説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】情報を埋め込まれた画像から埋込情報を抽出する画像処理装置において、容易に新たな機能を追加する。
【解決手段】画像に埋め込まれた情報を抽出する画像処理装置を、情報処理装置10で構成する。情報処理装置10は、抽出された埋込情報が必要とする機能を情報処理装置10に実行させるためのプラグインを取得するプラグイン取得プラグイン121と、取得されたプラグインを追加して追加プラグインが実行可能にする機能を追加する機能追加プラグイン123と、追加されたプラグインにより実行可能になった機能を既に実行可能である機能リストに加えて、機能リストを更新する機能リスト更新プラグイン124と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、より詳細には、印刷物の記載内容とは別に何らかの情報が埋め込まれた印刷物から情報を抽出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、記録媒体の一つである印刷物に対して記載内容とは別に何らかの情報を埋め込むことで、印刷物に対する付加価値を提供する技術が開発されている。従来からよく知られている技術としてバーコードがある。しかし、バーコードを用いた情報の埋め込みは、バーコードを埋め込む領域を紙面上に確保する必要がある。また、不正コピーの制限情報等のセキュリティ情報としてバーコードが埋め込まれている場合は、バーコードと印刷物が切り離されてしまうと機能しないという問題点がある。
【0003】
そこで、バーコード以外の情報埋め込み技術として、目立ちにくいパターンを印刷物の背景に並べて描画する技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、マルチメディア情報を光学的に読み取り可能なドットコードとして記録した記録媒体に対して、前記ドットコードを読み取って元のマルチメディア情報を再生出力するシステムについて記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、文書画像に対して文字以外の形式で秘密情報を付加する方法と、印刷された文書から秘密情報を検出する方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、流通物に貼付された有価紙片上の埋込情報を抽出して処理する装置について記載されている。
【0007】
更に、特許文献4には、画質を劣化させることなく著作権情報等を印刷物に埋め込むために、ドットパターンを用いて情報を埋め込む方法が記載されている。
【特許文献1】特開2003−101762号公報
【特許文献2】特許平11−007512号公報
【特許文献3】特開2003−187290号公報
【特許文献4】特開2003−283797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記各方式は人間の目には識別し難い形式で情報が埋め込まれるため、このような技術が各種用途に応用されるようになった場合「この画像(印刷物)には何の情報が埋め込まれていて何の用途に使えるのか」といったようなことを、画像(印刷物)を見ただけでユーザが判別するのは非常に困難である。
【0009】
この課題は、画像より埋込情報を抽出する手段と、抽出された埋込情報に応じて実行可能な機能を判断する手段と、実行可能であると判断された機能の一覧を表示する手段と、を備える画像処理装置によって解決される。このような画像処理装置では、画像に埋め込まれている情報に基づいて実行可能な機能をユーザに容易に確認させることができる。また、ユーザは、何の情報が埋め込まれているか不明な印刷物に対して、実行可能な機能・サービスについて調べる必要はなくなるため、ユーザビリティが向上する。
【0010】
ところが、印刷物に埋め込む情報の種類は、今後多様化することが予想され、それに伴い情報抽出後に実行する機能やサービスも多様化することが考えられる。しかしながら、上記の構成の画像処理装置では、新たな機能・サービスを追加することは考慮されていない。したがって、機能・サービスの拡張性に問題があった。
【0011】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、情報を埋め込まれた画像から埋込情報を抽出する画像処理装置において、容易に新たな機能を追加することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、画像に埋め込まれた情報を抽出する画像処理装置であって、抽出された埋込情報が必要とする機能を装置に実行させるためのプラグインを取得するプラグイン取得手段と、取得されたプラグインを追加するプラグイン追加手段と、追加されたプラグインにより実行可能になった機能を既に実行可能である機能のリストに加えて該リストを更新する機能リスト更新手段と、を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、取得されたプラグインの正当性を検証するプラグイン検証手段を有し、前記プラグイン追加手段は、前記プラグイン検証手段により正当とされたプラグインのみを追加することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、前記埋込情報に応じて実行可能な機能が