説明

画像処理装置、画像表示装置および画像処理方法

【課題】 画像処理による不自然な画質変動を抑えることが可能な画像処理装置、画像表示装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】 輝度分布検出回路21が、YUV信号(Yin,Uin,Vin)のヒストグラム分布による輝度分布を検出する。ゲイン算出回路22およびゲインリミッタ231が、輝度分布データHout1に基づいて、ゲイン変化量ΔGinを検出する。ゲインリミッタ231が、このゲイン変化量ΔGinを所定のゲイン変化閾値GLim以下に制限する。ゲインリミッタ231が遅延回路232と協働して、ゲイン変化閾値GLimを越えた分のゲイン変化量(ΔGin−GLim)を次の画像フレームへ持ち越し、ゲイン変化量ΔGinの調整を行う。γ補正回路31が、ゲイン変化量調整後のゲイン変化量ΔGinに基づいて、YUV信号(Yin,Uin,Vin)に対する画像処理(コントラスト調整)を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像信号に画質補正処理を施す機能を備えた画像処理装置、画像表示装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、テレビジョン受像機、VTR(Video Tape Recorder)、デジタルカメラ、テレビジョンカメラあるいはプリンタ等の機器は、入力画像に画質補正を施してから出力する画像処理機能(例えば明暗やコントラストの調整、輪郭補正などの機能)を有している。こうした機能は、主に全体に暗くコントラストが低い画像や、細部がぼやけた画像に対して効果的に適用される。
【0003】
これらの機能のうち、コントラスト調整は、通常、いわゆるガンマ特性を表すガンマ曲線を補正することによって行われる。ここでは、このガンマ曲線を補正する際に各輝度レベルごとに設定される補正量の度合いを、ゲイン(利得)と呼ぶこととする。
【0004】
例えば、特許文献1〜3には、入力画像の輝度分布をヒストグラム分布として検出し、このヒストグラム分布に基づいて、入力画像に対してコントラスト調整などの画像処理を施すようにした画像処理技術が開示されている。これらの技術によれば、度数値の大きい輝度レベルに対して特にゲインを大きく設定することで、全体としてコントラストをより効果的に向上させることが可能である。
【0005】
【特許文献1】特開2002−366121号公報
【特許文献2】特開2004−40808号公報
【特許文献3】特開2004−282377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、これら特許文献1〜3の技術では、例えば図14に示したように、ヒストグラム分布による輝度分布120Aが特定の輝度レベルに集中している場合において、その集中している輝度レベルが図中の矢印P101,P102のようにDC変動すると、たとえこれがわずかなDC変動であったとしても、コントラスト調整などの画像処理結果に大きな変動が生じてしまうことがある。つまり、そのDC変動が分割された輝度レベル間をまたぐような変動である場合には、このヒストグラム分布に基づいて画像処理を施すと、例えば図15に示したコントラスト調整の場合のように、画像処理前のガンマ曲線γ101と画像処理後のガンマ曲線γ102とでは、大きな画像変動(図中の矢印P103,P104参照)をもたらすことになるのである。このような大きな画像変動は、表示画質に違和感を与え、不自然な画像が表示されることになる。このような問題は、輝度レベルの分割数が少ない場合に、特に顕著となる。
【0007】
このように、従来の技術では、ヒストグラム分布による輝度分布が特定の輝度レベルに集中しているような場合には、画像処理によって不自然な画質変動が生じてしまうという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、画像処理による不自然な画質変動を抑えることが可能な画像処理装置、画像表示装置および画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理装置は、入力画像データについて各画像フレーム単位での輝度ヒストグラムを取得する取得手段と、得られた輝度ヒストグラムに基づいて、画像処理の度合いを示す利得の、画像フレーム間での変化量を検出する利得変化量検出手段と、ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合に、その利得変化量を利得変化閾値に制限すると共に、この利得変化閾値を越えた分を次の画像フレームの利得変化量へと持ち越すように調整する調整手段と、調整された利得変化量に基づいて、入力画像データに対する画像処理を行う画像処理手段とを備えたものである。なお、「画像フレーム」とは、1画面を構成する画像データを意味する。また、「持ち越す」とは、次の画像フレームの利得変化量に上乗せすることを意味し、例えば次の画像フレームで検出された利得変化量が存在する場合には、その利得変化量に上乗せすることを意味する。
【0010】
この場合において、上記入力画像データに関する画像フレーム内平均輝度の、画像フレーム間での変化量を検出する平均輝度変化量検出手段をさらに備え、上記調整手段が、この平均輝度変化量検出手段により得られた平均輝度変化量に基づいて、利得変化閾値を変化させるようにするのが好ましい。
【0011】
本発明の画像表示装置は、入力画像データについて画像フレーム単位での輝度ヒストグラムを取得する取得手段と、得られた輝度ヒストグラムに基づいて、画像処理の度合いを示す利得の、画像フレーム間での変化量を検出する利得変化量検出手段と、ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合に、その利得変化量を利得変化閾値に制限すると共に、この利得変化閾値を越えた分を次の画像フレームの利得変化量へと持ち越すように調整する調整手段と、調整された利得変化量に基づいて、入力画像データに対する画像処理を行い、画像処理データを生成する画像処理手段と、生成された画像処理データに基づく画像表示を行う表示手段とを備えたものである。
