説明

画像処理装置

【課題】下部本体に対し上下動する上部本体を備えた画像処理装置において、上部本体側と下部本体側を電気的に接続するために設けられたフラットケーブルを保護すること。
【解決手段】ホルダ部材61は、載置部11とカバー部13の間に介装されている。ホルダ部材61の内部にはFFC67が通されている。FFC67は、カバー部13側に設けられた電気的機構と、メインユニット2側に設けられた電気的機構を接続するために設けられたものである。ホルダ部材61は、このFFC67をホルダ部材61内部で撓ませた状態にして保持している。カバー部13とともにホルダ部材61が上下動する際には、第二撓み部67Cとなっている箇所の位置を変動させることで、ホルダ部材61からメインユニット2側へと導出された部分の長さを増減させて、ホルダ部材61がメインユニット2に対し相対的に上下動するのを許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部本体が下部本体に対し上下動する構造を備えた画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置の本体上部に自動原稿送り装置(Automatic Document Feeder;以下、ADFと略称する。)が設けられ、そのADFと装置本体がケーブルで接続された構造になっているものが知られている。また、このような構造の画像読取装置において、装置本体に凹部を設けて、その凹部にケーブルを収納可能としたものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1によれば、ケーブルを凹部に収納することによってケーブルが装置本体から露出しなくなるため、ケーブルを引っかけて破損するおそれがなくなり、また装置の設置に際しても自由度が増す、とされている(特許文献1:段落[0030]参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−197232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の技術のうち、第1実施形態として例示されたもの(特許文献1の図3参照)は、厚みのある書籍などから画像を読み取るためにADFを上方へと持ち上げると、ケーブルが凹部から引き出されてしまう。そのため、ADFと装置本体との間においてケーブルの一部が外部に露出した状態になってしまう、という欠点があった。
【0006】
また、上記特許文献1に記載の技術のうち、第2実施形態として例示されたもの(特許文献1の図4参照)は、ADF側にチューブを取り付けて、このチューブにケーブルが通された構造となっている。このチューブは、ADFを上方へと持ち上げた際にも、チューブの下端が凹部内に達する程度の長さがある。
【0007】
そのため、ADFを上方へと持ち上げた際、チューブが外部に露出する状態にはなるものの、ケーブルが外部に露出する状態にはならないので、外力に対する強度が比較的高いチューブを設ければ、チューブの露出部に外力を受けた場合でもケーブルが損傷するのを防止できる。
【0008】
しかし、チューブよりも下方においてはケーブルが撓んだ状態で凹部内に収納されるため、外力に対する強度が高いチューブを設けた場合、ケーブルの撓んだ部分に向かってチューブが押し込まれると、チューブの下端でケーブルの撓んだ部分を押し潰してしまい、ケーブルを損傷させてしまうおそれがあった。また、こうした問題を避けることだけを考えれば、チューブの材質を比較的柔らかいものとすることもできるが、これではチューブの露出部に外力を受けた場合に、その内部のケーブルが損傷するのを防止することができなくなる。
【0009】
さらに、上記特許文献1に記載の技術のうち、第3実施形態として例示されたもの(特許文献1の図5参照)は、ADFを開閉可能に支持するヒンジ部にケーブルを通した構造となっている。しかし、このような構造にすると、ヒンジ部は、重量物であるADFを支持できるだけの十分な強度を有する構造としなければならない上に、ケーブルを通すことができる中空構造としなければならなくなる。そのため、ケーブルを通すことが考慮されていないヒンジ部に比べ、ヒンジ部の構造が複雑なものになりやすい、という欠点があった。
【0010】
加えて、上記のようなケーブルとしては、FFC(Flexible Flat Cable)のようなフラットケーブルが使用されることがあるが、薄型のフラットケーブルが外部に露出していると、外力による損傷(傷や折れ曲がり)を受けやすく、静電気などの影響で信号にノイズが乗るといった問題を招きやすくなる。そのため、フラットケーブルを使用する場合には、フラットケーブルを外部に露出させないように配線することが特に重要であり、また、上記ADFのような可動部の動きにフラットケーブルをスムーズに追従させることができるような構造も必要であった。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、下部本体に対し上下動する上部本体を備えた画像処理装置において、上部本体側と下部本体側を電気的に接続するために設けられたフラットケーブルを適切に保護可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、本発明において採用した構成について説明する。
