画像処理装置及び方法、並びにプログラム
【課題】 処理対象の色の選択作業を簡略化できるようにする。
【解決手段】 カーソル位置取得部は、画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得する。代表色取得部は、カーソル位置取得部により取得されたカーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する。本技術は、画像を編集する画像処理装置に適用することができる。
【解決手段】 カーソル位置取得部は、画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得する。代表色取得部は、カーソル位置取得部により取得されたカーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する。本技術は、画像を編集する画像処理装置に適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、処理対象の色の選択作業を簡略化できる、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般ユーザでも、パーソナルコンピュータ等を利用して、様々な画像編集を行うことができる。例えば、所定の形状の図形に指定した色彩を付加することができる。また、付加した色を補正することもできる。従来、ユーザは、色補正等の画像処理を行う場合、マウス操作により、画像の中から処理対象の色を選択する作業をしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−345094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザにとって、画像中の細かい領域から、処理対象の色を選択する作業が困難になるおそれがある。
【0005】
また、例えば、ユーザにとって、空のグラデーションのように色合いが微妙に異なる領域に含まれる全ての色を、処理対象の色として選択する作業は、領域の全体にわたって全ての色を選択するマウス操作を含むことから、長時間になるおそれがある。
【0006】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、処理対象の色の選択作業を簡略化できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の画像処理装置は、画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部とを備える。
【0008】
前記代表色取得部により取得された前記所定の数の代表色を、選択候補として表示させる制御を実行する表示制御部をさらに設けることができる。
【0009】
前記減色処理は、k-meansクラスタリングを含む処理とすることができる。
【0010】
前記代表色取得部は、前記選択候補から複数の前記代表色が選択された場合、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合して新たなクラスタを生成することができる。
【0011】
前記代表色取得部は、さらに、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタから、一定範囲内にある他のクラスタを統合して新たなクラスタを生成することができる。
【0012】
前記表示制御部は、前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、選択された前記所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色を、新たな選択候補として表示させることができる。
【0013】
前記表示制御部は、前記選択候補をRGB順またはHSL順に並べ変えて表示させることができる。
【0014】
前記表示制御部は、前記選択候補を色相環上にプロットして表示させることができる。
【0015】
前記表示制御部は、前記減色処理領域を、前記選択候補を用いて減色化して表示させることができる。
【0016】
前記代表色取得部は、前記代表色が属するクラスタの範囲を取得することができる。
【0017】
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、前記代表色取得部により取得された前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する取得部をさらに設けることができる。
【0018】
本技術の一側面の画像処理方法及びプログラムは、上述した本技術の一側面の画像処理装置に対応する方法及びプログラムである。
【0019】
本技術の一側面の画像処理装置及び方法並びにプログラムにおいては、画像が表示される表示画面上のカーソルの位置が取得され、取得された前記カーソルの位置を含む領域が減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色が代表色として取得される減色処理が実行される。
【発明の効果】
【0020】
以上のごとく、本技術によれば、処理対象の色の選択作業を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本技術の概略について説明する図である。
【図2】本技術が適用される画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】クラスタの分布を示す図である。
【図4】クラスタ統合処理の流れについて説明するフローチャートである。
【図5】選択候補表示領域CLTの配置例を示す図である。
【図6】選択候補表示領域CLTにおける選択候補の表示例を示す図である。
【図7】選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【図8】選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【図9】処理対象色選択処理の流れを説明するフローチャートである。
【図10】本技術が適用される画像処理装置のハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[本技術の概略]
はじめに、本技術の理解を容易なものとすべく、その概略について説明する。
【0023】
図1は、本技術の概略について説明するための図であって、色補正等の画像処理の処理対象の色を選択する作業がなされる場合に、表示される画像の例を示している。
【0024】
図1のように、ユーザは表示されている画像の所定の部分の色を変更しようとするとき、その部分に、左側に示される、マウス等のポインティングデバイスのカーソルPMを配置する。このときカーソルPMが指し示す位置を中心とする所定範囲内の領域が、減色処理が施される減色処理領域Fとして設定される。本実施形態において、減色処理とは、画像に含まれる複数の色の中から、処理対象の色の選択候補として代表的な色(以下、代表色と称する)をN色だけ選定する処理である。ここで、Nは、任意の整数値であるが、予め設定されているものとする。
【0025】
すると、図1の右側に示されるように、カーソルPMが指し示す位置に、選択候補表示領域CLTが表示される。選択候補表示領域CLTには、減色処理領域Fに対して減色処理が施された結果得られるN個の代表色が表示される。図1の右側の例では、選択候補表示領域CLTには、N=6個の代表色CL1乃至CL6が、選択候補として表示される。
【0026】
ユーザが、選択候補表示領域CLTに表示されたN個の選択候補の中から、所定の代表色を選択すると、当該代表色が属するサンプル群に含まれる複数の色が表示される。ユーザは、さらにその中から、色補正等の画像処理に用いる色を指定することができる。処理対象の色として選択され得る複数の色、すなわち複数の選択候補は、N個のサンプル群に予めクラスタリングされている。そこで、N個のサンプル群の各々を、以下、クラスタと称する。すなわち、クラスタの中心値となる色が、当該クラスタの代表色となる。
【0027】
このように、複数の選択候補は全て表示されるのではなく、当該複数の選択候補がN個のクラスタに分類され、N個の代表色のみが表示される。このことは、選択候補の数がN個に削減されて表示されているのと等価である。したがって、ユーザは、選択候補間の色の差異が分かりやすくなるため、処理対象のオブジェクトを構成する全ての色の中から所定の色を、少ない回数の選択作業で選択することができる。
【0028】
ところで、一般的な減色処理においては、画像全体が減色処理の対象領域として設定されるため、画像中で使用される面積が小さく発生頻度の少ない色は代表色として得られにくい。
【0029】
