説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】利用者操作で一部の設定項目を更新した後に、その更新内容が別のプリセット設定組で上書きされてしまうような操作が行われるのを防止すること。
【解決手段】プリセット設定組選択画面(選択図(a))では、複数のアイコンが表示され、利用者はアイコンを選択するタッチ操作により、所望のプリセット設定組を選択できる。また、利用者が詳細設定ボタンをタッチ操作すると、詳細設定画面(選択図(b))が表示されて、個々の設定項目の設定値を変更できる。個々の設定項目の設定値を変更後、利用者がOKボタンをタッチ操作すると、プリセット設定組更新済画面(選択図(d))が表示される。プリセット設定組更新済画面では、選択状態にある一つのアイコンが表示されるものの、非選択状態にある他のアイコンは非表示とされるので、そのような非表示とされたアイコンを選択してしまう誤操作が発生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、及びファクシミリ送受信機能などの各種機能を兼ね備えた複合機(MFP;Multifunction Peripheral)において、タッチパネルディスプレイを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような複合機では、上述のような各種機能を利用するに当たって、タッチパネルディスプレイ上での利用者操作により、各種パラメータの設定変更を行うことができる。
【0003】
また、このような各種パラメータの設定変更を行うに当たって、複数の設定項目それぞれを個別に変更する作業には手間がかかるので、比較的よく利用される設定に関しては、いくつかのプリセット設定組が用意されているものもある。
【0004】
このような複合機では、例えば、テキスト印刷用、写真印刷用などの用途を想定して、各用途で好適な設定値を複数の設定項目それぞれに予め設定し、それら複数の設定が組み合わされた設定の組がプリセット設定組として不揮発性メモリ等に記憶される。そして、複数組あるプリセット設定組の中からいずれかを任意に選択する利用者操作が行われた場合には、不揮発性メモリ等からプリセット設定組が読み出され、その後の画像処理において利用される。
【0005】
さらに、このようなプリセット設定組のいずれかを選択した後、更に一部の設定項目について設定値を個別に変更できる複合機もある。このような複合機であれば、プリセット設定組を選択するだけで、大半の設定項目を簡単に設定できる上に、一部の設定項目に関しては、利用者の好みに合わせた変更などができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−300289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述のような複合機において、利用者操作で一部の設定項目を更新した後、誤って別のプリセット設定組を選択する利用者操作が行われるようなことがあると、そのような誤操作によって選択された設定内容が、最新の設定内容となってしまう。
【0008】
そのため、利用者があらためて誤操作直前の設定内容を復元したい場合には、もう一度所期のプリセット設定組を選択する操作、及び一部の設定項目を更新する操作などをやり直す必要があり、相応に面倒な手間がかかる、という問題があった。
【0009】
なお、このような問題は、複合機の印刷設定についてのみ起きる問題ではなく、複合機のスキャン設定、FAX設定でも起き得る問題である。また、プリント機能を備えたプリンタの印刷設定や、スキャン機能を備えたスキャナのスキャン設定でも起き得る問題でもある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、利用者操作で一部の設定項目を更新した後に、誤って別のプリセット設定組を選択する利用者操作が行われてしまうのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明において採用した構成について説明する。
本発明の画像処理装置は、原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構と、画像を表示する表示手段と、前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、プリセット設定組の設定値の表示を指令する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の利用者操作が受け付けられた場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
このような画像処理装置によれば、プリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされた状態では、選択状態にあるアイコンを見て、その時点で選択されているプリセット設定組を確認できる。そして、必要なら所望のプリセット設定組に変更、不要ならプリセット設定組の変更を省略して、後はスタートボタンに対する操作を行うだけで、画像処理機構による画像処理を実行できる。
【0013】
また、プリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされた状態では、選択状態にあるアイコン及び非選択状態にあるアイコンの双方が表示され、この段階では、非選択状態にあるアイコンを選択状態に変更する旨の操作が可能となる。一方、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた状態では、選択状態にあるアイコンは表示されるものの、非選択状態にあるアイコンについては非表示とされ、非選択状態にあるアイコンを選択状態に変更する旨の操作が不可能となる。
【0014】
したがって、詳細設定画面制御手段による表示がなされた状態でプリセット設定組の設定値を更新した後も、プリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされた状態と同等な表示及び操作が可能な状態となるものとは異なり、非選択状態にあるアイコンを選択状態に変更する旨の操作がなされたことに起因して、更新後のプリセット設定組が別のプリセットの設定に置き換わってしまう、といったトラブルが発生するのを未然に防止することができる。
【0015】
なお、本発明の画像処理装置は、次のような技術として把握することもできる。すなわち、本発明の画像処理装置は、原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構と、画像を表示する表示手段と、前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、プリセット設定組の設定値の表示を指令する出力信号が出力された場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の出力信号が出力された場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作を示す出力信号が出力された場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段とを備えることを特徴とするものでもある。
【0016】
ところで、本発明の画像処理装置において、前記プリセット設定組の詳細表示を指令する利用者操作、及び前記詳細設定画面に表示されたプリセット設定組の設定値を更新する旨の利用者操作は、画像に対する利用者操作を受け付ける機能をさらに備えた、前記表示手段により受け付けられると好ましい。
【0017】
また、本発明の画像処理装置において、前記スタートボタンは、前記表示手段に配置されると好ましい。
また、本発明の画像処理装置において、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段は、前記アイコンに加え、前記スタートボタンを前記表示手段に表示させ、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコン、及び前記スタートボタンを、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段による表示位置と同一位置に表示させると好ましい。
