説明

画像処理装置および画像処理プログラム

【課題】画像形成装置の生産性を向上させ得る画像処理装置および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】通信インタフェース65と、PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手段と、生成されたラスタイメージデータを、インタフェースを経由して画像形成装置60に対して送信する送信手段と、現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手段と、画像形成装置60のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から画像形成装置60が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手段と、RIP完了時刻と最短復帰時刻とを比較し、画像形成装置60のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定する判定手段と、判定に基づいて画像形成装置70を制御する制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)によって定義された印刷データに対してRIP処理(ラスタライズ処理:Raster Image Processing)を施して、ラスタイメージデータを生成する画像処理装置と、ラスタイメージデータを受信し、指定された用紙に順次印刷する画像形成装置とを有する画像処理システムにおいて、画像形成装置は、前ページのラスタイメージデータの出力完了から所定時間内に、次ページに対応する次データを画像処理装置から受信しない場合、サイクルダウンと呼ばれる動作を実行する。
【0003】
サイクルダウンは、画像形成装置の印刷プロセスを停止し、印刷プロセスの空転による部品消耗を防止するためのものであるが、その後、印刷プロセスを再開するために準備動作が必要となり、システム全体としての出力性能(生産性)が低下する虞がある。
【0004】
そのため、印刷データのRIP処理に要する時間を予測し、その結果に基づいて出力タイミングを制御することによって出力結果を得るまでの時間を短縮化している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−69357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、印刷データのRIP処理に要する時間は、予め生成された予測用情報を用いて予測しており、画像処理装置の現在の処理状況が反映されておらず、良好な精度を得ることが困難であり、生産性の向上が十分ではない問題を有する。また、ページ群単位で予測しているため、ページ群の間での意図しないサイクルダウンが発生し、生産性が低下する虞がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、画像形成装置の生産性を向上させ得る画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に接続される通信インタフェースと、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手段と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手段と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手段と、
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手段と、
前記RIP完了時刻と前記最短復帰時刻とを比較し、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定する判定手段と、
前記判定に基づいて前記画像形成装置を制御する制御手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【0010】
(2)前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする上記(1)に記載の画像処理装置。
【0011】
(3)前記予測手段は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻を予測することを特徴とする上記(2)に記載の画像処理装置。
【0012】
(4)前記画像形成装置は、受信したページ単位のラスタイメージデータの出力完了後、次ページに対応するラスタイメージデータを一定時間受信できなかった場合、サイクルダウンを発生させるように構成されており、
前記判定手段は、前記RIP完了時刻が前記最短復帰時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを抑制すると判定するように構成されており、
前記制御手段は、サイクルダウンの発生を抑制する指示を前記画像形成装置に通知する通知手段を有する
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0013】
(5)前記判定手段は、前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させると判定するように構成されており、
前記制御手段は、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手段を有する
ことを特徴とする上記(4)に記載の画像処理装置。
【0014】
(6)前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段をさらに有し、
前記判定手段は、前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手段を有することを特徴とする上記(5)に記載の画像処理装置。
【0015】
(7)前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段をさらに有し、
前記判定手段は、前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手段を有することを特徴とする上記(5)に記載の画像処理装置。
【0016】
(8)前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の画像処理装置。
【0017】
(9)ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に接続される通信インタフェースと、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手段と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手段と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手段と、
前記RIP完了時刻に前記画像形成装置が出力可能状態となっているように前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【0018】
(10)前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする上記(9)に記載の画像処理装置。
【0019】
(11)前記予測手段は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻を予測することを特徴とする上記(10)に記載の画像処理装置。
【0020】
