説明

画像処理装置および画像処理システム

【課題】ある情報処理装置と接続する際,別の情報処理装置を利用するユーザの意に反して,その別の情報処理装置からの利用ができなくなることを防止する画像処理装置および画像処理システムを提供する。
【解決手段】プリンタ100は,クラウドサーバ300へのインターネット経由の接続と,PC210との直接的な接続とが可能である。また,プリンタ100は,クラウドサーバ300との接続が確立している際,その接続を切断してPC210と接続する接続要求を受け付ける。そして,プリンタ100は,クラウドサーバ300との接続が確立している際にその接続要求を検知した場合,PC210との接続を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,情報処理装置に接続する画像処理装置および画像処理システムに関する。さらに詳細には,情報処理装置との接続が確立した状態で,その情報処理装置との接続を切断して自装置と他の情報処理装置とを占有する接続の確立を要求する接続要求を受け付ける画像処理装置および画像処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,画像処理装置とサーバとが接続する印刷システムであって,画像処理装置がサーバとの間で接続を確立し,接続許可状態を保持していることを条件に,情報処理装置からサーバを介して画像処理装置に印刷データを投入する技術が知られている。また,例えば画像処理装置と情報処理装置とを一対一で直接接続し,情報処理装置からサーバを介さず画像処理装置に印刷データを投入できる通信形態も知られている。
【0003】
例えば特許文献1には,一台以上のクライアントPCおよび画像処理装置をネットワークで接続し,情報処理装置から印刷制限サーバを経由して画像処理装置に印刷ジョブを投入する印刷システムが開示されている。この印刷システムを構成する各装置は,LAN等によって接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−330686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,前記した従来の画像処理装置には,次のような問題があった。例えば,LANやインターネットを利用してサーバと接続し,サーバとの間の接続許可状態を保持している画像処理装置があり,その画像処理装置が,サーバとの接続を切断してサーバ以外の情報処理装置との接続を要求する接続要求を受け付けたとする。その際,その画像処理装置がその接続要求に応じて接続先を切り換えると,サーバを使用するユーザの意に反してサーバが利用できなくなる問題がある。
【0006】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,ある情報処理装置と接続する際,別の情報処理装置を利用するユーザの意に反して,その別の情報処理装置からの利用ができなくなることを防止する画像処理装置および画像処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決を目的としてなされた画像処理装置は,第1の情報処理装置との接続を確立させる確立部と,前記第1の情報処理装置との接続を切断した後,自装置と第2の情報処理装置との接続以外の接続を禁止する接続を要求する接続要求を検知する検知部と,前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を禁止する禁止部とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の画像処理装置は,第1の情報処理装置との接続を確立させることで,第1の情報処理装置との通信が可能になる。また,本発明の画像処理装置は,第1の情報処理装置との接続を切断して第2の情報処理装置と接続する接続要求を受け付ける。ここでいう切断は,物理的な切断の他,物理的には接続されていても接続許可状態を維持していない状態も含む。本発明の画像処理装置は,第1の情報処理装置との接続が確立している際に,その接続要求を検知した場合,第2の情報処理装置との接続を禁止する。
【0009】
すなわち,本発明の画像処理装置では,第1の情報処理装置との接続が確立している状態では,第1の情報処理装置を利用しているユーザ(先のユーザ)によって本画像処理装置が既に利用されていると判断できる。そこで,第1の情報処理装置との接続が確立している状態では,第1の情報処理装置との接続を切断してしまう接続を許可しない。このようにすることで,先のユーザの意に反して,第1の情報処理装置と本画像処理装置との接続が切断されて本画像処理装置を利用できなくなる事態を防止できる。
【0010】
また,前記禁止部は,前記第1の情報処理装置と接続するユーザと,前記接続要求を出力したユーザとが同じ場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止せず,前記第2の情報処理装置との接続を許可するとよい。同じユーザであれば,第2の情報処理装置からの接続を優先し,第1の情報処理装置からの接続が切断されても,ユーザの意に反する可能性は低い。
【0011】
また,本発明の画像処理装置は,前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を優先するか否かを前記第2の情報処理装置のユーザに問い合わせる問合部を備え,前記禁止部は,前記問合部による問い合わせの結果,前記第2の情報処理装置との接続を優先しないとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止し,前記第2の情報処理装置との接続を優先するとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可するとよい。第2の情報処理装置からの接続を希望するユーザ(後のユーザ)への問合せによって,後のユーザに注意を促すことができ,後のユーザの不注意によって先のユーザの意に反して画像処理装置との接続が切断される事態を防止できる。
