説明

画像処理装置及び画像形成装置

【課題】記録紙上における画像の位置を後処理位置から外れた位置に変更する際に、当該画像を移動させる際の制限を少なくし、当該画像の文字部分の明確性を維持した状態で画像の移動を可能にする。
【課題を解決するための手段】画像形成装置1は、原稿読取部5と、後処理位置記憶部101と、文字画像検出部103と、位置検出部104と、文字画像位置と後処理位置とが一致する領域が有るか否かを判断する判断部105と、判断部105によって文字画像位置と後処理位置とが一致する領域が有ると判断されると、当該文字画像を、文字画像のスケールを維持した状態で、位置検出部104で検出される余白領域のうち、文字画像と同等以上の大きさで、後処理位置以外の位置の余白領域に移動させる配置変更部106とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像形成装置に関し、特に、記録紙上における画像の配置を変更する画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、下記特許文献1乃至特許文献3に示されるように、プリント対象データ等の示す画像を記録紙上に配置したときに、当該画像が配置される位置に、後処理装置によりパンチやステイプル等の後処理が行われる場合は、当該画像の配置を後処理位置から外れた位置に変更する画像処理が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−94780号公報
【特許文献2】特開平8−53261号公報
【特許文献3】特開2001−171195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記各特許文献に示された画像処理は、記録紙への画像形成実行前に、記録紙上における画像形成の対象となる画像の位置と、当該記録紙上における後処理位置とが重なるか否かを判断し、両者の位置が重なる場合には、当該画像全体を後処理位置以外の位置に移動させる又は縮小することによって、当該画像の位置を後処理位置から外れた位置に配置する。このため、画像全体を移動させる合には、移動対象となる画像全体は記録紙上において大きな面積を占めることから、移動可能な領域が制限されることが多い。また、画像全体を縮小させる場合は、縮小の程度によっては、当該画像に含まれる文字部分が不明確な画像となって文字を認識し難くなる(文字が潰れる)。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、記録紙上における画像の位置を後処理位置から外れた位置に変更する際に、当該画像を移動させる際の制限を少なくし、また、当該画像の文字部分の明確性を維持した状態で画像の移動を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、画像データを取得する画像データ取得部と、
後処理部により記録紙上で後処理が行われる後処理位置を記憶する後処理位置記憶部と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データの示す画像に含まれる文字画像を文字単位で検出する文字画像検出部と、
前記文字画像検出部によって検出された文字画像が、記録紙上において配置される文字画像位置と、当該文字画像が配置されていない余白領域の位置とを検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出された文字画像位置と、前記後処理位置記憶部に記憶されている後処理位置とが一致する領域が有るか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって前記文字画像位置と前記後処理位置とが一致する領域が有ると判断された場合、当該一致する領域を少なくとも一部に含んで位置する前記文字画像を、当該文字画像のスケールを維持した状態で、前記位置検出部によって検出される余白領域のうち、当該文字画像と同等以上の大きさからなり、前記後処理位置以外の位置にある余白領域に、文字単位で配置を変更する配置変更部と
を備えた画像処理装置である。
【0007】
この発明では、配置変更部による上記配置変更を、文字単位の文字画像として、当該配置変更の対象である文字画像を比較的小さな面積とするため、文字画像のスケールを維持した状態で、後処理位置から外れた位置に当該文字画像の配置変更を行う際に、当該文字画像の移動先とする余白領域の選択の余地が拡がる。このため、後処理位置から外れた位置に当該文字画像の配置変更を行う際に生じる制約が少なくなる。また、当該配置変更の対象となる文字画像が変形又は縮小されないため、文字画像中の文字の明確性が保たれ、文字情報が失われない。また、配置変更の対象を文字画像とし、文字画像以外の例えばイメージ画像は配置変更の対象としないので、当該配置変更時における画像移動の自由度は更に拡がる。パンチやステイプル等の後処理が行われた印刷物は複数人に配布されることが多く、当該印刷物の閲覧者は、文字情報を重視して閲覧することが多いと想定されるため、上記のように、イメージ画像を配置変更の対象としなくても、画像形成結果に与える実質的な影響は可及的に小さなものにできる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置であって、前記配置変更部は、前記一致する領域が有ると前記判断部によって判断された場合、当該一致する領域を少なくとも一部に含んで位置する前記文字画像が属する予め定められた範囲内にある文字画像群を、当該文字画像群に隣接する位置に検出される前記余白領域の方向に移動させ、前記余白領域を含んだ位置に配置を変更するものである。
【0009】
この発明では、配置変更部が、上記予め定められた範囲にある文字画像群を配置変更の対象とするので、上記予め定められた範囲に属する文字画像群のレイアウト構成を変更することなく、移動時の制約が少ない状態で配置変更が可能である。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置であって、前記配置変更部は、前記予め定められた範囲を、前記一致する領域の幅と同等以下の幅とし、前記予め定められた範囲内にある文字画像群を、当該文字画像群に隣接する前記一致する領域とは反対側の位置で隣接する前記余白領域の方向に移動させ、前記余白領域を含んだ位置に配置を変更するものである。
【0011】
この発明では、配置変更部は、上記一致する領域の幅と同等以下の幅とされ、前記予め定められた範囲内にある文字画像群を、上記一致する領域とは反対側で当該文字画像群に隣接する余白領域の方向に移動させるので、文字画像群単位での配置変更を、最小のレイアウト変更で行うことが可能になる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データを画像形成する画像形成部と、
操作者に対して警告を行う警告部と、
前記判断部によって前記一致する領域が有ると判断され、かつ、前記位置検出部によって前記余白領域が検出されない場合に、前記警告部に警告を行わせる制御部と、
前記制御部の制御による前記警告部の警告後、操作者から前記画像データについて前記画像形成部による画像形成を実行するか否かの指示が入力される入力部とを備え、
前記制御部は、前記入力部に前記画像形成を実行する指示が入力された場合に、前記画像形成部に画像形成を実行させる画像形成装置である。
