画像処理装置及びその制御方法
【課題】 一度、ユーザが設定した原稿の向きの設定は、機能の設定取消で解除されてしまう。
【解決手段】 原稿を読み取って処理する画像処理装置とその制御方法であって、原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する原稿の向きを設定し、ジョブの機能が取り消された場合に、その設定された原稿の向きを格納し、その格納された原稿の向きを、そのジョブにおける原稿の向きとして設定する。
【解決手段】 原稿を読み取って処理する画像処理装置とその制御方法であって、原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する原稿の向きを設定し、ジョブの機能が取り消された場合に、その設定された原稿の向きを格納し、その格納された原稿の向きを、そのジョブにおける原稿の向きとして設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取って処理する画像処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、ファクス機能、電子メールの送受信機能等を有し、小型化を追求した複合機が増加している。この結果、原稿の読み取り部の原稿の用紙幅センサをなくし、機器の搬送機構サイズの制約により、A4/LTR原稿の短辺(ショートエッジ)の画像を読み取る複合機が増加している。こうした複合機の特徴は、縦向きと横向きのA4/LTR原稿のいずれもショートエッジで読み込まれるために、ジョブを実行する前に自動的に原稿の向きを検知することができない。
【0003】
この解決策として、一律でデフォルトの原稿の向きを定めていた(通常、縦原稿)。また、ユーザが原稿の向きの設定を確実に行わなければならない機能(例えば、両面コピー、ページ集約機能(2in1等)など)では、その機能の設定画面の中で、ユーザが必ず原稿の向きを入力しなければならないようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−147956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ここでいくつかの課題があった。一つ目は、ある機能の設定画面で、一度、ユーザが設定した原稿の向きの設定は、その機能の設定取消で解除されてしまうことにある。例えば、ページ集約や両面コピー等の機能で、一旦、原稿の向きを設定しても、その機能を取り消してしまうと、その機能で設定されていた原稿の向きの情報まで取り消されてしまう。そのため、原稿の向きを設定しなければならない他の機能を指示する際、ユーザは再度、原稿の向きを設定する必要があり、操作が面倒であった。
【0006】
また二つ目は、設定された原稿の向きの確認方法が煩雑であることにある。従来、原稿の向きの指定は、ページ集約や両面コピー等の機能で、複数の操作画面を経由して設定するので、指定した機能で、ユーザが原稿の向きをどちらに設定したかを簡単に確認する方法がなかった。
【0007】
三つ目の課題は、必ず原稿の向きを設定しなければならない機能で、ユーザに確実に原稿の向きを設定させる方法がなかった。例えば、複合機から電子メールやファックスを送信する場合は、送信画像の天地がわからないと所望の向きの画像の作成ができない。ゆえに、必ず原稿の向きを設定する必要がある。しかし、現在では、デフォルトが縦原稿であるため、ユーザが横原稿をよく使う場合には、毎回、原稿の向きを横方向に設定するという操作を行わないと、所望の原稿の向きで送信できないことがあった。
【0008】
更に四つ目の課題は、一律の原稿の向きの設定では、操作が煩雑になることがあるという点である。例えば、コピーでは原稿の向きが縦の原稿が主流であるが、ファックスでは、横原稿の帳票が主流であるというユーザも多い。こうしたユーザの場合、送信原稿の向きが正しく設定されるようにするには、ユーザが意識して、原稿の向きを毎回設定しなければならない。つまり、ユーザの入力の手間が多く、使いやすい操作になっているとはいえない状況であった。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することにある。
【0010】
本発明の特徴は、ある機能で設定された原稿の向きが、その機能を取り消しても維持される技術を提供することにある。
【0011】
また本発明の特徴は、指定した機能で、ユーザが原稿の向きをどちらに設定したかを簡単に確認できる技術を提供することにある。
【0012】
更に本発明の特徴は、実行する機能やアプリケーションに応じて、ユーザが原稿の向きを容易に設定でき、かつ確認できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する前記原稿の向きを設定する設定手段と、
前記ジョブの機能が取り消された場合に、前記設定手段により設定された前記原稿の向きを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記原稿の向きを、前記ジョブにおける原稿の向きとして設定する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ある機能で設定した原稿の向きの情報は、その機能が取り消されても維持されるため、原稿の向きの再入力が不要となり、操作性の煩雑さが軽減できる。
【0015】
また本発明によれば、ユーザが原稿の向きの設定内容を簡便に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る画像形成装置であるデジタル複合機の主要な構成を示すブロック図。
【図2】実施形態に係るデジタル複合機を制御するソフトウェア構成を示すブロック図。
【図3】実施形態に係る複合機の操作部を説明する図。
【図4】実施形態に係る複合機における原稿の向きを設定する処理を説明するフローチャート。
【図5】実施形態に係る複合機におけるコピー処理の設定を行うためのコピー基本操作画面の一例を示す図。
【図6】原稿の向きを指定する画面例を示す図。
【図7】図8の画面を使用して設定されるページ集約の設定を取得して格納する処理を説明するフローチャート。
【図8】ページ集約の各種設定を行うための設定画面の一例を示す図。
【図9】ページ集約の設定の取り消し処理を説明するフローチャート。
【図10】図7に示す処理を実行した後のコピー基本画面の一例を示す図。
【図11】ページ集約の設定の取り消し処理の後で表示されるコピー基本操作画面の一例を示す図。
【図12】本発明の実施形態2に係る複合機が原稿をスキャンして送信する処理を説明するフローチャート。
【図13】実施形態2に係る、原稿をスキャンして送信する場合のスキャン送信の基本操作画面の一例を示す図。
【図14】実施形態3に係る複合機における、各アプリごとの原稿の向きのデフォルトを設定する処理を説明するフローチャート。
【図15】実施形態3に係るアプリ選択画面の一例を示す図。
【図16】実施形態3に係るコピーにおけるデフォルトの原稿の向き設定画面の一例を示す図。
【図17】実施形態3に係る原稿の向きの設定方法を指定する画面例を示す図。
【図18】実施形態3に係る、スキャンして送信するジョブの処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置であるデジタル複合機の主要な構成を示すブロック図である。
【0019】
このデジタル複合機は、コントローラユニット2000を含み、コントローラユニット2000には、画像入力デバイスであるスキャナ2070や画像出力デバイスであるプリンタ2095が接続されるとともに、操作部2012が接続される。コントローラユニット2000は、スキャナ2070で読み取られた原稿の画像データをプリンタ2095により印刷するコピー機能を実現するための制御を行なう。それとともに、LAN1006や公衆回線1008(WAN)に接続することによって、画像情報やデバイス情報の入出力を行なうための制御を行なう。
【0020】
コントローラユニット2000は、具体的には、CPU2001を有し、CPU2001は、ROM2003に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム(OS)を立ち上げる。このOS上で、HDD(ハードディスクドライブ)2004に格納されているアプリケーションプログラムをRAM2002にロードし、実行し、これによって各種処理を実行する。このCPU2001の作業領域としてRAM2002が用いられる。RAM2002は、作業領域を提供するとともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。HDD2004は、上記アプリケーションプログラムや画像データを格納する。
