画像処理装置および画像処理方法
【課題】入力画像内に画像処理の対象となる複数のオブジェクトが規則的に配置されているようなワークに対して、適切な計測処理を行うことができる画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付け、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付け、基準領域を基準として、複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける。共通の画像処理に係る設定に従って、複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行し、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する。
【解決手段】複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付け、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付け、基準領域を基準として、複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける。共通の画像処理に係る設定に従って、複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行し、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理装置および画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、FA(Factory Automation)分野などにおいては、計測対象物(以下、「ワーク」とも称す。)を撮像することで入力画像し、当該入力画像内の所定の処理対象領域に対して画像処理を実行する画像処理装置が汎用的に用いられている。このような画像処理の典型例としては、予め登録されたパターン(以下、「モデル」とも称す。)に基づくマッチング処理(以下、「パターンマッチング処理」とも称す。)がある。このようなパターンマッチング処理により、ワークに現れるキズやゴミなどの欠陥を検出したり、モデルと類似しているワーク上の領域を探し出したりすることができる。このような画像処理結果を用いてワークに対する検査や識別などを行う処理を、以下では、「計測処理」とも総称する。
【0003】
特開2009−111886号公報(特許文献1)には、パターンマッチング処理の一例が開示されている。この特許文献1に開示される画像処理装置では、入力画像内において、予め登録したモデルと一致する領域をサーチするような処理が可能となっている。
【0004】
ところで、FA分野における適用例としては、規則的に配置された複数ワークの各セットに対して検査するような場合がある。このような場合、個々のワークを1つずつ順番に撮像して入力画像を取得するという方法では、光学系および/またはワークの移動、位置決め、入力画像の取得といった一連の動作を多数回行う必要があり、多くの時間を要することとなる。
【0005】
そこで、解像度を高める必要がない計測処理などにおいては、複数のワークを含むセット全体を1つの撮像範囲に含めて入力画像を取得し、この取得した入力画像に対して、その中に存在する各ワークについて計測処理を実行する手法が一般的に採用される。
【0006】
たとえば、特開平07−078257号公報(特許文献2)には、1つの探索領域内で複数のワークをサーチする方法が開示されている。また、特開2009−300431号公報(特許文献3)には、繰り返しパターンを表す画像のパターン間にノイズが存在する場合でも、正確な欠陥検査を行う形状検査手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−111886号公報
【特許文献2】特開平07−078257号公報
【特許文献3】特開2009−300431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような先行技術の存在にもかかわらず、複数のワークが規則的に配置されているような場合には、適切な計測処理を行うことができなかった。すなわち、特許文献1に開示されるサーチ処理を用いた場合には、同一のワークに対して、モデルと一致(マッチング)すると判断される位置が複数検出される場合が多く、たとえば、あるパッケージ内に包装されるべき個数の製品(ワーク)が含まれているのかについて判断することが難しいという課題があった。また、同一の入力画像に対して、検出すべき数のモデルをそれぞれ独立に設定する必要もあり、設定作業により多くの時間を要するという課題もあった。
【0009】
また、特許文献2に開示される方法は、個々のワークについて評価するものであり、複数のワーク全体について評価するための処理が複雑化するという課題があった。
【0010】
また、特許文献3に開示される方法では、繰り返しパターンを有する検査領域が自動分割されるが、自動分割に時間がかかり、かつ、自動分割に失敗する可能性もある。自動分割が失敗すると、製品が配置される位置および数が既知であるにもかかわらず、計測処理が中断することになり、生産性を阻害する要因となり得る。また、たとえば、同一のパッケージに含まれるべき製品(ワーク)が存在しない場合には、これを検出しなければならないのに、自動分割の対象とならず、検出することができないという課題もある。さらに、特許文献3に開示される方法は、複数のワーク全体について評価するものではない。
【0011】
本発明の目的は、入力画像内に画像処理の対象となる複数のオブジェクトが規則的に配置されているようなワークに対して、適切な計測処理を行うことができる画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある局面に従えば、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理装置を提供する。画像処理装置は、前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける第1の設定入力手段と、前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける第2の設定入力手段と、前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける第3の設定入力手段と、前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行する処理実行手段と、前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する出力手段とを含む。
【0013】
好ましくは、前記画像処理は、予め設定された条件を満足するか否かを判断する処理を含む。前記画像処理装置は、前記複数の処理対象領域のうち、特定の判断結果を有する処理対象領域の数についての判断条件の設定を受付ける第4の設定入力手段をさらに含む。前記出力手段は、前記全体処理結果として、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が前記判断条件を満足しているか否かを出力する。
【0014】
さらに好ましくは、出力手段は、前記入力画像上の表示態様を異ならせることで、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果を出力する。
【0015】
好ましくは、画像処理装置は、複数の処理対象領域の別に、前記画像処理の実行対象として有効化または無効化することについての設定を受付ける第5の設定入力手段をさらに含み、前記処理実行手段は、前記複数の処理対象領域のうち、前記画像処理の実行対象として無効化された処理対象領域については前記画像処理をスキップする。
【0016】
さらに好ましくは、画像処理装置は、前記入力画像および前記入力画像に対して設定された前記複数の処理対象領域を表示する表示手段をさらに含み、前記第5の設定入力手段は、前記表示手段における表示位置と関連付けられた入力デバイスからの入力に応答して、前記複数の処理対象領域のうち選択された処理対象領域を特定するともに、当該処理対象領域を前記画像処理の実行対象として有効化または無効化すべきかを決定する。
【0017】
好ましくは、画像処理装置は、隣接する処理対象領域が前記第3の設定入力手段によって受付けられた設定を満足するように、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に規定する領域規定手段をさらに含む。
【0018】
さらに好ましくは、前記領域規定手段は、前記第2の設定入力手段によって前記基準領域の新たな設定が受付けられた場合、および、前記第3の設定入力手段によって前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合の少なくとも一方において、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に再規定する。
【0019】
さらに好ましくは、前記領域規定手段は、方形状の前記基準領域に対して、前記複数の処理対象領域を行列状に規定する。
【0020】
あるいはさらに好ましくは、前記領域規定手段は、前記複数の処理対象領域を千鳥状に規定する。
【0021】
あるいはさらに好ましくは、前記領域規定手段は、任意の形状に設定される前記基準領域に内接させて、前記複数の処理対象領域を互いに重ならないように規定する。
【0022】
あるいはさらに好ましくは、前記領域規定手段は、前記基準領域内の点を中心として、放射状に前記複数の処理対象領域を規定する。
【0023】
好ましくは、前記画像処理は、予め登録された単一のモデルを用いたマッチング処理を含む。
【0024】
この発明の別の局面に従えば、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理方法を提供する。画像処理方法は、前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付けるステップと、前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付けるステップと、前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付けるステップと、前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行するステップと、前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力するステップとを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、入力画像内に画像処理の対象となるオブジェクトが規則的に配置されているようなワークに対して、適切な計測処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置を含む視覚センサシステムの全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置を含む視覚センサシステムが対象とする別のワークの例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で実行される全体処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるモデル登録処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供される領域設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供される計測パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供される出力パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の「稼動モード」において実行される処理の概要を示す模式図である。
【図13】本実施の形態に係る画像処理装置が「稼動モード」において提供するユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態の第1変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置が対象とするワークの一例を示す模式図である。
【図16】本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態の第3変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態の第4変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0028】
《A.概要》
本実施の形態に係る画像処理装置では、入力画像に対して複数の処理対象領域を設定する。そして、この設定された複数の処理対象領域の各々に対して、画像処理(計測処理)を実行するとともに、それぞれの処理対象領域についての画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する。
【0029】
特に、本実施の形態に係る画像処理装置では、基準領域の設定に応答して、当該基準領域を基準として、複数の処理対象領域を規則的に規定する。このように、複数のワークに関する画像処理に係る条件設定を同時に行うことができるとともに、たとえば、複数のワークにそれぞれ対応付けられた処理対象領域を互いに独立に画像処理できる。そのため、条件設定を簡略化できるともに、計測処理を適切に実行することができる。
【0030】
《B.全体装置構成》
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100を含む視覚センサシステム1の全体構成を示す模式図である。図2は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100を含む視覚センサシステム1が対象とする別のワークの例を示す模式図である。
【0031】
図1を参照して、視覚センサシステム1は生産ラインなどに組み込まれ、ワークセット2に対して、計測処理を実行する。本実施の形態に係る視覚センサシステム1は、複数のワークが規則的に配置されているようなワークのセットに対する計測処理に適合化されている。
【0032】
本実施の形態に係る画像処理装置100が実行する計測処理としては、典型的には、サーチ処理やラベリング処理を含むことが多い。サーチ処理は、ワークの特徴部分を画像パターン(モデル)として予め登録しておき、入力画像のうち、当該予め登録されているモデルと最も似ている部分を入力画像から探し出す処理である。このとき、モデルと最も似ている部分の位置・傾き・回転角度や、モデルに対してどの程度似ているかを示す相関値などが算出される。また、ラベリング処理は、予め登録したモデルまたは表示属性(色など)と一致している部分を入力画像から探し出し、当該探し出した部分にラベル(番号)を付与する。これらの番号を利用することで、番号の指定に応答して、指定された部分の面積や重心位置を算出したりする。
【0033】
典型的な一例として、図1には、錠剤などをパッケージした、プレススルーパッケージ(Press Through Package:以下「PTP」とも称する。)の検査ラインの例を示す。このような検査ラインでは、ワークセット2の一例であるPTPに包装されている個々の錠剤がワークに相当する。そして、各PTP2内に、規定数の錠剤(ワーク)が包装されているか、異なる錠剤の混入はないか、といった内容が判断される。たとえば、図1には、各PTPには、正しくは4×6個の錠剤が包装されることになっているにもかかわらず、1個の錠剤が欠品となっている状態を示す。本実施の形態に係る視覚センサシステム1では、少なくとも1個のPTPに対応する像が1つの入力画像に含まれるように撮像を行い、そして、この入力画像に対して計測処理を行うことで、図1に示すような錠剤の欠品を検出する。
【0034】
図2には、別の適用例を示す。すなわち、図2に示す例では、飲料品が封入された複数のボトルが各ケース3にセットされているものが計測対象となっている。たとえば、各ケース3について、規定数のビール瓶が詰められているかを出荷前に検査するようなラインに適用される。図2には、紙面右側のケース3で1本の瓶が欠品となっている状態を示す。本実施の形態に係る視覚センサシステム1においては、このような欠品についても、後述するようなロジックに従って検出する。
【0035】
このように、本実施の形態に係る画像処理装置100は、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域(すなわち、オブジェクト)毎に画像処理(計測処理)を実行し、複数の処理対象領域(オブジェクト)に対するそれぞれの画像処理(計測処理)の結果を反映した全体処理結果を出力する。
【0036】
次に、視覚センサシステム1およびそれに含まれる画像処理装置100の具体的な装置構成について説明する。
【0037】
再度図1を参照して、視覚センサシステム1においては、ワークセット2はベルトコンベヤなどの搬送機構6によって搬送され、搬送されたワークセット2は、撮像装置8によって所定タイミングで撮像される。撮像装置8は、一例として、レンズなどの光学系に加えて、CCD(Coupled Charged Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサといった、複数の画素に区画された撮像素子を含んで構成される。なお、撮像装置8で撮像されるワークセット2に対して光を照射する照明機構をさらに設けてもよい。
【0038】
撮像装置8の撮像によって得られる画像(入力画像)は、画像処理装置100へ伝送される。画像処理装置100は、この撮像装置8から受けた入力画像に対してパターンマッチング処理を実行し、その結果を接続されたディスプレイ102で表示したり、その結果を外部装置へ出力したりする。
【0039】
ワークセット2が撮像装置8の視野内に到達したことは、搬送機構6の両端に配置された光電センサ4によって検出される。具体的には、光電センサ4は、同一の光軸上に配置された受光部4aと投光部4bとを含み、投光部4bから放射される光がワークセット2で遮蔽されることを受光部4aで検出することによって、ワークセット2の到達を検出する。この光電センサ4のトリガ信号は、PLC(Programmable Logic Controller)5へ出力される。
【0040】
PLC5は、光電センサ4などからのトリガ信号を受信するとともに、搬送機構6の制御自体を司る。
【0041】
画像処理装置100は、ワークセット2に対して各種の画像処理を実行する計測モードと、後述するモデル登録処理などを行うための設定モードとを有している。これらのモードは、ユーザがマウス104などを操作することで切替えられる。
【0042】
画像処理装置100は、典型的には、汎用的なアーキテクチャを有しているコンピュータであり、予めインストールされたプログラム(命令コード)を実行することで、後述するような各種機能を提供する。このようなプログラムは、典型的には、メモリカード106などに格納された状態で流通する。
【0043】
このような汎用的なコンピュータを利用する場合には、本実施の形態に係る機能を提供するためのアプリケーションに加えて、コンピュータの基本的な機能を提供するためのOS(Operating System)がインストールされていてもよい。この場合には、本実施の形態に係るプログラムは、OSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。すなわち、本実施の形態に係るプログラム自体は、上記のようなモジュールを含んでおらず、OSと協働して処理が実行されてもよい。本実施の形態に係るプログラムとしては、このような一部のモジュールを含まない形態であってもよい。
【0044】
さらに、本実施の形態に係るプログラムは、他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には、上記のような組合せられる他のプログラムに含まれるモジュールを含んでおらず、当該他のプログラムと協働して処理が実行される。すなわち、本実施の形態に係るプログラムとしては、このような他のプログラムに組込まれた形態であってもよい。なお、プログラムの実行により提供される機能の一部もしくは全部を専用のハードウェア回路として実装してもよい。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100の概略構成図である。図3を参照して、画像処理装置100は、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit)110と、記憶部としてのメインメモリ112およびハードディスク114と、カメラインターフェイス116と、入力インターフェイス118と、表示コントローラ120と、PLCインターフェイス122と、通信インターフェイス124と、データリーダ/ライタ126とを含む。これらの各部は、バス128を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0046】