【0012】
また,本発明の画像処理装置は,前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第1の情報処理装置に対して,前記第2の情報処理装置との接続を許可するか否かを問い合わせる第2問合部を備え,前記禁止部は,前記第2問合部による問い合わせの結果,前記第2の情報処理装置との接続を優先しないとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止し,前記第2の情報処理装置との接続を優先するとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可するとよい。第1の情報処理装置への問合せによって,先のユーザが接続要求の存在を把握でき,さらに接続の許可あるいは不許可を指示できることによって,先のユーザの意に反して画像処理装置との接続が切断される事態を防止できる。
【0013】
また,本発明の画像処理装置は,前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記第1の情報処理装置との通信が行われていない非通期間が所定時間以上となったか否かを判断する判断部を備え,前記禁止部は,前記判断部にて前記非通期間が所定時間以上となっていると判断された場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止せず,前記第2の情報処理装置との接続を許可するとよい。非通期間が長い場合には,先のユーザが画像処理装置を利用する意思が低いと推測できる。そのため,後のユーザを優先する方が利便性の向上に資する。
【0014】
また,前記禁止部は,前記第1の情報処理装置と自装置との接続は確立しているものの通信が一時的に不通となっている場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可するとよい。第1の情報処理装置との通信が不通であれば,第1の情報処理装置からデータを受信できない。そのため,後のユーザを優先する方が利便性の向上に資する。
【0015】
また,本発明の画像処理装置は,前記禁止部により前記第2の情報処理装置との接続を禁止した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を許可しないことを報知する報知部を備えるとよい。接続の禁止を報知することで,後のユーザの困惑を低減することが期待できる。
【0016】
また,本発明は,画像処理装置と,前記画像処理装置と通信する第1の情報処理装置および第2の情報処理装置とを備える画像形成システムであって,前記画像処理装置は,前記第1の情報処理装置との接続を確立させる確立部と,前記第1の情報処理装置との接続を切断した後,自装置と前記第2の情報処理装置との接続以外の接続を禁止する接続を要求する接続要求を検知する検知部と,前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を禁止する禁止部とを備えることを特徴とする画像処理システムを含んでいる。
【0017】
また,本発明の画像処理システムは,前記第1の情報処理装置を介して前記画像処理装置にデータを投入する第3の情報処理装置を備え,前記画像処理装置の前記禁止部は,前記第3の情報処理装置が前記第1の情報処理装置に対する接続許可状態を維持している場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止し,当該接続許可状態を維持していない場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可するとよい。第1の情報処理装置が第3の情報処理装置との接続許可状態を維持していない場合には,第1の情報処理装置からデータを受信する可能性は低い。そのため,第2の情報処理装置からの接続を優先しても,先のユーザの不利益は少ない。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば,ある情報処理装置と接続する際,別の情報処理装置を利用するユーザの意に反して,その別の情報処理装置からの利用ができなくなることを防止する画像処理装置および画像処理システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態にかかるクラウド印刷システムの構成およびプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態のクラウド印刷システムの動作概略を示すブロック図である。
【図3】実施の形態のクラウド印刷システムのサインインの動作手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の形態にかかるプリンタの,接続処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】プリンタに表示される警告メッセージの例である。
【図6】第2の形態にかかるプリンタの,接続処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】プリンタに表示される問合せメッセージの例である。
