説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】第1のユーザにより選択された画像処理で用いられるハードウェア資源と、第1のユーザより後に認証された第2のユーザにより選択された画像処理で用いられるハードウェア資源と、が競合する場合に、第2のユーザが画像処理装置に画像処理を実行させられないようにする。
【解決手段】認証されたユーザがいずれかの画像処理を選択した場合に、当該ユーザが当該画像処理の実行を指示するための「実行」指示ボタンがタッチ画面に表示される。但し、第1のユーザが認証された後に第2のユーザが認証された場合において、第1のユーザが選択した画像処理に用いられるハードウェアと第2のユーザが選択した画像処理に用いられるハードウェアとが一致する場合、制限部(38)が、第2のユーザが画像処理の実行を指示するための「実行」指示ボタンの表示を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、機器が利用中であるか否かを携帯端末に通知すること、及び携帯端末で機器の使用の予約を行えるようにすること、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−193923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、同一の画像処理装置において第1のユーザより後に認証された第2のユーザであっても、画像処理装置に画像処理を実行させることができるようにしつつ、第1のユーザにより選択された画像処理で用いられるハードウェア資源と、第1のユーザより後に認証された第2のユーザにより選択された画像処理で用いられるハードウェア資源と、が競合する場合としない場合に、第2のユーザの画像処理装置における画像処理の実行の可否を適切に制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、表示手段と、ユーザを認証する認証手段と、前記認証手段が第1のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第1のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第1の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第2のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第2の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、前記認証手段が認証したユーザが選択した画像処理の実行を前記認証手段が認証したユーザが指示した場合に、前記認証手段が認証したユーザにより入力された画像処理の機能を実行するための制御情報に基づいて、前記認証手段が認証したユーザにより選択された画像処理を実行する実行手段と、前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合において、前記第1のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、前記第2のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、が競合する場合、前記第2のユーザにより選択された画像処理の実行を前記第2のユーザが指示することを制限する制限手段と、を含む画像処理装置である。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制限手段は、前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合において、前記第1のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、前記第2のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、が競合する場合、前記第2のユーザが選択した画像処理の実行を前記第2のユーザが指示するための情報を第2の機能設定画面において前記第2表示制御手段が表示させることを制限することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記認証手段が前記第1のユーザを認証した後に前記認証手段が前記第2のユーザを認証した場合に、前記表示手段に表示する表示情報を、前記第1のユーザに対応する前記第1の機能設定画面と、前記第2のユーザに対応する第2の機能設定画面と、に分割した画面情報を生成する分割手段をさらに含むこと、を特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