、端部領域122a及び123a内の画素の画素値の平均値AVEY−2を算出する。或いは、端部領域121a〜124a全体の画素値の平均値を算出しても良い。この場合、隙間領域SPY−1及びSPY−2について共通の平均値AVEが取得される。
【0056】
ステップS113において、補間処理部144は、隙間領域SPY−1及びSPY−2内の補間画素の画素値を、補間画素と対称な位置にある画素の画素値とステップS112において算出された平均値とをαブレンドすることによって算出する。具体的には、隙間領域SPY−1において、画像124よりも画像121の側に近い任意の補間画素P11’(X11,Y11’)の画素値G11’は、境界121bに対して画素P11’と対称な位置にある画素P11(X11,Y11)の画素値G11及び平均値AVEY−1(又は平均値AVE)を用いて、次式(1)によって与えられる。
11’=(1−α(Y))・G11+α(Y)AVEY−1 …(1)
【0057】
ここで、α(Y)(1≧α(Y)≧0)は、補間画素(式(1)では補間画素P11’)に対応する端部領域内の画素の画素値(同画素値G11)と平均値(同平均値AVEY−1)とをブレンドする比率を決める係数であり、補間画素のY座標の値に依存する。具体的には、α(Y)の値は、画素P11’が境界121bに近づくほど、画素値G11の比率が増加し(即ち、α(Y)が小さくなり)、画素P11’が隙間領域SPY−1の中心に近づくほど、平均値AVEY−1の比率が増加する(即ち、α(Y)が大きくなる)ように、補間画素P11’と境界121bとの間の距離に応じて決定される。
【0058】
同様に、隙間領域SPY−2において、画像123よりも画像122の側に近い任意の補間画素P12’(X12,Y12’)の画素値G12’は、境界122bに対して画素P12’と対称な位置にある画素P12(X12,Y12)の画素値G12及び平均値AVEY−2(又は平均値AVE)を用いて、次式(2)によって与えられる。
12’=(1−α(Y))・G12+α(Y)AVEY−2 …(2)
【0059】
同様に、隙間領域SPY−2において、画像122よりも画像123の側に近い任意の補間画素P13’(X13,Y13’)の画素値G13’は、境界123bに対して画素P13’と対称な位置にある画素P13(X13,Y13)の画素値G13及び平均値AVEY−2(又は平均値AVE)を用いて、次式(3)によって与えられる。
13’=(1−α(Y))・G13+α(Y)AVEY−2 …(3)
【0060】
同様に、隙間領域SPY−1において、画像121よりも画像124の側に近い任意の補間画素P14’(X14,Y14’)の画素値G14’は、境界124bに対して画素P14’と対称な位置にある画素P14(X14,Y14)の画素値G14及び平均値AVEY−1(又は平均値AVE)を用いて、次式(4)によって与えられる。
14’=(1−α(Y))・G14+α(Y)AVEY−1 …(4)
【0061】
ステップS114において、補間処理部144は、式(1)〜(4)によって算出された画素値G11’〜G14’によって隙間領域SPを補間する。
【0062】
続くステップS115において、補間処理部144は、図15Cに示すように、各画像121〜124並びに補間された隙間領域SPY−1及びSPY−2から、X方向の隙間領域SPに隣接する端部領域125a及び126a内の画素の画素値を取得する。このとき、各端部領域125a及び126aの幅は、隙間領域SPの幅d(例えば32ピクセル)の半分(d/2)とする。
【0063】
続くステップS116において、補間処理部144は、図15Dに示すように、隙間領域SPの両側の端部領域125a及び126a内の画素の画素値の平均値AVEを算出する。
【0064】
ステップS117において、補間処理部144は、隙間領域SP内の補間画素の画素値を、補間画素と対称な位置にある画素の画素値とステップS116において算出された平均値とをαブレンドすることによって算出する。具体的には、隙間領域SP内において、画像122よりも画像121の側に近い任意の補間画素P15’(X15’,Y15)の画素値G15’は、境界125bに対して画素P15’と対称な位置にある画素P15(X15,Y15)の画素値G15及び平均値AVEを用いて、次式(5)によって与えられる。
15’=(1−α(X))・G15+α(X)AVE …(5)
【0065】
ここで、α(X)(1≧α(X)≧0)は、補間画素(式(5)では補間画素P15’)に対応する端部領域内の画素の画素値(同画素値G15)と平均値(同平均値AVE)とをブレンドする比率を決める係数であり、補間画素のX座標の値に依存する。具体的には、α(X)の値は、画素P15’が境界125bに近づくほど、画素値G15の比率が増加し(即ち、α(X)が小さくなり)、画素P15’が隙間領域SPの中心に近づくほど、平均値AVEの比率が増加する(即ち、α(X)が大きくなる)ように、補間画素P15’と境界125bとの間の距離に応じて決定される。
【0066】
