説明

画像処理装置及び分割図面の画像接合方法

【目的】画像処理装置における分割図面(画像データ)の入力から接合,表示までの処理の自動化に貢献でき、簡易な手法により処理時間の短縮化を図る。
【構成】給紙部5にセットされた枠線付き分割図面をイメージスキャナ6で読み取った後、この画像データに対して中央処理部4が傾き補正及び枠線除去を行う。傾き補正は、少なくとも2辺の端点座標を基に算出し、この算出値から画像データを座標変換して行う。枠線除去は枠線の座標を基準にしてそれより内側に入り込んだ画素列を切り取り線として行う。枠線除去及び傾き補正された画像データは、図紙に記された各自の識別用符号及び隣接し合う識別用符号と関連付けて画像メモリ部2に記憶され、必要に応じて接合対象となる画像データが中央処理部4に読み出されて接合処理され、ディスプレイ7を通して表示される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、図面をイメージスキャナにより読み取りディジタル信号に変換してディスプレイ等に表示可能にした画像処理技術に係り、特に、各図紙ごとに描画された分割図面を、各分割図面ごとにイメージスキャナにより読み取り、これらの読み取った分割図面(画像データ)を接合(合成)処理して一つの図面として表示可能にする画像処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】画像処理装置に入力する図面(総図)の大きさがイメージスキャナのスキャン範囲より大きい場合には、総図を複数の図面に分割して、各図紙に描画された分割図面ごとにイメージスキャナにより読み取って記憶する必要がある。また、必要に応じて記憶された分割図面(画像データ)を中央処理部にて接合処理してディスプレイ等を通して表示している。
【0003】ここで、一例として複数に分割された図面(例えば道路地図)を画像処理装置に入力して接合する場合の従来手法について説明する。
【0004】分割図面をイメージスキャナでスキャンする場合の一つの問題点は、分割図面が傾いた状態でイメージ入力されると、きちんと接合されないことである。そのため、従来は、分割図面を各図紙ごとにイメージスキャンした後、逐一、イメージスキャンされた画像をディスプレイに表示して目視により傾きをチェックし、傾きが許容以上であれば、再度、図紙を読み取り器にセットし直してイメージスキャンで読み取る作業を行う、いわゆるカットアンドトライ方式を採用していたため、多くの手間を要していた。
【0005】また、元図となる道路地図等が複数頁にわたって分割してある場合には、通常は、その分割線が図紙中の図面領域を示す枠線となって印刷されているが、この枠線もイメージスキャナにより読み取られるので、画像データを一枚に接合処理した時に何等の配慮がない場合には、この枠線も表示されてしまい視覚的にみにくい表示態様となってしまう。そのため、枠線除去を行う必要があるが、従来は、この枠線除去もディスプレイに表れた画像を目視しながら人手を介して行っていたので、多くの手間を要していた。
【0006】さらに、分割図面を入力して記憶させる場合には、後々の接合処理の便宜のために、分割図面をイメージスキャンするごとに、その分割図面の名称(符号)及び隣接する分割図面の名称(符号)も関連づけて入力することが望まれるが、これらの名称入力も人手を介して行っていたために、多くの手間を要していた。
【0007】一方、図面接合処理の自動化に関する技術も種々提案されている。
【0008】例えば、特開平2−28780号公報に記載された図面管理システムは、複数の図面に関するイメージ情報をベクトルデータ処理して記憶するが、このベクトルデータ処理された複数の図面を自動接合する手法としては、まず注目図面に対して隣接する相手方図面を図面のレイヤ(例えば、電力線配線,装置配置,エリアレイアウト)から探し出し、隣接し合う各図面ごとに、境界上(隣接し合う辺)にある対応し合うベクトルデータの任意の端点を選択し、これらの端点同士に位置ずれがあるか判断し、位置ずれがある場合には、ベクトルデータに基づき座標補正している。
【0009】特開平6−60177号公報に記載された図面接続装置では、複数に分割された分割図面をイメージスキャナ等で読み取り記憶した後、図面接続(合成)を行う場合には、隣接し合う図面データを抽出した後、これらの図面間に跨がっている図形同士の対応づけを図形の特徴をとらえて行い、対応づけされた図形同士の端点に位置ずれがある場合には、端点間の距離(ずれ)を算出して、位置ずれ補正した後に図面同士の接続を行っている。
【0010】特開平6−164893号公報に記載された画像処理装置では、複数の分割された原稿(図面)をイメージスキャナで読み取り記憶した後、隣接し合う一方の画像の一辺と他方の画像の一辺とで所定エリアにて特徴量の抽出を行い、その後、つなぎあわせ対象の画像にずれがある場合には、画像を上下方向及び左右方向に移動させて画像のずれを補正し、画像を数度回転させることにより読み取り時の原稿の傾きを補正している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術のうち、特開平2−28780号公報の図面処理装置は、ベクトルデータ処理方式のものが適用対象となり、イメージスキャナにより読み取った分割図面をディジタル信号に変換してそのまま記憶する方式のものでは適用不可であり、また、特開平2−28780号、特開平6−60177号、特開平6−164893号公報等に記載される分割図面の接合方式は、いずれも画像の中の図形等の特徴から隣接し合う図面の接合すべき辺を抽出するが、この特徴の抽出には多くの時間をかけていた。また、入力された図面同士に位置ずれがあるか否かの検出にも比較的時間を要し、さらに、入力された図面の傾きをどのように検出するかは具体的な手法が提示されていなかった。