するための請求項4の発明は、表示手段、ユーザを認証する認証手段、前記認証手段が第1のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第1のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第1の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第1表示制御手段、前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第2のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第2の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第2表示制御手段、前記認証手段が認証したユーザが選択した画像処理の実行を前記認証手段が認証したユーザが指示した場合に、前記認証手段が認証したユーザにより入力された画像処理の機能を実行するための制御情報に基づいて、前記認証手段が認証したユーザにより選択された画像処理を実行する実行手段と、前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合において、前記第1のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、前記第2のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、が競合する場合、前記第2のユーザにより選択された画像処理の実行を前記第2のユーザが指示することを制限する制限手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び4の発明によれば、第1のユーザより後に認証された第2のユーザであっても、画像処理装置に画像処理を設定させることができるようにしつつ、第1のユーザにより選択された画像処理で用いられるハードウェア資源と、第1のユーザより後に認証された第2のユーザにより選択された画像処理で用いられるハードウェア資源と、が競合する場合に、第2のユーザが画像処理装置に画像処理を実行させられないようにすることができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、第2のユーザが画像処理の実行を指示するための表示を制限することによって、第2のユーザが画像処理装置に画像処理の実行を制限するようにすることができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、第1のユーザにより用いられる機能設定画面と、第1のユーザより後に認証された第2のユーザにより用いられる機能設定画面と、の両方を一の画面に表示するようにしつつ、ユーザごとに、該ユーザにより用いられる機能設定画面を上記一の画面に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の外観を例示する図である。
【図2】画像処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
【図3】記憶部に保持されるデータを例示する図である。
【図4】画像処理装置2にて実現される機能群を示す機能ブロック図である。
【図5】記憶部に記憶されるレコードを例示する図である。
【図6A】第1の利用者の機能選択画面を例示する図である。
【図6B】第1の利用者の機能設定画面を例示する図である。
【図6C】第1の利用者と第2の利用者が認証された状態の画面を例示する図である。
【図7】第1の利用者の機能選択画面を例示する図である。
【図8】実行機能制限テーブルを例示する図である。
【図9A】第1の利用者と第2の利用者が認証された状態の画面の遷移を例示する図である。
【図9B】第1の利用者と第2の利用者が認証された状態の画面の遷移を例示する図である。
【図9C】第1の利用者と第2の利用者が認証された状態の画面の遷移を例示する図である。
【図9D】第1の利用者と第2の利用者が認証された状態の画面の遷移を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
[画像処理装置]
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置2の外観を例示する図である。また、図2は、画像処理装置2のハードウェア構成を例示する図である。
【0015】
本実施形態の場合、画像処理装置2は、制御部4と、記憶部6と、タッチ画面8と、プリンタ10と、スキャナ12と、ファクシミリ14と、ネットワークインタフェース18と、給紙部20と、排紙トレイ22と、カードリーダ24と、を含む複合機として実現される。
【0016】