【0013】
この発明では、警告部による上記警告後、制御部が、操作者からの画像形成を実行する指示に従って、画像形成部に画像形成を実行させるので、記録紙上における文字画像位置と後処理位置とが一致する領域があり、文字画像がパンチ等の後処理により欠けてしまう虞がある場合は、操作者に、このような状態での画像形成を行うか、或いは、当該画像形成を取り止めるかを選択する機会を与えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、記録紙上における画像の位置を後処理位置から外れた位置に変更する際に、当該画像を移動させる際の制限を少なくし、また、当該画像の文字部分の明確性を維持した状態で画像の移動を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【図2】画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】画像形成装置による画像形成時における画像処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図4】(A)は画像処理が未処理の場合の記録紙上における原稿画像を示す図、(B)は画像処理後の記録紙上における原稿画像を示す図である。
【図5】(A)は画像処理が未処理の場合の記録紙上における原稿画像を示す図、(B)は画像処理後の記録紙上における原稿画像を示す図である。
【図6】(A)は画像処理が未処理の場合の記録紙上における原稿画像を示す図、(B)は画像処理後の記録紙上における原稿画像を示す図である。
【図7】(A)は画像処理が未処理の場合の記録紙上における原稿画像を示す図、(B)は画像処理後の記録紙上における原稿画像を示す図である。
【図8】(A)は画像処理が未処理の場合の記録紙上における原稿画像を示す図、(B)は画像処理後の記録紙上における原稿画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る画像処理装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着装置13、給紙部14、用紙排出部15、原稿給送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。画像形成装置1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置(後述)を備えている。
【0017】
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に用紙排出部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、図1においては下部本体111の左部および後部から立設され、平面視でL字状とされている。上部本体112は、連結部113の上端部に支持されている。上部本体112には、原稿読取部5及び原稿給送部6が設けられている。
【0018】
原稿読取部(画像読取部)5は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス(原稿台)161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0019】
原稿給送部6は、原稿が載置される原稿載置台61と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部66と、原稿搬送機構65と、を備える。原稿搬送機構65は、図略の給紙ローラー、搬送ローラー、及び用紙反転機構を備えている。原稿搬送機構65は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置台61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。また、原稿搬送機構65は、用紙反転機構が原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送することで、当該原稿の両面の画像を、原稿読取スリット53を介して読取機構163により読取可能にしている。
【0020】
さらに原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように上部本体112に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台としてのコンタクトガラス161上面を開放することにより、コンタクトガラス161の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
【0021】
下部本体111には、画像形成部12、定着装置13および給紙部14が内装されている。上部本体112には原稿読取部5が設けられている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。給紙カセット142,143,144には記録紙(記録媒体の一例)が積層されてなる用紙束がそれぞれ収容されている。例えば、給紙カセット142には両面白紙である未プリントの記録紙が収納され、給紙カセット143には一方面のみプリント済みであるが他方面は未プリントの白紙である使用済み用紙(裏紙)が収容されている。なお、本実施形態では、給紙カセット142,143,144の3段が設けられているが、給紙カセットの段数はこれに限定されない。
【0022】
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12Bk(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
【0023】
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
【0024】
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成する。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
【0025】
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
【0026】
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや原稿読取部5が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。露光装置124は、いわゆるレーザ露光装置であり、レーザビームを出力するレーザ光源と、当該レーザビームを感光体ドラム121表面に向けて反射させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム121に導くためのレンズやミラー等の光学部品を備えている。
【0027】
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
【0028】
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラー125aと、同図の右側の従動ローラー125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。従動ローラー125bは、駆動ローラー125aに対向する位置に設けられて、中間転写ベルト125の無端走行に伴って従動回転する。中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