一方、画像121よりも画像122の側に近い任意の補間画素P16’(X16’,Y16)の画素値G16’は、境界126bに対して画素P16’と対称な位置にある画素P16(X16,Y16)の画素値G16及び平均値AVEを用いて、次式(6)によって与えられる。
16’=(1−α(X))・G16+α(X)AVE …(6)
【0067】
ステップS118において、補間処理部144は、式(5)及び(6)によって算出された画素値G15’及びG16’によって、隙間領域SPを補間する。それにより、図15Eに示すように、画像121〜124がつなげられた画面127が生成される。
その後、動作はメインルーチンに戻る。
【0068】
以上説明したように、実施の形態1においては、隣り合う画像間の隙間領域を、この隙間領域の両隣の画像内の画素であって、隙間領域と対称な端部領域の画素の画素値を用いて補間する。言い換えると、隙間領域の両隣の画像を隙間領域との境界に対してそれぞれ折り返した各領域内の画素の画素値を用いて隙間領域を補間する。従って、画像の端部領域自体に影響を与えることなく、且つ、隣り合う画像間の境界をユーザに認識させないような画面を生成することが可能となる。
【0069】
また、実施の形態1によれば、各画像においてマスキングされた隅領域を、当該画像内の画素であって、隅領域境界線に対して隅領域と対称な領域内の画素の画素値を用いて補間する。言い換えると、当該画像を隅領域境界線に対して折り返し、折り返された領域内の画素の画素値を用いて隅領域を補間するので、各画像の隅領域が集約された画面の中央
部においても互いに隣り合う画像が自然につながっているように見える画面を生成することが可能となる。
【0070】
なお、実施の形態1においては、カプセル型内視鏡によって取得された体内画像を扱うため、ステップS13において各画像の4つの隅領域をマスキングしたが、マスキングは必ずしも実行しなくても良い。この場合、ステップS17における隅領域の補間処理や、ステップS19における4隅のマスキング処理も省略される。
【0071】
また、実施の形態1の隙間領域の補間処理においては、補間画素と対称な端部領域内の画素の画素値に対し、端部領域全体の画素の画素値の平均値をブレンドしたが、その代わりに、補間画素を含む端部領域内の列(隙間領域SPの場合)又は行(隙間領域SPの場合)に含まれる画素の画素値の平均値をブレンドしても良い。
【0072】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2に係る画像処理装置の構成及び動作の概要は図1及び図3に示すものと同様であり、補間処理部144が実行する隙間領域の補間処理(ステップS18)が、実施の形態1とは異なる。
【0073】
図16は、実施の形態2における隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。また、図17A〜図17Dは、実施の形態2における隙間領域の補間処理を説明する図である。以下においては、図17Aに示すように、隙間を空けてマトリックス状に配置された4つの画像201〜204(ステップS17)の隙間領域SP及びSPを補間する場合について説明する。
【0074】
まず、ステップS211において、補間処理部144は、各画像201〜204から、Y方向における隙間領域SPに隣接する端部画素201a〜204aの画素値を取得する。
【0075】
ステップS212において、補間処理部144は、端部画素201a〜204aの画素値を用いて、隙間領域SPを補間する。具体的には、図17Bに示すように、画像201及び204の間の隙間領域SPY−1において、互いに対向する端部画素201a及び204aに挟まれた補間画素205の画素値を、互いに端部画素201aの画素値から端部画素204aの画素値まで、傾斜的又は段階的に変化させることによって取得する。補間処理部144は、画像202及び203に挟まれた隙間領域SPY−2についても同様に、端部画素202a及び203aの画素値を用いて補間する。
【0076】
ステップS213において、補間処理部144は、図17Cに示すように、各画像201〜204、並びに補間された隙間領域SPY−1及びSPY−2から、X方向における隙間領域SPに隣接する端部画素206a及び207aの画素値を取得する。
【0077】
ステップS214において、補間処理部144は、端部画素206a及び207aの画素値を用いて、隙間領域SPを補間する。具体的には、図17Dに示すように、互いに対向する端部画素206a及び207aに挟まれた補間画素208の画素値を、端部画素206aの画素値から端部画素207aの画素値まで、傾斜的又は段階的に変化させることによって取得する。
その後、動作はメインルーチンに戻る。
【0078】
以上説明したように、実施の形態2によれば、隙間領域の画素の画素値を、隙間領域に隣接する一方の画像の端部画素の画素値から隙間領域に隣接する他方の画像の端部画素の画素値まで徐々に変化させるので、隣同士に配置された画像同士が自然につながって見え
る画面を生成することが可能となる。
