画像処理装置及び画像処理方法
【課題】複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを精度高く簡単に割り当てることが可能な複合機100を提供する。
【解決手段】各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段503と、画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段505と、作成されたヒストグラムにおける前記色の画素数が所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段506と、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段507と、原稿束の画像データ毎にJOBを割り当てるJOB割当手段509とを備える複合機100を提供する。
【解決手段】各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段503と、画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段505と、作成されたヒストグラムにおける前記色の画素数が所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段506と、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段507と、原稿束の画像データ毎にJOBを割り当てるJOB割当手段509とを備える複合機100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、詳しくは、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能な画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の原稿ジョブを同時に読み取り、各々の原稿ジョブに対して異なる処理を行うデジタル複合機などの画像出力装置において、所定のシートをジョブセパレートシートとして各原稿ジョブの間に挿入してスキャナのADFにセットし、読み取り動作を行う。これにより、各原稿ジョブに対し別々にファイリング処理したり、印刷処理したりすることが出来るとしている。
【0003】
しかしながら、前記ジョブセパレートシートを用いて原稿ジョブ毎に個別の画像処理を行う場合、画像処理モードの多様化に伴って、多種類のジョブセパレートシートを用意しなければならない。その上、ジョブセパレートシートの種類が多くなると、どのジョブセパレートシートを選択使用すればよいのか分かりにくくなり、操作が煩雑になるという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、特開2004−64437号公報(特許文献1)には、種類の異なる複数の原稿ジョブを読み取り、原稿ジョブごとに出力形態を異ならせて画像処理を行う画像処理装置が開示されている。当該画像処理装置は、読み取り原稿の角の部分において所定の形状を認識した場合に、原稿ジョブが切り替わったと識別する原稿識別手段と、前記原稿識別手段によって前記原稿ジョブが切り替わったと識別された場合に、画像データの出力形態を切り替える画像処理制御手段とが設けられている。
【0005】
当該構成により、ある原稿ジョブと他の原稿ジョブとの境界のページとなる原稿の角の部分の形状を原稿ジョブが切り替わる目印となる所定の形状にしておけば、原稿識別手段は原稿ジョブが切り替わったことを認識し、設定された次の画像処理の出力形態へ切り替えることが出来るとしている。これにより、操作性の向上、ジョブセパレートシートの削減等の効果があるとしている。
【0006】
又、特開2006−165863号公報(特許文献2)には、スキャナなど複数の原稿の表と裏をそれぞれ読み取ることができる両面画像読み取り手段と、読み取った複数枚の原稿の画像データを記憶する情報処理装置を含む情報処理システムが開示されている。当該情報処理システムは、前記両面画像読み取り手段により読込まれた複数の原稿画像データの中から仕切り用紙画像を検出する手段と、該仕切り用紙画像検出手段が仕切り用紙画像データを検出したとき、当該仕切り用紙画像データの前後の画像データ情報を別々の文書データとして区分させる手段と、複数の原稿画像データの中から検出された仕切り用紙を文書データとして取込まない手段と、検出された仕切り用紙の種別を認識して、区分された文書データにそれぞれ印刷及び製本フォーマットの属性を付加する手段と、生成された複数の文書データを階層的にデータと印刷設定値を保持することで、分割された文書データを1つの電子ファイルとして保存する手段とを備えている。
【0007】
当該構成により、一度に複数の原稿をスキャンしても、ページ数を気にせずに原稿毎の分割が出来て、分割されたそれぞれの原稿に印刷仕上げ設定を自動で行なうことが出来るとしている。又、利用者が複数の原稿を一括でスキャンした画像を文書毎に製本出力などを行なう場合、文書を分割して、それぞれに印刷設定の登録作業をする手間は大幅に軽減されるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−64437号公報
【特許文献2】特開2006−165863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、上述したジョブセパレートシートを不要とするものの、原稿の角の部分の形状が正確に認識されない場合、原稿を精度高く区切ることが出来ず、原稿ジョブの割り当てが適切に行われないという問題がある。
【0010】
又、特許文献2に記載の技術では、仕切り用紙の判定方法として、予め設定された仕切り用紙の色、例えば、両面が全面黒色や全面白色を認識するよう構成されているが、当該構成では、原稿の中に、仕切り用紙の色と同一の色が含まれる場合に、仕切り用紙の判定を誤るという問題がある。つまり、画像データに基づいて原稿の画像データか仕切り用紙の画像データかを色で識別する場合、何らかの工夫を凝らす必要がある。
【0011】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理装置である。
【0013】
当該画像処理装置において、複数のJOBを受け付けるJOB受付手段と、各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段と、読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段と、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段と、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当手段とを備える。
【0014】
これにより、ユーザが複数のJOBを予め入力するとともに、2つの原稿束の間に所定のジョブセパレートシートを挿入した複数の原稿束の画像データを一括して読み取らせれば、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかを精度高く判断し、複数の原稿束の画像データ毎にJOBが順次割り当てられる。そのため、各原稿束毎にJOBの入力を行なう必要が無くなり、JOB入力の手間も解消され、ユーザに対する操作性を向上させることが可能となる。又、画像データにより作成されるヒストグラムを用いてジョブセパレートシートを識別するため、従来技術と比較して、確実にジョブセパレートシートを識別し、各原稿束を識別することが可能となり、JOBの割当が不適切になることもない。
【0015】
更に、本発明は、前記色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ジョブセパレートシートの画像データのうち、タブ部に配置されたタブ情報を取得するタブ情報取得手段を備え、前記JOB割当手段は、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOBと前記タブ情報とを割り当てる構成を採用することが出来る。
【0016】
更に、本発明は、原稿束の画像データに割り当てられたJOBが画像形成に関するJOBである場合に、パスワードの入力を受け付け、受け付けたパスワードと、当該JOBの設定条件のパスワードとが一致した場合で、且つ、スタートキーの選択が継続された場合に、当該JOBを画像形成手段に実行させる出力制限手段を備え、前記JOB受付手段は、画像形成に関するJOBを受け付ける場合、当該JOBの設定条件としてパスワードの入力を受け付ける構成を採用することが出来る。
【0017】
尚、本発明は、複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理方法として提供することが出来る。即ち、複数のJOBを受け付けるJOB受付ステップと、各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取ステップと、読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成ステップと、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定ステップと、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別ステップと、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法を提供出来る。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0018】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像処理装置及び画像処理方法によれば、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る画像読取部の拡大図である。
【図3】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図4】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図5】本発明の複合機の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。
【図7】本発明の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
【図8】本発明の実行手順を示すための第三のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたコピー機能画面の一例を示す図(図9(A))と、本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたJOB数受付画面の一例を示す図(図9(B))である。
【図10】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたJOB条件受付画面の一例を示す図(図10(A))と、本発明の実施形態に係る複数の原稿束とジョブセパレートシートとの関係の一例を示す図(図10(B))である。
【図11】本発明に係るヒストグラム用の画像データが読み取られる帯領域の一例を示す図(図11(A1))と、本発明に係るヒストグラムの一例を示す図(図11(A2))と、本発明に係る原稿束の画像データの識別方法の一例を示す図(図11(B))である。
【図12】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたJOB割当完了画面の一例を示す図(図12(A))と、本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示された出力制限画面の一例を示す図(図12(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像処理装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0022】
<画像処理装置>
以下に、本発明に係る画像処理装置(例えば、複合機)について説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0024】
本発明の複合機100は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当する。尚、一例として複合機を利用して原稿のコピー機能を提供する際の複合機100の動作を簡単に説明する。
【0025】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿Pを印刷する場合、原稿Pを図1に示す原稿台101、或いは載置台102に配置し、原稿台101近傍に供えられた操作部103に対して印刷の指示を行う。ユーザは前記操作部103を介して、例えば、コピー設定条件(枚数、サイズ等)を複合機100に入力する。前記操作部103を介してコピー設定条件とコピーの指示とが入力されることによって、以下に示す各部(駆動部)が動作し、コピー機能が実行される。