定義された対応表を有し、該対応表は、各機能が、前記埋込情報の種別と対応付けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、追加されたプラグインにより実行可能になった機能と、該機能と対応付けられている前記埋込情報の種別と、の関係の定義づけを取得する情報種別取得手段を有し、前記対応表は、前記情報種別取得手段により、前記追加された機能と、該機能と対応付けられている前記埋込情報の種別と、の関係の定義を追加されて更新されることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記プラグインを削除するプラグイン削除手段を有し、前記機能リスト更新手段は、削除された前記プラグインを除いて前記リストを更新することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、前記プラグインの削除の可否を判定するプラグイン削除可否判定手段を有し、前記プラグイン削除手段は、前記プラグイン削除可否判定手段が削除不可としたプラグインを削除しないことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、画像に埋め込まれた情報を抽出する画像処理方法であって、抽出された埋込情報が必要とする機能を装置に実行させるためのプラグインを取得するプラグイン取得ステップと、取得されたプラグインを追加するプラグイン追加ステップと、追加されたプラグインにより実行可能になった機能を既に実行可能である機能のリストに加えて該リストを更新する機能リスト更新ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法である。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理方法において、取得されたプラグインの正当性を検証するプラグイン検証ステップを有し、前記プラグイン追加ステップでは、前記プラグイン検証ステップにて正当とされたプラグインのみが追加されることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、コンピュータに画像に埋め込まれた情報を抽出させるための画像処理プログラムであって、コンピュータに、抽出された埋込情報が必要とする機能を装置に実行させるためのプラグインを取得するプラグイン取得手順と、取得されたプラグインを追加するプラグイン追加手順と、追加されたプラグインにより実行可能になった機能を既に実行可能である機能のリストに加えて該リストを更新する機能リスト更新手順と、を実行させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、情報を埋め込まれた画像から埋込情報を抽出する画像処理装置において、容易に新たな機能を追加することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって画像処理装置を構成した例について説明する。すなわち、電子透かしやQRコード(登録商標)で情報が埋め込まれている文書画像より埋込情報を抽出するPC等の情報処理装置が、新しく機能を拡張する例について説明する。より具体的には、新たな機能としてメール送信を実行するためのプラグインを追加する場合の例について説明する。
【0024】
図1は、第1の実施の形態における情報処理装置の構成例を示す図である。図1の情報
処理装置10は、それぞれ相互に接続されているHDD13と、メモリ12と、CPU11と、デバイスコントローラ14と、ネットワークコントローラ15等を有するように構成される。
【0025】
情報処理装置10での処理を実現するプログラムは、CD−ROMドライブ等の外部記憶装置22からCD−ROM等の記録媒体を介して提供される。記録媒体に記録されたプログラムは、インストールによってHDD13に格納される。HDD13は、インストールされたプログラムを格納すると共に、プログラムの処理に必要な各種のデータ(画像データ等)を格納する。
【0026】
メモリ12は、プログラムの起動指示があった場合に、HDD13からプログラムを読み出して展開する。CPU11は、メモリ12に展開されたプログラムに従って情報処理装置10に係る機能を実行する。デバイスコントローラ14は、表示装置21や入力装置20等の外部デバイスの制御を行う。ネットワークコントローラ15は、ネットワーク通信の制御を行う。
【0027】
表示装置21は、ディスプレイ等の表示装置である。入力装置20は、キーボード及びマウス等で構成され、様々な操作指示を入力するために用いられる。
【0028】
なお、情報処理装置10は、LAN又はインターネット等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)23を介して他のコンピュータ(外部サーバ24)と接続していてもよい。
【0029】
ところで、メモリ12に展開されたプログラムは、プラグイン取得プラグイン121、プラグイン検証プラグイン122、機能追加プラグイン123、機能リスト更新プラグイン124、及び情報抽出実行プログラム125より構成される。情報抽出実行プログラム125は、情報が埋め込まれている画像に対して、その埋込情報を抽出した上で各種機能を実行するプログラムである。
【0030】
