説明

画像処理装置と画像処理方法およびプログラム

【課題】ノイズ除去における色滲みを抑制する。
【解決手段】色判別部21は、入力画像の各画素の色を判別する。境界領域設定部22は、色判別部21における色判別結果に基づき、ノイズ除去によって色滲みが知覚しやすくなる色の境界領域を設定する。ノイズ除去部23は、境界領域設定部22における境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して、境界領域では色滲みを抑えたノイズ除去特性として入力画像のノイズ除去を行う。したがって、ノイズ除去における色滲みが抑制されたノイズ除去画像を得ることができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、画像処理装置と画像処理方法に関する。詳しくは、画像のノイズ除去における色滲みを抑制できるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置では、例えば平均化フィルタ、ガウシアンフィルタ等を用いた平滑化処理や順序統計フィルタ例えばメディアンフィルタを用いた処理によって、ノイズを除去することが行われている。また、平滑化処理や順序統計フィルタを用いた場合、大きな範囲のノイズ(低周波ノイズ)の除去は困難であることから、特許文献1のように、入力画像を縮小してフィルタ処理を行うことで、大きな範囲のノイズ除去が可能とされている。また、ノイズ除去における解像劣化を防止できるように、特許文献2では、特定の色部分だけ元画像の混合割合を増やしてノイズ除去効果を弱めることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−157163号公報
【特許文献2】特開2010−213086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、入力画像のノイズ除去を行う場合、エッジの色滲みが知覚されやすくなってしまう場合がある。例えば入力画像を縮小してフィルタ処理を行うことで、大きな範囲のノイズを除去することが可能であるが、縮小画の拡大によって、赤系の色領域部分と低輝度部分や無彩色部分と境界で色滲みが知覚されやすくなってしまう場合がある。また、入力画像を縮小することなくノイズ除去を行う場合でも、大きな範囲のノイズ除去によって境界部分で色滲みが知覚されやすくなっておそれもある。
【0005】
そこで、この技術では、ノイズ除去における色滲みを抑制できる画像処理装置と画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術の第1の側面は、入力画像の各画素の色を判別する色判別部と、前記色判別部における色判別結果に基づき所定の色の境界領域を設定する境界領域設定部と、前記境界領域設定部における境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して前記入力画像のノイズ除去を行うノイズ除去部とを備える画像処理装置にある。
【0007】
この技術においては、入力画像の各画素の色判別を行い、ノイズ除去における色滲みが知覚しやすい色の境界領域を設定する。この境界領域の設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して、例えば境界領域では非境界領域に比べて平滑化処理単位の狭い平滑化処理を行うことでノイズ除去特性を制御してノイズ除去を行う。平滑化は、例えば、入力画像や非境界領域の画像またはこれらの縮小画像の平滑化処理を行う第1フィルタ処理部と、境界領域の画像の平滑化処理を行う第2フィルタ処理部を用いて行われる。また、境界領域設定結果に基づき、境界領域では非境界領域に比べて平滑化処理単位の狭い平滑化処理を行うことで色滲みを抑制したノイズ除去を行う。さらに、第1フィルタ処理部と第2フィルタ処理部で生成された平滑化画像を混合することで、境界領域では色滲みが抑制されたノイズ除去画像とする。さらに、第1フィルタ処理部と第2フィルタ処理部の少なくとも何れかを特性の異なる複数のフィルタを用いて構成して色判別結果に基づきフィルタの切り替えや組み合わせの変更を行うようにしてもよい。また、入力画像の各画素の色判別でノイズ除去における解像劣化の知覚しやすい色の領域を判別して、解像劣化の知覚しやすい色の領域では解像劣化の生じにくいフィルタへの切り替えや組み合わせの変更を行う。
【0008】
さらに、入力画像を平滑化して生成された平滑化画像と入力画像の混合を行い、色判別結果に基づき解像劣化の知覚しやすい色の領域では、入力画像の割合を他の色の領域に比べて多くすることでノイズ除去特性を変更する。
【0009】
この技術の第2の側面は、入力画像の各画素の色を判別する工程と、前記色判別結果に基づき、前記所定の色の境界領域を設定する工程と、前記境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して前記入力画像のノイズ除去を行う工程とを有する画像処理方法にある。
【0010】
この技術の第3の側面は、入力画像のノイズ除去をコンピュータで実行させるプログラムであって、前記入力画像の各画素の色を判別する手順と、前記色判別結果に基づき、前記所定の色の境界領域を設定する手順と、前記境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して前記入力画像のノイズ除去を行う手順とを前記コンピュータで実行させるプログラム。
【0011】
なお、本技術のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ上でプログラムに応じた処理が実現される。
【発明の効果】
【0012】
この技術によれば、入力画像の各画素の色が判別されて、色判別結果に基づき所定の色の境界領域が設定される。この境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性が制御されて入力画像のノイズ除去が行われる。したがって、色滲みが知覚されやすい色の境界でノイズ除去特性を切り替えることで、ノイズ除去における色滲みを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本技術の画像処理装置を用いたシステムの構成を例示した図である。
【図2】画像処理装置の基本構成を示す図である。
【図3】ノイズ除去処理部の動作を示すフローチャートである。
【図4】色判別部と境界領域設定部の動作を説明するための図である。
【図5】ノイズ除去部の第1の形態の構成を示す図である。
【図6】平滑化部の第1の構成を示す図である。
【図7】平滑化部の第2の構成を示す図である。
【図8】平滑化部の第3の構成を示す図である。
【図9】接続部の概略構成を示す図である。
【図10】スイッチ制御部の制御動作を示す図である。
【図11】平滑化画像混合部の構成を示す図である。
【図12】係数設定部の第1の動作を例示した図である。
【図13】係数設定部の第2の動作を例示した図である。
【図14】混合部における係数設定部の第1の動作を例示した図である。
【図15】混合部における係数設定部の第2の動作を例示した図である。
【図16】ノイズ除去部の第2の形態の構成を示す図である。
【図17】平滑化部の第4の構成を示す図である。
【図18】接続部の概略構成を示す図である。
【図19】スイッチ制御部の制御動作を示す図である。
【図20】処理特性を切り替えることができるフィルタ処理部の構成を例示した図である。
【図21】コンポーネント信号を用いるノイズ除去処理部の構成を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像処理装置を用いたシステムの構成
2.画像処理装置の基本構成と動作
3.ノイズ除去部の第1の形態
3−1.ノイズ除去部の第1の形態の構成と動作
3−2.平滑化部の構成と動作
3−2−1.平滑化部の第1の構成と動作
3−2−2.平滑化部の第2の構成と動作
3−2−3.平滑化部の第3の構成と動作
3−2−4.平滑化画像混合部の構成と動作
3−3.混合部の構成と動作
4.ノイズ除去部の第2の形態
4−1.ノイズ除去部の第2の形態の構成と動作
