説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法

【課題】セルサイズ補正が行われたマトリクス型2次元シンボルに対して連結補正を確実に効果的に行うことが可能な画像処理技術を提供する。
【解決手段】エンコーダ451は、シンボル生成パラメータを用いてシンボル画像を生成し、当該シンボル画像に対してセルサイズ補正量を用いてセルサイズ補正を行い、セルサイズ補正後のシンボル画像及びセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、セルサイズ補正量を用いてシンボル画像に対して連結補正を行い、連結補正後のシンボル画像をプリンタドライバ430に渡す。プリンタドライバ430は、連結補正後のシンボル画像を描画データにおいて重畳した後に印刷データに変換して、これをスプーラ440に渡す。印刷処理部460は、スプーラ440を介して印刷データを受け取り、当該印刷データを用いて印刷処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルサイズ補正が行われたマトリクス型2次元シンボルに対して連結補正を行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルデータを機械読み取り可能な形態に変換して紙やフィルムなどの記録媒体に可視状態で印刷し、当該デジタルデータを管理して様々な用途に用いる方法が知られている。機械読み取り可能な形態としては、流通・販売・在庫などの商品管理の分野で一般に広く普及しているシンボルとして1次元バーコードが周知である。これらは所定の長さのバーが横一列に複数並べられた幾何学パターンであり、光学的読取装置でバーコードを読み取ることにより当該バーコードに変換されたデジタルデータを読み出すことが可能になる。しかしながら1次元バーコードは、変換できるデジタルデータのデータ量が非常に少ないことが欠点である。一方、変換可能なデータ量を増やすことを目的として多種の2次元シンボルが開発され、普及してきている。2次元シンボルの代表的なものとしてはスタック型2次元シンボルであるPDF417や、マトリクス型2次元シンボルであるQRコード、DataMatrixなどがあり、自動認識協会(AIM)によって規格化されている。スタック型2次元シンボルは1次元バーコードを積み上げた形のもので、水平方向にしかデジタルデータを変換することができないため、変換可能なデータ量はそう多くはない。マトリクス型2次元シンボルは、シンボルを構成するための最小単位であるセルと呼ばれる矩形要素を格子状に配置するもので、水平方向及び垂直方向の両方向でデジタルデータを変換可能であるため、スタック型2次元シンボルよりも多くのデータ量のデジタルデータを変換可能である。セルは、例えば、複数の画素から構成され、縦×横の画素数が4×4や6×6などで構成される。各画素の色は画素値によって表され、セルに含まれる全ての画素の色は全て同じである。
【0003】
このマトリクス型2次元シンボルの読み取りにあたって、当該シンボルの画像(シンボル画像という)を印刷する際の印字太りが問題となることが多い。各セルは白(明)又は黒(暗)のいずれかの色を有しているが、理想的には、白い色を有するセル(白セルという)と黒い色を有するセル(黒セルといいう)との大きさのバランスが1:1になることが望ましい。しかし、殆どの場合、黒セルが白セルよりも大きくなり、所謂、印刷太りしてしまい、この結果、白セルの部分が黒く潰され、読み取りが困難になり得る(図58参照)。これはセルサイズが小さい場合において特に顕著になる。このような印刷太りによる読み取り精度の低下を軽減するために、セルサイズ補正と呼ばれる技術が開発されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載されている方法では、印刷時における黒セルの印字太りを予め考慮して、全ての黒セルのセルサイズを予め小さくしておく。しかしながらこの方法では連続したセルのセルサイズも小さくなってしまうことで隣接する黒セル間に隙間ができてしまう。この結果、印刷時にもわずかな隙間(白すじ)が発生してしまったり、黒セルが連続することにより形成される直線が、団子状の黒セルが連続するいびつな形になってしまったりして、読み取り精度を向上できない恐れがあった(図59参照)。
【0004】
近年では、このようなセルサイズ補正での問題点を解消するために、連結補正という技術が開発されている(例えば特許文献2参照)。特許文献2に記載されている方法では、セルサイズ補正の際に、黒セルが連続している部分についてはセルサイズ補正が適用されないようにすることで、隣接する黒セル間にわずかな隙間(白すじ)が印刷時に発生することがなくなる(図60参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の技術では、サーマル印刷での事情に特化した内容であり、電子写真など他の方式に汎用的に適用できない。また、紙搬送方向の補正しか考慮されておらず、連結補正を十分に行うことができなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、セルサイズ補正が行われたマトリクス型2次元シンボルに対して連結補正を確実に効果的に行うことが可能な画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、本発明は、画像処理装置であって、情報がエンコードされた画像であって少なくとも1つの画素を含み明暗のいずれかの色を表す複数のセルが2次元で配置されたマトリクス型2次元シンボルの画像であるシンボル画像に対して、セル間の間隔を変えずに、暗又は明を表す第1セルのサイズを縮小する負のセルサイズ補正が行なわれたシンボル画像の入力を受け付ける画像入力受付手段と、前記シンボル画像に基づいて、当該シンボル画像に対して、当該シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する画素であって当該第1セルとは異なる色を表す画素の色を、当該第1セルと同じ色に変更する連結補正を行なう連結補正手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、画像処理装置で実行される画像処理方法であって、情報がエンコードされた画像であって少なくとも1つの画素を含み明暗のいずれかの色を表す複数のセルが2次元で配置されたマトリクス型2次元シンボルの画像であるシンボル画像に対して、セル間の間隔を変えずに、暗又は明を表す第1セルのサイズを縮小する負のセルサイズ補正が行なわれたシンボル画像の入力を受け付ける画像入力受付ステップと、前記シンボル画像に基づいて、当該シンボル画像に対して、当該シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する画素であって当該第1セルとは異なる色を表す画素の色を、当該第1セルと同じ色に変更する連結補正を行なう連結補正ステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムである。
【0010】
また、本発明は、印刷装置で実行される印刷方法であって、情報がエンコードされた画像であって少なくとも1つの画素を含み明暗のいずれかの色を表す複数のセルが2次元で配置されたマトリクス型2次元シンボルの画像であるシンボル画像に対して、セル間の間隔を変えずに、暗又は明を表す第1セルのサイズを縮小する負のセルサイズ補正が行なわれたシンボル画像の入力を受け付ける画像入力受付ステップと、前記シンボル画像に基づいて、当該シンボル画像に対して、当該シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する画素であって当該第1セルとは異なる色を表す画素の色を、当該第1セルと同じ色に変更する連結補正を行なう連結補正ステップと、連結補正を行なった前記シンボル画像を出力する出力ステップと、出力された前記シンボル画像を印刷媒体に印刷する印刷ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セルサイズ補正が行われたマトリクス型2次元シンボルに対して連結補正を確実に効果的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理システム全体の構成を例示する図である。
【図2】図2は、同実施の形態にかかるパーソナルコンピュータ101のハードウェア構成を例示する図である。
【図3】図3は、同実施の形態にかかる複写機102のハードウェア構成を例示する図である。
【図4】図4は、同実施の形態にかかる画像処理システムについて印刷処理に関する機能的構成を例示する図である。
【図5】図5は、同実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、同実施の形態にかかる電子文書1101によって表される文書を例示する図である。
【図7】図7は、同実施の形態にかかる印刷設定ダイアログ1201の表示例を示す図である。
【図8】図8は、同実施の形態にかかるエンコーダ451がセルサイズ補正を行ったシンボル画像を例示する図である。
【図9】図9は、同実施の形態にかかる連結補正後のシンボル画像を例示する図である。
【図10】図10は、同実施の形態にかかる電子文書1101に対してシンボル画像1301が付加された画像を例示する図である。
【図11】図11は、ステップS8で同実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、同実施の形態にかかるステップS502で行う水平方向の連結補正処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図8に例示したセルサイズ補正後のシンボル画像に対して水平方向の連結補正処理を行ったシンボル画像を例示する図である。
【図14】図14は、図11のステップS503で行う垂直方向の連結補正処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第2の実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、同実施の形態にかかるステップS1502で行うセル位置情報を取得する処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図17】図17は、「L字アライメントパターン」を示す図である。
【図18】図18は、同実施の形態にかかるシンボル画像を左上隅から左斜め下方向に探索する例を示す図である。
【図19】図19は、垂直方向の各セルの開始位置の座標、終了位置の座標及び垂直方向のセル数(n)を例示する図である。
【図20】図20は、水平方向の各セルの開始位置の座標、終了位置の座標及び水平方向のセル数(m)を例示する図である。
【図21】図21は、全てのセルについて開始位置及び終了位置をセル位置情報として取得した例を示す図である。
【図22】図22は、各セルの開始位置にある画素を各セルの代表画素を例示する図である。
【図23】図23は、シンボルタイプがQRである場合のセル位置情報を取得する処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、「ファインダパターン」と「タイミングパターン」とを示す図である。
【図25】図25は、シンボル画像を左上隅から左斜め下方向に探索する例を示す図である。
【図26】図26は、途中の偶数番目のセルを除く垂直方向の各セルの開始位置の座標、終了位置の座標及び垂直方向のセル数(n)を例示する図である。
【図27】図27は、黒セルの画素の探索を例示する図である。
【図28】図28は、全てのセルについて開始位置及び終了位置をセル位置情報として取得した例を示す図である。
【図29】図29は、図15のステップS1503で行う連結補正処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図30】図30は、前景色に変更される矩形領域を例示する図である。
【図31】図31は、前景色に変更される矩形領域を例示する図である。
【図32】図32は、前景色に変更される矩形領域を例示する図である。
【図33】図33は、連結補正前のシンボル画像と連結補正後のシンボル画像とを対比するための図である。
【図34】図34は、シンボルタイプがDataMatrixである場合に、第1の実施の形態にかかる構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図である。
【図35】図35は、シンボルタイプがDataMatrixである場合に、第2の実施の形態にかかる構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図である。
【図36】図36は、シンボルタイプがQRである場合に、第1の実施の形態にかかる構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図である。
【図37】図37は、シンボルタイプがQRである場合に、第2の実施の形態にかかる構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図である。
【図38】図38は、第3の実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。
【図39】図39は、一部のセルについてセルサイズ補正が行われていない画像を例示する図である。
【図40】図40は、同実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図41】図41は、第4の実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。
【図42】図42は、同実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図43】図43は、第5の実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図44】図44は、第6の実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。
【図45】図45は、同実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図46】図46は、第7の実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図47】図47は、第8の実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。
【図48】図48は、同実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図49】図49は、第9の実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図50】図50は、第10の実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図51】図51は、同実施の形態の一変形例にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図52】図52は、同実施の形態の一変形例にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図53】図53は、同実施の形態の一変形例にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図54】図54は、一変形例にかかる画像処理システムについて印刷処理に関する機能的構成を例示する図である。
【図55】図55は、シンボルタイプがDataMatrixであるシンボル画像の回転角度が各々0度、90度、180度、270度である場合にセル位置情報を取得する際の探索例を各々例示する図である。
