説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、メモリ内の画像データに対して画像処理を施した後、処理内容に関わらず、後続の画像形成処理や画像転送処理に適切に転送する。
【解決手段】デジタル複合装置1は、画像処理パラメータと制御信号に基づいて画像データに画像処理を施して書き込み制御デバイス25に出力する画像処理デバイス24と画像転送デバイス21が、入力状態と出力状態に切り替え可能な入出力端子で接続されていて、画像転送デバイス21が、入出力端子を入力状態として、画像処理デバイス24から画像処理パラメータを取得すると、該入出力端子を出力状態に切り替えて、画像処理パラメータに応じたデータ量に対応して生成された制御信号及びメモリ14から読み出した画像データを先行して画像処理デバイス24に出力し、書き込み制御デバイス25から副走査同期信号が入力されると、後続の制御信号及び画像データを画像処理デバイス24へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、メモリ内の画像データに対して画像処理を施した後、画像形成処理や画像転送処理に転送する画像処理装置、画像形成装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複写装置、プリンタ装置、複合装置等の画像形成装置は、コントローラ部とエンジン部を備え、エンジン部としては、スキャナ、プロッタ等を備えている。このような画像形成装置は、エンジン部のスキャナで読み取った原稿の画像データやネットワークを介して外部コンピュータ等の外部装置から送られてきた画像データをエンジン部の画像処理デバイスで必要な画像処理を施した後、エンジン部の画像転送デバイスを介して、コントローラ部に転送して、コントローラ部のハードディスク等の不揮発性メモリに蓄積する。そして、画像データの出力時に、コントローラ部のCPUが該不揮発性メモリから画像データをRAM(Random Access Memory)等のメモリに読み出して、該メモリからエンジン部に転送し、エンジン部は、コントローラから送られてくる画像データを画像転送デバイスで画像処理デバイスに渡して、画像処理デバイスで必要な画像処理を施した後、書き込み制御デバイスからプロッタに転送する。プロッタは、書き込み制御デバイスから送られてくる画像データに基づいて、電子写真方式やインク噴射方式等の画像形成方式で、用紙に画像形成出力する(特許文献1参照)。
【0003】
このような画像形成装置においては、装置の構成によって画像処理を変更するために、従来から、画像処理部をDSP(Digital Signal Processor)で構成して、メモリからプロッタまでの画像転送パスを、PCI(Peripheral Component Interconnect) Express(以下、PCIeという。)等の汎用データインターフェイスを有する画像転送デバイス、画像処理を行う画像処理デバイス(DSP)及び書き込み制御デバイスで構成されているものが多い(特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、メモリに保管した画像データを出力する上で、ソフトウェアの制御が煩雑になり、コストが高くつくという問題があった。
【0005】
すなわち、画像処理装置における画像データの出力には、データの転送速度が規定されることが多い。すなわち、画像形成装置の場合、プロッタは、用紙の決まった位置に画像を形成するため、例えば、電子写真方式のプロッタでは、用紙の搬送速度や書き込み光学系の駆動タイミングに合わせて画像データをプロッタに出力する必要がある。
【0006】
ところが、メモリからプロッタまでの画像転送パスの途中にある画像処理デバイスで行う画像処理によって、プロッタに送る画像データのラインの遅延量(遅延ライン数)が変わってしまうと、画像処理デバイスでの動作モードや画像形成装置の機種毎にプロッタのタイミング制御を調整する必要があり、ソフトウェア制御が煩雑になるという問題がある。
【0007】
また、遅延ライン数のばらつきによる影響を無くす方法としては、画像転送デバイスあるいは画像処理デバイス内部で制御信号を遅延させることにより最も遅いタイミングに合わせて一定にすることが考えられるが、遅延ライン数が大きい画像処理が含まれる場合や画像処理のアルゴリズムを増やすために画像処理全体としての遅延ライン数が増加してしまう場合には、プロッタ側からの画像出力開始信号(出力開始信号)の出力タイミングを早くする必要がある。その結果、ソフトウェアのタイミング制御への制約が大きくなって、ソフトウェアの大幅な変更を余儀なくされ、コストの増加や作業の繁雑さが増加するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、メモリ上の画像データを、画像処理を行った後、画像出力ユニットへ転送する際に、画像処理の処理変動によって画像出力を適切に行うための遅延ライン数が変化しても、ソフトウェア制御が複雑になること及び修正の必要性が発生することを抑制して、汎用性を向上させつつ安価な画像処理を行うことのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、画像処理パラメータと制御信号に基づいて画像データに所定の画像処理を施して出力タイミングの規定されている画像出力ユニットに出力する画像処理ユニットとメモリ上の画像データを読み出して該画像処理ユニットに転送する転送ユニットとが、入力状態と出力状態に切り替え可能な画像処理側入出力端子と転送側入出力端子で接続されている画像処理装置の該転送ユニットにおいて、前記転送側入出力端子を入力状態として、該転送側入出力端子を介して前記画像処理ユニットから前記画像処理パラメータを取得すると、該転送側入出力端子を出力状態に切り替えて、前記画像処理パラメータに応じたデータ量に対応して生成された制御信号及び前記メモリから読み出した画像データを先行して該転送側入出力端子を介して該画像処理ユニットに出力し、該画像出力ユニットから出力開始信号が入力されると、後続の制御信号及び画像データを該画像処理ユニットへ出力することを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、前記画像処理ユニットが、前記画像処理側入出力端子を出力状態として、前記画像処理パラメータを該画像処理側入出力端子を介して前記転送ユニットの前記パラメータ取得手段に出力すると、該画像処理側入出力端子を入力状態に切り替え、該転送ユニットから入力される画像データを画像処理して前記画像出力ユニットに出力することを特徴としてもよい。