【0012】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目的は、まず適用対象が、分割図面をイメージスキャナによりディジタル信号に変換してそのまま画像メモリに記憶し、必要に応じて分割図面(画像データ)を隣接し合う同士で接合して表示することができる画像処理装置であり、この種の画像処理装置における図面の入力から接合,表示までの処理の自動化に貢献でき、しかも簡易な手法により処理時間の短縮化を図り得る画像処理技術を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の適用対象となる画像処理装置は、図面をディジタル信号に変換して読み取るイメージスキャナと、複数の方形ブロックに分割して得られた図面を前記イメージスキャナにより一枚づつ読み取ると、分割図面ごとに画像データとして記憶する画像メモリ部と、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを必要数だけ読み出して接合する画像接合手段と、画像データを表示する表示手段とを備えることを前提に、次の課題解決手段を有する画像処理装置を提案する。
【0014】■イメージスキャナにより読み込んだ分割図面に傾きがある場合、図面処理装置によってその傾き量を検出して座標変換により傾きを補正することができれば、イメージスキャナを用いて再度スキャンする必要がなくなる。
【0015】そこで、本発明では、特に分割図面を描画する各図紙中に分割線相当の枠線(この枠線は図面領域を特定するものとして、例えば、道路マップ等の地図本では一般に地図と共に付記されている)が記されていることに着目し、これを利用して傾き補正する。すなわち、分割図面は、横方向をX座標,縦方向をY座標で表されるが、その図面の傾きを、イメージスキャナで読み取った画像データから枠線を検出して、その枠線の少なくとも2辺の端点座標(X座標,Y座標)を基に図面の縦,横の傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換(傾きを修正する座標変換)により補正する傾き補正手段を備えた画像処理装置を提案する(これを第1の課題解決手段とする)。
【0016】■また、イメージスキャナにより読み込まれた画像データから分割図面の枠線が検出されると、検出された枠線の座標を基準に該枠線より所定画素数だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを前記傾き補正後に分割図面として前記画像メモリ部に記憶させる枠線除去手段を備える画像処理装置を提案する(これを第2の課題解決手段とする)。
【0017】■さらに、地図(分割図面)等を数頁にわたって表す場合には、一般に、各頁の図紙には、各自の分割図面を識別させる符号及び隣接する分割図面がどの頁にあるか識別させる符号が付記してあるが、本発明では、これらの符号を利用して、イメージスキャナが、分割図面に加えてその図紙中に記された各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号を読み取ると、画像メモリ部に分割図面の各画像データをそれらの識別用符号と関連付けて記憶するように設定し、分割図面の画像データ同士の接合に際して、接合対象となる画像データを前記識別用符号から認識して前記画像メモリ部より読み出して組み合わせる符号認識手段を備えた画像処理装置を提案する(これを第3の課題解決手段とする)。
【0018】■さらに、上記第1〜第3の課題解決解決手段を任意に組み合わせたものも提案する(これを第4の課題解決手段とする)。
【0019】また、分割図面の画像接合処理の自動化を図る方法として、次のような処理方法を提案する。
【0020】■一つは、(a)複数の方形ブロックに分割して得られた図面を一枚づつイメージスキャナにより読み取らせて、ディジタル信号に変換した後に画像メモリ部に分割図面ごとに画像データとして記憶させ、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを中央処理装置に必要数だけ読み出して表示可能に接合する分割図面の画像接合方法において、(b)前記イメージスキャナが、分割線に相当する枠線付きの分割図面に加えてその図紙中に記された各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号を読み取ると、前記中央処理装置により、(c)まず、この分割図面の画像データの枠線の存在しそうな領域を走査チェックさせて枠線を検出させ、(d)次いで、検出された枠線の座標を基準に該枠線より所定画素数だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出させて枠線除去を行わせると共に、(e)この枠線除去された画像データの少なくとも縦,横2辺の端点座標を前記枠線の端点座標を基に求めさせ、この求めた画像データの2辺の端点座標より前記イメージスキャナにより読み取られた画像データの傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正させ、(f)この傾き補正及び枠線除去のなされた各画像データを前記識別用符号と関連付けて前記画像メモリ部に記憶させ、(g)分割図面の接合指令がなされると、接合対象となる画像データを前記識別用符号から認識して前記画像メモリ部より読み出して組み合わせて、分割図面の画像データの隣接し合う辺同士をその端点を位置合わせして表示可能に接合させることを特徴とする(これを、第5の課題解決手段とする)。
【0021】もう一つは、上記の(a)〜(g)のうち、(d),(e)の工程を逆にして、上記(c)の後の工程として、(d´)前記枠線の縦,横2辺の端点座標から前記イメージスキャナにより読み取られた画像データの傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正させると共に、(e´)この傾き補正された画像データのうち枠線から内側に所定画素数だけ入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出して枠線除去を行わせ、この傾き補正及び枠線除去のなされた各画像データを前記識別用符号と関連付けて前記画像メモリ部に記憶させた(これを第6の課題解決手段とする)。
