説明

画像処理装置

【課題】 二次元コードとして検出されない、破損した二次元コードを検出する。
【解決手段】 画像処理装置において、破損コード検出部14は、二次元コード検出部11により二次元コードが検出されなかった場合において少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときに、検出された位置検出パターンの周辺の所定の位置のパターンに基づいて、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在するか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、QRコード(登録商標)などの二次元コードが普及している。二次元コードを読み込む際に、二次元コードの一部が破損しており誤り検出率が所定値以上の場合、復号した情報から新たに二次元コードを再生し、再生した二次元コードで、破損している二次元コードを置き換える技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−55582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二次元コードが汚れや欠損などにより破損している場合、二次元コードとして検出されないことがある。例えば、二次元コード内の位置検出パターンが破損している場合には、破損している二次元コードが存在しているにも拘わらず、その存在が検出されない。破損している二次元コードが存在しているにも拘わらず、その存在が検出されないことにより、不具合が生じることがある。
【0005】
例えば、図8に示すように、書類の宛先情報を二次元コードに符号化し、その書類に印刷しておき、その書類の画像を読み込み、その書類画像内の二次元コードを復号し、復号して得られた宛先へその書類画像を自動的に送信することがある。図8に示すように、連続する3枚の書類の画像をそれぞれ異なる宛先へ送信するときに、2枚目の書類における二次元コードが破損していると、2枚目の書類上に二次元コードが存在せず2枚目の書類が1枚目の書類の続きであると誤って認識され、2枚目の書類が1枚目の書類の宛先へ誤って送信されてしまう。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、二次元コードとして検出されない、破損した二次元コードを検出する画像処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、画像データによる画像内に二次元コードが存在すると二次元コードを検出する二次元コード検出部と、画像データについて二次元コード検出部により二次元コードが検出されなかった場合において少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときに、検出された位置検出パターンの周辺の所定の位置のパターンに基づいて、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在するか否かを判定する破損コード検出部とを備える。
【0009】
これにより、二次元コードとして検出されない、破損した二次元コードが検出され、二次元コードの破損に起因する不具合の発生を抑制できる。
【0010】
また、本発明に係る画像処理装置は、上記の画像処理装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置は、上述の所定の位置で型番情報および/または形式情報を検索する周辺情報検索部をさらに備える。そして、破損コード検出部は、周辺情報検索部により型番情報および/または形式情報が検出された場合、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0011】
また、本発明に係る画像処理装置は、上記の画像処理装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置は、上述の所定の位置で型番情報を検索する周辺情報検索部と、二次元コードを復号する二次元コード復号部とをさらに備える。そして、破損コード検出部は、周辺情報検索部により型番情報が検出されると、型番情報に基づいて残りの位置検出パターンの位置を予測し、検出された位置検出パターンの位置と予測した残りの位置検出パターンの位置とに基づいて二次元コード復号部に二次元コードの復号を試みさせ、所定の段階まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0012】
また、本発明に係る画像処理装置は、上記の画像処理装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、破損コード検出部は、セルサイズと型番情報におけるセル数とに基づいて残りの位置検出パターンの位置を予測する。
【0013】
また、本発明に係る画像処理装置は、上記の画像処理装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、破損コード検出部は、位置検出パターンが2つだけ検出された場合に、検出された位置検出パターンの位置に基づいて残りの位置検出パターンの位置を予測し、検出された位置検出パターンの位置と予測した残りの位置検出パターンの位置とに基づいて二次元コード復号部に二次元コードの復号を試みさせ、所定の段階まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0014】
また、本発明に係る画像処理装置は、上記の画像処理装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像処理装置は、周辺情報検索部により、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定された場合に、エラーメッセージを表示装置に表示させる表示処理部をさらに備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、二次元コードとして検出されない、破損した二次元コードが検出され、二次元コードの破損に起因する不具合の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施の形態1に係る画像処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】図3は、QRコード(登録商標)の構成を説明する図である。
【図4】図4は、破損したQRコード(登録商標)の例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、実施の形態2に係る画像処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、位置検出パターンが2つだけ検出された場合の位置検出パターンの組合せについて説明する図である。
【図8】図8は、二次元コードが印刷された書類の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
実施の形態1.