請求項1に記載の画像処理装置は、読取対象物から画像を読み取る画像読取手段、又は被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段のうち、少なくとも一方を備える画像処理装置であって、下部本体と、前記下部本体の上方に設けられた上部本体と、前記上部本体を前記下部本体に対し開閉可能な状態、且つ、前記上部本体が前記下部本体に対し上下動可能な状態で、前記上部本体と前記下部本体とを連結する連結手段と、一端が前記上部本体側に接続されるとともに、他端が前記下部本体側に接続されており、前記上部本体側及び前記下部本体側それぞれに収容された装置間で電力又は信号を伝達する際に利用されるフラットケーブルと、前記上部本体と前記下部本体との間に介装されており、第一開口部から第二開口部に至る通路を有し、当該通路内において前記フラットケーブルを撓ませた状態で保持するホルダ部材とを備え、前記ホルダ部材は、前記上部本体を前記下部本体に対し上下動させる際に、前記上部本体及び前記下部本体のうち少なくとも一方に対し相対的に上下動し、その際、前記フラットケーブルは、撓んだ箇所の位置を変動させることで、前記ホルダ部材の外部へと導出された部分の長さを増減させて、前記ホルダ部材が前記上部本体及び前記下部本体のうち少なくとも一方に対し相対的に上下動するのを許容しており、しかも、前記ホルダ部材が前記上部本体及び前記下部本体のうち少なくとも一方に対し相対的に上下動しても、前記第一開口部の位置は前記上部本体によって覆い隠される位置にあり、前記第二開口部の位置は前記下部本体によって覆い隠される位置にあることで、前記ホルダ部材の通路内に通された前記フラットケーブルが外部に露出しない構造になっていることを特徴とする。
【0013】
このように構成された画像処理装置によれば、フラットケーブルが通されるホルダ部材は、上部本体及び下部本体のうち少なくとも一方に対し相対的に上下動しても、第一開口部の位置は上部本体によって覆い隠される位置にあり、第二開口部の位置は下部本体によって覆い隠される位置にあり、これにより、ホルダ部材の通路内に通されたフラットケーブルが外部に露出しない構造になっている。したがって、このようなホルダ部材相当物が存在しないものとは異なり、フラットケーブルが外部に露出してしまうのを防止することができ、フラットケーブルの露出部分に何らかの物体から外力が加わったり、フラットケーブルの露出部分に外部から静電気が作用したりするのを防止ないし抑制することができる。
【0014】
また、上部本体を下部本体に対し上下動させる際、フラットケーブルは、ホルダ部材の通路内において、撓んだ箇所の位置を変動させることで、ホルダ部材の外部へと導出された部分の長さを増減させる。したがって、ホルダ部材相当物の外部において、ホルダ部材相当物の可動範囲内でケーブルが撓む構造になっているものとは異なり、ホルダ部材そのものがケーブルの撓み部を押し潰してしまうことがない。
【0015】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記ホルダ部材の通路内には、前記フラットケーブルの一部をあらかじめ決められた配線経路上へと案内して、当該配線経路上に配線された状態を維持するガイド部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
このように構成された画像処理装置によれば、フラットケーブルが撓んだ部分の位置を変動させても、ガイド部に案内されたフラットケーブルの一部は、あらかじめ決められた配線経路上に配線された状態が維持されるので、そのようなガイド部が存在しない場合とは異なり、ホルダ部材の通路内において、フラットケーブルが予期しない部分で撓んだり折れ曲がったりするのを抑制できる。
【0017】
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記ガイド部は、前記ホルダ部材の通路内に形成された突設物によって構成されており、当該突設物は、前記ホルダ部材の成形時に前記ホルダ部材とともに一体成形されていることを特徴とする。
【0018】
このように構成された画像処理装置によれば、ガイド部が、ホルダ部材の成形時にホルダ部材とともに一体成形されたものなので、別部品でガイド部を取り付ける場合に比べ、部品点数を削減でき、組み立てに要する工数も削減でき、ガイド部が設けられる位置の精度も良好なものとすることができる。
【0019】
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項2又は請求項3に記載の画像処理装置において、前記ホルダ部材は、前記上部本体に連結されて、前記上部本体が上下動した際に、前記上部本体に追従して上下動する部材となっており、前記ガイド部は、少なくとも1箇所で、前記フラットケーブルを前記ホルダ部材に対して固定しており、前記フラットケーブルは、前記ホルダ部材に対する固定箇所よりも前記上部本体側に第一撓み部を有するとともに、前記固定箇所よりも前記下部本体側に第二撓み部を有する形態になっており、前記上部本体が開閉される際には、前記第一撓み部となっている箇所が変形することで、前記上部本体が開閉されるのを許容しており、前記ホルダ部材が上下動する際には、前記第二撓み部となっている箇所の位置を変動させることで、前記ホルダ部材から前記下部本体側へと導出された部分の長さを増減させて、前記ホルダ部材が前記下部本体に対し相対的に上下動するのを許容していることを特徴とする。
【0020】
このように構成された画像処理装置によれば、ガイド部が、少なくとも1箇所でフラットケーブルをホルダ部材に対して固定しているので、フラットケーブルをホルダ部材に追従させて移動させることができる。しかも、その固定箇所を挟む両側に第一撓み部と第二撓み部が設けてあり、上部本体が開閉される際には、第一撓み部となっている箇所が変形することで、上部本体が開閉されるのを許容する。また、ホルダ部材が上下動する際には、第二撓み部となっている箇所の位置を変動させることで、ホルダ部材から下部本体側へと導出された部分の長さを増減させて、ホルダ部材が前記下部本体に対し相対的に上下動するのを許容する。したがって、上部本体を開閉しても上下動させてもフラットケーブルに過大な張力がかかるのを防止することができる。
