画像処理装置及びセットアップ方法
【課題】他の複合機が接続された複合機を利用して、当該他の複合機に初期設定条件を入力し、登録することが可能な複合機100を提供する。
【解決手段】ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、第一の複合機100の初期設定条件を構成する項目と、他の複合機100a、100bの初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得手段と、各複合機100、100a、100b毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703を一の集約セットアップ画面700に集約して表示するセットアップ表示受付手段401と、ユーザにより、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する複合機に登録するセットアップ登録手段406とを備える第一の複合機100を提供する。
【解決手段】ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、第一の複合機100の初期設定条件を構成する項目と、他の複合機100a、100bの初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得手段と、各複合機100、100a、100b毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703を一の集約セットアップ画面700に集約して表示するセットアップ表示受付手段401と、ユーザにより、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する複合機に登録するセットアップ登録手段406とを備える第一の複合機100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びセットアップ方法に関し、詳しくは、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能な画像処理装置及びセットアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の入出力を行う画像処理装置として、いわゆるマルチファンクションデジタル複写機が知られている。このマルチファンクションデジタル複写機は、紙などに記録されている原稿画像を読み取るスキャナ、読み取った画像、あるいはホストコンピュータから送られてくる画像を紙などのメディアに出力するプリンタ、これらスキャナおよびプリンタの動作を制御したり、あるいは種々の画像処理を行うデバイスコントローラ、機器の操作を使用者に提供したりする操作部、画像データや処理プログラムを一時的あるいは恒久的に記憶するメモリおよびハードディスク等から構成される。
【0003】
上記構成を有するマルチファンクションデジタル複写機では、単に原稿画像を複写するだけでなく、原稿画像に種々の画像処理を施して複写することも可能である。例えば、原稿の白黒を反転させるネガポジ反転処理、原稿の一部のみを複写するトリミング処理、複数の原稿を縮小して1枚の出力用紙上に合成する縮小レイアウト処理などの多様な処理を行うことが出来る。
【0004】
又、原稿の複写以外にスキャナで読み込んだ画像データをLAN(ネットワーク)経由でホストコンピュータに転送したり、逆にホストコンピュータ上においてワープロなどで作成した文書を、プリンタでプリント出力させたりすることも可能である。又、原稿画像を遠隔地のファクシミリ装置に送信するファクシミリ送信機能を有していることが一般的である。
【0005】
このような装置では、電源のON/OFF管理が、ハードスイッチやソフトスイッチによる人為的なON/OFF制御、あるいはタイマ設定によるカウントダウン方式のオートシャットダウン制御などによって、一般的に行われていた。
【0006】
しかしながら、上述のようにLAN経由でプリントジョブの管理を行っているにも関わらず、LAN経由で装置自体の制御や管理を行っていないという問題がある。即ち、LAN上に存在するにもかかわらず、タイマ設定で時限的に電源をOFF/ONしたり、課金カード等により管理・制御したりする程度であり、当該LAN経由によるマルチファンクションデジタル複写機の電源のON/OFF制御、スリープ制御、あるいは不正使用や機密漏洩の管理等を行っていないという問題があった。更に、このような装置が複数台接続されている場合、それらを1ヶ所で集中管理して制御することを行っておらず、一括管理をしていないという問題があった。
【0007】
このような問題を解決する技術として、特開2004−56258号公報(特許文献1)には、ネットワークに接続された複数の画像処理装置を管理する遠隔制御システムが開示されている。前記遠隔制御システムは、前記ネットワークに接続された機器のいずれかを端末とし、該端末の表示画面上に、前記複数の画像処理装置を管理するための管理画面を表示する画面表示手段と、該表示された管理画面上で、前記画像処理装置に関する設定を行う画面設定手段とを備える。そして、前記遠隔制御システムは、前記管理画面上の設定にしたがって、前記ネットワーク経由で、指定された前記画像処理装置の設定を変更する装置変更手段を備えている。これにより、ネットワーク経由で電源のON/OFF制御、スリープ制御、あるいは不正使用や機密漏洩の管理など、画像処理装置の遠隔制御を集中的に行うことが出来るとしている。
【0008】
又、特開2005−18607号公報(特許文献2)には、通信ネットワークを介して接続される複数の画像処理装置を操作するリモート操作装置が開示されている。前記リモート操作装置は、前記複数の画像処理装置と通信ネットワークを介して通信する通信部と、前記画像処理装置を操作する操作画面を画像処理装置毎に複数表示する表示部とを備える。又、前記リモート操作装置は、前記表示部に表示された複数の操作画面を介して画像処理装置毎に入力される操作情報を受け付ける入力部と、前記操作画面を介して入力された操作情報を、前記通信部を制御して、対応する画像処理装置に送信させる制御手段とを備える。これにより、通信ネットワークを介して接続される複数の画像処理装置を同一の画面においてリモート操作することが出来て、複数の画像処理装置毎に、操作画面を切り替える手間を必要とせずに、効率良く画像処理装置を管理することが出来るとしている。
【0009】
又、特開2008−40190号公報(特許文献3)には、入力される複数の映像または画像信号を切り替えて1台の表示装置に画面表示する映像切り替え機を備えた映像切り替えシステムが開示されている。前記映像切り替え機は、複数の映像または画像信号を入力する手段と、入力した各映像または画像信号を前記表示装置に画面表示する手段と、表示画面に対するマウス入力を行う手段とを備える。又、前記映像切り替え機は、表示画面に対するキーボード入力を行う手段と、前記表示装置の表示画面領域を複数エリアに分割する手段と、各表示画面領域に複数の映像または画像信号を分割表示する手段と、前記分割画面領域に対するキーボードまたはマウス入力を有効とする画面領域を画面上のマウスカーソルの移動で切り替える手段とを備える。これにより、1台の表示装置上で複数の映像(画像)を同時に表示することができ、映像切り替えを繰り返す操作が不要になって、使い勝手を向上させることが出来るとしている。又、前記表示装置上の映像(画像)の切り替え操作および入力有効映像(画像)の操作にはマウス操作で済み、切り替え操作を迅速、容易にして、作業効率を高めることが出来るとしている。
【0010】
又、特開2009−225316号公報(特許文献4)には、情報処理装置からネットワークを介して画像処理装置を遠隔操作する遠隔操作システムが開示されている。前記情報処理装置は、遠隔操作の要求を前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段により遠隔操作の要求を受信した場合、遠隔操作対象の画像処理装置の設定値を変更するための遠隔操作情報を前記ネットワークを介して前記画像処理装置に発行する発行手段とを備えている。又、前記画像処理装置は、遠隔操作の要求を前記ネットワークを介して前記情報処理装置に送信する送信手段と、前記ネットワークを介して前記情報処理装置から遠隔操作情報を受信し、該遠隔操作情報に基づき設定値の変更を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された設定値の変更の内容に応じて、設定値の変更を許可するか否かを問い合わせる画面を表示するか否かを決定する決定手段とを備えている。これにより、前記画像処理装置のユーザは遠隔からの設定値変更に不安を持つことなく対応することが可能となるとしている。又、これに伴い、ユーザが画面を介して設定値の変更を視覚的に確認してから、前記画像処理装置に対して設定値を反映させることが可能となり、当該画像処理装置のユーザに対するサービス性の向上を図ることが可能となると共に、ユーザ及びサービス員にかかる負担を軽減することが可能となるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−56258号公報
【特許文献2】特開2005−18607号公報
【特許文献3】特開2008−40190号公報
【特許文献4】特開2009−225316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記特許文献1−4に記載の発明では、画像処理装置(画像形成装置)とは別の装置、例えば、パソコン、リモート操作装置、映像切り替え機、情報処理装置などで遠隔操作専用の装置を必要とする。
【0013】
ところで、サービスマンなどのユーザが、所定の会社や事務所に複数の画像処理装置を納品する場合に、各画像処理装置毎に初期設定条件を入力してセットアップする必要がある。ここで、前記ユーザが、前記セットアップに前記遠隔操作専用の装置を利用すると、当該セットアップに要する時間を著しく短縮することが出来るものの、近年のセキュリティ重視、情報漏えい防止の観点から、納品対象の画像処理装置以外の装置、例えば、ノートパソコンなどを含む遠隔操作専用の装置は、前記会社や事務所に一切持ち込めないという実情がある。そのため、前記特許文献1−4に記載の発明は、殆ど利用することが出来ないという問題がある。
【0014】
一方、複数の画像処理装置を納入する場合に、各画像処理装置毎に入力する初期設定条件のうち、所定の設定項目については、殆ど同等の設定値であるという実情がある。そのため、所定の画像処理装置に入力した初期設定条件を利用して、当該初期設定条件と同等の初期設定条件を、他の画像処理装置に入力することが出来れば、前記セットアップに要する時間を著しく短縮することが出来る可能性がある。
【0015】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能な画像処理装置及びセットアップ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、他の画像処理装置に接続された画像処理装置を前提とし、以下の構成を採用する。
【0017】
即ち、前記画像処理装置は、ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得手段を備える。又、前記画像処理装置は、前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付手段を備える。そして、前記画像処理装置は、ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録手段を備える。
【0018】
これにより、ユーザは、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該画像処理装置はもちろんのこと、当該他の画像処理装置の初期設定条件を登録することが可能となる。そのため、ユーザは、各画像処理装置毎の操作部に赴き、初期設定条件の入力・登録作業を行う必要が無くなり、初期設定条件入力時におけるユーザの手間を解消することが可能となる。又、ユーザは、全ての前記画像処理装置が納品された会社等に、当該画像処理装置と接続される遠隔操作可能な遠隔操作専用装置、例えば、ノートパソコンなどを持ち込む必要が無くなり、セキュリティの強化、情報漏えいの防止を図ることが可能となる。
【0019】
又、前記セットアップ表示受付手段は、前記自装置及び他の画像形成装置を含む全ての画像形成装置に対して初期設定条件を同時に登録するための同時設定キーを、前記集約セットアップ画面に押下可能に表示する。又、前記セットアップ登録手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記セットアップ画面を介して入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録するよう構成することが出来る。
【0020】
又、前記セットアップ登録手段は、自装置に入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録する際に、所定の画像形成装置に、当該初期設定条件を登録することが出来ない場合、当該登録を禁止するよう構成することが出来る。
【0021】
又、前記セットアップ表示受付手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記集約セットアップ画面において当該同時設定キーが押下されたことを示すメッセージを表示するよう構成することが出来る。
【0022】
又、前記セットアップ表示受付手段は、前記集約セットアップ画面に表示された複数のセットアップ画面のうち、各セットアップ画面毎に、ユーザから、所定の初期設定条件の入力を順々に受け付けるよう構成することが出来る。
【0023】