【図8】第3の形態にかかるプリンタの,接続処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】クラウド印刷システムを利用するPCに表示される問合せメッセージの例である。
【図10】第4の形態にかかるプリンタの,接続処理の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下,本発明にかかる画像処理装置を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,印刷データを記憶するクラウドサーバを有するクラウド印刷システムに接続するプリンタに本発明を適用したものである。なお,クラウドサーバとは,クラウドコンピューティングの概念において,クラウドの先にある仮想化サーバであり,クラウドの中にパケットを通過させ,WEBブラウザで操作ができるサーバである。
【0021】
[クラウド印刷システムの構成]
本形態のクラウド印刷システム900は,図1に示すように,プリンタ100(画像処理装置の一例)と,PC200(第3の情報処理装置の一例)と,クラウドサーバ300(第1の情報処理装置の一例)とを有している。クラウドサーバ300は,PC200から出力される印刷ジョブを記憶し,その記憶した印刷ジョブをプリンタ100に送信する装置である。
【0022】
本形態のクラウド印刷システム900では,PC200からクラウドサーバ300に印刷ジョブを投入するためには,PC200がクラウドサーバ300との通信接続を確立させる必要がある。また,プリンタ100がクラウドサーバ300から印刷データを取得するためには,プリンタ100がクラウドサーバ300との通信接続を確立させる必要がある。ここでいう通信接続とは,物理的な接続だけではなく,クラウドサーバ300がPC200ないしプリンタ100との通信を許可している状態を含む。
【0023】
本形態では,PC200がクラウドサーバ300との通信接続を確立させるための作業を「ログイン」,その通信接続を切断するための作業を「ログオフ」とする。また,プリンタ100がクラウドサーバ300との通信接続を確立させるための作業を「サインイン」,その通信接続を切断するための作業を「サインアウト」とする。
【0024】
なお,クラウドサーバ300に接続する画像処理装置は,プリンタ100に限るものではないが,図1では説明の簡略化のため,プリンタ100のみを図示する。また,クラウドサーバ900に接続する情報処理装置も,PC200に限るものではないが,図1では説明の簡略化のため,PC200のみを図示する。
【0025】
[プリンタの構成]
本形態のプリンタ100は,図1に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(Non Volatile RAM)34とを備えた制御部30を備えている。また,制御部30は,用紙に画像を印刷する画像形成部10と,動作状況の表示やユーザによる入力操作の受付を行う操作パネル40と,外部接続インターフェース37とに,電気的に接続されている。
【0026】
ROM32には,プリンタ100を制御するための制御プログラムであるファームウェアや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33およびNVRAM34は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは印刷データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
【0027】
CPU31(確立部,検知部,禁止部,問合部,第2問合部,報知部の一例)は,ROM32から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,プリンタ100の各構成要素を制御する。
【0028】
外部接続インターフェース37は,他装置との通信を可能にするインターフェースである。プリンタ100は,外部接続インターフェース37がインターネットに接続している場合には,PC200からクラウドサーバ300を介して印刷ジョブを受信することが可能になる。
【0029】
また,外部接続インターフェース37は,ルータ等を介さずに直接他装置との通信を可能にする接続(例えばWiFi−Direct。以下,「ダイレクト接続」とする)も可能である。プリンタ100は,ダイレクト接続の確立によって,PC210(第2の情報処理装置の一例)から直接印刷ジョブを受信することが可能になる。
【0030】
本形態の外部接続インターフェース37は,同時に接続が確立する回線の数は1つである。そのため,ダイレクト接続を利用する場合には,インターネットへの接続(例えば,有線LANや無線LAN。以下,「インターネット接続」とする)が切断される。逆に,インターネット接続を利用する場合には,ダイレクト接続が切断される。そのため,プリンタ100は,インターネット接続とダイレクト接続とを両方同時に利用することはできない。
【0031】
また,画像形成部10は,用紙に画像を印刷することができればよく,画像形成方式については電子写真方式であってもインクジェット方式であってもよい。また,カラー印刷が可能であってもよく,モノクロ印刷専用であってもよい。本形態では,電子写真方式であって,カラー印刷が可能なものとする。
【0032】
また,操作パネル40は,ユーザ操作を受け付ける各種のボタンと,文字情報やボタン等を表示するタッチパネル画面とを有している。各種のボタンとしては,例えば,印刷動作の開始を指示するOKボタンや,印刷動作のキャンセルを指示するキャンセルボタンがある。この他,操作パネル40は,サインインあるいはサインアウトを行うため入力操作を受け付ける。