CPU110は、ハードディスク114に格納されたプログラム(コード)をメインメモリ112に展開して、これらを所定順序で実行することで、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、ハードディスク114から読み出されたプログラムに加えて、撮像装置8によって取得された画像データ、ワークデータ、モデルに関する情報などを保持する。さらに、ハードディスク114には、各種設定値などが格納されてもよい。なお、ハードディスク114に加えて、あるいは、ハードディスク114に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
【0047】
カメラインターフェイス116は、CPU110と撮像装置8との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、カメラインターフェイス116は、ワークセット2を撮像して画像データを生成するための撮像装置8と接続される。より具体的には、カメラインターフェイス116は、1つ以上の撮像装置8と接続が可能であり、撮像装置8からの画像データを一時的に蓄積するための画像バッファ116aを含む。そして、カメラインターフェイス116は、画像バッファ116aに所定コマ数の画像データが蓄積されると、その蓄積されたデータをメインメモリ112へ転送する。また、カメラインターフェイス116は、CPU110が発生した内部コマンドに従って、撮像装置8に対して撮像コマンドを与える。
【0048】
入力インターフェイス118は、CPU110とマウス104、キーボード、タッチパネルなどの入力部との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、入力インターフェイス118は、ユーザが入力部を操作することで与えられる操作指令を受付ける。
【0049】
表示コントローラ120は、表示装置の典型例であるディスプレイ102と接続され、CPU110における画像処理の結果などをユーザに通知する。すなわち、表示コントローラ120は、ディスプレイ102に接続され、当該ディスプレイ102での表示を制御する。
【0050】
PLCインターフェイス122は、CPU110とPLC5との間のデータ伝送を仲介する。より具体的には、PLCインターフェイス122は、PLC5によって制御される生産ラインの状態に係る情報やワークに係る情報などをCPU110へ伝送する。
【0051】
通信インターフェイス124は、CPU110とコンソール(あるいは、パーソナルコンピュータやサーバ装置)などとの間のデータ伝送を仲介する。通信インターフェイス124は、典型的には、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)などからなる。なお、後述するように、メモリカード106に格納されたプログラムを画像処理装置100にインストールする形態に代えて、通信インターフェイス124を介して、配信サーバなどからダウンロードしたプログラムを画像処理装置100にインストールしてもよい。
【0052】
データリーダ/ライタ126は、CPU110と記録媒体であるメモリカード106との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、メモリカード106には、画像処理装置100で実行されるプログラムなどが格納された状態で流通し、データリーダ/ライタ126は、このメモリカード106からプログラムを読出す。また、データリーダ/ライタ126は、CPU110の内部指令に応答して、撮像装置8によって取得された画像データおよび/または画像処理装置100における処理結果などをメモリカード106へ書込む。なお、メモリカード106は、CF(Compact Flash)、SD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイスや、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記憶媒体や、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体等からなる。
【0053】
また、画像処理装置100には、必要に応じて、プリンタなどの他の出力装置が接続されてもよい。
【0054】
《C.全体処理手順》
まず、本実施の形態に係る画像処理装置100において実行される全体処理の概要について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理装置100は、各ワークセット2についての入力画像を実際に取得するとともに、取得した入力画像に対して計測処理を実行する「稼動モード」と、この「稼動モード」においてユーザが所望する動作を実現するための各種設定を行うための「設定モード」とを有する。これらの「設定モード」と「稼動モード」とは、ユーザ操作に応じて、適宜切替えられる。
【0055】
図4は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で実行される全体処理の手順を示すフローチャートである。図4に示す各ステップは、画像処理装置100のCPU110が予め用意されたプログラム(命令コード)を実行することで提供される。なお、図4には、「設定モード」および「稼動モード」の両方の処理手順を含んで記載しており、初期モードは「設定モード」であるとする。
【0056】
図4を参照して、CPU110は、モデル登録を受付ける(ステップS11)。このモデル登録処理において設定されたモデルを用いて、パターンマッチング処理(サーチ処理)が実行されることになる。
【0057】
後述するように、1つの入力画像に対するパターンマッチング処理は、当該入力画像に規定される複数の処理対象領域のそれぞれに対して、予め登録された単一のモデルに基づいて実行される。すなわち、入力画像に規定される処理対象領域の数だけ、同一のモデルを用いたパターンマッチング処理が繰返される。ステップS11においては、CPU110は、複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける。
【0058】
続いて、CPU110は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける(ステップS12)。さらに、CPU110は、ステップS12において設定された基準領域を基準として、入力画像に対して、複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定(マトリックス設定)を受付ける(ステップS13)。この時点で、ステップS12において設定された基準領域を基準として、入力画像に対して、ステップS13において設定された設定値に従って複数の処理対象領域が規則的に規定される。
【0059】
なお、ステップS12において基準領域の新たな設定が受付けられた場合、または、ステップS13において複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合において、CPU110は、複数の処理対象領域を入力画像上に再規定する。すなわち、ユーザが基準領域または複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を変更すると、当該変更に応じて、規定されている複数の処理対象領域についても更新する。
【0060】
続いて、CPU110は、計測パラメータを受付ける(ステップS14)。この計測パラメータは、各処理対象領域に対して実行される計測処理の結果を評価するための条件と、複数の処理対象領域に対するそれぞれの計測処理の結果を反映した全体処理結果を出力するための条件とを含む。
【0061】
典型的には、前者の条件としては、各処理対象領域に対してパターンマッチング処理を実行した場合に得られる相関値に関連付けられるしきい値などが挙げられる。すなわち、パターンマッチング処理の実行の結果得られた相関値が所定のしきい値以上であれば、当該処理対象領域については「OK」と判断し、当該相関値が所定のしきい値未満であれば、「NG」と判断する。このように、各処理対象領域に対して実行される計測処理(画像処理)は、計測パラメータの一部として予め設定された条件を満足するか否かを判断する処理を含む。
【0062】
一方、後者の条件としては、複数の処理対象領域のうち、特定の判断結果を有する処理対象領域の数についての判断条件の設定が挙げられる。たとえば、1つの入力画像に対して規定される複数の処理対象領域のそれぞれに対して実行されたパターンマッチング処理の結果、「OK」と判断された処理対象領域の数が所定のしきい値以上であれば、当該入力画像については全体として「OK」と判断し、「OK」と判断された処理対象領域の数が当該しきい値未満であれば全体として「NG」と判断する。このように、全体処理結果として、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果に基づいて、入力画像全体を評価するための条件が設定される。
【0063】
また、CPU110は、出力パラメータを受付ける(ステップS15)。この出力パラメータは、稼動モードにおいて実行される計測処理(画像処理)の結果を出力する際の条件を含む。
【0064】
そして、CPU110は、「稼動モード」への切替えが指示されたか否かを判断する(ステップS16)。「稼動モード」への切替えが指示されていなければ(ステップS16においてNO)、ステップS11以下の処理が繰返される。これに対して、「稼動モード」への切替えが指示されていれば(ステップS16においてYES)、ステップS21以下の処理が実行される。
【0065】
なお、図4に示すフローチャートにおいては、便宜上、ステップS11〜S15の処理を直列的に記載したが、これらの処理は並列的に実行してもよいし、その実行順序を適宜入れ替えてもよい。
【0066】
「稼動モード」へ切替えられると、CPU110は、入力画像の取得タイミングを待つ(ステップS21)。典型的には、図1に示す光電センサ4(受光部4aおよび投光部4b)からのセンサ出力によって、撮像装置8の視野範囲にワークセット2が到達したことが検出され、PLC5からこの検出が伝えられると、CPU110は、入力画像の取得タイミングであると判断する。
【0067】
入力画像の取得タイミングであると判断されると(ステップS21においてYES)、CPU110は、入力画像を取得する(ステップS22)。より具体的には、CPU110は、撮像装置8に対して撮像指令を与えることで、撮像装置8に撮像処理を実行させる。あるいは、撮像装置8が連続的に(所定のフレーム周期で)撮像を繰返している場合には、当該タイミングにおいて撮像装置8から出力されている画像データを入力画像として保存する。一方、入力画像の取得タイミングではないと判断されると(ステップS21においてNO)、ステップS21の処理が繰返される。
【0068】
続いて、CPU110は、ステップS22において取得された入力画像に対して、複数の処理対象領域を規則的に規定する(ステップS23)。このとき、CPU110は、入力画像を示す画像データを各処理対象領域に対応付けて分割する。この分割によって得られた各処理対象領域に対応する画像データのサブセットがパターンマッチング処理の対象となる。
【0069】
ここで、CPU110は、入力画像に関連付けて設定されている基準領域において、隣接する処理対象領域が、ステップS13において設定された複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定(マトリックス設定)を満足するように、複数の処理対象領域を入力画像上に規定する。
【0070】
続いて、CPU110は、ステップS11において設定された共通の画像処理に係る設定(予め登録されたモデル)に従って、複数の処理対象領域の各々に対して画像処理(パターンマッチング処理)を実行する(ステップS24)。続いて、CPU110は、ステップS24の画像処理の実行結果が、ステップS14において予め設定された条件(計測パラメータ)を満足するか否かを判断する(ステップS25)。
【0071】
CPU110は、ステップS24およびS25の処理を、入力画像に対して規定した処理対象領域の数だけ繰返す。
【0072】
その後、CPU110は、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する(ステップS26)。このとき、CPU110は、全体処理結果として、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果がステップS14において予め設定された判断条件(計測パラメータ)を満足しているか否かを判断した結果を出力する。そして、今回の処理は完了する。
【0073】
その後、CPU110は、「設定モード」への切替えが指示されたか否かを判断する(ステップS27)。「設定モード」への切替えが指示されていなければ(ステップS27においてNO)、ステップS21以下の処理が繰返される。これに対して、「設定モード」への切替えが指示されていれば(ステップS27においてYES)、ステップS11以下の処理が実行される。
【0074】
なお、ユーザから処理終了が指示されると、図4に示すフローチャートの実行は中断/中止される。
【0075】
《D.ユーザインターフェイス》
本実施の形態に係る画像処理装置100が提供するユーザインターフェイス画面の一例を図5〜図11および図13に示す。図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面は、設定モードにおいて提供され、図13に示すユーザインターフェイス画面は、稼動モードにおいて提供される。
【0076】
図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面では、撮像装置8によって取得された入力画像が表示されるともに、本実施の形態に係る計測処理に必要な各種パラメータを設定できるようになっている。なお、図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面については、タブを選択することで、相互に切替え可能となっている。また、図13に示すユーザインターフェイス画面では、撮像装置8によって取得された入力画像が表示されるともに、当該入力画像に対して実行された計測処理の結果が表示される。
【0077】
以下、図4に示す主要なステップにおけるより詳細な処理/動作について、これらのユーザインターフェイス画面を参照しながら説明する。
【0078】
《E.モデル登録処理》
まず、図4のステップS11に示すモデル登録処理について説明する。
【0079】
図5は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供されるモデル登録処理に係るユーザインターフェイス画面201の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面201は、複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける。
【0080】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面201では、モデル登録タブ210と、領域設定タブ212と、マトリックス設定タブ214と、計測パラメータタブ216と、出力パラメータタブ218とが選択可能に表示される。図5に示すユーザインターフェイス画面201は、モデル登録タブ210が選択されることで提供される。
【0081】
ユーザインターフェイス画面201は、モデルパラメータ設定エリア220と、モデル登録画像エリア228と、画像表示エリア250と、全体表示エリア252と、表示制御アイコン群254とを含む。
【0082】
画像表示エリア250には、撮像装置8で撮像することで生成される入力画像が表示される。モデル登録処理においては、撮像装置8の視野範囲に基準となるワークセット(基準モデル)がセットされる。このワークセットを撮像して得られた入力画像が画像表示エリア250に表示されるとともに、ユーザは、マウス操作などを行うことで、モデルとして登録したい範囲を設定することで、その範囲に含まれる画像がモデルとして登録されることになる。
【0083】
なお、図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面の例においては、3行×3列の処理対象領域(9箇所)が設定されるとともに、これらの処理対象領域のうち、7箇所には検出対象のワークOKWが配置されており、他の1箇所には検出すべきではない対象のワークNGWが配置されており、残りの1箇所には何らのワークも配置されていない例を示す。そのため、本来的には、7個のワークOKWについては「OK」と判断され、残りの処理対象領域については「NG」と判断され、もしくは、計測処理がスキップされる必要がある。
【0084】
まず、図5には、モデルとして円形(真円および楕円のいずれも含む)の範囲を登録する例を示す。この場合には、ユーザが、モデルとして登録すべき中心位置にカーソルを移動させ(カーソル位置CRS1)、引き続いて、モデルの外周位置(カーソル位置CRS2)までドラッグすることで、モデル領域262が設定され、このモデル領域262内の画像がモデルとして登録される。なお、モデル領域262の中心位置260についても表示される。
【0085】
なお、モデルとして登録する形状は、ユーザが任意に設定することができる。すなわち、ユーザが編集ボタン226を選択すると、モデル形状を選択するためのポップアップ画面(図示しない)が表示され、当該ポップアップ画面において、長方形や多角形などを選択することもできる。なお、同一の入力画像に対して複数のモデルを登録することもできる。登録されているモデルは、登録画像エリア227にその形状を示す文字によって一覧表示される。図5に示す例では、円形のモデルが登録されており、そのことが「楕円」の文字とともに表示されている。
【0086】
なお、ユーザが表示制御アイコン群254のいずれかのボタンを選択すると、選択されたボタンに応じて、画像表示エリア250に表示される画像の表示範囲/表示倍率などが変更される。また、全体表示エリア252には、画像表示エリア250において表示可能な画像の全体が表示される。
【0087】
このようにして、モデルとして用いる画像が設定される。ユーザインターフェイス画面201では、このモデルを用いたパターンマッチング処理に係る設定についても入力することが可能である。
【0088】
より具体的には、パターンマッチング処理に係る設定を入力するためのモデルパラメータ設定エリア220が表示される。モデルパラメータ設定エリア220においては、パターンマッチング処理に係る設定(サーチモード、安定度、精度など)を受付ける。
【0089】
サーチモードに係る設定については、ラジオボタン221を選択することで、「相関サーチ」または「形状サーチ」のいずれかを設定することができる。「相関サーチ」では、モデルと処理対象領域内の画像との間の相関値に基づいてサーチ処理(パターンマッチング処理)が実行される。これに対して、「形状サーチ」では、モデルと処理対象領域内の画像との間の形状を示す値(たとえば、エッジのベクトル量を示すエッジコード)に基づいてサーチ処理(パターンマッチング処理)が実行される。
【0090】
また、登録されているモデルだけではなく、当該モデルを回転しつつパターンマッチング処理を行うことも可能である。これは、ワークセット2が本来の位置から回転した状態で撮像装置8によって撮像される場合などを想定したものである。
【0091】
より具体的には、回転チェックボックス223が有効化されると、上述した詳細サーチ処理および角度サーチ処理などが有効化される。また、回転チェックボックス223が無効化されると、モデルを回転させてのパターンマッチング処理が行われない。
【0092】
回転チェックボックス223が有効化された場合、ユーザが回転パラメータ設定エリア222内の数値入力ボックスに設定する回転範囲の間でモデルを回転させて、サーチ処理が実行される。また、そのモデルを回転させる角度間隔(刻み角度)についても設定される。設定したモデルおよび対象の処理対象領域に応じて、この回転範囲および刻み角度を適切に設定することで、サーチ精度を維持したまま、処理速度を向上させることもできる。
【0093】
また、ユーザは、スライド224および225を操作することで、サーチ処理に係る安定度および精度をそれぞれ設定することができる。安定度の値を高めることで、誤検出の確率を下げることができるが、サーチ処理に要する時間は相対的に長くなる。また、精度の値を高めることで、検出される座標位置の精度を高めることができるが、サーチ処理に要する時間は相対的に長くなる。そのため、ユーザは、各ワークセットに許容される検査時間などを考慮して、これらのパラメータを設定することになる。
【0094】
なお、登録したモデルに対する編集操作も可能である。より具体的には、モデル登録画像エリア228には、登録されているモデルを表示するための「登録画像表示」ボタン、登録されているモデルを改めて再登録するための「モデル再登録」ボタン、および、登録されているモデルを削除するための「削除」ボタンが選択可能に表示される。
【0095】
以上のような手順によって、モデルおよび当該モデルを用いたパターンマッチング処理に必要なパラメータが設定される。
【0096】
《F.領域設定処理》
次に、図4のステップS12に示す領域設定処理について説明する。
【0097】
図6は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供される領域設定処理に係るユーザインターフェイス画面202の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面202は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける。図6に示すユーザインターフェイス画面202は、領域設定タブ212が選択されることで提供される。
