説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法およびプログラム

【課題】ユーザ好みの画像を容易に生成する。
【解決手段】画像処理装置は、第1処理部と、第2処理部と、制御部とを備える。第1処理部は、画像に第1効果を与える。第2処理部は、第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を画像に与える。制御部は、操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たす場合には、第1処理部による第1効果をそのユーザ操作に応じて画像に与えるための制御を行う。また、制御部は、そのユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、第2処理部による第2効果のうちの何れかの効果をそのユーザ操作に応じて画像に与えるための制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置に関する。詳しくは、画像を扱う画像処理装置およびその制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人物等の被写体を撮像して画像を生成し、この生成された画像を画像コンテンツ(画像ファイル)として記録する画像処理装置(例えば、デジタルスチルカメラ等の撮像装置)が普及している。また、このように生成される画像について各種効果を加える技術が多数提案されている。
【0003】
例えば、デジタルスチルカメラから取り込まれた画像のうち、ユーザ操作により設定された領域内については、シャープ化処理を行い、その領域外については、ぼけ化処理を行う画像データ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−144026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術によれば、簡単な構成で望遠効果を実現することができる。
【0006】
ここで、ユーザの好みは多種多様であるため、撮像装置により生成される画像のぼかし度合い等についても、ユーザの好みが多種多様であると想定される。そこで、例えば、ユーザの好みに応じた適切な処理を撮像動作中における比較的容易な操作により行うことができれば、ユーザ好みの画像を容易に生成することができると考えられる。
【0007】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、ユーザ好みの画像を容易に生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、画像に第1効果を与える第1処理部と、上記第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を上記画像に与える第2処理部と、操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たす場合には上記第1処理部による上記第1効果を当該ユーザ操作に応じて上記画像に与え、当該ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には上記第2処理部による上記第2効果のうちの何れかの効果を当該ユーザ操作に応じて上記画像に与えるための制御を行う制御部とを具備する画像処理装置およびその制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、ユーザ操作が所定条件を満たす場合には、第1処理部による第1効果をそのユーザ操作に応じて画像に与え、そのユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、第2処理部による第2効果のうちの何れかの効果をそのユーザ操作に応じて画像に与えるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、光学系をさらに具備し、上記制御部は、上記光学系を制御することより上記第1効果を上記画像に与えるようにしてもよい。これにより、光学系を制御することより第1効果を画像に与えるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記ユーザ操作により設定された処理が、上記光学系の制御により得られる処理の範囲の中であることを上記所定条件とするようにしてもよい。これにより、ユーザ操作により設定された処理が、光学系の制御により得られる処理の範囲の中である場合に所定条件を満たすと判定するという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記第1効果を、上記光学系の制御から生じる光学ぼかし効果とし、上記第2効果を、デジタル画像処理によるデジタルぼかし効果とするようにしてもよい。これにより、光学系の制御から生じる光学ぼかし効果、または、デジタル画像処理によるデジタルぼかし効果を与えるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記第2処理部を、上記画像にデジタル画像処理を施すことにより上記複数種類の第2効果を与える画像処理部とするようにしてもよい。これにより、画像にデジタル画像処理を施すことにより複数種類の第2効果を与えるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記第2効果を、ぼかし効果とし、上記制御部は、上記ユーザ操作が上記所定条件を満たさない場合には、当該ユーザ操作に応じて上記画像処理部を制御することにより複数種類の上記ぼかし効果のうちの何れかのぼかし効果を当該ユーザ操作に応じて上記画像に与えるための制御を行うようにしてもよい。これにより、ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、そのユーザ操作に応じて画像処理部を制御することにより、複数種類のぼかし効果のうちの何れかのぼかし効果をそのユーザ操作に応じて画像に与えるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記ユーザ操作を受け付けるための操作領域画像を表示部に表示させるための制御を行うようにしてもよい。これにより、ユーザ操作を受け付けるための操作領域画像を表示させるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記第1処理部による上記第1効果を上記画像に与えるための上記ユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第1操作範囲と、上記第2処理部による上記第2効果のうちの何れかの効果を上記画像に与えるための上記ユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第2操作範囲とを含む一連の線状領域を上記操作領域画像として上記表示部に表示させるための制御を行うようにしてもよい。これにより、第1操作範囲および第2操作範囲を含む一連の線状領域を操作領域画像として表示させるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記第1操作範囲における上記接触操作が行われた位置と上記第1操作範囲および上記第2操作範囲の境界との距離に応じて上記第1処理部による上記第1効果の高低を決定し、上記第2操作範囲における上記接触操作が行われた位置と上記境界との距離に応じて上記第2処理部による上記第2効果の高低を決定するように制御を行うようにしてもよい。これにより、第1操作範囲における接触操作が行われた位置と第1操作範囲および第2操作範囲の境界との距離に応じて第1処理部による第1効果の高低を決定し、第2操作範囲における接触操作が行われた位置とその境界との距離に応じて第2処理部による第2効果の高低を決定するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記第1操作範囲および上記第2操作範囲の境界から分岐する複数の線状領域を上記第2操作範囲における上記複数種類の第2効果に対応する画像として上記表示部に表示させるための制御を行うようにしてもよい。これにより、第1操作範囲および第2操作範囲の境界から分岐する複数の線状領域を第2操作範囲における複数種類の第2効果に対応する画像として表示させるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記第2効果を表す画像を当該第2効果に係る線状領域に関連付けて上記複数種類の第2効果毎に上記表示部に表示させるための制御を行うようにしてもよい。これにより、第2効果を表す画像を、その第2効果に係る線状領域に関連付けて、複数種類の第2効果毎に表示させるという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記ユーザ操作に応じた効果が与えられた上記画像を表示部に表示させる制御を行うようにしてもよい。これにより、ユーザ操作に応じた効果が与えられた画像を表示させるという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記画像を記録するための記録指示操作が受け付けられた場合には当該記録指示操作に応じて記録される画像であって上記ユーザ操作に応じた効果が与えられた画像を表示部に表示させる制御を行うようにしてもよい。これにより、記録指示操作が受け付けられた場合には、その記録指示操作に応じて記録される画像であってそのユーザ操作に応じた効果が与えられた画像を表示させるという作用をもたらす。
【0021】
また、この第1の側面において、撮像部をさらに具備するようにしてもよい。これにより、撮像部により生成された画像について、ユーザ操作に応じた第1効果または第2効果を与えるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0022】
