画像処理装置及び画像処理プログラム
【課題】それぞれの画像内に情報画像が描画され得る領域が複数ある場合であって、その複数の画像を読み取って、情報画像を解析する場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像がない領域であるにもかかわらず情報画像を検出する処理を減少させ得るようにした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置の受付手段は、画像を受け付け、決定手段は、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定し、検出手段は、第1の位置に基づいて、情報画像を検出し、解析手段は、情報画像を解析し、出力手段は、解析結果である情報を出力し、決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、第1の位置とは画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、検出手段は、第2の位置で情報画像を検出する。
【解決手段】画像処理装置の受付手段は、画像を受け付け、決定手段は、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定し、検出手段は、第1の位置に基づいて、情報画像を検出し、解析手段は、情報画像を解析し、出力手段は、解析結果である情報を出力し、決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、第1の位置とは画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、検出手段は、第2の位置で情報画像を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報画像を検出する技術がある。
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、データ・マトリックス・シンボルのような機械読み取り可能なシンボルを探し出し、デコードするための方法及び装置を提供することを課題とし、シンボルのイメージを蓄積することによって開始し、シンボルのためのファインダーパターンのクワイエットゾーンと実線の境界間のエッジ点を探し出し、そこから、第1と第2の実線の境界の少なくとも部分、好ましくはそれらの間の実線のコーナーを探し出し、その後、実線の境界の自由端から延びる点線の境界の少なくとも部分を探し出し、シンボルのためのファインダーパターンの実線及び点線の境界を探し出した後に、シンボルの周辺と翻訳を決定し、シンボルのイメージをデコードするために、適切なデコードルーチンを適用することが開示されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、処理時間を短くして迅速なバーコード領域の検出を行い、またバーコード以外の印刷等による画像ノイズを除去して高精度なバーコード検出を行うことを課題とし、2次元画像データに対して横方向に画素濃度を投影した画素濃度投影値分布から最大極大値を検出し、この最大極大値に隣り合う極小値又は最小値に基づく範囲をバーコード領域の高さ方向範囲と判断し、そして、判断したバーコード領域の高さ方向範囲において画素濃度を縦方向に投影して画素濃度投影値分布を得、この投影値から極大値を検出し、隣り合う極大値の間隔が一定の比率範囲にある所定数以上の連続した極大値の部分を検出し、そして検出した部分の最初と最後の極大値の中心座標がバーコードの両端のバーの幅方向の中心座標となり、これにより、バーコード領域の幅方向範囲を判断し、この幅方向範囲と高さ方向範囲によりバーコード領域を検出することが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献3には、原稿の画像を読み取る原稿画像読取り手段と、原稿に記載の情報コードを認識するコードリーダーを備えた画像読取装置において、情報コード読み取りエラーを低減・防止すること、コードリーダーを画像読取装置本体内に配設することを可能にして画像読取装置外に配設することによるコストアップや放射電波などの問題をなくすことを目的とし、原稿画像読取開始時、初めの原稿は原稿画像読取り手段により原稿上の情報コードの記載位置を認識させ、認識された情報コード記載位置に対応する位置にコードリーダーを自動的に移動させる手段を有していることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−063772号公報
【特許文献2】特開平11−184959号公報
【特許文献3】特開平08−153150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、それぞれの画像内に情報画像が描画され得る領域が複数ある場合であって、その複数の画像を読み取って、情報画像を解析する場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像がない領域であるにもかかわらず情報画像を検出する処理を減少させ得るようにした画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、画像を受け付ける受付手段と、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段を具備し、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、前記検出手段は、前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における方向に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の方向を決定し、前記検出手段は、前記決定手段によって決定された情報画像の位置と情報画像の方向に基づいて、情報画像を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合は、前記第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合は、前記第2の位置と方向を、情報画像を検出する位置と方向として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定することを特徴とする請求項1又は3に記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項6の発明は、前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項7の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定することを特徴とする請求項2又は4に記載の画像処理装置である。
【0014】
請求項8の発明は、前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合であって、直前に検出した情報画像の方向が直前よりも前に検出した情報画像の方向とは逆である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項9の発明は、コンピュータを、画像を受け付ける受付手段と、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段として機能させ、前記決定手段を前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する手段、前記検出手段を前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出する手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の画像処理装置によれば、それぞれの画像内に情報画像が描画され得る領域が複数ある場合であって、その複数の画像を読み取って、情報画像を解析する場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像がない領域であるにもかかわらず情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0017】
請求項2の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0018】
請求項3の画像処理装置によれば、上下を誤って設定された原稿の画像を読み込んだ場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0019】
請求項4の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0020】
請求項5の画像処理装置によれば、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0021】
請求項6の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合であることを精度よく判定し、情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0022】
請求項7の画像処理装置によれば、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像を検出する処理と情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0023】
請求項8の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合であることを精度よく判定し、情報画像を検出する処理と情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0024】
請求項9の画像処理プログラムによれば、それぞれの画像内に情報画像が描画され得る領域が複数ある場合であって、その複数の画像を読み取って、情報画像を解析する場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像がない領域であるにもかかわらず情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】画像受付モジュールが受け付ける画像の例を示す説明図である。
【図3】情報画像の例を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態による処理例を示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態による処理例を示す説明図である。
【図7】第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態による処理例を示す説明図である。
【図9】第3の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図10】情報画像描画位置テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図11】情報画像描画位置方向テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図12】情報画像描画位置方向履歴テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図13】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な各種の実施の形態の例を説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0027】
本実施の形態である画像処理装置は、情報画像を検出するものであって、図1の例に示すように、画像受付モジュール110、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130、情報画像解析位置決定モジュール140、情報画像解析モジュール150、解析結果出力モジュール160、解析結果記憶モジュール170を有している。
ここで、情報画像とは、機械可読な態様で電子データを表すために体系的に作られた画像コードをいい、具体的には、1次元バーコード、2次元コード等がある。特に、最近は、2次元コードとして、QRコード(Quick Response code、登録商標)が用いられており、本実施の形態においてもこのQRコードを例示する。
【0028】
画像受付モジュール110は、情報画像検出モジュール120と接続されており、画像を受け付けて、その画像を情報画像検出モジュール120へ渡す。画像を受け付けるとは、例えば、スキャナ、カメラ等で画像を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、2値画像、多値画像(カラー画像を含む)であってもよい。受け付ける画像は、複数枚の画像である。また、画像の内容として、情報画像が描画されていればよく、例えばビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。ただし、受け付けた全ての画像に情報画像が含まれている必要はなく、情報画像がない画像が含まれていてもよい。
また、一連の原稿の画像を連続して取り込むようにしてもよい。例えば、画像読取装置(スキャナ、ファックス、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等を含む)に取り付けられた自動原稿送り装置(ADF(Auto Document Feeder)、オートシートフィーダー、オートフィーダーともいわれる)によって画像を読み込むようにしてもよい。また、受け付ける画像のサイズは、一般的には同じになる可能性が高いが、その必要はない。一連の原稿としては、例えば、主に、情報画像が各原稿の予め定められた同じ位置に描画されたものである。ただし、必ずしも全ての原稿の同じ位置に情報画像が描画されている必要はなく、また、利用者による準備で、上下が誤って設定された原稿が混入していてもよい。
【0029】
図2は、画像受付モジュール110が受け付ける画像の例を示す説明図である。
例えば、自動原稿送り装置にnページの原稿が設定されたとする。そして、情報画像が描画され得る領域が複数(この場合は4つ)あり、そのうちの1つに情報画像が描画されているとする。例えば、画像データ200aには、情報画像描画領域210a、情報画像描画領域220a、情報画像描画領域230a、情報画像描画領域240aがあり、情報画像描画領域240aに情報画像が描画されている。そして、画像データ200b、画像データ200cも同等である。例えば、このように複数の領域を予め定められた順番、例えば、図2に例示するように1→2→3→4(画像データ200aで示せば、情報画像描画領域210a→情報画像描画領域220a→情報画像描画領域230a→情報画像描画領域240a)で検出するようにすると、情報画像は4の位置(画像データ200aで示せば情報画像描画領域240aの位置)に描画されているのであるので、毎回情報画像がない領域1、2、3の位置(画像データ200aで示せば情報画像描画領域210a、情報画像描画領域220a、情報画像描画領域230aの位置)を処理してしまうことになる。また、自動原稿送り装置に設定されるような複数の原稿からなる原稿群は、同じ位置に情報画像が描画されている場合が多い。
そこで、この第1の実施の形態では、直前の情報画像の位置を用いて情報画像を検出しようとするものである。
【0030】