【0079】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3に係る画像処理装置の構成及び動作の概要は図1及び図3に示すものと同様であり、補間処理部144が実行する隙間領域の補間処理(ステップS18)が、実施の形態1とは異なる。
【0080】
図18は、実施の形態3における隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。また、図19A及び図19Bは、実施の形態3における隙間領域の補間処理を説明する図である。以下においては、図19Aに示すように、隙間を空けてマトリックス状に配置された4つの画像301〜304(ステップS17)の隙間領域SP及びSPを補間する場合について説明する。
【0081】
まず、ステップS311において、補間処理部144は、画像301〜304から、各々と隙間領域SPとの境界301b〜304bに対して隙間領域SPと対称な端部領域301a〜304a内の画素の画素値を取得する。
【0082】
ステップS312において、補間処理部144は、隙間領域SP内の補間画素の画素値を、当該隙間領域SPに隣接する端部領域に含まれる画素であって、当該補間画素に対応する2つの画素の画素値を、境界からの距離に応じた重みを付けてブレンドすることによって算出する。
【0083】
具体的には、画像301及び304に挟まれた隙間領域SPY−1内の任意の補間画素P35の画素値G35は、境界301bに対して補間画素P35と対称な位置にある画素P31の画素値G31、境界304bに対して補間画素P35と対称な位置にある画素P34の画素値G34、補間画素P35と境界301bとの間の距離d、及び隙間領域SPの幅d(例えば、24ピクセル)を用いて、次式(7)によって与えられる。
35=G31×{(d−d)/d}+G34×(d/d)…(7)
【0084】
同様に、画像302及び303に挟まれた隙間領域SPY−2内の任意の補間画素P36の画素値G36は、境界302bに対して補間画素P36と対称な位置にある画素P32の画素値G32、境界303bに対して補間画素P36と対称な端部領域303a内の画素P33の画素値G33、補間画素P36と境界302bとの間の距離d、及び隙間領域SPの幅dを用いて、次式(8)によって与えられる。
36=G32×{(d−d)/d}+G33×(d/d)…(8)
【0085】
ステップS313において、補間処理部144は、式(7)及び(8)によって算出された画素値G35及びG36によって隙間領域SPを補間する。
【0086】
ステップS314において、補間処理部144は、図19Bに示すように、各画像301〜304並びに補間された隙間領域SPY−1及びSPY−2から、各々と隙間領域SPとの境界307b、308bに対して隙間領域SPと対称な端部領域307a、308a内の画素の画素値を取得する。
【0087】
ステップS315において、補間処理部144は、隙間領域SP内の補間画素の画素値を、当該隙間領域SPに隣接する端部領域に含まれる画素であって、当該補間画素に対応する2つの画素の画素値を、境界からの距離に応じた重みを付けてブレンドすることによって算出する。
【0088】
具体的には、隙間領域SP内の任意の補間画素P39の画素値G39は、境界307
bに対して補間画素P39と対称な位置にある画素P37の画素値G37、境界308bに対して補間画素P39と対称な位置にある画素P38の画素値G38、補間画素P39と境界307bとの間の距離d、及び隙間領域SPの幅d(例えば、24ピクセル)を用いて、次式(9)によって与えられる。
39=G37×{(d−d)/d}+G38×(d/d)…(9)
【0089】
ステップS316において、補間処理部144は、式(9)によって算出された画素値G39によって隙間領域SPを補間する。
その後、動作はメインルーチンに戻る。
【0090】
以上説明したように、実施の形態3においては、隣り合う画像間の隙間領域を、この隙間領域の両隣の画像内の画素であって、隙間領域と対称な端部領域の画素の画素値を用いて補間する。言い換えると、隙間領域の両隣の画像を隙間領域との境界に対してそれぞれ折り返した各領域内の画素の画素値をブレンドすることによって隙間領域を補間するので、隣り合う画像同士が自然につながって見える画面を生成することが可能となる。
【0091】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4に係る画像処理装置の構成及び動作の概要は図1及び図3に示すものと同様であり、補間処理部144が実行する隙間領域の補間処理(ステップS18)が、実施の形態1とは異なる。
【0092】
図20は、実施の形態4における隙間領域の補間処理を示すフローチャートである。また、図21A〜図21Dは、実施の形態4における隙間領域の補間処理を説明する図である。以下においては、図21Aに示すように、隙間を空けてマトリックス状に配置された4つの画像401〜404(ステップS17)の隙間領域SP及びSPを補間する場合について説明する。
【0093】