【図56】図56は、シンボルタイプがQRであるシンボル画像の回転角度が各々0度、90度、180度、270度である場合にセル位置情報を取得する際の探索例を各々例示する図である。
【図57】図57は、シンボルタイプがDataMatrix及びQR以外のシンボル画像を例示する図である。
【図58】図58は、従来のシンボル画像の印刷例を例示する図である。
【図59】図59は、従来のシンボル画像の印刷例を例示する図である。
【図60】図60は、従来のシンボル画像の印刷例を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施の形態]
<画像処理システムの構成>
図1は、本実施の形態における画像処理システム全体の構成を例示する図である。同図に示されるように、画像処理システムは、パーソナルコンピュータ101と複写機102とが接続機構を介して接続されて構成される。接続機構とは、例えば、LAN(Local Area Network)のネットワークやUSB(Universal Serial Bus)などの接続回線である。なお、同図においては、パーソナルコンピュータ101と複写機102が一対一で接続されている例を示しているが、ネットワークによる接続の場合、多対多の接続も可能である。
【0015】
<パーソナルコンピュータの構成>
図2は、パーソナルコンピュータ101のハードウェア構成を例示する図である。パーソナルコンピュータ101は、パーソナルコンピュータ101全体を制御するCPU(Central Processing Unit)201と、各種制御プログラムや各種データなどを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶部202と、各種アプリケーションプログラムや各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶部203と、外部装置とのデータ通信を制御する通信部204と、ドライブ装置205と、これらを接続するバス209とを有する一般的なコンピュータの構成を有している。更に、パーソナルコンピュータ101には、有線又は無線の接続機構を介して、モニタなどの表示装置207と、マウスやキーボードなどの入力装置208とが接続される。また、パーソナルコンピュータ101の記憶部202には後述のプリンタドライバが記憶される。プリンタドライバがCPU201により起動されると、ユーザからの印刷指示に応じて、通信部204を介して、複写機102に印刷命令を送信する。
【0016】
<複写機の構成>
図3は、複写機102のハードウェア構成を例示する図である。本図に示すように、複写機102は、コントローラ310とエンジン部(Engine)360とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ310は、複写機102全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部360は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジン等であり、スキャナなどの走査部を備えると共に、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ等の印刷部(いずれも図示せず)を備える。なお、このエンジン部360には、プロッタ等のいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれる。その他、複写機102は、紙をスキャンして画像を読み取るスキャナなどの画像読取部を備える。また、複写機102は、ユーザからの操作が入力される操作装置と情報を表示する表示装置とを一体的に形成した操作パネル320を備える。操作パネル320は、ASIC316に接続される。また、コントローラ310が有するCPU311は、計時機能を有し、現在日時を計時する。このような複写機102の詳細な構成については、例えば特開2006-177990号公報に開示されているため、その説明を省略する。
【0017】
図4は、画像処理システムについて印刷処理に関する機能的構成を例示する図である。同図に示されるように、パーソナルコンピュータ101は、文書データ等の操作及び印刷制御に関する機能として、アプリケーション410、グラフィックエンジン420、プリンタドライバ430、スプーラ440及び連結補正シンボル画像作成処理部450を有している。また、複写機102は印刷処理部460を有している。
【0018】
アプリケーション410は、文書を電子的なデータとして表す電子文書等、複写機やプリンタに印刷させる情報の生成等に利用されるワープロソフトや表計算ソフト等の一般的なアプリケーションである。グラフィックエンジン420は、複写機やプリンタ、ディスプレイ等のデバイスの差異を吸収した描画用の関数インターフェースをアプリケーション410に提供するモジュールである。グラフィックエンジン420は、アプリケーション410からの関数呼び出しに応じ、印刷範囲の電子文書をアプリケーション非依存の形式のデータ(例えばEMF(Enhanced Meta File)形式等のデータ、以下「描画データ」と呼ぶことにする)に変換し、生成された描画データをプリンタドライバ430に出力するモジュールであり、OS(Operating System)によって提供される。例えば、Windows(登録商標)環境においては、GDI(Graphics Device Interface)がグラフィックエンジン420に相当する。
【0019】
尚、図示していないが、セルサイズ補正量記憶部は、複写機102のエンジン部360の印字太り特性を考慮して予め決定されたセルサイズ補正量が記憶されている。このセルサイズ補正量が用いられることで印刷時に黒セルと白セルとの大きさのバランスが理想的な1:1に近くなるようになっている。ここではセルサイズ補正量記憶部にセルサイズ補正量として負の値である「-1[dot]」が記憶されているものとする。即ち、ここでは、黒セルを構成する画素の数を水平方向及び垂直方向に各々「1[dot]」分減らしてそのセルサイズを縮小することにより、セルサイズ補正が行われる。プリンタドライバ430は、グラフィックエンジン420によって出力された描画データを、当該プリンタドライバ430が対応する複写機又はプリンタに解釈可能又は処理可能な形式のデータ(例えばPDL(Page Description Language)、以下「印刷データ」と呼ぶことにする)に変換する。但し、本実施の形態におけるプリンタドライバ430は、描画データを印刷データに変換する過程において、シンボル画像を生成するためにユーザにより設定されたエンコード文字列、シンボルタイプ、シンボル画像の埋め込み位置及び埋め込み位置の調整量を含むシンボル生成パラメータと、セルサイズ補正量記憶部に記憶されたセルサイズ補正量とを連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す。尚、シンボル画像の画像サイズは、シンボルタイプ毎に予め設定されていても良いし、ユーザにより設定されるようにしても良い。また、プリンタドライバ430は、連結補正シンボル画像作成処理部450が生成してセルサイズ補正及び連結補正を行ったシンボル画像を受け取り、受け取ったシンボル画像を描画データにおいて印刷範囲内の所定位置に重畳した後に印刷データに変換して、これをスプーラ440に渡す。所定位置とは、埋め込み位置及び埋め込み位置の調整量にとって定められる位置である。
【0020】
スプーラ440は、印刷ジョブを記憶しておき、順次プリントアウトできるようにするためのモジュールである。スプーラ440はプリンタドライバ430から印刷データを受け取り、複写機102に印刷データを送る。通常は、複写機102に印刷データを送る速度よりもプリンタドライバ430が印刷データを生成する速度の方が速いため、スプーラ440には印刷データが一時的に保存されることになる。スプーラ440は、すべての印刷データを送り終わったときに、印刷データを削除する。
【0021】
連結補正シンボル画像作成処理部450は、プリンタドライバ430からシンボル生成パラメータ及びセルサイズ補正量を受け取ってこれらを用いてシンボル画像を生成して連結補正を行うモジュールであり、エンコーダ451及び連結補正処理部452を有する。エンコーダ451は、シンボル生成パラメータを基に、1次元バーコードや2次元コードのシンボル画像に符号化するモジュールである。1次元バーコードとしてはCode39、EAN-8、EAN-13、Codebar(NW-7)、Code128などがあり、2次元コードとしてはスタック型2次元コードであるPDF417、マトリクス型2次元コードであるQR、DataMatrixなどがある。エンコーダについてはすでに公知の技術や製品が多く存在するが、本実施例で対象とするエンコーダ451は、シンボル生成パラメータを用いて、エンコード文字列をエンコードしたマトリクス型2次元シンボルの画像(シンボル画像)を生成し、生成したシンボル画像に対して、セルサイズ補正量を用いてセルサイズ補正を行う。尚、本実施の形態においてはシンボル画像のデータ形式は、ラスタ形式であるとする。そして、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると、当該セルサイズ補正量を用いて当該シンボル画像に対して連結補正を行い、連結補正後のシンボル画像をプリンタドライバ430に渡すモジュールである。
【0022】
印刷処理部460は、スプーラ440から印刷データを受け取り、当該印刷データを用いて印刷処理を実行するモジュールである。
【0023】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について図5を用いて説明する。まず、アプリケーション410が、図6に示されるような文書を表す電子文書1101を作成したとする(ステップS1)。そして、アプリケーション410は当該電子文書を印刷するためのユーザインターフェースとして印刷メニューを表示装置207に表示させる。そして、当該印刷メニューにおいてユーザが、印刷先として複写機102を選択すると、アプリケーション410は、図7に示されるような印刷設定ダイアログ1201を表示装置207に表示させる(ステップS2)。印刷設定ダイアログ1201には、印刷条件の一部としてシンボル埋め込み設定タブ1202を備えている。本タブには、シンボル画像を埋め込むかを選択するためのチェックボックス1203、埋め込むシンボルタイプ(ここではQRまたはDataMatrix)を設定するためのコンボボックス1204、シンボル画像にエンコードするエンコード文字列を指定するためのテキストボックス1205、埋め込み位置を指定するためのラジオボタングループ1206、埋め込み位置を微調整するためのエディットボックス1207〜1208が含まれている。エンコード文字列は、文字列やバイト配列である。また、印刷処理を実行するためのOKボタン1209、印刷処理をキャンセルするためのキャンセルボタン1210を備えている。このような画面においてユーザが、エンコード文字列及びシンボルタイプ、シンボル画像の埋め込み位置及び埋め込み位置の調整量を指定してOKボタン1209を押下すると(ステップS3)、グラフィックエンジン420は、電子文書を描画データに変換し、描画データと、指定されたエンコード文字列、シンボルタイプ、埋め込み位置及び埋め込み位置の調整量を示すシンボル生成パラメータを含む印刷条件とをプリンタドライバ430に渡す(ステップS4)。ここではシンボルタイプとしてQR、エンコード文字列として「会議資料2008/02/22」、埋め込み位置として左上、埋め込み位置の調整量として縦方向及び横方向ともに「10[mm]」が指定されるものとする。
【0024】
描画データ及び印刷条件がプリンタドライバ430に渡されると、プリンタドライバ430は印刷条件に含まれるシンボル生成パラメータに含まれるエンコード文字列及びシンボルタイプを連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す(ステップS5)。このとき、プリンタドライバ430はセルサイズ補正量をセルサイズ補正量記憶部から取得し、取得したセルサイズ補正量も連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す。また、クワイエットゾーンなどのその他シンボル生成パラメータはシンボルタイプに応じた所定の値を渡すものとする。
【0025】
連結補正シンボル画像作成処理部450のエンコーダ451は、エンコード文字列、シンボルタイプ及びセルサイズ補正量を受け取ると、エンコード文字列及びシンボルタイプを用いてシンボル画像を生成し、生成したシンボル画像に対して、セルサイズ補正量を用いてセルサイズ補正を行う(ステップS6)。図8は、エンコーダ451がセルサイズ補正を行ったシンボル画像701を例示する図である。同図に示されるように、シンボル画像としてQRコードが生成されセルサイズ補正が行われているが、連続する黒セル間に隙間が発生している。そして、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す(ステップS7)。
【0026】
次に、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像及びセルサイズ補正量(ここでは-1[dot])を受け取ると、これらを用いて、連結補正を行う(ステップS8)。図9は、連結補正後のシンボル画像を例示する図である。同図に示されるように、図8に示されるセルサイズ補正後のシンボル画像に対して連続補正が行われることにより、連続する黒セル間に発生していた隙間が黒く埋められている。そして、連結補正処理部452は、連結補正後のシンボル画像1001をプリンタドライバ430に渡す(ステップS9)。尚、ステップS8で連結補正処理部452が行う処理の手順については後述する。
【0027】
プリンタドライバ430は、連結補正後のシンボル画像1001を受け取ると、当該シンボル画像1001を、印刷条件に含まれるシンボル生成パラメータに含まれる埋め込み位置及び埋め込み位置の調整量に基づいて描画データに重畳する。そして、プリンタドライバ430は、連結補正後のシンボル画像が重畳された描画データを複写機102が解釈可能な印刷データに変換し(ステップS10)、スプーラ440を介して複写機102の印刷処理部460に渡す(ステップS11)。印刷処理部460は、印刷データを受け取ると、当該印刷データを用いて印刷を実行する(ステップS12)。その結果、ステップS1で作成された電子文書に対して、ステップS7で生成されセルサイズ補正が行われ更にステップS8で連結補正が行われたシンボル画像が付加された画像が印刷される。図10は、電子文書1101に対してシンボル画像1301が付加された画像を例示する図である。同図に示されるように、図6に示される電子文書1101に対して、図7に示される印刷設定ダイアログ1201を介してユーザが指定した埋め込み位置に、ユーザが指定したエンコード文字列が変換されたシンボル画像1301が付加されている。
【0028】
次に、ステップS8で連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図11を用いて説明する。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像とセルサイズ補正量とを受け取ると(ステップS501)、水平方向の連結補正処理(ステップS502)及び垂直方向の連結補正処理(ステップS503)を行なう。これらの処理の詳細な手順については後述する。そして、連結補正処理部452は、連結補正後のシンボル画像を出力する(ステップS504)。尚、図11の例では水平方向の連結補正処理を行なった後に垂直方向の連結補正処理を行なっているが、この順番は逆でも構わない。
【0029】
