説明

画像処理装置

【課題】ユーザの操作負担が軽減すると共に、送信間違いを抑制することができる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】LCD41において、スキャナ3により読み取った画像データの内容を示すプレビュー画像と、複数の送信先とが1つの画面内に表示されるので、ユーザは、送信先と、プレビュー画像とを同時に視認しつつ設定を行うことができる。よって、送信先とその送信先に送信するページとの対応付けの操作の誤りが生じ難く、送信誤りを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置に関し、特に、ユーザの操作負担が軽減すると共に送信間違いを抑制することができる画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置において、複数宛先に同一内容のデータを送信する同報送信が知られている。同報送信を利用すれば、原稿の読み取りは一回だけで複数宛先に同一データを送ることができるので、複数宛先に一括して送信する場合に、ユーザの手間を削減できる。
【0003】
一方、複数ページの原稿を読み取り、その複数ページのデータを複数の送信宛先に送信する際、あるページは全ての送信宛先に共通に送信したいが、他のページについては、各送信宛先に個別に送信したい場合がある。例えば、ファクシミリ送信をする際、送信する原稿の先頭ページに送付書を付け、その送付書に、送信相手の名前などを記載することがよく行われているが、この先頭ページの送付書のみ、各送信相手にそれぞれ個別のものを添付し、2ページ目以降は、各送信相手に共通して送信したい場合がある。
【0004】
このような課題を解決するために、読み取った複数ページ分の画像データのうち、必要なページのみを各送信先に振り分けて送信する画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、ユーザは、設定した複数送信先から送信先を1つずつ選択し、その送信先に対し送信するページを選択し、1の送信先に対するページを全て選択した後、次の送信先を選択し、その送信先に対し送信するページを選択する処理を繰り返す。このようにして、複数の送信先の各々に対し、送信すべきページを設定するにより、原稿の読み取りは一回だけで、複数の送信先に、それぞれ必要なページのみを個別送信することができる。したがって、例えば、先頭ページのみ、それぞれ別の送付書を付けて各送信先へ送信することができる。
【特許文献1】特開2004−172874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明では、まず、送信先をユーザに選択させるために、アドレス選択画面が表示され、そのアドレス選択画面から1の送信先が選択されると、次に、そのアドレス選択画面を消去して、読み込んだ原稿のプレビュー画像を表示し、その表示から選択中の送信先に対し送信すべきページを設定させていた。このようにすると、ユーザは設定作業中に、プレビュー画像と送信先とを同時に確認することはできないので、単調な設定作業を各送信先について繰り返すうち、現在対象としている送信宛先を勘違いしたままページを選択し、送信間違いが生じ易いという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザの操作負担が軽減すると共に、送信間違いを抑制することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、画像データを読み取る読取手段を備え、その読取手段により読み取った画像データを送信するものであって、前記読取手段により読み取った画像データの内容を示すプレビュー画像と、複数の送信先とを1つの画面内に表示する送信情報表示手段と、その送信情報表示手段によりプレビュー画像が表示された画像データと、前記送信情報表示手段に表示された複数の送信先のうちユーザによって設定された送信先との対応付けを記憶する対応設定手段と、その対応設定手段により記憶された対応関係に従って、前記画像データを、対応する送信先に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記送信情報表示手段は、複数ページ分の画像データのプレビュー画像を1つの画面内に並べて表示するものであり、前記対応設定手段は、前記送信情報表示手段により表示されたプレビュー画像をページ単位でユーザに設定させるプレビュー画像設定手段を備え、そのプレビュー画像設定手段によりページ単位でユーザに設定されたプレビュー画像の画像データと、ユーザによって設定された送信先との対応付けを記憶するものであることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の画像処理装置は、請求項2記載の画像処理装置において、前記送信情報表示手段は、前記読取手段により読み取った複数ページ分の画像データのうち、所定ページ分の画像データのプレビュー画像を表示対象として1つの画面内に並べて表示するものであり、ユーザの操作に応じて画面の表示内容をスクロールし、表示対象のプレビュー画像を変更するスクロール手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の画像処理装置は、請求項2または3に記載の画像処理装置において、前記送信情報表示手段は、前記複数の送信先のうち少なくとも1つを区別して表示するものであって、且つ、その区別して表示された送信先に対応付けられたプレビュー画像を、他のプレビュー画像と区別して表示するものであることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の画像処理装置は、請求項2から4のいずれかに記載の画像処理装置において、前記送信手段は、前記読取手段により読み取った1ページ以上から構成される画像データのうち、各送信先に対応するページの画像データを各送信先に送信するものであり、前記送信手段により各送信先に対し、その送信先に対応するページの画像データを送信する際における、その画像データを構成する各ページの送信順序を決定する送信順序決定手段を備え、前記送信順序決定手段は、前記プレビュー画像設定手段におけるユーザの設定順序に従って、各送信先に対する各ページの送信順序をそれぞれ決定するものであることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