説明

画像処理装置及び画像処理方法、画像処理プログラム

【課題】モザイク画像からカラー画像を生成する際に、ジッパーアーチファクトやジャギーを抑制する。
【解決手段】色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解部と、Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成部と、Rの画素位置おいて、該R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成部と、Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成するサンプリング手段と、Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成してカラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、R(赤)G(緑)B(青)3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子を介して出力された色モザイク画像から、カラー画像を生成する画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に、撮像素子を介して出力された出力信号から輝度信号を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラなどの撮像系において、レンズを介して撮像素子に被写体像を結像して、この撮像素子によって被写体像を光電変換し、画像信号を生成する画像処理装置及び画像処理方法が知られている。
【0003】
そして、単板式の撮像素子として、マトリクス状に複数の光電変換素子を備えると共に、その前面にカラーフィルタを備え、このカラーフィルタを介して出力した各色の画素信号に信号処理を加えて画像データを生成する画像処理装置及び画像処理方法が知られている。
【0004】
撮像素子を1つだけ用いた、いわゆる単板式の撮像素子においては、撮像素子上の各画素に対応して特定の色フィルタ、たとえば赤(R)、緑(G)、青(B)の色フィルタが設けられている。通常、Rの色フィルタが設けられた画素をR画素(赤画素)、Gの色フィルタが設けられた画素をG画素(緑画素)、Bの色フィルタが設けられた画素をB画素(青画素)と呼ぶ。
【0005】
また、単板式の撮像素子における代表的な色フィルタとして、原色ベイヤー配列と呼ばれる色フィルタが用いられている。原色ベイヤー配列の色フィルタは、水平方向にRとGが交互に配置された行と水平方向にGとBが交互に配置された行とが垂直方向に交互に配列され、水平方向2画素×垂直方向2画素(2×2画素)を1単位(1ユニット)とする複数の基本ブロックが周期的に配置されている。また、各基本ブロックは、2つの緑画素が一方の対角上に配置され、赤画素と青画素とが他方の対角上に配置された構造となっている。
【0006】
そして、画像処理装置において、単板式撮像素子を介して出力された画像信号から輝度信号及び色差信号を生成し、これらの信号から、カラー画像の画像信号を生成しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
詳しくは、単板式の撮像素子では各画素が単色の色情報しか持たないが、カラー画像を表示するためには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の値すべてが各画素で必要である。このため単板式撮像素子を用いた画像処理では、各画素がR、G、B成分のうちの何れかのみを有する色モザイク画像にもとづいて、いわゆるデモザイク処理を行っている。ここで、デモザイク処理とは、色モザイク画像の各画素の単色情報に対してその周辺画素から集めた他の足りない色の輝度情報を用いて補間演算を行うことにより、各画素がそれぞれR、G、B成分の全てを有するカラー画像を生成する処理である(所謂、色補間処理である)。
【0008】
また、輝度信号を生成する際の簡素な方法としては、撮像素子から出力された色モザイク画像に対して、例えば(式1)に表したローパスフィルタを用いてフィルタリングを直接することで色キャリア成分を除去し、フィルタを介して得られた画素信号を用いて輝度を生成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。つまり、色モザイク画像に対して一様なローパスフィルタを介して出力された画素信号を輝度信号としている(以下、SwitchY輝度生成法という)。
【数1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−341702号公報
【特許文献2】特開2000−287219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来のように注目画素を中心として、所定の画素範囲にローパスフィルタを掛けて輝度を生成する方法によれば、特に斜めの赤画像と青画像との画像境界に沿って、明暗がギザギザ模様のジッパーアーチファクト(Zipper Artifact)が発生し、さらに改善の余地があった。ここで、ジッパーアーチファクトとは、デモザイク処理によって、本来の画像にない明暗が画像境界に沿ってジッパー状(所謂、スライドファスナー状である)に現れる現象をいう。
【0011】
詳しくは、図9(a)に表したように、画像境界Lを介して、右上領域(図中のRU)に(R,G,B)=(0,0,1)の輝度を持つ青画像が結像し、左下領域(図中のLD)に(R,G,B)=(1,0,0)の輝度を持つ赤画像が結像した際に、色モザイク画像は、図9(b)に表したように、右上領域の画像範囲ではB画素が1、左下領域の画像範囲ではR画素が1となり、他の画素は全て0になる。
【0012】
そして、図9(b)に表した画像信号に対して、色キャリア成分除去のために(式1)のローパスフィルタを掛けると、図9(c)に表したように、境界線Lに沿って好ましくない画素値3/16、5/16が交互に生成され、ジッパーアーチファクトと呼ばれる明暗のパターンが発生する。また、このような画像境界における輝度の不整合は、赤と青との境界に限らず、赤と青の色差が変化する領域で生じ易く、カラー画像にジャギー(jaggies)となって現れる。
【0013】
そこで、本発明は、原色ベイヤー配列の単板式撮像装置から出力されたモザイク画像からカラー画像を生成する際に、赤と青との画像境界に沿って発生するジッパーアーチファクトやジャギーを抑制し、高品位なカラー画像を得ることができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、R(赤)、G(緑)、B(青)3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子を介して出力されて各画素が単一色の色情報を備えた色モザイク画像から、画素毎に複数の色情報を備えたカラー画像を生成する画像処理装置であって、前記ベイヤー配列において、水平方向に前記Rの隣に配置される前記GをGr、前記Bの隣に配置される前記GをGbとして表した際に、前記色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解部と、前記Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成部と、前記Rの画素位置おいて、該R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成部と、前記カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリング手段と、前記サンプリング手段を介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成手段と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載の画像処理装置によれば、色モザイク画像を、Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成部と、Rの画素位置おいて、R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成部と、カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリング手段と、サンプリング手段を介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成手段と、を備えているので、赤系画像と青系画像との境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができ、さらには、色モザイク画像の画素位置に関らず、任意の画素位置において高品位な輝度を生成できる。
【0016】
また、請求項1に記載の発明は、請求項2に記載の発明のように、前記輝度生成手段が、前記Rプレーンのサンプリング値とR@Bプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、赤系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【0017】
また、請求項1に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、前記輝度生成手段が、前記Bプレーンのサンプリング値とB@Rプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、青系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【0018】