【0021】
CPU2001には、システムバス2007を介して、ROM2003及びRAM2002とともに、操作部I/F2006、ネットワークI/F2010、モデム2050、USB・I/F2096及びイメージバスI/F2005が接続される。操作部I/F2006は、タッチパネルを有する操作部2012とのインタフェースを制御し、操作部2012に表示すべき画像データを操作部2012に対して出力する。また操作部I/F2006は、操作部2012においてユーザにより入力された情報をCPU2001に送出する。
【0022】
次に、ネットワークI/F2010はLAN1006に接続され、LAN1006を介してLAN1006上の各装置との間で情報の入出力を行なう。モデム2050は、公衆回線1008に接続され、公衆回線1008を介して情報の入出力を行なう。USB・I/F2096は、ハードキーボード2097等のUSBデバイスが接続可能である。USB・I/F2096にUSBデバイスが接続されると、USB・I/F2096はUSBのI/F規格に従って、その接続されたUSBデバイスと通信して、そのUSBデバイスの属性を取得し、これをCPU2001に通知する。この属性通知をもってCPU2001はUSBデバイスが接続或いは接続が切断されたことを検知する。
【0023】
イメージバスI/F2005は、システムバス2007と、画像データを高速で転送する画像バス2008とを接続し、これらバスの間でデータ形式を変換するためのバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバス或いはIEEE1394で構成される。画像バス2008上には、ラスタイメージプロセッサ(以下、RIP)2060、デバイスI/F2020、スキャナ画像処理部2080、プリンタ画像処理部2090、画像回転部2030、及び圧縮/伸張部2040が設けられる。
【0024】
RIP2060は、PDLコードをビットマップイメージに展開するプロセッサである。デバイスI/F2020には、スキャナ2070及びプリンタ2095が接続され、デバイスI/F2020は、画像データの同期系/非同期系の変換を行なう。スキャナ画像処理部2080は、スキャナ2070から入力された画像データに対して補正、加工、編集を行なう。プリンタ画像処理部2090は、プリンタ2095へ出力する画像データに対してプリンタ2095に応じた補正、解像度変換などを行なう。画像回転部2030は、画像データの回転を行なう。圧縮/伸張部2040は、多値画像データをJPEGデータに、2値画像データをJBIG、MMR、MHなどのデータに圧縮するとともに、その伸張処理を行なう。
【0025】
図2は、本実施形態に係るデジタル複合機を制御するソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
RAM2002にロードされたUI制御部201は、操作部2012に操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェース(UI)を制御する。スキャナ制御部202は、スキャナ2070を制御し、原稿の画像を読み取る処理を制御する。プリント制御部203は、プリンタ2095を制御して、用紙に画像を印刷する。送信制御部204は、スキャナ2070が読み取った画像データを、ネットワークインタフェース2010を介して、ユーザが指定した宛先に送信する処理を制御する。
【0027】
図3は、実施形態に係る複合機の操作部2012を説明する図である。
【0028】
この操作部2012には、タッチパネルを備えた液晶などの表示部301、テンキー302、コピー、ファックス、電子メール等のジョブの開始を指示するスタートキー303が配置されている。このスタートキー303が押下されると、CPU2001が、その時点で指示されているジョブの実行処理を行う。更に、各種設定内容を呼び出す「設定/登録」画面の呼び出しボタン304や、ジョブの履歴・状況画面を呼び出す「履歴」ボタン305も配置されている。
【0029】
[実施形態1]
図4は、実施形態1に係る複合機における原稿の向きを設定する処理を説明するフローチャートである。
【0030】
この処理は、原稿の向きの指定を開始し、その原稿の向きの設定を完了するまでの処理を示すフローチャートである。また、図6は、原稿の向きを指定する画面例を示す図で、図4の各ステップの処理において、ユーザが参照する画面の一例を示している。図4の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。例えば図6の画面は、操作部2012の「設定/登録」ボタン304が押下され、その操作メニュで「原稿の向き」が選択されることにより表示されることにより表示される。また或いは後述の図5や図13に示すように、ある機能が指示されたときに、その操作画面の「原稿の向き」が指示されることにより表示される。
【0031】
まずS401で、ユーザにより指定された原稿の向きを取得する。このときユーザは、操作部2012の表示部301に表示される、図6の原稿の向き指定画面を使用して、原稿の向きを指定する。例えばユーザは、縦向きの原稿を指定する場合は、縦向き原稿設定ボタン601を押下する。一方、横向きの原稿を指定する場合は、横向き原稿設定ボタン602を押下する。こうしてユーザは、縦向き原稿設定ボタン601或いは横向き原稿設定ボタン602を選択した後、OKボタン603を押下する。これにより原稿の向きが設定されて、CPU2001は、その指定された原稿の向きを取得する。次にS402に進み、CPU2001は、S401でユーザが指定した原稿の向きの設定値をRAM2002に格納する。尚、キャンセルボタン604が押下されると原稿の向きの設定処理を取り消す。
【0032】
図5は、実施形態1に係る複合機におけるコピー処理の設定を行うためのコピー基本操作画面の一例を示す図である。このコピー基本操作画面は、操作部2012の表示部301に表示される。
【0033】
カラー選択ボタン501は、印刷物の出力色を選択するボタンである。倍率ボタン502は、原稿サイズに対する印刷物の倍率を指定するボタンである。用紙選択ボタン503は、印刷で使用する用紙を選択するボタンである。設定確認ボタン504は、コピー機能に対して設定された内容を確認するボタンである。ショートカットエリア505は、コピーの設定で、良く利用する設定内容をボタンとして登録できるエリアである。その他の機能ボタン506は、コピーの基本設定の他に、詳細設定を行う画面に遷移するためのボタンである。本実施形態1では、一例として、ショートカットエリア505に、ページ集約ボタン507、原稿の向きボタン508を配置している。ページ集約ボタン507が押下されると図8のページ集約画面に遷移する。また原稿の向きボタン508が押下されると、前述した図6の原稿の向き指定画面に遷移する。また、ページ集約の設定表示エリア509には、ページ集約の設定状態を表示し、原稿の向きの設定表示エリア510には、原稿の向きの設定状態を表示する。図5では、ページ集約の設定表示エリア509及び原稿の向きの設定表示エリア510はいずれも設定されていないため、「設定なし」となっている。
【0034】
図7は、図8の画面を使用して設定されるページ集約の設定を取得して格納する処理を説明するフローチャートである。図8は、ページ集約の各種設定を行うための設定画面の一例を示す図である。尚、ここでページ集約とは、1枚の用紙に複数ページの画像を印刷する、例えば2in1、4in1等を意味している。図7の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0035】