本技術によれば、ユーザ好みの画像を容易に生成することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作およびその撮像動作により生成される画像の撮像範囲を簡略的に示す図である。
【図3】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100を用いて行われた撮像動作により生成される画像を簡略的に示す図である。
【図4】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像についてぼかし処理を行うための操作領域画像の表示例を示す図である。
【図5】本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による画像記録処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本技術の第2の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像について画像処理を行うための操作領域画像の表示例(表示画面400)を示す図である。
【図7】本技術の第3の実施の形態における撮像装置100の表示部160(入出力パネル300)に表示される表示画面例(操作領域画像設定画面500)を示す図である。
【図8】本技術の第3の実施の形態における撮像装置100を用いて行われた撮像動作により生成される画像を簡略的に示す図である。
【図9】本技術の第3の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像について画像処理を行うための操作領域画像の表示例を示す図である。
【図10】本技術の第3の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像についてズーム処理を行うための操作領域画像の表示例を示す図である。
【図11】本技術の第4の実施の形態における撮像装置100の表示部160(入出力パネル300)に表示される操作領域画像610、620を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(光学的なぼかし処理と複数種類の電子ぼかし処理とを行うためのユーザ操作を操作領域画像を用いて行う例)
2.第2の実施の形態(複数種類の電子ぼかし処理が施された画像を操作領域画像とともに表示する例)
3.第3の実施の形態(操作領域画像を用いて各種処理のユーザ操作を行う例)
4.第4の実施の形態(操作領域画像の表示態様の変形例)
【0025】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【0026】
撮像装置100は、レンズユニット110と、撮像部120と、変換部130と、画像処理部140と、表示制御部150と、表示部160と、記録制御部170と、記録媒体180と、操作受付部190と、制御部200とを備える。また、撮像装置100は、例えば、被写体を撮像して画像(画像データ)を生成し、この生成された画像(画像データ)を画像コンテンツ(静止画コンテンツまたは動画コンテンツ)として記録するデジタルスチルカメラにより実現される。なお、撮像装置100は、特許請求の範囲に記載の画像処理装置の一例である。
【0027】
レンズユニット110は、レンズ部111と、絞り112と、レンズ駆動部113と、絞り駆動部114とを備える。
【0028】
レンズ部111は、被写体からの入射光を集光するレンズ群であり、これらのレンズ群により集光された光が絞り112を介して撮像部120に入射される。なお、レンズ部111は、焦点を合わせるためのフォーカスレンズや被写体を拡大するためのズームレンズ等により構成されるが、これらの具体的な配置構成等については、図示および説明を省略する。また、レンズ部111を構成する各レンズは、レンズ駆動部113により駆動され、被写体に対して前後に移動する。これにより、フォーカス機能およびズーム機能が実現される。
【0029】
絞り112は、レンズ部111を通過する入射光の光量を調整するものであり、その調整後の光が撮像部120に入射される。すなわち、絞り112により、レンズ部111を通過する入射光の光量が調整され、撮像部120に供給される光量(すなわち、露出)が決定される。また、絞り112は、絞り駆動部114により駆動され、絞りの開度が調節される。
【0030】
レンズ駆動部113は、制御部200の指示に基づいて、レンズ部111を構成する各レンズを駆動させるものである。また、レンズ駆動部113は、レンズ部111を構成する各レンズの位置を取得し、制御部200に出力する。
【0031】
絞り駆動部114は、制御部200の指示に基づいて、絞り112を駆動させるものである。また、絞り駆動部114は、絞り112の状態(開閉の状態)を取得し、制御部200に出力する。
【0032】
このように、絞り駆動部114は、光を集光して撮像部120に供給する光学系(レンズユニット110)を構成する絞り112の開閉を制御することにより、撮像部120により生成される画像にぼかし効果(第1効果)を与える。なお、レンズユニット110(絞り駆動部114)は、特許請求の範囲に記載の第1処理部の一例である。
【0033】
なお、レンズユニット110については、交換レンズユニットとするようにしてもよい。この場合には、レンズユニット110は、レンズマウント(図示せず)を介して撮像装置100に取り付けられる。また、レンズユニット110を制御する制御部200を、ぼかし効果(第1効果)を与える処理部(第1処理部)としても把握することができる。
【0034】
ここで、被写界深度について説明する。被写界深度は、被写体に対して、実質的にフォーカスが合っていると考えられる被写体距離の範囲を示すものである。一般に、この範囲が広い場合には「被写界深度が深い」と称し、この範囲が狭い場合には「被写界深度が浅い」と称する。また、被写界深度は、絞りの開閉に応じて、変化することが広く知られている。例えば、絞りを開くと、この開きの度合いに応じて被写界深度が浅くなる。すなわち、F値を小さくすると、被写界深度が浅くなる。一方、絞りを閉じると、この絞りの度合いに応じて被写界深度が深くなる。すなわち、F値を大きくすると、被写界深度が深くなる。
【0035】
例えば、絞りの開口の直径を直径H1とする場合に、被写体に対して実質的にフォーカスが合うフォーカスレンズの範囲を合焦範囲W1とする。この場合(絞りの開口が直径H1である場合)において、合焦範囲W1内にフォーカスレンズが存在する場合には、被写体に対して実質的にフォーカスが合うことになる。このため、撮像装置100の光軸方向に対して多少前後している被写体に対しても、比較的広い範囲(光軸方向における範囲)の被写体にフォーカスが合うことになる。
【0036】
また、例えば、絞りの開口の直径を直径H2(H2<H1)とする場合に、被写体に対して実質的にフォーカスが合うフォーカスレンズの範囲を合焦範囲W2(W2<W1)とする。この場合(絞りの開口が直径H2である場合)には、合焦範囲W1よりも狭い合焦範囲W2内にフォーカスレンズが存在しないと、被写体に対して実質的にフォーカスが合わない。このため、撮像範囲に含まれる被写体が撮像装置100の光軸方向に対して多少前後している場合には、これらの被写体にフォーカスが合わないことがある。すなわち、撮像装置100の光軸方向に対して多少前後している被写体に対しては、比較的狭い範囲の被写体にのみフォーカスが合うことになる。
【0037】
そこで、本技術の第1の実施の形態では、上述した被写界深度の性質を用いて、主要被写体の背景をぼかした画像を生成する例を示す。具体的には、ユーザ操作に基づいて絞り112を開放して、ユーザの好みに合うように、背景をぼかした画像を生成する。しかしながら、レンズの性能によっては、F値が小さすぎる場合にはそれ以上「ぼかす」ことができないこともある。例えば、交換レンズを用いる場合には、絞りの開放に限界があるズームレンズを備える交換レンズも存在する。このため、絞り112の開放のみでは、ユーザ好みのぼかし処理を施すことができないことも想定される。そこで、本技術の第1の実施の形態では、レンズユニット110による光学処理とともに画像処理部140によるデジタル画像処理によりぼかし処理を行う。
【0038】
撮像部120は、制御部200の指示に基づいて、画像信号(アナログ信号)を生成するものであり、生成された画像信号を変換部130に出力する。具体的には、撮像部120は、レンズユニット110を介して入射された被写体の光を電気信号に変換する撮像素子(図示せず)と、この撮像素子の出力信号(アナログ信号)を処理するアナログ信号処理部(図示せず)とを備える。すなわち、撮像部120において、レンズユニット110を介して入射された被写体の光学像が撮像素子の撮像面に結像され、この状態で撮像素子が撮像動作を行うことにより、アナログ信号が生成される。そして、アナログ信号処理部がそのアナログ信号に対して、ノイズ除去や増幅等のアナログ処理を行うことにより画像信号が生成される。そして、生成された画像信号(アナログ信号)が変換部130に出力される。なお、撮像素子として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。
【0039】
また、これらの撮像素子として、例えば、射出瞳が異なる部分を透過した透過光を受光することにより、位相差検出方式の焦点検出(位相差AF(Auto Focus))を行う撮像素子を用いることができる。この位相差AFを行う撮像素子からは、画像信号(アナログ信号)とともに、位相差検出信号が出力される。このため、画像処理部140は、撮像部120から出力された位相差検出信号に基づいて、撮像部120から出力された画像信号に対応する画像における各領域の被写体距離を算出することができる。なお、被写体距離は、撮像装置100から被写体までの距離である。