【0098】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面202では、まず、1つの処理対象領域の大きさが設定される。すなわち、図5に示すモデル登録処理において設定されたモデル領域262が入力画像の上に重ねて表示されるとともに、ユーザがマウス104などを操作することなどして、1つの処理対象領域を示す単位領域264を設定する。
【0099】
図6に示すユーザインターフェイス画面202においては、一例として、ユーザが長方形の単位領域264を設定している状態を示す。この例では、ユーザが、単位領域264とすべき範囲の左上位置にカーソルを移動させ(カーソル位置CRS3)、引き続いて、単位領域264とすべき範囲の右下位置(カーソル位置CRS4)までドラッグすることで、単位領域264が設定される。
【0100】
本実施の形態に係る画像処理装置100においては、この単位領域264を用いて、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域が設定される。この基準領域を設定する処理については、図7を用いて説明する。
【0101】
なお、単位領域264の形状は、ユーザが任意に設定することができる。すなわち、ユーザが編集ボタン232を選択すると、単位領域264の形状を選択するためのポップアップ画面(図示しない)が表示され、当該ポップアップ画面において、長方形や多角形などを選択することもできる。設定されている単位領域264は、登録画像エリア230にその形状を示す文字によって一覧表示される。図6に示す例では、長方形のモデルが登録されており、そのことが「長方形」の文字とともに表示されている。
【0102】
図6に示すユーザインターフェイス画面202においては、「マトリックス設定を自動更新する」とのチェックボックス234が表示されており、ユーザが、このチェックボックス234をチェックして有効化すると、単位領域264の設定に従って複数の処理対象領域が規定された後に、当該単位領域264の大きさなどが変更されると、当該変更後の単位領域264の大きさなどに従って、複数の処理対象領域が再規定される。このように、チェックボックス234は、単位領域264の設定と入力画像に対する複数の処理対象領域の設定とを連動させる処理を有効化/無効化するためのボタンである。
【0103】
《G.マトリックス設定処理》
次に、図4のステップS13に示すマトリックス設定処理について説明する。
【0104】
図7〜図9は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面203の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面203は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける。図7に示すユーザインターフェイス画面203は、マトリックス設定タブ214が選択されることで提供される。
【0105】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面203では、まず、図6に示すユーザインターフェイス画面202において設定された、1つの処理対象領域を示す単位領域264を用いて基準領域が設定される。具体的には、ユーザインターフェイス画面203においては、図6に示す領域設定処理において設定された単位領域264が入力画像の上に重ねて表示されるとともに、ユーザがマウス104などを操作することなどして、単位領域264を入力画像上の2つ以上の位置にそれぞれ配置する。そして、入力画像上に配置された複数の単位領域264に基づいて、基準領域が設定される。
【0106】
本実施の形態に係る画像処理装置100においては、一例として、ユーザインターフェイス画面上で単位領域264を移動して配置された2つの単位領域(コピー)266を内接するような範囲が基準領域として設定される。
【0107】
たとえば、図7に示すように、ユーザが単位領域264を左上に移動させて単位領域(コピー)266_1を配置(カーソル位置CRS5からカーソル位置CRS6まで移動)し、続いて、単位領域264を右下に移動させて単位領域(コピー)266_2を配置(カーソル位置CRS7からカーソル位置CRS8まで移動)したとする。この場合には、単位領域(コピー)266_1の左上の座標点と単位領域(コピー)266_2の右下の座標点とを頂点とする長方形の範囲が基準領域として設定される。
【0108】
すなわち、ユーザは、単位領域264を、入力画像に表れているワークセット2のうち先頭位置(左上部)にあるワークと一致するように移動させるとともに、最終位置(右下部)にあるワークと一致するように移動させる。なお、マトリックス設定タブ214が選択されて、図7に示すユーザインターフェイス画面203が表示されたことをイベントとして、単位領域264の設定に基づいて、単位領域(コピー)266_1および266_2を作成するとともに、これらをデフォルト位置に選択可能に表示してもよい。
【0109】
もちろん、後述するように、ユーザが基準領域として任意の形状を設定してもよい。
このように、ユーザインターフェイス画面203は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける。
【0110】
なお、単位領域(コピー)266_1および266_2の形状についても、ユーザが任意に変更することができる。すなわち、ユーザが編集ボタン232を選択すると、単位領域264の形状を選択するためのポップアップ画面(図示しない)が表示され、当該ポップアップ画面において、その大きさや形状などを変更することもできる。登録画像エリア230には、入力画像上に設定されている単位領域(コピー)が、その形状を示す文字によって一覧表示される。図7に示す例では、2つの単位領域(コピー)が設定されていることから、そのことが2つの「長方形」の文字とともに表示されている。
【0111】
続いて、ユーザインターフェイス画面203は、複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける。本実施の形態に係る画像処理装置100においては、方形状の基準領域に対して、複数の処理対象領域が行列状(マトリックス状)に規定される。そのため、ユーザインターフェイス画面203は、このように処理対象領域を行列状に配置するために必要なパラメータを受付ける。
【0112】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面203は、マトリックス設定エリア240を含む。マトリックス設定エリア240は、基準領域内に配置する処理対象領域の行方向の数(行数)および列方向の数(列数)をそれぞれ設定するための数値入力ボックス241および242を含む。ユーザが数値入力ボックス241および242にそれぞれ所望する数を入力することで、基準領域に対して、複数の処理対象領域が設定される。なお、図7〜図9に示す例においては、3行×3列の処理対象領域が規定されるように設定されている状態を示す。
【0113】
このように、単位領域264および基準領域が設定され、さらに、基準領域内に配置する処理対象領域の行方向の数(行数)および列方向の数(列数)が設定された後に、「OK」ボタンが押下されると、画像処理装置100は、隣接する処理対象領域がマトリックス設定エリア240の数値入力ボックス241および242において受付けられた設定を満足するように、複数の処理対象領域を入力画像上に規定する。すなわち、図8に示すようなユーザインターフェイス画面203が表示される。
【0114】
図8を参照して、ユーザインターフェイス画面203においては、入力画像に対して、複数の処理対象領域267_1〜267_9(これらを総称して「処理対象領域267」とも記載する。)が行列状に配置される。ここで、処理対象領域267_1〜267_9の各々の大きさは、図6において設定した単位領域264の大きさと同じである。
【0115】
なお、複数の処理対象領域(単位領域264)が占める範囲に比較して、基準領域の面積がより大きければ、互いに重ねることなく、複数の処理対象領域を行列状に配置できる。この状態では、あたかも基準領域が分割されたように見える(図8参照)ので、図7〜図9に示すユーザインターフェイス画面203においては、「分割数」との名称を付している。但し、本実施の形態に係る画像処理装置100においては、複数の処理対象領域が互いに重なるように配置される場合も許容されている。この場合であっても、各処理対象領域における共通部分(たとえば、中心点)に注目すれば、複数の処理対象領域が行列状に配置されていることになる。
【0116】
マトリックス設定エリア240は、さらに、基準領域のサイズを調整するための数値入力ボックス243および244、ならびに、基準領域を基準として設定された複数の処理対象領域の全体的な位置を調整するための数値入力ボックス245および246を含む。
【0117】
ユーザが数値入力ボックス243および244にそれぞれ所望する数を入力することで、基準領域のサイズが変更される。すなわち、数値入力ボックス243には、基準領域の幅の変更量が入力され、数値入力ボックス244には、基準領域の高さの変更量が入力される。なお、数値入力ボックス243および244に入力される数値は、(現在設定されている基準領域に対する)相対値であることが好ましい。このように、基準領域のサイズが変更されることで、処理対象領域267_1〜267_9の配置形態(すなわち、隣接する処理対象領域267の間隔や処理対象領域267の位置など)が更新される。
【0118】
また、ユーザが数値入力ボックス245および246にそれぞれ所望する数を入力することで、基準領域の配置位置が変更される。すなわち、数値入力ボックス245には、基準領域のX方向(紙面左右方向)への移動量が入力され、数値入力ボックス246には、基準領域のY方向(紙面上下方向)への変更量が入力される。なお、数値入力ボックス245および246に入力される数値は、(現在設定されている基準領域に対する)相対値であることが好ましい。このように、基準領域の配置位置が変更されることで、入力画像に対する、処理対象領域267_1〜267_9の全体の位置関係が更新される。
【0119】
当然のことながら、処理対象領域の行数または列数の値が更新されると、すなわち、数値入力ボックス241または242に新たな値が入力されると、入力画像上に規定される処理対象領域の数や位置が更新される。
【0120】
このように、本実施の形態に係る画像処理装置100においては、基準領域の新たな設定が受付けられた場合、または、複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合には、複数の処理対象領域が入力画像上に再規定される。
【0121】
以上のように、図4のステップS13に示すマトリックス設定処理においては、ユーザは、基準領域の先頭位置および最終位置を設定し、続いて、行方向(紙面上下方向)および列方向(紙面左右方向)についての分割数を設定することで、複数の処理対象領域が規則的に規定される。追加的に、ユーザは、基準領域のサイズ(幅および高さ)ならびに基準領域の位置(X方向およびY方向)を調整する。
【0122】
このように、ユーザは、入力画像を見ながら基準領域を設定できるので、より容易に、処理対象領域を規則的に配置することができる。すなわち、入力画像に対して設定すべき複数の処理対象領域のうち、左上および右下(あるいは、右上および左下)にそれぞれ位置する処理対象領域のみを設定すれば、残りの処理対象領域については自動的に設定されるので、非常に簡便かつ短時間で処理対象領域を設定できる。
【0123】
なお、対象のワークセット2において、主たる規則性の一部が満たされていない場合もある。たとえば、図8に示すように、最左列の2行目には、検出対象のワークが存在しない。このような部分的に規則性を満たさないようなワークセット2にも適合できるように、本実施の形態に係る画像処理装置100では、規定された複数の処理対象領域の別に、計測処理(画像処理)の実行対象として有効化または無効化することについて設定することができる。
【0124】
すなわち、ユーザが、入力画像上に規定された複数の処理対象領域267_1〜267_9のいずれかをマウスなどを用いてクリックすると、図9に示すようなプルダウンメニュー279が表示される。プルダウンメニュー279においては、「有効化」または「無効化」が選択可能となっている。「有効化」が選択されると、対応する処理対象領域267は、計測処理(画像処理)の対象となる。一方、「無効化」が選択されると、対応する処理対象領域267は、計測処理(画像処理)がスキップされる。
【0125】
このように、ユーザインターフェイス画面203は、ディスプレイ102における表示位置と関連付けられたマウス(あるいは、タッチパネル)といった入力デバイスからの入力に応答して、複数の処理対象領域のうち選択された処理対象領域を特定するともに、当該処理対象領域を計測処理(画像処理)の実行対象として有効化または無効化すべきかを決定する。
【0126】
なお、各処理対象領域が有効化されているか、あるいは、無効化されているかを一見して把握できるように、有効化/無効化の状態に応じて、表示形態を異ならせるようにしてもよい。たとえば、無効設定された処理対象領域については、グレイ色で表示(グレイアウト)してもよい。
【0127】
《H.計測パラメータ設定処理》
次に、図4のステップS14に示す計測パラメータ設定処理について説明する。
【0128】
図10は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供される計測パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面204の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面204は、各処理対象領域267に対して実行される計測処理(画像処理)の結果を評価するための条件、および、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の評価結果を反映した全体処理結果を生成するための条件をそれぞれ受付ける。図10に示すユーザインターフェイス画面204は、計測パラメータタブ216が選択されることで提供される。
【0129】
まず、ユーザインターフェイス画面204は、計測条件エリアおよび抽出条件エリアを含む。これらのエリアは、各処理対象領域267に対して実行される計測処理(画像処理)の結果を評価するための条件を受付ける。
【0130】
すなわち、計測条件エリアには、パターンマッチング処理をサブピクセル単位で実行するか否かを設定するためのサブピクセル処理チェックボックス271と、サブピクセル処理を実行する際の候補点レベルの値を設定するための数値入力ボックス272とが表示される。サブピクセル処理チェックボックス271が有効化されると、予め登録されたモデルとの一致度の高い候補点(ピクセル単位)に対して、サブピクセル処理が実行される。このサブピクセル処理を実行するための候補点を抽出するための条件(しきい値)として、数値入力ボックス272に入力された値(相関値)が用いられる。
【0131】
また、抽出条件エリアは、予め登録されたモデルと一致した領域のうち、いずれの領域が「OK」であるかを判断するための条件(しきい値)を受付ける。より具体的には、抽出条件エリアには、「OK」対象と判断するための相関値についてのしきい値を設定するための数値入力ボックス274と、「OK」対象と判断するための回転角度についてのしきい範囲を設定するための数値入力ボックス275とが表示される。
【0132】
パターンマッチング処理においては、予め登録されたモデルとの一致度を示す値として相関値が算出されるとともに、一致度が最大となるようにモデル画像を所定範囲にわたって回転させる。そのため、パターンマッチング処理の結果は、相関値および回転角度を含む。そこで、パターンマッチング処理の結果得られた相関値が数値入力ボックス274に設定されている値以上となっており、かつ、パターンマッチング処理の結果得られた回転角度が数値入力ボックス275に設定されている範囲内となっている場合に、対応する処理対象領域については「OK」であると判断される。
【0133】
次に、ユーザインターフェイス画面204は、計測パラメータエリアおよび判定条件エリアを含む。これらのエリアは、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の評価結果を反映した全体処理結果を生成するための条件を受付ける。
【0134】
計測パラメータエリアには、全体処理結果の生成に、「OK」と判断された処理対象領域の数を用いるのか、あるいは、「NG」と判断された処理対象領域の数を用いるのかを設定するラジオボタン273が表示される。
【0135】
「OK」領域数に対応するラジオボタンが選択されると、計測モードとして「OK領域数」が選択される。この計測モードでは、複数の処理対象領域に対してそれぞれ実行された計測処理の結果のうち、「OK」と判断されたものの数が後述する判定条件に合致していれば、全体処理結果として「OK」と判断される。すなわち、対象のワークセット2が「OK」であるとの結果が出力される。この「OK領域数」の計測モードは、ワークセット2に規定数のワークが含まれているか否かをチェックするような処理に適している。
【0136】
これに対して、「NG」領域数に対応するラジオボタンが選択されると、計測モードとして「NG領域数」が選択される。この計測モードでは、複数の処理対象領域に対してそれぞれ実行された計測処理の結果のうち、「NG」と判断されたものの数が後述する判定条件に合致していれば、全体処理結果として「OK」と判断される。この「NG領域数」の計測モードは、ワークセット2に含まれている不良品の数が所定数以下であるか否かをチェックするような処理に適している。
【0137】
判定条件エリアには、複数の処理対象領域のうち予め設定された条件を満足する処理対象領域の数についての判断条件の設定を受付ける。より具体的には、判定条件エリアには、ラジオボタン273において設定されている計測モードに応じて指定された特定の判断結果(すなわち、「OK」または「NG」)を有する処理対象の数についての判断条件を設定する数値入力ボックス276が表示される。
【0138】
図10に示す例では、領域数の下限値が「0」、かつ、上限値が「9」であり、さらに、計測モードとして「OK領域数」が選択されているので、入力画像(ワークセット2)に対する計測処理の結果、「OK」と判断された処理対象領域の数が0個〜9個の範囲にあれば、全体処理結果として「OK」が出力される。そうでない場合には、全体処理結果として「NG」が出力される。
【0139】
さらに、ユーザインターフェイス画面204では、計測処理を予備実行するための計測ボタン277が設けられている。この計測ボタン277が押下されると、「稼動モード」と同様に、現在入力されている入力画像に対して、複数の処理対象領域が設定されるとともに、各処理対象領域に対してパターンマッチング処理がそれぞれ実行される。
【0140】
図10には、この計測処理が予備実行された状態の一例を示す。すなわち、処理対象領域267_1〜267_9のうち、パターンマッチング処理が成功して得られた処理対象領域には、それぞれの座標位置を示す十字(+)マーク269_1,269_2,269_3,269_5,269_6,269_7,269_8が表示される。さらに、この十字マークとともに、パターンマッチング処理の結果得られたモデル画像と一致する領域の外形を示す領域マーク268_1,268_2,268_3,268_5,268_6,268_7,268_8が表示される。
【0141】
なお、処理対象領域267_4には、何らのワークも存在しないので、十字マークおよび領域マークは表示されていない。また、処理対象領域267_9には、検出すべきではない対象のワークNGWが配置されているので、同様に、十字マークおよび領域マークは表示されていない。
【0142】
なお、ユーザインターフェイス画面204は、表示設定エリア278を含む。この表示設定エリア278には、入力画像上に重ねて表示される情報を選択するためのラジオボタンが表示される。すなわち、「相関値」のラジオボタンが選択されると、パターンマッチング処理の実行により算出された相関値が対応する処理対象領域と関連付けて表示され、「角度」のラジオボタンが選択されると、パターンマッチング処理の実行により算出された角度が対応する処理対象領域と関連付けて表示される。
【0143】
なお、図10に示すユーザインターフェイス画面204においては、入力画像上の表示態様を異ならせることで、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が表示される。たとえば、各処理対象領域に対するパターンマッチング処理の結果、「OK」と判定された処理対象領域(図10の例では、処理対象領域267_1,267_2,267_3,267_5,267_6,267_7,267_8)については、その外枠を「緑色」で表示し、「NG」と判定された処理対象領域(図10の例では、処理対象領域267_9)については、その外枠を「赤色」で表示する。さらに、計測処理の対象となっていない処理対象領域(処理対象領域267_4)については、その外枠を「グレイ色」で表示する。
【0144】
このように、ユーザインターフェイス画面204においては、全体処理結果として、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が判定条件を満足しているか否かを出力する。すなわち、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果が出力される。また、入力画像上の表示態様を異ならせることで、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が出力される。