ここではユーザは、操作部2012に表示される図8に示すページ集約設定画面を使用して、ページ集約の設定を行う。ユーザは、ページ集約の設定801のページ割り付け方法の選択肢のボタン(図8では2in1、4in1,8in1が表示されている)からページの集約の方法を選択する。本実施形態1では、「2in1」を選択したという仮定で説明する。次に原稿の向き指定ボタン802から、原稿の縦、横のいずれかの向きを選択する。本実施形態1では、デフォルト値が縦向き原稿で、ここではデフォルトとは異なる横向き原稿を選択したという仮定で説明する。因みに、このボタン802を表示する際には、複合機に設定されたデフォルトの原稿の向きの値に従って設定が表示される。原稿サイズ指定ボタン803が選択されると、原稿サイズを指定する画面が表示される。用紙サイズ変更ボタン804が選択されると、用紙サイズを指定する画面が表示される。また両面コピーを設定する際には、両面設定ボタン805を指定して両面コピーを指定する。また詳細設定ボタン806が押下されると、ページ集約に関する詳細設定のための画面に遷移する。こうして各種事項の設定が完了した後、ユーザがOKボタン808を押下すると、S701で、この画面を使用して設定された各種事項(設定内容)がCPU2001により取得される。尚、図8の画面でユーザが設定したページ集約の設定を取り消す場合は、設定取消ボタン807を押下する。
【0036】
次にS702に進み、CPU2001は、S701で取得した原稿の向きが、デフォルトの原稿の向きから変更されているか否かを判定する。デフォルトの向きから変更されている判定するとS703に進み、CPU2001は、S701で取得した原稿の向きの設定を、コピージョブにおける原稿の向きとしてRAM2002に一時的に格納する。次にS704に進み、CPU2001は、S701で取得したページ集約の設定状態をRAM2002に格納する。これによりページ集約の設定及び格納処理が完了する。またS702で、デフォルトの向きから変更されていない判定するとS703をスキップしてS704に進み、S701で取得したページ集約の設定状態をRAM2002に格納する。
【0037】
このようにして、コピー機能の中のページ集約の設定画面で、原稿の向きがデフォルトの値から変更されたときは、コピージョブの原稿の向きとしてRAM2002に、その変更された原稿の向きを記憶する。
【0038】
図10は、図7に示す処理を実行した後のコピー基本操作画面の一例を示す図である。尚、図10では、前述の図5と共通する部分は同じ参照記号で示し、それらの説明を省略する。
【0039】
図5と図10を参照すると明らかなように、図10では、ページ集約の設定エリア1001には「2in1」が表示される。また、原稿の向きの設定エリア1002には、ページ集約機能の設定画面で設定された原稿の向き「横向き」が表示されている。
【0040】
図9は、上述した処理により設定されたページ集約の設定の取り消し処理を説明するフローチャートである。ここでも前述の図8に示すページ集約設定画面を参照して説明する。図9の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0041】
この処理は、図8に示すページ集約設定画面の設定取消ボタン807が押下されることにより開始される。まずS901で、CPU2001が、原稿の向きが、デフォルト値(縦向き)から変更されているかを判断する。変更されていると判断した場合はS902に進み、CPU2001は、RAM2002に一時的に格納されたジョブの原稿の向きの設定状態を保存してS903に進む。またS901でデフォルト値から変更されていないときはS903に進み、CPU2001は、図7のS704でRAM2002に一時的に格納したページ集約の設定を取消して、デフォルトの値に戻す。
【0042】
図11は、ページ集約の設定の取り消し処理の後で表示されるコピー基本操作画面の一例を示す図である。尚、図11では、前述の図5、図10と共通する部分は同じ参照記号で示し、それらの説明を省略する。
【0043】
ここで図10と図11とを比較すると明らかなように、ページ集約の設定エリア1101には、ページ集約の設定がないことを示す「設定なし」が表示される。また、原稿の向きの設定エリア510には、前述のページ集約機能の設定画面で設定した「横向き」が保持されていることが分かる。
【0044】
このように、コピージョブの中のページ集約機能で原稿の向きの指定を行った場合、そのページ集約機能の設定を取り消しても、コピージョブの原稿の向きとして、その原稿の向きを示す情報をそのまま残している。こうすることで、他の機能の設定を行う場合でも、ページ集約機能で設定した原稿の向きを使用できる。よって、機能を切り替える度に、原稿の向きの設定を設定し直す必要がなくなるため、ユーザの操作性を向上することが可能になった。
【0045】
また、図5、図10、図11に示すように、コピーの基本操作画面に、現在、指定されている原稿の向きを表示するため、ユーザは現時点で設定されている原稿の向きを容易に確認できるという効果がある。
【0046】
[実施形態2]
前述の実施形態1では、原稿の向きの設定が必要な機能をページ集約を例に挙げて説明した。しかし、電子メールやファックス送信の機能では、事前に原稿の向きをユーザが指定しないと、天地が正しい送信画像にならない可能性がある。こうした原稿の向きの設定が必須である機能について、ユーザから原稿の向きが入力されなかった場合に、自動的にユーザに原稿の向きの入力を促す例について説明する。尚、実施形態2に係る画像処理装置(デジタル複合機)のハードウェア構成は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0047】
図12は、本発明の実施形態2に係る複合機が原稿をスキャンして送信する処理を説明するフローチャートである。図12の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0048】
図13は、原稿をスキャンして送信する場合のスキャン送信の基本操作画面の一例を示す図である。
【0049】
まずS1201で、図13に示すスキャン送信の基本操作画面を表示する。これによりユーザは、この基本操作画面を使用して送信ジョブを指定する。その後、操作部2012のスタートキー303が押下されたことを検知するとS1202に進む。
【0050】
ここで、図13のスキャン送信の基本操作画面に関する説明を行う。この図13では、ユーザが宛先を指定可能な宛先入力ボタン1301が表示されている。宛先入力は、「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」いずれの方法でも可能である。1302は、読み取り解像度、読み取りカラーモード、サイズ、原稿の向き等の送信設定を行う送信設定ボタンである。1304は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出す応用設定ボタンである。また、永続的な領域に保存された送信設定を呼び出す「よく使う設定」ボタン1303も表示されている。
【0051】
このスキャン送信の基本操作画面では、電子メール送信及びファイル送信の設定が可能である。また、デバイスの設定によっては、ファクス送信も可能である。
【0052】
S1202では、CPU2001が、送信設定ボタン1302で原稿の向きの設定が、デフォルト値から変更されているか否かを判定する。ここで変更されていないと判定した場合は、ユーザが原稿の向きの設定を忘れている可能性があるのでS1203に進み、変更されている場合は、このまま処理を終了する。S1203では、CPU2001は、操作部2012に、図6に示す原稿の向きの指定するための画面を表示する。この実施形態2では、スキャン送信のジョブに対する原稿の向きを設定する点が、前述の実施形態1のページ集約機能の場合とは異なるが、画面レイアウトや設定内容は、図6の原稿の向き指定画面と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
次にS1204に進み、図6の画面を使用してユーザにより設定された原稿の向きを取得する。こちらも、操作内容は、送信ジョブに対する原稿の向きの設定を行う点が実施形態1と異なるだけで、図4のS401と同様の操作を行うので説明を省略する。そしてS1205に進み、その設定された原稿の向きに従って、CPU2001は、RAM2002に格納された送信ジョブの設定を基に、ジョブの送信を行う。
【0054】
このように、原稿をスキャンして電子メールやファイル送信などで送信する送信ジョブのように、必ず原稿の向きを設定しなければならない場合に、自動的にユーザに確認が確認できるようにしている。即ち、必ず原稿の向きを設定しなければならない場合に、ユーザが原稿の向きを指定していない場合は、ジョブの開始前に原稿の向きを設定するための画面を自動的に表示してユーザに確認を促す。これにより、ユーザは確実に原稿の向きを設定することが可能になる。
【0055】
[実施形態3]