【0033】
[クラウド印刷システムの動作概要]
続いて,クラウド印刷システム900の動作概要について,図2を参照しつつ説明する。クラウド印刷システム900にて印刷を行うには,あらかじめ,プリンタ100とクラウドサーバ300との通信接続と,PC200とクラウドサーバ300との通信接続と,の両方を確立させておく必要がある。
【0034】
先ず,プリンタ100とクラウドサーバ300との通信接続を確立させるサインインでは,ユーザがプリンタ100にアカウントおよびそのアカウントのパスワードを入力する。そして,クラウドサーバ300がそのアカウントを認証することで,プリンタ100とクラウドサーバ300との通信接続が確立される。
【0035】
プリンタ100は,クラウドサーバ300との通信接続を確立させる,すなわちサインインが成功すると,クラウドサーバ300への定期的な送信要求を開始する。この定期的な送信要求では,クラウドサーバ300に対し,サインインを行ったアカウントに属するユーザの印刷ジョブが投入された場合に,その印刷ジョブをプリンタ100に送信する要求を行う。プリンタ100は,その送信要求に応じてクラウドサーバ300から送信される印刷ジョブを取得し,その印刷ジョブの印刷を実行する。
【0036】
一方,PC200とクラウドサーバ300との通信接続を確立させるログインでは,ユーザがPC200にアカウントおよびそのアカウントのパスワードを入力する。そして,そのアカウントをクラウドサーバ300が認証することで,PC200とクラウドサーバ300との通信接続が確立される。
【0037】
PC200とクラウドサーバ300との通信接続を確立させる,すなわちログインが成功すると,PC200からクラウドサーバ300に対して印刷ジョブの投入が可能になる。投入された印刷ジョブは,一旦,クラウドサーバ300に記憶される。そして,プリンタ100がクラウドサーバ300に送信要求を行うことで,その印刷ジョブがプリンタ100に送信され,プリンタ100にてその印刷ジョブの印刷が実行される。
【0038】
なお,ダイレクト接続によってPC210から印刷ジョブを投入する場合には,外部接続インターフェース37への接続がインターネット接続からダイレクト接続に切り換えられる。プリンタ100は,クラウドサーバ300へのサインインに成功した後,ダイレクト接続に切り換えると,インターネット接続が切断されることから,クラウド印刷システム900への通信接続も切断される。
【0039】
[サインインの動作概要]
続いて,前述したクラウド印刷システム900のサインイン動作を実現する各装置の動作手順について,図3のフローチャートを参照しつつ説明する。なお,プリンタ100は,インターネットに接続されているものとする。
【0040】
プリンタ100がクラウドサーバ300にサインインするには,先ず,ユーザがプリンタ100の操作パネル40を操作することによって,プリンタ100に,クラウドサーバ300にサインインするためのアカウント情報が入力される(S001)。S001で入力されるアカウント情報には,アカウント名と,そのアカウント名に関連付けられたパスワードが含まれる。
【0041】
アカウント情報が入力された後は,プリンタ100はクラウドサーバ300に対してサインイン要求を出力する(S002,確立部の一例)。サインイン要求には,S001にて入力されたアカウント情報が付加される。
【0042】
クラウドサーバ300は,サインイン要求を受け取ると,アカウント情報に基づいて認証処理を行う(S021)。具体的に,クラウドサーバ300は,アカウントとそのアカウントに関連付けられたパスワードとを1つのレコードとして記憶するアカウントデータベースを有している。そのため,クラウドサーバ300は,サインイン要求を受け取ると,サインイン情報に含まれるアカウント情報に基づいて,ユーザが入力したユーザアカウントのレコードがアカウントデータベースに記憶されており,さらにユーザが入力したパスワードがそのレコードに記憶されているパスワードと一致すれば,そのアカウントのサインインを許可する。一方,ユーザが入力したアカウントのレコードが存在しないあるいはパスワードが一致しない場合には,サインインを許可しない。なお,ログイン時も同様の手順によって認証処理を行う。S021によるアカウント認証後,クラウドサーバ300はそのアカウント認証の結果をプリンタ100に送信する(S022)。
【0043】
クラウドサーバ300から認証結果を受け取ったプリンタ100では,サインインの許可が得られたか否か,すなわちサインインに成功したか否かを判断する(S003)。サインインの許可が得られた場合には(S003:YES),プリンタ100はクラウドサーバ300との通信接続を確立させた状態となる(S004)。通信接続を確立させることで,プリンタ100はクラウドサーバ300への定期的な印刷ジョブの送信要求を開始する。サインインの許可が得られなかった場合には(S003:NO),通信接続が確立しない。
【0044】
[プリンタの接続処理]
[第1の形態]
続いて,プリンタ100がダイレクト接続への接続要求を受け付けた場合の処理である接続処理について,図4のフローチャートを参照しつつ説明する。接続処理は,定期的(例えば1秒ごと)にCPU31によって実行される。
【0045】
第1の形態の接続処理では,先ず,ダイレクト接続を確立させる接続要求があったか否かを判断する(S101,検知部の一例)。接続要求は,例えば操作パネル40への入力操作によって入力される。あるいはプリンタ100が他装置(本形態ではPC210)から送られてくる接続要求(例えば,後述の応答信号)を受信してもよい。
【0046】