(12)前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手段と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段とをさらに有し、
前記制御手段は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手段と、
前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手段とを有する
ことを特徴とする上記(11)に記載の画像処理装置。
【0021】
(13)前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手段と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段とをさらに有し、
前記制御手段は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示および前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手段を有する
ことを特徴とする上記(11)に記載の画像処理装置。
【0022】
(14)前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の画像処理装置。
【0023】
(15)ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に通信インタフェースを介して接続される画像処理装置に適用される画像処理プログラムであって、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手順と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手順と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手順と、
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手順と、
前記RIP完了時刻と前記最短復帰時刻とを比較し、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定する判定手順と、
前記判定に基づいて前記画像形成装置を制御する制御手順と
を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【0024】
(16)前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする上記(15)に記載の画像処理プログラム。
【0025】
(17)前記予測手順において、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻が予測されることを特徴とする上記(16)に記載の画像処理プログラム。
【0026】
(18)前記画像形成装置は、受信したページ単位のラスタイメージデータの出力完了後、次ページに対応するラスタイメージデータを一定時間受信できなかった場合、サイクルダウンを発生させるように構成されており、
前記判定手順は、前記RIP完了時刻が前記最短復帰時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを抑制すると判定するように構成されており、
前記制御手順は、サイクルダウンの発生を抑制する指示を前記画像形成装置に通知する通知手順を有する
ことを特徴とする上記(15)〜(17)のいずれか1項に記載の画像処理プログラム。
【0027】
(19)前記判定手順は、前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させると判定するように構成されており、
前記制御手順は、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手順を有することを特徴とする上記(18)に記載の画像処理プログラム。
【0028】
(20)前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順を、前記画像形成装置にさらに実行させ、
前記判定手順は、前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手順を有することを特徴とする上記(19)に記載の画像処理プログラム。
【0029】
(21)前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順を、前記画像形成装置にさらに実行させ、
前記判定手順は、前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手順を有することを特徴とする上記(19)に記載の画像処理プログラム。
【0030】
(22)前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする上記(20)又は(21)に記載の画像処理プログラム。
【0031】
(23)ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に通信インタフェースを介して接続される画像処理装置に適用される画像処理プログラムであって、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手順と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手順と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手順と、
前記RIP完了時刻に前記画像形成装置が出力可能状態となっているように前記画像形成装置を制御する制御手順と、
を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【0032】
(24)前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする上記(23)に記載の画像処理プログラム。
【0033】
(25)前記予測手順において、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻が予測されることを特徴とする上記(24)に記載の画像処理プログラム。
【0034】
(26)前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手順と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順と
を前記画像処理装置にさらに実行させ、
前記制御手順は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手順と、
前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手順とを有する
ことを特徴とする上記(25)に記載の画像処理プログラム。
【0035】
(27)前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手順と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順と
を前記画像処理装置にさらに実行させ、
前記制御手順は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示および前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手順を有する
ことを特徴とする上記(25)に記載の画像処理プログラム。
【0036】
