説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】人物の顔が存在するシーンでも、自然な不要物体除去を実現する。
【解決手段】補正処理部は、入力画像300内の不要領域(302)を補正用領域の画像信号を用いて補正することにより、不要領域内の物体(不要物体)を除去する。補正用領域設定部は、入力画像300における顔領域及び不要領域の位置に基づき補正用領域を設定する。不要領域が顔領域の外側に位置している場合、顔領域以外の画像領域中に補正用領域を設定し、不要領域が顔領域の内側に位置している場合、顔領域中に補正用領域を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラを用いた写真撮影等によって得たデジタル画像に、ユーザが不要と考える不要物体(顔のシミ又はホクロ、背景における電線など)が写りこむことがある。これに対し、入力画像から不要物体を除去する不要物体除去機能が提案されている。不要物体除去機能では、ユーザが指定した不要領域を周辺の画像信号を用いて補正することで不要物体除去を実現する。例えば、不要領域の画像信号を周辺の画像信号にて置き換える、又は、不要領域の画像信号に周辺の画像信号を混合することで、不要領域内の物体(即ち不要物体)を入力画像から除去することができる。
【0003】
第1従来方法では、ユーザが指定した注目画素に対し、乱数を利用して置換画素を設定し、注目画素と置換画素の輝度差に応じて注目画素を置換画素で置換することにより、不要物体除去を実現しようとしている(例えば下記特許文献1参照)。
【0004】
また、エッジ強度に基づいて入力画像の全画像領域を注目領域と不要領域に分離し、不要領域を含まない矩形領域を入力画像から切り出すことで、不要物体除去を図る第2従来方法も存在する(例えば下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−331306号公報
【特許文献2】特開2007−157063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、第1従来方法を含む従来方法では、補正に用いる画像信号を乱数や輝度差といった単純な基準に基づいて決定しているため、人物の輪郭を歪めるような不自然な処理を行う可能性がある。
【0007】
これを、図11(a)〜(c)を参照して説明する。人物及び木の画像信号を含む入力画像900において、人物の顔に隣接する木の画像領域が不要領域901として設定された場合を考える。図11(b)は、不要領域901の周辺画素を用いて不要領域901が補正される様子を示している(同図中の矢印は、画像信号の置換又は混合の様子を示している)。従来の不要物体除去処理では、例えば、不要領域901とそれ以外の領域との境界付近の輝度に基づき、該境界付近の輝度が滑らかに変化するように画像信号の置換又は混合が行われる。この結果、図11(c)に示す如く、顔領域の画像信号が不要領域内に混入して顔が不要領域側に伸びたような不自然な結果画像が得られることがある。人物の顔に注目して、従来の不要物体除去処理で発生しうる問題を説明したが、人物の顔以外の物体に注目した場合にも同様の問題が発生しうる。
【0008】
尚、入力画像900の如く主要被写体(人物)と不要物体(木)が近接している場合、第2従来方法の利用は困難である(主要被写体を含み且つ不要物体を含まない矩形領域を設定し難い)。
【0009】
そこで本発明は、自然な領域補正を実現する画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像処理装置は、入力画像内の補正対象領域を補正用領域の画像信号を用いて補正する補正処理部と、前記入力画像において特定種類の物体が存在する特定物体領域を検出する特定物体領域検出部と、前記補正対象領域及び前記特定物体領域の位置に基づき前記補正用領域を設定する補正用領域設定部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
これにより、自然な結果が得られるように、特定物体領域の位置をも考慮した上で補正用領域を設定することが可能となる。例えば、特定物体領域を補正対象領域に含めて特定物体領域の画像信号を補正対象領域の補正に用いた方が自然な結果が得られるのか、或いは、特定物体領域の画像信号を補正対象領域の補正に用いない方が自然な結果が得られるのかを、特定物体領域の位置から見た補正対象領域の位置に応じて判断することが可能となる。この判断結果を利用して補正用領域の設定及び補正対象領域の補正を行うことで、自然な補正を実現することができる。
【0012】
つまり具体的には例えば、前記補正用領域設定部は、前記補正対象領域及び前記特定物体領域の位置関係に基づき、前記特定物体領域の画像信号を前記補正用領域の画像信号として用いるか否かを決定してもよい。