【0040】
変換部130は、撮像部120から出力された画像信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するものであり、この変換により生成されたデジタル信号を画像処理部140に出力する。
【0041】
画像処理部140は、制御部200の指示に基づいて、変換部130から出力された画像信号(デジタル信号)について各種画像処理を施すものであり、各種画像処理が施された画像信号(画像データ)を表示制御部150および記録制御部170に出力する。
【0042】
また、画像処理部140は、ぼかしフィルタを用いた画像処理により、変換部130から出力された画像信号(デジタル信号)に対応する画像(撮像部120により生成された画像)について、電子ぼかし処理を行う。例えば、画像処理部140は、撮像部120により生成された画像における複数の領域毎に、異なるレベルの電子ぼかしを施すことができる。また、画像処理部140は、撮像部120により生成された画像における各領域について、その領域に係る被写体距離に応じて異なるレベルの電子ぼかしを施すことができる。なお、各領域に係る被写体距離は、上述したように、撮像部120から出力された位相差検出信号に基づいて算出される値を用いることができる。
【0043】
また、撮像部120により生成された画像およびこの画像の生成時における各情報(例えば、レンズの位置および合焦位置)に基づいて、その画像に関する被写体距離を算出するようにしてもよい。例えば、奥行マップ(いわゆる、デプスマップ(Depth Map))を生成し、この奥行マップに基づいて各領域に係る被写体距離を求めることができる。ここで、奥行マップは、被写体距離を表すデータにより構成されるマップである。この奥行マップの生成方法として、例えば、TOF(Time of flight)方式やボケ量解析(Depth from Defocus)等の方法を用いることができる。例えば、TOF方式は、光源から出射された光が対象物で反射し、センサに到達するまでの光の遅れ時間と光の速度とに基づいて被写体までの距離を算出する方法である。
【0044】
また、ぼかしフィルタとして、例えば、平滑化フィルタやガウシアンフィルタ(次の式1)を用いることができる。ガウシアンフィルタのフィルタのサイズは、例えば、20×20画素とすることができる。
f(x,y)=(1/2πσ)exp{−(x+y)/2σ} …式1
【0045】
ここで、x、yは、画像における画素の座標位置を示す。また、σは、フィルタ係数を示す。このフィルタ係数σ(>0)として、例えば、撮像部120により生成された画像における各領域に係る被写体距離に応じた値を用いることができる。例えば、各領域に係る被写体距離が長くなるに応じて、フィルタ係数σを高くすることができる。なお、この被写体距離に応じた値(フィルタ係数σ)は、予め設定しておくものとする。
【0046】
また、画像処理部140は、撮像部120により生成された画像に含まれる人物の顔を検出し、検出された顔を含む領域と、これ以外の領域とに分類して、ぼかし処理を行うことができる。なお、顔検出方法として、例えば、顔の輝度分布情報が記録されているテンプレートと実画像とのマッチングによる顔検出方法、画像データに含まれる肌色の部分や人間の顔の特徴量等に基づいた顔検出方法等を用いることができる。
【0047】
このように、画像処理部140は、撮像部120により生成された画像にデジタル画像処理を施すことにより複数種類のぼかし効果(第2効果(第1効果とは異なる効果))を与える。なお、画像処理部140は、特許請求の範囲に記載の第2処理部の一例である。
【0048】
表示制御部150は、制御部200の指示に基づいて、画像処理部140から出力された画像を表示部160に表示させるものである。例えば、表示制御部150は、撮像動作を行う際における各種設定を行うための設定画面(例えば、図7に示す操作領域画像設定画面500)や、撮像部120により生成された画像(いわゆる、スルー画像、ライブビュー画像)を表示部160に表示させる。また、例えば、表示制御部150は、ユーザが操作入力を行うための操作領域画像(例えば、図4に示す操作領域画像330)を表示部160に表示させる。
【0049】
表示部160は、表示制御部150の制御に基づいて各画像を表示する表示パネル(例えば、液晶ファインダー)である。表示部160として、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルを用いることができる。
【0050】
記録制御部170は、制御部200の指示に基づいて、記録媒体180に対する記録制御を行うものである。例えば、記録制御部170は、画像処理部140から出力された画像(画像データ)を静止画コンテンツ(静止画ファイル)として記録媒体180に記録させる。
【0051】
記録媒体180は、記録制御部170の制御に基づいて、各種情報(静止画コンテンツや動画コンテンツ)を記憶する記録媒体である。なお、記録媒体180は、撮像装置100に内蔵するようにしてもよく、撮像装置100から着脱可能とするようにしてもよい。また、記録媒体180として、半導体メモリ、光記録媒体、磁気ディスク、HDD(Hard Disk Drive)等の種々の記録媒体を用いることができる。
【0052】
操作受付部190は、ユーザにより行われた操作を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作内容に応じた制御信号(操作信号)を制御部200に出力する。操作受付部190は、図4等に示すシャッターボタン191、入出力パネル300に対応する。
【0053】
制御部200は、メモリ(図示せず)に格納されている制御プログラムに基づいて撮像装置100における各部を制御するものである。制御部200は、例えば、マイクロプロセッサにより構成される。
【0054】
例えば、制御部200は、ユーザ操作を受け付けるための操作領域画像330(図4に示す)を表示部160に表示させるための制御を行う。
【0055】
また、例えば、制御部200は、操作受付部190により受け付けられたユーザ操作(例えば、図4に示す操作領域画像330における接触操作)が所定条件を満たすか否かを判定する。ここで、ユーザ操作が所定条件を満たす場合は、例えば、図4(b)に示す操作領域画像330における光学処理範囲332の接触操作が行われた場合である。すなわち、制御部200は、ユーザ操作により設定された処理(例えば、ぼかし処理)が、光学系(レンズユニット110)の制御により得られる処理の範囲の中であることを、所定条件とすることができる。例えば、制御部200は、撮像部120により生成される画像に、絞り112の開閉により、ぼかし効果を与えることができる操作内容がユーザ操作として受け付けられた場合には、所定条件を満たすと判定する。
【0056】
そして、制御部200は、そのユーザ操作が所定条件を満たす場合には、そのユーザ操作に応じた絞り112の開閉によるぼかし効果(第1効果)を画像(撮像部120により生成される画像)に与えるための制御を行う。すなわち、制御部200による光学系(レンズユニット110)の制御(例えば、絞り112の開閉)により、ぼかし効果(第1効果)が、撮像部120により生成される画像に与えられる。また、制御部200は、そのユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、画像処理部140によるぼかし効果(第2効果)のうちの何れかの効果をそのユーザ操作に応じて画像(撮像部120により生成される画像)に与えるための制御を行う。このように、そのユーザ操作が所定条件を満たすか否かに応じて、光学系(レンズユニット110)の制御から生じる光学ぼかし効果(第1効果)、または、デジタル画像処理によるデジタルぼかし効果(第2効果)が与えられる。
【0057】
[撮像動作例および撮像範囲例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作およびその撮像動作により生成される画像の撮像範囲を簡略的に示す図である。
【0058】
図2(a)には、撮像装置100を用いて行われる撮像動作状態をその側面から見た場合を示す。具体的には、人物701、木702、家703、ビル群704を被写体として撮像装置100を用いて撮像動作が行われている状態を示す。この場合に、人物701は、撮像装置100からの距離(被写体距離)がL1(m)の範囲内に存在し、木702は、被写体距離がL1(m)〜L2(m)の範囲内に存在するものとする。また、家703は、被写体距離がL2(m)〜L3(m)の範囲内に存在し、ビル群704は、被写体距離がL3(m)を超える範囲に存在するものとする。また、本技術の第1の実施の形態では、人物701が主要被写体である場合を想定する。ここで、例えば、画像処理部140により人物の顔が検出された場合には、その顔を主要被写体とすることができる。また、例えば、ユーザ操作(例えば、図4等に示す入出力パネル300におけるタッチ操作)により指定された被写体を主要被写体とすることができる、
【0059】
図2(b)には、撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像の撮像範囲700(水平方向および垂直方向の撮像範囲)を示す。具体的には、図2(a)に示す状態で、撮像部120により生成される画像の撮像範囲700を示す。
【0060】
図2(b)に示すように、人物701を主要被写体として、人物701とその背景(木702、家703、ビル群704)とを被写体とする画像を生成することができる。この場合に、例えば、主要被写体である人物701のみを鮮明にし、その背景(木702、家703、ビル群704)をぼかした画像を好むユーザも想定される。
【0061】
そこで、上述したように、被写界深度を浅くすることにより、主要被写体の背景をぼかすことができる。また、被写界深度を調整することにより、ユーザ好みにぼかした画像を生成することができる。このように、ぼかした画像の生成例を図3に示す。
