説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】撮影画像に含まれている被写体画像のうちの特徴画像を他の形態の特徴画像に変更した上で、絵画風画像を作成することを可能とする。
【解決手段】画像記憶部に記憶されている撮影画像の中に含まれている顔画像のうちの特徴画像(例:口元、目などのパーツ画像)を検出し(S102)、この検出された特徴画像を他の形態の特徴画像(例:輪郭線が太いパーツ画像)に変更する(S103)。その後、この変更された他の形態の特徴画像を含む顔画像と当該顔画像を除いた背景画像とを絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成する(S107)。この作成された絵画風画像を表示部に表示させる(S108)。目元などが強調された顔画像を含む絵画風画像を視認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像に基づいて絵画風画像を作成する画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮影画像から絵画風画像に変換してくれる装置が知られている(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−213598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のこうした装置の場合、撮影画像を予め定められた画像処理により絵画風画像に変換するのみであり、面白みに欠けるという問題点があった。
【0005】
この発明は、こうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、撮影された撮影画像を、希望する形態に変更した、変化に富んで面白い絵画風画像を作成可能な画像処理装置及び画像処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、
撮影画像を記憶している画像記憶手段と、
この画像記憶手段に記憶されている撮影画像の中に含まれている被写体画像の特徴部分を検出する特徴検出手段と、
この特徴検出手段により検出された特徴部分を表す特徴画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する変更手段と、
この変更手段により変更された特徴画像を含む被写体画像と当該被写体画像を除いた前記撮影画像とを絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成する絵画風画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明に係る画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、
前記変更手段は、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段と、
前記特徴検出手段により検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する特徴画像変更手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の発明に係る画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、
前記変更手段は、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段と、
前記特徴検出手段により検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像である第1の形態画像を作成する第1の形態画像作成手段と、
この第1の形態画像作成手段により作成された第1の形態画像のうちの少なくとも一部の部分画像を他の部分画像と置き換え、この置き換えられた他の部分画像と前記置き換えられていない部分画像とを組み合わせて第2の形態画像を特徴画像として作成する第2の形態画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の発明に係る画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、
前記絵画風画像作成手段は、
前記変更手段により変更された特徴画像と前記被写体画像を除いた背景画像とに対してそれぞれ施される複数の絵画風画像の種類を表示させる絵画風画像種類表示制御手段と、
この絵画風画像種類表示制御手段の制御により表示されている複数の絵画風画像の種類の中から前記特徴画像と前記背景画像とに施される絵画風画像の種類を選択する選択手段と、
この選択手段により選択された絵画風画像の種類に対応して、前記特徴画像と前記背景画像とを異なる絵画風画像に変換し、この変換された絵画風特徴画像と絵画風背景画像とを合成して絵画風画像を作成する絵画風画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5記載の発明に係る画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記絵画風画像作成手段により作成された絵画風画像を表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6記載の発明に係る画像処理方法は、