4−2.平滑化部の構成と動作
5.フィルタ処理部の他の構成
6.ノイズ除去処理部の他の形態
【0015】
<1.画像処理装置を用いたシステムの構成>
図1は、本技術の画像処理装置を用いたシステム、例えば撮像装置の構成を例示している。撮像装置10は、撮像光学系11、撮像部12、カメラ信号処理部13、信号変換部14、ノイズ除去処理部20、および制御部30を備えている。
【0016】
撮像光学系11は、レンズを主体として構成されており、図示しない被写体の光学像を撮像部12の受光面に結像させる。
【0017】
撮像部12は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子を用いて構成されている。撮像部12は、撮像光学系11によって受光面に結像された光学像に応じた撮像信号を生成する。また、撮像部12は、撮像信号に対して相関二重サンプリング処理やアナログ増幅処理、A/D変換処理等を行ってカメラ信号処理部13に出力する。
【0018】
カメラ信号処理部13は、撮像部12から供給された画像信号に対してガンマ補正や輝度調整、色補正等の処理を行い、処理後の画像信号を信号変換部14に出力する。
【0019】
信号変換部14は、カメラ信号処理部13から供給された画像信号を所定の方式の画像信号、例えば輝度信号と色差信号に変換してノイズ除去処理部20に出力する。
【0020】
本技術の画像処理装置に相当するノイズ除去処理部20は、信号変換部14から供給された画像信号に対してノイズ除去処理を行う。なおノイズ除去処理部20の構成および動作については後述する。
【0021】
制御部30にはユーザインタフェース(I/F)部31が接続されている。ユーザI/F部31は、ユーザの操作入力を受け付けるものであり、電源スイッチやシャッターキー、ズームキー等の各種の操作キー、メニュー表示やメニュー項目の選択および各種設定を行うための操作キー等が設けられている。ユーザI/F部は、ユーザ操作に応じた操作信号を制御部30に出力する。
【0022】
制御部30は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されており、記憶しているプログラムを実行して、撮像装置10の動作がユーザ操作に応じた動作となるように操作信号に基づき各部を制御する。
【0023】
<2.画像処理装置の基本構成と動作>
図2は、画像処理装置の基本構成を示している。画像処理装置であるノイズ除去処理部20は、色判別部21と境界領域設定部22とノイズ除去部23を有している。
【0024】
色判別部21は、入力画像の画像信号DVaに基づき、入力画像の各画素の色を判別する。色判別部21は、色判別結果を示す色判別信号を生成して境界領域設定部22とノイズ除去部23に出力する。また、色判別部21は、色の判別においてノイズ除去時に色滲みの知覚しやすい色や解像劣化の知覚しやすい色の判別を行う。色判別部21は、色滲みの知覚しやすい色の判別結果を示す色判別信号JCAを境界領域設定部22、解像劣化の知覚しやすい色の判別結果を示す色判別信号JCBをノイズ除去部23に出力する。
【0025】
境界領域設定部22は、色判別信号JCAに基づきノイズ除去時に色滲みの知覚しやすい色の領域の境界を示す境界領域を設定する。境界領域設定部22は、設定した境界領域を示す境界領域信号JAをノイズ除去部23に出力する。
【0026】
ノイズ除去部23は、境界領域信号JAと色判別信号JCBとに基づきノイズ除去の動作を制御して、色滲みや解像劣化を抑制したノイズ除去を行いノイズの除去された画像信号DVbを出力する。
【0027】
なお、図2に示す色判別部21は、色の判別においてノイズ除去時に色滲みの知覚しやすい色や解像劣化の知覚しやすい色の判別を行っている。この色滲みや解像劣化の知覚しやすい色の判別は、色判別部21からの各画素の色判別結果に基づき、境界領域設定部22やノイズ除去部23で行うようにしてもよい。また、以下の説明は、色判別部21で色滲みや解像劣化の知覚しやすい色の判別を行う場合を示している。
【0028】
図3は、ノイズ除去処理部の動作を示すフローチャートである。ステップST1でノイズ除去処理部20は、第1所定色の領域であるか判別する。ノイズ除去処理部20は、色判別部21で入力画像の画素がノイズ除去において解像劣化の知覚しやすい第1所定色の領域の画素であるか判別する。ノイズ除去処理部20は、第1所定色の領域の画素であると判別した場合にステップST2に進み、第1所定色の領域の画素ではないと判別した場合にステップST3に進む。
【0029】
ステップST2でノイズ除去処理部20は、ノイズ除去Aを行う。ノイズ除去処理部20は、解像劣化の少ないノイズ除去であるノイズ除去Aをノイズ除去部23で行う。
【0030】
ステップST3でノイズ除去処理部20は、第2所定色の境界領域であるか判別する。ノイズ除去処理部20は、色判別部21で入力画像の画素がノイズ除去において色滲みの知覚しやすい第2所定色の領域の画素であるか判別する。また、ノイズ除去処理部20は、第2所定色の色判別結果に基づき、第2所定色の領域の境界を示す境界領域を境界領域設定部22で設定する。ノイズ除去処理部20は、入力画像の画素が境界領域である場合はステップST4に進み、境界領域でない場合はステップST5に進む。
【0031】
ステップST4でノイズ除去処理部20は、ノイズ除去Bを行う。ノイズ除去処理部20は、色滲みの少ないノイズ除去であるノイズ除去Bをノイズ除去部23で行う。
【0032】
ステップST5でノイズ除去処理部20は、ノイズ除去Cを行う。ノイズ除去処理部20のノイズ除去部23は、入力画像の画素が第1所定色ではなく、第2所定色の境界領域でもないことから、解像劣化や色滲みが考慮されていないノイズ除去Cをノイズ除去部23で行う。例えばノイズ除去部23は、ノイズ除去A,Bに比べて簡単なノイズ除去であるノイズ除去Cを行う。
【0033】
なお、第1所定色と第2所定色は、同じ色または異なる色の場合がある。例えば赤色の領域についてノイズ除去時に解像劣化が知覚しやすく、赤色の領域の境界でノイズ除去時に色滲みが知覚しやすい場合、第1所定色と第2所定色は等しい色となる。また、ノイズ除去時に青色領域でも解像劣化が知覚しやすくなり、青色領域でも解像劣化を抑制したノイズ除去処理を行う場合、第1所定色は赤色と青色となり第2所定色は赤色のみとなる。
【0034】
図4は、ノイズ除去処理部20における色判別部21と境界領域設定部22の動作を説明するための図である。例えば図4の(A)は入力画像を示しており、色が「CA1」「CA2」「CA3」「CA4」「CA5」「CA6」の領域で構成されているとする。なお、「CA1」と「CA2」の領域の境界を「Eg1」とする。また、「CA2」「CA3」「CA4」「CA5」「CA6」の各領域の境界を「Eg2,Eg3,Eg4、Eg5」とする。
【0035】
色判別部21は、色滲みの知覚しやすい色であるか判別する。図4の(B)は判別結果を示している。判別結果「CB1」は色滲みを生じない色であることを示している。判別結果「CB3」は色滲みが知覚しやすい色であることを示している。また、判別結果「CB2」は、判別結果「CB3」に比べて色滲みが知覚しにくい色であることを示している。色判別部21は、色判別結果を示す色判別信号を境界領域設定部22に供給する。例えば、図4の(C)に示すように、色判別信号JCAの信号レベルを例えば色滲みが知覚しやすい色である場合には高く、色滲みが知覚しにくい色である場合には低く設定する。また、色判別部21は、解像劣化の生じやすい色の判別を同様に行って、色判別結果を示す色判別信号JCBを生成してノイズ除去部23に供給する。
【0036】