本実施形態の場合、画像処理装置2は、例えば大学の構内に設置され、該大学の学生に利用される。また、本実施形態の場合、各学生には、その学生を識別する情報である学籍番号を記録した非接触式ICカード(以下、学生証と記載する)が支給されている。
【0017】
制御部4は、例えばマイクロプロセッサであり、記憶部6に記憶されるプログラムに従い、画像処理や画像処理装置2の各部の制御を実行する。
【0018】
また、記憶部6は、RAM及びROMを含む。記憶部6には上記プログラム等の各種データが格納される。なお、上記プログラムは、DVD(登録商標)−ROM等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体から読み出されて記憶部6に格納されてもよいし、ネットワーク等の通信網から供給されて記憶部6に格納されてもよい。なお、記憶部6は、ワークメモリとしても動作する。
【0019】
また、タッチ画面8は、学生が画像処理装置2を操作するために用いられ、学生が指示した位置を示す位置情報を制御部4に出力する。また、タッチ画面8は、制御部4から入力された情報を表示することも行う。
【0020】
また、プリンタ10は、画像処理装置2の内部に設けられ、制御部4の指示に従って給紙部20(図1参照)に保持した用紙を搬送し用紙に画像を印刷する。さらに、印刷後の用紙を排紙トレイ22(図1参照)へと搬送する。また、スキャナ12は、自動紙送り装置(Auto Document Feeder)を備えたスキャナであり、制御部4の指示に従って、自動紙送り装置から搬送された原稿をスキャンし、スキャン結果を示す画像データを制御部4に出力する。
【0021】
また、ファクシミリ送受信部14は、画像処理装置2の内部に設けられ、図示していない電話回線に接続される。ファクシミリ送受信部14は、制御部4の指示に従って、スキャナ12によって得られた画像を示す電気信号を電話回線に送信したり、電話回線から受信した電気信号を画像データに変換して制御部4へ出力する処理を行う。
【0022】
また、ネットワークインタフェース18は、画像処理装置2と図示していないネットワークとを接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース18は、制御部4から入力される情報をネットワークに送信したり、ネットワークから送信される情報を受信したりする。
【0023】
本実施形態の場合、画像処理装置2はネットワークを介して各学生が操作する情報端末(不図示)と通信可能に接続されている。
【0024】
また、給紙部20は、画像処理装置2に用紙を保持させるための部材である。また、排出トレイ22は、プリンタ10により画像が印刷された用紙の排出先となる部材である。
【0025】
カードリーダ24は、学生証の非接触式ICカードに埋め込まれたICチップに記憶された学籍番号の情報を読み取り、読み取った学籍番号を制御部4に出力する。後述するように、カードリーダ24は、学生の認証に用いられる。
【0026】
[画像処理装置の利用形態]
画像処理装置2の利用形態について説明する。この画像処理装置2では、初期状態ではタッチ画面8にはログインを要求する画面表示がなされており、学生が画像処理装置2にログインしなければ、その学生が画像処理装置2を利用できないようになっている。そのため、学生は、画像処理装置2を利用する場合、画像処理装置2にログインするために、まず、自身の学生証を画像処理装置2に近づけ、画像処理装置2(正確にはカードリーダ24)に学籍番号を読み取らせる。この学籍番号に基づき認証処理が行われる。この学籍番号が適切な利用者であると認証されると、画像処理装置2にログインできる。
【0027】
こうして画像処理装置2にログインした学生は、当該ログインした学生が画像処理装置を利用するための各種機能が表示されたタッチ画面8を用いて画像処理装置2を操作することにより、「印刷」機能、「スキャン」機能、「FAX送信」機能、及び「コピー」機能のうちから選択した画像処理機能を、画像処理装置2に行わせることになる。
【0028】
ところで、画像処理装置2にログインした一の学生だけに画像処理装置2が操作されるようにすると、当該一の学生以外の学生が画像処理装置2を利用できない。また、当該一の学生がログインした状態で、他の学生がログインしてタッチ画面8の操作及び画像処理装置2の各種機能を利用できるようにした「割り込み」処理を可能とする画像処理装置2が存在するが、他の学生が割り込み処理を実行した場合、先にログインしていた学生の処理状態が保留されて処理されないことになる。つまり、「割り込み」処理を備えた画像処理装置2においても、タッチ画面8を利用する学生は同時に1名に限られる。
【0029】