【0029】
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
【0030】
駆動ローラー125aは、図略の制御部による制御の下で駆動される駆動モータ(図略)から与えられる回転駆動力により中間転写ベルト125を無端走行させる。
【0031】
制御部100(図2)は、各色の毎に一次転写ローラー126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bkにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
【0032】
二次転写ローラー210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分の用紙搬送路190に、中間転写ベルト125の外周面に当接させて設けられている。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。
【0033】
なお、二次転写ローラー210及び駆動ローラー125aのニップ部Nよりも、搬送ローラー192による記録紙の搬送方向上流側には、レジストローラー630が配設されている。レジストローラー630は、上部ニップ部Nにおける二次転写ローラー210による中間転写ベルト125からのトナー画像転写タイミングと、用紙搬送部411がニップ部Nに記録紙を搬送するタイミングを同期させるために、記録紙の搬送を待機等させるものである。
【0034】
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。このドラムクリーニング装置127によってクリーニングされた感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために再び帯電装置123へ向かう。
【0035】
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー192が設けられている。搬送ローラー192は、給紙部14から繰り出された記録紙を、ニップ部N及び定着装置13に向けて搬送する。すなわち、当該適所に配置された搬送ローラー192からなる搬送機構により記録紙が搬送される。
【0036】
定着装置13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134とを備えている。定着装置13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙は、定着装置13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
【0037】
なお、従動ローラー125bに張架された中間転写ベルト125の外周面に対向する位置にはクリーニング部22が設けられている。
【0038】
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、下部本体111内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された給紙カセット142とを備えている。
【0039】
手差しトレイ141は、下部本体111の右面の下方位置に設けられた、記録紙を手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのトレイである。給紙カセット142,143,144は、複数枚の記録紙が積層されてなる用紙束を収容する。給紙カセット142の上方には、ピックアップローラー145が設けられ、ピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収容された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
【0040】
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙が、定着装置13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
【0041】
画像形成装置1は、更に、後処理装置60を備える。後処理装置60は、上記本体部2の排出ローラー対110から搬入されてきた用紙に対して、後処理としてパンチ処理を行うパンチ部601、搬入されてきた用紙を搬送する搬送ローラー602、搬送されてきた用紙を用紙束として一時的にストックする用紙受台(用紙ストック部)603、後処理装置60は、搬送ローラー602によって搬送されてきた画像形成された用紙及び原稿の用紙を搬送する搬送ローラー620、用紙受台603から搬送されてきた用紙をメイン排出トレイ623に排出する排出ローラー対607、用紙に対する後処理が間に合わない場合に搬送されてきた用紙を退避させる退避ドラム621、図示しない昇降機構によって昇降可能にされると共に用紙受台603から搬送されてきた用紙と搬送ローラー602から直接搬送されてきた用紙を排出可能とされた複数のビンからなるメールボックス622及びメイン排出トレイ623、搬送ローラー620からの用紙の搬送方向を用紙受台603側とメールボックス622及びメイン排出トレイ623に用紙を排出する排出ローラー対607側とに切り換える搬送分岐ガイド624を備える。
【0042】
さらに、後処理装置60は、用紙受台603に搬入された用紙に後処理としてのステイプル処理を施すステイプル装置625、用紙受台603に搬入された用紙の下部端を受け止めて保持する受止部材626、用紙受台603から下部方向に向かって用紙を搬送する搬送ローラー627、搬送ローラー627から搬送されてきた用紙を中央で折りたたんでブック綴じするブック綴じ部628、及びブック綴じ部628でブック綴じされた用紙が排出される排出トレイ629を備える。
【0043】
用紙受台603は、受止部材626を用紙の搬出方向に移動させる駆動部(図略)を備える。そして、制御部100からの制御信号に応じて駆動部が駆動することにより、受止部材626で保持された用紙は、排出ローラー対607まで搬送され、排出ローラー対607によってメイン排出トレイ623に排出される。さらに、用紙受台603には、光センサー等からなる用紙検出センサー62(図略)が設けられており、用紙受台603に用紙が存在するか否かが検出されるようになっている。
【0044】
後処理装置60には、用紙受台603に用紙を搬入する受台搬入ローラー(図略)と、用紙受台603への用紙の搬入を案内する可動案内部材及び静止案内部(図略)が、用紙の搬入方向に対して所定の間隔を置いて異なった位置に設けられている。これにより、サイズの異なる用紙や、用紙の向きにより搬送方向に対して長さの異なる用紙を、それぞれの用紙のサイズや向きに応じて用紙受台603に搬入する位置を変化させ、用紙の端部が揃った状態で用紙受台603に搬入すると共にステイプル装置625でのステイプル処理が可能にされている。
【0045】