【0012】
本発明の画像処理方法は、入力画像データについて画像フレーム単位での輝度ヒストグラムを取得し、得られた輝度ヒストグラムに基づいて、画像処理の度合いを示す利得の、画像フレーム間での変化量を検出し、ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合に、その利得変化量を利得変化閾値に制限すると共に、この利得変化閾値を越えた分を次の画像フレームの利得変化量へと持ち越すように調整し、調整された利得変化量に基づいて、入力画像データに対する画像処理を行うようにしたものである。
【0013】
本発明の画像処理装置、画像表示装置および画像処理方法では、入力画像データの各画像フレーム単位での輝度ヒストグラムが取得され、得られた輝度ヒストグラムに基づいて、利得の画像フレーム間での変化量が検出される。また、ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合には、その利得変化量が利得変化閾値に制限されると共に、この利得変化閾値を越えた分が次の画像フレームの利得変化量へと持ち越され、これにより利得変化量の調整がなされる。そして調整された利得変化量に基づいて、入力画像データに対する画像処理が行われる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像処理装置、画像表示装置または画像処理方法によれば、入力画像データの画像フレーム単位での輝度ヒストグラムを取得すると共に得られた輝度ヒストグラムに基づいて利得の画像フレーム間での変化量を検出し、ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合にはその利得変化量を利得変化閾値に制限すると共にこの利得変化閾値を越えた分を次の画像フレームの利得変化量へと持ち越すようにして利得変化量の調整を行い、調整された利得変化量に基づいて入力画像データに対する画像処理を行うようにしたので、画像処理による不自然な画質変動を抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を表すものである。この画像表示装置は、チューナ11、Y/C分離回路12、クロマデコーダ13、スイッチ14、遅延回路15、ゲイン生成部2および画像処理部3からなる画像処理機能部と、マトリクス回路41、ドライバ42およびディスプレイ5からなる画像表示機能部とを備えている。なお、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法は、本実施の形態に係る画像表示装置によって具現化されるので、以下、併せて説明する。
【0017】
この画像表示装置へ入力される画像信号は、TV(TeleVision)からのテレビ信号のほか、VCR(Video Cassette Recorder)やDVD(Digital Versatile Disc)等の出力であってよい。このように複数種の媒体から画像情報を取り込み、各自について画面表示を行うことは、近年のテレビジョンやパーソナルコンピュータ(PC)においては一般的になってきている。
【0018】
チューナ11は、TVからのテレビ信号を受信すると共に復調し、コンポジット信号(CVBS;Composite Video Burst Signal)として出力するものである。
【0019】
Y/C分離回路12は、チューナ11からのコンポジット信号、またはVCRやDVD1からのコンポジット信号をそれぞれ、輝度信号Y1と色信号C1とに分離して出力するものである。
【0020】
クロマデコーダ13は、Y/C分離回路12によって分離された輝度信号Y1および色信号C1を、輝度信号Y1および色差信号U1,V1からなるYUV信号(Y1,U1,V1)として出力するものである。
【0021】
なお、このYUV信号は、2次元ディジタル画像の画像データであり、画像上の位置に対応する画素値の集合である。そのうち、輝度信号Yは輝度レベルを表現し、白100%である白レベルと、黒100%である黒レベルとの間の振幅値をとるようになっている。また、画像信号の白100%は、IRE(Institute of Radio Engineers)という画像信号の相対的な比を表す単位において、100(IRE)と定められている。日本のNTSC(National Television Standards Committee)信号の規格では、白レベルが100IRE,黒レベルが0IREである。一方、色差信号U,Vはそれぞれ、青(B;Blue)から輝度信号Yを引いた信号B−Y、赤(R;Red)から輝度信号Yを引いた信号R−Yに対応しており、これらU信号,V信号を輝度信号Yと組み合わせることによって、色(色相,彩度,輝度)が表現されるようになっている。
【0022】
スイッチ14は、複数種の媒体からのYUV信号(ここではYUV信号(Y1,U1,V1)、およびDVD2からのYUV信号(Y2,U2,V2))を切り換えることにより、選択した信号をYUV信号(Yin,Uin,Vin)として出力するものである。
【0023】
ゲイン生成部2は、後述する画像処理部3内のγ補正回路31へ出力するゲインデータGoutを生成するものであり、輝度分布検出回路21と、ゲイン算出回路22と、ゲイン変化量調整部23とを有している。
【0024】
輝度分布検出回路21は、スイッチ14から出力されるYUV信号(Yin,Uin,Vin)のうちの輝度信号Yinに基づいて、ヒストグラム分布からなる輝度分布を検出するものである。
【0025】