【0013】
特定物体領域の位置から見た補正対象領域の位置によっては、特定物体領域の画像信号を補正対象領域の補正に用いた方が自然な結果が得られることもあるし、特定物体領域の画像信号を補正対象領域の補正に用いない方が自然な結果が得られることもある。従って、上記位置関係に基づく上記決定は、自然な結果画像の取得に寄与する。
【0014】
より具体的には例えば、前記補正用領域設定部は、前記補正対象領域が前記特定物体領域の外側に位置している場合、前記入力画像内の前記特定物体領域以外の画像領域中に前記補正用領域を設定してもよい。
【0015】
或いは具体的には例えば、前記補正用領域設定部は、前記補正対象領域が前記特定物体領域の内側に位置している場合、前記入力画像内の前記特定物体領域中に前記補正用領域を設定してもよい。
【0016】
また例えば、前記特定種類の物体は、人物の顔を含んでいてもよい。
【0017】
本発明に係る画像処理方法は、入力画像内の補正対象領域を補正用領域の画像信号を用いて補正する補正処理ステップと、前記入力画像において特定種類の物体が存在する特定物体領域を検出する特定物体領域検出ステップと、前記補正対象領域及び前記特定物体領域の位置に基づき前記補正用領域を設定する補正用領域設定ステップと、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、自然な領域補正を実現する画像処理装置及び画像処理方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器の概略構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像補正部の内部ブロック図である。
【図3】画像補正部への入力画像と、入力画像内の顔領域及び不要領域を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る電子機器の動作フローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例に係り、入力画像におけるマスク領域と基準領域の例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例に係り、不要領域が補正される様子を示す図(a)及び出力画像を示す図(b)である。
【図7】本発明の第2実施例に係る電子機器の動作フローチャートである。
【図8】本発明の第2実施例に係り、入力画像におけるマスク領域と基準領域の例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施例に係り、不要領域が補正される様子を示す図(a)及び出力画像を示す図(b)である。
【図10】本発明の第3実施例に係る電子機器の動作フローチャートである。
【図11】従来の不要物体除去処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器1の概略構成ブロック図である。電子機器1は、画像処理装置10を備える任意の電子機器であり、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、情報端末である。電子機器1は、画像処理装置10に加えて、電子機器1内の各部位の動作を統括的に制御する主制御部11、ユーザからの各種操作の入力を受ける操作部12、映像情報を表示する表示部13、及び、各種情報を記録する記録媒体14を備え、更に必要な機能部(カメラ部など)を備えうる。
【0022】
画像処理装置10は、入力画像を補正する画像補正部30を有している。図2は画像補正部30の内部ブロック図であり、画像補正部30は符号31〜34によって参照される各部位を備える。入力画像は、記録媒体14から読み出された又は電子機器1の外部から供給された二次元画像である。図3(a)の画像300は、入力画像の例である。ユーザは、画像補正部30を利用して、ユーザが不要と考える物体(以下、不要物体という)を入力画像から除去することができる。不要物体の画像信号が存在する画像領域を不要領域と呼ぶ。
【0023】
顔領域検出部31は、入力画像の画像信号に基づき、人物の顔の画像信号が存在する顔領域を入力画像の全画像領域から検出及び抽出し、入力画像上における顔領域の位置、大きさ及び形状を示す顔領域情報を生成及び出力する。図3(b)において、斜線領域301は入力画像300における顔領域である。顔領域の検出方法は公知であるので詳細な説明を割愛する。
【0024】