具体的に,PC210とプリンタ100とをWiFi−Directによってダイレクト接続するには,事前に次のような通信が行われる。まず,ユーザがプリンタ100のパネル操作によって通信方式を決定した後,プリンタ100は複数のチャネルを順次利用して,探索信号を順次送信する。その後,プリンタ100は,PC210から探索信号に対する応答信号を受信する。この応答信号には,PC210がWiFi−Direct機能を実行可能であることを示す情報と,PC210を特定する情報(デバイス名,MACアドレス等)とを含んでいる。この結果,プリンタ100は,PC210を見つけ出すことができる。プリンタ100がこの応答信号を受け付けた段階では,まだ互いを見つけ出しただけであってダイレクト接続は確立しない。接続要求が無い場合には(S101:NO),接続処理を終了する。
【0047】
接続要求が有った場合には(S101:YES),クラウド印刷システム900にサインインしている状態であるか,すなわちクラウドサーバ300との通信が確立した状態であるか否かを判断する(S102,検知部の一例)。
【0048】
クラウド印刷システム900にサインインしていない状態であれば(S102:NO),クラウドサーバ300を利用するユーザ(例えば,PC200のユーザ)はプリンタ100を利用していないと判断できる。そのため,ダイレクト接続を許可し,クラウドサーバ300を利用した印刷ができなくなったとしても,クラウドサーバ300を利用するユーザへの不利益は小さい。そこで,PC210のユーザを優先し,ダイレクト接続を確立させる(S111)。S111の後は,接続処理を終了する。
【0049】
一方,クラウド印刷システム900にサインインしている状態であれば(S102:YES),クラウドサーバ300とプリンタ100とが定期的に通信している。そのため,ダイレクト接続を確立させてしまうと,クラウドサーバ300を利用するユーザが不測の不利益を被る可能性が高い。そこで,プリンタ100の操作パネル40に,図5に示すようなダイレクト接続を許可しない旨の警告メッセージを表示する(S103,報知部の一例)。なお,S103での報知手段としては,メッセージ表示の他,例えば警告音や音声ガイダンスであってもよい。また,PC210から直接接続要求を受けた場合には,PC210にメッセージを送信してもよい。S103の後は,ダイレクト接続を確立させることなく,接続処理を終了する(禁止部の一例)。
【0050】
第1の形態の接続処理によれば,プリンタ100は,クラウド印刷システム900にサインインしている状態にてダイレクト接続を確立させる接続要求を受けた場合には,ダイレクト接続を許可しないメッセージを表示し,ダイレクト接続を禁止する。これにより,クラウド印刷システム900を利用するユーザが,意に反してプリンタ100を利用できなくなる可能性を低減できる。
【0051】
[第2の形態]
続いて,プリンタ100の接続処理の別の形態について,図6のフローチャートを参照しつつ説明する。第2の形態の接続処理は,プリンタ100がクラウド印刷システム900にサインインした状態であっても,ダイレクト接続を利用する必要性が高い場合には,ダイレクト接続を確立させる。この点,プリンタ100がクラウド印刷システム900にサインインした状態であれば,ダイレクト接続を確立させない第1の形態とは異なる。なお,第2の形態のうち,第1の形態と同じ処理については,同じ符号を付して説明を省略する。
【0052】
第2の形態の接続処理では,先ず,第1の形態と同様に,ダイレクト接続を確立させる接続要求があったか否かを判断する(S101,検知部の一例)。接続要求が無い場合には(S101:NO),接続処理を終了する。
【0053】
接続要求が有った場合には(S101:YES),クラウド印刷システム900にサインインしている状態であるか否かを判断する(S102,検知部の一例)。クラウド印刷システム900にサインインしていない状態であれば(S102:NO),ダイレクト接続を確立させる(S111)。
【0054】
一方,クラウド印刷システム900にサインインしている状態であれば(S102:YES),クラウド印刷システム900にサインインしているユーザと,ダイレクト接続の接続要求を行っているユーザとが一致するか否かを判断する(S203)。ユーザの判断には,例えば,接続要求を行う際にアカウントの入力を求め,そのアカウントがサインインを行ったアカウントと同一であれば同じユーザと判断する。この他,例えばプリンタ100がクラウドサーバ300にログインしている装置を特定する情報(PC名やIPアドレス等)を取得し,さらに接続要求を行った装置を特定する情報(PC名やIPアドレス等)を取得し,同一の装置があれば同じユーザと判断する。
【0055】
ユーザが一致する場合には(S203:YES),クラウド印刷システム900にサインインしているユーザ自らダイレクト接続を希望していると判断できる。そのため,クラウド印刷システム900への接続が切断されても,不測の不利益を被るユーザは少ない。そのため,ダイレクト接続を確立させる(S111)。
【0056】
一方,ユーザが一致しない場合には(S203:NO),ダイレクト接続を確立させてしまうと,クラウドサーバ300を利用するユーザに不測の不利益を与えてしまう。そこで,プリンタ100の操作パネル40に,図7に示すようなダイレクト接続による印刷を行うか否かを問い合わせる画面を表示する(S204,問合部の一例)。すなわち,ダイレクト接続を要求したユーザに,クラウド印刷システム900をサインアウトしてまでもダイレクト接続を行うか否かを判断する機会を与える。
【0057】
