説明

画像処理装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】画像情報中に予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様が存在した場合でもスクリーンパターンとの干渉をより少なくなる画像処理装置等を提供する。
【解決手段】ラスタライズ後の画像情報を受け付ける受付部71と、画像情報から規則模様の画像領域を検出する規則模様検出部72と、規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い、規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理部73と、を備え、規則模様検出部72は、画像情報の中から注目画素および注目画素に対し予め定められた範囲の画素を選択し、規則模様中の注目画素の位置関係および予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素の画素値の比較結果から注目画素が規則模様を構成する画素であるかを判定することを特徴とする画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真方式やインクジェット方式等を用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、入力された画像データに種々の画像処理を施した後、出力装置によって出力する。その画像処理として、例えば、二値の画像データで擬似的に中間階調を再現することを目的とするスクリーン処理がある。
【0003】
特許文献1には、描画部でROP処理を行った場合、そのROP処理領域についてはROP処理を行った旨のタグ情報を付加し、その後レンダリング部でレンダリング処理されたビットマップ画像をスクリーン処理部へ渡す画像処理装置であり、スクリーン処理部では、タグ情報に対応するスクリーン処理を行うが、ROP処理領域についてはFMスクリーン処理を、他の領域にはAMスクリーン処理を行うものが開示されている。
また特許文献2には、画像が周期性を持つ場合でも、スクリーン処理によるモアレの発生を抑える画像処理装置であって、モアレ判定部は、後段色変換部から出力され、出力色空間であるYMCKの画像信号から、画像信号中のパターン周期及び方向を検出し、そして、その画像信号中のパターン周期及び方向と、スクリーン処理部で通常使用するスクリーンのスクリーン線数及びスクリーン角度とを比較して、モアレの出現の有無を判定するとともにその結果をTAG信号として後段色補正部及びスクリーン処理部に伝え、スクリーン処理部はTAG信号に従って、モアレが出現する部分及び色について、使用するスクリーンを切り替え、また、後段色補正部はTAG信号に従ってパラメータを変更し、スクリーンの切り替えによる影響を補正するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−256160号公報
【特許文献2】特開2006−254095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで画像情報中に予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様が存在した場合でもスクリーン処理を行なう際に使用するスクリーンパターンとの干渉をより少なくすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、画素の集合として展開後の画像情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出部と、前記検出部により検出された規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い、当該規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理部と、を備え、前記検出部は、前記画像情報の中から注目画素および当該注目画素に対し予め定められた範囲の画素を選択し、前記規則模様中の当該注目画素の位置関係および当該予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素の画素値の比較結果から当該注目画素が規則模様を構成する画素であるか否かを判定することを特徴とする画像処理装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記検出部は、選択される複数の画素として二画素を選択し、前記規則模様中の前記注目画素の位置関係から、選択された前記二画素が前記規則模様を構成する画素同士である場合か、一方が当該規則模様を構成する画素であり他方が当該規則模様を構成しない画素である場合か、当該規則模様を構成しない画素同士である場合か、に分けて選択された当該二画素の画素値を比較することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記検出部は、選択される複数の画素として隣り合う画素を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記規則模様の画像領域は、被処理画像中において当該規則模様により半透明処理が行なわれた画像領域であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項5に記載の発明は、画素の集合として展開後の画像情報を受け付ける受付手段と、当該受付手段によって受け付けられた画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出部と当該検出部により検出された規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い当該規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理部と、を