前述の実施形態1,2では、原稿の向きの設定が必要な機能に対する原稿の向きの設定方法について説明した。しかし、コピーでは原稿の縦向きが中心、ファックスでは原稿の横方向が中心とした場合、ジョブの異なるアプリ毎(例えば、コピー、電子メール,ファックス等)に、デフォルトの原稿の向きを設定することが求められる。以下では、こうした実施形態3について説明する。尚、実施形態3に係る画像処理装置(デジタル複合機)のハードウェア構成は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0056】
図14は、本発明の実施形態3に係る複合機における、各アプリごとの原稿の向きのデフォルトを設定する処理を説明するフローチャートである。図14の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0057】
図15は、実施形態3に係るアプリ選択画面の一例を示す図である。
【0058】
図16は、実施形態3に係るコピーにおけるデフォルトの原稿の向き設定画面の一例を示す図である。
【0059】
図17は、実施形態3に係る原稿の向きの設定方法を指定する画面例を示す図である。
【0060】
まず図14のS1401において、操作部2012に表示された、図15のアプリ選択画面を使って、ユーザが選択したアプリケーションを取得する。
【0061】
図15のアプリ選択画面には、コピーアプリ用原稿の向き設定ボタン1501、電子メールアプリ用原稿の向き設定ボタン1502、ファックスアプリ原稿の向き設定ボタン1503がそれぞれ配置されている。どのアプリに対して原稿の向きを選択できるかは一つの例であり、原稿の向きを設定可能なアプリをここに定義して表示することが可能である。ここで、コピーアプリ用原稿の向き設定ボタン1501、電子メールアプリ用原稿の向き設定ボタン1502、ファックスアプリ原稿の向き設定ボタン1503のいずれかのボタンが押下されると、図16のデフォルト原稿の向き設定画面1600に遷移する。尚、図15でOKボタン1504が押下されると、この画面の読みだし元に戻ることができる。但し、この画面の呼び出し元は本実施形態3に直接関係ないので、説明を省略する。
【0062】
次にS1402に進み、操作部2012に表示された、図16のデフォルト原稿の向き設定画面を使って、ユーザにより指定されたアプリで使うデフォルトの原稿の向きを取得する。
【0063】
図16のデフォルト原稿の向き設定画面では、縦向き原稿ボタン1601、横向き原稿ボタン1602が表示されている。これらボタン1601,1602のいずれかが選択されて、次へボタン1604が押下されると、選択したアプリに対して、デフォルトの原稿の向きが決定され、図17の原稿の向きの設定方法の指定画面に遷移する。因みに、図16で戻るボタン1603が押下されると、図15のアプリ選択画面に遷移する。
【0064】
そしてS1403に進み、操作部2012に表示された、図17の原稿の向きの設定方法の指定画面を使って選択された原稿の向きの設定方法を取得する。
【0065】
図17の原稿の向きの設定方法の指定画面では、アプリのデフォルト値を書き換えるか、ジョブ毎に原稿の向きの指定を必須とするか、ジョブ毎に任意に指定できるかのいずれかを選択できる。それぞれ、アプリのデフォルト値を書き換えボタン1701、ジョブ毎に原稿の向きの指定を必須とする指定ボタン1702、ジョブ毎で任意に指定できる設定ボタン1703のいずれかを指定することができる。ユーザが、いずれかのボタンを選択しOKボタン1705を押下する。これによりアプリケーションに設定された、原稿の向きと設定方法を確定して、CPU2001がHDD2004にアプリの原稿の向きと設定方法を格納して、図15のアプリ選択画面に遷移する。因みに図17で、戻るボタン1704が押下されると、図17の原稿の向きの設定方法の指定画面で指定したデータを確定せず、図16のデフォルト原稿の向き設定画面に遷移する。
【0066】
図18は、実施形態3に係る、スキャン送信のジョブの処理を説明するフローチャートである。図18の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0067】
まずS1801において、操作部2012に表示された、図13のスキャン送信の基本画操作面を使用してユーザが設定した内容を取得する。そしてS1802で、ユーザが操作部2012のスタートキー303を押下するとS1803に処理が移る。尚、図13のスキャン送信の基本操作画面に関する説明は、図12のS1201の説明と同様であるため省略する。
【0068】
S1803では、CPU2001が、HDD2004に格納された情報を読み出して、スキャン送信のアプリにおいて、原稿の向き指定が必須であるかどうかを判定する。もし、必須と指定されている場合はS1804に進み、図12のS1203と同様に、図6に示す原稿の向きを設定する画面の表示制御を行う。次にS1805に進み、図12のS1204と同様に、その画面を使用してユーザにより設定された原稿の向きを取得する。こちらも操作内容は、S1204と同様の操作を行うので説明を省略する。次にS1806に進み、S1805で取得した原稿の向きの設定を、スキャン送信のジョブの原稿の向きに設定してS1808に進む。
【0069】
一方、S1803で、原稿の向きの指定が必須でないときはS1807に進み、スキャン送信のアプリに設定された原稿の向き指定を、この送信ジョブの原稿の向きに設定してS1808に進む。そしてS1808では、CPU2001がRAM2002に格納されたスキャン送信のジョブの設定を基にジョブの送信を行う。
【0070】
このように実施形態3によれば、それぞれジョブが異なるアプリケーション毎(例えば、コピー、電子メール、ファックス等)に、デフォルトの原稿の向きとその設定方法を指定できる。これにより、アプリケーションに応じて、原稿の向きを設定するようにユーザに促すことが可能になる。
【0071】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取って処理する画像処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、ファクス機能、電子メールの送受信機能等を有し、小型化を追求した複合機が増加している。この結果、原稿の読み取り部の原稿の用紙幅センサをなくし、機器の搬送機構サイズの制約により、A4/LTR原稿の短辺(ショートエッジ)の画像を読み取る複合機が増加している。こうした複合機の特徴は、縦向きと横向きのA4/LTR原稿のいずれもショートエッジで読み込まれるために、ジョブを実行する前に自動的に原稿の向きを検知することができない。
【0003】
この解決策として、一律でデフォルトの原稿の向きを定めていた(通常、縦原稿)。また、ユーザが原稿の向きの設定を確実に行わなければならない機能(例えば、両面コピー、ページ集約機能(2in1等)など)では、その機能の設定画面の中で、ユーザが必ず原稿の向きを入力しなければならないようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−147956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ここでいくつかの課題があった。一つ目は、ある機能の設定画面で、一度、ユーザが設定した原稿の向きの設定は、その機能の設定取消で解除されてしまうことにある。例えば、ページ集約や両面コピー等の機能で、一旦、原稿の向きを設定しても、その機能を取り消してしまうと、その機能で設定されていた原稿の向きの情報まで取り消されてしまう。そのため、原稿の向きを設定しなければならない他の機能を指示する際、ユーザは再度、原稿の向きを設定する必要があり、操作が面倒であった。
【0006】
また二つ目は、設定された原稿の向きの確認方法が煩雑であることにある。従来、原稿の向きの指定は、ページ集約や両面コピー等の機能で、複数の操作画面を経由して設定するので、指定した機能で、ユーザが原稿の向きをどちらに設定したかを簡単に確認する方法がなかった。
【0007】
三つ目の課題は、必ず原稿の向きを設定しなければならない機能で、ユーザに確実に原稿の向きを設定させる方法がなかった。例えば、複合機から電子メールやファックスを送信する場合は、送信画像の天地がわからないと所望の向きの画像の作成ができない。ゆえに、必ず原稿の向きを設定する必要がある。しかし、現在では、デフォルトが縦原稿であるため、ユーザが横原稿をよく使う場合には、毎回、原稿の向きを横方向に設定するという操作を行わないと、所望の原稿の向きで送信できないことがあった。