【0021】
請求項5に記載の画像処理装置は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記連結手段は、前記上部本体に対し回動可能に連結されていて、前記上部本体が前記連結手段に対し回動することにより、前記上部本体が前記下部本体に対し開閉される構造になっており、前記ホルダ部材は、前記上部本体に対し回動可能に連結されていることを特徴とする。
【0022】
このように構成された画像処理装置によれば、上部本体が開閉された際には上部本体が連結手段に対して回動し、しかも、その際、ホルダ部材も上部本体に対し回動することにより、上部本体との相対的な位置関係を変えることができるので、ホルダ部材が上部本体に対し回動可能な構造を採用していない場合に比べ、よりスムーズに上部本体の開閉操作を行うことができる。
【0023】
請求項6に記載の画像処理装置は、請求項5に記載の画像処理装置において、前記連結手段及び前記ホルダ部材は、それぞれの前記上部本体に対する回動中心が、同一軸線上に配置されていることを特徴とする。
【0024】
このように構成された画像処理装置によれば、連結手段とホルダ部材は、同一軸線上に回動中心を有するので、これらの回動中心が同一軸線上にない場合に比べ、連結手段やホルダ部材に複雑な動きをさせることなく、上部本体の開閉動作を実現することができる。
【0025】
請求項7に記載の画像処理装置は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記ホルダ部材は、前記上部本体を開いたときに、前記上部本体と前記下部本体の間において外部に露出する状態となる上端部を有し、前記上部本体が開かれた際にも、前記上端部によって前記フラットケーブルが覆い隠された状態になっていることを特徴とする。
【0026】
このように構成された画像処理装置によれば、上部本体が開かれた際にも、ホルダ部材の上端部によってフラットケーブルが覆い隠されるので、上部本体を開くとフラットケーブルが露出してしまうものに比べ、フラットケーブルを保護する効果が高い。
【0027】
請求項8に記載の画像処理装置は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記画像読取手段として、前記下部本体に組み込まれた第一画像読取手段、及び前記上部本体に組み込まれた第二画像読取手段を備えており、さらに、前記第一画像読取手段及び前記第二画像読取手段に対する制御を行うとともに、各画像読取手段によって読み取られた画像を表すデータを各画像読取手段から受け取る制御手段が、前記下部本体に組み込まれており、前記フラットケーブルは、前記第二画像読取手段と前記制御手段との間で信号を伝達する際に利用されることを特徴とする。
【0028】
このように構成された画像処理装置によれば、下部本体に対し開閉可能な上部本体に組み込まれた第二画像読取手段と下部本体に組み込まれた制御手段との間で、フラットケーブルを利用して信号を伝達することができ、そのようなフラットケーブルをホルダ部材で保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】画像処理装置を示す図であり、(a)はカバー部を閉じた状態を示す斜視図、(b)はカバー部を開いた状態を図1(a)とは別の角度から見た斜視図。
【図2】画像読取装置の制御系を示すブロック図。
【図3】スキャナユニットの内部構造を示す縦断面図。
【図4】スキャナユニットを示す図であり、(a)はカバー部を下降させた状態を示す背面図、(b)はカバー部を上昇させた状態を示す背面図。
【図5】連結部付近の内部構造を部分的に縦断面で示した説明図。
【図6】(a)は図4(a)に示したA−A線での縦断面図、(b)は図4(b)に示したB−B線での縦断面図。
【図7】(a)はホルダ部材の縦断面図、(b)は図7(a)に示したC−C線での縦断面図。
【図8】ホルダ部材が上下動するときのFFCの動きを示す説明図。
【図9】連結部材の構造についての変形例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
[複合機の構造]
図1(a)及び同図(b)に示す複合機1は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ送受信機能、メモリカードリーダ/ライタ機能なども兼ね備えたものである。なお、以下の説明においては、複合機1が備える各部の相対的な位置関係をわかりやすく説明するため、図中に併記した上下左右前後の各方向を利用する。ただし、複合機1を実際に設置するに当たって、図中の前後左右を利用者から見てどちらに向けて設置しても構わない。
【0031】
この複合機1は、メインユニット2と、メインユニット2の上部に搭載されたスキャナユニット3を備えている。スキャナユニット3は、後端側を回動中心にして前端側を上下方向へと回動させることにより、メインユニット2に対して開閉可能な構造になっている。この開閉機構を利用して、スキャナユニット3を図1(a)に示した閉位置から図示しない開位置へと移動させれば、利用者はメインユニット2の内部に組み込まれた内部機構のメンテナンス等を実施できる。
【0032】
メインユニット2の上部でスキャナユニット3よりも前方となる位置には、操作パネル4が設けられている。この操作パネル4には、利用者が複合機1に対して指令を与える際に操作するスイッチ類や、複合機1に関する情報を表示するための液晶ディスプレイ装置が設けられている。
【0033】