尚、本発明は、他の画像処理装置に接続された画像処理装置のセットアップ方法として提供することが出来る。
【0024】
即ち、前記セットアップ方法は、ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得ステップを備える。又、前記セットアップ方法は、前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付ステップを備える。更に、前記セットアップ方法は、ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録ステップを備える。前記構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0025】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することが出来る。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することも出来る。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る画像処理装置及びセットアップ方法によれば、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における複合機及び操作部の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る第一の初期設定条件テーブルの一例を示す図(図6(A))と、第二の初期設定条件テーブルの一例を示す図(図6(B))と、第三の初期設定条件テーブルの一例を示す図(図6(C))とである。
【図7】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された集約セットアップ画面の一例を示す図(図7(A))と、本発明の実施形態の個別設定における初期設定条件入力画面の一例を示す図(図7(B))である。
【図8】本発明の実施形態の同時設定における初期設定条件入力画面の一例を示す図(図8(A))と、本発明の実施形態に係る同時設定可否テーブルの一例を示す図(図8(B))とである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る画像処理装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0029】
<画像処理装置>
以下に、本発明の実施形態に係る画像処理装置について説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像処理装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像処理装置として機能する。以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0031】
先ず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、コピー機能の設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピー機能に関連する操作画面(初期画面など)が表示され、所定の設定値の入力が可能となる。又、前記操作部102では、前記複合機100が最初に所定の場所(会社、事務所など)に納品された場合に、当該複合機100に予め記憶させる初期設定条件を入力することが可能である(セットアップとも言う)。
【0032】
さて、ユーザが、前記操作画面を介して、コピー機能に関連する設定条件を入力し、前記操作部102に設けられたスタートキーを押下すると、前記複合機100が、コピー機能の処理を開始する。
【0033】
前記複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103における光源104を起動して発光させることで、当該光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
【0034】
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
【0035】
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
【0036】
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
【0037】
前記搬送路に引き出されたシートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。
【0038】
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置120に備えられた加熱ローラ121と加圧ローラ122の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ121の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置120を経て排紙トレイ123へ排紙され、積載、収容される。
【0039】
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
【0040】
尚、所定の宛先に所定の画像データを送信する機能、例えば、ファクシミリ送信機能や電子メール送信機能は、前記撮像素子108に接続された通信部20によりユーザに提供される。前記通信部20は、前記操作部102から入力された宛先(例えば、ファクシミリ番号、電子メールアドレスなど)と前記画像データとを用い、ネットワーク30を介して前記宛先に前記画像データを送信したり、前記ネットワーク30から所定の画像データを受信したりする。
【0041】
又、前記複合機100には、所定の通信ケーブル124(例えば、USBケーブル)又は前記ネットワーク30を介して、他の複合機100a、100bと接続可能であり、例えば、サービスマンなどのユーザが各複合機毎に初期設定条件を入力する場合に(セットアップ)、全ての複合機を相互に接続して、前記操作部102を介して、各複合機毎の初期設定条件を入力することが可能である(後述する)。
【0042】
図2は、本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のようなコピー機能に関連する設定条件を入力したり、初期設定条件を入力したり、入力された設定条件又は初期設定条件を確認したりする。前記設定条件又は前記初期設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
【0043】
前記タッチパネル201には、前記設定条件又は前記初期設定条件を入力する機能と当該設定条件又は当該初期設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。即ち、タッチパネル201上に表示された画面内のキーを押下することによって、押下されたキーに対応する設定値が、所定の設定項目の設定値として入力される。
【0044】
タッチパネル201の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(図示せず)が設けられており、当該表示部が、例えば、前記初期画面等の操作画面を表示する。タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下に設けられたセンサーが接触先を検知する。
【0045】
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209、初期設定条件を入力可能なセットアップ画面を表示するためのセットアップキー210が備えられている。
【0046】
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0047】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、通信インターフェイス306(例えば、USBポートなど)を内部バス307によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305、前記操作部102、前記通信インターフェイス306に接続された他の複合機100a、100bからのデータなどを授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記CPU301は、前記他の複合機100a、100bからのデータに基づいて前記操作部102に所定のセットアップ画面を表示したり、ユーザにより入力された各設定項目毎の設定値を他の複合機100a、100bに送信したりする。前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。又、前記ROM302、前記HDD304には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0048】
尚、前記他の複合機100a、100bには、前記複合機100の制御回路と同等の制御回路を備えており、上述した制御や処理を実行する。
【0049】
<本発明の実施形態>
次に、図4、図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0050】
まず、サービスマンなどのユーザが、所定の会社に、所定数(例えば、3つ)の複合機(例えば、第一の複合機100、第二の複合機100a、第三の複合機100b)を納入し、所定数の通信ケーブル124(例えば、USBケーブル)を用いて、第一の複合機100に第二の複合機100aと第三の複合機100bとを接続する(図5:S101)。
【0051】
例えば、ユーザが、第一のUSBケーブル124の一端を第一の複合機100のUSBポートに接続するとともに、当該第一のUSBケーブル124の他端を第二の複合機100aのUSBポートに接続する。これにより、第一の複合機100に、第二の複合機100aが接続される。尚、前記第三の複合機100bも同様である。
【0052】
次に、ユーザが、各複合機100、100a、100b毎に電源を投入し、各複合機100、100a、100b毎に初期設定条件を入力し、登録する(セットアップする)ために、所定の複合機(例えば、第一の複合機100)の操作部102のセットアップキー210を押下すると、当該第一の複合機100のセットアップ表示受付手段401が、当該セットアップキー210の押下を受け付けて(図5:S102YES)、その旨をセットアップ取得手段402に通知する。当該通知を受けたセットアップ取得手段402は、第一の複合機100の初期設定条件記憶手段403に記憶された第一の初期設定条件テーブルを参照する。更に、前記セットアップ取得手段402は、前記USBポート及び前記USBケーブル124を介して、現時点で、前記第一の複合機100と接続されている第二の複合機100aの初期設定条件記憶手段404に記憶された第二の初期設定条件テーブルと、第三の複合機100bの初期設定条件記憶手段405に記憶された第三の初期設定条件テーブルとを参照する。
【0053】
前記第一の初期設定条件テーブル600には、図6(A)に示すように、第一の複合機100が提供可能な機能に対応するセットアップ項目601と、当該セットアップ項目601の設定条件を構成する設定項目602と、当該設定項目602に対して設定値として入力可能な選択値603と、当該設定項目602に対して予め登録される初期設定値604とが関連付けて記憶されている。
【0054】
ここで、前記セットアップ項目601は、例えば、コピー機能の用紙に対応する場合には、「コピーセットアップ」、ファクシミリ送受信機能に対応する場合には、「ファックスセットアップ」、省電力機能に対応する場合には、「エナジーセットアップ」が該当する。
【0055】
又、前記設定項目602は、例えば、対応するセットアップ項目601が前記「コピーセットアップ」である場合には、出力する用紙のサイズを示す「用紙サイズ」、出力する印字の色を示す「モノクロ/カラー」、出力する画像データの倍率を示す「拡大/縮小」が該当する。又、前記設定項目602は、例えば、対応するセットアップ項目601が前記「ファックスセットアップ」である場合には、ビープ音の音量を示す「音量」、予め登録される発信先を示す「発信先」が該当する。
【0056】
又、前記選択値603は、例えば、対応する設定項目602が前記「用紙サイズ」である場合には、「A4」、「A3」などが該当する。又、前記初期値604は、前記セットアップの時点では、何も記憶されておらず、後述の手順により、対応する選択値603のいずれかが記憶される。
【0057】
又、前記第二の初期設定条件テーブル605と、前記第三の初期設定条件テーブル606とは、図6(B)、図6(C)に示すように、前記第一の初期設定条件テーブル600と同様の項目である、前記セットアップ項目601と、前記設定項目602と、前記選択値603と、前記初期設定値604とが共通して関連付けて記憶される。尚、前記項目の内容は、その内容は、各複合機100a、100b毎の機能、種類などに応じて異なる場合があるものの、通常、殆ど同一である。
【0058】
さて、各複合機100、100a、100b毎の初期設定条件テーブル600、605、606を参照したセットアップ取得手段402は、当該初期設定条件テーブル600、605、606のセットアップ項目601、設定項目602、選択値603をそれぞれ取得し(図5:S103)、その旨をセットアップ表示受付手段401に通知する。当該通知を受けたセットアップ表示受付手段401は、前記取得した各複合機100、100a、100b毎の初期設定条件テーブル600、605、606のセットアップ項目601、設定項目602、選択値603に基づいて、各複合機100、100a、100b毎の初期設定条件を入力可能なセットアップ画面を、一の集約セットアップ画面に集約し、当該集約セットアップ画面をタッチパネル201上に表示する(図5:S104)。