【0062】
[画像の生成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100を用いて行われた撮像動作により生成される画像を簡略的に示す図である。図3(a)乃至(b)には、図2(a)に示す状態で撮像動作を行っている場合において、絞り112の調整後に生成される画像の一例を示す。
【0063】
図3(a)には、人物701に合焦している状態で絞り112を最も開放した場合に生成される画像711を示す。このように、絞り112を最も開放した場合には、合焦範囲が狭くなる。このため、合焦している被写体(人物701)から少しだけ離れている被写体(木702)についてもフォーカスが合わない。同様に、合焦している被写体(人物701)から比較的離れている被写体(家703)と、合焦している被写体(人物701)から最も離れている被写体(ビル群704)とについてもフォーカスが合わない。このため、木702、家703、ビル群704のそれぞれがぼかされた画像711が生成される。
【0064】
図3(b)には、人物701に合焦している状態で絞り112を一定量(図3(a)よりも閉じた量)だけ開放した場合に生成される画像712を示す。このように、絞り112を図3(a)よりも閉じた場合には、合焦範囲が図3(a)に示す合焦範囲よりも広くなる。このため、合焦している被写体(人物701)から少しだけ離れている被写体(木702)についてはフォーカスが合うが、合焦している被写体(人物701)から比較的離れている被写体(家703)についてはフォーカスが合わない。同様に、合焦している被写体(人物701)から最も離れている被写体(ビル群704)についてもフォーカスが合わない。このため、家703、ビル群704のそれぞれがぼかされた画像712が生成される。
【0065】
図3(c)には、人物701に合焦している状態で絞り112を一定量(図3(b)よりも閉じた量)だけ開放した場合に生成される画像713を示す。このように、絞り112を図3(b)よりも閉じた場合には、合焦範囲が図3(b)に示す合焦範囲よりも広くなる。このため、合焦している被写体(人物701)から少しだけ離れている被写体(木702)と、合焦している被写体(人物701)から比較的離れている被写体(家703)とについてはフォーカスが合う。しかしながら、合焦している被写体(人物701)から最も離れている被写体(ビル群704)についてはフォーカスが合わない。このため、ビル群704がぼかされた画像713が生成される。
【0066】
このように、ユーザ操作に基づいて絞り112を調整することにより、ユーザ好みのぼかしを施すことができる。しかしながら、上述したように、レンズの性能によっては、F値が小さすぎる場合にはそれ以上「ぼかす」ことができないこともあり、絞り112の調整のみでは、ユーザ好みのぼかしを施すことができないことも想定される。そこで、本技術の第1の実施の形態では、レンズユニット110による光学処理とともに画像処理部140による画像処理によりぼかし処理を行う。このぼかし処理を行うための操作領域画像の表示例を図4に示す。
【0067】
[ぼかし処理を行うための操作領域画像の表示例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像についてぼかし処理を行うための操作領域画像の表示例を示す図である。なお、図4では、表示部160および操作受付部190を一体で構成する入出力パネル300が、撮像装置100の背面(すなわち、被写体に向けられるレンズが設けられている面の反対側の面)側に設けられている例を示す。すなわち、入出力パネル300は、各種画像を表示するとともに、表示面に近接または接触する物体の検出状態に基づいてユーザからの操作入力を受け付けるものである。なお、入出力パネル300は、タッチスクリーンまたはタッチパネルとも称される。また、入出力パネル300として、例えば、導電性を有する物体(例えば、人物の指)の接触または近接を、静電容量の変化に基づいて検出する静電式(静電容量方式)のタッチパネルを用いることができる。
【0068】
図4(a)には、入出力パネル300に表示される表示画面例(表示画面310)を示す。表示画面310には、撮像画像表示領域311と、操作領域画像表示領域320とが設けられている。
【0069】
撮像画像表示領域311は、撮像部120により生成された画像(いわゆる、スルー画像)を表示する領域である。すなわち、絞り112の調整後に生成された画像が撮像画像表示領域311に表示される。
【0070】
操作領域画像表示領域320は、撮像部120により生成される画像について、画像効果(ぼかし効果)を施す場合に、その度合いを操作するための操作領域画像330を表示する領域である。ユーザは、操作領域画像330上において操作標識331を移動させることにより、所望のぼかし処理を行うための設定をすることができる。なお、操作領域画像330については、図4(b)に拡大して示す。
【0071】
なお、入出力パネル300には、他の画像(例えば、各種アイコン(例えば、撮像モードを表すアイコン))等が表示されるが、これらについては、図示および説明を省略する。
【0072】
図4(b)には、操作領域画像表示領域320に表示される操作領域画像330を示す。操作領域画像330は、操作標識331を移動させることにより、撮像部120により生成される画像に対するぼかし処理の設定を行うための操作領域画像であり、その操作範囲が、光学処理範囲332および画像処理範囲333に分類されている。
【0073】
ここで、操作標識331は、入出力パネル300におけるユーザのタッチ操作やなぞる操作により移動させることができる。例えば、操作領域画像330における操作標識331の表示部分を指で触れた状態で、操作領域画像330における所望の位置にその指をユーザが移動させることにより操作標識331の移動操作を行うことができる。また、操作領域画像330における所望の位置に指を触れる操作(タッチ操作)をユーザが行うことにより、その指が触れた位置に操作標識331を移動させることができる。また、ユーザのタッチ操作やなぞる操作以外に、例えば、撮像装置100に設けられている操作部材(例えば、操作ボタン)等を用いて、操作標識331の移動操作を行うようにしてもよい。
【0074】
光学処理範囲332は、レンズユニット110における絞り112を調整(すなわち、F値の調整)するための範囲である。すなわち、光学処理範囲332は、レンズユニット110によるぼかし効果(第1効果)を画像に与えるためのユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第1操作範囲である。なお、接触操作は、入出力パネル300においてユーザが指を接触させることによる操作と、入出力パネル300においてユーザが指を近接させることによる操作とを含むものとする。また、光学処理範囲332における操作標識331の移動に応じて絞り112が調整される。具体的には、光学処理範囲332の端部335(すなわち、操作領域画像330の上端部)に操作標識331が移動された場合には、絞り112が最も閉じられる。この場合には、例えば、画像全体に鮮鋭度がある画像(すなわち、背景等もくっきりとした画像)が撮像部120により生成される。一方、光学処理範囲332の他の端部336(すなわち、画像処理範囲333との境界部分)に操作標識331が移動された場合には、絞り112が最も開放される。この場合には、例えば、主要被写体以外の被写体(例えば、背景の被写体)が比較的ぼかされた画像が撮像部120により生成される。すなわち、画像処理範囲333との境界部分は、光学的にF値を下げることができる境界を意味する。また、絞り112を閉じる設定がされた場合には、絞り112の開閉の度合いに応じて、シャッタースピードを短くする等の設定が適宜行われるものとする。
【0075】
画像処理範囲333は、画像処理部140による画像処理の度合いを調整するための範囲である。すなわち、画像処理範囲333は、画像処理部140によるぼかし効果(第2効果)のうちの何れかの効果を画像に与えるためのユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第2操作範囲である。また、画像処理範囲333における操作標識331の移動に応じて画像処理部140によるぼかし処理の度合いが調整される。
【0076】
ここで、画像処理範囲333は、光学処理範囲332との境界部分から分岐されている3つの範囲により構成されている(すなわち、光学処理範囲332との境界部分から分岐されている3つの枝により構成されている)。また、画像処理範囲333を操作標識331が移動する場合(画像処理範囲333に操作標識331が存在する場合)には、絞り112は最も開放された状態に維持される。そして、画像処理範囲333における操作標識331の移動に応じて画像処理部140によるぼかし処理の度合いのみが変更される。
【0077】
具体的には、画像処理範囲333の端部336に操作標識331が移動された場合は、光学処理範囲332の端部336に操作標識331を移動させた場合と同様となる。すなわち、絞り112が最も開放された状態の画像が撮像部120により生成される。この場合における画像処理部140によるぼかし処理の度合いは、最も小さい設定がされる。
【0078】
また、画像処理範囲333の他の端部(ぼかす1、ぼかす2、ぼかす3)に操作標識331が移動された場合には、移動先に応じたぼかし処理の度合いとして最も大きい設定がされる。例えば、ぼかしフィルタとして、ガウシアンフィルタを用いる場合には、フィルタ係数σとして、最も高い値が設定される。
【0079】
すなわち、制御部200は、光学処理範囲332および画像処理範囲333の境界から分岐する複数の線状領域を、画像処理範囲333における複数種類のぼかし効果(第2効果)に対応する画像として表示部160に表示させるための制御を行う。
【0080】