より詳細に、情報抽出実行プログラム125により情報処理装置10が実行する情報処理について説明する。情報処理装置10は、情報抽出実行プログラム125により、電子透かしやQRコード等で情報が埋め込まれている画像(以下、対象画像)から、埋込情報を抽出し、埋込情報が示す実データに基づいて対象画像に種々の機能を実行する。
【0031】
図3は、第1の実施の形態における対象画像としての文書画像の例を示す図である。特に、図3(a)と(b)に示されるような文書画像には、少なくとも文字又は文字列が含まれている。そして、図3(a)のように電子透かしで情報が埋め込まれている場合は、例えばその文字の輪郭や文字間隔を変更することで情報が埋め込まれている。また、電子透かしに限らず、図3(b)のようにQRコード(登録商標)で情報が埋め込まれていてもよい。なお、図3(c)については、第2の実施の形態にて説明する。
【0032】
埋込情報としては、例えば、対象画像の作成者ID、対象画像の作成日時、対象画像のオリジナルデータ(ファイル)へのリンク情報、所定のWebページへのURL、メールアドレス、又はFAX番号等、様々なものでよく、これらの複数が含まれていてもよい。
【0033】
各埋め込み情報は、例えば、以下のような形式で埋め込まれている。図4(a)は、埋め込み情報の形式の例を示す図である。
【0034】
図4(a)に示されるように、各埋込情報は、ヘッダ情報と実データとから構成される。ここで、ヘッダ情報とは、当該埋込情報の種別又は意味を識別するための情報である。例えば、意味を識別するための情報である場合、対象画像に対して実行可能な機能を識別するコードが好適である(図3(b)参照)。すなわち、0xFF10であればFAX送信、0xFF20であればフォルダ配信・・・といったように予め定められている(図6参照)。また、例えば、埋込情報の種別を識別するための情報である場合(図3(c)参照)、作成者IDであれば0x0010、作成日時であれば0x0020、リンク情報(URL)であれば0x0030・・といったように、埋込情報の種別ごとに予め値が定められている(図8参照)。
【0035】
また、実データとは、ヘッダ情報が対象画像に対して実行可能な機能である場合は、実行時に必要となるパラメータである。したがって、ヘッダ情報が0xFF20であれば配信先のフォルダアドレスが格納されている。また、ヘッダ情報が情報種別である場合は、当該埋込情報の内容を示す情報である。したがって、ヘッダ情報が0x0010であれば作成者IDが格納されている。
【0036】
また、情報抽出実行プログラム125により実行可能な各種機能は、図5に示す通り機能リストとしてリスト化されているが、この機能リストに限定されず、後述する処理によってプラグインを追加することで機能リストを増やすことができる。図5(a)は、機能リスト全体の例を示す図である。また、図5(b)は、ある対象画像に対して実行可能な機能リストの例を示す図であり、ここでは、図4(b)で示した例のように、「フォルダ配信」が対象画像に埋め込まれていた場合の例である。
【0037】
次に、情報抽出実行プログラム125に組み込まれる各プラグインについて簡単に説明する。各プラグインは、情報処理装置10に新たな機能を実行させるために、情報抽出実行プログラム125に新たなプラグインをインストールするためのプログラムであって、情報抽出実行プログラム125のプラグインとしてモジュール化されている。モジュール化することで可搬性が向上しメンテナンス効率が向上するため有利である。なお、各プラグインの機能については処理手順の説明において明らかにする。
【0038】
以下、図1の情報処理装置10の処理手順について説明する。図2は、第1の実施の形
態における情報処理装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0039】
プラグイン取得ステップ(ステップS201)では、追加対象機能を実行するプラグインを取得する。取得先としてはCDやDVD等の外部記録装置22が読み込むことのできる記録媒体からプラグインを読み込む。また、ネットワーク23上の外部サーバ24からダウンロードしてもよい。
【0040】
プラグイン検証ステップ(ステップS202)では、ステップS201で取得したプラグインの正当性をチェックする。このステップは取得したプラグインが改ざんされていないか、ウィルスに感染していないか等をチェックするものである。具体的な検証方法としてはメッセージダイジェスト(ハッシュ値)を利用する方法がある。正規のプラグインから生成したMD5(Message Digest Algorithm 5)等のメッセージダイジェスト(ハッシュ値)を別途取得し、それがステップS201で取得したプラグインから生成したメッセージダイジェストと一致していれば、ステップS201で取得したプラグインは正規のものと判定する方法である。なお、PGP(Pretty Good Privacy:登録商標)などの電子署名を利用してプラグインの正当性を検証してもよい。PGPは、安全性の高い公開鍵方式の暗号化プログラムである。
【0041】
ステップS203ではステップS202の検証結果をチェックし、ステップS201で取得したプラグインが正当なものであればステップS204の処理を実行する。もしステップS201で取得したプラグインに改ざんなどがあった場合にはその旨を表示装置21に表示して、処理を終了する。
【0042】
プラグイン追加ステップ(ステップS204)では、ステップS202で検証済みのプラグインを新たな機能として情報抽出実行プログラム125に組み込む。