【0026】
即ち、図1に示すように、本実施形態の複合機100は、本体104と、本体104の上方に取り付けられたプラテンカバー105を備える。本体104の上面は原稿台101が設けられており、原稿台101は、プラテンカバー105によって開閉されるようになっている。プラテンカバー105は、自動原稿給紙装置106と載置台102と排紙台107が設けられている。
【0027】
自動原稿給紙装置106は、プラテンカバー105の内部に形成された原稿搬送路108と、プラテンカバー105の内部に備えられたピックアップローラ109や搬送ローラ110A、110B等で構成される。原稿搬送路108は、載置台102から、本体104に設けられた画像読取部111にて読み取りが行なわれる読取位置Xを経由して、排紙台107に通じる原稿の搬送路である。
【0028】
自動原稿給紙装置106は、載置台102に載置された複数の原稿から1枚ずつ原稿をピックアップローラ109で搬送路内108に引き出し、搬送ローラ等によって引き出した原稿を、読取位置Xを通過させて、搬送ローラ110Bにより排紙台107に排紙する。読取位置Xを通過する時に原稿は画像読取部111にて読み取られる。
【0029】
前記画像読取部111は、原稿台101の下方に設けられており、図2にその詳細が示されている。画像読取部111は、原稿台102を照射する走査方向に長い光源112と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット113と、原稿台からの光を導くミラー114とを備える第一の移動キャリッジ115や、第一の移動キャリッジ115からの反射光を再度反射するミラー116A、116Bを備える第二の移動キャリッジ117、更にミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群118、当該レンズ群118より補正された光を受光する撮像素子119、撮像素子119にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正処理・画質処理・圧縮処理などを行う画像データ生成部120とで構成されている。
【0030】
自動原稿給紙装置106上の原稿を読み取る場合には、光源112は、読取位置Xを照射できる位置に移動して発光する。光源112からの光は、原稿台101を透過して読取位置Xを通過する原稿にて反射し、スリット113、ミラー114、116A、116B、レンズ群118によって撮像素子119に導かれる。撮像素子119は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部120に送信する。画像データ生成部120には、前記撮像素子119にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部120では、順次変換されたデジタル信号を単位データ(濃度値)とし、これら単位データを補正処理、画質処理、圧縮処理等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【0031】
又、画像読取部111は、自動原稿給紙装置106で搬送される原稿だけでなく、原稿台101に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台101に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ114は、光源112を発光しながら副走査方向に移動し、光源112から撮像素子119までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ117は第一の移動キャリッジ115の1/2の速度で撮像素子119方向に移動する。
【0032】
撮像素子119は、自動原稿給紙装置106に搬送された原稿のときと同様に、ミラー114、116A、116Bに導かれた光に基づいて原稿台101に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部120が画像データ(文書データ)を生成し、記憶部120Bに記憶する。
【0033】
又、本発明に係る複合機100は、コピー機能の処理を実行する画像形成部121を更に備えている。前記画像形成部121は、本体104の画像読取部111の下方に設けられており、記憶部120Bに記憶された画像データを印刷(出力)する。画像形成部121が印刷できる画像データは、前記のように画像データ生成部120にて生成されたものや、ネットワークを介して、複合機100と接続された端末装置等から受信したものである。尚、通信部は、ファクシミリ送受信機能、電子メール送受信機能等で用いられる。
【0034】
画像形成部121が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム122を帯電器123で一様に帯電させ、その後レーザ124で感光ドラム122を照射して感光ドラム122に潜像を形成し、現像器125で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を転写媒体に転写する方式である。
【0035】
尚、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、前記現像器(ロータリー現像器)125が、図1の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム122の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム122上の潜像が、現像器125が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト126Aに転写される。尚、現像器125は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニット125(Y)、(C)、(M)、(K)を有している。前記中間転写ベルト126Aへの転写を前記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト126A上にフルカラー画像が形成される。可視像が印刷される転写媒体、即ち用紙は、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0036】
画像形成部121が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから転写媒体1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した転写媒体を搬送ローラ136やレジストローラ137で中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込む。画像形成部121は、中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込んだ転写媒体に、前記中間転写ベルト126A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト127で定着部128(定着装置)に転写媒体を送る。定着部128は、ヒータが内蔵された加熱ローラ129と、所定の圧力で加熱ローラ129に押し当てられた加圧ローラ130とで構成されている。加熱ローラ129と加圧ローラ130の間を転写媒体が通過すると、熱と転写媒体への押圧力によって可視像が転写媒体に定着する。定着が行われた転写媒体は、印刷用紙となり、排紙トレイ131に排紙される。
【0037】
このような手順にて、複合機100のコピー機能の処理がなされる。
【0038】
図3は、本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【0039】
ユーザは、前記操作部103を用いて、上述のような画像形成についての設定条件等を入力したり、入力された設定条件等を確認したりする。前記設定条件等が入力される場合、前記操作部103に備えられたタッチパネル301(操作パネル)、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0040】
前記タッチパネル301には、アナログ抵抗膜方式が採用され、透光性を有する上部フィルムと下部ガラス基板とがスペーサを介して重ね合わされた構成となっており、上部フィルムと下部ガラス基板との各々の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極層が設けられている。更に、上部フィルムがユーザにより押下されると、当該押下位置に対応する上部フィルム側の透明電極層と下部ガラス基板側の透明電極層とが接触するよう構成されている。上部フィルム又は下部ガラス基板に電圧を印加し、下部ガラス基板又は上部フィルムから押下位置に対応する電圧値を取り出すことにより、当該電圧値に対応する座標値(押下位置)を検出する。検出された押下位置が、タッチパネル301上に表示された画面内の設定条件キー等の表示領域内に含まれると、当該設定条件等が入力される。
【0041】
又、下部ガラス基板の下方には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部が設けられており、当該表示部が、例えば、初期画面等の画面を表示することにより、タッチパネル301上に特定の画面が表示される。これにより、タッチパネル301には、設定条件等を入力する機能と前記画面を表示する機能が兼ね備えられる。
【0042】
又、タッチパネル301の近傍には、タッチペン302が備えられており、ユーザがそのタッチペン302の先をタッチパネル301に接触させると、当該接触位置(押下位置)に対応する座標値が、上記と同様に出力され、ユーザはタッチペン302により、表示されたキー等を押下・選択することが可能となる。
【0043】
更に、タッチパネル301近傍には、所定数の操作キー303が設けられ、例えば、テンキー304、スタートキー305、クリアキー306、ストップキー307、リセットキー308、電源キー309が備えられている。
【0044】
次に、図4を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0045】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404、各駆動部に対応するドライバ405を内部バス406によって接続している。前記CPU401は、例えば、RAM403を作業領域として利用し、前記ROM402、HDD404等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ405、図示しない操作部103からのデータや指示を授受し、上記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図5に示す)についても、前記CPU401がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
【0046】
<本発明の実施形態>
次に、図5−図8を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図5は、本発明の複合機の機能ブロック図である。図6は、本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。図7は、本発明の実行手順を示すための第二のフローチャートである。図8は、本発明の実行手順を示すための第三のフローチャートである。
【0047】
まず、所定数(本実施形態では、3つ)の原稿束を持ったユーザが、複合機100の電源を投入すると、複合機100が起動し、当該複合機100の表示受付手段501は、予め設定されたデフォルト設定画面(例えば、コピー機能画面)をタッチパネル301上に表示する(図6:S101)。
【0048】
前記コピー機能画面900には、図9(A)に示すように、コピーができる旨を示すメッセージ901と、コピー機能の条件を詳細に入力するための設定項目キー902と、原稿を連続して読み込ませるための「原稿連続読込」キー903とが表示される。
【0049】
ここで、ユーザが、「原稿連続読込」キー903を選択すると、前記表示受付手段501が、当該「原稿連続読込」キー903の選択を受け付けて(図6:S102YES)、その旨をJOB受付手段502に通知する。当該通知を受けたJOB受付手段502は、JOB数受付画面をタッチパネル301上に表示する(図6:S103)。
【0050】
前記JOB数受付画面904には、図9(B)に示すように、連続読込対象の複数の原稿束にそれぞれ割り当てるJOBの数の入力を促す旨のメッセージ905と、入力されたJOBの数を示すJOB数表示欄906と、JOB数を入力するためのテンキー907と、OKキー908とが表示される。