まず、補間処理部144は、各画像401〜404から、Y方向における隙間領域SPの内、ステップS16において補間された隅領域115a〜118aと隣接する隙間領域SPYA及びSPYBの補間を行う。そのため、補間処理部144は、隅領域境界線115b、118bに対して隙間領域SPYAとそれぞれ対称な位置関係にある端部領域401a、404a内の画素の画素値と、隅領域境界線116b、117bに対して隙間領域SPYBとそれぞれ対称な位置関係にある端部領域402a、403a内の画素の画素値を取得する(ステップS411)。
【0094】
ステップS412において、補間処理部144は、隙間領域SPYA及びSPYB内の各補間画素の画素値を、当該補間画素に対応する両隣の画像内の2つの画素の画素値をブレンドすることにより算出する。この際、補間処理部144は、両者を境界401b〜404bからの距離に応じた重みを付けてブレンドする。
【0095】
具体的には、隙間領域SPYA内の任意の補間画素P45の画素値G45は、隅領域境界線115bに対して補間画素P45と対称な位置にある画素P41の画素値G41、隅領域境界線118bに対して補間画素P45と対称な位置にある画素P44の画素値G44、補間画素P45と境界401bとの間の距離d、及び隙間領域SPの幅d(例えば、24ピクセル)を用いて、次式(10)によって与えられる。
45=G41×{(d−d)/d}+G44×(d/d)…(10)
【0096】
また、隙間領域SPYB内の任意の補間画素P46の画素値G46は、画素値G45と同様に、隅領域境界線116bに対して補間画素P46と対称な位置にある画素P42の画素値G42、隅領域境界線117bに対して補間画素P46と対称な位置にある画素P
43の画素値G43、補間画素P46と境界402bとの間の距離d、及び隙間領域SPの幅dを用いて算出される。
【0097】
ステップS413において、補間処理部144は、ステップS412において算出された画素値G45及びG46によって、隙間領域SPYA及びSPYBを補間する。
【0098】
続くステップS414において、補間処理部144は、図21Bに示すように、隅領域115a〜118aとは隣接していない隙間領域SPYC及びSPYDを、当該隙間領域SPYC及びSPYDと隣接する画像401〜404の端部領域401c〜404c内の画素の画素値を用いて補間する。なお、このステップS414における補間処理については、実施の形態3のステップS311〜S313と同様である。或いは、実施の形態1又は実施の形態2と同様にして隙間領域SPYC及びSPYDを補間しても良い。
【0099】
次に、図21Cに示すように、補間処理部144は、X方向における隙間領域SPの内、補間された隅領域115a〜118aと隣接する隙間領域SPXA及びSPXBの補間を行う。そのため、補間処理部144は、各隅領域境界線115b、116bに対して隙間領域SPXAとそれぞれ対称な位置関係にある端部領域401d、402d内の画素の画素値と、各隅領域境界線117b、118bに対して隙間領域SPXBとそれぞれ対称な位置関係にある端部領域403d、404d内の画素の画素値を取得する(ステップS415)。
【0100】
ステップS416において、補間処理部144は、隙間領域SPXA及びSPXB内の各補間画素の画素値を、当該補間画素に対応する両隣の画像内の2つの画素の画素値をブレンドすることにより算出する。この際、補間処理部144は、両者を境界401e〜404eからの距離に応じた重みを付けてブレンドする。
【0101】
具体的には、隙間領域SPXA内の任意の補間画素P47の画素値G47は、隅領域境界線115bに対して補間画素P47と対称な位置にある画素P41’の画素値G41’、隅領域境界線116bに対して補間画素P47と対称な位置にある画素P42’の画素値G42’、補間画素P47と境界401eとの間の距離d、及び隙間領域SPの幅d(例えば、24ピクセル)を用いて、次式(11)によって与えられる。
47=G41’×{(d−d)/d}+G42’×(d/d)…(11)
【0102】
また、隙間領域SPYB内の任意の補間画素P48の画素値G48は、画素値G47と同様に、隅領域境界線117bに対して補間画素P48と対称な位置にある画素P43’の画素値G43’、隅領域境界線118bに対して補間画素P48と対称な位置にある画素P44’の画素値G44’、補間画素P48と境界404eとの間の距離d、及び隙間領域SPの幅dを用いて算出される。
【0103】
ステップS417において、補間処理部144は、ステップS416において算出された画素値G47及びG48によって、隙間領域SPXA及びSPXBを補間する。
【0104】
続くステップS418において、補間処理部144は、図21Dに示すように、補間された隅領域115a〜118aとは隣接していない隙間領域SPXC〜SPXEを、当該隙間領域SPXC〜SPXEと隣接する画像401〜404の端部領域401f〜404f、並びに補間された隙間領域SPY−1及びSPY−2の端部領域405及び406内の画素の画素値を用いて補間する。なお、このステップS418における補間処理については、実施の形態3のステップS314〜S316と同様である。或いは、実施の形態1又は実施の形態2と同様にして隙間領域SPXC〜SPXEを補間しても良い。