図2は、輝度分布検出回路21によって検出される輝度分布の一例(輝度分布20A)を表したものであり、縦軸がヒストグラム分布の度数を、横軸が輝度レベルを表している。また、この輝度分布20Aの例では、輝度レベルが8段階(8階調)から構成されている。なお、検出された輝度分布を示す輝度分布分布データHout1は、ゲイン算出回路22へ出力される。また、生成される輝度分布データHout1は、例えば、画像表示する際の1フレーム分のデータや、1フィールド分のデータである画像フレームのデータ(1画面を構成する画像データ)から構成される。
【0026】
ゲイン算出回路22は、輝度分布検出回路21から出力される輝度分布データHout1に基づいて、γ補正回路31におけるコントラスト調整の度合いを示すゲイン(利得)データGinを算出するものである。このゲインデータGinの算出方法としては、具体的には、輝度分布データHout1を参照して、度数値の大きい輝度レベルに対しては、度数値の小さい輝度レベルよりも、ゲインデータGinが大きくなるように設定する。このように設定すれば、後述するように、全体としてコントラストがより効果的に向上するからである。なお、このようにして算出されたゲインデータGinは、ゲイン変化量調整部23へ出力される。
【0027】
図3は、ゲイン生成部2における、ゲイン変化量調整部23の詳細構成を表すものである。このように、ゲイン変化量調整部23は、ゲインリミッタ231と、遅延回路232とから構成されている。
【0028】
ゲインリミッタ231は、ゲイン算出回路22によって算出されたゲインデータGinに基づいて、このゲインデータGinの画像フレーム間での変化量であるゲイン変化量(利得変化量)ΔGinを検出すると共に、このゲイン変化量ΔGinを所定の閾値(ゲイン変化閾値GLim)に制限する回路である。また、遅延回路232は、画像フレーム当たりの時間(単位時間Δt)だけデータを遅延させることにより、ゲインリミッタ231と共に、ゲイン変化量ΔGinがこのゲイン変化閾値GLimを越える場合に、ゲイン変化閾値GLimを越えた分のゲイン変化量(ΔGin−GLim)を次の画像フレームへ持ち越し、ゲイン変化量ΔGinの調整を行うものである。
【0029】
具体的には、例えば図4(A)のタイミング図に示したように、ゲインリミッタ231へ入力されるゲインデータGinが、タイミングt1において0からGin1へと急激に増加し、その後もGin1を保つようになっている場合、ゲインリミッタ231によって検出されるゲイン変化量ΔGinの時間変化は、図4(B)のようになる。なお、これらの図において、タイミングt0,t1,t2,…間の時間Δtが、上記した画像フレーム当たりの時間(単位時間Δt)に相当する。ここで、ゲイン変化閾値GLimが図4(B)に示したように設定されている場合、ゲインリミッタ231は、ゲイン変化量ΔGinの値Gin1を、このゲイン変化閾値GLimに制限する。そしてゲインリミッタ231および遅延回路232は、図4(C)に示したように、タイミングt1〜t2においてゲイン変化閾値GLimを越えた分のゲイン変化量(Gin1−GLim)を、図中の矢印P1で示したように、次の単位時間Δtであるタイミングt2〜t3へ持ち越すようにする。また、このタイミングt2〜t3においても、持ち越されたゲイン変化量(Gin1−GLim)がゲイン変化閾値GLimを越えてしまうことから、ゲインリミッタ231をゲイン変化閾値GLimに再び制限すると共に、ゲインリミッタ231および遅延回路232が、ゲイン変化閾値GLimを越えた分のゲイン変化量(Gin1−2×GLim)を、図中の矢印P2で示したように、さらに次の単位時間Δtであるタイミングt3〜t4へ持ち越すようにする。このようにして、ゲイン変化量ΔGinがゲイン変化閾値GLim以下に制限され、図5の矢印P3,P4に示したように、もとのゲインデータGinに対してゲイン変化量調整がなされたゲインデータGoutが、ゲインリミッタ231から画像処理部3内のγ補正回路31へ出力される。
【0030】
なお、例えば図6(A)に示したように、ゲインデータGinが、タイミングt0においてGin1から0へと急激に減少し、その後も0を保つような場合でも、上記と同様のゲイン変化量調整動作がなされ、図6(B)の矢印P5,P6に示したように、もとのゲインデータGinに対してゲイン変化量調整がなされたゲインデータGoutが、ゲインリミッタ231から出力されるようになっている。
【0031】
図1の説明に戻り、遅延回路15は、スイッチ14から出力される色差信号Uin,Vinに対して遅延をかけ、ゲイン生成部2から出力されるゲインデータGoutとの間で同期をとって、画像処理部3へ出力するものである。
【0032】
画像処理部3は、ゲイン生成部2から出力される、ゲイン変化量調整がなされたゲインデータGoutを利用して、スイッチ14から出力されて遅延回路15を介したYUV信号(Yin,Uin,Vin)に対して所定の画像処理を施すものであり、本実施の形態の画像表示装置では、このYUV信号(Yin,Uin,Vin)に対してコントラスト改善処理を施すγ補正回路31により構成されている。
【0033】
このγ補正回路31は、上記のように、ゲインデータGoutを利用して、YUV信号(Yin,Uin,Vin)に対してコントラスト改善処理を施すものである。具体的には、例えば図7の入力輝度レベル−出力輝度レベル特性に示したように、もとのγカーブ曲線γ1に対して、各輝度レベルごとにゲインデータGout(例えば、図中のゲインデータGout1,Gout2)で表される度合いで、明暗調整を行う。このように明暗調整を行えば、例えばγカーブ曲線γ1をγカーブ曲線γ2のように補正することができ、度数値の大きい輝度レベル付近(図2および図7に示したように、中間の輝度レベル付近)で、特にコントラストを向上させることができる。よって、画像処理後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)全体として、コントラストをより効果的に向上させることができる。なお、このようにして画像処理(コントラスト調整)後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)は、マトリクス回路41へ出力される。