(28)前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする上記(26)又は(27)に記載の画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る画像処理装置および画像処理プログラムの一様相によれば、RIP完了時刻は、現時点におけるRIP実績に基づいて予測することで良好な精度を有し、かつ、当該RIP完了時刻と最短復帰時刻とを比較し、画像形成装置のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定しているため、その判定は、画像処理装置の現在の処理状況を十分に反映しており、非効率なサイクルダウンの発生を抑制するように画像形成装置を制御することができる。つまり、画像形成装置の生産性を向上させることが可能である。
【0038】
本発明に係る画像処理装置および画像処理プログラムの別の様相によれば、RIP完了時刻は、現時点におけるRIP実績に基づいて予測することで良好な精度を有し、画像処理装置の現在の処理状況を十分に反映しており、当該RIP完了時刻に画像形成装置が出力可能状態となっているように画像形成装置が制御されるため、RIP完了後、画像形成装置において直ちにページ出力をすることが可能であり、画像形成装置の実力に近い生産性を実現化することができる。つまり、画像形成装置の生産性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムを説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示される印刷端末の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示されるMFPの構成を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像処理方法におけるサイクルダウン判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】サイクルダウン時の時間構成を説明するための概略図である。
【図6】RIP処理に関するパラメータを説明するための概略図である。
【図7】サイクルダウン抑制指示が通知される場合における動作タイミングを説明するためのシーケンスチャートである。
【図8】サイクルダウン開始指示が通知される場合における動作タイミングを説明するためのシーケンスチャートである。
【図9】1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より短い場合における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】図9の場合に係る部品消耗量を説明するための棒グラフである。
【図11】1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より長い場合における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】図11の場合に係る部品消耗量を説明するための棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理システムを説明するためのブロック図である。
【0042】
図1に示される画像処理システム10は、多機能周辺機器(MFP:Multi−Function Peripheral)50からなり、印刷端末20にネットワーク90を介して接続されている。
【0043】
印刷端末20は、MFP50に対し印刷要求を送信するために使用される。印刷要求は、印刷すべきデータを示すページ記述言語(PDL:Page Description Language)データと、印刷処理の具体的実施条件を示す制御情報とからなる印刷情報を含んでいる。
【0044】
ネットワーク90は、印刷端末20とMFP50とを相互に通信可能に接続するために使用され、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber−Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続する構内情報通信網(LAN:Local Area Network)、LAN同士を専用線で接続した広域情報通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット、これらの組み合わせ等の各種のネットワークからなる。ネットワークプロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)である。ネットワーク90に接続される機器の種類および台数は、図1に示される構成に限定されない。
【0045】
次に、印刷端末20の構成を詳述する。
【0046】
図2は、図1に示される印刷端末の構成を説明するためのブロック図である。
【0047】
印刷端末20は、本体部30、ディスプレイ40および入力装置45を有するコンピュータ装置によって構成される。本体部30は、CPU31、ROM32、RAM33、ハードディスク(HDD)34および通信インタフェース(NIC:Network Interface Card)35を有し、これらは、バス36を経由して相互に接続されている。
【0048】
CPU31は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を実行するマイクロプロセッサ等から構成される制御回路であり、印刷端末20の各機能は、それに対応するプログラムをCPU31が実行することにより発揮される。ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する読取り専用の記憶装置である。RAM33は、作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶する高速のランダムアクセス記憶装置である。
【0049】
HDD34は、プリンタドライバやオペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納する大容量のランダムアクセス記憶装置である。プリンタドライバは、ネットワーク90を介して接続されたMFP50に対して、PDLデータと制御情報とからなる印刷情報を含んでいる印刷要求を行うために必要なモジュールを含んでいる。なお、ROM32に格納されるプログラムやデータの一部を、必要に応じ、HDD34に格納することも可能である。
【0050】
NIC35は、所謂LANボードからなる通信インタフェースであり、ネットワーク90に接続するための通信機能を印刷端末20に追加する拡張装置である。
【0051】
ディスプレイ40は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイあるいはLCD(Liquid Crystal Display)であり、印刷要求に関連する各種の情報を表示するために使用される。入力装置45は、マウス等のポインティングデバイスおよびキーボードを有し、ユーザが直接操作し、印刷要求を指示するための各種の入力を行うために使用される。
【0052】
次に、MFPの構成を詳述する。
【0053】
図3は、図1に示されるMFPの構成を説明するためのブロック図である。
【0054】
MFP50は、プリントコントローラ60とプリントエンジン70とが専用の通信インタフェースを介して一対一で接続されて構成されており、後述するように、非効率なサイクルダウンを抑制すること等により、生産性を向上させている。サイクルダウンは、印刷プロセスを停止し印刷プロセスの空転による部品の消耗を防止するためのものである。消耗部品は、例えば、プリントエンジン70の駆動系、光学系(例えばポリゴンミラー)、定着ローラ、感光体等である。
【0055】