の画像処理装置は、請求項5記載の画像処理装置において、前記送信情報表示手段は、前記送信順序決定手段により決定された各ページの送信順序を、プレビュー画像近傍に表示する送信順序表示手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の画像処理装置は、請求項6記載の画像処理装置において、前記送信順序表示手段は、前記送信情報表示手段により表示された送信先のうち、ユーザによって設定された送信先に対する送信順序を表示するものであることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の画像処理装置は、請求項6または7に記載の画像処理装置において、前記送信順序表示手段は、前記送信順序決定手段により決定された送信順序を、各送信先毎に色分けして表示するものであることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の画像処理装置は、請求項5記載の画像処理装置において、前記送信情報表示手段は、前記送信順序決定手段により決定された送信順序に従って、プレビュー画像を並べ替えて表示するプレビュー画像並替手段を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の画像処理装置は、請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置において、送信先情報が登録された送信先情報記憶手段と、その送信先情報記憶手段に登録された送信先情報と、その送信先情報のうちユーザによって設定された送信先とを1つの画面内に表示する設定送信先表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の画像処理装置によれば、送信情報表示手段により、画像データの内容を示すプレビュー画像と、複数の送信先とが1つの画面内に表示される。そして、その送信情報表示手段によりプレビュー画像が表示された画像データと、送信情報表示手段に表示された複数の送信先のうちユーザによって設定された送信先との対応付けが、対応設定手段により記憶され、その記憶された対応付けに従って、画像データが、対応する送信先に送信される。よって、読取手段により一度に読み取った画像データであっても、複数の送信先に個別に対応付けて送信することができる。したがって、ユーザの操作負担が軽減すると共に、プレビュー画像と複数の送信先とが1つの画面に表示されているので、画像データと送信先との対応付けの操作に誤りが生じ難く、送信間違いを抑制できるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の画像処理装置によれば、請求項1記載の画像処理装置の奏する効果に加え、ページ単位でユーザに設定されたプレビュー画像の画像データと、ユーザによって設定された送信先との対応付けが記憶されるので、複数の送信先に個別のページを対応付けて送信することができ、ユーザの操作負担を軽減することができるという効果がある。また、プレビュー画像をページ単位でユーザに設定させるので、画像データの各ページと送信先との対応付けの操作に誤りが生じ難く、送信間違いを抑制できるという効果がある。
【0019】
請求項3記載の画像処理装置によれば、請求項2記載の画像処理装置の奏する効果に加え、ユーザの操作に応じて画面の表示内容をスクロールし、表示対象のプレビュー画像を変更するスクロール手段を備えるので、ページ数が多い場合であっても、ユーザは目的とするページのプレビュー画像を容易に視認することができ、操作が容易であるという効果がある。
【0020】
請求項4記載の画像処理装置によれば、請求項2または3に記載の画像処理装置の奏する効果に加え、送信情報表示手段は、複数の送信先のうち少なくとも1つを区別して表示するものであって、且つ、その区別して表示された送信先に対応付けられたプレビュー画像を、他のプレビュー画像と区別して表示するので、送信先とプレビュー画像との対応付けを容易に視認することができ、画像データと送信先との対応付けの操作に誤りが生じ難いという効果がある。
【0021】
請求項5記載の画像処理装置によれば、請求項2から4のいずれかに記載の画像処理装置の奏する効果に加え、プレビュー画像設定手段におけるユーザの設定順序に従って、各送信先に対する各ページの送信順序をそれぞれ決定する送信順序決定手段を備えているので、画像データのページの送信順序を各送信先に対し個別に設定できる。よって、読取手段により画像データを読み取る際の各ページの読取順序を工夫する必要がなく、ユーザの操作負担を軽減できるという効果がある。
【0022】
請求項6記載の画像処理装置によれば、請求項5記載の画像処理装置の奏する効果に加え、送信情報表示手段は、送信順序決定手段により決定された各ページの送信順序を、プレビュー画像近傍に表示するので、決定された送信順序をユーザが容易に把握できるという効果がある。
【0023】
請求項7記載の画像処理装置によれば、請求項6記載の画像処理装置の奏する効果に加え、送信順序表示手段は、送信情報表示手段により表示された送信先のうち、ユーザによって設定された送信先に対する送信順序を表示するので、ユーザは、確認したい送信先を設定することにより、その送信先に対するページの送信順序を容易に把握できるという効果がある。
【0024】
請求項8記載の画像処理装置によれば、請求項6または7に記載の画像処理装置の奏する効果に加え、送信順序表示手段は、送信順序決定手段により決定された送信順序を、各送信先毎に色分けして表示するので、複数の送信先の各々について送信順序を一度に表示したとしても、ユーザは各送信先に対するページの送信順序をそれぞれ識別して把握できるという効果がある。
【0025】
請求項9記載の画像処理装置によれば、請求項5記載の画像処理装置の奏する効果に加え、送信順序決定手段により決定された送信順序に従って、プレビュー画像を並べ替えて表示するプレビュー画像並替手段を備えるので、ユーザが送信順序を容易に把握できるという効果がある。
【0026】