【0034】
マトリクス回路41は、画像処理部3によって画像処理後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)をRGB信号に再生すると共に、再生されたRGB信号(Rout,Gout,Bout)をドライバ42へ出力するものである。
【0035】
ドライバ42は、マトリクス回路41から出力されるRGB信号(Rout,Gout,Bout)に基づいてディスプレイ5に対する駆動信号を生成し、この駆動信号をディスプレイ5へ出力するものである。
【0036】
ディスプレイ5は、ドライバ42から出力される駆動信号に応じて、画像処理部3によって画像処理後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)に基づく画像表示を行うものである。このディスプレイ5は、どのような種類のディスプレイデバイスであってもよく、例えばCRT(Cathode-Ray Tube)51や、LCD(Liquid Crystal Display)52、図示しないPDP(Plasma Display Panel)等が用いられる。
【0037】
ここで、YUV信号(Yin,Uin,Vin)は本発明における「入力画像データ」の一具体例に対応し、YUV信号(Yout,Uout,Vout)は本発明における「画像処理データ」の一具体例に対応する。また、また、輝度分布検出回路21は本発明における「取得手段」の一具体例に対応し、ゲインリミッタ231は本発明における「利得変化量検出手段」の一具体例に対応し、このゲインリミッタ231および遅延回路232は本発明における「調整手段」の一具体例に対応する。また、γ補正回路31は、本発明における「画像処理手段」の一具体例に対応する。
【0038】
次に、図1〜図7を参照して、本実施の形態の画像表示装置の動作について説明する。
【0039】
まず、この画像表示装置へ入力される画像信号が、YUV信号に復調される。具体的には、TVからのテレビ信号は、チューナ11で復調されてコンポジット信号となり、VCRやDVD1からは、コンポジット信号が直接、画像表示装置へ入力される。そしてこれらコンポジット信号は、Y/C分離回路12において、輝度信号Y1と色信号C1とに分離され、クロマデコーダ13において、YUV信号(Y1,U1,V1)にデコードされる。一方、DVD2からは、YUV信号(Y2,U2,V2)が直接、画像表示装置へ入力される。
【0040】
次いで、スイッチ14において、これらYUV信号(Y1,U1,V1)とYUV信号(Y2,U2,V2)とのうち、一方のYUV信号が選択され、YUV信号(Yin,Uin,Vin)として出力される。そして、このYUV信号(Yin,Uin,Vin)のうち、輝度信号Yinは、ゲイン生成部2および画像処理部3内のγ補正回路31へ出力される一方、色差信号Uin,Vinは、それぞれ遅延回路15へ出力される。
【0041】
ここで、ゲイン生成部2では、入力される輝度信号Yinに基づいて、以下のようなゲインデータGoutの生成動作がなされる。
【0042】
具体的には、まず輝度分布検出回路21では、スイッチ14から出力されるYUV信号(Yin,Uin,Vin)のうちの輝度信号Yinに基づいて、例えば図2に示したような、ヒストグラム分布からなる輝度分布が検出され、輝度分布データHout1として出力される。次いで、ゲイン算出回路22では、この輝度分布データHout1に基づいて、ゲインデータGinが算出される。そしてゲイン変化量調整部23では、ゲインリミッタ231において、ゲインデータGinからゲイン変化量ΔGinが検出されると共に、このゲイン変化量ΔGinがゲイン変化閾値GLim以下に制限される。また、ゲイン変化量ΔGinがゲイン変化閾値GLimを越える場合には、ゲインリミッタ231および遅延回路232によって、ゲイン変化閾値GLimを越えた分のゲイン変化量(ΔGin−GLim)が、次の画像フレームへ持ち越される。このようにして、ゲイン変化量の調整がなされた後のゲインデータGoutが生成され、ゲイン生成部2から画像処理部3へ出力される。
【0043】
一方、遅延回路15では、色差信号Uin,Vinに対して遅延がかけられ、その結果、ゲイン生成部2から出力されるゲインデータGoutとの間で、同期がとられる。
【0044】
次いで、画像処理部3のγ補正回路31では、スイッチ14から出力された輝度信号Yinと、スイッチ14から出力されて遅延回路15を介した色差信号Uin,Vinとに基づいて、ゲイン生成部2から供給されるゲインデータGoutを利用することにより、これらYUV信号(Yin,Uin,Vin)に対して、コントラスト改善処理が施される。具体的には、ゲインデータGoutで表される度合いで、各輝度レベルごとに明暗調整がなされる。
【0045】
ここで、このゲイン生成部2から供給されるゲインデータGoutは、上記のように、ゲイン変化量調整がなされた後のものである。したがって、特定の輝度レベルに分布集中した輝度分布におけるDC変動により、例えば図4(A),図6(A)に示したゲインデータGinのように、ある輝度レベルのゲインGinが急に変化(増加または減少)する(ゲイン変化量ΔGinが大きい)場合であっても、単位時間Δtでのゲイン変化量ΔGinがゲイン変化閾値GLim以下に制限されていることから、コントラスト調整後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)におけるコントラスト調整前のYUV信号(Yin,Uin,Vin)に対する変動が、ゲイン変化量調整がなされる前のゲインデータGinを用いた場合と比べて、低減される。