メインユニット2の前面には、メモリカードスロット5A,5B、USBコネクタ5Cなどが設けられている。これらメモリカードスロット5A,5B、USBコネクタ5Cには、メモリカードやUSBメモリなどのリムーバブルメディアを装着することができる。これらのリムーバブルメディアは、スキャナユニット3において読み取った画像を保存したり、リムーバブルメディアに保存された画像ファイルを印刷したりする際に利用することができる。
【0034】
また、メインユニット2の前面で、上述したメモリカードスロット5A,5B、USBコネクタ5Cなどの下方には給紙トレイ6が設けられている。給紙トレイ6の上方には、印刷済みの被記録媒体を排出する際に利用される排出口7が設けられている。
【0035】
これらの他、メインユニット2の左側面には、電話線接続用コネクタ8A,8B、電源コード9などが設けられ、メインユニット2の右側面には、無線LAN通信用のアンテナ10が立設されている。
【0036】
スキャナユニット3は、読取対象物が載置される載置部11と、この載置部11の上面側を覆うカバー部13とを備えている。載置部11の上面には、透明なガラスによって形成されたフラットベッドガラス(以下、フラットベッドのことをFBと略称する。)15が配設され、このFBガラス15上に読取対象物を載置可能となっている。
【0037】
カバー部13は、後端側を回動中心にして前端側を上下方向へと回動させることにより、載置部11に対して開閉可能な構造になっている。また、このような回動機構とは別に、カバー部13は、載置部11に対して上下方向へ変位可能な構造にもなっており、これにより、比較的厚みのある読取対象物であっても、載置部11とカバー部13との間に、読取対象物を挟み込むことができるようになっている。
【0038】
[複合機の制御系]
次に、複合機の制御系について説明する。
複合機が備えるメインユニット2には、すでに説明した操作パネル4の他に、図2に示すように、制御部21、印刷部23、LAN通信部25、PSTN通信部27及びリムーバブルメディア制御部29などが内蔵されている。
【0039】
一方、複合機が備えるスキャナユニット3において、載置部11側には、第一イメージセンサ31A及び第一イメージセンサ駆動部33が組み込まれている。また、カバー部13側には、第二イメージセンサ31B及びADF(自動原稿送り装置)35が組み込まれている。
【0040】
これらのうち、制御部21は、周知のCPU、ROM、RAM等を備え、この制御部21が備えるCPUが、ROMやRAMに記憶された制御プログラムに従った制御を実行することにより、複合機1の各部に対する制御が実行される。
【0041】
印刷部23は、インクジェット式の印刷機構からなり、複合機1のコピー機能を利用した際には、スキャナユニット3において読み取られた画像を印刷するのに利用され、また、複合機1のFAX機能を利用した際には、受信画像を印刷するのに利用される。
【0042】
LAN通信部25は、無線LANに対応した通信インターフェース装置及び有線LANに対応した通信インターフェース装置によって構成され、このLAN通信部25により、複合機1は、LANを介して通信可能な他の機器とデータ通信可能となっている。
【0043】
PSTN通信部27は、FAXモデムや音声CODECなど、公衆回線(Public Switched Telephone Networks;PSTN)に接続する上で必要となる各種機器によって構成されている。このPSTN通信部27により、複合機1は、公衆回線を介して通信可能な他の機器(例えば、ファクシミリ装置)と通信可能で、例えば、複合機1が備えるFAX機能を利用する際には、PSTN通信部27を介してデータの送受信が行われる。
【0044】
リムーバブルメディア制御部29は、すでに説明したメモリカードスロット5A,5B、USBコネクタ5Cに、メモリカードやUSBメモリなどのリムーバブルメディアが装着された場合に、それらのリムーバブルメディアに対するデータの読み込み及び書き込みを制御する部分である。
【0045】
第一イメージセンサ31A及び第二イメージセンサ31Bは、双方とも読取対象物から光学的に画像を読み取って電気信号に変換するデバイスで、本実施形態においては、双方とも密着イメージセンサ(Contact Image Sensor)が利用されている。
【0046】
第一イメージセンサ駆動部33は、動力源となるモータや、モータからの動力を第一イメージセンサ31Aへと伝達する動力伝達機構(例えば、タイミングベルト等)によって構成される。この第一イメージセンサ駆動部33を制御部21が制御し、第一イメージセンサ31Aを副走査方向へ移動させることができる。
【0047】
ADF35は、シート状の読取対象物を1枚ずつ搬送可能な装置である。
[スキャナユニットの詳細]
次に、スキャナユニット3について、さらに詳細に説明する。
【0048】
スキャナユニット3に設けられたADF35は、図3に示すように、原稿供給部36に載置されたシート状の読取対象物を、複数の搬送ローラ37A〜37Iによって搬送して、原稿排出部38へと排出する仕組みになっている。
【0049】
そして、これらの搬送ローラ37A〜37Iによって搬送される読取対象物は、図3中に破線で示した搬送経路上を搬送されるが、その搬送途中で読取対象物が接する位置に、第一ADFガラス41A及び第二ADFガラス41Bが配置されている。
【0050】
これらのうち、第一ADFガラス41Aは、その表裏面がFBガラス15の表裏面と同一面内に配置される位置に設けられている。また、これらFBガラス15及び第一ADFガラス41Aの下方には、モータから伝達される動力で駆動されて左右方向へ往復移動可能なキャリッジ43が配設されている。
【0051】
そして、このキャリッジ43に第一イメージセンサ31Aが搭載されることにより、第一イメージセンサ31Aが、第一ADFガラス41Aに対向する位置や、FBガラス15に対向する位置へと移動可能となっている。
【0052】