【0008】
更に四つ目の課題は、一律の原稿の向きの設定では、操作が煩雑になることがあるという点である。例えば、コピーでは原稿の向きが縦の原稿が主流であるが、ファックスでは、横原稿の帳票が主流であるというユーザも多い。こうしたユーザの場合、送信原稿の向きが正しく設定されるようにするには、ユーザが意識して、原稿の向きを毎回設定しなければならない。つまり、ユーザの入力の手間が多く、使いやすい操作になっているとはいえない状況であった。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することにある。
【0010】
本発明の特徴は、ある機能で設定された原稿の向きが、その機能を取り消しても維持される技術を提供することにある。
【0011】
また本発明の特徴は、指定した機能で、ユーザが原稿の向きをどちらに設定したかを簡単に確認できる技術を提供することにある。
【0012】
更に本発明の特徴は、実行する機能やアプリケーションに応じて、ユーザが原稿の向きを容易に設定でき、かつ確認できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する前記原稿の向きを設定する設定手段と、
前記ジョブの機能が取り消された場合に、前記設定手段により設定された前記原稿の向きを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記原稿の向きを、前記ジョブにおける原稿の向きとして設定する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ある機能で設定した原稿の向きの情報は、その機能が取り消されても維持されるため、原稿の向きの再入力が不要となり、操作性の煩雑さが軽減できる。
【0015】
また本発明によれば、ユーザが原稿の向きの設定内容を簡便に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る画像形成装置であるデジタル複合機の主要な構成を示すブロック図。
【図2】実施形態に係るデジタル複合機を制御するソフトウェア構成を示すブロック図。
【図3】実施形態に係る複合機の操作部を説明する図。
【図4】実施形態に係る複合機における原稿の向きを設定する処理を説明するフローチャート。
【図5】実施形態に係る複合機におけるコピー処理の設定を行うためのコピー基本操作画面の一例を示す図。
【図6】原稿の向きを指定する画面例を示す図。
【図7】図8の画面を使用して設定されるページ集約の設定を取得して格納する処理を説明するフローチャート。
【図8】ページ集約の各種設定を行うための設定画面の一例を示す図。
【図9】ページ集約の設定の取り消し処理を説明するフローチャート。
【図10】図7に示す処理を実行した後のコピー基本画面の一例を示す図。
【図11】ページ集約の設定の取り消し処理の後で表示されるコピー基本操作画面の一例を示す図。
【図12】本発明の実施形態2に係る複合機が原稿をスキャンして送信する処理を説明するフローチャート。
【図13】実施形態2に係る、原稿をスキャンして送信する場合のスキャン送信の基本操作画面の一例を示す図。
【図14】実施形態3に係る複合機における、各アプリごとの原稿の向きのデフォルトを設定する処理を説明するフローチャート。
【図15】実施形態3に係るアプリ選択画面の一例を示す図。
【図16】実施形態3に係るコピーにおけるデフォルトの原稿の向き設定画面の一例を示す図。
【図17】実施形態3に係る原稿の向きの設定方法を指定する画面例を示す図。
【図18】実施形態3に係る、スキャンして送信するジョブの処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置であるデジタル複合機の主要な構成を示すブロック図である。
【0019】
このデジタル複合機は、コントローラユニット2000を含み、コントローラユニット2000には、画像入力デバイスであるスキャナ2070や画像出力デバイスであるプリンタ2095が接続されるとともに、操作部2012が接続される。コントローラユニット2000は、スキャナ2070で読み取られた原稿の画像データをプリンタ2095により印刷するコピー機能を実現するための制御を行なう。それとともに、LAN1006や公衆回線1008(WAN)に接続することによって、画像情報やデバイス情報の入出力を行なうための制御を行なう。
【0020】
コントローラユニット2000は、具体的には、CPU2001を有し、CPU2001は、ROM2003に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム(OS)を立ち上げる。このOS上で、HDD(ハードディスクドライブ)2004に格納されているアプリケーションプログラムをRAM2002にロードし、実行し、これによって各種処理を実行する。このCPU2001の作業領域としてRAM2002が用いられる。RAM2002は、作業領域を提供するとともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。HDD2004は、上記アプリケーションプログラムや画像データを格納する。
【0021】
CPU2001には、システムバス2007を介して、ROM2003及びRAM2002とともに、操作部I/F2006、ネットワークI/F2010、モデム2050、USB・I/F2096及びイメージバスI/F2005が接続される。操作部I/F2006は、タッチパネルを有する操作部2012とのインタフェースを制御し、操作部2012に表示すべき画像データを操作部2012に対して出力する。また操作部I/F2006は、操作部2012においてユーザにより入力された情報をCPU2001に送出する。
【0022】
次に、ネットワークI/F2010はLAN1006に接続され、LAN1006を介してLAN1006上の各装置との間で情報の入出力を行なう。モデム2050は、公衆回線1008に接続され、公衆回線1008を介して情報の入出力を行なう。USB・I/F2096は、ハードキーボード2097等のUSBデバイスが接続可能である。USB・I/F2096にUSBデバイスが接続されると、USB・I/F2096はUSBのI/F規格に従って、その接続されたUSBデバイスと通信して、そのUSBデバイスの属性を取得し、これをCPU2001に通知する。この属性通知をもってCPU2001はUSBデバイスが接続或いは接続が切断されたことを検知する。
【0023】
イメージバスI/F2005は、システムバス2007と、画像データを高速で転送する画像バス2008とを接続し、これらバスの間でデータ形式を変換するためのバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバス或いはIEEE1394で構成される。画像バス2008上には、ラスタイメージプロセッサ(以下、RIP)2060、デバイスI/F2020、スキャナ画像処理部2080、プリンタ画像処理部2090、画像回転部2030、及び圧縮/伸張部2040が設けられる。
【0024】
RIP2060は、PDLコードをビットマップイメージに展開するプロセッサである。デバイスI/F2020には、スキャナ2070及びプリンタ2095が接続され、デバイスI/F2020は、画像データの同期系/非同期系の変換を行なう。スキャナ画像処理部2080は、スキャナ2070から入力された画像データに対して補正、加工、編集を行なう。プリンタ画像処理部2090は、プリンタ2095へ出力する画像データに対してプリンタ2095に応じた補正、解像度変換などを行なう。画像回転部2030は、画像データの回転を行なう。圧縮/伸張部2040は、多値画像データをJPEGデータに、2値画像データをJBIG、MMR、MHなどのデータに圧縮するとともに、その伸張処理を行なう。
【0025】
図2は、本実施形態に係るデジタル複合機を制御するソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
RAM2002にロードされたUI制御部201は、操作部2012に操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェース(UI)を制御する。スキャナ制御部202は、スキャナ2070を制御し、原稿の画像を読み取る処理を制御する。プリント制御部203は、プリンタ2095を制御して、用紙に画像を印刷する。送信制御部204は、スキャナ2070が読み取った画像データを、ネットワークインタフェース2010を介して、ユーザが指定した宛先に送信する処理を制御する。