ステイプル装置625は、制御部100からの制御信号により駆動する図示しない駆動部により移動可能に構成され、用紙受台603に搬入された用紙に通常のステイプル処理を行う場合は用紙の端付近の位置に移動させられると共に用紙の端付近にステイプル処理を施し、ブック綴じを行う場合には用紙の中央付近に移動させられると共に用紙の中央付近にステイプル処理を施して中綴じを行う。
【0046】
ブック綴じ部628は、ステイプル装置625で中綴じされた用紙を載置する中綴じ受台635、搬送ローラー627から搬送されてきた用紙を中綴じ受台635へ搬入する搬送ローラー631、中綴じ受台635に載置された用紙の中央付近の表裏を挟み込むように相対して設けられた押し込み部材632及び中折ローラー対633、及び中折ローラー対633により中折されてブック綴じ状態にされた用紙を排出トレイ629へ排出する排出ローラー対634を備える。
【0047】
押し込み部材632は、図示しない駆動部により移動可能に構成され、中折ローラー対633方向へ移動させられることにより、中央付近をステイプルによって中綴じされると共に中綴じ受台635に載置された用紙の中央付近を中折ローラー対633へ向かって押し込んで、中折するものである。
【0048】
中折ローラー対633は、押し込み部材632により押し込まれた用紙を、折りたたんでブック綴じ状態にすると共に排出ローラー対634へ搬送し、排出ローラー対634によって、ブック綴じされた用紙が、排出トレイ629へ排出される。
【0049】
昇降機構605は、制御部100からの制御信号に応じてメイン排出トレイ623上に排出された用紙束の上面が、排出ローラー対607からの用紙束の排出に適した基準位置に位置するように、メイン排出トレイ623の位置を昇降するものである。
【0050】
また、画像形成装置1においては、原稿及び画像形成された用紙を排出するメールボックス622の排出ビンを選択する設定、用紙に対する後処理の設定、及び画像転写後の用紙にブック綴じ処理を行う設定等は、操作者が操作パネル部(後述)から操作指示を入力することによって可能とされている。
【0051】
次に、画像形成装置1の電気的構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0052】
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
【0053】
制御ユニット10は、原稿読取部5、画像処理部31、画像メモリー32、用紙搬送部411、画像形成部12、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、HDD(ハードディスクドライブ)81等と接続されている。制御ユニット10は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0054】
制御ユニット10は、上述した画像形成装置1の全体的な動作制御を司る制御部100を備える。制御部100は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
【0055】
原稿読取部(画像データ取得部)5は、画像照射ランプ511及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー512を有する上記の読取機構163からなるスキャナー部51を備える。原稿読取部5は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0056】
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。
【0057】
画像処理部31は、補正部311及び画像加工部312を備える。補正部311は、画像形成部12の画像出力プロセスデータとしての帯電装置123の出力電圧、露光装置124の露光光量、現像装置122の現像バイアス電圧、転写ローラー126の転写バイアス、二次転写ローラー210の転写バイアス等の値を調整する。画像加工部312は、例えば、原稿読取部5で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行い、或いは、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。画像処理部31により処理された画像データは、画像メモリー32に記憶され、又は、画像形成部12或いはファクシミリ通信部71等に出力される。
【0058】
画像メモリー32は、上記原稿読取部5で読み取られた画像データ等を記憶する。
【0059】
用紙搬送部411は、図1に示したピックアップローラー145及び搬送ローラー192等から構成され、手差しトレイ141,給紙カセット142,143に収納されている記録紙を画像形成部12及び排出トレイ151まで搬送する。
【0060】
画像形成部12は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bkと、駆動ローラー125aに張架された中間転写ベルト125と、二次転写ローラー210と、定着装置13とを備えている。画像形成部12による出力対象となる画像データは、原稿読取部5で読み取られた画像データ、ネットワークインターフェイス部91を介してローカルエリア内のクライアントコンピューター等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。
【0061】
操作部47は、図2に加えて図1にも示すように、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部及び操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部473を備えてなる。
【0062】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部71は、例えば原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0063】
HDD81は、原稿読取部5によって読み取られた画像データ等を記憶する。HDD81に記憶されている画像データは、画像形成部12による画像形成に用いられ、また、画像形成装置1にネットワーク接続されたクライアントコンピューターへの送信が可能である。
【0064】
ネットワークインターフェイス部(画像データ取得部)91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
【0065】
また、制御ユニット10は、更に、後処理位置記憶部101、文字画像検出部103、位置検出部104、判断部105、及び配置変更部106を備えている。制御ユニット10内のメモリー又はROM、或いはHDD81等に記憶された画像処理プログラムに従ってCPUが動作することで、これら各部として機能する。或いは、制御ユニット10が上記各部に対応する専用のハードウェア回路等を備えることにより当該後処理位置記憶部101、文字画像検出部103、位置検出部104、判断部105、及び配置変更部106として機能するようにしてもよい。
【0066】
後処理位置記憶部101は、後処理装置60により記録紙上で後処理が行われる位置(以下、後処理位置という)を記憶している。後処理装置60によって記録紙に対して行われる後処理の位置は後処理装置60に予め設定されているため、工場出荷前の画像形成装置1の製造段階において、当該後処理が行われる位置を示す値(記録紙の全域の各位置をxy座標系により表す場合、後処理位置に対応する(x,y)座標等)が、製造者等により後処理位置記憶部101に保存される。