その後、動作はメインルーチンに戻る。
【0105】
以上説明したように、実施の形態4によれば、補間された隅領域と隣接する隙間領域SPXA、SPXB、SPYA、SPYBを、隅領域境界線115b〜118bに対して対称な位置関係にある端部領域401a〜404a及び401d〜404dの画素の画素値を用いて補間するので、隙間領域SP及びSPの補間処理に際して、隅領域の補間処理による影響を低減することが可能となる。
【0106】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。実施の形態5に係る画像処理装置の構成及び動作の概要は図1及び図3に示すものと同様であり、隅領域補間部143が実行する隅領域の補間処理(ステップS16)が、実施の形態1とは異なる。
【0107】
図22は、実施の形態5における隅領域の補間処理を示すフローチャートである。また、図23は、実施の形態5における隅領域の補間処理を説明する図である。以下においては、図23に示すように、マトリックス状に配置される4つの画像501〜504に囲まれる隅領域501a〜504aを補間する場合について説明する。
【0108】
まず、ステップS511において、隅領域補間部143は、図23に示すように、1画面に配置される画像501〜504を、互いに隣接するように並べる。
ステップS512において、隅領域補間部143は、各画像501〜504から、隅領域境界線501b〜504bに沿って端部画素の画素値を取得する。
【0109】
ステップS513において、隅領域補間部143は、各隅領域境界線501b〜504bに沿った端部画素から、X方向及びY方向において隅領域501a〜504a内の注目画素に対応する端部画素を2つずつ抽出する。具体的には、図23に示すように、任意の注目画素P50(X50,Y50)に対し、X方向において対応する(即ち、Y座標が等しい)端部画素P51(X51、Y50)及び端部画素P52(X52,Y50)と、Y方向において対応する(即ちX座標が等しい)端部画素P53(X50,Y53)及び端部画素P54(X50,Y54)とが抽出される。
【0110】
ステップS514において、隅領域補間部143は、抽出された端部画素P51、P52、P53及びP54の画素値G51(X51、Y50)、G52(X52,Y50)、G53(X50,Y53)及びG54(X50,Y54)を注目画素P50との距離に応じた重みを付けてブレンドすることにより、注目画素P50の画素値G50を算出する。
【0111】
具体的には、画素値G50は、次式(12)によって与えられる。
【数1】

【0112】
ステップS515において、隅領域補間部143は、上式(12)によって算出された画素値G50によって隅領域501a〜504aを補間する。
その後、動作はメインルーチンに戻る。
【0113】
以上説明したように、実施の形態5によれば、各画像501〜504の境界線501b
〜504bに沿った端部画素の画素値をブレンドすることによって隅領域501a〜504aを補間するので、境界線501b〜504bの近傍だけでなく、隅領域501a〜504a同士の境界においても画像が自然につながって見える画面を生成することができる。従って、後の隙間領域の補間処理(ステップS18)においても、隅領域501a〜504aと隣接する隙間領域を、画像がより自然につながって見えるように補間することが可能となる。
【0114】
なお、画面の端部に配置される隅領域(例えば隅領域502d、503d、503c、504c)については、隅領域境界線に沿った端部画素の内、X方向又はY方向のいずれかにおいて対応する2つの端部画素を用いて補間すれば良い。例えば、図24に示す隅領域503c及び504c内の注目画素P55(X55,Y55)の画素値G55は、X方向において対応する2つの端部画素P56(X56,Y55)及びP57(X57,Y55)の画素値G56(X56,Y55)及びG57(X57,Y55)を用いて、次式(13)によって与えられる。
【数2】

【0115】
また、隅領域502d及び503d内の注目画素P58(X58,Y58)の画素値G58は、Y方向において対応する2つの端部画素P59(X58,Y59)及びP60(X58,Y60)の画素値G59(X58,Y59)及びG60(X58,Y60)を用いて、次式(14)によって与えられる。
【数3】

【0116】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。実施の形態6に係る画像処理装置の構成及び動作の概要は図1及び図3に示すものと同様であり、画像配置部142が1画面に配置する画像の位置を決定(ステップS15の後段)する際に、併せて、各画像の向きを決定することを特徴とする。
【0117】
図25は、1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を示すフローチャートである。また、図26A及び図26Bは、1画面に配置する画像の位置及び向きを決定する方法を説明する図である。以下においては、図26Aに示すように、1つの画面600内にマトリックス状に配置される4つの画像601〜604の向きを決定する場合について説明する。