ここで、まず、ステップS502で行う水平方向の連結補正処理の詳細な手順について図12を用いて説明する。連結補正処理部452は、まず始めに、注目画素の位置を初期化する(ステップS601)。次に、連結補正処理部452は、注目画素が背景色であるかを判断する(ステップS602)。ここで背景色とはマトリクス型2次元シンボルにおいて黒セルを構成していない画素の色を意味し、ここでは白であるとする。これが白セルとなる。また、前景色とはマトリクス型2次元シンボルにおいて黒セルを構成している画素の色を意味し、ここでは黒である。尚、背景色を黒とし、前景色を白としても構わない。
【0030】
注目画素が背景色である場合(ステップS602:YES)、連結補正処理部452は、注目画素の左隣の画素が前景色であるかを判断する(ステップS603)。注目画素の左隣の画素が前景色である場合(ステップS603:YES)、連結補正処理部452は、注目画素から右方向に走査していき、連続する背景色の画素の数をカウントしていく(ステップS604)。そして、連結補正処理部452は、カウントした背景色の画素数が規定値以下であるかを判断する(ステップS605)。ここで規定値とは、例えば負のセルサイズ補正量である。あるいはエンコーダとシンボル生成パラメータの設定によっては実際のセルサイズ補正量がセル毎に多少ばらつく場合があるので、負のセルサイズ補正量にマージンを設けた値を規定値としても構わない。背景色の画素数が規定値以下であった場合(ステップS605:YES)、連結補正処理部452は、該連続した背景色の画素を前景色に置き換える(ステップS606)。そして、連結補正処理部452は、シンボル画像に含まれる全ての画素について探索が完了したかを判断し(ステップS607)、全ての画素について探索が完了していない場合(ステップS607:NO)は注目画素を次の画素に移し(ステップS608)、ステップS602に戻って上述の処理を繰り返す。注目画素の次の画素とは、例えば、当該注目画素の右隣の画素とし、注目画素が右端の場合は次の画素を当該注目画素の下隣又は左端の画素とする。なお、ステップS602において注目画素が背景色でなかった場合、ステップS603において注目画素の左隣の画素が前景色でなかった場合、ステップS605において背景色の画素数が規定値以下でなかった場合は、何もせずにステップS607の処理に移行する。一方、全ての画素の探索が完了した場合は(ステップS607:YES)、処理を終了する。図13は、図8に例示したセルサイズ補正後のシンボル画像に対して水平方向の連結補正処理を行ったシンボル画像を例示する図である。同図に示されるように、水平方向に連続する黒セル間の隙間が、連結補正によって黒く埋められている。
【0031】
次に、図11のステップS503で行う垂直方向の連結補正処理の詳細な手順について図14を用いて説明する。連結補正処理部452は、まず初めに、注目画素の位置を初期化する(ステップS901)。次に、連結補正処理部452は、注目画素が背景色であるかを判断する(S902)。注目画素が背景色である場合(ステップS902:YES)、連結補正処理部452は、注目画素の上隣の画素が前景色であるかを判断する(ステップS903)。注目画素の上隣の画素が前景色である場合(ステップS903:YES)、連結補正処理部452は、注目画素から下方向に走査していき、連続する背景色の画素数をカウントしていく(ステップS904)。そして、連結補正処理部452は、カウントした背景色の画素数が規定値以下であるかを判断する(ステップS905)。ここでの規定値は、上述の水平方向の連結補正処理で用いた規定値と同じであっても良いし異なる値であっても良い。背景色の画素数が規定値以下であった場合(ステップS905:YES)、連結補正処理部452は、該連続した背景色の画素を前景色に置き換える(ステップS906)。そして、連結補正処理部452は、シンボル画像に含まれる全ての画素について探索が完了したかを判断し(ステップS907)、全ての画素について探索が完了していない場合(ステップS907:NO)は注目画素を次の画素に移し(ステップS908)、ステップS902に戻って上述の処理を繰り返す。注目画素の次の画素とは、例えば、当該注目画素の下隣の画素とし、注目画素が下端の場合は次の画素を当該注目画素の右隣又は上端の画素とする。なお、ステップS902において注目画素が背景色でなかった場合、ステップS903において注目画素の上隣の画素が前景色でなかった場合、ステップS905において背景色の画素数が規定値以下でなかった場合は、何もせずにステップS907の処理に移行する。全ての画素について探索が完了した場合は(ステップS907:YES)、処理を終了する。図13に例示した水平方向の連結補正処理後のシンボル画像に対して垂直方向の連結補正処理を行ったシンボル画像は、図9に例示される通りである。同図に示されるシンボル画像は、結果的に、図8に例示されたセルサイズ補正が行われたシンボル画像に対して、水平方向に加え、垂直方向に連続する黒セル間の隙間が、連結補正によって黒く埋められた画像となる。
【0032】
なお、図12,14の例ではシンボル画像のクワイエットゾーン(余白領域)も含めた全ての画素を探索しているが、必ずしもシンボル画像に含まれる全ての画素を探索する必要はなく、少なくともシンボル画像に含まれる部分が探索できれば良い。従って、クワイエットゾーンが既知の場合(エンコーダ451から設定時のクワイエットゾーンを受け取る場合など)は、その領域については画素の探索をスキップするなどしても良い。また、シンボル画像に含まれる部分の画素の探索中にも、高速化のために所定の画素をスキップするようにしても良い。
【0033】
また、図12の例では画素の探索方向を左から右方向としているが、左右逆にしても構わない。あるいは注目画素の移行処理のみを上から下方向、または下から上方向に行うようにしても構わない。画像データの格納方式によってはその方が、メモリ参照が高速になる場合があるためである。また、図14の例では、画素の探索方向を上から下方向ではなく、上下逆にしても構わない。あるいは注目画素の移行処理のみを左から右方向、または右から左方向に行うようにしても構わない。
【0034】
以上のようにして、セルサイズ補正が行われたシンボル画像に対して連結補正を行う。この結果得られるシンボル画像は、複写機102での印字太りを考慮して黒セルのセルサイズを予め縮小しているため、印刷時には前景色のセル(黒セル)と背景色のセル(白セル)とのセルサイズのバランスが理想的な1:1に近い状態となる。また、通常のエンコーダによるセルサイズ補正で問題となる隣接する黒セル間の隙間を連結補正によって埋めているため、印刷時には連続した黒セル間にわずかな隙間が発生することがなくなる。このようにして、セルサイズ補正を行う機能有する一般的なエンコーダを用いながら、読み取り精度の非常に高いシンボル画像を生成することができる。また、セルサイズの小さいシンボル画像も高精度で生成可能になる。そして、印刷時にはシンボル画像が高精度で印刷されるため、シンボル画像を小さい画像サイズで印刷したとしても、当該シンボル画像を読み取る際に読み取りエラーが発生しにくくなる。
【0035】
また、連結補正処理では、シンボル画像の領域を構成する全ての画素を探索するため、どのようなマトリクス型2次元シンボルに対しても共通に適用することができる。更に、シンボル画像の回転角度や上下反転、左右反転有無に関らず共通に適用することができる。
【0036】
ここで、セルサイズ補正後のシンボル画像を連結補正処理部452に入力することの意義について説明する。連結補正の別の方法として、エンコーダ451からセルサイズ補正が行われていないシンボル画像を受け取り、その画像に対してErosion(侵食)フィルタを適用して画像全体を細らせる(即ち、黒の画素を減らす)こと等も考えられるが、本実施の形態ではそのような方法を採っていない。この理由は、上記の方法では、シンボル画像の生成に関るエラーチェックや警告等の判断を連結補正処理部452で行なう必要が出てくるからである。例えばシンボル画像の全体の画像サイズを指定してセルサイズ補正量が「0」のシンボル画像を生成する場合、全体サイズおよびエンコード文字列等の組み合わせによっては1セルを構成する画素数(ドット数)が非常に小さくなり、そのような画像を細らせた結果黒セルがなくなってしまう可能性がある。また、黒セルがなくならない場合でもセルサイズに対するセルサイズ補正量が大きすぎてスキャングレード(ISOで規定されているバーコードシンボル印刷品質の評価基準)を達成できず、結果としてシンボル規格外のシンボル画像が生成されてしまう可能性もある。エンコーダは通常シンボル画像の生成時にこのようなエラーやワーニング等を出力する機能を有しているが、上記の方法ではエンコーダにセルサイズ補正前のシンボル画像を生成させるため、画像を細らせることによるセルサイズ補正を行った後のシンボル画像に対して連結補正処理部452が独自にエラーチェックやワーニング処理を行なう必要がある。このような処理を実装するには各種シンボル規格やスキャングレードの項目等を熟知している必要があり、それを実現するためのコストが非常に掛かる。また、エンコーダ独自のエラー処理がある場合、その処理も連結補正処理部452に取り入れる必要が出てくる。このため、利用するエンコーダに応じて個別の処理が必要になってしまい、連結補正処理部452での処理が非常に煩雑になる。しかし、本実施の形態のように、連結補正処理部452にセルサイズ補正後のシンボル画像を入力するようにすれば、セルサイズ補正を含むシンボル画像の生成に関るエラーチェックやワーニング処理をすべてエンコーダ451側に一任できる。その結果、連結補正処理部452には適切なシンボル画像が入力されるため、連結補正処理部452でシンボル画像の生成に関るエラーチェックやワーニング処理を行なう必要がない。従って連結補正処理部452の処理がシンプルになり、連結補正の実現が容易になるという効果がある。
【0037】
[第2の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0038】
(1)構成
上述の第1の実施の形態の連結補正処理においては、シンボル画像のシンボルタイプによらず、シンボル画像に含まれる全ての画素について背景色(白)であるか前景色(黒)であるかの探索を行うように構成した。本実施の形態においては、シンボルタイプに応じて、シンボル画像内で黒セルが固定的に配置される固定パターンを利用して、各セルの位置を示すセル位置情報を取得して、各セルが白セルであるか黒セルであるかの探索を行う。
【0039】
本実施の形態における画像処理システムの構成は、エンコーダ451及び連結補正処理部452の機能が下記の点で第1の実施の形態と異なる。エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びシンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプを連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像及びシンボルタイプを受け取ると、当該シンボル画像に対して、当該シンボルタイプの固定パターンを識別し、当該固定パターンに応じて各セルのセル位置情報を取得し、当該セル位置情報を用いて連結補正を行い、連結補正後のシンボル画像をプリンタドライバ430に渡す。
【0040】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順は図5に示したものと略同様であるが、ステップS7〜8の処理が上述の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態では、ステップS7では、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びシンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプを連結補正処理部452に渡す。次に、ステップS8では、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像及びシンボルタイプを受け取ると、これらを用いて、連結補正を行う。
【0041】
ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の手順について図15を用いて説明する。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像及びシンボルタイプを受け取ると(ステップS1501)、シンボルタイプ別に、当該シンボル画像に配置された全てのセルのセル位置情報を取得する(ステップS1502)。セル位置情報を取得する処理の詳細については後述する。次に、連結補正処理部452は、ステップS1502で取得したセル位置情報を用いて、隣接する黒セル間の連結補正処理を行なう(ステップS1503)。この連結補正処理の詳細についても後述する。そして、連結補正処理部452は、連結補正を行ったシンボル画像を出力して終了する(ステップS1504)。
【0042】
ここで、ステップS1502で行うセル位置情報を取得する処理の詳細な手順について図16を用いて説明する。ここでは、シンボルタイプがDataMatrixである場合のセル位置情報を取得する例について説明する。シンボルタイプがDataMatrixである場合、固定パターンとして、図17に示される「L字アライメントパターン」がある。「L字アライメントパターン」は、同図に示されるように、左側の辺を構成するセル及び下側を構成するセルが全て黒セルである。このような固定パターンにおいて、連結補正処理部452は、まず初めに、シンボル画像において左上隅の頂点の画素を検出する(ステップS1601)。頂点の画素の検出は、図18に示されるように、シンボル画像を左上隅から左斜め下方向に探索し、前景色の画素を検出することで行なう。次に、連結補正処理部452は、ステップS1601で検出した頂点の画素の座標から下方向(垂直方向)に画素を探索していき、背景色から前景色に変わる画素及び前景色から背景色に変わる画素を順次検出していく(ステップS1602)。尚、探索する領域はL字アライメントパターンにおける左側の辺であり、前景色のセル(黒セル)が並んでいる状態である。このため、この探索により、図19に示されるように垂直方向の各セルの開始位置(Vs(1), Vs(2), …, Vs(n))の座標、終了位置(Ve(1), Ve(2), …, Ve(n) )の座標及び垂直方向のセル数(n)が取得できる。これらの情報をまとめて垂直方向のセル位置情報と呼ぶことにする。次に、連結補正処理部452は、ステップS1602で得られた垂直方向の終了位置(Ve(n))から右方向(水平方向)に画素を探索していき、背景色から前景色に変わる画素及び前景色から背景色に変わる画素を順次検出していく(ステップS1603)。ここで探索する領域はL字アライメントパターンにおける下側の辺であり、前景色のセル(黒セル)が並んでいる状態である。このため、この探索により、図20に示されるように、水平方向の各セルの開始位置(Hs(1), Hs(2), …, Hs(m))の座標、終了位置(He(1), He(2), …, He(m) )の座標及び水平方向のセル数(m)が取得できる。これらの情報をまとめて水平方向のセル位置情報と呼ぶことにする。
【0043】
以上のようにして、水平方向のセル位置情報及び垂直方向のセル位置情報を全て取得すれば、図21に示されるように、全てのセルについて開始位置及び終了位置がセル位置情報として取得できる。このとき、図22に示されるように、各セルの開始位置にある画素を各セルの代表画素とすると、セルが黒セルであれば、代表画素は必ず黒(前景色)となり、セルが白セルであれば、代表画素は必ず白(背景色)となる。このような性質を利用することで、後述する連結補正処理では全画素を探索する必要はなく、探索を簡単に行うことができるようになる。
【0044】
尚、図16の例では頂点の画素の検出に斜め方向の探索をしているが、水平方向や垂直方向の探索でも構わない。また、水平方向のセル位置情報及び垂直方向のセル位置情報を取得する際の探索は、L字アライメントパターンを探索する方法であれば、図16の例に限定されるものではない。
