説明

画像処理装置

【構成】CPU20は、連続する複数画面の画像信号を画面ごとに複数のブロックに分割して、動き検出回路18が求めたY信号の輝度変化から、動きのある被写体である特定被写体を検出する。そして、CPU20は動きが検出されたブロックを特定して、JPEG2000のROI機能を利用しそのブロックを注目領域として設定し、JPEG2000コーデック28に対し、動き検出ブロックの画像信号を第1圧縮率すなわちアラーム圧縮率で高画質の画像に圧縮するとともに、動き未検出ブロックに対応する画像信号を第1圧縮率よりも高い圧縮率の第2圧縮率すなわちノーマル圧縮率で個別に圧縮するよう命令する。
【効果】連続する複数の画面上を被写体が移動する場合に、被写体の動きを検出し、動きに応じて圧縮率を変えているので、動きのある被写体の画像信号を、動きのない被写体の画像信号に比べて高画質で圧縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像記録装置に関し、特にたとえば監視カメラシステムに適用され、連続する複数画面の画像信号を個別に圧縮する、画像処理装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の画像処理装置の一例が特許文献1に開示されている。この画像処理装置は、JPEG2000のROI(Region Of Interest)機能を利用して注目領域を設定し、注目領域の画像が他の領域の画像よりも高画質となるように圧縮処理を行なうものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−230947号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術では、注目領域が固定されていたため、動きのある被写体ではその画像を高画質で圧縮できないという問題がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、動きのある被写体の場合でも、高画質で圧縮することができる画像処理装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、連続する複数画面の画像信号を個別に圧縮する画像処理装置において、複数画面の画像信号に基づいて動きのある特定被写体を検出する検出手段、
特定被写体が存在する1画面のうち特定被写体に対応する第1部分画像について第1圧縮率を有効化する第1有効化手段、および特定被写体が存在する1画面のうち特定被写体以外の被写体に対応する第2部分画像について第2圧縮率を有効化する第2有効化手段を備えることを特徴とする画像処理装置である。
【0007】
【作用】
連続する複数画面の画像信号を画面ごとに個別に圧縮する画像処理装置は、各画面の画像信号に基づいて動きのある特定被写体を検出する。そして、特定被写体が存在する1画面のうち、特定被写体に対応する第1部分画像については、第1圧縮率で圧縮する。また、同じ画面のうち特定被写体以外の被写体に対応する第2部分画像については、第1圧縮率よりも高い第2圧縮率で圧縮する。これによって、動きのある特定被写体に対応する画像を、特定被写体以外の被写体に対応する画像に比べて高画質で圧縮することができる。
【0008】
特定被写体が存在しない1画面については、第2圧縮率と同じ圧縮率である第3圧縮率で圧縮する。これによって、画面全体が同一の圧縮率で圧縮される。
【0009】
特定被写体以外の被写体に対応する第2部分画像について、第2圧縮率よりも高い第3圧縮率で圧縮する。これによって、ハードディスクの記録時間を長くすることができるので、有効利用することができる。
【0010】
特定被写体が存在する1画面の圧縮画像信号のサイズと、特定被写体が存在しない1画面の圧縮画像信号のサイズが所定の条件を満たすように、第3圧縮率を求めて、その圧縮率で第2部分画像を圧縮する。
【0011】
特定被写体が存在する1画面の圧縮画像信号のサイズと特定被写体が存在しない1画面の圧縮画像信号のサイズが一致するように第3圧縮率を求めて、その圧縮率で第2部分画像を圧縮する。これによって、より一層ハードディスクを有効利用することができる。
【0012】
好ましくは、複数画面の画像信号は監視カメラから出力された画像信号である。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、連続する複数の画面上を被写体が移動する場合に、被写体の動きを検出し、動きに応じて圧縮率を変えているので、動きのある被写体の画像信号を、動きのない被写体の画像信号に比べて高画質で圧縮することができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【実施例】