プリントコントローラ60は、プリンタドライバを介して印刷端末20から受信したPDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージ(RI)データを生成し、当該RIデータ(処理完了したページ)を、プリントエンジン70に対して順次送信するために使用されるコンピュータ装置によって構成される画像処理装置であり、CPU61、ROM62、RAM63、HDD64、NIC65、VIF(ビデオインタフェース)66を有し、これらは、バス67を経由して相互に接続されている。プリントコントローラ60の各機能は、それに対応するプログラムをCPU61が実行することにより発揮される。
【0056】
CPU61は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を実行するマイクロプロセッサ等から構成される制御回路であり、プリントコントローラ60の各機能は、それに対応するプログラムをCPU61が実行することにより発揮される。ROM62は、各種プログラムおよび各種データを格納する読取り専用の記憶装置である。RAM63は、作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶する高速のランダムアクセス記憶装置である。HDD64は、プリンタドライバやオペレーティングシステムを含む各種プログラムや、RIP処理によって生成されたRIデータ等の各種データを保存する大容量のランダムアクセス記憶装置である。
【0057】
HDD64に保存されているプログラムは、CPU61により必要に応じて読み出され、RAM63上で実行処理される。保存されているプログラムには、RIP処理および印刷制御処理のためのプログラムが含まれる。RIP処理は、印刷端末20から受信した印刷要求に含まれるPDLデータを、プリントエンジン70が印刷に用いるラスタイメージ(RI)データに変換する処理である。印刷制御処理は、非効率なサイクルダウンを抑制し生産性を向上させるためのサイクルダウン判定処理を含んでいる。
【0058】
サイクルダウン判定処理は、概して、現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測するステップと、プリントエンジン70のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態からプリントエンジン70が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出するステップと、RIP完了時刻と最短復帰時刻とを比較し、プリントエンジン70のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定するステップと、当該判定に基づいてプリントエンジン70を制御するステップを有する。
【0059】
RIP完了時刻は、現時点におけるRIP実績に基づいて予測することで良好な精度を有し、かつ、当該RIP完了時刻と最短復帰時刻とを比較し、プリントエンジン70のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定しているため、その判定は、RIP処理以外のジョブも実行するプリントコントローラ60の現在の処理状況を十分に反映しており、非効率なサイクルダウンの発生を抑制するようにプリントエンジン70を制御することができる。
【0060】
また、RIP完了時刻を、ページ単位で予測しているため、ページ群間での意図しないサイクルダウンの発生が抑制され、また、ファーストプリントの開始を迅速に実施することが可能である。RIP完了時刻は、現時点におけるRIP実績に基づいて予測しているため、印刷端末20におけるPDLデータ生成時において、RIP完了時刻を予測するための特別な情報を生成する必要がない。
【0061】
さらに、サイクルダウン判定処理は、RIP完了時刻にプリントエンジン70が出力可能状態となっているようにプリントエンジン70を制御するステップを有する。したがって、RIP完了後、プリントエンジン70は、直ちにページ出力することが可能であり、プリントエンジン70の実力に近い生産性を実現化することができる。
【0062】
なお、必要に応じ、ROM62に格納されるプログラムやデータの一部を、HDD64に格納したり、HDD64に格納されるプログラムやデータの一部を、ROM62に格納したりすることも可能である。
【0063】
NIC65は、所謂LANボードからなる通信インタフェースであり、ネットワーク90に接続するための通信機能をMFP50に追加する拡張装置である。
【0064】
VIF67は、プリントエンジン70と通信するための専用の通信インタフェースであり、RIP処理が完了したページ単位のRIデータを、順次、プリントエンジン70へ送信するために使用される。なお、RS−232(Recommended Standard 232)C、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers))1394、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインタフェース、IEEE1284等のパラレルインタフェース、独自規格によるインタフェースを、VIFの代わりに適宜適用することも可能である。
【0065】
プリントエンジン70は、例えば、帯電、露光、現像、転写および定着工程を含む電子写真式プロセス等の作像プロセスを用いて、指定された用紙等の記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であり、接続ケーブル72を経由してプリントコントローラ60から受信した制御情報およびRIデータに従って、適切な印刷動作を実行し、1ページ出力毎にプリントコントローラ60に対してページ出力完了を通知する。また、プリントエンジン70は、受信したページ単位のRIデータの出力完了後、次ページに対応するRIデータを一定時間受信できなかった場合、サイクルダウンを発生させるように構成されている。
【0066】
また、プリントエンジン70は、プリントコントローラ60におけるサイクルダウン判定処理に応答した処理を実施する。例えば、プリントコントローラ60からサイクルダウンを抑制する指示(サイクルダウン抑制指示)を受信した場合、サイクルダウンを発生させない一方、プリントコントローラ60からサイクルダウンの発生を促す指示(サイクルダウン開始指示)を受信した場合、即座にサイクルダウンを実施し、かつ、プリントコントローラ60から通知される復帰開始時刻に到達すると、サイクルダウン状態から出力可能状態となるための復帰処理を実行し、サイクルダウン状態からの復帰処理が完了した際に、次に出力すべきRIデータを受信出来ていれば、即座に印刷動作を開始する。
【0067】
次に、本発明の実施形態に係る画像処理方法におけるサイクルダウン判定処理を詳述する。
【0068】
図4は、本発明の実施形態に係る画像処理方法におけるサイクルダウン判定処理を説明するためのフローチャート、図5は、サイクルダウン時の時間構成を説明するための概略図、図6は、RIP処理に関するパラメータを説明するための概略図である。お、図6に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、HDD64にプログラムとして記憶されており、CPU61によって実行される。
【0069】
まず、プリントエンジン70から受信した出力完了通知が、現在RIP処理中のページ(カレントページ)の直前ページに関するか否かが判定される(ステップS10)。直前ページの出力完了通知でない場合(ステップS10のNO)、サイクルダウンは不要であるため、プロセスは終了する。
【0070】
