説明

画像処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラム

【課題】簡素な構成で容易に、略球面体が撮像された画像の高画質化を図ることができるようにする。
【解決手段】動きベクトル検出部は、略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、被写体についての比較を、複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する。動き補償部は、複数の撮像画像の各々の動きベクトル検出部により検出された動きベクトルに基づいて、処理対象に動き補償を施す。合成部は、動き補償部による動き補償が施された結果得られる撮像画像の各々を合成する。本技術は、画像処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、簡素な構成で容易に、略球面体が撮像された画像の高画質化を図ることができる、画像処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、瞳孔を通じて眼球内の網膜や視神経乳頭等の眼底を観察する検査、いわゆる眼底検査が行われている。眼底検査は、例えば、眼底鏡や眼底カメラといった専用の装置を用いて行われる。例えば、被験者の眼球内の眼底が眼底カメラで撮像され、その結果得られる撮像画像(以下、眼底画像と称する)がモニタ等に表示されると、観察者が当該眼底画像を観察することにより、眼底検査が行われる。観察者が正確に観察を行うために、眼底画像の高画質化が行われている。
【0003】
眼底画像を高画質化する従来の手法として、例えば、連続して撮影された複数の眼底画像のデータを、眼球が略球面であることを考慮して合成する手法が存在する。当該手法では、一定時間をかけて撮影された複数の眼底画像が合成されるため、当該一定時間内に眼底が移動すると、眼底画像の高画質化が妨げられる。そこで、特許文献1には、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)による眼底の断層画像を用いて形成された、複数の眼底の3次元画像の回転方向の位置合わせを行う手法が記載されている。また、例えば、特許文献2には、アフィン変換を用いて、複数の眼底画像の回転を含む位置合わせを行う手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−087672号広報
【特許文献2】特開2010−269016号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された手法では、3次元画像を形成するために、OCTによる断層画像が必要となり、装置が大がかりなものとなる。また、特許文献2に記載された手法では、眼底画像に対して2次元画像の回転に用いられるアフィン変換が用いられることから、3次元の球面である眼球の位置合わせを正確に行うことは困難である。
【0006】
即ち、近年、簡素な構成で高画質の眼底画像を容易に得ることが要望されているが、特許文献1及び特許文献2を含め従来の技術では、当該要望に十分に応えられない状況である。このような状況は、眼底画像のみならず、略球面体が写る撮像画像についても同様である。
【0007】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で容易に、略球面体が撮像された画像の高画質化を図ることができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の一側面の画像処理装置は、略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、前記被写体についての比較を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、前記処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する動きベクトル検出部と、前記複数の撮像画像の各々の前記動きベクトル検出部により検出された前記動きベクトルに基づいて、前記処理対象に動き補償を施す動き補償部と、前記動き補償部による動き補償が施された結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成部とを備える。
【0009】
前記動きベクトル検出部は、前記処理対象から区分された複数のブロックの各々について、前記比較対象との間でブロックマッチングを行うことによって局所的な動きベクトルを検出し、前記複数のブロック毎の前記局所的な動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出することができる。
【0010】
前記動きベクトル検出部は、前記処理対象における前記複数のブロックの各々についての前記局所的な動きベクトルを、前記3次元球面モデルにおける局所的な球面動きベクトルに変換し、前記複数のブロック毎の前記局所的な球面動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出することができる。
【0011】
前記動きベクトル検出部は、前記処理対象における前記複数のブロックの各々を、前記3次元球面モデルにおける複数の球面ブロックに変換し、前記複数の球面ブロックの各々について、前記比較対象との間でブロックマッチングを行うことによって、前記局所的な動きベクトルとして局所的な球面動きベクトルを検出し、前記複数の球面ブロック毎の前記局所的な球面動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出することができる。
【0012】
前記動きベクトル検出部は、前記処理対象と前記比較対象とのそれぞれを前記3次元球面モデルにおける球面画像に変換し、前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像との間でマッチングを行うことによって、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出することができる。
【0013】
前記被写体は眼底とすることができる。
【0014】
前記3次元球面モデルは、前記被写体が有する条件により切り替えて用いることができる。
【0015】
本技術の一側面の画像処理方法、記録媒体、及びプログラムは、上述した本技術の一側面の画像処理装置に対応する方法、記録媒体、及びプログラムである。
【0016】
本技術の一側面の画像処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、前記被写体についての比較が、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行され、前記処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルが検出され、前記複数の撮像画像の各々の前記動きベクトルに基づいて、前記処理対象に動き補償が施され、動き補償が施された結果得られる前記撮像画像の各々が合成される。
【0017】
本技術の他の側面の画像処理装置は、略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚の、3次元球面モデルにおける球面画像への変換を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行する変換部と、前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像の各々の特徴を抽出する抽出部と、前記特徴同士が一致するように前記特徴の位置を合わせる位置合わせ部と、前記位置合わせ部により位置合わせがされた結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成部とを備える。
【0018】
前記特徴として血管の形状を用いることができる。
【0019】
前記被写体は眼底とすることができる。
【0020】
前記3次元球面モデルは、前記被写体が有する条件により切り替えて用いることができる。
【0021】
本技術の他の側面の画像処理方法、記録媒体、及びプログラムは、上述した本技術の一側面の画像処理装置に対応する方法、記録媒体、及びプログラムである。
【0022】
本技術の他の側面の画像処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚の、3次元球面モデルにおける球面画像への変換が、前記複数の撮像画像の各々が処理対象とされて実行され、前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像の各々の特徴が抽出され、前記特徴同士が一致するように前記特徴の位置が合わせられ、位置合わせがされた結果得られる前記撮像画像の各々が合成される。
【発明の効果】
【0023】
以上のごとく、本技術によれば、簡素な構成で容易に、略球面体が撮像された画像の高画質化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本技術が適用された眼底画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】動きベクトル検出部の構成例を示すブロック図である。
【図3】動きベクトル検出部の具体的な処理について説明する図である。
【図4】眼底画像生成処理の流れについて説明するフローチャートである。
【図5】動きベクトル検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】動きベクトル検出部の構成例を示すブロック図である。
【図7】動きベクトル検出部の具体的な処理について説明する図である。
【図8】動きベクトル検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】動きベクトル検出部の構成例を示すブロック図である。
【図10】動きベクトル検出部の具体的な処理について説明する図である。
【図11】動きベクトル検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【図12】眼底画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】特徴抽出部と位置合わせ部の具体的な処理について説明する図である。