情報画像検出状態記憶モジュール130は、情報画像検出モジュール120、情報画像解析位置決定モジュール140と接続されている。情報画像検出状態記憶モジュール130は、少なくとも直前に検出した情報画像の画像内における位置を記憶している。これは、情報画像検出モジュール120が画像内から情報画像を検出した場合に、その検出した位置を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させる。なお、情報画像検出状態記憶モジュール130が記憶している情報を、以下、情報画像検出状態情報ともいう。また、位置以外に他の情報を情報画像検出状態情報として記憶するようにしてもよい。例えば、情報画像検出モジュール120が情報画像の位置と情報画像の方向を検出し、それを情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させるようにしてもよい。また、直前に検出した情報画像検出状態情報のみならず、直前以前の情報画像検出状態情報を記憶していてもよい。いわゆる検出履歴である。
「直前に」とは、受付手段によって受け付けられた画像のうち、対象としている画像の直前に受け付けられた画像である。例えば、対象としている画像が5ページ目の画像であるとすると、直前に検出した画像とは4ページ目の画像となる。
そして、情報画像検出状態記憶モジュール130は、記憶している情報画像検出状態情報を情報画像解析位置決定モジュール140からのアクセスによって、情報画像解析位置決定モジュール140に渡す。
【0031】
記憶している情報画像の位置について説明する。
画像内にある情報画像を解析するために、まず情報画像がどこにあるかを検出することが必要である。記憶している情報画像の位置は、既に検出が行われた情報画像の位置(又は領域)のことをいう。例えば、画像の左上を原点とし、右方向をX座標、下方向をY座標とした座標系における座標であってもよいし、画像内の領域の位置(具体的には、右上、右下、左下、左上等)を示す符号であってもよいし、前に検出した情報画像との位置の差分(例えば、前に検出した情報画像と同じ位置にあるのであれば0となる)であってもよい。以下は、画像内の領域の位置(具体的には、右上、右下、左下、左上等)を示す符号を用いて説明する。なお、この領域は、例えば、画像を4等分した場合の領域であってもよいし、画像の4つの角から予め定められた大きさの矩形領域としてもよい。また、領域の数は6個、8個であってもよいし、その形状は矩形に限られない。
【0032】
記憶している情報画像の方向について説明する。
画像内にある情報画像を解析するために、情報画像の向きを検出することが必要である。図3に例示するように、情報画像300には、上方向310、右方向320、下方向330、左方向340がある。例えば、画像の上方向と一致している情報画像300の方向を情報画像検出モジュール120が検出し、情報画像検出状態記憶モジュール130が記憶する。情報画像解析モジュール150は、この方向を用いて情報画像を解析(デコード)して、その情報画像内に埋め込まれている電子データを取り出す。もちろんのことながら、この方向の定義は便宜的なものであり、これに限る必要はなく、情報画像の解析方法に合わせるようにしてもよい。
【0033】
情報画像検出状態記憶モジュール130が記憶する情報画像検出状態情報のデータ構造を説明する。例えば、情報画像描画位置テーブル1000、情報画像描画位置方向テーブル1100又は情報画像描画位置方向履歴テーブル1200のいずれかを記憶する。なお、第1の実施の形態では、情報画像描画位置テーブル1000又は情報画像描画位置方向テーブル1100のいずれかでよく、第2の実施の形態、第3の実施の形態では、情報画像描画位置方向履歴テーブル1200を記憶する。なお、情報画像描画位置方向履歴テーブル1200の替わりに、情報画像の位置だけを記憶するテーブル(情報画像の方向を不要としたテーブル)であってもよい。
図10は、情報画像描画位置テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。情報画像描画位置テーブル1000は、情報画像描画位置欄1010を有している。情報画像描画位置欄1010は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の位置であって、直前の検出結果(つまり、最新の検出結果)を記憶する。
図11は、情報画像描画位置方向テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。情報画像描画位置方向テーブル1100は、情報画像描画位置欄1110、情報画像方向欄1120を有している。情報画像描画位置欄1110は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の位置を記憶する。情報画像方向欄1120は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の方向を記憶する。これらは、直前の検出結果である。
図12は、情報画像描画位置方向履歴テーブル1200のデータ構造例を示す説明図である。情報画像描画位置方向履歴テーブル1200は、情報画像描画位置欄1210、情報画像方向欄1220、情報画像描画位置欄1230、情報画像方向欄1240等を有している。情報画像描画位置欄1210、1230は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の位置を記憶する。情報画像方向欄1220、1240は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の方向を記憶する。これらは組となっており、過去の検出結果の履歴である。
【0034】
情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130と接続されている。情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置を取り出し、その位置に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する。ここで、「その位置に基づいて」とは、例えば、その位置を第1の位置に決定することを含む。その決定した第1の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
一連の原稿の画像を連続して取り込むような場合にあっては、情報画像も各画像内で同じ位置にある場合が多いので、このような場合に、無駄な領域を検出することなく、情報画像を検出するためである。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置を除いて、予め定められた順番で情報画像を検出するための第2の位置を決定する。例えば、予め定められた順番として、前述のように1→2→3→4とし、第1の位置(つまり、直前の原稿で情報画像を検出した位置)が3である場合は、その3の位置を除いた順番1→2→4で、第2の位置を決定する。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
【0035】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像の位置の他に情報画像の方向も決定するようにしてもよい。つまり、情報画像解析位置決定モジュール140は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における方向に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の方向を決定する。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置と第1の方向の組み合わせを除いて、予め定められた順番で情報画像を検出するための第2の位置と第2の方向の組み合わせを決定する。例えば、予め定められた順番として、前述のように1の上方向310→1の右方向320→1の下方向330→1の左方向340→2の上方向310→2の右方向320→2の下方向330→2の左方向340→3の上方向310→3の右方向320→3の下方向330→3の左方向340→4の上方向310→4の右方向320→4の下方向330→4の左方向340とし、第1の位置(つまり、直前の原稿で情報画像を検出した位置)が3で第1の方向が上方向である場合は、その3の上方向310を除いた順番で、第2の位置を決定する。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。また、予め定められた順番として、次のような規則にしたがった順番であってもよい。例えば、第1の位置を優先した順番としてもよく、前述の例では、3の右方向320→3の下方向330→3の左方向340→4の上方向310→4の右方向320→4の下方向330→4の左方向340→1の上方向310→1の右方向320→1の下方向330→1の左方向340→2の上方向310→2の右方向320→2の下方向330→2の左方向340となる。また、他の規則として、第1の方向を優先した順番としてもよく、前述の例では、1の上方向310→2の上方向310→4の上方向310→1の右方向320→2の右方向320→3の右方向320→4の右方向320→1の下方向330→2の下方向330→3の下方向330→4の下方向330→1の左方向340→2の左方向340→3の左方向340→4の左方向340となる。
【0036】
情報画像検出モジュール120は、画像受付モジュール110、情報画像検出状態記憶モジュール130、情報画像解析位置決定モジュール140、情報画像解析モジュール150と接続されている。情報画像検出モジュール120は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する。そして、第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された第2の位置で情報画像を検出する。検出できた場合は、その検出位置を情報画像検出状態情報として情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させる。
また、情報画像検出モジュール120は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された情報画像の位置と情報画像の方向に基づいて、情報画像を検出するようにしてもよい。そして、第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された第2の位置と第2の方向で情報画像を検出する。検出できた場合は、その検出位置と方向を情報画像検出状態情報として情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させる。
【0037】
情報画像解析モジュール150は、情報画像検出モジュール120、解析結果出力モジュール160と接続されている。情報画像解析モジュール150は、情報画像検出モジュール120によって検出された情報画像を解析する。つまり、情報画像をデコードしてその情報画像内に埋め込まれている電子データを取り出す。その解析結果である電子データを解析結果出力モジュール160に渡す。
【0038】
解析結果出力モジュール160は、情報画像解析モジュール150、解析結果記憶モジュール170と接続されている。解析結果出力モジュール160は、情報画像解析モジュール150による解析結果である情報を出力する。解析結果を出力するとは、例えば、文書データベース等の記憶装置へ書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。ここでは、解析結果記憶モジュール170に記憶させることを例示する。
解析結果記憶モジュール170は、解析結果出力モジュール160と接続されており、解析結果である電子データを対象としている画像と対応付けて記憶する。この後、他の情報処理装置が電子データの内容にしたがって、対応している画像を処理する。例えば、電子データの内容として、その画像の格納先が指示されている場合は、その画像をその格納先に記憶させるような処理を行う。
【0039】
なお、第1の実施の形態を例とした発明を以下のように把握してもよい。
画像を受け付ける受付手段と、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段を具備し、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置を除いて、予め定められた順番で情報画像を検出するための第2の位置を決定し、前記検出手段は、前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出することを特徴とする画像処理装置。
【0040】
図5は、第1の実施の形態による処理例(情報画像の方向は用いずに、情報画像の位置を用いる例)を示すフローチャートである。このフローチャートを図4に例示している処理例を用いて説明する。図4は、第1の実施の形態による処理例を示す説明図である。図4の例は、図2を用いて前述した例と同等であるが、画像データ400cを対象としている画像(nページ目の画像)とし、画像データ400bを直前に処理した画像(n−1ページ目の画像)として説明する。
【0041】
処理例の概略を説明する。
情報画像検出状態記憶モジュール130は、画像データ400b(n−1ページ目の画像)までの情報画像検出状態情報を記憶しておく。
情報画像検出モジュール120は、現在の処理対象である画像データ400c(nページ目の画像)のデコードに当たり、直前の画像データ400bの情報画像検出状態情報を参照して、情報画像が検出されていたら、検出された位置(図4の例では4(情報画像描画領域440b))に対応する位置(図4の例では4(情報画像描画領域440c))に対して1番目の検出処理を行う。
情報画像が検出できなかった場合、その位置(図4の例では(情報画像描画領域440c))を除いて、予め定められた順番で2番目以降の検出処理を行う。例えば、1→2→3(図4の例では、情報画像描画領域410c→情報画像描画領域420c→情報画像描画領域430c)の順番に検出処理を行う。
情報画像が検出できた場合、情報画像検出状態情報を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させ、情報画像解析モジュール150は情報画像をデコードし、次ページの画像データに処理を移す。
【0042】
ステップS502では、画像受付モジュール110は、画像データを取得する。
ステップS504では、情報画像検出モジュール120による制御によって、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130にアクセスして、直前の情報画像検出状態情報を取得できたか否かを判断し、取得できた場合(対象としている画像が2ページ目以降の場合)はステップS508へ進み、それ以外の場合(対象としている画像が1ページ目の場合)はステップS506へ進む。
ステップS506では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められた位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
ステップS508では、情報画像解析位置決定モジュール140が取得した情報画像検出位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
【0043】
ステップS510では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS518へ進み、それ以外の場合はステップS512へ進む。
ステップS512では、情報画像解析位置決定モジュール140が(検出処理した場所を除く)予め定められた位置を検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理する。
ステップS514では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS518へ進み、それ以外の場合はステップS516へ進む。