【0118】
画像配置部142は、1画面に表示する画像の組を決定した後(ステップS15の前段)、画面600における各画像601〜604の位置を決定する(ステップS611)。例えば、撮像時刻順に時計回りに画像を配置する場合、画像601〜604の位置はそれぞれ、左上、右上、右下、左下となる。
【0119】
ステップS612において、画像配置部142は、画像601〜604間で対応する領域が隣り合わせになるように、所定の画像を反転させる。例えば、画像602を左右反転させ、画像603を左右及び上下反転させ、画像604を上下反転させると、図26Bに示すように、対応する隅領域601a〜604aが中央に集約され、隅領域601a〜604a近傍の対応する端部同士(端部601cと602c、602bと603b、603
cと604c、604bと601b)がそれぞれ隣り合わせに配置される。
その後、動作はメインルーチンに戻る。
【0120】
ここで、例えば体内を撮像するカプセル型内視鏡20の進行速度が遅く、近接する画像間における変化が少ない場合、対応する領域(例えば各画像の右下の隅領域601a〜604a近傍)における画素値が互いに近似する可能性が高くなる。そのような場合に、対応する領域を同じ箇所(例えば画面の中央)に集約することにより、隣り合う画像がより自然につながって見える画面を生成することが可能になる。
【0121】
(変形例)
実施の形態6の変形例として、カプセル型内視鏡20の移動速度に応じて、1画面に表示される画像の反転を行うか否かを決定するようにしても良い。
具体的には、演算部14に、一時記憶部13に記憶された関連情報(受信強度情報及び受信時刻情報)に基づいて、撮像時刻(略画像データの受信時刻)におけるカプセル型内視鏡20の位置を推定する位置推定処理部をさらに設ける。画像配置部142は、この位置推定処理部による位置推定結果に基づいて、所定の時間間隔内におけるカプセル型内視鏡20の位置変化が所定の閾値よりも小さい場合に、画像反転を行うことを決定する。
【0122】
なお、カプセル型内視鏡20の位置推定処理は、種々の公知技術によって実現される。例えば、カプセル型内視鏡20の位置は、各受信アンテナ32a〜32hによって受信された受信強度に基づいて算出することができる。
【0123】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。実施の形態7に係る画像処理装置の構成及び動作の概要は図1及び図3に示すものと同様であり、画像配置部142が1画面に配置する画像の位置を決定(ステップS15の後段)する際に、併せて、各画像の向きを決定することを特徴とする。
【0124】
図27は、実施の形態7における1画面に配置する画像の位置及び向きの決定処理を示すフローチャートである。また、図28A及び図28Bは、1画面に配置する画像の向きの決定処理を説明する図である。以下においては、図28Aに示すように、1つの画面700内にマトリックス状に配置される4つの画像701〜704の向きを決定する場合について説明する。
【0125】
画像配置部142は、1画面に表示する画像の組を決定した後(ステップS15の前段)、画面700における各画像701〜704の位置を決定する(ステップS711)。例えば、撮像時刻順に時計回りに画像を配置する場合、画像701〜704の位置はそれぞれ、左上、右上、右下、左下となる。
【0126】
続くステップS712において、画像配置部142は、4つの画像701〜704間の周縁領域同士の類似度を算出する(ステップS712)。具体的には、対応する周縁領域701a〜704a同士の類似度、周縁領域701b〜704b同士の類似度、周縁領域701c〜704c同士の類似度、及び周縁領域701d〜704d同士の類似度が算出される。類似度の値としては、例えば、パターンマッチング処理等の公知技術によって取得される相互相関係数や差分値等が用いられる。なお、類似度の算出に用いられる画像としては、隅領域をマスキング(ステップS13)する前の画像であっても良いし、隅領域をマスキングした後の画像であっても良い。
【0127】
なお、4つの画像間の類似度を算出する際には、例えば、隣り合う2つの画像間(例えば、画像701と702、702と703、703と704、704と701)で対応す
る領域の類似度をそれぞれ算出し、それらの平均値を求めれば良い。或いは、1つの画面に配置される複数の画像の内、撮像時刻が最も早い画像(例えば画像701)と最も遅い画像(例えば画像704)との類似度を算出しても良い。
【0128】