【図14】血管位置合わせ処理部の構成例を示す図である。
【図15】血管位置合わせ処理部の具体的な処理について説明する図である。
【図16】眼底画像生成処理の流れについて説明するフローチャートである。
【図17】血管位置合わせ処理の流れを説明するフローチャートである。
【図18】本技術が適用される画像処理装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本技術の4つの実施形態(以下、それぞれ第1乃至第4実施形態と称する)について、次の順序で説明する。
1.第1実施形態(各ブロックから検出された動きベクトルを球面モデルに適用する例)
2.第2実施形態(球面モデルに適用した各ブロックの動きベクトルを検出する例)
3.第3実施形態(球面モデルに適用した眼底画像から動きベクトルを検出する例)
4.第4実施形態(球面モデルに適用した眼底画像の位置合わせを行う例)
【0026】
<第1実施形態>
[眼底画像処理装置の構成例]
図1は、本技術が適用された眼底画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図1に示される眼底画像処理装置10は、被験者の眼球内の網膜や視神経乳頭等の眼底を撮像し、その結果得られる眼底画像のデータに対して高画質化のための画像処理を施し、画像処理後の眼底画像を表示させる。
【0028】
眼底画像処理装置10は、被験者に与える負荷を軽減するために、被写体(すなわち、被験者の眼底)に照射する光量を抑制して被写体を撮像する。これにより1枚の眼底画像のデータが得られるが、より高画質な眼底画像を得るために、眼底画像処理装置10は、被写体の撮像を複数回行い、その都度得られる複数の撮像画像のデータに対して、後述する各種画像処理を施す。このような各種画像処理が施された結果、より高画質となった眼底画像が眼底画像処理装置10により表示される。
【0029】
なお、ここでいう1回の撮像とは、撮像素子を構成する各画素の各々に光が蓄積されて、当該各画素のそれぞれから電気信号(各画素データ)がそれぞれ出力されるまでの眼底画像処理装置10の一連の動作をいう。この場合、撮像の回数、及び各回の撮像の時間間隔は特に限定されず、例えば各回の撮像の時間間隔を1/30[s]程度に短くして、当該時間隔で連続して300回の撮像が行われれば、10[s]の動画が得られることになる。即ち、ここでいう複数回の撮像とは、複数枚の静止画を得るための撮像と、動画を得るための撮像とを含む概念である。
【0030】
このような眼底画像処理装置10は、撮像部21、画像処理部22、記憶部23、及び出力部24を有する。
【0031】
撮像部21は、所定の位置に存在する被験者の眼底を被写体として撮像し、その結果得られる眼底画像のデータを出力する。撮像部21は、例えばCCD(Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等を有する構成を取ることができるが、特にこの構成に限定されず、眼底画像のデータを出力することが可能であるのならば、任意の構成を取ることができる。ただし本実施形態では、撮像部21は、より高画質な眼底画像を得るために、撮影中の被写体に光を照射する機能を有している。
【0032】
より高画質な眼底画像を得るための手法として、例えば、撮影時に、被験者の眼底に照射する光量を増加させる手法が存在する。しかしながら、撮像時に被験者の眼底により多くの光量を照射すると、被験者に与える負荷が増大してしまい、観察対象に対して不要な影響を及ぼしたり、被験者の心理的な負担を増大させるおそれがあった。また、撮像時に被験者の眼底により多くの光量を照射することにより、被験者が、所謂、眩しいと感じ、瞼を閉じたり動いたりしてしまい、高画質な眼底画像を得ることが出来ないおそれがあった。そこで、本実施形態では撮影時に眼底に照射する光量を増加させずに、撮像部21は、低光量の照射光を眼底に照射させた状態を維持して、眼底の撮像を複数回繰り返す。なお、撮像部21による眼底の撮像は、静止画を得るための複数回の撮像であっても、動画を得るための1回の撮像であってもよい。
【0033】
すなわち、このような1回の撮像の度に得られる各眼底画像は、撮影時の照射光が弱い(暗い)ため、低画質である。このため、本実施形態では、画像処理部22は、撮像部21による複数回の撮像の各々により得られた眼底画像のデータに対して、所定の画像処理を施すことで、1枚の高画質の眼底画像のデータを生成して出力する。なお、この場合、画像処理の対象となる複数の眼底画像が相互に近似しているほど高画質化が容易になるため、撮像部21の複数回の撮像動作は短時間である程好適である。
【0034】
画像処理部22は、画像処理後の眼底画像のデータ、即ち、高画質の眼底画像のデータを、記憶部23に記憶させたり、出力部24から出力させる。
【0035】
記憶部23は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、若しくは、RAM(Random Access Memory)等から構成され、画像処理部22から供給される眼底画像のデータを記憶する。記憶部23に記憶された眼底画像のデータは、図示せぬ再生部等により読み出され、出力部24に表示出力されたり、他の装置に伝送されたり、図示せぬ画像処理部22とは別の画像処理部により別の画像処理が施される。
【0036】
出力部24は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタや、出力端子等を有し、画像処理部22から出力される眼底画像のデータを、そのモニタにおいて表示出力したり、その出力端子から外部の装置に出力する。
【0037】
さらに以下、図1に示される眼底画像処理装置10のうち、画像処理部22の詳細な構成について説明する。画像処理部22は、入力画像バッファ31、動きベクトル検出部32、動き補償部33、合成部34、及び超解像処理部35を有する。
【0038】
入力画像バッファ31は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、若しくは、RAM等の任意の記憶媒体の一領域として構成され、撮像部21から順次供給される低画質な眼底画像のデータを、入力画像のデータの各々として保持する。各入力画像のデータは、所定のタイミングで入力画像バッファ31から読み出されて、動きベクトル検出部32又は動き補償部33に供給される。
【0039】
撮像部21により得られた眼底画像のデータは、複数回の撮像により得られたものであり、互いに全く同一な画像であるとは限らない。例えば、眼底画像の一部または全部において、位置がずれていることが考えられる。したがって、単純にこれらの複数の眼底画像を合成すると、位置ずれ等により眼底画像がボケたり2重になったりする恐れがある。したがって、合成部34で複数の眼底画像のデータを合成する前に、動きベクトル検出部32で動きベクトルを検出し、動き補償部33で当該動きベクトルを用いた動き補償を施すことにより、合成する画像間の差(位置ずれ等)を低減させる必要がある。
【0040】
動きベクトル検出部32は、処理対象の入力画像と、当該処理対象とは時間的に離間して撮影された入力画像との各データを入力画像バッファ31から読み出す。次に、動きベクトル検出部32は、これら読み出した2枚の入力画像のデータを比較することにより、処理対象の入力画像における眼底全体の動きベクトルを検出する。なお、動きベクトルの検出手法としては、眼球を3次元球面モデル化して、球面全体の動きベクトルとして検出する手法が本実施形態では採用されている。すなわち、動きベクトル検出部32は、略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の撮像画像と、比較対象の撮像画像とについての、被写体についての3次元球面モデル(以下、球面モデルと略称する)を用いた比較を、複数の撮像画像の各々を処理対象として実行する。当該手法については、動きベクトル検出部32の詳細な構成と共に、図2を用いて後述する。
【0041】
動き補償部33は、処理対象の入力画像のデータを入力画像バッファ31から読み出すとともに、当該処理対象の入力画像における眼底全体の動きベクトルを動きベクトル検出部32から取得する。そして、動き補償部33は、眼底全体の動きベクトルを用いて、処理対象の入力画像のデータに対して動き補償を施す。動き補償とは、球面モデル上で処理対象の入力画像における眼底全体の動きベクトルに従って、処理対象の入力画像を動かす処理である。これにより、複数の眼底画像間の差(位置ずれ等)が低減される。動き補償後の眼底画像のデータは、合成部34に供給される。
【0042】
このようにして、撮像部21による複数回の撮像の各々により得られた複数の眼底画像のデータの各々は、順次処理対象となり、動き補償部33により動き補償が施された後、合成部34に逐次供給される。
【0043】
合成部34は、動き補償部33から複数の眼底画像のデータの全てが供給されると、これら複数の眼底画像の各データを合成することによって、1枚の眼底画像のデータを生成し、超解像処理部35に供給する。
【0044】
超解像処理部35は、合成部34による合成後の眼底画像のデータに超解像処理を施すことにより、合成時点よりもさらに高解像度の眼底画像のデータを生成する。なお、超解像処理部35による超解像処理の処理方法は任意である。例えば、特開2010−102696号公報に記載の方法や、特開2010−103981号公報に記載の方法により超解像処理が施されるようにしてもよい。ただし、超解像処理では、ノイズがより少ない、より高解像度な画像が得られるように、生体としての特徴に応じた処理が行われる。このようにして超解像処理部35により生成された、高解像度の眼底画像のデータは、記憶部23に記録されたり、出力部24から出力される。
【0045】
次に、動きベクトル検出部32の詳細な構成について説明する。
【0046】
[動きベクトル検出部の構成例と処理]
図2は、動きベクトル検出部32の構成例を示すブロック図である。図3は、動きベクトル検出部32の具体的な処理について説明する図である。
【0047】
図2に示されるように、動きベクトル検出部32は、局所動きベクトル検出部41、球面動きベクトル変換部42、球面モデル記憶部43、及び眼底動きベクトル検出部44を有する。
【0048】