請求項10記載の画像処理装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置の奏する効果に加え、送信先情報記憶手段に登録された送信先情報と、その送信先情報のうちユーザによって設定された送信先とを1つの画面内に表示する設定送信先表示手段とを備えるので、ユーザは、送信先情報帳記憶手段にと黒くされた送信先情報と、既に設定した送信先とを一覧することができ、送信先の設定に誤りが生じ難いという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明における実施形態の複合機1の外観構成を示す斜視図であり、図2は原稿カバー8が開けられた状態の複合機1の外観構成を示す斜視図である。なお、以下の実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施例を適宜変更できることは言うまでもない。
【0028】
図示するように、本複合機1は、下部に設けられたプリンタ2と、上部に設けられたスキャナ3と、スキャナ3の正面側に設けられた操作パネル4とを一体的に備えたMFD(Multi Function Device)であり、コピー機能、ファクシミリ機能、パーソナルコンピュータ(PC)など外部のコンピュータ(図示せず)から受信したデータを記録用紙に記録(印刷)するプリンタ機能など複数の機能を実現する。
【0029】
スキャナ3は、FBS(Flatbed Scanner)として機能する原稿読取台6に対して、自動原稿搬送機構(ADF:Auto Document Feeder、以下「ADF」という。)7を備えた原稿カバー8が、背面側の蝶番11(図2参照)を介して開閉自在に取り付けられてなる。図2に示すように、原稿読取台6の上面にはプラテンガラス12が配設されており、原稿読取台6の内部には、図示しない画像読取ユニットが内蔵されている。
【0030】
プラテンガラス12は、縦幅より横幅が長い平面視で横長の長方形に形成されている。このプラテンガラス12は、長方形の原稿を横向きに載置することが可能な大きさを有する。ここで、上記した横向きとは、原稿の長辺が横を向くように、言い換えれば、原稿の長辺が複合機1の幅方向に揃えられる向きである。
【0031】
原稿読取台6の上面は大きく開口されており、その開口部にプラテンガラス12が嵌め込まれている。原稿読取台6の内部には、上記画像読取ユニットの移動スペースや、画像読取ユニット或いはそれを支持する部材および駆動させる機構などを配設するスペースが確保されているため、原稿読取台6の上面はプラテンガラス12よりも大きく形成されているが、原稿読取台6は、プラテンガラス12と平面視で概ね相似形に形成されている。即ち、原稿読取台6は、プラテンガラス12と同様に、平面視で横方向に長く且つ所定高さの直方体に形成されている。
【0032】
このように構成されたスキャナ3をFBSとして使用する場合は、原稿カバー8を開いてプラテンガラス12上に原稿を載置し、その後、原稿カバー8を閉じて当該原稿を固定する。そして、読取開始指令が入力されると、上記画像読取ユニットがプラテンガラス12の裏面に沿って走査される。これにより、FBSによる原稿の画像読取りが行われる。
【0033】
上記画像読取ユニットは、複合機1の奥行き方向を主走査方向とするラインイメージセンサを備えたものであり、光源を発光させて原稿に光を照射し、原稿からの反射光をレンズにより光電変換素子に導き、光電変換素子が反射光強度に応じた電気信号を出力することによって画像を読み取る。ラインイメージセンサとしては、密着型のCIS(Contact Image Sensor)、或いは、縮小光学系のCCD(Charge Coupled Device)や、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)などを適用することができる。なお、画像読取ユニットやスキャナ3の内部構成の構成は本発明に直接関係がないので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0034】
ADF7は、原稿トレイ9から原稿排出トレイ10へ原稿搬送路を通じて原稿を搬送するものである。ADF7による原稿の搬送過程において、原稿が原稿読取台6上の読取面13を通過され、該読取面13の下方に待機する上記画像読取ユニットによって該原稿の画像が読み取られる。このようなADF7による画像読取りは、原稿カバー8が原稿読取台6に対して閉じられた状態で行われる。なお、本発明においてADF7は任意の構成であり、スキャナ3がADF7を具備せず、FBSとしてのみ画像読取を行うものであってもよい。ADF7の詳細な説明については省略する。
【0035】
プリンタ2は、スキャナ3で読み取られた画像データ或いは外部から入力された画像データに基づいて、記録用紙上に画像を記録する画像記録装置である。このプリンタ2は、上述したように、スキャナ3の下方に配設されている。スキャナ3とプリンタ2は、それらの背面が同一面となるように位置決めされているため、複合機1の背面は凸凹のない平坦形状となっている。なお、プリンタ2の画像記録方式としては、インクジェット方式、電子写真方式や熱転写方式などの種々の画像記録方式を採用することができるのはもちろんである。
【0036】
複合機1の正面側、換言すれば、プリンタ2の正面側には開口5が形成されている。この開口5内に給紙トレイ14及び排紙トレイ15が完全に内包されるように設けられている。給紙トレイ14と排紙トレイ15は上下二段となるように配設されており、上段に排紙トレイ15が設けられ、その下方に給紙トレイ14が設けられている。
【0037】
プリンタ2には、給紙トレイ14の奥側から上方へ延びた後に正面側へU字状に湾曲して排紙トレイ15に連結される用紙搬送路が設けられている。給紙トレイ14に収容された記録用紙は、その短辺を先頭にして用紙搬送路に送り出され、Uターン搬送されることによって用紙搬送路中に設けられた画像記録位置に案内される。そして、該画像記録位置で、上記インクジェット記録装置によって画像が記録用紙に記録される。画像記録後の記録用紙は排紙トレイ15に排出される。
【0038】
複合機1の正面側には、操作パネル4が設けられている。操作パネル4は、図1および図2に示す如く横長形状に形成されている。操作パネル4は、プリンタ2やスキャナ3を操作するためのものであり、各種操作キー40と液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)41とを具備する。ユーザは、操作パネル4を用いて、所望の指令を入力することができる。複合機1に所定の指令が入力されると、その入力された情報に基づいて該複合機1の動作が制御部20(図3参照)によって制御される。
【0039】
なお、複合機1は、操作パネル4から入力された指令のほか、PCなどのコンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指令に基づいて動作するようにシステム構成されている。
