説明

画像処理装置及び医用画像診断装置

【課題】画像処理の効果を最適とすること。
【解決手段】実施形態の画像処理部16は、拡大部161と、分解部162と、データ処理部163と、再構成部164と、縮小部165とを備える。拡大部161は、対象データを画像処理に適した単位長さ当たりのサンプル数である最適サンプル数に基づく倍率で拡大する。分解部162は、拡大データに対して、多重解像度解析による分解処理を行なって、最適サンプル数のデータ群を生成する。データ処理部163は、最適サンプル数のデータ群に対して画像処理を行なって、処理済データ群を生成する。再構成部164は、処理済データ群に対して、多重解像度解析による再構成処理を行なって再構成データを生成する。縮小部165は、単位長さ当たりのサンプル数が対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように再構成データを縮小する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置及び医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置やX線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の医用画像診断装置では、様々な画像処理が行なわれている。例えば、画像処理としては、平滑化やノイズ低減を目的とするフィルタ処理がある。
【0003】
しかし、画像処理の対象となるデータにおける1サンプル当たりの実際の長さが異なると、画像処理の効果は、変わってしまう。例えば、同じ撮影対象が描出されている2つの画像データであっても、単位長さ当たりのピクセル数が異なると、各画像データに対する画像処理の効果は、異なってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−204441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、画像処理の効果を最適とすることができる画像処理装置及び医用画像診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の画像処理装置は、拡大部と、分解部と、データ処理部と、再構成部と、縮小部とを備える。拡大部は、画像処理の対象となる対象データを、当該画像処理に適した単位長さ当たりのサンプル数である最適サンプル数に基づく倍率で拡大して拡大データを生成する。分解部は、前記拡大データに対して、前記倍率に基づく所定段数の多重解像度解析による分解処理を行なって、前記最適サンプル数のデータ群を生成する。データ処理部は、前記最適サンプル数のデータ群に対して前記画像処理を行なって、処理済データ群を生成する。再構成部は、前記処理済データ群に対して、前記所定段数の多重解像度解析による再構成処理を行なって再構成データを生成する。縮小部は、単位長さ当たりのサンプル数が、前記対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように前記再構成データを縮小した縮小データを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成例を説明するための図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る画像処理部の処理に用いられる最適サンプル数の一例を説明するための図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第1の例を説明するための図(1)である。
【図4】図4は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第1の例を説明するための図(2)である。
【図5】図5は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第2の例を説明するための図(1)である。
【図6】図6は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第1の例を説明するための図(2)である。
【図7】図7は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第3の例を説明するための図(1)である。
【図8】図8は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第3の例を説明するための図(2)である。
【図9】図9は、本実施形態に係る画像処理部の制御を行なうために用いられるパラメータ設定の一例を説明するための図である。
【図10】図10は、本実施形態に係る超音波診断装置が行なう画像処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、従来の画像処理と本実施形態に係る画像処理との比較例を示す図ある。
【図12】図12は、対象データが反射波データである場合の最適サンプル数を説明するための図である。
【図13A】図13Aは、最適サンプル数に係る第1の変形例を説明するための図(1)である。
【図13B】図13Bは、最適サンプル数に係る第1の変形例を説明するための図(2)である。
【図14A】図14Aは、最適サンプル数に係る第2の変形例を説明するための図(1)である。
【図14B】図14Bは、最適サンプル数に係る第2の変形例を説明するための図(2)である。
【図14C】図14Cは、最適サンプル数に係る第2の変形例を説明するための図(3)である。
【0008】
以下、添付図面を参照して、画像処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、画像処理装置の機能を有する超音波診断装置を実施形態として説明する。
【0009】
(実施形態)
まず、本実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成例を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とを有する。
【0010】
超音波プローブ1は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体10が有する送信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
【0011】
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0012】
ここで、本実施形態は、超音波プローブ1が、超音波により被検体Pを2次元で走査する超音波プローブである場合であっても、被検体Pを3次元で走査する超音波プローブである場合であっても適用可能である。被検体Pを3次元で走査する超音波プローブ1としては、被検体Pを2次元で走査する複数の超音波振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで、被検体Pを3次元で走査するメカニカルスキャンプローブがある。また、被検体Pを3次元で走査する超音波プローブ1としては、複数の超音波振動子がマトリックス状に配置されることで、被検体Pを3次元で超音波走査することが可能な2次元超音波プローブ(2Dプローブ)がある。なお、2Dプローブは、超音波を集束して送信することで、被検体Pを2次元で走査することも可能である。
【0013】
入力装置3は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等を有し、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定要求を転送する。