一方、第二ADFガラス41Bは、図3中に破線で示した搬送経路上で、第一ADFガラス41Aよりも上流側に配置され、この第二ADFガラス41Bの下方に第二イメージセンサ31Bが固定されている。
【0053】
スキャナユニット3をADFタイプのイメージスキャナとして利用する場合には、第一イメージセンサ31Aを、第一ADFガラス41Aに対向する位置へと移動させて、その位置で静止させる。
【0054】
そして、搬送経路上を搬送されるシート状の読取対象物が有する表裏両面のうち、一方の面を搬送経路上流側に配置された第二イメージセンサ31Bで読み取り、他方の面を搬送経路下流側に配置された第一イメージセンサ31Aで読み取る。これにより、読取対象物の表裏両面から画像を読み取ることができる。
【0055】
第一イメージセンサ31A及び第二イメージセンサ31Bは、読取対象物の搬送方向について離れた位置に配設されているので、読み取りを行う際には、第二イメージセンサ31Bが、第一イメージセンサ31Aよりも先行して画像の読み取りを開始するように制御される。そして、その後、読取対象物が第一イメージセンサ31Aと対向する位置に到達した時点で、第一イメージセンサ31Aが読取対象物から画像の読み取りを開始するように制御される。
【0056】
なお、第一イメージセンサ31A及び第二イメージセンサ31Bの双方を使って両面読取を行うか、いずれか一方を使って片面読取を行うかは、利用者が操作パネル4を操作して任意に設定することができる。
【0057】
一方、スキャナユニット3をFBタイプのイメージスキャナとして利用する場合には、第一イメージセンサ31Aを、FBガラス15に対向する位置へと移動させる。そして、第一イメージセンサ31Aを、読取開始位置からFBガラス15に沿って右方へと移動させながら、第一イメージセンサ31AでFBガラス15上に載置された読取対象物を走査することにより、その読取対象物から画像を読み取ることができる。
【0058】
[連結部材]
次に、載置部11とカバー部13を連結する連結部材51,52について説明する。
載置部11とカバー部13は、図4(a)及び同図(b)に示すように、連結部材51,52を介して連結され、これにより、カバー部13は、載置部11に対して開閉可能、且つ上下方向へ変位可能な構造になっている。
【0059】
より詳しく説明すると、図5に示すように、連結部材51,52の上端には軸受部51A,52Aが形成され、これらの軸受部51A,52Aに対し、カバー部13側に設けられた回動軸部53,54が嵌め込まれている。このような構造により、カバー部13は連結部材51,52に対し回動可能となるので、カバー部13を載置部11に対して開閉することができる。
【0060】
また、連結部材51,52の下端51B,52Bは、載置部11側に形成された凹部55,56に上方から嵌め込まれ、これにより、連結部材51,52が載置部11に対し上下動可能となっている。このような構造により、カバー部13は連結部材51,52とともに上下動可能となるので、カバー部13を載置部11に対して上下動させることができる。なお、本実施形態において、カバー部13が最下位置まで下降したときに位置P1にある箇所(図4(a)参照)は、カバー部13を最上位置まで上昇させたときに位置P2まで変位し(図4(b)参照)、このときカバー部13は約20mm上昇する。
【0061】
[ホルダ部材]
次に、ホルダ部材61について説明する。
ホルダ部材61は、載置部11とカバー部13の間に介装された部材で、図6(a)及び同図(b)に示すように、上端側に軸受部61Aを備え、この軸受部61Aに対し、カバー部13側に設けられた回動軸部63が嵌め込まれている。この回動軸部63は、すでに説明した回動軸部53,54と同一軸線上にあり、このような構造により、ホルダ部材61は、カバー部13に対し回動可能となっている。
【0062】
また、ホルダ部材61の下端61Bは、載置部11側に形成された凹部65に上方から嵌め込まれ、これにより、ホルダ部材61が載置部11に対し上下動可能となっている。すなわち、ホルダ部材61は、連結部材51,52と同じ軸線を中心に回動し、且つ、連結部材51,52と同様に上下動可能な構造になっている。
【0063】
そして、このホルダ部材61の内部には、図7(a)及び同図(b)に示す通り、第一開口部61Cから第二開口部61Dに至る通路が形成されていて、この通路にFFC67が通されている。
【0064】
FFC67は、カバー部13側に設けられた電気的機構(第二イメージセンサ31BやADF35)と、メインユニット2側に設けられた電気的機構(制御部21)を接続するために設けられたものである。ホルダ部材61は、このFFC67をホルダ部材61内部で撓ませた状態にして保持している。
【0065】
具体的には、ホルダ部材61の内部には、第一ガイド部71、第二ガイド部72、第三ガイド部73が突設されていて、FFC67は、その一部67Aが第一ガイド部71に引っかけられることにより、ホルダ部材61に対して固定されている(以下、このFFC67の一部67Aのことを固定箇所67Aと称する。)。
【0066】
そして、このホルダ部材61の内部で、FFC67は、固定箇所67Aよりもカバー部13側において第一撓み部67Bを形成しており、また、固定箇所67Aよりもメインユニット2側において第二撓み部67Cを形成している。
【0067】
このような第一撓み部67B及び第二撓み部67Cを設けることにより、カバー部13が開閉される際には、その開閉に伴ってFFC67が引っ張られても、第一撓み部67Bとなっている箇所が変形することで、カバー部13が開閉されるのを許容する。
【0068】
また、カバー部13とともにホルダ部材61が上下動する際には、第二撓み部67Cとなっている箇所の位置を変動させることで、ホルダ部材61からメインユニット2側へと導出された部分の長さを増減させて、ホルダ部材61がメインユニット2に対し相対的に上下動するのを許容する。