【0022】
【作用】
第1の課題解決手段の作用…イメージスキャナにより入力された図面(画像データ)の縦,横の傾き量は、その画像データ中の枠線を検出すれば、枠線の横一辺と縦一辺との少なくとも計2辺の端点座標を基に算出可能である(ここで、端点座標を基に算出するとは、端点座標そのもの、或いは枠線の端点座標を基準にこの枠線と平行にスライドさせた線の端点座標も含む)。すなわち、横枠線の両端点におけるY座標の差が縦方向の傾き量、縦枠線の両端点におけるX座標の差が横方向の傾きを示す。この傾きをなくす方向に画像データの各画素について座標変換を行うことで画像データの傾きを自動的に修正可能である。
【0023】第2の課題解決手段の作用…イメージスキャナにより読み込まれた画像データから分割図面の枠線を検出すると、枠線の座標を知り得るために、この枠線の座標を基準にして、該枠線より所定画素数(1画素或いはそれ以上の画素数)だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として選定すことが可能である。この切り出し線は枠線と平行になるが、このような切り出し線を設定すると、枠線の影響(枠線の印刷のかげり)がなくなり、また、切り出し線となるべき画素列の座標は枠線より知り得るので、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出して画像メモリ部に記憶すれば、自ずと枠線が除去される。
【0024】第3の課題解決手段の作用…画像メモリ部の各画像データ(分割図面)は、それぞれ、自身の図面であることを識別する符号及び隣接する画像データが何であるかを関連付けて記憶されるので、複数の画像データを組み合わせて接合,表示する場合には、その符号を認識することで、必要な画像データの読み出しとその組み合わせを自動的に行い得る。
【0025】第4の課題解決手段の作用…第1の課題解決手段の作用〜第3の課題解決手段の作用を行わせることで、イメージスキャナにより入力された画像データ(分割図面)の傾き補正,枠線除去,画像メモリ部への記憶,記憶された画像データのうち接合対象に必要な画像データの読み出し及び組み合わせを全て自動を行い得る。
【0026】第5,第6の課題解決手段の作用…(a)に示すような画像の読み取り、画像メモリ部への記憶、記憶された全画像データのうち接合対象となる必要数の画像データの読み出し及び接合表示を行う工程において、(b)〜(g)の工程を付与することによって、イメージスキャナ,画像メモリ部及び中央処理装置等を備えた計算機システムを利用して、イメージスキャナにより読み取った画像データ(分割図面)を自動的に傾き補正し、且つ、枠線除去して画像メモリ部に識別用の符号と共に記憶させると共に、接合に必要な画像データのみを短時間で読み出して自動的な位置合わせにより接合することができ、これらの分割図面をディスプレイ等に総図或いは広域にわたる一枚の図面(接合図面)として再現することが可能になる。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0028】図1は、本発明の一実施例に係る画像処理装置の構成図である。図1の説明に先立ち、処理対象となる図面の例を図3,図4により説明する。
【0029】図3の符号21は、一枚の図紙2に描画された図面(ここでは、地図が描画されている)の総図であって、この総図21はイメージスキャナのスキャン領域より大きいために、分割線(区割線)22によって複数の方形ブロックの図面に分割される。ここでは総図が縦4×横4の16ブロックに均等に分割される。図紙2の余白の桝目23に示したA〜Pの符号は、各分割図面をブロック表示する識別用の符号に相当する。
【0030】図4は上記総図21を複数のブロックに分割したうちの一つを例示したもので、ここでは、一例としてFブロックに相当の分割図面(地図)31を図紙30に例示したもので、図紙30の地図31は分割線に相当する枠線(ここでは、上下の横枠2辺と縦枠1辺)32,33,34によって枠取りしてあり、且つ、図紙30の上部余白には、各自の分割図面31の識別用符号を表示する表示部35と、隣接する分割図面の識別用符号を表示する表示部36とが付記してある。このような印刷パターンの図紙(頁)を製本化したものが、例えば、道路マップのような本として市販されている。ここで、上記の識別用符号はA〜Pとして英文字のアルファベットとして表示したが、これに代えて各地図の頁数を符号として表したものもあり、その態様を限定するものではない。本実施例では、この分割図面を全て、以下に述べる画像処理装置にイメージデータとして入力させて、ユーザの希望に応じて、ある区域の地図をディスプレイ等で単独で表示可能にする他に、複数ブロックの地図を必要数だけ組み合わせて接合することで、一枚の広域地図としても表示可能にしてある。
【0031】次に図1の画像処理装置について説明する。
【0032】図中、1は画像処理装置の本体で、周辺装置として自動給紙装置5を有するイメージスキャナ6と、図形や文字データ等を画像表示するディスプレイ7、プリンタ8を備える。イメージスキャナ6は、自動給紙装置5から送られる原稿を光学的に読み取った後に、これを電気信号(ディジタル信号)に変換し、このディジタル信号を通信線9を介して画像処理装置1に送る。
【0033】画像処理装置1は、画像メモリ部2と、図面処理に必要な各種プログラム3A〜3Cを格納するプログラムメモリ部3と、処理プログラム3A〜3C及び画像メモリ部2に記憶された図面データを読み出して、必要な画像処理を行う中央処理装置(CPU)4とを備える。