【0067】
文字画像検出部103は、原稿読取部5による読取で得た原稿画像が示す画像から文字画像を文字単位で検出する。文字画像検出部103は、例えば、OCR処理により、上記原稿画像に含まれる文字を示す文字画像を検出する。文字画像検出部103は、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像の各部分を、予め定められた複数の標準パターンのいずれに一致するかを照合し、一致するとされた当該標準パターンに対応付けられたキャラクターに変換するOCR処理を行う。例えば、文字画像検出部103は、文字や記号等のキャラクターを示す画像として、当該各文字や記号等毎に対応付けられたそれぞれの画像を示すパターンを上記標準パターンとして複数予め記憶している。文字画像検出部103は、当該標準パターンをテンプレートとして用い、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像の各部分に対して、当該テンプレートを重ねながら順次一致するか否かを照合し、標準パターンと当該各部分について画素データレベル対応の相関を調べることにより、当該テンプレートと同じ又は近似する画像部分を上記読取データから検出する(パターンマッチング)。文字画像検出部103は、このように検出したテンプレートと同じ又は近似する画像部分を、当該テンプレートに対応付けられたキャラクターに変換する。
【0068】
但し、文字画像検出部103による文字単位での文字画像検出は、上記に限定されない。例えば、文字画像検出部103は、文字画像を判別する技術としては、例えば、エッジ検出処理の手法を用いることができる。この場合、文字画像検出部103は、原稿読取部5が得た読取データの示す画像を構成する各画素を順次注目画素とし、その注目画素と周辺画素を抽出して、それらの画素に対してエッジ検出フィルタを用いたフィルタ処理を施すことにより、画像の輪郭を構成するエッジ画素を検出するエッジ検出処理を行う。そして、文字画像検出部103は、このエッジ検出処理でエッジを検出した場合に、当該注目画素をエッジ画素と判定し、当該エッジ画素に基づいて文字画像を判定する。例えば、文字画像検出部103は、注目画素と、注目画素に隣接する8近傍画素との各々の輝度の差分値を算出し、所定の閾値よりも大きな値を有する差分値が、一定個数以上(例えば4個以上)ある場合、その注目画素は、文字画像を構成するエッジ画素であると判定する。文字画像検出部103は、当該エッジ画素が、予め定められた閾値以上存在する画像を文字画像として判別する。
【0069】
位置検出部104は、上記文字画像検出部103により検出された文字画像が、記録紙上において配置される位置である文字画像位置を検出する。例えば、位置検出部104は、原稿読取部5による読取で得た原稿画像、又はネットワークインターフェイス部91によりパーソナルコンピューター等から取得したプリント対象データの示す画像について、当該画像が記録紙上で配置される領域である画像領域の位置を検出し、更に当該画像領域内において文字画像が存在する文字画像を検出する。位置検出部104は、例えば、記録紙の全域の各位置をxy座標系により表す場合、当該文字画像位置を、当該文字画像位置に対応する(x,y)座標等により示す。位置検出部104は、上記画像領域における、上記OCR処理により文字画像と検出された画像の位置を、文字単位で上記(x,y)座標等により記憶する。
【0070】
さらに、位置検出部104は、上記画像領域において上記文字画像が配置されていない領域を余白領域として検出する。例えば、位置検出部104は、当該余白領域が存在する位置を上記(x,y)座標等により記憶する。
【0071】
判断部105は、位置検出部104によって検出された文字画像位置と、後処理位置記憶部101に記憶されている後処理位置とが一致する領域が有るか否かを、文字画像検出部103によって検出された文字画像毎に判断する。例えば、判断部105は、後処理位置となっている領域と、文字画像位置となっている領域とが、全体又は一部で同一の領域を有する場合に、当該文字位置と後処理位置とが一致すると判断する。
【0072】
配置変更部106は、判断部105によって文字画像位置と後処理位置とが一致する領域が有ると判断された場合、当該判断の対象とされた文字画像、すなわち、当該一致する領域を少なくとも一部に含んで位置する前記文字画像を、当該文字画像のスケールを維持した状態で、位置検出部104により検出される余白領域のうち、後処理位置以外の位置にある余白領域に、文字単位で配置を変更する。
【0073】
なお、操作部(入力部)47は、制御部100による制御の下、後処理装置60による後処理により記録紙上に画像形成される画像中の文字画像が損失するおそれがある旨のメッセージを表示部473が表示したとき、この表示後に、操作者から、上記原稿画像について画像形成部12による画像形成を実行するか否かの指示の入力を受け付ける。なお、制御部100は、操作部47に、当該画像形成を実行する指示が受け付けられたときは、画像形成部12に画像形成を実行させる。操作部47に、当該画像形成を実行しない指示が受け付けられたときは、制御部100は、画像形成部12に画像形成を実行させることなく、当該原稿画像についてのプリントジョブを終了させる。
【0074】
なお、本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、少なくとも、後処理位置記憶部101、文字画像検出部103、位置検出部104、判断部105、及び配置変更部106を備えた装置部分をいう。
【0075】
次に、画像形成装置1による画像形成時における画像処理の第1実施形態を説明する。図3は画像形成装置1による画像形成時における画像処理の第1実施形態を示すフローチャートである。図4〜図7は、(A)は画像処理が未処理の場合の記録紙上における原稿画像を示す図、(B)は画像処理後の記録紙上における原稿画像を示す図である。
【0076】
コピー動作時又はプリンター動作等において、原稿読取部5による読取、又はネットワークインターフェイス部91によりパーソナルコンピューター等から取得したプリント対象データ等により、原稿画像が取得され、更に操作者による操作部47の操作等で後処理装置60によるパンチ又はステイプル等の後処理を実行する指示が入力されると(S1)、制御部100が表示部473に、当該配置変更の画像処理を実行するか否かの指示の入力を促すメッセージを表示させる(S2)。
【0077】
ここで、ユーザーによる操作部47の操作等で、当該画像処理を実行する指示が入力され、制御部100が当該指示を受け付けると(S3でYES)、文字画像検出部103が、S1で取得された原稿画像から、文字画像を文字単位で検出する(S4)。なお、当該画像処理を実行する指示が操作者により入力されず、制御部100が当該指示を受け付けない場合は(S3でNO)、処理は終了する。上述したように、文字画像検出部103は、例えば、OCR処理等により、上記原稿画像に含まれる文字を示す文字画像を文字毎に検出する。
【0078】