【0040】
図1および図2に示すように、LCD41は、操作パネル4に配置可能な最大の縦幅に大型化されている。一方、LCD41の横幅(横寸法)は、その縦幅の4/3倍よりも長いものである。換言すれば、LCD41の縦幅に対する横幅の寸法の比率が4/3より大きく設定されている。LCD41の縦幅に対する横幅の比率は8/3となっている。また、このLCD41は、フルカラーでの表示が可能に構成されている。ファクシミリ送信をする際、このLCD41には、宛先入力画面(図4参照)、設定画面(図5参照)、確認画面(図6参照)が表示されるが、これらについては各図を参照しつつ後述する。
【0041】
図3を参照して、複合機1の動作を制御する制御部20の概略構成について説明する。図3は、複合機1の制御部20の概略構成を示すブロック図である。制御部20は、プリンタ2、スキャナ3及び操作パネル4を含む複合機1の動作を統括的に制御するものである。制御部20は、図に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)24を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス25を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)26に接続されている。
【0042】
CPU21は、この複合機1を総括的に制御する中央演算処理であり、図7から図9のフローチャートで示す処理を実行するプログラムなどの各種プログラムを実行する。ROM22には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。
【0043】
RAM23は、CPU21が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用されるものであり、画像データメモリ231と、対応メモリ232とを備える。
【0044】
画像データメモリ231は、スキャナ3により読み取られた画像データが格納されるメモリである。なお、画像データは、1ページ以上のデータから構成されるものであり、以下、画像データを構成するページ単位のデータを「ページ」と称する。
【0045】
対応メモリ232は、送信先と、その送信先に対し送信する画像データとの対応付が記憶するメモリである。この送信先と画像データとの対応付けは、ユーザによって設定されるが、詳細は図5を参照して後述する。
【0046】
本実施形態の複合機1では、この対応メモリ232に記憶された対応関係に基づいてファクシミリ送信が実行される。例えば、対応メモリ232において、送信先「江川○」には、スキャナ3により読み取った画像データのうち、1ページ目と3ページ目とが対応付けられている場合、送信先「江川○」には、1ページ目と3ページ目のみが送信される。一方、対応メモリ232において、送信先「加賀○○」には、スキャナにより読み取った画像データのうち、2ページ目と3ページ目とが対応付けられている場合、送信先「加賀○○」には、2ページ目と3ページ目のみが送信される。このようにすれば、ユーザは、スキャナ3により複数ページ分の画像データのうち、必要なページのみを各送信先に対応付けることにより、各送信先に必要なページのみを送信することができるので、読み取り作業が1回でよく、ユーザの操作負担を軽減することができる。なお対応メモリ232には、各送信先に対し送信するページの送信順序も併せて記憶されるが、ページの送信順序については、図5を参照して後述する。
【0047】
EEPROM24は、電話帳メモリ241を備える。電話帳メモリ241は、ユーザ操作によって登録された送信相手先名と電話番号(ファクシミリ番号)を格納するメモリである。なお、送信先名と電話番号とが、特許請求の範囲に記載の「送信先情報」の一例に該当する。ASIC26は、CPU21からの指令に従い、プリンタ2、スキャナ3、操作パネル4の動作制御を行う。
【0048】
ASIC26には、複合機1に所望の指令を入力する操作キー40を制御するパネルゲートアレイ27が接続されている。パネルゲートアレイ27は、操作キー40の押下(入力)を検出して、所定のコード信号を出力する。このキーコードは、複数の操作キー40に対応して割り当てられている。CPU21は、パネルゲートアレイ27から所定のキーコードを受信すると、所定のキー処理テーブルに従って、実行すべき制御処理を行う。キー処理テーブルは、キーコードと制御処理とを対応させてテーブル化したものであり、例えば、ROM22に記憶されている。
【0049】
ASIC26には、LCD41の画面表示を制御するLCDコントローラ28が接続されている。LCDコントローラ28は、CPU21の指令に基づいて、LCD41にプリンタ2又はスキャナ3の動作に関する情報を画面に表示させる。なお、LCD41に表示される画面については、図4から図6を参照して後述する。
【0050】
また、ASIC26には、アンプ73が接続されている。アンプ73は、そのアンプ73に接続されたスピーカ74を鳴動して、呼出音や拒否音、メッセージなどを出力するためのものである。
【0051】
また、ASIC26には、コンピュータとパラレルケーブル又はUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース29及びUSB端子71が接続されている。また、USB端子71には、USBケーブルを介して、デジタルカメラやパーソナルコンピュータなどの外部装置を接続可能である。さらに、ASIC26には、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)31やモデム32が接続されている。また、ネットワーク上に存在するコンピュータとデータの送受信を行うための、図示しないネットワークインターフェースを備えていてもよい。
【0052】
図4から図6を参照して、ファクシミリ送信の際にLCD41に表示される画面について説明する。図4は、LCD41に表示される宛先入力画面の一例を示す図である。図4に示すように、宛先入力画面は、長手方向が2分割されて、電話帳検索領域411と、送信先領域412とから構成される画面である。
【0053】