【0046】
次いで、マトリクス回路41では、コントラスト処理後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)がRGB信号(Rout,Gout,Bout)に再生され、ドライバ42では、このRGB信号(Rout,Gout,Bout)に基づいて駆動信号が生成され、この駆動信号に基づいて、ディスプレイ5に、画像が表示される。
【0047】
以上のように、本実施の形態では、ゲイン生成部2内の輝度分布検出回路21が、スイッチ14から出力されるYUV信号(Yin,Uin,Vin)のヒストグラム分布による輝度分布を検出し、ゲイン算出回路22およびゲイン変化量調整回路23内のゲインリミッタ231が、輝度分布データHout1に基づいてゲイン変化量ΔGinを検出し、ゲインリミッタ231が、このゲイン変化量ΔGinを所定のゲイン変化閾値GLim以下に制限すると共に、遅延回路232と協働してゲイン変化閾値GLimを越えた分のゲイン変化量(ΔGin−GLim)を次の画像フレームへ持ち越すことでゲイン変化量ΔGinの調整を行い、画像処理部3内のγ補正回路31が、ゲイン変化量調整後のゲイン変化量ΔGinに基づいて、YUV信号(Yin,Uin,Vin)に対する画像処理(コントラスト調整)を行うようにしたので、輝度分布の態様によらず、画像処理による不自然な画質変動を抑えることが可能となる。
【0048】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の画像表示装置は、第1の実施の形態の画像表示装置におけるゲイン生成部2において、APL(Average Peak Level;平均輝度)検出回路24をさらに設けると共に、ゲイン変化量調整部23において、ΔAPL算出回路233および遅延回路234をさらに設けるようにしたものである。
【0049】
図8は、本実施の形態に係るゲイン生成部2の構成を表すものである。本実施の形態のゲイン生成部2は、輝度分布検出回路21と、ゲイン算出回路22と、ゲイン変化量調整部23と、APL検出回路24とから構成されている。また、ゲイン変化量調整部23は、ゲインリミッタ231と、遅延回路232と、ΔAPL算出回路233と、遅延回路234とから構成されている。なお、第1の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0050】
APL検出回路24は、スイッチ14から出力されるYUV信号(Yin,Uin,Vin)のうちの輝度信号Yinに基づいて、単位データ領域(例えば、1フィールド)当たりの平均輝度を検出するものである。検出された平均輝度APLoutは、ゲイン変化量調整部23内のΔAPL算出回路233および遅延回路234へ出力される。
【0051】
ΔAPL算出回路233は、APL検出回路24から出力される、ある画像フレームの平均輝度(例えば、n番目(n;自然数)の画像フレームの平均輝度APLout(n))と、その次の画像フレームの平均輝度(例えば、(n+1)番目の画像フレームの平均輝度APLout(n+1))との差分である平均輝度変化量ΔAPLout(例えば、ΔAPL(n+1)=APLout(n+1)−APLout(n))を検出するものである。また、遅延回路234は、APL検出回路24から出力される平均輝度APLoutのデータを、画像フレーム当たりの時間(例えば、前述の単位時間Δt)だけ遅延させて、ΔAPL算出回路233へ供給するものである。
【0052】
ここで、ΔAPL算出回路244は、本発明における「平均輝度変化量検出手段」の一具体例に対応する。
【0053】
本実施の形態のゲイン生成部2では、入力される輝度信号Yinに基づいて、以下のようなゲインデータGoutの生成動作がなされる。
【0054】
まず、輝度分布検出回路21では、輝度信号Yinに基づいて輝度分布データHout1が検出され、ゲイン算出回路22によって、この輝度分布データHout1に基づいて、ゲインデータGinが算出される。また、APL検出回路24では、輝度信号Yinに基づいて画像フレームの平均輝度APLoutが検出され、ΔAPL算出回路および遅延回路234によって、平均輝度変化量ΔAPLoutが検出される。そして、ゲインリミッタ231では、ゲインデータGinからゲイン変化量ΔGinが検出されると共に、このゲイン変化量ΔGinがゲイン変化閾値GLim以下に制限される。
【0055】
ここで、本実施の形態のゲインリミッタ231は、ΔAPL算出回路233から供給される平均輝度変化量ΔAPLoutの大きさに応じて、ゲイン変化閾値GLimを変化させるようになっている。具体的には、例えば図9に示したように、ΔAPLout<ΔAPLout1である小変化領域ΔAPLout(S)では、ゲイン変化閾値GLim=GLim(S)と、ΔAPLout1≦ΔAPLout<ΔAPLout2である中変化領域ΔAPLout(M)では、ゲイン変化閾値GLim=GLim(M)と、ΔAPLout2≦ΔAPLoutである大変化領域ΔAPLout(L)では、ゲイン変化閾値GLim=GLim(L)というように、ゲイン変化閾値GLimが多段階(この場合、3段階)に変化するように設定する。また、より具体的には、小変化領域ΔAPLout(S)のゲイン変化閾値GLim(S)および大変化領域ΔAPLout(L)のゲイン変化閾値GLim(L)を、中変化領域ΔAPLout(M)のゲイン変化閾値GLim(M)よりもそれぞれ小さくなるように設定する。なお、これら小変化領域ΔAPLout(S)、中変化領域ΔAPLout(M)および大変化領域ΔAPLout(L)は、それぞれ、本発明における「第1の領域」、「第3の領域」および「第2の領域」の一具体例に対応する。
【0056】