次に、請求項4に記載の発明は、R(赤)、G(緑)、B(青)3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子を介して出力されて各画素が単一色の色情報を備えた色モザイク画像から、画素毎に複数の色情報を備えたカラー画像を生成する画像処理方法であって、前記ベイヤー配列において、水平方向に前記Rの隣に配置される前記GをGr、前記Bの隣に配置される前記GをGbとして表した際に、前記色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解ステップと、前記Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成ステップと、前記Rの画素位置おいて、該R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成ステップと、前記カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプr−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリングステップと、前記サンプリングステップを介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成ステップと、を用いることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の画像処理方法によれば、色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解ステップと、Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成ステップと、Rの画素位置おいて、該R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成ステップと、カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、Rプレーン、Grプレーン、Gbプr−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリングステップと、サンプリングステップを介して生成されたRプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成してカラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成ステップと、を用いていることにより、請求項6に記載の発明と同様に、赤系画像と青系画像との境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができ、さらには、色モザイク画像の画素位置に関らず、任意の画素位置において高品位な輝度を生成できる。
【0020】
次に、請求項4に記載の画像処理方法は、請求項5に記載の発明のように、輝度生成ステップにおいて、Rプレーンのサンプリング値とR@Bプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、請求項2に記載の発明と同様に、赤系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、請求項6に記載の発明のように、前記輝度生成ステップが、前記Bプレーンのサンプリング値とB@Rプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、請求項3に記載の発明と同様に、青系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【0022】
次に、請求項7に記載の発明は、R(赤)、G(緑)、B(青)3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子を介して出力されて各画素が単一色の色情報を備えた色モザイク画像から、画素毎に複数の色情報を備えたカラー画像を生成する画像処理プログラムであって、前記ベイヤー配列において、水平方向に前記Rの隣に配置される前記GをGr、前記Bの隣に配置される前記GをGbとして表した際に、前記色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解ステップと、前記Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成ステップと、前記Rの画素位置おいて、該Rの画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成ステップと、前記カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプr−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリングステップと、前記サンプリングステップを介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の画像処理プログラムによれば、色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解ステップと、Bの画素位置おいて、B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成ステップと、Rの画素位置おいて、Rの画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成ステップと、カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、Rプレーン、Grプレーン、Gbプr−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリングステップと、サンプリングステップを介して生成されたRプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成してカラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成ステップと、をコンピュータに実行させることにより、請求項6に記載の発明と同様に、赤系画像と青系画像との境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができ、さらには、色モザイク画像の画素位置に関らず、任意の画素位置において高品位な輝度を生成できる。
【0024】
また、請求項7に記載の画像処理プログラムは、請求項8に記載の発明のように、輝度生成ステップにおいて、Rプレーンのサンプリング値とR@Bプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、請求項2に記載の発明と同様に、赤系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【0025】
また、請求項7に記載の発明は、請求項9に記載の発明のように、前記輝度生成ステップが、前記Bプレーンのサンプリング値とB@Rプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、請求項3に記載の発明と同様に、青系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムは、色モザイク画像を、Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成部と、Rの画素位置おいて、R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成部と、カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリング手段と、サンプリング手段を介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成手段と、を備えているので、赤系画像と青系画像との境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができ、さらには、色モザイク画像の画素位置に関らず、任意の画素位置において高品位な輝度を生成できる。
【0027】
また、本発明の画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムは、輝度を生成する際に、Rプレーンのサンプリング値とR@Bプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、赤系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができ、Bプレーンのサンプリング値とB@Rプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成することにより、青系画像境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明が適用された第1の実施形態における、撮像装置の構成を表したブロック図である。
【図2】ベイヤー配列の構成を表した図である。
