画像処理装置
【課題】 本発明は、ユーザ等が不便を感じる機会を減らしつつ省電力を達成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の画像処理装置は、ジョブを実行していない現在係属している待機時間に基づいて、ジョブの実行が可能なモードよりも消費電力の少ない省電力モードに作動モードを切り替える切替手段を備える。更に、本発明の画像処理装置は、過去1時間、過去1日、過去1週間等の過去一定期間におけるジョブの実行時間と待機時間とを測定する測定手段と、測定された実行時間と待機時間の長さに基づいて移行時間を決定する移行時間決定手段を備える。上記切替手段は、上記待機時間が上記移行時間に達すると、上記省電力モードに作動モードを切り替える。
【解決手段】 本発明の画像処理装置は、ジョブを実行していない現在係属している待機時間に基づいて、ジョブの実行が可能なモードよりも消費電力の少ない省電力モードに作動モードを切り替える切替手段を備える。更に、本発明の画像処理装置は、過去1時間、過去1日、過去1週間等の過去一定期間におけるジョブの実行時間と待機時間とを測定する測定手段と、測定された実行時間と待機時間の長さに基づいて移行時間を決定する移行時間決定手段を備える。上記切替手段は、上記待機時間が上記移行時間に達すると、上記省電力モードに作動モードを切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギーモードに移行するタイミングが使用環境に応じて変化するプリンタ、複写機、複合機等の画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、印刷、FAX等のジョブをいつでも実行できるように、画像処理装置は常時電源が投入された状態で設置されている。しかし、上記ジョブの実行は常に行なわれるものではないため、画像処理装置に常時電源を投入しておくことは電力の浪費となる。電力の浪費を少なくするために、通常の画像処理装置は、ジョブが完了してから一定時間の間に新たなジョブが発生しなければ、作動モードを消費電力の小さい作動モード(以下、省電力モードという)に切り替えるように制御されている。
【0003】
省電力モードでは、例えば、印刷時に高温に保持しなければならない定着ローラの温度を低い温度で保持すること等によって、画像処理装置の消費電力を小さくしている。
【0004】
しかし、省電力モードで作動しているときに、例えばコピーなどの印刷を伴うジョブを行う場合は、ジョブの実行前に定着ローラを加熱する必要があるため、ジョブの実行までに時間が掛かってしまう。
【0005】
そこで、ユーザ等がジョブを実行したいときに直ぐにジョブを実行でき、且つ省電力も図ることを目的とする技術が、特開2001−169028号公報にて開示されている。上記公報の技術では、ジョブが完了してから新たなジョブが発生しない場合において、ジョブが完了してから省電力モードに移行するまでの移行時間を画像処理装置と通信可能に接続された端末の数に基づいて決定している。この公報では、接続台数が多い場合は移行時間を長くし、接続台数が少ない場合は短くすることが記載されている。このように移行時間を決定するのは、接続台数が多ければ多いほど画像処理装置が実行しなければならないジョブの発生頻度は通常は高く、発生頻度の高いときには画像処理装置を直ぐにジョブが実行できる状態にしておくことで、ユーザ等が不便を感じる機会を減らすことができ、発生頻度が低いときには省電力モードに素早く移行することで省電力を達成することができるからである。
【特許文献1】特開2001−169028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ジョブの発生頻度は、接続台数に比例するとは限らないため、上記公報に開示された技術では上記目的を達成できない場合がある。
【0007】
そこで本発明は、ユーザ等が不便を感じる機会を減らしつつ省電力を達成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、ジョブを実行していない現在係属している待機時間に基づいて、ジョブの実行が可能なモードよりも消費電力の少ない省電力モードに作動モードを切り替える切替手段を備える。待機時間は、例えばジョブが受け付けられてからそのジョブが完了するまでの時間や、ジョブが実際に実行されている時間である。
【0009】
更に、本発明の画像処理装置は、過去1時間、過去1日、過去1週間等の過去一定期間におけるジョブの実行時間と待機時間とを測定する測定手段と、測定された実行時間と待機時間の長さに基づいて移行時間を決定する移行時間決定手段を備える。上記切替手段は、上記待機時間が上記移行時間に達すると、上記省電力モードに作動モードを切り替える。切り替えのタイミングに用いる移行時間を、過去の実行時間と待機時間に基づいて決定することで、移行時間の長さを、過去の実行時間と待機時間から推測される現在のジョブの発生頻度に応じた長さとすることができる。