【0145】
《I.出力パラメータ設定処理》
次に、図4のステップS15に示す出力パラメータ設定処理について説明する。
【0146】
図11は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供される出力パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面205の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面205は、入力画像にそれぞれ規定される複数の処理対象領域に対して実行される計測処理の結果の出力方法に関する設定を受付ける。図11に示すユーザインターフェイス画面205は、出力パラメータタブ218が選択されることで提供される。
【0147】
ユーザインターフェイス画面205は、出力座標エリア281と、キャリブレーションエリア282と、総合判定反映エリア283とを含む。
【0148】
出力座標エリア281には、計測座標として、位置ずれ修正前の値を出力するのか、あるいは、位置ずれ修正後の値を出力するのかを設定するためのラジオボタンが表示される。この位置ずれ修正とは、撮像装置8の撮像によって取得された入力画像に対して前処理などを含む。すなわち、撮像装置8の光学的特性などを補正するために、予め入力画像に対して、拡大・縮小・回転などの前処理を行うことが可能であり、パターンマッチング処理によって得られた結果を、この前処理が行われる前の座標系の値で出力するのか、あるいは、前処理が行われた後の座標系の値で出力するのかが選択される。
【0149】
キャリブレーションエリア282には、計測座標として、キャリブレーション処理前の値を出力するのか、あるいは、キャリブレーション処理後の値を出力するのかを設定するためのラジオボタンが表示される。このキャリブレーション処理とは、撮像装置8の設置環境に起因する誤差を補正するために、予め基準を撮像して得られた入力画像を基準として補正する処理である。このキャリブレーションエリア282では、キャリブレーション処理が適用される前の座標値が出力されるのか、あるいは、キャリブレーション処理が適用された後の座標値が出力されるのかが選択される。
【0150】
総合判定反映エリア283には、各処理対象領域についての判定結果を総合の判定結果に含むか否かを設定するためのラジオボタンが表示される。
【0151】
《J.稼動モード》
次に、図4のステップS21〜26に示す「稼動モード」における処理について説明する。
【0152】
図12は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100の「稼動モード」において実行される処理の概要を示す模式図である。
【0153】
図12を参照して、「稼動モード」においては、以下のような手順に従って、複数の処理対象領域の各々に対して、パターンマッチング処理が実行される。
【0154】
(1)入力画像に対して設定された基準領域(左上に配置された単位領域(コピー)の先頭位置から右下に配置された単位領域(コピー)の最終位置までの範囲)に対して、指定された規則に従って、複数の処理対象領域を設定する。
【0155】
(2)最初に位置する処理対象領域に対して、予め登録されたモデルに対してパターンマッチング処理を実行する。
【0156】
(3)パターンマッチング処理の結果得られた相関値および角度がいずれも予め設定された条件を満足するか否かを判断し、当該処理対象領域が「OK」な領域であるか、あるいは、「NG」な領域であるかを判断する。
【0157】
(4)(2)および(3)の処理をすべての処理対象領域に対して実行する。
(5)設定されている計測モードに応じて、「OK」と判断された処理対象領域の数、または、「NG」と判断された処理対象領域の数の基づいて、全体処理結果を出力する。すなわち、計測モードが「OK領域数」である場合には、「OK」と判断された処理対象領域の数を算出し、この算出した数が判定条件として設定された範囲内であれば、全体処理結果として「OK」を出力し、そうでなければ「NG」を出力する。一方、計測モードが「NG領域数」である場合には、「NG」と判断された処理対象領域の数を算出し、この算出した数が判定条件として設定された範囲内であれば、全体処理結果として「OK」を出力し、そうでなければ「NG」を出力する。
【0158】
図13は、本実施の形態に係る画像処理装置100が「稼動モード」において提供するユーザインターフェイス画面301の一例を示す図である。
【0159】
図13を参照して、ユーザインターフェイス画面301では、撮像装置8の視野内に複数のワークを含むワークセット2が存在する場合に生成される入力画像に対して、上述したような計測処理を行うことで得られた計測結果を示す。
【0160】
この図13に示すユーザインターフェイス画面301では、各処理対象領域におけるパターンマッチング処理の結果(「OK」または「NG」)が対応する表示態様(各処理対象領域を規定する外枠の色)を異ならせることでユーザに通知する。同時に、ユーザインターフェイス画面301では、その左上に全体処理結果を示す文字「OK」または「NG」が表示される。
【0161】
このように、ユーザインターフェイス画面301では、各処理対象領域に対して実行されたパターンマッチング処理の結果とともに、それぞれの処理対象領域についてのパターンマッチング処理の結果をまとめた全体処理結果が同一画面上に表示される。
【0162】
なお、各計測処理によって得られた相関値、位置、および、角度などの情報も表示される(符号302)。
【0163】
《K.作用・効果》
本実施の形態に係る画像処理装置によれば、計測処理の対象となるワークが多数ある場合であっても、計測処理に必要な条件設定が1回で済む。特に、複数の処理対象領域を規定するための設定としては、基準領域(全体範囲)と処理対象領域を設定する規則(分割方法)とを指定するだけで済む。そのため、計測処理を開始するまでに要求される設定処理が簡素化される。
【0164】
また、本実施の形態に係る画像処理装置によれば、入力画像に対して処理対象領域を手動で設定するので、基準領域を自動的に分割するような処理に比べて、自動化するための処理が省略できるためその処理時間を短縮できるともに、処理対象領域を誤って設定するといった時間のロスを回避できる。
【0165】
また、本実施の形態に係る画像処理装置によれば、同一のパターンマッチング処理(サーチ処理やラベリング処理など)がすべての処理対象領域に対して並列的に実行され、さらに、これらの処理結果が総合して評価されるので、複数のワークを含むワークセットを確実に検査することができる。
【0166】
《L.変形例》
(l1:第1変形例)
上述の実施の形態においては、図7に示すように、ユーザインターフェイス画面上で2つの単位領域(コピー)266を定義することで基準領域が自動設定される。これに対して、ワークセット2の角(端)に検出対象のワークが存在しない場合などには、ユーザが基準領域を任意の形状に設定することがよりユーザフレンドとなる場合もある。本変形例では、ユーザが任意の形状を基準領域として設定できるユーザインターフェイスの例を示す。
【0167】
図14は、本発明の実施の形態の第1変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Aの一例を示す図である。図14に示すユーザインターフェイス画面203Aにおいては、画像表示エリア250に表示される入力画像に対して、ユーザがマウスなどを操作することで、任意の形状を基準領域280に設定することができる。
【0168】
たとえば、図14に示すように、ユーザがカーソル位置CRS9からカーソル位置CRS10までドラッグ操作することで、長方形の基準領域280が設定される。この基準領域280が設定されると、上述と同様の処理によって、複数の処理対象領域が規則的に規定される。
【0169】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0170】
(l2:第2変形例)
上述の実施の形態および第1変形例においては、複数の処理対象領域を規則的に規定する一例として、複数の処理対象領域を行列状に配置する例を示した。これに対して、第2変形例においては、複数の処理対象領域を千鳥状に規定する例について説明する。
【0171】
図15は、本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置が対象とするワークの一例を示す模式図である。図15には、各列に複数のLEDが実装された照明装置の一例を示す。このような照明装置では、実装されるLEDの密度を高めるために、隣接する列の間では、LEDが実装される位置が少しずつずらされている場合がある。典型的には、奇数番目の列におけるLEDの実装位置と、偶数番目の列におけるLEDの実装位置とが互いに異なっているような構成が採用される。このような場合には、上述のような全くの行列状ではなく、千鳥状に処理対象領域を配置することが好ましい。
【0172】
図16は、本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Bの一例を示す図である。図16に示すユーザインターフェイス画面203Bは、図7〜図9に示すユーザインターフェイス画面203と比較して、より多くの設定項目を含むマトリックス設定エリア240Bが設けられている点において相違している。
【0173】
マトリックス設定エリア240Bは、図7〜図9に示すマトリックス設定エリア240に対して、さらに、千鳥状に配置するために位置をずらす対象を選択するためのラジオボタン247と、千鳥状に配置するために位置をずらす対象の周期を設定するための数値入力ボックス248と、千鳥状に配置するための位置ずれ量を設定するための数値入力ボックス249とを含む。
【0174】
ラジオボタン247を選択することで、「行」または「列」のいずれかを設定することができる。「行」が選択されると、紙面上下方向の各並びの単位で、紙面上下方向に位置がずらされる。一方、「列」が選択されると、紙面左右方向の各並びの単位で、紙面左右に位置がずらされる。
【0175】
数値入力ボックス248では、ラジオボタン247によって選択された方向について、位置がずらされる列の数(空間的な周期)が設定される。図16に示すように、「位置ずれ間隔」として「1」が設定されている場合には、1つの並び置き、すなわち、奇数番目の列と偶数番目の列との間で相対的な位置ずれが設定される。
【0176】
数値入力ボックス249では、位置ずれを生じさせる変位量(X方向およびY方向)が設置される。
【0177】
これらの設定パラメータに従って、基準領域を基準として、複数の処理対象領域が規定さえる。言い換えれば、隣接する処理対象領域は、これらの設定パラメータを満足するように、入力画像上に規定される。
【0178】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0179】
本変形例によれば、全くの行列状に配置された複数のワークだけではなく、千鳥状に配置された複数のワークを一括して検査することができる。
【0180】
(l3:第3変形例)
上述の実施の形態および第1変形例においては、方形状の基準領域に対して、行方向および列方向に指定された数の処理対象領域を規定する例を示した。これに対して、第3変形例においては、ユーザが任意に設定した基準領域に対して、最大数の処理対象領域を規定する例について説明する。より具体的には、本変形例においては、任意の形状に設定される基準領域に内接させて、複数の処理対象領域を規則的に互いに重ならないように規定する。
【0181】
図17は、本発明の実施の形態の第3変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Cの一例を示す図である。図17に示すユーザインターフェイス画面203Cにおいては、画像表示エリア250に表示される入力画像に対して、円形の基準領域296を設定した場合の例を示す。但し、基準領域296としてはこれに限らず、任意の形状に設定することができる。このように、基準領域296が任意の形状に設定された場合に、本変形例に係る画像処理装置は、任意の形状に設定される基準領域に内接させて、複数の処理対象領域を行列状に互いに重ならないように配置する。
【0182】
このような処理対象領域の設定処理は、たとえば、その断面が様々な容器に対して、何らかのワークが可能な限り詰められているようなものに適している。
【0183】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0184】
本変形例によれば、ワークセットが固定的な形状を有するものだけではなく、任意の形状を有するワークセットについても適切に検査することができる。
【0185】
(l4:第4変形例)
上述の実施の形態においては、処理対象領域を行列状に規定する例を示した。これに対して、第4変形例においては、基準領域内の点を中心として、放射状に前記複数の処理対象領域を規定する例について説明する
図18は、本発明の実施の形態の第4変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Dの一例を示す図である。図18に示すユーザインターフェイス画面203Dにおいては、画像表示エリア250に表示される入力画像に対して、同心円または円の基準領域が設定される。そして、この基準領域を半径方向に分割するとともに、分割によって得られた円または同心円の各々に対して、所定の規則に係る数の処理対象領域が設定される。
【0186】
より具体的には、図18に示すユーザインターフェイス画面203Dは、図7〜図9に示すユーザインターフェイス画面203と比較して、より多くの設定項目を含むマトリックス設定エリア240Dが設けられている点において相違している。
【0187】
マトリックス設定エリア240Dは、図7〜図9に示すマトリックス設定エリア240に対して、さらに、処理対象領域を放射状に規定するための半径方向分割数を設定するための数値入力ボックス294を含む。
【0188】
数値入力ボックス294に数値が入力されることで、設定されている基準領域が半径方向に入力された数値だけ分割される。図18には、数値入力ボックス294に「3」が設定されているので、基準領域が3分割されている例を示す。このように基準領域が半径方向に分割されると、個別設定エリア290の表示および設定が有効化される。
【0189】
より具体的には、個別設定エリア290は、各分割された同心円(または、円)について割り当てられる処理対象領域の数をそれぞれ設定するための数値入力ボックス291,292,293を含む。これらの数値入力ボックス291,292,293に設定された値に従って、各分割された領域に対して、処理対象領域が設定される。数値入力ボックス291では、グループ番号、すなわち、半径方向に分割した分割数毎のグループの識別番号が設定される。数値入力ボックス292では、グループ毎に円周方向の分割数が設定される。この数値入力ボックス292に入力される分割数が、数値入力ボックス291において設定されている数値に対応する番号のグループについての分割数として設定される。数値入力ボックス293では、グループ毎に領域設定を開始する角度が設定される。この数値入力ボックス293に入力される開始角度が、数値入力ボックス291において設定されている数値に対応する番号のグループについての分割数として設定される。したがって、円周方向分割数(数値入力ボックス292)および開始角度(数値入力ボックス293)には、数値入力ボックス294において設定される半径方向分割数の数に応じた数の数値セットが入力されることになる。
【0190】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0191】
本変形例によれば、ワークが放射状に配置されたワークセット、たとえば、複数のLEDが放射状に実装されたLED照明などを適切に検査することができる。
【0192】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0193】
1 視覚センサシステム、2 ワークセット、3 ケース、4 光電センサ、4a 受光部、4b 投光部、6 搬送機構、8 撮像装置、100 画像処理装置、102 ディスプレイ、104 マウス、106 メモリカード、112 メインメモリ、114 ハードディスク、116 カメラインターフェイス、116a 画像バッファ、118 入力インターフェイス、120 表示コントローラ、122 インターフェイス、124 通信インターフェイス、126 データリーダ/ライタ、128 バス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理装置および画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、FA(Factory Automation)分野などにおいては、計測対象物(以下、「ワーク」とも称す。)を撮像することで入力画像し、当該入力画像内の所定の処理対象領域に対して画像処理を実行する画像処理装置が汎用的に用いられている。このような画像処理の典型例としては、予め登録されたパターン(以下、「モデル」とも称す。)に基づくマッチング処理(以下、「パターンマッチング処理」とも称す。)がある。このようなパターンマッチング処理により、ワークに現れるキズやゴミなどの欠陥を検出したり、モデルと類似しているワーク上の領域を探し出したりすることができる。このような画像処理結果を用いてワークに対する検査や識別などを行う処理を、以下では、「計測処理」とも総称する。
【0003】
特開2009−111886号公報(特許文献1)には、パターンマッチング処理の一例が開示されている。この特許文献1に開示される画像処理装置では、入力画像内において、予め登録したモデルと一致する領域をサーチするような処理が可能となっている。
【0004】
ところで、FA分野における適用例としては、規則的に配置された複数ワークの各セットに対して検査するような場合がある。このような場合、個々のワークを1つずつ順番に撮像して入力画像を取得するという方法では、光学系および/またはワークの移動、位置決め、入力画像の取得といった一連の動作を多数回行う必要があり、多くの時間を要することとなる。
【0005】
そこで、解像度を高める必要がない計測処理などにおいては、複数のワークを含むセット全体を1つの撮像範囲に含めて入力画像を取得し、この取得した入力画像に対して、その中に存在する各ワークについて計測処理を実行する手法が一般的に採用される。
【0006】
たとえば、特開平07−078257号公報(特許文献2)には、1つの探索領域内で複数のワークをサーチする方法が開示されている。また、特開2009−300431号公報(特許文献3)には、繰り返しパターンを表す画像のパターン間にノイズが存在する場合でも、正確な欠陥検査を行う形状検査手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−111886号公報
【特許文献2】特開平07−078257号公報
【特許文献3】特開2009−300431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような先行技術の存在にもかかわらず、複数のワークが規則的に配置されているような場合には、適切な計測処理を行うことができなかった。すなわち、特許文献1に開示されるサーチ処理を用いた場合には、同一のワークに対して、モデルと一致(マッチング)すると判断される位置が複数検出される場合が多く、たとえば、あるパッケージ内に包装されるべき個数の製品(ワーク)が含まれているのかについて判断することが難しいという課題があった。また、同一の入力画像に対して、検出すべき数のモデルをそれぞれ独立に設定する必要もあり、設定作業により多くの時間を要するという課題もあった。
【0009】
また、特許文献2に開示される方法は、個々のワークについて評価するものであり、複数のワーク全体について評価するための処理が複雑化するという課題があった。
【0010】
また、特許文献3に開示される方法では、繰り返しパターンを有する検査領域が自動分割されるが、自動分割に時間がかかり、かつ、自動分割に失敗する可能性もある。自動分割が失敗すると、製品が配置される位置および数が既知であるにもかかわらず、計測処理が中断することになり、生産性を阻害する要因となり得る。また、たとえば、同一のパッケージに含まれるべき製品(ワーク)が存在しない場合には、これを検出しなければならないのに、自動分割の対象とならず、検出することができないという課題もある。さらに、特許文献3に開示される方法は、複数のワーク全体について評価するものではない。
【0011】
本発明の目的は、入力画像内に画像処理の対象となる複数のオブジェクトが規則的に配置されているようなワークに対して、適切な計測処理を行うことができる画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある局面に従えば、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理装置を提供する。画像処理装置は、前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける第1の設定入力手段と、前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける第2の設定入力手段と、前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける第3の設定入力手段と、前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行する処理実行手段と、前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する出力手段とを含む。