【0051】
ユーザは、前記JOB数受付画面904を見ながら、前記原稿束の数と同等の数「3」をJOB数として入力し、OKキー908を選択すると、JOB受付手段502が、当該JOB数「3」と、当該OKキー908の選択とを受け付けて(図6:S104YES)、当該JOB数「3」のジョブに関する条件を入力可能なJOB条件受付画面をタッチパネル301上に表示する(図6:S105)。
【0052】
前記JOB条件受付画面1000には、図10(A)に示すように、JOBに対して所定の機能項目と設定条件との入力を促す旨のメッセージ1001と、前記JOB数「3」に対応して番号が付されたJOB名1002(例えば、「JOB1」、「JOB2」、「JOB3」)と、当該JOB名1002に対応付けられ、複数の機能のうち所定の機能を選択可能な機能項目キー1003と、当該機能項目キー1003に対応する設定条件を入力可能な設定項目キー1004と、実行キー1005とが表示される。ここで、JOB名1002、機能項目キー1003、設定項目キー1004は、先ほど入力されたJOB数だけ表示される。
【0053】
ここで、前記機能項目キー1003は、ユーザにより選択されると、複合機100が画像データに基づいて提供可能な複数の機能名キー(例えば、「コピー」、「ファクシミリ送信」、「電子メール送信」)が選択可能に表示され、ユーザが所定の機能名キー(例えば、「コピー」)を選択することにより、選択された特定の機能が、対応するJOB名1002に関連付けられる。
【0054】
又、前記設定項目キー1004は、所定の機能名(例えば、「コピー」)が選択された状態で、ユーザにより選択されると、当該機能に関連する設定条件入力画面(例えば、図示しないパスワード入力画面)が表示される。ユーザが、例えば、パスワード入力画面に予め備えられた図示しないキーボートキーを用いて設定条件(パスワード「abc」)を入力することにより、入力された設定条件(例えば、「パスワード『abc』」)が、対応するJOB名1002に関連付けられる。
【0055】
尚、「ファクシミリ送信」が選択された状態で、対応する設定項目キー1004が選択されれば、ファクシミリ番号を入力可能なFAX送信先入力画面が表示され、「電子メール送信」が選択された状態で、対応する設定項目キー1004が選択されれば、電子メールアドレスを入力可能なメール送信先入力画面が表示されることになる。
【0056】
さて、ユーザは、前記JOB条件受付画面1000を見ながら、最初に読み込ませる原稿束の画像データにはコピー機能を実行させたいため、JOB名「JOB1」に対して機能名「コピー」と設定条件「パスワード『abc』」とを入力し、次に読み込ませる原稿束の画像データにはファクシミリ送信機能を実行させたいため、JOB名「JOB2」に対して機能名「ファクシミリ送信」と設定条件「送信先『123456』」とを入力したとする。更に、ユーザは、最後に読み込ませる原稿束の画像データには電子メール送信機能を実行させたいため、JOB名「JOB3」に対して機能名「電子メール送信」と設定条件「送信先『abc@def』」とを入力したとする(図6:S106YES)。
【0057】
次に、ユーザが、複合機100に予め備えられたジョブセパレートシートを取り出し、取り出したジョブセパレートシートを、各原稿束の間にそれぞれ挿入して所定数の原稿束を区分する。
【0058】
ここで、ジョブセパレートシート1006は、図10(B)に示すように、所定の色(例えば、緑色、グレー色等)が付された単色原稿であり、当該単色原稿の所定の部位(例えば、所定の角部1006a)から長手方向に沿って延出されたタブ部1007を備える。当該タブ部1007は、例えば、所定の文字情報(例えば、ファイル名、機能名に対応する「コピー」、「FAX送信」など)が予め記載されている。
【0059】
例えば、3つの原稿束をジョブセパレートシートにより区分する場合、ユーザが、最初の原稿束1008と次の原稿束1009との間に最初のジョブセパレートシート1006を挿入する。ここで、ユーザは、挿入するジョブセパレートシート1006のタブ部1007に、最初の原稿束1008の画像データに実行させる機能名(例えば、「コピー」)が記載されているジョブセパレートシートを選択する。更に、ユーザは、次の原稿束1009と最後の原稿束1010との間に次のジョブセパレートシート1011を挿入するが、ここでも、当該ジョブセパレートシート1011のタブ部1012に、次の原稿束の画像データに実行させる機能名(例えば、「FAX送信」)が記載されたジョブセパレートシートを選択する。
【0060】
このように、前記ジョブセパレートシート1006、1011の挿入を完了すると、ユーザは、最初の原稿束1008の画像データが最初に読み取られるように、3つの原稿束を自動原稿給送装置101の載置台102に載置する。そして、ユーザが、前記JOB条件受付画面1000の実行キー1005を選択すると、JOB受付手段502が、当該実行キー1005の選択を受け付けて(図6:S107YES)、その旨を画像読取手段503に通知する。当該通知を受けた画像読取手段503は、載置台102に載置された、ジョブセパレートシートを含む複数の原稿の画像データを一枚ずつ読み取り(図6:S108)、読み取った画像データを画像データ記憶手段504に記憶させる(図6:S109)。
【0061】
ここで、前記画像読取手段503が、読み取った画像データを画像データ記憶手段504に記憶させると、その旨をヒストグラム作成手段505に通知する。当該通知を受けたヒストグラム作成手段505は、記憶された画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成する(図7:S201)。
【0062】
前記ヒストグラムの作成方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、ヒストグラム作成手段505は、図11(A1)に示すように、画像データ1100の幅方向の一端部1101(例えば、右端部)から内部に向かって所定の間隔tだけ空けられた位置に、画像データ1100の長手方向に延びた所定の幅dを有する帯領域の画像データ1102を画像データ1100の一部として読み取る。次に、ヒストグラム作成手段505は、読み取った帯領域の画像データ1102を構成する画素を、当該画素の色(RGB値)毎に集計し、集計した画素数に基づいて、縦軸を画素数とし、横軸を色とするヒストグラムを作成する。帯領域の画像データ1102は、全体の画像データ1100の一部であるため、ヒストグラムの作成に要する時間を短縮することが出来る。
【0063】
前記ヒストグラム作成手段505が、前記ヒストグラムを作成すると、その旨を画素数判定手段506に通知する。当該通知を受けた画素数判定手段506は、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する(図7:S202)。
【0064】
具体的には、画素数判定手段506が、図11(A2)に示すように、作成されたヒストグラムの画素数のうち、前記ジョブセパレートシートの色(例えば、「緑」1103)に対応する画素数(例えば、「N1」1104)をヒストグラムから取得するとともに、所定のメモリに予め記憶された前記閾値(例えば、「N0」1105)を取得する。ここで、前記閾値は、ヒストグラムの作成に用いられた帯領域の画像データ1102が単色原稿である場合、当該画像データ1102を構成する所定の色の画素数が超過出来る程度の値に設定されている。そして、画素数判定手段506が、取得した画素数と、取得した閾値とを比較して、当該画素数が当該閾値を超過するか否かを判定する。
【0065】
当該判定の結果、前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、所定の閾値未満である場合(図7:S202NO)、前記画素数判定手段506は、その旨を原稿束識別手段507に通知する。当該通知を受けた原稿束識別手段507は、ヒストグラムの作成に用いられた画像データを、原稿の画像データと識別する(図7:S203)。
【0066】
一方、前記画素数判定手段506による前記判定の結果、前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、所定の閾値を超過した場合(図7:S202YES)、前記画素数判定手段506は、その旨を原稿束識別手段507に通知する。当該通知を受けた原稿束識別手段507は、ヒストグラムの作成に用いられた画像データを、ジョブセパレートシートの画像データと識別する(図7:S204)。このように、画像データの一部の色データで画像データを識別するのではなく、ヒストグラムにおけるジョブセパレートシートの色の画素数を用いて画像データを識別するため、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかを精度高く識別することが可能となる。
【0067】
更に、前記原稿束識別手段507は、その旨をタブ情報取得手段508に通知する。当該通知を受けたタブ情報取得手段508は、ジョブセパレートシートの画像データのうち、タブ部に配置されたタブ情報を取得する(図7:S205)。
【0068】
例えば、図10(B)に示すように、ジョブセパレートシートが、最初の原稿束1008と次の原稿束1009との間に挿入されたジョブセパレートシート1006であれば、当該ジョブセパレートシート1006のタブ部1007に記載された文字情報「コピー」1013がタブ情報として取得される。
【0069】
さて、前記原稿束識別手段507による、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかの識別が完了すると、当該原稿束識別手段507は、その旨をヒストグラム作成手段505に通知する。当該通知を受けたヒストグラム作成手段505は、画像データ記憶手段504を参照して、ヒストグラムを作成していない画像データがあるか否か判定する(図7:S206)。
【0070】
当該判定の結果、ヒストグラムを作成していない画像データがある場合(図7:S206YES)、ヒストグラム作成手段505は、S201に戻り、ヒストグラムの作成を実行することで、前記画素数判定手段506による判定(図7:S202)、前記原稿束識別手段507による識別(図7:S203、S204)がなされる。
【0071】
一方、当該判定の結果、ヒストグラムを作成していない画像データがない場合(図7:S206NO)、ヒストグラム作成手段505は、その旨を原稿束識別手段507に通知する。当該通知を受けた原稿束識別手段507は、前記ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する(図7:S207)。
【0072】
例えば、図11(B)に示すように、最初に記憶された画像データ1106から、最初のジョブセパレートシート1006の直前に記憶された画像データ1107までの複数の画像データが、前記原稿束識別手段507により、最初の原稿束1008の画像データとして識別される。次に、最初のジョブセパレートシート1006の直後に記憶された画像データ1108から、次のジョブセパレートシート1012の直前に記憶された画像データ1109までの複数の画像データが、前記原稿束識別手段507により、次の原稿束1009の画像データとして識別される。最後に、次のジョブセパレートシート1012の直前に記憶された画像データ1110から、最後に記憶された画像データ1111までの複数の画像データが、前記原稿束識別手段507により、最後の原稿束1010の画像データとして識別される。
【0073】
さて、前記原稿束識別手段507が原稿束の画像データを識別すると、その旨をJOB割当手段509に通知する。当該通知を受けたJOB割当手段509は、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段502が受け付けたJOBを割り当てる(図7:S208)。
【0074】
例えば、図11(B)に示すように、JOB割当手段509が、最初の原稿束1008の画像データに、最初に受け付けたJOB1112(JOB名「JOB1」、機能名「コピー」、設定条件「パスワード『abc』」)を割り当てる。ここで、JOB割当手段509は、前記タブ情報取得手段508により最初に取得されたタブ情報(「コピー」)を、最初の原稿束1008の画像データのファイル名として割り当てる。これにより、ユーザが入力したJOBと、タブ情報とを、一の原稿束の画像データに割り当てることが可能となる。又、タブ情報をファイル名として視認することにより、ユーザが、ファイル名が付された画像データを効率よく整理することが可能となる。
【0075】
又、次の原稿束1009の画像データには、次に受け付けられたJOB1113(JOB名「JOB2」、機能名「ファクシミリ送信」、設定条件「送信先『0123456』」)と、次に取得されたタブ情報(「FAX送信」)とが割り当てられる。そして、最後の原稿束1010の画像データには、最後に受け付けたJOB1114(JOB名「JOB3」、機能名「電子メール送信」、設定条件「送信先『abc@def』)を割り当てるが、最後に取得されたタブ情報は無いため、最後の原稿束1010の画像データのファイル名は何も割り当てられない。