撮影画像を記憶している画像記憶部と、画像を表示する表示部とを備えている画像処理装置に用いられる画像処理方法において、
前記画像記憶部に記憶されている撮影画像の中に含まれている被写体画像の特徴部分を検出する特徴検出ステップと、
この特徴検出ステップにより検出された特徴部分を表す特徴画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する変更ステップと、
この変更ステップにより変更された特徴画像を含む被写体画像と当該被写体画像を除いた前記撮影画像と前記撮影画像を絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成する絵画風画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7記載の発明に係る画像処理方法は、請求項6記載の画像処理方法において、
前記変更ステップは、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段をアクセスし、前記特徴検出ステップにより検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する特徴画像変更ステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8記載の発明に係る画像処理方法は、請求項6記載の画像処理方法において、
前記変更ステップは、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段をアクセスし、前記特徴検出ステップにより検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像である第1の形態画像を作成する第1の形態画像作成ステップと、
この第1の形態画像作成ステップにより作成された第1の形態画像のうちの少なくとも一部の部分画像を他の部分画像と置き換え、この置き換えられた他の部分画像と前記置き換えられていない部分画像とを組み合わせて第2の形態画像を特徴画像として作成する第2の形態画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項9記載の発明に係る画像処理方法は、請求項6記載の画像処理方法において、
前記絵画風画像作成ステップは、
前記変更ステップにより変更された特徴画像と前記被写体画像を除いた背景画像とに対してそれぞれ施される複数の絵画風画像の種類を表示させる絵画風画像種類表示制御ステップと、
この絵画風画像種類表示制御ステップの制御により表示されている複数の絵画風画像の種類の中から前記特徴画像と前記背景画像とに施される絵画風画像の種類を選択するための選択手段が選択操作された際に、この選択手段により選択された絵画風画像の種類に対応して、前記特徴画像と前記背景画像とを絵画風画像に変換し、この変換された絵画風特徴画像と絵画風背景画像とを合成して絵画風画像を作成する絵画風画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項10記載の発明に係る画像処理方法は、請求項6記載の画像処理方法において、前記絵画風画像作成ステップにより作成された絵画風画像を表示させる表示制御ステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、鑑賞者の意図を充分に反映した絵画風画像を確実かつ容易に作成することができる。
【0017】
また、本発明によれば、画像記憶手段に記憶されている撮影画像の中に含まれている被写体画像の特徴部分を検出し、この検出された特徴部分を表す特徴画像の形態を他の形態の特徴画像に変更した上で、この変更された特徴画像を含む被写体画像と当該被写体画像を除いた撮影画像とを絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成することができる。したがって、たとえば、目元などが強調された顔画像を含む絵画風画像を表示することができるので、より一層、全部または一部が強調された絵画風画像を視認することができる。
【0018】
更に、本発明によれば、作成された絵画風画像を表示部に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラと表示装置との外観を示す図である。
【図2】同デジタルカメラと表示装置との電気的構成の概略を示すブロック構成図である。
【図3】RAMのメモリ構成図である。
【図4】ROMのメモリ構成図である。
【図5】本発明の実施の形態における絵画風画像作成表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】(a)は撮影画像の表示例を示す図であり、(b)は顔画像を検出中の表示例を示す図である。
【図7】検出中の顔画像とパーツ別形態強調設定用表示画面との表示例を示す図である。
【図8】パーツ別形態強調設定後の顔画像の表示例を示す図である。
【図9】絵画風画像の種類を選択する際の表示例を示す図である。
【図10】絵画風画像に変換された顔画像と背景画像とを合成した後の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラ1と表示装置100との外観を示す背面図である。