【0043】
機能リスト更新ステップ(ステップS205)では、図3の(a)に例を示す機能リストに追加プラグインを登録して、機能リストを更新する。
【0044】
具体例を図6ないし図7を用いて説明する。図6は、新規プラグインの追加前の、機能に対応した識別子を定義した対応表の例を示す図である。図6の機能リストには3つの機能だけ登録されている。これに対して、上記処理を実行して、例えば、メール送信を実行するためのプラグインを新規に追加すれば、図7のように機能リストを更新することができる。この場合、プラグインの組み込みはステップS204までのステップで完了し、ステップS205で行うことは機能リストへのメール送信項目の追加である。
【0045】
なお、実際には機能とその識別子の組を機能リストに追加することで完了するが、識別子の取得に関してはユーザが入力装置20から入力してもよい。機能リストの更新方法としては、これ以外にネットワーク23上の外部サーバ24に公開されている機能リストをダウンロードし、情報処理装置10の内部にある機能リストに上書きすることも考えられる。この方法によれば機能リストを一元管理することができ、機能リストを共通化できるメリットがある。
【0046】
以上により、情報処理装置10に新しい機能をインストールする動作の説明を終える。上述した構成及び動作によれば、画像に埋め込まれている情報に基づいて実行可能な機能を判断・実行する情報処理装置に対して、容易にかつセキュリティを確保した上で新規機能を追加することができるようになる。
【0047】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、コピー機や複合機(以下、MFP:Multi Functional Printer)等によって画像処理装置を構成した例について説明する。すなわち、情報が埋め込まれた印刷物から埋込情報を抽出して、実行可能な機能を判断・実行するMFPにおけるプラグインの追加処理を説明する。
【0048】
なお、第2の実施の形態は、図3(c)に例示したQRコード(登録商標)で情報が埋め込まれている印刷物から埋込情報を抽出するMFPであり、また埋込情報は、図4(c)に例示した、ヘッダ情報が実データの情報種別を識別するためのコードであるタイプのものである場合を設定する。
【0049】
図9は、第2の実施の形態における複合機の構成例を示す図である。図9中、図1と同
一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
図9において、MFP10aは、それぞれ相互に接続されているHDD13と、メモリ12と、CPU11と、オペレーションパネル20aと、読取部25と、印刷部26と、ネットワークコントローラ15と等を有するように構成される。
【0051】
MFP10aでの処理を実現するプログラムは、SDカード等の記録媒体(図示せず)によって提供される。記録媒体に記録されたプログラムは、外部記憶装置22等を介するインストールによってHDD13に格納される。HDD13は、インストールされたプログラムを格納すると共に、プログラムの処理に必要な各種のデータ(画像データ等)を格納する。
【0052】
メモリ12は、プログラムの起動指示があった場合に、HDD13からプログラムを読み出して展開する。CPU11は、メモリ12に展開されたプログラムに従ってMFP10aに係る機能を実行する。オペレーションパネル20aは、ユーザからの入力の受け付けや、各種情報の表示を行う。読取部25は、印刷文書に印刷された画像をスキャンする。印刷部26は、画像データを印刷する。ネットワークコントローラ15は、ネットワーク通信の制御を行う。
【0053】
なお、メモリ103に展開されたプログラムは、図1に示し、既に説明をしたものを除くと、情報種別取得プラグイン126がある。情報種別取得プラグイン126の機能の詳細については、MFP10aの処理手順の説明において明らかにする。
【0054】
以下、図9のMFP10aの処理手順について説明する。図10は、第2の実施の形態におけるMFP10aの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0055】
プラグイン取得ステップ(ステップS1001)では、追加対象機能を実行するプラグインを取得する。取得先としてはCDやDVD等の外部記録メディアからプラグインを読み込んだり、又はネットワーク23上の外部サーバ24からダウンロードしたりしてもよい。
【0056】
プラグイン検証ステップ(ステップS1002)では、ステップS1001で取得したプラグインの正当性をチェックする。上記第1の実施の形態のように取得したプラグインが改ざんされていないか、ウィルスに感染していないか等をチェックしてもよい。しかし、ここではインストール先が制限されているプラグインに対してステップS1001で取得したプラグインがMFP10aへのインストールを許可されているか否かをチェックする。このように特定の機器にだけインストールできるようにすることで、プラグインの複製などの不正を防止する対策をとることがある。具体的な検証方法として、電子署名を利用してプラグインの正当性を検証してもよい。追加プラグインの配布側で、インストールを許可するMFP10aの固有番号(例えば、MACアドレス等)を基に認証ファイルを作成し、追加プラグインと一緒に配布する。MFP10a側ではステップS1001で追加プラグインと認証ファイルを取得し、そしてステップS1002でその認証ファイルと固有番号とから正当性(インストールの可否)を検証する。