【0076】
尚、何らかの理由により、識別された原稿束の数が、JOB数よりも多い場合、例えば、JOB数を超過した原稿束の画像データは、何のJOBも割り当てられずに、画像データ記憶手段504に記憶される。当該原稿束の画像データは、ユーザから新たなJOBが割り当てられることになる。一方、識別された原稿束の数が、JOB数よりも少ない場合、例えば、割り当てることが出来なかったJOBをJOB割当手段509が消去することになる。
【0077】
JOB割当手段509が、原稿束の画像データ毎のJOBの割当を完了すると、JOB割当完了画面をタッチパネル301上に表示する(図7:S209)。
【0078】
前記JOB割当完了画面1200には、図12(A)に示すように、複数のJOBの割当が完了した旨のメッセージ1201と、複数のJOB名1202と、当該JOB名1202に対応する機能名1203と、当該JOB名1202に対応する設定条件1204と、ファイル名として対応付けられたタブ情報1205と、実行キー1206とが表示される。
【0079】
ユーザは、前記JOB割当完了画面1200を見ながら、実行キー1206を選択すると、JOB割当手段509は、当該実行キー1206の選択を受け付けて(図7:S210YES)、その旨を出力制限手段510に通知する。当該通知を受けた出力制限手段510は、割り当てられたJOBのうち、所定のJOBを取り出し、当該JOBが、画像形成に関するJOBか否かを判定する(図8:S301)。
【0080】
当該判定の結果、前記JOBが画像形成に関するJOBでない場合(図8:S301NO)、出力制限手段510が、その旨を機能提供手段511に通知する。当該通知を受けた機能提供手段511は、判定がなされたJOBに対応する原稿束の画像データを画像データ記憶手段504から取得し、当該画像データに基づいて当該JOBを実行する(図8:S302)。
【0081】
例えば、出力制限手段510が判定するJOBが、JOB名「JOB2」のJOBである場合、当該JOB名「JOB2」のJOBはファクシミリ送信に関するJOBであるため、出力制限手段510が、その旨を機能提供手段511に通知し、当該通知を受けた機能提供手段511は、当該JOB名「JOB2」に割り当てられた原稿束909の画像データを、設定条件「送信先『123456』」に対応する送信先の端末装置にファクシミリ送信することになる。
【0082】
又、出力制限手段510が判定するJOBが、JOB名「JOB3」のJOBである場合、当該JOB名「JOB3」のJOBは電子メール送信に関するJOBであるため、機能提供手段511が、当該JOB名「JOB3」に割り当てられた原稿束910の画像データを、設定条件「送信先『abc@def』」に対応する送信先の端末装置に電子メール送信することになる。
【0083】
一方、前記判定の結果、JOBが画像形成に関するJOBである場合(図8:S301YES)、出力制限手段510は、表示受付手段501を介して出力制限画面をタッチパネル301上に表示する(図8:S303)。
【0084】
前記出力制限画面1207には、図12(B)に示すように、コピー機能を実行させるために必要なパスワードの入力を促す旨のメッセージ1208と、パスワードを入力した後にスタートキーの選択(押下)を継続することをユーザに促す旨のメッセージ1209と、パスワード入力欄1210と、キーボードキー1211と、スタートキー1212とが表示される。
【0085】
ユーザは、前記出力制限画面1207を見ながら、キーボードキー1211を用いて、自己がJOB名「JOB1」の設定条件で入力したパスワード「abc」をパスワード入力欄1210に入力し、スタートキー1212を選択(押下)し続けると、前記出力制限手段510は、入力されたパスワードとJOB名「JOB1」の設定条件のパスワードとが一致し(図8:S304YES)、且つ、前記スタートキー1112の選択が継続された場合に限り(図8:S305YES)、前記機能提供手段511に、当該JOB名「JOB1」のJOBを実行するよう指示する。当該指示を受けた機能提供手段511は、画像形成手段として、前記JOB名「JOB1」に割り当てられた原稿束の画像データに基づいて画像形成を実行する(図8:S306)。
【0086】
これにより、画像形成に関するJOBにより出力される印刷物が、当該JOBの割当を実行したユーザ以外の第三者の手に渡ることを防止することが出来て、安全性を確保することが可能となる。
【0087】
尚、入力されたパスワードとJOB名「JOB1」の設定条件のパスワードとが不一致の場合は(図8:S304NO)、前記出力制限手段510は、前記機能提供手段511に画像形成に関するJOBを実行させない。又、入力されたパスワードとJOB名「JOB1」の設定条件のパスワードとが一致して(図8:S304YES)、前記スタートキー1112が選択されたものの(図8:S305YES)、何らかの原因により当該スタートキー1112の選択が解除された場合(図8:S305NO)、前記出力制限手段510は、前記機能提供手段510が実行中のJOBを停止させ、再度、スタートキー1112の選択を受け付ける(図8:S305)。この場合は、ユーザが、再度、前記スタートキー1112を選択し続けることによって(図8:S305YES)、前記出力制限手段510が、前記機能提供手段511に画像形成に関するJOBの実行する(図8:S306)。
【0088】
前記出力制限手段510は、JOB割当手段909と通信し、割り当てられたJOBが全て実行されたか否かを判定する(図8:S307)。当該判定の結果、全てのJOBが実行されていない場合(図8:S307NO)、前記出力制限手段510は、S301に戻り、実行対象のJOBが、画像形成に関するJOBか否かを判定することになる(図8:S301)。一方、前記判定の結果、全てのJOBが実行された場合(図8:S307YES)、出力制限手段510は処理を完了する。
【0089】
このように、本発明に係る複合機100は、複数のJOBを受け付けるJOB受付手段502と、2つの原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段503と、読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段505と、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段506と、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートとし、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段507と、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段502が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当手段509とを備える。
【0090】
これにより、ユーザが複数のJOBを予め入力するとともに、2つの原稿束の間に所定のジョブセパレートシートを挿入した複数の原稿束の画像データを一括して読み取らせれば、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかを精度高く判断し、複数の原稿束の画像データ毎にJOBが順次割り当てられる。そのため、各原稿束毎にJOBの入力を行なう必要が無くなり、JOB入力の手間も解消され、ユーザに対する操作性を向上させることが可能となる。又、画像データにより作成されるヒストグラムを用いてジョブセパレートシートを識別するため、確実にジョブセパレートシートを識別し、各原稿束を識別することが可能となり、JOBの割当が不適切になることもない。又、本発明であれば、従来にように、原稿の角部の折り曲げを行なう必要もなく、原稿自身を傷付けることもない。
【0091】
尚、本発明の実施形態では、JOB割当手段509が、JOB受付手段502により受け付けたJOBの順番と、原稿束識別手段507により識別した原稿束の画像データの順番とに対応して、当該JOBを当該原稿束の画像データに割り当てる構成としたが、他の構成でも構わない。例えば、ジョブセパレートシートの色を、特定のJOBの機能項目に予め設定しておき、原稿束の画像データの直前に挿入されたジョブセパレートシートの色が、特定のJOBの機能項目に対応する色である場合、当該原稿束の画像データに、対応した特定のJOBの機能項目を含むJOBを割り当てる構成としても構わない。当該構成とすると、ユーザは、複合機100に読み込ませる原稿束の順番を気にする必要が無くなるため、操作性が向上する。
【0092】
又、本発明の実施形態では、JOB割当手段509が、タブ情報取得手段508が取得したタブ情報を、原稿束の画像データに割り当てる構成としたが、更に、他の構成を追加しても構わない。例えば、タブ情報が割り当てられた原稿束の画像データに基づいてJOBが実行されると、表示受付手段501により、当該JOBの終了通知が、当該タブ情報の表示とともに実行されるよう構成しても構わない。
【0093】
又、本発明の実施形態では、ジョブセパレートシートのタブ情報を、単に、原稿束の画像データに割り当てられるファイル名として利用したが、他の構成でも構わない。例えば、JOB割当手段509が、タブ情報(例えば、「コピー」)に基づいてJOBの機能項目(「コピー」)を識別し、当該タブ情報が割り当てられる原稿束の画像データに、識別された機能項目を含むJOB(例えば、「JOB1」)を割り当てる構成としても構わない。
【0094】
又、本発明の実施形態では、ジョブセパレートシートのタブ部に、所定の文字が予め記載されていたが、他の構成でも構わない。例えば、ジョブセパレートシートのタブ部は、余白として、ユーザが、所定のペンを用いて文字等の情報を入力することが出来るように構成しても良い。この場合は、入力された文字等が、文字認識の技術によりタブ情報として認識され、所定の原稿束の画像データに割り当てられることになる。
【0095】
又、本発明の実施形態では、各手段を複合機100に適用した場合について説明したが、各種画像処理装置、各種画像形成装置、各種プリンタ、各種複写機等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
【0096】
又、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能な画像処理装置及び画像処理方法として有効である。
【符号の説明】
【0098】
100 複合機
501 表示受付手段
502 JOB受付手段
503 画像読取手段
504 画像データ記憶手段
505 ヒストグラム作成手段
506 画素数判定手段
507 原稿束識別手段
508 タブ情報取得手段
509 JOB割当手段
510 出力制限手段
511 機能提供手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、詳しくは、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能な画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の原稿ジョブを同時に読み取り、各々の原稿ジョブに対して異なる処理を行うデジタル複合機などの画像出力装置において、所定のシートをジョブセパレートシートとして各原稿ジョブの間に挿入してスキャナのADFにセットし、読み取り動作を行う。これにより、各原稿ジョブに対し別々にファイリング処理したり、印刷処理したりすることが出来るとしている。
【0003】
しかしながら、前記ジョブセパレートシートを用いて原稿ジョブ毎に個別の画像処理を行う場合、画像処理モードの多様化に伴って、多種類のジョブセパレートシートを用意しなければならない。その上、ジョブセパレートシートの種類が多くなると、どのジョブセパレートシートを選択使用すればよいのか分かりにくくなり、操作が煩雑になるという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、特開2004−64437号公報(特許文献1)には、種類の異なる複数の原稿ジョブを読み取り、原稿ジョブごとに出力形態を異ならせて画像処理を行う画像処理装置が開示されている。当該画像処理装置は、読み取り原稿の角の部分において所定の形状を認識した場合に、原稿ジョブが切り替わったと識別する原稿識別手段と、前記原稿識別手段によって前記原稿ジョブが切り替わったと識別された場合に、画像データの出力形態を切り替える画像処理制御手段とが設けられている。
【0005】
当該構成により、ある原稿ジョブと他の原稿ジョブとの境界のページとなる原稿の角の部分の形状を原稿ジョブが切り替わる目印となる所定の形状にしておけば、原稿識別手段は原稿ジョブが切り替わったことを認識し、設定された次の画像処理の出力形態へ切り替えることが出来るとしている。これにより、操作性の向上、ジョブセパレートシートの削減等の効果があるとしている。