【0010】
例えば、過去の実行時間が長ければ長いほど、現在のジョブの発生頻度が高いと推測される場面においては、過去の実行時間が長い場合、移行時間決定手段は、決定する移行時間を長くする。移行時間を長くすることで、省電力モードに切り替えられるまでにジョブが発生する確率を高くすることができるので、ジョブの発生頻度が高い場合は、本発明の画像処理装置はジョブを直ぐに実行できる状態となっている可能性が高く、これによりユーザ等が不便と感じる課題を解消することができる。また、この場面において過去の実行時間が短い場合は、移行時間決定手段は、決定する移行時間を短くする。移行時間を短くすることで、ジョブの発生する可能性が低い場合は、直ぐに省電力モードに移行するので、これによって、本発明の画像処理装置は省電力を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、ユーザ等が不便を感じる機会を減らしつつ省電力を達成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施の形態における画像処理装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示す作動手段101は、画像処理装置100の主電源が投入されているときの画像形成装置の作動モードを制御する。画像処理装置100は、Readyモードと省電力モードと2つのモードで動作することができる。Readyモードは、印刷、スキャン、FAX等のジョブを直ぐに実行できる状態の作動モードであり、省電力モードとは、消費電力の削減のために、トナーを用紙に定着させるための定着ローラなどのReadyモードでは電力を大きく消費する部品に対して使用する電力を減らした作動モードである。このため、Readyモードではトナーの定着のために定着ローラは160度以上の高温に保たれるが、省電力モードでは160度以下の低温で保たれる。省電力モードでは、消費電力が低くなるが、省電力モードのときにジョブが発生しても、定着ローラ等の部品がジョブを実行できる状態となっていないので、ジョブの実行はこれらの部品がジョブの実行できる状態となってから行なわれる。
【0013】
画像処理装置100の主電源投入後の初期状態では、作動手段101は画像処理装置100をReadyモードで作動させる(図2、S201→S202)。図1に示す切替手段102は、主電源が投入されると、主電源が投入されてからの経過時間の計測を開始する(図2、S203)。更に、主電源が投入されると、図1に示す移行時間決定手段103は、切替手段102が計測する経過時間が達すると、作動モードが省電力モードに切り替わる移行時間を決定する。移行時間決定手段103は、画像処理装置100における直近24時間のジョブの実行時間と実行時間外の待機時間とに基づいて移行時間を決定する。画像形成装置100における実行時間と待機時間は、計測手段104が計測し、計測手段104は、計測した時間のうち、移行時間を決定する材料となる直近24時間の待機時間と実行時間を記憶している。本実施の形態では、計測手段104は、直近24時間におけるジョブの待機時間a1、a2、a3…anと実行時間b1、b2、b3…bnを図3に示す実行状態テーブル300に記述することで、直近24時間の実行時間と待機時間を記憶している。
【0014】
計測手段104が計測する実行時間は、ジョブ実行手段105がジョブの実行を開始してから終了するまでの時間であり、待機時間はそれ以外の時間である。ジョブ実行手段105は、受付手段106として機能する画像処理装置に備えられた操作パネルや、画像処理装置とLAN等のネットワークによって接続されたパソコン等の端末と通信を行なう通信手段等に入力された印刷、コピー、FAX等のジョブを実行する。
【0015】
移行時間決定手段103は、実行状態テーブル300に記憶された全実行時間b1、b2、b3…bnを合計し、全待機時間a1、a2、a3…anを合計することで、直近24時間の待機時間Aと実行時間Bを算出する。待機時間Aと実行時間Bを算出すると、移行時間決定手段103は、次の式を用いて移行時間tnを決定する(図2、S204)。
【0016】
(数1)
tn=実行時間B/待機時間A×T
上記式におけるTは予め移行時間決定手段103に設定された値である。この値は、画像処理装置に備えられた操作パネルを用いてユーザが変更することもできる。上記式から、決定される移行時間は、実行時間が長ければ長いほど長くなる。
【0017】
移行時間決定手段103は、以上のようにして主電源が投入されてからは、所定の間隔で、直近24時間の実行時間と待機時間に基づいて移行時間を更新する。
【0018】