電話帳検索領域411は、電話帳メモリ241(図3参照)に格納された送信相手先名とその電話番号とが表示される領域である。なお、スペースの都合上、電話帳メモリ241内の全ての情報を電話帳検索領域411に表示できない場合は、表示可能な一部の情報が表示され、操作キー40(図1参照)からのユーザ操作に従って、表示内容をスクロールすることによって、電話帳メモリ241(図3参照)内の全ての情報が順番に表示される。
【0054】
ユーザは、電話帳検索領域411の表示から所望の送信先を設定する。送信先領域412は、設定された送信先の送信先名とその電話番号が表示される領域である。このようにして、目的とする送信先が全て設定されると、次に、LCD41は、図5に示す設定画面を表示する。
【0055】
図5は、LCD41に表示される設定画面の一例を示す図である。図5に示すように、設定画面は、1画面の長手方向が2分割されて、プレビュー領域413と、送信先領域414とから構成される画面である。
【0056】
プレビュー領域413は、スキャナ3により読み取った全ページ分の画像データについて、その画像データの内容を示すプレビュー画像を並べて表示する領域である。ユーザは、プレビュー領域413に表示されたプレビュー画像をページ単位で選択し設定することが可能であり、ユーザによって選択中にあるプレビュー画像は、図5(a)に示すように、矩形の太枠で囲まれ、区別して表示される。
【0057】
送信先領域414は、ユーザにより設定された送信先が表示される領域である、送信先領域414に表示された送信先のうち、ユーザによって選択中にある送信先のみが別色で区別して表示される。なお、図5(a)においては、選択中の送信先が、グレー色で色分けし、区別して表示されている。
【0058】
図5(a)に示すように、設定画面において、1の送信先と1のプレビュー画像とが選択されているときに、ユーザが所定の設定操作を行うと、現在選択中にある送信先に対し、選択中にあるページが対応付けられ、その対応関係が対応メモリ232(図3参照)に記憶される。例えば、図5(a)に示すように、ページ「A」のプレビュー画像と、送信先「江川○」が選択されているときにユーザが所定の設定操作を行うと、送信先「江川○」に対し、ページ「A」が対応付けられ、その対応関係が、対応メモリ232に記憶される。そして、画像データを送信する際には、各送信先には、対応メモリ232において対応付けられたページが送信されるから、ページ「A」は、送信先「江川○」へ送信されることとなる。
【0059】
このようにして、選択中の送信先に対し対応付けられたページ「A」のプレビュー画像は、図5(b)に示すように、別色で区別して表示される。図5(b)においては、既に対応付けがされたプレビュー画像を、グレー色で色分けして表示している。したがって、設定画面を見ることで、ユーザは、例えば、ページ「A」,「B」,「C」,「D」が、送信先「江川○」へ送信される画像データであることを把握できる。
【0060】
図5(b)に示すように、LCD41において、スキャナ3により読み取った画像データの内容を示すプレビュー画像と、複数の送信先とが1つの画面内に表示されるので、ユーザは、送信先と、プレビュー画像とを同時に視認しつつ設定を行うことができる。よって、送信先とその送信先に送信するページとの対応付けの操作の誤りが生じ難く、送信誤りを抑制することができる。
【0061】
また、各送信先に対応付けられたページは、その送信先に対して対応付けが設定された設定順序に従って送信される。例えば、送信先「江川○」に対し、まずページ「A」,「B」,「C」,「D」の設定順序で対応付けが設定された場合、送信先「江川○」へは、ページ「A」,「B」,「C」,「D」の送信順序で画像データが送信される。この送信順序は、プレビュー領域413において、プレビュー画像の近傍にページ単位で表示される。例えば、図5(b)に示す例では、ページ「A」近傍に「1」が表示され、ページ「B」近傍に「2」が表示され、ページ「C」近傍に「3」が表示され、ページ「D」近傍に「4」が表示される。
【0062】
このように、設定画面におけるユーザの設定順序に従って、各送信先に対する各ページの送信順序が決定されるので、ユーザは、送信したい順序でページを設定することにより、各送信先に対し、所望のページ送信順序を決定することができる。よって、原稿をセットする際に各ページの読取順序を工夫する必要がなく、ユーザの操作負担を軽減できる。なお、このようにして決定された各ページの送信順序は、各送信先に対応付けて、対応メモリ232(図3参照)に格納される。
【0063】
図6は、LCD41に表示される確認画面の一例を示す図である。図6に示すように、確認画面は、一画面の長手方向が2分割されて、プレビュー領域413と、送信先領域414とから構成される画面である。図5を参照して説明した設定画面と同様に、プレビュー領域413には、スキャナ3により読み取った全ページ分のプレビュー画像が表示される。また、送信先領域414に表示された送信先のうち、選択中の送信先が色分けして区別して表示される。
【0064】
確認画面では、送信先領域414において選択中に送信先に対応付けられた画像データのプレビュー画像が、プレビュー領域413において、他のプレビュー画像と異なる色で表示されると共に、送信順序がプレビュー画像近傍に表示される。この確認画面によれば、ユーザは、送信ページおよび送信順序を確認したい送信先を選択すれば、その送信先に対応付けられたページのプレビュー画像およびその送信順序を確認することができる。
【0065】
例えば、図6(a)に示すように、送信先「○○○屋」が選択された場合は、その送信先へ送信する画像データ「B」,「C」,「D」,「F」が異なる色で表示されると共に、送信先「○○○屋」へ送信する場合の画像データの送信順序が表示される。
【0066】
このように、確認画面によれば、送信先と、その送信先に対応付けられた画像データのプレビュー画像と、その送信順序が1画面中に表示されているので、設定内容を容易に確認できる。
【0067】
図6(b)は、全ての送信先に関する送信順序を同時に表示する場合の確認画面を示す図である。図6(b)に示すように、全ての送信先に関する送信順序を同時に表示する場合、各送信先に対する送信順序が色分けして表示される。具体的には、送信先領域414において送信先を表示する色と同一の色が、プレビュー領域413においてその送信先への送信順序を表示するために用いられる。なお、図6はモノクロで描画しているため、表示画面の各色を、それぞれ、白色、グレー色、網掛けで表現している。
【0068】