【0018】
このような画像処理装置によれば、詳細設定画面制御手段による表示がなされた状態でプリセット設定組の設定値を変更後、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた状態では、選択状態にあるアイコン及びスタートボタンが、プリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされた状態の場合と同一の位置に表示される。したがって、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた状態に移行した場合でも、選択状態にあるアイコンを見て、その時点で選択されているプリセット設定組を確認し、スタートボタンに対する操作を行う、という一連の操作は、プリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされた状態で実施する操作と同等になる。よって、プリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされた状態とプリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた状態で操作感の統一を図ることができ、利用者はより直感的な操作で所期の操作を行うことができるようになる。
【0019】
また、本発明の画像処理装置において、前記詳細設定画面表示制御手段は、前記スタートボタンを前記表示手段に配置せずに、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させると好ましい。
【0020】
このような画像処理装置によれば、詳細設定画面制御手段による表示がなされた状態において、選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を確認でき、その際、誤ってスタートボタンに対する操作を行ってしまう、といったトラブルが発生するのを未然に防止することができる。
【0021】
また、本発明の画像処理装置において、前記スタートボタンは、前記表示手段に複数表示されるとともに、各スタートボタンには、前記画像処理機構による画像処理に関する設定について、互いに異なる設定値が割り当てられており、前記画像処理機構制御手段は、前記選択状態にあるアイコンに対応するプリセット設定組に加えて、操作された一つの前記スタートボタンに割り当てられた設定値にも従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行すると好ましい。
【0022】
このような画像処理装置によれば、複数のプリセット設定組と複数のスタートボタンを組み合わせて選択することができるので、それらの組み合わせ総数に相当するプリセット設定組や、それらのプリセット設定組すべてに対応するアイコンを用意しなくても、多彩な設定を簡便に指定することができる。
【0023】
また、本発明の画像処理装置において、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段は、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更しない旨の利用者操作が受け付けられた場合、又は前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更する旨の利用者操作が受け付けられたものの、変更前後で設定値が同じであった場合、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させると好ましい。
【0024】
あるいは、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段は、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更しない旨の出力信号が出力された場合、又は前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更する旨の出力信号が出力されたものの、変更前後で設定値が同じであった場合、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させると好ましい。
【0025】
これらのような画像処理装置によれば、詳細設定画面制御手段による表示がなされた状態に移行した場合でも、プリセット設定組の設定値を更新しない結果となった場合には、再びプリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされるので、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた状態へ移行する場合とは異なり、プリセット設定組選択画面制御手段による表示が再びなされた状態において、複数のアイコンから所望のプリセット設定組を選択する操作を実行できる。
【0026】
また、本発明の画像処理装置において、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、のうち少なくともいずれかと、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンと、を、前記表示手段に表示させると好ましい。
【0027】
このような画像処理装置によれば、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた後、プリセット設定組の設定値を確認しつつ、スタートボタンに対する操作を実施できる。
【0028】
また、本発明の画像処理装置において、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記非選択状態態様で表示されていたアイコンの表示位置に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、のうち少なくともいずれかを前記表示手段に表示させると好ましい。
【0029】
このような画像処理装置によれば、プリセット設定組選択画面制御手段による表示がなされた状態では非選択状態にあるアイコンの表示に利用されていたものの、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた状態では非選択状態にあるアイコンの表示には利用されていない領域を、プリセット設定組の設定値を表示するために利用しているので、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた際の表示領域を有効利用して、プリセット設定組の設定値を表示することができる。
【0030】
また、本発明の画像処理装置において、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記変更後の設定値を前記表示手段に表示させると好ましい。
このような画像処理装置によれば、プリセット設定組更新済画面制御手段による表示がなされた後、所望の設定値に更新されていることを、より確実に確認できる。
【0031】
また、本発明の画像処理装置において、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段が前記選択状態態様で表示させたアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を一時記憶手段に記憶させ、選択状態変更手段が前記選択状態態様で表示させたアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記一時記憶手段に上書きさせる設定値上書制御手段を備え、前記画像処理機構制御手段は、前記一時記憶手段に記憶されたプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行すると好ましい。
【0032】
このような画像処理装置によれば、複数組のプリセット設定組があるにもかかわらず、どのプリセット設定組が選択されても、その設定値が一時記憶手段に上書きで記憶されるので、画像処理機構制御手段が画像処理機構を制御する際には、どのプリセット設定組が選択されたかを考慮することなく、一時記憶手段から設定値を読み出して制御を行うことができる。