上記切替手段102は、主電源が投入されてからの経過時間が、移行時間決定手段103によって更新される移行時間を越えない限り、作動手段101にReadyモードの作動を行なうように指示する。切替手段102は、受付手段106が新たなジョブを受け付けたか否かを監視し、受付手段106が新たなジョブを受け付けることなく、主電源が投入されてからの経過時間が移行時間を超えた場合、即ち、主電源が投入されてからジョブが受け付けられるまでの待機時間が移行時間を超えた場合、省電力モードでの作動を行なうように作動手段101に指示する。この指示があると、作動手段101は、画像処理装置100の作動モードを省電力モードに切り替える(図2、S205→S206→S207)。
【0019】
受付手段106に新たなジョブが受け付けられると、切替手段102は、主電源が投入されてからの経過時間をリセットする。更に、新たなジョブが受け付けられたときの画像処理装置の作動モードが省電力モードである場合、作動モードをReadyモードに切り替える指示を作動手段101に出す。この指示があると、作動手段101は、作動モードをReadyモードに切り替える(図2、S208→S209)。
【0020】
上記切替手段102は、ジョブが受け付けられたときの作動モードがReadyモードである場合は、受け付けられると直ぐに、Readyモードに切り替える指示を出した場合は、作動モードがReadyモードに切り替わると、ジョブ実行手段105にジョブの実行を指示する。この指示がると、ジョブ実行手段105は受付手段106が受け付けた新たなジョブの実行を開始する(図2、S210)。但し、省電力モードからReadyモードに切り替わっても、定着ローラ等はジョブを実行できる状態に直ぐにならないので、ジョブ実行手段105は、ジョブの実行の指示があっても、定着ローラ等がジョブを実行できる状態になるのを待ってからジョブを実行する。ジョブ実行手段105は、ジョブを完了すると、切替手段102にジョブを完了した旨を通知する(図2、S211)。
【0021】
ジョブの完了の通知を受けると、切替手段102は、完了の通知を受け取ってからの経過時間、即ち、ジョブの実行をしていない待機時間の計測を開始する(図2、S212)。
【0022】
上記切替手段102は、完了の通知を受け取ってからの経過時間が、移行時間決定手段103によって更新される移行時間を越えない限り、作動手段101にReadyモードの作
動を行なうように指示する。切替手段102は、受付手段106が新たなジョブを受け付けることなく、ジョブの実行をしていない経過時間が移行時間を超えた場合、即ち、待機時間が移行時間を超えた場合、省電力モードでの作動を行なうように作動手段101に指示する。この指示があると、作動手段101は、画像処理装置100の作動モードを省電力モードに切り替える(図2、S213→S214→S207)。
【0023】
また、切替手段102は、ジョブの実行をしていない経過時間が移行時間を経過する前に、受付手段106に新たなジョブが受け付けられた場合は、経過時間をリセットして、ジョブ実行手段105にジョブの実行を指示する。この指示がると、ジョブ実行手段105は上記のように受付手段106が受け付けた新たなジョブの実行を開始する(図2、S210)。
【0024】
以上のように、画像処理装置100の電源が投入されている間は、作動モードが移行時間に基づいて切り替えられる。
【0025】
以上のようにして、本実施の形態では、直近24時間の実行時間と待機時間に基づいて移行時間が決定され、直近24時間における実行時間が長いほど現在のジョブの発生頻度が高い場合は、移行時間を上記式で決定することで、長い時間省電力モードに切り替わることがないので、ジョブが直ぐに実行されないという不便さを感じる回数を減らすことができる。また、移行時間を上記式で決定することで、直近24時間における実行時間が短いほど現在のジョブの発生頻度が低い場合は、直ぐに省電力モードに切り替わるので、ジョブが発生しないにも関わらず、消費電力の高いReadyモードでの作動によって起こる電力の浪費を防ぐ事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施の形態の画像処理装置の機能ブロック図。
【図2】本実施の形態における省電力モードへ移行する手順を示すフロー図。
【図3】実行状態テーブルの概念図。
【符号の説明】
【0027】
100 画像処理装置
101 作動手段
102 切替手段
103 移行時間決定手段
104 計測手段
105 ジョブ実行手段