備える画像処理手段と、前記画像処理手段により処理された画像情報に基づきトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像を記録材に転写する転写手段と、記録材にトナー像を定着する定着手段と、を備え、前記画像処理手段の前記検出部は、前記画像情報の中から注目画素および当該注目画素に対し予め定められた範囲の画素を選択し、前記規則模様中の当該注目画素の位置関係および当該予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素の画素値の比較結果から当該注目画素が規則模様を構成する画素であるかを判定することを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、画素の集合として展開後の画像情報を受け付ける受付機能と、前記画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出機能と、検出された規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い、当該規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理機能と、を実現し、前記検出機能では、前記画像情報の中から注目画素および当該注目画素に対し予め定められた範囲の画素を選択し、前記規則模様中の当該注目画素の位置関係および当該予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素の画素値の比較結果から当該注目画素が規則模様を構成する画素であるかを判定することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像情報中に予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様が存在した場合でもスクリーン処理を行なう際に使用するスクリーンパターンとの干渉がより少なくなる画像処理装置を提供できる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、より簡易な判別式を用いて画素値の比較をすることができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、注目画素が規則模様を構成する画素であるかの判定をより高精度に行なうことができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、半透明処理された画像領域に対しても良好な画像を得ることができる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、より良好な画像を形成することができる画像形成装置が提供できる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像情報中に予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様が存在した場合でもスクリーン処理を行なう際に使用するスクリーンパターンとの干渉がより少なくなる画像処理を行う機能をコンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態の画像形成装置の概要を示す図である。
【図2】画像形成装置の制御部における信号処理系を示すブロック図である。
【図3】(a)〜(d)は、ROPパターンの一例を説明した図である。
【図4−1】(a)〜(d)は、図3(a)に挙げたROPパターンとスクリーンパターンとの干渉について説明した例である。
【図4−2】(a)〜(d)は、図3(a)に挙げたROPパターンとスクリーンパターンとの干渉について説明した例である。
【図5】規則模様検出部をさらに詳しく説明した図である。
【図6】(a)〜(d)は、注目画素と検知ウインドウの一例について説明した図である。
【図7】規則模様検出部が規則模様の画像領域を検出する手順を説明したフローチャートである。
【図8】注目画素が、図3(a)のROPパターンを構成する画素であるか否かを、判定部が判定する手順を説明したフローチャートである。
【図9】(a)〜(i)は、種々の透過率を有するROPパターンについて説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<画像形成装置の全体構成の説明>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成装置1の概要を示す図である。
この画像形成装置(画像処理装置)1は、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数(本実施の形態では4つ)の画像形成ユニット10(具体的には10Y(イエロー)、10M(マゼンタ)、10C(シアン)、10K(黒))を備える。また、この画像形成装置1は、各画像形成ユニット10で形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)保持させる中間転写ベルト20を具備する。さらに、この画像形成装置1は、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置30を備える。さらにまた、この画像形成装置1は、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着装置50、および画像形成装置1の各機構部を制御する制御部70を有している。
【0013】