続いて、位置検出部104は、S4において検出されたそれぞれの文字画像について、記録紙上における位置を検出する(S5)。例えば、位置検出部104は、画像形成部12による画像形成時のプリント設定である、原稿サイズ、マージン領域、集約、枠消し、拡大・縮小等に基づいて、記録紙上において原稿画像が配置される位置、すなわちプリント対象データが画像形成される画像領域を算出し、当該例えば(X,Y)座標により示す。そして、位置検出部104は、当該原稿画像において文字画像を構成する各画素の位置から、当該原稿画像内における各文字画像の位置(文字画像位置)を検出し、当該検出した各文字画像位置を例えば(X,Y)座標により示す。当該検出した各文字画像位置の(X,Y)座標は、位置検出部104により、上記画像領域を示す(X,Y)座標から換算される。
【0079】
さらに、位置検出部104は、当該文字画像が配置されていない領域を余白領域として検出し、例えば(X,Y)座標により示す(S6)。
【0080】
判断部105は、S5で検出された文字画像位置と、後処理位置記憶部101に記憶されている後処理位置とが一致する領域が有るか否かを、各文字画像について、すなわち文字単位で判断する(S7)。上述したように、例えば、判断部105は、後処理位置となっている領域と、文字画像位置の示す領域(文字画像)とが、全体又は一部で同一の領域を有する場合に、当該文字位置と後処理位置とが一致する領域が有ると判断する。なお、判断部105は、S5で得られた文字画像の(x,y)座標と、後処理位置の(x,y)座標とにより示される各領域に基づいて当該判断を行う。
【0081】
ここで、判断部105が、上記文字画像位置と上記後処理位置とが一致する領域を有していないと判断した場合は(S7でNO)、制御部100が、S1で取得された原稿画像を、後述する加工を行うことなく画像形成部12に画像形成を行わせ、後処理装置60に後処理を行わせる(S14)。すなわち、文字画像位置と後処理位置とに一致する領域がないことは、後処理装置60による後処理が記録紙上に画像形成される文字画像上には行われないことを示すため、この場合には、S1で得た原稿画像を加工することなく、画像形成部12による画像形成が行われる。
【0082】
一方、判断部105が、上記文字画像位置と上記後処理位置とが一致する領域を有していると判断した場合は(S7でYES)、判断部105は、更に、当該後処理位置と一致する領域を有すると判断した文字画像位置から、予め定められた範囲内(例えば、当該文字画像位置に対して、(x,y)座標系においてx,y,-x,-y方向のいずれかに隣接する領域)に、当該文字画像の大きさと同等以上の大きさからなる余白領域があるか否かを判断する(S8)。判断部105は、S5で得られた文字画像の(x,y)座標と、S6で得られた余白領域の(x,y)座標とにより示される各領域に基づいて当該判断を行う。
【0083】
ここで、判断部105が、上記要件を満たす余白領域があると判断した場合(S8でYES)、配置変更部106は、後処理位置に一致する領域(少なくとも一致する領域を一部に含んでいればよい)を有する当該文字画像を、当該文字画像のスケールを維持した状態で(同一の大きさを保って)、当該余白領域が存在する領域に配置位置を変更する(S15)。すなわち、配置変更部106は、当該文字画像をそのスケールを維持して当該余白領域の位置に移動させる。
【0084】
図4(A)に示すように、記録紙面に配置された原稿画像について、当該原稿画像に含まれる文字画像‘q’、文字画像‘r’、文字画像‘る’、文字画像‘れ’についての記録紙におけるそれぞれの配置位置(文字画像位置)と、記録紙上におけるパンチ処理(後処理)の位置が一致している場合、すなわち、文字画像‘q’及び文字画像‘r’からなる2文字分の文字画像の位置にパンチ穴p1が形成され、文字画像‘る’及び文字画像‘れ’からなる2文字分の文字画像の位置にパンチp2が形成される場合を例にして、上記配置変更部106によるS15での配置変更処理を説明する。
【0085】
この例では、配置変更部106は、パンチ穴p1に隣接し、文字画像‘q’及び文字画像‘r’と同等以上の大きさで検出されている余白領域a1,a2を、文字画像‘q’及び文字画像‘r’の移動先候補とする。そして、配置変更部106は、余白領域a1,a2のいずれか一方の位置に、文字画像‘q’及び文字画像‘r’からなる2文字分の文字画像を配置する。例えば、図4(B)に示すように、配置変更部106は、余白領域a2に、文字画像‘q’及び文字画像‘r’からなる2文字分の文字画像を移動させる。
【0086】
同様に、配置変更部106は、パンチ穴p2に隣接し、文字画像‘る’及び文字画像‘れ’と同等以上の大きさで検出されている余白領域a3を、文字画像‘る’及び文字画像‘れ’の移動先候補とする。そして、配置変更部106は、余白領域a3の位置に、文字画像‘る’及び文字画像‘れ’からなる2文字分の文字画像を配置する。
【0087】
なお、配置変更部106は、文字画像‘q’及び文字画像‘r’からなる2文字分の文字画像をなす各文字画像の並び構成と、文字画像‘る’及び文字画像‘れ’からなる2文字分の文字画像とをなす各文字画像の並び構成を崩さずに、かつスケールを同一に保って移動させる。また、配置変更部106による当該配置変更の最小単位は1文字単位である。
【0088】
また、判断部105が、上記要件を満たす余白領域がないと判断した場合(S8でNO)、判断部105は、更に、当該文字画像を含む行単位からなる領域について、その側方に隣接する位置であって、当該文字画像を含む行の単位からなる領域から所定の範囲内(例えば、当該文字画像位置に対して、(x,y)座標系においてx,-x方向のいずれかの方向で隣接する領域)に、当該文字画像の大きさと同等以上の大きさからなる余白領域が、後処理位置とは異なる位置にあるかを判断する(S9)。
【0089】
なお、本実施形態では、当該行単位としての領域は、位置検出部104によって検出された文字画像位置と、後処理位置記憶部101に記憶されている後処理位置とが一致する領域の幅w(図5(A)に示す)に相当する幅w’(予め定められた範囲。当該行単位の幅は、当該一致する領域の幅と同等以下の幅であればよい)を有する例を示しているが、当該行単位としての領域を、上記幅wを超える幅を有するものとすることも可能である。
【0090】
ここで、判断部105が、上記条件を満たす余白領域があると判断した場合(S9でYES)、当該行単位からなる領域に属する文字画像群を、当該余白領域方向に移動させ、当該余白領域を含んだ位置に配置を変更する(S16)。
【0091】
図5(A)に示すように、記録紙面に配置された原稿画像について、当該原稿画像に含まれる文字画像‘f’、文字画像‘g’、イメージ画像iについての記録紙におけるそれぞれの配置位置と、記録紙上におけるパンチ処理の位置が一致している場合、すなわち、文字画像‘f’及び文字画像‘g’からなる2文字分の文字画像の位置にパンチ穴p1が形成され、イメージ画像iの一部分i1の位置にパンチp2が形成される場合を例にして、上記配置変更部106によるS16での配置変更処理を説明する。
【0092】
この例では、配置変更部106は、文字画像‘f’及び文字画像‘g’を含んでいる行を単位として、当該行単位の領域lに隣接し、文字画像‘f’及び文字画像‘g’と同等以上の大きさである余白領域a3を、当該行単位の領域lをなす文字画像群の移動先候補として検出する。そして、配置変更部106は、余白領域a3に向かう方向に、行単位の領域lをなす文字画像群を、余白領域a3の幅分(当該行の長さ方向における余白領域a3の長さ)だけ移動させ、余白領域a3の位置上に配置する。例えば、図5(B)に示すように、配置変更部106は、余白領域a3の上に重ねて、行単位の領域lを配置する。