【0013】
好ましくは、前記画像処理は、予め設定された条件を満足するか否かを判断する処理を含む。前記画像処理装置は、前記複数の処理対象領域のうち、特定の判断結果を有する処理対象領域の数についての判断条件の設定を受付ける第4の設定入力手段をさらに含む。前記出力手段は、前記全体処理結果として、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が前記判断条件を満足しているか否かを出力する。
【0014】
さらに好ましくは、出力手段は、前記入力画像上の表示態様を異ならせることで、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果を出力する。
【0015】
好ましくは、画像処理装置は、複数の処理対象領域の別に、前記画像処理の実行対象として有効化または無効化することについての設定を受付ける第5の設定入力手段をさらに含み、前記処理実行手段は、前記複数の処理対象領域のうち、前記画像処理の実行対象として無効化された処理対象領域については前記画像処理をスキップする。
【0016】
さらに好ましくは、画像処理装置は、前記入力画像および前記入力画像に対して設定された前記複数の処理対象領域を表示する表示手段をさらに含み、前記第5の設定入力手段は、前記表示手段における表示位置と関連付けられた入力デバイスからの入力に応答して、前記複数の処理対象領域のうち選択された処理対象領域を特定するともに、当該処理対象領域を前記画像処理の実行対象として有効化または無効化すべきかを決定する。
【0017】
好ましくは、画像処理装置は、隣接する処理対象領域が前記第3の設定入力手段によって受付けられた設定を満足するように、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に規定する領域規定手段をさらに含む。
【0018】
さらに好ましくは、前記領域規定手段は、前記第2の設定入力手段によって前記基準領域の新たな設定が受付けられた場合、および、前記第3の設定入力手段によって前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合の少なくとも一方において、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に再規定する。
【0019】
さらに好ましくは、前記領域規定手段は、方形状の前記基準領域に対して、前記複数の処理対象領域を行列状に規定する。
【0020】
あるいはさらに好ましくは、前記領域規定手段は、前記複数の処理対象領域を千鳥状に規定する。
【0021】
あるいはさらに好ましくは、前記領域規定手段は、任意の形状に設定される前記基準領域に内接させて、前記複数の処理対象領域を互いに重ならないように規定する。
【0022】
あるいはさらに好ましくは、前記領域規定手段は、前記基準領域内の点を中心として、放射状に前記複数の処理対象領域を規定する。
【0023】
好ましくは、前記画像処理は、予め登録された単一のモデルを用いたマッチング処理を含む。
【0024】
この発明の別の局面に従えば、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理方法を提供する。画像処理方法は、前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付けるステップと、前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付けるステップと、前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付けるステップと、前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行するステップと、前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力するステップとを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、入力画像内に画像処理の対象となるオブジェクトが規則的に配置されているようなワークに対して、適切な計測処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置を含む視覚センサシステムの全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置を含む視覚センサシステムが対象とする別のワークの例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で実行される全体処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるモデル登録処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供される領域設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供される計測パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る画像処理装置で提供される出力パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の「稼動モード」において実行される処理の概要を示す模式図である。
【図13】本実施の形態に係る画像処理装置が「稼動モード」において提供するユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態の第1変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置が対象とするワークの一例を示す模式図である。
【図16】本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態の第3変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態の第4変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0028】
《A.概要》
本実施の形態に係る画像処理装置では、入力画像に対して複数の処理対象領域を設定する。そして、この設定された複数の処理対象領域の各々に対して、画像処理(計測処理)を実行するとともに、それぞれの処理対象領域についての画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する。
【0029】
特に、本実施の形態に係る画像処理装置では、基準領域の設定に応答して、当該基準領域を基準として、複数の処理対象領域を規則的に規定する。このように、複数のワークに関する画像処理に係る条件設定を同時に行うことができるとともに、たとえば、複数のワークにそれぞれ対応付けられた処理対象領域を互いに独立に画像処理できる。そのため、条件設定を簡略化できるともに、計測処理を適切に実行することができる。
【0030】
《B.全体装置構成》
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100を含む視覚センサシステム1の全体構成を示す模式図である。図2は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100を含む視覚センサシステム1が対象とする別のワークの例を示す模式図である。
【0031】
図1を参照して、視覚センサシステム1は生産ラインなどに組み込まれ、ワークセット2に対して、計測処理を実行する。本実施の形態に係る視覚センサシステム1は、複数のワークが規則的に配置されているようなワークのセットに対する計測処理に適合化されている。
【0032】
本実施の形態に係る画像処理装置100が実行する計測処理としては、典型的には、サーチ処理やラベリング処理を含むことが多い。サーチ処理は、ワークの特徴部分を画像パターン(モデル)として予め登録しておき、入力画像のうち、当該予め登録されているモデルと最も似ている部分を入力画像から探し出す処理である。このとき、モデルと最も似ている部分の位置・傾き・回転角度や、モデルに対してどの程度似ているかを示す相関値などが算出される。また、ラベリング処理は、予め登録したモデルまたは表示属性(色など)と一致している部分を入力画像から探し出し、当該探し出した部分にラベル(番号)を付与する。これらの番号を利用することで、番号の指定に応答して、指定された部分の面積や重心位置を算出したりする。
【0033】
典型的な一例として、図1には、錠剤などをパッケージした、プレススルーパッケージ(Press Through Package:以下「PTP」とも称する。)の検査ラインの例を示す。このような検査ラインでは、ワークセット2の一例であるPTPに包装されている個々の錠剤がワークに相当する。そして、各PTP2内に、規定数の錠剤(ワーク)が包装されているか、異なる錠剤の混入はないか、といった内容が判断される。たとえば、図1には、各PTPには、正しくは4×6個の錠剤が包装されることになっているにもかかわらず、1個の錠剤が欠品となっている状態を示す。本実施の形態に係る視覚センサシステム1では、少なくとも1個のPTPに対応する像が1つの入力画像に含まれるように撮像を行い、そして、この入力画像に対して計測処理を行うことで、図1に示すような錠剤の欠品を検出する。
【0034】
図2には、別の適用例を示す。すなわち、図2に示す例では、飲料品が封入された複数のボトルが各ケース3にセットされているものが計測対象となっている。たとえば、各ケース3について、規定数のビール瓶が詰められているかを出荷前に検査するようなラインに適用される。図2には、紙面右側のケース3で1本の瓶が欠品となっている状態を示す。本実施の形態に係る視覚センサシステム1においては、このような欠品についても、後述するようなロジックに従って検出する。
【0035】
このように、本実施の形態に係る画像処理装置100は、入力画像に対して規定された複数の処理対象領域(すなわち、オブジェクト)毎に画像処理(計測処理)を実行し、複数の処理対象領域(オブジェクト)に対するそれぞれの画像処理(計測処理)の結果を反映した全体処理結果を出力する。
【0036】
次に、視覚センサシステム1およびそれに含まれる画像処理装置100の具体的な装置構成について説明する。
【0037】
再度図1を参照して、視覚センサシステム1においては、ワークセット2はベルトコンベヤなどの搬送機構6によって搬送され、搬送されたワークセット2は、撮像装置8によって所定タイミングで撮像される。撮像装置8は、一例として、レンズなどの光学系に加えて、CCD(Coupled Charged Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサといった、複数の画素に区画された撮像素子を含んで構成される。なお、撮像装置8で撮像されるワークセット2に対して光を照射する照明機構をさらに設けてもよい。
【0038】
撮像装置8の撮像によって得られる画像(入力画像)は、画像処理装置100へ伝送される。画像処理装置100は、この撮像装置8から受けた入力画像に対してパターンマッチング処理を実行し、その結果を接続されたディスプレイ102で表示したり、その結果を外部装置へ出力したりする。
【0039】
ワークセット2が撮像装置8の視野内に到達したことは、搬送機構6の両端に配置された光電センサ4によって検出される。具体的には、光電センサ4は、同一の光軸上に配置された受光部4aと投光部4bとを含み、投光部4bから放射される光がワークセット2で遮蔽されることを受光部4aで検出することによって、ワークセット2の到達を検出する。この光電センサ4のトリガ信号は、PLC(Programmable Logic Controller)5へ出力される。
【0040】
PLC5は、光電センサ4などからのトリガ信号を受信するとともに、搬送機構6の制御自体を司る。
【0041】
画像処理装置100は、ワークセット2に対して各種の画像処理を実行する計測モードと、後述するモデル登録処理などを行うための設定モードとを有している。これらのモードは、ユーザがマウス104などを操作することで切替えられる。
【0042】
画像処理装置100は、典型的には、汎用的なアーキテクチャを有しているコンピュータであり、予めインストールされたプログラム(命令コード)を実行することで、後述するような各種機能を提供する。このようなプログラムは、典型的には、メモリカード106などに格納された状態で流通する。
【0043】
このような汎用的なコンピュータを利用する場合には、本実施の形態に係る機能を提供するためのアプリケーションに加えて、コンピュータの基本的な機能を提供するためのOS(Operating System)がインストールされていてもよい。この場合には、本実施の形態に係るプログラムは、OSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。すなわち、本実施の形態に係るプログラム自体は、上記のようなモジュールを含んでおらず、OSと協働して処理が実行されてもよい。本実施の形態に係るプログラムとしては、このような一部のモジュールを含まない形態であってもよい。
【0044】
さらに、本実施の形態に係るプログラムは、他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には、上記のような組合せられる他のプログラムに含まれるモジュールを含んでおらず、当該他のプログラムと協働して処理が実行される。すなわち、本実施の形態に係るプログラムとしては、このような他のプログラムに組込まれた形態であってもよい。なお、プログラムの実行により提供される機能の一部もしくは全部を専用のハードウェア回路として実装してもよい。
【0045】
図3は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100の概略構成図である。図3を参照して、画像処理装置100は、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit)110と、記憶部としてのメインメモリ112およびハードディスク114と、カメラインターフェイス116と、入力インターフェイス118と、表示コントローラ120と、PLCインターフェイス122と、通信インターフェイス124と、データリーダ/ライタ126とを含む。これらの各部は、バス128を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0046】
CPU110は、ハードディスク114に格納されたプログラム(コード)をメインメモリ112に展開して、これらを所定順序で実行することで、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、ハードディスク114から読み出されたプログラムに加えて、撮像装置8によって取得された画像データ、ワークデータ、モデルに関する情報などを保持する。さらに、ハードディスク114には、各種設定値などが格納されてもよい。なお、ハードディスク114に加えて、あるいは、ハードディスク114に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
【0047】
カメラインターフェイス116は、CPU110と撮像装置8との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、カメラインターフェイス116は、ワークセット2を撮像して画像データを生成するための撮像装置8と接続される。より具体的には、カメラインターフェイス116は、1つ以上の撮像装置8と接続が可能であり、撮像装置8からの画像データを一時的に蓄積するための画像バッファ116aを含む。そして、カメラインターフェイス116は、画像バッファ116aに所定コマ数の画像データが蓄積されると、その蓄積されたデータをメインメモリ112へ転送する。また、カメラインターフェイス116は、CPU110が発生した内部コマンドに従って、撮像装置8に対して撮像コマンドを与える。
【0048】
入力インターフェイス118は、CPU110とマウス104、キーボード、タッチパネルなどの入力部との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、入力インターフェイス118は、ユーザが入力部を操作することで与えられる操作指令を受付ける。
【0049】
表示コントローラ120は、表示装置の典型例であるディスプレイ102と接続され、CPU110における画像処理の結果などをユーザに通知する。すなわち、表示コントローラ120は、ディスプレイ102に接続され、当該ディスプレイ102での表示を制御する。
【0050】
PLCインターフェイス122は、CPU110とPLC5との間のデータ伝送を仲介する。より具体的には、PLCインターフェイス122は、PLC5によって制御される生産ラインの状態に係る情報やワークに係る情報などをCPU110へ伝送する。
【0051】
通信インターフェイス124は、CPU110とコンソール(あるいは、パーソナルコンピュータやサーバ装置)などとの間のデータ伝送を仲介する。通信インターフェイス124は、典型的には、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)などからなる。なお、後述するように、メモリカード106に格納されたプログラムを画像処理装置100にインストールする形態に代えて、通信インターフェイス124を介して、配信サーバなどからダウンロードしたプログラムを画像処理装置100にインストールしてもよい。
【0052】
データリーダ/ライタ126は、CPU110と記録媒体であるメモリカード106との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、メモリカード106には、画像処理装置100で実行されるプログラムなどが格納された状態で流通し、データリーダ/ライタ126は、このメモリカード106からプログラムを読出す。また、データリーダ/ライタ126は、CPU110の内部指令に応答して、撮像装置8によって取得された画像データおよび/または画像処理装置100における処理結果などをメモリカード106へ書込む。なお、メモリカード106は、CF(Compact Flash)、SD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイスや、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記憶媒体や、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体等からなる。
【0053】
また、画像処理装置100には、必要に応じて、プリンタなどの他の出力装置が接続されてもよい。
【0054】
《C.全体処理手順》
まず、本実施の形態に係る画像処理装置100において実行される全体処理の概要について説明する。なお、本実施の形態に係る画像処理装置100は、各ワークセット2についての入力画像を実際に取得するとともに、取得した入力画像に対して計測処理を実行する「稼動モード」と、この「稼動モード」においてユーザが所望する動作を実現するための各種設定を行うための「設定モード」とを有する。これらの「設定モード」と「稼動モード」とは、ユーザ操作に応じて、適宜切替えられる。
【0055】
図4は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で実行される全体処理の手順を示すフローチャートである。図4に示す各ステップは、画像処理装置100のCPU110が予め用意されたプログラム(命令コード)を実行することで提供される。なお、図4には、「設定モード」および「稼動モード」の両方の処理手順を含んで記載しており、初期モードは「設定モード」であるとする。
【0056】
図4を参照して、CPU110は、モデル登録を受付ける(ステップS11)。このモデル登録処理において設定されたモデルを用いて、パターンマッチング処理(サーチ処理)が実行されることになる。
【0057】
後述するように、1つの入力画像に対するパターンマッチング処理は、当該入力画像に規定される複数の処理対象領域のそれぞれに対して、予め登録された単一のモデルに基づいて実行される。すなわち、入力画像に規定される処理対象領域の数だけ、同一のモデルを用いたパターンマッチング処理が繰返される。ステップS11においては、CPU110は、複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける。
【0058】
続いて、CPU110は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける(ステップS12)。さらに、CPU110は、ステップS12において設定された基準領域を基準として、入力画像に対して、複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定(マトリックス設定)を受付ける(ステップS13)。この時点で、ステップS12において設定された基準領域を基準として、入力画像に対して、ステップS13において設定された設定値に従って複数の処理対象領域が規則的に規定される。
【0059】