この点、本実施形態の画像処理装置2では、画像処理装置2にログインしている一の学生の後に画像処理装置2にログインした他の学生に、タッチ画面8に先にログインした一の学生が操作するための領域と後にログインした他の学生が操作するための領域とを設けられ、先にログインした一の学生が操作している間にも、後にログインした他の学生が画像処理装置2を操作できるようになっている。
【0030】
但し、先に画像処理装置2にログインした学生が選択した画像処理機能X、に用いられる画像処理装置2のハードウェアが、後に画像処理装置2にログインした他の学生が選択した画像処理機能Yにおいても用いられる場合、仮に画像処理機能Xと画像処理機能Yとが同時に行われると、何らかの不具合が発生することが想定される。
【0031】
そこで、この画像処理装置2では、先に画像処理装置2にログインした学生が選択した画像処理機能に用いられるハードウェアと、後に画像処理装置2にログインした画像処理機能に用いられるハードウェアが競合した場合に、後に画像処理装置2にログインした学生が自身の選択した画像処理機能を画像処理装置2に行わせられないようになっている。
【0032】
以下この点について説明する。
【0033】
[データ]
図3は、記憶部6に保持されるデータを示す図である。このデータは、画像処理装置2が行いうる画像処理機能の複数の候補の各々と、当該画像処理機能において用いられる1又は複数のハードウェアを示すハードウェア情報と、を対応付けてなるデータである。本実施形態の場合、ハードウェア情報には、そのハードウェア情報に関連づけられた画像処理機能にスキャナ12が用いられるか否かを示すフラグと、当該画像処理機能にプリンタ10が用いられるか否かを示すフラグと、が含まれる。なお、ここでは、「画像処理機能の複数の候補」機能とは、「印刷」機能、「スキャン」機能、「FAX送信」機能、及び「コピー」機能のことである。
【0034】
本実施形態の場合、「スキャン」機能とは自動紙送り装置に設置された原稿をスキャンし、スキャン結果が表す画像を記憶部6に記憶する機能である。そのため、「スキャン」機能にはスキャナ12が用いられる。
【0035】
また、「FAX送信」機能とは、自動紙送り装置に設置された原稿をスキャンし、スキャン結果が表す画像を示す電気信号をファクシミリ送受信部14を介してFAX送信することである。そのため、「FAX送信」機能にはスキャナ12が用いられる。
【0036】
また、「コピー」機能とは、自動紙送り装置に設置された原稿をスキャンし、スキャン結果が表す画像を用紙に印刷することである。そのため、「コピー」機能には、スキャナ12、プリンタ10が用いられる。
【0037】
また、「印刷」機能とは、記憶部6に記憶される印刷データ(以下、「ジョブ」と記載する)に従って、画像を用紙に印刷することである。「印刷」機能には、プリンタ10は用いられるが、スキャナ12は用いられない。なお、本実施形態の場合、学生は、画像処理装置2を利用する前に、情報端末を用いて画像処理装置2にジョブを登録するようになっている。
【0038】
[機能ブロック]
図4は、画像処理装置2にて実現される機能群を示す機能ブロック図である。同図に示すように、画像処理装置2では、認証部26、分割部28、第1表示制御部30、第2表示制御部32、実行部36、及び制限部38が実現される。これらの機能は、制御部4が上記プログラムに従って動作することによって実現される。
【0039】
[認証部]
認証部26は、学生を認証する。本実施形態の場合、認証部26は、学生証の非接触式ICカードに埋め込まれたICチップに記憶された学籍番号の情報をカードリーダ24が読み取り、カードリーダ24が読み取った学籍番号が、記憶部6に予め記憶されている学籍番号のリストに含まれるか否かを判定する。
【0040】
なお、本実施形態の場合、認証部26は、学生を認証した場合、認証された学生に対応するレコードを生成し、記憶部6に格納する。この時点では、レコードには、認証された学生の学籍番号と、認証された学生の認証順序を示す番号と、が格納される。認証された学生がタッチ画面8を用いて画像処理機能を選択したら、選択された画像処理機能を示す情報がさらに格納される。図5に、記憶部6に記憶されるレコードを示した。この場合、先にログインした第1の学生の学籍番号は「0123」であり画像処理機能「印刷」を選択し、後にログインした第2の学生の学籍番号は「0234」であり画像処理機能「スキャン」を選択した状態を表している。
【0041】
[分割部]
まず、一人目の利用者として第1の学生がログインしたときの画面は、図6Aに示すように、タッチ画面8の略全面に第1の学生が操作するための操作画面が表示されている。タッチ画面8の上部には、メッセージ表示領域81aが設けられ、現在どの画面であるかの情報やどのログインユーザに対する画面であるかの情報が表示されている。この例では、機能を選択する画面である旨を表す「機能選択画面」とログインした第1の学生(学籍番号が0123)のための設定入力画面であることを表す「(USER:0123)」をメッセージが表示されている。その下部には、機能設定画面82aが表示されている。機能設定画面は、画像処理装置2にて実行可能な機能を選択するための画面であり、「印刷」機能選択ボタン40a、「スキャン」機能選択ボタン42a、「FAX送信」機能選択ボタン44a、「コピー」機能選択ボタン46aがそれぞれ表示されている。