【0006】
又、特開2006−165863号公報(特許文献2)には、スキャナなど複数の原稿の表と裏をそれぞれ読み取ることができる両面画像読み取り手段と、読み取った複数枚の原稿の画像データを記憶する情報処理装置を含む情報処理システムが開示されている。当該情報処理システムは、前記両面画像読み取り手段により読込まれた複数の原稿画像データの中から仕切り用紙画像を検出する手段と、該仕切り用紙画像検出手段が仕切り用紙画像データを検出したとき、当該仕切り用紙画像データの前後の画像データ情報を別々の文書データとして区分させる手段と、複数の原稿画像データの中から検出された仕切り用紙を文書データとして取込まない手段と、検出された仕切り用紙の種別を認識して、区分された文書データにそれぞれ印刷及び製本フォーマットの属性を付加する手段と、生成された複数の文書データを階層的にデータと印刷設定値を保持することで、分割された文書データを1つの電子ファイルとして保存する手段とを備えている。
【0007】
当該構成により、一度に複数の原稿をスキャンしても、ページ数を気にせずに原稿毎の分割が出来て、分割されたそれぞれの原稿に印刷仕上げ設定を自動で行なうことが出来るとしている。又、利用者が複数の原稿を一括でスキャンした画像を文書毎に製本出力などを行なう場合、文書を分割して、それぞれに印刷設定の登録作業をする手間は大幅に軽減されるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−64437号公報
【特許文献2】特開2006−165863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、上述したジョブセパレートシートを不要とするものの、原稿の角の部分の形状が正確に認識されない場合、原稿を精度高く区切ることが出来ず、原稿ジョブの割り当てが適切に行われないという問題がある。
【0010】
又、特許文献2に記載の技術では、仕切り用紙の判定方法として、予め設定された仕切り用紙の色、例えば、両面が全面黒色や全面白色を認識するよう構成されているが、当該構成では、原稿の中に、仕切り用紙の色と同一の色が含まれる場合に、仕切り用紙の判定を誤るという問題がある。つまり、画像データに基づいて原稿の画像データか仕切り用紙の画像データかを色で識別する場合、何らかの工夫を凝らす必要がある。
【0011】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理装置である。
【0013】
当該画像処理装置において、複数のJOBを受け付けるJOB受付手段と、各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段と、読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段と、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段と、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当手段とを備える。
【0014】
これにより、ユーザが複数のJOBを予め入力するとともに、2つの原稿束の間に所定のジョブセパレートシートを挿入した複数の原稿束の画像データを一括して読み取らせれば、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかを精度高く判断し、複数の原稿束の画像データ毎にJOBが順次割り当てられる。そのため、各原稿束毎にJOBの入力を行なう必要が無くなり、JOB入力の手間も解消され、ユーザに対する操作性を向上させることが可能となる。又、画像データにより作成されるヒストグラムを用いてジョブセパレートシートを識別するため、従来技術と比較して、確実にジョブセパレートシートを識別し、各原稿束を識別することが可能となり、JOBの割当が不適切になることもない。
【0015】
更に、本発明は、前記色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ジョブセパレートシートの画像データのうち、タブ部に配置されたタブ情報を取得するタブ情報取得手段を備え、前記JOB割当手段は、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOBと前記タブ情報とを割り当てる構成を採用することが出来る。
【0016】
更に、本発明は、原稿束の画像データに割り当てられたJOBが画像形成に関するJOBである場合に、パスワードの入力を受け付け、受け付けたパスワードと、当該JOBの設定条件のパスワードとが一致した場合で、且つ、スタートキーの選択が継続された場合に、当該JOBを画像形成手段に実行させる出力制限手段を備え、前記JOB受付手段は、画像形成に関するJOBを受け付ける場合、当該JOBの設定条件としてパスワードの入力を受け付ける構成を採用することが出来る。
【0017】
尚、本発明は、複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理方法として提供することが出来る。即ち、複数のJOBを受け付けるJOB受付ステップと、各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取ステップと、読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成ステップと、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定ステップと、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別ステップと、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法を提供出来る。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0018】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像処理装置及び画像処理方法によれば、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る画像読取部の拡大図である。
【図3】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図4】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図5】本発明の複合機の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。
【図7】本発明の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
【図8】本発明の実行手順を示すための第三のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたコピー機能画面の一例を示す図(図9(A))と、本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたJOB数受付画面の一例を示す図(図9(B))である。
【図10】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたJOB条件受付画面の一例を示す図(図10(A))と、本発明の実施形態に係る複数の原稿束とジョブセパレートシートとの関係の一例を示す図(図10(B))である。
【図11】本発明に係るヒストグラム用の画像データが読み取られる帯領域の一例を示す図(図11(A1))と、本発明に係るヒストグラムの一例を示す図(図11(A2))と、本発明に係る原稿束の画像データの識別方法の一例を示す図(図11(B))である。
【図12】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示されたJOB割当完了画面の一例を示す図(図12(A))と、本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示された出力制限画面の一例を示す図(図12(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像処理装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0022】
<画像処理装置>
以下に、本発明に係る画像処理装置(例えば、複合機)について説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0024】
本発明の複合機100は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当する。尚、一例として複合機を利用して原稿のコピー機能を提供する際の複合機100の動作を簡単に説明する。
【0025】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿Pを印刷する場合、原稿Pを図1に示す原稿台101、或いは載置台102に配置し、原稿台101近傍に供えられた操作部103に対して印刷の指示を行う。ユーザは前記操作部103を介して、例えば、コピー設定条件(枚数、サイズ等)を複合機100に入力する。前記操作部103を介してコピー設定条件とコピーの指示とが入力されることによって、以下に示す各部(駆動部)が動作し、コピー機能が実行される。
【0026】
即ち、図1に示すように、本実施形態の複合機100は、本体104と、本体104の上方に取り付けられたプラテンカバー105を備える。本体104の上面は原稿台101が設けられており、原稿台101は、プラテンカバー105によって開閉されるようになっている。プラテンカバー105は、自動原稿給紙装置106と載置台102と排紙台107が設けられている。
【0027】
自動原稿給紙装置106は、プラテンカバー105の内部に形成された原稿搬送路108と、プラテンカバー105の内部に備えられたピックアップローラ109や搬送ローラ110A、110B等で構成される。原稿搬送路108は、載置台102から、本体104に設けられた画像読取部111にて読み取りが行なわれる読取位置Xを経由して、排紙台107に通じる原稿の搬送路である。
【0028】
自動原稿給紙装置106は、載置台102に載置された複数の原稿から1枚ずつ原稿をピックアップローラ109で搬送路内108に引き出し、搬送ローラ等によって引き出した原稿を、読取位置Xを通過させて、搬送ローラ110Bにより排紙台107に排紙する。読取位置Xを通過する時に原稿は画像読取部111にて読み取られる。
【0029】
前記画像読取部111は、原稿台101の下方に設けられており、図2にその詳細が示されている。画像読取部111は、原稿台102を照射する走査方向に長い光源112と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット113と、原稿台からの光を導くミラー114とを備える第一の移動キャリッジ115や、第一の移動キャリッジ115からの反射光を再度反射するミラー116A、116Bを備える第二の移動キャリッジ117、更にミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群118、当該レンズ群118より補正された光を受光する撮像素子119、撮像素子119にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正処理・画質処理・圧縮処理などを行う画像データ生成部120とで構成されている。
【0030】
自動原稿給紙装置106上の原稿を読み取る場合には、光源112は、読取位置Xを照射できる位置に移動して発光する。光源112からの光は、原稿台101を透過して読取位置Xを通過する原稿にて反射し、スリット113、ミラー114、116A、116B、レンズ群118によって撮像素子119に導かれる。撮像素子119は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部120に送信する。画像データ生成部120には、前記撮像素子119にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部120では、順次変換されたデジタル信号を単位データ(濃度値)とし、これら単位データを補正処理、画質処理、圧縮処理等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【0031】
又、画像読取部111は、自動原稿給紙装置106で搬送される原稿だけでなく、原稿台101に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台101に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ114は、光源112を発光しながら副走査方向に移動し、光源112から撮像素子119までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ117は第一の移動キャリッジ115の1/2の速度で撮像素子119方向に移動する。