ステップS713において、画像配置部142は、4つの画像701〜704内における中心領域と周縁領域との間の類似度を算出する。具体的には、各画像701〜704について、中心領域701eと周縁領域701a〜701dとの類似度、中心領域702eと周縁領域702a〜702dとの類似度、中心領域703eと周縁領域703a〜703dとの類似度、及び中心領域704eと周縁領域704a〜704dとの類似度がそれぞれ算出される。類似度の値としては、例えば、パターンマッチング処理等の公知技術によって取得される相互相関係数や差分値等が用いられる。なお、類似度の算出に用いられる画像としては、隅領域をマスキング(ステップS13)する前の画像であっても良いし、隅領域をマスキングした後の画像であっても良い。
さらに、画像配置部142は、画像701〜704についてそれぞれ算出された4つの類似度の平均値を算出する。
【0129】
ステップS714において、画像配置部142は、ステップS712の算出結果に基づいて、画像間の周縁領域同士の類似度が高いか否かを判断する。画像間の周縁領域同士の類似度が所定の閾値よりも高い場合(ステップS714:Yes)、画像配置部142はさらに、ステップS713の算出結果に基づいて、各画像内における類似度が低いか否かを判断する(ステップS715)。
【0130】
画像配置部142は、各画像内における類似度が所定の閾値よりも低い場合(ステップS715:Yes)、画像701〜704間で対応する周縁領域が集約されるように、所定の画像を反転させる(ステップS716)。具体的には、図28Bに示すように、画像配置部142は、画像702を左右反転させ、画像703を左右及び上下反転させ、画像704を上下反転させる。その後、動作はメインルーチンに戻る。
【0131】
一方、画像間の周縁領域同士の類似度が高くない場合(ステップS714:No)、又は各画像内の中心領域と周縁領域との類似度が低くない場合(ステップS715:No)、動作はそのままメインルーチンに戻る。
【0132】
以上説明したように、実施の形態7によれば、対応する周縁領域同士の類似度が高い場合に、画像反転によって互いに類似する周縁領域を同じ箇所に集約するので、隣り合う画像がより自然につながって見える画面を生成することが可能になる。このとき、各画像内の中心領域と周縁領域との類似度が低い場合に限って画像反転を行うので、反転された画像をユーザが観察した際の違和感を低減することが可能になる。
【0133】
なお、以上の説明においては、1つの画面に4つの画像を配置する場合について説明したが、それ以外の数の画像を1画面に配置する場合であっても、同様にして画像の向きを決定することができる。例えば、図29に示すように、画面710に2つの画像711及び712を配置する場合、対応する周縁領域同士の類似度(周縁領域711aと712a、周縁領域711bと712b)と、各画像内の類似度(中心領域711cと周縁領域711a及び711b、中心領域712cと周縁領域712a及び712b)とを算出すれば良い。
【0134】
以上説明した実施の形態は、本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。
【符号の説明】
【0135】
1 画像処理装置
11 入力部
12 インタフェース部
13 一時記憶部
14 演算部
15 記憶部
16 表示制御部
17 表示部
18 制御部
20 カプセル型内視鏡
30 受信装置
31 クレードル
32 アンテナユニット
32a 受信アンテナ
100 被検体
141 画像処理部
142 画像配置部
143 隅領域補間部
144 補間処理部
145 マスキング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を配置した画面を生成する画像処理装置であって、
前記複数の画像を、隙間を空けて配置する画像配置部と、
前記隙間を、該隙間と隣接する前記画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間する補間処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記複数の画像の各々は矩形状をなし、
各画像の4隅に位置する三角形状の隅領域をマスキングする画像処理部と、
自身及び他の画像によって囲まれる隅領域を補間する隅領域補間部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記隅領域補間部は、補間対象の前記隅領域内の補間画素の画素値を、前記各画像の画素であって、前記隅領域の境界線に対して前記補間画素と対称な位置にある画素の画素値を用いて算出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記隅領域補間部は、補間対象の前記隅領域内の補間画素の画素値を、マスキングされた前記各画像の端部画素であって、前記境界線に沿った端部画素の画素値を用いて算出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記補間処理部は、前記隙間内の補間画素の画素値を、前記隙間と隣接する2つの画像に含まれる画素であって、該画像と前記隙間との境界に対して前記補間画素と対称な位置にある画素の画素値を用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記補間処理部は、前記補間画素の画素値を、前記境