各画像形成ユニット10(10Y、10M、10C、10K)は、使用されるトナーの色を除き、同じ構成を有している。そこで、イエローの画像形成ユニット10Yを例に説明を行う。イエローの画像形成ユニット10Yは、図示しない感光層を有し、矢印A方向に回転可能に配設される感光体ドラム11を具備している。この感光体ドラム11の周囲には、帯電ロール12、露光部13、現像器14、一次転写ロール15、およびドラムクリーナ16が配設される。これらのうち、帯電ロール12は、回転可能に感光体ドラム11に接触配置され、感光体ドラム11を予め定められた電位に帯電する。露光部13は、帯電ロール12によって予め定められた電位に帯電された感光体ドラム11に、レーザ光Bmによって静電潜像を書き込む。現像器14は、対応する色成分トナー(イエローの画像形成ユニット10Yではイエローのトナー)を収容し、このトナーによって感光体ドラム11上の静電潜像を現像する。一次転写ロール15は、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に一次転写する。ドラムクリーナ16は、一次転写後の感光体ドラム11上の残留物(トナー等)を除去する。
【0014】
中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では5つ)の支持ロールに回転可能に張架支持される。これらの支持ロールのうち、駆動ロール21は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20を駆動して回転させる。また、張架ロール22および25は、中間転写ベルト20を張架するとともに駆動ロール21によって駆動される中間転写ベルト20に従がって回転する。補正ロール23は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20の搬送方向に略直交する方向の蛇行を規制するステアリングロール(軸方向一端部を支点として傾動自在に配設される)として機能する。さらに、バックアップロール24は、中間転写ベルト20を張架するとともに後述する二次転写装置30の構成部材として機能する。
また、中間転写ベルト20を挟んで駆動ロール21と対向する部位には、二次転写後の中間転写ベルト20上の残留物(トナー等)を除去するベルトクリーナ26が配設されている。そして、中間転写ベルト20には、読み取り手段の一例である濃度検出センサ27が対向配置されている。濃度検出センサ27は、黒の画像形成ユニット10Kに隣接して配置されており、中間転写ベルト20上に一次転写された各色のトナー像を読み取って、その濃度を検知する。
【0015】
二次転写装置30は、中間転写ベルト20のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール24とを備えている。このバックアップロール24には、トナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスを印加する給電ロール32が接触して配置されている。一方、二次転写ロール31は接地されている。
【0016】
また、用紙搬送系は、用紙トレイ40、搬送ロール41、レジストレーションロール42、搬送ベルト43、および排出ロール44を備える。用紙搬送系では、用紙トレイ40に積載された用紙Pを搬送ロール41にて搬送した後、レジストレーションロール42で一旦停止させ、その後予め定められたタイミングで二次転写装置30の二次転写位置へと送り込む。また、二次転写後の用紙Pを、搬送ベルト43を介して定着装置50へと搬送し、定着装置50から排出された用紙Pを排出ロール44によって機外へと送り出す。
【0017】
次に、この画像形成装置1の基本的な作像プロセスについて説明する。今、図示外のスタートスイッチがオン操作されると、予め定められた作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置1をプリンタとして構成する場合には、PC(パーソナルコンピュータ)等、外部から入力されるデジタル画像信号をメモリに一時的に蓄積する。そして、メモリに蓄積されている4色(Y色、M色、C色、K色)のデジタル画像信号に基づいて各色のトナー像形成を行う。すなわち、各色のデジタル画像信号に応じて各画像形成ユニット10(具体的には10Y、10M、10C、10K)をそれぞれ駆動する。次に、各画像形成ユニット10では、帯電ロール12により帯電された感光体ドラム11に、露光部13によりデジタル画像信号に応じたレーザ光Bmを照射することで、静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム11に形成された静電潜像を現像器14により現像し、各色のトナー像を形成させる。なお、この画像形成装置1を複写機として構成する場合には、図示しない原稿台にセットされる原稿をスキャナで読み取り、得られた読み取り信号を処理回路によりデジタル画像信号に変換した後、上記と同様にして各色のトナー像の形成を行うようにすればよい。
【0018】
その後、各感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、感光体ドラム11と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で、一次転写ロール15によって中間転写ベルト20の表面に順次一次転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム11上に残存するトナーは、ドラムクリーナ16によってクリーニングされる。
【0019】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト20上で重ね合わされ、中間転写ベルト20の回転に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、用紙Pは予め定められたタイミングで二次転写位置へと搬送され、バックアップロール24に対して二次転写ロール31が用紙Pを挟持する。
【0020】
