説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラム

【課題】所望の形状の画像パーツを得ることのできる画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供する。
【解決手段】MFP(Multi Function Peripheral)は、原稿の画像を読み取る画像読取部35と、画像読取部35で読み取った画像に含まれる閉ループで囲まれた領域を特定するパーツ化部53と、パーツ化部53にて特定した領域に含まれる複数のパーツの階層を判断する階層判断部55と、階層判断部55にて下位と判断したパーツの形状を補正するパーツ補正部57とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関し、より特定的には、所望の形状の画像パーツを得ることのできる画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどがある。
【0003】
近年、画像形成装置は、画像読取部(読み取り手段)を備えるスキャナ、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはデジタル複合機などとして、オフィスや家庭などに急速に普及している。画像形成装置の中には、一連の原稿をページ毎に一枚ずつ画像読取部に供給する自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えたものがある。ADFを備えた画像形成装置は、複数枚からなる原稿を順に自動で画像読取部へ供給することができるので、ユーザにとっては便利である。
【0004】
近年、画像読取部を備えた装置において、原稿から画像を読み取り、読み取った画像から図形などの画像パーツを切り出す技術が提案されている。この種の技術として、たとえば下記特許文献1には、複雑な形状をもつオブジェクトの境界付近の画素に均一な色の背景画素を埋め込むことにより、複雑な形状をもつオブジェクトを背景から分離する技術が開示されている。下記特許文献2には、記事原稿のコピーに際し、記事原稿に含まれる画像の外形形状に応じてその画像の配置を変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000―353239号公報
【特許文献2】特開平05−328096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、複数の画像パーツが重なった画像を読込み、画像パーツを切り出して特定のファイル形式に変更する場合に、所望の形状の画像パーツを得ることができなかった。従来技術では、互いに重なった複数の画像パーツは、重なった状態の複数の画像パーツの輪郭線に沿って(輪郭情報に従って)切り出されていた。また、画像を複数のパーツに分解して切り出すことができた場合でも、下のパーツにおける他の画像パーツとの重なり部分の形状(輪郭)に歪みや欠けが生じ易かった。その結果、ユーザは所望の形状の画像パーツを切り出して再利用することができず、ユーザ自身が形状を編集する必要があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、所望の形状の画像パーツを得ることのできる画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に従う画像処理装置は、画像の入力を受け付ける画像受付手段と、画像受付手段にて受け付けた画像に含まれる閉ループで囲まれた領域を特定する閉ループ特定手段と、閉ループ特定手段にて特定された領域に含まれる複数の画像パーツの階層を判断する階層判断手段と、階層判断手段にて下位と判断した画像パーツの形状を補正する画像パーツ補正手段とを備える。
【0009】
上記画像処理装置において好ましくは、階層判断手段は、閉ループの線と画像パーツの外形線とが構成する3差路の状態に基づいて階層を判断する。
【0010】
上記画像処理装置において好ましくは、階層判断手段は、3差路を構成する線のうち連続性が途切れない線を外形線とする画像パーツを上位と判断する。
【0011】
上記画像処理装置において好ましくは、階層判断手段は、3差路を構成する線のうち連続性が途切れた線を外形線とする画像パーツを下位と判断する。
【0012】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ補正手段は、3差路を構成する線のうち連続性が途切れた線が曲線の場合、階層判断手段にて下位と判断した画像パーツの外形線上にある他の3差路と、3差路とを結ぶ近似曲線によって画像パーツの形状を補正する。
【0013】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ補正手段は、3差路を構成する線のうち連続性が途切れた線が直線の場合、途切れた線を延長した線によって画像パーツの形状を補正する。
【0014】
上記画像処理装置において好ましくは、閉ループ特定手段は、画像受付手段にて受け付けた画像からテキストを含む閉ループで囲まれた領域を特定する。
【0015】
上記画像処理装置において好ましくは、閉ループ特定手段は、一部が破線によって構成される閉ループで囲まれた領域をも特定する。
【0016】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ補正手段は、閉ループ特定手段にて特定された領域からテキストを除いた状態で、画像パーツの形状を補正する。
【0017】
上記画像処理装置において好ましくは、階層判断手段にて上位と判断した画像パーツのデータである上位画像パーツと、階層判断手段にて下位と判断した画像パーツのデータであって、かつ画像パーツ補正手段にて形状を補正した画像パーツのデータである下位画像パーツとを生成する画像パーツ生成手段をさらに備える。
【0018】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ生成手段は、階層判断手段にて上位と判断した画像パーツと下位と判断した画像パーツとが重なった領域の画像パーツのデータである重なり画像パーツを生成する。
【0019】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ生成手段は、重なり画像パーツを、上位画像パーツおよび下位画像パーツとは別体で生成する。
【0020】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ生成手段は、重なり画像パーツを下位画像パーツと重ねて配置する。
【0021】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ生成手段は、重なり画像パーツを下位画像パーツと重ねて配置する場合には重なり画像パーツの透過率を0%とし、重なり画像パーツを上位画像パーツに重ねて配置する場合には重なり画像パーツの透過率を100%とする。
【0022】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ生成手段は、重なり画像パーツと、上位画像パーツおよび下位画像パーツのうち少なくともいずれか一方から重なり画像パーツを削った形状の画像パーツとを生成する。
【0023】
上記画像処理装置において好ましくは、重なり画像パーツを上位画像パーツおよび下位画像パーツとは別体で生成するか、上位画像パーツおよび下位画像パーツのうち少なくともいずれか一方から重なり画像パーツを削った形状の画像パーツを生成するかの選択を受け付ける選択受付手段をさらに備える。
【0024】
上記画像処理装置において好ましくは、画像パーツ生成手段は、重なり画像パーツの透過率を、上位画像パーツおよび下位画像パーツの透過率よりも低く設定する。
【0025】