しかしながら、本技術においては、減色処理の対象領域は減色処理領域Fに限定されているところ、当該減色処理領域Fは、カーソルPMが差し示す位置を中心とする所定範囲内の領域、すなわち画像全体と比較して遥かに小さい領域である。このため、例えば、処理対象のオブジェクトの面積が小さくそのオブジェクトを構成する色の発生頻度が画像全体で低くても、当該オブジェクトを含むように減色処理領域Fを採用することで、当該オブジェクトを構成する色の減色処理領域Fでの発生頻度は相対的に高くなる。また、減色処理領域Fを採用することで減色処理の対象領域が小さくなれば、その中に含まれる絶対的な色数も減少する。したがって、画像全体からみて使用される面積の小さいオブジェクトを構成する色、つまり画像全体からみてサンプル数の少ない色についても、代表色として残すことが可能となる。
【0030】
さらに、減色処理で得られたN個の代表色は、それらの発生頻度の違いを無視する形態で、選択候補表示領域CLに表示される。したがって、処理対象のオブジェクトの面積が小さくそのオブジェクトを構成する色の発生頻度が少なくても、ユーザは、当該色を選択する作業を容易にすることができる。
【0031】
[画像処理装置の構成例]
図2は、図1を用いて概略を説明した本技術が適用される画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示されるように、画像処理装置10は、画像データ入力部21、操作部22、カーソル位置取得部23、代表色取得部24、選択候補表示制御部25、表示部26、及び選択結果取得部27を有している。
【0033】
画像データ入力部21は、他の情報処理装置または図示せぬ記憶部から処理対象の画像データを入力し、代表色取得部24に供給する。
【0034】
操作部22は、ユーザによるマウス等のポインティングデバイスの操作を受け付け、当該操作に応じた操作信号を、カーソル位置取得部23に供給する。
【0035】
カーソル位置取得部23は、操作部22から供給された操作信号に基づいて、表示部26に表示された現在のカーソルPMの位置Pの座標を取得して、代表色取得部24に供給する。
【0036】
代表色取得部24は、カーソル位置取得部23から供給された現在のカーソルPMの位置Pを中心とした所定範囲内の領域を、減色処理領域Fとして設定する。次に、代表色取得部24は、当該減色処理領域Fに対して減色処理を施すことによって、減色処理領域Fに含まれる複数の色からN個の代表色を取得する。ここで、代表色の取得手法は、特に限定されず、例えば、メディアンカット法やk-meansクラスタリング(以下、k-means法と称する)等を用いた手法を採用することができる。また、代表色取得部24は、N個の代表色の取得とともに、N個の代表色の各々が属するクラスタの範囲も取得する。ここで、クラスタの範囲は、クラスタに含まれる色のR,G,Bのそれぞれの上限値と下限値をいう。
【0037】
代表色取得部24は、k-means法が採用された減色処理を実行する場合、はじめに各クラスタの中心値の初期値を設定する必要がある。しかしながら、k-means法においては、設定された初期値によっては、適切なクラスタリング結果が得られない場合がある。
【0038】
そこで、本技術においては、前回のカーソルPMの位置Pで取得された代表色、すなわち、前回のクラスタの中心値が初期値として設定される。現在のカーソルPMの位置Pが更新されても、その移動量は小さいため、減色処理領域Fの画像特徴(すなわち、色)が大きく変化することはまれである。したがって、前回のカーソルPMの位置Pで取得された代表色が、今回のクラスタの中心値の初期値として設定された場合と、今回のクラスタの中心値の初期値がランダムに設定された場合との両者でクラスタリング結果を比較すると、前者の方が、前回と今回との各クラスタリング結果の乖離を小さくすることができる。また、前者の方が、クラスタリングの収束に要する時間をより減少させることができる。
【0039】
また、k-means法においては、代表色取得部24は、クラスタ数をあらかじめ決定する必要もある。しかしながら、例えば、一つの処理対象のオブジェクトが似通った色で構成されている場合でも、すなわち少ない個数の代表色が得られることが好適である場合でも、多くのクラスタが設定されてしまうと、設定された多くのクラスタの各々に対応する多くの代表色が得られてしまう。このような場合、ユーザは、これら多くの代表色を逐一選択しなければ、当該代表色が属するクラスタに含まれる色を画像処理に用いることができない。すなわち、設定された代表色が必要以上に多い場合、ユーザは、処理対象の色を指定するのに長時間を要するおそれがある。
【0040】
そこで、ユーザは、処理対象の色を指定するのとは異なる処理として、複数のクラスタを統合して、クラスタの数(したがって代表色の数)を減らすための処理を行うことができる。ユーザが代表色を統合するために複数の代表色を選択、指定した場合、代表色取得部24は、選択された複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合することによって、クラスタ数を削減する。そして、代表色取得部24は、複数のクラスタが統合された結果生成される新たなクラスタから、新たな代表色を取得する。ユーザは、このようにして取得された新たな代表色の中から、処理対象の色を指定することができるようになる。ここで、クラスタの統合について、図3と図4を参照して説明する。
【0041】
[クラスタの統合]
図3は、クラスタの分布を示す図である。クラスタは、R,G,Bからなる3次元の色空間に位置するが、図3は、説明の都合上、R,G,Bのうち任意の2色を縦軸及び横軸に採用した2次元の色空間を示している。
【0042】
図3に示されるように、2次元の色空間上には、クラスタCA,CB,CC,CD,CEが分布している。クラスタ内の白丸印は、画素の色を表わす画像特徴点を示しており、四角は、クラスタの中心、すなわち代表色を示している。クラスタCA,CB,CC,CD,CEのそれぞれの代表色は、代表色CLA,CLB,CLC,CLD,CLEのそれぞれである。
【0043】
例えば、代表色の統合のため、ユーザによってクラスタCAの代表色CLAが選択され、代表色CLAが選択済みの状態とされた後で、クラスタCBの代表色CLBが追加して選択された場合、クラスタCAとクラスタCBが統合され、新たなクラスタCA’が生成される。
【0044】
さらに、このとき、クラスタCAとクラスタCBに基づいて決定される領域内にあるクラスタ、例えばクラスタCAとクラスタCBの延長線上にあるクラスタCCが、所定の条件を満たす場合、クラスタCAとクラスタCBに加えて、クラスタCCが統合されてもよい。
【0045】
なお、所定の条件として、例えば、以下のような条件を採用することができる。
【0046】
すなわち、クラスタCAの代表色CLAを始点、クラスタCBの代表色CLBを終点とした場合、代表色CLAと代表色CLB間のベクトルをベクトルVABとする。また、ベクトルVABの単位ベクトルを、単位ベクトルUVABとする。
【0047】
同様に、クラスタCAの代表色CLAを始点、任意のクラスタCNの代表色CLNを終点とした場合、代表色CLAと代表色CLN間のベクトルをベクトルVANとする。また、ベクトルVANの単位ベクトルを、単位ベクトルUVANとする。
【0048】
この場合、単位ベクトルUVABと単位ベクトルUVANの差分ベクトルの大きさが、予め設定された閾値以下であるという条件を、所定の条件として採用することができる。
【0049】
すなわち、代表色取得部24は、単位ベクトルUVABと単位ベクトルUVANの差分ベクトルを算出し、算出された差分ベクトルの大きさが予め設定された閾値以下であるという所定の条件を満たすか否かを判定する。そして、代表色取得部24は、所定の条件を満たすと判定した場合には、クラスタCNをクラスタCA,CBとともに統合して、新たなクラスタを生成する。このような、クラスタの統合の処理(以下、クラスタ統合処理と称する)の詳細について、図4を参照して説明する。
【0050】
[クラスタ統合処理]
図4は、クラスタ統合処理の流れについて説明するフローチャートである。
【0051】
ステップS11において、代表色取得部24は、ユーザの操作に基づいて、所定の代表色を選択する。ここでは、ユーザの操作に基づいて、例えば代表色CLBが選択されたとする。
【0052】
ステップS12において、代表色取得部24は、選択済みの代表色があるかを判定する。すなわち、ユーザによって、すでに他の代表色が選択される操作が行われているかを判定する。
【0053】
選択済みの代表色がある場合、ステップS12においてYESであると判定されて、処理はステップS13に進む。ここでは、ユーザの操作に基づいて、例えば代表色CLAが選択されていたとする。
【0054】