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、画像読取装置1、記憶装置2、通信装置3、表示装置4、および演算処理装置5を備える。
【0020】
画像読取装置1は、書類から書類画像を光学的に読み取り、書類画像の画像データを生成する内部装置である。
【0021】
また、記憶装置2は、各種データやプログラムを格納可能な装置である。記憶装置2としては、不揮発性メモリー、ハードディスクドライブなどの不揮発性の大容量記憶媒体が使用される。記憶装置2には、書類画像の画像データを記憶することができる。
【0022】
また、通信装置3は、外部装置との間でデータ通信を行う装置である。通信装置3としては、ネットワーク通信を行うネットワークインターフェイス、ファクシミリ通信を行うモデムなどが使用される。
【0023】
また、表示装置4は、ユーザーに対して各種情報を表示する。表示装置4としては例えば液晶ディスプレイが使用される。
【0024】
また、演算処理装置5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであり、ROMや記憶装置2などからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。この実施の形態では、演算処理装置5において、二次元コード検出部11、二次元コード復号部12、周辺情報検索部13、破損コード検出部14、表示処理部15などが実現される。
【0025】
二次元コード検出部11は、画像データによる画像内に二次元コードが存在すると、その二次元コードを検出する。この実施の形態では、二次元コードとしてQRコード(登録商標)が使用される。二次元コード検出部11は、画像データによる画像内で位置検出パターンを検索し、二次元コードの復号に必要なすべての位置検出パターン(QRコード(登録商標)の場合、3つの位置検出パターン)を発見すると、二次元コードを検出したものと判定する。
【0026】
二次元コード復号部12は、二次元コード検出部11により二次元コードが検出された場合、その二次元コードを復号して元の情報を抽出する。
【0027】
周辺情報検索部13は、上述の所定の位置で型番情報および/または形式情報を検索する。QRコード(登録商標)では、型番情報および形式情報の位置は予め決まっているため、その位置の画像が検索される。
【0028】
破損コード検出部14は、二次元コード検出部11により二次元コードが検出されなかった場合において少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときに、検出された位置検出パターンの周辺の所定の位置のパターンに基づいて、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在するか否かを判定する。
【0029】
実施の形態1では、破損コード検出部14は、周辺情報検索部13により型番情報および/または形式情報が発見された場合、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0030】
表示処理部15は、破損コード検出部14により、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定された場合に、エラーメッセージを表示装置4に表示させる。このエラーメッセージは、例えば、「二次元コードが破損しています。」などとされる。
【0031】
次に、上記画像処理装置の動作について説明する。図2は、実施の形態1に係る画像処理装置の動作を説明するフローチャートである。二次元コードがQRコード(登録商標)の場合の動作について説明する。図3は、QRコード(登録商標)の構成を説明する図である。
【0032】
この画像処理装置では、画像読取装置1からの画像データ、記憶装置2における画像データ、通信装置3により受信された画像データなどが処理される。
【0033】
二次元コード検出部11は、処理対象の画像データについて二次元コードの検出を試みる(ステップS1)。二次元コード検出部11は、3つの位置検出パターン101a,101b,101cの検出を試み、3つの位置検出パターン101a,101b,101cが検出されると、二次元コードが存在すると判定する。つまり、この場合、二次元コードが検出される。一方、3つの位置検出パターン101a,101b,101cの少なくとも1つが検出されないと、二次元コードは存在しないと判定される。つまり、この場合、二次元コードは検出されない。
【0034】