【0069】
より詳しく説明すると、ホルダ部材61が、図8(a)に示す最下位置から、図8(b)に示す中間位置を経て、図8(c)に示す最上位置まで移動する場合、図8(a)に示す最下位置では、位置C1〜C4に至る範囲が実質的に撓んでいる範囲(第二撓み部67C)となっている。
【0070】
しかし、カバー部13が10mm上昇して、位置Q1にあった箇所(図8(a)参照)が10mm上方にある位置Q2まで変位したとすると(図8(b)参照)、FFC67上では、位置C1の部分が位置を変えることなく位置C6の部分が10mm上昇する。その結果、位置R1にあった頂点は5mm上方の位置R2まで変位し、位置C2〜C5に至る範囲が実質的に撓んでいる範囲(第二撓み部67C)となる。
【0071】
また、さらにカバー部13が10mm上昇して、位置Q2にあった箇所(図8(b)参照)が10mm上方にある位置Q3まで変位したとすると(図8(c)参照)、FFC67上では、さらに位置C1の部分が位置を変えることなく位置C6の部分が10mm上昇する。その結果、位置R2にあった頂点は5mm上方の位置R3まで変位し、位置C3〜C6に至る範囲が実質的に撓んでいる範囲(第二撓み部67C)となる。
【0072】
つまり、FFC67上の位置C1〜C6に着目すると、ホルダ部材61の上下動に伴って、第二撓み部67Cとなっている箇所の範囲は、C1〜C4となっていた状態から、C3〜C6となっている状態まで変動する。
【0073】
そして、このように第二撓み部67Cとなっている箇所の位置を変動させることで、ホルダ部材61からメインユニット2側へと導出された部分の長さを、図8(c)に示した長さL1の範囲内で増減させて、ホルダ部材61がメインユニット2に対し相対的に上下動するのを許容する。すなわち、ホルダ部材61が上昇する際には、長さL1の範囲内でホルダ部材61からFFC67が引き出される一方、ホルダ部材61が下降する際には、長さL1の範囲内で引き出されたFFC67が、ホルダ部材61の内部へと押し戻されることになる。
【0074】
なお、このようにホルダ部材61が上下動する際、第二ガイド部72及び第三ガイド部73は、FFC67が後方に向かって倒れる方向へ変位するのを阻止し、FFC67が予期しない箇所で折れ曲がるのを防いでいる。特に、ホルダ部材61が下降した際には、第二撓み部67Cの上端が第一ガイド部71から最も離れた位置に達するので、この状態になったときにFFC67が後方に向かって倒れやすくなるが、第二ガイド部72及び第三ガイド部73によって支えることで、FFC67が倒れるのを防ぐことができる。
【0075】
また、ホルダ部材61の上端には、回動軸部63から等距離を保つ形態で湾曲する湾曲隔壁部61Eが設けられている。この湾曲隔壁部61Eは、カバー部13を開いた際に、湾曲隔壁部61Eの外周面側が載置部11とカバー部13との間に露出する部分となるが、この湾曲隔壁部61Eの外周面側が露出することで、湾曲隔壁部61Eの内周側に通されたFFC67は覆い隠されることになる。
【0076】
[効果]
以上説明した通り、上記複合機1によれば、FFC67(本発明でいうフラットケーブルの一例に相当。)が通されるホルダ部材61は、載置部11(本発明でいう下部本体の一例に相当。)に対し相対的に上下動しても、第一開口部61Cの位置はカバー部13(本発明でいう上部本体の一例に相当。)によって覆い隠される位置にある。また、第二開口部61Dの位置は載置部11によって覆い隠される位置にある。
【0077】
そのため、このような構造としたことにより、ホルダ部材61の通路内に通されたFFC67が外部に露出しない構造になっている。したがって、このようなホルダ部材相当物が存在しないものとは異なり、FFC67が外部に露出してしまうのを防止することができ、FFC67の露出部分に何らかの物体から外力が加わったり、FFC67の露出部分に外部から静電気が作用したりするのを防止ないし抑制することができる。
【0078】
また、上記複合機1によれば、カバー部13を載置部11に対し上下動させる際、FFC67は、ホルダ部材61の通路内において、撓んだ箇所の位置を変動させることで、ホルダ部材61の外部へと導出された部分の長さを増減させる。
【0079】
より詳しくは、上記複合機1においては、第一ガイド部71が、FFC67をホルダ部材61に対して固定しているので、FFC67をホルダ部材61に追従させて移動させることができる。しかも、その固定箇所67Aを挟む両側に第一撓み部67Bと第二撓み部67Cが設けてあり、カバー部13が開閉される際には、第一撓み部67Bとなっている箇所が変形することで、カバー部13が開閉されるのを許容する。また、ホルダ部材61が上下動する際には、第二撓み部67Cとなっている箇所の位置を変動させることで、ホルダ部材61から載置部11側へと導出された部分の長さを増減させて、ホルダ部材61が前記載置部11に対し相対的に上下動するのを許容する。
【0080】
したがって、ホルダ部材相当物の外部において、ホルダ部材相当物の可動範囲内でケーブルが撓む構造になっているものとは異なり、ホルダ部材61そのものがケーブルの撓み部を押し潰してしまうことがない。また、カバー部13を開閉しても上下動させてもFFC67に過大な張力がかかるのを防止することができる。
【0081】
また、上記複合機1によれば、FFC67が撓んだ部分の位置を変動させても、第一ガイド部71、第二ガイド部72、及び第三ガイド部73(本発明でいうガイド部の一例に相当。)に案内されたFFC67の一部は、あらかじめ決められた配線経路上に配線された状態が維持されるので、そのような第一ガイド部71、第二ガイド部72、及び第三ガイド部73が存在しない場合とは異なり、ホルダ部材61の通路内において、FFC67が予期しない部分で撓んだり折れ曲がったりするのを抑制できる。