ステップS516では、情報画像検出モジュール120がその画像内の全ての位置で検出処理をしたか否かを判断し、全ての位置で検出処理した場合はステップS518へ進み、それ以外の場合はステップS512からの処理を行う。
【0044】
ステップS518では、情報画像解析モジュール150がデコード処理を行う。
ステップS520では、解析結果出力モジュール160がデコード結果(状態)を解析結果記憶モジュール170に記憶する。
ステップS522では、情報画像解析モジュール150が全ての画像データを解析したか否かを判断し、全ての画像データを解析した場合は処理を終了し(ステップS599)、それ以外の場合はステップS502からの処理を繰り返す。
【0045】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態のモジュール構成例は、図1に示す第1の実施の形態のモジュール構成と同等である。なお、前述の実施の形態と同等の作用、働きを有するモジュールについては重複した説明を省略する。
【0046】
情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130と接続されている。情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置を取り出し、その位置に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する。その決定した第1の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
【0047】
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。「第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置」とは、その画像の中心に対して対称の位置にあることをいい、具体的には、図6の画像データ600dの例を用いて説明すると、第1の位置が情報画像描画領域640dの場合は、情報画像描画領域620dである。原稿の上下が誤って設定された場合に対処するためである。
【0048】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合は、第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定するようにしてもよい。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。前述の情報画像解析位置決定モジュール140において、条件として「既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合」を追加させたものである。ここで、「既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合」とは、直前の画像から予め定められた数の画像に対して行った情報画像の検出結果である情報画像検出状態情報群(検出履歴)を参照して、その検出結果の情報画像の位置が異ならない場合(同じものが予め定められた割合(ここでの割合の分母は前述の予め定められた数であり、分子は情報画像の位置が同じものの数である)以上である場合、全て同じ場合を含む。以下、同様)をいう。
【0049】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を取り出し、その位置と方向に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置と第1の方向を決定する。その決定した第1の位置と第1の方向を情報画像検出モジュール120に渡す。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、その第1の方向とは逆の方向である第2の方向を、情報画像を検出する方向として決定する。また、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、その第1の方向をそのまま第2の方向として決定してもよい。また、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置をそのまま第2の位置として決定し、その第1の方向とは逆の方向である第2の方向を、情報画像を検出する方向として決定してもよい。そして、その決定した第2の位置と第2の方向を情報画像検出モジュール120に渡す。「第1の方向とは逆の方向」とは、その情報画像を180度回転した方向をいい、具体的には、図3の情報画像300の例を用いて説明すると、第1の方向が上方向310の場合は、下方向330である。上下を誤って設定された場合に対処するためである。
【0050】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合は、第2の位置と方向を、情報画像を検出する位置と方向として決定するようにしてもよい。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。前述の情報画像解析位置決定モジュール140において、条件として「既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合」を追加させたものである。ここで、「既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合」とは、直前の画像から予め定められた数の画像に対して行った情報画像の検出結果である情報画像検出状態情報群(検出履歴)を参照して、その検出結果の情報画像の位置と方向の組み合わせが異ならない場合をいう。
【0051】
図7は、第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートを図6に例示している処理例を用いて説明する。図6は、第2の実施の形態による処理例を示す説明図である。図6の例は、図2を用いて前述した例と同等であるが、画像データ600dを対象としている画像(nページ目の画像)とし、画像データ600cを直前に処理した画像(n−1ページ目の画像)として説明する。
【0052】
処理例の概略を説明する。
情報画像検出状態記憶モジュール130は、画像データ600c(n−1ページ目の画像)までの情報画像検出状態情報を記憶しておく。
情報画像検出モジュール120は、現在の処理対象である画像データ600d(nページ目の画像)のデコードに当たり、直前の画像データ600cの情報画像検出状態情報を参照して、情報画像が検出されていたら、検出された位置(図6の例では4(情報画像描画領域640c))に対応する位置(図6の例では4(情報画像描画領域640d))に対して1番目の検出処理を行う。
情報画像が検出できなかった場合、直前の画像データ600cから予め定められたページ数分の画像データ600bまで遡った検出履歴を参照し、情報画像の検出位置と方向を取り出す。
そして、取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上(例えば、全て)同じ場合に、1番目に解析した位置(図6の例では4(情報画像描画領域640d))に対して、画像データ600dの中心位置650と反対側に存在する位置(図6の例では2(情報画像描画領域620d))に対して2番目の検出処理を行う。
2番目の検出処理でも情報画像を検出できなかった場合は、1番目、2番目の位置を除いた予め定められた順番で3番目以降の解析を行う。例えば、図6の例では、1(情報画像描画領域610d)→3(情報画像描画領域630d)の順番とする。
取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上同じではない場合(例えば、1つでも異なる場合)に、1番目に解析した位置(図6の例では4(情報画像描画領域640d))を除いた予め定められた順番で2番目以降の検出処理を行う。例えば、図6の例では、1(情報画像描画領域610d)→2(情報画像描画領域620d)→3(情報画像描画領域630d)の順番とする。
いずれかの処理で情報画像が検出できた場合、情報画像検出状態情報を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させ、情報画像解析モジュール150は情報画像をデコードし、次ページの画像データに処理を移す。
【0053】
ステップS702では、画像受付モジュール110は、画像データを取得する。
ステップS704では、情報画像検出モジュール120による制御によって、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130にアクセスして、直前の情報画像検出状態情報を取得できたか否かを判断し、取得できた場合(対象としている画像が2ページ目以降の場合)はステップS708へ進み、それ以外の場合(対象としている画像が1ページ目の場合)はステップS706へ進む。
ステップS706では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められた位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
ステップS708では、情報画像解析位置決定モジュール140が取得した情報画像検出位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
【0054】
ステップS710では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS724へ進み、それ以外の場合はステップS712へ進む。
ステップS712では、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130を用いて、直前のページから予め定められたページ遡った検出履歴を参照し、情報画像の検出位置と情報画像の方向を読み出す。
ステップS714では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められたページ遡った検出履歴で、情報画像の検出位置と情報画像の方向が全て同じか否かを判断し、全て同じである場合はステップS718へ進み、それ以外の場合はステップS716へ進む。なお、全て同じか否かの判断ではなく、予め定められた割合以上であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0055】
ステップS716では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が2番目以降を検出処理する。
ステップS718では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置に対して、ページの中心と反対側に存在する位置を決定し、情報画像検出モジュール120がその位置を2番目に検出処理する。なお、その位置における情報画像の方向として、1番目に検出処理した方向の逆の方向を決定する。そして、情報画像検出モジュール120が、決定された位置と方向を用いて情報画像を検出する。
ステップS720では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS724へ進み、それ以外の場合はステップS722へ進む。
ステップS722では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目、2番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が3番目以降を検出処理する。
【0056】
ステップS724では、情報画像解析モジュール150がデコード処理を行う。
ステップS726では、解析結果出力モジュール160がデコード結果(状態)を解析結果記憶モジュール170に記憶する。
ステップS728では、情報画像解析モジュール150が全ての画像データを解析したか否かを判断し、全ての画像データを解析した場合は処理を終了し(ステップS799)、それ以外の場合はステップS702からの処理を繰り返す。
なお、ステップS706、ステップS708では、情報画像の位置と方向を用いて、情報画像を検出するようにしてもよい。
また、ステップS712、ステップS714、ステップS716の処理は省略してもよい。つまり、ステップS710でNoの場合は、ステップS718の処理へ移ってもよい。
また、図7に例示したフローチャートは、情報画像の位置と方向を対象とした処理を行っているが、情報画像の位置だけを対象とした処理を行うようにしてもよい。
【0057】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態のモジュール構成例は、図1に示す第1の実施の形態のモジュール構成と同等である。なお、前述の実施の形態と同等の作用、働きを有するモジュールについては重複した説明を省略する。
【0058】
情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130と接続されている。情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置を取り出し、その位置に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する。その決定した第1の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定するようにしてもよい。第2の実施の形態の情報画像解析位置決定モジュール140における処理に、条件として「直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合」を追加させたものである。ここで、「直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合」とは、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と直前に検出した情報画像の画像内における位置とを比較して、異なる場合をいう。典型的な例として、連続して画像を読み込み、そのうちに上下が逆になっている原稿が混入しており、その後の画像(つまり、上下が正常な状態である画像)を対象としている場合である。ここで、上下が逆になっている原稿の混入は、1枚であるとは限らないが、連続していない場合が多いと想定している。そして、その後の画像は、直前よりも前の画像と同じように上下が正常な状態であるので、直前よりも前の画像と同じ位置を検出するようにしているものである。
【0059】
情報画像解析位置決定モジュール140は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置とは反対側である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定するようにしてもよい。前述の典型的な例で示したように、1枚の原稿の上下が逆になっていることを判断に加えたものである。
【0060】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定するようにしてもよい。第2の実施の形態の情報画像解析位置決定モジュール140における処理に、条件として「直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合」を追加させたものである。ここで、「直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合」とは、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向の組み合わせと直前に検出した情報画像の画像内における位置と方向の組み合わせを比較して、異なる場合をいう。典型的な例として、連続して画像を読み込み、そのうちに上下が逆になっている原稿が混入しており、その後の画像(つまり、上下が正常な状態である画像)を対象としている場合である。ここで、上下が逆になっている原稿の混入は、1枚であるとは限らないが、連続していない場合が多いと想定している。そして、その後の画像は、直前よりも前の画像と同じように上下が正常な状態であるので、直前よりも前の画像と同じ位置を検出するようにしているものである。