二次元コードが検出されると、二次元コード復号部12は、二次元コード検出部11により得られた位置検出パターン101a,101b,101cの位置情報に基づいて、その二次元コードの復号を試みる(ステップS2)。二次元コード復号部12により、その二次元コードの復号が成功すると(ステップS3)、復号により得られた情報に基づく所定の処理が実行される(ステップS4)。一方、二次元コード復号部12により、その二次元コードの復号が失敗すると(ステップS3)、表示処理部15は、エラーメッセージを表示装置4に表示させる(ステップS5)。
【0035】
このように、二次元コードが検出されると、その二次元コードの復号が行われる。
【0036】
他方、二次元コードが検出されない場合でも、破損した二次元コードが存在している可能性がある。二次元コードが検出されなかった場合(ステップS1)、少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときには(ステップS6)、周辺情報検索部13は、検出された位置検出パターンの周辺の所定の位置に存在する型番情報および形式情報を検索する(ステップS7)。
【0037】
図3に示すように、QRコード(登録商標)の場合、位置検出パターン101aの周辺の領域102aのパターンが1つの形式情報を有しており、位置検出パターン101bの周辺の領域102b1および位置検出パターン101cの周辺の領域102b2のパターンが1つの形式情報を有している。また、位置検出パターン101bの周辺の領域103aが1つの型番情報を有しており、位置検出パターン101cの周辺の領域103bのパターンが1つの型番情報を有している。このため、周辺情報検索部13は、検出された位置検出パターンを、位置検出パターン101a,101b,101cと順次見做して、領域102a、領域102b1,103a、および領域102b2,103bに相当する領域において、型番情報および形式情報の抽出を試みる。型番情報および形式情報の値は既知であるため、抽出された情報が有効な型番情報および形式情報か否かが判定可能である。
【0038】
図4は、破損したQRコード(登録商標)の例を示す図である。図4(A)は、位置検出パターン101aに汚れ121が重畳している場合を示し、図4(B)は、位置検出パターン101b,101cに汚れ121が重畳している場合を示している。図4(A)に示す場合では、位置検出パターン101aが検出されないため、二次元コード検出部11により、このQRコード(登録商標)は検出されない。同様に、図4(B)に示す場合では、位置検出パターン101b,101cが検出されないため、二次元コード検出部11により、このQRコード(登録商標)は検出されない。
【0039】
周辺情報検索部13により有効な型番情報および形式情報が発見されると(ステップS8)、破損コード検出部14は、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定し、表示処理部15がエラーメッセージを表示装置4に表示させる(ステップS5)。
【0040】
例えば、図4(A)に示す場合、位置検出パターン101b,101cが検出され、領域102b1,102b2および領域103a,103bから型番情報および形式情報が発見されるため、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定され、エラーメッセージが表示される。また、例えば、図4(B)に示す場合、位置検出パターン101aが検出され、領域102aから形式情報が発見されるため、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定され、エラーメッセージが表示される。
【0041】
一方、位置検出パターンが1つも検出されなかった場合(ステップS6)、並びに有効な型番情報および/または形式情報が発見されなかった場合(ステップS8)には、破損コード検出部14は、二次元コードは存在しないと判定する。
【0042】
以上のように、上記実施の形態1によれば、破損コード検出部14は、二次元コード検出部11により二次元コードが検出されなかった場合において少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときに、検出された位置検出パターンの周辺の所定の位置のパターンに基づいて、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在するか否かを判定する。特に、実施の形態1では、破損コード検出部14は、周辺情報検索部13により型番情報および/または形式情報が発見された場合、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0043】
これにより、二次元コードとして検出されない、破損した二次元コードが検出され、二次元コードの破損に起因する不具合の発生を抑制できる。
【0044】
実施の形態2.