このようにゲイン変化閾値GLimを設定した場合、小変化領域ΔAPLout(S)では、第1の実施の形態の場合と同様に、単位時間Δtでのゲイン変化量ΔGinがゲイン変化閾値GLim(S)以下に制限されることから、例えば前述の図4(A)や図6(A)のように、特定の輝度レベルに分布集中した輝度分布におけるわずかなDC変動により、ある輝度レベルのゲインGinが急に変化(増加または減少)する(ゲイン変化量ΔGinが大きい)場合であっても、コントラスト調整後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)におけるコントラスト調整前のYUV信号(Yin,Uin,Vin)に対する変動が、ゲイン変化量調整がなされる前のゲインデータGinを用いた場合と比べて、低減される。また、このようにゲイン変化閾値GLim(S)を、中変化領域ΔAPLout(M)のゲイン変化閾値GLim(M)よりも小さく設定しても、平均輝度変化量ΔAPLoutが小さい(DC変動がわずかである)ので、コントラスト調整後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)に基づく画像表示が不自然とはならない。
【0057】
また、中変化領域ΔAPLout(M)では、ゲイン変化閾値GLim(M)が大きくなる(ゲイン閾値GLimの制限を解除する)ように設定され、平均輝度変化量ΔAPLoutがある程度大きい場合(中程度の場合)にゲインデータGoutが急激に変化できることから、コントラスト調整後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)におけるコントラスト調整前のYUV信号(Yin,Uin,Vin)に対する画質変動が平均輝度変化に追随できるようになり、不自然な画質変動抑制が回避される。
【0058】
また、大変化領域ΔAPLout(L)では、ゲイン変化閾値GLim(L)が小さくなる(ゲイン閾値GLimを制限する)ように設定されることから、例えばシーン変化の際などのように平均輝度変化量ΔAPLoutが大きい場合に、ゲイン変化量ΔGinが制限され、輝度変化時の不自然な画質変動が抑制される。
【0059】
以上のように、本実施の形態では、ゲイン生成部2内に、APL検出回路24、ΔAPL算出回路233および遅延回路234を設け、ゲインリミッタ231が、このΔAPL算出回路233から供給される平均輝度変化量ΔAPLoutの大きさに応じて、ゲイン変化閾値GLimを変化させるようにしたので、第1の実施の形態における効果に加え、画像処理による不自然な画質変動を、平均輝度変化量に応じてより効果的に抑制することが可能となる。
【0060】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の画像表示装置は、第1または第2の実施の形態の画像表示装置におけるゲイン生成部2において、輝度分布検出回路21とゲイン算出回路22との間に、さらに平準化処理部25を設けるようにしたものである。なお、以下の説明では、図1に示した第1の実施の形態のゲイン生成部2をもとに説明するが、図8に示した第2の実施の形態のゲイン生成部2の場合についても同様である。
【0061】
図10は、本実施の形態に係るゲイン生成部2の構成を表すものである。本実施の形態のゲイン生成部2は、輝度分布検出回路21と、平準化処理部25と、ゲイン算出回路22と、ゲイン変化量調整部23とから構成されている。なお、第1の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0062】
平準化処理部25は、図示しない分布リミッタや、分布フィルタなどから構成される。なお、この平準化処理部25は、本発明における「平準化処理手段」の一具体例に対応する。
【0063】
このうち、分布リミッタは、輝度分布検出回路21から出力される輝度分布データHout1において、ヒストグラムの度数を所定の閾値以下に制限する回路である。具体的には、例えば図11(A)に示した輝度分布20B中の符号P7で示したように、特定の輝度レベルに分布が集中し、分布閾値HLim以上の度数値となっている場合には、図11(B)に示した輝度分布20C中の符号P8で示したように、この分布閾値HLim以上の度数値を削除するようにする。これにより、ヒストグラムにおける特定の輝度レベルへの分布集中が緩和され、平準化される。このようにして、平準化処理された輝度分布データHout2は、ゲイン算出回路23へ出力される。
【0064】
このようにして、このゲイン生成部2から供給されるゲインデータGoutは、分布リミッタによって平準化処理された輝度分布データHout2に基づくものとなるので、例えば図12に示した輝度分布20Cのように、分布集中している輝度レベルが図中の矢印P9,P10のようにDC変動した場合であっても、コントラスト調整後のYUV信号(Yout,Uout,Vout)におけるコントラスト調整前のYUV信号(Yin,Uin,Vin)に対する変動が、平準化処理される前の輝度分布データHout1に基づくゲインデータを用いた場合と比べて、低減される。
【0065】
一方、分布フィルタは、輝度分布検出回路によって生成された輝度分布データHout1において、連続した複数の輝度レベル間で所定の重み付き平均値を算出すると共に、これをもとの度数値と置き換え、輝度分布データHout2として出力するものである。
【0066】
具体的には、例えば図13(A),(B)にそれぞれ示した輝度分布20D,20Eを参照して説明すると、以下のようになる。すなわち、例えば図13(A)に示した輝度分布20Dのように、ある輝度レベル(左側の輝度レベル)の度数値が20、その右側の輝度レベル(真ん中の輝度レベル)の度数値が100、さらにその右側の輝度レベル(右側の輝度レベル)の度数値が20、というように、真ん中の輝度レベルに分布集中している場合、それぞれの輝度レベルにおいて、以下の式(1)〜(3)で表した連続した複数(この場合、3つ)の輝度レベル間での重み付け平均値Ave(左),Ave(中),Ave(右)が算出される。なお、この場合の重み付けは、一例として、(左:中:右)=(1:2:1)となっている。