局所動きベクトル検出部41は、図3に示されるように入力画像バッファ31に入力画像のデータとしてそれぞれ保持されているn枚の眼底画像51−1乃至51−nの各データの中から、処理対象の眼底画像51−iと、処理対象とは異なる比較対象の眼底画像51−jとの各データを読み出す。ここで、nは、2以上の整数値であり、入力画像バッファ31に保持されている入力画像の総数である。iは、1以上n−1以下の整数値である。jは、1以上n以下の整数値であって、iとは異なる整数値である。例えば、本実施形態では、j=i+1が設定される。つまり、処理対象の画像に隣接する画像が比較対象とされる。
【0049】
局所動きベクトル検出部41は、処理対象の眼底画像51−iを、予め規定されたサイズの複数のブロックに区分し、これらの複数のブロックの各々を処理対象ブロック61−iに順次設定する。
【0050】
局所動きベクトル検出部41は、比較対象の眼底画像51−jも同様に予め規定されたサイズの複数のブロックに区分し、これらの複数のブロックの各々を例えばラスタスキャン順に比較対象ブロック61−jに設定する毎に、処理対象ブロック61−iと比較対象ブロック61−jとの類似度を演算することを繰り返す。即ち、いわゆるブロックマッチングが行われる。
【0051】
局所動きベクトル検出部41は、処理対象ブロック61−iと、それにマッチングした(すなわち、類似度が最も高い)比較対象ブロック61−jとの位置関係に基づいて、処理対象ブロック61−iにおける局所的な動きを、動きベクトルmvとして検出する。
【0052】
球面動きベクトル変換部42は、処理対象ブロック61−iを、図3に示されるように、球面モデル記憶部43に記憶されている球面モデル63に当てはめる。これにより、処理対象ブロック61−iは、球面モデル63上の所定のブロック64−iに変換される。ここで、変換後のブロック64−iを、以下、球面処理対象ブロック64−iと称する。この場合、処理対象ブロック61−iにおける動きベクトルmvは、球面処理対象ブロック64−iにおける動きベクトルmvrに変換される。ここで、変換後の動きベクトルmvrを、球面動きベクトルmvrと称する。
【0053】
このような球面動きベクトルmvrは、処理対象の眼底画像51−iから区分された複数のブロックの各々について、上述の一連の処理が繰り返し実行されることで求められる。
【0054】
眼底動きベクトル検出部44は、処理対象の眼底画像51−iについて、複数のブロックの各々の球面動きベクトルmvrに基づいて、眼底全体の動きベクトル65を検出する。眼底動きベクトル検出部44は、処理対象の眼底画像51−iにおける眼底全体の動きベクトル65を動き補償部33に供給する。
【0055】
これにより、図1を参照して上述したように、動き補償部33において、処理対象の眼底画像51−iのデータに対して、眼底全体の動きベクトル65を用いた動き補償が施される。
【0056】
以上、図1乃至図3を参照して、眼底画像処理装置10の構成について説明した。次に、このような構成の眼底画像処理装置10が実行する処理(以下、眼底画像生成処理)について図4を用いて説明する。
【0057】
[眼底画像生成処理の流れ]
図4は、眼底画像生成処理の流れについて説明するフローチャートである。
【0058】
ステップS11において、撮像部21は、光量を落として複数回、被験者の眼底を撮像する。なお、上述したように、撮像部21による眼底の撮像は、静止画を得るための複数回の撮像であっても、動画を得るための1回の撮像であってもよい。
【0059】
ステップS12において、画像処理部22は、ステップS11の処理により得られた複数の低画質な眼底画像のデータを入力画像バッファ31に記憶させる。
【0060】
ステップS13において、動きベクトル検出部32は、動きベクトル検出処理を実行して、眼底全体の動きベクトルを検出する。なお、動きベクトル検出処理の詳細については、図5を用いて後述する。
【0061】
ステップS14において、動き補償部33は、ステップS13の処理により検出された眼底全体の動きベクトルを用いて、入力画像バッファ31から読み出した処理対象の入力画像のデータに対して動き補償を施す。なお、動き補償部33は、処理が終了している入力画像のデータに対しても同様の動き補償を施す。
【0062】
ステップS15において、画像処理部22は、すべての眼底画像のデータが処理対象に設定されたかを判定する。本実施形態では、処理対象の眼底画像のデータは、眼底画像51−1乃至51−(n−1)の各々のデータである。したがって、比較対象の眼底画像のデータは、眼底画像51−2乃至51−nの各々のデータである。
【0063】
まだすべての眼底画像のデータが処理対象に設定されていない場合、ステップS15においてNOであると判定されて、処理はステップS13に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、すべての眼底画像のデータが処理対象に設定されるまでの間、ステップS13乃至ステップS15のループ処理が繰り返される。例えば、図5を参照して後述するように、ステップS13の動きベクトル検出処理で処理対象とされた眼底画像51−1の比較対象の眼底画像51−2に対する動きベクトルが検出された場合、次に眼底画像51−2が処理対象の画像とされ、隣接する比較対象の眼底画像51−3に対する動きベクトルが検出される。このような処理が順次繰り返される。
【0064】
その後、すべての眼底画像のデータが処理対象に設定された場合、ステップS15においてYESであると判定されて、処理はステップS16に進む。
【0065】
ステップS16において、合成部34は、動き補償が施された複数の眼底画像のデータを合成する。これにより、n枚の眼底画像のデータから1枚の眼底画像のデータが生成される。
【0066】
ステップS17において、超解像処理部35は、合成後の眼底画像のデータに超解像度処理を施す。これにより、ステップS16の合成時点よりもさらに高解像度の眼底画像のデータが生成される。
【0067】
ステップS18において、画像処理部22は、超解像度処理が施された眼底画像のデータを、記憶部23に記憶させたり、出力部24から出力させたりする。
【0068】
これにより、眼底画像生成処理は終了する。次に、ステップS13の動きベクトル検出処理について説明する。
【0069】
[動きベクトル検出処理の流れ]
図5は、図4のステップS13の動きベクトル検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【0070】
ステップS31において、局所動きベクトル検出部41は、入力画像バッファ31から処理対象と比較対象の2枚の眼底画像のデータを読み出す。例えば、2枚の隣接する眼底画像51−1と眼底画像51−2のデータが読み出される。
【0071】
ステップS32において、局所動きベクトル検出部41は、処理対象の眼底画像(例えば、眼底画像51−1)から、処理対象ブロックを設定し、比較対象の眼底画像(例えば、眼底画像51−2)との間でブロックマッチングを行う。その結果、処理対象ブロックにおける動きベクトルが検出される。
【0072】
ステップS33において、球面動きベクトル変換部42は、ステップS32で検出された動きベクトルを、球面モデル記憶部43に記憶されている球面モデルに当てはめて、球面動きベクトルに変換する。
【0073】
ステップS34において、動きベクトル検出部32は、全てのブロックを処理したかを判定する。すなわち、動きベクトル検出部32は、1枚の処理対象の眼底画像(例えば、ステップS31の処理で読み出された1枚の眼底画像51−1)から区分されたすべてのブロックに対応する球面動きベクトルが検出されたかを判定する。
【0074】
まだすべてのブロックを処理していない場合、ステップS34においてNOであると判定されて処理はステップS32に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、すべてのブロックを処理するまでの間、ステップS32乃至ステップS34のループ処理が繰り返される。
【0075】
その後、すべてのブロックを処理した場合、ステップS34においてYESであると判定されて、処理はステップS35に進む。
【0076】
ステップS35において、眼底動きベクトル検出部44は、処理対象の眼底画像(例えば、ステップS31の処理で読み出された1枚の眼底画像51−1)について、複数のブロックの各々の球面動きベクトルに基づいて、眼底全体の動きベクトルを検出する。
【0077】
これにより、動きベクトル検出処理は終了する。
【0078】
このように、被験者に与える負荷を軽減するために、照射する光量を抑制して得られた複数の眼底画像に対して、球面モデルを用いた画像処理が施されることにより、1枚の高画質の眼底画像のデータが生成される。
【0079】
本実施形態においては、処理対象の眼底画像から区分された処理対象ブロックと、比較対象の眼底画像から区分された比較対象ブロックとの類似度の演算として、一般的なブロックマッチングが用いられる。このような一般的なブロックマッチングを適用することで、処理の高速化が容易に実現可能になる。また、処理対象ブロック毎にブロックマッチングが行われることから、使用するメモリ量を抑制できる。
【0080】
<第2実施形態>
ところで、第1実施形態の動きベクトル検出部32においては、ブロックマッチングにより検出された処理対象ブロックにおける動きベクトルに対して、球面モデルが当てはめられた。しかしながら、球面モデルが適用される対象はこれに限定されない。例えば、ブロックマッチングを行う前の処理対象ブロックに対して球面モデルが当てはめられ、その後、ブロックマッチングが行われてもよい。
【0081】
なお、第2実施形態の眼底画像処理装置の機能と構成は、図1の眼底画像処理装置10と基本的に同様の機能と構成を有している。したがって、以下では、図1の眼底画像処理装置10との一致点の説明は省略し、その差異点、すなわち図1の眼底画像処理装置10の動きベクトル検出部32とは異なる動きベクトル検出部70のみを説明する。
【0082】
[動きベクトル検出部70の構成例と処理]
図6は、動きベクトル検出部70の構成例を示すブロック図である。図7は、動きベクトル検出部70の具体的な処理について説明する図である。
【0083】
図6に示されるように、動きベクトル検出部70は、局所球面動きベクトル検出部71、球面モデル記憶部72、及び眼底動きベクトル検出部73を有する。
【0084】