【0059】
前記集約セットアップ画面700には、図7(A)に示すように、第一の複合機100のセットアップ画面701と、第二の複合機100aのセットアップ画面702と、第三の複合機100bのセットアップ画面703とが表示される。又、各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703には、対応するセットアップ項目キー704と、バックキー705とが押下可能に表示される。
【0060】
ここで、各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703は、各複合機100、100a、100b毎の操作部のタッチパネル201に表示される現実のセットアップ画面(以下、現実セットアップ画面とする)にそれぞれ対応し、例えば、前記セットアップ画面701、702、703内のキー(例えば、所定のセットアップ項目キー704)の押下により、当該キーに対応して初期設定条件を入力することが可能である。又、各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703の表示面積は、前記現実セットアップ画面の表示面積よりも所定倍率(例えば、4分の1)に縮小される。
【0061】
これにより、ユーザは、所定の複合機100の操作部102で、当該複合機100に接続されている全ての複合機100、100a、100bのセットアップ画面を確認することが可能となるため、各複合機100、100a、100b毎の操作部に赴き、当該操作部に現実セットアップ画面を表示させる必要が無くなり、前記セットアップ時における手間を解消することが可能となる。
【0062】
ところで、前記セットアップ表示受付手段401は、前記集約セットアップ画面700を表示する際に、当該集約セットアップ画面700内に、前記第一の複合機100及び当該第一の複合機100に接続された全ての複合機に対して初期設定条件を同時に登録(設定)可能とする同時設定キー706と、各複合機100、100a、100b毎に個別に初期設定条件を設定する個別設定キー707とを押下可能に表示する。
【0063】
ここで、前記個別設定キー707は、最初に押下されたキーとして予め設定され、当該個別設定キー707の背景色が、通常の色(例えば、白色)とは異なる色(例えば、グレー色)で変更表示される。
【0064】
これにより、ユーザは、現時点で、前記個別設定キー707が押下されていることを一見して確認することが可能となる。
【0065】
ここで、ユーザが、前記集約セットアップ画面700を見ながら、前記同時設定キー706を押下することなく(図5:S105NO)、所定の複合機(例えば、第一の複合機100)のセットアップ画面701のセットアップ項目キー705(例えば、「コピーセットアップ」キー)を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、当該「コピーセットアップ」キーの押下を受け付けて(図5:S106YES)、前記第一の複合機100のコピーセットアップ項目の設定項目(例えば、「用紙サイズ」、「モノクロ/カラー」、「縮小/拡大」など)に対応する初期設定条件を入力可能な初期設定条件入力画面を、当該第一の複合機100のセットアップ画面701の前面に表示する(図5:S107)。
【0066】
前記初期設定条件入力画面708には、図7(B)に示すように、前記第一の複合機100のコピーセットアップ項目に対応する複数の設定項目709と、各設定項目709毎に関連付けられた選択値キー710と、OKキー711とが表示される。ここで、前記選択値キー710は、対応する設定項目709の初期値の候補となる。これにより、ユーザは、各設定項目709毎の複数の選択値キー710のうち、所定の選択値キー710を押下することで、当該選択値に対応する初期値を入力することが可能となる。
【0067】
又、前記初期設定値入力画面708には、図7(B)に示すように、前記OKキー711から、前記個別設定キー707が押下された状態であることを示すメッセージ712(吹き出し)が表示される。これにより、ユーザは、各複合機100、100a、100b毎に個別にセットアップしていることを認識することが可能となる。
【0068】
さて、ユーザは、前記初期設定条件入力画面708を見ながら、所定の選択値キー710(例えば、「A4」キー、「モノクロ」キー、「100%」キーなど)を各設定項目709毎にそれぞれ押下し、前記OKキー711を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、各選択値キー710と当該OKキー711の押下を受け付けて(図5:S108YES)、その旨をセットアップ登録手段406に通知する。当該セットアップ登録手段406は、前記セットアップ表示受付手段401と通信し、前記同時設定キー706が押下されたか否かを判定する(図5:S109)。
【0069】
ここで、現時点では、上述の通り、前記同時設定キー706は押下されず、前記個別設定キー707が押下された状態である。そのため、前記セットアップ登録手段406は、前記同時設定キー706が押下されていないと判定し(図5:S109NO)、前記初期設定条件入力画面708に対応する第一の複合機100に、前記コピーセットアップ項目の各設定項目709毎の選択値(初期設定条件に対応)を初期値として登録する(図5:S110)。
【0070】
具体的には、前記セットアップ登録手段406が、前記第一の複合機100の初期設定条件テーブル600を参照し、当該初期設定条件テーブル600のコピーセットアップ項目601における設定項目602の初期値604に、先ほど押下された設定項目709の選択値を各設定項目602毎に記憶させる。これにより、前記第一の複合機100のコピーセットアップ項目601における各設定項目602毎の選択値が決定され、これらに対応する初期設定条件が登録される。
【0071】
尚、例えば、前記初期設定条件入力画面が、前記第二の複合機100a又は第三の複合機100bに対応している場合には、上述と同様に、前記セットアップ登録手段406が、当該第二の複合機100a又は第三の複合機100bの初期設定条件テーブル605、606のコピーセットアップ項目601における設定項目602の初期値604に、押下された選択値を各設定項目601毎に記憶させることになる。
【0072】
これにより、ユーザは、前記第二の複合機100a、前記第三の複合機100bが接続された第一の複合機100を利用して、当該第一の複合機100はもちろんのこと、当該第二の複合機100a、第三の複合機100bの初期設定条件を登録することが可能となる。そのため、ユーザは、各複合機100a、100b毎の操作部に赴き、初期設定条件の入力・登録作業を行う必要が無くなり、初期設定条件入力時におけるユーザの手間を解消することが可能となる。
【0073】
又、ユーザは、全ての複合機100、100a、100bが納品された会社等に、当該複合機100、100a、100bと接続される遠隔操作可能な遠隔操作専用装置(例えば、ノートパソコンなど)を持ち込む必要が無くなり、前記会社に対しては、セキュリティの強化、情報漏えいの防止を図ることが可能となる。
【0074】
さて、前記セットアップ登録手段406が、前記第一の複合機100に前記コピーセットアップ項目701の初期設定条件を記憶させると、その旨をセットアップ表示受付手段401に通知する。当該通知を受けたセットアップ表示受付手段401は、前記初期設定条件が入力されたコピーセットアップ項目を有する複合機のうち、当該コピーセットアップ項目に対して初期設定条件が未だに入力されていない複合機(以下、未入力複合機とする)を検索する(図5:S111)。
【0075】
前記検索の結果、前記未入力複合機(例えば、第二の複合機100a)が存在する場合に(図5:S111YES)、前記セットアップ表示受付手段401は、前記第一の複合機100の初期設定条件入力画面708を消去するとともに、S107に移行して、当該第二の複合機100aのコピーセットアップ項目701の初期設定条件入力画面を、当該第二の複合機100aのセットアップ画面702の前面に表示する(図5:S107)。
【0076】
このように、前記セットアップ表示受付手段401は、前記集約セットアップ画面700に表示された複数のセットアップ画面701、702、703のうち、各セットアップ画面毎に、ユーザから、所定の初期設定条件の入力を順々に(ウィザード形式でフォーカスして)受け付けるよう構成している。
【0077】
これにより、ユーザは、同一のセットアップ項目701の初期設定条件を各複合機100、100a、100b毎に連続して入力することが可能となるため、ユーザによる初期設定条件の入力忘れを防止することが可能となる。尚、後の処理については、同様であるため、割愛する。
【0078】
一方、前記検索の結果、前記コピーセットアップ項目を有する全ての複合機100、100a、100bに対して初期設定条件の入力が完了し、未入力複合機が存在しない場合に(図5:S111NO)、前記セットアップ表示受付手段401は、前記初期設定条件が入力完了したセットアップ項目701以外の他のセットアップ項目(以下、未入力セットアップ項目とする)が存在するか否かを検索する(図5:S112)。
【0079】
ここで、現時点では、前記セットアップ項目701のうち、前記コピーセットアップ項目のみ初期設定条件が入力され、他のセットアップ項目701(例えば、ファックスセットアップ項目、エナジーセットアップ項目)に対して初期設定条件が未だに入力されていない。そのため、前記セットアップ表示受付手段401は、前記未入力セットアップ項目が存在すると判定し(図5:S112NO)、直前に表示された初期設定条件入力画面を消去するとともに、S104に戻って、前記集約セットアップ画面700をタッチパネル201上に表示する(図5:S104)。これにより、ユーザに、所定のセットアップ画面701、702、703における未入力セットアップ項目キー(ファックスセットアップ項目キー、エナジーセットアップ項目キー)の押下を促し、当該未入力セットアップ項目の初期設定条件の入力を連続して行なわせることが可能となる。尚、後の処理については、同様であるため、割愛する。
【0080】
ところで、S105において、ユーザが、前記同時設定キー706を押下した後に、所定の複合機のセットアップ画面を介して所定のセットアップ項目に対する初期設定条件を入力した場合には、以下のようになる。
【0081】
即ち、S105において、ユーザが、前記同時設定キー706を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401が、当該同時設定キー706の押下を受け付け(図5:S113)、当該同時設定キー706の背景色をグレー色に、前記個別設定キー707の背景色を白色に、それぞれ変更する。これにより、前記同時設定が受け付けられる。
【0082】
次に、ユーザが、前記集約セットアップ画面700を見ながら、所定の複合機(例えば、第一の複合機100)のセットアップ画面701のセットアップ項目キー704(例えば、コピーセットアップ項目キー)を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、当該コピーセットアップ項目キー704の押下を受け付けて、上述と同様に、当該コピーセットアップ項目704の初期設定条件入力画面708を、当該第一の複合機100のセットアップ画面701の前面に表示する(図5:S107)。
【0083】
ここで、前記初期設定条件入力画面800には、図8(A)に示すように、前記個別設定キー707が押下された状態における初期設定条件入力画面708と同様に、前記設定項目709と、前記選択値キー710と、前記OKキー711とが表示されるとともに、前記OKキー711から前記同時設定キー707が押下された状態であることを示すメッセージ801(吹き出し)が表示される。これにより、ユーザは、全ての複合機100、100a、100bに対して同時にセットアップしようとしていることを認識することが可能となる。
【0084】
さて、ユーザが、前記初期設定条件入力画面800を見ながら、上述と同様に、所定の選択値キー710を各設定項目709毎にそれぞれ押下し、前記OKキー711を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、各選択値キー710と当該OKキー711の押下を受け付けて(図5:S108YES)、その旨をセットアップ登録手段406に通知する。当該セットアップ登録手段406は、前記セットアップ表示受付手段401と通信し、前記同時設定キー706が押下されたか否かを判定する(図5:S109)。
【0085】
ここで、現時点では、上述の通り、前記同時設定キー706が押下された状態である。そのため、前記セットアップ登録手段406は、前記同時設定キー706が押下されていると判定し(図5:109YES)、前記初期設定条件入力画面708に対応する第一の複合機100に、前記コピーセットアップ項目の各設定項目709毎の選択値を初期値として登録するとともに、当該第一の複合機100に接続された他の全ての複合機(第二の複合機100a、第三の複合機100b)に、前記選択値と同一の選択値を初期値として登録する(図5:S114)。
【0086】
これにより、所定の複合機100のセットアップ画面701を介して入力された所定のセットアップ項目における初期設定条件と同一の初期設定条件を、接続された他の全ての複合機100a、100bに登録することが可能となる。そのため、ユーザは、他の複合機100a、100bに対して、前記複合機100にした同様のキー操作をする必要が無くなり、著しくセットアップの手間を解消することが可能となる。
【0087】