【0042】
分割部28は、認証部26が第1の学生を認証した後に認証部26が第2の学生を認証した場合に、タッチ画面8を、第1の学生に対応する第1画面8aと、第2の学生に対応する第2画面8bと、に分割して表示するよう制御する。本実施形態の場合、分割部28は、認証部26が学生を認証するごとに、認証した学生の認証順序が「2」であるか否かを判定する。そして、分割部28は、認証した学生の認証順序が「2」である場合、タッチ画面8を、第1画面8aと第2画面8bとに分割して表示する。図6Cに、第1画面8aと第2画面8bに分割されて表示した画面の表示例を例示した。
【0043】
[第1表示制御部]
第1表示制御部30は、認証部26が第1の学生を認証した場合に、初期操作画面として、認証された学生が画像処理機能の複数の候補のいずれかを選択するための機能選択画面の情報を生成し、タッチ画面8に表示させる。
【0044】
本実施形態の場合、第1のユーザ(学籍番号が「0123」である学生)のための機能選択画面には、図6Aに示すように、認証された学生が「印刷」機能を選択するための画像40aと、認証された学生が「スキャン」機能を選択するための画像42aと、認証された学生が「FAX送信」機能を選択するための画像44aと、認証された学生が「コピー」機能を選択するための画像46aと、が含まれる。学生は、画像40a内の領域を指示することにより「印刷」機能を選択し、画像42a内の領域を指示することにより「スキャン」機能を選択し、画像44a内の領域を指示することにより「FAX送信」機能を選択し、画像46a内の領域を指示することにより「コピー」機能のそれぞれが選択可能である
【0045】
そして、第1表示制御部30は、認証部26が認証した学生が画像処理機能の複数の候補うちのいずれかを選択した場合に、当該学生が選択した画像処理機能を制御するための制御情報を当該学生が設定入力するための制御情報設定画面の情報を生成し、タッチ画面8に表示させる。
【0046】
本実施形態の場合、タッチ画面8に表示された機能選択画面に設けられた「印刷」機能ボタン40aを当該学生が指示選択すると、タッチ画面8の表示画面が、図6Bに示すような「印刷」機能を制御するための制御情報設定画面に切り替えて表示される。「印刷」機能の制御情報を設定する画面に表示された項目として、「印刷ジョブ選択」と「カラーモード」と「用紙選択」があり、それぞれの制御情報の項目の値を設定入力するための制御情報設定画面が表示されている。学生は、この選択可能に表示された値のうち所望の値を示す文字列情報付近を指示することにより、制御情報の項目に対する値を選択し設定することができる。
【0047】
図6Bに、「印刷」機能を制御するための制御情報の値を入力するための制御情報設定画面を例示した。同図に示すように、設定入力する制御情報の項目として、「印刷ジョブ選択」400a、「カラーモード選択」402a、「用紙選択」404aが表示されており、それぞれ「印刷ジョブ選択」の項目については「ジョブ1」が選択され、「カラーモード選択」の項目について、制御情報の値として「グレースケール」が選択されている状態を示している。また、制御情報の項目「用紙選択」については、制御情報の値として「A4」が選択されている状態を示している。
【0048】
「実行」指示ボタン画像50aの意義については後述する。
【0049】
また、本実施形態の場合、「スキャン」機能、「FAX送信」機能および「コピー」機能を制御するための制御情報を設定入力するための各機能に対応した制御情報設定画面を備えており、機能選択画面において画像処理機能が選択指示されると、先に示した印刷機能を選択した場合と同様に、選択された画像処理機能に対応する制御情報設定画面に切替え表示する。
【0050】
次に、第1の学生がログインした状態で第2の学生がログインした際のタッチ画面8の表示制御について説明する。第1の学生が画像処理装置2にログインし、タッチ画面8の略全面に表示された第1の学生のための操作画面が表示されている状態で、後から第2の学生が画像処理装置2のカードリーダ24に学生証を近づけて第2の学生の学籍番号を読み取らせることにより認証され、第2の学生が認証された場合、記憶部6のレコードに第2の学生の学籍番号「0234」と認証順序「2」が追加される。
【0051】