【0011】
さらに、本発明は、前記レジスタ設定値に基づいて前記画像処理ユニットでの遅延ライン数を前記画像処理パラメータとして演算することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メモリ上の画像データを、画像処理を行った後、画像出力部へ転送する際に、画像処理の処理変動によって画像出力を適切に行うための遅延ライン数が変化しても、ソフトウェア制御が複雑になること及び修正の必要性が発生することを抑制して、汎用性を向上させつつ安価な画像処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を適用したデジタル複合装置の要部ブロック構成図。
【図2】画像転送デバイスのブロック構成図。
【図3】出力制御部のブロック構成図。
【図4】画像出力デバイスのブロック構成図。
【図5】画像転送デバイス、画像処理デバイス及び書き込み制御デバイス間における制御信号及びデータを示す図。
【図6】画像データ出力時の各デバイス間の動作シーケンス図。
【図7】画像処理デバイスから画像転送デバイス及び書き込み制御デバイスへの信号の出力タイミングを示す図。
【図8】遅延ライン数が2ラインのときの書き込み制御デバイス、画像転送デバイス及び画像処理デバイス間における制御信号とデータのタイミング図。
【図9】遅延ライン数が4ラインのときの書き込み制御デバイス、画像転送デバイス及び画像処理デバイス間における制御信号とデータのタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0015】
図1〜図9は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したデジタル複合装置1の要部ブロック構成図である。
【0016】
図1において、デジタル複合装置1は、コントローラユニット10及びエンジンユニット20等を備えており、その他に、図示しないが、操作表示部、ファクシミリ通信部、ネットワークI/F、電源部等を備えていて、コピー処理、プリンタ処理、スキャナ処理、データ転送処理及びファクシミリ通信処理等を行う。
【0017】
コントローラユニット10は、コントローラCPU(Central Processing Unit)11、コントローラASIC(Application Specific Integrated Circuit)12、ハードディスク(HDD)13及びメモリ14等を備えており、エンジンユニット20は、画像転送デバイス21、エンジンCPU22、スキャナ画像処理デバイス23、画像処理デバイス24、書き込み制御デバイス25、スキャナ26及びプロッタ26等を備えている。
【0018】
コントローラCPU11は、図示しないROMやハードディスク13に格納されているプログラムに基づいてデジタル複合装置1の各部を制御して、デジタル複合装置1としての基本処理を実行するとともに、後述する本発明の画像処理制御方法を実行する。
【0019】
すなわち、デジタル複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理制御方法を実行する画像処理制御プログラムを読み込んでコントローラユニット10のROMやハードディスク13等に導入することで、後述するハードディスク13内の画像データを、メモリ14を介してプロッタ27に合わせて適切に転送する画像処理制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像処理制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0020】
コントローラASIC12は、ハードディスク13やメモリ14とのデータのやり取り及びエンジンユニット20とのデータのやり取りを行う。
【0021】
メモリ14は、コントローラCPU11によるプログラム実行のワークエリアとして入り要され、画像データやDMAC(Direct Memory Access Controller :DMAコントローラ)のディスクリプタが格納される。
【0022】
ハードディスク13は、コントローラCPU11によって、プログラムや画像データが書き込まれ、また、読み出される。
【0023】
スキャナ26は、スキャナ動作、コピー動作、ファクシミリ送信動作時に、原稿に読み取り光を照射して、該原稿の反射光をCCD(Charge Coupled Device )等の光電変換素子で光電変換することで、該原稿を主走査・副走査し、該原稿の画像を読み取って、RGB(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)の画像データとして、スキャナ画像処理デバイス23に出力する。
【0024】
スキャナ画像処理デバイス23は、エンジンCPU22から設定されるパラメータに基づいて、スキャナ26で読み取られた原稿の画像データにフィルタ処理やガンマ変換処理等の補正処理を行って画像転送デバイス21に出力する。
【0025】
画像転送デバイス21は、PCIe等の汎用インターフェイスでコントローラユニット10のコントローラASIC12と接続されており、スキャナ画像処理デバイス23からのデータを圧縮してコントローラユニット10のコントローラASIC12へ転送し、また、コントローラASIC12から送られてきた画像データを受け取って、伸長して画像処理デバイス24へ転送する。
【0026】
画像処理デバイス24は、画像転送デバイス21で伸長された画像データに階調処理、合成処理、解像度変換等の画像処理を施して、画像処理後の画像データを書き込み制御デバイス25に出力する。
【0027】
書き込み制御デバイス25は、エンジンCPU22からの制御信号及び画像処理デバイス24から送られてくる画像データに基づいてプロッタ27の駆動制御を行う。
【0028】