ここで、図4では、ぼかし1乃至3については、被写体距離に応じてぼかし処理の度合いを調整する例を示す。例えば、ぼかし1は、合焦している被写体(注目被写体)以外の被写体をぼかす調整を行うための範囲であるものとする。また、ぼかし2は、合焦している被写体(注目被写体)以外の被写体のうち、注目被写体から比較的遠い被写体をぼかす調整を行うための範囲であるものとする。また、ぼかし3は、合焦している被写体(注目被写体)以外の被写体のうち、注目被写体からさらに遠い被写体(ぼかし2よりも遠い被写体)のみをぼかす調整を行うための範囲であるものとする。
【0081】
例えば、図2(a)に示す撮像動作中において、ぼかし1に操作標識331が移動された場合には、被写体距離がL1(m)を超える範囲に存在する被写体をぼかす調整が行われる。この場合には、例えば、図3(a)に示す画像711のような画像が生成される。
【0082】
また、ぼかし2に操作標識331が移動された場合には、被写体距離がL2(m)を超える範囲に存在する被写体をぼかす調整が行われる。この場合には、例えば、図3(b)に示す画像712のような画像が生成される。
【0083】
また、ぼかし3に操作標識331が移動された場合には、被写体距離がL3(m)を超える範囲に存在する被写体をぼかす調整が行われる。この場合には、例えば、図3(c)に示す画像713のような画像が生成される。
【0084】
このように、画像に含まれる被写体の被写体距離に応じてぼかし処理を行う場合には、撮像部120から出力された位相差検出信号に基づいて算出される被写体距離(画像における各領域の被写体距離)を用いる。すなわち、画像処理部140は、画像における各領域の被写体距離を算出し、この算出された被写体距離に基づいて、操作標識331が存在するぼかし1乃至3に応じて調整対象となる領域(画像における領域)を特定する。そして、画像処理部140は、その特定された領域(画像における領域)について、ぼかし1乃至3における位置(長手方向における位置)に応じた度合いのぼかし処理を行う。このように、画像処理部140は、複数種類の第2効果(ぼかし効果)として、被写体距離に応じて、画像に含まれる被写体をぼかす効果を、画像における領域毎に施す。
【0085】
このように、制御部200は、光学処理範囲332および画像処理範囲333を含む一連の線状領域を、操作領域画像330として表示部160に表示させるための制御を行う。また、制御部200は、光学処理範囲332における接触操作が行われた位置と、光学処理範囲332および画像処理範囲333の境界との距離に応じてレンズユニット110によるぼかし効果(第1効果)の高低を決定する。また、制御部200は、画像処理範囲333における接触操作が行われた位置と、光学処理範囲332および画像処理範囲333の境界との距離に応じて画像処理部140によるぼかし効果(第2効果)の高低を決定する。
【0086】
このように、同一ライン上において、光学処理範囲332と画像処理範囲333の1つの枝とを配置し、これらの境界から画像処理範囲333の複数の枝を分岐して配置する。このような表示態様とすることにより、関連する画像処理(電子ぼかし処理)を行うための枝(画像処理範囲333)が近接しているため、ユーザは関連する画像処理(電子ぼかし処理)の調整を容易に行うことができる。また、操作領域画像330を、複数の画像処理の効果から1つの画像処理の効果のみを選択することができる表示態様とすることにより、1つの画像処理効果とその処理の度合いとのユーザ操作を容易に行うことができる。
【0087】
また、スルー画像とともに、操作領域画像330が表示されるため、記録対象となる画像が、画像処理部140によるデジタル画像処理による擬似画像であることをユーザが容易に把握することができる。
【0088】
なお、撮像画像表示領域311には、絞り112によるぼかし処理が施された画像が表示される(すなわち、画像処理部140によるぼかし処理が施された画像は表示されない)。ただし、例えば、特定操作(例えば、操作標識331の長押し操作)が行われた場合には、画像処理部140によるぼかし処理が施された画像を撮像画像表示領域311に表示するようにしてもよい。すなわち、制御部200は、ユーザ操作に応じた効果(ぼかし効果)が与えられた画像を表示部160に表示させる制御を行う。これにより、例えば、ユーザがシャッターボタン191の全押しを行う前に、特定操作に応じたぼかし処理が施された画像をユーザに見せることができる。
【0089】
また、例えば、操作領域画像330におけるユーザ操作に応じた効果が与えられた画像を、プレビュー画像として表示部160に表示させるようにしてもよい。なお、プレビュー画像は、例えば、静止画の記録指示操作が受け付けられた場合におけるその記録対象となる画像であり、その記録指示操作に係る記録処理中およびその直後に一定期間表示される画像である。すなわち、制御部200は、静止画の記録指示操作が受け付けられた場合には、その記録指示操作に応じて記録される画像(プレビュー画像)として、操作領域画像330におけるユーザ操作に応じた効果が与えられた画像を表示部160に表示させる制御を行う。
【0090】
[撮像装置の動作例]
次に、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100の動作について図面を参照して説明する。
【0091】
[撮像装置の動作例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における撮像装置100による画像記録処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0092】
最初に、制御部200は、撮像モードが設定されたか否かを判断し(ステップS901)、撮像モードが設定されていない場合には、監視を継続して行う。また、撮像モードが設定された場合には(ステップS901)、撮像部120が、制御部200の指示に基づいて、撮像処理により画像を生成する(ステップS902)。
【0093】
続いて、画像処理部140が、制御部200の指示に基づいて、撮像部120により生成されて変換部130により変換された画像について画像処理(例えば、ぼかし処理)を行う(ステップS903)。この画像処理の内容は、図4に示す操作領域画像330における操作標識331の位置に応じて決定される。
【0094】
続いて、表示制御部150が、制御部200の指示に基づいて、画像処理部140により画像処理が施された画像を操作領域画像330とともに表示部160に表示させる(ステップS904)。例えば、図4(a)に示す表示画面310が表示部160に表示される。
【0095】
続いて、制御部200は、操作領域画像330における操作標識331の操作(例えば、移動操作)が行われたか否かを判断し(ステップS905)、操作領域画像330における操作標識331の操作が行われていない場合には、ステップS909に進む。一方、操作領域画像330における操作標識331の操作が行われた場合には(ステップS905)、制御部200は、その操作による移動後の操作標識331の位置が操作領域画像330における光学処理範囲332内であるか否かを判断する(ステップS906)。なお、ステップS905、S906は、特許請求の範囲に記載の判定手順の一例である。
【0096】
その操作による移動後の操作標識331の位置が光学処理範囲332内である場合には(ステップS906)、制御部200は、光学処理範囲332における操作標識331の位置に基づいてレンズユニット110を制御する(ステップS907)。すなわち、光学処理範囲332における操作標識331の位置に応じて絞り112が調整される。なお、ステップS907は、特許請求の範囲に記載の第1制御手順の一例である。
【0097】
また、その移動後の操作標識331の位置が光学処理範囲332内でない場合には(ステップS906)、制御部200は、画像処理範囲333における操作標識331の位置に基づいて画像処理部140を制御する(ステップS908)。すなわち、画像処理範囲333において操作標識331が存在する枝に応じて、ぼかし処理の対象となる領域が決定される。また、その枝における操作標識331の位置(長手方向における位置)に応じてぼかし度合いが決定される。そして、制御部200は、これらの決定内容を画像処理部140に通知する。これにより、画像処理部140が、撮像部120により生成されて変換部130により変換された画像について画像処理を行う(ステップS903)。なお、ステップS908は、特許請求の範囲に記載の第2制御手順の一例である。
【0098】
続いて、制御部200は、静止画の記録指示操作が行われたか否かを判断し(ステップS909)、静止画の記録指示操作が行われていない場合には、ステップS911に進む。例えば、静止画の記録指示操作は、シャッターボタン191(図4(a)等に示す)の全押し操作である。また、静止画の記録指示操作が行われた場合には(ステップS909)、記録制御部170が、制御部200の指示に基づいて、画像処理部140により画像処理が施された画像を記録媒体180に記録させる記録処理を行う(ステップS910)。この場合に、画像処理部140によりぼかし処理が施された画像と、画像処理部140によりぼかし処理が施されていない画像とを、関連付けて記録媒体180に記録させるようにしてもよい。これにより、デジタル画像処理によるぼかし処理が施された画像と、デジタル画像処理によるぼかし処理が施されていない画像とを、ユーザが比較して見ることができる。
【0099】
また、制御部200は、撮像モードの終了操作が行われたか否かを判断し(ステップS911)、撮像モードの終了操作が行われていない場合には、ステップS902に戻る。また、撮像モードの終了操作が行われた場合には(ステップS911)、画像記録処理の動作を終了する。
【0100】
なお、この例では、撮像モードが設定されている場合に操作領域画像330を表示する例を示すが、撮像モードのうちの特定モード(例えば、背景ぼかしモード)が設定されている場合にのみ操作領域画像330を表示するようにしてもよい。