【0014】
モニタ2は、超音波診断装置の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像等を表示したりする。
【0015】
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送信部11と、受信部12と、Bモード処理部13と、ドプラ処理部14と、画像生成部15と、画像処理部16と、画像メモリ17と、制御部18と、内部記憶部19とを有する。
【0016】
送信部11は、トリガ発生回路、送信遅延回路及びパルサ回路等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向を任意に調整する。
【0017】
なお、送信部11は、後述する制御部18の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0018】
受信部12は、アンプ回路、A/D変換器、加算器、位相検波回路等を有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理された反射波信号の加算処理を行なう。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。位相検波回路は、加算器の出力信号をベースバンド帯域の同相信号(I信号、I:In-pahse)と直交信号(Q信号、Q:Quadrature-phase)とに変換する。そして、位相検波回路は、I信号及びQ信号(以下、IQ信号と記載する)を後段の処理部に出力する。なお、位相検波回路による処理前のデータは、RF信号とも呼ばれる。以下では、超音波の反射波に基づいて生成された「IQ信号、RF信号」をまとめて、「反射波データ」と記載する。
【0019】
このように、送信部11及び受信部12は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。
【0020】
ここで、超音波プローブ1が3次元走査可能である場合、送信部11及び受信部12それぞれは、超音波プローブ1から被検体Pに対して3次元の超音波ビームを送信させ、超音波プローブ1が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成することも可能である。
【0021】
Bモード処理部13は、受信部12から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
【0022】
ドプラ処理部14は、受信部12から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
【0023】
なお、本実施形態に係るBモード処理部13及びドプラ処理部14は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理部13は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成することも可能である。また、ドプラ処理部14は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成することも可能である。
【0024】
画像生成部15は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する。すなわち、画像生成部15は、Bモード処理部13及びドプラ処理部14が生成したデータから、モニタ2に出力するための超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成部15は、Bモード処理部13が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。また、画像生成部15は、ドプラ処理部14が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのドプラ画像データを生成する。
【0025】
ここで、画像生成部15は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成部15は、超音波プローブ1による超音波の走査形態に応じた座標変換処理を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成部15は、表示用の超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
【0026】
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成部15が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。
【0027】
また、画像生成部15は、3次元の超音波画像データを生成することも可能である。すなわち、画像生成部15は、Bモード処理部13が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換処理を行なうことで、3次元のBモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成部15は、ドプラ処理部14が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換処理を行なうことで、3次元のカラードプラ画像データを生成することも可能である。
【0028】
また、画像生成部15は、3次元の超音波画像データ(ボリュームデータ)に対して、各種レンダリング処理を行なうことも可能である。具体的には、画像生成部15は、3次元の超音波画像データをレンダリング処理することで、表示用の2次元超音波画像データを生成することが可能である。なお、画像生成部15が行なうレンダリング処理としては、断面再構成法(MPR:Multi Planer Reconstruction)を行なってMPR画像を再構成する処理がある。また、画像生成部15が行なうレンダリング処理としては、3次元の情報を反映した2次元画像を生成するボリュームレンダリング(VR:Volume Rendering)処理がある。
【0029】
画像処理部16は、超音波画像データに対して各種画像処理を行なう処理部である。また、画像処理部16は、反射波データに対して各種画像処理を行なうこととも可能である。画像処理部16が行なう画像処理としては、例えば、ガウシアンフィルタやメディアンフィルタ等を用いた平滑化処理や、非線形異方性拡散フィルタ(Nonlinear Anisotropic Diffusion Filter)等を用いたノイズ低減処理、エッジ検出フィルタ等を用いたエッジ強調処理が挙げられる。
【0030】
かかる処理を行なうための処理部として、画像処理部16は、図1に示すように、拡大部161、分解部162、データ処理部163、再構成部164及び縮小部165を有する。拡大部161は、画像処理の対象となる対象データに対して拡大処理を行なう処理部である。また、分解部162は、拡大部161から出力されたデータを多重解像度解析により低周波成分のデータ(低域分解画像データ)と高周波成分を含むデータ(高域分解画像データ)とから構成されるデータ群に分解する処理部である。
【0031】
また、データ処理部163は、分解部162から出力された一部、または、全てのデータに対して、上述した各種画像処理を行なう処理部である。また、再構成部164は、データ処理部163から出力されたデータ及び分解部162から出力されたデータを、または、データ処理部163から出力されたデータ群を、多重解像度解析により合成する再構成処理を行なう処理部である。また、縮小部165は、再構成部164から出力されたデータに対して縮小処理を行なう処理部である。