そして、二次転写位置において、二次転写ロール31とバックアップロール24との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20上に保持されたトナー像が用紙Pに二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト43により定着装置50へと搬送される。定着装置50では、用紙P上のトナー像が加熱・加圧定着され、その後、機外に設けられた排紙トレイ(図示せず)に送り出される。一方、二次転写後に中間転写ベルト20に残存するトナーは、ベルトクリーナ26によってクリーニングされる。
【0021】
図2は、画像形成装置1の制御部70における信号処理系を示すブロック図である。
なお図2では、制御部70における信号処理系のみならず、画像形成装置1の外部装置であるPC(Personal Computer)90およびコントローラ部100についても併せて図示している。なお、この例では、画像形成装置1をプリンタとして構成する例を示している。以下、図2を参照しつつ画像信号の処理の流れについて説明を行なう。
【0022】
コントローラ部100は、印刷データを受け取りページ記述言語(PDL:Page Description Language)に変換するPDL生成部101と、PDL生成部により生成されたPDLからラスタイメージを作成するラスタライズ(rasterize)部102と、RGBデータをYMCKデータに変換する色変換処理部103と、色変換処理部103により変換されたラスタイメージの調整を行なうラスタイメージ調整部104とを備える。
【0023】
本実施の形態では、まずPDL生成部101がPC90から印刷データを受け取る。この画像データは、PC90を使用するユーザが、画像形成装置1により印刷したい画像データである。画像データを受け取ったPDL生成部101は、これをPDLで記述されたコードデータに変換して出力する。
【0024】
ラスタライズ部102は、PDL生成部101から出力されてくるPDLで記述されたコードデータを各画素毎のラスタデータに変換し、ラスタイメージとする。そして、ラスタライズ部102は、変換後のラスタデータをRGB(Red,Green,Blue)のビデオデータ(RGBビデオデータ)として出力する。このとき、ラスタライズ部102は、1ページ毎にRGBデータを出力することになる。
【0025】
色変換処理部103は、ラスタライズ部102から入力されるRGBデータをデバイスインディペンデントな[XYZ]、[L]、[L]等のカラーバリューに変換した後、画像形成装置1の再現色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)であるYMCKデータに変換して出力する。このYMCKデータは、色毎に分離されたY色データ、M色データ、C色データ、K色データで構成される。
【0026】
ラスタイメージ調整部104は、色変換処理部103から入力されるYMCKデータに対し、γ変換、精細度処理、中間調処理等を施すことで、より良好な画質を画像形成装置1で得られるように各種の調整を行なう。
【0027】
制御部70は、コントローラ部100からラスタデータを受け取る受付部71と、受付部71によって受け付けられた画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出部の一例としての規則模様検出部72と、スクリーン処理を行なうスクリーン処理部73とを備える。
【0028】
受付部71は、本実施の形態では画素の集合として展開後(ラスタライズ後)の画像情報を受け付ける受付手段として機能する。即ち上述の通りラスタライズを行なうラスタライズ部102は、外部装置であるコントローラ部100に備えられている。そのため画像形成装置1は、ラスタライズ後の画像情報を受け取り、それを基に印刷を行なう。
つまり本実施のように外部装置であるコントローラ部100によりラスタライズやラスタイメージの調整を行なうことで、例えば、より高度な処理を行なうことができるコントローラ部100を利用することができる。そのためより良好な画像を画像形成装置1で形成することが可能となる。
【0029】
規則模様検出部72において検出する規則模様は、例えば、ROP(Raster Operation)処理を行なうためのROPパターンが該当する。ここでROP処理とは、元の画像に対し規則模様であるROPパターンを重ね合わせる処理であり、これにより例えば、半透明処理を行うことができる。この半透明処理を行った画像を見る者は、元の画像が透けて見えることにより画像が背景に溶け込んだような印象を受ける。
【0030】
図3(a)〜(d)は、ROPパターンの一例を説明した図である。
このうち図3(a)〜(b)は、ROPパターンとして千鳥格子パターンを採用した例である。そして図3(a)は、2dot×2dotの大きさの正方形状のパターンを千鳥状に繰り返したパターンであり、図3(b)は、4dot×4dotの大きさの正方形状のパターンを千鳥状に繰り返したパターンである。
さらに図3(c)〜(d)は、ROPパターンとしてラインラダーパターンを採用した例である。そして図3(c)は、2dotの幅の縦ラインが横方向に繰り返したパターンであり、図3(d)は、2dotの幅の横ラインが縦方向に繰り返したパターンである。
【0031】
ROP処理を行う際は、元の画像に上述したROPパターンを重ね合わせ、例えば、図3(a)〜(d)における灰色地(ON)の部分については、元の画像のデータを残すが、白地(OFF)の部分については、元の画像のデータの代わりに背景のデータとする。これにより半透明処理を行うことができる。
【0032】
本実施の形態において、このように規則模様検出部72を設け、ROPパターン等の規則模様の画像領域を検出するのは、次にスクリーン処理部73で行なうスクリーン処理により生じる画像の乱れを抑制するためである。
【0033】
ここでまず規則模様検出部72を設けず、通常のスクリーン処理を行なった場合の画像について説明を行なう。
図4−1(a)〜(d)、図4−2(a)〜(d)は、図3(a)に挙げたROPパターンとスクリーンパターンとの干渉について説明した例である。