106 受付手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギーモードに移行するタイミングが使用環境に応じて変化するプリンタ、複写機、複合機等の画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、印刷、FAX等のジョブをいつでも実行できるように、画像処理装置は常時電源が投入された状態で設置されている。しかし、上記ジョブの実行は常に行なわれるものではないため、画像処理装置に常時電源を投入しておくことは電力の浪費となる。電力の浪費を少なくするために、通常の画像処理装置は、ジョブが完了してから一定時間の間に新たなジョブが発生しなければ、作動モードを消費電力の小さい作動モード(以下、省電力モードという)に切り替えるように制御されている。
【0003】
省電力モードでは、例えば、印刷時に高温に保持しなければならない定着ローラの温度を低い温度で保持すること等によって、画像処理装置の消費電力を小さくしている。
【0004】
しかし、省電力モードで作動しているときに、例えばコピーなどの印刷を伴うジョブを行う場合は、ジョブの実行前に定着ローラを加熱する必要があるため、ジョブの実行までに時間が掛かってしまう。
【0005】
そこで、ユーザ等がジョブを実行したいときに直ぐにジョブを実行でき、且つ省電力も図ることを目的とする技術が、特開2001−169028号公報にて開示されている。上記公報の技術では、ジョブが完了してから新たなジョブが発生しない場合において、ジョブが完了してから省電力モードに移行するまでの移行時間を画像処理装置と通信可能に接続された端末の数に基づいて決定している。この公報では、接続台数が多い場合は移行時間を長くし、接続台数が少ない場合は短くすることが記載されている。このように移行時間を決定するのは、接続台数が多ければ多いほど画像処理装置が実行しなければならないジョブの発生頻度は通常は高く、発生頻度の高いときには画像処理装置を直ぐにジョブが実行できる状態にしておくことで、ユーザ等が不便を感じる機会を減らすことができ、発生頻度が低いときには省電力モードに素早く移行することで省電力を達成することができるからである。
【特許文献1】特開2001−169028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ジョブの発生頻度は、接続台数に比例するとは限らないため、上記公報に開示された技術では上記目的を達成できない場合がある。
【0007】
そこで本発明は、ユーザ等が不便を感じる機会を減らしつつ省電力を達成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、ジョブを実行していない現在係属している待機時間に基づいて、ジョブの実行が可能なモードよりも消費電力の少ない省電力モードに作動モードを切り替える切替手段を備える。待機時間は、例えばジョブが受け付けられてからそのジョブが完了するまでの時間や、ジョブが実際に実行されている時間である。
【0009】
更に、本発明の画像処理装置は、過去1時間、過去1日、過去1週間等の過去一定期間におけるジョブの実行時間と待機時間とを測定する測定手段と、測定された実行時間と待機時間の長さに基づいて移行時間を決定する移行時間決定手段を備える。上記切替手段は、上記待機時間が上記移行時間に達すると、上記省電力モードに作動モードを切り替える。切り替えのタイミングに用いる移行時間を、過去の実行時間と待機時間に基づいて決定することで、移行時間の長さを、過去の実行時間と待機時間から推測される現在のジョブの発生頻度に応じた長さとすることができる。
【0010】
例えば、過去の実行時間が長ければ長いほど、現在のジョブの発生頻度が高いと推測される場面においては、過去の実行時間が長い場合、移行時間決定手段は、決定する移行時間を長くする。移行時間を長くすることで、省電力モードに切り替えられるまでにジョブが発生する確率を高くすることができるので、ジョブの発生頻度が高い場合は、本発明の画像処理装置はジョブを直ぐに実行できる状態となっている可能性が高く、これによりユーザ等が不便と感じる課題を解消することができる。また、この場面において過去の実行時間が短い場合は、移行時間決定手段は、決定する移行時間を短くする。移行時間を短くすることで、ジョブの発生する可能性が低い場合は、直ぐに省電力モードに移行するので、これによって、本発明の画像処理装置は省電力を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、ユーザ等が不便を感じる機会を減らしつつ省電力を達成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施の形態における画像処理装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示す作動手段101は、画像処理装置100の主電源が投入されているときの画像形成装置の作動モードを制御する。画像処理装置100は、Readyモードと省電力モードと2つのモードで動作することができる。Readyモードは、印刷、スキャン、FAX等のジョブを直ぐに実行できる状態の作動モードであり、省電力モードとは、消費電力の削減のために、トナーを用紙に定着させるための定着ローラなどのReadyモードでは電力を大きく消費する部品に対して使用する電力を減らした作動モードである。このため、Readyモードではトナーの定着のために定着ローラは160度以上の高温に保たれるが、省電力モードでは160度以下の低温で保たれる。省電力モードでは、消費電力が低くなるが、省電力モードのときにジョブが発生しても、定着ローラ等の部品がジョブを実行できる状態となっていないので、ジョブの実行はこれらの部品がジョブの実行できる状態となってから行なわれる。