第2表示制御部32は、後からログインした学生のための操作画面を生成するよう制御する。すなわち、第2表示制御部32は、第1表示制御部と同様に、初期画面として、画像処理機能の複数の候補のいずれかを選択するための機能選択画面を表示させる。第2の学生のための機能選択画面は、図7に示すように、画面の上部のメッセージ表示領域81bには、機能を選択する画面である旨を表す「機能選択画面」とログインした第2の学生(学籍番号が0234)のための設定入力画面であることを示す「(USER:0234)」を表すメッセージを表示する情報を生成する。その下部には、機能設定画面82bが表示されている。機能設定画面82bは、画像処理装置2にて実行可能な機能を選択するための画面であり、「印刷」機能選択ボタン40b、「スキャン」機能選択ボタン42b、「FAX送信」機能選択ボタン44b、「コピー」機能選択ボタン44bをそれぞれ表示する情報を生成する。
【0052】
分割部28は、記憶部6のレコードを参照し、第2の学生がログインしたことを検知すると、タッチ画面8の表示領域を分割し、第1表示制御部30が生成した表示情報を分割した一の領域に表示させ、第2表示制御部32が生成した表示情報を分割した他の領域に表示させるよう制御する。本実施形態の場合、図6Bに示すように略全面に表示されていた第1の学生のための操作画面を、図6Cに示すようにタッチ画面8を分割した領域のうち左側の領域に第1の学生の操作画面8aを縮小して表示させ、後からログインした第2の学生のための操作画面8bを、タッチ画面8を分割した領域のうち右側の領域に表示させる。
【0053】
[制限部]
制限部38は、認証部26が第1の学生を認証した後に認証部26が第2の学生を認証した場合において、第1の学生が選択した画像処理機能に関連づけられたハードウェア情報(図3参照)により示されるいずれかのハードウェアと、第2の学生が選択した画像処理機能に関連づけられたハードウェア情報により示されるいずれかのハードウェアと、が競合する場合、第2の学生が選択した画像処理機能の実行を第2の学生が指示することを制限する。
【0054】
図8に示す機能競合判定テーブルは、第1の学生が選択した機能と第2の学生が選択した機能との関係における、第2の学生が実行可能であるか不可であるかの関係を定義した実行機能制限テーブルである。第1の学生が「印刷」機能を選択し制御情報の設定入力を行っている状態、または「印刷」機能の「実行」の指示を行い画像形成装置2で「印刷」機能が実行中である状態においては、画像形成装置2のハードウェアであるプリンタ10が稼働中であり、ハードウェア情報に示されるようにプリンタを使用する機能である「印刷」機能と「コピー」機能はハードウェアが競合するため、第2の学生は、「印刷」機能と「コピー」機能は実行指示ができないように制限される。但し、第2の学生は、ハードウェアが競合しない「スキャン」機能と「FAX送信」機能は実行指示が可能である。図8の機能競合判定テーブルには、第1の学生が「印刷」機能を選択したときに、第2の学生は「印刷」機能及び「コピー」機能には実行不可であることを示す「×」、「スキャン」機能及び「FAX送信」機能には実行可能であることを示す「○」が定義されている。また、第1の学生がその他の「スキャン」機能、「FAX送信」機能、「コピー」機能のそれぞれの機能を選択した場合の第2の学生が実行可能な機能、実行不可である機能の関係が示されている。
【0055】
制限部38は、この図8の機能競合判定テーブルを参照して、第1の学生が選択した機能の種類に基づいて、第2の学生が選択した機能が実行可能であるかまたは実行不可能でであるかを判定する。以下に、第1の学生が画像処理装置にログインした状態で続けて第2の学生が当該画像処理装置にログインして各種画像処理機能の設定を行う場合の画面表示制御について説明する。
【0056】
第1の学生が画像処理装置にログインし、「印刷」機能を選択し、「印刷」機能の設定画面で設定を行うとともに、第2の学生が画像処理装置にログインし「スキャン」機能を選択し、「スキャン」機能の設定を行っている状態の画面表示例を図9Aに示す。
【0057】
この場合、制限部38は、第1の学生が選択した画像処理機能である「印刷」機能と第2の学生が選択した画像処理機能である「スキャン」機能とのそれぞれに関連づけられたハードウェア情報が競合するかを図8に示す機能競合判定テーブルを参照して判断する。この場合はそれぞれの機能が競合しないため、第1の学生が選択した「印刷」機能の実行が可能であるとともに、第2の学生が選択した「スキャン」機能の実行も可能であると判断する。この判断結果に基づき、第1表示制御部30は、第1の学生の「印刷」機能を設定する画面に、「印刷」機能の実行の指示を可能とすることを示す「実行」指示ボタン50aの表示情報を生成して表示させる。第2表示制御部32も同様に、第2の学生の「スキャン」機能を設定する画面に、「スキャン」機能の実行の指示を可能とすることを示す「実行」指示ボタン50bの表示情報を生成して表示させる。
【0058】
次に、第1の学生が選択した機能と第2の学生が選択した機能が競合する場合について説明する。