【0033】
また、本発明のプログラムは、原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構を備える画像処理装置を制御する制御部を、前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で、表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、プリセット設定組の設定値の表示を指令する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の利用者操作が受け付けられた場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段として機能させることを特徴とする。
【0034】
このようなプログラムによって、上述のような画像処理装置の制御部を、上述した各手段として機能させれば、本発明の画像処理装置と同様の作用、効果を奏する。
さらに、本発明のプログラムは、次のような技術として把握することもできる。すなわち、本発明のプログラムは、原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構を備える画像処理装置を制御する制御部を、前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で、表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、プリセット設定組の設定値の表示を指令する出力信号が出力された場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の出力信号が出力された場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作を示す出力信号が出力された場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段として機能させることを特徴とするものでもある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】複合機の内部構成を示すブロック図。
【図2】液晶ディスプレイに表示される画面の例を示す説明図(その1)。
【図3】液晶ディスプレイに表示される画面の例を示す説明図(その2)。
【図4】第一実施形態の設定変更処理を示すフローチャート(その1)。
【図5】第一実施形態の設定変更処理を示すフローチャート(その2)。
【図6】第二実施形態の設定変更処理を示すフローチャート(その1)。
【図7】第二実施形態の設定変更処理を示すフローチャート(その2)。
【図8】第三実施形態の設定変更処理を示すフローチャート(その3)。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明の実施形態について、具体的な例を挙げて説明する。
〔1〕第一実施形態
[複合機の構成]
複合機1は、図1(a)に示すように、制御部11、画像読取部12、画像形成部13、ネットワーク通信部14、電話通信部15、及び操作パネル部16などを備えている。
【0037】
制御部11は、周知のCPU、ROM、RAM、及びNVRAMなどを備えるマイクロコンピュータを中心に構成されている。この制御部11において、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って後述する処理を実行し、これにより、複合機1の各部が制御されている。
【0038】
画像読取部12は、イメージセンサ、自動原稿送り装置(Automatic Document Feeder;ADF)などによって構成され、ADFによって搬送される原稿又はフラットベッドのプラテンガラス上に置かれた原稿からイメージセンサで画像を読み取り、その画像を表す画像データを生成することができる。画像形成部13は、インクジェット方式あるいは電子写真方式などを採用した画像形成機構によって構成され、シート状の被記録媒体(例えば記録用紙)に対して画像を記録することができる。
【0039】
ネットワーク通信部14は、ネットワークインターフェースカード(Network Interface Card;NIC)等によって構成される。電話通信部15は、モデム等によって構成され、電話回線(図示略)を介して通信を行う際に利用される。
【0040】
操作パネル部16は、液晶ディスプレイ部16A、内照式表示部16B、及びタッチパネル部16Cによって構成される。
これらのうち、液晶ディスプレイ部16Aは、任意の画像をフルカラーで表示可能なLCDモジュールによって構成されている。この液晶ディスプレイ部16Aには、各種アイコンや利用者操作用ボタンなどの画像、及び各種情報を示すテキストなどが、操作状況に応じて動的に表示される。
【0041】
内照式表示部16Bは、図1(b)に示すように、テンキーやその他の利用者操作用ボタンを示す画像が表示される部分である。この内照式表示部16Bの前面パネル上には、各画像が表示されることとなる位置に対応付けて光透過部が設けられ、各光透過部の背後に設けられた発光素子を点灯させると、透過光によって各画像が所定の色で発光表示される。なお、液晶ディスプレイ部16Aの表示面と内照式表示部16Bの表示面は、同一面上に位置するように配設されている。
【0042】
タッチパネル部16Cは、周知の方式(例えば静電容量方式など)で指先や操作子によるタッチ操作を検出可能な透明なフィルム状の入力デバイスである。このタッチパネル部16Cは、液晶ディスプレイ部16A及び内照式表示部16Bの表示面に重ねて配置されている。本実施形態においては、タッチパネル部16Cによってタッチ操作が検出された際、タッチ操作された位置に応じた出力信号がタッチパネル部16Cから制御部11に出力される。制御部11は、出力信号に基づいて、そのタッチ操作が、ドラッグ操作やフリック操作などのスライド操作なのか、あるいはシングルタップ操作やダブルタップ操作などのタップ操作なのか、ピンチ操作なのか、を判断する。制御部11は、また、液晶ディスプレイ部16Aの表示面と重なる範囲、及び内照式表示部16Bによって表示される画像と重なる位置に対するタッチ操作であるか否かも判断する。制御部11は、判断したタッチ操作の種類と位置とに対応する処理を実行する。
【0043】
[タッチ操作に伴う画面遷移の概要]
次に、複合機1の操作パネル部16でタッチ操作を行ったときの画面遷移の概要を説明する。複合機1の電源スイッチがオンにされた際、制御部11は、液晶ディスプレイ部16Aの表示領域である領域21A,21Bのうち、領域21Aに、図2(a)に示す「基本画面」を表示する。
【0044】
この領域21Aにおいて、利用者が領域21A右端付近にある三角印に対するタッチ操作、又は領域21Aを左方向(図中矢印A1方向)へスライドさせる操作(フリック操作又はドラッグ操作)を行うと、そのような利用者操作が、領域21Aの表示内容を左方向へスクロールさせる利用者操作としてタッチパネル部16Cによって受け付けられ、この場合、制御部11は領域21Aの表示内容を左方向へスクロールさせる。
【0045】
また、利用者が領域21A左端付近にある三角印に対するタッチ操作、又は領域21Aを右方向(図中矢印A2方向)へスライドさせる操作(フリック操作又はドラッグ操作)を行うと、そのような利用者操作がタッチパネル部16Cによって受け付けられ、制御部11が、領域21Aの表示内容を右方向へスクロールさせる利用者操作として判断する。この場合、制御部11は領域21Aの表示内容を右方向へスクロールさせる。なお、以上の他、「基本画面」を表示する際、制御部11は、日付、時刻、無線通信状態、インク残量、設定ボタンなどを領域21Aに表示する。
【0046】
このような「基本画面」を表示した状態において、領域21Aを左方向へスクロールさせる利用者操作がタッチパネル部16Cによって受け付けられると、制御部11は領域21Aの表示内容をスクロールさせ、図2(b)に示す「便利な機能画面」を領域21Aに表示する。なお、このとき、無線通信状態、インク残量、設定ボタンなど、一部の表示物については、スクロールさせることなく領域21A内に残される。