【0034】画像メモリ部2は、X方向座標とY方向座標を持ち、各座標のビット数としては、1画素分の情報量をもつ特殊なメモリである。イメージスキャナ6により読み取られた図面データは、1枚ごとに画像データとして画像メモリ部2の頁メモリに記憶され、記憶された各画像データの左上隅を原点(0,0)とし、右にゆくとX座標が増加し、下にゆくとY座標が増加する。
【0035】プログラムメモリ部3には、イメージスキャナ11により読み取った画像データのスキャナ読み取り時に生じる分割図面31(図3参照)の傾きを検出して、その傾き補正を実行するための傾き補正プログラム3Aと、分割図面31の枠線32,33,34を除去するための枠線除去プログラム3Bと、分割図面31の各図紙30の符号表示部35,36に記された識別用符号を認識するための図面認識プログラム3Cとが格納してある。
【0036】ここで、本実施例の分割図面に対する画像データ処理の工程を図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0037】まず、自動給紙装置5に複数の方形ブロックに分割して得られた図面を一枚づつイメージスキャナ6により読み取らせる(ステップS1)。ここで、読み取り対象となる図面は、分割線に相当する枠線32〜34付きの分割図面31に加えてその図紙30中に記された各自の分割図面の識別用符号35及び隣接する分割図面の識別用符号36である。この読み取りデータ(画像データ)は、ディジタル信号に変換した後に一枚づつ図面処理装置1に入力される(ステップS2)。
【0038】この画像データが入力されると、中央処理装置4によって、まず、その画像データが主メモリ4Aに記憶されて、傾き補正プログラム3A及び枠線除去プログラム3Bの処理プログラムにより次のような工程を行わせる。
【0039】まず、分割図面を読み取るごとに、その画像データの枠線の存在しそうな領域を走査チェックさせて縦,横2辺の枠線32,33を検出させる(ステップS3)。一例として、イメージスキャナ6により分割図紙3をX方向に2000ドット、Y方向に3000ドットの分解能で読み取り、このうち、分割図面31の情報量がX方向1600ドット、Y方向2400ドットとする。図5にイメージスキャンされた分割図面のデータ例を示す。画像メモリ部3にデータ入力された分割図面31について傾きのないものを実線で示し、上向きに傾いたものを鎖線で示し、下向きに傾いたものを破線で示す。
【0040】傾きの無い時の枠線の縦,横2辺の端点をP1,P2,P3とする。これに対して、最大傾き許容量の3%〔ここで、傾き許容量とは、イメージスキャナにより読み取った画像データの傾き補正を精度良くなし得る傾き量であり、傾きは大きい方が図面入力上の傾き不良率を下げることができるが、補正後の誤差は傾きが大きいほど大きくなるので、傾き不良率が実用上問題でなくなる3%(1.7度)としてある〕の傾きがある場合の枠線の縦,横2辺の端点のうち一点をP1と仮定すると、残りの端点は、鎖線で示した枠線ではR2,R3となり、破線で示した枠線ではQ2,Q3となる。すなわち、端点R2,R3或いはQ2,Q3の座標はP1に対して相対的に決定され、P1の座標を(X0,Y0)とすると、3%の傾きがある場合の残りの各端点Q2,Q3或いはR2,R3の座標はほぼ次のようになる。
【0041】Q2の座標は(X0+1599,Y0+48)、Q3の座標は(X0+1527,Y0+2448)、R2の座標は(X0+1599,Y0−48)、R3の座標は(X0+1671,Y0+2352)。
【0042】これらの端点を検出する場合には、枠線はスキャン結果で確実に2画素以上の幅をもつ黒い線である必要がある。画素の情報は、暗いほど値が小さいので、あるレベル以下の値が幅2画素以上、長さ1600ドット程度のものが横枠線32,長さ2400ドット程度のものが縦枠線33として認識できる。
【0043】枠線検出は、まず枠線32の端点P1の存在しそうな領域41を切り出し(ここでは、切り出しとは、領域41を指定することを意味する)、この領域41にて左端より上から下にスキャンして各画素情報をチェックしていき、ある値以下の2点以上の画素情報であって最初に検出したものがP1である可能性があるので、この点から上記の画素情報チェックの走査を右の方に連続して進行させていくことによって、右の方に隣接する画素の値がある値以下である点を追跡していき、その長さ(X座標の差)が1600画素に近ければ、最初の点がP1、最後の点がP2と判定する。その後、P2から下の方についても上記同様の画素情報チェックを行うことで、その最後の点をP3として判定する。
【0044】そして、この縦,横2辺の枠線32,33の端点P1,P2,P3を上記Q2,Q3及びR2,R3で示された座標と比較して画像データの傾きが3%以内であるか否かを比較し(ステップS4)、3%以内であれば画像データの枠線除去プログラム3Bを実行した後、傾き補正プログラム3Aを実行する(ステップS5)。3%以上であれば、中央処理装置4からディスプレイ7に再度のイメージ入力を促すメッセージ指令を出す。
【0045】枠線除去は、検出された枠線32〜34の座標を基準に該枠線より所定画素数(ここでは、1画素)だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出させて枠線除去を行わせる。
【0046】このような枠線処理により、枠線の影響を除き、後述する画像データ同士の接合をきれいに行い得る。
【0047】ここで、枠線除去後の分割図面の左上隅の端点座標をP1とみなし、このP1の座標(XP1,YP1)のうちYP1は、枠線32の左上隅端点のY座標に枠線32の幅に相当する画素数と枠線の影響(かげり)の出る可能性のある1画素(ドット)を加えた座標となる(XP1は変わらず)。同じく枠線除去後の分割図面に右上隅端点の座標をP2とみなし、このP2の座標(XP2,YP2)のうちYP2は、枠線32の右上隅端点のY座標に枠線32の幅に相当する画素数と1画素とを加えた座標となる(XP2は変わらず)。また、枠線除去後の分割図面の右下隅の端点座標をP3とみなし、このP3の座標(XP3,YP3)のうちXP3は、枠線33の右下隅端点のX座標に枠線33の幅に相当する画素数と1画素数とを減算した座標となる(YP3は変わらず)。