【0061】
情報画像解析位置決定モジュール140は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合であって、直前に検出した情報画像の方向が直前よりも前に検出した情報画像の方向とは逆である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定するようにしてもよい。前述の典型的な例で示したように、1枚の上下が逆になっていることを判断に加えたものである。
【0062】
図9は、第3の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートを図8に例示している処理例を用いて説明する。図8は、第3の実施の形態による処理例を示す説明図である。図8の例は、図2を用いて前述した例と同等であるが、画像データ800dを対象としている画像(nページ目の画像)とし、画像データ800cを直前に処理した画像(n−1ページ目の画像)として説明する。
【0063】
処理例の概略を説明する。第2の実施の形態で説明した処理例の概略の後の処理である。したがって、第2の実施の形態で説明した処理例の部分は省略する。
取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上同じではない場合(例えば、1つでも異なる場合)であって、n−1ページだけ情報画像の検出位置又は情報画像の方向が異なる場合は、「n−1ページの情報画像の検出位置がn−2ページまでの情報画像の検出位置に対してページの中心と反対側」、かつ、「n−1ページの情報画像の方向がn−2ページまでの情報画像の方向に対して180°回転した方向」であった場合は、n−2ページまでの情報画像の検出位置(図8の例では4(情報画像描画領域840d)を2番目に解析する。
そして、情報画像が検出できなかった場合は、1番目、2番目を除いた予め定められた順番で3番目以降の検出処理を行う。例えば、図8の例では、1(情報画像描画領域810d)→3(情報画像描画領域830d)の順番とする。また、情報画像検出状態情報を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させ、情報画像解析モジュール150は情報画像をデコードし、次ページの画像データに処理を移す。
そして、取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上同じではない場合であって、n−1ページだけ情報画像の検出位置又は情報画像の方向が異なる場合は、「n−1ページの情報画像の検出位置がn−2ページまでの情報画像の検出位置に対してページの中心と反対側」、かつ、「n−1ページの情報画像の方向がn−2ページまでの情報画像の方向に対して180°回転した方向」に該当しない場合は、1番目に解析した位置(図8の例では2(情報画像描画領域820d))を除いた予め定められた順番で2番目以降の解析を行う。例えば、図8の例では、1(情報画像描画領域810d)→3(情報画像描画領域830d)→4(情報画像描画領域840d)の順番とする。
【0064】
ステップS902では、画像受付モジュール110は、画像データを取得する。
ステップS904では、情報画像検出モジュール120による制御によって、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130にアクセスして、直前の情報画像検出状態情報を取得できたか否かを判断し、取得できた場合(対象としている画像が2ページ目以降の場合)はステップS908へ進み、それ以外の場合(対象としている画像が1ページ目の場合)はステップS906へ進む。
ステップS906では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められた位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
ステップS908では、情報画像解析位置決定モジュール140が取得した情報画像検出位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
【0065】
ステップS910では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS934へ進み、それ以外の場合はステップS912へ進む。
ステップS912では、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130を用いて、直前のページから予め定められたページ遡った検出履歴を参照し、情報画像検出位置と情報画像方向を読み出す。
ステップS914では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められたページ遡った検出履歴で、情報画像検出位置と情報画像方向が全て同じか否かを判断し、全て同じである場合はステップS928へ進み、それ以外の場合はステップS916へ進む。
【0066】
ステップS916では、情報画像解析位置決定モジュール140がn−1ページだけ情報画像の検出位置又は情報画像の方向が異なるか否かを判断し、n−1ページだけ情報画像検出位置又は情報画像方向が異なる場合はステップS920へ進み、それ以外の場合はステップS918へ進む。
ステップS918では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が2番目以降を検出処理する。
ステップS920では、情報画像解析位置決定モジュール140が「n−1ページの情報画像検出位置がn−2ページまでの情報画像検出位置に対してページの中心と反対側」、かつ、「n−1ページの情報画像方向がn−2ページまでの情報画像方向に対して180°回転した向き」であるか否かを判断し、その通りであればステップS922へ進み、それ以外の場合はステップS918へ進む。
【0067】
ステップS922では、情報画像解析位置決定モジュール140がn−2までの情報画像検出位置を2番目に検出すべき位置として決定し、情報画像検出モジュール120が検出処理を行う。
ステップS924では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS934へ進み、それ以外の場合はステップS926へ進む。
ステップS926では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目、2番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が3番目以降を検出処理する。
【0068】
ステップS928では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置に対して、ページの中心と反対側に存在する位置を2番目に検出すべき位置として決定し、情報画像検出モジュール120が検出処理を行う。
ステップS930では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS934へ進み、それ以外の場合はステップS932へ進む。
ステップS932では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目、2番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で3番目以降検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が検出処理する。
【0069】
ステップS934では、情報画像解析モジュール150がデコード処理を行う。
ステップS936では、解析結果出力モジュール160がデコード結果(状態)を解析結果記憶モジュール170に記憶する。
ステップS938では、情報画像解析モジュール150が全ての画像データを解析したか否かを判断し、全ての画像データを解析した場合は処理を終了し(ステップS999)、それ以外の場合はステップS902からの処理を繰り返す。
なお、ステップS906、ステップS908では、情報画像の位置と方向を用いて、情報画像を検出するようにしてもよい。
また、ステップS920の処理は省略してもよい。つまり、ステップS916でYesの場合は、ステップS922の処理へ移ってもよい。
また、図9に例示したフローチャートは、情報画像の位置と方向を対象とした処理を行っているが、情報画像の位置だけを対象とした処理を行うようにしてもよい。
【0070】
図13を参照して、本実施の形態の画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。図13に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1317と、プリンタなどのデータ出力部1318を備えたハードウェア構成例を示している。
【0071】
CPU(Central Processing Unit)1301は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、情報画像検出モジュール120、情報画像解析位置決定モジュール140、情報画像解析モジュール150、解析結果出力モジュール160等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0072】
ROM(Read Only Memory)1302は、CPU1301が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1303は、CPU1301の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス1304により相互に接続されている。
【0073】
ホストバス1304は、ブリッジ1305を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス1306に接続されている。
【0074】
キーボード1308、マウス等のポインティングデバイス1309は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ1310は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0075】
HDD(Hard Disk Drive)1311は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1301によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、受け付けた画像、情報画像の検出状態、解析結果の情報などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0076】
ドライブ1312は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1313に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1307、外部バス1306、ブリッジ1305、及びホストバス1304を介して接続されているRAM1303に供給する。リムーバブル記録媒体1313も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0077】
接続ポート1314は、外部接続機器1315を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1314は、インタフェース1307、及び外部バス1306、ブリッジ1305、ホストバス1304等を介してCPU1301等に接続されている。通信部1316は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1317は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1318は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0078】
なお、図13に示す画像処理装置のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図13に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図13に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機などに組み込まれていてもよい。
【0079】
また、前述の実施の形態の説明において、予め定められた値との比較において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
【0080】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0081】
110…画像受付モジュール
120…情報画像検出モジュール
130…情報画像検出状態記憶モジュール
140…情報画像解析位置決定モジュール
150…情報画像解析モジュール
160…解析結果出力モジュール
170…解析結果記憶モジュール
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報画像を検出する技術がある。
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、データ・マトリックス・シンボルのような機械読み取り可能なシンボルを探し出し、デコードするための方法及び装置を提供することを課題とし、シンボルのイメージを蓄積することによって開始し、シンボルのためのファインダーパターンのクワイエットゾーンと実線の境界間のエッジ点を探し出し、そこから、第1と第2の実線の境界の少なくとも部分、好ましくはそれらの間の実線のコーナーを探し出し、その後、実線の境界の自由端から延びる点線の境界の少なくとも部分を探し出し、シンボルのためのファインダーパターンの実線及び点線の境界を探し出した後に、シンボルの周辺と翻訳を決定し、シンボルのイメージをデコードするために、適切なデコードルーチンを適用することが開示されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、処理時間を短くして迅速なバーコード領域の検出を行い、またバーコード以外の印刷等による画像ノイズを除去して高精度なバーコード検出を行うことを課題とし、2次元画像データに対して横方向に画素濃度を投影した画素濃度投影値分布から最大極大値を検出し、この最大極大値に隣り合う極小値又は最小値に基づく範囲をバーコード領域の高さ方向範囲と判断し、そして、判断したバーコード領域の高さ方向範囲において画素濃度を縦方向に投影して画素濃度投影値分布を得、この投影値から極大値を検出し、隣り合う極大値の間隔が一定の比率範囲にある所定数以上の連続した極大値の部分を検出し、そして検出した部分の最初と最後の極大値の中心座標がバーコードの両端のバーの幅方向の中心座標となり、これにより、バーコード領域の幅方向範囲を判断し、この幅方向範囲と高さ方向範囲によりバーコード領域を検出することが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献3には、原稿の画像を読み取る原稿画像読取り手段と、原稿に記載の情報コードを認識するコードリーダーを備えた画像読取装置において、情報コード読み取りエラーを低減・防止すること、コードリーダーを画像読取装置本体内に配設することを可能にして画像読取装置外に配設することによるコストアップや放射電波などの問題をなくすことを目的とし、原稿画像読取開始時、初めの原稿は原稿画像読取り手段により原稿上の情報コードの記載位置を認識させ、認識された情報コード記載位置に対応する位置にコードリーダーを自動的に移動させる手段を有していることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−063772号公報