図1を参照して、この発明の第1実施例である監視カメラシステム10は、監視カメラ12、ハードディスクレコーダ14およびモニタ38から構成されている。この監視カメラシステム10は、監視カメラ12によって撮影された被写体の画像信号をハードディスクレコーダ14に圧縮して記録するとともに、記録された圧縮画像信号を伸長してモニタ38に再生することができる。
【0016】
監視カメラ12は、侵入者など、撮影された被写体に動きがないかどうかを監視し、1フィールド期間ごとに被写体に対応する画像信号をアナログ信号としてハードディスクレコーダ14に与える。
【0017】
ハードディスクレコーダ14は、D−I/F16、CPU20、JPEG2000コーデック28、メモリ制御回路24、HDD−I/F30、ビデオ出力回路36がバス22を介して互いに接続されている。また、動き検出回路18はD−I/F16とCPU20とに接続され、ハードディスク34を内蔵するHDD32はHDD−I/F30に、SDRAM26はメモリ制御回路24にそれぞれ接続されている。
【0018】
CPU20は、D−I/F16に対して監視カメラ12から所定間隔で送られてきたの画像信号の取り込みを命令する。D−I/F16は、取り込んだ画像信号を、まずD−I/F16の内部にあるビデオデコーダ(図示しない)によって、輝度信号であるY信号と色差信号であるU(R−Y)信号およびV(B−Y)信号に変換する。次に、D−I/F16の内部にあるA/D変換回路(図示しない)によって、この画像信号をデジタル信号に変換した後、動き検出回路18とメモリ制御回路24とに与える。
【0019】
動き検出回路18は、D−I/F16から与えられた画像信号から、輝度信号であるY信号を抽出して、現在の画面のY信号の大きさとその1フィールド前の画面のY信号の大きさとから輝度変化を求める。このY信号の輝度変化は、例えば図2(a)に示すように、画面上の検出エリアを分割したブロック(3×4ブロック)ごとに求められる。そして、求められたY信号の輝度変化は、CPU20に与えられる。なお、Y信号の輝度変化のかわりに、ブロックごとに動きベクトルを求めて、その大きさから動きを検出してもよい。
【0020】
次に、CPU20は、動き検出回路18から与えられたY信号の輝度変化が、あらかじめ設定されている検出閾値を超えたか否かをブロックごとに判断し、閾値を超える輝度変化があったY信号が検出されたブロックがあった場合には、そのブロックで被写体の動きがあったと判断する。このように、CPU20によって、動き検出回路18で求めたY信号の輝度変化が検出閾値を超えたと判断された状態のことを内部アラームが検出されたという。あるブロックで内部アラームが検出されたとき、CPU20はそのブロックを特定し、特定されたブロックに対して、JPEG2000のROI機能を利用して注目領域を設定する。例えば画面が図2(a)から図2(b)に遷移した場合、ブロック9および12に被写体の動きがあるので、これらのブロックで内部アラームが検出され、注目領域が設定される。
【0021】
一方、D−I/F16からメモリ制御回路24に与えられた画像信号は、SDRAM26に書き込まれる。
【0022】
CPU20は、JPEG2000コーデック28に対して、あらかじめレジスタに格納されている圧縮率で圧縮するように圧縮命令を与える。JPEGコーデック28はこの圧縮命令を受けると、画像信号の読み出しをメモリ制御回路24に要求する。次に、JPEG2000コーデック28は、メモリ制御回路24によってSDRAM26から読み出された画像信号を取り込み、CPU20からの圧縮命令に基づいて、あらかじめCPU20のレジスタに格納されている所定の圧縮率で圧縮する。この圧縮は、JPEG2000で規定されている方式にしたがって行なわれる。このとき、圧縮する画像信号に注目領域が設定されている場合には、注目領域の画像を高画質で記録したいので、注目領域外の領域の画像よりも低い圧縮率で圧縮する。例えば、図2(b)の場合、ブロック9および12が注目領域として設定されているので、CPU20はブロック9および12をその他のブロックよりも低い圧縮率で圧縮するよう命令する。
【0023】
JPEG2000コーデック28は画像信号を圧縮した後、メモリ制御回路24に対してこの圧縮画像信号の書き込みを要求し、メモリ制御回路24は圧縮画像信号をSDRAM26に書き込む。
【0024】
次に、CPU20は、HDD−I/F30に対して、この圧縮画像信号の記録命令を与える。HDD−I/F30は、この記録命令にしたがって圧縮画像信号の取り出しをメモリ制御回路24に要求し、メモリ制御回路24によってSDRAM26から取り出された圧縮画像信号をHDD32に与える。HDD32は、与えられた圧縮画像信号をファイル形式でハードディスク34に記録する。ハードディスク34内で、記録された圧縮画像信号のファイルは撮影順に管理される。