直前ページの出力完了通知である場合(ステップS10のYES)、最短復帰時刻(T)、RIP完了時刻(TRIPEnd)および復帰開始時刻(TRStart)を算出するためのパラメータが取得される(ステップS11)。
【0071】
最短復帰時刻(T)は、カレントページのRIP処理が間に合わず、サイクルダウンが発生すると予測した場合のサイクルダウン状態からの最短の復帰時刻である。RIP完了時刻(TRIPEnd)は、カレントページのRIP処理が完了する時刻である。復帰開始時刻(TRStart)は、RIP完了時刻(TRIPEnd)においてプリントエンジン70が出力可能(RIデータの印刷が可能)状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である。
【0072】
パラメータは、復帰期間(tBT)、判定期間(tJT)、現在時刻(T)、RIP済みバンド数(n)、総バンド数(N)および処理時間実績(tpRIP)である。
【0073】
復帰期間(tBT)は、休止期間(tPT)における次のページのRIデータの受信を契機としてプロセスが起動し、プリントエンジン70が出力可能状態となるまでの期間であり、次ページの出力のための準備動作を実施することで、部品の消耗が発生する。なお、休止期間(tPT)は、判定期間(tJT)中に次データが受信されず、プロセスが停止している期間である。プリントエンジン70においては、この間、部品の消耗は発生しない。
【0074】
判定期間(tJT)は、ページ出力が完了した時点で、プリントコントローラ60から次ページのRIデータが受信されなかった場合、出力可能状態で次のページのRIデータの受信を待っている期間である。プリントエンジン70においては、この間、プロセスは空転し、部品の消耗が発生する。なお、サイクルダウン期間は、休止期間(tPT)と復帰期間(tBT)との合計期間であり、この間においては、印刷は実施できない。
【0075】
現在時刻(T)は、直前ページの出力が完了した時刻である。RIP済みバンド数(n)は、現在時刻(T)におけるRIP済みバンド数である。総バンド数(N)は、カレントページの値であり、ページ毎に一定である。処理時間実績(tpRIP)は、nバンドのRIP処理に使用された時間の実績値である。
【0076】
そして、取得されたパラメータに基づき、サイクルダウン状態からの最短復帰時刻(T)が算出される(ステップS12)。サイクルダウン時の時間構成は、図5に示されるように、判定期間(tJT)、休止期間(tPT)および復帰期間(tBT)からなる。最短復帰時刻(T)は、直前ページの印刷が完了した時刻である現在時刻(T)から判定期間(tPT)の経過後にサイクルダウンが発生し、その直後に起動が実施される場合(休止期間がない場合)であるため、下記の式(1)によって算出される。
【0077】
【数1】

【0078】
次に、処理時間実績(tpRIP)に基づき、完了時刻(TRIPEnd)が予測される(ステップS13)。具体的には、例えば、図6に示されるように、現時点で、nバンドのRIP処理が完了し、その処理時間がtpRIPである場合、残りのバンドに関しても同様な処理効率で実行されることを前提としており、RIP完了時刻(TRIPEnd)は、下記の式(2)によって算出される。
【0079】
【数2】

【0080】
次に、RIP完了時刻(TRIPEnd)と最短復帰時刻(T)とが比較される(ステップS14)。RIP完了時刻(TRIPEnd)が最短復帰時刻(T)より前であると判定される場合(ステップS14のNO)、サイクルダウンの抑制が生産性および部品消耗に関して有利であるため、プリントコントローラ60から、プリントエンジン70に対してサイクルダウンを実施しないようサイクルダウン抑制指示を通知し(ステップS15)、プロセスは終了する。つまり、サイクルダウン抑制により発生するプロセス空転時間が、休止から復帰処理にかかる時間よりも短くなるため、サイクルダウンを発生させない方が、生産性が向上し、また、プロセス空転時における各種部品の消耗量と、復帰処理時における各種部品の消耗量とが、単位時間当たり同一であるため、部品消耗においても有利となるためである。
【0081】
最短復帰時刻(T)がRIP完了時刻(TRIPEnd)より前であると判定される場合(ステップS14のYES)、RIP完了時刻(TRIPEnd)から最短復帰時刻(T)を減じて得られる期間は、サイクルダウンを実施し、プロセスを休止させても、生産性に対する影響は無い一方、部品消耗において有利である。したがって、復帰開始時刻(TRStart)が、RIP完了時刻(TRIPEnd)から復帰期間(tBT)を減ずることによって算出(逆算)される(ステップS16)。つまり、RIP完了時刻においてプリントエンジン70が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻(TRStart)は、下記の式(3)によって算出される。
【0082】
【数3】

【0083】
そして、プリントコントローラ60から、プリントエンジン70に対してサイクルダウンを実施するようサイクルダウン開始指示を通知し(ステップS17)、復帰開始時刻(TRStart)に到達するまで待機する(ステップS18)。
【0084】
復帰開始時刻(TRStart)に到達したと判定される場合(ステップS18のYES)、プリントコントローラ60から、プリントエンジン70に対して復帰処理を開始する指示(復帰処理開始指示)が通知される(ステップS19)。これにより、RIP完了時刻(TRIPEnd)に到達すると直ちにプリントエンジン70を利用することが可能であるため、生産性の低下は防がれる一方、サイクルダウンの実施による部品消耗の抑制を達成することが可能である。
【0085】
なお、復帰開始時刻(TRStart)をプリントエンジン70に通知し、プリントエンジン70が、復帰開始時刻(TRStart)に到達したか否かを判定し、復帰処理を自発的に開始するように構成することも可能である。この場合、プリントコントローラ60は、復帰開始時刻(TRStart)に到達したか否かを判定するための手段およびプリントエンジン70に対して復帰処理開始指示を通知する手段が不要となる。
【0086】
次に、RIP完了時刻が最短復帰時刻より前であり、サイクルダウン抑制指示が通知される場合を例に挙げて、印刷端末20、プリントコントローラ60およびプリントエンジン70の動作タイミングを、説明する。
【0087】
図7は、サイクルダウン抑制指示が通知される場合における動作タイミングを説明するためのシーケンスチャートである。なお、図7に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、HDD34,64にプログラムとして記憶されており、CPU31,61によってそれぞれ実行される。
【0088】
まず、印刷端末20は、インストールされているプリンタドライバを介したユーザによる入力装置45からの指示に従って、プリントコントローラ60に対して印刷要求を送信する(ステップS101)。この際、例えば、印刷端末20にインストールされている文書作成プログラムによって作成された原稿データから生成されたPDLデータと、印刷処理の具体的実施条件を示す制御情報とからなる印刷情報が、プリントコントローラ60に送信される。
【0089】
プリントコントローラ60は、印刷端末20からの印刷要求を受信すると、印刷要求に含まれるPDLデータのRIP処理を開始する(ステップS102)。プリントコントローラ60は、第1ページのRIP処理が完了すると同時に、生成したRIデータをプリントエンジン70に送信し、印刷開始を指示する(ステップS103)。
【0090】
プリントエンジン70は、第1ページのRIデータを受信すると、初回起動後においてページ出力を実施し、それが完了すると、プリントコントローラ60に対し、第1ページの出力完了を通知する(ステップS104)。初回起動は、第1ページのRIデータの受信を契機として、休止状態にあった印刷プロセスを起動し、ページ出力のための準備を実施する動作である。