プロッタ27は、電子写真方式のプロッタが用いられており、図示しないが、電子写真方式で記録紙に描画データに基づいて印刷処理を行うのに必要な部品、例えば、感光体、光書き込み部、現像部、帯電部及びクリーニング部等を備えている。プロッタ27は、画像データ及び制御信号により光書き込み部を動作させて感光体上に静電潜像を形成し、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。プロッタ27は、給紙部から記録紙を感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を記録紙に転写させ、トナー画像の転写された記録紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して記録紙上のトナー画像を定着させることで、印刷処理を行う。
【0029】
そして、書き込み制御デバイス25は、プロッタ27のポリゴンモータやレーザーダイオードの制御、画像転送デバイス21へ出力する同期信号の生成及びプロッタ27への画像データの出力を行う。上記書き込み制御デバイス25及びプロッタ27は、全体として画像出力ユニットとして機能している。
【0030】
上記画像転送デバイス(転送ユニット)21は、図2に示すように、入力制御部31、レジスタ部32、コミュニケーションバッファ33、テストパターン生成部34、シフト処理部35及び出力制御部36等を備えており、入力制御部31が、コントローラASIC26と、出力制御部36が、画像処理デバイス24及び書き込み制御デバイス25と接続されている。
【0031】
レジスタ部32は、画像転送デバイス21の各部(各モジュール)の設定を行うためのレジスタ群であり、コントローラCPU11によってレジスタ値(レジスタ設定値)が設定される。
【0032】
入力制御部31は、PCIe等の汎用インターフェイスでコントローラユニット10のコントローラASIC12と接続されており、コントローラASIC12からDMACで画像データの読み出しを行う。
【0033】
コミュニケーションバッファ33は、コントローラCPU11とエンジンCPU22から書き込み/読み出しが可能なレジスタ群であり、コントローラCPU11とエンジンCPU22との間で情報のやり取りを行う際に使用される。
【0034】
テストパターン生成部34は、デバッグや検査に使用するテストパターンの生成及び入力画像との合成処理を行う。
【0035】
シフト処理部35は、余白の追加や画像サイズの調整等のために主走査、副走査方向の画素の追加、削除を行う。
【0036】
出力制御部36は、書き込み制御デバイス25からの制御信号に同期して画像処理デバイス24への画像データの出力制御を行う。
【0037】
上記出力制御部36は、図3に示すように、制御信号生成部41、出力データ生成部42、パラメータ抽出部43及び入出力端子制御部44等を備えており、転送側入出力端子である制御信号入力端子t11及び制御信号入出力端子t12と、データ入出力端子t13が設けられている。
【0038】
制御信号入力端子t11は、書き込み制御デバイス25に接続され、書き込み制御デバイス25からの主走査同期信号MLSYNC_N、副走査同期信号MFSYNC_N(図5参照)が入力される。制御信号入出力端子t12は、画像処理デバイス24と接続され、入力状態と出力状態に切り替えられて、制御信号のやり取りを行う。データ入出力端子t13は、画像処理デバイス24と接続され、入力状態と出力状態に切り替えられて、データのやり取りを行う。
【0039】
制御信号生成部(制御信号生成手段)41は、書き込み制御デバイス25からの制御信号及びシフト処理部35からの制御信号に基づいて、副走査有効範囲信号RFGATE_N、主走査有効範囲信号RLGATE_N、主走査同期信号RLSYNC_N等の制御信号を生成して、制御信号入出力端子t12から画像処理デバイス24へ出力するとともに、入出力端子制御部44に出力する。
【0040】
出力データ生成部(データ出力手段)42には、シフト処理部35から画像データ(データ信号)が入力され、出力データ生成部42は、シフト処理部35からのデータ信号に基づいて、画像データ(データ信号)を生成して、データ入出力端子t13から画像処理デバイス24に出力する。
【0041】
パラメータ抽出部(パラメータ取得手段)43は、画像処理デバイス24と接続する制御信号入出力端子t12から入力される入力制御信号(パラメータ有効信号)を元に、画像処理デバイス24と接続するデータ入出力端子t13から入力されるデータ信号(画像処理パラメータ)の抽出を行い、制御信号生成部41に出力する。
【0042】
入出力端子制御部(転送側入出力切り替え手段)44は、画像処理デバイス24から制御信号入出力端子t12を介して入力される入力制御信号(パラメータ有効信号)と制御信号生成部41から入力される制御信号(副走査有効範囲信号RFGATE_N)を元に、制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13の入出力(入力状態と出力状態)の切り替えを行う。
【0043】
上記画像処理デバイス(画像処理ユニット)24は、図4に示すようにブロック構成されており、レジスタ部51、パラメータ演算部52、画像処理部53及び入出力端子制御部54等を備えていて、制御信号入出力端子t21、データ入出力端子t22、制御信号出力端子t23及びデータ出力端子t24が設けられている。
【0044】
画像処理側入出力端子である制御信号入出力端子t21及びデータ入出力端子t22は、画像転送デバイス21と接続され、制御信号入出力端子t21は、画像転送デバイス21と制御信号のやり取りを、データ入出力端子t22は、画像転送デバイス21とデータのやり取りを行う。
【0045】
制御信号出力端子t23及びデータ出力端子t24は、書き込み制御デバイス25と接続され、制御信号出力端子t23は、書き込み制御デバイス25へ制御信号の出力を、データ出力端子t24は、書き込み制御デバイス25へ画像処理後のデータの出力を行う。
【0046】
レジスタ部51は、画像処理デバイス24で行われる画像処理で使用する各種パラメータ及びモードを設定するためレジスタ群である。レジスタ部51は、各画像処理を行うかどうかを決定する画像処理アルゴリズムイネーブルレジスタを持っており、このレジスタに、エンジンCPU22からレジスタ設定値が設定されると、該レジスタ設定値をパラメータ演算部52に、それぞれ出力する。
【0047】