【0045】
次に、シンボルタイプがQRである場合のセル位置情報を取得する例について図23を用いて説明する。シンボルタイプがQRである場合、固定パターンとして、図24に示されるように「ファインダパターン」と「タイミングパターン」とがある。同図に示されるように、ファインダパターンでは、四方の各々7つのセルが全て黒セルであり、中心の9つのセルが黒セルである。タイミングパターンは、1行又は1列に白セルと黒セルが交互に並んで(セルの数は例えば、7つが並んで)が並んでいるものである。連結補正処理部452は、まず初めに、シンボル画像において左上隅の頂点の画素を検出する(ステップS2201)。頂点の画素の検出は、図25に示されるように、シンボル画像を左上隅から左斜め下方向に探索し、前景色の画素を検出することで行なう。次に、連結補正処理部452は、ステップS2201で検出した頂点の画素の座標から右方向に画素を探索していき、背景色から前景色に変わる画素及び前景色から背景色へ変わる画素を順次検出していく(ステップS2202)。ここで探索する領域は「ファインダパターン」であり、7つの前景色のセル(黒セル)が並んでいる状態である。このため、この探索により、図26に示されるように、水平方向に7つのセルの開始位置(Hs(1), Hs(2), …, Hs(7)の座標及び終了位置(He(1), He(2), …, He(7) )の座標が取得できる。
【0046】
次に、連結補正処理部452は、ステップS2202で得られた、左方向(水平方向)に7番目のセルの終了位置(He(7) )から下方向に画素を探索していき、背景色から前景色に変わる画素及び前景色から背景色へ変わる画素を順次検出していく(ステップS2203)。ここで探索する領域は、「ファインダパターン」、「タイミングパターン」、「ファインダパターン」の順であり、初めの7つのセル、途中の奇数番目のセル、終わりの7つのセルは全て黒セルが並んでいる状態である。このため、この探索により、図26に示されるように、途中の偶数番目のセルを除く垂直方向の各セルの開始位置(Vs(1), Vs(2), …, Vs(7), Vs(9), Vs(11), …, Vs(n-8), …, Vs(n-6), Vs(n-5), … , Vs(n) )の座標及び終了位置(Ve(1), Ve(2), …, Ve(7), Ve(9), Ve(11), …, Ve(n-8), Ve(n-6), Ve(n-5), … , Ve(n) )の座標及び垂直方向のセル数(n)が取得できる。次に、連結補正処理部452は、ステップS2203で得られた下方向(垂直方向)に7番目のセルの終了位置(Ve(7) )から右方向に画素を探索していき、背景色から前景色に変わる画素及び前景色から背景色へ変わる画素を順次検出していく(ステップS2204)。ここで探索する領域は「タイミングパターン」、「ファインダパターン」の順であり、途中の奇数番目のセル、終わりの7つのセルは全て黒セルが並んでいる状態である。このため、この探索により、図26に示されるように、ステップS2202の処理と合わせて途中の偶数番目のセルを除く水平方向の各セルの開始位置(Hs(1), Hs(2), …, Hs(7), Hs(9), Hs(11), …, Hs(m-8), Hs(m-6), Hs(m-5), … , Hs(m) )の座標及び終了位置(He(1), He(2), …, He(7), He(9), He(11), …, He(m-8), He(m-6), He(m-5), … , He(m) )の座標、及び水平方向のセル数(m)が取得できる。
【0047】
次に、連結補正処理部452は、タイミングパターンを構成する背景色のセル(白セル)の垂直方向のセル位置情報を取得する(ステップS2205)。ここでは連結補正処理部452は、ステップS2203で得られた垂直方向のセルのうち、タイミングパターンを構成する白セルの1つ上隣の各セルの終了位置(Ve(7), Ve(9), …, Ve(n-8))からそれぞれ下方向に画素を探索していき、背景色から前景色に変わる画素及び前景色から背景色へ変わる画素を順次検出していく。このとき、水平方向のどの位置に白セルが存在するかは未知であるので、図27に示されるように、黒セルの画素の探索では各垂直位置においてHs(1)〜Hs(m)の水平方向に対し探索していく。このとき、連結補正処理部452は、Hs(1)〜Hs(m)の全ての画素について探索するのではなく、まずは既知の水平方向のセルの開始位置(Hs(1), Hs(2), …, Hs(7), Hs(9), Hs(11), …, Hs(m-8), Hs(m-6), Hs(m-5), … , Hs(m))を探索し、それでも前景色の画素が見つからなかった場合は未知の水平方向のセルが存在する領域(He(7)〜Hs(9), He(9)〜Hs(11), He(m-8)〜Hs(m-6))を探索するようにしても良い。こうすることで余計な画素の探索を省くことができ、処理が高速になる。前景色の画素が見つかった場合、連結補正処理部452は、そこから下方向に探索していき、背景色の画素を検出する。このようにすることで、タイミングパターンを構成する背景色のセル(白セル)の垂直方向のセルの開始位置(Vs(8), Vs(10), …, Vs(n-7))の座標及び終了位置(Ve(8), Ve(10), …, Ve(n-7))の座標が取得できる。
【0048】
尚、ステップS2205において、タイミングパターンを構成するセルが全て白セルである場合が稀にある。その場合、連結補正処理部452は、セルのセル位置情報を取得できないが、当該セルの前後に配置されたセルの位置の中点を、当該セルの位置として当該セルのセル位置情報を取得する。
【0049】
次に、連結補正処理部452は、タイミングパターンを構成する白セルの水平方向のセル位置情報を取得する(ステップS2206)。これはステップS2205と同様に探索を行うことで取得することができる。ステップS2206でも、タイミングパターンを構成するセルが全て白セルである場合が稀にある。その場合は前後のセルの位置の座標の中点をそのセルの座標とする。以上のような処理の結果、図28に示されるように、全てのセルについての開始位置の座標及び終了位置の座標を取得することができる。シンボルタイプがQRである場合も、シンボルタイプがDataMatrixである場合と同様に、各セルの開始位置にある画素を各セルの代表画素とすると、セルが黒セルであれば、代表画素は必ず黒(前景色)となり、セルが白セルであれば、代表画素は必ず白(背景色)となる。
【0050】
なお、図23の例では頂点の画素の検出に斜め方向の探索をしているが、水平方向、垂直方向の探索でも構わない。また、水平方向のセル位置情報及び垂直方向のセル位置情報を取得する際の探索は、ファインダパターン及びタイミングパターンを探索する方法であれば、図23の例に限定されるものではない。
【0051】
次に、図15のステップS1503で行う連結補正処理の詳細な手順について図29を用いて説明する。連結補正処理部452は、まず初めに注目セルを初期化する(ステップS2901)。ここでは水平方向に1番目及び垂直方向に1番目のセルを注目セルとする。以降の説明では便宜のため、水平方向にi番目及び垂直方向にj番目のセルをCell(i, j)と標記する。次に、連結補正処理部452は、注目セルCell(i, j)が前景色であるかを判断する(ステップS2902)。これは、上述した各セルの代表画素の色、即ち、各セル開始位置の座標「{x, y} = {Hs(i), Vs(j)}」の画素値を参照することで判断することができる。注目セルが前景色である場合(S2902:YES)はステップS2903に進み、注目セルが背景色である場合(ステップS2902:NO)はステップS2909に進む。ステップS2903では、連結補正処理部452は、注目セルCell(i, j)の右隣のセルCell(i+1, j)、下隣のセルCell(i, j+1)及び右下隣のセルCell(i+1, j+1)が全て前景色であるか否かを判断する。これらが全て前景色である場合(ステップS2903:YES)、連結補正処理部452は、図30に示されるように、注目セルから右隣のセルまでの矩形領域、注目セルから下隣のセルまでの矩形領域及び注目セルから右下隣のセルまでの矩形領域を前景色に変更する(ステップS2904)。具体的に説明すると、連結補正処理部452は、「{左上隅座標}−{右下隅座標}」で表される以下の矩形領域を前景色に変更する。そして、ステップS2909に進む。
注目セルから右隣のセルまでの矩形領域:{He(i), Vs(j)}−{ Hs(i+1), Ve(j)}
注目セルから下隣のセルまでの矩形領域: {Hs(i), Ve(j)}−{ He(i), Vs(j+1)}
注目セルから右下隣のセルまでの矩形領域:{He(i), Ve(j)}−{ Hs(i+1), Vs(j+1)}
【0052】
一方、ステップS2903の判断結果が否定的である場合、連結補正処理部452は、注目セルの右隣のセルが前景色であるか否かを判断する(ステップS2905)。このセルが前景色である場合(ステップS2905:YES)、連結補正処理部452は、図31に示されるように、注目セルから右隣セルまでの矩形領域を前景色に変更して(ステップS2906)、ステップS2907に進む。ステップS2905の判断結果が否定的である場合はステップS2907に進む。ステップS2907では、連結補正処理部452は、注目セルの下隣のセルが前景色であるか否かを判断する。このセルが前景色である場合(ステップS2907:YES)、連結補正処理部452は、図32に示されるように、注目セルから下隣のセルまでの矩形領域を前景色に変更して(ステップS2908)、ステップS2909に進む。ステップS2907の判断が否定的である場合はステップS2909に進む。ステップS2909では、連結補正処理部452は、全てのセルを注目セルとして処理したか否かを判断する。全てのセルを注目セルとして処理していない場合(ステップS2909:NO)、連結補正処理部452は、注目セルを次のセルに移し(ステップS2910)、ステップS2902に戻って上述の処理を繰り返す。尚、注目セルの次のセルは、例えば注目セルの右隣のセルCell(i+1, j)とし、注目セルが右端(i=m)のセルである場合は、当該次のセルを当該注目セルの下隣左端のセルCell(1, j+1) )にする。そして、ステップS2909において全てのセルを注目セルとして処理したと判断した場合は(ステップS2909:YES)、連結補正処理部452は処理を終了する。この結果、図33の(a)に示されるように黒セル間に発生していた隙間が、(b)に示されるように黒く埋められる。
【0053】
なお、図29の例では注目セルの移行処理を左から右方向としているが、全てのセルを注目セルとして処理するものであれば、処理の順序は図29の例に限定されるものではない。また、ステップS2903〜S2908についても、隣接する黒セル間の連結補正処理を行うものであれば、その処理の手順は図29の例に限定されるものではない。
【0054】
以上のようにして、本実施の形態にかかる連結補正処理では、シンボルタイプに応じた固定パターンを利用することで、各セルのセル位置情報をシンボルタイプに応じて取得し、各セルの位置情報を用いて、各セルの代表画素及び隣接するセルを識別することができる。そして各セルの代表画素を用いて各セルが黒セルであるか否かをセル毎に判断し、更に、黒セル毎に隣接するセルが黒セルか白セルかを判断することにより、余計な画素の探索を行なわなくて済む。このため、非常に高速に処理を行うことができる。図34は、シンボルタイプがDataMatrixである場合に、第1の実施の形態にかかる構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図であり、図35は、第2の実施の形態に構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図である。図36は、シンボルタイプがQRである場合に、第1の実施の形態にかかる構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図であり、図37は、シンボルタイプがQRである場合に、第2の実施の形態にかかる構成による連結補正処理にかかる処理時間の測定結果を示す図である。この測定は、OSが Windows XP Professional SP2であり、CPUがPentium(登録商標)4 2.19GHz、Memoryが512MBであるパーソナルコンピュータの環境にて行なった。また、連結補正の対象となるシンボル画像は8bitグレースケール形式のRaw画像(1画素1byte、前景色の画素が黒(0x00)、背景色の画素が白(0xFF)のbyte配列)であり、それぞれの条件(セルサイズとシンボル画像の画像サイズ(縦横セル数)の組み合わせ)において「-1[pixel]」のセルサイズ補正がなされている。なお、本測定でDataMatrixのシンボル画像及びQRのシンボル画像の最大の画像サイズは各々「10512×10512[pixel]、「13320×13320[pixel]」にもなる(通常ここまで大きなシンボル画像を作成することは考えられないが、処理速度の差を見るためにそうしている)。結果を比較すると、第2の実施の形態のように固定パターンを利用した連結補正処理の方が、第1の実施の形態のようにシンボル画像の領域の全ての画素を探索して行う連結補正処理に比べて処理速度が格段に速く、最大で約40倍もの差が出ていることが分かる。
【0055】
従って、本実施の形態にかかる構成によれば、非常に短時間で連結補正処理を行うことができる。
【0056】
[第3の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第3の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0057】
(1)構成
本実施の形態における画像処理システムの構成は、連結補正処理部452の機能が下記の点で第2の実施の形態と異なる。連結補正処理部452は、エンコーダ451が生成してセルサイズ補正を行ったシンボル画像に対して、シンボルタイプの固定パターンを識別し、当該固定パターンに応じて各セルのセル位置情報を取得するが、セル位置情報の正当性を判断して、当該判断結果が肯定的である場合に、当該セル位置情報を用いて連結補正を行い、連結補正後のシンボル画像をプリンタドライバ430に渡す。
【0058】
上述の各実施の形態では、シンボル画像の画像サイズは、シンボルタイプ毎に予め設定されていても良いし、ユーザにより設定されるようにしても良いとしたが、1つのセルのセルサイズが画素数で指定されるのではなく、シンボル画像について全体の画像サイズが指定される場合がある。図38は、本実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。これには、図7に例示した印刷設定ダイアログと異なり、シンボル画像の全体の画像サイズを指定するためのエディットボックス3401〜3402が含まれている。ここで指定された画像サイズの場合、1つのセルのサイズがプリンタドット、即ち、画素の正数倍にならない場合がある。例えば、1つのセルのセルサイズが「3.3[pixel]」となることがある。このような場合、セルサイズ補正量とエンコーダ451の種類によっては、非常に稀なケースとして図39に示されるように、一部のセルについてセルサイズ補正が行われていない画像が生成される場合がある。このような場合、第2の実施の形態で説明したセル位置情報を取得する処理では、正しいセル位置情報が取得できず、結果として連結補正処理も正常に行なわれなくなる。そこで、本実施の形態においては、セル位置情報の正当性を判断することで、連結補正処理を正常に行うようにする。