局所球面動きベクトル検出部71は、図7に示されるように入力画像バッファ31に入力画像のデータとしてそれぞれ保持されているn枚の眼底画像81−1乃至81−nの各データの中から、処理対象の眼底画像81−iと、処理対象とは異なる比較対象の眼底画像81−jとの各データを読み出す。ここで、nは、2以上の整数値であり、入力画像バッファ31に保持されている入力画像の総数である。iは、1以上n以下の整数値である。jは、1以上n以下の整数値であって、iとは異なる整数値である。
【0085】
局所球面動きベクトル検出部71は、処理対象の眼底画像81−iを、予め規定されたサイズの複数のブロックに区分し、これらの複数のブロックの各々を処理対象ブロック91−iに順次設定する。
【0086】
局所球面動きベクトル検出部71は、処理対象ブロック91−iを、図7に示されるように、球面モデル記憶部72に記憶されている球面モデル92に当てはめる。これにより、処理対象ブロック91−iは、球面モデル92上の所定のブロック93−iに変換される。ここで、変換後のブロック93−iを、以下、処理対象球面ブロック93−iと称する。
【0087】
局所球面動きベクトル検出部71は、比較対象の眼底画像81−jも同様に予め規定されたサイズの複数のブロックに区分し、これらの複数のブロックの各々を例えばラスター順に比較対象ブロック91−jに設定する毎に、比較対象ブロック91−jも球面モデル92に当てはめる。これにより、比較対象ブロック91−jは、球面モデル92上の所定のブロック93−jに変換される。ここで、変換後のブロック93−jを、以下、比較対象球面ブロック93−jと称する。
【0088】
局所球面動きベクトル検出部71は、処理対象球面ブロック93−iと比較対象球面ブロック93−jとの類似度を演算することを繰り返す。即ち、いわゆるブロックマッチングが行われる。
【0089】
局所球面動きベクトル検出部71は、処理対象球面ブロック93−iと、それにマッチングした(すなわち、類似度が最も高い)比較対象球面ブロック93−jとの位置関係に基づいて、処理対象球面ブロック93−iにおける局所的な球面の動きを、球面動きベクトルmvrとして検出する。
【0090】
このような球面動きベクトルmvrは、処理対象の眼底画像91−iから区分された複数のブロックの各々について、上述の一連の処理が繰り返し実行されることで求められる。
【0091】
眼底動きベクトル検出部73は、処理対象の眼底画像91−iについて、複数のブロックの各々の球面動きベクトルmvrに基づいて、眼底全体の動きベクトル95を検出する。眼底動きベクトル検出部73は、処理対象の眼底画像91−iにおける眼底全体の動きベクトル95を動き補償部33に供給する。
【0092】
これにより、図1を参照して上述したように、動き補償部33において、処理対象の眼底画像91−iのデータに対して、眼底全体の動きベクトル95を用いた動き補償が施される。
【0093】
次に、このような構成の動きベクトル検出部70を有する、第2実施形態の眼底装置10の眼底画像生成処理について説明する。第2実施形態の眼底画像生成処理は、第1実施形態同様に図4のフローチャートに従った処理となる。ただし、第2実施形態におけるステップS13の動きベクトル検出処理の内容が、第1実施形態における内容と異なる。そこで、以下、第2実施形態におけるステップS13の動きベクトル検出処理について、図8を参照して説明する。
【0094】
[動きベクトル検出処理の流れ]
図8は、動きベクトル検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【0095】
ステップS51において、局所球面動きベクトル検出部71は、入力画像バッファ31から処理対象と比較対象の2枚の眼底画像のデータを読み出した2枚の眼底画像のデータの各々を複数のブロックに区分し、それぞれを球面モデルに当てはめて球面ブロックに変換する。
【0096】
ステップS52において、局所球面動きベクトル検出部71は、処理対象の眼底画像から、処理対象球面ブロックを設定する。
【0097】
ステップS53において、局所球面動きベクトル検出部71は、処理対象球面ブロックと比較対象球面ブロックとのブロックマッチングを行う。これにより、処理対象球面ブロックにおける球面動きベクトルが検出される。
【0098】
ステップS54において、動きベクトル検出部70は、全てのブロックを処理したかを判定する。すなわち、動きベクトル検出部70は、1枚の処理対象の眼底画像から区分されたすべてのブロックに対応する球面動きベクトルが検出されたかを判定する。
【0099】
まだすべてのブロックを処理していない場合、ステップS54においてNOであると判定されて処理はステップS52に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、すべてのブロックを処理するまでの間、ステップS52乃至ステップS54のループ処理が繰り返される。
【0100】
その後、すべてのブロックを処理した場合、ステップS54においてYESであると判定されて、処理はステップS55に進む。
【0101】
ステップS55において、眼底動きベクトル検出部73は、処理対象の眼底画像について、複数のブロックの各々の球面動きベクトルに基づいて、眼底全体の動きベクトルを検出する。
【0102】
これにより、動きベクトル検出処理は終了する。
【0103】
本実施形態においては、処理対象の眼底画像から区分された処理対象ブロックと比較対象の眼底画像から区分された比較対象ブロックとが、それぞれ球面モデルに当てはめられた後に、ブロックマッチングが行われる。したがって、処理対象の眼底画像と比較対象の眼底画像との類似度の演算において、球面モデル上のブロックが用いられるので、略球面体である眼底全体の動きベクトルが精度良く検出される。撮像された眼底画像に対して、当該動きベクトルを用いた画像処理が施されるので、第1実施形態と比較してより精度の高い高画質な眼底画像が生成される。
【0104】
<第3実施形態>
ところで、第1,第2実施形態の動きベクトル検出部32,70においては、処理対象画像から区分された処理対象ブロックに対して、球面モデルが当てはめられた。しかしながら、球面モデルが適用される対象はこれに限定されない。例えば、眼底画像全体に対して球面モデルが当てはめられ、その後マッチングが行われてもよい。
【0105】
なお、第3実施形態の眼底画像処理装置の機能と構成は、図1の眼底画像処理装置10と基本的に同様の機能と構成を有している。したがって、以下では、図1の眼底画像処理装置10との一致点の説明は省略し、その差異点、すなわち図1の眼底画像処理装置10の動きベクトル検出部32とは異なる動きベクトル検出部100のみを説明する。
【0106】
[動きベクトル検出部100の構成例と処理]
図9は、動きベクトル検出部100の構成例を示すブロック図である。図10は、動きベクトル検出部100の具体的な処理について説明する図である。
【0107】
図9に示されるように、動きベクトル検出部100は、眼底球面変換部101、球面モデル記憶部102、及び眼底動きベクトル検出部103を有する。
【0108】
眼底球面変換部101は、図10に示されるように入力画像バッファ31に入力画像のデータとしてそれぞれ保持されているn枚の眼底画像111−1乃至111−nの各データの中から、処理対象の眼底画像111−iと、処理対象とは異なる比較対象の眼底画像111−jとの各データを読み出す。ここで、nは、2以上の整数値であり、入力画像バッファ31に保持されている入力画像の総数である。iは、1以上n−1以下の整数値である。jは、1以上n以下の整数値であって、iとは異なる整数値である。例えば、本実施形態では、j=i+1が設定される。
【0109】
眼底球面変換部101は、処理対象の眼底画像111−iの全体を、図10に示されるように、球面モデル記憶部102に記憶されている球面モデルに当てはめる。これにより、処理対象の眼底画像111−iは、球面モデル上の眼底画像112iに変換される。ここで、変換後の眼底画像112iを、以下、処理対象球面眼底画像112iと称する。
【0110】
眼底球面変換部101は、比較対象の眼底画像111−jも同様に球面モデル記憶部102に記憶されている球面モデルに当てはめる。これにより、比較対象の眼底画像111−jは、球面モデル上の眼底画像113jに変換される。ここで、変換後の眼底画像113jを、以下、比較対象球面眼底画像113jと称する。
【0111】
眼底動きベクトル検出部103は、処理対象球面眼底画像112iと比較対象球面眼底画像113jとを回転させながら、類似度を演算することを繰り返す。即ち、球体全体でのマッチングが行われる。ここで、処理対象球面眼底画像112iと比較対象球面眼底画像113jとのマッチングの手法は特に限定されない。
【0112】
眼底動きベクトル検出部103は、処理対象球面眼底画像112iと、それにマッチングした(類似度が最も高い)比較対象球面眼底画像113jとの位置関係に基づいて、眼底全体の動きベクトル114を検出する。眼底動きベクトル検出部103は、処理対象球面眼底画像112iにおける眼底全体の動きベクトル114を動き補償部33に供給する。
【0113】
これにより、図1を参照して上述したように、動き補償部33において、処理対象の眼底画像111−iのデータに対して、眼底全体の動きベクトル114を用いた動き補償が施される。
【0114】
次に、このような構成の動きベクトル検出部100を有する、第3実施形態の眼底装置10の眼底画像生成処理について説明する。第3実施形態の眼底画像生成処理は、第1実施形態同様に図4のフローチャートに従った処理となる。ただし、第3実施形態におけるステップS13の動きベクトル検出処理の内容が、第1実施形態における内容と異なる。そこで、以下、第3実施形態におけるステップS13の動きベクトル検出処理について、図11を参照して説明する。
【0115】
[動きベクトル検出処理の流れ]
図11は、動きベクトル検出処理の流れを説明するフローチャートである。
【0116】
ステップS71において、眼底球面変換部101は、入力画像バッファ31から処理対象と比較対象の2枚の眼底画像のデータを読み出す。
【0117】
ステップS72において、眼底球面変換部101は、ステップS71で読み出した処理対象の眼底画像全体と比較対象の眼底画像全体とを、球面モデル記憶部102に記憶されている球面モデルに当てはめて、それぞれを球面眼底画像に変換する。
【0118】
ステップS73において、眼底動きベクトル検出部103は、変換した処理対象の球面眼底画像と比較対象の球面眼底画像との間でマッチングを行い、眼底全体の動きベクトルを検出する。
【0119】