【0032】
撮像素子119は、自動原稿給紙装置106に搬送された原稿のときと同様に、ミラー114、116A、116Bに導かれた光に基づいて原稿台101に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部120が画像データ(文書データ)を生成し、記憶部120Bに記憶する。
【0033】
又、本発明に係る複合機100は、コピー機能の処理を実行する画像形成部121を更に備えている。前記画像形成部121は、本体104の画像読取部111の下方に設けられており、記憶部120Bに記憶された画像データを印刷(出力)する。画像形成部121が印刷できる画像データは、前記のように画像データ生成部120にて生成されたものや、ネットワークを介して、複合機100と接続された端末装置等から受信したものである。尚、通信部は、ファクシミリ送受信機能、電子メール送受信機能等で用いられる。
【0034】
画像形成部121が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム122を帯電器123で一様に帯電させ、その後レーザ124で感光ドラム122を照射して感光ドラム122に潜像を形成し、現像器125で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を転写媒体に転写する方式である。
【0035】
尚、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、前記現像器(ロータリー現像器)125が、図1の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム122の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム122上の潜像が、現像器125が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト126Aに転写される。尚、現像器125は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニット125(Y)、(C)、(M)、(K)を有している。前記中間転写ベルト126Aへの転写を前記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト126A上にフルカラー画像が形成される。可視像が印刷される転写媒体、即ち用紙は、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0036】
画像形成部121が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから転写媒体1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した転写媒体を搬送ローラ136やレジストローラ137で中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込む。画像形成部121は、中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込んだ転写媒体に、前記中間転写ベルト126A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト127で定着部128(定着装置)に転写媒体を送る。定着部128は、ヒータが内蔵された加熱ローラ129と、所定の圧力で加熱ローラ129に押し当てられた加圧ローラ130とで構成されている。加熱ローラ129と加圧ローラ130の間を転写媒体が通過すると、熱と転写媒体への押圧力によって可視像が転写媒体に定着する。定着が行われた転写媒体は、印刷用紙となり、排紙トレイ131に排紙される。
【0037】
このような手順にて、複合機100のコピー機能の処理がなされる。
【0038】
図3は、本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【0039】
ユーザは、前記操作部103を用いて、上述のような画像形成についての設定条件等を入力したり、入力された設定条件等を確認したりする。前記設定条件等が入力される場合、前記操作部103に備えられたタッチパネル301(操作パネル)、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0040】
前記タッチパネル301には、アナログ抵抗膜方式が採用され、透光性を有する上部フィルムと下部ガラス基板とがスペーサを介して重ね合わされた構成となっており、上部フィルムと下部ガラス基板との各々の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極層が設けられている。更に、上部フィルムがユーザにより押下されると、当該押下位置に対応する上部フィルム側の透明電極層と下部ガラス基板側の透明電極層とが接触するよう構成されている。上部フィルム又は下部ガラス基板に電圧を印加し、下部ガラス基板又は上部フィルムから押下位置に対応する電圧値を取り出すことにより、当該電圧値に対応する座標値(押下位置)を検出する。検出された押下位置が、タッチパネル301上に表示された画面内の設定条件キー等の表示領域内に含まれると、当該設定条件等が入力される。
【0041】
又、下部ガラス基板の下方には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部が設けられており、当該表示部が、例えば、初期画面等の画面を表示することにより、タッチパネル301上に特定の画面が表示される。これにより、タッチパネル301には、設定条件等を入力する機能と前記画面を表示する機能が兼ね備えられる。
【0042】
又、タッチパネル301の近傍には、タッチペン302が備えられており、ユーザがそのタッチペン302の先をタッチパネル301に接触させると、当該接触位置(押下位置)に対応する座標値が、上記と同様に出力され、ユーザはタッチペン302により、表示されたキー等を押下・選択することが可能となる。
【0043】
更に、タッチパネル301近傍には、所定数の操作キー303が設けられ、例えば、テンキー304、スタートキー305、クリアキー306、ストップキー307、リセットキー308、電源キー309が備えられている。
【0044】
次に、図4を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0045】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404、各駆動部に対応するドライバ405を内部バス406によって接続している。前記CPU401は、例えば、RAM403を作業領域として利用し、前記ROM402、HDD404等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ405、図示しない操作部103からのデータや指示を授受し、上記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図5に示す)についても、前記CPU401がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
【0046】
<本発明の実施形態>
次に、図5−図8を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図5は、本発明の複合機の機能ブロック図である。図6は、本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。図7は、本発明の実行手順を示すための第二のフローチャートである。図8は、本発明の実行手順を示すための第三のフローチャートである。
【0047】
まず、所定数(本実施形態では、3つ)の原稿束を持ったユーザが、複合機100の電源を投入すると、複合機100が起動し、当該複合機100の表示受付手段501は、予め設定されたデフォルト設定画面(例えば、コピー機能画面)をタッチパネル301上に表示する(図6:S101)。
【0048】
前記コピー機能画面900には、図9(A)に示すように、コピーができる旨を示すメッセージ901と、コピー機能の条件を詳細に入力するための設定項目キー902と、原稿を連続して読み込ませるための「原稿連続読込」キー903とが表示される。
【0049】
ここで、ユーザが、「原稿連続読込」キー903を選択すると、前記表示受付手段501が、当該「原稿連続読込」キー903の選択を受け付けて(図6:S102YES)、その旨をJOB受付手段502に通知する。当該通知を受けたJOB受付手段502は、JOB数受付画面をタッチパネル301上に表示する(図6:S103)。
【0050】
前記JOB数受付画面904には、図9(B)に示すように、連続読込対象の複数の原稿束にそれぞれ割り当てるJOBの数の入力を促す旨のメッセージ905と、入力されたJOBの数を示すJOB数表示欄906と、JOB数を入力するためのテンキー907と、OKキー908とが表示される。
【0051】
ユーザは、前記JOB数受付画面904を見ながら、前記原稿束の数と同等の数「3」をJOB数として入力し、OKキー908を選択すると、JOB受付手段502が、当該JOB数「3」と、当該OKキー908の選択とを受け付けて(図6:S104YES)、当該JOB数「3」のジョブに関する条件を入力可能なJOB条件受付画面をタッチパネル301上に表示する(図6:S105)。
【0052】
前記JOB条件受付画面1000には、図10(A)に示すように、JOBに対して所定の機能項目と設定条件との入力を促す旨のメッセージ1001と、前記JOB数「3」に対応して番号が付されたJOB名1002(例えば、「JOB1」、「JOB2」、「JOB3」)と、当該JOB名1002に対応付けられ、複数の機能のうち所定の機能を選択可能な機能項目キー1003と、当該機能項目キー1003に対応する設定条件を入力可能な設定項目キー1004と、実行キー1005とが表示される。ここで、JOB名1002、機能項目キー1003、設定項目キー1004は、先ほど入力されたJOB数だけ表示される。
【0053】
ここで、前記機能項目キー1003は、ユーザにより選択されると、複合機100が画像データに基づいて提供可能な複数の機能名キー(例えば、「コピー」、「ファクシミリ送信」、「電子メール送信」)が選択可能に表示され、ユーザが所定の機能名キー(例えば、「コピー」)を選択することにより、選択された特定の機能が、対応するJOB名1002に関連付けられる。
【0054】
又、前記設定項目キー1004は、所定の機能名(例えば、「コピー」)が選択された状態で、ユーザにより選択されると、当該機能に関連する設定条件入力画面(例えば、図示しないパスワード入力画面)が表示される。ユーザが、例えば、パスワード入力画面に予め備えられた図示しないキーボートキーを用いて設定条件(パスワード「abc」)を入力することにより、入力された設定条件(例えば、「パスワード『abc』」)が、対応するJOB名1002に関連付けられる。
【0055】
尚、「ファクシミリ送信」が選択された状態で、対応する設定項目キー1004が選択されれば、ファクシミリ番号を入力可能なFAX送信先入力画面が表示され、「電子メール送信」が選択された状態で、対応する設定項目キー1004が選択されれば、電子メールアドレスを入力可能なメール送信先入力画面が表示されることになる。
【0056】
さて、ユーザは、前記JOB条件受付画面1000を見ながら、最初に読み込ませる原稿束の画像データにはコピー機能を実行させたいため、JOB名「JOB1」に対して機能名「コピー」と設定条件「パスワード『abc』」とを入力し、次に読み込ませる原稿束の画像データにはファクシミリ送信機能を実行させたいため、JOB名「JOB2」に対して機能名「ファクシミリ送信」と設定条件「送信先『123456』」とを入力したとする。更に、ユーザは、最後に読み込ませる原稿束の画像データには電子メール送信機能を実行させたいため、JOB名「JOB3」に対して機能名「電子メール送信」と設定条件「送信先『abc@def』」とを入力したとする(図6:S106YES)。
【0057】
次に、ユーザが、複合機100に予め備えられたジョブセパレートシートを取り出し、取り出したジョブセパレートシートを、各原稿束の間にそれぞれ挿入して所定数の原稿束を区分する。
【0058】
ここで、ジョブセパレートシート1006は、図10(B)に示すように、所定の色(例えば、緑色、グレー色等)が付された単色原稿であり、当該単色原稿の所定の部位(例えば、所定の角部1006a)から長手方向に沿って延出されたタブ部1007を備える。当該タブ部1007は、例えば、所定の文字情報(例えば、ファイル名、機能名に対応する「コピー」、「FAX送信」など)が予め記載されている。
【0059】