【図3】同第1の実施形態における、各画素の輝度を生成する説明図であって、(a)がSwitchY生成部で生成された仮の輝度Yを表し、(b)が輝度Yを補正すべく生成された輝度補正値Dを表し、(c)が仮の輝度Yから輝度補正値Dの所定量を減じて補正された輝度Yを表した図である。
【図4】同第1の実施形態における、画像処理方法及び画像処理プラグラムの手順を表したフローチャートである。
【図5】本発明が適用された第2の実施形態における、撮像装置の構成を表したブロック図である。
【図6】同第2の実施形態における、B@Rプレーン及びR@Bプレーン生成する説明図である。
【図7】同第2の実施形態における、サンプリングの説明図である。
【図8】同第2の実施形態における、画像処理方法及び画像処理プラグラムの手順を表したフローチャートである。
【図9】従来例における、ジッパーアーチファクトの発生原理を説明する図であって、(a)がベイヤー配列における青と赤の画像境界を表した図、(b)が(a)に対応付けて各画素位置に画素値を付与した図、(c)が画素毎に輝度値が生成された図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
次に、本発明の画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの一実施例を図面にもとづいて説明する。
【0030】
図1は本発明が適用された第1の実施形態における撮像装置の構成を表したブロック図、図2は同実施形態におけるベイヤー配列の色モザイク画像の構成を表した図、図3は同実施形態における輝度生成の説明図であって、(a)がSwitchY生成部で生成された仮の輝度Yを表し、(b)が輝度Yを補正すべく生成された補正値Dを表し、(c)が仮の輝度Yから補正値Dの所定量を減じて補正された輝度Yを表した図である。また、図4は、同実施形態における、画像処理方法及び画像処理プラグラムの手順を表したフローチャートである。
【0031】
図1に表したように、撮像装置1は、被写体像を撮像素子5に導いてデジタル画像信号C(モザイク状の画像信号である)として出力する撮像ユニット2と、撮像ユニット2を介して出力されたデジタル画像信号Cに基づいて、画素毎に複数の色情報を備えたカラー画像を生成する画像処理装置100とによって構成されている。
【0032】
撮像ユニット2には、被写体像Pを撮像素子5に導く撮像レンズ3、受光した撮像光を電気量に変換して出力する撮像素子(例えばCCD:Charge Coupled Devices)5、撮像素子5から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号Cに変換して出力するAFE(Analog Front End)6、撮像素子5及びAFE6を所定の周期で制御するTG(Timing Generator)13、撮像レンズ3の光軸方向(図3中のZ方向)のスライド駆動を行うレンズ駆動部12、センサ11を介して撮像レンズ3のZ方向のスライド量を検出する検出部10等が備えられている。なお、本発明は、撮像レンズ3、レンズ駆動部12、センサ11、検出部10等の有無に限定されるものではなく、後述のように、RGB3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子5を介して出力される色モザイク画像の画像処理に係るものである。
【0033】
撮像素子5は、複数の光電変換素子がマトリクス状に並設されて構成され、夫々の光電変換素子毎に撮像信号を光電変換してアナログ画像信号を出力するように構成されている。
【0034】
また、撮像素子5は、光電変換素子に対応付けてR(赤)G(緑)B(青)3色のベイヤー(Bayer)配列からなるカラーフィルタ5aを備え、各色のフィルタ部を通過した光量を電気信号に変換する。
【0035】
AFE6は、撮像素子5を介して出力されたアナログ画像信号に対してノイズを除去する相関二重サンプリング回路(CDS:Corelated Double Sampling)7、相関二重サンプリング回路7で相関二重サンプリングされた画像信号を増幅する可変利得増幅器(AGC:Automatic Gain Control)8、可変利得増幅器9を介して入力された撮像素子5からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換器9、等によって構成され、撮像素子5から出力された画像信号を、光電変換素子に対応付けてデジタル画像信号Cに変換して画像処理装置100に出力する。
【0036】
なお、撮像ユニット2において、撮像素子5、相関二重サンプリング回路7、可変利得増幅器8、A/D変換器9等に代えて、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを用いてもよい。撮像素子5から出力される画素毎の信号が単一色の情報しかもたないので、撮像ユニット2から画像処理装置100に、モザイク状の画像信号が出力される。
【0037】
次に、画像処理装置100は、撮像ユニット2から出力されたモザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分離する色プレーン分解部21、色プレーン分解部21から出力された画素信号にもとづいてカラー画像の画素位置におけるカラー画像信号としての輝度を生成する輝度生成部25及び色差を生成する色差生成部30を備えている。
【0038】
また、画像処理装置100は、輝度生成部25及び色差生成部30から出力されたカラー画像信号に対してカラー画像の見栄えを良くするために公知のガンマ補正や彩度補正、エッジ強調を行う視覚補正部34、視覚補正部34を介して出力されたカラー画像を例えばJPEG等の方法で圧縮する圧縮部35、圧縮部35を介して出力されたカラー画像を例えばフラッシュメモリ等の記録媒体に記憶する記録部36、CPU(Central Processing Unit)18、ROM(Red Only Memory)19等によって構成され、CPU18がROM19に格納された制御用プログラムに従って、当該画像処理装置100及び撮像装置1の各処理を制御する。
【0039】
色プレーン分解部21は、図2に表したベイヤー配列に対応付けられて、Rの画素信号を記憶するRフィールドメモリ22と、Gr(一方向においてRに隣接するR)の画素信号を記憶するGrフィールドメモリ23aと、Gb(一方向においてBに隣接するR)の画素信号を記憶するGbフィールドメモリ23bと、Bの画素信号を記憶するBフィールドメモリ24と、によって構成され、CPU18からの指令に基づき、これらの画素信号を輝度生成部25及び色差生成部30に出力する。なお、各色フィールドメモリは、仮想的な物であり、実際には各色フィールドが単一のメモリ上で区別可能なように各色フィールドをアドレスによって振り分けてもよい。
【0040】
次に、輝度生成部25は、色モザイク画像の配列におけるR、G、B毎に対象点(注目画素)を包含する画素範囲が設定されて、この画素範囲に位置するR、G、Bの画素値にもとづいて対象点の輝度を生成する。
【0041】
輝度生成部25は、注目画素及び注目画素の周囲の画素の画素値に所定の係数を掛けて合計し仮の輝度Yを生成するSwitchY生成部26、色モザイク画像からGの画素を除いてR及びBの画素値のみからなるRBプレーンを生成するRBプレーン生成部27、RBプレーンに対して所定の帯域フィルタを掛けて輝度の補正値Dを生成する輝度補正値生成部28、仮の輝度Yから補正値Dに所定の係数を乗じた量を減じて第二の輝度Yを生成する輝度補正部29等によって構成されている。
【0042】
詳しくは、SwitchY生成部26において、色モザイク画像における注目画素を中心として3×3の画素範囲内に位置する各画素値に(式1)で表したローパスフィルタを掛けて画素値を合計し、注目画素の仮の輝度Yが求められる。つまり、注目画素を中心としたuv方向3画素を設定して各画素位置に応じた重み付けをし、これらの和を注目画素の仮の輝度Yとしている。なお、本実施例では、図9(a)に表したように、色モザイク画像が、画像境界Lを介して、右上領域に(R,G,B)=(0,0,1)の輝度を持ち、左下領域に(R,G,B)=(1,0,0)の輝度を持つように、青と赤の画像が画成されて結像しているものとし、以下に説明する。
【0043】
SwitchY生成部26では、図3(a)に表したように仮の輝度Yが求められる。図3(a)において、各画素位置に記入された画素値の1/16が仮の輝度Y(所謂、本発明における第一の輝度である)である。例えば、図3(a)における(u,v)=(1,1)に位置する画素A11の輝度Yは、Y=(A00×1+A10×2+A20×1+A01×2+A11×4+A21×2+A02×1+A12×2+A22×1)/16の演算式で算出され、図9(b)を参照してこの演算式にA00=0、A10=0、A20=0、A01=0、A11=0、A21=1、A02=0、A12=1、A22=0、を代入すると、Y=4/16が得られる。
【0044】
そして、RBプレーン生成部27では、色モザイク画像におけるGの画素に位置する画素値が0となるので、図9(b)と同じ様に画像境界Lを介して右上領域域のB画素と左下領域のR画素の位置に画素値を有するRBプレーンが生成される。
【0045】
次に、輝度補正値生成部28では、RBプレーン生成部27で生成されたRBプレーンにおいて、注目画素を中心として5×5の画素範囲内に位置する各画素値に(式2)で表した帯域フィルタを掛けて画素値を合計し、注目画素における輝度の補正値Dを求める。つまり、注目画素を中心としたuv方向5画素を設定して画素位置に応じた重み付けをし、これらの和を注目画素の補正値Dとしている。
【数2】