境界領域設定部22は、色判別部21からの色判別信号JCAに基づき境界領域AEを設定する。図4の(D)は、境界領域設定部22で生成される境界領域信号JAを示している。例えば、境界領域設定部22は、色滲みが知覚される色の境界位置を基準として、所定の領域幅を境界領域AEとして、境界領域AEを示す境界領域信号JAを生成する。図4の(D)に示す境界領域信号JAでは、判別結果が「CB3」である色の境界Eg1,Eg2では、境界の位置となるまで信号レベルが増加して境界を過ぎると信号レベルが低下する信号とされている。また、境界領域信号JAは、境界領域では信号レベルが所定値となる二値信号でもよい。例えば、判別結果が「CB2」である色の境界Eg3,Eg4のように、境界領域信号JAは、境界領域であるか否かを示す二値信号でもよい。なお、境界からの距離に応じて信号レベルが変化する境界領域信号JAを生成すれば、境界領域信号JAに基づき境界領域の何れの位置であるか判別できる。さらに、図4の(D)では、境界を中心として境界領域を設定した場合を示しているが、境界領域は境界領域内に境界が位置していればよく、例えば境界を境界領域の一方の端部側として境界領域を設定してもよい。
【0037】
<3.ノイズ除去部の第1の形態>
次に、色判別結果を示す色判別信号JCBと境界領域信号JAに基づいてノイズ除去制御を行うノイズ除去部について説明する。
【0038】
<3−1.ノイズ除去部の第1の形態の構成と動作>
図5は、ノイズ除去部23の第1の形態の構成を示している。ノイズ除去部23は、平滑化部231と混合部235を有している。
【0039】
平滑化部231は、入力画像の平滑化を行うことでノイズを低減させる。また、平滑化部231は、境界領域設定部22からの境界領域信号JAに基づき、境界領域では非境界領域に比べて平滑化処理単位の狭い平滑化処理を行うことでノイズ除去特性の制御を行う。平滑化部231は、平滑化後の画像信号DFを混合部235に出力する。
【0040】
混合部235には、入力画像の画像信号DVaと平滑化後の画像信号DFが供給されている。混合部235は、色判別部21からの色判別信号JCBに基づき、入力画像の画像信号DVaと平滑化後の画像信号DFの混合比を制御して、ノイズ除去後の画像信号DVbを出力する。
【0041】
このようにノイズ除去部23を構成すれば、平滑化部231は、境界領域設定部22からの境界領域信号JAに基づき、色滲みを知覚しやすい色の境界領域では、平滑化の効果を弱めることで色滲みを抑制したノイズ除去を行うことができる。また、混合部235は、色判別部21からの色判別信号JCBに基づき、入力画像の画像信号DVaと平滑化後の画像信号DFの混合比を制御する。したがって、例えば解像劣化を生じやすい色の領域では入力画像の画像信号DVaの割合を多くすることにより解像劣化を抑制したノイズ除去を行うことができる。
【0042】
<3−2.平滑化部の構成と動作>
次に、ノイズ除去部23で用いられている平滑化部231について説明する。
【0043】
<3−2−1.平滑化部の第1の構成と動作>
図6は平滑化部の第1の構成を示している。第1の構成である平滑化部231aは、信号切替部2311と第1フィルタ処理部2321と第2フィルタ処理部2322を有している。
【0044】
信号切替部2311は、境界領域信号JAに基づき入力画像の画像信号DVaの切替制御を行う。信号切替部2311は、色滲みの知覚しやすい色の境界領域であることが境界領域信号JAで示されていない場合、画像信号DVaを第1フィルタ処理部2321に出力する。また、信号切替部2311は、色滲みの知覚しやすい色の境界領域であることが境界領域信号JAで示された場合、画像信号DVaを第2フィルタ処理部2322に出力する。信号切替部2311は、例えば、境界領域信号JAが閾値以上である場合に色滲みの知覚しやすい色の境界領域として切替制御を行う。
【0045】
第1フィルタ処理部2321は、第2フィルタ処理部2322に比べて平滑化の効果が高くなるように構成されている。例えば、第1フィルタ処理部2321は、30画素×30画素の信号を用いて例えば平均化演算を行い、平滑化画像の画像信号DFaを生成する。
【0046】
第2フィルタ処理部2322は、第1フィルタ処理部2321に比べて平滑化の効果が低くなるように構成されている。例えば、第2フィルタ処理部2322は、3画素×3画素の信号を用いて例えば平均化演算を行い、平滑化画像の画像信号DFbを生成する。すなわち、色滲みの知覚しやすい色の境界領域では、平均化演算に用いられる画素が少なく非境界領域に比べて平滑化の効果が少ないことから、画像信号DFbは第1フィルタ処理部2321でノイズ除去を行う場合に比べて色滲みが抑制された画像信号となる。
【0047】
このように平滑化部231aを構成すれば、色滲みの知覚しやすい色の境界領域では画像信号DFbが平滑化画像の画像信号DFとして出力されて、非境界領域では画像信号DFaが平滑化画像の画像信号DFとして出力される。したがって、平滑化部231aから出力される画像信号DFは、色滲みの知覚しやすい色の境界で色滲みが抑制された平滑化画像の画像信号となる。
【0048】
<3−2−2.平滑化部の第2の構成と動作>
次に、平滑化部の第2の構成について説明する。第2の構成では、第1の構成に比べて処理時間を少なくする。
【0049】
図7は平滑化部の第2の構成を示している。第2の構成である平滑化部231bは、信号切替部2311と縮小部2315と第1フィルタ処理部2321sと拡大部2331、および第2フィルタ処理部2322を有している。
【0050】
信号切替部2311は、境界領域信号JAに基づき入力画像信号の切替制御を行う。信号切替部2311は、色滲みの知覚しやすい色の境界領域であることが境界領域信号JAで示されていない場合、入力画像の画像信号DVaを縮小部2315に出力する。また、信号切替部2311は、色滲みの知覚しやすい色の境界領域であることが境界領域信号JAで示された場合、入力画像の画像信号DVaを第2フィルタ処理部2322に出力する。
【0051】
縮小部2315は、入力画像の縮小を行い縮小画像信号を生成して第1フィルタ処理部2321sに出力する。例えば、第1フィルタ処理部2321sとして3画素×3画素の信号を用いて平均化演算を行い、第1の構成における第1フィルタ処理部2321と同様な30画素×30画素の平滑化演算の効果を得る場合、縮小部2315は、入力画像を(1/10)に縮小する処理を行う。
【0052】
第1フィルタ処理部2321は、縮小画像の画像信号を用いることで第2フィルタ処理部2322に比べて平滑化の効果が高くなるように構成されている。例えば、第3フィルタ処理部2321sは、(1/10)の縮小画像の画像信号を用いて3画素×3画素の平均化演算を行うことで、第1の構成における第1フィルタ処理部2321と同様な平滑化の効果を得ることができる。第1フィルタ処理部2321sは、平滑化画像の画像信号を拡大部2331に出力する。
【0053】
拡大部2331は、縮小部2315の縮小処理に対応した拡大処理を行い、縮小部2315で縮小される前の画像サイズ(画素数)である平滑化画像の画像信号DFcを生成する。拡大部2331は、ニアレストネイバー、バイリニア、バイキュービックなどの方法を用いて画像の拡大処理を行う。例えばニアレストネイバーを用いる場合、拡大部2331は、拡大後の画素が拡大前のどこの座標に位置していたかを算出して、算出した位置に最も近い画素の信号を拡大後の画素の信号として用いる。
【0054】
第2フィルタ処理部2322は、縮小部2315と第1フィルタ処理部2321sと拡大部2331を用いた平滑化処理に比べて平滑化の効果が低くなるように構成されている。例えば、第2フィルタ処理部2322は、3画素×3画素の信号を用いて平均化演算を行い、平滑化画像の画像信号DFbを生成する。すなわち、色滲みの知覚しやすい色の境界領域では、平均化演算に用いられる画素が少なく非境界領域に比べて平滑化の効果が少ないことから、画像信号DFbは第1フィルタ処理部2321sでノイズ除去を行う場合に比べて色滲みが抑制された画像信号となる。
【0055】
なお、縮小部2315の縮小率は、第1フィルタ処理部2321sにおいて所望の平滑化効果を得るための平均化演算に用いる画素数が、第2フィルタ処理部2322において平均化演算に用いる画素数と等しくなうように設定してもよい。この場合、第2フィルタ処理部2322と第1フィルタ処理部2321sの処理を1つのフィルタ処理部で行うことも可能となる。
【0056】
このように平滑化部231bを構成すれば、色滲みの知覚しやすい色の境界領域では画像信号DFbが平滑化画像の画像信号DFとして出力されて、非境界領域では画像信号DFcが平滑化画像の画像信号DFとして出力される。したがって、平滑化部231bから出力される画像信号DFは、色滲みの知覚しやすい色の境界で色滲みが抑制された平滑化画像の画像信号となる。