【0045】
図5は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2では、演算処理装置5において、実施の形態1の破損コード検出部14の代わりに、破損コード検出部21が実現される。
【0046】
実施の形態2では、破損コード検出部21は、位置検出パターンが1つだけ検出された場合に周辺情報検索部13により型番情報が検出されると、型番情報に基づいて残りの位置検出パターンの位置を予測し、検出された位置検出パターンの位置と予測した残りの位置検出パターンの位置とに基づいて二次元コード復号部12に二次元コードの復号を試みさせ、所定の段階(例えば型番情報および形式情報の取得)まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0047】
このとき、破損コード検出部21は、二次元コードから測定されるセルサイズと検出された型番情報におけるセル数とに基づいて残りの位置検出パターンの位置を予測する。
【0048】
また、破損コード検出部21は、位置検出パターンが2つだけ検出された場合に、検出された位置検出パターンの位置に基づいて残りの位置検出パターンの位置を予測し、検出された位置検出パターンの位置と予測した残りの位置検出パターンの位置とに基づいて二次元コード復号部12に二次元コードの復号を試みさせ、所定の段階まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0049】
なお、実施の形態2に係る画像処理装置のその他の構成については、実施の形態1のもの(図1)と同様であるので、その説明を省略する。
【0050】
次に、上記画像処理装置の動作について説明する。図6は、実施の形態2に係る画像処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【0051】
実施の形態1と同様に、実施の形態2に係る画像処理装置においても、二次元コードが検出されると(ステップS11)、その二次元コードの復号が試みられ(ステップS12)、その二次元コードの復号が成功すると(ステップS13)、所定の処理が実行され(ステップS14)、その二次元コードの復号が失敗すると(ステップS13)、エラーメッセージが表示される(ステップS15)。
【0052】
一方、二次元コードは検出されなかった場合(ステップS11)、少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときには(ステップS16)、破損コード検出部21は、二次元コード検出部11により検出された位置検出パターンの数に応じて、残りの位置検出パターンの位置の予測を行う(ステップS17,S18,S19)。
【0053】
検出された位置検出パターンが1つだけである場合、破損コード検出部21は、検出された位置検出パターン周辺の型番情報を、周辺情報検索部13に検索させ、型番情報が発見されると、その型番情報から、この二次元コードの縦横のセル数を特定し、さらに、二次元コードのセルサイズ(ピクセル数等)を特定し、そのセル数とセルサイズから、二次元コードのサイズを特定して残りの位置検出パターンの位置を予測する(ステップS18)。
【0054】
このとき、例えば、二次元コードの向きが固定されている場合には、二次元コード内での、検出された位置検出パターンの位置に基づいて、検出された位置検出パターンが位置検出パターン101bおよび位置検出パターン101cのいずれであるかを特定する。また、例えば、検出された位置検出パターンと型番情報が発見された領域との位置関係から、検出された位置検出パターンが位置検出パターン101bおよび位置検出パターン101cのいずれであるかを特定するようにしてもよい。検出された位置検出パターンが位置検出パターン101b,101cもいずれであるかが特定されると、検出された位置検出パターンに対する残りの位置検出パターンの位置が特定可能となる。
【0055】
検出された位置検出パターンが2つだけである場合、破損コード検出部21は、検出された2つの位置検出パターンの位置に基づいて残りの位置検出パターンの位置を幾何学的に予測する(ステップS19)。
【0056】
図7は、位置検出パターンが2つだけ検出された場合の位置検出パターンの組合せについて説明する図である。
【0057】
このとき、例えば、二次元コードの向きが固定されている場合には、二次元コード内での、検出された位置検出パターンの位置に基づいて、検出された2つの位置検出パターンが位置検出パターン101a,101b,101cのいずれであるかを特定し、検出された2つの位置検出パターン間の距離に基づいて、残りの位置検出パターンの位置が幾何学的に予測される。
【0058】
図7(A)に示すように、位置検出パターン101aに汚れ121が重畳している場合、検出された2つの位置検出パターンは位置検出パターン101b,101cである。位置検出パターン101b,101c間の距離を2の平方根(1.414)で除算して得られた値だけ、位置検出パターン101b,101cの一方から他方への方向から45度の方向において位置検出パターン101b,101cから離れた位置に、位置検出パターン101aの位置が予測される。
【0059】
図7(B)に示すように、位置検出パターン101bに汚れ121が重畳している場合、検出された2つの位置検出パターンは位置検出パターン101a,101cである。位置検出パターン101aから位置検出パターン101cへの方向から90度の方向において、位置検出パターン101a,101c間の距離だけ離れた位置に、位置検出パターン101bの位置が予測される。
【0060】
図7(C)に示すように、位置検出パターン101cに汚れ121が重畳している場合、検出された2つの位置検出パターンは位置検出パターン101a,101bである。位置検出パターン101aから位置検出パターン101bへの方向から90度の方向において、位置検出パターン101a,101b間の距離だけ離れた位置に、位置検出パターン101cの位置が予測される。
【0061】
また、例えば、位置合わせパターンを検出し、検出された位置検出パターンと位置合わせパターンとの位置関係から、検出された位置検出パターンが位置検出パターン101a,101b,101cのいずれであるかを特定するようにしてもよい。
【0062】