【0046】
そして、図3(b)に表したようにBの画素とRの画素に補正値Dが生成される。図3(b)において、各画素位置に記入された数値の1/64が補正値Dである。例えば、図3(a)における(u,v)=(3,2)に位置する画素A32の補正値Dは、D=(A10×(−1)+A20×(−2)+A30×(−2)+A40×(−2)+A50×(−1)+A11×(−2)+A21×(0)+A31×(4)+A41×(0)+A51×(−2)+A12×(−2)+A22×(4)+A32×(12)+A42×(4)+A52×(−2)+A13×(−2)+A23×(0)+A33×(4)+A43×(0)+A53×(−2)+A14×(−1)+A24×(2)+A34×(2)+A44×(−2)+A54×(−1))/64の演算式で算出され、図9(b)を参照してこの演算式にA21、A41、A12、A43、A14、A34の画素位置の画素値を1としてその他の画素位置の画素値を0として代入すると、数値(−5)/64が得られる。
【0047】
この際、(式2)で表した帯域フィルタは、(式3)に表したように2段階のフィルタに分けて適用しても良い。
【数3】

【0048】
次に、輝度補正部29では、SwitchY生成部26で生成された仮の輝度Yから補正値に係数k=2/3を乗じた量を減じて、図3(c)に表したように第二の輝度Yを求める。
【0049】
図3(c)において、各画素位置に記入された数値の1/96が第二の輝度Yである。ここで、SwitchY生成部26で生成された仮の輝度Y(図3(a))と輝度補正部29で補正されて生成された第二の輝度Y(図3(c))とを比較すると、画像境界Lに沿って、仮の輝度Yよりも輝度Yの輝度変化が少なくて、ジッパーアーチファクトが抑制されていることが判る。
【0050】
係数kについては、k=2/3がジッパーアーチファクトの抑制のために最適であるが、0<k<(4/3)の範囲であれば、ジッパーアーチファクト抑制の効果を得ることができる。また、数値2/3が、2進数において0.101010…bと表現されるので、kを、1/2(2進数では0.1b)〜3/4(2進数では0.11b)の範囲において、2進数が簡素な数値になるように設定しても良い。
【0051】
また、輝度生成部25では、RBプレーンに対して(式2)を用いて補正値Dを求め、この補正値Dに係数を乗じた量を仮の輝度Yから減じて第二の輝度Yを算出したが、これらの代わりに、色モザイクのGの画素位置に対しては(式4)を用いて第二の輝度Yを算出し、B及びRの画素位置に対しては(式5)を用いて第二の輝度Yを算出してもよい。これにより、輝度補正部29で算出される第二の輝度Yと(式4)及び(式5)で算出される第二の輝度Yが同じ値をもつことになる。
【数4】

【数5】

【0052】
また、(式4)及び(式5)において、左辺の5×5の行列はG画素に位置する値を0にしたものであって、この0の画素を無視すれば、注目画素を中心として周辺3×3の画素内に存在する4または5つのG画素と、周辺5×5画素内に存在する4または9つのR及びB画素が、第二の輝度Yの算出に用いられている。
【0053】
また、第二の輝度Yを算出する際に、G画素のみを取り出したGプレーンに(式1)のフィルタを掛け、一方、R及びB画素のみを取り出したRBプレーンに対しては(式6)のフィルタを掛け、両フィルタを介して出力された画素値の和を第二の輝度Yとしてもよい。
【数6】

【0054】
また、(式6)のフィルタは、(式7)に表したように2段階のフィルタで構成してもよい。
【数7】

【0055】
次に、色差生成部30は、注目画素を中心とする所定の画素範囲に含まれる各画素値を用いて、注目画素の色成分となる色差C1及び色差C2を生成する。ここで、C1は、Grの画素信号とGbの画素信号との和からRの画素信号とBの画素信号とを減じた値を表し、一方、C2は、Rの画素信号とBの画素信号の差を表す。具体的には、所定の画素範囲において、R:G:B=(−1):2:(−1)の構成比となるようにC1を生成し、一方、R:G:B=2:0:(−2)の構成比となるようにC2を生成する。
【0056】
C1、C2の生成の一例として、以下に記載する。まず、注目画素を中心とする画素範囲において、注目画素がG画素の際には色モザイク画像に(式8)のフィルタを施し、注目画像がB、R画素の際には色モザイク画像に(式9)のフィルタを施し、その結果を注目画素位置における色差C1とする。
【数8】

【数9】

【0057】
また、注目画素を中心とする画素範囲において、R画素に対しては色モザイク画像に(式10)のフィルタを施し、Gr画素に対しては色モザイク画像に(式11)のフィルタを施し、Gb画素に対しては色モザイク画像に(式12)のフィルタを施し、B画素に対しては色モザイク画像に(式13)のフィルタを施し、その結果を注目画素位置における色差C2とする。なお、本発明は輝度生成に係る発明であって、色差の生成に制限されるものではない。
【数10】

【数11】

【数12】

【数13】

【0058】
次に、視覚補正部34は、輝度信号生成部25で得られた輝度信号Y及び色差生成部で得られた色差信号C1、C2に対して所定の処理を加え、これらの色信号からなるカラー画像の見栄えを補正する。例えば、色差信号C1、C2に対して低周波フィルタ処理を施して偽色や色ノイズを低減したり、輝度信号Yに対して高周波強調を行うことで解像感を強調したりする。
【0059】
なお、本発明の実施例によって生成される輝度信号Yは、SwitchY方式で生成あれる輝度信号Yに較べて、白黒被写体におけるfs/4(fsは、サンプリング周波数である)付近の変調度が低減するので、視覚補正部34を介してfs/4付近の変調度を高めるように高周波強調を行うことが望ましい。
【0060】
また視覚補正部34は、圧縮部35で画像信号を圧縮する際に、標準的なカラー画像の色空間座標としてYUV色度座標が用いられるので、輝度生成部25で生成された輝度信号Y及び色差生成部35で生成された色差C1、C2をYUV値へ変換する(Yが画素の輝度、Uが輝度Yと青(B)との色差、Vが輝度Yと赤(R)との色差である)。詳しくは、輝度生成部25で生成された輝度信号Y及び色差生成部30で生成された色差C1、C2から(式14)の関係があるため、(式15)を用いてYUV値へ変換を行う。
【数14】