尚、例えば、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記同一のセットアップ項目が存在しない場合、又は/及び、当該同一のセットアップ項目が存在しても、前記第一の複合機100のセットアップ項目に属する設定項目と同一の設定項目が存在しない場合には、前記セットアップ登録手段406は、当該第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記第一の複合機100に登録した初期設定条件と同一の初期設定条件を登録することが出来ない。そのため、この場合には、前記セットアップ登録手段406は、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに対して前記初期設定条件の登録を禁止することになる。この場合は、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに対しては、各セットアップ画面を介して個別に初期設定条件が、ユーザにより入力され、登録されることになる。
【0088】
ここで、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記第一の複合機100に入力した初期設定条件のセットアップ項目と同一のセットアップ項目が存在するか否かを判定する方法は、どのような方法でも構わない。例えば、前記セットアップ登録手段406が、前記第二の複合機100aと、前記第三の複合機100bとに、前記初期設定条件を登録する際に、当該第二の複合機100a、当該第三の複合機100bに対応するセットアップ項目に、前記第一の複合機100に入力された初期設定条件のセットアップ項目と一致するセットアップ項目が存在するか否か判定することによってなされる。
【0089】
又、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記第一の複合機100のセットアップ項目に属する設定項目と同一の設定項目が存在するか否かを判定する方法も、どのような方法でも構わない。例えば、前記セットアップ登録手段406が、前記第二の複合機100a又は/及び前記第三の複合機100bに対応するセットアップ項目に、前記第一の複合機100に入力された初期設定条件のセットアップ項目と一致するセットアップ項目が存在する場合に、当該第二の複合機100a又は/及び当該第三の複合機100bのセットアップ項目の設定項目に、前記初期設定条件のセットアップ項目における設定項目と一致する設定項目が存在するか否か判定することによってなされる。
【0090】
ところで、前記セットアップ登録手段406が、前記第一の複合機100に入力された前記コピーセットアップ項目701における初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記第二の複合機100a及び第三の複合機100bに登録すると、その旨を前記セットアップ表示受付手段401に通知し、当該通知を受けたセットアップ表示受付手段401は、S112へ移行して、前記未入力セットアップ項目が存在するか否かを検索する(図5:S112)。
【0091】
ここで、例えば、前記未入力セットアップ項目が存在する場合には(図5:S112NO)、上述のように、S105に移行することになるが、ユーザが、各セットアップ項目毎の初期設定条件の入力を繰り返した結果、全ての複合機100、100a、100bにおける全てのセットアップ項目701に対して所定の初期設定条件が入力完了した場合は、前記セットアップ表示受付手段401が、前記他のセットアップ項目が存在しない、つまり、前記セットアップが完了したと判定し(図5:S112YES)、全ての処理を終了する。これにより、ユーザは、各複合機100、100a、100b毎のセットアップを漏れなく完了することが可能となる。
【0092】
このように、本発明に係る第一の複合機100は、ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、第一の複合機100の初期設定条件を構成する項目(セットアップ項目601、設定項目602、選択値603)と、当該第一の複合機100に接続された他の複合機100a、100bの初期設定条件を構成する項目(セットアップ項目601、設定項目602、選択値603)とを取得するセットアップ取得手段を備える。又、前記第一の複合機100は、前記取得された各複合機100、100a、100b毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703を一の集約セットアップ画面700に集約して表示するセットアップ表示受付手段401を備える。更に、前記第一の複合機100は、ユーザにより、前記集約セットアップ画面700のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する複合機に登録するセットアップ登録手段406を備える。
【0093】
これにより、ユーザは、前記第二の複合機100a、前記第三の複合機100bが接続された第一の複合機100を利用して、当該第一の複合機100はもちろんのこと、当該第二の複合機100a、第三の複合機100bの初期設定条件を登録することが可能となる。そのため、ユーザは、各複合機100a、100b毎の操作部に赴き、初期設定条件の入力・登録作業を行う必要が無くなり、初期設定条件入力時におけるユーザの手間を解消することが可能となる。
【0094】
又、ユーザは、全ての複合機100、100a、100bが納品された会社等に、当該複合機100、100a、100bと接続される遠隔操作可能な遠隔操作専用装置(例えば、ノートパソコンなど)を持ち込む必要が無くなり、前記会社に対しては、セキュリティの強化、情報漏えいの防止を図ることが可能となる。
【0095】
尚、本発明の実施形態に係る初期設定条件入力画面では、同一画面上に、所定のセットアップ項目に属する複数の設定項目と、各設定項目毎に関連付けられた選択値キーとを表示するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記初期設定条件入力画面で、所定のセットアップ項目に属する複数の設定項目のうち、各設定項目毎に、ユーザから、所定の選択値キーの入力を順々に(ウィザード形式で)受け付けるよう構成しても構わない。
【0096】
又、本発明の実施形態に係るセットアップ登録手段406では、所定の初期設定条件が入力された複合機に接続された他の全ての複合機に、当該初期設定条件と同一の初期設定条件を登録する際に、前記他の全ての複合機に、前記入力された初期設定条件のセットアップ項目と同一のセットアップ項目が存在するか否か、当該セットアップ項目に属する設定項目と同一の設定項目が存在するか否かを判定するよう構成したが、他の構成でも構わない。
【0097】
例えば、図8(B)に示すように、所定のセットアップ項目803と、当該セットアップ項目803に属する設定項目804と、当該設定項目804に対して他の複合機に入力された初期設定条件(選択値)を同時に登録することが可能か否かの可否情報805とが関連付けられた同時設定可否テーブル802を予め用意する。前記可否情報805は、例えば、可能を示す「1」、不可を示す「0」が関連付けて記憶される。次に、前記セットアップ表示受付手段401が、ユーザにより前記同時設定キーが押下された場合に、前記同時設定可否テーブル802を参照し、当該同時設定可否テーブルのセットアップ項目803と、現時点で、初期設定条件が入力され得るセットアップ項目とを照合し、当該照合したセットアップ項目に対応する各設定項目毎の可否情報を参照する。前記参照の結果、所定のセットアップ項目(例えば、コピーセットアップ項目)における各設定項目毎の可否情報が、全て、前記可能を示す「1」であれば、前記セットアップ表示受付手段401が、前記同時設定キーの押下を許可し、当該同時設定キーの背景色を変更する。一方、前記参照の結果、所定のセットアップ項目(例えば、ファクシミリセットアップ項目)における各設定項目毎の可否情報のうち、所定の設定項目(例えば、発信先)に、前記不可を示す「0」が存在する場合、前記セットアップ表示受付手段401が、前記同時設定キーの押下を不許可とし、当該同時設定キーの背景色を変更しない、つまり、前記個別設定キーが押下されたままの状態とする。これにより、ユーザが初期設定条件を入力する前に、同時設定可能か否かを知らせることが可能となる。
【0098】
又、本発明の実施形態に係るセットアップ表示受付手段401(セットアップ取得手段402)が、前記操作部102に予め備えられたセットアップキー210の押下により、所定の初期設定条件の入力開始指示の入力を受け付けるよう構成しているが、他の構成でも構わない。例えば、所定のキーの組み合わせの押下や、前記第一の複合機100に、前記第二の複合機100a又は前記第三の複合機100bが接続されることの検知により、前記入力開始指示が入力されるよう構成しても構わない。
【0099】
又、本発明の実施形態に係るセットアップ登録手段406は、ユーザにより、前記同時設定キー706が押下された後に、前記セットアップ画面701を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての複合機100、100a、100bに登録するよう構成したが、他の構成でも構わない。即ち、前記セットアップ登録手段406は、ユーザにより、前記同時設定キー706が押下されると、前記初期設定条件が入力された後(設定後)であっても、前記セットアップ画面701を介して入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての複合機100、100a、100bに登録するよう構成しても構わない。具体的には、ユーザが、前記セットアップ画面701を介して、所定の初期設定条件を入力した後に、前記集約セットアップ画面700の同時設定キー706を押下すると、前記セットアップ登録手段406が、前記セットアップ画面701に対応する複合機(例えば、第一の複合機100)に、前記初期設定条件である各設定項目毎の選択値を初期値として登録するとともに、当該第一の複合機100に接続された他の全ての複合機(第二の複合機100a、第三の複合機100b)に、前記選択値と同一の選択値を初期値として登録する。
【0100】
これにより、前記セットアップ画面701を介して所定の初期設定条件を入力していたユーザが、後から、全ての複合機100、100a、100bに同一の初期設定条件を入力したいと希望した場合に、前記同時設定キー706を押下することで、当該初期設定条件を、他の全ての複合機100a、100bに反映させることが可能となる。
【0101】
又、本発明の実施形態に係る複合機100、100a、100bでは、複合機100のコピー機能、ファクシミリ送信機能、エナジー機能(省電力機能)のセットアップに関して採用したが、例えば、電子メール送受信機能、スキャン機能、ファイルボックス機能、プリント機能等に対しても採用出来る。
【0102】
又、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように、本発明に係る画像処理装置及びセットアップ方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能な画像処理装置及びセットアップ方法として有効である。
【符号の説明】
【0104】
100 複合機
102 操作部
401 セットアップ表示受付手段
402 セットアップ取得手段
403 第一の複合機の初期設定条件記憶手段
404 第二の複合機の初期設定条件記憶手段
405 第三の複合機の初期設定条件記憶手段
406 セットアップ登録手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びセットアップ方法に関し、詳しくは、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能な画像処理装置及びセットアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の入出力を行う画像処理装置として、いわゆるマルチファンクションデジタル複写機が知られている。このマルチファンクションデジタル複写機は、紙などに記録されている原稿画像を読み取るスキャナ、読み取った画像、あるいはホストコンピュータから送られてくる画像を紙などのメディアに出力するプリンタ、これらスキャナおよびプリンタの動作を制御したり、あるいは種々の画像処理を行うデバイスコントローラ、機器の操作を使用者に提供したりする操作部、画像データや処理プログラムを一時的あるいは恒久的に記憶するメモリおよびハードディスク等から構成される。
【0003】
上記構成を有するマルチファンクションデジタル複写機では、単に原稿画像を複写するだけでなく、原稿画像に種々の画像処理を施して複写することも可能である。例えば、原稿の白黒を反転させるネガポジ反転処理、原稿の一部のみを複写するトリミング処理、複数の原稿を縮小して1枚の出力用紙上に合成する縮小レイアウト処理などの多様な処理を行うことが出来る。
【0004】
又、原稿の複写以外にスキャナで読み込んだ画像データをLAN(ネットワーク)経由でホストコンピュータに転送したり、逆にホストコンピュータ上においてワープロなどで作成した文書を、プリンタでプリント出力させたりすることも可能である。又、原稿画像を遠隔地のファクシミリ装置に送信するファクシミリ送信機能を有していることが一般的である。
【0005】
このような装置では、電源のON/OFF管理が、ハードスイッチやソフトスイッチによる人為的なON/OFF制御、あるいはタイマ設定によるカウントダウン方式のオートシャットダウン制御などによって、一般的に行われていた。
【0006】