本発明の他の局面に従う画像処理装置の制御方法は、画像の入力を受け付ける画像受付ステップと、画像受付ステップにて受け付けた画像に含まれる閉ループで囲まれた領域を特定する閉ループ特定ステップと、閉ループ特定ステップにて特定された領域に含まれる複数の画像パーツの階層を判断する階層判断ステップと、階層判断ステップにて下位と判断した画像パーツの形状を補正する画像パーツ補正ステップとを備える。
【0026】
本発明のさらに他の局面に従う画像処理装置の制御プログラムは、画像の入力を受け付ける画像受付ステップと、画像受付ステップにて受け付けた画像に含まれる閉ループで囲まれた領域を特定する閉ループ特定ステップと、閉ループ特定ステップにて特定された領域に含まれる複数の画像パーツの階層を判断する階層判断ステップと、階層判断ステップにて下位と判断した画像パーツの形状を補正する画像パーツ補正ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、所望の形状の画像パーツを得ることのできる画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるMFPの画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】画像読取部によって読み取られる原稿の画像を模式的に示す図である。
【図4】パーツ同士の重なりの状態を模式的に示す図である。
【図5】図4における3差路A11の拡大図である。
【図6】パーツの階層の判断処理を示すフローチャートである。
【図7】途切れた線が直線である場合のパーツの補正方法の一例を示す図である。
【図8】途切れた線が曲線である場合のパーツの補正方法の一例を示す図である。
【図9】途切れた線が曲線である3差路の近傍に、途切れた線が曲線である他の3差路が無い場合のパーツの補正方法の一例を示す図である。
【図10】パーツの階層の判断処理を示すフローチャートである。
【図11】互いに重なった3つのパーツにより閉ループの領域が構成される場合に、3つのパーツの各々に対する階層判断処理を説明する図である。
【図12】パーツP4のファイル形式を変換することによって生成された生成パーツを示す図である。
【図13】パーツP5のファイル形式を変換することによって生成された生成パーツを示す図である。
【図14】パーツP6のファイル形式を変換することによって生成された生成パーツを示す図である。
【図15】透過率の設定を受け付ける場合にパネル操作部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図16】パーツの生成処理を示すフローチャートである。
【図17】原稿の画像を読み込んでその画像のパーツを生成する場合のMFPの動作を示すフローチャートである。
【図18】図17のステップS1011に示すパーツの階層判断処理のサブルーチンである。
【図19】図17のステップS1013に示すパーツの補正処理のサブルーチンである。
【図20】図17のステップS1015に示すパーツの生成処理のサブルーチンである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0030】
本実施の形態における画像形成装置は、画像処理装置を備えており、かつ電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものである。本実施の形態では、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)が画像形成装置である場合に付いて示す。しかし本実施の形態における画像形成装置は、MFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンタなどであってもよい。
【0031】
[MFPの構成]
始めに、MFPの概略的な構成について説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【0033】
図1を参照して、MFPは、MFP全体を制御するCPU(中央演算処理装置)11と、画像データに対して処理を行う画像処理部13と、画像処理部13にて処理された画像データに基づいて用紙などに画像を形成する画像形成部15と、画像などのデータを記憶する記憶部(たとえばHDD(Hard Disk Drive))17と、画像データの印刷処理を制御する画像出力部19と、通信回線を通して画像データを送信するファクシミリ制御部21と、MFPと外部機器との接続を制御するネットワーク接続部23と、書き換え不可能な読み出しのみのデータが保存されているROM(Read Only Memory)25と、データが一時記憶されるRAM(Random Access Memory)27と、データの書き換えが可能である不揮発メモリ29と、MFPの情報を表示する表示部31と、MFPに対する処理命令を与えることのできるパネル操作部33と、原稿の画像を読み取る画像読取部35とを備えている。
【0034】
ファクシミリ制御部21は、受信部21aを含んでいる。
【0035】
ネットワーク接続部23は、外部機器から送信された画像を受け付ける。
【0036】
なお、パネル操作部33は、削除条件設定部33aを含んでいてもよい。CPU11は、判別部41と、削除部43と、制御部45と、通報部47とを含んでいてもよい。
【0037】
CPU11を中心に、各モジュールが通信および制御信号に基づいて制御される。CPU11は、画像処理部13、画像形成部15、記憶部17、画像出力部19、ファクシミリ制御部21、ネットワーク接続部23、ROM25、RAM27、不揮発メモリ29、表示部31、パネル操作部33、および画像読取部35の各々と、通信または信号の送受信を実施することで、MFP全体を制御する。MFPでは、CPU11を中心に、画像処理部13や画像形成部15や記憶部17や画像出力部19によって、主にI/F検証が行われる。
【0038】
図2は、本発明の一実施の形態におけるMFPの画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0039】
図2を参照して、MFPの画像処理装置は、画像読取部35と、領域判断部51と、パーツ化部53と、階層判断部55と、パーツ補正部57と、画像パーツ生成部59とを含んでいる。領域判断部51は、画像読取部35で読み取った画像を、テキストの属性領域と、イメージの属性領域と、グラフィックの属性領域とに分割する。パーツ化部53は、領域判断部51の分割結果を利用して、テキストを含む閉ループで囲まれた領域を特定(パーツ化)する。階層判断部55は、パーツ化部53で特定された閉ループ領域を解析し、閉ループで囲まれた領域に、互いに重なった複数のパーツ(画像パーツ)が存在しているか否かを判別する。また階層判断部55は、互いに重なった複数のパーツが存在している場合に、複数のパーツの階層(つまり、どのパーツが相対的に上位(上層)であり、どのパーツが相対的に下位(下層)であるか)を判断する。パーツ補正部57は、階層判断部55で下位と判断されたパーツ(下位パーツ)の形状を補正する。画像パーツ生成部59は、階層判断部55で上位と判断したパーツ(上位パーツ)のデータと、下位パーツのデータであって、かつパーツ補正部57で形状を補正した下位パーツのデータとを特定のファイル形式で生成する。画像パーツ生成部59は、重なりパーツ生成部(画像データ生成部)61と、重なりパーツ合成部(画像合成部)63とを含んでいる。重なりパーツ生成部61は、パーツ同士の重なった部分のパーツを上位パーツおよび下位パーツとは別のパーツとして、透過性のパーツ(重なり画像パーツ)として生成する。重なりパーツ合成部63は、パーツ同士の重なった部分のパーツを上位または下位のパーツの一部として、上位または下位のパーツに合成(付加)する。
【0040】