例えば、3つの原稿束をジョブセパレートシートにより区分する場合、ユーザが、最初の原稿束1008と次の原稿束1009との間に最初のジョブセパレートシート1006を挿入する。ここで、ユーザは、挿入するジョブセパレートシート1006のタブ部1007に、最初の原稿束1008の画像データに実行させる機能名(例えば、「コピー」)が記載されているジョブセパレートシートを選択する。更に、ユーザは、次の原稿束1009と最後の原稿束1010との間に次のジョブセパレートシート1011を挿入するが、ここでも、当該ジョブセパレートシート1011のタブ部1012に、次の原稿束の画像データに実行させる機能名(例えば、「FAX送信」)が記載されたジョブセパレートシートを選択する。
【0060】
このように、前記ジョブセパレートシート1006、1011の挿入を完了すると、ユーザは、最初の原稿束1008の画像データが最初に読み取られるように、3つの原稿束を自動原稿給送装置101の載置台102に載置する。そして、ユーザが、前記JOB条件受付画面1000の実行キー1005を選択すると、JOB受付手段502が、当該実行キー1005の選択を受け付けて(図6:S107YES)、その旨を画像読取手段503に通知する。当該通知を受けた画像読取手段503は、載置台102に載置された、ジョブセパレートシートを含む複数の原稿の画像データを一枚ずつ読み取り(図6:S108)、読み取った画像データを画像データ記憶手段504に記憶させる(図6:S109)。
【0061】
ここで、前記画像読取手段503が、読み取った画像データを画像データ記憶手段504に記憶させると、その旨をヒストグラム作成手段505に通知する。当該通知を受けたヒストグラム作成手段505は、記憶された画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成する(図7:S201)。
【0062】
前記ヒストグラムの作成方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、ヒストグラム作成手段505は、図11(A1)に示すように、画像データ1100の幅方向の一端部1101(例えば、右端部)から内部に向かって所定の間隔tだけ空けられた位置に、画像データ1100の長手方向に延びた所定の幅dを有する帯領域の画像データ1102を画像データ1100の一部として読み取る。次に、ヒストグラム作成手段505は、読み取った帯領域の画像データ1102を構成する画素を、当該画素の色(RGB値)毎に集計し、集計した画素数に基づいて、縦軸を画素数とし、横軸を色とするヒストグラムを作成する。帯領域の画像データ1102は、全体の画像データ1100の一部であるため、ヒストグラムの作成に要する時間を短縮することが出来る。
【0063】
前記ヒストグラム作成手段505が、前記ヒストグラムを作成すると、その旨を画素数判定手段506に通知する。当該通知を受けた画素数判定手段506は、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する(図7:S202)。
【0064】
具体的には、画素数判定手段506が、図11(A2)に示すように、作成されたヒストグラムの画素数のうち、前記ジョブセパレートシートの色(例えば、「緑」1103)に対応する画素数(例えば、「N1」1104)をヒストグラムから取得するとともに、所定のメモリに予め記憶された前記閾値(例えば、「N0」1105)を取得する。ここで、前記閾値は、ヒストグラムの作成に用いられた帯領域の画像データ1102が単色原稿である場合、当該画像データ1102を構成する所定の色の画素数が超過出来る程度の値に設定されている。そして、画素数判定手段506が、取得した画素数と、取得した閾値とを比較して、当該画素数が当該閾値を超過するか否かを判定する。
【0065】
当該判定の結果、前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、所定の閾値未満である場合(図7:S202NO)、前記画素数判定手段506は、その旨を原稿束識別手段507に通知する。当該通知を受けた原稿束識別手段507は、ヒストグラムの作成に用いられた画像データを、原稿の画像データと識別する(図7:S203)。
【0066】
一方、前記画素数判定手段506による前記判定の結果、前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、所定の閾値を超過した場合(図7:S202YES)、前記画素数判定手段506は、その旨を原稿束識別手段507に通知する。当該通知を受けた原稿束識別手段507は、ヒストグラムの作成に用いられた画像データを、ジョブセパレートシートの画像データと識別する(図7:S204)。このように、画像データの一部の色データで画像データを識別するのではなく、ヒストグラムにおけるジョブセパレートシートの色の画素数を用いて画像データを識別するため、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかを精度高く識別することが可能となる。
【0067】
更に、前記原稿束識別手段507は、その旨をタブ情報取得手段508に通知する。当該通知を受けたタブ情報取得手段508は、ジョブセパレートシートの画像データのうち、タブ部に配置されたタブ情報を取得する(図7:S205)。
【0068】
例えば、図10(B)に示すように、ジョブセパレートシートが、最初の原稿束1008と次の原稿束1009との間に挿入されたジョブセパレートシート1006であれば、当該ジョブセパレートシート1006のタブ部1007に記載された文字情報「コピー」1013がタブ情報として取得される。
【0069】
さて、前記原稿束識別手段507による、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかの識別が完了すると、当該原稿束識別手段507は、その旨をヒストグラム作成手段505に通知する。当該通知を受けたヒストグラム作成手段505は、画像データ記憶手段504を参照して、ヒストグラムを作成していない画像データがあるか否か判定する(図7:S206)。
【0070】
当該判定の結果、ヒストグラムを作成していない画像データがある場合(図7:S206YES)、ヒストグラム作成手段505は、S201に戻り、ヒストグラムの作成を実行することで、前記画素数判定手段506による判定(図7:S202)、前記原稿束識別手段507による識別(図7:S203、S204)がなされる。
【0071】
一方、当該判定の結果、ヒストグラムを作成していない画像データがない場合(図7:S206NO)、ヒストグラム作成手段505は、その旨を原稿束識別手段507に通知する。当該通知を受けた原稿束識別手段507は、前記ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する(図7:S207)。
【0072】
例えば、図11(B)に示すように、最初に記憶された画像データ1106から、最初のジョブセパレートシート1006の直前に記憶された画像データ1107までの複数の画像データが、前記原稿束識別手段507により、最初の原稿束1008の画像データとして識別される。次に、最初のジョブセパレートシート1006の直後に記憶された画像データ1108から、次のジョブセパレートシート1012の直前に記憶された画像データ1109までの複数の画像データが、前記原稿束識別手段507により、次の原稿束1009の画像データとして識別される。最後に、次のジョブセパレートシート1012の直前に記憶された画像データ1110から、最後に記憶された画像データ1111までの複数の画像データが、前記原稿束識別手段507により、最後の原稿束1010の画像データとして識別される。
【0073】
さて、前記原稿束識別手段507が原稿束の画像データを識別すると、その旨をJOB割当手段509に通知する。当該通知を受けたJOB割当手段509は、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段502が受け付けたJOBを割り当てる(図7:S208)。
【0074】
例えば、図11(B)に示すように、JOB割当手段509が、最初の原稿束1008の画像データに、最初に受け付けたJOB1112(JOB名「JOB1」、機能名「コピー」、設定条件「パスワード『abc』」)を割り当てる。ここで、JOB割当手段509は、前記タブ情報取得手段508により最初に取得されたタブ情報(「コピー」)を、最初の原稿束1008の画像データのファイル名として割り当てる。これにより、ユーザが入力したJOBと、タブ情報とを、一の原稿束の画像データに割り当てることが可能となる。又、タブ情報をファイル名として視認することにより、ユーザが、ファイル名が付された画像データを効率よく整理することが可能となる。
【0075】
又、次の原稿束1009の画像データには、次に受け付けられたJOB1113(JOB名「JOB2」、機能名「ファクシミリ送信」、設定条件「送信先『0123456』」)と、次に取得されたタブ情報(「FAX送信」)とが割り当てられる。そして、最後の原稿束1010の画像データには、最後に受け付けたJOB1114(JOB名「JOB3」、機能名「電子メール送信」、設定条件「送信先『abc@def』)を割り当てるが、最後に取得されたタブ情報は無いため、最後の原稿束1010の画像データのファイル名は何も割り当てられない。
【0076】
尚、何らかの理由により、識別された原稿束の数が、JOB数よりも多い場合、例えば、JOB数を超過した原稿束の画像データは、何のJOBも割り当てられずに、画像データ記憶手段504に記憶される。当該原稿束の画像データは、ユーザから新たなJOBが割り当てられることになる。一方、識別された原稿束の数が、JOB数よりも少ない場合、例えば、割り当てることが出来なかったJOBをJOB割当手段509が消去することになる。
【0077】
JOB割当手段509が、原稿束の画像データ毎のJOBの割当を完了すると、JOB割当完了画面をタッチパネル301上に表示する(図7:S209)。
【0078】
前記JOB割当完了画面1200には、図12(A)に示すように、複数のJOBの割当が完了した旨のメッセージ1201と、複数のJOB名1202と、当該JOB名1202に対応する機能名1203と、当該JOB名1202に対応する設定条件1204と、ファイル名として対応付けられたタブ情報1205と、実行キー1206とが表示される。
【0079】
ユーザは、前記JOB割当完了画面1200を見ながら、実行キー1206を選択すると、JOB割当手段509は、当該実行キー1206の選択を受け付けて(図7:S210YES)、その旨を出力制限手段510に通知する。当該通知を受けた出力制限手段510は、割り当てられたJOBのうち、所定のJOBを取り出し、当該JOBが、画像形成に関するJOBか否かを判定する(図8:S301)。
【0080】
当該判定の結果、前記JOBが画像形成に関するJOBでない場合(図8:S301NO)、出力制限手段510が、その旨を機能提供手段511に通知する。当該通知を受けた機能提供手段511は、判定がなされたJOBに対応する原稿束の画像データを画像データ記憶手段504から取得し、当該画像データに基づいて当該JOBを実行する(図8:S302)。
【0081】
例えば、出力制限手段510が判定するJOBが、JOB名「JOB2」のJOBである場合、当該JOB名「JOB2」のJOBはファクシミリ送信に関するJOBであるため、出力制限手段510が、その旨を機能提供手段511に通知し、当該通知を受けた機能提供手段511は、当該JOB名「JOB2」に割り当てられた原稿束909の画像データを、設定条件「送信先『123456』」に対応する送信先の端末装置にファクシミリ送信することになる。
【0082】
又、出力制限手段510が判定するJOBが、JOB名「JOB3」のJOBである場合、当該JOB名「JOB3」のJOBは電子メール送信に関するJOBであるため、機能提供手段511が、当該JOB名「JOB3」に割り当てられた原稿束910の画像データを、設定条件「送信先『abc@def』」に対応する送信先の端末装置に電子メール送信することになる。
【0083】
一方、前記判定の結果、JOBが画像形成に関するJOBである場合(図8:S301YES)、出力制限手段510は、表示受付手段501を介して出力制限画面をタッチパネル301上に表示する(図8:S303)。
【0084】
前記出力制限画面1207には、図12(B)に示すように、コピー機能を実行させるために必要なパスワードの入力を促す旨のメッセージ1208と、パスワードを入力した後にスタートキーの選択(押下)を継続することをユーザに促す旨のメッセージ1209と、パスワード入力欄1210と、キーボードキー1211と、スタートキー1212とが表示される。
【0085】