【0032】
ここで、本実施形態では、分解部162が多重解像度解析による分解処理としてウェーブレット変換を行ない、再構成部164が多重解像度解析による再構成処理としてウェーブレット逆変換を行なう場合について説明する。ただし、本実施形態は、分解部162及び再構成部164が多重解像度分解及び多重解像度再構成を、例えば、ラプラシアン・ピラミッド法により行なう場合であっても適用可能である。
【0033】
また、画像処理部16が処理対象とする超音波画像データは、Bモード処理部13やドプラ処理部14が生成した生データであっても、画像生成部15が生成した表示用の超音波画像データであっても良い。また、画像処理部16が処理対象とする反射波データは、RF信号であっても、IQ信号であっても良い。すなわち、画像処理部16が処理対象とする対象データは、超音波の反射波に基づいて生成されたデータであり、「スキャンコンバート前の超音波画像データ」であっても、「スキャンコンバート後の超音波画像データ」であっても、「検波前の反射波データ」であっても、「検波後の反射波データ」であっても良い。なお、本実施形態に係る画像処理部16の処理については、後に上述する。
【0034】
画像メモリ17は、画像生成部15が生成した超音波画像データや、画像処理部16の処理結果を記憶するメモリである。また、画像メモリ17は、Bモード処理部13やドプラ処理部14が生成した生データ(Raw Data)を記憶することも可能である。また、画像メモリ17は、RF信号やIQ信号を記憶することも可能である。
【0035】
内部記憶部19は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶部19は、必要に応じて、画像メモリ17が記憶する画像データの保管等にも使用される。また、内部記憶部19が記憶するデータは、図示しないインターフェース回路を経由して、外部の周辺装置へ転送することができる。
【0036】
制御部18は、情報処理装置としての機能を実現する制御プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)であり、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、制御部18は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶部19から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送信部11、受信部12、Bモード処理部13、ドプラ処理部14、画像生成部15、画像処理部16の処理を制御する。また、制御部18は、画像メモリ17が記憶する超音波画像データや、内部記憶部19が記憶する各種画像データ、又は、画像処理部16による処理を行なうためのGUI、画像処理部16の処理結果等をモニタ2にて表示するように制御する。
【0037】
以上、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明した。かかる構成において、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波送受信により超音波画像の撮像を行なう。そして、本実施形態に係る超音波診断装置は、例えば、操作者の指示に応じて、各種画像処理を行なう。しかし、画像処理の対象となるデータにおける1サンプル当たりの実際の長さが異なると、画像処理の効果は、変わってしまう。例えば、同じ撮影対象が描出されている2つの画像データであっても、単位長さ当たりのピクセル数が異なると、各画像データに対する画像処理の効果は、異なってしまう。
【0038】
そこで、本実施形態に係る超音波診断装置は、画像処理の効果を最適とするために、以下、詳細に説明する画像処理部16の処理を実行する。すなわち、拡大部161は、画像処理の対象となる対象データを、当該画像処理に適した単位長さ当たりのサンプル数である最適サンプル数に基づく倍率で拡大して拡大データを生成する。具体的には、拡大部161は、対象データの単位長さ当たりのサンプル数が、最適サンプル数の2のべき乗となる倍率により、拡大データを生成する。そして、分解部162は、拡大データに対して、倍率に基づく所定段数の多重解像度解析による分解処理を行なって、最適サンプル数のデータ群を生成する。かかるデータ群には、最適サンプル数の低周波成分データが含まれる。そして、データ処理部163は、最適サンプル数のデータ群に対して画像処理を行なって、処理済データ群を生成する。本実施形態では、データ処理部163は、最適サンプル数の低周波成分データに対して画像処理を行なって、処理済低周波成分データを生成する。
【0039】
そして、再構成部164は、処理済データ群に対して、所定段数の多重解像度解析による再構成処理を行なって再構成データを生成する。本実施形態では、再構成部164は、処理済低周波成分データと、分解部162が行なった多重解像度解析による分解処理により生成された高周波成分を含むデータ群とを用いて、所定段数の多重解像度解析による再構成処理を行なって再構成データを生成する。そして、縮小部165は、単位長さ当たりのサンプル数が、対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように再構成データを縮小した縮小データを生成する。
【0040】
以下、画像処理部16が行なう上記の画像処理の具体例について、図2等を用いて詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る画像処理部の処理に用いられる最適サンプル数の一例を説明するための図である。
【0041】
例えば、内部記憶部19は、図2に示すように、画像処理の効果が最適となる単位長さ当たりのサンプル数である「最適サンプル数」が、画像処理の種別ごとに登録されたテーブルを記憶している。図2に示す一例では、内部記憶部19は、スキャンコンバード後の超音波画像データが対象データである場合において、画像処理「A」の最適サンプル数が「a」であり、画像処理「B」の最適サンプル数が「b」であり、画像処理「C」の最適サンプル数が「c」であることをテーブル形式で記憶している。ここで、「最適サンプル数:a」は、スキャンコンバード後の超音波画像データにおいて、1cmの対象物がピクセル数「a」で描出されていることが、画像処理「A」の効果を最適となることを示している。図2に例示するテーブルは、例えば、超音波診断装置の操作者や管理者により登録される。
【0042】
なお、対象データがスキャンコンバード前の超音波画像データである場合と、スキャンコンバード後の超音波画像データである場合とで最適サンプル数の値が異なる場合、例えば、超音波診断装置の操作者や管理者は、画像処理の種別ごとの「最適サンプル数」を、超音波画像データの種別ごとに登録する。
【0043】
そして、制御部18は、内部記憶部19が記憶するテーブルを参照して、操作者が指定した対象データの種別及び画像処理の種別に対応する最適サンプル数を取得する。なお、最適サンプル数は、操作者が入力装置3を介して手動で入力する場合であっても良い。
【0044】
なお、以下では、操作者がスキャンコンバート後の超音波画像データに対して、平滑化処理を行なうためのフィルタ処理である画像処理「A」を指定した場合について説明する。また、以下では、画像処理「A」の最適サンプル数「a」が、「1cm当たり1ピクセル(1ピクセル/cm)」であるとして説明する。
【0045】