本実施の形態におけるMFPは、読み込んだ画像を特定ファイル形式に変換する機能を実行する。MFPは、読み込んだ画像内にパーツ同士の重なりを検出した場合に、それぞれのパーツの階層を判断し、最上位のパーツによって形状が崩れた下位のパーツを補正する。MFPは、パーツ同士が重なった部分の重なり画像を、上位および下位のパーツとは別パーツ化する。これによりMFPは、重なっていたパーツをファイル変換後に個別に編集可能にする。
【0041】
[画像中の閉ループに発生する3差路]
図3は、画像読取部によって読み取られた原稿の画像を模式的に示す図である。なお図3において、「TX」、「GP」、「PA1〜PA16」、および「A1〜A6」の表示は、説明のために付加された符号であり、原稿の画像に含まれるものではない。
【0042】
図3を参照して、原稿の画像(課題画像)は、テキストの属性領域TXと、イメージの属性領域(図示無し)と、グラフィック(画像)の属性領域GPとに分けられる。原稿の画像は、テキストの属性領域TXとグラフィックの属性領域GPとが重なった領域、言い換えればテキストを含むパーツ(画像パーツ)PA1〜PA16を含んでいる場合がある。これらのパーツPA1〜PA16は、テキストを含む閉ループで囲まれた領域であり、たとえば吹出し(たとえばパーツPA8、PA13など)、矩形(たとえばパーツPA1、PA6など)、または楕円(たとえばパーツPA16など)などの外形を有している。
【0043】
MFPが図3に示す原稿の画像を読み込み、テキストを含むパーツを抽出し、抽出したパーツを特定ファイル形式に変換する場合を想定する。この場合、たとえばパーツPA13〜PA15の各々と、パーツPA16とは、互いに重なっており、パーツPA13〜PA16は1つの閉ループで囲まれた領域を構成している。この領域では、下位のパーツであるパーツPA16は、上位のパーツであるパーツPA13〜PA15と重なった部分が欠けている。従ってパーツPA16については、その外形(領域)が補正される必要がある。
【0044】
ここで、パーツPA13〜PA16が構成する1つの閉ループ上には、パーツPA13〜PA16の各々の外形線との間に3差路(三つ叉)A1〜A6が発生している。3差路A1およびA2は、パーツPA14の外形線とパーツPA16の外形線とが接触した部分に発生している。3差路A3およびA4は、パーツPA13の外形線とパーツPA16の外形線とが接触した部分に発生している。3差路A5およびA6は、パーツPA15の外形線とパーツPA16の外形線とが接触した部分に発生している。
【0045】
図4は、パーツ同士の重なりの状態を模式的に示す図である。以降の図4および図5では、下位パーツにおける上位パーツと重なっていない部分を斜線で示している。
【0046】
図4を参照して、(a)では、三角形の上位パーツP1の外形線と四角形の下位パーツP2の外形線とが接触した部分に3差路A11およびA12が発生している。(b)では、四角形の上位パーツP1の外形線と四角形の下位パーツP2の外形線とが接触した部分に3差路A13およびA14が発生している。(c)では、四角形の上位パーツP1の外形線と四角形の下位パーツP2の外形線とが接触した部分に3差路A15およびA16が発生しており、四角形の上位パーツP3の外形線と下位パーツP2の外形線とが接触した部分に3差路A17およびA18が発生している。(d)では、四角形の上位パーツP1の外形線と楕円形の下位パーツP2の外形線とが接触した部分に3差路A19およびA20が発生している。
【0047】
このように、パーツ同士が互いに重なっている状態では、パーツが構成する閉ループ上(輪郭線上)に3差路が発生する。上位パーツと下位パーツとの重なり方や、上位パーツと下位パーツとの各々の形状などによって3差路が発生する場所は異なるが、パーツの外形線が直線であっても曲線であっても、局所的に見た場合には3差路が発生する。MFPは、3差路の状態に基づいてパーツの階層を判断し、下位パーツの形状を補正する。
【0048】
[パーツの階層判断処理]
続いて、読み込んだ画像内のパーツ同士に重なりがある場合に、階層判断部55が実行するパーツの階層判断処理の一例について説明する。
【0049】
図5は、図4における3差路A11の拡大図である。
【0050】
図5を参照して、3差路A11は、上位パーツP1の外形線の一部である線L1AおよびL1Bと、下位パーツP2の外形線の一部である線L2とによって構成されている。線L1BおよびL2は、上位パーツP1と下位パーツP2とが構成する閉ループの一部であり、線L1Aは、この閉ループの内部に延在している線である。線L1AおよびL1Bは連続的に(直線状に)延在しており、線L2は、線L1AおよびL1Bとの接触位置(つまり3差路A11)において途切れている。
【0051】
階層判断部55は、3差路の状態に基づいて2つのパーツの階層を判断する。具体的に、階層判断部55は、3つの線の中から連続性が途切れない線L1AおよびL1Bを特定し、その線L1AおよびL1Bを含む外形線によって囲まれた領域を、上位パーツと判断する。また階層判断部55は、3つの線の中から連続性が途切れた線L2を特定し、その線L2を含む外形線によって囲まれた領域を、下位パーツと判断する。
【0052】
図6は、パーツの階層の判断処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、たとえばROM25に記憶されたプログラムに従ってCPU11が実行するものである。
【0053】
図6を参照して、CPU11は、画像読取部35にて画像を読込む(S11)。次にCPU11は、領域判断部51にて領域判別を実施し、読み込んだ画像を、テキストの属性領域と、イメージの属性領域と、グラフィックの属性領域とに分割する(S13)。次にCPU11は、分割した領域のうち特定の領域がテキストの領域(文字領域)か否かを判別する(S15)。
【0054】
ステップS15にて、特定の領域がテキストの領域である場合(S15でYES)、CPU11は、パーツ化部53にてテキストの領域を囲む閉ループを検出(特定)する(S17)。ステップS17においては、一部が破線によって構成される閉ループで囲まれた領域をも検出してもよい。そしてCPU11は、階層判断部55にて閉ループ上に3差路が発生しているか否かを判別する(S19)。
【0055】
ステップS19において、3差路が発生していると判別した場合(S19でYES)、閉ループは互いに重なった複数のパーツにより構成されている状態にある。この場合CPU11は、3差路を構成する3つの線のうち任意の1つの線に着目し、着目した線が3差路において途切れているか(途切れた線を含むか)否かを階層判断部55にて判別する(S21)。
【0056】
ステップS21において、着目した線が途切れていると判別した場合(S21でYES)、CPU11は、その線を含む外形線によって囲まれた領域を下位パーツと判断し(S23)、処理を終了する。この場合、着目した線以外の2つの線を含む外形線によって囲まれた領域は上位パーツと判断されてもよい。一方、ステップS21において、着目した線が途切れていないと判別した場合(S21でNO)、CPU11は、その線を含む外形線によって囲まれた領域を上位パーツと判断し(S25)、処理を終了する。この場合、残った1つの線を含む外形線によって囲まれた領域は下位パーツと判断されてもよい。
【0057】
ステップS15において、特定の領域がテキストの領域でない場合(S15でNO)、またはステップS19において、3差路が発生していないと判別した場合(S19でNO)、CPU11はパーツの階層判断を行わずに(S27)、処理を終了する。
【0058】
上述のフローチャートにおいて、読み込んだ画像の中に未だ階層が判断されていないパーツが存在する場合には、ステップS23の処理、ステップS25の処理、またはステップS27の処理からステップS15の処理へ進み、未だ判別していない領域について、テキストの領域か否かを判別してもよい。