ここで図4−1(a)に挙げたスクリーンパターンは、濃度50%のスクリーンパターンであり、線数212線でスクリーン角度が45度のものである。そしてこのスクリーンパターンと図3(a)に挙げたROPパターンを重ね会わせたときの出力結果を示している。図4−1(a)の場合スクリーンパターンとROPパターンは、双方とも2dot×2dotの大きさの正方形状のパターンとなっており、またその位置関係(以後、この位置関係のことを”位相”と言うことがある。)も一致している。そしてこの場合、出力結果に変化はない。
【0034】
一方、図4−1(b)〜(d)は、使用しているROPパターンおよびスクリーンパターンは図4−1(a)の場合と同様であるが、ROPパターンに対するスクリーンパターンの位相をずらした場合である。このうち図4−1(b)では、ROPパターン対し、図中左側に1dot分スクリーンパターンの位相をずらしている。そして図4−1(c)では、ROPパターンに対し、図中左側に1dot分と図中上側に1dot分スクリーンパターンの位相をずらしている。さらにて図4−1(d)では、ROPパターンに対し、図中左側に2dot分スクリーンパターンの位相をずらしている。
【0035】
図4−1(b)〜(d)において、これらのスクリーンパターンとROPパターンとを重ね合わせた場合、干渉が生じる。そして図示したように出力結果は、図4−1(a)の場合に対して変化し、図4−1(d)の場合に至っては、パターンが消失する出力結果となる。つまり画像情報が消失する。
【0036】
また図4−2(a)〜(d)は、図4−1(a)〜(d)の場合に対しスクリーンパターンを変更した場合の例である。
図4−2(a)〜(d)ののスクリーンパターンは、図4−1(a)〜(d)の場合に対し濃度50%のスクリーンパターンである点は同様である。ただし、図4−2(a)のスクリーンパターンは、線数283線でスクリーン角度が45度のものである。さらに図4−2(b)のスクリーンパターンは、線数169線でスクリーン角度が45度のものであり、図4−2(c)のスクリーンパターンは、線数141線でスクリーン角度が45度のものである。そして図4−2(d)のスクリーンパターンは、線数150線の斜交パターン状のものである。
【0037】
そしてこれらのスクリーンパターンとROPパターンとを重ね合わせた場合、やはり干渉が生じ、図4−2(a)〜(d)に示したように出力結果は、予め定められた不規則な模様の繰り返しとなる。この模様は、画像を見る者には、モアレとして認識される。
【0038】
そこで本実施の形態では、規則模様検出部72において予め定められた方法によりラスタライズ後の画像からROPパターン等の規則模様の画像領域を検出し、そしてスクリーン処理部73において規則模様の画像領域と規則模様の画像領域以外の画像領域とで適用するスクリーンを変更することで上記問題の抑制を図っている。
【0039】
図5は、規則模様検出部72をさらに詳しく説明した図である。
図5に示した規則模様検出部72は、受付部71により受け付けられた画像情報の中から注目画素を選択する注目画素選択部721と、注目画素に対し予め定められた範囲の画素を検知ウインドウとして設定する検知ウインドウ設定部722と、規則模様のパターンを記憶する規則模様パターン記憶部723と、規則模様中の注目画素の位置関係および検知ウインドウ内から選択される複数の画素の画素値の比較結果から注目画素が規則模様を構成する画素であるかを判定する判定部724と、注目画素が規則模様の画像領域であった場合に規則模様であることを意味するタグを設定するタグ設定部725とを備える。
【0040】
注目画素選択部721は、受付部71により受け付けられたラスタライズ後の画像情報の中から一画素を注目画素として選択する。
【0041】
検知ウインドウ設定部722は、注目画素を中心として予め定められた範囲の画素を選択して、これを注目画素が規則模様を構成する画素であるか否かを判定するための検知ウインドウとする。
【0042】
図6(a)〜(d)は、注目画素と検知ウインドウの一例について説明した図である。
図6(a)〜(d)において注目画素は、注目画素Tとして示されている。そして検知ウインドウWは、この注目画素をほぼ中心に位置するように設定されており、その大きさは、縦9dot×横39dotの長方形状である。
【0043】
図6(a)〜(d)では、注目画素の規則模様中での4通りの位置関係を示している。ここで示した規則模様は、図3(a)で示した2dot×2dotの大きさの正方形状のROPパターンを千鳥状に繰り返したパターンである。そして、注目画素TがこのROPパターン中に含まれる場合、図6(a)〜(d)の何れか1つの位置関係を採る。即ち、図6(a)に示したように注目画素Tが、1つのROPパターンの図中左上に位置する場合と、図中右上に位置する場合(図6(b)の場合)と、図中左下に位置する場合(図6(c)の場合)と、図中右下に位置する場合(図6(d)の場合)の4通りの中の何れか1つを採る。
【0044】
判定部724は、まず検知ウインドウWの中に含まれる画素から2つの画素を選択する。本実施の形態では、この二画素として隣り合う画素を選択する。例えば、図6(a)の検知ウインドウの図中最上段の最も左の画素とこの画素の右側で隣り合う画素を選択する(図中画素H1および画素H2として表示)。この画素H1および画素H2は、下記の(1)〜(3)の何れかの関係を有する。
【0045】
(1)ROPパターンを構成する画素同士である場合
(2)一方がROPパターン構成する画素であり他方がROPパターンを構成しない画素である場合
(3)ROPパターンを構成しない画素同士である場合
【0046】
そして(1)〜(3)の何れの関係になるかは、注目画素TのROPパターンに占める位置により異なる。例えば、図6(a)のように注目画素Tが、1つのROPパターンの図中左上に位置する場合は、画素H1と画素H2は、(2)の場合となる。同様にして図6(b)〜(d)の場合は、それぞれ順に(3)、(2)、(3)の場合となる。
【0047】
判定部724では、注目画素Tの図6(a)〜(d)に示した4通りの位置関係毎に画素H1および画素H2が上記(1)〜(3)の何れかに該当するか否かを判断し、それぞれについて予め定められた判定式を満たすか否かを判定する。この判定式は、例えば、以下の(I)〜(III)のようなものである。