まず、制御部18は、内部記憶部19が記憶するテーブルを参照して、「最適サンプル数:1ピクセル/cm」を取得する。更に、制御部18は、操作者が対象データとして指定した「スキャンコンバート後の超音波画像データ」の情報を取得する。具体的には、制御部18は、操作者が指定した「スキャンコンバート後の超音波画像データ」の「単位長さ当たりのサンプル数(ピクセル数)」及び「サイズ」を、対象データの情報として取得する。例えば、制御部18は、かかる対象データの情報を、超音波送受信条件や、操作者の超音波画像の表示設定等から取得する。
【0046】
そして、制御部18は、最適サンプル数と、対象データの情報とから、拡大部161が行なう拡大処理の倍率と、分解部162及び再構成部164が行なう多重解像度解析の段数を決定することで、画像処理部16の処理を制御する。以下、制御部18及び画像処理部16が行なう処理について、対象データの情報が異なる「第1の例」、「第2の例」及び「第3の例」について順に説明する。
【0047】
まず、第1の例として、対象データである「スキャンコンバート後の超音波画像データ」の「単位長さ当たりのサンプル数(ピクセル数)」が「1cm当たり1.5ピクセル(1.5ピクセル/cm)」であり、「サイズ」が「15ピクセル×15ピクセル」である場合について説明する。図3及び図4は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第1の例を説明するための図である。
【0048】
図3に示すように、制御部18は、対象データの情報である「1.5ピクセル/cm、15ピクセル×15ピクセル」と「最適サンプル数:1ピクセル/cm」とを取得する。そして、制御部18は、図3に示すように、画像処理「A」の効果を最適する最適サイズが「1ピクセル/cm、10ピクセル×10ピクセル」であると決定する。しかし、「1.5ピクセル/cm」である対象データを「1ピクセル/cm」の最適サンプル数とするためには、「15ピクセル×15ピクセル」である対象データを「10ピクセル×10ピクセル」のサイズに縮小する必要がある。
【0049】
一般的に、原データを縮小した場合、高周波成分が失われてしまう。すなわち、対象データを最適サイズとなるように縮小したデータに対して、画像処理を行なっても、当該画像処理の効果は、最適とはならない。
【0050】
一方、一般的に、原データを拡大した場合、原データの情報は維持される。また、データ圧縮等に用いられる多重解像度解析では、縦横の長さが原データの半分となるデータを分解処理により生成し、更に、分解後のデータを用いて、分解前のデータと略同一の情報を有するデータを復元(再構成)することができる。また、多重解像度解析の分解処理により生成される低周波成分データ(低域分解画像データ)は、分解前のデータに近い情報が維持されたデータと見なすことができる。
【0051】
そこで、本実施形態では、画像処理を行なう際の前処理及び後処理として、多重解像度解析による分解処理及び再構成処理を行なう。多重解像度解析による分解では、上述したように、分解後のデータの縦横のサイズは、分解前のデータの縦横のサイズの半分となる。そこで、本実施形態では、対象データの単位長さ当たりのサンプル数が『最適サンプル数の「2」倍となる倍率』で当該対象データを拡大した拡大データに対して、「n」段の多重解像度解析による分解を行なうことで、最適サンプル数となる低周波成分データを得る。
【0052】
すなわち、制御部18は、最適サンプル数と、対象データの情報とから、画像処理部16の処理を制御するパラメータ「n」を決定する。最適サイズが「1ピクセル/cm、10ピクセル×10ピクセル」であり、対象データが「1.5ピクセル/cm、15ピクセル×15ピクセル」の超音波画像データである第1の例では、「最適サイズの2倍」となるデータは、「2ピクセル/cm」となる。すなわち、「1.5ピクセル/cm」である対象データを「2ピクセル/cm」とすることは、拡大処理となる。そこで、第1の例では、制御部18は、図3に示すように、「n=1」、すなわち、「倍率:最適サイズの2倍、段数:1段」と決定する。
【0053】
そして、第1の例では、制御部18の制御により、画像処理部16は、図4に示す処理を行なう。まず、拡大部161は、「15ピクセル×15ピクセル」である対象データ(超音波画像データ)が、「最適サイズの2倍」である「20ピクセル×20ピクセル」となる拡大データを生成する。すなわち、拡大部161は、図4に示すように、超音波画像データを拡大率「1.5」にて拡大することで、単位長さ当たりのサンプル数が最適サンプル数の2倍となる拡大データを生成する。そして、分解部162は、多重解像度解析による分解処理として、ウェーブレット変換を1段行なうことで、図4に示すように、拡大データを、低周波成分データである「LL」と、高周波成分データを含むデータ群である「HL、LH、HH」とに分解する。
【0054】
ここで、LLは、水平方向及び垂直方向がともに低周波成分であるデータである。また、HLは、水平方向が高周波成分であり垂直方向が低周波成分であるデータである。また、LHは、水平方向が低周波成分であり垂直方向が高周波成分であるデータである。また、HHは、水平方向及び垂直方向がともに高周波成分であるデータである。図4に示す「LL」は、最適サイズとなる低周波成分データであり、データ処理部163は、「LL」に対して画像処理「A」を行なって、処理済低周波成分データを生成する(図4に示す「LL’」を参照)。
【0055】
そして、再構成部164は、多重解像度解析による再構成処理として、ウェーブレット逆変換を1段行なうことで、図4に示すように、「LL’、HL、LH、HH」を再構成した再構成データを生成する。そして、縮小部165は、単位長さ当たりのサンプル数が、対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように再構成データを縮小した縮小データを生成する。すなわち、縮小部165は、図4に示すように再構成データを縮小率「2/3」にて縮小することで、縮小データを生成する。そして、縮小部165は、縮小データを、対象データに対して画像処理「A」が行なわれた画像処理部済データとして、画像メモリ17に格納する。制御部18は、例えば、画像処理部済データをモニタ2に表示させる。
【0056】
次に、第2の例として、対象データである「スキャンコンバート後の超音波画像データ」の「単位長さ当たりのサンプル数(ピクセル数)」が「1cm当たり3.5ピクセル(3.5ピクセル/cm)」であり、「サイズ」が「35ピクセル×35ピクセル」である場合について説明する。図5及び図6は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第2の例を説明するための図である。
【0057】
図5に示すように、対象データの情報である「3.5ピクセル/cm、35ピクセル×35ピクセル」と「最適サンプル数:1ピクセル/cm」とを取得した制御部18は、最適サイズを「1ピクセル/cm、10ピクセル×10ピクセル」と決定する。すなわち、制御部18は、図5に示すように、画像処理「A」の効果を最適とするには、対象データを拡大したうえで、「1ピクセル/cm、10ピクセル×10ピクセル」の低周波成分データを生成する必要があると決定する。
【0058】
ここで、「最適サイズの2倍」となるデータは、「2ピクセル/cm」となる。すなわち、「3.5ピクセル/cm」である対象データを「2ピクセル/cm」とすることは、縮小処理となる。一方、「最適サイズの4倍」となるデータは、「4ピクセル/cm」となる。すなわち、「3.5ピクセル/cm」である対象データを「4ピクセル/cm」とすることは、拡大処理となる。従って、第2の例では、制御部18は、図5に示すように、「n=2」、すなわち、「倍率:最適サイズの4倍、段数:2段」と決定する。