Ave(左)=(0×1+20×2+100×1)/(1+2+1) =35 …(1)
Ave(中)=(20×1+100×2+20×1)/(1+2+1)=60 …(2)
Ave(右)=(100×1+20×2+0×1)/(1+2+1) =35 …(3)
【0067】
よって、これら式(1)〜(3)によって算出された重み付け平均値Ave(左),Ave(中),Ave(右)を、それぞれもとの輝度レベルの度数値と置き換えると、図13(B)に示したような輝度分布20Eとなる。この輝度分布20Eを、もとの輝度分布20Dと比較すると、図中の矢印P11〜P13で示したように、それぞれ、度数値が20から35へと増加し、100から60へと減少し、20から35へと増加しているので、真ん中の輝度レベルへの分布集中が緩和され、平準化されていることが分かる。
【0068】
以上のように、本実施の形態では、ゲイン生成部2に平準化処理部25を設け、特定の輝度レベルへの分布集中を緩和させて平準化処理を行うようにしたので、平準化処理された輝度分布データHout2に基づいてゲインデータGoutを生成することができ、第1または第2の実施の形態における効果に加え、画像処理による不自然な画質変動をより低減することが可能となる。
【0069】
なお、本実施の形態では、平準化処理部25を、分布リミッタまたは分布フィルタの一方から構成した場合について説明したが、平準化処理部25を、これら分布リミッタおよび分布フィルタの両者から構成するようにしてもよい。具体的には、分布リミッタが、輝度分布の度数値を分布閾値HLim以下に制限すると共に、分布リミッタが、度数値制限がなされた後の輝度分布データにおいて重み付き平均値を算出し、これをもとの度数値と置き換えて出力するようにする。このように構成した場合、これら分布リミッタおよび分布フィルタの両者を用いて、不自然な画質変動をより低減することができる。なお、これらを逆に配置するようにしてもよい。
【0070】
以上、第1〜第3の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0071】
例えば、上記実施の形態では、輝度分布20A〜20Eにおいて輝度レベルが8段階(8階調)に分割されている場合について説明したが、ゲイン変化量調整部23やAPL検出回路24が、この輝度レベルの分割数に応じて、ゲイン変化量ΔGinの調整動作や平均輝度APLoutの検出動作を行うようにしてもよい。また、同様に平準化処理部25としての分布リミッタや分布フィルタが、この輝度レベルの分割数に応じて、平準化処理を行うようにしてもよい。すなわち、特定の輝度レベルへの分布集中に起因した不自然な画質変動は、前述のようにこの輝度レベルの分割数が少ない場合に特に顕著となることから、分割数が所定の閾値(分割閾値)以下の場合にのみ、これらの動作を行うようにする。このように構成した場合、不自然な画質変動がほとんど気にならない程度の分割数である場合にはこれらの動作を停止させることで、画像処理全体の処理速度を向上させることが可能となる。
【0072】
また、上記実施の形態では、画像処理部3が、γ補正回路31を含むようにした場合について説明したが、画像処理部3の構成はこれには限られず、例えば他の画像処理用の回路例を含むようにしてもよく、また、このような回路を複数設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を表す回路ブロック図である。
【図2】輝度分布を説明するための特性図である。
【図3】図1に示したゲイン生成部の詳細構成を表す回路ブロック図である。
【図4】図1に示したゲイン変化量調整部の作用の一例を説明するためのタイミング図である。
【図5】図4に示したゲイン変化量調整後のゲインの変化態様を説明するためのタイミング図である。
【図6】図1に示したゲイン変化量調整部の作用の他の例を説明するためのタイミング図である。
【図7】図1に示したγ補正回路の作用を説明するための特性図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るゲイン生成部の詳細構成を表す回路ブロック図である。
【図9】図8に示したゲイン変化量調整部の作用を説明するための特性図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るゲイン生成部の詳細構成を表す回路ブロック図である。
【図11】図10に示した平準化処理部の作用の一例を説明するための特性図である。
【図12】輝度分布における特定の輝度レベルの分布変化を説明するための特性図である。
【図13】図10に示した平準化処理部の作用の他の例を説明するための特性図である。
【図14】従来の画像表示装置の輝度分布における特定の輝度レベルの分布変化を説明するための特性図である。
【図15】図14に示した輝度レベルの分布変化によるガンマ曲線の変化態様を説明するための特性図である。
【符号の説明】
【0074】
11…チューナ、12…Y/C分離回路、13…クロマデコーダ、14…スイッチ、15…遅延回路、2…ゲイン生成部、20A〜20E…輝度分布、21…輝度分布検出回路、22…ゲイン算出回路、23…ゲイン変化量調整部、231…ゲインリミッタ、232,234…遅延回路、233…ΔAPL算出回路、24…APL検出回路、25…平準化処理部、3…画像処理部、31…γ補正回路、41…マトリクス回路、42…ドライバ、5…ディスプレイ、51…CRT、52…LCD、Y1,Y2,Yin,Yout…輝度信号、C1…色信号、U1,U2,Uin,Uout,V1,V2,Vin,Vout…色差信号、Rout,Gout,Bout…RGB信号、Hin,Hout,Hout1,Hout2…輝度分布データ、Gin,Gout,Gout1,Gout2…ゲインデータ、ΔGin…ゲイン変化量、Δt…単位時間(単位データ領域当たりの時間)、APLout…平均輝度、ΔAPLout…平均輝度変化量、GLim,GLim(S),GLim(M),GLim(L)…ゲイン変化閾値、HLim…分布閾値、γ1,γ2…ガンマ曲線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像データについて画像フレーム単位で輝度ヒストグラムを取得する取得手段と、