S204の後,ユーザの入力を受けて,クラウド印刷システムをサインアウトするか否かを判断する(S205)。サインアウトすることが指示された場合には(S205:YES),そのユーザの意思を優先し,ダイレクト接続を確立させる(S111)。一方,サインアウトすることが指示されなかった場合には(S205:NO),ダイレクト接続を確立させることなく,接続処理を終了する(禁止手段の一例)。
【0058】
なお,サインアウトすることが指示された後に,S103と同様のメッセージを出力してもよいが,本形態ではS203の問合せによってクラウド印刷システム900にサインインしていることを明示している。そのため,本形態のようにS103を省いてもよい。
【0059】
第2の形態の接続処理によれば,プリンタ100は,クラウド印刷システム900にサインインしている状態にてダイレクト接続の接続要求を受けた際,接続要求を行ったPC210のユーザに注意を促すことができる。その結果,そのユーザの不注意によってクラウドサーバ300を利用するユーザの意に反してプリンタ100との接続が切断される事態を防止できる。
【0060】
[第3の形態]
続いて,プリンタ100の接続処理の別の形態について,図8のフローチャートを参照しつつ説明する。第3の形態の接続処理は,プリンタ100がクラウド印刷システム900にサインインした状態の場合,クラウドサーバ300を利用しているユーザに対して,ダイレクト接続を許可するか否かを問い合わせる。この点,ダイレクト接続の接続要求を出したユーザに問い合わせる第2の形態とは異なる。なお,第3の形態のうち,第1の形態と同じ処理については,同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
第3の形態の接続処理では,先ず,第1の形態と同様に,ダイレクト接続への接続要求があったか否かを判断する(S101,検知部の一例)。接続要求が無い場合には(S101:NO),接続処理を終了する。
【0062】
接続要求が有った場合には(S101:YES),クラウド印刷システム900にサインインしている状態であるか否かを判断する(S102,検知部の一例)。クラウド印刷システム900にサインインしていない状態であれば(S102:NO),ダイレクト接続を確立させる(S111)。
【0063】
一方,クラウド印刷システム900にサインインしている状態であれば(S102:YES),クラウドサーバ300にログインしているユーザ(本形態ではPC200のユーザ)に対して,ダイレクト接続の接続要求があった旨を通知し,接続を許可するか否かを問い合わせる(S302,第2問合部の一例)。S302では,例えばプリンタ100にPC200のログインユーザのメールアドレスを予め記憶させておき,問合せ内容のメールを作成し,この記憶させたメールアドレスに対して電子メールを送信する。そして,そのメールを受信したPC200は,図9に示すようにそのメールの内容をディスプレイに表示する。そして,PC200のユーザからの応答を待つ。
【0064】
その後,PC200のユーザから,接続許可の応答があったか否かを判断する(S303)。接続許可があった場合には(S303:YES),プリンタ100とクラウドサーバ300との接続が切断されても,PC200のユーザが不測の不利益を被ることはない。そのため,ダイレクト接続を確立させる(S111)。
【0065】
一方,接続不許可の応答があった場合には(S303:NO),ダイレクト接続を許可しない旨の警告メッセージを表示する(S103,報知部の一例)。なお,PC200のユーザからの応答がなく,問合せからの計時時間が所定時間を経過した場合には,接続不許可と見做せばよい。S103の後,ダイレクト接続を確立させることなく,接続処理を終了する(禁止部の一例)。
【0066】
第3の形態の接続処理によれば,プリンタ100は,クラウド印刷システム900にサインインしている状態でダイレクト接続の接続要求を受けた際に,その旨をクラウドサーバ300を利用するユーザが把握できる。さらに,接続の許可あるいは不許可を指示できることによってクラウドサーバ300を利用するユーザの意に反してプリンタ100との接続が切断される事態を防止できる。
【0067】
[第4の形態]
続いて,プリンタ100の接続処理の別の形態について,図10のフローチャートを参照しつつ説明する。第4の形態の接続処理は,プリンタ100がクラウド印刷システム900にサインインした状態の場合,クラウドサーバ300が実際に利用されているか否かをプリンタ100が判断し,利用されていなければダイレクト接続を確立させる。この点,ユーザに接続許可の判断を委ねる,つまりユーザに手間をかける第2および第3の形態とは異なる。なお,第4の形態のうち,第1の形態と同じ処理については,同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
第4の形態の接続処理では,先ず,第1の形態と同様に,ダイレクト接続への接続要求があったか否かを判断する(S101,検知部の一例)。接続要求が無い場合には(S101:NO),接続処理を終了する。
【0069】
接続要求が有った場合には(S101:YES),クラウド印刷システム900にサインインしている状態であるか否かを判断する(S102,検知部の一例)。クラウド印刷システム900にサインインしていない状態であれば(S102:NO),ダイレクト接続を確立させる(S111)。
【0070】
一方,クラウド印刷システム900にサインインしている状態であれば(S102:YES),プリンタ100がクラウドサーバ300と通信中であるか否かを判断する(S403)。S403の判断としては,例えば単位時間あたりの通信量が0より大きい場合には通信中とし,0であれば通信中ではないと判断できる。クラウドサーバ300と通信中であれば(S403:YES),クラウドサーバ300とプリンタ100との接続が切断されると,クラウドサーバ300を利用するユーザが不測の不利益を被る。そのため,ダイレクト接続の確立を許可しない旨の警告メッセージを表示し(S103,報知部の一例),ダイレクト接続を確立させることなく,接続処理を終了する(禁止部の一例)。