パラメータ演算部(パラメータ演算手段)52は、レジスタ部51からのイネーブルレジスタの値から、画像処理デバイス24全体で生じる遅延ライン数を計算して、画像転送デバイス21に、制御信号入出力端子t21を通してパラメータ有効信号を、データ入出力端子t22を通してパラメータを出力する。
【0048】
画像処理部(画像処理手段)53は、階調処理、合成処理等の画像処理を行うモジュール群であり、レジスタ部51に設定された画像処理の各種パラメータ及びモードに従って画像処理を行って、制御信号出力端子t23及びデータ出力端子t24を通して、書き込みデバイス25に出力する。
【0049】
入出力端子制御部(画像処理側入出力切り替え手段)54は、制御信号入出力端子t21から入力される制御信号(副走査有効範囲信号RFGATE_N)とパラメータ演算部52から入力される制御信号(パラメータ有効信号)を元に、制御信号入出力端子t21とデータ入出力端子t22の入出力の切り替えを行う。
【0050】
デジタル複合装置1は、エンジンユニット20のスキャナ26で読み取った原稿の画像データを、上述のように、スキャナ画像処理デバイス23で必要な画像処理を施した後、転送デバイス21を介してコントローラユニット10に転送し、コントローラユニット10のハードディスク13に格納する。また、デジタル複合装置1は、ネットワークI/Fを介して外部装置から転送されてきた画像データをコントローラCPU11等で必要な画像処理を施した後、ハードディスク13に格納する。そして、デジタル複合装置1は、ハードディスク13に格納した画像データを画像転送デバイス21を介して画像処理デバイス24に転送し、画像処理デバイス24で必要な画像処理を施して、書き込み制御デバイス25を介してプロッタ27に転送して、プロッタ27で用紙に画像形成する。
【0051】
そして、デジタル複合装置1は、上記画像転送デバイス21、画像処理デバイス24及び書き込み制御デバイス25の間で、図5に示すような制御信号の交換を行って、画像データの転送タイミングを調整する。なお、デジタル複合装置1は、カラーデジタル複合装置であり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色に対応して4チャンネルの信号が存在するが、図5では、明確にするために、1チャンネル分のみが記載されている。
【0052】
書き込み制御デバイス25は、プロッタ27における各色の感光体に対応する副走査同期信号MFSYNC_N及び光書き込み部のポリゴンミラーの回転同期検知信号に対応する主走査同期信号MLSYNC_Nを画像転送デバイス21に出力する。
【0053】
画像転送デバイス21は、副走査の有効範囲を示す副走査有効範囲信号RFGATE_N、主走査方向の同期を示す主走査同期信号RLSYNC_N、主走査の有効範囲を示す主走査有効範囲信号RLGATE_N及びデータRDATAを画像処理デバイス24に出力する。
【0054】
画像処理デバイス24は、主走査同期信号RLSYNC_N及び画像データRDATAを画像転送デバイス21に出力し、主走査の有効範囲を示す主走査有効範囲信号GLGATE_N及び画像データGDATAを書き込み制御デバイス25に出力する。
【0055】
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例のデジタル複合装置1は、画像処理デバイス24での画像処理によらず、メモリ14から画像処理デバイス24を通して書き込み制御デバイス25へ画像データを出力する画像データの転送タイミングを一定にする。
【0056】
すなわち、デジタル複合装置1は、エンジンユニット20のスキャナ26で読み取った原稿の画像データを、上述のように、スキャナ画像処理デバイス23で必要な画像処理を施した後、転送デバイス21を介してコントローラユニット10に転送し、コントローラユニット10のハードディスク13に格納する。また、デジタル複合装置1は、ネットワークI/Fを介して外部装置から転送されてきた画像データをコントローラCPU11等で必要な画像処理を施した後、ハードディスク13に格納する。そして、デジタル複合装置1は、ハードディスク13に格納した画像データを画像転送デバイス21を介して画像処理デバイス24に転送し、画像処理デバイス24で必要な画像処理を施して、書き込み制御デバイス25を介してプロッタ27に転送して、プロッタ27で用紙に画像形成する。
【0057】
そして、デジタル複合装置1は、ハードディスク13に格納されている画像データをプロッタ27に転送して画像形成する場合、プロッタ27では、プロッタ27の動作機能等によって要求される一定の時間に一定の画像データ量が転送されてくることが要求されるが、画像処理デバイス24での画像処理の内容等によってハードディスク13からプロッタ27へ転送する転送時間にばらつきが発生すると、プロッタ27で適切な画像形成を行うことができなくなる。そこで、デジタル複合装置1は、画像転送デバイス21が画像処理デバイス24で画像処理に必要な時間に応じてハードディスク13からの画像データの読み出しタイミングを調整して、適切な画像データの転送を行う。
【0058】
すなわち、デジタル複合装置1は、図6において、エンジンCPU22、書き込み制御デバイス25、画像処理デバイス24、画像転送デバイス21及びコントローラCPU11の各デバイスにおける一連の動作を表すシーケンス図で示すように、デフォルトでは、画像転送デバイス21の制御信号端子、データ端子は、入力状態に、画像処理デバイス24の制御信号入出力端子t21、データ入出力端子t22は、出力状態になっている。
【0059】
この状態から、プリント動作シーケンスを開始するために、コントローラCPU11からプリントする画像の画像情報が画像転送デバイス21のコミュニケーションバッファ33に書き込まれると、画像転送デバイス21が、エンジンCPU22に割り込みを発生する。エンジンCPU22は、画像転送デバイス21から割り込みがくると、画像転送デバイス21に対して画像データ(画像情報)の読み出しを行う。
【0060】
エンジンCPU22は、画像情報の読み出しを行うと、その情報に基づいて画像処理デバイス24のレジスタ部51のモードレジスタの設定を行う。
【0061】