これにより、動きベクトル検出処理は終了する。
【0120】
本実施形態においては、処理対象の眼底画像全体と比較対象の眼底画像全体とが、それぞれ球面モデルに当てはめられた後に、マッチングが行われる。したがって、処理対象の眼底画像と比較対象の眼底画像との類似度の演算において、球面モデル上の眼底画像全体が用いられるので、略球面体である眼底全体の動きベクトルが精度よく検出される。撮像された眼底画像に対して、当該動きベクトルを用いた画像処理が施されるので、第2実施形態と比較してより精度の高い高画質な眼底画像が生成される。
【0121】
<第4実施形態>
ところで、第1乃至第3実施形態の眼底画像処理装置10においては、処理対象の眼底画像と比較対象の眼底画像とのマッチングにより、眼底全体の動きベクトルが検出された。しかしながら、眼底画像は、基本的に画像全体が略均一な色により構成されることが多く、また、照射光の光量が落とされているので、眼底画像は比較的暗い画像となる傾向にある。さらに、撮像部21による複数回の撮像は比較的短時間に、極力同条件下で行われるので、複数の眼底画像間の動き量は比較的小さい傾向にある。また、動きがある場合も、眼底画像の一部の領域が他の領域に比べて極端に大きく動くことは稀であり、略全体が略均一に動く傾向にある。したがって、動きベクトルの検出が困難になるおそれもある。そこで、動きベクトルの検出を行う代わりに、眼底画像全体について、被写体の生体情報を用いて眼底画像の位置合わせが行われるようにしてもよい。
【0122】
本実施形態においては、眼底画像の位置合わせに用いられる被写体の生体情報としては、例えば、血管の形状の情報が用いられる。なお、被写体の生体情報は、これに限定されず、任意の情報であってもよい。例えば、被写体の生体情報としては、神経、神経乳頭等の形状の情報が採用されてもよく、また、組織や細胞が被写体とされる場合には、細胞やその核の形状等の情報が被写体の生体情報として採用されてもよい。また、複数種類の生体情報(例えば血管と視神経乳頭等)が組み合わされて採用されてもよい。
【0123】
[眼底画像処理装置の構成例と処理]
図12は、眼底画像処理装置200の構成例を示すブロック図である。
【0124】
図12に示される眼底画像処理装置200は、図1の眼底画像処理装置10と基本的に同様の機能と構成を有している。したがって、以下では、図1の眼底画像処理装置10との一致点の説明は省略し、その差異点、すなわち図1の眼底画像処理装置10の画像処理部22とは異なる画像処理部212のみを説明する。
【0125】
画像処理部212は、入力画像バッファ221、眼底球面変換部222、球面モデル記憶部223、特徴抽出部224、位置合わせ部225、合成部226、及び超解像処理部227を有する。
【0126】
入力画像バッファ221は、図1の入力画像バッファ31と基本的に同様の機能と構成を有している。入力画像バッファ221は、撮像部21から順次供給される低画質な眼底画像のデータを、入力画像のデータの各々として保持する。各入力画像のデータは、所定のタイミングで入力画像バッファ221から読み出されて、眼底球面変換部222に供給される。
【0127】
眼底球面変換部222は、図9の眼底球面変換部101と基本的に同様の機能と構成を有している。眼底球面変換部222は、入力画像バッファ221に入力画像のデータとしてそれぞれ保持されている複数の眼底画像の各データの中から、処理対象の眼底画像と、処理対象とは異なる比較対象の眼底画像との各データを読み出す。そして、眼底球面変換部222は、処理対象の眼底画像と比較対象の眼底画像とを、球面モデル記憶部223に記憶されている球面モデルに当てはめる。これにより、処理対象の眼底画像と比較対象の眼底画像とは、球面モデル上の眼底画像に変換される。ここで、変換後の処理対象の眼底画像を、以下、処理対象球面眼底画像と称する。また、変換後の比較対象の眼底画像を、以下、比較対象球面眼底画像と称する。眼底球面変換部222は、処理対象球面眼底画像と比較対象球面眼底画像とを、特徴抽出部224に供給する。
【0128】
特徴抽出部224は、血管抽出部231及び交叉点抽出部233を有する。また、位置合わせ部225は、血管位置合わせ処理部232及び交叉点位置合わせ処理部234を有する。特徴抽出部224と位置合わせ部225の具体的な処理について、図13を参照しながら説明する。
【0129】
血管抽出部231は、図13に示されるように、眼底球面変換部222から供給された処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252のそれぞれから、血管の形状や位置等の特徴を抽出する(処理261,262)。このとき、血管抽出部231は、”血管特徴を用いた眼底画像合成法”,田邊 勝義,壷内 鉄郎,奥田 英範,奥 雅博,2007に記載の方法のように、RGB成分のR成分を使って、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252のそれぞれから血管を抽出する。血管抽出部231は、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252から抽出した血管の形状や位置等の特徴を、それぞれの血管抽出結果として血管位置合わせ処理部232に供給する。
【0130】
血管位置合わせ処理部232は、図13に示されるように、血管抽出部231から供給された処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252のそれぞれの血管抽出結果を用いて、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252との間で、血管位置合わせ処理(処理266)を行う。
【0131】
血管位置合わせ処理部232は、血管位置合わせ処理が施された処理対象球面眼底画像253を、合成部226に供給する。なお、血管位置合わせ処理部232の詳細な構成と処理については、図14,図15を用いて後述する。
【0132】
さらに、血管抽出結果による血管位置合わせ処理(処理266)が行われる前に、血管の交叉点の位置による簡易的な位置合わせが行われるようにしてもよい。なお、血管の交叉点とは、眼底画像において血管が交わる(実際にはねじれの位置である場合も含む)部分や、分岐する部分である。
【0133】
その場合、血管抽出部231は、図13に示されるように、処理261により得られる、処理対象球面眼底画像251の血管抽出結果を、交叉点抽出部233に供給する。また、血管抽出部231は、図13に示されるように、処理262により得られる、比較対象球面眼底画像252の血管抽出結果を、交叉点抽出部233に供給する。
【0134】
交叉点抽出部233は、図13に示されるように、血管抽出部231から供給される処理対象球面眼底画像251の血管抽出結果を用いて交叉点を抽出する(処理263)。また、交叉点抽出部233は、血管抽出部231から供給される比較対象球面眼底画像252の血管抽出結果を用いて交叉点を抽出する(処理264)。交叉点抽出部233は、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252のそれぞれから抽出した交叉点の位置を交叉点抽出結果として交叉点位置合わせ処理部234に供給する。
【0135】
交叉点位置合わせ処理部234は、図13に示されるように、交叉点抽出部233から供給された処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252のそれぞれの交叉点抽出結果を用いて、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252との間で交叉点位置合わせ処理(処理265)を行う。交叉点位置合わせ処理部234は、交叉点位置合わせ処理の結果を、交叉点位置合わせ結果として、血管位置合わせ処理部232に供給する。
【0136】
血管位置合わせ処理部232は、交叉点位置合わせ処理部234から供給された交叉点位置合わせ結果を初期状態の球面眼底画像として、さらに、初期状態の球面眼底画像に対して血管抽出結果を用いた血管位置合わせ処理(処理266)を行う。すなわち、交叉点位置合わせ結果にしたがって、交叉点の位置合わせと同様に位置合わせを行いながら各血管抽出結果を重畳し、それを初期状態とする。
【0137】
このように、血管位置合わせ処理部232は、交叉点を用いて簡易的に位置合わせされた球面眼底画像に対して、さらに血管抽出結果を用いた位置合わせを施すことができるので、より容易かつ高速に位置合わせを行うことができる。
【0138】
なお、さらに他の生体情報を用いた位置合わせを併用するようにしてもよい。例えば、最初に、視神経乳頭の位置で位置合わせを行いながら、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252とが重畳された球面眼底画像を初期状態の球面眼底画像として、さらに、初期状態の球面眼底画像に対して交叉点による位置合わせを行うようにしてもよい。
【0139】
合成部226は、血管位置合わせ処理部232から複数の位置合わせされた球面眼底画像のデータの全てが供給されると、これらの複数の球面眼底画像の各データを合成することによって、1枚の眼底画像のデータを生成し、超解像処理部227に供給する。
【0140】
超解像処理部227は、合成部226による合成後の眼底画像のデータに超解像処理を施すことにより、合成時点よりもさらに高解像度の眼底画像のデータを生成する。このようにして超解像処理部227により生成された、高解像度の眼底画像のデータは、記憶部23に記録されたり、出力部24から出力される。
【0141】
次に、血管位置合わせ処理部232の詳細な構成と処理について説明する。
【0142】
[血管位置合わせ処理部の構成例と処理]
図14は、血管位置合わせ処理部232の構成例を示す図である。図15は、血管位置合わせ処理部232の具体的な処理について説明する図である。
【0143】
図14に示されるように、血管位置合わせ処理部232は、重畳処理部271、シフト処理部272、伸ばし処理部273、回転処理部274、拡大縮小処理部275、収束判定部276、及び調整部277を有する。
【0144】