【0093】
但し、配置変更部106は、イメージ画像iにおいてパンチ穴p3と重なっている一部分i1については、当該配置変更処理を行わない。配置変更部106は、文字画像のみを当該配置変更処理の対象とする。
【0094】
なお、配置変更部106は、行単位の領域lをなす各文字画像の並び構成を崩さずに、かつスケールを同一に保って移動させる。
【0095】
また、判断部105が、S9における上記条件を満たす余白領域がないと判断した場合は(S9でNO)、判断部105は、更に、当該文字画像を含む予め定められたブロック(例えば、文字画像3行分等)単位からなる領域について、当該領域から予め定められた範囲内(例えば、当該ブロック単位からなる領域に対して、(x,y)座標系においてy,-y方向のいずれかの方向で隣接又は接触する領域)に、当該ブロック単位からなる領域の大きさと同等以上の大きさからなる余白領域が、後処理位置とは異なる位置にあるかを判断する(S10)。
【0096】
但し、当該S10における余白領域の検出では、配置変更部106は、原稿画像における当該ブロック単位からなる領域を、文字画像が配置されていない領域として扱う。
【0097】
判断部105は、S10における条件を満たす余白領域があると判断した場合(S10でYES)、当該ブロック単位からなる領域に属する文字画像群を、当該余白領域の位置に移動させる(S17)。
【0098】
図6(A)に示すように、記録紙面に配置された原稿画像について、当該原稿画像に含まれる文字画像‘1’、文字画像‘2’についての記録紙における配置位置と、記録紙上におけるパンチ処理の位置が一致している場合、すなわち、文字画像‘1’及び文字画像‘2’からなる2文字分の文字画像の位置にパンチ穴p1が形成される場合を例にして、上記配置変更部106によるS17での配置変更処理を説明する。
【0099】
この例では、配置変更部106は、文字画像‘1’及び文字画像‘2’を含む行と、当該行に対してy,-y方向で隣接する各行とからなる文字画像3行分をブロック単位の領域bとする。配置変更部106は、当該ブロック単位の領域bに隣接し、ブロック単位の領域bと同等以上の大きさである余白領域a4(2点鎖線で示す領域)を、当該ブロック単位の領域b(破線で示す領域)をなす文字画像群の移動先候補として検出する。そして、配置変更部106は、余白領域a4に、ブロック単位の領域bをなす文字画像群を移動させる。例えば、図6(B)に示すように、配置変更部106は、余白領域a4の位置にブロック単位の領域bを重ねて配置する。上述したように、配置変更部106は、余白領域a4の検出時には、原稿画像におけるブロック単位の領域bを、文字画像が配置されていない領域として扱う。なお、図6(B)では、余白領域a4と領域bとが同等の大きさであることを示すが、両領域を明確に図示するために、各領域を示す両者の枠線は位置をずらして記載している。後述する図7(B)も同様である。
【0100】
なお、図示はしていないが、配置変更部106が、(1)イメージ画像においてパンチ穴と重なっている部分について当該配置変更処理を行わない点、(2)ブロック単位の領域bをなす各文字画像の並び構成を崩さず、かつスケールを同一に保って移動させる点は、S16の配置変更処理と同様である。
【0101】
また、判断部105は、S10における条件を満たす余白領域がないと判断した場合(S10でNO)、更に、当該原稿画像全体の領域から予め定められた範囲内に、当該原稿画像全体の領域の大きさと同等以上の大きさからなる余白領域があるか否かを判断する(S11)。
【0102】
当該S11における余白領域の検出では、配置変更部106は、原稿画像における当該原稿画像全体が配置されている領域は、文字画像が配置されていない領域として扱う。さらに、配置変更部106は、当該原稿画像全体の領域の大きさと同等以上の大きさからなる領域であって、少なくとも当該原稿画像全体の領域における文字画像部分を、後処理位置とは異なる位置に配置できる領域を、S11における余白領域とする。配置変更部106は、イメージ画像の位置が後処理位置に一致を有することになる場合であっても、S11における余白領域の条件は満たしているものとする。
【0103】
判断部105は、S11における条件を満たす余白領域があると判断した場合(S11でYES)、当該原稿画像全体を当該余白領域の位置に配置を変更する(S18)。
【0104】
図7(A)に示すように、記録紙面に配置された原稿画像について、当該原稿画像に含まれる文字画像‘q’、文字画像‘r’についての記録紙における配置位置と、イメージ画像iについての記録紙におけるそれぞれの配置位置と、記録紙上におけるパンチ処理の位置が一致している場合、すなわち、文字画像‘q’及び文字画像‘r’からなる2文字分の文字画像の位置にパンチ穴p1が形成され、イメージ画像iの一部分i1の位置にパンチp2が形成される場合を例にして、上記配置変更部106によるS18での配置変更処理を説明する。
【0105】
この例では、配置変更部106は、原稿画像全体の領域cに隣接し、当該原稿画像全体の領域cと同等以上の大きさである余白領域a5を、当該原稿画像全体の移動先候補として検出する。上述したように、配置変更部106は、余白領域a5の検出時には、原稿画像全体の領域cを、画像が配置されていない領域として扱う。配置変更部106は、イメージ画像の位置が後処理位置に一致を有していても、S18における配置変更処理では余白領域の条件は満たしているとする。
【0106】
そして、配置変更部106は、余白領域a5に、原稿画像全体を移動させる。例えば、図7(B)に示すように、配置変更部106は、余白領域a5の上に重ねて、原稿画像全体を配置する。このとき、配置変更部106は、イメージ画像については、パンチ穴と重なっていても、当該原稿画像全体を移動させる処理を行う。なお、配置変更部106が、原稿画像を構成する各文字画像及びイメージ画像の並び構成を崩さず、かつスケールを同一に保って移動させる点は、S16及びS17の配置変更処理と同様である。
【0107】
そして、上記S15,S16,S17,S18の処理後は、制御部100が、当該処理後の原稿画像についての画像形成を画像形成部12に行わせ、後処理装置60に後処理を行わせる(S14)。
【0108】
一方、判断部105が、S11における条件を満たす余白領域がないと判断した場合(S11でNO)、制御部100は、表示部473に、当該画像処理が不可能である旨のメッセージと、当該画像処理を行っていない原稿画像について画像形成を実行するか否かを示す指示の入力を促す旨のメッセージとを表示させて、操作者に対する警告を行う(S12)。
【0109】
操作者により、当該画像処理を行っていない原稿画像について画像形成を実行する指示が操作部47入力されると(S13でYES)、制御部100が、当該画像処理を行っていないS1で得られた原稿画像の画像形成を画像形成部12に行わせ、後処理装置60に後処理を行わせる(S14)。一方、操作者からは、当該画像処理を行っていない原稿画像について画像形成を実行する指示が操作部47入力されない場合は(S13でNO)、画像形成部12による当該原稿画像の画像形成は行われずに処理が終了する。
【0110】