しかしながら、上述のようにLAN経由でプリントジョブの管理を行っているにも関わらず、LAN経由で装置自体の制御や管理を行っていないという問題がある。即ち、LAN上に存在するにもかかわらず、タイマ設定で時限的に電源をOFF/ONしたり、課金カード等により管理・制御したりする程度であり、当該LAN経由によるマルチファンクションデジタル複写機の電源のON/OFF制御、スリープ制御、あるいは不正使用や機密漏洩の管理等を行っていないという問題があった。更に、このような装置が複数台接続されている場合、それらを1ヶ所で集中管理して制御することを行っておらず、一括管理をしていないという問題があった。
【0007】
このような問題を解決する技術として、特開2004−56258号公報(特許文献1)には、ネットワークに接続された複数の画像処理装置を管理する遠隔制御システムが開示されている。前記遠隔制御システムは、前記ネットワークに接続された機器のいずれかを端末とし、該端末の表示画面上に、前記複数の画像処理装置を管理するための管理画面を表示する画面表示手段と、該表示された管理画面上で、前記画像処理装置に関する設定を行う画面設定手段とを備える。そして、前記遠隔制御システムは、前記管理画面上の設定にしたがって、前記ネットワーク経由で、指定された前記画像処理装置の設定を変更する装置変更手段を備えている。これにより、ネットワーク経由で電源のON/OFF制御、スリープ制御、あるいは不正使用や機密漏洩の管理など、画像処理装置の遠隔制御を集中的に行うことが出来るとしている。
【0008】
又、特開2005−18607号公報(特許文献2)には、通信ネットワークを介して接続される複数の画像処理装置を操作するリモート操作装置が開示されている。前記リモート操作装置は、前記複数の画像処理装置と通信ネットワークを介して通信する通信部と、前記画像処理装置を操作する操作画面を画像処理装置毎に複数表示する表示部とを備える。又、前記リモート操作装置は、前記表示部に表示された複数の操作画面を介して画像処理装置毎に入力される操作情報を受け付ける入力部と、前記操作画面を介して入力された操作情報を、前記通信部を制御して、対応する画像処理装置に送信させる制御手段とを備える。これにより、通信ネットワークを介して接続される複数の画像処理装置を同一の画面においてリモート操作することが出来て、複数の画像処理装置毎に、操作画面を切り替える手間を必要とせずに、効率良く画像処理装置を管理することが出来るとしている。
【0009】
又、特開2008−40190号公報(特許文献3)には、入力される複数の映像または画像信号を切り替えて1台の表示装置に画面表示する映像切り替え機を備えた映像切り替えシステムが開示されている。前記映像切り替え機は、複数の映像または画像信号を入力する手段と、入力した各映像または画像信号を前記表示装置に画面表示する手段と、表示画面に対するマウス入力を行う手段とを備える。又、前記映像切り替え機は、表示画面に対するキーボード入力を行う手段と、前記表示装置の表示画面領域を複数エリアに分割する手段と、各表示画面領域に複数の映像または画像信号を分割表示する手段と、前記分割画面領域に対するキーボードまたはマウス入力を有効とする画面領域を画面上のマウスカーソルの移動で切り替える手段とを備える。これにより、1台の表示装置上で複数の映像(画像)を同時に表示することができ、映像切り替えを繰り返す操作が不要になって、使い勝手を向上させることが出来るとしている。又、前記表示装置上の映像(画像)の切り替え操作および入力有効映像(画像)の操作にはマウス操作で済み、切り替え操作を迅速、容易にして、作業効率を高めることが出来るとしている。
【0010】
又、特開2009−225316号公報(特許文献4)には、情報処理装置からネットワークを介して画像処理装置を遠隔操作する遠隔操作システムが開示されている。前記情報処理装置は、遠隔操作の要求を前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段により遠隔操作の要求を受信した場合、遠隔操作対象の画像処理装置の設定値を変更するための遠隔操作情報を前記ネットワークを介して前記画像処理装置に発行する発行手段とを備えている。又、前記画像処理装置は、遠隔操作の要求を前記ネットワークを介して前記情報処理装置に送信する送信手段と、前記ネットワークを介して前記情報処理装置から遠隔操作情報を受信し、該遠隔操作情報に基づき設定値の変更を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された設定値の変更の内容に応じて、設定値の変更を許可するか否かを問い合わせる画面を表示するか否かを決定する決定手段とを備えている。これにより、前記画像処理装置のユーザは遠隔からの設定値変更に不安を持つことなく対応することが可能となるとしている。又、これに伴い、ユーザが画面を介して設定値の変更を視覚的に確認してから、前記画像処理装置に対して設定値を反映させることが可能となり、当該画像処理装置のユーザに対するサービス性の向上を図ることが可能となると共に、ユーザ及びサービス員にかかる負担を軽減することが可能となるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−56258号公報
【特許文献2】特開2005−18607号公報
【特許文献3】特開2008−40190号公報
【特許文献4】特開2009−225316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記特許文献1−4に記載の発明では、画像処理装置(画像形成装置)とは別の装置、例えば、パソコン、リモート操作装置、映像切り替え機、情報処理装置などで遠隔操作専用の装置を必要とする。
【0013】
ところで、サービスマンなどのユーザが、所定の会社や事務所に複数の画像処理装置を納品する場合に、各画像処理装置毎に初期設定条件を入力してセットアップする必要がある。ここで、前記ユーザが、前記セットアップに前記遠隔操作専用の装置を利用すると、当該セットアップに要する時間を著しく短縮することが出来るものの、近年のセキュリティ重視、情報漏えい防止の観点から、納品対象の画像処理装置以外の装置、例えば、ノートパソコンなどを含む遠隔操作専用の装置は、前記会社や事務所に一切持ち込めないという実情がある。そのため、前記特許文献1−4に記載の発明は、殆ど利用することが出来ないという問題がある。
【0014】
一方、複数の画像処理装置を納入する場合に、各画像処理装置毎に入力する初期設定条件のうち、所定の設定項目については、殆ど同等の設定値であるという実情がある。そのため、所定の画像処理装置に入力した初期設定条件を利用して、当該初期設定条件と同等の初期設定条件を、他の画像処理装置に入力することが出来れば、前記セットアップに要する時間を著しく短縮することが出来る可能性がある。
【0015】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能な画像処理装置及びセットアップ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、他の画像処理装置に接続された画像処理装置を前提とし、以下の構成を採用する。
【0017】
即ち、前記画像処理装置は、ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得手段を備える。又、前記画像処理装置は、前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付手段を備える。そして、前記画像処理装置は、ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録手段を備える。
【0018】
これにより、ユーザは、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該画像処理装置はもちろんのこと、当該他の画像処理装置の初期設定条件を登録することが可能となる。そのため、ユーザは、各画像処理装置毎の操作部に赴き、初期設定条件の入力・登録作業を行う必要が無くなり、初期設定条件入力時におけるユーザの手間を解消することが可能となる。又、ユーザは、全ての前記画像処理装置が納品された会社等に、当該画像処理装置と接続される遠隔操作可能な遠隔操作専用装置、例えば、ノートパソコンなどを持ち込む必要が無くなり、セキュリティの強化、情報漏えいの防止を図ることが可能となる。
【0019】
又、前記セットアップ表示受付手段は、前記自装置及び他の画像形成装置を含む全ての画像形成装置に対して初期設定条件を同時に登録するための同時設定キーを、前記集約セットアップ画面に押下可能に表示する。又、前記セットアップ登録手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記セットアップ画面を介して入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録するよう構成することが出来る。
【0020】
又、前記セットアップ登録手段は、自装置に入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録する際に、所定の画像形成装置に、当該初期設定条件を登録することが出来ない場合、当該登録を禁止するよう構成することが出来る。
【0021】
又、前記セットアップ表示受付手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記集約セットアップ画面において当該同時設定キーが押下されたことを示すメッセージを表示するよう構成することが出来る。
【0022】
又、前記セットアップ表示受付手段は、前記集約セットアップ画面に表示された複数のセットアップ画面のうち、各セットアップ画面毎に、ユーザから、所定の初期設定条件の入力を順々に受け付けるよう構成することが出来る。
【0023】
尚、本発明は、他の画像処理装置に接続された画像処理装置のセットアップ方法として提供することが出来る。
【0024】
即ち、前記セットアップ方法は、ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得ステップを備える。又、前記セットアップ方法は、前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付ステップを備える。更に、前記セットアップ方法は、ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録ステップを備える。前記構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0025】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することが出来る。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することも出来る。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る画像処理装置及びセットアップ方法によれば、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における複合機及び操作部の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る第一の初期設定条件テーブルの一例を示す図(図6(A))と、第二の初期設定条件テーブルの一例を示す図(図6(B))と、第三の初期設定条件テーブルの一例を示す図(図6(C))とである。
【図7】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された集約セットアップ画面の一例を示す図(図7(A))と、本発明の実施形態の個別設定における初期設定条件入力画面の一例を示す図(図7(B))である。
【図8】本発明の実施形態の同時設定における初期設定条件入力画面の一例を示す図(図8(A))と、本発明の実施形態に係る同時設定可否テーブルの一例を示す図(図8(B))とである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る画像処理装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0029】
<画像処理装置>
以下に、本発明の実施形態に係る画像処理装置について説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像処理装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像処理装置として機能する。以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0031】
先ず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、コピー機能の設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピー機能に関連する操作画面(初期画面など)が表示され、所定の設定値の入力が可能となる。又、前記操作部102では、前記複合機100が最初に所定の場所(会社、事務所など)に納品された場合に、当該複合機100に予め記憶させる初期設定条件を入力することが可能である(セットアップとも言う)。
【0032】
さて、ユーザが、前記操作画面を介して、コピー機能に関連する設定条件を入力し、前記操作部102に設けられたスタートキーを押下すると、前記複合機100が、コピー機能の処理を開始する。
【0033】
前記複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103における光源104を起動して発光させることで、当該光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
【0034】
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
【0035】