【0057】
また、平滑化部231bは、入力画像を縮小してから第1フィルタ処理部2321sで平均化演算を行うことで、平均化演算に用いる画素数を削減できる。したがって、第1の構成に比べて処理時間を少なくできる。
【0058】
<3−2−3.平滑化部の第3の構成と動作>
次に、平滑化部の第3の構成について説明する。第3の構成では、第1の構成および第2の構成に比べて異なるフィルタ処理部で処理された画像を滑らかに接続する。
【0059】
図8は平滑化部の第3の構成を示している。第3の構成である平滑化部231cは、接続部2312、縮小部2315、第1フィルタ処理部2321s、拡大部2331、第2フィルタ処理部2322および平滑化画像混合部2335を有している。
【0060】
接続部2312は、境界領域信号JAに基づき入力画像の画像信号DVaの供給制御を行う。図9は、接続部2312の概略構成を示している。接続部2312は、スイッチ2312a,2312bおよびスイッチ制御部2312cを有している。スイッチ制御部2312cは、境界領域信号JAに基づきスイッチ制御信号SWAを生成してスイッチ2312aの制御を行う。また、スイッチ制御部2312cは、境界領域信号JAに基づきスイッチ制御信号SWBを生成してスイッチ2312bの制御を行う。このように、接続部2312は、境界領域信号JAに基づきスイッチ2312a,2312bを制御して、縮小部2315および第2フィルタ処理部2322への画像信号DVaの供給を制御する。
【0061】
図10は、スイッチ制御部2312cの制御動作を示している。スイッチ制御部2312cは、例えば境界領域信号JAと閾値Th1を比較して、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さい場合にはスイッチ2312aのみをオン状態とする。また、スイッチ制御部2312cは、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上の場合、スイッチ2312a,2312bをオン状態とする。すなわち、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さい場合、スイッチ制御部2312cは、第1フィルタ処理部2321sを用いた平滑化処理を行わせる。また、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上の場合、スイッチ制御部2312cは、第2フィルタ処理部2322と第1フィルタ処理部2321sを用いた平滑化処理を行わせる。
【0062】
縮小部2315は、接続部2312から供給された入力画像の縮小を行い縮小画像信号を生成して第1フィルタ処理部2321sに出力する。例えば、第1フィルタ処理部2321sとして3画素×3画素の信号を用いて平均化演算を行い、第1の構成における第1フィルタ処理部2321と同様な30画素×30画素の平均化演算の効果を得る場合は、入力画像を(1/10)に縮小する処理を行う。
【0063】
第1フィルタ処理部2321sは、縮小画像の画像信号を用いることで第2フィルタ処理部2322に比べて平滑化の効果が高くなるように構成されている。例えば、第1フィルタ処理部2321sは、縮小画像の画像信号を用いて3画素×3画素の平均化演算を行い、第1の構成における第1フィルタ処理部2321と同様な平均化演算の効果を得る。第1フィルタ処理部2321sは、平滑化画像の画像信号を拡大部2331に出力する。
【0064】
拡大部2331は、縮小部2315の縮小処理に対応した拡大処理を行い、縮小部2315で縮小される前の画像サイズ(画素数)である平滑化画像の画像信号DFcを生成する。拡大部2331は、平滑化画像の画像信号DFcを平滑化画像混合部2335に出力する。
【0065】
第2フィルタ処理部2322は、縮小部2315と第1フィルタ処理部2321sと拡大部2331を用いた平滑処理に比べて平滑化の効果が低くなるように構成されている。例えば、第2フィルタ処理部2322は、3画素×3画素の信号を用いて平均化演算を行い、平滑化画像の画像信号DFbを生成する。第2フィルタ処理部2322は、平滑化画像の画像信号DFbを平滑化画像混合部2335に出力する。
【0066】
<3−2−4.平滑化画像混合部の構成と動作>
次に、平滑化部で用いられている平滑化画像混合部2335について説明する。平滑化画像混合部2335は、境界領域信号JAと閾値Th1との比較結果に基づいて決定した係数Kb,Kcを用いて、平滑化画像の画像信号DFb,DFcの信号レベルを調整して加算する。式(1)は平滑化画像混合部2335で行われる混合演算処理を示している。
DF=Kb×DFb+Kc×DFc ・・・(1)
【0067】
図11は平滑化画像混合部2335の構成を示している。平滑化画像混合部2335は、乗算部2335a,2335bおよび加算部2335cと係数設定部2335dを有している。乗算部2335aは「Kc×DFc」の演算を行い、演算結果を加算部2335cに出力する。乗算部2335bは「Kb×DFb」の演算を行い、演算結果を加算部2335cに出力する。加算部2335cは、乗算部2335a,2335bから供給された画像信号を加算して、式(1)に示す平滑化画像の画像信号DFを生成する。
【0068】
係数設定部2335dは、境界領域信号JAと閾値Th1の比較結果に基づき係数Kb,Kcを生成して、生成した係数Kcを乗算部2335a、生成した係数Kbを乗算部2335bに出力する。
【0069】
図12は係数設定部2335dの第1の動作を例示している。図12の(A)は境界領域信号JA(図4の(D)と同様な信号)を示している。また、図12の(B)は係数Kc、図12の(C)は係数Kbを示している。
【0070】
接続部2312において境界領域信号JAと閾値Th1の比較結果に基づき画像信号の供給を制御すると、境界領域信号JAが閾値Th1よりも小さい場合には、画像信号DVaが第2フィルタ処理部2322に供給されていない。したがって、係数設定部2335dは、境界領域信号JAが閾値Th1よりも小さい場合には、係数Kb=0として係数Kc=m(例えばm=1)とする。また、境界領域信号JAが閾値Th1以上の場合には、画像信号DVaが第2フィルタ処理部2322に供給されることから係数Kb=m、係数Kc=0とする。
【0071】
このように係数Kb,Kcを設定すれば、第2フィルタ処理部2322を用いてフィルタ処理が行われる場合には、画像信号DFbが画像信号DFとして出力される。また、第2フィルタ処理部2322を用いたフィルタ処理が行われていない場合には、画像信号DFcが画像信号DFとして出力される。
【0072】
したがって、色滲みの知覚しやすい色の境界領域では、平滑化の効果が低い平滑化画像が平滑化部から出力されることになり色滲みを抑制することができる。
【0073】
図13は係数設定部2335dの第2の動作を例示している。第2の動作では、境界領域信号JAが閾値Th1以上の場合には、第2フィルタ処理部2322で平滑化が行われた画像信号DFbだけでなく第1フィルタ処理部2321sで平滑化が行われた画像信号DFcを用いる場合を例示している。
【0074】
図13の(A)は境界領域信号JAを示している。また、図13の(B)は係数Kc、図13の(C)は係数Kbを示している。
【0075】
接続部2312において境界領域信号JAと閾値Th1の比較結果に基づき画像信号の供給を制御すると、境界領域信号JAが閾値Th1よりも小さい場合には、画像信号DVaが第2フィルタ処理部2322に供給されていない。したがって、係数設定部2335dは、境界領域信号JAが閾値Th1よりも小さい場合には、係数Kb=0として係数Kc=m(例えばm=1)とする。また、境界領域信号JAが閾値Th1以上の場合には、境界領域信号JAに応じて係数Kb,Kcを制御して、境界領域信号JAの信号レベルが高くなる伴い、画像信号DFbの割合が多くなるように混合比を調整する。すなわち、境界領域信号JAの信号レベルが高くなる伴い、係数Kcを小さくして係数Kbを大きくする。
【0076】