【0057】
ステップS1003ではステップS1002の検証結果をチェックし、ステップS1001で取得したプラグインが正当なものであればステップS1004の処理を実行する。もしステップS201で取得したプラグインのインストールが不可の場合にはその旨をオペレーションパネル20aに表示して、処理を終了する。
【0058】
プラグイン追加ステップ(ステップS1004)では、ステップS1002で検証済みのプラグインを新たな機能としてMFP10aに組み込む。
【0059】
情報種別取得ステップ(ステップS1005)では、ステップS1004で追加したプラグインと対応付ける情報の種別を取得する。具体的には、MFP10aのHDD13などに保存してある情報種別と識別子の対応表に登録されている情報一覧をオペレーションパネル20aに表示し、その中から追加機能に対応付ける情報種別をユーザが選択する方法でもよい。図11に、HDD13に格納される機能リストと情報種別の対応表の例を示す。
【0060】
機能リスト更新ステップ(ステップS1006)では、ステップS1004で追加した機能とステップS1005で取得した情報種別を、前述したHDD13に格納される機能リストと情報種別の対応表に登録する。具体的には、図11示す対応表に追加機能と情報種別を登録して、図12にあるような機能リストと情報種別の対応表に更新する。図12は、ある機能が追加された後の対応表の例を示す図である。
【0061】
以上により、印刷物に埋め込まれている情報に基づいて実行可能な機能を判断・実行するMFPに対して、容易にかつセキュリティを確保した上で新規機能を追加することができるようになる。
【0062】
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、上記第2の実施の形態のMFPで既に機能リストに加えられているプラグインを削除する動作を行うものである。
【0063】
図13に、第3の実施の形態の構成例を示す。図9と共通する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0064】
図13において、ユーザにより起動が指示されると、情報抽出実行プログラム125は、HDD13から呼び出され、メモリ12上に展開される。また、以下に詳述するプラグインの削除動作に用いられる、機能削除プラグイン127と削除操作可否判定プラグイン128も同様に展開され、情報抽出実行プログラム125に組み込まれる。両プラグインの機能は、以下の処理手順の説明において明らかにする。
【0065】
以下、図13のMFP10aの処理手順について説明する。図14は、第3の実施の形態におけるMFP10aの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0066】
削除操作可否判定ステップ(ステップS1401)では、削除操作可否判定プラグイン128が、プラグインの削除の可否判定を行う。削除操作可否判定プラグイン128の具体的動作としては、例えば、MFP10aに既にインストールされているプラグインを削除する場合に、オペレーションパネル20aで削除操作をするメニューに移行する前にパスワード認証を求める動作である。このように構成すると、プラグイン削除の操作をMFP10aの管理者等、パスワードを知っている人物だけに制限することができるため、セキュリティが堅強になる。
【0067】
ステップS1402では、情報抽出実行プログラム125がステップS1401の判定結果をチェックし、削除操作可と判定した場合にはステップS1403の処理に進む。もし削除操作不可と判定した場合にはその旨をオペレーションパネル20aに表示して、処理を終了する。
【0068】
プラグイン削除ステップ(ステップS1403)では、機能削除プラグイン127が、ユーザが指定した機能のプラグインを削除する。実際にはHDD13等にインストールされているプラグインを削除することになる。
【0069】
機能リスト更新ステップ(ステップS1404)では、機能リストからステップS1403で削除した機能の項目を削除する。具体的には、例えば、図7に示した機能リストから、指定した機能(例えば、「メール送信」機能)のエントリを削除して、図6に示した機能リストに更新する。
【0070】
以上により、印刷物に埋め込まれている情報に基づいて実行可能な機能を判断・実行する情報処理装置に対して、容易にかつセキュリティを確保した上で不要となった機能の削除を行うことができる。
【0071】
以上の説明から明らかなように、本発明の作用・効果は、画像もしくは印刷物から情報を抽出し、その情報の組合せに基づいて実行可能な機能・サービスを判断・実行する方法および装置において、容易に、かつセキュリティを確保した上で新たな機能・サービスの追加及び削除を行うことができるようになることである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の実施の形態が埋込情報抽出対象とする画像を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態が抽出する埋込情報を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態の機能リストの例