【0071】
クラウドサーバ300と通信中でなければ(S403:NO),プリンタ100からクラウドサーバ300に対して,ログイン中の装置があるか否かを問い合わせ,ログイン中の装置があるか否かを判断する(S411)。クラウドサーバ300にログイン中の装置があれば(S411:YES),クラウドサーバ300とプリンタ100との接続が切断されると,クラウドサーバ300を利用するユーザが不測の不利益を被る可能性が高くなる。そのため,ダイレクト接続の確立を許可しない旨の警告メッセージを表示し(S103,報知部の一例),ダイレクト接続を確立させることなく,接続処理を終了する(禁止部の一例)。
【0072】
一方,クラウドサーバ300にログイン中の装置がなければ(S411:NO),クラウドサーバ300との通信が行われていない非通期間が所定時間以上となったか否かを判断する(S412,判断部の一例)。所定時間は,ユーザによって設定されるか,あるいは工場出荷時にあらかじめ設定される。非通期間が所定時間以上の場合には(S412:YES),ログイン中のユーザが印刷を行う意思が低いと推測できる。そこで,PC210のユーザを優先し,ダイレクト接続を許可する(S111)。S111の後は,接続処理を終了する。
【0073】
また,非通期間が所定時間以上でなければ(S412:NO),プリンタ100とクラウドサーバ300との通信状態が一時的に不通であるか否かを判断する(S413)。通信状態が一時的に不通になる状態としては,サーバが高負荷の状態,サーバの保守等により一時的に利用できない状態が該当する。クラウドサーバ300の状態は,印刷ジョブの定期的な送信要求の応答時に取得できる。クラウドサーバ300との通信状態が一時的に不通であれば(S413:YES),クラウドサーバ300から印刷データを受信できない。そのため,クラウド印刷システム900への接続が切断されても,クラウドサーバ300のユーザにとって不利益が増える可能性は低い。そこで,PC210のユーザを優先し,ダイレクト接続を確立させる(S111)。S111の後は,接続処理を終了する。
【0074】
クラウドサーバ300との通信状態が不通でなければ(S413:NO),PC200からプリンタ100に印刷ジョブが投入される可能性がある。そのため,ダイレクト接続を許可しない旨の警告メッセージを表示し(S103,報知部の一例),ダイレクト接続を確立させることなく,接続処理を終了する(禁止部の一例)。
【0075】
第4の形態の接続処理によれば,プリンタ100は,クラウド印刷システム900にサインインした状態であっても,クラウドサーバ300が利用されていない場合には,ダイレクト接続を確立させる。これにより,ユーザの利便性が向上する。
【0076】
なお,第4の形態のうち,S403,S411,S412,S413の判断は,必ずしも全て行う必要はない。プリンタ100の要求仕様に応じて適宜必要な判断を選択すればよい。
【0077】
以上詳細に説明したように第1の形態から第4の形態では,クラウドサーバ300との接続が確立している場合,その接続を切断してしまうPC210とのダイレクト接続を許可しない。このようにすることで,先にクラウドサーバ300と接続しているPC200のユーザの意に反して,クラウドサーバ300とプリンタ100との接続が切断されてプリンタ100を利用できなくなる事態を防止できる。
【0078】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像処理装置は,プリンタに限るものではなく,スキャナ,FAX装置,複合機,複写機等,画像処理機能を備えるものであれば適用可能である。また,画像処理装置に印刷ジョブを投入する情報処理装置は,PCに限るものではなく,スマートフォン等のモバイル装置であってもよい。
【0079】
また,実施の形態のクラウド印刷システム900は,プリンタ100とクラウドサーバ300との接続を確立する際に,パスワードを要求し,認証処理を行っているが,認証処理はなくてもよい。
【0080】
また,実施の形態では,クラウドサーバ300へのサインインが成功した後は,プリンタ100から定期的にクラウドサーバ300に送信要求を行うことで,クラウドサーバ300に投入された印刷ジョブがプリンタ100に送信されるが,これに限るものではない。例えば,クラウドサーバ300がプリンタ100のサインインを記憶し,プリンタ100が指定されている印刷ジョブが投入された際に,クラウドサーバ300からプリンタ100に取得要求あるいは印刷ジョブそのものを送信してもよい。
【0081】
また,実施の形態の第1から第4の形態を組み合わせた形態であってもよい。例えば,第2の形態と第3の形態とを組合せ,ダイレクト接続を要求したユーザにも,クラウドサーバ300にログイン中のユーザにも問い合わせ可能な構成にしてもよい。この場合,例えば,どちらか一方の問合せを先に行い,所定期間内に回答が得られなかった場合に,他方の問合せを行うように構成する。また,例えば,第2の形態と第3の形態との少なくとも一方と,第4の形態とを組合せ,ダイレクト接続を許可する判断を,ユーザにもプリンタ100自体にも可能な構成にしてもよい。この場合,例えば,先にユーザに判断させる機会を与え,所定期間内に回答が得られなかった場合に,プリンタ100が判断するように構成する。
【0082】