界に対して前記補間画素と対称な位置にある画素の画素値と、前記境界に対して前記隙間と対称な領域に含まれる画素の画素値の平均値とを、前記境界と前記補間画素との距離に応じてブレンドすることによって算出することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記補間処理部は、前記補間画素の画素値を、前記隙間に隣接する2つの画像に含まれる画素であって、前記境界に対して前記補間画素とそれぞれ対称な位置にある2つの画素の画素値を、前記境界と前記補間画素との距離に応じてブレンドすることによって算出することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記補間処理部は、前記隙間内の補間画素の画素値を、前記隙間に隣接する2つの画像の端部画素の内、互いに対向する2つの端部画素の画素値の間で傾斜的又は段階的に変化させることによって取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記補間処理部は、前記隙間の内、前記隅領域補間部によって補間された前記隅領域と隣接する領域内の補間画素の画素値を、前記隙間に隣接する2つの画像に含まれる画素であって、前記隅領域の境界線に対して前記補間画素とそれぞれ対称な位置にある2つの画素の画素値を、前記隙間と該隙間に隣接するいずれかの画像との境界と前記補間画素との距離に応じてブレンドすることによって算出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像配置部は、1つの画面に配置される前記複数の画像の向きを、前記複数の画像間で対応する周縁領域の類似度に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記画像配置部は、前記複数の画像間で対応する周縁領域同士の類似度に応じて、前記複数の画像を上下及び/又は左右に反転させることを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像配置部は、前記複数の画像の各々における中心領域と周縁領域との類似度に応じて、前記複数の画像を上下及び/又は左右に反転させることを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
複数の画像を配置した画面を生成する画像処理装置が行う画像処理方法であって、
前記複数の画像を、隙間を空けて配置する画像配置ステップと、
前記隙間を、該隙間に隣接する前記画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間する補間処理ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
複数の画像を配置した画面を生成する画像処理プログラムであって、
前記複数の画像を、隙間を空けて配置する画像配置ステップと、
前記隙間を、該隙間に隣接する前記画像の端部領域の画素の画素値を用いて補間する補間処理ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図12】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
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【図20】
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【図22】
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【図25】
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【図27】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13A】
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【図13B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図23】
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【図24】
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【図26A】
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【図26B】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−185583(P2012−185583A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46996(P2011−46996)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】