【0025】
次に、ハードディスク34に記録された圧縮画像信号を再生する場合について説明する。まず、CPU20は、圧縮画像信号の読み出しをHDD−I/F30に命令する。読み出し命令を受けたHDD−I/F30は、HDD32を制御して監視カメラ12によって撮影された被写体に対応する圧縮画像信号をハードディスク34から撮影順に順次読み出す。
【0026】
そして、CPU20は、メモリ制御回路24に対して、読み出された圧縮画像信号をSDRAM26に書き込むよう命令する。書き込み命令を受けたメモリ制御回路24は、圧縮画像信号をSDRAM26に書き込む。
【0027】
次に、CPU20は、JPEG2000コーデック28に対して伸長命令を与える。伸長命令を受けたJPEG2000コーデック28は、圧縮画像信号の読み出しをメモリ制御回路24に要求し、SDRAM26に書き込まれている圧縮画像信号を取り込む。そして、取り込んだ圧縮画像信号をJPEG2000に規定されている方式にしたがって伸長する。このとき、伸長する画像に注目領域が設定されているときは、注目領域の画像と注目領域外の領域の画像は、それぞれ圧縮時の圧縮率を用いて伸長される。このJPEG2000コーデック28で伸長された画像信号は、メモリ制御回路24に与えられ、メモリ制御回路によってSDRAM26に書き込まれる。
【0028】
さらに、CPU20は、ビデオ出力回路36に処理命令を与える。処理命令を受けたビデオ出力回路36は、1フィールド期間毎にメモリ制御回路24に対して伸長画像信号の取り出しを要求し、メモリ制御回路24によってSDRAM26から取り出された伸長画像信号を受け取る。
【0029】
次に、ビデオ出力回路36は受け取った伸長画像信号をコンポジット画像信号にエンコードした後、モニタ38の画面に表示する。このとき、注目領域が設定されていたブロックの画像は、他のブロックからの画像に比べて高画質になっている。すなわち、図2(b)の画像をモニタに再生した場合、ブロック9と12の画像は、他のブロックの画像に比べて高画質になっている。
【0030】
次に、この監視カメラシステム10における画像信号の圧縮記録処理のフローについて図3を用いて説明する。
【0031】
まず、ステップS1で、内部アラームの位置および内部アラームの検出閾値を設定する。具体的には、図2(a)に示すようなY信号の輝度変化を求めるブロックの画面上での配置、および動き検出回路18によって求めたY信号の輝度変化の大きさが閾値を超えているか否かをCPU20が判断するための検出閾値を設定する。
【0032】
次に、ステップS3で、JPEG2000コーデック28が撮影された画像信号を圧縮するときに用いる圧縮率を、CPU20のレジスタに格納する。この圧縮率には、動き検出ブロックの画像信号の圧縮に用いるアラーム圧縮率と動き未検出ブロックの画像信号を圧縮する際に用いるノーマル圧縮率とがある。
【0033】
さらに、ステップ5で、CPU20は画面の全領域で画像信号の圧縮率をノーマル圧縮率に設定する。
【0034】
次に、ステップS7で、CPU20は垂直同期信号の発生の有無を判断し、垂直同期信号が発生したときは、ステップS9で、D−I/F16に対して監視カメラ12からの画像信号の取り込みを命令する。D−I/F16は、取り込んだアナログ画像信号からY信号、U信号、V信号を生成し、さらにこれらの画像信号をデジタル信号に変換する。一方、同期信号が発生しないときは、ステップ7の処理を繰り返す。
【0035】
次に、ステップS11で、CPU20は内部アラームが検出されたか否かを判断する。すなわち、CPU20が動き検出回路18によって、ブロックごとに現在の画面のY信号の大きさと、その1フィールド前の画面の輝度信号の大きさから求めた輝度変化の大きさが、格納されている検出閾値よりも大きいと判断した場合には、そのブロックで内部アラームを検出したと判断する。なお、内部アラームを検出しなかった場合、CPU20は、JPEG2000に規定された方式にしたがって、画面の全領域の画像信号をノーマル圧縮率で圧縮するよう命令する(ステップ17)。
【0036】
次に、CPU20は内部アラームを検出した場合には、さらにステップS13でそのブロックを特定する。すなわち、この特定されたブロックで、被写体に動きがあったことを示している。
【0037】
そして、この特定されたブロックに対して、CPU20はステップS15でJPEG2000のROI機能を用いて注目領域を設定する。すなわち、ブロックごとにY信号の輝度変化を求め、その変化が検出閾値を超えているブロックに対して注目領域の設定を行なう。