重畳処理部271は、血管抽出部231から供給される、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252のそれぞれの血管抽出結果を重畳する。交叉点による位置合わせが行われる場合、重畳処理部271は、交叉点位置合わせ処理部234から供給される交叉点位置合わせ結果を用いて、交叉点の位置合わせと同様の位置合わせを行いながら、各血管抽出結果を重畳する。重畳処理部271は、重畳結果をシフト処理部272に供給する。なお、血管位置合わせ処理部232は、血管抽出結果292を血管抽出結果291に近づけるように位置合わせが行われる。
【0145】
シフト処理部272は、図15に示されるように、縦方向や横方向等任意の方向に、血管抽出結果292全体を移動(シフト)させる縦横シフト281を行い、血管抽出結果292が血管抽出結果291に最も近づいた状態で、重畳結果を伸ばし処理部273に供給する。血管抽出結果291と血管抽出結果292とがどれくらい近づいたかの判定方法は任意であるが、例えば、両画像の絶対値差分により判定する。つまり、シフト処理部272は、血管抽出結果292全体を移動(シフト)させ、血管抽出結果291と血管抽出結果292との絶対値差分が最小となる位置を検索する。この判定方法は以下の処理部においても同様である。
【0146】
伸ばし処理部273は、図15に示されるように、縦方向や横方向等任意の方向に、血管抽出結果291を伸ばす(変形させる)縦横伸ばし282を行い、血管抽出結果292が血管抽出結果291に最も近づいた状態で、重畳結果を回転処理部274に供給する。例えば、伸ばし処理部273は、血管抽出結果292を任意の方向に伸ばし(変形させ)、血管抽出結果291と血管抽出結果292との絶対値差分が最小となる形状を検索する。
【0147】
回転処理部274は、図15に示されるように、血管抽出結果292を左右に回転させる回転283を行い、血管抽出結果292が血管抽出結果291に最も近づいた状態で、重畳結果を拡大縮小処理部275に供給する。例えば、回転処理部274は、血管抽出結果292を左右に回転させ、血管抽出結果291と血管抽出結果292との絶対値差分が最小となる向きを検索する。
【0148】
拡大縮小処理部275は、図15に示されるように、血管抽出結果292を拡大したり縮小したりする拡大縮小284を行い、血管抽出結果292が血管抽出結果292に最も近づいた状態で、重畳結果を収束判定部276に供給する。例えば、回転処理部274は、血管抽出結果292を拡大したり縮小したりし、血管抽出結果291と血管抽出結果292との絶対値差分が最小となる大きさを検索する。
【0149】
収束判定部276は、供給された重畳結果に基づいて、位置合わせが収束したか否かを判定する。例えば、収束判定部276は、上述した各処理を複数回繰り返し行わせ、今回得られた位置合わせ結果を、前回の位置合わせ結果と比較し、前回より血管抽出結果292が血管抽出結果291に近づいた場合、収束していないと判定し、前回より血管抽出結果292が血管抽出結果291に近づいていない場合(例えば、血管抽出結果291と血管抽出結果292との絶対値差分が前回より小さくならない場合)、収束したと判定する。
【0150】
収束していないと判定した場合(例えば、血管抽出結果291と血管抽出結果292との絶対値差分が前回より小さくなる場合)、収束判定部276は、その重畳結果をシフト処理部272に戻し、再度、位置合わせを行わせる。
【0151】
位置合わせが収束したと判定した場合、調整部277は、前回までの累積的な収束結果に基づいて、位置合わせの調整を行う。例えば、5回の連続的な撮影により時間的に若い順から第1乃至第5の眼底画像が得られたとする。この場合、第5の眼底画像が処理対象とされた場合、比較対象は第4の眼底画像となる。ここで、収束結果とは、第5の眼底画像を第4の眼底画像に近づけるように位置合わせをした結果である。つまり、収束した段階では、第5の眼底画像は、第4の眼底に近づいているに過ぎない。しかしながら、後述する合成部266では、第5の眼底画像を第1の眼底画像に近づけたもの(位置合わせしたもの)が合成対象になる。したがって、収束直後の第4の眼底画像に近づけたもの(位置合わせしたもの)を、さらに第1の眼底画像に近づける(位置合わせの調整をする)必要がある。
【0152】
第4の眼底画像を第1の眼底画像に近づける(位置合わせの調整をする)ためには、前回までの累積的な収束結果を用いる必要がある。具体的には、第4の眼底画像を第3の眼底画像に近づける収束結果(1回前の収束結果)、第4の眼底画像を第3の眼底画像に近づける収束結果(2回前の収束結果)、第3の眼底画像を第2の眼底画像に近づける収束結果(3回前の収束結果)、及び第2の眼底画像を第1の眼底画像に近づける収束結果(4回前の収束結果)を累積的に用いて、第1の眼底画像に近づける位置合わせの調整が行われる。なお、位置合わせ調整の順序はこれに限定されず、これとは逆に、複数の眼底画像を第5の眼底画像に近づける位置合わせの調整が行われてもよい。調整部277は、位置合わせされた処理対象球面眼底画像293を合成部226に供給する。
【0153】
なお、以上においては、位置合わせの具体例として、縦横シフト281、縦横伸ばし282、回転283、および拡大縮小284の4つの処理をこの順に行うように説明したが、これに限らず、上述した処理以外の処理をさらに行うようにしてもよいし、上述した処理の一部を省略するようにしてもよい。また、上述したように処理を複数行う場合、各処理の実行順は任意である。
【0154】
また、特徴抽出部224と位置合わせ部225は、例えば、“Shape Matching and Object Recognition Using Shape Contexts”,Serge Belongie, Jitendra Malik, Jan Puzicha, 2002に記載されているような、エッジ部分のヒストグラムを使った位置合わせを行うようにしてもよい。
【0155】
さらに、収束したか否かの判定方法は、任意であり、上述した以外の方法であってもよい。例えば、血管抽出結果291と血管抽出結果292との絶対値差分が所定の閾値以下になる場合、収束したと判定されるようにしてもよい。
【0156】
なお、血管の交叉点による位置合わせも、この血管全体による位置合わせと基本的に同様に行われる。つまり、交叉点位置合わせ処理部234は、血管位置合わせ処理部232と基本的に同様の構成を有し、位置合わせに用いる生体情報が血管全体の形状か、その交叉点かの違い以外は、基本的に同様の処理を行う。
【0157】
以上のように、眼底画像処理装置200は、眼底画像は生体の画像であるので、その画像の特徴を活かし、眼底画像に含まれる生体情報を用いて画像全体で位置合わせを行う。このようにすることにより、眼底画像処理装置200は、より容易かつ正確な位置合わせを実現することができる。
【0158】
以上、図12乃至図15を参照して、眼底画像処理装置200の構成について説明した。次に、このような構成の眼底画像処理装置200が実行する眼底画像生成処理について図16を用いて説明する。
【0159】
[眼底画像生成処理の流れ]
図16は、眼底画像生成処理の流れについて説明するフローチャートである。
【0160】
ステップS91において、撮像部21は、光量を落として複数回、被験者の眼底を撮像する。なお、上述したように、撮像部21による眼底の撮像は、静止画を得るための複数回の撮像であっても、動画を得るための1回の撮像であってもよい。
【0161】
ステップS92において、画像処理部212は、ステップS91の処理により得られた複数の低画質な眼底画像のデータを入力画像バッファ221に記憶させる。
【0162】
ステップS93において、眼底球面変換部222は、入力画像バッファ221から処理対象と比較対象との2枚の眼底画像のデータを読み出す。
【0163】
ステップS94において、眼底球面変換部222は、ステップS93で読み出した処理対象の眼底画像全体と比較対象の眼底画像全体とを、それぞれ球面モデル記憶部223に記憶されている球面モデルに当てはめて、処理対象球面眼底画像と比較対象球面眼底画像に変換する。
【0164】
ステップS95において、血管抽出部231は、処理対象球面眼底画像から血管の形状や位置を抽出する。抽出された血管の形状や位置は、血管抽出結果として血管位置合わせ処理部232に供給される。
【0165】
ステップS96において、血管抽出部231は、比較対象球面眼底画像から血管の形状や位置を抽出する。抽出された血管の形状や位置は、血管抽出結果として血管位置合わせ処理部232に供給される。
【0166】
ステップS97において、特徴抽出部224は、交叉点の位置合わせを行うかを判定する。
【0167】
交叉点の位置合わせを行わない場合、ステップS97においてNOであると判定されて、処理はステップS101に進む。なお、ステップS101以降の処理については後述する。
【0168】
これに対して、交叉点の位置合わせを行う場合、ステップS97においてYESであると判定されて、処理はステップS98に進む。この場合、血管抽出部231は、ステップS95,S96で抽出された血管抽出結果を交叉点抽出部233に供給する。
【0169】
ステップS98において、交叉点抽出部233は、処理対象球面眼底画像の血管抽出結果を用いて交叉点を抽出する。抽出された交叉点の位置は、交叉点抽出結果として交叉点位置合わせ処理部234に供給される。
【0170】
ステップS99において、交叉点抽出部233は、比較対象球面眼底画像の血管抽出結果を用いて交叉点を抽出する。抽出された交叉点の位置は、交叉点抽出結果として交叉点位置合わせ処理部234に供給される。
【0171】
ステップS100において、交叉点位置合わせ処理部234は、ステップS98及びステップS99で供給された交叉点抽出結果を用いて、処理対象球面眼底画像251と比較対象球面眼底画像252との間で交叉点位置合わせ処理を実行する。
【0172】
なお、ステップS100において実行される交叉点位置合わせ処理は、血管全体の代わりに血管の交叉点を位置合わせに利用すること以外、図17を参照して後述する血管位置合わせ処理と同様に実行される。したがって、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0173】
ステップS101において、血管位置合わせ処理部232は、血管位置合わせ処理を実行する。すなわち、血管位置合わせ処理部232は、交叉点を用いて簡易的に位置合わせされた球面眼底画像に対して、さらに血管抽出結果を用いた血管位置合わせを施す。ステップS101の血管位置合わせ処理の詳細については、図17を参照して後述する。
【0174】
ステップS102において、画像処理部212は、すべての眼底画像のデータが処理対象に設定されたかを判定する。