【0059】
上述のフローチャートにおいては、テキストを含む閉ループで囲まれた領域のみのパーツの階層を判断する場合に付いて示したが、これ以外の領域についても、互いに重なる複数のパーツを含む場合にはパーツの階層を判断してもよい。
【0060】
[パーツの補正処理]
続いて、読み込んだ画像内のパーツ同士に重なりがある場合に、パーツ補正部57が実行するパーツの補正処理(補間処理)の一例について説明する。
【0061】
図7は、途切れた線が直線である場合のパーツの補正方法の一例を示す図である。(a)は、パーツの補正方法の基本的な概念を説明するための図である。(b)は、補正方法の具体例として、図4の(a)に示す下位パーツの補正方法を示す図である。(c)は、補正方法の具体例として、図4の(b)に示す下位パーツの補正方法を示す図である。図7〜図9では下位パーツを斜線で示している。
【0062】
図7(a)を参照して、上位パーツP1と下位パーツP2とが構成する閉ループ上に発生している3差路Aは、3つの線L1A、L1B、およびL2によって構成されている。図5を用いて説明したように、線L1AおよびL1Bは連続的に延在しているので、線L1AおよびL1Bは上位パーツP1の外形線であることが分かる。線L2は途切れているので、線L2は下位パーツP2の外形線であることが分かる。途切れた線L2が直線である場合、パーツ補正部57は途切れた線L2を延長する直線を引き、延長した線L3によって、下位パーツP2の形状を補正する。補正によって補間される領域は、上位パーツP1の形状に基づいて決定され、上位パーツP1は補間データ算出領域となる。
【0063】
図7(b)を参照して、たとえば図4の(a)に示した下位パーツP2の場合には、3差路A11およびA12のうち少なくとも一方において、下位パーツP2の外形線である途切れた線L2が延長される。その結果、延長した直線である線L11と上位パーツP1の外形線とから構成される領域は、上位パーツP1と下位パーツP2との重なりパーツX1(重なり画像パーツ)となり、重なりパーツX1が下位パーツP2の領域として補間される。
【0064】
図7(c)を参照して、たとえば図4の(b)に示した下位パーツP2の場合には、3差路A13において下位パーツP2の外形線である途切れた線L2Aが延長され、3差路A14において下位パーツP2の外形線である途切れた線L2Bが延長される。その結果、延長した線L12およびL13と上位パーツP1の外形線とから構成される領域は、上位パーツP1と下位パーツP2との重なりパーツX2であり、重なりパーツX2が下位パーツP2の領域として補間される。
【0065】
図8は、途切れた線が曲線である場合のパーツの補正方法の一例を示す図である。(a)は、パーツの補正方法の基本的な概念を説明するための図である。(b)は、補正方法の具体例として、図4の(d)に示す下位パーツの補正方法を示す図である。
【0066】
図8(a)を参照して、途切れた線L2が曲線である場合には、パーツ補正部57は、下位パーツP2の外形線上にある3差路A近傍の3差路であって、途切れた線が曲線である3差路を検索する。そしてパーツ補正部57は、その3差路の途切れた線と、途切れた線L2とを下位パーツP2の外形線の近似曲線である線L3によって結び、線L3によって下位パーツP2の形状を補正する。
【0067】
図8(b)を参照して、たとえば図4の(d)に示した下位パーツP2の場合には、3差路A19において途切れた線L2Aは曲線となっている。このときは、下位パーツP2の外形線上にある3差路A19近傍の他の3差路であって、途切れた線が曲線である他の3差路A20が検索される。そして、その3差路A19の途切れた線L2Aと、3差路A20の途切れた線L2Bとを下位パーツP2の外形線の近似曲線である線L14によって結ぶ。その結果、線L14と上位パーツP1の外形線とから構成される領域は、上位パーツP1と下位パーツP2との重なりパーツX3となり、重なりパーツX3が下位パーツP2の領域として補間される。
【0068】
図9は、途切れた線が曲線である3差路の近傍に、途切れた線が曲線である他の3差路が無い場合のパーツの補正方法の一例を示す図である。(a)は、強制矩形補正する条件を示す図である。(b)は、強制矩形補正後のパーツの形状を示す図である。
【0069】
図9(a)を参照して、3差路A19において途切れた線L2Aは曲線となっている。一方で、下位パーツP2の外形線上にある3差路A19近傍の他の3差路A20において、途切れた線L2Bは直線になっている。この場合パーツ補正部57は、3差路A19近傍の他の3差路であって、途切れた線が曲線である他の3差路を見つけることができず、下位パーツP2の形状を補正することができない。このように、途切れた線が直線となる3差路と、途切れた線が曲線となる3差路との組合せを含む下位パーツは、補完される領域が狙いの形状となりにくい。
【0070】
この場合パーツ補正部57は、(b)に示すように、下位パーツP2の外形線に外接する矩形に下位パーツP2を強制的に補正する。すなわちパーツ補正部57は、下位パーツP2に外接する矩形の線L15を引き、線L15で囲まれた領域と補正前の下位パーツP2との差分のパーツ(領域)X4を下位パーツP2の領域として補間する。強制的に補正する場合の補正後のパーツの形状は任意であり、矩形の他、楕円やひし形などであってもよい。
【0071】
また、線L15と上位パーツP1の外形線とから構成される領域は、上位パーツP1と下位パーツP2との重なりパーツX5であり、この重なりパーツX5が下位パーツP2の領域としてさらに補間される。
【0072】
なお、画像パーツの形状を補正する際には、補正の対象となる閉ループの領域からテキストが予め除かれた状態で、閉ループを構成する各パーツが補正されてもよい。
【0073】
図10は、パーツの階層の判断処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、たとえばROM25に記憶されたプログラムに従ってCPU11が実行するものである。
【0074】
図10を参照して、CPU11は、画像読取部35にて画像を読込む(S31)。次にCPU11は、領域判断部51にて領域判別を実施し、読み込んだ画像を、テキストの属性領域と、イメージの属性領域と、グラフィックの属性領域とに分割する(S33)。次にCPU11は、分割した領域のうち特定の領域がテキストの領域(文字領域)か否かを判別する(S35)。
【0075】
ステップS35にて、特定の領域がテキストの領域である場合(S35でYES)、CPU11は、パーツ化部53にてテキストの領域を囲む閉ループを検出(特定)する(S37)。ステップS37においては、一部が破線によって構成される閉ループで囲まれた領域をも検出してもよい。そしてCPU11は、階層判断部55にて閉ループ上に3差路が発生しているか否かを判別する(S39)。
【0076】
ステップS39において、3差路が発生していると判別した場合(S39でYES)、閉ループは互いに重なった複数のパーツにより構成されている状態にある。この場合CPU11はパーツ補正部57にて、3差路を構成する3つの線のうち途切れた線が直線か否かを判別する(S41)。
【0077】
ステップS41において、途切れた線が直線である場合(S41でYES)、CPU11は、パーツ補正部57にて途切れた線の直線の延長線を引き、下位パーツの形状を補正する(S43)。そしてCPU11は処理を終了する。
【0078】
ステップS41において、途切れた線が曲線である場合(S41でNO)、CPU11はパーツ補正部57にて、下位パーツの外形線上におけるその3差路の近傍に、途切れた線が曲線である3差路(近似曲線を引く先)があるか否かを判別する(S45)。
【0079】