このデジタルカメラ1の背面には、メニューキー2、モードダイアル3、表示部4、カーソルキー5、SETキー6等が設けられている。また、上面にはシャッターキー8、電源ボタン9が設けられている。さらに、正面側には、後述の撮像レンズを備えた撮影部10が設けられている。このデジタルカメラ1で撮影された撮影画像などは、内蔵された後述のRAM22またはメモリカード24に記憶されるようになっている。
一方、表示装置100の表面には、装着されたメモリカード24に記憶されている撮影画像などを表示するための表示部13が設けられている。表示装置100は、リモコン装置101により制御される。
【0021】
図2は、デジタルカメラ1と表示装置100との電気的構成の概略を示すブロック構成図である。
デジタルカメラ1は、撮像部10とCPU11とを備えている。前者の撮像部10は、CCDを備えている。後者のCPU11は、このCCDにより撮像した画像を圧縮・伸張し、所定フォーマット、例えば統一規格DCF(Design rule for Camera File system)やJPEG(Joint Photographic Expert Group)に合致するフォーマットの画像ファイルを生成・再生する画像処理機能を備えている。
【0022】
撮像部10を構成しているCCDの受光面には、撮像レンズ、フォーカスレンズ、絞りを通過して被写体の光学像が結像される。フォーカスレンズはAFモータ等からなる駆動機構に保持されており、CPU11からの制御信号によりAFドライバーが出力する駆動信号が駆動機構に供給されることにより光軸上を前後に移動する合焦動作を行う。絞りは、CPU11からの制御信号に基づき絞り駆動部が発生する駆動信号により駆動しCCDに入射する被写体像の光量を調整する。
【0023】
また、CPU11には、タイミング信号を発生するTG(Timing Generator)が接続されており、このTGが発生したタイミング信号に基づきVドライバー(垂直方向ドライバー)がCCDを駆動し、それに伴いCCDにより被写体像の輝度に応じたアナログの撮像信号が出力されユニット回路へ送られる。
【0024】
ユニット回路は、CCDから出力された撮像信号を保持するCDSと、このCDSから撮像信号を供給されるアナログアンプであるゲイン調整アンプ(AGC)と、ゲイン調整アンプで増幅され調整されたアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(AD)とからなり、CCDの出力信号は、ここで黒レベルを合わせてサンプリングされデジタル信号としてCPU11に送られる。ゲイン調整アンプ(AGC)は、ISO感度に応じた増幅率で、CDSから供給される撮像信号を増幅する。
【0025】
CPU11には、シャッターキー8を含む前記キー群をからなる入力部21のほかに、表示部4、RAM22、ROM23、メモリカード24が接続されている。
【0026】
RAM22は作業用のメモリであり、メモリカード24は画像記録用のメモリである。CCDからCPU11に送られたデジタル信号である撮像信号は、RAM22に一時保存されるとともに、CPU11によって各種の画像処理が施された後、最終的には圧縮された画像データとしてメモリカード24に記録される。なお、このメモリカード24はカメラ本体に着脱自在なカード型のものである。
【0027】
メモリカード24に記録された撮影画像等は、必要に応じてCPU11に読み出され、伸長処理、輝度信号及び色信号の付加等の処理を経てデジタルビデオ信号やアナログビデオ信号に変換され、表示部4によって表示される。また表示部4には、記録モードにおいて周期的に撮像された画像がスルー画像として表示される。
【0028】
ROM23は、CPU11における各部の制御及びデータ処理に必要な各種の動作プログラムが記録されたプログラムROMである。すなわち、ROM23には、前記プログラムとともに、撮影時の適正な露出値に対応するISO感度とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図等の各種データが格納されている。
【0029】
CPU11は、シャッタースピードであるCCDの電荷蓄積時間や、前記絞りの開放度、前記ユニット回路のゲイン調整アンプ(AGC)のゲインの制御によるAE制御を行うとともに、所定のプログラムに従い、フォーカスレンズを駆動するAF(オートフォーカス)制御、AWB(オートホワイトバランス)制御を行う。メモリカード24は、撮影された撮影画像などを記憶する。
【0030】
RAM22内には、図3に示す絵画風変換データエリア221が設けられている。この絵画風変換データエリア221には、第1記憶部222、第2記憶部223、第3記憶部224、第4記憶部225及び第4記憶部226が設けられている。
【0031】
第1記憶部222には、撮影された撮影画像1、2・・・Nが記憶される。第2記憶部223には、撮影画像の中に存在する人物画像である顔画像と背景画像とが記憶される。また、第3記憶部224には、顔画像を構成しているパーツ画像とそのパーツ画像の位置を示す座標位置とが記憶される。第4記憶部225は、変更後パーツ画像とその変更後パーツ画像の位置を示す座標位置とが記憶される。更に、第5記憶部229は、人物絵画風画像と背景絵画風画とを合成した後の、最終的な絵画風画像が記憶される。