【0047】
このような「便利な機能画面」が表示された後、更に領域21Aを左方向へスクロールさせる利用者操作がタッチパネル部16Cによって受け付けられると、制御部11は図2(c)に示す「お気に入り画面」を領域21Aに表示する。なお、「お気に入り画面」は、ほぼ同等な「お気に入り1画面」、「お気に入り2画面」、及び「お気に入り3画面」の三つがあり、「お気に入り1画面」が表示された後、更に領域21Aを左方向へスクロールさせる利用者操作が繰り返されると、制御部11は「お気に入り2画面」、「お気に入り3画面」を順に表示する。
【0048】
「お気に入り3画面」が表示された状態で、更に領域21Aを左方向へスクロールさせる利用者操作がタッチパネル部16Cによって受け付けられると、制御部11は「基本画面」を表示する。以降は、利用者操作に応じて上述のような画面遷移を繰り返す状態になる。すなわち、領域21Aの表示内容を左方向へスクロールさせると、「基本画面」を含む五つの画面が循環表示される。また、領域21Aの表示内容を右方向へスクロールさせた場合は、上述の順序とは逆の順序で各画面が循環表示される。
【0049】
一方、左側にある領域21Bには、ファクス、コピー、スキャンといった複合機1の機能に対応するアイコンが表示される。この領域21Bの表示内容は、領域21Aの表示内容がスクロールする場合でもスクロールせず、常に同じ内容が表示される。
【0050】
利用者が複合機1の機能に対応するアイコンに対するタッチ操作を行うと、制御部11は、これらの機能ごとのトップページとなる画面を、液晶ディスプレイ部16Aに表示する。以下、利用者がコピーアイコンにタッチした場合を例に挙げて説明を続けると、この場合、制御部11は、図3(a)に示すような「プリセット設定組選択画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示する。
【0051】
「プリセット設定組選択画面」は、液晶ディスプレイ部16Aの表示領域を三つの領域25A,25B、25Cに分割し、上段の領域25Aには各種情報、中段の領域25bにはプリセット設定組に対応するプリセット設定組アイコン、下段の領域25Cには詳細設定ボタン、モノクロコピースタートボタン、カラーコピースタートボタンといったボタン群を表示した画面である。
【0052】
これらの領域25A〜25Cのうち、領域25Bは、利用者操作に応じて左右方向(図中矢印A1,A2方向)にスクロールする領域とされており、具体的には、利用者が領域25Bを左又は右方向へスライドさせる操作(フリック操作又はドラッグ操作)を行うと、そのような利用者操作がタッチパネル部16Cによって受け付けられ、制御部11は領域25Bの表示内容を、利用者操作で指定された方向へスクロールさせる。そして、このスクロールに伴って領域25Bの中央に移動した一つのアイコンが選択状態のアイコンとされ、選択状態にあることを示すフォーカスが付与される。また、選択状態にあるアイコンの左右両側には、選択状態にあるアイコン以外の非選択状態にあるアイコンが表示される。
【0053】
この状態で、モノクロコピースタートボタン、又はカラーコピースタートボタンのいずれかがタッチ操作されると、選択状態にあるアイコンに対応するプリセット設定と、スタートボタンで指定されたモノクロ/カラーの設定とを組み合わせて、コピーが開始される。
【0054】
また、「プリセット設定組選択画面」で詳細設定ボタンがタッチ操作されると、制御部11は、図3(b)に示す「詳細設定画面」を、液晶ディスプレイ部16Aに表示する。「詳細設定画面」は、液晶ディスプレイ部16Aの表示領域を三つの領域27A,27B、27Cに分割し、左の領域27Aには設定項目とその設定値、中央の領域27Bにはスクロールバー、右の領域27Cにはショートカット登録ボタン、OKボタンといったボタン群、選択状態にあるプリセット設定組に対応するプリセット設定組アイコンなどを表示した画面である。
【0055】
これらの領域27A〜27Cのうち、領域27Aは、利用者操作に応じて上下方向(図中矢印A3,A4方向)にスクロールする領域とされており、具体的には、利用者が領域27Aを上又は下方向へスライドさせる操作(フリック操作又はドラッグ操作)を行うと、そのような利用者操作がタッチパネル部16Cによって受け付けられ、制御部11は領域27Aの表示内容を、利用者操作で指定された方向へスクロールさせる。そして、このスクロールに伴って表示領域から外れた位置にある設定項目すべてを確認可能とされている。
【0056】
この状態で、設定項目のいずれかがタッチ操作されると、制御部11は、図3(c)に示すような、設定項目ごとの「選択肢表示画面」を、液晶ディスプレイ部16Aに表示する。「選択肢表示画面」は、液晶ディスプレイ部16Aの表示領域を二つの領域29A,29Bに分割し、左の領域29Aには設定項目に設定可能な設定値の選択肢、右の領域29Bにはショートカット登録ボタン、選択状態にあるプリセット設定組に対応するアイコンなどを表示した画面である。なお、右の領域29Bの表示物は、一部が「詳細設定画面」の右の領域27Cと共通である。
【0057】
図3(c)に例示した「選択肢表示画面」は、設定項目「コピー画質」に対応する「選択肢表示画面」であり、この場合、選択肢として、標準、高速、高画質の三つが選択できるようになっている。これらの選択肢を、利用者はタッチ操作で選択することができ、そのような利用者操作を受け付けたら、制御部11は、再び図3(b)に示す「詳細設定画面」を、液晶ディスプレイ部16Aに表示する。
【0058】
そして、「詳細設定画面」において、利用者がOKボタンをタッチ操作した場合、制御部11は、設定変更が行われていなければ、再び図3(a)に示す「プリセット設定組選択画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示する一方、設定変更が行われていれば、図3(d)に示す「プリセット設定組更新済画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示する。
【0059】
「プリセット設定組更新済画面」は、液晶ディスプレイ部16Aの表示領域を三つの領域31A,31B、31Cに分割した画面で、各領域に表示される情報やボタンの一部は「プリセット設定組選択画面」と共通の画像とされている。具体的には、領域31Aの左方に表示されるコピー枚数、領域31Bの中央にある選択状態のアイコン、領域31Cにある各ボタンの画像は、「プリセット設定組選択画面」と共通とされ、これにより、両画面で操作性に統一感を持たせてある。
【0060】
一方、「プリセット設定組更新済画面」には、「プリセット設定組選択画面」とは異なる部分もある。例えば、領域31Bには、選択状態にあるアイコンは表示されるものの、非選択状態にあるアイコンは非表示とされる。また、非選択状態にあるアイコンが非表示とされたことで空いた部分のうち、領域31Bの右方部分には、設定項目の設定値に関する情報が「プリセット設定組選択画面」よりも詳細に表示される。
【0061】
さらに、領域31Aには、「プリセット設定組選択画面」にはないキャンセルボタンも表示される。キャンセルボタンがタッチ操作された場合、それまでの設定変更操作は無効となり、制御部11は、図3(a)に示す「プリセット設定組選択画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示する。
【0062】
また、モノクロコピースタートボタン、又はカラーコピースタートボタンのいずれかがタッチ操作されると、「プリセット設定組選択画面」の場合と同様に、選択状態にあるアイコンに対応するプリセット設定と、スタートボタンで指定されたモノクロ/カラーの設定とを組み合わせて、コピーが開始される。
【0063】
なお、利用者が「詳細設定画面」及び「選択肢表示画面」にあるショートカット登録ボタンをタッチ操作すると、制御部11は、その時点で設定されている設定項目の内容を、後から一括して設定可能とするためのショートカット情報を作成する。このショートカット情報を作成すると、図2(c)に示した「お気に入り1画面」には、ショートカット情報に対応するアイコンが登録され、利用者は「お気に入り1画面」でアイコンをタッチ操作することにより、ショートカット情報として記憶された設定内容を一括設定することができる。