不要領域設定部32は、ユーザが電子機器1に対して成した不要領域指定操作に基づき入力画像上における不要領域を設定し、入力画像上における不要領域の位置、大きさ及び形状を示す不要領域情報を生成及び出力する。図3(c)において、破線で囲まれた領域302は入力画像300上における不要領域の例であり、当該例における不要物体は顔の横に位置している木である。図3(d)において、破線で囲まれた領域303は入力画像300上における不要領域の他の例であり、当該他の例における不要物体は顔のホクロ又はシミである。不要領域指定操作は、操作部12に対する操作であっても良いし、表示部13に設けることのできるタッチパネルへの操作であっても良い。
【0025】
補正用領域設定部33は、顔領域情報及び不要領域情報に基づき、不要物体の除去に利用される補正用領域を設定する。補正用領域は、不要領域と異なる、入力画像上の画像領域である。例えば、不要領域を取り囲む、不要領域の隣接領域が、補正用領域であっても良いし、不要領域に隣接しない画像領域が補正用領域であっても良い。補正用領域設定部33の設定結果は、不要領域情報と共に、補正処理部34に送られる。
【0026】
補正処理部34は、不要領域を補正用領域の画像信号を用いて補正する画像処理(以下、不要物体除去処理という)を実行することで入力画像から不要物体を除去し、不要物体の除去が成された入力画像を出力画像として生成する。電子機器1は、出力画像を記録媒体14に記録することができると共に表示部13に表示することができる。不要領域以外の画像領域の画像信号を用いて不要物体を除去する任意の画像処理を、不要物体除去処理として利用することができる。例えば、不要領域の画像信号を補正用領域の画像信号にて置き換えることで不要物体を除去しても良いし、不要領域の画像信号に補正用領域の画像信号を混合することで不要物体を除去しても良い。尚、ここにおける除去は、完全なる除去であっても良いし、部分的な除去であっても良い。
【0027】
以下、電子機器1及び画像補正部30の具体的動作などを示す実施例として、第1〜第3実施例を示す。矛盾なき限り、或る実施例に記載した事項を他の実施例に適用することが可能である。また、以下では、特に記述無き限り、入力画像が入力画像300であることを想定する。
【0028】
<<第1実施例>>
図4を参照して、第1実施例を説明する。図4は、第1実施例に係る電子機器1の動作フローチャートである。
【0029】
入力画像300が画像補正部30に供給されると、まずステップS11において、電子機器1はユーザによる不要領域指定操作を受け付け、不要領域設定部32は不要領域指定操作に従って不要領域の設定を行う。不要領域の設定後、ステップS12において、顔領域検出部31は入力画像300の画像信号に基づく顔領域の検出処理を実行し、続くステップS13において、入力画像300中に人物の顔が存在するか否かがチェックされる。
【0030】
入力画像300に顔が存在する場合(即ち、入力画像300から顔領域が検出された場合)、ステップS13からステップS14へ移行する。ステップS14において、補正用領域設定部33は、不要領域情報及び顔領域情報に基づき(より具体的には、不要領域と顔領域との位置関係に基づき)、不要領域が顔領域の外側に位置しているか否かを判断し、外側判定又は非外側判定を成す。不要領域の全体が顔領域の外側に位置している場合には外側判定が成され、そうでない場合には非外側判定が成される。例えば、図3(c)の領域302が不要領域である場合には、外側判定が成される。
【0031】
ステップS14において非外側判定が成された場合、ステップS11に戻り、電子機器1は、ユーザによる再度の不要領域指定操作を受け付ける(不要領域の再指定を促す)。一方、ステップS14において外側判定が成された場合、ステップS15において、補正用領域設定部33は、顔領域301をマスクした領域、即ち、入力画像300から顔領域301を除外して残った領域を基準領域として設定する。図5において、斜線領域がマスクされる領域に相当し、ドット領域が基準領域に相当する。その後のステップS16において、補正用領域設定部33は、基準領域の大きさを所定の閾値THと比較し、基準領域の大きさが閾値TH以上であるならばステップS16からステップS17への遷移を発生させる。基準領域の大きさは、基準領域の面積又は基準領域内の画素数で表される。基準領域の大きさが閾値THよりも小さければ、不要物体除去に必要な領域が十分に残らないと判断し、ステップS16からステップS11に戻る。
【0032】
ステップS17において、補正用領域設定部33は、基準領域中に補正用領域を設定し(基準領域の中から不要物体の除去に適した補正用領域を抽出し)、補正処理部34は、補正用領域の画像信号を用いた不要物体除去処理を成す。図6(a)に、図3(c)の領域302が不要領域に設定された場合において、顔領域を含まない補正用領域の画像信号を用いて不要領域302が補正される様子を示す(同図中の矢印は、画像信号の置換又は混合の様子を示している)。図6(b)に、図3(c)の領域302が不要領域に設定された場合に得られる出力画像の例を示す。