ステップS45にて、途切れた線が曲線である3差路が近傍にあると判別した場合(S45でYES)、CPU11は、パーツ補正部57にて、途切れた線と、近傍の3差路の途切れた線との間に近似曲線を引き、下位パーツの形状を補正する(S47)。そしてCPU11は処理を終了する。
【0080】
ステップS45にて、途切れた線が曲線である3差路が近傍に無いと判別した場合(S45でNO)、下位パーツの形状を補正することができない状態にある。この場合CPU11は、パーツ補正部57にて下位パーツの外形線に外接する矩形に下位パーツの形状を強制的に変更し(S49)、処理を終了する。
【0081】
ステップS35において、特定の領域がテキストの領域でない場合(S35でNO)、またはステップS39において、3差路が発生していないと判別した場合(S39でNO)、CPU11はパーツを補正せず(補正領域を算出せず)(S51)、処理を終了する。
【0082】
上述のフローチャートにおいて、下位パーツが未だ完全に補正されていない場合には、CPU11は処理を終了せず、ステップS39の処理へ進んでさらなる補正を行ってもよい。
【0083】
上述のパーツの補正処理は、複数のパーツにより構成される閉ループの領域からテキストを予め除いた状態で行われることが好ましいが、閉ループがテキストを含んだままの状態で行われてもよい。
【0084】
[パーツの生成処理]
続いて、画像パーツ生成部59が実行するパーツの生成処理の一例について説明する。
【0085】
図11は、互いに重なった3つのパーツにより構成された閉ループの領域に対する階層判断処理およびパーツ補正処理を説明する図である。(a)は、互いに重なった3つのパーツにより構成される閉ループの領域を示す図である。(b)は、階層判断処理およびパーツの補正処理後の(a)の閉ループの領域を示す図である。
【0086】
図11(a)を参照して、3つのパーツP4〜P6により1つの閉ループの領域が構成されている。パーツP4(第1レイヤ)は最上位のパーツであり、パーツP6(第2レイヤ)は最下位のパーツであり、パーツP5(第3レイヤ)はパーツP4とパーツP6との間の中位のパーツである。パーツP4の外形線上には、パーツP5の外形線と接触した部分に3差路A21およびA22が発生している。パーツP5の外形線上には、パーツP6の外形線と接触した部分に3差路A23が発生している。
【0087】
図11(b)を参照して、3差路A21およびA22における途切れた線L2AおよびL2Bは、いずれもパーツP5の外形線であるため、階層判断部55によって、パーツP5はパーツP4よりも下位であると判断される。また、線L2AおよびL2Bはいずれも直線である。このため、パーツ補正部57によって、線L2AおよびL2Bの各々を延長した線と、パーツP4の外形線とから構成される領域が、重なりパーツX6とされる。重なりパーツX6はパーツP5の領域として補間される。また、3差路A22およびA23おける途切れた線L2CおよびL2D(但し線L2Cは、補正後のパーツP5の外形線とで構成される3差路における途切れた線)は、いずれもパーツP6の外形線であるため、階層判断部55によって、パーツP6はパーツP5よりも下位であると判断される。また、線L2CおよびL2Dはいずれも直線である。このため、パーツ補正部57によって、線L2CおよびL2Dの各々を延長した線と、パーツP5の外形線とから構成される領域が、重なりパーツX7とされる。重なりパーツX7はパーツP6の領域として補間される。
【0088】
図12は、パーツP4のファイル形式を変換することによって生成された生成パーツを示す図である。以降の図12〜図14において、(a)は生成パーツを示す図である。(b)は(a)の生成パーツを分解して示した場合の一例であり、(c)は(a)の生成パーツを分解して示した場合の他の例である。
【0089】
図12(a)を参照して、画像パーツ生成部59は、パーツP4のファイル形式を変換することによって、パーツP4に対応する生成パーツQ4のデータを生成する。生成パーツQ4は補正後のパーツP4と同一の外形(パーツP4そのままの形状)を有している。
【0090】
また画像パーツ生成部59は、(b)に示すように、本体の生成パーツQ4とは別体で生成パーツY6のデータをさらに生成してもよい。生成パーツY6は重なりパーツX6のファイル形式を変換することによって生成したパーツであり、生成パーツY6は重なりパーツX6と同一の外形を有している。(b)の場合には、生成パーツQ4における重なりパーツの位置に生成パーツY6を重ねて配置してもよい。
【0091】
さらに画像パーツ生成部59は、(c)に示すように、生成パーツQ4Aのデータと生成パーツY6のデータとを生成してもよい。生成パーツQ4Aは生成パーツQ4から生成パーツY6(重なりパーツX6の部分)を削った形状を有している。(c)では、生成パーツY6が生成パーツQ4の一部となっており、生成パーツQ4Aと生成パーツY6とにより本体の生成パーツQ4が構成される。重なりパーツX6に対応する生成パーツY6を生成パーツQ4またはQ4Aとは別体で生成することにより、パーツの重なり部分をユーザが編集することが可能となる。
【0092】
(b)および(c)に示すように生成パーツQ4に生成パーツY6を付加した場合には、ユーザは生成パーツY6を、生成パーツQ4とは別の透過画像として表現することができる。
【0093】
図13は、パーツP5のファイル形式を変換することによって生成された生成パーツを示す図である。
【0094】
図13(a)を参照して、画像パーツ生成部59は、パーツP5のファイル形式を変換することによって、パーツP5に対応する生成パーツQ5のデータを生成する。生成パーツQ5は補正後のパーツP5と同一の外形(パーツP5そのままの形状)を有している。
【0095】
また画像パーツ生成部59は、(b)に示すように、本体の生成パーツQ5とは別体で生成パーツY6およびY7のデータをさらに生成してもよい。生成パーツY7は重なりパーツX7のファイル形式を変換することによって生成したパーツであり、生成パーツY7は重なりパーツX7と同一の外形を有している。(b)の場合には、生成パーツQ5における重なりパーツの位置に生成パーツY6およびY7を重ねて配置してもよい。
【0096】
さらに画像パーツ生成部59は、(c)に示すように、生成パーツQ5Aのデータと生成パーツY6およびY7のデータとを生成してもよい。生成パーツQ5Aは生成パーツQ5から生成パーツY6およびY7(重なりパーツX6およびX7の部分)を削った形状を有している。(c)では、生成パーツY6およびY7が生成パーツQ5の一部となっており、生成パーツQ5Aと生成パーツY6およびY7とにより本体の生成パーツQ5が構成される。
【0097】
図14は、パーツP6のファイル形式を変換することによって生成された生成パーツを示す図である。
【0098】
図14(a)を参照して、画像パーツ生成部59は、パーツP6のファイル形式を変換することによって、パーツP6に対応する生成パーツQ6のデータを生成する。生成パーツQ6は補正後のパーツP6と同一の外形(パーツP6そのままの形状)を有している。
【0099】
また画像パーツ生成部59は、(b)に示すように、本体の生成パーツQ6とは別体で生成パーツY7のデータをさらに生成してもよい。(b)の場合には、生成パーツQ6における重なりパーツの位置に生成パーツY7を重ねて配置してもよい。
【0100】
さらに画像パーツ生成部59は、(c)に示すように、生成パーツQ6Aのデータと生成パーツY7のデータとを生成してもよい。生成パーツQ6Aは生成パーツQ6から生成パーツY7(重なりパーツX7の部分)を削った形状を有している。(c)では、生成パーツY7が生成パーツQ6の一部となっており、生成パーツQ6Aと生成パーツY7とにより本体の生成パーツQ6が構成される。
【0101】