【0059】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順自体は第2の実施の形態と同様である。ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の手順について図40を用いて説明する。ステップS1501〜S1502の処理は上述の第2の実施の形態と同様である。ステップS3201では、連結補正処理部452は、ステップS1502で取得したセル位置情報の正当性を検証する。具体的には例えば、連結補正処理部452は、他のセルのサイズに比べて極端に大きいセルがないかを調べれば良い。即ち、水平方向のセルサイズ(Hs(i+1)‐Hs(i), i=1,2,...,m-1)及び垂直方向のセルサイズ(Vs(j+1)‐Vs(j), j=1,2,...,n-1)の最大値及び最小値を求め、その差が所定値(例えば2[dot])以上の場合は不正なセル位置情報であると連結補正処理部452は判断するようにすれば良い。その他、セルの数がそのシンボルタイプにおいて取り得ない値である場合、例えばQRにおいてセル数が21未満である場合や水平方向と垂直方向とでセルの数が異なる場合に、連結補正処理部452は不正なセル位置情報であると判断するようにしても良い。
【0060】
そして、セル位置情報が正常であると判断した場合(ステップS3202:YES)、連結補正処理部452は、第2の実施の形態と同様にして、ステップS1503〜S1504の処理を行う。一方、セル位置情報が正常ではないと判断した場合(ステップS3202:NO)、連結補正処理部452は、第1の実施の形態と同様に、シンボル画像に含まれる全ての画素を探索することにより連結補正処理を行う(ステップS3203)。この処理の手順は、図11のステップS502〜S503で説明した通りである。その後、連結補正処理部452は、ステップS1504の処理を行う。
【0061】
以上のような構成によれば、一部のセルについてセルサイズ補正が行われていないシンボル画像が入力されたとしても、連結補正処理を正しく行うことができる。
【0062】
[第4の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第4の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0063】
(1)構成
本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態の構成に加え、シンボルタイプを用いて連結補正処理を行うか否かを判断する。本実施の形態における画像処理システムの構成は、エンコーダ451及び連結補正処理部452の機能が下記の点で第1の実施の形態と異なる。エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像と、セルサイズ補正量と、シンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプとを連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像と、セルサイズ補正量と、シンボルタイプとをエンコーダ451から受け取ると、シンボルタイプがマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、連結補正を行わない。図41は、本実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。同図に示される印刷設定ダイアログでは、ユーザは、シンボルタイプを設定するためのコンボボックス1204において、マトリクス型2次元シンボル以外のシンボルタイプを設定することができる。
【0064】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順は図5に示したものと略同様であるが、ステップS7〜8の処理が上述の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態では、ステップS7では、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプを連結補正処理部452に渡す。次に、ステップS8では、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボルタイプを受け取ると、これらを用いて、連結補正を行う。ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図42を用いて説明する。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボルタイプを受け取ると(ステップS3501)、シンボルタイプがマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断し(ステップS3502)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS3502:YES)、上述の第1の実施の形態で説明した水平方向の連結補正処理(ステップS502)及び垂直方向の連結補正処理(ステップS503)を行ない、ステップS504で連結補正後のシンボル画像を出力する。ステップS3502の判断結果が否定的である場合は、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わずにステップS504に進み、ステップS501で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0065】
以上のような構成によれば、マトリクス型2次元シンボルでないシンボル画像が入力された場合においても誤動作や余計な処理を行なうことがなくなる。従って、マトリクス型2次元シンボル以外のシンボル画像を取り扱う構成においても、本実施の形態の構成を適用可能となる。
【0066】
[第5の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第5の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0067】
(1)構成
本実施の形態においては、上述の第2の実施の形態の構成に加え、シンボルタイプを用いて連結補正処理を行うか否かを判断する。本実施の形態における画像処理システムの構成は、エンコーダ451及び連結補正処理部452の機能が下記の点で第2の実施の形態又は第4の実施の形態と異なる。エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像と、シンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプとを連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像と、シンボルタイプとをエンコーダ451から受け取ると、シンボルタイプがマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、連結補正を行わない。
【0068】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順は図5に示したものと略同様であるが、ステップS7〜8の処理が上述の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態では、ステップS7では、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びシンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプを連結補正処理部452に渡す。次に、ステップS8では、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像及びシンボルタイプを受け取ると、これらを用いて、連結補正を行う。ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図43を用いて説明する。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像及びシンボルタイプを受け取ると(ステップS1501)、シンボルタイプがマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断し(ステップS4502)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS4502:YES)、上述の第2と同様にして、ステップS1502〜S1504の処理を行う。一方、ステップS4502の判断結果が否定的である場合は、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わずにステップS1504に進み、ステップS1501で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0069】
以上のような構成によっても、マトリクス型2次元シンボルでないシンボル画像が入力された場合においても誤動作や余計な処理を行なうことがなくなる。従って、マトリクス型2次元シンボル以外のシンボル画像を取り扱う構成においても、本実施の形態の構成を適用可能となる。
【0070】
[第6の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第6の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第5の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0071】
(1)構成
本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態の構成に加え、セルサイズ補正量を用いて連結補正処理を行うか否かを判断する。本実施の形態における画像処理システムの構成は、連結補正処理部452の機能が下記の点で第1の実施の形態と異なる。連結補正処理部452は、シンボル画像及びセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると、セルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、連結補正を行わない。セルサイズ補正量が負の値であるということは、即ち、印刷太りが考慮された負のセルサイズ補正が行われており、セルを構成する画素数が減らされているということである。一方、セルサイズ補正量が負の値でなければ、印刷太りが考慮された負のセルサイズ補正が行われていないということであり、連結補正を行う必要がない。図44は、本実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。同図に示される印刷設定ダイアログでは、ユーザは、セルサイズ補正量を手動設定するためのエディットボックス4002において、セルサイズを変更するためのセルサイズ補正量として「0」以上の値を設定することができる。このような印刷設定ダイアログでの手動での設定は、例えば、印刷する紙種によってセルサイズ補正量を手動で変えたい場合などに有用である。ここで設定された値は、上述のセルサイズ補正量記憶部に記憶される。
【0072】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順は図5に示したものと略同様である。ここで、図5のステップS8で本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図45を用いて説明する。連結補正処理部452は、シンボル画像及びセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると(ステップS501)、セルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し(ステップS3801)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS3801:YES)、上述の第1の実施の形態と同様にして、ステップS502〜504の処理を行う。ステップS3801の判断結果が否定的である場合は、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わずにステップS504に進み、ステップS501で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0073】
以上のような構成によれば、セルサイズ補正が行なわれていないシンボル画像が入力された場合であっても誤動作や余計な処理を行なうことがなくなる。従って、セルサイズ補正量4002の値が「0」以上に設定され得る構成においても、本実施の形態の構成を適用可能となる。
【0074】
[第7の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第7の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第6の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0075】
(1)構成
本実施の形態においては、上述の第2の実施の形態の構成に加え、セルサイズ補正量を用いて連結補正処理を行うか否かを判断する。本実施の形態における画像処理システムの構成は、エンコーダ451及び連結補正処理部452の機能が下記の点で第2の実施の形態又は第6の実施の形態と異なる。エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプを連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボルタイプをエンコーダ451から受け取ると、セルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、連結補正を行わない。
【0076】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順は図5に示したものと略同様であるが、ステップS7〜8の処理が上述の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態では、ステップS6の後、ステップS7では、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプを連結補正処理部452に渡す。次に、ステップS8では、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボルタイプを受け取ると、これらを用いて、連結補正を行う。ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図46を用いて説明する。連結補正処理部452は、シンボル画像、セルサイズ補正量及びシンボルタイプをエンコーダ451から受け取ると(ステップS3901)、セルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し(ステップS3902)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS3902:YES)、上述の第2の実施の形態と同様にして、ステップS1502〜1504の処理を行う。ステップS3902の判断結果が否定的である場合は、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わずにステップS1504に進み、ステップS3901で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0077】
以上のような構成によっても、セルサイズ補正が行なわれていないシンボル画像が入力された場合であっても誤動作や余計な処理を行なうことがなくなる。従って、セルサイズ補正量4002の値が「0」以上に設定され得る構成においても、本実施の形態の構成を適用可能となる。