【0091】
プリントコントローラ60は、第2ページ(カレントページ)のRIP処理中に第1ページの出力完了通知を受信すると、現在RIP処理中のページの直前ページの出力完了通知であるため、サイクルダウン判定処理(図4参照)を開始する(ステップS105)。
【0092】
プリントエンジン70は、第1ページの出力完了時点で、第2ページのRIデータを未受信であるため、プロセスを空転させ、第2ページの受信待機動作を開始する(ステップS106)。
【0093】
プリントコントローラ60は、サイクルダウン判定処理の結果、RIP完了時刻が最短復帰時刻より前であるため、サイクルダウンを抑制すべきと判定すると、プリントエンジン70に対してサイクルダウン抑制指示を通知する(ステップS107)。
【0094】
プリントエンジン70は、プリントコントローラ60からのサイクルダウン抑制指示を受信すると、プロセスの空転を継続しながら、第2ページのRIデータの受信待機動作を継続する(ステップS108)。
【0095】
プリントコントローラ60は、第2ページのRIP処理が完了すると同時に、プリントエンジン70に対して第2ページのRIデータを送信する(ステップS109)。
【0096】
プリントエンジン70は、第2ページのRIデータの受信を契機として、第2ページのRIデータの指定媒体(用紙)に対する出力(印刷)動作を開始する(ステップS110)。
【0097】
次に、最短復帰時刻がRIP完了時刻より前であり、サイクルダウン開始指示が通知される場合を例に挙げて、印刷端末20、プリントコントローラ60およびプリントエンジン70の動作タイミングを、説明する。
【0098】
図8は、サイクルダウン開始指示が通知される場合における動作タイミングを説明するためのシーケンスチャートである。なお、図8に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、HDD34,64にプログラムとして記憶されており、CPU31,61によってそれぞれ実行される。また、ステップS201〜ステップS206は、図7に示されるステップS101〜ステップS106と略一致しているため、その説明を省略する。
【0099】
プリントコントローラ60は、ステップS205において開始されたサイクルダウン判定処理(図4参照)の結果、サイクルダウンを発生させるべきと判定すると、プリントエンジン70に対して、サイクルダウン開始指示を通知し、また、復帰開始時刻に到達すると、復帰処理開始指示を通知する(ステップS207)。
【0100】
ステップS206においてプロセスを空転させかつ次のRIデータの受信待機動作を開始しているプリントエンジン70は、プリントコントローラ60からのサイクルダウン開始指示を受信すると、サイクルダウンを実施し、プロセスを休止させる(ステップS208)。その後、復帰開始時刻に到達すると、プリントエンジン70は、プリントコントローラ60からの復帰処理開始指示を受信し、第2ページの出力処理に向けたプロセスの復帰処理を開始する(ステップS209)。
【0101】
プリントコントローラ60は、第2ページのRIP処理が完了すると同時に、プリントエンジン70に対して第2ページのRIデータを送信する(ステップS210)。
【0102】
プリントエンジン70は、この時点において、プロセスの休止(サイクルダウン状態)から復帰して利用可能となっているため、第2ページのRIデータの受信を契機として、第2ページのRIデータの指定媒体に対する出力動作を、直ちに開始する(ステップS211)。
【0103】
次に、本発明の実施形態に係る部品の消耗量を説明する。
【0104】
図9は、1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より短い場合における動作を説明するためのタイミングチャート、図10は、図9の場合に係る部品消耗量を説明するための棒グラフである。
【0105】
1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より短い場合、初回起動、第1および第2ページのRIデータの出力(印刷)までは、本実施形態と、サイクルダウン判定処理が適用されない比較例とは、同一である。
【0106】
しかし、比較例の場合、第2ページのRIデータの出力完了後の所定の判定期間に、第3ページのRIデータが受信されないため、その後、休止期間に入り、第3ページのRIデータの受信を契機として、復帰動作が開始される。この際、第3〜第5ページのRIデータが受信されており、第3〜第5ページのRIデータの出力が連続的に実施される。
【0107】
本実施形態の場合、第3ページのRIP完了時刻が最短復帰時刻より前であり、サイクルダウンを抑制する方が好ましいとサイクルダウン判定処理により判定されるため、休止することとなく空転を継続し、第3ページのRIデータが受信されると直ちにその出力が実施される。そして、第4および第5ページのRIデータも、同様に判定され、受信されると直ちにその出力が実施される。つまり、本実施形態は、1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より短い場合において、図9に示されるように、比較例と異なり、プリントコントローラ60の実力に近い生産性を実現化することが可能である。
【0108】
また、第5ページの出力時の部品消耗量は、比較例においては、第3ページのRIデータ受信の判定期間と、第3ページのRIデータ受信後の復帰期間とに対応し、本実施形態においては、第3〜第5ページのRIデータの受信を待機する間の3回の空転期間に対応している。つまり、本実施形態に係る部品消耗量は、図10に示されるように、比較例に係る部品消耗量と大差なく同等である。
【0109】
図11は、1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より長い場合における動作を説明するためのタイミングチャート、図12は、図11の場合に係る部品消耗量を説明するための棒グラフである。
【0110】
1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より長い場合、初回起動および第1ページのRIデータの出力(印刷)までは、本実施形態と、サイクルダウン判定処理が適用されない比較例とは、同一である。
【0111】
しかし、比較例の場合、第1ページのRIデータの出力完了後の所定の判定期間に、第2ページのRIデータが受信されないため、その後、休止期間に入り、第2ページのRIデータの受信を契機として、復帰動作が開始される。また、第2ページのRIデータの出力完了時において、第3ページのRIデータが未受信であるため、判定期間後、休止期間に入り、第3ページのRIデータの受信を契機として、復帰動作が開始される。
【0112】
本実施形態の場合、第2ページのRIP完了時刻が最短復帰時刻より前であり、サイクルダウンを抑制する方が好ましいとサイクルダウン判定処理に基づいて判定されるため、休止することとなく空転を継続し、第2ページのRIデータが受信されると直ちにその出力が実施される。そして、第3ページのRIP完了時刻は最短復帰時刻より後であり(遅く)、サイクルダウンを実行する方が好ましいとサイクルダウン判定処理に基づいて判定されるため、休止期間に入り、そして、復帰開始時刻に到達すると、復帰動作を開始する。第3ページのRIデータが受信された時点では、復帰動作は完了しているため、第3ページのRIデータが受信されると直ちにその出力が実施される。つまり、本実施形態は、1ページ当たりのRIP処理時間が復帰期間より長い場合においても、図11に示されるように、比較例と異なり、プリントコントローラ60の実力に近い生産性を実現化することが可能である。
【0113】