【数15】

【0061】
次に、図4を用いて、前記第1の実施形態の、画像処理方法及び画像処理プラグラムの手順を説明する。この手順は、CPU18がROM19に格納されたプログラムにもとづいて、各機能部に指令信号を与えて実行する。また、図4におけるSはステップを表している。
【0062】
まず、この手順は、オペレータによって撮像装置1又は画像処理装置100に起動信号が入力された際にスタートする。
【0063】
次いで、S100において、撮像ユニット2を介して画像信号(色モザイク画像)を画像処理装置100に読み込み、色プレーン分解部21で、ベイヤー配列に対応付けて、R画素信号、Gr画素信号、Gb画素信号、B画素信号毎に記憶し、その後、S200に移る。
【0064】
次いで、S200において、色モザイク画像の画素配列に対応して対象点(注目画素)を設定し、その後、S300に移る。この際、設定される対象点は、色モザイク画像のいずれかの画素であり、ROM19に格納されたプログラムにより決定される。
【0065】
次いで、S300において、対象点(注目画素)の輝度を生成する。詳しくは、図4(b)に表したように、S310において、SwitchY生成部26を用い、色モザイク画像における注目画素を中心として3×3の行列に位置する各画素値に(式1)で表したローパスフィルタを掛けて画素値を合計し、注目画素の仮の輝度Yを求め、その後、S340に移る。
【0066】
一方、S320において、RBプレーン生成部27を用い、色モザイク画像におけるG画素に位置する画素値を0とし、R及びB画素のみが画素値を有するRBプレーンを生成し、その後、S330に移る。
【0067】
次いで、S330において、輝度補正値生成部28を用い、RBプレーン生成部27で生成されたRBプレーンにおいて、注目画素を中心として5×5の行列に位置する各画素値に(式2)で表した帯域フィルタを掛けて注目画素における補正値Dを生成し、その後、S340に移る。
【0068】
次いで、S340において、輝度補正部29を用い、S310で生成した仮の輝度YからS330で生成した補正値Dに所定の係数kを乗算した量を減じて輝度Yを求め、その後、図4(a)のS500に移る。
【0069】
次いで、S500において、輝度を生成する次の対象点(注目画素)が有るか否かを判定し、次の対象点が有る(Yes)際には、S200〜500を繰り返し、次の対象点(注目画素)が無い(No)となった際に、S600に移る。
【0070】
次いで、S600において、視覚補正部34を用い、輝度生成部25及び色差生成部30で生成されたカラー画像信号(輝度Y、色差C1、色差C2)に対して、画像の見栄えを良くするための画像補正、標準的なカラー画像の色空間座標であるYUV色度座標への変換等を行い、その後、S700に移る。
【0071】
次いで、S700において、圧縮部35を用いて、視覚補正部34を介して出力されたカラー画像のデジタル画像信号をJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の方法で圧縮し、記録時の画像データのサイズを小さくし、その後、S800に移る。
【0072】
次いで、S800において、記録部36を用いて、圧縮されたデジタル画像信号をフラッシュメモリ等の記録媒体に記憶し、その後、本画像処理プログラムを終了する。
【0073】
以上のように、第1の実施形態に記載の画像処理装置100及び画像処理方法及び画像処理プログラムによれば、色モザイク画像から、SwitchY生成部26を用いて仮の輝度Yを生成するとともに、RBプレーン生成部27及び輝度補正値生成部28を用いて補正値Dを生成し、次いで、輝度補正部29を用いて、輝度Yから補正値を減算し、ジッパーアーチファクトを抑制した輝度Yを生成でき、高品位なカラー画像を得ることができる。
【0074】
(第2の実施形態)
次に、図5〜図8を用いて、本発明の第2の実施形態を説明する。図5は、本発明の画像処理装置及び画像処理方法、画像処理プログラムが適用された一実施例の、撮像装置1Aの構成を表したブロック図である。
【0075】
また、図6は同第2の実施形態におけるB@Rプレーン及びR@Bプレーン生成する説明図、図7は同第2の実施形態における色生成の際のサンプリングの説明図、図8は同第2の実施形態における画像処理方法及び画像処理プラグラムの手順を表したフローチャートである。
【0076】
尚、第2の実施形態における撮像装置1Aは、基本的に第1の実施形態で表した撮像装置1と同じ構成なので、共通と成る構成部分につては同一の符号を付与して詳細な説明を省き、特徴と成る部分について以下に説明する。
【0077】
本発明における撮像ユニット2Aでは、レンズ駆動部12を介して、撮像レンズ3が光軸方向にスライド自在に構成され、撮像レンズ3の焦点距離や撮像レンズ3から被写体までの被写体距離といったレンズステートを可変可能に構成されている。
【0078】
図5に表したように、撮像ユニット2Aには、当該撮像装置1Aのブレを検知し、そのブレ量に応じた電気信号(以下、ブレ信号という)を出力する角速度センサ(例えば、ジャイロ)15が備えられ、画像処理装置100Aには角速度センサ15を介して撮像装置1Aのブレ量を検出するブレ検出部40が備えられている。
【0079】
また、画像処理装置100Aは、撮像ユニット2Aから出力された入力画像(モザイク画像)を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分離して記憶する色プレーン分解部21、焦点距離や被写体との距離といった撮像レンズ3のレンズステートを検出するレンズステート検出部37、撮像レンズ3のレンズステートに対応付けて歪曲収差係数を記憶した収差係数記憶テーブル38、レンズステート検出部37及び収差係数記録部38からの情報に基づいて歪曲収差のパラメータを設定する収差係数設定部39、ブレ検出部40からの検出値に基づくブレ補正や収差係数設定部39からの設定値に基づく収差補正を行うように、入力画像におけるサンプリング位置を設定するサンプリング座標設定部41等を備えている。
【0080】
また、画像処理装置100Aは、Bの画素配置おいて、B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置(以下、R@Bと記す)として補間生成するR@Bプレーン生成部51、Rの画素位置おいて、R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置(以下、B@Rと記す)として補間生成するB@Rプレーン生成部52、モザイク画像のサンプリング位置において、Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリング部53と、サンプリング部53で生成されたRプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して画素毎に複数の色成分を備えた色情報を生成する色生成部54等を備えている。
【0081】
色プレーン分解部21は、図7に表したように、(a)のベイヤー配列の色モザイク画像から、R画素のみを取り出したRプレーン(b)、Gr画素のみを取り出したGrプレーン(c)、Gb画素のみを取り出したGbプレーン(d)、B画素のみを取り出したBプレーン(e)の、4つのプレーンに分解する。この際、R画素に対して横方向に並ぶG画素をGrとし、B画素に対して横方向に並ぶG画素をGbとしている。また、ここでは、色モザイク画像が、第1の実施形態において引用したように、画像境界Lを介して、右上領域に(R,G,B)=(0,0,1)の輝度を持ち、左下領域に(R,G,B)=(1,0,0)の輝度を持つように、青と赤の画像が画成されて結像しているものとする。
【0082】
次に、B@Rプレーン生成部51は、図6(a)〜(c)に表したように、図(a)の色モザイク画像のR画素の位置におけるB画素の値を生成する。詳しくは、B@Rプレーンは、BプレーンをR画素の位置において再サンプリングした輝度信号であり、Bプレーンに対して(式16)のフィルタを施して生成される。
【数16】

【0083】
例えば、A32の画素位置におけるB@RプレーンのBの輝度信号は、A32の画素を中心とするA21、A41、A23、A43の画素値を用い、(A21×1+A41×1+A23×1+A43×1)/4の演算式で算出され、図6(b)を参照してこの演算式に、A21、A41、A43の画素値を1、A23の画素値を0として代入すると、輝度信号3/4が得られる。
【0084】
この結果、図6(c)に表したように、B@Rプレーンは、Rの画素位置で値を持ち、Rの画素位置を除く他の画素位置では値が0となる。
【0085】
次に、R@Bプレーン生成部52は、図6(a)、(d)、(e)に表したように、図(a)の色モザイク画像のB画素の位置におけるR画素の値を生成する。詳しくは、R@Bプレーンは、RプレーンをB画素の位置において再サンプリングした輝度信号であり、Rプレーンに対して(式16)のフィルタを施して生成される。
【0086】
例えば、A43の画素位置におけるR@BプレーンのRの輝度信号は、A43の画素を中心とするA32、A52、A34、A54の画素値を用い、(A32×1+A52×1+A34×1+A54×1)/4の演算式で算出され、図6(d)を参照してこの演算式に、A32、A52、A54の画素値を0、A34の画素値を1として代入すると、輝度信号1/4が得られる。
【0087】
この結果、図6(e)に表したように、R@Bプレーンは、Bの画素位置で値を持ち、B画素を除く他の画素位置では値が0となる。
【0088】
次に、サンプリング座標設定部41は、歪曲収差補正や手ぶれ補正、デジタルズームといった画像変形を考慮し、収差係数設定部39及びブレ検出部40で取得されたパラメータに基づいて、出力するカラー画像の画素位置に対応する色モザイク画像上のサンプリング座標を設定する。
【0089】
ここでは、色モザイク画像における(式17)に表した画素位置を、(式18)に表した出力画像上の画素位置に変形させるものとする。なお、(式18)において、(u,v)が出力画像の画素位置の座標を表し、fが画像変形の変形関数を表す。
【数17】