【0013】
画像処理装置100の主電源投入後の初期状態では、作動手段101は画像処理装置100をReadyモードで作動させる(図2、S201→S202)。図1に示す切替手段102は、主電源が投入されると、主電源が投入されてからの経過時間の計測を開始する(図2、S203)。更に、主電源が投入されると、図1に示す移行時間決定手段103は、切替手段102が計測する経過時間が達すると、作動モードが省電力モードに切り替わる移行時間を決定する。移行時間決定手段103は、画像処理装置100における直近24時間のジョブの実行時間と実行時間外の待機時間とに基づいて移行時間を決定する。画像形成装置100における実行時間と待機時間は、計測手段104が計測し、計測手段104は、計測した時間のうち、移行時間を決定する材料となる直近24時間の待機時間と実行時間を記憶している。本実施の形態では、計測手段104は、直近24時間におけるジョブの待機時間a1、a2、a3…anと実行時間b1、b2、b3…bnを図3に示す実行状態テーブル300に記述することで、直近24時間の実行時間と待機時間を記憶している。
【0014】
計測手段104が計測する実行時間は、ジョブ実行手段105がジョブの実行を開始してから終了するまでの時間であり、待機時間はそれ以外の時間である。ジョブ実行手段105は、受付手段106として機能する画像処理装置に備えられた操作パネルや、画像処理装置とLAN等のネットワークによって接続されたパソコン等の端末と通信を行なう通信手段等に入力された印刷、コピー、FAX等のジョブを実行する。
【0015】
移行時間決定手段103は、実行状態テーブル300に記憶された全実行時間b1、b2、b3…bnを合計し、全待機時間a1、a2、a3…anを合計することで、直近24時間の待機時間Aと実行時間Bを算出する。待機時間Aと実行時間Bを算出すると、移行時間決定手段103は、次の式を用いて移行時間tnを決定する(図2、S204)。
【0016】
(数1)
tn=実行時間B/待機時間A×T
上記式におけるTは予め移行時間決定手段103に設定された値である。この値は、画像処理装置に備えられた操作パネルを用いてユーザが変更することもできる。上記式から、決定される移行時間は、実行時間が長ければ長いほど長くなる。
【0017】
移行時間決定手段103は、以上のようにして主電源が投入されてからは、所定の間隔で、直近24時間の実行時間と待機時間に基づいて移行時間を更新する。
【0018】
上記切替手段102は、主電源が投入されてからの経過時間が、移行時間決定手段103によって更新される移行時間を越えない限り、作動手段101にReadyモードの作動を行なうように指示する。切替手段102は、受付手段106が新たなジョブを受け付けたか否かを監視し、受付手段106が新たなジョブを受け付けることなく、主電源が投入されてからの経過時間が移行時間を超えた場合、即ち、主電源が投入されてからジョブが受け付けられるまでの待機時間が移行時間を超えた場合、省電力モードでの作動を行なうように作動手段101に指示する。この指示があると、作動手段101は、画像処理装置100の作動モードを省電力モードに切り替える(図2、S205→S206→S207)。
【0019】
受付手段106に新たなジョブが受け付けられると、切替手段102は、主電源が投入されてからの経過時間をリセットする。更に、新たなジョブが受け付けられたときの画像処理装置の作動モードが省電力モードである場合、作動モードをReadyモードに切り替える指示を作動手段101に出す。この指示があると、作動手段101は、作動モードをReadyモードに切り替える(図2、S208→S209)。
【0020】
上記切替手段102は、ジョブが受け付けられたときの作動モードがReadyモードである場合は、受け付けられると直ぐに、Readyモードに切り替える指示を出した場合は、作動モードがReadyモードに切り替わると、ジョブ実行手段105にジョブの実行を指示する。この指示がると、ジョブ実行手段105は受付手段106が受け付けた新たなジョブの実行を開始する(図2、S210)。但し、省電力モードからReadyモードに切り替わっても、定着ローラ等はジョブを実行できる状態に直ぐにならないので、ジョブ実行手段105は、ジョブの実行の指示があっても、定着ローラ等がジョブを実行できる状態になるのを待ってからジョブを実行する。ジョブ実行手段105は、ジョブを完了すると、切替手段102にジョブを完了した旨を通知する(図2、S211)。