【特許文献2】特開平11−184959号公報
【特許文献3】特開平08−153150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、それぞれの画像内に情報画像が描画され得る領域が複数ある場合であって、その複数の画像を読み取って、情報画像を解析する場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像がない領域であるにもかかわらず情報画像を検出する処理を減少させ得るようにした画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、画像を受け付ける受付手段と、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段を具備し、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、前記検出手段は、前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における方向に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の方向を決定し、前記検出手段は、前記決定手段によって決定された情報画像の位置と情報画像の方向に基づいて、情報画像を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合は、前記第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合は、前記第2の位置と方向を、情報画像を検出する位置と方向として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定することを特徴とする請求項1又は3に記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項6の発明は、前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項7の発明は、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定することを特徴とする請求項2又は4に記載の画像処理装置である。
【0014】
請求項8の発明は、前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合であって、直前に検出した情報画像の方向が直前よりも前に検出した情報画像の方向とは逆である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項9の発明は、コンピュータを、画像を受け付ける受付手段と、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段として機能させ、前記決定手段を前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する手段、前記検出手段を前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出する手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の画像処理装置によれば、それぞれの画像内に情報画像が描画され得る領域が複数ある場合であって、その複数の画像を読み取って、情報画像を解析する場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像がない領域であるにもかかわらず情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0017】
請求項2の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0018】
請求項3の画像処理装置によれば、上下を誤って設定された原稿の画像を読み込んだ場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0019】
請求項4の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0020】
請求項5の画像処理装置によれば、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0021】
請求項6の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合であることを精度よく判定し、情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0022】
請求項7の画像処理装置によれば、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像を検出する処理と情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0023】
請求項8の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、上下を誤って設定された原稿の次の原稿であって、上下を誤って設定された場合の原稿の画像を読み込んだ場合であることを精度よく判定し、情報画像を検出する処理と情報画像の方向を検出する処理を減少させ得ることができる。
【0024】
請求項9の画像処理プログラムによれば、それぞれの画像内に情報画像が描画され得る領域が複数ある場合であって、その複数の画像を読み取って、情報画像を解析する場合に、本構成を有していない場合に比較して、情報画像がない領域であるにもかかわらず情報画像を検出する処理を減少させ得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】画像受付モジュールが受け付ける画像の例を示す説明図である。
【図3】情報画像の例を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態による処理例を示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態による処理例を示す説明図である。
【図7】第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態による処理例を示す説明図である。
【図9】第3の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図10】情報画像描画位置テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図11】情報画像描画位置方向テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図12】情報画像描画位置方向履歴テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図13】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な各種の実施の形態の例を説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0027】
本実施の形態である画像処理装置は、情報画像を検出するものであって、図1の例に示すように、画像受付モジュール110、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130、情報画像解析位置決定モジュール140、情報画像解析モジュール150、解析結果出力モジュール160、解析結果記憶モジュール170を有している。
ここで、情報画像とは、機械可読な態様で電子データを表すために体系的に作られた画像コードをいい、具体的には、1次元バーコード、2次元コード等がある。特に、最近は、2次元コードとして、QRコード(Quick Response code、登録商標)が用いられており、本実施の形態においてもこのQRコードを例示する。
【0028】
画像受付モジュール110は、情報画像検出モジュール120と接続されており、画像を受け付けて、その画像を情報画像検出モジュール120へ渡す。画像を受け付けるとは、例えば、スキャナ、カメラ等で画像を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、2値画像、多値画像(カラー画像を含む)であってもよい。受け付ける画像は、複数枚の画像である。また、画像の内容として、情報画像が描画されていればよく、例えばビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。ただし、受け付けた全ての画像に情報画像が含まれている必要はなく、情報画像がない画像が含まれていてもよい。
また、一連の原稿の画像を連続して取り込むようにしてもよい。例えば、画像読取装置(スキャナ、ファックス、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等を含む)に取り付けられた自動原稿送り装置(ADF(Auto Document Feeder)、オートシートフィーダー、オートフィーダーともいわれる)によって画像を読み込むようにしてもよい。また、受け付ける画像のサイズは、一般的には同じになる可能性が高いが、その必要はない。一連の原稿としては、例えば、主に、情報画像が各原稿の予め定められた同じ位置に描画されたものである。ただし、必ずしも全ての原稿の同じ位置に情報画像が描画されている必要はなく、また、利用者による準備で、上下が誤って設定された原稿が混入していてもよい。
【0029】
図2は、画像受付モジュール110が受け付ける画像の例を示す説明図である。
例えば、自動原稿送り装置にnページの原稿が設定されたとする。そして、情報画像が描画され得る領域が複数(この場合は4つ)あり、そのうちの1つに情報画像が描画されているとする。例えば、画像データ200aには、情報画像描画領域210a、情報画像描画領域220a、情報画像描画領域230a、情報画像描画領域240aがあり、情報画像描画領域240aに情報画像が描画されている。そして、画像データ200b、画像データ200cも同等である。例えば、このように複数の領域を予め定められた順番、例えば、図2に例示するように1→2→3→4(画像データ200aで示せば、情報画像描画領域210a→情報画像描画領域220a→情報画像描画領域230a→情報画像描画領域240a)で検出するようにすると、情報画像は4の位置(画像データ200aで示せば情報画像描画領域240aの位置)に描画されているのであるので、毎回情報画像がない領域1、2、3の位置(画像データ200aで示せば情報画像描画領域210a、情報画像描画領域220a、情報画像描画領域230aの位置)を処理してしまうことになる。また、自動原稿送り装置に設定されるような複数の原稿からなる原稿群は、同じ位置に情報画像が描画されている場合が多い。
そこで、この第1の実施の形態では、直前の情報画像の位置を用いて情報画像を検出しようとするものである。
【0030】
情報画像検出状態記憶モジュール130は、情報画像検出モジュール120、情報画像解析位置決定モジュール140と接続されている。情報画像検出状態記憶モジュール130は、少なくとも直前に検出した情報画像の画像内における位置を記憶している。これは、情報画像検出モジュール120が画像内から情報画像を検出した場合に、その検出した位置を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させる。なお、情報画像検出状態記憶モジュール130が記憶している情報を、以下、情報画像検出状態情報ともいう。また、位置以外に他の情報を情報画像検出状態情報として記憶するようにしてもよい。例えば、情報画像検出モジュール120が情報画像の位置と情報画像の方向を検出し、それを情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させるようにしてもよい。また、直前に検出した情報画像検出状態情報のみならず、直前以前の情報画像検出状態情報を記憶していてもよい。いわゆる検出履歴である。
「直前に」とは、受付手段によって受け付けられた画像のうち、対象としている画像の直前に受け付けられた画像である。例えば、対象としている画像が5ページ目の画像であるとすると、直前に検出した画像とは4ページ目の画像となる。
そして、情報画像検出状態記憶モジュール130は、記憶している情報画像検出状態情報を情報画像解析位置決定モジュール140からのアクセスによって、情報画像解析位置決定モジュール140に渡す。
【0031】
記憶している情報画像の位置について説明する。
画像内にある情報画像を解析するために、まず情報画像がどこにあるかを検出することが必要である。記憶している情報画像の位置は、既に検出が行われた情報画像の位置(又は領域)のことをいう。例えば、画像の左上を原点とし、右方向をX座標、下方向をY座標とした座標系における座標であってもよいし、画像内の領域の位置(具体的には、右上、右下、左下、左上等)を示す符号であってもよいし、前に検出した情報画像との位置の差分(例えば、前に検出した情報画像と同じ位置にあるのであれば0となる)であってもよい。以下は、画像内の領域の位置(具体的には、右上、右下、左下、左上等)を示す符号を用いて説明する。なお、この領域は、例えば、画像を4等分した場合の領域であってもよいし、画像の4つの角から予め定められた大きさの矩形領域としてもよい。また、領域の数は6個、8個であってもよいし、その形状は矩形に限られない。
【0032】
記憶している情報画像の方向について説明する。
画像内にある情報画像を解析するために、情報画像の向きを検出することが必要である。図3に例示するように、情報画像300には、上方向310、右方向320、下方向330、左方向340がある。例えば、画像の上方向と一致している情報画像300の方向を情報画像検出モジュール120が検出し、情報画像検出状態記憶モジュール130が記憶する。情報画像解析モジュール150は、この方向を用いて情報画像を解析(デコード)して、その情報画像内に埋め込まれている電子データを取り出す。もちろんのことながら、この方向の定義は便宜的なものであり、これに限る必要はなく、情報画像の解析方法に合わせるようにしてもよい。
【0033】
情報画像検出状態記憶モジュール130が記憶する情報画像検出状態情報のデータ構造を説明する。例えば、情報画像描画位置テーブル1000、情報画像描画位置方向テーブル1100又は情報画像描画位置方向履歴テーブル1200のいずれかを記憶する。なお、第1の実施の形態では、情報画像描画位置テーブル1000又は情報画像描画位置方向テーブル1100のいずれかでよく、第2の実施の形態、第3の実施の形態では、情報画像描画位置方向履歴テーブル1200を記憶する。なお、情報画像描画位置方向履歴テーブル1200の替わりに、情報画像の位置だけを記憶するテーブル(情報画像の方向を不要としたテーブル)であってもよい。
図10は、情報画像描画位置テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。情報画像描画位置テーブル1000は、情報画像描画位置欄1010を有している。情報画像描画位置欄1010は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の位置であって、直前の検出結果(つまり、最新の検出結果)を記憶する。