なお、ステップS12において基準領域の新たな設定が受付けられた場合、または、ステップS13において複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合において、CPU110は、複数の処理対象領域を入力画像上に再規定する。すなわち、ユーザが基準領域または複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を変更すると、当該変更に応じて、規定されている複数の処理対象領域についても更新する。
【0060】
続いて、CPU110は、計測パラメータを受付ける(ステップS14)。この計測パラメータは、各処理対象領域に対して実行される計測処理の結果を評価するための条件と、複数の処理対象領域に対するそれぞれの計測処理の結果を反映した全体処理結果を出力するための条件とを含む。
【0061】
典型的には、前者の条件としては、各処理対象領域に対してパターンマッチング処理を実行した場合に得られる相関値に関連付けられるしきい値などが挙げられる。すなわち、パターンマッチング処理の実行の結果得られた相関値が所定のしきい値以上であれば、当該処理対象領域については「OK」と判断し、当該相関値が所定のしきい値未満であれば、「NG」と判断する。このように、各処理対象領域に対して実行される計測処理(画像処理)は、計測パラメータの一部として予め設定された条件を満足するか否かを判断する処理を含む。
【0062】
一方、後者の条件としては、複数の処理対象領域のうち、特定の判断結果を有する処理対象領域の数についての判断条件の設定が挙げられる。たとえば、1つの入力画像に対して規定される複数の処理対象領域のそれぞれに対して実行されたパターンマッチング処理の結果、「OK」と判断された処理対象領域の数が所定のしきい値以上であれば、当該入力画像については全体として「OK」と判断し、「OK」と判断された処理対象領域の数が当該しきい値未満であれば全体として「NG」と判断する。このように、全体処理結果として、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果に基づいて、入力画像全体を評価するための条件が設定される。
【0063】
また、CPU110は、出力パラメータを受付ける(ステップS15)。この出力パラメータは、稼動モードにおいて実行される計測処理(画像処理)の結果を出力する際の条件を含む。
【0064】
そして、CPU110は、「稼動モード」への切替えが指示されたか否かを判断する(ステップS16)。「稼動モード」への切替えが指示されていなければ(ステップS16においてNO)、ステップS11以下の処理が繰返される。これに対して、「稼動モード」への切替えが指示されていれば(ステップS16においてYES)、ステップS21以下の処理が実行される。
【0065】
なお、図4に示すフローチャートにおいては、便宜上、ステップS11〜S15の処理を直列的に記載したが、これらの処理は並列的に実行してもよいし、その実行順序を適宜入れ替えてもよい。
【0066】
「稼動モード」へ切替えられると、CPU110は、入力画像の取得タイミングを待つ(ステップS21)。典型的には、図1に示す光電センサ4(受光部4aおよび投光部4b)からのセンサ出力によって、撮像装置8の視野範囲にワークセット2が到達したことが検出され、PLC5からこの検出が伝えられると、CPU110は、入力画像の取得タイミングであると判断する。
【0067】
入力画像の取得タイミングであると判断されると(ステップS21においてYES)、CPU110は、入力画像を取得する(ステップS22)。より具体的には、CPU110は、撮像装置8に対して撮像指令を与えることで、撮像装置8に撮像処理を実行させる。あるいは、撮像装置8が連続的に(所定のフレーム周期で)撮像を繰返している場合には、当該タイミングにおいて撮像装置8から出力されている画像データを入力画像として保存する。一方、入力画像の取得タイミングではないと判断されると(ステップS21においてNO)、ステップS21の処理が繰返される。
【0068】
続いて、CPU110は、ステップS22において取得された入力画像に対して、複数の処理対象領域を規則的に規定する(ステップS23)。このとき、CPU110は、入力画像を示す画像データを各処理対象領域に対応付けて分割する。この分割によって得られた各処理対象領域に対応する画像データのサブセットがパターンマッチング処理の対象となる。
【0069】
ここで、CPU110は、入力画像に関連付けて設定されている基準領域において、隣接する処理対象領域が、ステップS13において設定された複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定(マトリックス設定)を満足するように、複数の処理対象領域を入力画像上に規定する。
【0070】
続いて、CPU110は、ステップS11において設定された共通の画像処理に係る設定(予め登録されたモデル)に従って、複数の処理対象領域の各々に対して画像処理(パターンマッチング処理)を実行する(ステップS24)。続いて、CPU110は、ステップS24の画像処理の実行結果が、ステップS14において予め設定された条件(計測パラメータ)を満足するか否かを判断する(ステップS25)。
【0071】
CPU110は、ステップS24およびS25の処理を、入力画像に対して規定した処理対象領域の数だけ繰返す。
【0072】
その後、CPU110は、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する(ステップS26)。このとき、CPU110は、全体処理結果として、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果がステップS14において予め設定された判断条件(計測パラメータ)を満足しているか否かを判断した結果を出力する。そして、今回の処理は完了する。
【0073】
その後、CPU110は、「設定モード」への切替えが指示されたか否かを判断する(ステップS27)。「設定モード」への切替えが指示されていなければ(ステップS27においてNO)、ステップS21以下の処理が繰返される。これに対して、「設定モード」への切替えが指示されていれば(ステップS27においてYES)、ステップS11以下の処理が実行される。
【0074】
なお、ユーザから処理終了が指示されると、図4に示すフローチャートの実行は中断/中止される。
【0075】
《D.ユーザインターフェイス》
本実施の形態に係る画像処理装置100が提供するユーザインターフェイス画面の一例を図5〜図11および図13に示す。図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面は、設定モードにおいて提供され、図13に示すユーザインターフェイス画面は、稼動モードにおいて提供される。
【0076】
図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面では、撮像装置8によって取得された入力画像が表示されるともに、本実施の形態に係る計測処理に必要な各種パラメータを設定できるようになっている。なお、図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面については、タブを選択することで、相互に切替え可能となっている。また、図13に示すユーザインターフェイス画面では、撮像装置8によって取得された入力画像が表示されるともに、当該入力画像に対して実行された計測処理の結果が表示される。
【0077】
以下、図4に示す主要なステップにおけるより詳細な処理/動作について、これらのユーザインターフェイス画面を参照しながら説明する。
【0078】
《E.モデル登録処理》
まず、図4のステップS11に示すモデル登録処理について説明する。
【0079】
図5は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供されるモデル登録処理に係るユーザインターフェイス画面201の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面201は、複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける。
【0080】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面201では、モデル登録タブ210と、領域設定タブ212と、マトリックス設定タブ214と、計測パラメータタブ216と、出力パラメータタブ218とが選択可能に表示される。図5に示すユーザインターフェイス画面201は、モデル登録タブ210が選択されることで提供される。
【0081】
ユーザインターフェイス画面201は、モデルパラメータ設定エリア220と、モデル登録画像エリア228と、画像表示エリア250と、全体表示エリア252と、表示制御アイコン群254とを含む。
【0082】
画像表示エリア250には、撮像装置8で撮像することで生成される入力画像が表示される。モデル登録処理においては、撮像装置8の視野範囲に基準となるワークセット(基準モデル)がセットされる。このワークセットを撮像して得られた入力画像が画像表示エリア250に表示されるとともに、ユーザは、マウス操作などを行うことで、モデルとして登録したい範囲を設定することで、その範囲に含まれる画像がモデルとして登録されることになる。
【0083】
なお、図5〜図11に示すユーザインターフェイス画面の例においては、3行×3列の処理対象領域(9箇所)が設定されるとともに、これらの処理対象領域のうち、7箇所には検出対象のワークOKWが配置されており、他の1箇所には検出すべきではない対象のワークNGWが配置されており、残りの1箇所には何らのワークも配置されていない例を示す。そのため、本来的には、7個のワークOKWについては「OK」と判断され、残りの処理対象領域については「NG」と判断され、もしくは、計測処理がスキップされる必要がある。
【0084】
まず、図5には、モデルとして円形(真円および楕円のいずれも含む)の範囲を登録する例を示す。この場合には、ユーザが、モデルとして登録すべき中心位置にカーソルを移動させ(カーソル位置CRS1)、引き続いて、モデルの外周位置(カーソル位置CRS2)までドラッグすることで、モデル領域262が設定され、このモデル領域262内の画像がモデルとして登録される。なお、モデル領域262の中心位置260についても表示される。
【0085】
なお、モデルとして登録する形状は、ユーザが任意に設定することができる。すなわち、ユーザが編集ボタン226を選択すると、モデル形状を選択するためのポップアップ画面(図示しない)が表示され、当該ポップアップ画面において、長方形や多角形などを選択することもできる。なお、同一の入力画像に対して複数のモデルを登録することもできる。登録されているモデルは、登録画像エリア227にその形状を示す文字によって一覧表示される。図5に示す例では、円形のモデルが登録されており、そのことが「楕円」の文字とともに表示されている。
【0086】
なお、ユーザが表示制御アイコン群254のいずれかのボタンを選択すると、選択されたボタンに応じて、画像表示エリア250に表示される画像の表示範囲/表示倍率などが変更される。また、全体表示エリア252には、画像表示エリア250において表示可能な画像の全体が表示される。
【0087】
このようにして、モデルとして用いる画像が設定される。ユーザインターフェイス画面201では、このモデルを用いたパターンマッチング処理に係る設定についても入力することが可能である。
【0088】
より具体的には、パターンマッチング処理に係る設定を入力するためのモデルパラメータ設定エリア220が表示される。モデルパラメータ設定エリア220においては、パターンマッチング処理に係る設定(サーチモード、安定度、精度など)を受付ける。
【0089】
サーチモードに係る設定については、ラジオボタン221を選択することで、「相関サーチ」または「形状サーチ」のいずれかを設定することができる。「相関サーチ」では、モデルと処理対象領域内の画像との間の相関値に基づいてサーチ処理(パターンマッチング処理)が実行される。これに対して、「形状サーチ」では、モデルと処理対象領域内の画像との間の形状を示す値(たとえば、エッジのベクトル量を示すエッジコード)に基づいてサーチ処理(パターンマッチング処理)が実行される。
【0090】
また、登録されているモデルだけではなく、当該モデルを回転しつつパターンマッチング処理を行うことも可能である。これは、ワークセット2が本来の位置から回転した状態で撮像装置8によって撮像される場合などを想定したものである。
【0091】
より具体的には、回転チェックボックス223が有効化されると、上述した詳細サーチ処理および角度サーチ処理などが有効化される。また、回転チェックボックス223が無効化されると、モデルを回転させてのパターンマッチング処理が行われない。
【0092】
回転チェックボックス223が有効化された場合、ユーザが回転パラメータ設定エリア222内の数値入力ボックスに設定する回転範囲の間でモデルを回転させて、サーチ処理が実行される。また、そのモデルを回転させる角度間隔(刻み角度)についても設定される。設定したモデルおよび対象の処理対象領域に応じて、この回転範囲および刻み角度を適切に設定することで、サーチ精度を維持したまま、処理速度を向上させることもできる。
【0093】
また、ユーザは、スライド224および225を操作することで、サーチ処理に係る安定度および精度をそれぞれ設定することができる。安定度の値を高めることで、誤検出の確率を下げることができるが、サーチ処理に要する時間は相対的に長くなる。また、精度の値を高めることで、検出される座標位置の精度を高めることができるが、サーチ処理に要する時間は相対的に長くなる。そのため、ユーザは、各ワークセットに許容される検査時間などを考慮して、これらのパラメータを設定することになる。
【0094】
なお、登録したモデルに対する編集操作も可能である。より具体的には、モデル登録画像エリア228には、登録されているモデルを表示するための「登録画像表示」ボタン、登録されているモデルを改めて再登録するための「モデル再登録」ボタン、および、登録されているモデルを削除するための「削除」ボタンが選択可能に表示される。
【0095】
以上のような手順によって、モデルおよび当該モデルを用いたパターンマッチング処理に必要なパラメータが設定される。
【0096】
《F.領域設定処理》
次に、図4のステップS12に示す領域設定処理について説明する。
【0097】
図6は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供される領域設定処理に係るユーザインターフェイス画面202の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面202は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける。図6に示すユーザインターフェイス画面202は、領域設定タブ212が選択されることで提供される。
【0098】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面202では、まず、1つの処理対象領域の大きさが設定される。すなわち、図5に示すモデル登録処理において設定されたモデル領域262が入力画像の上に重ねて表示されるとともに、ユーザがマウス104などを操作することなどして、1つの処理対象領域を示す単位領域264を設定する。
【0099】
図6に示すユーザインターフェイス画面202においては、一例として、ユーザが長方形の単位領域264を設定している状態を示す。この例では、ユーザが、単位領域264とすべき範囲の左上位置にカーソルを移動させ(カーソル位置CRS3)、引き続いて、単位領域264とすべき範囲の右下位置(カーソル位置CRS4)までドラッグすることで、単位領域264が設定される。
【0100】
本実施の形態に係る画像処理装置100においては、この単位領域264を用いて、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域が設定される。この基準領域を設定する処理については、図7を用いて説明する。
【0101】
なお、単位領域264の形状は、ユーザが任意に設定することができる。すなわち、ユーザが編集ボタン232を選択すると、単位領域264の形状を選択するためのポップアップ画面(図示しない)が表示され、当該ポップアップ画面において、長方形や多角形などを選択することもできる。設定されている単位領域264は、登録画像エリア230にその形状を示す文字によって一覧表示される。図6に示す例では、長方形のモデルが登録されており、そのことが「長方形」の文字とともに表示されている。
【0102】
図6に示すユーザインターフェイス画面202においては、「マトリックス設定を自動更新する」とのチェックボックス234が表示されており、ユーザが、このチェックボックス234をチェックして有効化すると、単位領域264の設定に従って複数の処理対象領域が規定された後に、当該単位領域264の大きさなどが変更されると、当該変更後の単位領域264の大きさなどに従って、複数の処理対象領域が再規定される。このように、チェックボックス234は、単位領域264の設定と入力画像に対する複数の処理対象領域の設定とを連動させる処理を有効化/無効化するためのボタンである。
【0103】
《G.マトリックス設定処理》
次に、図4のステップS13に示すマトリックス設定処理について説明する。
【0104】
図7〜図9は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供されるマトリックス設定処理に係るユーザインターフェイス画面203の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面203は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける。図7に示すユーザインターフェイス画面203は、マトリックス設定タブ214が選択されることで提供される。
【0105】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面203では、まず、図6に示すユーザインターフェイス画面202において設定された、1つの処理対象領域を示す単位領域264を用いて基準領域が設定される。具体的には、ユーザインターフェイス画面203においては、図6に示す領域設定処理において設定された単位領域264が入力画像の上に重ねて表示されるとともに、ユーザがマウス104などを操作することなどして、単位領域264を入力画像上の2つ以上の位置にそれぞれ配置する。そして、入力画像上に配置された複数の単位領域264に基づいて、基準領域が設定される。
【0106】
本実施の形態に係る画像処理装置100においては、一例として、ユーザインターフェイス画面上で単位領域264を移動して配置された2つの単位領域(コピー)266を内接するような範囲が基準領域として設定される。
【0107】
たとえば、図7に示すように、ユーザが単位領域264を左上に移動させて単位領域(コピー)266_1を配置(カーソル位置CRS5からカーソル位置CRS6まで移動)し、続いて、単位領域264を右下に移動させて単位領域(コピー)266_2を配置(カーソル位置CRS7からカーソル位置CRS8まで移動)したとする。この場合には、単位領域(コピー)266_1の左上の座標点と単位領域(コピー)266_2の右下の座標点とを頂点とする長方形の範囲が基準領域として設定される。
【0108】
すなわち、ユーザは、単位領域264を、入力画像に表れているワークセット2のうち先頭位置(左上部)にあるワークと一致するように移動させるとともに、最終位置(右下部)にあるワークと一致するように移動させる。なお、マトリックス設定タブ214が選択されて、図7に示すユーザインターフェイス画面203が表示されたことをイベントとして、単位領域264の設定に基づいて、単位領域(コピー)266_1および266_2を作成するとともに、これらをデフォルト位置に選択可能に表示してもよい。
【0109】
もちろん、後述するように、ユーザが基準領域として任意の形状を設定してもよい。
このように、ユーザインターフェイス画面203は、入力画像に対して複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける。
【0110】
なお、単位領域(コピー)266_1および266_2の形状についても、ユーザが任意に変更することができる。すなわち、ユーザが編集ボタン232を選択すると、単位領域264の形状を選択するためのポップアップ画面(図示しない)が表示され、当該ポップアップ画面において、その大きさや形状などを変更することもできる。登録画像エリア230には、入力画像上に設定されている単位領域(コピー)が、その形状を示す文字によって一覧表示される。図7に示す例では、2つの単位領域(コピー)が設定されていることから、そのことが2つの「長方形」の文字とともに表示されている。
【0111】
続いて、ユーザインターフェイス画面203は、複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける。本実施の形態に係る画像処理装置100においては、方形状の基準領域に対して、複数の処理対象領域が行列状(マトリックス状)に規定される。そのため、ユーザインターフェイス画面203は、このように処理対象領域を行列状に配置するために必要なパラメータを受付ける。
【0112】