【0048】上記枠線除去後に得られたP1,P2,P3、換言すれば枠線を基にして所定画素数を加減算して得られた端点座標P1,P2,P3の座標を用いて、傾き補正プログラム3Aを実行する。
【0049】なお、傾き補正に先立ち、分割図面の画像データにおける縦,横の長さ相当における画素数が予め定めた数を満たしていない場合(換言すれば画像データの縦,横の長さが規定長に満たない場合)には、後々の画像データ同士の接合で接合辺の長さが合わなくなるので、その不足分の画素を画像データに補充し、逆に過多の場合(画像データの縦,横の長さが規定長を超えた場合)には、その過多分に相当する画素を画像データから取り除いて、各分割図面の画像データの縦,横の長さを整合する。
【0050】例えば、XP2−XP1は1600のはずであるが、それよりも1だけ過多の場合には画像データの中央の縦方向の1ライン(必ずしも中央でなく、任意の箇所のラインで良い)の画素数(画素列)を除き、1だけ不足の場合には中央に1ラインの画素数(空白の画素列)を追加する。XP2−XP1の差が2以上であれば、その分だけのラインに相当する画素数の追加或いは削除する。YP3−YP2が2400に満たない場合或いは過多の場合にも同様の画素数(画素列)の追加或いは削除が行われる。
【0051】傾き補正プログラム3Aの内容は、枠線除去された画像データの少なくとも縦,横2辺の端点座標P1,P2及びP2,P3より画像データの傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正するものである。
【0052】具体的には、P1の座標(XP1,YP1)は(0,0)に変換し、次の式により傾き補正のための座標変換がなされる。
【0053】式中の左辺の(XM,YM)は、座標変換後(傾き補正後)の画像データの各画素データ座標であり、右辺の(XD,YD)には、座標変換前(傾き補正前)の元画像データの各画素データ座標(XM,YM)の値を採用してある。
【0054】
【数1】XM=XP1+XD+(XP3−XP2)*YD/2400YM=YP1+YD+(YP1−YP2)*XD/1600以上の座標変換により1600*2400ドットの傾斜の無い画像データが得られる。この傾き補正により、3%以内の傾きであれば、一度のイメージスキャンにつき一枚の分割図面を自動的に読み取ることができる。
【0055】なお、傾きの許容量は3%以内であるが、これを超えた場合にも分解画面の再読み取りを行いたくない場合には、三角関数を傾き補正式に導入した傾き補正プログラムを採用すれば良い。
【0056】次いで、この傾き補正及び枠線除去のなされた各画像データは、識別用符号34及び35と関連付けて画像メモリ部2に記憶される(ステップS6)。そして、以上のステップS1〜S6までの処理が全分割図面について図面ごとになされる(ステップS7)。これらの処理が完了すると、画像データの表示指令(接合指令)がなされている場合には(ステップS8)、図面認識プログラムにより次の処理が実行される。
【0057】すなわち、接合対象となる画像データを識別用符号35,36から認識して画像メモリ部2より読み出して、中央処理装置4が主メモリ4Aにて分割図面の画像データの隣接し合う辺同士を位置合わせして表示可能に接合させ(ステップS9)、この接合された画像データのうち必要なものがディスプレイ7を通して表示される(ステップS10)。
【0058】ここで、図6により、画像データの接合例を説明する。
【0059】図6(1)は、例えば、Fに該当する画像データ(分割図面)をディスプレイ7に表示する場合であり、この場合には、ディスプレイ7の画面に表れるのは画像データFであるが、画面の移動操作により隣接する画像データも見ることができるように、主メモリ4A中には、画像データFとその周辺の画像データA,B,C,E,G,I,J,Kの計9枚の画像データを画像メモリ部2より読み出して、これらの画像データ同士の接合処理ななされている。また、ディスプレイ7中の画面移動操作により画像データFからGを見ようとする場合には、今度は主メモリ4A中には、画像データGを中心にして、上記同様に、その周辺の画像データB,C,D,F,H,J,K,Lの計9枚の画像データ同士の接合処理がなされるように設定してある。また、図6(1)のように、計9枚の分割図面の画像データを主メモリ4A中に読み出して接合処理した場合の、分割図面一枚当たりの画像データが画像メモリ2中の各ページメモリ中の画像データと等倍であるとした場合、その一枚当たりの画像データの横の長さa,縦の長さbを座標に相当させて、各画像データの接合の左上コーナの端点位置となるX座標を0,a,2a、Y座標を0,b,2bとする。
【0060】そして、画像メモリ2から画像データF及びそれに隣接する画像データA,B,C,E,F,G,I,J,Kを読み出すと、画像データAのオフセット座標を(0,0)、画像データBのオフセット座標を(a,0)、画像データCのオフセット座標(2a,0)、画像データEのオフセット座標(0,b)、画像データFのオフセット座標(a,b)、画像データGのオフセット座標(2a,b)、画像データIのオフセット座標(0,2b)、画像データJのオフセット座標(a,2b)、画像データKのオフセット座標(2a,2b)とすれば、自動的に複数の画像データ(分割図面)が組み合わされて隣接する辺同士の位置合わせにより接合される。このうち、見ようとする画像データ(例えばF)がディスプレイ7のXレジスタ,Yレジスタに送られて画面を通して表示される。
【0061】図6(2)は、例えば、F,G,J,K或いは総図となる画像データA〜Pに該当する画像データ(分割図面)をCRTディスプレイ7に表示する場合である。
