説明

画像処理装置

【課題】 従来よりも簡便に、利用効率を低下させることなく、重要なデータの秘匿性を保持することができる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】 画像データの入力を受け付ける入力手段16、17と、入力手段16、17から入力される画像データを記録する記録手段13と、記録手段13に記録されている画像データの秘匿性の有無を判断する判断手段14と、利用者の認証を行う認証手段15とを備え、記録手段13に記録されている少なくとも1つの画像データが秘匿性を有すると判断された場合、認証手段15を有効にし、記録手段13に記録されている全ての画像データが秘匿性を有しない場合、認証手段15を無効にする。これにより、秘匿すべきデータが記録されていない通常時には、認証機能を無効にし、秘匿すべきデータを記録しているときには、認証機能を有効にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、特にデジタル複合機(MFP:Multifunction Peripherals)などの画像データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ファクシミリ(以下、FAXと記す)、プリンタ、スキャナなどの複数の機能を搭載したデジタル複合機(以下、MFPとも記す)が普及している。MFPには種々の機能が搭載されており、通常、その中に次の機能が含まれる。
(1)恒久的または一時的に各種データを保存する「データ保存機能」
(2)利用者を制限することによって、(1)で保存されたデータの秘匿性を保つ「ユーザ認証機能」
【0003】
ユーザ認証機能に関して、下記特許文献1には、複写機において、認証データが記憶されたICカードを用いて利用許可のための認証を行ない、認証をパスした段階で複写機が利用可能(複写可能)となる技術が開示されている。また、下記特許文献2には、装置が搭載する複数の運転モードの中で認証番号の入力を始動の条件として設定しておき、所定の運転モードの選択時に入力された認証番号の認証結果により運転モードの動作を許可する技術が開示されている。また、下記特許文献3には、装置を利用するにあたって認証を求める認証機能のオン/オフを設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−227976号公報
【特許文献2】特開平4−19756号公報
【特許文献3】特開2005−167957号公報
【特許文献4】特開2010−64257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した「データ保存機能」及び「ユーザ認証機能」はそれぞれ独立した機能であるので、次の問題が想定される。
(a)操作性よりもデータの秘匿性を優先したい場合には、保存データの有無を問わずユーザ認証機能を有効にしなければならない。即ち、MFP内に保護されるべきデータが存在しないにもかかわらず、ユーザに認証操作を強いることになり、ユーザの操作性の低下を招く。
(b)データの秘匿性よりもユーザの操作性を優先したい場合には、保存データの有無を問わず、ユーザ認証機能を無効に設定しなければならない。この場合、認証操作が不要になるので操作性の低下は防げるが、保護すべきデータの秘匿性が低下する。
(c)管理者がユーザ認証機能の有効/無効を手動で切り替えることはできるが、データの保存状況(保存データの有無)は動的に変化するので、状況に応じて管理者がユーザ認証機能を切り替えることは、実際には困難である。
【0006】
上記した特許文献1〜3の何れによっても、(a)〜(c)の問題を解決することはできない。即ち、特許文献1では、常にICカードをかざして認証を求める必要があり、認証を優先することによって稼動効率が低下する問題がある。また、特許文献2では、所定のモードを利用する場合に限って利用認証を行なうので、認証を必要としないモードに関しては自由に利用することができ、データの秘匿性を保持できない問題がある。さらに、特許文献3では、常に認証を行なう状態、又は、認証なしで利用できる状態の何れかであり、特許文献2と同様の問題がある。
【0007】
このように、従来の装置では、装置を利用する前に利用者認証を行なうことが基本であり、そうで無い場合には、特定のデータにアクセスしようとすると認証が必要となる。従って、セキュリティ面では有効であるが、どのような状況下でも認証を求められるので、装置の処理能力および利便性の低下に繋がる。
【0008】