パーツP4には他のパーツによって隠される部分が存在しない一方で、パーツP5およびP6には他のパーツによって隠される部分が存在する。したがって、図12〜図14において、パーツP4に対応する生成パーツQ4には生成パーツY6およびY7を付加せず、パーツP5およびP6に対応する生成パーツQ5およびQ6にのみ生成パーツY6およびY7を付加してもよい。
【0102】
生成パーツY6は、生成パーツQ4および生成パーツQ5のうち少なくともいずれか一方のパーツの一部として作成し、他方のパーツには付加しないようにしてもよい。生成パーツY7についても同様である。
【0103】
生成パーツY6およびY7についてはある透過率を有する透過画像としてもよい。生成パーツY6およびY7を透過画像とする場合には、生成パーツY6およびY7の透過率を、生成パーツQ4〜Q6の透過率よりも低く設定してもよい。
【0104】
図13(b)に示すように生成パーツY6を下位の生成パーツQ5と重ねて配置する場合には、生成パーツY6の透過率を0%とし、図12(b)に示すように生成パーツY6を上位の生成パーツQ4と重ねて配置する場合には、生成パーツY6の透過率を100%としてもよい。生成パーツY7についても同様である。なお、生成パーツの透過率が0%の状態とは、生成パーツが完全に不透明で下地が全く見えない状態であり、生成パーツの透過率が100%の状態とは、生成パーツが完全に透明で下地が見える状態である。
【0105】
生成パーツY6およびY7の各々の透過率は、生成パーツY6およびY7と、生成パーツY6およびY7に隣接する生成パーツQ4〜Q6との比率(濃度比率や面積比率)などに基づいて設定されてもよい。
【0106】
さらに図15に示すような操作画面をパネル操作部33に表示し、パネル操作部33を通じて生成パーツY6およびY7の透過率を任意の値に設定することが可能であってもよい。
【0107】
図15を参照して、パネル操作部33の操作画面には、透過率を下げるボタン101と、透過率を上げるボタン102と、ボタン101および102を通じて現在設定されている透過率を表示する透過率表示部103と、透過率表示部103に表示されている透過率を確定するためのボタン104と、透過率の設定をキャンセルするためのボタン105とが表示される。
【0108】
図16は、パーツの生成処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、たとえばROM25に記憶されたプログラムに従ってCPU11が実行するものである。
【0109】
図16を参照して、CPU11は、階層判断部55にて階層判断処理し、かつパーツ補正部57にてパーツの補正処理した後の画像について、パーツ同士の重なりがあるか否かを判別する(S61)。ステップS61にて、パーツ同士の重なりがあると判別した場合(S61でYES)、そのパーツの輪郭線(外形線)が他のパーツと接しているか否かを判別する(S63)。
【0110】
ステップS63にて、パーツの輪郭線が他のパーツと接していると判別した場合(S63にてYES)、パーツ同士が重なっている状態にある。この場合CPU11は、パーツ同士の重なる部分である重なりパーツの透過率を取得する(S65)。ステップS65においては、たとえば図15に示すようなパネル操作部33の操作画面を通じて透過率の入力を受け付けてもよいし、予め記憶部17などに記憶された設定を取得してもよい。続いてCPU11は、重なりパーツを切り離すか否かを判別する(S67)。CPU11は、具体的には、図13(b)に示すように、重なりパーツを本体のパーツとは別体で生成するか(重なりパーツを合成するか)、あるいは図13(c)に示すように、重なりパーツを本体のパーツの一部として生成するか(重なりパーツを切り離すか)を判別する。この判別は、たとえばパネル操作部33から受け付けたユーザの選択に従って行われてもよいし、予め記憶部17などに記憶された設定に従って行われてもよい。
【0111】
ステップS67において、重なりパーツを切り離すと判別した場合(S67にてYES)、CPU11は、重なりパーツを本体のパーツの一部として生成し、上位パーツと、重なり部分を削った形状の下位パーツと、重なりパーツとの3つのパーツを生成する(S69)。その後CPU11は処理を終了する。
【0112】
一方、ステップS67において、重なりパーツを切り離さないと判別した場合(S67にてNO)、CPU11は、重なりパーツを本体のパーツとは別体で生成し、上位パーツと、下位パーツと、下位パーツに乗せた重なりパーツとの3つのパーツを生成する(S71)。ステップS71においては、下位パーツは、重なりパーツが合成された合成画像として生成される。なお、ステップS69およびS71において、重なりパーツはステップS65にて取得した透過率で生成される。その後CPU11は処理を終了する。
【0113】
ステップS61においてパーツ同士の重なりが無いと判別した場合(S61でNO)、またはステップS63においてパーツの輪郭線が他のパーツと接していないと判別した場合(S63でNO)、CPU11は、そのパーツに対応するパーツを生成し(S73)、処理を終了する。
【0114】
[MFPの動作]
続いて、原稿の画像を読み込んでその画像のパーツを生成する場合のMFPの動作について説明する。
【0115】
図17は、原稿の画像を読み込んでその画像のパーツを生成する場合のMFPの動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、たとえばROM25に記憶されたプログラムに従ってCPU11が実行するものである。
【0116】
図17を参照して、CPU11は、画像読取部35にて画像を読込む(S1001)。次にCPU11は、領域判断部51にて領域判別を実施し、読み込んだ画像を、テキストの属性領域と、イメージの属性領域と、グラフィックの属性領域とに分割する(S1003)。次にCPU11は、分割した領域のうち特定の領域がテキストの領域(文字領域)か否かを判別する(S1005)。
【0117】
ステップS1005にて、特定の領域がテキストの領域である場合(S1005でYES)、CPU11は、パーツ化部53にてテキストの領域を囲む閉ループを検出(特定)する(S1007)。ステップS1007においては、一部が破線によって構成される閉ループで囲まれた領域をも検出してもよい。そしてCPU11は、階層判断部55にて閉ループ上に3差路が発生しているか否かを判別する(S1009)。ステップS1005にて、特定の領域がテキストの領域でない場合(S1005でNO)、CPU11はステップS1019の処理へ進む。
【0118】
ステップS1009において、3差路が発生していると判別した場合(S1009でYES)、閉ループは互いに重なった複数のパーツにより構成されている状態にある。この場合CPU11は、読み取った画像に対して、階層判断部55にてパーツの階層判断処理を行い(S1011)、パーツ補正部57にてパーツの補正処理を行い(S1013)、画像パーツ生成部59にてパーツの生成処理を行う(S1015)。その後、CPU11はステップS1019の処理へ進む。
【0119】
一方、ステップS1009において、3差路が発生していないと判別した場合(S1009でNO)、閉ループは1つのみのパーツにより構成されている状態にある。この場合、パーツの階層判断処理およびパーツの補正処理は不要なので、CPU11はステップS1015の処理へ進む。
【0120】
ステップS1019において、CPU11は、領域判別を実施した全ての領域について、テキストの領域(文字領域)か否かの判別(ステップS1005の判別処理)を行ったか否かを判別する(S1019)。ステップS1019において、全ての領域について判別を行っていないと判別した場合には(S1019でNO)、CPU11はステップS1005の処理へ進み、未だ判別を行っていない領域についてテキストの領域か否かを判別する。ステップS1019において、全ての領域について判別を行ったと判別した場合には(S1019でYES)、CPU11は処理を終了する。
【0121】