【0048】
画素H1および画素H2が、(1)に該当する場合
(I)画素H1および画素H2のそれぞれの画素値の差が予め定められた値以内であり、かつそれぞれの画素値の値が予め定められた値以上である。
画素H1および画素H2が、(2)に該当する場合
(II)画素H1および画素H2のそれぞれの画素値の差が予め定められた値以上である。
画素H1および画素H2が、(3)に該当する場合
(III)画素H1および画素H2のそれぞれの画素値の差が予め定められた値以内であり、かつそれぞれの画素値の値が予め定められた値以内である。
【0049】
判定部724では、注目画素Tの位置関係毎に画素H1および画素H2が上記(1)〜(3)の何れになるかを判断し、これに対応した判定式(I)〜(III)の何れか1つを適用する。そして原則として検知ウインドウW内の全ての隣り合う二画素についてこの判定式による判定を行なう。そして予め定められた数(閾値)以上の判定式が満たされた場合は、注目画素Tは、ROPパターンの画像領域を構成する画素であると判定する。
また注目画素Tとしては、原則としてラスタライズ後の画像情報に含まれる全ての画素が順に選択される。よって原則として全ての画素毎にROPパターンの画像領域を構成する画素であるか否かが判定される。
【0050】
そしてタグ設定部725では、注目画素Tが、規則模様の画像領域であった場合、規則模様であることを意味するタグを設定し、画素毎にタグが付いた画像情報をスクリーン処理部73に送る。
【0051】
図7は、規則模様検出部72が規則模様の画像領域を検出する手順を説明したフローチャートである。
以後図5および図7を使用して規則模様検出部72が規則模様の画像領域を検出する手順について更に説明を行なう。
【0052】
まず受付部71が、コントローラ部100からラスタライズ後の画像情報を受け付ける(ステップ101)。
次に注目画素選択部721が、画像情報の中から一画素を注目画素Tとして選択する(ステップ102)。
そして検知ウインドウ設定部722が、注目画素に対し予め定められた範囲の画素を検知ウインドウWとして設定する(ステップ103)。
【0053】
次に注目画素Tが、ROPパターンを構成する画素であるか否かが判定部724により判定される。本実施の形態では、ROPパターンとして図3(a)〜(d)のパターンを判定する。
まず判定部724は、注目画素Tが図3(a)のROPパターン(図7では「2×2千鳥ROPパターン」として図示)を構成する画素であるか否かを判定する(ステップ104)。
【0054】
図8は、注目画素Tが、図3(a)のROPパターンを構成する画素であるか否かを、判定部724が判定する手順を説明したフローチャートである。
まず判定部724は、図3(a)のROPパターン(図8では「2×2千鳥ROPパターン」として図示)を規則模様パターン記憶部723から取得する(ステップ104_1)。
次に判定部724は、検知ウインドウWの中に含まれる画素から隣り合う二画素を画素H1および画素H2として選択する(ステップ104_2)。
【0055】
そして判定部724は、注目画素TのROPパターン上での位置関係として、図6(a)のように1つのROPパターンの図中左上に位置すると仮定した場合に、画素H1および画素H2が、上述した(1)〜(3)の何れかに該当するかにより(I)〜(III)の何れかの判定式を選択する(ステップ104_3)。そして選択した判定式を満たすか否か判定する(ステップ104_4)。
【0056】
そして判定部724は、検知ウインドウWの中に含まれる画素から選択していない二画素があるか否かを判断し(ステップ104_5)、ある場合(ステップ104_5でYes)は、ステップ104_2に戻り、他の二画素について判定を行なう。
【0057】
そして判定すべき二画素が残っていない場合(ステップ104_5でNo)は、判定部724は、予め定められた数(閾値)以上の判定式が満たされたか否かを判定する(ステップ104_6)。そして満たされた場合(ステップ104_6でYes)は、注目画素Tは、ROPパターンの画像領域を構成する画素であると判定し、後述するステップ108に移行する。
【0058】
また予め定められた数以上の判定式が満たされなかった場合(ステップ104_6でNo)は、注目画素TのROPパターン中の全ての位置関係について調べたか否かを判定する(ステップ104_7)。そしてまだ調べる位置関係が残っている場合(ステップ104_7でNo)は、注目画素Tの位置関係を変更する(ステップ104_8)。本実施の形態の場合は、仮定する注目画素Tの位置関係を、図6(b)〜(d)の場合に順次変更していく。そして変更後は、ステップ104_2に戻り、新たな位置関係における注目画素TがROPパターンの画像領域を構成する画素であるか否かを判定する。
【0059】
そして注目画素Tの位置関係と調べる場合が残っていない場合(ステップ104_7でYes)は、注目画素Tは、図3(a)のROPパターンを構成する画素ではないと判断し、次のROPパターンについて判定を行なう。
本実施の形態において、判定部724は、次に注目画素Tが図3(b)のROPパターン(図7では「4×4千鳥ROPパターン」として図示)を構成する画素であるか否かを判定する(ステップ105)。この手順については、上述した図8の手順とほぼ同様である。つまり判定部724は、ROPパターン中の注目画素Tの位置関係および検知ウインドウ内に含まれる画素中から選択される二画素の画素値の比較結果から注目画素TがROPパターンを構成する画素であるかを判定する。
【0060】
また注目画素Tが図3(b)のROPパターンを構成する画素でなかった場合は、図3(c)のROPパターン(図7では「2Line Ladder(縦)ROPパターン」として図示)を構成する画素であるか否かを判定し(ステップ106)、さらにこの場合にも該当しなかった場合は、図3(d)のROPパターン(図7では「2Line Ladder(横)ROPパターン」として図示)を構成する画素であるか否かを判定する(ステップ107)。この処理によりROPパターンを構成する画素でなかった場合は、この注目画素Tは、ROPパターンを構成する画素ではないと判定できる。