【0062】斜線に示すF,G,J,Kをディスプレイ表示する場合には、上記した如く画面移動操作によりその周辺の画像データA,B,C,D,E,H,I,L,M,N,O,Pが見られるように、主メモリ4A中には、画像データA〜Pの全図に関する計16枚の画像データが読み出される。この場合の、画像データは変倍処理(縮小処理)されて、一枚当たりの画像データの横の長さc,縦の長さdを座標に相当させて、各画像データの接合端点位置となるX座標を0,c,2c,3c、Y座標を0,d,2d,3dとする。
【0063】そして、画像メモリ2から画像データA〜Pを読み出すと、画像データAのオフセット座標を(0,0)、画像データBのオフセット座標を(c,0)、画像データCのオフセット座標(2c,0)、画像データDのオフセット座標を(3c,0)、画像データEのオフセット座標(0,d)、画像データFのオフセット座標(c,d)、画像データGのオフセット座標(2c,d)、画像データHのオフセット座標(3c,d)、画像データIのオフセット座標(0,2d)、画像データJのオフセット座標(c,2d)、画像データKのオフセット座標(2c,2d)、画像データLのオフセット座標(3c,2d)、画像データMのオフセット座標(0,3d)、画像データNのオフセット座標(c,3d)、画像データOのオフセット座標(2c,3d)、画像データPのオフセット座標(3c,3d)とすれば、自動的に複数の画像データ(分割図面)が組み合わされ且つその隣接する辺同士の位置合わせがなされて接合される。そして、例えば、F,G,J,Kの画像データを一枚の図面としてディスプレイ表示させようとするする場合には、これらの計4枚の画像データを、ディスプレイ表示に合った大きさに変倍処理(縮小処理)されて、ディスプレイ7のXレジスタ,Yレジスタに送られて画面を通して表示される。
【0064】なお、全図の画像データA〜Pを一つにまとめてディスプレイ表示する場合にも、ディスプレイ表示に合った大きさに変倍処理(縮小処理)されて、ディスプレイ7のXレジスタ,Yレジスタに送られて画面を通して表示される。また、印刷要求があれば、そのディスプレイ表示された画像データがプリンタ8を介してプリントアウトされる。
【0065】以上の説明から明らかなように、本実施例では、傾き補正プログラム3Aと中央処理装置4が画像データの傾き補正手段を構成し、枠線除去プログラム3Bと中央処理装置4が画像データの枠線除去手段を構成し、図面認識プログラム3Cと中央処理装置4が図面識別用の符号認識手段及び符号付け記憶手段を構成する。
【0066】なお、上記実施例では、枠線除去の工程後に傾き補正を実行したが、これに代えて、まず、枠線の縦,横2辺の端点座標P1,P2,P3からイメージスキャナにより読み取られた画像データの傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正し、この傾き補正された画像データのうち枠線から内側に所定画素数だけ入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出して枠線除去を行わせても良い。
【0067】本実施例によれば、次のような効果を奏する。
【0068】(1)分割図面の給紙,その入力から画像データの接合表示までの一連の工程を自動化することができる。
【0069】(2)また、画像データ(分割図面)の接合に必要な傾き補正を行うために、画像データ同士の接合精度を高め、しかも、イメージ入力された画像データの傾きは、枠線の端点座標を基にして容易に算出することが可能となり、また、その補正も演算により容易に座標変換して行い得るので、画像処理の時間の短縮化を図り得る。
【0070】(3)画像データ中の枠線除去の自動化を図り得ると共に、その枠線除去も枠線のかげりのないところを切り出し線として実行するので、高品質の接合画像を得ることができる。
【0071】(4)画像データ(分割図面)のほかに、その原稿(図紙)に記された図面識別用の符号及び隣接図面識別用符号をイメージスキャナにより読み取って、この識別用符号と関連付けた画像データ入力を行うので、識別用符号の手動入力を排して、イメージデータ入力の短縮及びスキャンの稼働率を向上させ、かつ、接合対象となる画像データを上記識別用の符号から認識して自動的に読み出せるので、画像接合処理の時間の短縮化を図ることができる。
【0072】(5)中央処理装置の主メモリには、ディスプレイに表示される画像データのほかに、その周辺の画像データについても接合するので、画面移動操作によりその周辺の画像データについても画面を通して見ることができる。
【0073】なお、上記実施例では、分割図面の枠線より内側に1画素だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出しているが、分割図面同士の接合辺近くの帯域に僅かに図形内容上の重複がある場合には、枠線を基準にして、この重複する帯域の幅に相当する画素数だけ内側に入り込んだところを切り出し線にすれば、枠線と共に内容が重複する部分も除去できる接合画像データを得ることができる。
【0074】(6)接合対象となる各画像データの縦,横の長さにばらつきがあったとしても、接合に際しては全ての画像データの長さが一致するように調整するので、画像データの接合ずれをなくし、しかもその画像データの長さの整合も自動化することができる。
【0075】
【発明の効果】第1の課題解決手段によれば、画像データ(分割図面)の接合に必要な傾き補正を自動的に行うことできるので、従来のように画像データに傾き入力があった場合にもイメージスキャンの手作業によるやり直しを排することができる。しかも、その傾き補正により、画像データ同士の接合精度を高め、しかも、イメージ入力された画像データの傾きは、枠線の端点座標を基にして容易に算出することが可能となり、また、その補正も演算により容易に座標変換して行い得るので、画像処理時間の短縮を図ることができる。 第2の課題解決手段によれば、画像データ中の枠線除去の自動化を図り得ると共に、その枠線除去も枠線のかげりのないところを切り出し線として実行できるので、高品質の接合画像を得ることができる。