例えば、送信先「○○○屋」は、グレー色で表示されているから、プレビュー領域413において、グレー色で表示された送信順序が、「○○○屋」へ送信する際の画像データの送信順序である。このようにすれば、送信する画像データおよび送信順序をそれぞれの送信先に対し個別に設定していても、ユーザは、各送信先に対し、送信するページおよび送信順序を容易に確認することができる。
【0069】
次に、図7から図9のフローチャートを参照して、上記のように構成される複合機1において実行される処理について説明する。
【0070】
図7は、複数宛先送信処理を示すフローチャートである。図7に示す複数宛先送信処理は、複数宛先への送信の実行がユーザによって指示された場合に起動する処理である。
【0071】
まず、LCD41に宛先入力画面(図4参照)を表示する(S2)。ユーザは、宛先入力画面において、送信先を設定する。なお、図4を参照して説明したように、宛先入力画面において、ユーザが目的とする送信先を設定すると、その設定した送信先は、宛先入力画面の送信先領域412に表示される。
【0072】
次に、送信先領域412に設定された送信先が表示された状態で、ユーザが所定の操作を行うことにより、送信先の設定を完了したか否かを判断する(S4)。送信先の設定が完了しない間は(S4:No)、処理を待機する。一方、送信先の設定が完了すると(S4:Yes)、ADF7の原稿トレイ9(図1参照)に載置されている原稿を読み込み、スキャナ3によりその全ページ分の画像データを読み取り、画像データメモリ231(図3参照)に格納する(S6)。
【0073】
次に、複数の送信先に対し、ページを対応付け、各送信先に対しページの送信順序を決定する対応決定処理を実行する(S8)。この対応決定処理については、図8を参照して後述する。次に、ユーザによって、操作キー40のスタートキー(図示せず)が押下されたか否かを判断する(S10)。スタートキーが押下されない間(S10:No)、処理を待機するが、スタートキーが押下されると(S10:Yes)、各送信先に画像データを送信する(S12)。この送信は、対応決定処理(S8)によって決定された送信先とページとの対応関係およびページの送信順序に従って行う。
【0074】
複数宛先送信処理によれば、スキャナ3による画像データの読み取りは1回だけで、複数の送信先に個別に画像データを送信できるので、ユーザの操作負担を軽減することができる。また、各送信先に対するページの送信順序は、対応決定処理(S8)によって決定されるため、スキャナ3で画像データを読み取る際のページ順序は任意で良く、ページの送信順序を考慮して、原稿を揃える必要がなく、その点でもユーザの操作負担を軽減することができる。
【0075】
図8は、対応決定処理(S8)を示すフローチャートである。対応決定処理では、まず、設定画面(図5参照)をLCD41に表示する(S81)。次に、設定画面の送信先領域414に、ユーザによって設定された送信先一覧を表示し(S82)、スキャナ3により読み取った全ページ分の画像データのプレビュー画像を、プレビュー領域413に表示する(S84)。これにより、ユーザは、送信先一覧と、全ページ分のプレビュー画像とを一目で把握することができる。
【0076】
次に、設定画面において表示されたプレビュー画像および送信先一覧のうち、選択対象の変更が指示されたか否かを判断する(S86)。図5を参照して上述したように、設定画面において、プレビュー領域413に表示されたプレビュー画像のうち、1ページのプレビュー画像が選択中のプレビュー画像として区別して表示され、送信先領域414にある送信先一覧のうち、いずれか1つの送信先が、選択中の送信先として区別して表示されている。ユーザは、操作キー40から操作することにより、選択対象のプレビュー画像および送信先を任意に変更することができる。
【0077】
選択対象の変更が指示された場合、ユーザの操作に応じて選択対象のプレビュー画像または選択対象の送信先を変更し(S87)、S88の処理に進む。一方、選択対象の変更が指示されなかった場合(S86:No)、S87の処理をスキップし、S88の処理に進む。
【0078】
次に、選択中の送信先に対し、選択中のページを設定するか否かを判断する(S88)。選択中のページが設定されない場合(S88:No)、S86に戻り処理を繰り返す。一方、選択中のページを設定する場合(S88:Yes)、現在選択中にある送信先と、現在選択中にあるページとの対応付けを設定し、対応メモリ232(図3参照)へ記憶する(S89)。そして、その送信先に対しそのページを設定した設定順序に従って、その送信先に対するそのページの送信順序を決定し、対応メモリ232へ記憶する(S90)。
【0079】
次に、対応付けられたページのプレビュー画像の表示色をページ単位で変更し(S91)、且つ、その表示色が変更されたプレビュー画像の近傍に、決定された各ページの送信順序を表示する(S92)。
【0080】
次に、今までに設定した対応関係の確認が、ユーザによって指示されたか否かを判断する(S94)。対応関係の確認がユーザによって指示されない場合(S94:No)、S96をスキップしてS98へ進むが、対応関係の確認がユーザによって指示された場合(S94:Yes)、今までに設定した対応関係をLCD41に表示する対応確認処理を実行する(S96)。なお、対応確認処理については、図9を参照して後述する。
【0081】
次に、対応関係の設定が完了したか否かを判断する(S100)。操作キー40から所定の操作を行うことにより、ユーザが対応関係の設定完了を指示した場合(S100:Yes)、対応決定処理を終了するが、対応関係の設定完了をユーザが指示しない場合(S100:No)、S86に戻り処理を繰り返す。
【0082】
対応決定処理によれば、ユーザは、各送信先に対し送信するページの対応付けを設定し、且つその設定順序に基づいて、各送信先に対するページの送信順序を決定することができる。
【0083】
図9は、対応確認処理(S96)を示すフローチャートである。対応確認処理では、まず、確認画面(図6参照)をLCD41に表示する(S961)。次に、確認画面の送信先領域414に表示された送信先から、確認対象の送信先が設定されたか否かを判断する(S962)。確認対象の送信先が設定されない間は(S962:No)、待機する。
【0084】
そして確認対象の送信先が設定されると(S962:Yes)、次に、設定された送信先に既に対応付けられたプレビュー画像の表示色をページ単位で変更し(S964)、プレビュー画像近傍に、各ページの送信順序を表示する(S966)。
【0085】