【0061】
なお注目画素Tが図3(a)〜(d)の何れかのROPパターンを構成する画素であると判定された場合は、タグ設定部725により、規則模様であることを意味するタグを設定する(ステップ108)。
【0062】
そしてステップ107およびステップ108終了後は、画像情報中に注目画素として選択していない画素があるか否かを判定する(ステップ109)。そして選択する画素がある場合(ステップ109でYes)は、ステップ102に戻り、注目画素Tの変更を行ない、変更後の注目画素Tについてさらに判定を行なう。一方、選択する画素がない場合(ステップ109でNo)は、規則模様検出部72における処理は終了する。
【0063】
以上のようにして本実施の形態では、受け付けた画像情報の画素毎にROPパターン等の規則模様を構成する画素であるか否かが判定できる。よって周波数解析等により画像情報を解析するような手法に比べ、高い精度による判定が可能である。また本実施の形態の判定方法の方が、処理が少なくなりやすく、処理に要する負担がより軽くなる。
更に本実施の形態では、PDLの段階での判定は必要なく、ラスタライズ後の画像情報に対し判定が可能である。そのためコントローラ部100の機能を画像形成装置1内に設ける必要はなく、外部装置として別途コントローラ部100を設定することができる。なお本実施の形態では、このようにコントローラ部100を外部装置として使用していたが、画像形成装置1内にコントローラ部100を設けることを妨げるものではない。
【0064】
図2および図5に戻り、タグ設定部725により規則模様であることを意味するタグが設定された画像情報は、次にスクリーン処理部73に送られる。
スクリーン処理部73は、検出部により検出された規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い、当該規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行う。
【0065】
つまり規則模様であることを意味するタグが設定されていない画素については、第1のスクリーンとしての通常のスクリーンによるスクリーン処理を行なう。ここで使用されるスクリーンとしては、例えば、図3(a)に挙げた線数212線でスクリーン角度が45度のものである。
一方、規則模様であることを意味するタグが設定されている画素については、第2のスクリーンによるスクリーン処理を行なう。ここで使用されるスクリーンとしては、例えば、第1のスクリーンよりも高線数(例えば、線数600線)のスクリーンである。また例えば、FM(Frequency Modulation)スクリーンを使用してもよい。これによりROPパターンとスクリーン処理に使用するスクリーンのパターンの干渉が抑制でき、画像情報の消失やモアレが生じる現象を抑制することができる。
【0066】
ここで図2〜図8で説明を行った本実施の形態における制御部70が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、画像形成装置1に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、画像形成装置1内の制御部70の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
【0067】
よって図2〜図8で説明を行った制御部70が行なう処理は、コンピュータに、ラスタライズ後の画像情報を受け付ける受付機能と、画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出機能と、規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い、規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理機能と、を実現し、検出機能では、画像情報の中から注目画素Tおよび注目画素Tに対し予め定められた範囲の画素を選択し、規則模様中の注目画素Tの位置関係および予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素(画素H1,H2)の画素値の比較結果から注目画素Tが規則模様を構成する画素であるかを判定することを特徴とするプログラムとして捉えることもできる。
【0068】
なお以上詳述した例では、ROPパターンとして、図3(a)〜(d)に示すように灰色地の部分と白地の部分が1:1のもの、即ち透過率50%のものを使用していたが、これに限られるものではない。
【0069】
図9(a)〜(i)は、種々の透過率を有するROPパターンについて説明した図である。
図9(a)〜(i)に示したROPパターンは、図9(a)のROPパターン(透過率10%)から図9(i)(透過率90%)まで透過率を10%毎に変化させたものである。このようなROPパターンを用いた場合でも、本実施の形態では、検知が可能である。つまり規則模様検出部72(図2参照)中の規則模様パターン記憶部723(図5参照)にこのようなROPパターンを記憶させておき、これに基づいて判定部724(図5参照)で、判定を行なえばよい。このように本実施の形態のROPパターン等の規則模様を検知する手法では、従来の周波数解析等により画像情報を解析するような手法では検知が困難であった種々のパターンの規則模様に対しても容易に対応することができる。
【0070】
また他にもROPパターンがグラデーションになっている場合でも対応が可能である。これは、ある方向に対してROPパターンの透過率が連続的に変化する場合である。上述したように判定部724では、予め定められた数(閾値)以上の判定式が満たされた場合に、注目画素Tは、ROPパターンの画像領域を構成する画素であると判定している。この場合、この閾値を変更することで、ROPパターンがグラデーションになっていても判定可能となる。