【0038】
ステップS17で、CPU20はJPEG2000コーデック28に対して、注目領域として設定されている動き検出ブロックの画像信号はアラーム圧縮率で、動き未検出ブロックの画像信号はノーマル圧縮率で、JPEG2000に規定された方式にしたがって圧縮するよう命令する。このとき、アラーム圧縮率は、ノーマル圧縮率よりも低い圧縮率に設定されているため、注目領域の画像信号は高画質で圧縮される。
【0039】
そして、ステップS19で、CPU20はハードディスク34への記録を終了するか否かを判断し、記録を終了する場合には、画像信号の記録を終了する。一方、まだ記録すべき画像信号がある場合には、再びステップS7に戻って次のフィールド期間の画像信号を取り込んで、圧縮および記録を行なう。この場合、あらかじめ設定した複数のブロックのうち、いずれのブロックに内部アラームが発生しても、ROI機能を利用してそのブロックに注目領域を設定できるので、画面上を移動する被写体の画像信号を高画質で圧縮することができる。
【0040】
次に、監視カメラシステム10の第2実施例について説明する。この第2実施例のブロック図および図解図は、第1実施例の図1、図2と同一であるので、その説明を省略する。また、第2実施例の圧縮記録処理のフローを示す図4において、第1実施例と同じ動作のステップは、同じステップ番号を付してその説明を省略し、第1実施例と異なるステップを中心に説明する。
【0041】
第1実施例の場合と同様に被写体の動きが検出されたブロックを注目領域として、アラーム圧縮率を設定(ステップS15)した後に、ステップS21でCPU20は、動き未検出ブロックの画像信号の圧縮率を第1実施例で用いたノーマル圧縮率よりも高い圧縮率に再設定し、レジスタに格納する。
【0042】
そして、CPU20は、第1実施例の場合と同様にして、JPEG2000に規定された方式にしたがい、注目領域が設定されている動き検出ブロックに対応する画像信号はアラーム圧縮率で、動き未検出ブロックに対応する画像信号はステップS21で再設定した圧縮率で圧縮するようにJPEG2000コーデック28に命令する(ステップS17)。次に、CPU20は圧縮画像信号をハードディスク34に記録するようにHDD−I/F30に命令する(ステップS19)。
【0043】
この場合、注目領域である動き検出ブロックの画像信号の圧縮後の画像サイズは実施例1の場合と変わらないが、動き未検出ブロックの画像信号の圧縮後の画像サイズは実施例1の場合に比べてより小さくすることができる。したがって、ハードディスクの記録時間を長くすることができる。
【0044】
なお、ステップ21で、動き未検出ブロックの圧縮率を、その圧縮後の画像サイズの減少量が、動き検出ブロックをアラーム圧縮率で圧縮した場合の画像サイズの増加量によって打ち消されるような圧縮率に再設定してもよい。
【0045】
具体的には、CPU20は、JPEG2000コーデック28に対して、特定被写体を含む動き検出ブロックの画像信号はアラーム圧縮率で、動き未検出ブロックの画像信号はノーマル圧縮率よりも高い圧縮率で圧縮するよう命令する。JPEG2000コーデック28は、これらの画像信号を圧縮した後、メモリ制御回路24に対してこの圧縮画像信号の書き込みを要求し、メモリ制御回路24は圧縮画像信号をSDRAM26に書き込む。
【0046】
次に、CPU20は、この特定被写体を含む圧縮画像信号の画像サイズと全ブロックの画像信号をノーマル圧縮率で圧縮したときの画像サイズとを比較する。その結果、特定被写体を含む圧縮画像信号の方が大きい場合には、CPU60は再びJPEG2000コーデックに対して、動き検出ブロックの画像信号はアラーム圧縮率で、動き未検出ブロックの画像信号はノーマル圧縮率よりも高い圧縮率で圧縮するように命令する。
【0047】
このようにして、特定被写体を含む画像信号の画像サイズが、全ブロックをノーマル圧縮率で圧縮した場合の画像サイズと等しくなるまで圧縮を繰り返す。そして、これらの画像サイズが等しくなったときに、CPU60はその圧縮画像信号をHDD32に与えて、ハードディスク34に記録する。
【0048】
この場合、動き検出ブロックの画像サイズの増加量と、動き未検出ブロックの画像サイズの増加量が等しくなるので、画像信号全体の画像サイズは全ブロックをノーマル圧縮率で圧縮した場合の画像サイズと同じにすることができる。したがって、ハードディスクの記録時間をより一層長くすることができる。
【0049】