【0059】
そして、第2の例では、制御部18の制御により、画像処理部16は、図6に示す処理を行なう。まず、拡大部161は、「35ピクセル×35ピクセル」である対象データ(超音波画像データ)が、「最適サイズの4倍」である「40ピクセル×40ピクセル」となる拡大データを生成する。すなわち、拡大部161は、図6に示すように、超音波画像データを拡大率「8/7」にて拡大することで、単位長さ当たりのサンプル数が最適サンプル数の4倍となる拡大データを生成する。そして、分解部162は、多重解像度解析による分解処理として、2段のウェーブレット変換を行なう。すなわち、分解部162は、図6に示すように、1次のウェーブレット変換を行なうことで、1次の低周波成分データ「LL(1)」と、1次の「高周波成分データを含むデータ群」である「HL(1)、LH(1)、HH(1)」とに分解する。更に、分解部162は、図6に示すように、「LL(1)」に対してウェーブレット変換(2次)を行なうことで、2次の低周波成分データ「LL(2)」と、2次の「高周波成分データを含むデータ群」である「HL(2)、LH(2)、HH(2)」とに分解する。
【0060】
ここで、図6に示す「LL(2)」は、最適サイズとなる低周波成分データであり、データ処理部163は、「LL(2)」に対して画像処理「A」を行なって、処理済低周波成分データを生成する(図6に示す「LL’(2)」を参照)。
【0061】
そして、再構成部164は、多重解像度解析による再構成処理として、2段のウェーブレット逆変換を行なう。すなわち、再構成部164は、図6に示すように、1次のウェーブレット逆変換を行なうことで、「LL’(2)、HL(2)、LH(2)、HH(2)」を再構成したデータ「LL’(1)」を生成する。そして、再構成部164は、2次のウェーブレット逆変換を行なうことで、「LL’(1)、HL(1)、LH(1)、HH(1)」を再構成したデータを再構成データとして生成する。そして、縮小部165は、単位長さ当たりのサンプル数が、対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように再構成データを縮小した縮小データを生成する。すなわち、縮小部165は、図6に示すように再構成データを縮小率「7/8」にて縮小することで、縮小データを生成する。そして、縮小部165は、縮小データを、対象データに対して画像処理「A」が行なわれた画像処理部済データとして、画像メモリ17に格納する。制御部18は、例えば、画像処理部済データをモニタ2に表示させる。
【0062】
次に、第3の例として、対象データである「スキャンコンバート後の超音波画像データ」の「単位長さ当たりのサンプル数(ピクセル数)」が「1cm当たり0.8ピクセル(0.8ピクセル/cm)」であり、「サイズ」が「8ピクセル×8ピクセル」である場合について説明する。図7及び図8は、本実施形態に係る画像処理部が行なう画像処理の第3の例を説明するための図である。
【0063】
図7に示すように、対象データの情報「0.8ピクセル/cm、8ピクセル×8ピクセル」と「最適サンプル数:1ピクセル/cm」とを取得した制御部18は、対象データに対して画像処理「A」を行なうための最適サイズを「1ピクセル/cm、10ピクセル×10ピクセル」と決定する。ただし、第3の例では、制御部18は、「0.8ピクセル/cm」の対象データを「1ピクセル/cm」に拡大することで画像処理「A」の効果を最適とすることができることから「ウェーブレット変換処理の必要無し」と決定する。
【0064】
従って、第3の例では、制御部18は、図7に示すように、「n=0」、すなわち、「倍率:最適サイズ、段数:0段」と決定する。すなわち、対象データの単位長さ当たりのサンプル数が、最適サンプル数以下である場合、画像処理部16は、分解部162及び再構成部164の機能を用いずに、画像処理を行なう。
【0065】
すなわち、拡大部161は、対象データの単位長さ当たりのサンプル数が、最適サンプル数となる倍率で対象データを拡大することで拡大データを生成する。図8に示す第3の例では、拡大部161は、「8ピクセル×8ピクセル」である対象データ(超音波画像データ)が、「最適サイズ」である「10ピクセル×10ピクセル」となる拡大データを生成する。すなわち、拡大部161は、図8に示すように、超音波画像データを拡大率「1.25」にて拡大することで、単位長さ当たりのサンプル数が最適サンプル数となる拡大データを生成する。図8に示す拡大データは、最適サイズとなるデータであることから、データ処理部163は、拡大データに対して画像処理を行なう。第3の例では、データ処理部163は、拡大データに対して画像処理「A」を行なう。
【0066】
そして、縮小部165は、拡大データに対して画像処理が行なわれたデータを処理対象とし、当該データの単位長さ当たりのサンプル数が対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように当該データを縮小することで、縮小データを生成する。すなわち、縮小部165は、図8に示すように、画像処理が行なわれたデータを縮小率「0.8」にて縮小することで、縮小データを生成する。そして、縮小部165は、縮小データを、対象データに対して画像処理「A」が行なわれた画像処理部済データとして、画像メモリ17に格納する。制御部18は、例えば、画像処理部済データをモニタ2に表示させる。
【0067】
上述した第1の例〜第3の例をまとめると、画像処理部の制御を行なうために用いられるパラメータ「n」は、図9に示すように表すことができる。図9は、本実施形態に係る画像処理部の制御を行なうために用いられるパラメータ設定の一例を説明するための図である。図9では、対象データの単位長さ当たりのサンプル数を「S」とし、最適サンプル数を「So」として示している。
【0068】
まず、「(S/So)≦1」である場合、第3の例で説明したように、制御部18は、図9に示すように、「n=0」として、拡大データの生成に用いられる倍率を「対象データが最適サンプル数の等倍(2)となる倍率」と決定し、ウェーブレット変換及び逆変換を「0段」、すなわち、ウェーブレット処理を行なわないと決定する。なお、「(S/So)=1」である場合、拡大データの生成に用いられる拡大率は「1」となる。
【0069】
また、「1<(S/So)≦2」である場合、第1の例で説明したように、制御部18は、図9に示すように、「n=1」として、拡大データの生成に用いられる倍率を「対象データが最適サンプル数の2倍となる倍率」と決定し、ウェーブレット変換及び逆変換を「1段」と決定する。なお、「(S/So)=2」である場合、拡大データの生成に用いられる拡大率は「1」となる。
【0070】
また、「2<(S/So)≦4」である場合、第2の例で説明したように、制御部18は、図9に示すように、「n=2」として、拡大データの生成に用いられる倍率を「対象データが最適サンプル数の2倍となる倍率」と決定し、ウェーブレット変換及び逆変換を「2段」と決定する。なお、「(S/So)=4」である場合、拡大データの生成に用いられる拡大率は「1」となる。
【0071】
また、「4<(S/So)≦8」である場合、制御部18は、図9に示すように、「n=3」として、拡大データの生成に用いられる倍率を「対象データが最適サンプル数の2倍となる倍率」と決定し、ウェーブレット変換及び逆変換を「3段」と決定する。なお、「(S/So)=8」である場合、拡大データの生成に用いられる拡大率は「1」となる。
【0072】