ステップS13において、代表色取得部24は、2つのクラスタを統合し、新たなクラスタを生成する。いまの場合、クラスタCAにクラスタCBが統合され、新たなクラスタCA’が生成される。すなわち、代表色取得部24は、選択済みの代表色CLAが属するクラスタCAに、ステップS11で選択された代表色CLBが属するクラスタCBを統合して、新たなクラスタCA’を生成する。
【0055】
ステップS14において、代表色取得部24は、2つの代表色間の単位ベクトルを取得する。いまの場合、代表色CLA,CLB間の単位ベクトルUVABが取得される。
【0056】
ステップS15において、代表色取得部24は、選択済みの代表色と未選択の代表色間の単位ベクトルを取得する。いまの場合、代表色CLA,CLN間の単位ベクトルUVANが取得される。すなわち、代表色取得部24は、代表色CLAと任意のクラスタCNの代表色CLN間の単位ベクトルUVANを取得する。
【0057】
ステップS16において、代表色取得部24は、2つの単位ベクトルの差分ベクトルの大きさが閾値以下であるかを判定する。いまの場合、単位ベクトルUVAB,UVANの差分ベクトルの大きさが閾値以下であるかが判定される。すなわち、代表色取得部24は、任意のクラスタCNが、クラスタCAとクラスタCBに基づいて決定される領域内にあるかを判定する。
【0058】
差分ベクトルの大きさが閾値以下である場合、ステップS16においてYESであると判定されて、処理はステップS17に進む。
【0059】
ステップS17において、代表色取得部24は、新たなクラスタに未選択の代表色のクラスタを統合する。いまの場合、ステップS13で生成された新たなクラスタCA’に、ステップS15で対象とされた未選択の代表色CLNのクラスタCNが統合される。
【0060】
差分ベクトルの大きさが閾値以下でない場合、ステップS16においてNOであると判定されて、ステップS17の処理はスキップされ、処理はステップS18に進む。
【0061】
ステップS17の処理の後、及びステップS16でNOと判定された場合、ステップS18において、代表色取得部24は、全てのクラスタに対して統合判定を行ったかを判定する。なお、統合判定とは、ステップS15の処理に基づくステップS16の判定をいう。
【0062】
まだ全てのクラスタに対して統合判定が行われていない場合、ステップS18においてNOであると判定されて、処理はステップS15に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、全てのクラスタに対して統合判定が行われるまでの間、ステップS15乃至S18の処理が繰り返される。
【0063】
全てのクラスタに対して統合判定が行われた場合、ステップS18においてYESであると判定されて、クラスタ統合処理は終了する。
【0064】
選択済みの代表色がない場合、ステップS12においてNOであると判定されて、処理はステップS19に進む。
【0065】
ステップS19において、代表色取得部24は、ステップS11において選択された代表色CLBを選択済みの代表色とする。つまり、この場合、複数の代表色が選択されていないので、クラスタを統合する処理は実行されない。
【0066】
これにより、クラスタ統合処理は終了する。
【0067】
このように、ユーザが複数の代表色を統合するために複数の代表色を選択した場合、それら複数の代表色が統合されて1つの代表色とされる。これにより、さらに選択候補の数が削減されるので、ユーザは処理対象の色の選択作業をより容易に行えるようになる。さらにこの場合、ユーザが選択した代表色から一定範囲内の代表色も併せて統合することができるので、より選択候補の数を削減することができる。
【0068】
このようにして代表色取得部24により取得されたN個の代表色は、選択候補表示制御部25に供給される。
【0069】
図2に戻り、選択候補表示制御部25は、代表色取得部24により取得されたN個の代表色の各々を選択候補として含む選択候補表示領域CLTを、表示部26の画面の一部に表示させる。
【0070】
[選択候補表示領域CLTの配置例]
図5は、選択候補表示領域CLTの、表示部26の表示画面における配置例を示す図である。
【0071】
図5に示されるように、表示部26の表示画面には、処理対象の画像がプレビュー表示されるプレビュー領域PBと、選択候補表示領域CLTとが設けられる。なお、選択候補表示領域CLTの配置位置は、図5の例に限定されず、例えば、図1に示されるように、カーソルPMが指し示す位置であってもよい。
【0072】
[代表色の表示例]
選択候補表示領域CLTにおける代表色の表示例について、図6乃至図8を参照して説明する。
【0073】
図6は、選択候補表示領域CLTにおける選択候補の表示例を示す図である。
【0074】
図6Aの例では、選択候補表示領域CLTには、4個(すなわち、N=4)の代表色CL11乃至CL14が、例えば、RGB順、HSL順等、任意の順番で並べ変えられて表示される。
【0075】
選択候補表示領域CLTの中から、ユーザのカーソル操作により所定の代表色が選択された場合、選択候補表示制御部25は、選択された所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色の各々を、新たな選択候補として取得して、これらの複数の選択候補を選択候補表示領域CLTに含む新たな画面を生成して、表示部26に表示させてもよい。
【0076】
例えば、ユーザのカーソル操作により代表色CL14が選択された場合、図6Bに示されるように、選択候補表示領域CLTには、代表色CL14の他に、代表色CL14が属するクラスタから取得された色CL21乃至CL23の各々が新たな選択候補として表示される。選択候補表示制御部25は、このような処理を複数回繰り返してもよい。これにより、代表色に選択されなかった色が、選択候補として表示されるようになる。
【0077】
図7は、選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【0078】
図7に示されるように、選択候補表示領域CLTには、4個(すなわち、N=4)の色CL31乃至CL34が、色相環上に選択候補としてプロットされて表示される。色相環上の領域で対応する選択候補がない場合には、当該色相環の領域には何も表示されない。
【0079】
図7に示される表示手法においても、上述の例と同様に、例えば、ユーザのカーソル操作により代表色CL32が選択された場合、選択候補表示制御部25は、代表色CL32の他に、代表色CL32が属するクラスタから取得された複数の色の各々を、新たな選択候補として取得して、これらの複数の選択候補を選択候補表示領域CLTに含む新たな画面を生成して、表示部26に表示させてもよい。
【0080】
図8は、選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【0081】
図8に示されるように、選択候補表示領域CLTには、カーソルPMが指し示す位置を中心とした減色処理領域Fの画像を、選択候補の代表色を用いて減色化した画像が表示される。すなわち、減色処理領域Fの各画素の色が、当該色が属するクラスタの代表色に置き換えられた画像が表示される。このとき、選択候補表示制御部25は、選択候補表示領域CLTを拡大、すなわち減色化された画像を拡大表示させてもよい。
【0082】
図8に示される表示手法においても、上述の例と同様に、所定の代表色が選択された場合、選択候補表示制御部25は、選択された代表色が属するクラスタから取得された複数の色の各々を、新たな選択候補として取得して、これらの複数の選択候補により減色化された画像を生成して、表示部26に表示させてもよい。
【0083】
図2に戻り、選択結果取得部27は、選択候補表示領域CLTに表示された選択候補から、ユーザの操作により選択された色を選択色として取得する。また、選択結果取得部27は、選択色が属するクラスタの範囲、すなわちクラスタに含まれる色のR,G,Bのそれぞれの上限値と下限値を代表色取得部24から取得する。選択結果取得部27により取得された選択色は、図示せぬ画像処理部において、色補正等の画像処理に用いられる。ユーザは、選択色を用いた画像処理において、選択色が属するクラスタの範囲内、すなわちR,G,Bのそれぞれの上限値と下限値の範囲内で、微妙な色合いの調整等を行うことができる。
【0084】
[処理対象色選択処理]
次に、画像処理装置10が、処理対象の色を選択するまでの一連の処理(以下、処理対象色選択処理と称する)について、図9を参照して説明する。
【0085】
図9は、処理対象色選択処理の流れを説明するフローチャートである。
【0086】
ステップS31において、カーソル位置取得部23は、現在のカーソルPMの位置Pを取得する。
【0087】
ステップS32において、代表色取得部24は、代表色を取得する。すなわち、代表色取得部24は、ステップS31の処理で取得された現在のカーソルPMの位置Pを中心とした減色処理領域Fに対して、減色処理を施すことによって、減色処理領域Fに含まれる代表色をN個取得する。また、このとき、ユーザの操作に基づき、適宜代表色の統合処理が行われる。