より具体的には、ユーザインターフェイス画面203は、マトリックス設定エリア240を含む。マトリックス設定エリア240は、基準領域内に配置する処理対象領域の行方向の数(行数)および列方向の数(列数)をそれぞれ設定するための数値入力ボックス241および242を含む。ユーザが数値入力ボックス241および242にそれぞれ所望する数を入力することで、基準領域に対して、複数の処理対象領域が設定される。なお、図7〜図9に示す例においては、3行×3列の処理対象領域が規定されるように設定されている状態を示す。
【0113】
このように、単位領域264および基準領域が設定され、さらに、基準領域内に配置する処理対象領域の行方向の数(行数)および列方向の数(列数)が設定された後に、「OK」ボタンが押下されると、画像処理装置100は、隣接する処理対象領域がマトリックス設定エリア240の数値入力ボックス241および242において受付けられた設定を満足するように、複数の処理対象領域を入力画像上に規定する。すなわち、図8に示すようなユーザインターフェイス画面203が表示される。
【0114】
図8を参照して、ユーザインターフェイス画面203においては、入力画像に対して、複数の処理対象領域267_1〜267_9(これらを総称して「処理対象領域267」とも記載する。)が行列状に配置される。ここで、処理対象領域267_1〜267_9の各々の大きさは、図6において設定した単位領域264の大きさと同じである。
【0115】
なお、複数の処理対象領域(単位領域264)が占める範囲に比較して、基準領域の面積がより大きければ、互いに重ねることなく、複数の処理対象領域を行列状に配置できる。この状態では、あたかも基準領域が分割されたように見える(図8参照)ので、図7〜図9に示すユーザインターフェイス画面203においては、「分割数」との名称を付している。但し、本実施の形態に係る画像処理装置100においては、複数の処理対象領域が互いに重なるように配置される場合も許容されている。この場合であっても、各処理対象領域における共通部分(たとえば、中心点)に注目すれば、複数の処理対象領域が行列状に配置されていることになる。
【0116】
マトリックス設定エリア240は、さらに、基準領域のサイズを調整するための数値入力ボックス243および244、ならびに、基準領域を基準として設定された複数の処理対象領域の全体的な位置を調整するための数値入力ボックス245および246を含む。
【0117】
ユーザが数値入力ボックス243および244にそれぞれ所望する数を入力することで、基準領域のサイズが変更される。すなわち、数値入力ボックス243には、基準領域の幅の変更量が入力され、数値入力ボックス244には、基準領域の高さの変更量が入力される。なお、数値入力ボックス243および244に入力される数値は、(現在設定されている基準領域に対する)相対値であることが好ましい。このように、基準領域のサイズが変更されることで、処理対象領域267_1〜267_9の配置形態(すなわち、隣接する処理対象領域267の間隔や処理対象領域267の位置など)が更新される。
【0118】
また、ユーザが数値入力ボックス245および246にそれぞれ所望する数を入力することで、基準領域の配置位置が変更される。すなわち、数値入力ボックス245には、基準領域のX方向(紙面左右方向)への移動量が入力され、数値入力ボックス246には、基準領域のY方向(紙面上下方向)への変更量が入力される。なお、数値入力ボックス245および246に入力される数値は、(現在設定されている基準領域に対する)相対値であることが好ましい。このように、基準領域の配置位置が変更されることで、入力画像に対する、処理対象領域267_1〜267_9の全体の位置関係が更新される。
【0119】
当然のことながら、処理対象領域の行数または列数の値が更新されると、すなわち、数値入力ボックス241または242に新たな値が入力されると、入力画像上に規定される処理対象領域の数や位置が更新される。
【0120】
このように、本実施の形態に係る画像処理装置100においては、基準領域の新たな設定が受付けられた場合、または、複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合には、複数の処理対象領域が入力画像上に再規定される。
【0121】
以上のように、図4のステップS13に示すマトリックス設定処理においては、ユーザは、基準領域の先頭位置および最終位置を設定し、続いて、行方向(紙面上下方向)および列方向(紙面左右方向)についての分割数を設定することで、複数の処理対象領域が規則的に規定される。追加的に、ユーザは、基準領域のサイズ(幅および高さ)ならびに基準領域の位置(X方向およびY方向)を調整する。
【0122】
このように、ユーザは、入力画像を見ながら基準領域を設定できるので、より容易に、処理対象領域を規則的に配置することができる。すなわち、入力画像に対して設定すべき複数の処理対象領域のうち、左上および右下(あるいは、右上および左下)にそれぞれ位置する処理対象領域のみを設定すれば、残りの処理対象領域については自動的に設定されるので、非常に簡便かつ短時間で処理対象領域を設定できる。
【0123】
なお、対象のワークセット2において、主たる規則性の一部が満たされていない場合もある。たとえば、図8に示すように、最左列の2行目には、検出対象のワークが存在しない。このような部分的に規則性を満たさないようなワークセット2にも適合できるように、本実施の形態に係る画像処理装置100では、規定された複数の処理対象領域の別に、計測処理(画像処理)の実行対象として有効化または無効化することについて設定することができる。
【0124】
すなわち、ユーザが、入力画像上に規定された複数の処理対象領域267_1〜267_9のいずれかをマウスなどを用いてクリックすると、図9に示すようなプルダウンメニュー279が表示される。プルダウンメニュー279においては、「有効化」または「無効化」が選択可能となっている。「有効化」が選択されると、対応する処理対象領域267は、計測処理(画像処理)の対象となる。一方、「無効化」が選択されると、対応する処理対象領域267は、計測処理(画像処理)がスキップされる。
【0125】
このように、ユーザインターフェイス画面203は、ディスプレイ102における表示位置と関連付けられたマウス(あるいは、タッチパネル)といった入力デバイスからの入力に応答して、複数の処理対象領域のうち選択された処理対象領域を特定するともに、当該処理対象領域を計測処理(画像処理)の実行対象として有効化または無効化すべきかを決定する。
【0126】
なお、各処理対象領域が有効化されているか、あるいは、無効化されているかを一見して把握できるように、有効化/無効化の状態に応じて、表示形態を異ならせるようにしてもよい。たとえば、無効設定された処理対象領域については、グレイ色で表示(グレイアウト)してもよい。
【0127】
《H.計測パラメータ設定処理》
次に、図4のステップS14に示す計測パラメータ設定処理について説明する。
【0128】
図10は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供される計測パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面204の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面204は、各処理対象領域267に対して実行される計測処理(画像処理)の結果を評価するための条件、および、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の評価結果を反映した全体処理結果を生成するための条件をそれぞれ受付ける。図10に示すユーザインターフェイス画面204は、計測パラメータタブ216が選択されることで提供される。
【0129】
まず、ユーザインターフェイス画面204は、計測条件エリアおよび抽出条件エリアを含む。これらのエリアは、各処理対象領域267に対して実行される計測処理(画像処理)の結果を評価するための条件を受付ける。
【0130】
すなわち、計測条件エリアには、パターンマッチング処理をサブピクセル単位で実行するか否かを設定するためのサブピクセル処理チェックボックス271と、サブピクセル処理を実行する際の候補点レベルの値を設定するための数値入力ボックス272とが表示される。サブピクセル処理チェックボックス271が有効化されると、予め登録されたモデルとの一致度の高い候補点(ピクセル単位)に対して、サブピクセル処理が実行される。このサブピクセル処理を実行するための候補点を抽出するための条件(しきい値)として、数値入力ボックス272に入力された値(相関値)が用いられる。
【0131】
また、抽出条件エリアは、予め登録されたモデルと一致した領域のうち、いずれの領域が「OK」であるかを判断するための条件(しきい値)を受付ける。より具体的には、抽出条件エリアには、「OK」対象と判断するための相関値についてのしきい値を設定するための数値入力ボックス274と、「OK」対象と判断するための回転角度についてのしきい範囲を設定するための数値入力ボックス275とが表示される。
【0132】
パターンマッチング処理においては、予め登録されたモデルとの一致度を示す値として相関値が算出されるとともに、一致度が最大となるようにモデル画像を所定範囲にわたって回転させる。そのため、パターンマッチング処理の結果は、相関値および回転角度を含む。そこで、パターンマッチング処理の結果得られた相関値が数値入力ボックス274に設定されている値以上となっており、かつ、パターンマッチング処理の結果得られた回転角度が数値入力ボックス275に設定されている範囲内となっている場合に、対応する処理対象領域については「OK」であると判断される。
【0133】
次に、ユーザインターフェイス画面204は、計測パラメータエリアおよび判定条件エリアを含む。これらのエリアは、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の評価結果を反映した全体処理結果を生成するための条件を受付ける。
【0134】
計測パラメータエリアには、全体処理結果の生成に、「OK」と判断された処理対象領域の数を用いるのか、あるいは、「NG」と判断された処理対象領域の数を用いるのかを設定するラジオボタン273が表示される。
【0135】
「OK」領域数に対応するラジオボタンが選択されると、計測モードとして「OK領域数」が選択される。この計測モードでは、複数の処理対象領域に対してそれぞれ実行された計測処理の結果のうち、「OK」と判断されたものの数が後述する判定条件に合致していれば、全体処理結果として「OK」と判断される。すなわち、対象のワークセット2が「OK」であるとの結果が出力される。この「OK領域数」の計測モードは、ワークセット2に規定数のワークが含まれているか否かをチェックするような処理に適している。
【0136】
これに対して、「NG」領域数に対応するラジオボタンが選択されると、計測モードとして「NG領域数」が選択される。この計測モードでは、複数の処理対象領域に対してそれぞれ実行された計測処理の結果のうち、「NG」と判断されたものの数が後述する判定条件に合致していれば、全体処理結果として「OK」と判断される。この「NG領域数」の計測モードは、ワークセット2に含まれている不良品の数が所定数以下であるか否かをチェックするような処理に適している。
【0137】
判定条件エリアには、複数の処理対象領域のうち予め設定された条件を満足する処理対象領域の数についての判断条件の設定を受付ける。より具体的には、判定条件エリアには、ラジオボタン273において設定されている計測モードに応じて指定された特定の判断結果(すなわち、「OK」または「NG」)を有する処理対象の数についての判断条件を設定する数値入力ボックス276が表示される。
【0138】
図10に示す例では、領域数の下限値が「0」、かつ、上限値が「9」であり、さらに、計測モードとして「OK領域数」が選択されているので、入力画像(ワークセット2)に対する計測処理の結果、「OK」と判断された処理対象領域の数が0個〜9個の範囲にあれば、全体処理結果として「OK」が出力される。そうでない場合には、全体処理結果として「NG」が出力される。
【0139】
さらに、ユーザインターフェイス画面204では、計測処理を予備実行するための計測ボタン277が設けられている。この計測ボタン277が押下されると、「稼動モード」と同様に、現在入力されている入力画像に対して、複数の処理対象領域が設定されるとともに、各処理対象領域に対してパターンマッチング処理がそれぞれ実行される。
【0140】
図10には、この計測処理が予備実行された状態の一例を示す。すなわち、処理対象領域267_1〜267_9のうち、パターンマッチング処理が成功して得られた処理対象領域には、それぞれの座標位置を示す十字(+)マーク269_1,269_2,269_3,269_5,269_6,269_7,269_8が表示される。さらに、この十字マークとともに、パターンマッチング処理の結果得られたモデル画像と一致する領域の外形を示す領域マーク268_1,268_2,268_3,268_5,268_6,268_7,268_8が表示される。
【0141】
なお、処理対象領域267_4には、何らのワークも存在しないので、十字マークおよび領域マークは表示されていない。また、処理対象領域267_9には、検出すべきではない対象のワークNGWが配置されているので、同様に、十字マークおよび領域マークは表示されていない。
【0142】
なお、ユーザインターフェイス画面204は、表示設定エリア278を含む。この表示設定エリア278には、入力画像上に重ねて表示される情報を選択するためのラジオボタンが表示される。すなわち、「相関値」のラジオボタンが選択されると、パターンマッチング処理の実行により算出された相関値が対応する処理対象領域と関連付けて表示され、「角度」のラジオボタンが選択されると、パターンマッチング処理の実行により算出された角度が対応する処理対象領域と関連付けて表示される。
【0143】
なお、図10に示すユーザインターフェイス画面204においては、入力画像上の表示態様を異ならせることで、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が表示される。たとえば、各処理対象領域に対するパターンマッチング処理の結果、「OK」と判定された処理対象領域(図10の例では、処理対象領域267_1,267_2,267_3,267_5,267_6,267_7,267_8)については、その外枠を「緑色」で表示し、「NG」と判定された処理対象領域(図10の例では、処理対象領域267_9)については、その外枠を「赤色」で表示する。さらに、計測処理の対象となっていない処理対象領域(処理対象領域267_4)については、その外枠を「グレイ色」で表示する。
【0144】
このように、ユーザインターフェイス画面204においては、全体処理結果として、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が判定条件を満足しているか否かを出力する。すなわち、複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果が出力される。また、入力画像上の表示態様を異ならせることで、複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が出力される。
【0145】
《I.出力パラメータ設定処理》
次に、図4のステップS15に示す出力パラメータ設定処理について説明する。
【0146】
図11は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100で提供される出力パラメータ設定処理に係るユーザインターフェイス画面205の一例を示す図である。ユーザインターフェイス画面205は、入力画像にそれぞれ規定される複数の処理対象領域に対して実行される計測処理の結果の出力方法に関する設定を受付ける。図11に示すユーザインターフェイス画面205は、出力パラメータタブ218が選択されることで提供される。
【0147】
ユーザインターフェイス画面205は、出力座標エリア281と、キャリブレーションエリア282と、総合判定反映エリア283とを含む。
【0148】
出力座標エリア281には、計測座標として、位置ずれ修正前の値を出力するのか、あるいは、位置ずれ修正後の値を出力するのかを設定するためのラジオボタンが表示される。この位置ずれ修正とは、撮像装置8の撮像によって取得された入力画像に対して前処理などを含む。すなわち、撮像装置8の光学的特性などを補正するために、予め入力画像に対して、拡大・縮小・回転などの前処理を行うことが可能であり、パターンマッチング処理によって得られた結果を、この前処理が行われる前の座標系の値で出力するのか、あるいは、前処理が行われた後の座標系の値で出力するのかが選択される。
【0149】
キャリブレーションエリア282には、計測座標として、キャリブレーション処理前の値を出力するのか、あるいは、キャリブレーション処理後の値を出力するのかを設定するためのラジオボタンが表示される。このキャリブレーション処理とは、撮像装置8の設置環境に起因する誤差を補正するために、予め基準を撮像して得られた入力画像を基準として補正する処理である。このキャリブレーションエリア282では、キャリブレーション処理が適用される前の座標値が出力されるのか、あるいは、キャリブレーション処理が適用された後の座標値が出力されるのかが選択される。
【0150】
総合判定反映エリア283には、各処理対象領域についての判定結果を総合の判定結果に含むか否かを設定するためのラジオボタンが表示される。
【0151】
《J.稼動モード》
次に、図4のステップS21〜26に示す「稼動モード」における処理について説明する。
【0152】
図12は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置100の「稼動モード」において実行される処理の概要を示す模式図である。
【0153】
図12を参照して、「稼動モード」においては、以下のような手順に従って、複数の処理対象領域の各々に対して、パターンマッチング処理が実行される。
【0154】
(1)入力画像に対して設定された基準領域(左上に配置された単位領域(コピー)の先頭位置から右下に配置された単位領域(コピー)の最終位置までの範囲)に対して、指定された規則に従って、複数の処理対象領域を設定する。
【0155】
(2)最初に位置する処理対象領域に対して、予め登録されたモデルに対してパターンマッチング処理を実行する。
【0156】
(3)パターンマッチング処理の結果得られた相関値および角度がいずれも予め設定された条件を満足するか否かを判断し、当該処理対象領域が「OK」な領域であるか、あるいは、「NG」な領域であるかを判断する。
【0157】
(4)(2)および(3)の処理をすべての処理対象領域に対して実行する。
(5)設定されている計測モードに応じて、「OK」と判断された処理対象領域の数、または、「NG」と判断された処理対象領域の数の基づいて、全体処理結果を出力する。すなわち、計測モードが「OK領域数」である場合には、「OK」と判断された処理対象領域の数を算出し、この算出した数が判定条件として設定された範囲内であれば、全体処理結果として「OK」を出力し、そうでなければ「NG」を出力する。一方、計測モードが「NG領域数」である場合には、「NG」と判断された処理対象領域の数を算出し、この算出した数が判定条件として設定された範囲内であれば、全体処理結果として「OK」を出力し、そうでなければ「NG」を出力する。
【0158】
図13は、本実施の形態に係る画像処理装置100が「稼動モード」において提供するユーザインターフェイス画面301の一例を示す図である。
【0159】
図13を参照して、ユーザインターフェイス画面301では、撮像装置8の視野内に複数のワークを含むワークセット2が存在する場合に生成される入力画像に対して、上述したような計測処理を行うことで得られた計測結果を示す。
【0160】
この図13に示すユーザインターフェイス画面301では、各処理対象領域におけるパターンマッチング処理の結果(「OK」または「NG」)が対応する表示態様(各処理対象領域を規定する外枠の色)を異ならせることでユーザに通知する。同時に、ユーザインターフェイス画面301では、その左上に全体処理結果を示す文字「OK」または「NG」が表示される。
【0161】
このように、ユーザインターフェイス画面301では、各処理対象領域に対して実行されたパターンマッチング処理の結果とともに、それぞれの処理対象領域についてのパターンマッチング処理の結果をまとめた全体処理結果が同一画面上に表示される。
【0162】
なお、各計測処理によって得られた相関値、位置、および、角度などの情報も表示される(符号302)。
【0163】
《K.作用・効果》
本実施の形態に係る画像処理装置によれば、計測処理の対象となるワークが多数ある場合であっても、計測処理に必要な条件設定が1回で済む。特に、複数の処理対象領域を規定するための設定としては、基準領域(全体範囲)と処理対象領域を設定する規則(分割方法)とを指定するだけで済む。そのため、計測処理を開始するまでに要求される設定処理が簡素化される。
【0164】
また、本実施の形態に係る画像処理装置によれば、入力画像に対して処理対象領域を手動で設定するので、基準領域を自動的に分割するような処理に比べて、自動化するための処理が省略できるためその処理時間を短縮できるともに、処理対象領域を誤って設定するといった時間のロスを回避できる。
【0165】
また、本実施の形態に係る画像処理装置によれば、同一のパターンマッチング処理(サーチ処理やラベリング処理など)がすべての処理対象領域に対して並列的に実行され、さらに、これらの処理結果が総合して評価されるので、複数のワークを含むワークセットを確実に検査することができる。
【0166】
《L.変形例》
(l1:第1変形例)