このようにして、検出されなかった位置検出パターンの位置が予測された後、破損コード検出部21は、検出された位置検出パターンの位置と予測した残りの位置検出パターンの位置とに基づいて二次元コード復号部12に二次元コードの復号を試みさせる(ステップS20)。
【0063】
破損コード検出部21は、二次元コード復号部12により所定の段階まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定し、表示処理部15がエラーメッセージを表示装置4に表示させる(ステップS15)。
【0064】
一方、位置検出パターンが1つも検出されなかった場合(ステップS16)、所定の段階まで復号が成功しなかった場合(ステップS21)、およびステップS18において型番情報が得られなかった場合には、破損コード検出部21は、二次元コードは存在しないと判定する。
【0065】
以上のように、上記実施の形態2によれば、破損コード検出部21は、二次元コード検出部11により二次元コードが検出されなかった場合において少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときに、検出された位置検出パターンの周辺の所定の位置のパターンに基づいて、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在するか否かを判定する。特に、実施の形態2では、破損コード検出部21は、周辺情報検索部13により型番情報が検出されると、その型番情報に基づいて残りの位置検出パターンの位置を予測し、検出された位置検出パターンの位置と予測した残りの位置検出パターンの位置とに基づいて二次元コード復号部12に二次元コードの復号を試みさせ、所定の段階まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが画像データによる画像内に存在すると判定する。
【0066】
これにより、二次元コードとして検出されない、破損した二次元コードが検出され、二次元コードの破損に起因する不具合の発生を抑制できる。
【0067】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0068】
例えば、上記各実施の形態に係る画像処理装置を、ファクシミリ送信やインターネットファクシミリ送信を行う画像形成装置とし、図8に示すような書類の画像を画像読取装置1で読み取り、各書類画像内の二次元コードを復号して宛先情報を取得し、その宛先情報により指定される宛先に書類画像の画像データを通信装置3で送信するようにしてもよい。その場合、破損した二次元コードが検出されると、エラーメッセージが表示され、その破損した二次元コードが含まれる書類画像の画像データは送信されない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、例えば、QRコード(登録商標)の破損の検出に適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
4 表示装置
11 二次元コード検出部
13 周辺情報検索部
14,21 破損コード検出部
15 表示処理部
101a,101b,101c 位置検出パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データによる画像内に二次元コードが存在すると前記二次元コードを検出する二次元コード検出部と、
前記画像データについて前記二次元コード検出部により二次元コードが検出されなかった場合において少なくとも1つの位置検出パターンが検出されたときには、検出された前記位置検出パターンの周辺の所定の位置のパターンに基づいて、破損した二次元コードが前記画像データによる画像内に存在するか否かを判定する破損コード検出部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記所定の位置で型番情報および/または形式情報を検索する周辺情報検索部をさらに備え、
前記破損コード検出部は、前記周辺情報検索部により前記型番情報および/または前記形式情報が検出された場合、破損した二次元コードが前記画像データによる画像内に存在すると判定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記所定の位置で型番情報を検索する周辺情報検索部と、
二次元コードを復号する二次元コード復号部とをさらに備え、
前記破損コード検出部は、前記周辺情報検索部により型番情報が検出されると、前記型番情報に基づいて残りの前記位置検出パターンの位置を予測し、検出された前記位置検出パターンの位置と予測した残りの前記位置検出パターンの位置とに基づいて前記二次元コード復号部に二次元コードの復号を試みさせ、所定の段階まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが前記画像データによる画像内に存在すると判定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記破損コード検出部は、セルサイズと前記型番情報におけるセル数とに基づいて残りの前記位置検出パターンの位置を予測することを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記破損コード検出部は、前記位置検出パターンが2つだけ検出された場合に、検出された前記位置検出パターンの位置に基づいて残りの前記位置検出パターンの位置を予測し、検出された前記位置検出パターンの位置と予測した残りの前記位置検出パターンの位置とに基づいて前記二次元コード復号部に二次元コードの復号を試みさせ、所定の段階まで復号が成功した場合には、破損した二次元コードが前記画像データによる画像内に存在すると判定することを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記破損コード検出部により、破損した二次元コードが前記画像データによる画像内に存在すると判定された場合に、エラーメッセージを表示装置に表示させる表示処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−231353(P2012−231353A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98980(P2011−98980)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】