画像処理デバイス24は、レジスタ部51のモードレジスタの画像処理アルゴリズムイネーブルレジスタにモード設定が行われると、パラメータ演算部52が、レジスタ部51のイネーブルレジスタの値に基づいて画像処理デバイス24全体で生じる遅延ライン数を計算して、制御信号入出力端子t21にパラメータ有効信号、データ入出力端子t22にパラメータを出力する。
【0062】
画像処理デバイス24は、入出力端子制御部44が、パラメータ演算部52による制御信号入出力端子t21へのパラメータ出力が終わると、制御信号入出力端子t21及びデータ入出力端子t22を入力に切り替える。
【0063】
画像転送デバイス21は、その出力制御部36の入出力端子制御部44が、画像処理デバイス24からのパラメータ入力が終わると、制御信号入出力端子t12及びデータ入出力端子t13を出力状態に切り替える。
【0064】
コントローラCPU11は、ハードディスク13から読み出した画像データのメモリ14上への描画を完了すると、画像転送デバイス21のレジスタ部51の画像準備完了レジスタに書き込みを行って、描画完了を通知する。
【0065】
画像転送デバイス21は、画像準備完了レジスタに値が書き込まれると、先に画像処理デバイス24から入力された画像処理デバイス24の遅延ライン数分だけ、先行してデータ(描画データ)をコントローラユニット10のメモリ14から読み出し、画像処理デバイス24に出力する。画像転送デバイス21は、データの出力が終了すると、書き込み制御デバイス25から副走査同期信号MFSYNC_Nが入力されるまで、画像処理デバイス24に出力している制御信号を保持する。
【0066】
エンジンCPU22は、所定の位置へ画像形成用の用紙が到達されたことを検出すると、書き込み制御デバイス25に書き込み動作開始設定を行う。
【0067】
書き込み制御デバイス25は、エンジンCPU22から書き込み動作開始設定が行われると、所定のタイミングで画像転送デバイス21に副走査同期信号MFSYNC_Nを出力する。
【0068】
画像転送デバイス21は、副走査同期信号MFSYNC_Nが入力されると、コントローラユニット10のメモリ124から後続のデータ(描画データ)を読み出し、画像処理デバイス24に出力を開始する。
【0069】
画像処理デバイス24は、画像転送デバイス21から後続のデータの入力が開始されると、画像処理済で内部に保持されていた先行データの書き込み制御デバイス25への出力を開始する。
【0070】
画像処理デバイス24は、先行データの出力を完了すると、引き続いて画像転送デバイス21から入力される後続データの画像処理を行って、書き込み制御デバイス25へ順次出力する。
【0071】
画像転送デバイス21は、レジスタ部51の副走査サイズレジスタに設定されたライン数の画像データを画像処理デバイス24へ出力し、画像処理デバイス24の遅延ライン数分の主走査同期信号RLSYNC_Nを出力すると、出力制御部36の入出力端子制御部44が、制御信号入出力端子t12、データ入出力端子t13を入力状態に切り替えて一連の動作を終了する。
【0072】
画像処理デバイス24は、レジスタ部51の副走査サイズレジスタに設定されたライン数分の画像データを書き込み制御デバイス25へ出力すると、入出力端子制御部44が、制御信号入出力端子t12、データ入出力端子t13を出力状態に切り替えて一連の動作を終了する。
【0073】
そして、上記画像データのデータ転送タイミングを制御するために、図5に示した画像転送デバイス21、画像処理デバイス24及び書き込み制御デバイス25の間における制御信号とデータのやりとりにおいて、画像処理デバイス24から画像転送デバイス21及び書き込み制御デバイス25へ出力する信号のタイミングは、図7のように示される。
【0074】
すなわち、画像処理デバイス24は、レジスタ部51にモードが設定されると、パラメータ演算部52が、遅延ライン数の演算を行い、演算が終了すると、図7の「ライン数出力」のタイミングで、制御信号入出力端子t21のパラメータの有効信号である主走査同期信号RLSYNC_Nをアサートし、データ入出力端子t22のデータRDATAとして、遅延ライン数のパラメータを出力する。画像処理デバイス24は、数クロック分の間、主走査同期信号RLSYNC_Nをアサートした後、ネゲートし、主走査同期信号RLSYNC_Nの制御信号入出力端子t21及びデータRDATAのデータ入出力端子t22を入力状態に切り替える。
【0075】
画像処理デバイス24は、書き込み制御デバイス25へ主走査の有効範囲を示す主走査有効範囲信号GLGATE_N及び画像データGDATAの出力を完了すると、主走査同期信号RLSYNC_N及びRDATAの制御信号入出力端子t21及びデータ入出力端子t22を出力状態に切り替えて、1ページ分の動作を終了する。
【0076】
そして、画像処理デバイス24の遅延ライン数が2ラインの場合、書き込み制御デバイス25から画像転送デバイス21への入力制御信号、画像転送デバイス21から画像処理デバイス24へ出力する制御信号と画像データ及び画像処理デバイス24から書き込み制御デバイス25へ出力する制御信号と画像データのタイミングは、図8のように示される。
【0077】
すなわち、画像転送デバイス21と画像処理デバイス24とを接続する制御信号及びデータ信号は、画像転送デバイス21から見ると初期状態では入力状態であり、遅延ライン数が画像処理デバイス24から設定されるとき、画像処理デバイス24からパラメータの有効信号RLSYNC_Nがアサートされて、データRDATAで遅延ライン数「2」が送られてくる。画像転送デバイス21の出力制御部36のパラメータ抽出部43は、データRDATAで通知される遅延ライン数「2」を抽出して、内部レジスタに保持し、入出力端子制御部44は、主走査同期信号RLSYNC_Nがネゲートされると、制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13の状態を、画像転送デバイス21からの出力状態に切り替える。
【0078】
画像転送デバイス21は、コントローラCPU11がメモリ14に画像の準備が完了し、レジスタ部51の画像準備完了レジスタに値が書き込まれると、副走査の有効範囲を示す副走査有効範囲信号RFGATE_Nをアサートして、先に抽出した遅延ライン数である2ライン分のデータをコントローラユニット10のメモリ14から先読みして画像処理デバイス24に出力する。画像処理デバイス24は、内部遅延が2ラインあるため、この時点で書き込み制御デバイス25への画像出力は行わない。