また、第3ページ出力時の部品消耗量は、比較例においては、第2ページのRIデータ受信の判定期間、第2ページのRIデータ受信後の復帰期間、第3ページのRIデータ受信の判定期間および第3ページのRIデータ受信後の復帰期間に対応し、本実施形態においては、第2ページのRIデータの受信を待機するための空転期間および第3ページのRIデータを受信直後に出力するための復帰期間に対応している。つまり、本実施形態に係る部品消耗量は、図12に示されるように、比較例に係る部品消耗量に比較し、削減することが可能である。
【0114】
以上のように、本実施の形態において、RIP完了時刻は、現時点におけるRIP実績に基づいて予測することで良好な精度を有し、かつ、当該RIP完了時刻と最短復帰時刻とを比較し、プリントエンジンのサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定しているため、その判定は、RIP処理以外のジョブも実行するプリントコントローラの現在の処理状況を十分に反映しており、非効率なサイクルダウンの発生を抑制するようにプリントエンジンを制御することができる。また、RIP完了時刻にプリントエンジンが出力可能状態となっているようにプリントエンジンが制御されるため、RIP完了後、プリントエンジンにおいて直ちにページ出力をすることが可能であり、プリントエンジンの実力に近い生産性を実現化することができる。つまり、プリントエンジンの生産性を向上させ得るプリントコントローラおよび画像処理プログラムを、提供することが可能である。
【0115】
また、RIP完了時刻を、ページ単位で予測しているため、ページ群間での意図しないサイクルダウンの発生が抑制される。さらに、RIP完了時刻は、現時点におけるRIP実績に基づいて予測しているため、印刷端末におけるPDLデータ生成時において、RIP完了時刻を予測するための特別な情報を生成する必要がない。
【0116】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、プリントコントローラにPDLデータの解析手段を配置することも可能である。この場合、RIP完了時刻を予測する際、PDLデータの解析結果を考慮し、例えば、オブジェクト種別の応じた重み(ウエイト)を付加することも可能である。
【0117】
なお、本発明に係る手段、方法およびプログラムは、専用のハードウェア回路によっても実現することも可能である。また、プログラムされたコンピュータ装置によって本発明を実現する場合、コンピュータ装置を動作させるプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供したり、記録媒体によらず、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供したりすることも可能である。この場合、プログラムは、通常、コンピュータ装置のハードディスク等のランダムアクセス記憶装置に送信されて記憶される。また、プログラムは、単独のアプリケーションソフトウェアとして提供されてもよいし、コンピュータ装置の一機能としてそのコンピュータ装置のソフトウェアに組み込むことも可能である。
【符号の説明】
【0118】
10 画像処理システム、
20 印刷端末、
30 本体部、
31 CPU、
32 ROM、
33 RAM、
34 ハードディスク(HDD)、
35 通信インタフェース(NIC)、
36 バス、
40 ディスプレイ、
45 入力装置、
50 多機能周辺機器(MFP)、
60 プリントコントローラ(画像処理装置)、
61 CPU、
62 ROM、
63 RAM、
64 ハードディスク(HDD)、
65 通信インタフェース(NIC)、
66 VIF(ビデオインタフェース)、
67 バス、
70 プリントエンジン(画像形成装置)、
72 接続ケーブル、
90 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に接続される通信インタフェースと、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手段と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手段と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手段と、
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手段と、
前記RIP完了時刻と前記最短復帰時刻とを比較し、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定する判定手段と、
前記判定に基づいて前記画像形成装置を制御する制御手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測手段は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻を予測することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、受信したページ単位のラスタイメージデータの出力完了後、次ページに対応するラスタイメージデータを一定時間受信できなかった場合、サイクルダウンを発生させるように構成されており、
前記判定手段は、前記RIP完了時刻が前記最短復帰時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを抑制すると判定するように構成されており、
前記制御手段は、サイクルダウンの発生を抑制する指示を前記画像形成装置に通知する通知手段を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させると判定するように構成されており、
前記制御手段は、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手段を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段をさらに有し、
前記判定手段は、前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手段を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段をさらに有し、
前記判定手段は、前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手段を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に接続される通信インタフェースと、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手段と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手段と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手段と、
前記RIP完了時刻に前記画像形成装置が出力可能状態となっているように前記画像形成装置を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記予測手段は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻を予測することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手段と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段とをさらに有し、
前記制御手段は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手段と、