【0064】
[設定変更処理]
次に、以上のような画面遷移を伴う設定変更処理を実現するため、複合機1において制御部11によって実行される処理の内容を、図4及び図5に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下は、図2(a)〜同図(c)に示した各画面でコピーアイコンをタッチした際に開始される処理を例に挙げて説明するが、ファクスアイコンやスキャンアイコンをタッチした場合でも、設定変更に関する処理内容や表示内容はほぼ同様である。
【0065】
この処理を開始すると、制御部11は、まず、デフォルトのプリセット設定組の設定値をRAMに展開する(S10)。このRAMは、設定変更の内容を一時的に記憶するための作業用メモリである。また、制御部11は、設定値を変更したか否かを記憶させるためのフラグをオフにする(S20)。
【0066】
続いて、制御部11は、図3(a)に示すような「プリセット設定組選択画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示し(S30)、プリセット設定組アイコンがタッチされたか否か(S40)、詳細設定ボタンがタッチされたか否か(S50)、モノクロ又はカラーコピースタートボタンがタッチされたか否か(S60)、フラグはオンか否か(S65)、以上を順に判定する(S40〜S65:NO)。
【0067】
これらS40〜S65の判定を順に行う中、プリセット設定組アイコンがタッチされた場合(S40:YES)、制御部11は、選択されたプリセット設定組の設定値をRAMに展開して(S70)、S40へ戻る。これにより、RAMの内容が利用者操作に応じたプリセット設定組の内容に更新される。
【0068】
また、モノクロ又はカラーコピースタートボタンがタッチされた場合(S60:YES)、制御部11は、RAMに展開された設定値と、いずれか一方のコピースタートボタンで指定されたモノクロ/カラーの設定とを組み合わせて、画像読取部12及び画像形成部13に対する制御を実行し(S80)、これにより、コピーが開始される。
【0069】
なお、S65においては、フラグがオンでなければ(S65:NO)、S40へと移行する一方、フラグがオンであれば(S65:YES)、S50へと移行する。このフラグは、初期状態ではS20でオフとされるため、その状態においては、上述の通り、制御部11はS40〜S65の判定を順に行う状態となるが、後述する処理の中でオンとされる場合があり、その場合、制御部11は、S40の判定を行うことなく、S50〜S65の判定を順に行う状態となる。
【0070】
一方、詳細設定ボタンがタッチされた場合は(S50:YES)、図5へと進み、制御部11は、図3(b)に示すような「詳細設定画面」を表示し(S110)、設定項目がタッチされたか否か(S120)、ショートカット登録ボタンがタッチされたか否か(S130)、設定完了ボタンがタッチされたか否か又は戻るキーが押下されたか否か(S140)、以上を順に判定する(S120〜S140:NO)。
【0071】
これらS120〜S140の判定を順に行う中、設定項目がタッチされた場合(S120:YES)、制御部11は、図3(c)に示すような「設定値一覧画面」を表示する(S150)。そして、設定値がタッチされたか否か(S160)、戻るキーが押下されたか否か(S170)を順に判定する(S160〜S170:NO)。
【0072】
これらS160〜S170の判定を順に行う中、設定値がタッチされた場合(S160:YES)、制御部11は、変更された設定値でRAMを上書きする(S180)。これにより、RAM内の記憶内容は、利用者操作による設定変更が反映された内容に更新される。そして、S180の後は、フラグをオンにして(S190)、S110へ戻る。
【0073】
一方、S160〜S170の判定を順に行う中、戻るキーが押下された場合は(S170:YES)、S180及びS190を実行することなくS110へ戻る。この場合は、S150で「設定値一覧画面」を表示したものの、実質的な設定変更はなされないまま、「設定値一覧画面」を表示する前の状態に戻ることになる。
【0074】
また、S120〜S140の判定を順に行う中、ショートカット登録ボタンがタッチされた場合(S130:YES)、制御部11は、それまでに設定された設定値と、それに対応付けるショートカットアイコンとの対応をNVRAMに記憶して(S200)、図4及び図5に示す設定変更処理を終了する。なお、この場合、制御部11は、図2(c)に示した「お気に入り画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示する状態に移行し、そのS200で記憶したショートカットアイコンを画面内に表示する。
【0075】
また、S120〜S140の判定を順に行う中、設定完了ボタンがタッチされた場合又は戻るキーが押下された場合(S140:YES)、制御部11は、フラグはオンか否かを判断する(S210)。S210で、フラグがオンでない場合は(S210:NO)、図4のS30へと移行し、図3(a)に示すような「プリセット設定組選択画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示する(S30)。すなわち、設定完了ボタンがタッチされた場合又は戻るキーが押下された場合でも、実質的な設定変更がなされていない場合(すなわち、S180〜S190が実行されていない場合)には、「プリセット設定組選択画面」を再表示する。
【0076】
一方、S210で、フラグがオンである場合(S210:YES)、制御部11は、図3(d)に示す「プリセット設定組更新済画面」を液晶ディスプレイ部16Aに表示することにより、選択中のプリセット設定組のみ表示し、RAMに記憶されている設定値を表示する(S220)。S220では、設定変更の対象となった設定項目の設定値を、領域31Bの右方に表示する。
【0077】
そして、制御部11は、キャンセルが押下されたか否かを判断し(S230)、キャンセルが押下された場合は(S230:YES)、図4に示すS10へと移行し、この設定変更処理開始直後の初期状態へと戻る。また、キャンセルが押下されていない場合は(S230:YES)、図4に示すS60へと移行する。したがって、ここでモノクロ又はカラーコピースタートボタンがタッチされれば(S60:YES)、制御部11は、設定変更が行われたRAMの設定値と、いずれか一方のコピースタートボタンで指定されたモノクロ/カラーの設定とを組み合わせて、画像読取部12及び画像形成部13に対する制御を実行し、これにより、コピーが開始される。
【0078】
[効果]
以上説明したように、上記複合機1によれば、図3(a)に示す「プリセット設定組選択画面」では、選択状態にあるアイコンを見て、その時点で選択されているプリセット設定組を確認できる。そして、必要なら所望のプリセット設定組に変更、不要ならプリセット設定組の変更を省略して、後はスタートボタン(上記実施形態では、モノクロ又はカラーコピーの開始を指令するためのスタートボタンを例示。)に対する操作を行うだけで、画像処理機構による画像処理を実行できる。
【0079】
また、図3(a)に示す「プリセット設定組選択画面」では、選択状態にあるアイコン及び非選択状態にあるアイコンの双方が表示され、この段階では、非選択状態にあるアイコンを選択状態に変更する旨の操作が可能となる。一方、図3(d)に示す「プリセット設定組更新済画面」では、選択状態にあるアイコンは表示されるものの、非選択状態にあるアイコンについては非表示とされ、非選択状態にあるアイコンを選択状態に変更する旨の操作が不可能となる。
【0080】
したがって、図3(b)に示す「詳細設定画面」でプリセット設定組の設定値を更新した後も、「プリセット設定組選択画面」と同等な表示及び操作が可能な状態となるものとは異なり、非選択状態にあるアイコンを選択状態に変更する旨の操作がなされたことに起因して、更新後のプリセット設定組が別のプリセットの設定に置き換わってしまう、といったトラブルが発生するのを未然に防止することができる。
【0081】