このように係数Kb,Kcを設定すれば、第2フィルタ処理部2322を用いてフィルタ処理が行われる場合には、画像信号DFbと画像信号DFcが混合されて、混合後の画像信号が画像信号DFとして出力される。また、境界領域信号JAの信号レベルが高くなる伴い、画像信号DFbの割合が多くされる。したがって、色滲みが知覚しやすい境界領域では、平滑化の効果が高い画像に平滑化の効果が低い画像を混合した画像を出力できる。また、色滲みがより知覚しやすい色の境界位置に近づくについて、平滑化の効果が低い画像の割合が多くなることから境界位置での色滲みを軽減できる。なお、図13では、境界領域信号JAと閾値Th1が等しい場合、画像信号DFbと画像信号DFcが所定の割合で混合される場合を示しているが、係数Kb=0、係数Kc=mとして、境界領域信号JAの信号レベルが高くなるに伴い、係数Kcが小さく、係数Kbが大きくなるように係数の設定を行ってもよい。
【0077】
また、境界領域信号JAが二値信号であり閾値Th1以上の場合、画像信号DFbと画像信号DFcを所定の割合で混合するようにしてもよい。この場合、平滑化の効果が高い画像に平滑化の効果が低い画像が混合されるので、色滲みが知覚しやすい色の境界領域では平滑化の効果を低下させることができる。
【0078】
このように平滑化画像混合部2335を構成すれば、色滲みが知覚しやすい色の境界領域では平滑化の効果が低くされて、ノイズ除去における色滲みを抑制することができる。
【0079】
<3−3.混合部の構成と動作>
次に、ノイズ除去部で用いられている混合部235について説明する。混合部235は、色判別信号JCBに基づいて決定した係数Kf,Kgを用いて、平滑化画像の画像信号DFと入力画像の画像信号DVaの信号レベルを調整して加算する。式(2)は混合部235で行われる演算処理を示している。
DVb=Kf×DF+Kg×DVa ・・・(2)
【0080】
混合部235は、平滑化画像混合部2335と同様に構成されており、平滑化画像混合部2335とは、乗算器に入力される画像信号、および係数設定部で設定する係数が相違する。
【0081】
図14は、混合部235における係数設定部の第1の動作を例示している。図14の(A)は色判別信号JCBを示している。また、図14の(B)は係数Kf、図14の(C)は係数Kgを示している。
【0082】
混合部235は、解像劣化を知覚しやすい色の領域では入力画像の画像信号DVaを選択することで解像劣化を軽減させる。また、混合部235は、解像劣化を知覚しやすい色の領域でない場合に平滑化画像の画像信号DFを選択することでノイズ除去効果が得られるようにする。
【0083】
混合部235は、色判別信号JCBが解像劣化を知覚しやすい色の領域であることを示していない場合、係数Kf=m(例えばm=1)として、係数Kg=0とする。また、混合部235は、色判別信号JCBが解像劣化を知覚しやすい色の領域であることを示している場合、係数Kf=0として、係数Kg=m(例えばm=1)とする。
【0084】
このように係数Kf,Kgを設定すれば、解像劣化を知覚しやすい色でない領域では、平滑化画像の画像信号DFが画像信号DVbとして出力される。また、解像劣化を知覚しやすい色の領域である場合は、入力画像の画像信号DVaが画像信号DVbとして出力される。したがって、混合部235からノイズ除去における色滲みや解像劣化を軽減できる。
【0085】
図15は混合部235における係数設定部の第2の動作を例示している。第2の動作では、色判別信号JCBの信号レベルに応じて、入力画像の画像信号DVaと平滑化画像の画像信号DFの混合比を変化させる場合を例示している。
【0086】
図15の(A)は色判別信号JCBを示している。また、図15の(B)は係数Kf、図15の(C)は係数Kgを示している。
【0087】
混合部235は、色判別信号JCBに基づき解像劣化が知覚しやすい色の領域では画像信号DVaの割合を多くすることで解像劣化を軽減させる。また、混合部235は、解像劣化が知覚しにくい色の領域では画像信号DFの割合を多くすることでノイズ除去効果が得られるように係数を設定する。
【0088】
混合部235は、色判別信号JCBの信号レベルが「0」であり、解像劣化を知覚しやすい色の領域であることが示されていない場合、係数Kf=m4として、係数Kg=m1(m1<m4)とする。また、混合部235は、色判別信号JCBの信号レベルが「L2」であり、解像劣化を知覚しやすい色の領域であることが示された場合、係数Kf=m1として、係数Kg=m4とする。さらに、混合部235は、色判別信号JCBの信号レベルが「L1」であり、信号レベルが「L2」の領域に比べて知覚しにくいことが示された場合、係数Kf=m3(m1<m3<m4)、係数Kg=m2(m1<m2<m4)とする。なお、図ではm2<m3の場合を示しているが、m2=m3またはm2>m3であってもよい。
【0089】
このように係数Kf,Kgを設定すれば、解像劣化の知覚しやすさ応じて画像信号DVaと画像信号DFの混合比が調整されるので、混合部235からノイズ除去における色滲みや解像劣化を軽減できる。また、第1の動作に比べてフィルタ処理の切り替え部分でノイズ除去の効果の変化を滑らかにできる。
【0090】
<4.ノイズ除去部の第2の形態>
次に、色判別信号JCBと境界領域信号JAに基づいてノイズ除去制御を行うノイズ除去部の第2の形態について説明する。
【0091】
<4−1.ノイズ除去部の第2の形態の構成と動作>
図16は、ノイズ除去部23の第2の形態の構成を示している。ノイズ除去部23は、第4の構成の平滑化部231gと混合部235を有している。
【0092】
平滑化部231gは、入力画像の平滑化を行うことでノイズを低減させる。また、平滑化部231gは、境界領域設定部22からの境界領域信号JAと色判別部21から供給された色判別信号JCBに基づき、平滑化の効果の制御を行う。平滑化部231gは、平滑化画像の画像信号DFを混合部235に出力する。
【0093】
混合部235には、画像信号DVaと画像信号DFが供給されている。混合部235は、色判別部21からの色判別信号JCBに基づき、画像信号DVaと画像信号DFの混合比を制御する。
【0094】
このような第2の構成のノイズ除去部において、平滑化部231gは、境界領域設定部22からの境界領域信号JAと色判別部21からの色判別信号JCBに基づき、ノイズ除去特性を制御して、ノイズ除去における色滲みや解像劣化を抑制する。また、混合部235は、色判別部21からの色判別信号JCBに基づき、画像信号DVaと画像信号DFの混合比を制御して、色滲みや解像劣化が少なくノイズが軽減された画像信号DVbを生成できる。
【0095】
<4−2.平滑化部の構成と動作>
図17は、平滑化部の第4の構成を示している。平滑化部231gは、接続部2313、縮小部2315、第2フィルタ処理部2322、第1フィルタ処理部2321s、拡大部2331および平滑化画像混合部2336を有している。
【0096】
接続部2313は、境界領域信号JAと色判別信号JCBに基づき入力画像の画像信号DVaの供給制御を行う。図18は、接続部2313の概略構成を示している。接続部2313は、スイッチ2313a,2313bおよびスイッチ制御部2313cを有している。スイッチ制御部2313cは、境界領域信号JAと色判別信号JCBに基づきスイッチ制御信号SWA,SWBを生成してスイッチ2313a,2313bの制御を行い、縮小部2315および第2フィルタ処理部2322への画像信号DVaの供給を制御する。
【0097】