【0101】
また、この例では、撮像動作中において操作領域画像330を常に表示する例を示すが、操作領域画像330を表示させるか否か(操作領域画像330のオン/オフ)を、ユーザ操作に応じて容易に切り換えることができるようにしてもよい。
【0102】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、レンズユニット110による光学処理と、画像処理部140によるデジタル画像処理とを同一線上で行えるユーザインターフェースを提供することができる。すなわち、絞り112を開放してその分のシャッタースピードを短くする等のレンズ性能を利用した背景ぼかしの操作と、デジタル画像処理技術を利用したぼかしの操作とを1つのインターフェースで行うことができる。これにより、ズームレンズのようにレンズの開放に制限があるような場合でも、レンズ性能以上のぼかし画像(例えば、おもいっきりぼかした画像)を生成することができる。このように、レンズユニット110では再現することができない背景ぼかしをデジタル画像処理により行うことができるため、レンズユニット110のレンズ性能を仮想的に延長させることができる。
【0103】
また、複数の背景ぼかしの処理方法を、操作領域画像330として表示してユーザに選択させることができる。また、それらの処理結果についても、入出力パネル300においてユーザが容易に把握することができる。このため、例えば、撮像装置100の扱いに不慣れな初心者でもあっても、好みのぼかし具合となる画像を容易に生成することができる。すなわち、ユーザ好みの画像を容易に生成することができる。
【0104】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、撮像動作時において操作領域画像(例えば、図4に示す操作領域画像330)を表示する例を示した。ここで、操作領域画像の画像処理範囲における各枝の先端に対応する画像処理が施された画像を、ユーザが枝毎に容易に把握することができれば、ユーザ好みの画像をさらに容易に生成することができると考えられる。
【0105】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、操作領域画像の画像処理範囲における各枝の先端に対応する画像処理が施された画像を各枝に関連付けて表示する例を示す。なお、本技術の第2の実施の形態における撮像装置の構成については、図1に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
【0106】
[画像処理を行うための操作領域画像の表示例]
図6は、本技術の第2の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像について画像処理を行うための操作領域画像の表示例(表示画面400)を示す図である。
【0107】
表示画面400は、図4(a)に示す表示画面310において、各画像処理が施された画像401乃至403を追加して表示するものである。なお、各画像処理が施された画像401乃至403を追加して表示する点以外は、表示画面400は表示画面310と略同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0108】
図6(a)には、操作領域画像330における操作標識331が光学処理範囲(図4(b)に示す光学処理範囲332)に存在する場合における表示画面400を示す。また、図6(b)には、操作領域画像330における操作標識331が画像処理範囲(図4(b)に示す画像処理範囲333)に存在する場合における表示画面400を示す。
【0109】
図6(a)に示すように、表示画面400には、操作領域画像330の下側に、画像処理範囲(図4(b)に示す画像処理範囲333)における各枝の先端に対応する画像処理が施された画像401乃至403を表示する表示領域が設けられている。すなわち、操作領域画像330における操作標識331が光学処理範囲(図4(b)に示す光学処理範囲332)に存在する場合には、各枝の先端に対応する画像処理が施された画像401乃至403のそれぞれが同一のサイズで表示される。このように、制御部200は、各画像処理が施された画像401乃至403を、各画像処理効果に係る枝に関連付けて表示部160に表示させるための制御を行う。
【0110】
また、図6(b)に示すように、操作領域画像330における操作標識331が画像処理範囲(図4(b)に示す画像処理範囲333)に存在する場合には、操作標識331が存在する枝の先端に対応する画像処理が施された画像が拡大表示される(画像405)。例えば、図6(b)に示すように、操作標識331が画像処理範囲のうちの「ぼかす1」の枝に存在する場合には、「ぼかす1」に対応する画像処理が施された画像401(図6(a)に示す)が拡大表示される(画像405)。
【0111】
ここで、操作領域画像330の下側に表示される画像(画像401乃至403)については、定期的または不定期に、画像処理部140により生成される。例えば、操作標識331が画像処理範囲(図4(b)に示す画像処理範囲333)に移動された場合に、画像処理部140が、各枝の先端に対応するぼかし処理を施した画像を生成して表示することができる。また、操作標識331の位置にかかわらず、画像処理部140が、各枝の先端に対応するぼかし処理を施した画像を順次生成して表示することができる。
【0112】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、操作領域画像330の画像処理範囲333における各枝の先端に対応する画像処理が施された画像を各枝に関連付けて表示させることができる。これにより、撮像動作中において、操作標識331の操作後の画像をユーザがさらに容易に把握することができ、ユーザ好みの画像をさらに容易に生成することができる。また、欲しいエフェクトを加えるためのユーザ操作を容易に行うことができる。
【0113】
また、光学的に再現することができないような複雑なぼかし処理を施した画像を記録する場合でも、入出力パネル300において直感的に容易に、画像の処理結果をユーザが確認することができる。このため、撮像装置100において新しいユーザ経験を提供することができる。
【0114】
<3.第3の実施の形態>
本技術の第1および第2の実施の形態では、画像に含まれる被写体をぼかす処理を行う場合にそのぼかし度合いを調整する例を示した。ここで、他の画像処理を行う場合にその処理の度合いを調整する場合についても本技術の第1および第2の実施の形態を適用することができると考えられる。
【0115】
そこで、本技術の第3の実施の形態では、各種の画像処理を行う場合にその処理の度合いを調整するための操作領域画像を表示する例を示す。なお、本技術の第3の実施の形態における撮像装置の構成については、図1に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
【0116】
[操作領域画像設定画面の表示例]
図7は、本技術の第3の実施の形態における撮像装置100の表示部160(入出力パネル300)に表示される表示画面例(操作領域画像設定画面500)を示す図である。
【0117】
操作領域画像設定画面500は、撮像装置100を用いて行われる撮像動作中に入出力パネル300に表示させる操作領域画像を選択するための表示画面である。操作領域画像設定画面500は、例えば、撮像装置100に実行させる機能を選択するための表示画面(例えば、メニュー画面)における選択操作に応じて表示される。
【0118】
具体的には、操作領域画像設定画面500には、操作領域画像選択領域501と、決定ボタン502と、戻るボタン503とが設けられている。
【0119】
操作領域画像選択領域501には、撮像装置100を用いて行われる撮像動作中に入出力パネル300に表示させる操作領域画像を選択するためのラジオボタンが表示される。例えば、本技術の第1の実施の形態で示す操作領域画像330を表示させる場合には、一番上側のラジオボタン(ぼかし1〜3)が選択される。
【0120】
なお、真ん中のラジオボタン(トンネル風+ぼかし、…)が選択された場合に表示される操作領域画像については、図9を参照して詳細に説明する。また、一番下側のラジオボタン(ズーム1〜3)が選択された場合に表示される操作領域画像については、図10を参照して詳細に説明する。
【0121】
決定ボタン502は、操作領域画像選択領域501において、表示対象となる操作領域画像を選択する選択操作が行われた後に、その操作を決定する際に押下されるボタンである。
【0122】
戻るボタン503は、例えば、直前に表示されていた表示画面に戻る場合に押下されるボタンである。
【0123】
[画像の生成例]
図8は、本技術の第3の実施の形態における撮像装置100を用いて行われた撮像動作により生成される画像を簡略的に示す図である。図8(a)乃至(b)には、人物515を主要被写体とする撮像動作を行っている場合において、画像処理が施された後の画像の一例を示す。
【0124】
図8(a)には、トンネル効果およびぼかしに関する画像処理が画像処理部140により施された画像511を示す。ここで、トンネル効果は、画像における周縁の光量を落とすことにより、人物515がトンネル内に存在する場面を撮影したような効果を与えることである。
【0125】
例えば、画像処理部140は、撮像部120により生成されて変換部130により変換された画像について、この画像における周縁の光量を落とすとともに所定のエフェクトを加える画像処理を施すことにより、トンネル効果となる画像511を生成する。
【0126】
図8(b)には、スケッチ風およびぼかしに関する画像処理が画像処理部140により施された画像512を示す。ここで、スケッチ風の画像は、画像における輝度を調整するように画像処理が施された画像であり、スケッチにより描かれたような画像である。