また、ROM23内には、人物画像を構成している複数の部位であるパーツ別に、互いに異なる複数のパーツ画像が設けられている。
たとえば、図6に示すように、複数のパーツである「まゆ毛」「目」「鼻」「口」別に、互いに異なる複数のパーツ画像を記憶しているパーツ画像記憶領域41A〜41Dが設けられている。
【0032】
一方、表示装置100は、撮影部10を除き、デジタルカメラ1の構成と同様な構成を備えている。この表示装置100は、リモコン装置101のリモコン操作で制御される。
【0033】
以上の構成に係る本実施の形態において、デジタルカメラ1はCPU11がROM23に格納されているプログラムに従って処理を実行することにより、図5のフローチャートに示す絵画風画像作成表示処理を実行する。
【0034】
すなわち、使用者がこのデジタルカメラ1を携帯し、例えば、被写体として、背景を富士山とし、前面を人物とするシーンのもとでシャッターキー8を押下すると、CPU11は撮影処理を開始し、撮影部により、図6(a)に示したように、富士山画像6aと人物画像6bとからなる撮影画像6を取得する。この取得された撮影画像6は、RAM22における第1記憶部222に記憶される。
【0035】
次に、CPU11は、撮影画像表示処理を実行して、表示部4に撮影した撮影画像6を表示させる(ステップS101)。これにより、表示部4には、図6(a)に示した撮影画像6が表示される。
【0036】
引き続き、CPU11は、撮影画像6aの中に存在する人物画像6bのうちの顔画像部分を検出する(ステップS102)。このステップS102で行われる被写体別の顔検出顔処理は、公知の顔検出技術を用いて人物の顔検出を行う。顔検出が終了すると、その顔画像KAの周りに枠6cが表示される。
【0037】
さらに、図3に示すように、この顔検出した顔画像KAと当該顔画像の位置を示す座標位置(x1,y1)とが第2記憶部223に記憶される。
【0038】
次に、CPU11は、顔画像KAを構成している部位毎の部分画像(パーツ画像ともいう)の形状を、認識技術などを用いて認識し、この認識された部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を部分画像記憶用ROMの中から部位毎に検索する。
部分画像記憶用ROM23Aは、図4に示すように、複数の部位41A〜41D毎に複数の部分画像を記憶している。
図4には、各部位を示す「まゆ毛」「目」「鼻」「口」・・・の41A〜41D毎に、互いに異なる形状の複数の部分画像が記憶されている例を示す。
CPU11は、検索した結果、撮影された顔画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像が部分画像記憶用ROMの中に存在していれば、部分画像表示部上の該当する部分画像を識別表示する。この例では、該当する部分画像は、図6(b)に示すように、斜線で部分画像を示している。この実施の形態の場合、撮影画像の中の人物画像を構成している各部分画像は、部分画像記憶用ROM23A内に記憶されている部分画像とまったく同じ形状の部分画像であったことを示している。
次に、CPU11は、図7に示すように、パーツ別形態強調設定用表示画面を、顔画像の隣に表示する。
このパーツ別形態強調設定用表示画面には、「各パーツの強調度合いを設定してください」と、使用者に各パーツの強調度合いの設定を促すメッセージ部90を表示する一方で、その下部位置に、パーツ別の強調度合いを示す項目7A〜9D(または種類アイコンでもよい)を表示する。
【0039】
ユーザは、このパーツ別形態強調設定用表示画面において、顔画像のうちの少なくとも一部を変更したいと考えた場合は、入力部21のキー操作により現在の太さを示す部分画像(図7における斜線で示す)以外の他の部分画像を選択する。
例えば、「まゆ毛」の太さを変更したいと考えた場合は、現在の太さを示す現在太さ項目から希望する太さを示す希望太さ項目を選択する。「目元」「鼻」「口元」についても、その太さを変更したいと考えた場合は、現在の太さを示す現在太さ項目から希望する太さを示す希望太さ項目を選択する。
図8の場合、「まゆ毛」「目元」「鼻」「口元」のうち、「鼻」を除く「まゆ毛」「目元」「口元」の太さが一番太い線図の形態となるように変更設定した場合を示す。
「鼻」を除く「まゆ毛」「目元」「口元」の太さが一番太い線図の形態となるように変更設定すると、図9に示すように、「鼻」を除く「まゆ毛」「目元」「口元」の太さが一番太い線図を備えている部分画像が部分画像記憶用ROM23A内から読み出されて表示される。このために、「鼻」を除く「まゆ毛」「目元」「口元」がそれぞれ強調された顔画像KBを表示させることができる。
【0040】
次に、CPU11は、この顔画像KBと背景画像6aとに対して、変換したい絵画風画像の種類を選択する際の処理に移行する(ステップS104)。
図9は、変換したい絵画風画像の種類を一覧表示した場合の表示例を示す図である。この図に示すように、「変換したい絵画風画像の種類を選択してください」と、使用者に絵画風画像の種類の選択を促すメッセージ部90を表示する一方で、その下部位置に、絵画風画像の種類を示す項目9A〜9F(または種類アイコンでもよい)を表示する。
【0041】