【0082】
また、上記複合機1において、第一ガイド部71、第二ガイド部72、及び第三ガイド部73は、ホルダ部材61の成形時にホルダ部材61とともに一体成形されたものなので、別部品で第一ガイド部71、第二ガイド部72、及び第三ガイド部73を取り付ける場合に比べ、部品点数を削減でき、組み立てに要する工数も削減でき、第一ガイド部71、第二ガイド部72、及び第三ガイド部73が設けられる位置の精度も良好なものとすることができる。
【0083】
さらに、上記複合機1によれば、カバー部13が開閉された際にはカバー部13が連結部材51,52(本発明でいう連結手段の一例に相当。)に対して回動し、しかも、その際、ホルダ部材61もカバー部13に対し回動することにより、カバー部13との相対的な位置関係を変えることができるので、ホルダ部材61がカバー部13に対し回動可能な構造を採用していない場合に比べ、よりスムーズにカバー部13の開閉操作を行うことができる。
【0084】
特に、上記複合機1の場合、連結部材51,52とホルダ部材61は、同一軸線上に回動中心を有するので、これらの回動中心が同一軸線上にない場合に比べ、連結部材51,52やホルダ部材61に複雑な動き(例えば、回動中心がカム溝内を移動するような挙動)をさせることなく、カバー部13の開閉動作を実現することができる。
【0085】
上記複合機1によれば、カバー部13が開かれた際にも、ホルダ部材61の湾曲隔壁部61E(本発明でいうホルダ部材の上端部の一例に相当。)によってFFC67が覆い隠されるので、カバー部13を開くとFFC67が露出してしまうものに比べ、FFC67を保護する効果が高い。
【0086】
加えて、上記複合機1によれば、FFC67を利用して、カバー部13に組み込まれた第二イメージセンサ31B(本発明でいう第二画像読取手段の一例に相当。)とメインユニット2(このメインユニット2も、載置部11とともに本発明でいう下部本体の一例に相当。)に組み込まれた制御部21(本発明でいう制御手段の一例に相当。)との間で信号を伝達することができ、そのようなFFC67をホルダ部材61で保護することができる。
【0087】
[変形例等]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
【0088】
例えば、上記実施形態において、ホルダ部材61は、上部のカバー部13に対して回動可能、下部の載置部11に対して上下動可能となっていたが、これに限らない。具体的には、図9(a)及び同図(b)に示すホルダ部材81のように、下部の載置部11に対して下端側の回動軸83を中心に回動可能で、上端側が上部のカバー部13に形成された凹部85に挿し込まれることでカバー部13の上下動が可能な構造となっていてもよい。
【0089】
このような構造のホルダ部材81であれば、連結部材が、上部のカバー部13に対して上下動可能、下部の載置部11に対して回動可能な構造となっている場合に好適である。
また、上記実施形態では、フラットケーブルの具体例として、FFC(Flexible Flat Cable)を例示したが、帯状に形成されたFPC(Flexible printed circuits)や、より一般的な帯状のケーブルなども、本発明でいうフラットケーブルに相当し、これらのフラットケーブルを保護する場合にも、本発明の構成を採用することができる。
【0090】
また、上記実施形態では、複合機1が備えるスキャナユニット3において、載置部11とカバー部13が開閉可能且つ上下動可能な構造となっていたが、これ以外の構成をも考え得る。
【0091】
例えば、上記実施形態において、スキャナユニット3はメインユニット2に対し開閉可能な構造になっていたが、さらにスキャナユニット3はメインユニット2に対し上下動可能な構造になっていれば、スキャナユニット3(本発明でいう上部本体の一例に相当。)側からメインユニット2(本発明でいう下部本体の一例に相当。)側へフラットケーブルを配線する際に、上述のホルダ部材相当物を設けてもよい。
【0092】
また、上述のような複合機1に限らず、単機能のイメージスキャナ(画像読取装置)において、カバー部(本発明でいう上部本体の一例に相当。)と載置部(本発明でいう下部本体の一例に相当。)との間にホルダ部材相当物を介装してもよい。
【0093】
あるいは、上部のカバーを開閉及び上下動させることができるプリンタ(画像形成装置)において、そのカバー(本発明でいう上部本体の一例に相当。)とプリンタ本体(本発明でいう下部本体の一例に相当。)との間に配線されるフラットケーブル(例えば、カバー側に設けられた操作パネルとプリンタ本体側に設けられた制御装置とを接続するFFCなど)を保護するために、ホルダ部材相当物を介装してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1・・・複合機、2・・・メインユニット、3・・・スキャナユニット、4・・・操作パネル、5A,5B・・・メモリカードスロット、5C・・・USBコネクタ、6・・・給紙トレイ、7・・・排出口、8A,8B・・・電話線接続用コネクタ、9・・・電源コード、10・・・アンテナ、11・・・載置部、13・・・カバー部、15・・・FBガラス、21・・・制御部、23・・・印刷部、25・・・LAN通信部、27・・・PSTN通信部、29・・・リムーバブルメディア制御部、31A・・・第一イメージセンサ、31B・・・第二イメージセンサ、33・・・第一イメージセンサ駆動部、36・・・原稿供給部、37A・・・搬送ローラ、38・・・原稿排出部、41A・・・第一ADFガラス、41B・・・第二ADFガラス、43・・・キャリッジ、51,52・・・連結部材、51A,52A,61A・・・軸受部、51B,52B,61B・・・下端、53,54,63・・・回動軸部、55,56,65,85・・・凹部、61,81・・・ホルダ部材、61C・・・第一開口部、61D・・・第二開口部、61E・・・湾曲隔壁部、67A・・・一部、67A・・・固定箇所、67B・・・第一撓み部、67C・・・第二撓み部、71・・・第一ガイド部、72・・・第二ガイド部、73・・・第三ガイド部、83・・・回動軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象物から画像を読み取る画像読取手段、又は被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段のうち、少なくとも一方を備える画像処理装置であって、