【0088】
ステップS33において、選択候補表示制御部25は、ステップS32で取得されたN個の代表色を、選択候補として選択候補表示領域CLTに表示する。すなわち、選択候補表示制御部25は、図6乃至図8を用いて説明したように、選択候補表示領域CLTにN個の代表色を、選択候補として表示する。
【0089】
ステップS34において、選択結果取得部27は、選択候補表示領域CLTに表示された選択候補から、ユーザの操作により選択された選択色を取得する。
【0090】
これにより、処理対象色選択処理は終了する。
【0091】
以上、説明したように、本技術が適用された画像処理装置10においては、選択候補の数が削減されて表示されるので、ユーザは、処理対象の色の選択作業を簡略化することができる。
【0092】
[本技術のプログラムへの適用]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0093】
図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0094】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201,ROM(Read Only Memory)202,RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0095】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、及びドライブ210が接続されている。
【0096】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0097】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205及びバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0098】
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0099】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0100】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0101】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0102】
なお、本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、
前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部とを備える
画像処理装置。
(2)
前記代表色取得部により取得された前記所定の数の代表色を、選択候補として表示させる制御を実行する表示制御部をさらに備える
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記減色処理は、k-meansクラスタリングを含む処理である
前記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記代表色取得部は、前記選択候補から複数の前記代表色が選択された場合、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像処理装置。
(5)
前記代表色取得部は、さらに、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタから、一定範囲内にある他のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記表示制御部は、
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、選択された前記所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色を、新たな選択候補として表示させる
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)
前記表示制御部は、前記選択候補をRGB順またはHSL順に並べ変えて表示させる
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)
前記表示制御部は、前記選択候補を色相環上にプロットして表示させる
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9)
前記表示制御部は、前記減色処理領域を、前記選択候補を用いて減色化して表示させる
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の画像処理装置。
(10)
前記代表色取得部は、前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の画像処理装置。
(11)
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、前記代表色取得部により取得された前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する取得部をさらに備える
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の画像処理装置。
【0103】
本技術は、コンテンツを編集する編集装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
10 画像処理装置, 21 画像データ入力部, 22 操作部, 23 カーソル位置取得部, 24 代表色取得部, 25 選択候補表示制御部, 26 表示部, 27 選択結果取得部
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、処理対象の色の選択作業を簡略化できる、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般ユーザでも、パーソナルコンピュータ等を利用して、様々な画像編集を行うことができる。例えば、所定の形状の図形に指定した色彩を付加することができる。また、付加した色を補正することもできる。従来、ユーザは、色補正等の画像処理を行う場合、マウス操作により、画像の中から処理対象の色を選択する作業をしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−345094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザにとって、画像中の細かい領域から、処理対象の色を選択する作業が困難になるおそれがある。
【0005】
また、例えば、ユーザにとって、空のグラデーションのように色合いが微妙に異なる領域に含まれる全ての色を、処理対象の色として選択する作業は、領域の全体にわたって全ての色を選択するマウス操作を含むことから、長時間になるおそれがある。
【0006】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、処理対象の色の選択作業を簡略化できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の画像処理装置は、画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部とを備える。
【0008】
前記代表色取得部により取得された前記所定の数の代表色を、選択候補として表示させる制御を実行する表示制御部をさらに設けることができる。
【0009】
前記減色処理は、k-meansクラスタリングを含む処理とすることができる。
【0010】
前記代表色取得部は、前記選択候補から複数の前記代表色が選択された場合、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合して新たなクラスタを生成することができる。
【0011】
前記代表色取得部は、さらに、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタから、一定範囲内にある他のクラスタを統合して新たなクラスタを生成することができる。
【0012】
前記表示制御部は、前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、選択された前記所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色を、新たな選択候補として表示させることができる。