【0021】
ジョブの完了の通知を受けると、切替手段102は、完了の通知を受け取ってからの経過時間、即ち、ジョブの実行をしていない待機時間の計測を開始する(図2、S212)。
【0022】
上記切替手段102は、完了の通知を受け取ってからの経過時間が、移行時間決定手段103によって更新される移行時間を越えない限り、作動手段101にReadyモードの作
動を行なうように指示する。切替手段102は、受付手段106が新たなジョブを受け付けることなく、ジョブの実行をしていない経過時間が移行時間を超えた場合、即ち、待機時間が移行時間を超えた場合、省電力モードでの作動を行なうように作動手段101に指示する。この指示があると、作動手段101は、画像処理装置100の作動モードを省電力モードに切り替える(図2、S213→S214→S207)。
【0023】
また、切替手段102は、ジョブの実行をしていない経過時間が移行時間を経過する前に、受付手段106に新たなジョブが受け付けられた場合は、経過時間をリセットして、ジョブ実行手段105にジョブの実行を指示する。この指示がると、ジョブ実行手段105は上記のように受付手段106が受け付けた新たなジョブの実行を開始する(図2、S210)。
【0024】
以上のように、画像処理装置100の電源が投入されている間は、作動モードが移行時間に基づいて切り替えられる。
【0025】
以上のようにして、本実施の形態では、直近24時間の実行時間と待機時間に基づいて移行時間が決定され、直近24時間における実行時間が長いほど現在のジョブの発生頻度が高い場合は、移行時間を上記式で決定することで、長い時間省電力モードに切り替わることがないので、ジョブが直ぐに実行されないという不便さを感じる回数を減らすことができる。また、移行時間を上記式で決定することで、直近24時間における実行時間が短いほど現在のジョブの発生頻度が低い場合は、直ぐに省電力モードに切り替わるので、ジョブが発生しないにも関わらず、消費電力の高いReadyモードでの作動によって起こる電力の浪費を防ぐ事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施の形態の画像処理装置の機能ブロック図。
【図2】本実施の形態における省電力モードへ移行する手順を示すフロー図。
【図3】実行状態テーブルの概念図。
【符号の説明】
【0027】
100 画像処理装置
101 作動手段
102 切替手段
103 移行時間決定手段
104 計測手段
105 ジョブ実行手段
106 受付手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを実行していない現在係属している待機時間に基づいて、ジョブの実行が可能なモードよりも消費電力の少ない省電力モードに作動モードを切り替える切替手段を備えた画像処理装置において、
過去のジョブの実行時間と過去の上記待機時間とを測定する測定手段と、
測定された上記実行時間と上記待機時間に基づいて、上記待機時間が達すると上記省電力モードに作動モードを切り替える移行時間を決定する移行時間決定手段を備え、
上記切替手段は、上記待機時間が上記移行時間に達すると、上記省電力モードに作動モードを切り替えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
ジョブを実行していない現在係属している待機時間に基づいて、ジョブの実行が可能なモードよりも消費電力の少ない省電力モードに作動モードを切り替える切替手段を備えた画像処理装置において、
過去のジョブの実行時間と過去の上記待機時間とを測定する測定手段と、
測定された上記実行時間と上記待機時間に基づいて、上記待機時間が達すると上記省電力モードに作動モードを切り替える移行時間を決定する移行時間決定手段を備え、
上記切替手段は、上記待機時間が上記移行時間に達すると、上記省電力モードに作動モードを切り替えることを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2006−238384(P2006−238384A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54028(P2005−54028)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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