図18は、図17のステップS1011に示すパーツの階層判断処理のサブルーチンである。
【0122】
図18を参照して、パーツの階層判断処理において、CPU11は、3差路を構成する3つの線のうち任意の1つの線に着目し、着目した線が3差路において途切れているか(途切れた線を含むか)否かを判別する(S101)。
【0123】
ステップS101において、着目した線が途切れていると判別した場合(S101でYES)、その線を含む外形線によって囲まれた領域を下位パーツと判断し(S103)、ステップS107の処理へ進む。ステップS103においては、着目した線以外の2つの線を含む外形線によって囲まれた領域を上位パーツとさらに判断してもよい。一方、ステップS101において、着目した線が途切れていないと判別した場合(S101でNO)、その線を含む外形線によって囲まれた領域を上位パーツと判断し(S105)、ステップS107の処理へ進む。この場合、残った1つの線を含む外形線によって囲まれた領域を下位パーツとさらに判断してもよい。
【0124】
ステップS107において、CPU11は、閉ループを構成する全てのパーツの階層が決定したか否かを判別する(S107)。ステップS107において、全てのパーツの階層が未だ決定していないと判別した場合(S107でNO)、CPU11はステップS101の処理へ進む。ステップS107において、全てのパーツの階層が決定したと判別した場合(S107でYES)、CPU11はリターンする。
【0125】
図19は、図17のステップS1013に示すパーツの補正処理のサブルーチンである。
【0126】
図19を参照して、パーツの補正処理において、CPU11は、3差路を構成する3つの線のうち途切れた線が直線か否かを判別する(S201)。ステップS201において、途切れた線が直線である場合(S201でYES)、CPU11は、途切れた線の直線の延長線を引き、下位パーツの形状を補正し(S203)、ステップS205の処理へ進む。
【0127】
ステップS201において、途切れた線が曲線である場合(S201でNO)、CPU11は、下位パーツの外形線上におけるその3差路の近傍に、途切れた線が曲線である3差路(近似曲線を引く先)があるか否かを判別する(S207)。
【0128】
ステップS207にて、途切れた線が曲線である3差路があると判別した場合(S207でYES)、CPU11は、途切れた線と、近傍の3差路の途切れた線との間に近似曲線を引き、下位パーツの形状を補正し(S209)、ステップS205の処理へ進む。
【0129】
ステップS207にて、途切れた線が曲線である3差路が無いと判別した場合(S207でNO)、下位パーツの形状を補正することができない状態にある。この場合CPU11は、下位パーツの外形線に外接する矩形に下位パーツの形状を強制的に変更し(S211)、ステップS205の処理へ進む。
【0130】
ステップS205において、CPU11は、閉ループに存在する3差路の途切れた線は全て補正されたか否かを判別する(S205)。ステップS205において、3差路の途切れた線は未だ全て補正されていないと判別した場合(S205でNO)、CPU11はステップS201の処理へ進む。ステップS205において、3差路の途切れた線は全て補正されたと判別した場合(S205でYES)、CPU11はリターンする。
【0131】
図20は、図17のステップS1015に示すパーツの生成処理のサブルーチンである。
【0132】
図20を参照して、CPU11は、閉ループの領域の画像について、パーツ同士の重なりがあるか否かを判別する(S301)。ステップS301にて、パーツ同士の重なりがあると判別した場合(S301でYES)、そのパーツの輪郭線(外形線)が他のパーツと接しているか否かを判別する(S303)。
【0133】
ステップS303にて、パーツの輪郭線が他のパーツと接していると判別した場合(S303にてYES)、パーツ同士が重なっている状態にある。この場合CPU11は、パーツ同士の重なる部分である重なりパーツの透過率を取得する(S305)。ステップS305においては、たとえば図15に示すようなパネル操作部33の操作画面を通じて透過率の入力を受け付けてもよいし、予め記憶部17などに記憶された設定を取得してもよい。続いてCPU11は、重なりパーツを切り離すか否かを判別する(S307)。この判別は、たとえばパネル操作部33から受け付けたユーザの選択に従って行われてもよいし、予め記憶部17などに記憶された設定に従って行われてもよい。
【0134】
ステップS307において、重なりパーツを切り離すと判別した場合(S307にてYES)、CPU11は、重なりパーツを本体のパーツの一部として生成し、上位パーツと、重なり部分を削った形状の下位パーツと、重なりパーツとの3つのパーツを生成する(S309)。その後CPU11はステップS311の処理へ進む。
【0135】
一方、ステップS307において、重なりパーツを切り離さないと判別した場合(S307にてNO)、CPU11は、重なりパーツを本体のパーツとは別体で生成し、上位パーツと、下位パーツと、下位パーツに乗せた重なりパーツとの3つのパーツを生成する(S313)。ステップS313においては、下位パーツは、重なりパーツが合成された合成画像として生成される。なお、ステップS309およびS313において、重なりパーツはステップS305にて取得した透過率で生成される。その後CPU11はステップS311の処理へ進む。
【0136】
ステップS301においてパーツ同士の重なりが無いと判別した場合(S301でNO)、またはステップS303においてパーツの輪郭線が他のパーツと接していないと判別した場合(S303でNO)、CPU11は、そのパーツに対応するパーツを生成し(S315)、ステップS311の処理へ進む。
【0137】
ステップS311において、CPU11は、閉ループの領域における全てのパーツに対応するパーツを生成したか否かを判別する(S311)。ステップS311において、全てのパーツに対応するパーツを生成しないと判別した場合(S311でNO)、CPU11はステップS301の処理へ進み、他の閉ループの領域の画像について、他のパーツとの重なりがあるか否かを判別する。ステップS311において、閉ループの領域における全てのパーツに対応するパーツを生成したと判別した場合(S311でYES)、CPU11はリターンする。
【0138】
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、原稿から読み取った画像における閉ループで囲まれた領域に、互いに重なる複数のパーツが存在している場合に、パーツ同士の重なりが考慮されて個別のパーツに分解され、それぞれのパーツがユーザの期待する形状に補正される。その結果、ユーザが所望する形状のパーツ化画像を提供することができ、ユーザは読み込んだ画像を容易に再編集(特定ファイルに変換)することが可能となる。また、画像パーツ同士が重なった部分である重なりパーツを本体パーツとは別に生成し、重なりパーツの透過率の設定を受け付けることにより、重なりパーツの透過率を自由に変更することが可能となる。
【0139】
[その他]
上述の実施の形態においては、原稿から読み取った画像からパーツを生成する場合に付いて示したが、原稿から読み取った画像の代わりに、ネットワーク接続部23を通じて接続された外部機器から入力を受け付けた画像からパーツを生成してもよい。パーツの階層判断処理とパーツの補正処理とは、どちらが先に実行されてもよい。
【0140】
上述の実施の形態においては、テキストを含む閉ループで囲まれた領域に含まれる複数の画像パーツの階層を判断し、下位と判断した画像パーツの形状を補正する場合に付いて示したが、テキストを含まない閉ループで囲まれた領域に対しても同様の処理が行われてもよい。