【0033】
尚、ステップS13において、入力画像中に顔が存在しないと判断された場合には、入力画像の全画像領域が基準領域に設定され、ステップS16を介してステップS17へ移行する。また、ステップS14において非外側判定が成された場合、ステップS11に戻るのではなく、入力画像の全画像領域を基準領域に設定した上でステップS17の処理を実行するようにしても良い。
【0034】
図3(c)の不要領域302の如く、不要領域が顔領域の外側に位置している場合において、仮に顔領域の画像信号を用いて不要領域の画像信号を補正(置換又は混合等)した場合、図11(c)に示したような不自然な結果画像が得られることがある。これに対し、図4の動作例では、顔領域をマスクした領域内の画像信号を用いて不要領域を補正するため、自然な出力画像を得ることができる(顔領域301の画像信号が不要領域302内に混入して顔が不要領域側に伸びるような不自然さが回避される)。
【0035】
<<第2実施例>>
図7を参照して、第2実施例を説明する。図7は、第2実施例に係る電子機器1の動作フローチャートである。図7のフローチャートは、図4のフローチャートにおけるステップS14及びS15をステップS14a及びS15aに置き換えたものであり、図7のフローチャートにおけるステップS11〜S13、S16及びS17の処理は、第1実施例のそれらと同じである。
【0036】
第2実施例では、入力画像300に顔が存在する場合、ステップS13からステップS14aへ移行する。ステップS14aにおいて、補正用領域設定部33は、不要領域情報及び顔領域情報に基づき(より具体的には、不要領域と顔領域との位置関係に基づき)、不要領域が顔領域の内側に位置しているか否かを判断し、内側判定又は非内側判定を成す。不要領域の全体が顔領域の内側に位置している場合には内側判定が成され、そうでない場合には非内側判定が成される。例えば、図3(d)の領域303が不要領域である場合には、内側判定が成される。
【0037】
ステップS14aにおいて非内側判定が成された場合、ステップS11に戻り、電子機器1は、ユーザによる再度の不要領域指定操作を受け付ける(不要領域の再指定を促す)。一方、ステップS14aにおいて内側判定が成された場合、ステップS15aにおいて、補正用領域設定部33は、顔領域301以外をマスクした領域を基準領域として設定する、即ち顔領域301を基準領域として設定する。図8において、斜線領域がマスクされる領域に相当し、ドット領域が基準領域に相当する。ステップS15aの処理後、第1実施例と同様、ステップS16及びS17の処理が成される。
【0038】
図9(a)に、図3(d)の領域303が不要領域に設定された場合において、顔領域の画像信号を用いて不要領域303が補正される様子を示す(同図中の矢印は、画像信号の置換又は混合の様子を示している)。図9(b)に、図3(d)の領域303が不要領域に設定された場合に得られる出力画像の例を示す。尚、ステップS14aにおいて非内側判定が成された場合、ステップS11に戻るのではなく、入力画像の全画像領域を基準領域に設定した上でステップS17の処理を実行するようにしても良い(後述の第3実施例においても同様)。
【0039】
図3(d)の領域303が不要領域に設定された場合、不要領域は顔領域の内側に存在している。この場合において、仮に顔領域以外の画像信号(例えば、背景の画像信号)を用いて不要物体除去処理を成すと、不自然な結果画像が得られることがある(例えば、出力画像の顔領域内に背景の画像信号が混入する)。これに対し、図7の動作例では、顔領域内の画像信号を用いて顔領域内の不要領域の画像信号を補正するため、自然な出力画像を得ることが可能となる。
【0040】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。上述の第1及び第2実施例において、補正用領域設定部33は、不要領域及び顔領域の位置関係に基づき(不要領域が顔領域の外側にあるのか否か及び不要領域が顔領域の内側にあるのか否かに基づき)、顔領域の画像信号を補正用領域の画像信号として用いるか否かを決定している、と言える。上述の第1及び第2実施例を組み合わせることも可能である。図10は、この組み合わせの成された、電子機器1の動作フローチャートである。
【0041】
図10のフローチャートは、図4のステップS11〜S17に図7のステップS14a及びS15aを追加したものであり、基本的な動作は第1実施例(図4)のそれと同じである。以下に、第1実施例(図4)との相違点を説明する。
【0042】