図11は、情報画像描画位置方向テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。情報画像描画位置方向テーブル1100は、情報画像描画位置欄1110、情報画像方向欄1120を有している。情報画像描画位置欄1110は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の位置を記憶する。情報画像方向欄1120は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の方向を記憶する。これらは、直前の検出結果である。
図12は、情報画像描画位置方向履歴テーブル1200のデータ構造例を示す説明図である。情報画像描画位置方向履歴テーブル1200は、情報画像描画位置欄1210、情報画像方向欄1220、情報画像描画位置欄1230、情報画像方向欄1240等を有している。情報画像描画位置欄1210、1230は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の位置を記憶する。情報画像方向欄1220、1240は、情報画像検出モジュール120が検出した情報画像の方向を記憶する。これらは組となっており、過去の検出結果の履歴である。
【0034】
情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130と接続されている。情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置を取り出し、その位置に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する。ここで、「その位置に基づいて」とは、例えば、その位置を第1の位置に決定することを含む。その決定した第1の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
一連の原稿の画像を連続して取り込むような場合にあっては、情報画像も各画像内で同じ位置にある場合が多いので、このような場合に、無駄な領域を検出することなく、情報画像を検出するためである。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置を除いて、予め定められた順番で情報画像を検出するための第2の位置を決定する。例えば、予め定められた順番として、前述のように1→2→3→4とし、第1の位置(つまり、直前の原稿で情報画像を検出した位置)が3である場合は、その3の位置を除いた順番1→2→4で、第2の位置を決定する。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
【0035】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像の位置の他に情報画像の方向も決定するようにしてもよい。つまり、情報画像解析位置決定モジュール140は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における方向に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の方向を決定する。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置と第1の方向の組み合わせを除いて、予め定められた順番で情報画像を検出するための第2の位置と第2の方向の組み合わせを決定する。例えば、予め定められた順番として、前述のように1の上方向310→1の右方向320→1の下方向330→1の左方向340→2の上方向310→2の右方向320→2の下方向330→2の左方向340→3の上方向310→3の右方向320→3の下方向330→3の左方向340→4の上方向310→4の右方向320→4の下方向330→4の左方向340とし、第1の位置(つまり、直前の原稿で情報画像を検出した位置)が3で第1の方向が上方向である場合は、その3の上方向310を除いた順番で、第2の位置を決定する。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。また、予め定められた順番として、次のような規則にしたがった順番であってもよい。例えば、第1の位置を優先した順番としてもよく、前述の例では、3の右方向320→3の下方向330→3の左方向340→4の上方向310→4の右方向320→4の下方向330→4の左方向340→1の上方向310→1の右方向320→1の下方向330→1の左方向340→2の上方向310→2の右方向320→2の下方向330→2の左方向340となる。また、他の規則として、第1の方向を優先した順番としてもよく、前述の例では、1の上方向310→2の上方向310→4の上方向310→1の右方向320→2の右方向320→3の右方向320→4の右方向320→1の下方向330→2の下方向330→3の下方向330→4の下方向330→1の左方向340→2の左方向340→3の左方向340→4の左方向340となる。
【0036】
情報画像検出モジュール120は、画像受付モジュール110、情報画像検出状態記憶モジュール130、情報画像解析位置決定モジュール140、情報画像解析モジュール150と接続されている。情報画像検出モジュール120は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する。そして、第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された第2の位置で情報画像を検出する。検出できた場合は、その検出位置を情報画像検出状態情報として情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させる。
また、情報画像検出モジュール120は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された情報画像の位置と情報画像の方向に基づいて、情報画像を検出するようにしてもよい。そして、第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、情報画像解析位置決定モジュール140によって決定された第2の位置と第2の方向で情報画像を検出する。検出できた場合は、その検出位置と方向を情報画像検出状態情報として情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させる。
【0037】
情報画像解析モジュール150は、情報画像検出モジュール120、解析結果出力モジュール160と接続されている。情報画像解析モジュール150は、情報画像検出モジュール120によって検出された情報画像を解析する。つまり、情報画像をデコードしてその情報画像内に埋め込まれている電子データを取り出す。その解析結果である電子データを解析結果出力モジュール160に渡す。
【0038】
解析結果出力モジュール160は、情報画像解析モジュール150、解析結果記憶モジュール170と接続されている。解析結果出力モジュール160は、情報画像解析モジュール150による解析結果である情報を出力する。解析結果を出力するとは、例えば、文書データベース等の記憶装置へ書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。ここでは、解析結果記憶モジュール170に記憶させることを例示する。
解析結果記憶モジュール170は、解析結果出力モジュール160と接続されており、解析結果である電子データを対象としている画像と対応付けて記憶する。この後、他の情報処理装置が電子データの内容にしたがって、対応している画像を処理する。例えば、電子データの内容として、その画像の格納先が指示されている場合は、その画像をその格納先に記憶させるような処理を行う。
【0039】
なお、第1の実施の形態を例とした発明を以下のように把握してもよい。
画像を受け付ける受付手段と、直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段を具備し、前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置を除いて、予め定められた順番で情報画像を検出するための第2の位置を決定し、前記検出手段は、前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出することを特徴とする画像処理装置。
【0040】
図5は、第1の実施の形態による処理例(情報画像の方向は用いずに、情報画像の位置を用いる例)を示すフローチャートである。このフローチャートを図4に例示している処理例を用いて説明する。図4は、第1の実施の形態による処理例を示す説明図である。図4の例は、図2を用いて前述した例と同等であるが、画像データ400cを対象としている画像(nページ目の画像)とし、画像データ400bを直前に処理した画像(n−1ページ目の画像)として説明する。
【0041】
処理例の概略を説明する。
情報画像検出状態記憶モジュール130は、画像データ400b(n−1ページ目の画像)までの情報画像検出状態情報を記憶しておく。
情報画像検出モジュール120は、現在の処理対象である画像データ400c(nページ目の画像)のデコードに当たり、直前の画像データ400bの情報画像検出状態情報を参照して、情報画像が検出されていたら、検出された位置(図4の例では4(情報画像描画領域440b))に対応する位置(図4の例では4(情報画像描画領域440c))に対して1番目の検出処理を行う。
情報画像が検出できなかった場合、その位置(図4の例では(情報画像描画領域440c))を除いて、予め定められた順番で2番目以降の検出処理を行う。例えば、1→2→3(図4の例では、情報画像描画領域410c→情報画像描画領域420c→情報画像描画領域430c)の順番に検出処理を行う。
情報画像が検出できた場合、情報画像検出状態情報を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させ、情報画像解析モジュール150は情報画像をデコードし、次ページの画像データに処理を移す。
【0042】
ステップS502では、画像受付モジュール110は、画像データを取得する。
ステップS504では、情報画像検出モジュール120による制御によって、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130にアクセスして、直前の情報画像検出状態情報を取得できたか否かを判断し、取得できた場合(対象としている画像が2ページ目以降の場合)はステップS508へ進み、それ以外の場合(対象としている画像が1ページ目の場合)はステップS506へ進む。
ステップS506では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められた位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
ステップS508では、情報画像解析位置決定モジュール140が取得した情報画像検出位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
【0043】
ステップS510では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS518へ進み、それ以外の場合はステップS512へ進む。
ステップS512では、情報画像解析位置決定モジュール140が(検出処理した場所を除く)予め定められた位置を検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理する。
ステップS514では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS518へ進み、それ以外の場合はステップS516へ進む。
ステップS516では、情報画像検出モジュール120がその画像内の全ての位置で検出処理をしたか否かを判断し、全ての位置で検出処理した場合はステップS518へ進み、それ以外の場合はステップS512からの処理を行う。
【0044】
ステップS518では、情報画像解析モジュール150がデコード処理を行う。
ステップS520では、解析結果出力モジュール160がデコード結果(状態)を解析結果記憶モジュール170に記憶する。
ステップS522では、情報画像解析モジュール150が全ての画像データを解析したか否かを判断し、全ての画像データを解析した場合は処理を終了し(ステップS599)、それ以外の場合はステップS502からの処理を繰り返す。
【0045】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態のモジュール構成例は、図1に示す第1の実施の形態のモジュール構成と同等である。なお、前述の実施の形態と同等の作用、働きを有するモジュールについては重複した説明を省略する。
【0046】
情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130と接続されている。情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置を取り出し、その位置に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する。その決定した第1の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
【0047】
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。「第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置」とは、その画像の中心に対して対称の位置にあることをいい、具体的には、図6の画像データ600dの例を用いて説明すると、第1の位置が情報画像描画領域640dの場合は、情報画像描画領域620dである。原稿の上下が誤って設定された場合に対処するためである。
【0048】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合は、第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定するようにしてもよい。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。前述の情報画像解析位置決定モジュール140において、条件として「既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合」を追加させたものである。ここで、「既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合」とは、直前の画像から予め定められた数の画像に対して行った情報画像の検出結果である情報画像検出状態情報群(検出履歴)を参照して、その検出結果の情報画像の位置が異ならない場合(同じものが予め定められた割合(ここでの割合の分母は前述の予め定められた数であり、分子は情報画像の位置が同じものの数である)以上である場合、全て同じ場合を含む。以下、同様)をいう。