次に、CPU11は、この絵画風画像の種類を一覧表示したあとに、使用者が絵画風画像の種類を選択するための入力部21内の選択スイッチ21aが操作されたか否かを判別する(ステップS105)。
【0042】
次に、CPU11は、選択スイッチ21aが操作されたことを判別した際は、この選択スイッチ21aの操作により選択された絵画風画像の種類に応じた絵画風変換処理を実行する(ステップS106)。
図9の左画面は、絵画風画像の種類を一覧表示したあとに、使用者が絵画風画像の種類を選択した場合を示す。
すなわち、選択スイッチ21aの操作により、顔画像KBと背景画像6aとに共通して、変換したい絵画風画像の種類の一つである「油絵画風A」の項目が選択されると、CPU11は、この選択された「油絵画風A」に従って、顔画像KBに対して絵画風変換処理を施す。
選択スイッチ21aの操作により、「色鉛筆画風B」の項目が選択されると、この選択された「色鉛筆画風B」に従って、顔画像KBに対して絵画風変換処理を施す。同様、他の絵画風画像の種類の選択の場合も同様である。
このようにして顔画像KBに対して絵画風変換処理を施こされた絵画風顔画像とそれの座標位置とは、RAM22の第4の記憶部225に記憶される。
【0043】
次に、CPU11は、絵画風合成画面を表示する処理に移行する(ステップS110)。
図10は、絵画風合成画面を表示した場合の表示例を示す図である。この図10の右画面は、「設定された絵画風画像の種類は次のとおり」と、使用者が設定した絵画風画像の種類を示すメッセージ部90を表示する一方で、その下部位置に、「顔画像」「背景画像」と当該各画像に設定された「油絵画風A」とを示す選択項目(またはアイコンでもよい)を表示する。
他方、この図10の左画面は、油絵画風顔画像と油絵画風背景画像とを合成した後の合成画像が表示される。
【0044】
以上のような実施の形態によれば、記憶されている撮影画像の中に含まれている顔画像を検出し、この検出された顔画像のうちの各パーツ別形態変更後の顔画像を作成した上で、この作成された顔画像と当該顔画像を除いた背景画像とを希望する形式の絵画風画像に変換し、この変換された絵画風顔画像と絵画風背景画像とを合成して絵画風画像を作成することができる。このために、顔画像と背景画像とを希望する形式の絵画風画像に変換された絵画風画像を、迅速かつ容易に観賞することができる。そればかりでなく、撮影画像に含まれている顔画像のうちのパーツ画像を太さが太い線図の部分画像に変更した上で、絵画風画像を作成し、表示することができるので、目元、口元などが強調された顔画像を含む絵画風画像を視認することができる。
【0045】
また、この表示させた絵画風画像をメモリカード24に記憶し、この記憶されたメモリカード24を表示装置100に装着すれば、大画面の表示部13により、絵画風画像を観賞することもできる。
【0046】
なお、本実施の形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を示したが、デジタルカメラに限らず、携帯電話等の他の電子機器に適用するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、顔画像と背景画像とに共通して、変換したい絵画風画像の種類の一つを選択し、この選択された一つの絵画風画像の種類に従って、顔画像と背景画像とに共通して絵画風変換処理を施こした場合について説明しているが、顔画像と背景画像とに、変換したい絵画風画像の種類の一つを別個独立して選択し、この選択された個々の絵画風画像の種類に従って、顔画像と背景画像とを別々に絵画風変換処理を施こしてもよい。
また、本実施の形態においては、顔画像に絵画風変換処理を施こしているが、顔画像のほかに胴体、足部などの他の部位の画像に対して絵画風変換処理を施こしてもよい。
また、本実施の形態においては、被写体画像の特徴部分として顔画像の各パーツ画像を検出し、この検出されたパーツ画像の形態を他の形態の特徴画像に変更した上で、この変更された特徴画像を含む被写体画像などを絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成しているが、顔画像の各パーツ画像に代えて、山、建造物などの画像の輪郭を抽出し、この抽出された輪郭の輪郭線を太いまたは細い輪郭線に変更し、この変更された太いまたは細い輪郭線に対して絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 デジタルカメラ
4 表示部
11 CPU
24 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像を記憶している画像記憶手段と、
この画像記憶手段に記憶されている撮影画像の中に含まれている被写体画像の特徴部分を検出する特徴検出手段と、
この特徴検出手段により検出された特徴部分を表す特徴画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する変更手段と、
この変更手段により変更された特徴画像を含む被写体画像と当該被写体画像を除いた前記撮影画像とを絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成する絵画風画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段と、