図19は、スイッチ制御部2313cの制御動作を示している。スイッチ制御部2313cは、例えば境界領域信号JAおよび色判別信号JCBと閾値を比較して、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さく色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2よりも小さい場合、スイッチ2313aのみをオン状態とする。また、スイッチ制御部2313cは、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上であり色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2以上である場合、スイッチ2313aのみをオン状態とする。さらに、スイッチ制御部2313cは、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さく色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2以上である場合、スイッチ2313a,2313bをオン状態する。また、スイッチ制御部2313cは、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上であり色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2よりも小さい場合、スイッチ2313a,2313bをオン状態する。
【0098】
すなわち、平滑化部231gは、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さく、色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2よりも小さい場合、および境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上であり色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2以上である場合、第1フィルタ処理部2321sを用いた平滑化処理を行う。また、平滑化部231gは、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さく色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2以上である場合、および境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上であり色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2よりも小さい場合、第2フィルタ処理部2322と第1フィルタ処理部2321sを用いた平滑化処理を行う。
【0099】
縮小部2315は、接続部2313から供給された入力画像の縮小を行い縮小画像の画像信号を生成して第1フィルタ処理部2321sに出力する。例えば、第1フィルタ処理部2321sとして3画素×3画素の信号を用いて平均化演算を行い、第1の構成における第1フィルタ処理部2321と同様な30画素×30画素の平均化演算の効果を得る場合は、入力画像を(1/10)に縮小する処理を行う。
【0100】
第1フィルタ処理部2321sは、縮小画像の画像信号を用いることで第2フィルタ処理部2322に比べて平滑化の効果が高くなるように構成されている。例えば、第1フィルタ処理部2321sは、縮小画像の画像信号を用いて3画素×3画素の平均化演算を行い、第1の構成における第1フィルタ処理部2321と同様な平滑化演算の効果を得る。第1フィルタ処理部2321sは、平滑化画像の画像信号を拡大部2331に出力する。
【0101】
拡大部2331は、縮小部2315の縮小処理に対応した拡大処理を行い、縮小部2315で縮小される前の画像サイズ(画素数)である平滑化画像の画像信号DFdを生成する。拡大部2331は、平滑化画像の画像信号DFdを平滑化画像混合部2336に出力する。
【0102】
第2フィルタ処理部2322は、上述のように色滲みを抑制したノイズ除去だけでなく解像劣化を抑制できるノイズ除去を行うことができるように構成されている。例えば、後述するフィルタ処理部の他の構成で示すようにフィルタの切り替えまたはフィルタの組み合わせが変更できるように構成されている。
【0103】
第2フィルタ処理部2322は、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上であり色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2よりも小さい場合、色滲みを抑制したノイズ除去を行い平滑化画像信号DFbを生成する。また、第2フィルタ処理部2322は、
境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さく色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2以上である場合、解像劣化を抑制したノイズ除去を行い平滑化画像信号DFbを生成する。
【0104】
平滑化画像混合部2336は、境界領域信号JAと閾値Th1との比較結果に基づいて決定した係数Kd,Keと、色判別信号JCBと閾値Th2との比較結果に基づいて決定した係数Kh,Kjを用いて、平滑化画像の画像信号の信号レベルを調整して加算する。式(3)は平滑化画像混合部2335で行われる演算処理を示している。
DF=Kd×Kh×DFb+Ke×Kj×DFd ・・・(3)
なお、係数の設定は上述の境界領域信号に基づく係数の設定と色判別信号に基づく係数の設定と同様に行えばよい。
【0105】
このようにノイズ除去部を構成すれば、平滑化部において解像劣化を考慮した平滑画像信号を生成できることから、第1の形態に比べて、ノイズ除去における色滲みや解像劣化を軽減をより最適化できる。また、解像劣化を抑制したノイズ除去を平滑化部231gで行う場合、混合部235で入力画像の画像信号DVaの混合を省略することも可能となる。
【0106】
<5.フィルタ処理部の他の構成>
ところで、平滑化部のフィルタ処理部は、入力された画像信号に対して所定の平滑化処理を行っているが、フィルタ処理部の処理特性を切り替え可能とすれば、更に最適なノイズ除去を行うことができる。
【0107】
図20は、処理特性を切り替えることができるフィルタ処理部の構成を例示している。フィルタ処理部2320は、信号選択部2320a,2320c,2320eと3つのフィルタ2320b,2320d,2320fを有している。フィルタ2320b,2320d,2320fは、例えば近傍画素平均化フィルタが用いられている。
【0108】
信号選択部2320aは、入力された画像信号DVinをフィルタ2320bと信号選択部2320cの何れかに出力する。
【0109】
フィルタ2320bは、例えば単純ローパスフィルタ(LPF)で構成されている。フィルタ2320bは、信号選択部2320aから供給された画像信号のフィルタ処理を行いフィルタ処理後の画像信号を信号選択部2320cに出力する。
【0110】
信号選択部2320cは、信号選択部2320aから供給された画像信号またはフィルタ2320bから供給されたフィルタ処理後の画像信号を、フィルタ2320dと信号選択部2320eの何れかに出力する。
【0111】
フィルタ2320dは、例えば単純ローパスフィルタ(LPF)よりもノイズ除去性能の高いイプシロンフィルタ(EPS)が用いられている。フィルタ2320dは、信号選択部2320cから供給された画像信号のフィルタ処理を行いフィルタ処理後の画像信号を信号選択部2320eに出力する。
【0112】
信号選択部2320eは、信号選択部2320cから供給された画像信号またはフィルタ2320dから供給されたフィルタ処理後の画像信号を、フィルタ2320fまたは平滑化画像の画像信号DFoutとして出力する。
【0113】
フィルタ2320fは、例えばイプシロンフィルタ(EPS)よりもノイズ除去性能の高いバイラテラルフィルタ(BL)が用いられている。フィルタ2320fは、信号選択部2320eから供給された画像信号のフィルタ処理を行いフィルタ処理後の画像信号を、平滑化画像の画像信号DFoutとして出力する。
【0114】
このように構成されたフィルタ処理部2320は、境界領域信号JAや色判別信号JCBに基づき信号選択部2320a,2320c,2320eの信号選択動作を制御して、画像信号の処理を行うフィルタを選択する。例えば、解像劣化が知覚しやすい領域に対しては、解像劣化の少ないフィルタを用いて処理を行うように信号選択部2320a,2320c,2320eの信号選択動作を制御する。また、色滲みが知覚しやすい領域に対しては、色滲みの少ないフィルタを用いて処理を行うように信号選択部2320a,2320c,2320eの信号選択動作を制御する。