【数18】

【0090】
例えば、出力するカラー画像の画素位置が、ズーム倍率がZ倍であれば(式19)であり、回転角度θの画像変形であれば(式20)である。この際、サンプリング座標設定部41において、(式21)に表した出力画素に対して、変形前のモザイク画像上におけるサンプリング座標(式22)を算出する。なお、画素位置は、(u,v)座標系における整数格子上に設定されているが、(式22)で算出されたサンプリング座標の値は、整数とは限らず実数となる。
【数19】

【数20】

【数21】

【数22】

【0091】
また、サンプリング座標設定部41において色収差補正を行う際には、変形関数fがR、G、Bの色毎に異なる関数f、f、fとなって、サンプリング座標がR、G、B毎に、(式23)、(式24)、(式25)となる。また、fを(式26)で表した恒等変換とすれば、実施形態1と同じ結果が得られる。
【数23】

【数24】

【数25】

【数26】

【0092】
次に、サンプリング部53は、図7に表したように、色プレーン分解部21で生成された4つの色プレーン(Rプレーン、Grプレーン、Gbプレーン、Bプレーン)と、R@B生成部で生成されたR@Bプレーン、B@R生成部51で生成されたB@Rプレーンに基づいて、サンプリング座標設定部41で設定されたサンプリング位置におけるサンプリング値(サンプリング位置における色毎の画素値である)を算出する。
【0093】
つまり、サンプリング座標として、Rプレーンからは(usR,vsR)、Grプレーンからは(usG,vsG)、Gbプレーンからは(usG,vsG)、Bプレーンからは(usB,vsB)、R@Bプレーンからは(usR,vsR)、B@Rプレーンからは(usB,vsB)が算出される。
【0094】
この際、サンプリング座標(u,v)が整数と限らない(つまり、(u,v)が一つの画素中心に一致するとは限らない)ので、サンプリング値は、(u,v)を囲む4つの有値画素(各色プレーンが元々もっている同一色の画素値)から線形補間して算出する。この補間は、好ましくは、バイリニア補間によって行う。
【0095】
図7(h)に表したように、各色プレーンが縦横の格子点状に4つの有値画素を持つため、サンプリング座標401〜406を囲む4つの有値画素は、当該サンプリング座標が(100.8,101.4)であれば、サンプリング座標を囲んで一辺の長さが2の正方形の頂点に位置する。
【0096】
つまり、例えばRプレーンに対するサンプリング座標(usR,vsR)が(100.8,101.4)であれば、これを囲む4つの有値画素の座標(u,v)が、(100,100)、(100,102)、(102,100)、(102,102)となる。
【0097】
そこで、サンプリング座標を介して対向する有値画素間の距離の比(ここでは、u方向が0.4:0.6、v方向が0.7:0.3である)を求め、4つの有値画素の画素値を用いて、サンプリング位置(100.8,101.4)におけるRの画素値を補間によって算出する。
【0098】
そして、4つの有値画素の画素値をR(100,100)、R(100,102)、R(102,100)、R(102,102)で表し、サンプリング位置(100.8,101.4)のRの画素値をR(100.8,101.4)で表すと、Rプレーン上でのサンプリング座標401の画素値R(100.8,101.4)を、R(100.8,101.4)=0.6*0.3*R(100,100)+0.6*0.7*R(100,102)+0.4*0.3*R(102,100)+0.4*0.7*R(102,102)、の演算式によって算出できる。
【0099】
Grプレーン上でのサンプリング座標402におけるGrの画素値、Gbプレーン上でのサンプリング座標403におけるGbの画素値、Bプレーン上でのサンプリング座標404におけるBの画素値、R@Bプレーン上でのサンプリング座標405におけるRの画素値、B@Rプレーン上でのサンプリング座標におけるBの画素値等も、Rプレーンと同様に、サンプリング座標を囲む4つの有値画素の画素値から補間によって算出できる。
【0100】
なお、サンプリング座標設定部41では、出力カラー画像における全画素に対応付けてサンプリング座標を設定し、サンプリング部53では、これらの全サンプリング座標におけるサンプリング値を算出する。そして、このサンプリング値を出力カラー画像の対応する画素位置に配置することにより画像信号と見なせる。
【0101】
次に、色生成部54は、出力カラー画像の各画素における輝度を生成する輝度生成部54Aと色差を生成する色差生成部54Bと、によって構成されている。なお、本発明の請求項1における輝度生成手段が輝度生成部54Aによってその機能が発現される。
【0102】
輝度生成部54Aは、出力カラー画像の各画素において、サンプリング部53で算出されたGr、Gb、R、R@B、B、B@Rの画素値を、1:1:(1−k):k:(1−k):k、の比率で合成するように、輝度信号Yを、Y=Gr+Gb+(1−k)R+kR@B+(1−k)B+kB@R、とする。この際、輝度信号の構成比率は、R:G:B=1:2:1である。
【0103】
輝度Yを求める際に用いた係数kについては、k=2/3がジッパーアーチファクトの抑制のために最適であるが、k=2/3の近傍であればジッパーアーチファクト抑制の効果が得られる。また、数値2/3が、2進数において0.101010…bと表現されるので、kを、1/2(2進数では0.1b)〜3/4(2進数では0.11b)の範囲において、2進数が簡素な数値になるように設定しても良い。
【0104】
また、輝度YにおけるRとR@Bの和Rtotは、Rtot=(1−k)R+kR@Bの演算式で表されるが、R@Bの出自を組み入れて次式のように変形できる。
【0105】
つまり、RとR@Bの和Rtot(usR,vsR)は、Rtot(usR,vsR)=(1−k)*R(usR,vsR)+k*R@B(usR,vsR)=(1−k)*R(usR,vsR)+(k/4)*R(usR−1,vsR−1)+(k/4)*R(usR−1,vsR+1)+(k/4)*R(usR−1,vsR+1)+(k/4)*R(usR−1,vsR−1)、となる。
【0106】
例えば、図7に表したように(usR,vsR)=(100.8,101.4)での値を例にすると、Rtot(100.8,101.4)=(1−k)(0.6*0.3*R(100,100)+0.6*0.7*R(100,102)+0.4*0.3*R(102,100)+0.4*0.7*R(102,102)+(k/4)*(0.1*0.8*R(98,100)+0.1*0.2*R(98,102)+0.9*0.8*R(100,100)+0.9*0.2*R(100,102))+(k/4)*(0.1*0.8*R(98,102)+0.1*0.2*R(98,104)+0.9*0.8*R(100,102)+0.9*0.2*R(100,104))+(k/4)*(0.1*0.8*R(100,100)+0.1*0.2*R(100,102)+0.9*0.8*R(102,100)+0.9*0.2*R(102,102))+(k/4)*(0.1*0.8*R(100,102)+0.1*0.2*R(100,104)+0.9*0.8*R(102,102)+0.9*0.2*R(102,104))=0.1*0.8*(k/4)*R(98,100)+0.1*(k/4)*R(98,102)+0.1*0.2*(k/4)*R(98,104)+(0.8*(k/4)+0.6*0.3*(1−k))*R(100,100)+((k/4)+0.6*0.7*(1−k))*R(100,102)+0.2*(k/4)*R(100,104)+(0.9*0.8*(k/4)+0.4*0.3*(1−k))*R(102,100)+(0.9*(k/4)+0.4*0.7*(1−k))*R(102,102)+0.9*0.2*(k/4)*R(102,104)、となる。
【0107】