また,例えば,第2の形態において,S203と,S204およびS205と,の一方を行うものであってもよい。また,第4の形態において,S411〜S413の判断を行わない場合には,クラウドサーバ300と通信中でなければ(S403:NO),S111に移行する。
【符号の説明】
【0083】
10 画像形成部
30 制御部
37 外部接続インターフェース
100 プリンタ
200,210 PC
300 クラウドサーバ
900 クラウド印刷システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理装置との接続を確立させる確立部と,
前記第1の情報処理装置との接続を切断した後,自装置と第2の情報処理装置との接続以外の接続を禁止する接続を要求する接続要求を検知する検知部と,
前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を禁止する禁止部と,
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載する画像処理装置において,
前記禁止部は,前記第1の情報処理装置と接続するユーザと,前記接続要求を出力したユーザとが同じ場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止せず,前記第2の情報処理装置との接続を許可することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する画像処理装置において,
前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を優先するか否かを前記第2の情報処理装置のユーザに問い合わせる問合部を備え,
前記禁止部は,前記問合部による問い合わせの結果,前記第2の情報処理装置との接続を優先しないとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止し,前記第2の情報処理装置との接続を優先するとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載する画像処理装置において,
前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第1の情報処理装置に対して,前記第2の情報処理装置との接続を許可するか否かを問い合わせる第2問合部を備え,
前記禁止部は,前記第2問合部による問い合わせの結果,前記第2の情報処理装置との接続を優先しないとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止し,前記第2の情報処理装置との接続を優先するとの応答を受けた場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載する画像処理装置において,
前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記第1の情報処理装置との通信が行われていない非通期間が所定時間以上となったか否かを判断する判断部を備え,
前記禁止部は,前記判断部にて前記非通期間が所定時間以上となっていると判断された場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止せず,前記第2の情報処理装置との接続を許可することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載する画像処理装置において,
前記禁止部は,前記第1の情報処理装置と自装置との接続は確立しているものの通信が一時的に不通となっている場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載する画像処理装置において,
前記禁止部により前記第2の情報処理装置との接続を禁止した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を許可しないことを報知する報知部を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置と,前記画像処理装置と通信する第1の情報処理装置および第2の情報処理装置とを備える画像形成システムにおいて,
前記画像処理装置は,
前記第1の情報処理装置との接続を確立させる確立部と,
前記第1の情報処理装置との接続を切断した後,自装置と前記第2の情報処理装置との接続以外の接続を禁止する接続を要求する接続要求を検知する検知部と,
前記第1の情報処理装置との接続が確立している状態で前記検知部が前記接続要求を検知した場合に,前記第2の情報処理装置との接続を禁止する禁止部と,
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載する画像処理システムにおいて,
前記第1の情報処理装置を介して前記画像処理装置にデータを投入する第3の情報処理装置を備え,
前記画像処理装置の前記禁止部は,前記第3の情報処理装置が前記第1の情報処理装置に対する接続許可状態を維持している場合には,前記第2の情報処理装置との接続を禁止し,当該接続許可状態を維持していない場合には,前記第2の情報処理装置との接続を許可することを特徴とする画像処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−95010(P2013−95010A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238422(P2011−238422)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】