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の機能に対応した識別子を定義した対応表の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態により、ある機能が追加された後の対応表の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の情報種別に対応した識別子を定義した対応表の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の、機能リストと情報種別の対応表の例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の、ある機能が追加された後の対応表の例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0073】
10 情報処理装置
10a MFP
11 CPU
12 メモリ
13 HDD
14 デバイスコントローラ
15 ネットワークコントローラ
20 入力装置
20a オペレーションパネル
21 表示装置
22 外部記憶装置
23 ネットワーク
24 外部サーバ
25 読取部
26 印刷部
121 プラグイン取得プラグイン
122 プラグイン検証プラグイン
123 機能追加プラグイン
124 機能リスト追加プラグイン
125 情報抽出実行プログラム
126 情報種別取得プラグイン
127 機能削除プラグイン
128 削除操作可否判定プラグイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に埋め込まれた情報を抽出する画像処理装置であって、
抽出された埋込情報が必要とする機能を装置に実行させるためのプラグインを取得するプラグイン取得手段と、
取得されたプラグインを追加するプラグイン追加手段と、
追加されたプラグインにより実行可能になった機能を既に実行可能である機能のリストに加えて該リストを更新する機能リスト更新手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
取得されたプラグインの正当性を検証するプラグイン検証手段を有し、
前記プラグイン追加手段は、前記プラグイン検証手段により正当とされたプラグインのみを追加することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記埋込情報に応じて実行可能な機能が定義された対応表を有し、
該対応表は、各機能が、前記埋込情報の種別と対応付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
追加されたプラグインにより実行可能になった機能と、該機能と対応付けられている前記埋込情報の種別と、の関係の定義づけを取得する情報種別取得手段を有し、
前記対応表は、前記情報種別取得手段により、前記追加された機能と、該機能と対応付けられている前記埋込情報の種別と、の関係の定義を追加されて更新されることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プラグインを削除するプラグイン削除手段を有し、
前記機能リスト更新手段は、削除された前記プラグインを除いて前記リストを更新することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記プラグインの削除の可否を判定するプラグイン削除可否判定手段を有し、
前記プラグイン削除手段は、前記プラグイン削除可否判定手段が削除不可としたプラグインを削除しないことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像に埋め込まれた情報を抽出する画像処理方法であって、
抽出された埋込情報が必要とする機能を装置に実行させるためのプラグインを取得するプラグイン取得ステップと、
取得されたプラグインを追加するプラグイン追加ステップと、
追加されたプラグインにより実行可能になった機能を既に実行可能である機能のリストに加えて該リストを更新する機能リスト更新ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
取得されたプラグインの正当性を検証するプラグイン検証ステップを有し、
前記プラグイン追加ステップでは、前記プラグイン検証ステップにて正当とされたプラグインのみが追加されることを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータに画像に埋め込まれた情報を抽出させるための画像処理プログラムであって、
コンピュータに、
抽出された埋込情報が必要とする機能を装置に実行させるためのプラグインを取得するプラグイン取得手順と、
取得されたプラグインを追加するプラグイン追加手順と、
追加されたプラグインにより実行可能になった機能を既に実行可能である機能のリストに加えて該リストを更新する機能リスト更新手順と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−236231(P2008−236231A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71243(P2007−71243)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】