以上の説明からわかるように、連続する複数画面の画像信号を画面ごとに圧縮する画像処理装置は、1画面ごとに複数のブロックに分割して、ブロックごとに動き検出回路18が求めたY信号の輝度変化の大きさから、動きのある被写体である特定被写体を検出し、そのブロックを特定する。そして、JPEG2000コーデック28に対して、特定被写体が存在する1画面のうち、特定被写体が検出されたブロックの画像である第1部分画像を第1圧縮率(アラーム圧縮率)で圧縮するとともに、特定被写体が検出されなかったブロックの画像である第2部分画像を第1圧縮率よりも高い第2圧縮率(ノーマル圧縮率)で圧縮するよう命令する。このため、第1部分画像は第2部分画像に比べて高画質で圧縮される。
【0050】
1画面上に特定被写体が検出されたブロックがない場合には、各ブロックの画像信号を第2圧縮率よりも低い第3圧縮率で圧縮する。このことにより、画面全体が第3圧縮率で圧縮される。
【0051】
1画面上に特定被写体が検出されたブロックがある場合には、第1部分画像は第1圧縮率で圧縮し、第2部分画像は第2圧縮率よりも高い第3圧縮率で圧縮する。これによって、第2部分画像の圧縮後の画像サイズを小さくすることができるので、ハードディスクを有効利用することができる。
【0052】
特定被写体が存在する1画面の圧縮画像信号のサイズと、特定被写体が存在しない1画面の圧縮画像信号のサイズとが所定の条件を満たすような第2圧縮率を求めて、求めた第2圧縮率で特定被写体が存在する1画面上の第2部分画像を圧縮する。
【0053】
特定被写体が存在する1画面の圧縮画像信号のサイズが、特定被写体が存在しない1画面の圧縮画像信号のサイズと等しくなるように第2圧縮率を求めて、求めた第2圧縮率で特定被写体が存在する1画面上の第2部分画像を圧縮する。この結果、第1部分画像の圧縮画像信号サイズの増加量を、第2部分画像の圧縮画像信号サイズの減少量によって打ち消すことができるので、ハードディスクをより一層有効利用することができる。
【0054】
連続する複数画面の画像信号は、監視カメラ12から出力された画像信号である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1実施例で被写体の動きを検出するブロックを示す図解図である。
【図3】図1実施例の動作を示すフロー図である。
【図4】この発明の他の実施例の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
10…監視カメラシステム
14…ハードディスクレコーダ
18…動き検出回路
20…CPU
24…メモリ制御回路
28…JPEG2000コーデック
32…HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する複数画面の画像信号を個別に圧縮する画像処理装置において、
前記複数画面の画像信号に基づいて動きのある特定被写体を検出する検出手段、
前記特定被写体が存在する1画面のうち前記特定被写体に対応する第1部分画像について第1圧縮率を有効化する第1有効化手段、および
前記特定被写体が存在する1画面のうち前記特定被写体以外の被写体に対応する第2部分画像について前記第1圧縮率よりも高い第2圧縮率を有効化する第2有効化手段を備えることを特徴とする、画像処理装置。
【請求項2】
前記特定被写体が存在しない1画面について前記第2圧縮率に等しい第3圧縮率を有効化する第3有効化手段をさらに備える、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2部分画像について前記第2圧縮率よりも高い第3圧縮率を有効化する第3有効化手段をさらに備える、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第3圧縮率は、前記特定被写体が存在する1画面の圧縮画像信号と前記第特定被写体が存在しない1画面の圧縮画像信号との間で所定サイズ条件が満たされる圧縮率である、請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記所定サイズ条件はサイズが互いに一致するという条件である、請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記複数画面の画像信号は監視カメラから出力された画像信号である、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。

【公開番号】特開2004−200739(P2004−200739A)
【公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−363238(P2002−363238)
【出願日】平成14年12月16日(2002.12.16)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】