すなわち、第3の例を除くと、「2−1<(S/So)≦2」である場合、制御部18は、図9に示すように、「n=m」として、拡大データの生成に用いられる倍率を「対象データが最適サンプル数の2倍となる倍率」と決定し、ウェーブレット変換及び逆変換を「m段」と決定する。なお、「(S/So)=m」である場合、拡大データの生成に用いられる拡大率は「1」となる。
【0073】
なお、本実施形態は、「(S/So)≦1」でも、「n=1」として、分解部162及び再構成部164の処理を用いて画像処理を行なう場合であっても適用可能である。すなわち、本実施形態は、「(S/So)≦2」の場合、「n=1」と設定される場合であっても良い。例えば、本実施形態は、上記の第3の例において、対象データを「2ピクセル/cm」に拡大した後に、1段のウェーブレット変換処理、画像処理、1段のウェーブレット逆変換処理、及び縮小処理を行なう場合であっても良い。
【0074】
また、上記では、対象データが超音波画像データである場合の最適サンプル数が縦方向及び横方向で同じ値とである場合について説明した。しかし、本実施形態は、対象データが超音波画像データである場合の最適サンプル数が、縦方向及び横方向で異なる場合であっても良い。例えば、画像処理「A」において、最適サンプル数が「横方向最適サンプル数:1ピクセル/cm、縦方向最適サンプル数:1.5ピクセル/cm」であるとする。
【0075】
かかる場合、横方向及び縦方向が1.5ピクセル/cmであるサイズ「15ピクセル×15ピクセル」のデータが対象データである第1の例では、最適サイズは、横方向が1ピクセル/cmであり、縦方向が1.5ピクセル/cmである「10ピクセル×15ピクセル」となる。また、拡大データは、対象データを横方向に「3/2倍」し、縦方向に「2倍」することで、横方向が2ピクセル/cmであり、縦方向が3ピクセル/cmである「20ピクセル×30ピクセル」となる。画像処理部16は、かかる拡大データに対して、1段のウェーブレット変換、画像処理及び1段のウェーブレット逆変換を行なうことで再構成データを生成する。そして、画像処理部16は、更に、再構成データを横方向に「2/3倍」し、縦方向に「1/2倍」することで、画像処理済データである縮小データを生成する。
【0076】
次に、図10を用いて、本実施形態に係る超音波診断装置の処理について説明する。図10は、本実施形態に係る超音波診断装置が行なう画像処理を説明するためのフローチャートである。
【0077】
図10に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、対象データに対する画像処理要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、要求を受け付けない場合(ステップS101否定)、超音波診断装置は、待機状態となる。
【0078】
一方、対象データに対する画像処理要求を受け付けた場合(ステップS101肯定)、制御部18は、対象データの情報とともに、要求された画像処理に対応する最適サンプル数を取得し、画像処理部16の処理に用いられるパラメータ(倍率、段数)を決定する(ステップS102)。
【0079】
そして、制御部18は、決定したパラメータから、ウェーブレット変換有りか無しかを判定する(ステップS103)。
【0080】
ここで、制御部18が、対象データの単位長さ当たりのサンプル数が最適サンプル数以下であることから、「n=0」と決定して、ウェーブレット変換無しとなった場合(ステップS103否定)、拡大部161は、対象データの単位長さ当たりのサンプル数を最適サンプル数にする拡大処理、すなわち、画像処理用の拡大処理を実行する(ステップS109)。そして、データ処理部163は、最適サンプル数の拡大データに対して画像処理(ステップS101で受け付けた画像処理)を行なう(ステップS110)。そして、縮小部165は、画像処理後のデータに対して、単位長さ当たりのサンプル数が対象データと同一となる縮小処理を実行して(ステップS111)、処理を終了する。
【0081】
一方、制御部18が、対象データの単位長さ当たりのサンプル数が最適サンプル数より大きいことから、1以上の「n」を決定して、ウェーブレット変換有りとなった場合(ステップS103肯定)、拡大部161は、対象データに対して、ウェーブレット変換用の拡大処理を実行する(ステップS104)。すなわち、拡大部161は、単位長さ当たりのサンプル数が最適サンプル数の2倍となるように、対象データを拡大した拡大データを生成する。
【0082】
そして、分解部162は、拡大データに対して、決定された段数(n)のウェーブレット変換処理を行ない(ステップS105)、データ処理部163は、最適サンプル数の低周波データに対して画像処理(ステップS101で受け付けた画像処理)を行なう(ステップS106)。
【0083】
そして、再構成部164は、処理済低周波データを用いて、決定された段数(n)のウェーブレット逆変換処理を行ない(ステップS107)、縮小部165は、再構成部164の処理により生成された再構成データに対して、単位長さ当たりのサンプル数が対象データと同一となる縮小処理を実行して(ステップS108)、処理を終了する。なお、図10に示す処理は、超音波画像の撮影中にリアルタイムで実行される場合であっても、超音波画像の撮影後に実行される場合であっても良い。
【0084】
上述してきたように、本実施形態では、多重解像度解析を用いて、対象データを直接縮小することを回避したうえで、最適サンプル数を考慮した処理を行なうことにより、画像処理の効果を最適とすることができる。図11は、従来の画像処理と本実施形態に係る画像処理との比較例を示す図である。図11の左図は、従来のように、最適サンプル数を考慮せずに画像処理を行なった結果、モニタ2に表示される超音波画像の一例である。また、図11の右図は、本実施形態で説明した最適サンプル数を考慮して画像処理を行なった結果、モニタ2に表示される超音波画像の一例である。
【0085】
図11の左図に示すように、従来方法では、単位長さ当たりのサンプル数が最適サンプル数となっていない対象データに対して画像処理を行なった結果、適正な画像処理が行なわれず、超音波画像全体が「ぼやけた」状態となる。これに対して、図11の右図に示すように、本実施形態の方法では、最適サンプル数となった低周波成分データに画像処理を行なうことで、適正な画像処理が行なわれ、超音波画像の画質がシャープとなる。
【0086】
また、本実施形態では、対象データの単位長さ当たりのサンプル数が、最適サンプル数以下である場合、分解処理及び再構成処理を省略して画像処理を行なうので、処理負荷を軽減することができる。
【0087】
また、本実施形態では、多重解像度解析による分解及び再構成としてウェーブレット変換及び逆変換を行なうので、公知の技術を流用して、簡易に画像処理の効果を最適とすることができる。
【0088】
なお、上述したように、本実施形態は、対象データが反射波データである場合であっても適用可能である。図12は、対象データが反射波データである場合の最適サンプル数を説明するための図である。
【0089】
対象データが反射波データである場合には、「最適サンプル数」は、図12に示すように、超音波送受信条件により定まる深さ方向及び方位方向のサンプル数となる。ここで、深さ方向のサンプル数とは、超音波ビームの送信方向において、単位長さ当たり何個の点の反射波信号をサンプリングしているかを示す値である。また、方位方向のサンプル数とは、振動子の配列方向において、単位長さ当たり何本の超音波ビームを送信しているかを示す値である。
【0090】