【0078】
[第8の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第8の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第7の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0079】
(1)構成
本実施の形態においては、上述の第6の実施の形態と同様に、セルサイズ補正量を用いて連結補正処理を行うか否かを判断するが、水平方向及び垂直方向のそれぞれについて設定されたセルサイズ補正量を用いて各方向の連結補正を行うか否かを判断する。図47は、本実施の形態にかかる印刷設定ダイアログを例示する図である。同図に示される印刷設定ダイアログでは、ユーザは、セルサイズ補正量を手動設定するためのエディットボックス301〜4302において、縦方向(垂直方向)及び横方向(水平方向)の各々についてセルサイズ補正量の値を設定することができる。ここで設定された値は、垂直方向及び水平方向別に上述のセルサイズ補正量記憶部に記憶される。このように設定されたセルサイズ補正量によって、水平方向のみ又は垂直方向のみセルサイズ補正が行われ得る。
【0080】
本実施の形態における画像処理システムの構成は、プリンタドライバ430、エンコーダ451及び連結補正処理部452の機能が下記の点で第1の実施の形態と異なる。プリンタドライバ430は、シンボル生成パラメータに含まれるエンコード文字列及びシンボルタイプと共に、セルサイズ補正量記憶部に記憶された垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す。エンコーダ451は、エンコード文字列、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると、シンボル画像を生成してセルサイズ補正を行い、セルサイズ補正後のシンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると、水平方向のセルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、水平方向の連結補正処理を行わない。また、連結補正処理部452は、垂直方向のセルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、垂直方向の連結補正処理を行わない。
【0081】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順は図5に示したものと略同様であるが、ステップS5〜8の処理が上述の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態では、ステップS5では、プリンタドライバ430は、シンボル生成パラメータに含まれるエンコード文字列及びシンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す。ステップS6では、エンコーダ451は、エンコード文字列、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると、エンコード文字列及びシンボルタイプを用いてシンボル画像を生成し、生成したシンボル画像に対して、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を用いてセルサイズ補正を行い、セルサイズ補正後のシンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。次に、ステップS8では、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると、これらを用いて、連結補正を行う。
【0082】
ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図48を用いて説明する。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると(ステップS4101)、水平方向のセルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し(ステップS4102)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS4102:YES)、上述の第1と同様にして、ステップS502の処理を行う。次いで、連結補正処理部452は、垂直方向のセルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し(ステップS4103)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS4103:YES)、上述の第1と同様にして、ステップS503の処理を行う。ステップS4013の判断結果が否定的である場合には、ステップS504に進む。ステップS504では、ステップS4102の判断結果及びS4103の判断結果の両方が否定的である場合には、連結補正処理が行われずにステップS4101で受け取られたシンボル画像が出力され、ステップS4102の判断結果が肯定的及びS4103の判断結果の否定的である場合には、水平方向の連結補正処理のみが行われたシンボル画像が出力される。
【0083】
以上のような構成によれば、水平方向のセルサイズ補正量及び垂直方向のセルサイズ補正量を個別に設定できる場合であっても、誤動作および余計な処理を行なうことがなくなる。
【0084】
なお、図48では、ステップS4102、S502で水平方向についての処理を行った後、ステップS4103,S503で垂直方向についての処理を行うようにしたが、この順番は逆でも構わない。
【0085】
[第9の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第9の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第7の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0086】
(1)構成
本実施の形態においては、上述の第7の実施の形態と同様に、セルサイズ補正量を用いて連結補正処理を行うか否かを判断するが、水平方向及び垂直方向のそれぞれについて設定されたセルサイズ補正量を用いて各方向の連結補正を行うか否かを判断する。
【0087】
本実施の形態における画像処理システムの構成は、プリンタドライバ430、エンコーダ451及び連結補正処理部452の機能が下記の点で第2の実施の形態又は第8の実施の形態と異なる。プリンタドライバ430は、シンボル生成パラメータに含まれるエンコード文字列及びシンボルタイプと共に、セルサイズ補正量記憶部に記憶された垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す。エンコーダ451は、エンコード文字列、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると、シンボル画像を生成してセルサイズ補正を行い、セルサイズ補正後のシンボル画像、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると、水平方向のセルサイズ補正量が負の値及び垂直方向のセルサイズ補正量が負の値である場合には、連結補正処理部452は、第2の実施の形態と同様にして、シンボルタイプ別に、当該シンボル画像に配置された全てのセルのセル位置情報を取得し、取得したセル位置情報を用いて連結補正処理を行う。水平方向のセルサイズ補正量のみが負の値である場合、連結補正処理部452は、上述の第1の実施の形態と同様にして、水平方向の連結補正処理を行う。垂直方向のセルサイズ補正量のみが負の値である場合、連結補正処理部452は、上述の第1の実施の形態と同様にして、垂直方向の連結補正処理を行う。水平方向のセルサイズ補正量が負の値及び垂直方向のセルサイズ補正量が共に負の値でない場合には、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わない。
【0088】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順は図5に示したものと略同様であるが、ステップS5〜8の処理が上述の第1の実施の形態と異なる。本実施の形態では、ステップS5では、プリンタドライバ430は、シンボル生成パラメータに含まれるエンコード文字列及びシンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す。ステップS6では、エンコーダ451は、エンコード文字列、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると、エンコード文字列及びシンボルタイプを用いてシンボル画像を生成し、生成したシンボル画像に対して、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を用いてセルサイズ補正を行い、セルサイズ補正後のシンボル画像、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。次に、ステップS8では、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると、これらを用いて、連結補正を行う。
【0089】
ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図49を用いて説明する。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、シンボルタイプ、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を受け取ると(ステップS4201)、水平方向のセルサイズ補正量及び垂直方向のセルサイズ補正量が共に負の値であるか否かを判断し(ステップS4202)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS4202:YES)、第2の実施の形態と同様にして、ステップS1502〜S1504の処理を行う。一方、ステップS4202の判断結果が否定的である場合、連結補正処理部452は、水平方向のセルサイズ補正量のみが負の値であるか否かを判断し(ステップS4203)、当該判断結果が肯定的である場合に、上述の第1の実施の形態と同様にして、ステップS502の処理を行う。ステップS4203の判断結果が否定的である場合、連結補正処理部452は、垂直方向のセルサイズ補正量のみが負の値であるか否かを判断し(ステップS4205)、当該判断結果が肯定的である場合に、上述の第1の実施の形態と同様にして、ステップS503の処理を行う。ステップS4205の判断結果が否定的である場合には、即ち、水平方向のセルサイズ補正量及び垂直方向のセルサイズ補正量が共に負の値でない場合、ステップS1504に進み、連結補正処理部452は、ステップS4201で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0090】
以上のような構成によれば、水平方向のセルサイズ補正量及び垂直方向のセルサイズ補正量を個別に設定できる場合であっても、誤動作および余計な処理を行なうことがなくなる。
【0091】
尚、図49におけるステップS4202,S4203,S4205の処理の順序はこの通りでなくても構わない。
【0092】
[第10の実施の形態]
次に、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び印刷方法の第10の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第9の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0093】
(1)構成
上述の各実施の形態においては、シンボル画像のデータ形式は、ラスタ形式であるとしたが、本実施の形態においては例えばEMF(Enhanced Meta File)などのベクタ形式であるとする。ベクタ形式のデータ(ベクタデータという)では、シンボル画像に配置された各黒セルが矩形領域としてその座標が表される。このため、ベクタ形式のシンボル画像を例えば第2の実施の形態で取り扱う場合、各黒セルの座標を調べることで、全てのセルについて図21や図26に示したようなセル位置情報を取得することができる。
【0094】
本実施の形態にかかるエンコーダ451及び連結補正処理部452の機能は下記の点で第2の実施の形態と異なる。エンコーダ451は、ベクタ形式で表される、セルサイズ補正後のシンボル画像を連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像を受け取ると、当該シンボル画像に配置された全てのセルのセル位置情報を取得し、当該セル位置情報を用いて連結補正を行い、連結補正後のシンボル画像をプリンタドライバ430に渡す。
【0095】
(2)動作
次に、本実施の形態にかかる画像処理システムで行うシンボル画像印刷処理の手順について説明する。このシンボル画像印刷処理の手順自体は第2の実施の形態と同様である。ここで、本実施の形態にかかる連結補正処理部452が行う処理の詳細な手順について図50を用いて説明する。連結補正処理部452は、まず初めにエンコーダ451からシンボル画像を受け取ると(ステップS4401)、当該に配置された各黒セルの座標を調べて、当該シンボル画像に配置された全てのセルのセル位置情報を取得する(ステップS4402)。次に、連結補正処理部452は、ステップS4402で取得したセル位置情報を用いて、隣接する黒セル間の連結補正処理を行なう(ステップS4403)。尚、ここでの連結補正処理の手順については、図29に示したものと略同様であるが、ステップS2902,S2903,S2905,S2907において注目セルが前景色である(黒セル)か否かを判断することは、当該注目セルが矩形領域としてその座標が表されているか否かを連結補正処理部452は調べることにより行う。また、注目セルが黒セルである場合、ステップS2904,S2906,S2908において、注目セルから右隣のセルまでの矩形領域や注目セルから下隣のセルまでの矩形領域や注目セルから右下隣のセルまでの矩形領域を各々前景色に変更するには、連結補正処理部452は、各矩形領域を前景色の矩形領域として各々追加する又はそれと同じ結果になるように、即ち、注目セルから右隣のセルまでの矩形領域や注目セルから下隣のセルまでの矩形領域や注目セルから右下隣のセルまでの矩形領域を含むように、注目セルの座標を変更する。その後、連結補正処理部452は、連結補正を行ったシンボル画像を出力して終了する(ステップS4404)。
【0096】
以上のような構成によれば、ベクタ形式で表されるシンボル画像についても、セルサイズ補正後に連結補正を行うことで、セルサイズ補正を行う機能有する一般的なエンコーダを用いながら、読み取り精度の非常に高いシンボル画像を生成することができる。このため、当該シンボル画像を読み取る際に読み取りエラーが発生しにくくなる。
【0097】
尚、図50においてステップS4702,S4703,S4705の処理の順序はこの通りでなくても構わない。
【0098】
(3)他の実施の形態への適用例