【0049】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を取り出し、その位置と方向に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置と第1の方向を決定する。その決定した第1の位置と第1の方向を情報画像検出モジュール120に渡す。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、その第1の方向とは逆の方向である第2の方向を、情報画像を検出する方向として決定する。また、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置とは対象としている画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、その第1の方向をそのまま第2の方向として決定してもよい。また、情報画像検出モジュール120が第1の位置と第1の方向で情報画像を検出できなかった場合は、その第1の位置をそのまま第2の位置として決定し、その第1の方向とは逆の方向である第2の方向を、情報画像を検出する方向として決定してもよい。そして、その決定した第2の位置と第2の方向を情報画像検出モジュール120に渡す。「第1の方向とは逆の方向」とは、その情報画像を180度回転した方向をいい、具体的には、図3の情報画像300の例を用いて説明すると、第1の方向が上方向310の場合は、下方向330である。上下を誤って設定された場合に対処するためである。
【0050】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合は、第2の位置と方向を、情報画像を検出する位置と方向として決定するようにしてもよい。そして、その決定した第2の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。前述の情報画像解析位置決定モジュール140において、条件として「既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合」を追加させたものである。ここで、「既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合」とは、直前の画像から予め定められた数の画像に対して行った情報画像の検出結果である情報画像検出状態情報群(検出履歴)を参照して、その検出結果の情報画像の位置と方向の組み合わせが異ならない場合をいう。
【0051】
図7は、第2の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートを図6に例示している処理例を用いて説明する。図6は、第2の実施の形態による処理例を示す説明図である。図6の例は、図2を用いて前述した例と同等であるが、画像データ600dを対象としている画像(nページ目の画像)とし、画像データ600cを直前に処理した画像(n−1ページ目の画像)として説明する。
【0052】
処理例の概略を説明する。
情報画像検出状態記憶モジュール130は、画像データ600c(n−1ページ目の画像)までの情報画像検出状態情報を記憶しておく。
情報画像検出モジュール120は、現在の処理対象である画像データ600d(nページ目の画像)のデコードに当たり、直前の画像データ600cの情報画像検出状態情報を参照して、情報画像が検出されていたら、検出された位置(図6の例では4(情報画像描画領域640c))に対応する位置(図6の例では4(情報画像描画領域640d))に対して1番目の検出処理を行う。
情報画像が検出できなかった場合、直前の画像データ600cから予め定められたページ数分の画像データ600bまで遡った検出履歴を参照し、情報画像の検出位置と方向を取り出す。
そして、取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上(例えば、全て)同じ場合に、1番目に解析した位置(図6の例では4(情報画像描画領域640d))に対して、画像データ600dの中心位置650と反対側に存在する位置(図6の例では2(情報画像描画領域620d))に対して2番目の検出処理を行う。
2番目の検出処理でも情報画像を検出できなかった場合は、1番目、2番目の位置を除いた予め定められた順番で3番目以降の解析を行う。例えば、図6の例では、1(情報画像描画領域610d)→3(情報画像描画領域630d)の順番とする。
取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上同じではない場合(例えば、1つでも異なる場合)に、1番目に解析した位置(図6の例では4(情報画像描画領域640d))を除いた予め定められた順番で2番目以降の検出処理を行う。例えば、図6の例では、1(情報画像描画領域610d)→2(情報画像描画領域620d)→3(情報画像描画領域630d)の順番とする。
いずれかの処理で情報画像が検出できた場合、情報画像検出状態情報を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させ、情報画像解析モジュール150は情報画像をデコードし、次ページの画像データに処理を移す。
【0053】
ステップS702では、画像受付モジュール110は、画像データを取得する。
ステップS704では、情報画像検出モジュール120による制御によって、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130にアクセスして、直前の情報画像検出状態情報を取得できたか否かを判断し、取得できた場合(対象としている画像が2ページ目以降の場合)はステップS708へ進み、それ以外の場合(対象としている画像が1ページ目の場合)はステップS706へ進む。
ステップS706では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められた位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
ステップS708では、情報画像解析位置決定モジュール140が取得した情報画像検出位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
【0054】
ステップS710では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS724へ進み、それ以外の場合はステップS712へ進む。
ステップS712では、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130を用いて、直前のページから予め定められたページ遡った検出履歴を参照し、情報画像の検出位置と情報画像の方向を読み出す。
ステップS714では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められたページ遡った検出履歴で、情報画像の検出位置と情報画像の方向が全て同じか否かを判断し、全て同じである場合はステップS718へ進み、それ以外の場合はステップS716へ進む。なお、全て同じか否かの判断ではなく、予め定められた割合以上であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0055】
ステップS716では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が2番目以降を検出処理する。
ステップS718では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置に対して、ページの中心と反対側に存在する位置を決定し、情報画像検出モジュール120がその位置を2番目に検出処理する。なお、その位置における情報画像の方向として、1番目に検出処理した方向の逆の方向を決定する。そして、情報画像検出モジュール120が、決定された位置と方向を用いて情報画像を検出する。
ステップS720では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS724へ進み、それ以外の場合はステップS722へ進む。
ステップS722では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目、2番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が3番目以降を検出処理する。
【0056】
ステップS724では、情報画像解析モジュール150がデコード処理を行う。
ステップS726では、解析結果出力モジュール160がデコード結果(状態)を解析結果記憶モジュール170に記憶する。
ステップS728では、情報画像解析モジュール150が全ての画像データを解析したか否かを判断し、全ての画像データを解析した場合は処理を終了し(ステップS799)、それ以外の場合はステップS702からの処理を繰り返す。
なお、ステップS706、ステップS708では、情報画像の位置と方向を用いて、情報画像を検出するようにしてもよい。
また、ステップS712、ステップS714、ステップS716の処理は省略してもよい。つまり、ステップS710でNoの場合は、ステップS718の処理へ移ってもよい。
また、図7に例示したフローチャートは、情報画像の位置と方向を対象とした処理を行っているが、情報画像の位置だけを対象とした処理を行うようにしてもよい。
【0057】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態のモジュール構成例は、図1に示す第1の実施の形態のモジュール構成と同等である。なお、前述の実施の形態と同等の作用、働きを有するモジュールについては重複した説明を省略する。
【0058】
情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120、情報画像検出状態記憶モジュール130と接続されている。情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120から制御され、情報画像検出状態記憶モジュール130から直前に検出した情報画像の画像内における位置を取り出し、その位置に基づいて、画像受付モジュール110によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する。その決定した第1の位置を情報画像検出モジュール120に渡す。
そして、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定するようにしてもよい。第2の実施の形態の情報画像解析位置決定モジュール140における処理に、条件として「直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合」を追加させたものである。ここで、「直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合」とは、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と直前に検出した情報画像の画像内における位置とを比較して、異なる場合をいう。典型的な例として、連続して画像を読み込み、そのうちに上下が逆になっている原稿が混入しており、その後の画像(つまり、上下が正常な状態である画像)を対象としている場合である。ここで、上下が逆になっている原稿の混入は、1枚であるとは限らないが、連続していない場合が多いと想定している。そして、その後の画像は、直前よりも前の画像と同じように上下が正常な状態であるので、直前よりも前の画像と同じ位置を検出するようにしているものである。
【0059】
情報画像解析位置決定モジュール140は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置とは反対側である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定するようにしてもよい。前述の典型的な例で示したように、1枚の原稿の上下が逆になっていることを判断に加えたものである。
【0060】
また、情報画像解析位置決定モジュール140は、情報画像検出モジュール120が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定するようにしてもよい。第2の実施の形態の情報画像解析位置決定モジュール140における処理に、条件として「直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合」を追加させたものである。ここで、「直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合」とは、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向の組み合わせと直前に検出した情報画像の画像内における位置と方向の組み合わせを比較して、異なる場合をいう。典型的な例として、連続して画像を読み込み、そのうちに上下が逆になっている原稿が混入しており、その後の画像(つまり、上下が正常な状態である画像)を対象としている場合である。ここで、上下が逆になっている原稿の混入は、1枚であるとは限らないが、連続していない場合が多いと想定している。そして、その後の画像は、直前よりも前の画像と同じように上下が正常な状態であるので、直前よりも前の画像と同じ位置を検出するようにしているものである。
【0061】
情報画像解析位置決定モジュール140は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合であって、直前に検出した情報画像の方向が直前よりも前に検出した情報画像の方向とは逆である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定するようにしてもよい。前述の典型的な例で示したように、1枚の上下が逆になっていることを判断に加えたものである。
【0062】
図9は、第3の実施の形態による処理例を示すフローチャートである。このフローチャートを図8に例示している処理例を用いて説明する。図8は、第3の実施の形態による処理例を示す説明図である。図8の例は、図2を用いて前述した例と同等であるが、画像データ800dを対象としている画像(nページ目の画像)とし、画像データ800cを直前に処理した画像(n−1ページ目の画像)として説明する。
【0063】
処理例の概略を説明する。第2の実施の形態で説明した処理例の概略の後の処理である。したがって、第2の実施の形態で説明した処理例の部分は省略する。
取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上同じではない場合(例えば、1つでも異なる場合)であって、n−1ページだけ情報画像の検出位置又は情報画像の方向が異なる場合は、「n−1ページの情報画像の検出位置がn−2ページまでの情報画像の検出位置に対してページの中心と反対側」、かつ、「n−1ページの情報画像の方向がn−2ページまでの情報画像の方向に対して180°回転した方向」であった場合は、n−2ページまでの情報画像の検出位置(図8の例では4(情報画像描画領域840d)を2番目に解析する。
そして、情報画像が検出できなかった場合は、1番目、2番目を除いた予め定められた順番で3番目以降の検出処理を行う。例えば、図8の例では、1(情報画像描画領域810d)→3(情報画像描画領域830d)の順番とする。また、情報画像検出状態情報を情報画像検出状態記憶モジュール130に記憶させ、情報画像解析モジュール150は情報画像をデコードし、次ページの画像データに処理を移す。
そして、取り出した情報画像の検出位置と方向が予め定められた割合以上同じではない場合であって、n−1ページだけ情報画像の検出位置又は情報画像の方向が異なる場合は、「n−1ページの情報画像の検出位置がn−2ページまでの情報画像の検出位置に対してページの中心と反対側」、かつ、「n−1ページの情報画像の方向がn−2ページまでの情報画像の方向に対して180°回転した方向」に該当しない場合は、1番目に解析した位置(図8の例では2(情報画像描画領域820d))を除いた予め定められた順番で2番目以降の解析を行う。例えば、図8の例では、1(情報画像描画領域810d)→3(情報画像描画領域830d)→4(情報画像描画領域840d)の順番とする。
【0064】
ステップS902では、画像受付モジュール110は、画像データを取得する。