前記特徴検出手段により検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する特徴画像変更手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変更手段は、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段と、
前記特徴検出手段により検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像である第1の形態画像を作成する第1の形態画像作成手段と、
この第1の形態画像作成手段により作成された第1の形態画像のうちの少なくとも一部の部分画像を他の部分画像と置き換え、この置き換えられた他の部分画像と前記置き換えられていない部分画像とを組み合わせて第2の形態画像を特徴画像として作成する第2の形態画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記絵画風画像作成手段は、
前記変更手段により変更された特徴画像と前記被写体画像を除いた背景画像とに対してそれぞれ施される複数の絵画風画像の種類を表示させる絵画風画像種類表示制御手段と、
この絵画風画像種類表示制御手段の制御により表示されている複数の絵画風画像の種類の中から前記特徴画像と前記背景画像とに施される絵画風画像の種類を選択する選択手段と、
この選択手段により選択された絵画風画像の種類に対応して、前記特徴画像と前記背景画像とを異なる絵画風画像に変換し、この変換された絵画風特徴画像と絵画風背景画像とを合成して絵画風画像を作成する絵画風画像作成手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記絵画風画像作成手段により作成された絵画風画像を表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
撮影画像を記憶している画像記憶部と、画像を表示する表示部とを備えている画像処理装置に用いられる画像処理方法において、
前記画像記憶部に記憶されている撮影画像の中に含まれている被写体画像の特徴部分を検出する特徴検出ステップと、
この特徴検出ステップにより検出された特徴部分を表す特徴画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する変更ステップと、
この変更ステップにより変更された特徴画像を含む被写体画像と当該被写体画像を除いた前記撮影画像と前記撮影画像を絵画風画像に変換し、この変換された絵画風画像を作成する絵画風画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
前記変更ステップは、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段をアクセスし、前記特徴検出ステップにより検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像の形態を他の形態の特徴画像に変更する特徴画像変更ステップと、
を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記変更ステップは、
複数の部位毎に複数の部分画像を記憶している部分画像記憶手段をアクセスし、前記特徴検出ステップにより検出された特徴画像を構成している部位毎の部分画像と同じまたは似ている部分画像を前記部分画像記憶手段から部位毎に読み出し、この読み出された部位毎の部分画像を組み合わせて構成された新たな被写体画像である第1の形態画像を作成する第1の形態画像作成ステップと、
この第1の形態画像作成ステップにより作成された第1の形態画像のうちの少なくとも一部の部分画像を他の部分画像と置き換え、この置き換えられた他の部分画像と前記置き換えられていない部分画像とを組み合わせて第2の形態画像を特徴画像として作成する第2の形態画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記絵画風画像作成ステップは、
前記変更ステップにより変更された特徴画像と前記被写体画像を除いた背景画像とに対してそれぞれ施される複数の絵画風画像の種類を表示させる絵画風画像種類表示制御ステップと、
この絵画風画像種類表示制御ステップの制御により表示されている複数の絵画風画像の種類の中から前記特徴画像と前記背景画像とに施される絵画風画像の種類を選択するための選択手段が選択操作された際に、この選択手段により選択された絵画風画像の種類に対応して、前記特徴画像と前記背景画像とを絵画風画像に変換し、この変換された絵画風特徴画像と絵画風背景画像とを合成して絵画風画像を作成する絵画風画像作成ステップと、
を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記絵画風画像作成ステップにより作成された絵画風画像を表示させる表示制御ステップを備えることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−197995(P2011−197995A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63701(P2010−63701)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】