【0027】
図3は、実施形態に係る複合機の操作部2012を説明する図である。
【0028】
この操作部2012には、タッチパネルを備えた液晶などの表示部301、テンキー302、コピー、ファックス、電子メール等のジョブの開始を指示するスタートキー303が配置されている。このスタートキー303が押下されると、CPU2001が、その時点で指示されているジョブの実行処理を行う。更に、各種設定内容を呼び出す「設定/登録」画面の呼び出しボタン304や、ジョブの履歴・状況画面を呼び出す「履歴」ボタン305も配置されている。
【0029】
[実施形態1]
図4は、実施形態1に係る複合機における原稿の向きを設定する処理を説明するフローチャートである。
【0030】
この処理は、原稿の向きの指定を開始し、その原稿の向きの設定を完了するまでの処理を示すフローチャートである。また、図6は、原稿の向きを指定する画面例を示す図で、図4の各ステップの処理において、ユーザが参照する画面の一例を示している。図4の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。例えば図6の画面は、操作部2012の「設定/登録」ボタン304が押下され、その操作メニュで「原稿の向き」が選択されることにより表示されることにより表示される。また或いは後述の図5や図13に示すように、ある機能が指示されたときに、その操作画面の「原稿の向き」が指示されることにより表示される。
【0031】
まずS401で、ユーザにより指定された原稿の向きを取得する。このときユーザは、操作部2012の表示部301に表示される、図6の原稿の向き指定画面を使用して、原稿の向きを指定する。例えばユーザは、縦向きの原稿を指定する場合は、縦向き原稿設定ボタン601を押下する。一方、横向きの原稿を指定する場合は、横向き原稿設定ボタン602を押下する。こうしてユーザは、縦向き原稿設定ボタン601或いは横向き原稿設定ボタン602を選択した後、OKボタン603を押下する。これにより原稿の向きが設定されて、CPU2001は、その指定された原稿の向きを取得する。次にS402に進み、CPU2001は、S401でユーザが指定した原稿の向きの設定値をRAM2002に格納する。尚、キャンセルボタン604が押下されると原稿の向きの設定処理を取り消す。
【0032】
図5は、実施形態1に係る複合機におけるコピー処理の設定を行うためのコピー基本操作画面の一例を示す図である。このコピー基本操作画面は、操作部2012の表示部301に表示される。
【0033】
カラー選択ボタン501は、印刷物の出力色を選択するボタンである。倍率ボタン502は、原稿サイズに対する印刷物の倍率を指定するボタンである。用紙選択ボタン503は、印刷で使用する用紙を選択するボタンである。設定確認ボタン504は、コピー機能に対して設定された内容を確認するボタンである。ショートカットエリア505は、コピーの設定で、良く利用する設定内容をボタンとして登録できるエリアである。その他の機能ボタン506は、コピーの基本設定の他に、詳細設定を行う画面に遷移するためのボタンである。本実施形態1では、一例として、ショートカットエリア505に、ページ集約ボタン507、原稿の向きボタン508を配置している。ページ集約ボタン507が押下されると図8のページ集約画面に遷移する。また原稿の向きボタン508が押下されると、前述した図6の原稿の向き指定画面に遷移する。また、ページ集約の設定表示エリア509には、ページ集約の設定状態を表示し、原稿の向きの設定表示エリア510には、原稿の向きの設定状態を表示する。図5では、ページ集約の設定表示エリア509及び原稿の向きの設定表示エリア510はいずれも設定されていないため、「設定なし」となっている。
【0034】
図7は、図8の画面を使用して設定されるページ集約の設定を取得して格納する処理を説明するフローチャートである。図8は、ページ集約の各種設定を行うための設定画面の一例を示す図である。尚、ここでページ集約とは、1枚の用紙に複数ページの画像を印刷する、例えば2in1、4in1等を意味している。図7の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0035】
ここではユーザは、操作部2012に表示される図8に示すページ集約設定画面を使用して、ページ集約の設定を行う。ユーザは、ページ集約の設定801のページ割り付け方法の選択肢のボタン(図8では2in1、4in1,8in1が表示されている)からページの集約の方法を選択する。本実施形態1では、「2in1」を選択したという仮定で説明する。次に原稿の向き指定ボタン802から、原稿の縦、横のいずれかの向きを選択する。本実施形態1では、デフォルト値が縦向き原稿で、ここではデフォルトとは異なる横向き原稿を選択したという仮定で説明する。因みに、このボタン802を表示する際には、複合機に設定されたデフォルトの原稿の向きの値に従って設定が表示される。原稿サイズ指定ボタン803が選択されると、原稿サイズを指定する画面が表示される。用紙サイズ変更ボタン804が選択されると、用紙サイズを指定する画面が表示される。また両面コピーを設定する際には、両面設定ボタン805を指定して両面コピーを指定する。また詳細設定ボタン806が押下されると、ページ集約に関する詳細設定のための画面に遷移する。こうして各種事項の設定が完了した後、ユーザがOKボタン808を押下すると、S701で、この画面を使用して設定された各種事項(設定内容)がCPU2001により取得される。尚、図8の画面でユーザが設定したページ集約の設定を取り消す場合は、設定取消ボタン807を押下する。
【0036】
次にS702に進み、CPU2001は、S701で取得した原稿の向きが、デフォルトの原稿の向きから変更されているか否かを判定する。デフォルトの向きから変更されている判定するとS703に進み、CPU2001は、S701で取得した原稿の向きの設定を、コピージョブにおける原稿の向きとしてRAM2002に一時的に格納する。次にS704に進み、CPU2001は、S701で取得したページ集約の設定状態をRAM2002に格納する。これによりページ集約の設定及び格納処理が完了する。またS702で、デフォルトの向きから変更されていない判定するとS703をスキップしてS704に進み、S701で取得したページ集約の設定状態をRAM2002に格納する。
【0037】
このようにして、コピー機能の中のページ集約の設定画面で、原稿の向きがデフォルトの値から変更されたときは、コピージョブの原稿の向きとしてRAM2002に、その変更された原稿の向きを記憶する。
【0038】
図10は、図7に示す処理を実行した後のコピー基本操作画面の一例を示す図である。尚、図10では、前述の図5と共通する部分は同じ参照記号で示し、それらの説明を省略する。
【0039】
図5と図10を参照すると明らかなように、図10では、ページ集約の設定エリア1001には「2in1」が表示される。また、原稿の向きの設定エリア1002には、ページ集約機能の設定画面で設定された原稿の向き「横向き」が表示されている。
【0040】
図9は、上述した処理により設定されたページ集約の設定の取り消し処理を説明するフローチャートである。ここでも前述の図8に示すページ集約設定画面を参照して説明する。図9の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0041】
この処理は、図8に示すページ集約設定画面の設定取消ボタン807が押下されることにより開始される。まずS901で、CPU2001が、原稿の向きが、デフォルト値(縦向き)から変更されているかを判断する。変更されていると判断した場合はS902に進み、CPU2001は、RAM2002に一時的に格納されたジョブの原稿の向きの設定状態を保存してS903に進む。またS901でデフォルト値から変更されていないときはS903に進み、CPU2001は、図7のS704でRAM2002に一時的に格納したページ集約の設定を取消して、デフォルトの値に戻す。
【0042】
図11は、ページ集約の設定の取り消し処理の後で表示されるコピー基本操作画面の一例を示す図である。尚、図11では、前述の図5、図10と共通する部分は同じ参照記号で示し、それらの説明を省略する。