【0071】
また上述した例では、規則模様検出部72の判定部724において、検知ウインドウ内に含まれる画素中から隣り合う二画素を選択し、これらの画素値を比較していたがこれに限られるものではない。例えば、隣り合う画素ではなく、離れていてもよい。さらに選択される画素数は三画素以上でもよい。なおこの場合は、三画素以上の画素値を比較するための判定式を別途用意する必要がある。
さらに本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1について説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、インクジェット方式の画像形成装置についても適用できる。
また本実施の形態では、4色のトナーによりカラー画像を形成する画像形成装置1について説明を行ったが、これに限られるものではなく、単色(例えば黒)の画像を形成する画像形成装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0072】
1…画像形成装置、10…画像形成ユニット、70…制御部、71…受付部、72…規則模様検出部、73…スクリーン処理部、721…注目画素選択部、722…検知ウインドウ設定部、723…規則模様パターン記憶部、724…判定部、725…タグ設定部、100…コントローラ部、P…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素の集合として展開後の画像情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出部と、
前記検出部により検出された規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い、当該規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理部と、
を備え、
前記検出部は、前記画像情報の中から注目画素および当該注目画素に対し予め定められた範囲の画素を選択し、前記規則模様中の当該注目画素の位置関係および当該予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素の画素値の比較結果から当該注目画素が規則模様を構成する画素であるか否かを判定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記検出部は、選択される複数の画素として二画素を選択し、
前記規則模様中の前記注目画素の位置関係から、選択された前記二画素が前記規則模様を構成する画素同士である場合か、一方が当該規則模様を構成する画素であり他方が当該規則模様を構成しない画素である場合か、当該規則模様を構成しない画素同士である場合か、に分けて選択された当該二画素の画素値を比較することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、選択される複数の画素として隣り合う画素を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記規則模様の画像領域は、被処理画像中において当該規則模様により半透明処理が行なわれた画像領域であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画素の集合として展開後の画像情報を受け付ける受付手段と、当該受付手段によって受け付けられた画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出部と当該検出部により検出された規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い当該規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理部と、を備える画像処理手段と、
前記画像処理手段により処理された画像情報に基づきトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録材に転写する転写手段と、
記録材にトナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記画像処理手段の前記検出部は、前記画像情報の中から注目画素および当該注目画素に対し予め定められた範囲の画素を選択し、前記規則模様中の当該注目画素の位置関係および当該予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素の画素値の比較結果から当該注目画素が規則模様を構成する画素であるかを判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータに、
画素の集合として展開後の画像情報を受け付ける受付機能と、
前記画像情報から予め定められた規則による繰り返し模様である規則模様の画像領域を検出する検出機能と、
検出された規則模様の画像領域以外の画像領域に対しては第1のスクリーンによるスクリーン処理を行い、当該規則模様の画像領域に対しては第2のスクリーンによるスクリーン処理を行うスクリーン処理機能と、
を実現し、
前記検出機能では、前記画像情報の中から注目画素および当該注目画素に対し予め定められた範囲の画素を選択し、前記規則模様中の当該注目画素の位置関係および当該予め定められた範囲の画素中から選択される複数の画素の画素値の比較結果から当該注目画素が規則模様を構成する画素であるかを判定することを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−48371(P2013−48371A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186237(P2011−186237)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】