【0013】
前記表示制御部は、前記選択候補をRGB順またはHSL順に並べ変えて表示させることができる。
【0014】
前記表示制御部は、前記選択候補を色相環上にプロットして表示させることができる。
【0015】
前記表示制御部は、前記減色処理領域を、前記選択候補を用いて減色化して表示させることができる。
【0016】
前記代表色取得部は、前記代表色が属するクラスタの範囲を取得することができる。
【0017】
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、前記代表色取得部により取得された前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する取得部をさらに設けることができる。
【0018】
本技術の一側面の画像処理方法及びプログラムは、上述した本技術の一側面の画像処理装置に対応する方法及びプログラムである。
【0019】
本技術の一側面の画像処理装置及び方法並びにプログラムにおいては、画像が表示される表示画面上のカーソルの位置が取得され、取得された前記カーソルの位置を含む領域が減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色が代表色として取得される減色処理が実行される。
【発明の効果】
【0020】
以上のごとく、本技術によれば、処理対象の色の選択作業を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本技術の概略について説明する図である。
【図2】本技術が適用される画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】クラスタの分布を示す図である。
【図4】クラスタ統合処理の流れについて説明するフローチャートである。
【図5】選択候補表示領域CLTの配置例を示す図である。
【図6】選択候補表示領域CLTにおける選択候補の表示例を示す図である。
【図7】選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【図8】選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【図9】処理対象色選択処理の流れを説明するフローチャートである。
【図10】本技術が適用される画像処理装置のハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[本技術の概略]
はじめに、本技術の理解を容易なものとすべく、その概略について説明する。
【0023】
図1は、本技術の概略について説明するための図であって、色補正等の画像処理の処理対象の色を選択する作業がなされる場合に、表示される画像の例を示している。
【0024】
図1のように、ユーザは表示されている画像の所定の部分の色を変更しようとするとき、その部分に、左側に示される、マウス等のポインティングデバイスのカーソルPMを配置する。このときカーソルPMが指し示す位置を中心とする所定範囲内の領域が、減色処理が施される減色処理領域Fとして設定される。本実施形態において、減色処理とは、画像に含まれる複数の色の中から、処理対象の色の選択候補として代表的な色(以下、代表色と称する)をN色だけ選定する処理である。ここで、Nは、任意の整数値であるが、予め設定されているものとする。
【0025】
すると、図1の右側に示されるように、カーソルPMが指し示す位置に、選択候補表示領域CLTが表示される。選択候補表示領域CLTには、減色処理領域Fに対して減色処理が施された結果得られるN個の代表色が表示される。図1の右側の例では、選択候補表示領域CLTには、N=6個の代表色CL1乃至CL6が、選択候補として表示される。
【0026】
ユーザが、選択候補表示領域CLTに表示されたN個の選択候補の中から、所定の代表色を選択すると、当該代表色が属するサンプル群に含まれる複数の色が表示される。ユーザは、さらにその中から、色補正等の画像処理に用いる色を指定することができる。処理対象の色として選択され得る複数の色、すなわち複数の選択候補は、N個のサンプル群に予めクラスタリングされている。そこで、N個のサンプル群の各々を、以下、クラスタと称する。すなわち、クラスタの中心値となる色が、当該クラスタの代表色となる。
【0027】
このように、複数の選択候補は全て表示されるのではなく、当該複数の選択候補がN個のクラスタに分類され、N個の代表色のみが表示される。このことは、選択候補の数がN個に削減されて表示されているのと等価である。したがって、ユーザは、選択候補間の色の差異が分かりやすくなるため、処理対象のオブジェクトを構成する全ての色の中から所定の色を、少ない回数の選択作業で選択することができる。
【0028】
ところで、一般的な減色処理においては、画像全体が減色処理の対象領域として設定されるため、画像中で使用される面積が小さく発生頻度の少ない色は代表色として得られにくい。
【0029】
しかしながら、本技術においては、減色処理の対象領域は減色処理領域Fに限定されているところ、当該減色処理領域Fは、カーソルPMが差し示す位置を中心とする所定範囲内の領域、すなわち画像全体と比較して遥かに小さい領域である。このため、例えば、処理対象のオブジェクトの面積が小さくそのオブジェクトを構成する色の発生頻度が画像全体で低くても、当該オブジェクトを含むように減色処理領域Fを採用することで、当該オブジェクトを構成する色の減色処理領域Fでの発生頻度は相対的に高くなる。また、減色処理領域Fを採用することで減色処理の対象領域が小さくなれば、その中に含まれる絶対的な色数も減少する。したがって、画像全体からみて使用される面積の小さいオブジェクトを構成する色、つまり画像全体からみてサンプル数の少ない色についても、代表色として残すことが可能となる。
【0030】
さらに、減色処理で得られたN個の代表色は、それらの発生頻度の違いを無視する形態で、選択候補表示領域CLに表示される。したがって、処理対象のオブジェクトの面積が小さくそのオブジェクトを構成する色の発生頻度が少なくても、ユーザは、当該色を選択する作業を容易にすることができる。
【0031】
[画像処理装置の構成例]
図2は、図1を用いて概略を説明した本技術が適用される画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示されるように、画像処理装置10は、画像データ入力部21、操作部22、カーソル位置取得部23、代表色取得部24、選択候補表示制御部25、表示部26、及び選択結果取得部27を有している。
【0033】
画像データ入力部21は、他の情報処理装置または図示せぬ記憶部から処理対象の画像データを入力し、代表色取得部24に供給する。
【0034】
操作部22は、ユーザによるマウス等のポインティングデバイスの操作を受け付け、当該操作に応じた操作信号を、カーソル位置取得部23に供給する。
【0035】
カーソル位置取得部23は、操作部22から供給された操作信号に基づいて、表示部26に表示された現在のカーソルPMの位置Pの座標を取得して、代表色取得部24に供給する。
【0036】
代表色取得部24は、カーソル位置取得部23から供給された現在のカーソルPMの位置Pを中心とした所定範囲内の領域を、減色処理領域Fとして設定する。次に、代表色取得部24は、当該減色処理領域Fに対して減色処理を施すことによって、減色処理領域Fに含まれる複数の色からN個の代表色を取得する。ここで、代表色の取得手法は、特に限定されず、例えば、メディアンカット法やk-meansクラスタリング(以下、k-means法と称する)等を用いた手法を採用することができる。また、代表色取得部24は、N個の代表色の取得とともに、N個の代表色の各々が属するクラスタの範囲も取得する。ここで、クラスタの範囲は、クラスタに含まれる色のR,G,Bのそれぞれの上限値と下限値をいう。
【0037】
代表色取得部24は、k-means法が採用された減色処理を実行する場合、はじめに各クラスタの中心値の初期値を設定する必要がある。しかしながら、k-means法においては、設定された初期値によっては、適切なクラスタリング結果が得られない場合がある。
【0038】
そこで、本技術においては、前回のカーソルPMの位置Pで取得された代表色、すなわち、前回のクラスタの中心値が初期値として設定される。現在のカーソルPMの位置Pが更新されても、その移動量は小さいため、減色処理領域Fの画像特徴(すなわち、色)が大きく変化することはまれである。したがって、前回のカーソルPMの位置Pで取得された代表色が、今回のクラスタの中心値の初期値として設定された場合と、今回のクラスタの中心値の初期値がランダムに設定された場合との両者でクラスタリング結果を比較すると、前者の方が、前回と今回との各クラスタリング結果の乖離を小さくすることができる。また、前者の方が、クラスタリングの収束に要する時間をより減少させることができる。