また、上記複合機1では、「詳細設定画面」でプリセット設定組の設定値を変更後、「プリセット設定組更新済画面」では、選択状態にあるアイコン及びスタートボタンが、「プリセット設定組選択画面」の場合と同一の位置に表示される(図3(a)及び同図(d)参照。)。したがって、「プリセット設定組更新済画面」に移行した場合でも、選択状態にあるアイコンを見て、その時点で選択されているプリセット設定組を確認し、スタートボタンに対する操作を行う、という一連の操作は、「プリセット設定組選択画面」で実施する操作と同等になる。よって、「プリセット設定組選択画面」と「プリセット設定組更新済画面」で操作感の統一を図ることができ、利用者はより直感的な操作で所期の操作を行うことができるようになる。
【0082】
また、上記複合機1では、「詳細設定画面」として、スタートボタンが配置されていない画面を表示するので、「詳細設定画面」でプリセット設定組の設定値を更新している最中に、誤ってスタートボタンに対する操作を行ってしまうことはなく、そのような中途半端な設定状態のまま画像処理(コピー、スキャン、ファクス送信など)を開始してしまう、といったトラブルが発生するのを未然に防止することができる。
【0083】
さらに、上記複合機1では、複数のプリセット設定組の中からいずれかを選択できることに加え、モノクロコピースタートボタン又はカラーコピースタートボタンのいずれかを選択できる。したがって、両者の組み合わせ総数に相当するプリセット設定組や、それらのプリセット設定組すべてに対応するアイコンを用意しなくても、多彩な設定を簡便に指定することができる。
【0084】
また、上記複合機1では、S110へと移行して「詳細設定画面」を表示した場合でも、キャンセルが押下された場合には(S230:YES)、S10へと戻ってS30で「プリセット設定組選択画面」が再表示されるので、「プリセット設定組更新済画面」へ移行する場合とは異なり、S40〜S60へと進むことで、S30で再表示される「プリセット設定組選択画面」において、複数のアイコンから所望のプリセット設定組を選択する操作を実行できる。
【0085】
また、上記複合機1では、「プリセット設定組更新済画面」に表示されている一つのアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を、「プリセット設定組更新済画面」内に表示するので、「プリセット設定組更新済画面」を表示した後、所望の設定値に更新されていることを確認しつつ、スタートボタンに対する操作を実施できる。
【0086】
また、上記複合機1では、「プリセット設定組選択画面」では非選択状態にあるアイコンの表示に利用されていたものの、「プリセット設定組更新済画面」では非選択状態にあるアイコンの表示には利用されていない領域を、プリセット設定組の設定値を表示するために利用しているので、「プリセット設定組更新済画面」内の領域を有効利用して、プリセット設定組の設定値を表示することができる。
【0087】
また、上記複合機1では、更新された設定値を含むプリセット設定組の設定値を、「プリセット設定組更新済画面」内に表示するので、「プリセット設定組更新済画面」を表示した後、所望の設定値に更新されていることを、より確実に確認できる。
【0088】
また、上記複合機1では、非選択状態にある一つのアイコンを選択状態に変更する旨の利用者操作が受け付けられた場合に(S40:YES)、選択状態に変更されるアイコンに対応するプリセット設定組の設定値をRAMに上書きで記憶させ、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合には、RAMに記憶されたプリセット設定組の設定値に従って画像処理が実行されるので、その際、どのプリセット設定組が選択されたかを考慮することなく、単にRAMに格納された設定値を読み出して画像処理に関する制御を行うことができる。
【0089】
〔2〕第二実施形態
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態との共通部分が多いので、相違点を中心に詳述する。なお、第一実施形態との共通部分に関しては、第一実施形態と同じ符号を付すことにして、その詳細な説明を省略する。
【0090】
[設定変更処理]
第二実施形態においては、設定変更処理を開始すると、図6に示すように、制御部11は、まず、デフォルトのプリセット設定組の設定値をRAM1,RAM2に展開する(S15)。すなわち、第一実施形態では、S10で単一のRAMに設定値を展開していたが、これに代わるS15では、設定値を二つのメモリ(RAM1,RAM2)に展開する。
【0091】
そして、制御部11は、S30〜S65については、第一実施形態と同等な処理を実行し、S40〜S65の判定を順に行う中、プリセット設定組アイコンがタッチされた場合(S40:YES)、制御部11は、選択されたプリセット設定組の設定値をRAM1,RAM2に展開して(S75)、S40へ戻る。これにより、RAM1,RAM2の内容が利用者操作に応じたプリセット設定組の内容に更新される。
【0092】
また、モノクロ又はカラーコピースタートボタンがタッチされた場合(S60:YES)、制御部11は、RAM1に展開された設定値と、いずれか一方のコピースタートボタンで指定されたモノクロ/カラーの設定とを組み合わせて、画像読取部12及び画像形成部13に対する制御を実行し(S85)、これにより、RAM1に展開された設定値に従ったコピー処理が開始される。
【0093】
一方、詳細設定ボタンがタッチされた場合は(S50)、図7及び図8に示した処理へと進む。そして、S110〜S130については、第一実施形態と同等な処理を実行する。一方、第一実施形態のS140に代えて、第二実施形態では、設定完了ボタンがタッチされたか否か(S145)、戻るキーが押下されたか否か(S147)、これらを分けて判定し、S120〜S147の判定を順に実行する(S120〜S147:NO)。
【0094】
これらS120〜S147の判定を順に行う中、設定項目がタッチされた場合(S120:YES)、S150〜S170,S190については、第一実施形態と同等な処理を実行する。そして、S160において、設定値がタッチされたと判断された場合(S160:YES)、制御部11は、変更された設定値でRAM2を上書きする(S185)。すなわち、第一実施形態では、S180で単一のRAMを上書きしていたが、第一実施形態のS180に代えて、第二実施形態では、S185において、RAM2の上書きをするものの、RAM1の記憶内容は保持される。
【0095】
また、S120〜S147の判定を順に行う中、設定完了ボタンがタッチされた場合(S145)、S210,S230については第一実施形態と同等な処理を実行する。一方、第一実施形態のS220に代えて、第二実施形態では、RAM2の設定値をRAM1に上書きして(S223)、選択中のプリセット設定組のみ表示し、RAM1に記憶されている設定値を表示する(S225)。すなわち、S185でRAM2に格納された値は、S223において初めてRAM1に上書きされ、以降、S225で表示されるRAM1の設定内容の有効性が確定することになる。
【0096】
一方、S120〜S147の判定を順に行う中、戻るキーが押下された場合は(S147:YES)、RAM1の設定値をRAM2に上書きする(S235)。すなわち、第二実施形態では、戻るキーの役割が第一実施形態とは相違し、第一実施形態では、更新された設定値を元に戻すことなく画面を上位の画面に戻すだけであったが、第二実施形態では、更新された設定値を元に戻した上で、画面を上位の画面に戻している。
【0097】
[効果]
以上説明したように、上記複合機1によれば、上述の第一実施形態と同様の作用、効果を奏する他、RAM1,RAM2を利用して、第一実施形態では実現できなかった、更新後の設定値を元に戻すことも実現できるようになる。
【0098】
したがって、例えば、この処理で利用する作業用メモリが増大しても問題がない場合は、第二実施形態の構成を採用しておけば、誤った設定変更をした場合などには、設定内容を元に戻す作業が実施しやすくなる。一方、そのような作業が重要でなければ、第一実施形態の構成を採用することで、作業用メモリの使用量を削減することができる。
【0099】
〔3〕その他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
【0100】