前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手段とを有する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手段と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手段とをさらに有し、
前記制御手段は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示および前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手段を有する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に通信インタフェースを介して接続される画像処理装置に適用される画像処理プログラムであって、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手順と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手順と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手順と、
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手順と、
前記RIP完了時刻と前記最短復帰時刻とを比較し、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させるか抑制するかを判定する判定手順と、
前記判定に基づいて前記画像形成装置を制御する制御手順と
を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項16】
前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする請求項15に記載の画像処理プログラム。
【請求項17】
前記予測手順において、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻が予測されることを特徴とする請求項16に記載の画像処理プログラム。
【請求項18】
前記画像形成装置は、受信したページ単位のラスタイメージデータの出力完了後、次ページに対応するラスタイメージデータを一定時間受信できなかった場合、サイクルダウンを発生させるように構成されており、
前記判定手順は、前記RIP完了時刻が前記最短復帰時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを抑制すると判定するように構成されており、
前記制御手順は、サイクルダウンの発生を抑制する指示を前記画像形成装置に通知する通知手順を有する
ことを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項19】
前記判定手順は、前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、前記画像形成装置のサイクルダウンを発生させると判定するように構成されており、
前記制御手順は、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手順を有することを特徴とする請求項18に記載の画像処理プログラム。
【請求項20】
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順を、前記画像形成装置にさらに実行させ、
前記判定手順は、前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手順を有することを特徴とする請求項19に記載の画像処理プログラム。
【請求項21】
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順を、前記画像形成装置にさらに実行させ、
前記判定手順は、前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手順を有することを特徴とする請求項19に記載の画像処理プログラム。
【請求項22】
前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の画像処理プログラム。
【請求項23】
ページ単位のラスタイメージデータを記録媒体に出力する画像形成装置に通信インタフェースを介して接続される画像処理装置に適用される画像処理プログラムであって、
PDLデータをRIP処理し、ページ単位でラスタイメージデータを生成するRIP処理手順と、
生成された前記ラスタイメージデータを、前記インタフェースを経由して前記画像形成装置に対して送信するための送信手順と、
現時点におけるRIP処理途中のページのRIP実績に基づいて、当該ページのRIP完了時刻を予測する予測手順と、
前記RIP完了時刻に前記画像形成装置が出力可能状態となっているように前記画像形成装置を制御する制御手順と、
を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項24】
前記RIP実績は、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンド数に基づいていることを特徴とする請求項23に記載の画像処理プログラム。
【請求項25】
前記予測手順において、RIP処理途中の前記ページのRIP済みバンドのバンド当たりの処理時間を、前記ページの未RIPバンド数に乗じることによって得られる処理時間を用いて、前記RIP完了時刻が予測されることを特徴とする請求項24に記載の画像処理プログラム。
【請求項26】
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手順と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順と
を前記画像処理装置にさらに実行させ、
前記制御手順は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示を前記画像形成装置に通知する通知手順と、
前記復帰開始時刻に到達すると、前記画像形成装置が出力可能状態となるための復帰処理を開始する指示を、前記画像形成装置に通知する通知手順とを有する
ことを特徴とする請求項25に記載の画像処理プログラム。
【請求項27】
前記画像形成装置のサイクルダウンを現時点において発生させた場合において、サイクルダウン状態から前記画像形成装置が出力可能状態となるまでの最短復帰時刻を算出する算出手順と、
前記RIP完了時刻において前記画像形成装置が出力可能状態となるために、サイクルダウン状態からの復帰を開始すべき時刻である復帰開始時刻を算出する算出手順と
を前記画像処理装置にさらに実行させ、
前記制御手順は、
前記最短復帰時刻が前記RIP完了時刻より前である場合、サイクルダウンの発生を促す指示および前記復帰開始時刻を前記画像形成装置に通知する通知手順を有する
ことを特徴とする請求項25に記載の画像処理プログラム。
【請求項28】
前記復帰開始時刻は、前記画像形成装置が出力可能状態となるため復帰期間を、前記RIP完了時刻から減ずることによって逆算されることを特徴とする請求項26又は請求項27に記載の画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−126090(P2011−126090A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285357(P2009−285357)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】