図10に対応する第3実施例では、ステップS14において非外側判定が成された場合、ステップS14aへ移行する。ステップS14aにおいて、補正用領域設定部33は、不要領域情報及び顔領域情報に基づき(より具体的には、不要領域と顔領域との位置関係に基づき)、不要領域が顔領域の内側に位置しているか否かを判断し、内側判定又は非内側判定を成す。ステップS14aにおいて非内側判定が成された場合、ステップS11に戻り、電子機器1は、ユーザによる再度の不要領域指定操作を受け付ける(不要領域の再指定を促す)。一方、ステップS14aにおいて内側判定が成された場合、ステップS15aにおいて、補正用領域設定部33は、顔領域301以外をマスクした領域を基準領域として設定する、即ち顔領域301を基準領域として設定する。ステップS15aの処理後、第1実施例と同様、ステップS16及びS17の処理が成される。
【0043】
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1及び注釈2を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
【0044】
[注釈1]
上述の実施形態では、不要領域を補正対象領域として捉えた補正処理を行っている。この際、特定種類の物体が存在する特定物体領域として顔領域を検出し、顔領域の位置を利用して補正用領域を設定している。人物の顔は特定種類の物体の例であり、顔領域検出部31は特定物体領域検出部の例である。特定種類の物体は、人物の顔以外であってもよく、輪郭を定めることのできる任意の物体(例えば、ペットとしての動物の顔)が特定種類の物体であっても良い。
【0045】
[注釈2]
画像補正部30を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。画像補正部30の機能を、汎用の電子機器1上で動作する画像処理ソフトウェアを用いて実現しても良い。即ち、画像補正部30で実行される各動作をプログラムとして記述し、該プログラムを電子機器1上で実行させることで画像補正部30の機能を実現するようにしても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 電子機器
10 画像処理装置
30 画像補正部
31 顔領域検出部
32 不要領域設定部
33 補正用領域設定部
34 補正処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像内の補正対象領域を補正用領域の画像信号を用いて補正する補正処理部と、
前記入力画像において特定種類の物体が存在する特定物体領域を検出する特定物体領域検出部と、
前記補正対象領域及び前記特定物体領域の位置に基づき前記補正用領域を設定する補正用領域設定部と、を備えた
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記補正用領域設定部は、前記補正対象領域及び前記特定物体領域の位置関係に基づき、前記特定物体領域の画像信号を前記補正用領域の画像信号として用いるか否かを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補正用領域設定部は、前記補正対象領域が前記特定物体領域の外側に位置している場合、前記入力画像内の前記特定物体領域以外の画像領域中に前記補正用領域を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記補正用領域設定部は、前記補正対象領域が前記特定物体領域の内側に位置している場合、前記入力画像内の前記特定物体領域中に前記補正用領域を設定する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記特定種類の物体は、人物の顔を含む
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力画像内の補正対象領域を補正用領域の画像信号を用いて補正する補正処理ステップと、
前記入力画像において特定種類の物体が存在する特定物体領域を検出する特定物体領域検出ステップと、
前記補正対象領域及び前記特定物体領域の位置に基づき前記補正用領域を設定する補正用領域設定ステップと、を実行する
ことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図7】
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【図10】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−45316(P2013−45316A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183252(P2011−183252)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】