次に、他の送信先に対するページの送信順序を併せて表示するか否かをユーザに問い合わせる(S968)。他の送信先に対するページの送信順序の表示をユーザが選択した場合(S968:Yes)、残りの送信先に対するページの送信順序を所定時間表示し(S970)、対応確認処理を終了する。すなわち、図6(b)で説明したように、全ての送信先に対する送信順序を表示する。この場合、各送信先毎のそれぞれの送信順序を確認できるように、送信順序は各送信相手先毎に色分けして表示される。
【0086】
一方、他の送信先に対するページの送信順序の表示が選択されなかった場合(S968:No)、S970をスキップして対応確認処理を終了する。この対応確認処理によれば、複数の送信先と、各送信先に送信するページと、そのページの送信順序とが色分けして1画面に表示されるので、送信先が複数であっても、ユーザにとってそれらの対応関係が分かりやすく、ユーザは、設定内容を容易に把握することができる。
【0087】
また、ユーザは、送信先とページとの対応関係を決定する対応決定処理(S8)の途中で、対応確認処理(S96)により既に設定済みの対応関係を確認することができる。すなわち、既に設定した対応関係を確認しつつ、残りの対応関係の設定することができるので、対応関係の設定をより容易に行うことができる。
【0088】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0089】
例えば、実施形態として説明した図8の対応決定処理(S8)は、全ページ分のプレビュー画像を、設定画面のプレビュー領域413に一度に表示していた。これに替えて、所定ページ分(例えば6ページ分)の画像データのプレビュー画像を表示対象としてプレビュー領域に並べて表示し、ユーザの操作に応じて画面の表示内容をスクロールし、表示対象のプレビュー画像を変更可能に構成しても良い。以下、変形例の対応決定処理について説明する。
【0090】
図10は、変形例の対応決定処理(S80)のフローチャートである。この変形例の対応決定処理(S80)は、S871、S872のステップが設けられている点のみが、図8で示した実施形態の対応決定処理(S8)と異なる。よって、図8で示した対応決定処理(S8)と同じステップについては同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
この変形例の対応決定処理(S80)では、LCD41に表示された設定画面において、選択中の送信先またはページに対し、ユーザが選択対象の変更を指示したか否かを判断した後(S86)、次に、プレビュー領域413のスクロールがユーザによって指示されたか否かを判断する(S871)。ユーザによってスクロールが指示された場合(S871:Yes)、プレビュー領域413の表示内容をスクロールし、表示対象のプレビュー画像を変更し(S872)、S88へ進む。
【0092】
一方、プレビュー領域413のスクロールがユーザによって指示されなかった場合(S871)、S872はスキップしてS88へ進む。
【0093】
図10に示す変形例の対応決定処理(S80)によれば、プレビュー領域413には、所定ページ分のプレビュー画像が表示されるので、各々のプレビュー画像をユーザにとって見易い適切な大きさで表示することができる。また、スクロールにより表示対象のプレビュー画像を変更することができるので、スキャナにより読み取ったページ数が多い場合であっても、ユーザは、順次全ページを視認することができる。
【0094】
また、プレビュー領域413に、プレビュー画像を1ページずつ表示するように構成してもよい。
【0095】
また、実施形態として説明した図9の対応確認処理(S96)では、1の送信先に対応するページのプレビュー画像を色分けして表示し、且つそのプレビュー画像近傍にページの送信順序を表示した後、ユーザが所定の操作をした場合には、全ての送信先に関し、送信するページの送信順序を表示していた。これに替えて、ユーザによって選択された送信先に関してのみ、送信順序を表示するように構成してもよい。以下、変形例の対応確認処理について説明する。
【0096】
図11は、変形例の対応確認処理(S960)のフローチャートである。なお、この変形例の対応確認処理(S960)は、S970のステップを備えていない点、およびS968の判断が否定された場合にS962に戻る点において、図9で示した実施形態の対応確認処理(S96)と異なる。よって、図9で示した対応確認処理(S96)と同じステップについては同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
この変形例の対応確認処理(S960)では、ユーザによって設定された送信先について、その送信先に対応するページのプレビュー画像の表示色を変更し(S964)、プレビュー画像近傍に各ページの送信順序を表示した後(S966)、他の送信先に対するページの送信順序を表示するか否かを判断し(S968)、他の送信先に対するページの送信順序を表示しないことがユーザによって選択された場合(S968:No)、対応確認処理を終了する。
【0098】
一方、他の送信先に対するページの送信順序の表示をユーザが選択した場合(S968:Yes)、S962に戻り、次の確認対象の送信先が設定されたか否かを判断する(S962)。そして、次の確認対象の送信先がユーザによって設定された場合(S962:Yes)、その新たに設定された確認対象の送信先に関し、対応するページのプレビュー画像の表示色を変更する(S964)。次に、新たに設定された確認対象の送信先に関し、対応するページの送信順序を表示する(S966)。この場合、その先に表示されている送信順序とは異なる色を用いて表示することにより、新たに表示した送信順序が区別できるようにする。
【0099】
変形例の対応確認処理によれば、ユーザにとって必要な送信先に関してのみ、送信順序を表示することができ、送信先が多い場合であっても、ユーザにとって分かりやすい表示をすることができる。
【0100】
また上記実施形態では、複数の機能を実現する複合機1に対し本発明を適用したが、画像データを読み取るスキャナ3に相当する構成と、画像データを送信する構成とを備えているものであれば本発明を適用することができ、例えば、ファクシミリ装置にも本発明を適用することができる。
【0101】