この実施形態によれば、配置変更部106による上記配置変更は、文字単位の文字画像で行われ、当該配置変更の対象である文字画像は比較的小さな面積になるため、文字画像のスケールを維持した状態で当該文字画像を配置変更するために必要となる余白領域の面積が小さくなる。このため、当該文字画像の配置変更を行う際の面積的な制約は比較的小さくなる。また、当該配置変更の対象となる文字画像が変形又は縮小されないため、文字画像中の文字の明確性を保って、文字情報が失われないようにすることが可能である。また、配置変更の対象を文字画像とし、文字画像以外のイメージ画像部分は配置変更の対象としないので、当該配置変更時における画像移動の自由度を広げることができる。なお、この場合、パンチやステイプル等の後処理が行われた印刷物の閲覧者は、文字情報を重視して閲覧することが多いと想定されるため、画像形成結果に与える影響を可及的に小さなものとしつつ、配置変更時における画像移動の自由度を広げることができる。
【0111】
また、上記に示した一連の処理では、配置変更部106が、ブロック単位の領域bを予め定められた範囲として、当該領域bを構成する文字画像群を、文字画像以外のイメージ画像部分を対象とせずに配置変更することを、本発明の一実施形態としている。このため、上記ブロック単位の予め定められた範囲にある文字画像群という単位で、その範囲内に含まれる画像の構成を変更することなく、上記のように拡がった移動自由度で配置変更を行うことができる。
【0112】
また、上記に示した一連の処理では、配置変更部は、上記一致する領域の幅に相当する幅からなる行単位の領域lを上記予め定められた範囲として、当該領域lにある文字画像群を、当該文字画像群に隣接した位置する、上記文字画像と後処理位置が一致する領域とは反対側の位置で隣接する余白領域a3の方向に移動させることを本発明の一実施形態としている。このため、後処理位置から文字画像を退避させる場合における文字画像群単位での配置変更を、最小のレイアウト変更で行うことが可能になる。
【0113】
また、上記に示した一連の処理では、表示部473を警告部としての上記警告後、制御部100が、画像形成を実行する指示を、操作部47を介して操作者から受け付けた場合に、画像形成部12に画像形成を実行させることを本発明の一実施形態としている。このため、記録紙上における文字画像位置と後処理位置とが一致する領域が発生し、文字画像がパンチ等の後処理により欠けてしまう虞がある場合は、操作者に、このような状態での画像形成を行うか、或いは、当該画像形成を取り消すかを選択する機会を与えることができる。
【0114】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、文字単位での文字画像、行単位での領域、ブロック単位での領域等に隣接して位置する余白領域を用いて、これら文字画像及び領域の配置を変更しているが、例えば、図8(A)に示すように、配置変更部106は、パンチ穴p1の位置と一致する領域を有する文字画像‘f’‘g’に隣接する位置に余白領域が存在しない場合であっても、上記配置変更の対象となる文字画‘f’‘g’から離れた位置であっても、原稿画像のいずれかの部分に余白領域a6が存在する場合は、図8(B)に示すように、当該余白領域a6に、上記文字画像‘f’‘g’の配置を同一スケールを保って変更してもよい。例えば当該処理は、上記図3に示した処理において、S8でNOとなった場合に、操作者により操作部47から入力される当該処理を行うか、又はS9の処理を行うかを選択する指示に従って実行することが可能である。
【0115】
本発明に係る画像形成装置を複合機として説明しているが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリ装置等であっても構わない。
【0116】
なお、図1乃至図8を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0117】
1 画像形成装置
5 原稿読取部
10 制御ユニット
12 画像形成部
60 後処理装置
100 制御部
101 後処理位置記憶部
102 領域検出部
103 文字画像検出部
104 位置検出部
105 判断部
106 配置変更部
473 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する画像データ取得部と、
後処理部により記録紙上で後処理が行われる後処理位置を記憶する後処理位置記憶部と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データの示す画像に含まれる文字画像を文字単位で検出する文字画像検出部と、
前記文字画像検出部によって検出された文字画像が、記録紙上において配置される文字画像位置と、当該文字画像が配置されていない余白領域の位置とを検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出された文字画像位置と、前記後処理位置記憶部に記憶されている後処理位置とが一致する領域が有るか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって前記文字画像位置と前記後処理位置とが一致する領域が有ると判断された場合、当該一致する領域を少なくとも一部に含んで位置する前記文字画像を、当該文字画像のスケールを維持した状態で、前記位置検出部によって検出される余白領域のうち、当該文字画像と同等以上の大きさからなり、前記後処理位置以外の位置にある余白領域に、文字単位で配置を変更する配置変更部と
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記配置変更部は、前記一致する領域が有ると前記判断部によって判断された場合、当該一致する領域を少なくとも一部に含んで位置する前記文字画像が属する予め定められた範囲内にある文字画像群を、当該文字画像群に隣接する位置に検出される前記余白領域の方向に移動させ、前記余白領域を含んだ位置に配置を変更する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記配置変更部は、前記予め定められた範囲を、前記一致する領域の幅と同等以下の幅とし、前記予め定められた範囲内にある文字画像群を、当該文字画像群に隣接する前記一致する領域とは反対側の位置で隣接する前記余白領域の方向に移動させ、前記余白領域を含んだ位置に配置を変更する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データを画像形成する画像形成部と、
操作者に対して警告を行う警告部と、
前記判断部によって前記一致する領域が有ると判断され、かつ、前記位置検出部によって前記余白領域が検出されない場合に、前記警告部に警告を行わせる制御部と、
前記制御部の制御による前記警告部の警告後、操作者から前記画像データについて前記画像形成部による画像形成を実行するか否かの指示が入力される入力部とを備え、
前記制御部は、前記入力部に前記画像形成を実行する指示が入力された場合に、前記画像形成部に画像形成を実行させる画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106110(P2013−106110A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246968(P2011−246968)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】