【0059】
第1の学生が画像処理装置にログインし、「印刷」機能を選択し、「印刷」機能の設定画面で設定を行うとともに、第2の学生が画像処理装置にログインし「コピー」機能を選択し、「コピー」機能の設定を行っている状態の画面表示例を図9Bに示す。
【0060】
この場合、制限部38は、第1の学生が選択した画像処理機能である「印刷」機能と第2の学生が選択した画像処理機能である「コピー」機能とのそれぞれに関連づけられたハードウェア情報が競合するかを図8に示す機能競合判定テーブルを参照して判断する。この場合はそれぞれの機能が競合するため、第1の学生が選択した「印刷」機能の実行が可能であるが、第2の学生が選択した「スキャン」機能は実行不可能であると判断する。この判断結果に基づき、第1表示制御部30は、第1の学生の「印刷」機能を設定する画面に、「印刷」機能の実行の指示を可能とすることを示す「実行」指示ボタン50aの表示情報を生成して表示させる。第2表示制御部32は、第2の学生の「コピー」機能を設定する画面に、「コピー」機能の実行の指示は不可とすることを示すために、「実行」指示ボタン50bを灰色や淡い色で表示させるいわゆるグレイアウト表示させる表示情報を生成して表示させる。
【0061】
図9Bにおいて、選択された画像処理機能の実行が不可であることを示す「実行」指示ボタンをグレイアウト表示させる例を示したが、「実行」ボタンそのものを非表示とするように制御するようにしてもよい。
【0062】
図9Bに示す状態で、第1の学生が「実行」指示ボタン50aを選択指示することにより、実行部36は、第1の学生のための「印刷」機能設定画面においてカラーモードや用紙に関して設定した制御情報に基づき、第1の学生により指示選択された「ジョブ1」の印刷処理を実行する。
【0063】
印刷処理の実行中の表示画面例を図9Cに示す。第1表示制御部30は、第1の学生のための機能設定画面82aを印刷機能の実行中を示す画面表示に切り替えて表示する。図9Cに示すように、「ジョブ1を印刷しています。3ページ目/10ページ」という印刷処理の実行状況を表すメッセージが表示されている。このとき、第2の学生のための機能設定画面82bの「実行」指示ボタン50bの表示は、実行指示が不可であることを示す表示形態のままである。
【0064】
印刷処理が完了すると、図9Dに示すように、第1の表示制御部30は、第1の学生のための画面82を、印刷処理が完了したことを示すメッセージを表示させる。第1の学生が選択した機能である「印刷」機能が完了したことにより、ハードウェアとしてのプリンタ10が処理待ち状態となるため、第2の学生が選択した「コピー」機能との競合が解消され、第2の表示制御部32は、第2の学生のための機能設定画面82bの「実行」ボタン50bを、実行指示が可能となることを示す表示形態に切り替える。
【0065】
この後、第1の表示制御部30は、所定の時間、「印刷」処理が完了したことを示す表示を持続し、所定の時間が経過すると、第1の学生のための表示画面を消去する。認証部26は、第1の学生の認証状態を解除するとともに、第2の学生の認証順位を「2」から「1」に変更する。また、分割部28は、第1の学生の認証が解除され、第2の学生の認証順位が「2」から「1」に変更されたことに基づき、第2の表示制御部32が生成する機能設定画面情報を、タッチ画面8の略全面に表示させるよう制御する。
【0066】
なお、本発明の実施形態は上記実施形態だけに限らない。
【0067】
例えば、第1表示制御部30が、認証された学生が画像処理を選択するための図6Aに示す画面を、当該学生の携帯情報端末に表示させるようにしてもよい。同様に、第2表示制御部32が、認証された学生が制御情報を入力するための図7に示す画面を、当該学生の携帯情報端末に表示させるようにしてもよい。また、第1表示制御部30(又は第2表示制御部32)が、認証された学生が画像処理の実行を指示するための上記「実行」指示ボタンを、当該学生の携帯情報端末に表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
2 画像処理装置、4 制御部、6 記憶部、8 タッチ画面、8a 第1画面、8b 第2画面、10 プリンタ、12 スキャナ、14 ファクシミリ、18 ネットワークインタフェース、20 給紙部、22 排紙トレイ、24 カードリーダ、26 認証部、28 分割部、30 第1表示制御部、32 第2表示制御部、36 実行部、38 制限部、40a,40b 印刷機能選択ボタン、42a,42b スキャン機能選択ボタン、44a,44b FAX送信機能選択ボタン、46a,46b コピー機能選択ボタン、50a,50b 実行指示ボタン、81a,81b メッセージ表示領域、82a,82b 機能設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