【0127】
例えば、画像処理部140は、撮像部120により生成されて変換部130により変換された画像について、明度の二値化処理およびエッジ抽出処理を行う。そして、画像処理部140は、二値化処理により生成された二値化画像と、エッジ抽出処理により生成された輪郭線画像とを重ね合わせる重ね合わせ処理を行うことにより、スケッチ風の画像512を生成する。
【0128】
図8(c)には、トイカメラ風およびぼかしに関する画像処理が画像処理部140により施された画像513を示す。ここで、トイカメラ風の画像は、画像における四隅が薄暗くされた画像であり、トイカメラにより撮影されたような雰囲気の画像である。
【0129】
例えば、画像処理部140は、撮像部120により生成されて変換部130により変換された画像について、この画像における四隅を薄暗くするとともに所定のエフェクトを加える画像処理を施すことにより、トイカメラ風の画像513を生成する。
【0130】
[画像処理を行うための操作領域画像の表示例]
図9は、本技術の第3の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像について画像処理を行うための操作領域画像の表示例を示す図である。なお、図9に示す表示画面520は、図4に示す表示画面310の一部を変形したものである。このため、図9では、表示画面310と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0131】
操作領域画像530は、撮像部120により生成される画像について、画像処理部140が画像効果(カラー、モノクロ等)を施す場合に、その度合いを調整するための画像である。なお、上側の範囲(図4(b)に示す光学処理範囲332に相当する範囲)は、カラーの度合いを調整するための範囲である。また、下側の範囲(図4(b)に示す画像処理範囲333に相当する範囲)は、モノクロの度合いを調整するための範囲であり、分岐されている各枝に応じて、それぞれ異なる画像処理が施される。
【0132】
[ズーム処理を行うための操作領域画像の表示例]
図10は、本技術の第3の実施の形態における撮像装置100を用いて行われる撮像動作により生成される画像についてズーム処理を行うための操作領域画像の表示例を示す図である。なお、図10に示す表示画面540は、図4に示す表示画面310の一部を変形したものである。このため、図10では、表示画面310と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0133】
操作領域画像550は、撮像部120により生成される画像について、ズーム処理を行う場合に、その度合いを調整するための画像である。なお、上側の範囲(図4(b)に示す光学処理範囲332に相当する範囲)は、光学ズーム倍率を調整するための範囲である。この光学ズーム処理は、レンズユニット110により行われる。また、下側の範囲(図4(b)に示す画像処理範囲333に相当する範囲)は、電子ズーム(デジタルズーム)の度合いを調整するための範囲であり、分岐されている各枝に応じて、それぞれ異なるズーム処理が行われる。この電子ズーム処理は、画像処理部140により行われる。例えば、ズーム1は、画像における左側領域をズームするための枝とし、ズーム2は、画像における中央領域をズームするための枝とし、ズーム3は、画像における右側領域をズームするための枝とすることができる。
【0134】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、背景ぼかし効果やスケッチ効果等の複雑な処理を必要とする画像処理等についても、ユーザによるワンアクションの操作等により容易に行うことができる。また、本技術の第2の実施の形態と同様に、その処理が施された画像を表示させることにより、その効果をユーザが容易に確認することができる。
【0135】
<4.第4の実施の形態>
本技術の第1乃至第3の実施の形態では、略同一の長さの3つの枝が下側に延びている操作領域画像を表示する例を示した。ここで、枝の表示態様については、ユーザの好みや画像処理の内容に応じて変更するようにしてもよい。
【0136】
そこで、本技術の第4の実施の形態では、操作領域画像における複数の枝の表示態様を変更する例を示す。なお、本技術の第4の実施の形態における撮像装置の構成については、図1に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
【0137】
[操作領域画像の表示例]
図11は、本技術の第4の実施の形態における撮像装置100の表示部160(入出力パネル300)に表示される操作領域画像610、620を示す図である。
【0138】
図11(a)には、上下に延びるラインを基準とした場合における左右の一方に、複数の枝を配置する操作領域画像610を示す。操作領域画像610は、操作標識611と、第1操作範囲612と、第2操作範囲613とにより構成される。
【0139】
図11(b)には、上下に延びるラインを基準とした場合における左右の各枝の長さを変更した操作領域画像620を示す。操作領域画像620は、操作標識621と、第1操作範囲622と、第2操作範囲623とにより構成される。
【0140】
これらの変更については、ユーザの手動操作により設定するようにしてもよく、各画像処理に応じて自動で設定するようにしてもよい。
【0141】
なお、本技術の実施の形態では、3つの枝により構成される操作領域画像を示すが、2または4以上の枝により操作領域画像が構成されるようにしてもよい。この場合についても、本技術の第4の実施形態と同様に、各枝の配置や各枝の長さを適宜変更するようにしてもよい。また、本技術の第2の実施の形態と同様に、各処理が施された各画像を各枝に関連付けて表示させることにより、その効果をユーザが容易に確認することができる。
【0142】
なお、本技術の実施の形態では、撮像部120を備える撮像装置100を例にして説明したが、撮像部を着脱可能な画像処理装置に本技術の実施の形態を適用することができる。また、撮像機能付き携帯電話機や撮像機能付き携帯端末装置等の画像処理装置に本技術の実施の形態を適用することができる。
【0143】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0144】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0145】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 画像に第1効果を与える第1処理部と、
前記第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を前記画像に与える第2処理部と、
操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たす場合には前記第1処理部による前記第1効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与え、当該ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には前記第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う制御部と
を具備する画像処理装置。
(2) 光学系をさらに具備し、
前記制御部は、前記光学系を制御することより前記第1効果を前記画像に与える
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記ユーザ操作により設定された処理が、前記光学系の制御により得られる処理の範囲の中であることを前記所定条件とする前記(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記第1効果は、前記光学系の制御から生じる光学ぼかし効果であり、
前記第2効果は、デジタル画像処理によるデジタルぼかし効果である
前記(2)または(3)に記載の画像処理装置。
(5) 前記第2処理部は、前記画像にデジタル画像処理を施すことにより前記複数種類の第2効果を与える画像処理部である前記(1)から(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6) 前記第2効果は、ぼかし効果であり、
前記制御部は、前記ユーザ操作が前記所定条件を満たさない場合には、当該ユーザ操作に応じて前記画像処理部を制御することにより複数種類の前記ぼかし効果のうちの何れかのぼかし効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う
前記(5)に記載の画像処理装置。
(7) 前記制御部は、前記ユーザ操作を受け付けるための操作領域画像を表示部に表示させるための制御を行う前記(1)から(6)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8) 前記制御部は、前記第1処理部による前記第1効果を前記画像に与えるための前記ユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第1操作範囲と、前記第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を前記画像に与えるための前記ユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第2操作範囲とを含む一連の線状領域を前記操作領域画像として前記表示部に表示させるための制御を行う前記(7)に記載の画像処理装置。
(9) 前記制御部は、前記第1操作範囲における前記接触操作が行われた位置と前記第1操作範囲および前記第2操作範囲の境界との距離に応じて前記第1処理部による前記第1効果の高低を決定し、前記第2操作範囲における前記接触操作が行われた位置と前記境界との距離に応じて前記第2処理部による前記第2効果の高低を決定するように制御を行う前記(8)に記載の画像処理装置。