従って、対象データが反射波データである場合、画像処理「A」の最適サンプル数を登録したテーブルは、図2に示す「最適サンプル数:a」の代わりに、例えば、「深さ方向最適サンプル数:α1」及び「方位方向最適サンプル数:α2」として登録される。また、対象データがIQ信号である場合とRF信号である場合とで最適サンプル数の値が異なる場合、例えば、超音波診断装置の操作者や管理者は、画像処理の種別ごとの「深さ方向最適サンプル数」及び「方位方向最適サンプル数」を、反射波データの種別ごとに登録する。
【0091】
そして、制御部18が、対象データである反射波データの単位長さ当たりのサンプル数と、当該対象データに対して指定された画像処理の最適サンプル数とを取得し、最適サンプル数に基づく倍率及び段数を決定する。これにより、画像処理部16の処理が行なわれる。すなわち、画像処理部16は、対象データである反射波データに対して、拡大処理、分解処理、画像処理、再構成処理、縮小処理を行なう。
【0092】
対象データがIQ信号の場合、画像処理部16は、縮小データを処理済反射波データとして、Bモード処理部13、又は、ドプラ処理部14に出力する。また、対象データがRF信号の場合、画像処理部16は、縮小データを位相検波回路に出力する。そして、位相検波回路の出力結果が、処理済反射波データとして、Bモード処理部13、又は、ドプラ処理部14に出力される。そして、Bモード処理部13、又は、ドプラ処理部14は、処理済反射波データから生データを生成し、画像生成部15は、スキャンコンバート後の超音波画像データを生成する。このように、対象データを反射波データとする場合であっても、画像処理の効果を最適とすることができる。
【0093】
なお、本実施形態は、以下の変形例により、最適サンプル数が変更される場合であっても良い。
【0094】
第1の変形例では、最適サンプル数は、対象データが原データから拡大、又は、縮小されている場合、当該対象データの当該原データに対する拡大率、又は、縮小率に応じて変更される。図13A及び図13Bは、最適サンプル数に係る第1の変形例を説明するための図である。
【0095】
原データに対する拡大率や縮小率が異なると、対象データにおける1サンプル当たりの長さが異なることになる。例えば、拡大率や縮小率は、操作者が、超音波画像の深さ方向の長さ「Depth」を変更することで、変化する。例えば、図13Aに示すように、操作者が、入力装置3を介して「Depth」を「2倍」に変更すると、対象データが原データの「1/2」に縮小されることから、原データにおける対象物の大きさは、対象データでは「1/2」となる。かかる場合、制御部18は、縮小率「1/2」を取得して、図13Aに示すように、「最適サンプル数:a」を「2a」に変更する。
【0096】
また、例えば、図13Bに示すように、操作者が、入力装置3を介して「Depth」を「1/2倍」に変更すると、対象データが原データの「2倍」に拡大されることから、原データにおける対象物の大きさは、対象データでは「2倍」となる。かかる場合、制御部18は、拡大率「2」を取得して、図13Bに示すように、「最適サンプル数:a」を「0.5a」に変更する。
【0097】
すなわち、第1の変形例では、対象データが原データから拡大、又は、縮小されている場合、原データの単位長さ当たりのサンプル数に合わせて、最適サンプル数を変更することで、対象データに対する画像処理の効果を最適とすることができる。
【0098】
第2の変形例では、最適サンプル数は、画像処理の種別とともに、超音波送受信条件及び撮影対象となる臓器の少なくも1つに応じて変更される。図14A、図14B及び図14Cは、最適サンプル数に係る第2の変形例を説明するための図である。
【0099】
画像処理の最適サンプル数は、画像処理の種別が同一であっても、例えば、レート周波数や、超音波ビームの焦点位置、超音波ビームの走査間隔、深さ方向のサンプル数、超音波走査の形状等、超音波送受信条件により異なる場合がある。そこで、超音波診断装置の操作者や管理者は、図14Aに示すように、例えば、画像処理「A」における最適サンプル数の値を、送受信条件に応じて異なる値に設定する。図14Aに示す一例では、「画像処理:A」において、「送受信条件1」の最適サンプル数が「a1」と設定され、「送受信条件2」の最適サンプル数が「a2」と設定され、「送受信条件3」の最適サンプル数が「a3」と設定されている。制御部18は、対象データの送受信条件も更に取得して、図14Aに示すテーブルから最適サンプル数を取得して、パラメータ「n」を決定する。
【0100】
また、例えば、撮影対象の臓器が、心臓である場合や、肝臓である場合、腎臓である場合では、それぞれ撮影対象の大きさや構造物の性状が異なる。このため、画像処理の最適サンプル数は、画像処理の種別が同一であっても、撮影対象の臓器により異なる場合がある。そこで、超音波診断装置の操作者や管理者は、図14Bに示すように、例えば、画像処理「A」における最適サンプル数の値を、撮影対象となる臓器に応じて異なる値に設定する。図14Bに示す一例では、「画像処理:A」において、「臓器1」の最適サンプル数が「a1’」と設定され、「臓器2」の最適サンプル数が「a2’」と設定され、「臓器3」の最適サンプル数が「a3’」と設定されている。制御部18は、対象データの撮影対象部位も更に取得して、図14Bに示すテーブルから最適サンプル数を取得して、パラメータ「n」を決定する。
【0101】
また、最適サンプル数は、画像処理の種別、超音波送受信条件及び撮影対象の臓器の3つの要素の組み合わせごとに設定される場合であっても良い。かかる場合、超音波診断装置の操作者や管理者は、図14Cに示すように、例えば、撮影対象の臓器が「臓器1」である対象データに対して画像処理「A」を行なう際の最適サンプル数の値を、送受信条件に応じて異なる値に設定する。図14Cに示す一例では、「画像処理:A」及び「臓器1」において、「送受信条件1」の最適サンプル数が「a11」と設定され、「送受信条件2」の最適サンプル数が「a12」と設定され、「送受信条件3」の最適サンプル数が「a13」と設定されている。制御部18は、対象データの送受信条件及び撮影対象部位も更に取得して、図14Cに示すテーブルから最適サンプル数を取得して、パラメータ「n」を決定する。
【0102】
すなわち、第2の変形例では、画像処理の種別だけでなく、超音波送受信条件や撮影対象の臓器に関する情報も考慮して最適サンプル数を変更することで、対象データに対する画像処理の効果を最適とすることができる。
【0103】
なお、上記の実施形態では、データ処理部163が最適サンプル数の低周波成分データに対して、画像処理を行なう場合について説明した。しかし、本実施形態は、分解部162が出力した最適サンプル数のデータ群の全て、又は、一部に対して、データ処理部163が画像処理を行なう場合であっても良い。すなわち、本実施形態は、低周波成分データとともに、高周波成分を含むデータ(高域分解画像データ)に対して、画像処理が行なわれる場合であっても良い。或いは、本実施形態は、高周波成分を含むデータ(高域分解画像データ)に対してのみ、画像処理が行なわれる場合であっても良い。例えば、データ処理部163は、図4に示す「LL」とともに、図4に示す「HL、LH、HH」の全て、又は、一部に対して、目的とする画像処理「A」を行なう。かかる場合、再構成部164は、データ処理部163が出力した処理済データ群を用いて、再構成データを生成する。低周波成分データとともに、高域分解画像データに対しても、目的とする画像処理を行なうことで、当該画像処理の効果を最適とすることができる。
【0104】