【0079】
画像転送デバイス21は、書き込み制御デバイス25から主走査同期信号MFSYNC_Nがアサートされると、すなわち、図8の「同期信号アサート」のタイミングで、コントローラユニット10のメモリ14からの画像データの読み込みを再開し、画像処理デバイス24へ出力する。画像処理デバイス24は、画像転送デバイス21からデータ入力が再開されると、1ライン目から画像処理後の画像データの書き込み制御デバイス25への出力を開始する。
【0080】
画像転送デバイス21は、コントローラユニット10のメモリ14から先読みした2ライン分を含めた有効画像データの読み込み及び画像処理デバイス24への出力が完了すると、副走査の有効範囲を示す副走査有効範囲信号RFGATE_Nをネゲートする。画像転送デバイス21は、副走査有効範囲信号RFGATE_Nをネゲートすると、入出力端子制御部44が、画像処理デバイス24から書き込み制御デバイス25への出力が完了するタイミングである、2ライン+1個の主走査同期信号RLSYNC_Nを出力するタイミングで、画像転送デバイス21と画像処理デバイス24とを接続する制御信号及びデータ信号を入力に切り替えて、1ページ分の動作を終了する。
【0081】
そして、画像処理デバイス24の遅延ライン数が4ラインの場合、書き込み制御デバイス25から画像転送デバイス21への入力制御信号、画像転送デバイス21から画像処理デバイス24へ出力する制御信号と画像データ及び画像処理デバイス24から書き込み制御デバイス25へ出力する制御信号と画像データのタイミングは、図9のように示される。図9から分かるように、基本的には、図8と同様であり、遅延ライン数が4ラインとなる。
【0082】
すなわち、画像転送デバイス21と画像処理デバイス24とを接続する制御信号及びデータ信号は、画像転送デバイス21から見ると初期状態では入力状態であり、遅延ライン数が画像処理デバイス24から設定されるとき、画像処理デバイス24からパラメータの有効信号RLSYNC_Nがアサートされて、データRDATAで遅延ライン数「2」が送られてくる。画像転送デバイス21の出力制御部36のパラメータ抽出部43は、データRDATAで通知される遅延ライン数「4」を抽出して、内部レジスタに保持し、入出力端子制御部44は、主走査同期信号RLSYNC_Nがネゲートされると、画像転送デバイス21からの出力に切り替える。
【0083】
画像転送デバイス21は、コントローラCPU11がメモリ14に画像の準備が完了し、レジスタ部51の画像準備完了レジスタに値が書き込まれると、副走査の有効範囲を示す副走査有効範囲信号RFGATE_Nをアサートして、先に抽出した遅延ライン数である4ライン分のデータをコントローラユニット10のメモリ14から先読みして画像処理デバイス24に出力する。画像処理デバイス24は、内部遅延が4ラインあるため、この時点で書き込み制御デバイス25への画像出力は行わない。
【0084】
画像転送デバイス21は、書き込み制御デバイス25から主走査同期信号MFSYNC_Nがアサートされると、すなわち、図9の「同期信号アサート」のタイミングで、コントローラユニット10のメモリ14からの画像データの読み込みを再開し、画像処理デバイス24へ出力する。画像処理デバイス24は、画像転送デバイス21からデータ入力が再開されると、1ライン目から画像処理後の画像データの書き込み制御デバイス25への出力を開始する。
【0085】
画像転送デバイス21は、コントローラユニット10のメモリ14から先読みした4ライン分を含めた有効画像データの読み込み及び画像処理デバイス24への出力が完了すると、副走査の有効範囲を示す副走査有効範囲信号RFGATE_Nをネゲートする。画像転送デバイス21は、副走査有効範囲信号RFGATE_Nをネゲートすると、入出力端子制御部44が、画像処理デバイス24から書き込み制御デバイス25への出力が完了するタイミングである、4ライン+1個の主走査同期信号RLSYNC_Nを出力するタイミングで、画像転送デバイス21と画像処理デバイス24とを接続する制御信号及びデータ信号を入力に切り替えて、1ページ分の動作を終了する。
【0086】
なお、上記説明は、ハードディスク13に格納した画像データを、プロッタ27で印刷出力する場合について説明したが、ハードディスク13の画像データを出力するのは、プロッタ27で印刷出力する場合に限るものではなく、例えば、ネットワークI/Fに接続されているコンピュータ等の外部装置に画像処理した画像データを転送する場合にも同様に適用することができる。
【0087】
このように、本実施例のデジタル複合装置1は、画像処理パラメータと制御信号に基づいて画像データに所定の画像処理を施して出力タイミングの規定されている書き込み制御デバイス(画像出力ユニット)25に出力する画像処理デバイス(画像処理ユニット)24とメモリ14上の画像データを読み出して該画像処理デバイス24に転送する画像転送デバイス(転送ユニット)21とが、入力状態と出力状態に切り替え可能な画像処理側入出力端子としての制御信号入出力端子t21とデータ入出力端子t22及び転送側入出力端子としての制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13で接続されている画像処理装置としてのエンジンユニット20の画像転送デバイス(転送ユニット)21において、制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13を入力状態として、該制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13を介して画像処理デバイス24から画像処理パラメータを取得すると、制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13を出力状態に切り替えて、画像処理パラメータに応じたデータ量に対応して生成された制御信号及びメモリ14から読み出した画像データを先行して制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13を介して画像処理デバイス24に出力し、書き込み制御デバイス(画像出力ユニット)25から出力開始信号である副走査同期信号MFSYNC_Nが入力されると、後続の制御信号及び画像データを画像処理デバイス24へ出力する。