得られた輝度ヒストグラムに基づいて、画像処理の度合いを示す利得の、画像フレーム間での変化量を検出する利得変化量検出手段と、
ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合に、その利得変化量を前記利得変化閾値に制限すると共に、前記利得変化閾値を越えた分を次の画像フレームの利得変化量へと持ち越すように調整する調整手段と、
調整された利得変化量に基づいて、前記入力画像データに対する画像処理を行う画像処理手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記入力画像データに関する画像フレーム内平均輝度の、画像フレーム間での変化量を検出する平均輝度変化量検出手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記平均輝度変化量検出手段により得られた平均輝度変化量に基づいて、前記利得変化閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記調整手段は、前記平均輝度変化量の大きさに応じて、前記利得変化閾値を多段階に変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記調整手段は、前記平均輝度変化量によって規定される第1の領域の利得変化閾値と、平均輝度変化量がこの第1の領域よりも大きい第2の領域の利得変化閾値とを、それぞれ、平均輝度変化量がこれら第1の領域と第2の領域との中間にある第3の領域の利得変化閾値よりも小さくなるように設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記取得手段により得られた輝度ヒストグラムに対して平準化処理を行う平準化手段をさらに備え、
前記利得変化量検出手段は、前記平準化処理された輝度ヒストグラムに基づいて、前記利得変化量を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記平準化手段は、前記輝度ヒストグラムの度数を所定の度数閾値以下に制限することにより、前記平準化処理を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記平準化手段は、前記輝度ヒストグラムの連続した複数の輝度レベル間において所定の重み付き平均値をそれぞれ算出すると共に、算出したこれら重み付き平均値を各々の輝度レベルの度数値と置き換えることにより、前記平準化処理を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記平準化手段は、さらに、前記輝度ヒストグラムの連続した複数の輝度レベル間において所定の重み付き平均値をそれぞれ算出すると共に、算出したこれら重み付き平均値を各々の輝度レベルの度数値と置き換えることにより、前記平準化処理を行う
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記調整手段は、前記輝度ヒストグラムにおける輝度レベルの分割数が所定の分割閾値以下の場合に、前記利得変化量の調整を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像処理手段は、前記入力画像データのコントラストを改善させるためのγ補正回路を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
入力画像データについて画像フレーム単位で輝度ヒストグラムを取得する取得手段と、
得られた輝度ヒストグラムに基づいて、画像処理の度合いを示す利得の、画像フレーム間での変化量を検出する利得変化量検出手段と、
ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合に、その利得変化量を前記利得変化閾値に制限すると共に、前記利得変化閾値を越えた分を次の画像フレームの利得変化量へと持ち越すように調整する調整手段と、
調整された利得変化量に基づいて、前記入力画像データに対する画像処理を行い、画像処理データを生成する画像処理手段と、
生成された前記画像処理データに基づく画像表示を行う表示手段と
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項12】
入力画像データについて画像フレーム単位で輝度ヒストグラムを取得し、
得られた輝度ヒストグラムに基づいて、画像処理の度合いを示す利得の、画像フレーム間での変化量を検出し、
ある画像フレームについて得られた利得変化量が所定の利得変化閾値を越える場合に、その利得変化量を前記利得変化閾値に制限すると共に、前記利得変化閾値を越えた分を次の画像フレームの利得変化量へと持ち越すように調整し、
調整された利得変化量に基づいて、前記入力画像データに対する画像処理を行う
ことを特徴とする画像処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−60580(P2007−60580A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246611(P2005−246611)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】