【0115】
このようにフィルタ処理部2320を構成すれば、色滲みの知覚しやすい境界部分や解像劣化を知覚しやすい色の領域に対して、最適なノイズ除去を行うことができる。
【0116】
また、このようなフィルタ処理部2320を、図17に示す平滑化部の第2フィルタ処理部2322として用いれば、境界領域信号JAと色判別信号JCBに基づきフィルタの切り替えまたは使用するフィルタの組み合わせを変更することで、処理を最適化できる。例えば、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1よりも小さく色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2以上である場合、解像劣化の知覚しやすい色の領域であるとして、上述のように第2フィルタ処理部2322は、解像劣化の少ないフィルタの選択またはフィルタの組み合わせで処理を行う。また、境界領域信号JAの信号レベルが閾値Th1以上であり色判別信号JCBの信号レベルが閾値Th2よりも小さい場合、色滲みの知覚しやすい色の境界領域であるとして、上述のように第2フィルタ処理部2322は、色滲みの少ないフィルタの選択またはフィルタの組み合わせで処理を行う。このようにすれば、第2フィルタ処理部2322によって、色滲みの知覚しやすい色の境界領域に対してだけでなく、解像劣化の知覚しやすい色の領域に対しても最適なノイズ除去を行うことができる。また、フィルタ処理部2320を、図17に示す平滑化部の第4の構成の第1フィルタ処理部2321sとして用いて、境界領域信号JAと色判別信号JCBに基づきフィルタの切り替えまたは使用するフィルタの組み合わせを変更するようにしてもよい。
【0117】
<6.ノイズ除去処理部の他の形態>
次に、ノイズ除去処理部の他の形態として、入力画像の画像信号がコンポーネント信号である場合、例えば図1に示す信号変換部14から輝度信号Yと色差信号Cb,Crが供給される場合について説明する。図21は、コンポーネント信号を用いるノイズ除去処理部の構成を例示している。
【0118】
ノイズ除去処理部20cpは、第1色判別部21bと第2色判別部21r、第1境界領域設定部22bと第2境界領域設定部22r、第1ノイズ除去部23bと第2ノイズ除去部23rを有している。
【0119】
輝度信号Yは、第1色判別部21bと第2色判別部21rに供給される。青色差信号Cbは、第1色判別部21bと第2色判別部21rおよび第1ノイズ除去部23bに供給される。また、赤色差信号Crは、第1色判別部21bと第2色判別部21rおよび第2ノイズ除去部23rに供給される。
【0120】
第1色判別部21bは、輝度信号Yと色差信号Cb,Crに基づいて色判別を行い、青色差信号に関する色空間において、色滲みや解像劣化を知覚しやすい色の判別を行う。また、第1色判別部21bは、色判別結果を示す色判別信号を生成して第1境界領域設定部22bと第1ノイズ除去部23bに出力する。
【0121】
第1境界領域設定部22bは、上述の境界領域設定部22と同様に色判別信号に基づき青色差信号に関する色空間において色滲みの知覚しやすい色の境界を示す境界領域を設定して、境界領域信号を第1ノイズ除去部23bに出力する。
【0122】
第1ノイズ除去部23bは、境界領域信号や色判別信号に基づきフィルタ処理の切り替えやフィルタ処理後の色差信号の混合比等の制御を行い、青色差信号Cbのノイズを除去してノイズ除去後の青色差信号Cboutを出力する。
【0123】
第2色判別部21rは、輝度信号Yと色差信号Cb,Crに基づいて色判別を行い、赤色差信号に関する色空間において、色滲みや解像劣化を知覚しやすい色の判別を行う。また、第2色判別部21rは、色判別結果を示す色判別信号を生成して第2境界領域設定部22rと第2ノイズ除去部23rに出力する。
【0124】
第2境界領域設定部22rは、上述の境界領域設定部22と同様に色判別信号に基づき赤色差信号に関する色空間において色滲みの知覚しやすい色の境界を示す境界領域を設定して、境界領域信号を第2ノイズ除去部23rに出力する。
【0125】
第2ノイズ除去部23rは、境界領域信号や色判別信号に基づきフィルタ処理の切り替えやフィルタ処理後の色差信号の混合比の制御を行い、赤色差信号Crのノイズを除去してノイズ除去後の赤色差信号Croutを出力する。
【0126】
なお、第1色判別部21bと第2色判別部21rは、輝度信号Yと色差信号Cb,Crに基づいて色判別を行っている。したがって、例えば第1色判別部21bでは青色差信号Cb、第2色判別部21rでは赤色差信号Crを用いて色判別を行う場合に比べて、精度よく色判別を行うことができる。
【0127】
このように、複数次元の色空間で色判別を行い、色空間毎にノイズ除去を行うことで、より細かくノイズ除去の制御を行うことができる。したがって、第1の形態に比べて高画質化が可能となる。また、色空間毎にノイズ除去を行うことから、第1の形態に比べて処理時間の短縮が可能となる。また、上述の他の形態では、入力画像信号が輝度信号と色差信号である場合について例示したが、入力画像信号が例えば三原色信号である場合、色信号毎にノイズ除去を同様にして行う。
【0128】
さらに、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させる。または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0129】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリカード等のリムーバブル記録媒体に、一時的または永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
【0130】
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトからLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、コンピュータに無線または有線で転送してもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0131】
なお、本技術は、上述した技術の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この実施の形態で用いるフィルタやフィルタ演算で用いる画素数および画像縮小率等は例示であり、本技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【0132】
また、本技術の画像処理装置は以下のような構成も取ることができる。
(1) 入力画像の各画素の色を判別する色判別部と、
前記色判別部における色判別結果に基づき所定の色の境界領域を設定する境界領域設定部と、
前記境界領域設定部における境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して前記入力画像のノイズ除去を行うノイズ除去部と
を備える画像処理装置。
(2) 前記ノイズ除去部は、前記入力画像を平滑化して平滑化画像を生成する平滑化部を有し、
前記平滑化部は、前記境界領域設定結果に基づき、境界領域では非境界領域に比べて平滑化処理単位の狭い平滑化処理を行うことで前記ノイズ除去特性を制御する(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記平滑化部は、
前記非境界領域の画像の平滑化処理を行う第1フィルタ処理部と、
前記境界領域のの平滑化処理を行う第2フィルタ処理部と
を有する(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記平滑化部は、
前記非境界領域の画像を縮小して縮小画像を前記第1フィルタ処理部に供給する縮小部と、
前記第1フィルタ処理部で平滑化処理された縮小画像を縮小前のサイズに戻す拡大部を有する(3)に記載の画像処理装置。
(5) 前記平滑化部は、前記境界領域設定結果に基づき、前記拡大部で縮小前のサイズに戻された第1平滑化画像と前記第2フィルタ処理部で生成された第2平滑化画像との混合を行う平滑化画像混合部を有し、