例えば、上記実施形態では、詳細設定ボタン、モノクロコピースタートボタン、カラーコピースタートボタンが、液晶ディスプレイ部16Aに表示され、それらに対する入力操作をタッチパネル部16Cで受け付けるように構成されていたが、いずれかのボタン又は全てのボタンが、タッチパネル部16Cとは異なる入力手段(例えば、ボタンを備える入力装置)によって構成されていてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、タッチパネル部16Cについては、周知の方式(例えば静電容量方式など)でタッチ操作を検出可能であればよい旨を説明したが、静電容量方式以外の方式としては、例えば、電磁誘導方式、赤外線方式、表面弾性波方式、抵抗膜方式などを利用することができる。
【0102】
また、上記実施形態では、液晶ディスプレイ部16A及び内照式表示部16Bの双方で単一のタッチパネル部16Cを共用する例を示したが、液晶ディスプレイ部16Aと内照式表示部16Bとで、それぞれ別々のタッチパネル部が設けられていてもよい。その場合、それら別々のタッチパネル部は、同じ方式のものであってもよいが、それぞれ異なる方式のタッチパネル部であってもよい。例えば、一方は指先での操作に適した方式で、他方は操作子(例えば、操作用のペン)での操作に適した方式にするとか、一方は分解能が高い方式で、他方は分解能が低いものの安価な方式にする、といったことが可能である。
【0103】
また、上記実施形態では、表示デバイスである液晶ディスプレイ部16Aと入力デバイスであるタッチパネル部16Cを重ねた構造にすることで、表示機能及び入力機能の双方を備える操作パネル部16を構成してあったが、単一のデバイスで表示機能及び入力機能の双方を備えるデバイスを利用すれば、そのような単一のデバイスで操作パネル部16を構成することもできる。
【0104】
さらに、上記実施形態では、図4及び図6に例示した処理中で、S40〜S65の判定を順に行っていたが、S65の判断を行うか否かは任意であり、例えば、S60でモノクロ又はカラーコピースタートボタンがタッチされていない場合には(S60:NO)、S65の判定を行うことなくS40へと移行し、これにより、S40〜S60の判定を順に行うようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、S180において、変更された設定値でRAMを上書きしていたが、変更された設定値でRAMを上書きせず、変更された設定値を新規に記憶するようにしてもよい。この場合、S60:YESとの判定後は、変更後の設定値と、変更を指示されなかった設定値と、スタートボタンで指定された設定とを組み合わせてコピーを開始すればよい。
【0106】
また、上記実施形態では、複合機1が備える制御部11及び操作パネル部16により、上述の各種表示及び各種入力の受け付けを実現する例を示したが、複合機1とパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォンなどの情報処理装置とを接続した場合は、それらの情報処理装置が備える制御部、表示部、及び入力部を利用して、上述の各種表示及び各種入力の受け付けを実現することも可能である。
【0107】
具体的には、図4から図8のフローチャートに示した各処理と同等な処理を、複合機1に接続された情報処理装置の制御部に実行させるプログラムを情報処理装置にインストールし、そのプログラムに従った処理を情報処理装置の制御部が実行する。これにより、情報処理装置が備える表示部及び入力部において、上述の各種表示及び各種入力の受け付けが実現され、例えば、図1から図3に示す画面は、情報処理装置が備える表示部に表示される。また、S80,S85のような複合機1が備える構成を制御する処理ステップは、情報処理装置から複合機1へコピー実行の指令を送信する処理ステップで代替され、これにより、複合機1側では、指令を受けた制御部11が複合機1が備える構成を制御する。
【0108】
加えて、上記実施形態では、コピー機能に関する設定変更について例示したが、他の機能に関する設定変更についても、同様のユーザーインターフェースで実現できるのはもちろんである。
【0109】
また、上記実施形態では、ファクス機能、スキャン機能、コピー機能などを備える複合機1を例に挙げたが、単機能のプリンタ、単機能のイメージスキャナ、単機能のファクシミリ装置などにおいても、本発明の構成を採用することができる。また、上述したパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォンなどの情報処理装置を、表示部及び入力部として利用する構成とする場合にも、そのような情報処理装置での制御対象については、上述のような単機能のプリンタ、スキャナ、ファクシミリ装置とすることができる。この場合、情報処理装置では、図4から図8のフローチャートが示す処理と同等な処理を実行させるためのプログラムを利用して、それら単機能の機器を対象とした表示及び入力などを実行することとなる。
【符号の説明】
【0110】
1・・・複合機、11・・・制御部、12・・・画像読取部、13・・・画像形成部、14・・・ネットワーク通信部、15・・・電話通信部、16・・・操作パネル部、16A・・・液晶ディスプレイ部、16B・・・内照式表示部、16C・・・タッチパネル部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構と、
画像を表示する表示手段と、
前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、
前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、
前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、
プリセット設定組の設定値の表示を指令する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、
前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の利用者操作が受け付けられた場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、
前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構と、
画像を表示する表示手段と、
前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、
前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、
前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、
プリセット設定組の設定値の表示を指令する出力信号が出力された場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、
前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の出力信号が出力された場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、
前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作を示す出力信号が出力された場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記プリセット設定組の詳細表示を指令する利用者操作、及び前記詳細設定画面に表示されたプリセット設定組の設定値を更新する旨の利用者操作は、画像に対する利用者操作を受け付ける機能をさらに備えた、前記表示手段により受け付けられる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記スタートボタンは、前記表示手段に配置される
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段は、前記アイコンに加え、前記スタートボタンを前記表示手段に表示させ、