【0175】
まだすべての眼底画像のデータが処理対象に設定されていない場合、ステップS102においてNOであると判定されて、処理はステップS93に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、すべての眼底画像のデータが処理対象に設定されるまでの間、ステップS93乃至ステップS102のループ処理が繰り返される。
【0176】
その後、すべての眼底画像のデータが処理対象に設定された場合、ステップS102においてYESであると判定されて、処理はステップS103に進む。
【0177】
ステップS103において、合成部226は、位置合わせされた複数の球面眼底画像のデータを合成する。これにより、1枚の眼底画像のデータが生成される。
【0178】
ステップS104において、超解像処理部227は、合成後の眼底画像のデータに超解像度処理を施す。これにより、ステップS103の合成時点よりもさらに高解像度の眼底画像のデータが生成される。
【0179】
ステップS105において、画像処理部212は、超解像度処理が施された眼底画像のデータを、記憶部23に記憶させたり、出力部24から出力させたりする。
【0180】
これにより、眼底画像生成処理は終了する。次に、ステップS101の血管位置合わせ処理について説明する。
【0181】
[血管位置合わせ処理の流れ]
図17は、図16のステップS101の血管位置合わせ処理の流れを説明するフローチャートである。
【0182】
ステップS111において、重畳処理部271は、交叉点位置合わせが行われたかを判定する。
【0183】
交叉点位置合わせが行われた場合、ステップS111においてYESであると判定されて、処理はステップ112に進む。
【0184】
ステップS112において、重畳処理部271は、交叉点位置合わせ結果を重畳結果とし、その重畳結果に従って、血管抽出部231から供給された処理対象球面眼底画像と比較対象球面眼底画像のそれぞれの血管抽出結果を重畳する。
【0185】
これに対して、交叉点位置合わせが行われなかった場合、ステップS111においてNOであると判定されて、処理はステップ113に進む。
【0186】
ステップS113において、重畳処理部271は、処理対象球面眼底画像と比較対象球面眼底画像のそれぞれの血管抽出結果を重畳する。
【0187】
ステップS114において、シフト処理部272は、処理対象球面眼底画像の血管抽出結果をシフトするシフト位置合わせを行う。
【0188】
ステップS115において、伸ばし処理部273は、処理対象球面眼底画像の血管抽出結果を伸縮させる伸ばし位置合わせを行う。
【0189】
ステップS116において、回転処理部274は、処理対象球面眼底画像の血管抽出結果を回転させる回転位置合わせを行う。
【0190】
ステップS117において、拡大縮小処理部275は、処理対象球面眼底画像の血管抽出結果を拡大したり縮小したりする拡大縮小位置合わせを行う。
【0191】
ステップS118において、収束判定部276は、位置合わせが収束したかを判定する。
【0192】
位置合わせが収束していない場合、ステップS118においてNOであると判定されて、処理はステップS114に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、位置合わせが収束するまでの間、ステップS114乃至S118のループ処理が繰り返される。
【0193】
その後、位置合わせが収束した場合、ステップS118においてYESであると判定されて、処理はステップS119に進む。
【0194】
ステップS119において、調整部277は、前回までの累積的な収束結果に基づいて、位置合わせの調整を行う。その結果、位置合わせされた処理対象球面眼底画像は合成部226に出力される。
【0195】
これにより、血管位置合わせ処理が終了し、処理は図16のステップS102に進む。
【0196】
このように、被写体の生体情報を用いた眼底画像の位置合わせが行われることにより、動きベクトルの検出が困難な状況であっても、被験者に与える負荷を軽減しながら、より高画質な眼底画像を得ることができる。
【0197】
なお、上述の例で用いられる球面モデルは、被験者の眼軸長、視力等の条件に合わせて、被験者毎に適切な球面モデルに切り替えられてもよい。
【0198】
また、眼底は完全な球面ではないため、球面モデルを適用して球面に近似できないような領域は、マッチング処理や位置合わせ処理に用いられないようにマスク処理を施すこともできる。
【0199】
[本技術のプログラムへの適用]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0200】
この場合、上述した画像処理装置の少なくとも一部として、例えば、図18に示されるパーソナルコンピュータを採用してもよい。
【0201】
図18において、CPU301は、ROM302に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。または記憶部308からRAM303にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM303にはまた、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0202】
CPU301、ROM302、及びRAM303は、バス304を介して相互に接続されている。このバス304にはまた、入出力インタフェース305も接続されている。
【0203】
入出力インタフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、ディスプレイなどよりなる出力部307が接続されている。また、ハードディスクなどより構成される記憶部308、及び、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部309が接続されている。通信部309は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0204】
入出力インタフェース305にはまた、必要に応じてドライブ310が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア311が適宜装着される。そして、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部308にインストールされる。
【0205】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0206】
このようなプログラムを含む記録媒体は、図18に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア(パッケージメディア)311により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM302や、記憶部308に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0207】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0208】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0209】
なお、本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、前記被写体についての比較を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、前記処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する動きベクトル検出部と、
前記複数の撮像画像の各々の前記動きベクトル検出部により検出された前記動きベクトルに基づいて、前記処理対象に動き補償を施す動き補償部と、
前記動き補償部による動き補償が施された結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成部と
を備える画像処理装置。
(2)
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象から区分された複数のブロックの各々について、前記比較対象との間でブロックマッチングを行うことによって局所的な動きベクトルを検出し、
前記複数のブロック毎の前記局所的な動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象における前記複数のブロックの各々についての前記局所的な動きベクトルを、前記3次元球面モデルにおける局所的な球面動きベクトルに変換し、
前記複数のブロック毎の前記局所的な球面動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
前記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象における前記複数のブロックの各々を、前記3次元球面モデルにおける複数の球面ブロックに変換し、
前記複数の球面ブロックの各々について、前記比較対象との間でブロックマッチングを行うことによって、前記局所的な動きベクトルとして局所的な球面動きベクトルを検出し、
前記複数の球面ブロック毎の前記局所的な球面動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
前記(1)、(2)、または(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象と前記比較対象とのそれぞれを前記3次元球面モデルにおける球面画像に変換し、
前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像との間でマッチングを行うことによって、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記被写体は眼底である
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)
前記3次元球面モデルは、前記被写体が有する条件により切り替えられて用いられる