また、高域分解画像データに対して行なわれる画像処理は、目的とする画像処理以外の画像処理であっても良い。高周波成分を含む高域分解画像データ(例えば、図4に示す「HL、LH、HH」)には、エッジ情報が含まれている。そこで、例えば、データ処理部163は、高域分解画像データに対して、エッジ検出処理を行なう。そして、例えば、データ処理部163は、検出したエッジが構造物の輪郭であるかノイズであるかを判定する。そして、例えば、データ処理部163は、エッジが構造物の輪郭であるならば、エッジ強調処理を行なう。また、例えば、データ処理部163は、エッジがノイズであるならば、エッジ除去処理を行なう。データ処理部163は、高域分解画像データに対して、上記のエッジ検出を用いた画像処理、又は、目的とする画像処理及び上記のエッジ検出を用いた画像処理を行なう。かかる処理により、目的とする画像処理の効果をより最適とすることができる。なお、データ処理部163は、低周波成分データに対しても、目的とする画像処理とともに、上記のエッジ検出を用いた画像処理を行なっても良い。
【0105】
また、上記の実施形態では、医用画像診断装置である超音波診断装置において、対象データに対して、最適サンプル数を考慮した画像処理を行なう場合について説明した。しかし、本実施形態で説明した処理は、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission Computed Tomography)装置等の医用画像診断装置において、当該医用画像診断装置が生成したデータを対象として実行される場合であっても良い。すなわち、対象データは、放射線を検出したデータや、磁気共鳴信号のデータ等、医用画像の生成に用いられるデータである場合であっても、各種医用画像データである場合であっても良い。
【0106】
また、本実施形態で説明した処理は、医用画像診断装置とは独立に設置された画像処理装置により実行される場合であっても良い。具体的には、図1に示す画像処理部16及び制御部18の機能を有する画像処理装置が、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication Systems)のデータベースや、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベース等から対象データを受信して、本実施形態で説明した処理を行なう場合であってもよい。
【0107】
また、本実施形態で説明した処理は、対象データが3次元である場合であっても適用可能である。例えば、3次元対象データを、所定方向に沿った複数の2次元対象データとすることで、本実施形態で説明した処理を適用することができる。
【0108】
また、本実施形態で説明したパラメータ「n」の決定処理は、制御部18により自動的に行なわれる場合であっても良いし、画像処理ごとに、操作者により決定される場合であっても良い。
【0109】
以上、説明したとおり、本実施形態によれば、画像処理の効果を最適とすることができる。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0111】
1 超音波プローブ
2 モニタ
3 入力装置
10 装置本体
11 送信部
12 受信部
13 Bモード処理部
14 ドプラ処理部
15 画像生成部
16 画像処理部
161 拡大部
162 分解部
163 データ処理部
164 再構成部
165 縮小部
17 画像メモリ
18 制御部
19 内部記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理の対象となる対象データを、当該画像処理に適した単位長さ当たりのサンプル数である最適サンプル数に基づく倍率で拡大して拡大データを生成する拡大部と、
前記拡大データに対して、前記倍率に基づく所定段数の多重解像度解析による分解処理を行なって、前記最適サンプル数のデータ群を生成する分解部と、
前記最適サンプル数のデータ群に対して前記画像処理を行なって、処理済データ群を生成するデータ処理部と、
前記処理済データ群に対して、前記所定段数の多重解像度解析による再構成処理を行なって再構成データを生成する再構成部と、
単位長さ当たりのサンプル数が、前記対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように前記再構成データを縮小した縮小データを生成する縮小部と、
を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記拡大部は、前記対象データの単位長さ当たりのサンプル数が前記最適サンプル数の2のべき乗となる倍率により、前記拡大データを生成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記対象データは、超音波の反射波に基づいて生成されたデータである、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記最適サンプル数は、画像処理の種別とともに、超音波送受信条件及び撮影対象となる臓器の少なくも1つに応じて変更される、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記最適サンプル数は、前記対象データが原データから拡大、又は、縮小されている場合、当該対象データの当該原データに対する拡大率、又は、縮小率に応じて変更される、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記対象データの単位長さ当たりのサンプル数が、前記最適サンプル数以下である場合、
前記拡大部は、前記対象データの単位長さ当たりのサンプル数が、前記最適サンプル数となる倍率で前記対象データを拡大することで前記拡大データを生成し、
前記データ処理部は、前記拡大データに対して前記画像処理を行ない、
前記縮小部は、前記拡大データに対して前記画像処理が行なわれたデータを処理対象とし、当該データの単位長さ当たりのサンプル数が前記対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように当該データを縮小することで、前記縮小データを生成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記分解部は、前記多重解像度解析による分解処理として、ウェーブレット変換を行ない、
前記再構成部は、前記多重解像度解析による再構成処理として、ウェーブレット逆変換を行なう、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像処理の対象となる対象データを、当該画像処理に適した単位長さ当たりのサンプル数である最適サンプル数に基づく倍率で拡大して拡大データを生成する拡大部と、
前記拡大データに対して、前記倍率に基づく所定段数の多重解像度解析による分解処理を行なって、前記最適サンプル数のデータ群を生成する分解部と、
前記最適サンプル数のデータ群に対して前記画像処理を行なって、処理済データ群を生成するデータ処理部と、
前記処理済データ群に対して、前記所定段数の多重解像度解析による再構成処理を行なって再構成データを生成する再構成部と、
単位長さ当たりのサンプル数が、前記対象データの単位長さ当たりのサンプル数となるように前記再構成データを縮小した縮小データを生成する縮小部と、
を備えたことを特徴とする医用画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【公開番号】特開2013−78569(P2013−78569A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−207033(P2012−207033)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】