ユーザは、前記出力制限画面1207を見ながら、キーボードキー1211を用いて、自己がJOB名「JOB1」の設定条件で入力したパスワード「abc」をパスワード入力欄1210に入力し、スタートキー1212を選択(押下)し続けると、前記出力制限手段510は、入力されたパスワードとJOB名「JOB1」の設定条件のパスワードとが一致し(図8:S304YES)、且つ、前記スタートキー1112の選択が継続された場合に限り(図8:S305YES)、前記機能提供手段511に、当該JOB名「JOB1」のJOBを実行するよう指示する。当該指示を受けた機能提供手段511は、画像形成手段として、前記JOB名「JOB1」に割り当てられた原稿束の画像データに基づいて画像形成を実行する(図8:S306)。
【0086】
これにより、画像形成に関するJOBにより出力される印刷物が、当該JOBの割当を実行したユーザ以外の第三者の手に渡ることを防止することが出来て、安全性を確保することが可能となる。
【0087】
尚、入力されたパスワードとJOB名「JOB1」の設定条件のパスワードとが不一致の場合は(図8:S304NO)、前記出力制限手段510は、前記機能提供手段511に画像形成に関するJOBを実行させない。又、入力されたパスワードとJOB名「JOB1」の設定条件のパスワードとが一致して(図8:S304YES)、前記スタートキー1112が選択されたものの(図8:S305YES)、何らかの原因により当該スタートキー1112の選択が解除された場合(図8:S305NO)、前記出力制限手段510は、前記機能提供手段510が実行中のJOBを停止させ、再度、スタートキー1112の選択を受け付ける(図8:S305)。この場合は、ユーザが、再度、前記スタートキー1112を選択し続けることによって(図8:S305YES)、前記出力制限手段510が、前記機能提供手段511に画像形成に関するJOBの実行する(図8:S306)。
【0088】
前記出力制限手段510は、JOB割当手段909と通信し、割り当てられたJOBが全て実行されたか否かを判定する(図8:S307)。当該判定の結果、全てのJOBが実行されていない場合(図8:S307NO)、前記出力制限手段510は、S301に戻り、実行対象のJOBが、画像形成に関するJOBか否かを判定することになる(図8:S301)。一方、前記判定の結果、全てのJOBが実行された場合(図8:S307YES)、出力制限手段510は処理を完了する。
【0089】
このように、本発明に係る複合機100は、複数のJOBを受け付けるJOB受付手段502と、2つの原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段503と、読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段505と、作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段506と、所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートとし、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段507と、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段502が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当手段509とを備える。
【0090】
これにより、ユーザが複数のJOBを予め入力するとともに、2つの原稿束の間に所定のジョブセパレートシートを挿入した複数の原稿束の画像データを一括して読み取らせれば、原稿の画像データかジョブセパレートシートの画像データかを精度高く判断し、複数の原稿束の画像データ毎にJOBが順次割り当てられる。そのため、各原稿束毎にJOBの入力を行なう必要が無くなり、JOB入力の手間も解消され、ユーザに対する操作性を向上させることが可能となる。又、画像データにより作成されるヒストグラムを用いてジョブセパレートシートを識別するため、確実にジョブセパレートシートを識別し、各原稿束を識別することが可能となり、JOBの割当が不適切になることもない。又、本発明であれば、従来にように、原稿の角部の折り曲げを行なう必要もなく、原稿自身を傷付けることもない。
【0091】
尚、本発明の実施形態では、JOB割当手段509が、JOB受付手段502により受け付けたJOBの順番と、原稿束識別手段507により識別した原稿束の画像データの順番とに対応して、当該JOBを当該原稿束の画像データに割り当てる構成としたが、他の構成でも構わない。例えば、ジョブセパレートシートの色を、特定のJOBの機能項目に予め設定しておき、原稿束の画像データの直前に挿入されたジョブセパレートシートの色が、特定のJOBの機能項目に対応する色である場合、当該原稿束の画像データに、対応した特定のJOBの機能項目を含むJOBを割り当てる構成としても構わない。当該構成とすると、ユーザは、複合機100に読み込ませる原稿束の順番を気にする必要が無くなるため、操作性が向上する。
【0092】
又、本発明の実施形態では、JOB割当手段509が、タブ情報取得手段508が取得したタブ情報を、原稿束の画像データに割り当てる構成としたが、更に、他の構成を追加しても構わない。例えば、タブ情報が割り当てられた原稿束の画像データに基づいてJOBが実行されると、表示受付手段501により、当該JOBの終了通知が、当該タブ情報の表示とともに実行されるよう構成しても構わない。
【0093】
又、本発明の実施形態では、ジョブセパレートシートのタブ情報を、単に、原稿束の画像データに割り当てられるファイル名として利用したが、他の構成でも構わない。例えば、JOB割当手段509が、タブ情報(例えば、「コピー」)に基づいてJOBの機能項目(「コピー」)を識別し、当該タブ情報が割り当てられる原稿束の画像データに、識別された機能項目を含むJOB(例えば、「JOB1」)を割り当てる構成としても構わない。
【0094】
又、本発明の実施形態では、ジョブセパレートシートのタブ部に、所定の文字が予め記載されていたが、他の構成でも構わない。例えば、ジョブセパレートシートのタブ部は、余白として、ユーザが、所定のペンを用いて文字等の情報を入力することが出来るように構成しても良い。この場合は、入力された文字等が、文字認識の技術によりタブ情報として認識され、所定の原稿束の画像データに割り当てられることになる。
【0095】
又、本発明の実施形態では、各手段を複合機100に適用した場合について説明したが、各種画像処理装置、各種画像形成装置、各種プリンタ、各種複写機等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
【0096】
又、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、複数の原稿束の画像データに、予め設定された複数のJOBを適切に割り当てることが可能な画像処理装置及び画像処理方法として有効である。
【符号の説明】
【0098】
100 複合機
501 表示受付手段
502 JOB受付手段
503 画像読取手段
504 画像データ記憶手段
505 ヒストグラム作成手段
506 画素数判定手段
507 原稿束識別手段
508 タブ情報取得手段
509 JOB割当手段
510 出力制限手段
511 機能提供手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理装置において、
複数のJOBを受け付けるJOB受付手段と、
各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段と、
読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段と、
所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段と、
識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
更に、前記色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ジョブセパレートシートの画像データのうち、タブ部に配置されたタブ情報を取得するタブ情報取得手段を備え、
前記JOB割当手段は、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOBと前記タブ情報とを割り当てる
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
更に、一の原稿束の画像データに割り当てられたJOBが画像形成に関するJOBである場合に、パスワードの入力を受け付け、受け付けたパスワードと、当該JOBの設定条件のパスワードとが一致した場合で、且つ、スタートキーの選択が継続された場合に、当該JOBを画像形成手段に実行させる出力制限手段
を備え、
前記JOB受付手段は、画像形成に関するJOBを受け付ける場合、当該JOBの設定条件としてパスワードの入力を受け付ける
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理方法において、
複数のJOBを受け付けるJOB受付ステップと、
各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取ステップと、
読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成ステップと、
作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定ステップと、
所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別ステップと、
識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理装置において、
複数のJOBを受け付けるJOB受付手段と、
各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取手段と、
読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定手段と、
所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別手段と、
識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
更に、前記色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ジョブセパレートシートの画像データのうち、タブ部に配置されたタブ情報を取得するタブ情報取得手段を備え、
前記JOB割当手段は、識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOBと前記タブ情報とを割り当てる
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
更に、一の原稿束の画像データに割り当てられたJOBが画像形成に関するJOBである場合に、パスワードの入力を受け付け、受け付けたパスワードと、当該JOBの設定条件のパスワードとが一致した場合で、且つ、スタートキーの選択が継続された場合に、当該JOBを画像形成手段に実行させる出力制限手段
を備え、
前記JOB受付手段は、画像形成に関するJOBを受け付ける場合、当該JOBの設定条件としてパスワードの入力を受け付ける
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数の原稿束の画像データを読み取り、当該原稿束毎に所定の機能に関するJOBを割り当てる画像処理方法において、
複数のJOBを受け付けるJOB受付ステップと、
各原稿束の間に、所定の色のジョブセパレートシートが挿入された複数の原稿束の画像データを読み取る画像読取ステップと、
読み取られた画像データの一部に基づいて、当該画像データの一部を構成する画素が色毎に集計されたヒストグラムを作成するヒストグラム作成ステップと、
作成されたヒストグラムにおける前記ジョブセパレートシートの色の画素数が、予め設定された所定の閾値を超過するか否か判定する画素数判定ステップと、
所定の色の画素数が所定の閾値を超過した場合、前記ヒストグラムが作成された画像データの原稿をジョブセパレートシートと識別し、当該ジョブセパレートシートにより区分された画像データを原稿束の画像データとして識別する原稿束識別ステップと、
識別された原稿束の画像データ毎に、前記JOB受付手段が受け付けたJOBを割り当てるJOB割当ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−115706(P2013−115706A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261810(P2011−261810)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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