本実施の形態にかかるベクタ形式のシンボル画像を例えば第5の実施の形態で取り扱う場合、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びシンボル生成パラメータに含まれるシンボルタイプを連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像及びシンボルタイプをエンコーダ451から受け取ると、シンボルタイプがマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、連結補正を行わない。具体的には、図51に示されるように、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像及びシンボルタイプを受け取ると(ステップS4501)、シンボルタイプがマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断し(ステップS4502)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS4502:YES)、ステップS4402〜S4404の処理を行う。一方、ステップS4502の判断結果が否定的である場合は、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わずにステップS4404に進み、ステップS4501で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0099】
以上のような構成によっても、マトリクス型2次元シンボルでないシンボル画像が入力された場合においても誤動作や余計な処理を行なうことがなくなる。
【0100】
また、ベクタ形式のシンボル画像を例えば第7の実施の形態で取り扱う場合、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像及びセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像及びセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると、セルサイズ補正量が負の値であるか否かを判断し、当該判断結果が否定的である場合には、連結補正を行わない。具体的には、図52に示されるように、連結補正処理部452は、シンボル画像及びセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると(ステップS4601)、セルサイズ補正量が負のであるか否かを判断し(ステップS4602)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS4602:YES)、上述の第2の実施の形態と同様にして、ステップS4402〜4404の処理を行う。ステップS4602の判断結果が否定的である場合は、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わずにステップS4404に進み、ステップS4601で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0101】
以上のような構成によっても、セルサイズ補正が行なわれていないシンボル画像が入力された場合であっても誤動作や余計な処理を行なうことがなくなる。
【0102】
また、ベクタ形式のシンボル画像を例えば第9の実施の形態で取り扱う場合、エンコーダ451は、セルサイズ補正後のシンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量を連結補正処理部452に渡す。連結補正処理部452は、シンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量をエンコーダ451から受け取ると、当該シンボル画像に配置された全てのセルのセル位置情報を取得し、水平方向のセルサイズ補正量が負の値及び垂直方向のセルサイズ補正量が負の値である場合には、連結補正処理部452は、取得したセル位置情報を用いて連結補正処理を行う。また、水平方向のセルサイズ補正量のみが負の値である場合、連結補正処理部452は、水平方向についてのみ隣接する黒セル間の連結補正処理を行う。また、垂直方向のセルサイズ補正量のみが負の値である場合、連結補正処理部452は、垂直方向についてのみ隣接する黒セル間の連結補正処理を行う。水平方向のセルサイズ補正量が負の値及び垂直方向のセルサイズ補正量が共に負の値でない場合には、連結補正処理部452は、連結補正処理を行わない。
【0103】
具体的には、図53に示されるように、連結補正処理部452は、連結補正処理部452は、エンコーダ451からシンボル画像、垂直方向のセルサイズ補正量及び水平方向のセルサイズ補正量とを受け取ると(ステップS4701)、ステップS4404で、当該シンボル画像に配置された全てのセルのセル位置情報を取得した後、水平方向のセルサイズ補正量及び垂直方向のセルサイズ補正量が共に負の値であるか否かを判断し(ステップS4702)、当該判断結果が肯定的である場合に(ステップS4702:YES)、ステップS4403〜S4404の処理を行う。一方、ステップS4702の判断結果が否定的である場合、連結補正処理部452は、水平方向のセルサイズ補正量のみが負の値であるか否かを判断し(ステップS4703)、当該判断結果が肯定的である場合に、ステップS4704で、水平方向についてのみ隣接する黒セル間の連結補正処理を行う。即ち、連結補正処理部452は、注目セルから右隣のセルまでの矩形領域を前景色に変更する。ステップS4703の判断結果が否定的である場合、連結補正処理部452は、垂直方向のセルサイズ補正量のみが負の値であるか否かを判断し(ステップS4705)、当該判断結果が肯定的である場合に、垂直方向についてのみ隣接する黒セル間の連結補正処理を行う。即ち、連結補正処理部452は、注目セルから下隣のセルまでの矩形領域を前景色に変更する。ステップS4705の判断結果が否定的である場合には、即ち、水平方向のセルサイズ補正量及び垂直方向のセルサイズ補正量が共に負の値でない場合、ステップS1504に進み、連結補正処理部452は、ステップS4701で受け取ったシンボル画像を出力する。
【0104】
以上のような構成によれば、水平方向のセルサイズ補正量及び垂直方向のセルサイズ補正量を個別に設定できる場合であっても、誤動作および余計な処理を行なうことがなくなる。
【0105】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0106】
<変形例1>
上述した各実施の形態において、複写機102で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0107】
<変形例2>
上述した第1の実施の形態において、連結補正シンボル画像作成処理部450は、パーソナルコンピュータ101に実装されるようにしたが、複写機102内に実装されるようにしても良い。図54は、本変形例にかかる画像処理システムについて印刷処理に関する機能的構成を例示する図である。パーソナルコンピュータ101は、アプリケーション410、グラフィックエンジン420、プリンタドライバ430及びスプーラ440を有し、複写機102は印刷処理部460及び連結補正シンボル画像作成処理部450を有している。アプリケーション410、グラフィックエンジン420、スプーラ440及びエンコーダ451の各機能は上述の第1の実施の形態と同様である。
【0108】
本変形例にかかるプリンタドライバ430は、描画データを印刷データに変換する過程において、シンボル生成パラメータ及びセルサイズ補正量記憶部に記憶されたセルサイズ補正量と共に、描画データを変換した印刷データをスプーラ440に渡す。一方、印刷処理部460は、スプーラ440を介して、シンボル生成パラメータ、セルサイズ補正量及び印刷データを受け取ると、シンボル生成パラメータ及びセルサイズ補正量を連結補正シンボル画像作成処理部450に渡す。また、印刷処理部460は、連結補正シンボル画像作成処理部450が生成してセルサイズ補正及び連結補正を行ったシンボル画像を受け取り、受け取ったシンボル画像を印刷データの所定位置に重畳し、当該印刷データを用いて印刷を実行する。連結補正処理部452は、エンコーダ451が生成してセルサイズ補正を行ったシンボル画像に対して、セルサイズ補正量を用いて連結補正を行い、連結補正後のシンボル画像を印刷処理部460に渡す。
【0109】
又は、プリンタドライバ430は、シンボル生成パラメータを用いて自身がシンボル画像を生成して、これとセルサイズ補正量と印刷データとを、スプーラ440を介して印刷処理部460に渡すようにしても良い。この場合、印刷処理部460は、シンボル画像及びセルサイズ補正量をエンコーダ451に渡し、エンコーダ451は、これらを用いてセルサイズ補正を行うようにしても良い。また、セルサイズ補正量記憶部は、複写機102が備えるように構成しても良い。
【0110】
このように、一般にパーソナルコンピュータ101よりも処理スペックの低い複写機102に連結補正シンボル画像作成処理部450の機能を組み込んだ構成を、更に、上述の第2の実施の形態を適用する場合、処理時間が問題になるということがなく、複写機102でも十分に速い連結補正処理を実現させることができる。第3〜第10の実施の形態に適用する場合についても同様である。
【0111】
<変形例3>
上述した第2の実施の形態において、シンボル画像の回転角度が0度の場合について説明したが、エンコーダによっては90度単位で回転されたシンボル画像を生成する機能を持つものや、鏡像反転画像(上下や左右が反転された画像)を生成する機能を持つものもある。その場合は、連結補正処理部452は、ステップS1501においてシンボル画像の回転角度や上下反転の有無、左右反転の有無の情報をエンコーダ451から受け取り、その情報に応じてセル位置情報を取得するようにすれば良い。図55は、シンボルタイプがDataMatrixであるシンボル画像の回転角度が各々0度、90度、180度、270度である場合にセル位置情報を取得する際の探索例を各々例示する図である。図56は、シンボルタイプがQRであるシンボル画像の回転角度が各々0度、90度、180度、270度である場合にセル位置情報を取得する際の探索例を各々例示する図である。さらに上下反転や左右反転がある場合も、これらのいずれかのパターンに該当させることができる。このような構成によれば、シンボル画像が90度単位で回転されている場合や上下反転されている場合や左右反転されている場合でもセル位置情報の取得が可能になる。
【0112】
また、上述した第2の実施の形態において、シンボルタイプがDataMatrixとQRとの場合についてセル位置情報を取得する例について説明したが、他のシンボルタイプのマトリクス型2次元シンボルでも各種固定パターンを用いることで同様の方法でセル位置情報が取得可能である。他のシンボルタイプには、例えば、図57に示すように、Aztec、Micro QR、CP、Veriなどがある。
【0113】
<変形例4>
上述の各実施の形態においては、画像処理装置を複写機102に適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、プリンタエンジンを有するプリンタや、ファクシミリや、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を複合的に有する複合機等にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0114】
101 パーソナルコンピュータ
102 複写機
202 記憶部
203 外部記憶部
204 通信部
205 ドライブ装置
207 表示装置
208 入力装置
209 バス
310 コントローラ
320 操作パネル
360 エンジン部
410 アプリケーション
420 グラフィックエンジン
430 プリンタドライバ
440 スプーラ
450 連結補正シンボル画像作成処理部
451 エンコーダ
452 連結補正処理部
460 印刷処理部
1201 印刷設定ダイアログ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】
【特許文献1】特開平10-49610号公報
【特許文献2】特開2002-127487号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報がエンコードされた画像であって少なくとも1つの画素を含み明暗のいずれかの色を表す複数のセルが2次元で配置されたマトリクス型2次元シンボルの画像であるシンボル画像に対して、セル間の間隔を変えずに、暗又は明を表す第1セルのサイズを縮小する負のセルサイズ補正が行なわれたシンボル画像の入力を受け付ける画像入力受付手段と、
前記シンボル画像に基づいて、当該シンボル画像に対して、当該シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する画素であって当該第1セルとは異なる色を表す画素の色を、当該第1セルと同じ色に変更する連結補正を行なう連結補正手段とを備える
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記連結補正手段が連結補正を行なった前記シンボル画像を出力する出力手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像入力受付手段は、ラスタ形式で表される前記シンボル画像の入力を受け付け、
前記連結補正手段は、
前記シンボル画像のシンボルタイプの入力を受け付けるタイプ入力受付手段と、
前記シンボルタイプに応じて前記シンボル画像に固定的に配置されるセルのパターンを識別して、当該パターンに含まれる各画素を探索することによって前記シンボル画像に配置された各セルの位置を示す位置情報を各々取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報を用いて前記シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルを識別して、前記シンボル画像に対して、前記連結補正を行なう第1補正手段とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記位置情報取得手段は、前記セルの前記位置情報を取得できない場合、当該セルの前後に配置されたセル間の中点を示す位置情報を、前記セルの前記位置情報として取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記連結補正手段は、前記シンボル画像の90度単位での回転角度、上下反転の有無及び左右反転の有無のうち少なくとも1つの入力を受け付ける入力受付手段を更に有し、
前記位置情報取得手段は、前記回転角度、上下反転の有無及び左右反転の有無のうち少なくとも1つによって、前記シンボルタイプに応じた前記パターンにおいて画素を探索する際の探索手順を変更して、前記位置情報を各々取得する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記連結補正手段は、前記位置情報の正当性を検証する検証手段を更に有し、
前記第1補正手段は、前記位置情報が正常でないと検証された場合、前記シンボル画像に含まれる各画素のうち各画素を探索して、水平方向に並ぶ2つの画素であって前記第1セルと同じ色を表す第1画素の間に存在し当該第1セルと異なる色を表す第2画素の数が第1所定値以下である場合、前記第2画素の色を前記第1セルと同じ色に変更することにより、水平方向の連結補正を行なうと共に、垂直方向に並ぶ2つの画素であって前記第1セルと同じ色を表す第1画素の間に存在し当該第1セルと異なる色を表す第2画素の数が第2所定値以下である場合、前記第2画素の色を前記第1セルと同じ色に変更することにより、垂直方向の連結補正を行なう
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像入力受付手段は、ラスタ形式で表される前記シンボル画像の入力を受け付け、
前記連結補正手段は、
前記シンボル画像に含まれる各画素のうち各画素を探索して、水平方向に並ぶ2つの画素であって前記第1セルと同じ色を表す第1画素の間に存在し当該第1セルと異なる色を表す第2画素の数が所定値以下である場合、前記第2画素の色を前記第1セルと同じ色に変更することにより、水平方向の連結補正を行なう第2補正手段と、