これにより、R@Bを演算式に明示しなくても、(usR,vsR)=(100.8,101.4)の周辺5×5画素内の9つのR画素の値からRのサンプリング値を算出できることが分かる。但し、例外的にRのサンプリング座標(usR,vsR)がB画素と同一の水平及び垂直位置にある際には、6つまたは4つのRの画素値からサンプリング値が算出される。
【0108】
次に、色差生成部54Bは、サンプリング部53で生成されたR、Gr、Gb,Bの各画素値(サンプリング値)から、2つの色差信号C1、C2を生成する。ここで、C1は、Grの画素信号とGbの画素信号との和からRの画素信号とBの画素信号とを減じた値であって、一方、C2は、Rの画素信号とBの画素信号の差を表す。
【0109】
また、C1の生成の際には、R:G:B=(−1):2:(−1)の構成比となるように、R、Gr、Gb、Bの各画素値を(−1):1:1:(−1)の比で合成し、C1=(−R+Gr+Gb−B)/4を算出する。一方、C2の生成の際には、R:G:B=2:0:(−2)の構成比となるように、R、Gr、Gb、Bの画素値を2:0:0:(−2)の比で合成し、C2=(2R−2B)/4を算出する。
【0110】
さらに、色差生成部54Bでは、前記のように生成された色差に対して偽色抑制のための補正を行う。偽色抑制の一例として、まず、fs/2(ナイキスト周波数)付近の高周波成分Kを、K=(2Gr−2Gb)/4の演算式で算出する。次いで、下記式を用いてC2の絶対値からK2の絶対値を減じることにより高周波部に発生する赤及び青の偽色を抑制することができる。C2→sign(C2)max(0,abs(C2)−abs(K))
【0111】
次に、視覚補正部34は、輝度信号生成部25で得られた輝度信号Y及び色差生成部で得られた色差信号C1、C2に対して所定の処理を加え、これらの色信号からなるカラー画像の見栄えを補正する。例えば、色差信号C1、C2に対して低周波フィルタ処理を施して色ノイズを低減したり、輝度信号Yに対して高周波強調を行うことで解像感を強調したりする。
【0112】
次に、図8を用いて、前記第2の実施形態の、画像処理方法及び画像処理プラグラムの手順を説明する。この手順は、CPU18がROM19に格納されたプログラムにもとづいて、各機能部に指令信号を与えて実行する。また、図8におけるSはステップを表している。
【0113】
まず、この手順は、オペレータによって撮像装置1A又は画像処理装置100Aに起動信号が入力された際にスタートし、その後、S101及びS102に移る。
【0114】
次いで、S101において、撮像ユニット2Aを介して画像信号(色モザイク画像)を画像処理装置100Aに読み込み、その後、S201に移る。
【0115】
次いで、S201において、色プレーン分解部21を用いて、ベイヤー配列に対応付けて、Rの画素信号、Gr画素信号、Gb画素信号、B画素信号毎に記憶し、その後、S301に移る。
【0116】
次いで、S301において、R@B生成部51及びB@R生成部52を用いて、色モザイク画像のB画素の位置におけるR画素の値を生成する(R@Bプレーンを生成する)と共に、色モザイク画像のR画素の位置におけるB画素の値を生成し(B@Rプレーンを生成し)、その後、S401に移る。
【0117】
一方、S102において、サンプリング座標設定部41を用いて、歪曲収差補正や手ぶれ補正、デジタルズームといった画像変形を考慮し、収差係数設定部39及びブレ検出部40で取得されたパラメータに基づいて、出力するカラー画像の画素位置に対応する色モザイク画像上のサンプリング座標を設定し、その後、S401に移る。
【0118】
次いで、S401において、サンプリング部53を用いて、色プレーン分解部21で生成された4つの色プレーン(Rプレーン、Grプレーン、Gbプレーン、Bプレーン)と、R@B生成部51で生成されたR@Bプレーン、B@R生成部52で生成されたB@Rプレーンに基づいて、サンプリング座標設定部41で設定されたサンプリング位置におけるサンプリング値(サンプリング位置における色毎の画素値である)を算出し、その後、S501及びS502に移る。
【0119】
次いで、S501において、輝度生成部54Aを用いて、サンプリング部53で算出されたGr、Gb、R、R@B、B、B@Rの画素値を、1:1:(1−k):k:(1−k):k、の比率で合成するように、輝度Yを、Y=Gr+Gb+(1−k)R+kR@B+(1−k)B+kB@R、の演算式で算出し、その後、S601に移る。
【0120】
一方、S502において、色差生成部54Bを用いて、サンプリング部53で生成されたR、Gr、Gb,Bの各画素値(サンプリング値)から、2つの色差信号C1、C2を生成し、その後、S601に移る。
【0121】
次いで、S601において、輝度Y及び色差C1、C2を生成する次のサンプリング座標が有るか否かを判定し、次の対象点が有る(Yes)際には、S401〜601を繰り返し、次のサンプリング座標が無い(No)となった際に、S701に移る。
【0122】
次いで、S701において、視覚補正部34を用い、輝度生成部54A及び色差生成部54Bで生成されたカラー画像信号(輝度Y、色差C1、色差C2)に対して、画像の見栄えを良くするための画像補正、標準的なカラー画像の色空間座標であるYUV色度座標への変換等を行い、その後、S801に移る。
【0123】
次いで、S801において、圧縮部35を用いて、視覚補正部34を介して出力されたカラー画像のデジタル画像信号をJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の方法で圧縮し、記録時の画像データのサイズを小さくし、その後、S901に移る。
【0124】
次いで、S901において、記録部36を用いて、圧縮されたデジタル画像信号をフラッシュメモリ等の記録媒体に記憶し、その後、本画像処理プログラムを終了する。
【0125】
以上のように、第2の実施形態に記載の画像処理装置100A及び画像処理方法及び画像処理プログラムによれば、色モザイク画像から、色プレーン分解部21を介して、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解し、次いで、R@Bプレーン生成部51を介して、Bの画素位置おいて該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成すると共に、B@Rプレーン生成部52を介して、Rの画素位置おいて該R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成し、次いで、サンプリング部53を介して、カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R画素値@B画素位置プレーン、B画素値@R画素位置プレーンの夫々毎に画素値を補間生成してプレーン毎のサンプリング値を生成し、次いで、輝度生成部54Aを介して、各色プレーンのサンプリング値を合成してカラー画像の各画素の輝度を生成しているので、赤系画像と青系画像との境界に現れるジッパーアーチファクトを効果的に抑制することができ、さらには、色モザイク画像の画素位置に関らず、任意の画素位置において高品位な輝度を生成できる。
【0126】
また、第2の実施形態に記載の画像処理装置100A及び画像処理方法及び画像処理プログラムによれば、ブレ検出部40からの検出値に基づくブレ補正や収差係数設定部39からの設定値に基づく収差補正を行うように、入力画像におけるサンプリング位置を設定するサンプリング座標設定部41等を備えているので、色モザイク画像と出力カラー画像の各画素を1:1に対応させる必要がなく、解像度変換や各種の画像変形を同時に適用できて利便性を向上できる。つまり、本実施形態の輝度信号生成方法を用いた画像処理によれば、ジッパーアーチファクトやジャギーの発生を抑制して高品位な輝度信号を得ることができると共に、所望の画像変形を行うことができ、高品質なカラー画像を生成できる。
【0127】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を取ることができる。