上述の実施の形態においては、図7に示すように、ユーザインターフェイス画面上で2つの単位領域(コピー)266を定義することで基準領域が自動設定される。これに対して、ワークセット2の角(端)に検出対象のワークが存在しない場合などには、ユーザが基準領域を任意の形状に設定することがよりユーザフレンドとなる場合もある。本変形例では、ユーザが任意の形状を基準領域として設定できるユーザインターフェイスの例を示す。
【0167】
図14は、本発明の実施の形態の第1変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Aの一例を示す図である。図14に示すユーザインターフェイス画面203Aにおいては、画像表示エリア250に表示される入力画像に対して、ユーザがマウスなどを操作することで、任意の形状を基準領域280に設定することができる。
【0168】
たとえば、図14に示すように、ユーザがカーソル位置CRS9からカーソル位置CRS10までドラッグ操作することで、長方形の基準領域280が設定される。この基準領域280が設定されると、上述と同様の処理によって、複数の処理対象領域が規則的に規定される。
【0169】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0170】
(l2:第2変形例)
上述の実施の形態および第1変形例においては、複数の処理対象領域を規則的に規定する一例として、複数の処理対象領域を行列状に配置する例を示した。これに対して、第2変形例においては、複数の処理対象領域を千鳥状に規定する例について説明する。
【0171】
図15は、本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置が対象とするワークの一例を示す模式図である。図15には、各列に複数のLEDが実装された照明装置の一例を示す。このような照明装置では、実装されるLEDの密度を高めるために、隣接する列の間では、LEDが実装される位置が少しずつずらされている場合がある。典型的には、奇数番目の列におけるLEDの実装位置と、偶数番目の列におけるLEDの実装位置とが互いに異なっているような構成が採用される。このような場合には、上述のような全くの行列状ではなく、千鳥状に処理対象領域を配置することが好ましい。
【0172】
図16は、本発明の実施の形態の第2変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Bの一例を示す図である。図16に示すユーザインターフェイス画面203Bは、図7〜図9に示すユーザインターフェイス画面203と比較して、より多くの設定項目を含むマトリックス設定エリア240Bが設けられている点において相違している。
【0173】
マトリックス設定エリア240Bは、図7〜図9に示すマトリックス設定エリア240に対して、さらに、千鳥状に配置するために位置をずらす対象を選択するためのラジオボタン247と、千鳥状に配置するために位置をずらす対象の周期を設定するための数値入力ボックス248と、千鳥状に配置するための位置ずれ量を設定するための数値入力ボックス249とを含む。
【0174】
ラジオボタン247を選択することで、「行」または「列」のいずれかを設定することができる。「行」が選択されると、紙面上下方向の各並びの単位で、紙面上下方向に位置がずらされる。一方、「列」が選択されると、紙面左右方向の各並びの単位で、紙面左右に位置がずらされる。
【0175】
数値入力ボックス248では、ラジオボタン247によって選択された方向について、位置がずらされる列の数(空間的な周期)が設定される。図16に示すように、「位置ずれ間隔」として「1」が設定されている場合には、1つの並び置き、すなわち、奇数番目の列と偶数番目の列との間で相対的な位置ずれが設定される。
【0176】
数値入力ボックス249では、位置ずれを生じさせる変位量(X方向およびY方向)が設置される。
【0177】
これらの設定パラメータに従って、基準領域を基準として、複数の処理対象領域が規定さえる。言い換えれば、隣接する処理対象領域は、これらの設定パラメータを満足するように、入力画像上に規定される。
【0178】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0179】
本変形例によれば、全くの行列状に配置された複数のワークだけではなく、千鳥状に配置された複数のワークを一括して検査することができる。
【0180】
(l3:第3変形例)
上述の実施の形態および第1変形例においては、方形状の基準領域に対して、行方向および列方向に指定された数の処理対象領域を規定する例を示した。これに対して、第3変形例においては、ユーザが任意に設定した基準領域に対して、最大数の処理対象領域を規定する例について説明する。より具体的には、本変形例においては、任意の形状に設定される基準領域に内接させて、複数の処理対象領域を規則的に互いに重ならないように規定する。
【0181】
図17は、本発明の実施の形態の第3変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Cの一例を示す図である。図17に示すユーザインターフェイス画面203Cにおいては、画像表示エリア250に表示される入力画像に対して、円形の基準領域296を設定した場合の例を示す。但し、基準領域296としてはこれに限らず、任意の形状に設定することができる。このように、基準領域296が任意の形状に設定された場合に、本変形例に係る画像処理装置は、任意の形状に設定される基準領域に内接させて、複数の処理対象領域を行列状に互いに重ならないように配置する。
【0182】
このような処理対象領域の設定処理は、たとえば、その断面が様々な容器に対して、何らかのワークが可能な限り詰められているようなものに適している。
【0183】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0184】
本変形例によれば、ワークセットが固定的な形状を有するものだけではなく、任意の形状を有するワークセットについても適切に検査することができる。
【0185】
(l4:第4変形例)
上述の実施の形態においては、処理対象領域を行列状に規定する例を示した。これに対して、第4変形例においては、基準領域内の点を中心として、放射状に前記複数の処理対象領域を規定する例について説明する
図18は、本発明の実施の形態の第4変形例に係る画像処理装置で提供される処理対象領域の設定に係るユーザインターフェイス画面203Dの一例を示す図である。図18に示すユーザインターフェイス画面203Dにおいては、画像表示エリア250に表示される入力画像に対して、同心円または円の基準領域が設定される。そして、この基準領域を半径方向に分割するとともに、分割によって得られた円または同心円の各々に対して、所定の規則に係る数の処理対象領域が設定される。
【0186】
より具体的には、図18に示すユーザインターフェイス画面203Dは、図7〜図9に示すユーザインターフェイス画面203と比較して、より多くの設定項目を含むマトリックス設定エリア240Dが設けられている点において相違している。
【0187】
マトリックス設定エリア240Dは、図7〜図9に示すマトリックス設定エリア240に対して、さらに、処理対象領域を放射状に規定するための半径方向分割数を設定するための数値入力ボックス294を含む。
【0188】
数値入力ボックス294に数値が入力されることで、設定されている基準領域が半径方向に入力された数値だけ分割される。図18には、数値入力ボックス294に「3」が設定されているので、基準領域が3分割されている例を示す。このように基準領域が半径方向に分割されると、個別設定エリア290の表示および設定が有効化される。
【0189】
より具体的には、個別設定エリア290は、各分割された同心円(または、円)について割り当てられる処理対象領域の数をそれぞれ設定するための数値入力ボックス291,292,293を含む。これらの数値入力ボックス291,292,293に設定された値に従って、各分割された領域に対して、処理対象領域が設定される。数値入力ボックス291では、グループ番号、すなわち、半径方向に分割した分割数毎のグループの識別番号が設定される。数値入力ボックス292では、グループ毎に円周方向の分割数が設定される。この数値入力ボックス292に入力される分割数が、数値入力ボックス291において設定されている数値に対応する番号のグループについての分割数として設定される。数値入力ボックス293では、グループ毎に領域設定を開始する角度が設定される。この数値入力ボックス293に入力される開始角度が、数値入力ボックス291において設定されている数値に対応する番号のグループについての分割数として設定される。したがって、円周方向分割数(数値入力ボックス292)および開始角度(数値入力ボックス293)には、数値入力ボックス294において設定される半径方向分割数の数に応じた数の数値セットが入力されることになる。
【0190】
その他の処理については、上述の実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0191】
本変形例によれば、ワークが放射状に配置されたワークセット、たとえば、複数のLEDが放射状に実装されたLED照明などを適切に検査することができる。
【0192】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0193】
1 視覚センサシステム、2 ワークセット、3 ケース、4 光電センサ、4a 受光部、4b 投光部、6 搬送機構、8 撮像装置、100 画像処理装置、102 ディスプレイ、104 マウス、106 メモリカード、112 メインメモリ、114 ハードディスク、116 カメラインターフェイス、116a 画像バッファ、118 入力インターフェイス、120 表示コントローラ、122 インターフェイス、124 通信インターフェイス、126 データリーダ/ライタ、128 バス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理装置であって、
前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける第1の設定入力手段と、
前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける第2の設定入力手段と、
前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける第3の設定入力手段と、
前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行する処理実行手段と、
前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する出力手段とを備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理は、予め設定された条件を満足するか否かを判断する処理を含み、
前記画像処理装置は、前記複数の処理対象領域のうち、特定の判断結果を有する処理対象領域の数についての判断条件の設定を受付ける第4の設定入力手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記全体処理結果として、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が前記判断条件を満足しているか否かを出力する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記入力画像上の表示態様を異ならせることで、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果を出力する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記複数の処理対象領域の別に、前記画像処理の実行対象として有効化または無効化することについての設定を受付ける第5の設定入力手段をさらに備え、
前記処理実行手段は、前記複数の処理対象領域のうち、前記画像処理の実行対象として無効化された処理対象領域については前記画像処理をスキップする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力画像および前記入力画像に対して設定された前記複数の処理対象領域を表示する表示手段をさらに備え、
前記第5の設定入力手段は、前記表示手段における表示位置と関連付けられた入力デバイスからの入力に応答して、前記複数の処理対象領域のうち選択された処理対象領域を特定するともに、当該処理対象領域を前記画像処理の実行対象として有効化または無効化すべきかを決定する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
隣接する処理対象領域が前記第3の設定入力手段によって受付けられた設定を満足するように、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に規定する領域規定手段をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記領域規定手段は、前記第2の設定入力手段によって前記基準領域の新たな設定が受付けられた場合、および、前記第3の設定入力手段によって前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合の少なくとも一方において、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に再規定する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記領域規定手段は、方形状の前記基準領域に対して、前記複数の処理対象領域を行列状に規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記領域規定手段は、前記複数の処理対象領域を千鳥状に規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記領域規定手段は、任意の形状に設定される前記基準領域に内接させて、前記複数の処理対象領域を互いに重ならないように規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記領域規定手段は、前記基準領域内の点を中心として、放射状に前記複数の処理対象領域を規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像処理は、予め登録された単一のモデルを用いたマッチング処理を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項13】
入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理方法であって、
前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付けるステップと、
前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付けるステップと、
前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付けるステップと、
前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行するステップと、
前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力するステップとを備える、画像処理方法。
【請求項1】
入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理装置であって、
前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付ける第1の設定入力手段と、
前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付ける第2の設定入力手段と、
前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付ける第3の設定入力手段と、
前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行する処理実行手段と、
前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力する出力手段とを備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理は、予め設定された条件を満足するか否かを判断する処理を含み、
前記画像処理装置は、前記複数の処理対象領域のうち、特定の判断結果を有する処理対象領域の数についての判断条件の設定を受付ける第4の設定入力手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記全体処理結果として、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果が前記判断条件を満足しているか否かを出力する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記入力画像上の表示態様を異ならせることで、前記複数の処理対象領域のそれぞれにおける判断結果を出力する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記複数の処理対象領域の別に、前記画像処理の実行対象として有効化または無効化することについての設定を受付ける第5の設定入力手段をさらに備え、
前記処理実行手段は、前記複数の処理対象領域のうち、前記画像処理の実行対象として無効化された処理対象領域については前記画像処理をスキップする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力画像および前記入力画像に対して設定された前記複数の処理対象領域を表示する表示手段をさらに備え、
前記第5の設定入力手段は、前記表示手段における表示位置と関連付けられた入力デバイスからの入力に応答して、前記複数の処理対象領域のうち選択された処理対象領域を特定するともに、当該処理対象領域を前記画像処理の実行対象として有効化または無効化すべきかを決定する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
隣接する処理対象領域が前記第3の設定入力手段によって受付けられた設定を満足するように、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に規定する領域規定手段をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記領域規定手段は、前記第2の設定入力手段によって前記基準領域の新たな設定が受付けられた場合、および、前記第3の設定入力手段によって前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための新たな設定が受付けられた場合の少なくとも一方において、前記複数の処理対象領域を前記入力画像上に再規定する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記領域規定手段は、方形状の前記基準領域に対して、前記複数の処理対象領域を行列状に規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記領域規定手段は、前記複数の処理対象領域を千鳥状に規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記領域規定手段は、任意の形状に設定される前記基準領域に内接させて、前記複数の処理対象領域を互いに重ならないように規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記領域規定手段は、前記基準領域内の点を中心として、放射状に前記複数の処理対象領域を規定する、請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像処理は、予め登録された単一のモデルを用いたマッチング処理を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項13】
入力画像に対して規定された複数の処理対象領域毎に画像処理を実行する画像処理方法であって、
前記複数の処理対象領域の各々に対して実行される共通の画像処理に係る設定を受付けるステップと、
前記入力画像に対して前記複数の処理対象領域を規定するための基準領域の設定を受付けるステップと、
前記基準領域を基準として、前記複数の処理対象領域を規則的に規定するための設定を受付けるステップと、
前記共通の画像処理に係る設定に従って、前記複数の処理対象領域の各々に対して画像処理を実行するステップと、
前記複数の処理対象領域に対するそれぞれの画像処理の結果を反映した全体処理結果を出力するステップとを備える、画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−84000(P2012−84000A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230519(P2010−230519)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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