特定のデータにアクセスしようとする場合に認証を行なう例として、上記特許文献4には、親展プリント機能が開示されている。この機能では、ユーザが、ネットワークに接続されたコンピュータから印刷データにパスワードを設定して、ネットワークに接続されたプリンタにプリント指示を送信し、指定されたプリンタの操作パネルからパスワードを入力することでプリントアウトが開始される。このように、秘匿にすべき画像データ毎にパスワードを設定する機能を有するMFPであれば、秘匿にする必要の無い画像データに対する操作性を低下させることなく、所定の画像データに対する秘匿性を保持することができる。しかし、この機能では、秘匿すべき画像データの各々にパスワードを設定することが必要である点で煩雑である。また、送信側でパスワードを設定できない、または設定しないままFAX送信されたデータを受信した場合には、受信側での秘匿性を依然として保てない問題がある。
【0009】
従って、本発明は、従来よりも簡便に、利用者の利用効率を低下させることなく、秘匿すべきデータの秘匿性を保持することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、下記によって達成することができる。
【0011】
即ち、本発明に係る画像処理装置は、画像データの入力を受け付ける入力手段と、入力手段から入力される画像データを記録する記録手段と、記録手段に記録されている画像データの秘匿性の有無を判断する判断手段と、利用者の認証を行なう認証手段とを備え、記録手段に記録されている少なくとも1つの画像データが秘匿性を有すると判断された場合、認証手段を有効にする。
【0012】
上記の画像処理装置は、記録手段に記録されている全ての画像データが秘匿性を有しない場合、認証手段を無効にすることができる。
【0013】
また、入力手段が画像データの入力を受け付け、入力された画像データが記録手段に記録された場合、判断手段は、記録された画像データの秘匿性の有無を判断し、画像データが秘匿性を有すると判断された場合、認証手段を有効にすることができる。
【0014】
また、上記の画像処理装置は、操作手段をさらに備え、操作手段を介して、秘匿性を有する画像データの種類が指定されることができる。
【0015】
また、秘匿性を有する画像データの種類は、一般のドキュメントファイリングデータ、親展のドキュメントファイリングデータ、アドレス帳、FAX受信ホールドデータ、及び、プリントホールドデータからなる群の中から選択される少なくとも1つのデータであることができる。
【0016】
また、判断手段が、記録手段に記録されている画像データの秘匿性の有無を、定期的に判断することができる。
【0017】
また、上記の画像処理装置は、入力手段から入力された画像データに基づいて画像を形成することができる。
【0018】
また、上記の画像処理装置は、入力手段から入力された画像データを外部に送信することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像処理装置によれば、秘匿にすべきデータが保存されていない通常時には、認証機能を無効にし、秘匿にすべきデータを保存しているときには、認証機能を有効にするので、利用者の利用効率の低下を抑制し、秘匿にすべきデータの秘匿性を保持することができる。
【0020】
画像データを受信した直後に、受信した画像データの秘匿性を判断し、判断結果に応じて認証機能を有効にすることにより、秘匿にすべきデータが無防備な状態にある時間を最小にすることができる。
【0021】
また、秘匿にすべき画像データを任意に、例えば画像データの種類に応じて、設定することができるので、画像処理装置における種々のモードの利用頻度など、画像処理装置の利用状況に応じたデータの秘匿性を提供することができる。
【0022】
また、秘匿にすべきデータの有無を自動的に判断し、判断結果に応じて自動的に認証機能を有効または無効にすることができるので、管理者による設定作業が不要である。
【0023】
また、FAX受信したデータの秘匿性を維持することができ、送信データにパスワードを設定することができないFAXから受信したデータに対して有効である。送信データにパスワードを設定可能なFAXであっても、重要なデータにパスワードが設定されないまま送信される場合があり、本発明はその場合にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置が行なうデータ入力時の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の設定画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像処理装置が行なう定期的な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、制御部11、メモリ部12、記録部13、判断部14、認証部15、通信部16、制御部11、画像入力部17、画像出力部18、操作部19、及びバス20を備えている。
【0026】
画像処理装置1は、デジタル複合機であって、原稿を画像として読取って画像データとして送信するFAXモード、読取った原稿を画像データとして記録するスキャナモード、