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
【0036】
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
【0037】
前記搬送路に引き出されたシートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。
【0038】
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置120に備えられた加熱ローラ121と加圧ローラ122の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ121の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置120を経て排紙トレイ123へ排紙され、積載、収容される。
【0039】
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
【0040】
尚、所定の宛先に所定の画像データを送信する機能、例えば、ファクシミリ送信機能や電子メール送信機能は、前記撮像素子108に接続された通信部20によりユーザに提供される。前記通信部20は、前記操作部102から入力された宛先(例えば、ファクシミリ番号、電子メールアドレスなど)と前記画像データとを用い、ネットワーク30を介して前記宛先に前記画像データを送信したり、前記ネットワーク30から所定の画像データを受信したりする。
【0041】
又、前記複合機100には、所定の通信ケーブル124(例えば、USBケーブル)又は前記ネットワーク30を介して、他の複合機100a、100bと接続可能であり、例えば、サービスマンなどのユーザが各複合機毎に初期設定条件を入力する場合に(セットアップ)、全ての複合機を相互に接続して、前記操作部102を介して、各複合機毎の初期設定条件を入力することが可能である(後述する)。
【0042】
図2は、本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のようなコピー機能に関連する設定条件を入力したり、初期設定条件を入力したり、入力された設定条件又は初期設定条件を確認したりする。前記設定条件又は前記初期設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
【0043】
前記タッチパネル201には、前記設定条件又は前記初期設定条件を入力する機能と当該設定条件又は当該初期設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。即ち、タッチパネル201上に表示された画面内のキーを押下することによって、押下されたキーに対応する設定値が、所定の設定項目の設定値として入力される。
【0044】
タッチパネル201の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(図示せず)が設けられており、当該表示部が、例えば、前記初期画面等の操作画面を表示する。タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下に設けられたセンサーが接触先を検知する。
【0045】
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209、初期設定条件を入力可能なセットアップ画面を表示するためのセットアップキー210が備えられている。
【0046】
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0047】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、通信インターフェイス306(例えば、USBポートなど)を内部バス307によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305、前記操作部102、前記通信インターフェイス306に接続された他の複合機100a、100bからのデータなどを授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記CPU301は、前記他の複合機100a、100bからのデータに基づいて前記操作部102に所定のセットアップ画面を表示したり、ユーザにより入力された各設定項目毎の設定値を他の複合機100a、100bに送信したりする。前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。又、前記ROM302、前記HDD304には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0048】
尚、前記他の複合機100a、100bには、前記複合機100の制御回路と同等の制御回路を備えており、上述した制御や処理を実行する。
【0049】
<本発明の実施形態>
次に、図4、図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0050】
まず、サービスマンなどのユーザが、所定の会社に、所定数(例えば、3つ)の複合機(例えば、第一の複合機100、第二の複合機100a、第三の複合機100b)を納入し、所定数の通信ケーブル124(例えば、USBケーブル)を用いて、第一の複合機100に第二の複合機100aと第三の複合機100bとを接続する(図5:S101)。
【0051】
例えば、ユーザが、第一のUSBケーブル124の一端を第一の複合機100のUSBポートに接続するとともに、当該第一のUSBケーブル124の他端を第二の複合機100aのUSBポートに接続する。これにより、第一の複合機100に、第二の複合機100aが接続される。尚、前記第三の複合機100bも同様である。
【0052】
次に、ユーザが、各複合機100、100a、100b毎に電源を投入し、各複合機100、100a、100b毎に初期設定条件を入力し、登録する(セットアップする)ために、所定の複合機(例えば、第一の複合機100)の操作部102のセットアップキー210を押下すると、当該第一の複合機100のセットアップ表示受付手段401が、当該セットアップキー210の押下を受け付けて(図5:S102YES)、その旨をセットアップ取得手段402に通知する。当該通知を受けたセットアップ取得手段402は、第一の複合機100の初期設定条件記憶手段403に記憶された第一の初期設定条件テーブルを参照する。更に、前記セットアップ取得手段402は、前記USBポート及び前記USBケーブル124を介して、現時点で、前記第一の複合機100と接続されている第二の複合機100aの初期設定条件記憶手段404に記憶された第二の初期設定条件テーブルと、第三の複合機100bの初期設定条件記憶手段405に記憶された第三の初期設定条件テーブルとを参照する。
【0053】
前記第一の初期設定条件テーブル600には、図6(A)に示すように、第一の複合機100が提供可能な機能に対応するセットアップ項目601と、当該セットアップ項目601の設定条件を構成する設定項目602と、当該設定項目602に対して設定値として入力可能な選択値603と、当該設定項目602に対して予め登録される初期設定値604とが関連付けて記憶されている。
【0054】
ここで、前記セットアップ項目601は、例えば、コピー機能の用紙に対応する場合には、「コピーセットアップ」、ファクシミリ送受信機能に対応する場合には、「ファックスセットアップ」、省電力機能に対応する場合には、「エナジーセットアップ」が該当する。
【0055】
又、前記設定項目602は、例えば、対応するセットアップ項目601が前記「コピーセットアップ」である場合には、出力する用紙のサイズを示す「用紙サイズ」、出力する印字の色を示す「モノクロ/カラー」、出力する画像データの倍率を示す「拡大/縮小」が該当する。又、前記設定項目602は、例えば、対応するセットアップ項目601が前記「ファックスセットアップ」である場合には、ビープ音の音量を示す「音量」、予め登録される発信先を示す「発信先」が該当する。
【0056】
又、前記選択値603は、例えば、対応する設定項目602が前記「用紙サイズ」である場合には、「A4」、「A3」などが該当する。又、前記初期値604は、前記セットアップの時点では、何も記憶されておらず、後述の手順により、対応する選択値603のいずれかが記憶される。
【0057】
又、前記第二の初期設定条件テーブル605と、前記第三の初期設定条件テーブル606とは、図6(B)、図6(C)に示すように、前記第一の初期設定条件テーブル600と同様の項目である、前記セットアップ項目601と、前記設定項目602と、前記選択値603と、前記初期設定値604とが共通して関連付けて記憶される。尚、前記項目の内容は、その内容は、各複合機100a、100b毎の機能、種類などに応じて異なる場合があるものの、通常、殆ど同一である。
【0058】
さて、各複合機100、100a、100b毎の初期設定条件テーブル600、605、606を参照したセットアップ取得手段402は、当該初期設定条件テーブル600、605、606のセットアップ項目601、設定項目602、選択値603をそれぞれ取得し(図5:S103)、その旨をセットアップ表示受付手段401に通知する。当該通知を受けたセットアップ表示受付手段401は、前記取得した各複合機100、100a、100b毎の初期設定条件テーブル600、605、606のセットアップ項目601、設定項目602、選択値603に基づいて、各複合機100、100a、100b毎の初期設定条件を入力可能なセットアップ画面を、一の集約セットアップ画面に集約し、当該集約セットアップ画面をタッチパネル201上に表示する(図5:S104)。
【0059】
前記集約セットアップ画面700には、図7(A)に示すように、第一の複合機100のセットアップ画面701と、第二の複合機100aのセットアップ画面702と、第三の複合機100bのセットアップ画面703とが表示される。又、各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703には、対応するセットアップ項目キー704と、バックキー705とが押下可能に表示される。
【0060】
ここで、各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703は、各複合機100、100a、100b毎の操作部のタッチパネル201に表示される現実のセットアップ画面(以下、現実セットアップ画面とする)にそれぞれ対応し、例えば、前記セットアップ画面701、702、703内のキー(例えば、所定のセットアップ項目キー704)の押下により、当該キーに対応して初期設定条件を入力することが可能である。又、各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703の表示面積は、前記現実セットアップ画面の表示面積よりも所定倍率(例えば、4分の1)に縮小される。
【0061】
これにより、ユーザは、所定の複合機100の操作部102で、当該複合機100に接続されている全ての複合機100、100a、100bのセットアップ画面を確認することが可能となるため、各複合機100、100a、100b毎の操作部に赴き、当該操作部に現実セットアップ画面を表示させる必要が無くなり、前記セットアップ時における手間を解消することが可能となる。
【0062】
ところで、前記セットアップ表示受付手段401は、前記集約セットアップ画面700を表示する際に、当該集約セットアップ画面700内に、前記第一の複合機100及び当該第一の複合機100に接続された全ての複合機に対して初期設定条件を同時に登録(設定)可能とする同時設定キー706と、各複合機100、100a、100b毎に個別に初期設定条件を設定する個別設定キー707とを押下可能に表示する。
【0063】
ここで、前記個別設定キー707は、最初に押下されたキーとして予め設定され、当該個別設定キー707の背景色が、通常の色(例えば、白色)とは異なる色(例えば、グレー色)で変更表示される。
【0064】
これにより、ユーザは、現時点で、前記個別設定キー707が押下されていることを一見して確認することが可能となる。
【0065】
ここで、ユーザが、前記集約セットアップ画面700を見ながら、前記同時設定キー706を押下することなく(図5:S105NO)、所定の複合機(例えば、第一の複合機100)のセットアップ画面701のセットアップ項目キー705(例えば、「コピーセットアップ」キー)を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、当該「コピーセットアップ」キーの押下を受け付けて(図5:S106YES)、前記第一の複合機100のコピーセットアップ項目の設定項目(例えば、「用紙サイズ」、「モノクロ/カラー」、「縮小/拡大」など)に対応する初期設定条件を入力可能な初期設定条件入力画面を、当該第一の複合機100のセットアップ画面701の前面に表示する(図5:S107)。
【0066】
前記初期設定条件入力画面708には、図7(B)に示すように、前記第一の複合機100のコピーセットアップ項目に対応する複数の設定項目709と、各設定項目709毎に関連付けられた選択値キー710と、OKキー711とが表示される。ここで、前記選択値キー710は、対応する設定項目709の初期値の候補となる。これにより、ユーザは、各設定項目709毎の複数の選択値キー710のうち、所定の選択値キー710を押下することで、当該選択値に対応する初期値を入力することが可能となる。
【0067】
又、前記初期設定値入力画面708には、図7(B)に示すように、前記OKキー711から、前記個別設定キー707が押下された状態であることを示すメッセージ712(吹き出し)が表示される。これにより、ユーザは、各複合機100、100a、100b毎に個別にセットアップしていることを認識することが可能となる。