ステップS904では、情報画像検出モジュール120による制御によって、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130にアクセスして、直前の情報画像検出状態情報を取得できたか否かを判断し、取得できた場合(対象としている画像が2ページ目以降の場合)はステップS908へ進み、それ以外の場合(対象としている画像が1ページ目の場合)はステップS906へ進む。
ステップS906では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められた位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
ステップS908では、情報画像解析位置決定モジュール140が取得した情報画像検出位置を1番目の検出位置に設定し、情報画像検出モジュール120が検出処理をする。
【0065】
ステップS910では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS934へ進み、それ以外の場合はステップS912へ進む。
ステップS912では、情報画像解析位置決定モジュール140が情報画像検出状態記憶モジュール130を用いて、直前のページから予め定められたページ遡った検出履歴を参照し、情報画像検出位置と情報画像方向を読み出す。
ステップS914では、情報画像解析位置決定モジュール140が予め定められたページ遡った検出履歴で、情報画像検出位置と情報画像方向が全て同じか否かを判断し、全て同じである場合はステップS928へ進み、それ以外の場合はステップS916へ進む。
【0066】
ステップS916では、情報画像解析位置決定モジュール140がn−1ページだけ情報画像の検出位置又は情報画像の方向が異なるか否かを判断し、n−1ページだけ情報画像検出位置又は情報画像方向が異なる場合はステップS920へ進み、それ以外の場合はステップS918へ進む。
ステップS918では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が2番目以降を検出処理する。
ステップS920では、情報画像解析位置決定モジュール140が「n−1ページの情報画像検出位置がn−2ページまでの情報画像検出位置に対してページの中心と反対側」、かつ、「n−1ページの情報画像方向がn−2ページまでの情報画像方向に対して180°回転した向き」であるか否かを判断し、その通りであればステップS922へ進み、それ以外の場合はステップS918へ進む。
【0067】
ステップS922では、情報画像解析位置決定モジュール140がn−2までの情報画像検出位置を2番目に検出すべき位置として決定し、情報画像検出モジュール120が検出処理を行う。
ステップS924では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS934へ進み、それ以外の場合はステップS926へ進む。
ステップS926では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目、2番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が3番目以降を検出処理する。
【0068】
ステップS928では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目に検出処理した位置に対して、ページの中心と反対側に存在する位置を2番目に検出すべき位置として決定し、情報画像検出モジュール120が検出処理を行う。
ステップS930では、情報画像検出モジュール120が情報画像を検出したか否かを判断し、検出した場合はステップS934へ進み、それ以外の場合はステップS932へ進む。
ステップS932では、情報画像解析位置決定モジュール140が1番目、2番目に検出処理した位置を除いた予め定められた順番で3番目以降検出すべき位置と方向を決定し、情報画像検出モジュール120が検出処理する。
【0069】
ステップS934では、情報画像解析モジュール150がデコード処理を行う。
ステップS936では、解析結果出力モジュール160がデコード結果(状態)を解析結果記憶モジュール170に記憶する。
ステップS938では、情報画像解析モジュール150が全ての画像データを解析したか否かを判断し、全ての画像データを解析した場合は処理を終了し(ステップS999)、それ以外の場合はステップS902からの処理を繰り返す。
なお、ステップS906、ステップS908では、情報画像の位置と方向を用いて、情報画像を検出するようにしてもよい。
また、ステップS920の処理は省略してもよい。つまり、ステップS916でYesの場合は、ステップS922の処理へ移ってもよい。
また、図9に例示したフローチャートは、情報画像の位置と方向を対象とした処理を行っているが、情報画像の位置だけを対象とした処理を行うようにしてもよい。
【0070】
図13を参照して、本実施の形態の画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。図13に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1317と、プリンタなどのデータ出力部1318を備えたハードウェア構成例を示している。
【0071】
CPU(Central Processing Unit)1301は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、情報画像検出モジュール120、情報画像解析位置決定モジュール140、情報画像解析モジュール150、解析結果出力モジュール160等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0072】
ROM(Read Only Memory)1302は、CPU1301が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1303は、CPU1301の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス1304により相互に接続されている。
【0073】
ホストバス1304は、ブリッジ1305を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス1306に接続されている。
【0074】
キーボード1308、マウス等のポインティングデバイス1309は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ1310は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0075】
HDD(Hard Disk Drive)1311は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1301によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、受け付けた画像、情報画像の検出状態、解析結果の情報などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0076】
ドライブ1312は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1313に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1307、外部バス1306、ブリッジ1305、及びホストバス1304を介して接続されているRAM1303に供給する。リムーバブル記録媒体1313も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0077】
接続ポート1314は、外部接続機器1315を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1314は、インタフェース1307、及び外部バス1306、ブリッジ1305、ホストバス1304等を介してCPU1301等に接続されている。通信部1316は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1317は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1318は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0078】
なお、図13に示す画像処理装置のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図13に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図13に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機などに組み込まれていてもよい。
【0079】
また、前述の実施の形態の説明において、予め定められた値との比較において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
【0080】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0081】
110…画像受付モジュール
120…情報画像検出モジュール
130…情報画像検出状態記憶モジュール
140…情報画像解析位置決定モジュール
150…情報画像解析モジュール
160…解析結果出力モジュール
170…解析結果記憶モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を受け付ける受付手段と、
直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段
を具備し、
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、
前記検出手段は、前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における方向に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の方向を決定し、
前記検出手段は、前記決定手段によって決定された情報画像の位置と情報画像の方向に基づいて、情報画像を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合は、前記第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合は、前記第2の位置と方向を、情報画像を検出する位置と方向として決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定する
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定する
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合であって、直前に検出した情報画像の方向が直前よりも前に検出した情報画像の方向とは逆である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
画像を受け付ける受付手段と、
直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段
として機能させ、
前記決定手段を前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する手段、
前記検出手段を前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出する手段、
として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項1】
画像を受け付ける受付手段と、
直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段
を具備し、
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定し、
前記検出手段は、前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における方向に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の方向を決定し、
前記検出手段は、前記決定手段によって決定された情報画像の位置と情報画像の方向に基づいて、情報画像を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合は、前記第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、既に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合は、前記第2の位置と方向を、情報画像を検出する位置と方向として決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定する
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置を、情報画像を検出する第2の位置として決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合であって、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向が異ならない場合かつ直前に検出した情報画像の画像内における位置又は方向が異なる場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定する
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記決定手段は、さらに、直前に検出した情報画像の画像内における位置が、直前よりも前に検出した情報画像の前記画像内における位置とは反対側である場合であって、直前に検出した情報画像の方向が直前よりも前に検出した情報画像の方向とは逆である場合は、直前よりも前に検出した情報画像の画像内における位置と方向を、情報画像を検出する第2の位置と方向として決定する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
画像を受け付ける受付手段と、
直前に検出した情報画像の画像内における位置に基づいて、前記受付手段によって受け付けられた対象としている画像内にある情報画像を検出するための第1の位置を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された第1の位置に基づいて、情報画像を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された情報画像を解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果である情報を出力する出力手段
として機能させ、
前記決定手段を前記検出手段が第1の位置で情報画像を検出できなかった場合は、該第1の位置とは前記画像内において反対側にある第2の位置を、情報画像を検出する位置として決定する手段、
前記検出手段を前記決定手段によって決定された第2の位置で情報画像を検出する手段、
として機能させるための画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−226462(P2012−226462A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91850(P2011−91850)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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