【0088】
したがって、本実施例のデジタル複合装置1は、複数の制御信号により接続される画像処理デバイス24と画像転送デバイス21間において、コントローラCPU11からの設定に従って画像処理デバイス24及び画像転送デバイス21の入出力を切り替えるとともに、制御信号間の所定のタイミングに従って画像処理デバイス24の処理に必要な画像データを、画像転送デバイス21を介してメモリ14から先行して読み出して画像処理デバイス24に出力することができ、画像処理デバイス24で行われる画像処理に関わらず画像処理デバイス24から書き込み制御デバイス25へ画像データを出力するタイミングを一定にすることができる。その結果、制御信号入出力端子t21とデータ入出力端子t22及び制御信号入出力端子t12とデータ入出力端子t13によって、画像転送デバイス21がパラメータを画像処理デバイス24から取得することができ、画像書き込みのソフトウェア制御を容易なものとすることができるとともに、画像処理デバイス24と画像転送デバイス21のピン数を削減して、コストを削減することができる。
【0089】
すなわち、デジタル複合装置1は、メモリ14上の画像データを画像処理を行った後、画像出力ユニットである書き込み制御デバイス25へ画像データを転送する際に、画像処理の処理変動によって、画像出力を適切に行うための遅延ライン数が変化しても、ソフトウェア制御が複雑になること及び修正の必要性が発生することを抑制して、汎用性を向上させつつ安価な画像処理を行うことができる。
【0090】
また、本実施例のデジタル複合装置1は、画像処理デバイス24が、制御信号入出力端子t21とデータ入出力端子t22を出力状態として、画像処理パラメータを制御信号入出力端子t21とデータ入出力端子t22を介して画像転送デバイス21のパラメータ抽出部(パラメータ取得手段)43に出力すると、制御信号入出力端子t21とデータ入出力端子t22を入力状態に切り替え、画像転送デバイス21から入力される画像データを画像処理して書き込み制御デバイス25に出力している。
【0091】
したがって、メモリ14上の画像データを画像処理を施した後、書き込み制御デバイス25へ画像データを転送する際に、画像処理の処理変動によって、画像出力を適切に行うための遅延ライン数が変化しても、ソフトウェア制御が複雑になること及び修正の必要性が発生することをより一層適切に抑制して、汎用性を向上させつつ安価な画像処理を行うことができる。
【0092】
さらに、本実施例のデジタル複合装置1は、画像処理デバイス24のパラメータ演算部52が、レジスタ部51にコントローラCPU11によって設定されるレジスタ設定値に基づいて画像処理デバイス24での遅延ライン数を画像処理パラメータとして演算している。
【0093】
したがって、レジスタ設定値によりパラメータを演算することで、画像処理の処理内容の変更によってソフトウェアによる設定や演算の追加の必要性を無くして、ソフトウェア制御を容易なものとすることができるとともに、1回のパラメータ転送によって必要な情報を授受することができ、画像処理デバイス24のコスト上昇抑制しつつ、画像処理を向上させることができる。
【0094】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、ハードディスク等に一旦画像データを保管した後に、画像形成出力等を行う画像処理装置及び該画像処理装置を搭載するプリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 デジタル複合装置
10 コントローラユニット
11 コントローラCPU
12 コントローラASIC
13 ハードディスク(HDD)
14 メモリ
20 エンジンユニット
21 画像転送デバイス
22 エンジンCPU
23 スキャナ画像処理デバイス
24 画像処理デバイス
25 書き込み制御デバイス
26 スキャナ
27 プロッタ
31 入力制御部
32 レジスタ部
33 コミュニケーションバッファ
34 テストパターン生成部
35 シフト処理部
36 出力制御部
41 制御信号生成部
42 出力データ生成部
43 パラメータ抽出部
44 入出力端子制御部
t11 制御信号入力端子
t12 制御信号入出力端子
t13 データ入出力端子
51 レジスタ部
52 パラメータ演算部
53 画像処理部
54 入出力端子制御部
t21 制御信号入出力端子
t22 データ入出力端子
t23 制御信号出力端子
t24 データ出力端子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開2003−333232号公報
【特許文献2】特開2010−068320号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理パラメータと制御信号に基づいて画像データに所定の画像処理を施して出力タイミングの規定されている画像出力ユニットに出力する画像処理ユニットと、
前記画像処理ユニットとの間で制御信号及びデータの入出力を行い、メモリ上の画像データを読み出して、該画像処理ユニットに転送する転送ユニットと、
を備え、前記画像処理ユニットと前記転送ユニットが、入力状態と出力状態に切り替え可能な画像処理側入出力端子と転送側入出力端子で接続されている画像処理装置であって、
前記転送ユニットは、
前記画像処理ユニットから前記画像処理パラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記メモリから読み出した画像データを前記画像処理ユニットに出力するデータ出力手段と、
前記パラメータ取得手段の取得した前記画像処理パラメータに応じたデータ量に対応する制御信号を生成するとともに、前記画像出力ユニットから出力開始信号が入力されると、後続の制御信号を生成する制御信号生成手段と、
前記転送側入出力端子を入力状態として、前記パラメータ取得手段が該転送側入出力端子を介して前記画像処理ユニットから前記画像処理パラメータを取得すると、該転送側入出力端子を出力状態に切り替えて、前記データ量に対応して前記制御信号生成手段の生成した前記制御信号及び前記データ出力手段からの画像データを先行して該転送側入出力端子を介して該画像処理ユニットに出力させ、前記画像出力ユニットから前記出力開始信号が入力されると、後続の該制御信号生成手段の生成した制御信号及び該データ出力手段からのデータを該画像処理ユニットへ出力させる転送側入出力切り替え手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理ユニットは、