前記シンボル画像に含まれる各画素のうち各画素を探索して、垂直方向に並ぶ2つの画素であって前記第1セルと同じ色を表す第1画素の間に存在し当該第1セルと異なる色を表す第2画素の数が第2所定値以下である場合、前記第2画素の色を前記第1セルと同じ色に変更することにより、垂直方向の連結補正を行なう第3補正手段とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記連結補正手段は、前記第1セルのサイズを縮小させる量を示すセルサイズ補正量の入力を受け付ける補正量入力受付手段を更に有し、
前記第1所定値及び第2所定値のうち少なくとも1つは、前記セルサイズ補正量又は前記セルサイズ補正量を用いて設定された値である
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記シンボル画像のシンボルタイプの入力を受け付けるタイプ入力受付手段を更に備え、
前記連結補正手段は、前記シンボルタイプを用いて、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断するタイプ判断手段を更に有し、
前記第2補正手段は、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルであると判断された場合に、当該シンボル画像に対して水平方向の前記連結補正を行い、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルでないと判断された場合には、当該シンボル画像に対して水平方向の前記連結補正を行わず、
前記第3補正手段は、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルであると判断された場合に、当該シンボル画像に対して垂直方向の前記連結補正を行い、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルでないと判断された場合に、当該シンボル画像に対して垂直方向の前記連結補正を行わない
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記補正量入力受付手段は、前記第1セルのサイズを変更させる量を示すセルサイズ補正量の入力を受け付け、
前記連結補正手段は、
前記セルサイズ補正量によって示される量が前記第1セルのサイズを縮小させるものである場合、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていると判断し、前記セルサイズ補正量によって示される量が前記第1セルのサイズを縮小させるものではない場合、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断する補正量検証手段とを更に有し、
前記第2補正手段は、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、当該シンボル画像に対して水平方向の前記連結補正を行い、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断された場合には、当該シンボル画像に対して水平方向の前記連結補正を行わず、
前記第3補正手段は、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、当該シンボル画像に対して垂直方向の前記連結補正を行い、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断された場合には、当該シンボル画像に対して垂直方向の前記連結補正を行わない
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記補正量入力受付手段は、水平方向の前記セルサイズ補正量及び垂直方向の前記セルサイズ補正量の各々の入力を受け付け、
前記補正量検証手段は、水平方向の前記セルサイズ補正量及び垂直方向の前記セルサイズ補正量を用いて、前記シンボル画像に対して水平方向の負のセルサイズ補正が行なわれているか否か及び前記シンボル画像に対して垂直方向の負のセルサイズ補正が行なわれているか否かを判断し、
前記第2補正手段は、前記シンボル画像に対して水平方向の負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、水平方向の前記連結補正を行い、前記シンボル画像に対して水平方向の負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断された場合には、水平方向の前記連結補正を行わず、
前記第3補正手段は、前記シンボル画像に対して垂直方向の負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、垂直方向の前記連結補正を行い、前記シンボル画像に対して垂直方向の負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断された場合には、垂直方向の前記連結補正を行わない
ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像入力受付手段は、前記第1セルを矩形領域としてその座標が表されるベクタ形式の前記シンボル画像の入力を受け付け、
前記連結補正手段は、
前記シンボル画像を解析して前記第1セルの座標を各々識別し、当該シンボル画像に含まれる各セルの位置を示す位置情報を各々取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報を用いて前記シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルを識別して、前記シンボル画像に対して、前記連結補正を行なう第1補正手段とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記第1補正手段は、前記シンボル画像に対して、当該シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する領域であってその色を前記第1セルと同じ色に変更した領域の集合を新たな矩形領域として追加する又は当該領域を含むよう前記第1セルの座標を変更することにより、前記連結補正を行なう
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記連結補正手段は、前記シンボルタイプを用いて、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルであるか否かを判断するタイプ判断手段を更に有し、
前記第1補正手段は、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルであると判断された場合、当該シンボル画像に対して前記連結補正を行い、前記シンボル画像がマトリクス型2次元シンボルでないと判断された場合、当該シンボル画像に対して前記連結補正を行なわない
ことを特徴とする請求項3乃至6、12又は13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記連結補正手段は、
前記第1セルのサイズを変更させる量を示すセルサイズ補正量の入力を受け付ける補正量入力受付手段と、
前記セルサイズ補正量によって示される量が前記第1セルのサイズを縮小させるものである場合、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていると判断し、前前記セルサイズ補正量によって示される量が前記第1セルのサイズを縮小させるものではない場合、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断する補正量検証手段とを更に有し、
前記第1補正手段は、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、当該シンボル画像に対して前記連結補正を行い、前記シンボル画像に対して負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断された場合には、当該シンボル画像に対して前記連結補正を行わない
ことを特徴とする請求項3乃至6、12乃至14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記画像入力受付手段は、ラスタ形式で表される前記シンボル画像の入力を受け付け、
前記補正量入力受付手段は、水平方向の前記セルサイズ補正量及び垂直方向の前記セルサイズ補正量の各々の入力を受け付け、
前記補正量検証手段は、水平方向の前記セルサイズ補正量及び垂直方向の前記セルサイズ補正量を用いて、前記シンボル画像に対して水平方向の負のセルサイズ補正が行なわれているか否か及び前記シンボル画像に対して垂直方向の負のセルサイズ補正が行なわれているか否かを判断し、
前記第1補正手段は、前記シンボル画像に対して水平方向及び垂直方向のいずれも負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合、前記連結補正を行い、前記シンボル画像に対して水平方向の負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、前記シンボル画像に含まれる各画素のうち各画素を探索して、水平方向に並ぶ2つの画素であって前記第1セルと同じ色を表す第1画素の間に存在し当該第1セルと異なる色を表す第2画素の数が所定値以下である場合、前記第2画素の色を前記第1セルと同じ色に変更することにより、水平方向の連結補正を行い、前記シンボル画像に対して垂直方向の負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、前記シンボル画像に含まれる各画素のうち各画素を探索して、垂直方向に並ぶ2つの画素であって前記第1セルと同じ色を表す第1画素の間に存在し当該第1セルと異なる色を表す第2画素の数が所定値以下である場合、前記第2画素の色を前記第1セルと同じ色に変更することにより、垂直方向の連結補正を行い、前記シンボル画像に対して水平方向及び垂直方向のいずれも負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断された場合、前記連結補正を行なわない
ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記画像入力受付手段は、ベクタ形式で表される前記シンボル画像の入力を受け付け、
前記補正量入力受付手段は、水平方向の前記セルサイズ補正量及び垂直方向の前記セルサイズ補正量の各々の入力を受け付け、
前記補正量検証手段は、水平方向の前記セルサイズ補正量及び垂直方向の前記セルサイズ補正量を用いて、前記シンボル画像に対して水平方向の負のセルサイズ補正が行なわれているか否か及び前記シンボル画像に対して垂直方向の負のセルサイズ補正が行なわれているか否かを判断し、
前記第1補正手段は、前記シンボル画像に対して水平方向及び垂直方向のいずれも負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合、前記連結補正を行い、前記シンボル画像に対して水平方向の負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、前記シンボル画像に対して、当該シンボル画像において水平方向に隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する領域であってその色を前記第1セルと同じ色に変更した領域の集合を新たな矩形領域として追加する又は当該領域を含むよう前記第1セルの座標を変更することにより、水平方向の連結補正を行い、前記シンボル画像に対して垂直方向の負のセルサイズ補正が行なわれていると判断された場合に、前記シンボル画像に対して、当該シンボル画像において垂直方向に隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する領域であってその色を前記第1セルと同じ色に変更した領域の集合を新たな矩形領域として追加する又は当該領域を含むよう前記第1セルの座標を変更することにより、垂直方向の連結補正を行い、前記シンボル画像に対して水平方向及び垂直方向のいずれも負のセルサイズ補正が行なわれていないと判断された場合、前記連結補正を行なわない
ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項18】
出力された前記シンボル画像を印刷媒体に印刷する印刷手段を更に備える
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項19】
印刷範囲の画像を表す印刷データの入力を受け付けるデータ入力受付手段を更に備え、
前記印刷手段は、前記印刷データにおける印刷範囲内の所定位置に前記シンボル画像を重畳して、前記画像と共に前記シンボル画像を印刷媒体に印刷する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記第1セルのサイズを縮小させる量を示すセルサイズ補正量を記憶する記憶手段と、
前記情報をエンコードして前記シンボル画像を生成する生成手段と、
前記セルサイズ補正量を用いて、前記シンボル画像に対して、前記セルサイズ補正を行なうセルサイズ補正手段を更に備え、
前記画像入力受付手段は、前記セルサイズ補正手段が前記セルサイズ補正を行なった前記シンボル画像の入力を受け付ける
ことを特徴とする請求項19に記載の画像処理装置。
【請求項21】
画像処理装置で実行される画像処理方法であって、
情報がエンコードされた画像であって少なくとも1つの画素を含み明暗のいずれかの色を表す複数のセルが2次元で配置されたマトリクス型2次元シンボルの画像であるシンボル画像に対して、セル間の間隔を変えずに、暗又は明を表す第1セルのサイズを縮小する負のセルサイズ補正が行なわれたシンボル画像の入力を受け付ける画像入力受付ステップと、
前記シンボル画像に基づいて、当該シンボル画像に対して、当該シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する画素であって当該第1セルとは異なる色を表す画素の色を、当該第1セルと同じ色に変更する連結補正を行なう連結補正ステップとを含む
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項22】
請求項21に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項23】
印刷装置で実行される印刷方法であって、
情報がエンコードされた画像であって少なくとも1つの画素を含み明暗のいずれかの色を表す複数のセルが2次元で配置されたマトリクス型2次元シンボルの画像であるシンボル画像に対して、セル間の間隔を変えずに、暗又は明を表す第1セルのサイズを縮小する負のセルサイズ補正が行なわれたシンボル画像の入力を受け付ける画像入力受付ステップと、
前記シンボル画像に基づいて、当該シンボル画像に対して、当該シンボル画像において隣接する2つ以上の第1セルの間に存在する画素であって当該第1セルとは異なる色を表す画素の色を、当該第1セルと同じ色に変更する連結補正を行なう連結補正ステップと、
連結補正を行なった前記シンボル画像を出力する出力ステップと、
出力された前記シンボル画像を印刷媒体に印刷する印刷ステップとを含む
ことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【公開番号】特開2010−217981(P2010−217981A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60981(P2009−60981)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】