ユーザを認証する認証手段と、
前記認証手段が第1のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第1のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第1の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第2のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第2の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第2表示制御手段と、
前記認証手段が認証したユーザが選択した画像処理の実行を前記認証手段が認証したユーザが指示した場合に、前記認証手段が認証したユーザにより入力された画像処理の機能を実行するための制御情報に基づいて、前記認証手段が認証したユーザにより選択された画像処理を実行する実行手段と、
前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合において、前記第1のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、前記第2のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、が競合する場合、前記第2のユーザにより選択された画像処理の実行を前記第2のユーザが指示することを制限する制限手段と、
を含む画像処理装置。
【請求項2】
前記制限手段は、
前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合において、前記第1のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、前記第2のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、が競合する場合、前記第2のユーザが選択した画像処理の実行を前記第2のユーザが指示するための情報を第2の機能設定画面において前記第2表示制御手段が表示させることを制限すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記認証手段が前記第1のユーザを認証した後に前記認証手段が前記第2のユーザを認証した場合に、前記表示手段に表示する表示情報を、前記第1のユーザに対応する前記第1の機能設定画面と、前記第2のユーザに対応する第2の機能設定画面と、に分割した画面情報を生成する分割手段をさらに含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
表示手段、
ユーザを認証する認証手段、
前記認証手段が第1のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第1のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第1の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第1表示制御手段、
前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合に、画像処理の複数の候補のいずれかから前記認証された第2のユーザが選択した画像処理の機能を設定する第2の機能設定画面の情報を生成し前記表示手段に表示させる第2表示制御手段、
前記認証手段が認証したユーザが選択した画像処理の実行を前記認証手段が認証したユーザが指示した場合に、前記認証手段が認証したユーザにより入力された画像処理の機能を実行するための制御情報に基づいて、前記認証手段が認証したユーザにより選択された画像処理を実行する実行手段、
前記認証手段が第1のユーザを認証した後に前記認証手段が第2のユーザを認証した場合において、前記第1のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、前記第2のユーザが選択した画像処理に用いられる1又は複数のハードウェア資源を示す情報により示されるいずれかのハードウェア資源と、が競合する場合、前記第2のユーザにより選択された画像処理の実行を前記第2のユーザが指示することを制限する制限手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【公開番号】特開2013−89026(P2013−89026A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228967(P2011−228967)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】