(10) 前記制御部は、前記第1操作範囲および前記第2操作範囲の境界から分岐する複数の線状領域を前記第2操作範囲における前記複数種類の第2効果に対応する画像として前記表示部に表示させるための制御を行う前記(8)または(9)に記載の画像処理装置。
(11) 前記制御部は、前記第2効果を表す画像を当該第2効果に係る線状領域に関連付けて前記複数種類の第2効果毎に前記表示部に表示させるための制御を行う前記(10)に記載の画像処理装置。
(12) 前記制御部は、前記ユーザ操作に応じた効果が与えられた前記画像を表示部に表示させる制御を行う前記(1)から(11)のいずれかに記載の画像処理装置。
(13) 前記制御部は、前記画像を記録するための記録指示操作が受け付けられた場合には当該記録指示操作に応じて記録される画像であって前記ユーザ操作に応じた効果が与えられた画像を表示部に表示させる制御を行う前記(1)から(12)のいずれかに記載の画像処理装置。
(14) 撮像部をさらに具備する前記(1)から(13)のいずれかに記載の画像処理装置。
(15) 操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たす場合には、画像に第1効果を与える第1処理部による前記第1効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第1制御手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、前記第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を前記画像に与える第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第2制御手順と
を具備する画像処理装置の制御方法。
(16) 操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たす場合には、画像に第1効果を与える第1処理部による前記第1効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第1制御手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、前記第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を前記画像に与える第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第2制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0146】
100 撮像装置
110 レンズユニット
111 レンズ部
112 絞り
113 レンズ駆動部
114 絞り駆動部
120 撮像部
130 変換部
140 画像処理部
150 表示制御部
160 表示部
170 記録制御部
180 記録媒体
190 操作受付部
191 シャッターボタン
200 制御部
300 入出力パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に第1効果を与える第1処理部と、
前記第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を前記画像に与える第2処理部と、
操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たす場合には前記第1処理部による前記第1効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与え、当該ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には前記第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う制御部と
を具備する画像処理装置。
【請求項2】
光学系をさらに具備し、
前記制御部は、前記光学系を制御することより前記第1効果を前記画像に与える
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ操作により設定された処理が、前記光学系の制御により得られる処理の範囲の中であることを前記所定条件とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1効果は、前記光学系の制御から生じる光学ぼかし効果であり、
前記第2効果は、デジタル画像処理によるデジタルぼかし効果である
請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2処理部は、前記画像にデジタル画像処理を施すことにより前記複数種類の第2効果を与える画像処理部である請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2効果は、ぼかし効果であり、
前記制御部は、前記ユーザ操作が前記所定条件を満たさない場合には、当該ユーザ操作に応じて前記画像処理部を制御することにより複数種類の前記ぼかし効果のうちの何れかのぼかし効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う
請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ユーザ操作を受け付けるための操作領域画像を表示部に表示させるための制御を行う請求項1記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1処理部による前記第1効果を前記画像に与えるための前記ユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第1操作範囲と、前記第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を前記画像に与えるための前記ユーザ操作としてユーザによる接触操作を行うための第2操作範囲とを含む一連の線状領域を前記操作領域画像として前記表示部に表示させるための制御を行う請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1操作範囲における前記接触操作が行われた位置と前記第1操作範囲および前記第2操作範囲の境界との距離に応じて前記第1処理部による前記第1効果の高低を決定し、前記第2操作範囲における前記接触操作が行われた位置と前記境界との距離に応じて前記第2処理部による前記第2効果の高低を決定するように制御を行う請求項8記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1操作範囲および前記第2操作範囲の境界から分岐する複数の線状領域を前記第2操作範囲における前記複数種類の第2効果に対応する画像として前記表示部に表示させるための制御を行う請求項8記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2効果を表す画像を当該第2効果に係る線状領域に関連付けて前記複数種類の第2効果毎に前記表示部に表示させるための制御を行う請求項10記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記ユーザ操作に応じた効果が与えられた前記画像を表示部に表示させる制御を行う請求項1記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記画像を記録するための記録指示操作が受け付けられた場合には当該記録指示操作に応じて記録される画像であって前記ユーザ操作に応じた効果が与えられた画像を表示部に表示させる制御を行う請求項1記載の画像処理装置。
【請求項14】
撮像部をさらに具備する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項15】
操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たす場合には、画像に第1効果を与える第1処理部による前記第1効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第1制御手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、前記第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を前記画像に与える第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第2制御手順と
を具備する画像処理装置の制御方法。
【請求項16】
操作受付部により受け付けられたユーザ操作が所定条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たす場合には、画像に第1効果を与える第1処理部による前記第1効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第1制御手順と、
前記ユーザ操作が所定条件を満たさない場合には、前記第1効果とは異なる効果であって複数種類の第2効果を前記画像に与える第2処理部による前記第2効果のうちの何れかの効果を当該ユーザ操作に応じて前記画像に与えるための制御を行う第2制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−58861(P2013−58861A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195294(P2011−195294)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】