【0141】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0142】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0143】
11 CPU
13 画像処理部
15 画像形成部
17 記憶部
19 画像出力部
21 ファクシミリ制御部
21a 受信部
23 ネットワーク接続部
25 ROM
27 RAM
29 不揮発性メモリ
31 表示部
33 パネル操作部
33a 削除条件設定部
35 画像読取部
41 判別部
43 削除部
45 制御部
47 通報部
51 領域判断部
53 パーツ化部
55 階層判断部
57 パーツ補正部
59 画像パーツ生成部
61 重なりパーツ生成部
63 重なりパーツ合成部
101,102,104,105 ボタン
103 透過率表示部
A,A1〜A6,A11〜A23 パーツの外形線により構成される3差路
GP グラフィックの属性領域
L1A,L1B,L2,L2A,L2B,L2C,L3,L11〜L15 パーツの外形線
P1,P3 上位パーツ
P2 下位パーツ
P4〜P6,PA1〜PA16 パーツ
Q4,Q4A,Q5,Q5A,Q6,Q6A 生成パーツ
TX テキストの属性領域
X1〜X7 重なりパーツ
Y6,Y7 生成パーツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の入力を受け付ける画像受付手段と、
前記画像受付手段にて受け付けた画像に含まれる閉ループで囲まれた領域を特定する閉ループ特定手段と、
前記閉ループ特定手段にて特定された領域に含まれる複数の画像パーツの階層を判断する階層判断手段と、
前記階層判断手段にて下位と判断した画像パーツの形状を補正する画像パーツ補正手段とを備えた、画像処理装置。
【請求項2】
前記階層判断手段は、前記閉ループの線と画像パーツの外形線とが構成する3差路の状態に基づいて階層を判断する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記階層判断手段は、前記3差路を構成する線のうち連続性が途切れない線を外形線とする画像パーツを上位と判断する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記階層判断手段は、前記3差路を構成する線のうち連続性が途切れた線を外形線とする画像パーツを下位と判断する、請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像パーツ補正手段は、前記3差路を構成する線のうち連続性が途切れた線が曲線の場合、前記階層判断手段にて下位と判断した画像パーツの外形線上にある他の3差路と、前記3差路とを結ぶ近似曲線によって画像パーツの形状を補正する、請求項2〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像パーツ補正手段は、前記3差路を構成する線のうち連続性が途切れた線が直線の場合、途切れた線を延長した線によって画像パーツの形状を補正する、請求項2〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記閉ループ特定手段は、前記画像受付手段にて受け付けた画像からテキストを含む閉ループで囲まれた領域を特定する、請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記閉ループ特定手段は、一部が破線によって構成される閉ループで囲まれた領域をも特定する、請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像パーツ補正手段は、前記閉ループ特定手段にて特定された領域からテキストを除いた状態で、画像パーツの形状を補正する、請求項1〜8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記階層判断手段にて上位と判断した画像パーツのデータである上位画像パーツと、前記階層判断手段にて下位と判断した画像パーツのデータであって、かつ前記画像パーツ補正手段にて形状を補正した画像パーツのデータである下位画像パーツとを生成する画像パーツ生成手段をさらに備えた、請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記画像パーツ生成手段は、前記階層判断手段にて上位と判断した画像パーツと下位と判断した画像パーツとが重なった領域の画像パーツのデータである重なり画像パーツを生成する、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像パーツ生成手段は、前記重なり画像パーツを、前記上位画像パーツおよび前記下位画像パーツとは別体で生成する、請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記画像パーツ生成手段は、前記重なり画像パーツを前記下位画像パーツと重ねて配置する、請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記画像パーツ生成手段は、前記重なり画像パーツを前記下位画像パーツと重ねて配置する場合には前記重なり画像パーツの透過率を0%とし、前記重なり画像パーツを前記上位画像パーツに重ねて配置する場合には前記重なり画像パーツの透過率を100%とする、請求項11〜13のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記画像パーツ生成手段は、前記重なり画像パーツと、前記上位画像パーツおよび前記下位画像パーツのうち少なくともいずれか一方から前記重なり画像パーツを削った形状の画像パーツとを生成する、請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記重なり画像パーツを前記上位画像パーツおよび前記下位画像パーツとは別体で生成するか、前記上位画像パーツおよび前記下位画像パーツのうち少なくともいずれか一方から前記重なり画像パーツを削った形状の画像パーツを生成するかの選択を受け付ける選択受付手段をさらに備えた、請求項11〜15のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記画像パーツ生成手段は、前記重なり画像パーツの透過率を、前記上位画像パーツおよび前記下位画像パーツの透過率よりも低く設定する、請求項11〜16のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項18】
画像の入力を受け付ける画像受付ステップと、
前記画像受付ステップにて受け付けた画像に含まれる閉ループで囲まれた領域を特定する閉ループ特定ステップと、
前記閉ループ特定ステップにて特定された領域に含まれる複数の画像パーツの階層を判断する階層判断ステップと、
前記階層判断ステップにて下位と判断した画像パーツの形状を補正する画像パーツ補正ステップとを備えた、画像処理装置の制御方法。
【請求項19】
画像の入力を受け付ける画像受付ステップと、
前記画像受付ステップにて受け付けた画像に含まれる閉ループで囲まれた領域を特定する閉ループ特定ステップと、
前記閉ループ特定ステップにて特定された領域に含まれる複数の画像パーツの階層を判断する階層判断ステップと、
前記階層判断ステップにて下位と判断した画像パーツの形状を補正する画像パーツ補正ステップとをコンピュータに実行させる、画像処理装置の制御プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−181788(P2012−181788A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45832(P2011−45832)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】