【0039】
また、k-means法においては、代表色取得部24は、クラスタ数をあらかじめ決定する必要もある。しかしながら、例えば、一つの処理対象のオブジェクトが似通った色で構成されている場合でも、すなわち少ない個数の代表色が得られることが好適である場合でも、多くのクラスタが設定されてしまうと、設定された多くのクラスタの各々に対応する多くの代表色が得られてしまう。このような場合、ユーザは、これら多くの代表色を逐一選択しなければ、当該代表色が属するクラスタに含まれる色を画像処理に用いることができない。すなわち、設定された代表色が必要以上に多い場合、ユーザは、処理対象の色を指定するのに長時間を要するおそれがある。
【0040】
そこで、ユーザは、処理対象の色を指定するのとは異なる処理として、複数のクラスタを統合して、クラスタの数(したがって代表色の数)を減らすための処理を行うことができる。ユーザが代表色を統合するために複数の代表色を選択、指定した場合、代表色取得部24は、選択された複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合することによって、クラスタ数を削減する。そして、代表色取得部24は、複数のクラスタが統合された結果生成される新たなクラスタから、新たな代表色を取得する。ユーザは、このようにして取得された新たな代表色の中から、処理対象の色を指定することができるようになる。ここで、クラスタの統合について、図3と図4を参照して説明する。
【0041】
[クラスタの統合]
図3は、クラスタの分布を示す図である。クラスタは、R,G,Bからなる3次元の色空間に位置するが、図3は、説明の都合上、R,G,Bのうち任意の2色を縦軸及び横軸に採用した2次元の色空間を示している。
【0042】
図3に示されるように、2次元の色空間上には、クラスタCA,CB,CC,CD,CEが分布している。クラスタ内の白丸印は、画素の色を表わす画像特徴点を示しており、四角は、クラスタの中心、すなわち代表色を示している。クラスタCA,CB,CC,CD,CEのそれぞれの代表色は、代表色CLA,CLB,CLC,CLD,CLEのそれぞれである。
【0043】
例えば、代表色の統合のため、ユーザによってクラスタCAの代表色CLAが選択され、代表色CLAが選択済みの状態とされた後で、クラスタCBの代表色CLBが追加して選択された場合、クラスタCAとクラスタCBが統合され、新たなクラスタCA’が生成される。
【0044】
さらに、このとき、クラスタCAとクラスタCBに基づいて決定される領域内にあるクラスタ、例えばクラスタCAとクラスタCBの延長線上にあるクラスタCCが、所定の条件を満たす場合、クラスタCAとクラスタCBに加えて、クラスタCCが統合されてもよい。
【0045】
なお、所定の条件として、例えば、以下のような条件を採用することができる。
【0046】
すなわち、クラスタCAの代表色CLAを始点、クラスタCBの代表色CLBを終点とした場合、代表色CLAと代表色CLB間のベクトルをベクトルVABとする。また、ベクトルVABの単位ベクトルを、単位ベクトルUVABとする。
【0047】
同様に、クラスタCAの代表色CLAを始点、任意のクラスタCNの代表色CLNを終点とした場合、代表色CLAと代表色CLN間のベクトルをベクトルVANとする。また、ベクトルVANの単位ベクトルを、単位ベクトルUVANとする。
【0048】
この場合、単位ベクトルUVABと単位ベクトルUVANの差分ベクトルの大きさが、予め設定された閾値以下であるという条件を、所定の条件として採用することができる。
【0049】
すなわち、代表色取得部24は、単位ベクトルUVABと単位ベクトルUVANの差分ベクトルを算出し、算出された差分ベクトルの大きさが予め設定された閾値以下であるという所定の条件を満たすか否かを判定する。そして、代表色取得部24は、所定の条件を満たすと判定した場合には、クラスタCNをクラスタCA,CBとともに統合して、新たなクラスタを生成する。このような、クラスタの統合の処理(以下、クラスタ統合処理と称する)の詳細について、図4を参照して説明する。
【0050】
[クラスタ統合処理]
図4は、クラスタ統合処理の流れについて説明するフローチャートである。
【0051】
ステップS11において、代表色取得部24は、ユーザの操作に基づいて、所定の代表色を選択する。ここでは、ユーザの操作に基づいて、例えば代表色CLBが選択されたとする。
【0052】
ステップS12において、代表色取得部24は、選択済みの代表色があるかを判定する。すなわち、ユーザによって、すでに他の代表色が選択される操作が行われているかを判定する。
【0053】
選択済みの代表色がある場合、ステップS12においてYESであると判定されて、処理はステップS13に進む。ここでは、ユーザの操作に基づいて、例えば代表色CLAが選択されていたとする。
【0054】
ステップS13において、代表色取得部24は、2つのクラスタを統合し、新たなクラスタを生成する。いまの場合、クラスタCAにクラスタCBが統合され、新たなクラスタCA’が生成される。すなわち、代表色取得部24は、選択済みの代表色CLAが属するクラスタCAに、ステップS11で選択された代表色CLBが属するクラスタCBを統合して、新たなクラスタCA’を生成する。
【0055】
ステップS14において、代表色取得部24は、2つの代表色間の単位ベクトルを取得する。いまの場合、代表色CLA,CLB間の単位ベクトルUVABが取得される。
【0056】
ステップS15において、代表色取得部24は、選択済みの代表色と未選択の代表色間の単位ベクトルを取得する。いまの場合、代表色CLA,CLN間の単位ベクトルUVANが取得される。すなわち、代表色取得部24は、代表色CLAと任意のクラスタCNの代表色CLN間の単位ベクトルUVANを取得する。
【0057】
ステップS16において、代表色取得部24は、2つの単位ベクトルの差分ベクトルの大きさが閾値以下であるかを判定する。いまの場合、単位ベクトルUVAB,UVANの差分ベクトルの大きさが閾値以下であるかが判定される。すなわち、代表色取得部24は、任意のクラスタCNが、クラスタCAとクラスタCBに基づいて決定される領域内にあるかを判定する。
【0058】
差分ベクトルの大きさが閾値以下である場合、ステップS16においてYESであると判定されて、処理はステップS17に進む。
【0059】
ステップS17において、代表色取得部24は、新たなクラスタに未選択の代表色のクラスタを統合する。いまの場合、ステップS13で生成された新たなクラスタCA’に、ステップS15で対象とされた未選択の代表色CLNのクラスタCNが統合される。
【0060】
差分ベクトルの大きさが閾値以下でない場合、ステップS16においてNOであると判定されて、ステップS17の処理はスキップされ、処理はステップS18に進む。
【0061】
ステップS17の処理の後、及びステップS16でNOと判定された場合、ステップS18において、代表色取得部24は、全てのクラスタに対して統合判定を行ったかを判定する。なお、統合判定とは、ステップS15の処理に基づくステップS16の判定をいう。
【0062】
まだ全てのクラスタに対して統合判定が行われていない場合、ステップS18においてNOであると判定されて、処理はステップS15に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、全てのクラスタに対して統合判定が行われるまでの間、ステップS15乃至S18の処理が繰り返される。
【0063】
全てのクラスタに対して統合判定が行われた場合、ステップS18においてYESであると判定されて、クラスタ統合処理は終了する。
【0064】
選択済みの代表色がない場合、ステップS12においてNOであると判定されて、処理はステップS19に進む。
【0065】
ステップS19において、代表色取得部24は、ステップS11において選択された代表色CLBを選択済みの代表色とする。つまり、この場合、複数の代表色が選択されていないので、クラスタを統合する処理は実行されない。
【0066】
これにより、クラスタ統合処理は終了する。
【0067】
このように、ユーザが複数の代表色を統合するために複数の代表色を選択した場合、それら複数の代表色が統合されて1つの代表色とされる。これにより、さらに選択候補の数が削減されるので、ユーザは処理対象の色の選択作業をより容易に行えるようになる。さらにこの場合、ユーザが選択した代表色から一定範囲内の代表色も併せて統合することができるので、より選択候補の数を削減することができる。
【0068】
このようにして代表色取得部24により取得されたN個の代表色は、選択候補表示制御部25に供給される。
【0069】