また上記実施形態では、スキャナ3により読み取った画像データをファクシミリ送信する場合に本発明を適用したが、スキャナ3で読み取った画像データを、ネットワークインターフェイスなどの接続手段を介して接続された他のパーソナルコンピュータに送信する際においても、本発明を適用し、パーソナルコンピュータのアドレス(送信先に相当)と画像データのプレビュー画像とを並べて表示する設定画面を表示するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明における実施形態の複合機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】原稿カバーが開けられた状態の複合機の外観構成を示す斜視図である。
【図3】複合機の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】LCDに表示される宛先入力画面の一例を示す図である。
【図5】LCDに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図6】LCDに表示される確認画面の一例を示す図である。
【図7】複数宛先送信処理を示すフローチャートである。
【図8】対応決定処理を示すフローチャートである。
【図9】対応確認処理を示すフローチャートである。
【図10】変形例の対応決定処理のフローチャートである。
【図11】変形例の対応確認処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0103】
1 複合機(画像処理装置の一例)
3 スキャナ(読取手段の一例)
41 LCD(送信情報表示手段の一例、設定送信先表示手段の一例)
241 電話帳メモリ(送信先情報記憶手段の一例)
S12 送信手段の一例
S8 対応決定処理(対応設定手段の一例)
S81,S82,S84 送信情報表示手段の一例
S89 プレビュー画像設定手段の一例
S90 送信順序決定手段の一例
S92 送信順序表示手段の一例
S872 スクロール手段の一例
S966,S970 送信順序表示手段の一例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを読み取る読取手段を備え、その読取手段により読み取った画像データを送信する画像処理装置において、
前記読取手段により読み取った画像データの内容を示すプレビュー画像と、複数の送信先とを1つの画面内に表示する送信情報表示手段と、
その送信情報表示手段によりプレビュー画像が表示された画像データと、前記送信情報表示手段に表示された複数の送信先のうちユーザによって設定された送信先との対応付けを記憶する対応設定手段と、
その対応設定手段により記憶された対応関係に従って、前記画像データを、対応する送信先に送信する送信手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記送信情報表示手段は、複数ページ分の画像データのプレビュー画像を1つの画面内に並べて表示するものであり、
前記対応設定手段は、
前記送信情報表示手段により表示されたプレビュー画像をページ単位でユーザに設定させるプレビュー画像設定手段を備え、
そのプレビュー画像設定手段によりページ単位でユーザに設定されたプレビュー画像の画像データと、ユーザによって設定された送信先との対応付けを記憶するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記送信情報表示手段は、前記読取手段により読み取った複数ページ分の画像データのうち、所定ページ分の画像データのプレビュー画像を表示対象として1つの画面内に並べて表示するものであり、
ユーザの操作に応じて画面の表示内容をスクロールし、表示対象のプレビュー画像を変更するスクロール手段を備えることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記送信情報表示手段は、前記複数の送信先のうち少なくとも1つを区別して表示するものであって、且つ、その区別して表示された送信先に対応付けられたプレビュー画像を、他のプレビュー画像と区別して表示するものであることを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記読取手段により読み取った1ページ以上から構成される画像データのうち、各送信先に対応するページの画像データを各送信先に送信するものであり、
前記送信手段により各送信先に対し、その送信先に対応するページの画像データを送信する際における、その画像データを構成する各ページの送信順序を決定する送信順序決定手段を備え、
その送信順序決定手段は、前記プレビュー画像設定手段におけるユーザの設定順序に従って、各送信先に対する各ページの送信順序をそれぞれ決定するものであることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記送信情報表示手段は、前記送信順序決定手段により決定された各ページの送信順序を、プレビュー画像近傍に表示する送信順序表示手段を備えることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記送信順序表示手段は、前記送信情報表示手段により表示された送信先のうち、ユーザによって設定された送信先に対する送信順序を表示するものであることを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記送信順序表示手段は、前記送信順序決定手段により決定された送信順序を、各送信先毎に色分けして表示するものであることを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記送信情報表示手段は、前記送信順序決定手段により決定された送信順序に従って、プレビュー画像を並べ替えて表示するプレビュー画像並替手段を備えることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項10】
送信先情報が登録された送信先情報記憶手段と、
その送信先情報記憶手段に登録された送信先情報と、その送信先情報のうちユーザによって設定された送信先とを1つの画面内に表示する設定送信先表示手段とを備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−148052(P2008−148052A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333559(P2006−333559)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】