【0076】第3の課題解決手段によれば、画像データ(分割図面)のほかに、その原稿(図紙)に記された図面識別用の符号及び隣接図面識別用符号をイメージスキャナにより読み取って、この識別用符号と関連付けた画像データ入力を行うので、識別用符号の手動入力を排して、イメージデータ入力の短縮及びスキャンの稼働率を向上させ、かつ、接合対象となる画像データを上記識別用の符号から認識して自動的に読み出せるので、画像接合処理の時間の短縮化を図ることができる。
【0077】第4〜第6の課題解決手段によれば、分割図面の入力からその画像データ同士の接合,表示に至るまでの画像処理工程の自動化とその処理時間の短縮を図りつつ、精度の高い接合画像データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック構成図。
【図2】上記実施例の画像処理工程を示すフローチャート。
【図3】本発明の画像入力の適用対象の元になる総図を示す説明図。
【図4】画像入力の適用対象となる分割図面の図紙を示す説明図。
【図5】分割図面の画像データに対する傾き補正を説明するための説明図。
【図6】上記実施例の画像データの接合態様例を示す説明図。
【符号の説明】
1…画像処理装置、2…画像メモリ部、3…処理プログラム部、3A…傾き補正プログラム、3B…枠線除去プログラム、3C…図面認識プログラム、4…中央処理装置、4A…主メモリ、自動給紙装置、6…イメージスキャナ、7…表示装置、8…プリンタ、30…図紙、31…分割図面、35,36…識別用符号表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 図面をディジタル信号に変換して読み取るイメージスキャナと、複数の方形ブロックに分割して得られた図面を前記イメージスキャナにより一枚づつ読み取ると、分割図面ごとに画像データとして記憶する画像メモリ部と、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを必要数だけ読み出して接合する画像接合手段と、画像データを表示する表示手段とを備える画像処理装置において、前記イメージスキャナが分割線に相当する枠線付きの分割図面を読み取ると、その画像データから枠線を検出し、その枠線の少なくとも2辺の端点座標を基に前記イメージスキャナにより読み取った分割図面の縦,横の傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正する傾き補正手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】 前記画像データから分割図面の枠線が検出されると、検出された枠線の座標を基準に該枠線より所定画素数だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを前記傾き補正後に分割図面として前記画像メモリ部に記憶させる枠線除去手段を備えて成る請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】 前記分割図面の各図紙には、各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号が付記してあり、前記イメージスキャナが、分割図面に加えてその図紙中に記された各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号を読み取ると、前記画像メモリ部に分割図面の各画像データをそれらの識別用符号と関連付けて記憶するように設定してあり、分割図面の画像データ同士の接合に際して、接合対象となる画像データを前記識別用符号から認識して前記画像メモリ部より読み出して組み合わせる符号認識手段を備える請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】 図面をディジタル信号に変換して読み取るイメージスキャナと、複数の方形ブロックに分割して得られた図面を前記イメージスキャナにより一枚づつ読み取ると、分割図面ごとに画像データとして記憶する画像メモリ部と、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを必要数だけ読み出して接合する画像接合手段と、画像データを表示する表示手段とを備える画像処理装置において、前記イメージスキャナが分割線に相当する枠線付きの分割図面を読み取ると、その画像データから枠線を検出し、検出した枠線の座標を基準に該枠線より所定画素数だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として前記画像データに記憶させる枠線除去手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】 図面をディジタル信号に変換して読み取るイメージスキャナと、複数の方形ブロックに分割して得られた図面を前記イメージスキャナにより一枚づつ読み取ると、分割図面ごとに画像データとして記憶する画像メモリ部と、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを必要数だけ読み出して接合する画像接合手段と、画像データを表示する表示手段とを備える画像処理装置において、前記イメージスキャナが、分割線に相当する枠線付きの分割図面に加えてその図紙中に記された各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号を読み取ると、前記画像メモリ部に分割図面の各画像データをそれらの識別用符号と関連付けて記憶させる符号付け記憶処理手段と、分割図面の画像データ同士の接合に際して、接合対象となる画像データを前記識別用符号から認識して前記画像メモリ部より読み出して組み合わせる符号認識手段とを備えて成ることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】 