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚の、3次元球面モデルにおける球面画像への変換を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行する変換部と、
前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像の各々の特徴を抽出する抽出部と、
前記特徴同士が一致するように前記特徴の位置を合わせる位置合わせ部と、
前記位置合わせ部により位置合わせがされた結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成部と
を備える画像処理装置。
(9)
前記特徴として血管の形状が用いられる
前記(8)に記載の画像処理装置。
(10)
前記被写体は眼底である
前記(8)または(9)に記載の画像処理装置。
(11)
前記3次元球面モデルは、前記被写体が有する条件により切り替えられて用いられる
前記(8)、(9)、または(10)に記載の画像処理装置。
【0210】
本技術は、画像処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0211】
10 眼底画像処理装置, 21 撮像部, 22 画像処理部, 23 記憶部, 24 出力部, 31 入力画像バッファ31, 32 動きベクトル検出部, 33 動き補償部, 34 合成部, 35 超解像処理部, 41 ,局所動きベクトル検出部, 42 球面動きベクトル変換部, 43 球面モデル記憶部, 44 眼底動きベクトル検出部, 63 球面モデル, 70 動きベクトル検出部, 71 局所球面動きベクトル検出部, 72 球面モデル記憶部, 73 眼底動きベクトル検出部, 100 動きベクトル検出部, 101 眼底球面変換部, 102 球面モデル記憶部, 103 眼底動きベクトル検出部, 224 特徴抽出部, 225 位置合わせ部, 231 血管抽出部, 232 血管位置合わせ処理部, 233 交叉点抽出部, 234 交叉点位置合わせ処理部234, 271 重畳処理部, 272 シフト処理部, 273 伸ばし処理部, 274 回転処理部, 275 拡大縮小処理部, 276 収束判定部, 277 調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、前記被写体についての比較を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、前記処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する動きベクトル検出部と、
前記複数の撮像画像の各々の前記動きベクトル検出部により検出された前記動きベクトルに基づいて、前記処理対象に動き補償を施す動き補償部と、
前記動き補償部による動き補償が施された結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象から区分された複数のブロックの各々について、前記比較対象との間でブロックマッチングを行うことによって局所的な動きベクトルを検出し、
前記複数のブロック毎の前記局所的な動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象における前記複数のブロックの各々についての前記局所的な動きベクトルを、前記3次元球面モデルにおける局所的な球面動きベクトルに変換し、
前記複数のブロック毎の前記局所的な球面動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象における前記複数のブロックの各々を、前記3次元球面モデルにおける複数の球面ブロックに変換し、
前記複数の球面ブロックの各々について、前記比較対象との間でブロックマッチングを行うことによって、前記局所的な動きベクトルとして局所的な球面動きベクトルを検出し、
前記複数の球面ブロック毎の前記局所的な球面動きベクトルを用いて、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記動きベクトル検出部は、
前記処理対象と前記比較対象とのそれぞれを前記3次元球面モデルにおける球面画像に変換し、
前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像との間でマッチングを行うことによって、前記処理対象についての前記3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記被写体は眼底である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記3次元球面モデルは、前記被写体が有する条件により切り替えられて用いられる
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、前記被写体についての比較を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、前記処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記複数の撮像画像の各々の前記動きベクトル検出ステップの処理により検出された前記動きベクトルに基づいて、前記処理対象に動き補償を施す動き補償ステップと、
前記動き補償ステップの処理による動き補償が施された結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成ステップと
を含む画像処理方法。
【請求項9】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、前記被写体についての比較を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、前記処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出し、
前記複数の撮像画像の各々の前記動きベクトルに基づいて、前記処理対象に動き補償を施し、
動き補償が施された結果得られる前記撮像画像の各々を合成する
ステップを含むプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項10】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚とについての、前記被写体についての比較を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、前記処理対象についての3次元球面モデル全体についての動きベクトルを検出し、
前記複数の撮像画像の各々の前記動きベクトルに基づいて、前記処理対象に動き補償を施し、
動き補償が施された結果得られる前記撮像画像の各々を合成する
ステップを含む制御処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚の、3次元球面モデルにおける球面画像への変換を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行する変換部と、
前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像の各々の特徴を抽出する抽出部と、
前記特徴同士が一致するように前記特徴の位置を合わせる位置合わせ部と、
前記位置合わせ部により位置合わせがされた結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成部と
を備える画像処理装置。
【請求項12】
前記特徴として血管の形状が用いられる
請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記被写体は眼底である
請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記3次元球面モデルは、前記被写体が有する条件により切り替えられて用いられる
請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項15】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚の、3次元球面モデルにおける球面画像への変換を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行する変換ステップと、
前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像の各々の特徴を抽出する抽出ステップと、
前記特徴同士が一致するように前記特徴の位置を合わせる位置合わせステップと、
前記位置合わせステップの処理により位置合わせがされた結果得られる前記撮像画像の各々を合成する合成ステップと
を含む画像処理方法。
【請求項16】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚の、3次元球面モデルにおける球面画像への変換を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、
前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像の各々の特徴を抽出し、
前記特徴同士が一致するように前記特徴の位置を合わせ、
位置合わせがされた結果得られる前記撮像画像の各々を合成する
ステップを含むプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項17】
略球面の被写体を含む複数の撮像画像のうち、処理対象の1枚と、比較対象の他の1枚の、3次元球面モデルにおける球面画像への変換を、前記複数の撮像画像の各々を処理対象として実行し、
前記処理対象の球面画像と前記比較対象の球面画像の各々の特徴を抽出し、
前記特徴同士が一致するように前記特徴の位置を合わせ、
位置合わせがされた結果得られる前記撮像画像の各々を合成する
ステップを含む制御処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2013−48717(P2013−48717A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188277(P2011−188277)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】