レジスタ設定値に基づいて前記画像処理パラメータを演算するパラメータ演算手段と、
前記転送ユニットから送られてくる画像データに画像処理パラメータと制御信号に基づいて所定の画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像処理側入出力端子の制御信号及びデータの入出力状態を切り替える画像処理側入出力切り替え制御手段と、
を備え、
前記画像処理側入出力切り替え制御手段が、前記画像処理側入出力端子を出力状態として、前記パラメータ演算手段が、演算した前記画像処理パラメータを該画像処理側入出力端子を介して前記転送ユニットの前記パラメータ取得手段に出力すると、該画像処理側入出力端子を入力状態に切り替え、前記画像処理手段が、該転送ユニットから入力される画像データを画像処理して前記画像出力ユニットに出力することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記パラメータ演算手段は、
前記レジスタ設定値に基づいて前記画像処理ユニットでの遅延ライン数を前記画像処理パラメータとして演算することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像処理部から画像出力部に画像データを出力して、該画像出力部で該画像データに基づいて被記録媒体に画像形成する画像形成装置であって、
前記画像処理部として請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置を搭載していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
画像処理パラメータと制御信号に基づいて画像データに所定の画像処理を施して出力タイミングの規定されている画像出力ユニットに出力する画像処理ユニットと、
前記画像処理ユニットとの間で制御信号及びデータの入出力を行い、メモリ上の画像データを読み出して、該画像処理ユニットに転送する転送ユニットと、
を備え、前記画像処理ユニットと前記転送ユニットが、入力状態と出力状態に切り替え可能な画像処理側入出力端子と転送側入出力端子で接続されている画像処理装置における画像処理制御方法であって、
前記転送ユニットにおける処理ステップとして、
前記画像処理ユニットから前記画像処理パラメータを取得するパラメータ取得処理ステップと、
前記メモリから読み出した画像データを前記画像処理ユニットに出力するデータ出力処理ステップと、
前記パラメータ取得処理ステップで取得された前記画像処理パラメータに応じたデータ量に対応する制御信号を生成するとともに、前記画像出力ユニットから出力開始信号が入力されると、後続の制御信号を生成する制御信号生成処理ステップと、
前記転送側入出力端子を入力状態として、前記パラメータ取得処理ステップによって該転送側入出力端子を介して前記画像処理ユニットから前記画像処理パラメータが取得されると、該転送側入出力端子を出力状態に切り替えて、前記データ量に対応して前記制御信号生成処理ステップで生成された前記制御信号及び前記データ出力処理ステップからの画像データを先行して該転送側入出力端子を介して該画像処理ユニットに出力させ、前記画像出力ユニットから前記出力開始信号が入力されると、後続の該制御信号生成処理ステップで生成された制御信号及び該データ出力処理ステップからのデータを該画像処理ユニットへ出力させる転送側入出力切り替え処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像処理制御方法。
【請求項6】
画像処理パラメータと制御信号に基づいて画像データに所定の画像処理を施して出力タイミングの規定されている画像出力ユニットに出力する画像処理ユニットと、
前記画像処理ユニットとの間で制御信号及びデータの入出力を行って、メモリ上の画像データを読み出して該画像処理ユニットに転送する転送ユニットと、
を備え、前記画像処理ユニットと前記転送ユニットが、入力状態と出力状態に切り替え可能な該画像処理ユニットの画像処理側入出力端子と該転送ユニットの転送側入出力端子で接続されている画像処理装置に搭載される画像処理制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記転送ユニットにおける処理として、
前記画像処理ユニットから前記画像処理パラメータを取得するパラメータ取得処理と、
前記メモリから読み出した画像データを前記画像処理ユニットに出力するデータ出力処理と、
前記パラメータ取得処理で取得された前記画像処理パラメータに応じたデータ量に対応する制御信号を生成するとともに、前記画像出力ユニットから出力開始信号が入力されると、後続の制御信号を生成する制御信号生成処理と、
前記転送側入出力端子を入力状態として、前記パラメータ取得処理によって該転送側入出力端子を介して前記画像処理ユニットから前記画像処理パラメータが取得されると、該転送側入出力端子を出力状態に切り替えて、前記データ量に対応して前記制御信号生成処理で生成された前記制御信号及び前記データ出力処理からの画像データを先行して該転送側入出力端子を介して該画像処理ユニットに出力させ、前記画像出力ユニットから前記出力開始信号が入力されると、後続の該制御信号生成処理で生成された制御信号及び該データ出力処理からのデータを該画像処理ユニットへ出力させる転送側入出力切り替え処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理制御プログラム。
【請求項7】
請求項6記載の画像処理制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−138739(P2012−138739A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289322(P2010−289322)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】