【0043】
ここで図10と図11とを比較すると明らかなように、ページ集約の設定エリア1101には、ページ集約の設定がないことを示す「設定なし」が表示される。また、原稿の向きの設定エリア510には、前述のページ集約機能の設定画面で設定した「横向き」が保持されていることが分かる。
【0044】
このように、コピージョブの中のページ集約機能で原稿の向きの指定を行った場合、そのページ集約機能の設定を取り消しても、コピージョブの原稿の向きとして、その原稿の向きを示す情報をそのまま残している。こうすることで、他の機能の設定を行う場合でも、ページ集約機能で設定した原稿の向きを使用できる。よって、機能を切り替える度に、原稿の向きの設定を設定し直す必要がなくなるため、ユーザの操作性を向上することが可能になった。
【0045】
また、図5、図10、図11に示すように、コピーの基本操作画面に、現在、指定されている原稿の向きを表示するため、ユーザは現時点で設定されている原稿の向きを容易に確認できるという効果がある。
【0046】
[実施形態2]
前述の実施形態1では、原稿の向きの設定が必要な機能をページ集約を例に挙げて説明した。しかし、電子メールやファックス送信の機能では、事前に原稿の向きをユーザが指定しないと、天地が正しい送信画像にならない可能性がある。こうした原稿の向きの設定が必須である機能について、ユーザから原稿の向きが入力されなかった場合に、自動的にユーザに原稿の向きの入力を促す例について説明する。尚、実施形態2に係る画像処理装置(デジタル複合機)のハードウェア構成は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0047】
図12は、本発明の実施形態2に係る複合機が原稿をスキャンして送信する処理を説明するフローチャートである。図12の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0048】
図13は、原稿をスキャンして送信する場合のスキャン送信の基本操作画面の一例を示す図である。
【0049】
まずS1201で、図13に示すスキャン送信の基本操作画面を表示する。これによりユーザは、この基本操作画面を使用して送信ジョブを指定する。その後、操作部2012のスタートキー303が押下されたことを検知するとS1202に進む。
【0050】
ここで、図13のスキャン送信の基本操作画面に関する説明を行う。この図13では、ユーザが宛先を指定可能な宛先入力ボタン1301が表示されている。宛先入力は、「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」いずれの方法でも可能である。1302は、読み取り解像度、読み取りカラーモード、サイズ、原稿の向き等の送信設定を行う送信設定ボタンである。1304は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出す応用設定ボタンである。また、永続的な領域に保存された送信設定を呼び出す「よく使う設定」ボタン1303も表示されている。
【0051】
このスキャン送信の基本操作画面では、電子メール送信及びファイル送信の設定が可能である。また、デバイスの設定によっては、ファクス送信も可能である。
【0052】
S1202では、CPU2001が、送信設定ボタン1302で原稿の向きの設定が、デフォルト値から変更されているか否かを判定する。ここで変更されていないと判定した場合は、ユーザが原稿の向きの設定を忘れている可能性があるのでS1203に進み、変更されている場合は、このまま処理を終了する。S1203では、CPU2001は、操作部2012に、図6に示す原稿の向きの指定するための画面を表示する。この実施形態2では、スキャン送信のジョブに対する原稿の向きを設定する点が、前述の実施形態1のページ集約機能の場合とは異なるが、画面レイアウトや設定内容は、図6の原稿の向き指定画面と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
次にS1204に進み、図6の画面を使用してユーザにより設定された原稿の向きを取得する。こちらも、操作内容は、送信ジョブに対する原稿の向きの設定を行う点が実施形態1と異なるだけで、図4のS401と同様の操作を行うので説明を省略する。そしてS1205に進み、その設定された原稿の向きに従って、CPU2001は、RAM2002に格納された送信ジョブの設定を基に、ジョブの送信を行う。
【0054】
このように、原稿をスキャンして電子メールやファイル送信などで送信する送信ジョブのように、必ず原稿の向きを設定しなければならない場合に、自動的にユーザに確認が確認できるようにしている。即ち、必ず原稿の向きを設定しなければならない場合に、ユーザが原稿の向きを指定していない場合は、ジョブの開始前に原稿の向きを設定するための画面を自動的に表示してユーザに確認を促す。これにより、ユーザは確実に原稿の向きを設定することが可能になる。
【0055】
[実施形態3]
前述の実施形態1,2では、原稿の向きの設定が必要な機能に対する原稿の向きの設定方法について説明した。しかし、コピーでは原稿の縦向きが中心、ファックスでは原稿の横方向が中心とした場合、ジョブの異なるアプリ毎(例えば、コピー、電子メール,ファックス等)に、デフォルトの原稿の向きを設定することが求められる。以下では、こうした実施形態3について説明する。尚、実施形態3に係る画像処理装置(デジタル複合機)のハードウェア構成は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0056】
図14は、本発明の実施形態3に係る複合機における、各アプリごとの原稿の向きのデフォルトを設定する処理を説明するフローチャートである。図14の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0057】
図15は、実施形態3に係るアプリ選択画面の一例を示す図である。
【0058】
図16は、実施形態3に係るコピーにおけるデフォルトの原稿の向き設定画面の一例を示す図である。
【0059】
図17は、実施形態3に係る原稿の向きの設定方法を指定する画面例を示す図である。
【0060】
まず図14のS1401において、操作部2012に表示された、図15のアプリ選択画面を使って、ユーザが選択したアプリケーションを取得する。
【0061】
図15のアプリ選択画面には、コピーアプリ用原稿の向き設定ボタン1501、電子メールアプリ用原稿の向き設定ボタン1502、ファックスアプリ原稿の向き設定ボタン1503がそれぞれ配置されている。どのアプリに対して原稿の向きを選択できるかは一つの例であり、原稿の向きを設定可能なアプリをここに定義して表示することが可能である。ここで、コピーアプリ用原稿の向き設定ボタン1501、電子メールアプリ用原稿の向き設定ボタン1502、ファックスアプリ原稿の向き設定ボタン1503のいずれかのボタンが押下されると、図16のデフォルト原稿の向き設定画面1600に遷移する。尚、図15でOKボタン1504が押下されると、この画面の読みだし元に戻ることができる。但し、この画面の呼び出し元は本実施形態3に直接関係ないので、説明を省略する。
【0062】
次にS1402に進み、操作部2012に表示された、図16のデフォルト原稿の向き設定画面を使って、ユーザにより指定されたアプリで使うデフォルトの原稿の向きを取得する。
【0063】
図16のデフォルト原稿の向き設定画面では、縦向き原稿ボタン1601、横向き原稿ボタン1602が表示されている。これらボタン1601,1602のいずれかが選択されて、次へボタン1604が押下されると、選択したアプリに対して、デフォルトの原稿の向きが決定され、図17の原稿の向きの設定方法の指定画面に遷移する。因みに、図16で戻るボタン1603が押下されると、図15のアプリ選択画面に遷移する。
【0064】
そしてS1403に進み、操作部2012に表示された、図17の原稿の向きの設定方法の指定画面を使って選択された原稿の向きの設定方法を取得する。
【0065】