【符号の説明】
【0128】
1,1A…撮像装置、2,2A…撮像ユニット、3…撮像レンズ、5…撮像素子、5a…ベイヤー配列のカラーフィルタ、6…AFE(Analog Front End)、7…相関二重サンプリング回路、8…可変利得増幅器(AGC:Automatic Gain Control)、9…A/D変換器、10…検出部、11…センサ、12…レンズ駆動部、13…TG(Timing Generator)、18…CPU(Central Processing Unit)、19…ROM(Read Only Memory)、21…色プレーン分解部、22…Rフィールドメモリ、23a…Grフィールドメモリ、23b…Gbフィールドメモリ、24…Bフィールドメモリ、25…輝度生成部、26…SwitchY生成部、27…RBプレーン生成部、28…輝度補正値生成部、29…輝度補正部、30…色差生成部、31…C1生成部、32…C2生成部、34…視覚補正部、35…圧縮部、36…記録部、37…レンジステート検出部、38…収差係数記憶テーブル、39…収差係数設定部、40…ブレ検出部、41…サンプリング座標設定部、51…R@B生成部、52…B@R生成部、53…サンプリング部、54…色生成部、54A…輝度生成部、54B…色差生成部、100,100A…画像処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
R(赤)、G(緑)、B(青)3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子を介して出力されて各画素が単一色の色情報を備えた色モザイク画像から、画素毎に複数の色情報を備えたカラー画像を生成する画像処理装置であって、
前記ベイヤー配列において、水平方向に前記Rの隣に配置される前記GをGr、前記Bの隣に配置される前記GをGbとして表した際に、
前記色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解部と、
前記Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成部と、
前記Rの画素位置おいて、該R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成部と、
前記カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリング手段と、
前記サンプリング手段を介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記輝度生成手段が、
前記Rプレーンのサンプリング値とR@Bプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記輝度生成手段が、
前記Bプレーンのサンプリング値とB@Rプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
R(赤)、G(緑)、B(青)3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子を介して出力されて各画素が単一色の色情報を備えた色モザイク画像から、画素毎に複数の色情報を備えたカラー画像を生成する画像処理方法であって、
前記ベイヤー配列において、水平方向に前記Rの隣に配置される前記GをGr、前記Bの隣に配置される前記GをGbとして表した際に、
前記色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解ステップと、
前記Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成ステップと、
前記Rの画素位置おいて、該R画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成ステップと、
前記カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプr−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリングステップと、
前記サンプリングステップを介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成ステップと、
を用いることを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
前記輝度生成ステップにおいて、
前記Rプレーンのサンプリング値とR@Bプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記輝度生成ステップにおいて、
前記Bプレーンのサンプリング値とB@Rプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項7】
R(赤)、G(緑)、B(青)3色のベイヤー配列のカラーフィルタを有する撮像素子を介して出力されて各画素が単一色の色情報を備えた色モザイク画像から、画素毎に複数の色情報を備えたカラー画像を生成する画像処理プログラムであって、
前記ベイヤー配列において、水平方向に前記Rの隣に配置される前記GをGr、前記Bの隣に配置される前記GをGbとして表した際に、
前記色モザイク画像を、R、Gr、Gb、Bの画素毎に分解する色プレーン分解ステップと、
前記Bの画素位置おいて、該B画素を囲むRの画素の補間値をBの画素値に置き換えてR画素値@B画素位置として補間生成するR@Bプレーン生成ステップと、
前記Rの画素位置おいて、該Rの画素を囲むBの画素の補間値をRの画素値に置き換えてB画素値@R画素位置として補間生成するB@Rプレーン生成ステップと、
前記カラー画像の画素位置に対応付けられたモザイク画像のサンプリング位置において、前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプr−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンの夫々毎に画素値を補間生成し、プレーン毎のサンプリング値を生成するサンプリングステップと、
前記サンプリングステップを介して生成された前記Rプレーン、Grプレーン、Gbプレ−ン、Bプレーン、R@Bプレーン、B@Rプレーンのサンプリング値を合成して前記カラー画像の各画素の輝度を生成する輝度生成ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
前記輝度生成ステップにおいて、
前記Rプレーンのサンプリング値とR@Bプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成する、
ようにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項7に記載の画像処理プログラム。
【請求項9】
前記輝度生成ステップにおいて、
前記Bプレーンのサンプリング値とB@Rプレーンのサンプリング値とを略1:2の割合で合成する、
ようにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項7に記載の画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−66214(P2013−66214A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253900(P2012−253900)
【出願日】平成24年11月20日(2012.11.20)
【分割の表示】特願2007−268645(P2007−268645)の分割
【原出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(509066101)
【Fターム(参考)】