前記縮小部は前記非境界領域と前記境界領域の画像を縮小し、
前記平滑化画像混合部は、前記境界領域設定結果に基づき、前記第1平滑化画像と前記第2平滑化画像の混合比を制御して前記ノイズ除去特性を変更する(4)に記載の画像処理装置。
(6) 前記平滑化画像混合部は、前記境界領域において、前記第2平滑化画像の割合を前記非境界領域に比べて多くして平滑化画像の混合を行う(5)に記載の画像処理装置。
(7) 前記平滑化部の少なくとも前記第1フィルタ処理部と第2フィルタ処理部の何れかは、特性の異なる複数のフィルタを用いて構成されており、前記色判別結果に基づきフィルタの切り替えまたは組み合わせの変更を行う(3)乃至(6)の何れかに記載の画像処理装置。
(8) 前記平滑化部は、前記色判別結果に基づき、解像劣化の知覚しやすい色の領域では、解像劣化の生じにくいフィルタへの切り替えまたは組み合わせの変更を行う(7)に記載の画像処理装置。
(9) 前記ノイズ除去部は、前記入力画像を平滑化して平滑化画像を生成する平滑化部と、
前記入力画像と前記平滑化部で生成された平滑化画像の混合比を制御することで前記ノイズ除去特性を変更する混合部とを備える(1)乃至(8)の何れかに記載の画像処理装置。
(10) 前記混合部は、前記色判別部における色判別結果に基づき所定の色の領域では、前記入力画像の割合を前記所定の色でない領域に比べて多くして混合を行う(9)に記載の画像処理装置。
【産業上の利用可能性】
【0133】
この技術の画像処理装置と画像処理方法およびプログラムでは、入力画像の各画素の色が判別されて、色判別結果に基づき所定の色の境界領域が設定される。この境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性が制御されて入力画像のノイズ除去が行われる。このため、色滲みが知覚されやすい色の境界でノイズ除去特性を切り替えることで、ノイズ除去における色滲みが抑制されたノイズ除去画像を得ることができる。したがって、撮像機能を有した電子機器や画像の編集や加工等を行う編集装置やコンピュータ等に適している。
【符号の説明】
【0134】
10・・・撮像装置、11・・・撮像光学系、12・・・撮像部、13・・・カメラ信号処理部、14・・・信号変換部、20,20cp・・・ノイズ除去処理部、21・・・色判別部、21b・・・第1色判別部、21r・・・第2色判別部、22・・・境界領域設定部、22b・・・第1境界領域設定部、22r・・・第2境界領域設定部、23・・・ノイズ除去部、23b・・・第1ノイズ除去部、23r・・・第2ノイズ除去部、30・・・制御部、31・・・ユーザインタフェース部、231,231a,231b,231c,231g・・・平滑化部、235・・・混合部、2311・・・信号切替部、2312,2313・・・接続部、2312a,2312b,2313a,2313b・・・スイッチ、2312c,2313c・・・スイッチ制御部、2315・・・縮小部、2320・・・フィルタ処理部、2320a,2320c,2320e・・・信号選択部、2320b,2320d,2320f・・・フィルタ、2321,2321s・・・第1フィルタ処理部、2322・・・第2フィルタ処理部、2331・・・拡大部、2335・・・平滑化画像混合部、2335a,2335b・・・乗算部、2335c・・・加算部、2335d・・・係数設定部、2336・・・平滑化画像混合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像の各画素の色を判別する色判別部と、
前記色判別部における色判別結果に基づき所定の色の境界領域を設定する境界領域設定部と、
前記境界領域設定部における境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して前記入力画像のノイズ除去を行うノイズ除去部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記ノイズ除去部は、前記入力画像を平滑化して平滑化画像を生成する平滑化部を有し、
前記平滑化部は、前記境界領域設定結果に基づき、境界領域では非境界領域に比べて平滑化処理単位の狭い平滑化処理を行うことで前記ノイズ除去特性を制御する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記平滑化部は、
前記非境界領域の画像の平滑化処理を行う第1フィルタ処理部と、
前記境界領域のの平滑化処理を行う第2フィルタ処理部と
を有する請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記平滑化部は、
前記非境界領域の画像を縮小して縮小画像を前記第1フィルタ処理部に供給する縮小部と、
前記第1フィルタ処理部で平滑化処理された縮小画像を縮小前のサイズに戻す拡大部を有する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記平滑化部は、前記境界領域設定結果に基づき、前記拡大部で縮小前のサイズに戻された第1平滑化画像と前記第2フィルタ処理部で生成された第2平滑化画像との混合を行う平滑化画像混合部を有し、
前記縮小部は前記非境界領域と前記境界領域の画像を縮小し、
前記平滑化画像混合部は、前記境界領域設定結果に基づき、前記第1平滑化画像と前記第2平滑化画像の混合比を制御して前記ノイズ除去特性を変更する請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記平滑化画像混合部は、前記境界領域において、前記第2平滑化画像の割合を前記非境界領域に比べて多くして平滑化画像の混合を行う請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記平滑化部の少なくとも前記第1フィルタ処理部と第2フィルタ処理部の何れかは、特性の異なる複数のフィルタを用いて構成されており、前記色判別結果に基づきフィルタの切り替えまたは組み合わせの変更を行う請求項3記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記平滑化部は、前記色判別結果に基づき、解像劣化の知覚しやすい色の領域では、解像劣化の生じにくいフィルタへの切り替えまたは組み合わせの変更を行う請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記ノイズ除去部は、前記入力画像を平滑化して平滑化画像を生成する平滑化部と、
前記入力画像と前記平滑化部で生成された平滑化画像の混合比を制御することで前記ノイズ除去特性を変更する混合部と
を備える請求項1記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記混合部は、前記色判別部における色判別結果に基づき所定の色の領域では、前記入力画像の割合を前記所定の色でない領域に比べて多くして混合を行う請求項9記載の画像処理装置。
【請求項11】
入力画像の各画素の色を判別する工程と、
前記色判別結果に基づき、前記所定の色の境界領域を設定する工程と、
前記境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して前記入力画像のノイズ除去を行う工程と
を有する画像処理方法。
【請求項12】
入力画像のノイズ除去をコンピュータで実行させるプログラムであって、
前記入力画像の各画素の色を判別する手順と、
前記色判別結果に基づき、前記所定の色の境界領域を設定する手順と、
前記境界領域設定結果に基づきノイズ除去特性を制御して前記入力画像のノイズ除去を行う手順と
を前記コンピュータで実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−101484(P2013−101484A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244704(P2011−244704)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】