下部本体と、
前記下部本体の上方に設けられた上部本体と、
前記上部本体を前記下部本体に対し開閉可能な状態、且つ、前記上部本体が前記下部本体に対し上下動可能な状態で、前記上部本体と前記下部本体とを連結する連結手段と、
一端が前記上部本体側に接続されるとともに、他端が前記下部本体側に接続されており、前記上部本体側及び前記下部本体側それぞれに収容された装置間で電力又は信号を伝達する際に利用されるフラットケーブルと、
前記上部本体と前記下部本体との間に介装されており、第一開口部から第二開口部に至る通路を有し、当該通路内において前記フラットケーブルを撓ませた状態で保持するホルダ部材と
を備え、
前記ホルダ部材は、前記上部本体を前記下部本体に対し上下動させる際に、前記上部本体及び前記下部本体のうち少なくとも一方に対し相対的に上下動し、その際、前記フラットケーブルは、撓んだ箇所の位置を変動させることで、前記ホルダ部材の外部へと導出された部分の長さを増減させて、前記ホルダ部材が前記上部本体及び前記下部本体のうち少なくとも一方に対し相対的に上下動するのを許容しており、
しかも、前記ホルダ部材が前記上部本体及び前記下部本体のうち少なくとも一方に対し相対的に上下動しても、前記第一開口部の位置は前記上部本体によって覆い隠される位置にあり、前記第二開口部の位置は前記下部本体によって覆い隠される位置にあることで、前記ホルダ部材の通路内に通された前記フラットケーブルが外部に露出しない構造になっている
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ホルダ部材の通路内には、前記フラットケーブルの一部をあらかじめ決められた配線経路上へと案内して、当該配線経路上に配線された状態を維持するガイド部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記ホルダ部材の通路内に形成された突設物によって構成されており、当該突設物は、前記ホルダ部材の成形時に前記ホルダ部材とともに一体成形されている
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ホルダ部材は、前記上部本体に連結されて、前記上部本体が上下動した際に、前記上部本体に追従して上下動する部材となっており、
前記ガイド部は、少なくとも1箇所で、前記フラットケーブルを前記ホルダ部材に対して固定しており、
前記フラットケーブルは、前記ホルダ部材に対する固定箇所よりも前記上部本体側に第一撓み部を有するとともに、前記固定箇所よりも前記下部本体側に第二撓み部を有する形態になっており、前記上部本体が開閉される際には、前記第一撓み部となっている箇所が変形することで、前記上部本体が開閉されるのを許容しており、前記ホルダ部材が上下動する際には、前記第二撓み部となっている箇所の位置を変動させることで、前記ホルダ部材から前記下部本体側へと導出された部分の長さを増減させて、前記ホルダ部材が前記下部本体に対し相対的に上下動するのを許容している
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記連結手段は、前記上部本体に対し回動可能に連結されていて、前記上部本体が前記連結手段に対し回動することにより、前記上部本体が前記下部本体に対し開閉される構造になっており、
前記ホルダ部材は、前記上部本体に対し回動可能に連結されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記連結手段及び前記ホルダ部材は、それぞれの前記上部本体に対する回動中心が、同一軸線上に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記ホルダ部材は、前記上部本体を開いたときに、前記上部本体と前記下部本体の間において外部に露出する状態となる上端部を有し、前記上部本体が開かれた際にも、前記上端部によって前記フラットケーブルが覆い隠された状態になっている
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像読取手段として、前記下部本体に組み込まれた第一画像読取手段、及び前記上部本体に組み込まれた第二画像読取手段を備えており、さらに、
前記第一画像読取手段及び前記第二画像読取手段に対する制御を行うとともに、各画像読取手段によって読み取られた画像を表すデータを各画像読取手段から受け取る制御手段が、前記下部本体に組み込まれており、
前記フラットケーブルは、前記第二画像読取手段と前記制御手段との間で信号を伝達する際に利用される
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−77874(P2011−77874A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227855(P2009−227855)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】