図2に戻り、選択候補表示制御部25は、代表色取得部24により取得されたN個の代表色の各々を選択候補として含む選択候補表示領域CLTを、表示部26の画面の一部に表示させる。
【0070】
[選択候補表示領域CLTの配置例]
図5は、選択候補表示領域CLTの、表示部26の表示画面における配置例を示す図である。
【0071】
図5に示されるように、表示部26の表示画面には、処理対象の画像がプレビュー表示されるプレビュー領域PBと、選択候補表示領域CLTとが設けられる。なお、選択候補表示領域CLTの配置位置は、図5の例に限定されず、例えば、図1に示されるように、カーソルPMが指し示す位置であってもよい。
【0072】
[代表色の表示例]
選択候補表示領域CLTにおける代表色の表示例について、図6乃至図8を参照して説明する。
【0073】
図6は、選択候補表示領域CLTにおける選択候補の表示例を示す図である。
【0074】
図6Aの例では、選択候補表示領域CLTには、4個(すなわち、N=4)の代表色CL11乃至CL14が、例えば、RGB順、HSL順等、任意の順番で並べ変えられて表示される。
【0075】
選択候補表示領域CLTの中から、ユーザのカーソル操作により所定の代表色が選択された場合、選択候補表示制御部25は、選択された所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色の各々を、新たな選択候補として取得して、これらの複数の選択候補を選択候補表示領域CLTに含む新たな画面を生成して、表示部26に表示させてもよい。
【0076】
例えば、ユーザのカーソル操作により代表色CL14が選択された場合、図6Bに示されるように、選択候補表示領域CLTには、代表色CL14の他に、代表色CL14が属するクラスタから取得された色CL21乃至CL23の各々が新たな選択候補として表示される。選択候補表示制御部25は、このような処理を複数回繰り返してもよい。これにより、代表色に選択されなかった色が、選択候補として表示されるようになる。
【0077】
図7は、選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【0078】
図7に示されるように、選択候補表示領域CLTには、4個(すなわち、N=4)の色CL31乃至CL34が、色相環上に選択候補としてプロットされて表示される。色相環上の領域で対応する選択候補がない場合には、当該色相環の領域には何も表示されない。
【0079】
図7に示される表示手法においても、上述の例と同様に、例えば、ユーザのカーソル操作により代表色CL32が選択された場合、選択候補表示制御部25は、代表色CL32の他に、代表色CL32が属するクラスタから取得された複数の色の各々を、新たな選択候補として取得して、これらの複数の選択候補を選択候補表示領域CLTに含む新たな画面を生成して、表示部26に表示させてもよい。
【0080】
図8は、選択候補表示領域CLTにおける選択候補の他の表示例を示す図である。
【0081】
図8に示されるように、選択候補表示領域CLTには、カーソルPMが指し示す位置を中心とした減色処理領域Fの画像を、選択候補の代表色を用いて減色化した画像が表示される。すなわち、減色処理領域Fの各画素の色が、当該色が属するクラスタの代表色に置き換えられた画像が表示される。このとき、選択候補表示制御部25は、選択候補表示領域CLTを拡大、すなわち減色化された画像を拡大表示させてもよい。
【0082】
図8に示される表示手法においても、上述の例と同様に、所定の代表色が選択された場合、選択候補表示制御部25は、選択された代表色が属するクラスタから取得された複数の色の各々を、新たな選択候補として取得して、これらの複数の選択候補により減色化された画像を生成して、表示部26に表示させてもよい。
【0083】
図2に戻り、選択結果取得部27は、選択候補表示領域CLTに表示された選択候補から、ユーザの操作により選択された色を選択色として取得する。また、選択結果取得部27は、選択色が属するクラスタの範囲、すなわちクラスタに含まれる色のR,G,Bのそれぞれの上限値と下限値を代表色取得部24から取得する。選択結果取得部27により取得された選択色は、図示せぬ画像処理部において、色補正等の画像処理に用いられる。ユーザは、選択色を用いた画像処理において、選択色が属するクラスタの範囲内、すなわちR,G,Bのそれぞれの上限値と下限値の範囲内で、微妙な色合いの調整等を行うことができる。
【0084】
[処理対象色選択処理]
次に、画像処理装置10が、処理対象の色を選択するまでの一連の処理(以下、処理対象色選択処理と称する)について、図9を参照して説明する。
【0085】
図9は、処理対象色選択処理の流れを説明するフローチャートである。
【0086】
ステップS31において、カーソル位置取得部23は、現在のカーソルPMの位置Pを取得する。
【0087】
ステップS32において、代表色取得部24は、代表色を取得する。すなわち、代表色取得部24は、ステップS31の処理で取得された現在のカーソルPMの位置Pを中心とした減色処理領域Fに対して、減色処理を施すことによって、減色処理領域Fに含まれる代表色をN個取得する。また、このとき、ユーザの操作に基づき、適宜代表色の統合処理が行われる。
【0088】
ステップS33において、選択候補表示制御部25は、ステップS32で取得されたN個の代表色を、選択候補として選択候補表示領域CLTに表示する。すなわち、選択候補表示制御部25は、図6乃至図8を用いて説明したように、選択候補表示領域CLTにN個の代表色を、選択候補として表示する。
【0089】
ステップS34において、選択結果取得部27は、選択候補表示領域CLTに表示された選択候補から、ユーザの操作により選択された選択色を取得する。
【0090】
これにより、処理対象色選択処理は終了する。
【0091】
以上、説明したように、本技術が適用された画像処理装置10においては、選択候補の数が削減されて表示されるので、ユーザは、処理対象の色の選択作業を簡略化することができる。
【0092】
[本技術のプログラムへの適用]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0093】
図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0094】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201,ROM(Read Only Memory)202,RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0095】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、及びドライブ210が接続されている。
【0096】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0097】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205及びバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0098】
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0099】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0100】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0101】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0102】
なお、本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、
前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部とを備える
画像処理装置。
(2)
前記代表色取得部により取得された前記所定の数の代表色を、選択候補として表示させる制御を実行する表示制御部をさらに備える
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記減色処理は、k-meansクラスタリングを含む処理である
前記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記代表色取得部は、前記選択候補から複数の前記代表色が選択された場合、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像処理装置。
(5)