図17の原稿の向きの設定方法の指定画面では、アプリのデフォルト値を書き換えるか、ジョブ毎に原稿の向きの指定を必須とするか、ジョブ毎に任意に指定できるかのいずれかを選択できる。それぞれ、アプリのデフォルト値を書き換えボタン1701、ジョブ毎に原稿の向きの指定を必須とする指定ボタン1702、ジョブ毎で任意に指定できる設定ボタン1703のいずれかを指定することができる。ユーザが、いずれかのボタンを選択しOKボタン1705を押下する。これによりアプリケーションに設定された、原稿の向きと設定方法を確定して、CPU2001がHDD2004にアプリの原稿の向きと設定方法を格納して、図15のアプリ選択画面に遷移する。因みに図17で、戻るボタン1704が押下されると、図17の原稿の向きの設定方法の指定画面で指定したデータを確定せず、図16のデフォルト原稿の向き設定画面に遷移する。
【0066】
図18は、実施形態3に係る、スキャン送信のジョブの処理を説明するフローチャートである。図18の各ステップは、HDD2004に格納されたプログラムに従ってCPU2001が処理を実行することにより実現される。
【0067】
まずS1801において、操作部2012に表示された、図13のスキャン送信の基本画操作面を使用してユーザが設定した内容を取得する。そしてS1802で、ユーザが操作部2012のスタートキー303を押下するとS1803に処理が移る。尚、図13のスキャン送信の基本操作画面に関する説明は、図12のS1201の説明と同様であるため省略する。
【0068】
S1803では、CPU2001が、HDD2004に格納された情報を読み出して、スキャン送信のアプリにおいて、原稿の向き指定が必須であるかどうかを判定する。もし、必須と指定されている場合はS1804に進み、図12のS1203と同様に、図6に示す原稿の向きを設定する画面の表示制御を行う。次にS1805に進み、図12のS1204と同様に、その画面を使用してユーザにより設定された原稿の向きを取得する。こちらも操作内容は、S1204と同様の操作を行うので説明を省略する。次にS1806に進み、S1805で取得した原稿の向きの設定を、スキャン送信のジョブの原稿の向きに設定してS1808に進む。
【0069】
一方、S1803で、原稿の向きの指定が必須でないときはS1807に進み、スキャン送信のアプリに設定された原稿の向き指定を、この送信ジョブの原稿の向きに設定してS1808に進む。そしてS1808では、CPU2001がRAM2002に格納されたスキャン送信のジョブの設定を基にジョブの送信を行う。
【0070】
このように実施形態3によれば、それぞれジョブが異なるアプリケーション毎(例えば、コピー、電子メール、ファックス等)に、デフォルトの原稿の向きとその設定方法を指定できる。これにより、アプリケーションに応じて、原稿の向きを設定するようにユーザに促すことが可能になる。
【0071】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する前記原稿の向きを設定する設定手段と、
前記ジョブの機能が取り消された場合に、前記設定手段により設定された前記原稿の向きを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記原稿の向きを、前記ジョブにおける原稿の向きとして設定する手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記格納手段に格納された前記原稿の向きを、前記ジョブの基本操作画面に表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ジョブはコピージョブで、前記機能は、ページ集約機能であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するジョブを開始する際に、前記原稿の向きが設定されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記原稿の向きが設定されていないと判定されると、前記原稿の向きをユーザに設定させるための操作画面を表示する表示手段と、
前記操作画面を使用して設定された前記原稿の向きに従って、前記ジョブを実行する実行手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するアプリケーションを選択する選択手段と、
前記選択手段で選択されたアプリケーションによりジョブを実行する際のデフォルトの原稿の向きを指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された前記デフォルトの原稿の向きの設定方法を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された設定方法に従って、前記アプリケーションによるジョブのデフォルト原稿の向きと、当該ジョブ毎の原稿の向きを設定するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
原稿を読み取って処理する画像処理装置を制御する制御方法であって、
原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する前記原稿の向きを設定する設定工程と、
前記ジョブの機能が取り消された場合に、前記設定工程で設定された前記原稿の向きをメモリに格納する格納工程と、
前記メモリに格納された前記原稿の向きを、前記ジョブにおける原稿の向きとして設定する工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項1】
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する前記原稿の向きを設定する設定手段と、
前記ジョブの機能が取り消された場合に、前記設定手段により設定された前記原稿の向きを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記原稿の向きを、前記ジョブにおける原稿の向きとして設定する手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記格納手段に格納された前記原稿の向きを、前記ジョブの基本操作画面に表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ジョブはコピージョブで、前記機能は、ページ集約機能であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するジョブを開始する際に、前記原稿の向きが設定されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記原稿の向きが設定されていないと判定されると、前記原稿の向きをユーザに設定させるための操作画面を表示する表示手段と、
前記操作画面を使用して設定された前記原稿の向きに従って、前記ジョブを実行する実行手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
原稿を読み取って処理する画像処理装置であって、
原稿を読み取って実行するアプリケーションを選択する選択手段と、
前記選択手段で選択されたアプリケーションによりジョブを実行する際のデフォルトの原稿の向きを指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された前記デフォルトの原稿の向きの設定方法を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された設定方法に従って、前記アプリケーションによるジョブのデフォルト原稿の向きと、当該ジョブ毎の原稿の向きを設定するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
原稿を読み取って処理する画像処理装置を制御する制御方法であって、
原稿を読み取って実行するジョブの機能に対する前記原稿の向きを設定する設定工程と、
前記ジョブの機能が取り消された場合に、前記設定工程で設定された前記原稿の向きをメモリに格納する格納工程と、
前記メモリに格納された前記原稿の向きを、前記ジョブにおける原稿の向きとして設定する工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−115581(P2013−115581A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259514(P2011−259514)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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