前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコン、及び前記スタートボタンを、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段による表示位置と同一位置に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記詳細設定画面表示制御手段は、前記スタートボタンを前記表示手段に配置せずに、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記スタートボタンは、前記表示手段に複数表示されるとともに、各スタートボタンには、前記画像処理機構による画像処理に関する設定について、互いに異なる設定値が割り当てられており、
前記画像処理機構制御手段は、前記選択状態にあるアイコンに対応するプリセット設定組に加えて、操作された一つの前記スタートボタンに割り当てられた設定値にも従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段は、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更しない旨の利用者操作が受け付けられた場合、又は前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更する旨の利用者操作が受け付けられたものの、変更前後で設定値が同じであった場合、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させる
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段は、前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更しない旨の出力信号が出力された場合、又は前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値を変更する旨の出力信号が出力されたものの、変更前後で設定値が同じであった場合、前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させる
を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、のうち少なくともいずれかと、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンと、を、前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記非選択状態態様で表示されていたアイコンの表示位置に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、のうち少なくともいずれかを前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段は、前記変更後の設定値を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段が前記選択状態態様で表示させたアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を一時記憶手段に記憶させ、選択状態変更手段が前記選択状態態様で表示させたアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記一時記憶手段に上書きさせる設定値上書制御手段を備え、
前記画像処理機構制御手段は、前記一時記憶手段に記憶されたプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する
ことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構
を備える画像処理装置を制御する制御部を、
前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、
前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で前記表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で、表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、
前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、
プリセット設定組の設定値の表示を指令する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、
前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の利用者操作が受け付けられた場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、
前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
原稿から画像を読み取る画像読取機構、及び被記録媒体に対して画像を形成する画像形成機構のうち、少なくとも一方である画像処理機構
を備える画像処理装置を制御する制御部を、
前記画像処理機構による画像処理に関する複数の設定が予め組み合わされた設定の組であるプリセット設定組を複数記憶するプリセット設定組記憶手段と、
前記複数のプリセット設定組それぞれに対応する複数のアイコンのうち、一つのアイコンは選択状態にあることを示す態様である選択状態態様で、表示手段に表示させ、残りのアイコンについては非選択状態にあることを示す態様であって前記選択状態にあることを示す態様とは異なる態様である非選択状態態様で前記表示手段に表示させるプリセット設定組選択画面表示制御手段と、
前記非選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記選択状態態様で表示させる旨の利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されている一つのアイコンを前記非選択状態態様で表示させる選択状態変更手段と、
プリセット設定組の設定値の表示を指令する出力信号が出力された場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値を前記表示手段に表示させる詳細設定画面表示制御手段と、
前記表示手段に表示されたプリセット設定組の設定値のうちいずれかを変更する旨の出力信号が出力された場合に、変更後の設定値を記憶手段に記憶させる設定値記憶制御手段と、
前記設定値記憶制御手段によって、前記変更後の設定値が記憶された場合に、前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記選択状態態様で表示されていた一つのアイコンを前記表示手段に表示させる一方、前記非選択状態で表示されていた前記残りのアイコンを前記表示手段に表示させないプリセット設定組更新済画面表示制御手段と、
前記プリセット設定組選択画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作が受け付けられた場合に、前記選択状態態様で表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行し、前記プリセット設定組更新済画面表示制御手段によって前記アイコンが前記表示手段に表示されている状態において、スタートボタンに対する利用者操作を示す出力信号が出力された場合に、表示されているアイコンに対応するプリセット設定組の設定値のうち、変更する旨の利用者操作の対象とならなかった設定値と、前記変更後の設定値と、に従って前記画像処理機構を制御することにより、前記画像処理機構による画像処理を実行する画像処理機構制御手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−92831(P2013−92831A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232989(P2011−232989)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】