【0068】
さて、ユーザは、前記初期設定条件入力画面708を見ながら、所定の選択値キー710(例えば、「A4」キー、「モノクロ」キー、「100%」キーなど)を各設定項目709毎にそれぞれ押下し、前記OKキー711を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、各選択値キー710と当該OKキー711の押下を受け付けて(図5:S108YES)、その旨をセットアップ登録手段406に通知する。当該セットアップ登録手段406は、前記セットアップ表示受付手段401と通信し、前記同時設定キー706が押下されたか否かを判定する(図5:S109)。
【0069】
ここで、現時点では、上述の通り、前記同時設定キー706は押下されず、前記個別設定キー707が押下された状態である。そのため、前記セットアップ登録手段406は、前記同時設定キー706が押下されていないと判定し(図5:S109NO)、前記初期設定条件入力画面708に対応する第一の複合機100に、前記コピーセットアップ項目の各設定項目709毎の選択値(初期設定条件に対応)を初期値として登録する(図5:S110)。
【0070】
具体的には、前記セットアップ登録手段406が、前記第一の複合機100の初期設定条件テーブル600を参照し、当該初期設定条件テーブル600のコピーセットアップ項目601における設定項目602の初期値604に、先ほど押下された設定項目709の選択値を各設定項目602毎に記憶させる。これにより、前記第一の複合機100のコピーセットアップ項目601における各設定項目602毎の選択値が決定され、これらに対応する初期設定条件が登録される。
【0071】
尚、例えば、前記初期設定条件入力画面が、前記第二の複合機100a又は第三の複合機100bに対応している場合には、上述と同様に、前記セットアップ登録手段406が、当該第二の複合機100a又は第三の複合機100bの初期設定条件テーブル605、606のコピーセットアップ項目601における設定項目602の初期値604に、押下された選択値を各設定項目601毎に記憶させることになる。
【0072】
これにより、ユーザは、前記第二の複合機100a、前記第三の複合機100bが接続された第一の複合機100を利用して、当該第一の複合機100はもちろんのこと、当該第二の複合機100a、第三の複合機100bの初期設定条件を登録することが可能となる。そのため、ユーザは、各複合機100a、100b毎の操作部に赴き、初期設定条件の入力・登録作業を行う必要が無くなり、初期設定条件入力時におけるユーザの手間を解消することが可能となる。
【0073】
又、ユーザは、全ての複合機100、100a、100bが納品された会社等に、当該複合機100、100a、100bと接続される遠隔操作可能な遠隔操作専用装置(例えば、ノートパソコンなど)を持ち込む必要が無くなり、前記会社に対しては、セキュリティの強化、情報漏えいの防止を図ることが可能となる。
【0074】
さて、前記セットアップ登録手段406が、前記第一の複合機100に前記コピーセットアップ項目701の初期設定条件を記憶させると、その旨をセットアップ表示受付手段401に通知する。当該通知を受けたセットアップ表示受付手段401は、前記初期設定条件が入力されたコピーセットアップ項目を有する複合機のうち、当該コピーセットアップ項目に対して初期設定条件が未だに入力されていない複合機(以下、未入力複合機とする)を検索する(図5:S111)。
【0075】
前記検索の結果、前記未入力複合機(例えば、第二の複合機100a)が存在する場合に(図5:S111YES)、前記セットアップ表示受付手段401は、前記第一の複合機100の初期設定条件入力画面708を消去するとともに、S107に移行して、当該第二の複合機100aのコピーセットアップ項目701の初期設定条件入力画面を、当該第二の複合機100aのセットアップ画面702の前面に表示する(図5:S107)。
【0076】
このように、前記セットアップ表示受付手段401は、前記集約セットアップ画面700に表示された複数のセットアップ画面701、702、703のうち、各セットアップ画面毎に、ユーザから、所定の初期設定条件の入力を順々に(ウィザード形式でフォーカスして)受け付けるよう構成している。
【0077】
これにより、ユーザは、同一のセットアップ項目701の初期設定条件を各複合機100、100a、100b毎に連続して入力することが可能となるため、ユーザによる初期設定条件の入力忘れを防止することが可能となる。尚、後の処理については、同様であるため、割愛する。
【0078】
一方、前記検索の結果、前記コピーセットアップ項目を有する全ての複合機100、100a、100bに対して初期設定条件の入力が完了し、未入力複合機が存在しない場合に(図5:S111NO)、前記セットアップ表示受付手段401は、前記初期設定条件が入力完了したセットアップ項目701以外の他のセットアップ項目(以下、未入力セットアップ項目とする)が存在するか否かを検索する(図5:S112)。
【0079】
ここで、現時点では、前記セットアップ項目701のうち、前記コピーセットアップ項目のみ初期設定条件が入力され、他のセットアップ項目701(例えば、ファックスセットアップ項目、エナジーセットアップ項目)に対して初期設定条件が未だに入力されていない。そのため、前記セットアップ表示受付手段401は、前記未入力セットアップ項目が存在すると判定し(図5:S112NO)、直前に表示された初期設定条件入力画面を消去するとともに、S104に戻って、前記集約セットアップ画面700をタッチパネル201上に表示する(図5:S104)。これにより、ユーザに、所定のセットアップ画面701、702、703における未入力セットアップ項目キー(ファックスセットアップ項目キー、エナジーセットアップ項目キー)の押下を促し、当該未入力セットアップ項目の初期設定条件の入力を連続して行なわせることが可能となる。尚、後の処理については、同様であるため、割愛する。
【0080】
ところで、S105において、ユーザが、前記同時設定キー706を押下した後に、所定の複合機のセットアップ画面を介して所定のセットアップ項目に対する初期設定条件を入力した場合には、以下のようになる。
【0081】
即ち、S105において、ユーザが、前記同時設定キー706を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401が、当該同時設定キー706の押下を受け付け(図5:S113)、当該同時設定キー706の背景色をグレー色に、前記個別設定キー707の背景色を白色に、それぞれ変更する。これにより、前記同時設定が受け付けられる。
【0082】
次に、ユーザが、前記集約セットアップ画面700を見ながら、所定の複合機(例えば、第一の複合機100)のセットアップ画面701のセットアップ項目キー704(例えば、コピーセットアップ項目キー)を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、当該コピーセットアップ項目キー704の押下を受け付けて、上述と同様に、当該コピーセットアップ項目704の初期設定条件入力画面708を、当該第一の複合機100のセットアップ画面701の前面に表示する(図5:S107)。
【0083】
ここで、前記初期設定条件入力画面800には、図8(A)に示すように、前記個別設定キー707が押下された状態における初期設定条件入力画面708と同様に、前記設定項目709と、前記選択値キー710と、前記OKキー711とが表示されるとともに、前記OKキー711から前記同時設定キー707が押下された状態であることを示すメッセージ801(吹き出し)が表示される。これにより、ユーザは、全ての複合機100、100a、100bに対して同時にセットアップしようとしていることを認識することが可能となる。
【0084】
さて、ユーザが、前記初期設定条件入力画面800を見ながら、上述と同様に、所定の選択値キー710を各設定項目709毎にそれぞれ押下し、前記OKキー711を押下すると、前記セットアップ表示受付手段401は、各選択値キー710と当該OKキー711の押下を受け付けて(図5:S108YES)、その旨をセットアップ登録手段406に通知する。当該セットアップ登録手段406は、前記セットアップ表示受付手段401と通信し、前記同時設定キー706が押下されたか否かを判定する(図5:S109)。
【0085】
ここで、現時点では、上述の通り、前記同時設定キー706が押下された状態である。そのため、前記セットアップ登録手段406は、前記同時設定キー706が押下されていると判定し(図5:109YES)、前記初期設定条件入力画面708に対応する第一の複合機100に、前記コピーセットアップ項目の各設定項目709毎の選択値を初期値として登録するとともに、当該第一の複合機100に接続された他の全ての複合機(第二の複合機100a、第三の複合機100b)に、前記選択値と同一の選択値を初期値として登録する(図5:S114)。
【0086】
これにより、所定の複合機100のセットアップ画面701を介して入力された所定のセットアップ項目における初期設定条件と同一の初期設定条件を、接続された他の全ての複合機100a、100bに登録することが可能となる。そのため、ユーザは、他の複合機100a、100bに対して、前記複合機100にした同様のキー操作をする必要が無くなり、著しくセットアップの手間を解消することが可能となる。
【0087】
尚、例えば、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記同一のセットアップ項目が存在しない場合、又は/及び、当該同一のセットアップ項目が存在しても、前記第一の複合機100のセットアップ項目に属する設定項目と同一の設定項目が存在しない場合には、前記セットアップ登録手段406は、当該第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記第一の複合機100に登録した初期設定条件と同一の初期設定条件を登録することが出来ない。そのため、この場合には、前記セットアップ登録手段406は、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに対して前記初期設定条件の登録を禁止することになる。この場合は、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに対しては、各セットアップ画面を介して個別に初期設定条件が、ユーザにより入力され、登録されることになる。
【0088】
ここで、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記第一の複合機100に入力した初期設定条件のセットアップ項目と同一のセットアップ項目が存在するか否かを判定する方法は、どのような方法でも構わない。例えば、前記セットアップ登録手段406が、前記第二の複合機100aと、前記第三の複合機100bとに、前記初期設定条件を登録する際に、当該第二の複合機100a、当該第三の複合機100bに対応するセットアップ項目に、前記第一の複合機100に入力された初期設定条件のセットアップ項目と一致するセットアップ項目が存在するか否か判定することによってなされる。
【0089】
又、前記第二の複合機100a又は/及び第三の複合機100bに、前記第一の複合機100のセットアップ項目に属する設定項目と同一の設定項目が存在するか否かを判定する方法も、どのような方法でも構わない。例えば、前記セットアップ登録手段406が、前記第二の複合機100a又は/及び前記第三の複合機100bに対応するセットアップ項目に、前記第一の複合機100に入力された初期設定条件のセットアップ項目と一致するセットアップ項目が存在する場合に、当該第二の複合機100a又は/及び当該第三の複合機100bのセットアップ項目の設定項目に、前記初期設定条件のセットアップ項目における設定項目と一致する設定項目が存在するか否か判定することによってなされる。
【0090】
ところで、前記セットアップ登録手段406が、前記第一の複合機100に入力された前記コピーセットアップ項目701における初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記第二の複合機100a及び第三の複合機100bに登録すると、その旨を前記セットアップ表示受付手段401に通知し、当該通知を受けたセットアップ表示受付手段401は、S112へ移行して、前記未入力セットアップ項目が存在するか否かを検索する(図5:S112)。
【0091】
ここで、例えば、前記未入力セットアップ項目が存在する場合には(図5:S112NO)、上述のように、S105に移行することになるが、ユーザが、各セットアップ項目毎の初期設定条件の入力を繰り返した結果、全ての複合機100、100a、100bにおける全てのセットアップ項目701に対して所定の初期設定条件が入力完了した場合は、前記セットアップ表示受付手段401が、前記他のセットアップ項目が存在しない、つまり、前記セットアップが完了したと判定し(図5:S112YES)、全ての処理を終了する。これにより、ユーザは、各複合機100、100a、100b毎のセットアップを漏れなく完了することが可能となる。
【0092】
このように、本発明に係る第一の複合機100は、ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、第一の複合機100の初期設定条件を構成する項目(セットアップ項目601、設定項目602、選択値603)と、当該第一の複合機100に接続された他の複合機100a、100bの初期設定条件を構成する項目(セットアップ項目601、設定項目602、選択値603)とを取得するセットアップ取得手段を備える。又、前記第一の複合機100は、前記取得された各複合機100、100a、100b毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各複合機100、100a、100b毎のセットアップ画面701、702、703を一の集約セットアップ画面700に集約して表示するセットアップ表示受付手段401を備える。更に、前記第一の複合機100は、ユーザにより、前記集約セットアップ画面700のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する複合機に登録するセットアップ登録手段406を備える。