前記代表色取得部は、さらに、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタから、一定範囲内にある他のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記表示制御部は、
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、選択された前記所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色を、新たな選択候補として表示させる
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)
前記表示制御部は、前記選択候補をRGB順またはHSL順に並べ変えて表示させる
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)
前記表示制御部は、前記選択候補を色相環上にプロットして表示させる
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9)
前記表示制御部は、前記減色処理領域を、前記選択候補を用いて減色化して表示させる
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の画像処理装置。
(10)
前記代表色取得部は、前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の画像処理装置。
(11)
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、前記代表色取得部により取得された前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する取得部をさらに備える
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の画像処理装置。
【0103】
本技術は、コンテンツを編集する編集装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
10 画像処理装置, 21 画像データ入力部, 22 操作部, 23 カーソル位置取得部, 24 代表色取得部, 25 選択候補表示制御部, 26 表示部, 27 選択結果取得部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、
前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記代表色取得部により取得された前記所定の数の代表色を、選択候補として表示させる制御を実行する表示制御部をさらに備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記減色処理は、k-meansクラスタリングを含む処理である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記代表色取得部は、前記選択候補から複数の前記代表色が選択された場合、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記代表色取得部は、さらに、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタから、一定範囲内にある他のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、選択された前記所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色を、新たな選択候補として表示させる
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記選択候補をRGB順またはHSL順に並べ変えて表示させる
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記選択候補を色相環上にプロットして表示させる
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記減色処理領域を、前記選択候補を用いて減色化して表示させる
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記代表色取得部は、前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、前記代表色取得部により取得された前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する取得部をさらに備える
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
画像処理装置の画像処理方法において、
前記画像処理装置が、
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得し、
取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、
前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部と
して機能させるためのプログラム。
【請求項1】
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、
前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記代表色取得部により取得された前記所定の数の代表色を、選択候補として表示させる制御を実行する表示制御部をさらに備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記減色処理は、k-meansクラスタリングを含む処理である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記代表色取得部は、前記選択候補から複数の前記代表色が選択された場合、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記代表色取得部は、さらに、前記複数の代表色の各々が属する複数のクラスタから、一定範囲内にある他のクラスタを統合して新たなクラスタを生成する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、選択された前記所定の代表色が属するクラスタに含まれる複数の色を、新たな選択候補として表示させる
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記選択候補をRGB順またはHSL順に並べ変えて表示させる
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記選択候補を色相環上にプロットして表示させる
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記減色処理領域を、前記選択候補を用いて減色化して表示させる
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記代表色取得部は、前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記選択候補の中から、所定の代表色が選択された場合、前記代表色取得部により取得された前記代表色が属するクラスタの範囲を取得する取得部をさらに備える
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
画像処理装置の画像処理方法において、
前記画像処理装置が、
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得し、
取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
画像が表示される表示画面上のカーソルの位置を取得するカーソル位置取得部と、
前記カーソル位置取得部により取得された前記カーソルの位置を含む領域を減色処理領域として、前記減色処理領域に含まれる色から、所定の数の色を代表色として取得する減色処理を実行する代表色取得部と
して機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−58981(P2013−58981A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197181(P2011−197181)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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