図面をディジタル信号に変換して読み取るイメージスキャナと、複数の方形ブロックに分割して得られた図面を前記イメージスキャナにより一枚づつ読み取ると、分割図面ごとに画像データとして記憶する画像メモリ部と、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを必要数だけ読み出して接合する画像接合手段と、画像データを表示する表示手段とを備える画像処理装置において、前記イメージスキャナは、分割線に相当する枠線付きの分割図面に加えてその図紙中に記された各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号を読み取り可能にしてあり、枠線付き分割図面を前記イメージスキャナにより読み取ると、この分割図面の画像データの枠線の存在しそうな領域を走査チェックして枠線を検出する枠線検出手段と、検出された枠線の少なくとも2辺の端点座標を基にして前記イメージスキャナにより読み取られた分割図面の傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正する傾き補正手段と、検出された枠線の座標を基準に該枠線より所定画素数だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出して枠線除去を行う枠線除去手段と、前記傾き補正及び枠線除去された分割図面の画像データを前記画像メモリ部に前記識別用符号と関連付けて記憶させる符号付け記憶処理手段と、分割図面の画像データ同士の接合に際して、接合対象となる画像データを前記識別用符号から認識して前記画像メモリ部より読み出して組み合わせる符号認識手段とを備えて成ることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】 複数の方形ブロックに分割して得られた図面を一枚づつイメージスキャナにより読み取らせて、ディジタル信号に変換した後に画像メモリ部に分割図面ごとに画像データとして記憶させ、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを中央処理装置に必要数だけ読み出して表示可能に接合する分割図面の画像接合方法において、前記イメージスキャナが、分割線に相当する枠線付きの分割図面に加えてその図紙中に記された各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号を読み取ると、前記中央処理装置により、まず、この分割図面の画像データの枠線の存在しそうな領域を走査チェックさせて枠線を検出させ、次いで、検出された枠線の座標を基準に該枠線より所定画素数だけ内側に入り込んだ画素列を切り出し線として、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出させて枠線除去を行わせると共に、この枠線除去された画像データの少なくとも縦,横2辺の端点座標を前記枠線の端点座標を基に求めさせ、この求めた画像データの2辺の端点座標より前記イメージスキャナにより読み取られた画像データの傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正させ、この傾き補正及び枠線除去のなされた各画像データを前記識別用符号と関連付けて前記画像メモリ部に記憶させ、分割図面の接合指令がなされると、接合対象となる画像データを前記識別用符号から認識して前記画像メモリ部より読み出して組み合わせて、分割図面の画像データの隣接し合う辺同士を位置合わせして表示可能に接合させることを特徴とする分割図面の画像接合方法。
【請求項8】 複数の方形ブロックに分割して得られた図面を一枚づつイメージスキャナにより読み取らせて、ディジタル信号に変換した後に画像メモリ部に分割図面ごとに画像データとして記憶させ、記憶された画像データのうち隣接し合う分割図面となる画像データを中央処理装置に必要数だけ読み出して表示可能に接合する分割図面の画像接合方法において、前記イメージスキャナが、分割線に相当する枠線付きの分割図面に加えてその図紙中に記された各自の分割図面の識別用符号及び隣接する分割図面の識別用符号を読み取ると、前記中央処理装置により、まず、この分割図面の画像データの枠線の存在しそうな領域を走査チェックさせて枠線を検出させ、次いで、前記枠線の少なくとも縦,横2辺の端点座標から前記イメージスキャナにより読み取られた画像データの傾きを算出して、この傾きを画像データの座標変換により補正させると共に、この傾き補正された画像データのうち枠線から内側に所定画素数だけ入り込んだ画素列を切り出し線として選定し、この切り出し線より内側の画像データを分割図面として抽出して枠線除去を行わせ、この傾き補正及び枠線除去のなされた各画像データを前記識別用符号と関連付けて前記画像メモリ部に記憶させ、分割図面の接合指令がなされると、接合対象となる画像データを前記識別用符号から認識して前記画像メモリ部より読み出して組み合わせて、分割図面の画像データの隣接し合う辺同士を位置合わせして表示可能に接合させることを特徴とする分割図面の画像接合方法。
【請求項9】 前記分割図面の画像データにおける縦,横の長さに相当の画素数が予め定めた規定長相当の数を満たしていない場合には、その不足分の画素を画像データに補充し、逆に過多の場合には、その過多分に相当する画素を画像データから取り除いて、各分割図面の画像データの縦,横の長さを整合する工程を含んだ請求項7又は請求項8記載の分割図面の画像接合方法。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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