【0093】
これにより、ユーザは、前記第二の複合機100a、前記第三の複合機100bが接続された第一の複合機100を利用して、当該第一の複合機100はもちろんのこと、当該第二の複合機100a、第三の複合機100bの初期設定条件を登録することが可能となる。そのため、ユーザは、各複合機100a、100b毎の操作部に赴き、初期設定条件の入力・登録作業を行う必要が無くなり、初期設定条件入力時におけるユーザの手間を解消することが可能となる。
【0094】
又、ユーザは、全ての複合機100、100a、100bが納品された会社等に、当該複合機100、100a、100bと接続される遠隔操作可能な遠隔操作専用装置(例えば、ノートパソコンなど)を持ち込む必要が無くなり、前記会社に対しては、セキュリティの強化、情報漏えいの防止を図ることが可能となる。
【0095】
尚、本発明の実施形態に係る初期設定条件入力画面では、同一画面上に、所定のセットアップ項目に属する複数の設定項目と、各設定項目毎に関連付けられた選択値キーとを表示するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記初期設定条件入力画面で、所定のセットアップ項目に属する複数の設定項目のうち、各設定項目毎に、ユーザから、所定の選択値キーの入力を順々に(ウィザード形式で)受け付けるよう構成しても構わない。
【0096】
又、本発明の実施形態に係るセットアップ登録手段406では、所定の初期設定条件が入力された複合機に接続された他の全ての複合機に、当該初期設定条件と同一の初期設定条件を登録する際に、前記他の全ての複合機に、前記入力された初期設定条件のセットアップ項目と同一のセットアップ項目が存在するか否か、当該セットアップ項目に属する設定項目と同一の設定項目が存在するか否かを判定するよう構成したが、他の構成でも構わない。
【0097】
例えば、図8(B)に示すように、所定のセットアップ項目803と、当該セットアップ項目803に属する設定項目804と、当該設定項目804に対して他の複合機に入力された初期設定条件(選択値)を同時に登録することが可能か否かの可否情報805とが関連付けられた同時設定可否テーブル802を予め用意する。前記可否情報805は、例えば、可能を示す「1」、不可を示す「0」が関連付けて記憶される。次に、前記セットアップ表示受付手段401が、ユーザにより前記同時設定キーが押下された場合に、前記同時設定可否テーブル802を参照し、当該同時設定可否テーブルのセットアップ項目803と、現時点で、初期設定条件が入力され得るセットアップ項目とを照合し、当該照合したセットアップ項目に対応する各設定項目毎の可否情報を参照する。前記参照の結果、所定のセットアップ項目(例えば、コピーセットアップ項目)における各設定項目毎の可否情報が、全て、前記可能を示す「1」であれば、前記セットアップ表示受付手段401が、前記同時設定キーの押下を許可し、当該同時設定キーの背景色を変更する。一方、前記参照の結果、所定のセットアップ項目(例えば、ファクシミリセットアップ項目)における各設定項目毎の可否情報のうち、所定の設定項目(例えば、発信先)に、前記不可を示す「0」が存在する場合、前記セットアップ表示受付手段401が、前記同時設定キーの押下を不許可とし、当該同時設定キーの背景色を変更しない、つまり、前記個別設定キーが押下されたままの状態とする。これにより、ユーザが初期設定条件を入力する前に、同時設定可能か否かを知らせることが可能となる。
【0098】
又、本発明の実施形態に係るセットアップ表示受付手段401(セットアップ取得手段402)が、前記操作部102に予め備えられたセットアップキー210の押下により、所定の初期設定条件の入力開始指示の入力を受け付けるよう構成しているが、他の構成でも構わない。例えば、所定のキーの組み合わせの押下や、前記第一の複合機100に、前記第二の複合機100a又は前記第三の複合機100bが接続されることの検知により、前記入力開始指示が入力されるよう構成しても構わない。
【0099】
又、本発明の実施形態に係るセットアップ登録手段406は、ユーザにより、前記同時設定キー706が押下された後に、前記セットアップ画面701を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての複合機100、100a、100bに登録するよう構成したが、他の構成でも構わない。即ち、前記セットアップ登録手段406は、ユーザにより、前記同時設定キー706が押下されると、前記初期設定条件が入力された後(設定後)であっても、前記セットアップ画面701を介して入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての複合機100、100a、100bに登録するよう構成しても構わない。具体的には、ユーザが、前記セットアップ画面701を介して、所定の初期設定条件を入力した後に、前記集約セットアップ画面700の同時設定キー706を押下すると、前記セットアップ登録手段406が、前記セットアップ画面701に対応する複合機(例えば、第一の複合機100)に、前記初期設定条件である各設定項目毎の選択値を初期値として登録するとともに、当該第一の複合機100に接続された他の全ての複合機(第二の複合機100a、第三の複合機100b)に、前記選択値と同一の選択値を初期値として登録する。
【0100】
これにより、前記セットアップ画面701を介して所定の初期設定条件を入力していたユーザが、後から、全ての複合機100、100a、100bに同一の初期設定条件を入力したいと希望した場合に、前記同時設定キー706を押下することで、当該初期設定条件を、他の全ての複合機100a、100bに反映させることが可能となる。
【0101】
又、本発明の実施形態に係る複合機100、100a、100bでは、複合機100のコピー機能、ファクシミリ送信機能、エナジー機能(省電力機能)のセットアップに関して採用したが、例えば、電子メール送受信機能、スキャン機能、ファイルボックス機能、プリント機能等に対しても採用出来る。
【0102】
又、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように、本発明に係る画像処理装置及びセットアップ方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、他の画像処理装置が接続された画像処理装置を利用して、当該他の画像処理装置に初期設定条件を入力し、登録することが可能な画像処理装置及びセットアップ方法として有効である。
【符号の説明】
【0104】
100 複合機
102 操作部
401 セットアップ表示受付手段
402 セットアップ取得手段
403 第一の複合機の初期設定条件記憶手段
404 第二の複合機の初期設定条件記憶手段
405 第三の複合機の初期設定条件記憶手段
406 セットアップ登録手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像処理装置に接続された画像処理装置において、
ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得手段と、
前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付手段と、
ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記セットアップ表示受付手段は、前記自装置及び他の画像形成装置を含む全ての画像形成装置に対して初期設定条件を同時に登録するための同時設定キーを、前記集約セットアップ画面に押下可能に表示し、
前記セットアップ登録手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記セットアップ画面を介して入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記セットアップ登録手段は、自装置に入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録する際に、所定の画像形成装置に、当該初期設定条件を登録することが出来ない場合、当該登録を禁止する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記セットアップ表示受付手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記集約セットアップ画面において当該同時設定キーが押下されたことを示すメッセージを表示する
請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記セットアップ表示受付手段は、前記集約セットアップ画面に表示された複数のセットアップ画面のうち、各セットアップ画面毎に、ユーザから、所定の初期設定条件の入力を順々に受け付ける
請求項1−4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
他の画像処理装置に接続された画像処理装置のセットアップ方法において、
ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得ステップと、
前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付ステップと、
ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録ステップと
を備えることを特徴とするセットアップ方法。
【請求項7】
請求項6に記載のセットアップ方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項6に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
他の画像処理装置に接続された画像処理装置において、
ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得手段と、
前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付手段と、
ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記セットアップ表示受付手段は、前記自装置及び他の画像形成装置を含む全ての画像形成装置に対して初期設定条件を同時に登録するための同時設定キーを、前記集約セットアップ画面に押下可能に表示し、
前記セットアップ登録手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記セットアップ画面を介して入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記セットアップ登録手段は、自装置に入力された初期設定条件と同一の初期設定条件を、前記全ての画像形成装置に登録する際に、所定の画像形成装置に、当該初期設定条件を登録することが出来ない場合、当該登録を禁止する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記セットアップ表示受付手段は、ユーザにより、前記同時設定キーが押下されると、前記集約セットアップ画面において当該同時設定キーが押下されたことを示すメッセージを表示する
請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記セットアップ表示受付手段は、前記集約セットアップ画面に表示された複数のセットアップ画面のうち、各セットアップ画面毎に、ユーザから、所定の初期設定条件の入力を順々に受け付ける
請求項1−4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
他の画像処理装置に接続された画像処理装置のセットアップ方法において、
ユーザにより、所定の初期設定条件の入力開始指示が入力されると、自装置の初期設定条件を構成する項目と、前記他の画像処理装置の初期設定条件を構成する項目とを取得するセットアップ取得ステップと、
前記取得された各画像処理装置毎の項目に基づいて、初期設定条件を入力可能な各画像処理装置毎のセットアップ画面を一の集約セットアップ画面に集約して表示するセットアップ表示受付ステップと、
ユーザにより、前記集約セットアップ画面のうち、所定のセットアップ画面を介して所定の初期設定条件が入力されると、当該初期設定条件を、当該セットアップ画面に対応する画像処理装置に登録するセットアップ登録ステップと
を備えることを特徴とするセットアップ方法。
【請求項7】
請求項6に記載のセットアップ方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項6に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−115705(P2013−115705A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261807(P2011−261807)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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