読取った原稿を記録用紙に印刷する複写モード、及び、情報端末装置(図示せず。以下、コンピュータとも記す)からネットワーク21を介して受信したデータを記録用紙に印刷するプリンタモード等を選択的に行なうことができる(複写および印刷を画像形成とも記す)。従って、画像処理装置1はこれらの機能を実現するために必要な構成要素(構成部品など)を備えているが、図1では省略されている。また、これらのモードは公知であるので、以下においては、主として本発明の理解に必要な内容を説明することとし、それ以外に関しては説明を省略する。また、本明細書において、「画像データ」とは、一つの画像を構成するデータ全体を意味し、「ファイル」と同様の意味で使用される。また、画像データは、ビットマップデータなどの画素値を直接的に記録する形式のデータに限定されず、画像を形成するためのデータ(種々の画像ファイル形式、ページ記述言語PDL(Page Description Language)で記述された印刷データ形式など)をも含む。
【0027】
操作部19は、画像処理装置1の動作モード(FAXモード、スキャナモード、プリンタモードなど)、各動作モードにおける動作条件などを設定する手段である。ここでは、操作部19は、表示機能を有し、利用者に文字情報や図形情報を提示することができることとする。操作部19は、例えば液晶タッチパネルである。
【0028】
制御部11は、操作部19を介して設定された条件に応じて各部を制御する手段であり、例えばCPUなどの演算処理装置である。制御部11による各部の制御および各部間のデータ(制御データを含む)交換は、バス20を介して行なわれる。
【0029】
メモリ部12は、データを一時的に記憶する手段であり、例えばRAMである。記録部13は、電源がオフされた状態でもデータを恒常的に記録する手段であり、例えばハードディスクドライブなどであり、各機能を実現するためのプログラムをも記録している。制御部11は、記録部13から適宜実行すべきプログラム及びデータをメモリ部12に読み出して、メモリ部12の一部をワークエリアとして使用して処理を行ない、処理途中のデータおよび処理結果のデータを適宜記録部13に記録する。
【0030】
画像入力部17は、外部から画像データを直接入力するための手段であり、例えば、スキャナである。画像入力部17によって入力された画像データは、処理モードに応じてメモリに記憶され、記録部13に記録され得る。
【0031】
画像出力部18は、画像を出力する手段であり、例えば印刷手段である。画像出力部18は、メモリに記憶された画像データ、または、記録部13に記録された画像データを印刷する。
【0032】
通信部16は、ネットワーク21を介したデータ通信、または電話回線22を介したFAX通信を行なうためのインターフェイス手段である。通信部16は、メモリ部12または記録部13に保存された画像データを送信し、外部から画像データを受信した場合には、メモリ部12に記憶し、必要に応じて記録部13にも記録する。従って、通信部16は、画像データの出力手段および入力手段でもある。
【0033】
認証部15は、利用者の認証を行なう手段であり、利用者へのパスワードの入力要求の提示、および利用者によるパスワードの入力は、操作部19を介して行なわれる。
【0034】
判断部14は、画像処理装置1において、認証機能を有効にすべきか否かを判断する。認証部15は、後述するように、判断部14による判断結果に応じて認証機能が有効または無効にされる。
【0035】
上記のように構成された画像処理装置1は、記録部13における画像データの記録状態に応じて、認証部15の機能、即ち認証機能の有効/無効を切り替える。この画像処理装置1の特徴的動作について、図2〜図4を参照して具体的に説明する。
【0036】
図2は、画像処理装置1が画像データを受信する場合の処理を示すフローチャートである。図2に示した一連の処理は、外部から画像データの受信を、例えば割り込み処理などによって、検出した場合に起動されるプログラムによって実行される。図2の処置が実行される前には、認証機能を有効にする条件が設定されている必要がある。図3に、認証機能を有効にする条件を設定するための画面(例えば、操作部19の一部)の一例を示す。
【0037】
図3では、表示された3つの選択肢のうち「重要データ保存中はユーザ認証機能を有効にする」に対応するラジオボタンが選択され、さらに、対象データの5つの選択肢のうち「FAX受信ホールドデータ」に対応するチェックボックスが選択された状態を示している。「FAX受信ホールドデータ」とは、FAX受信ホールドモードの状態で受信されたFAXデータを意味し、このモードではFAX受信されたデータは直ちには印刷されず、記録部13に一旦記録され、利用者による操作部19の操作を受けて画像出力部18に出力(印刷)される。出力されたFAX受信ホールドデータは削除される。
【0038】
なお、「ユーザ認証機能を無効にする」に対応するラジオボタンが選択されている場合、認証機能は常に無効にされる。また、「ユーザ認証機能を有効にする」に対応するラジオボタンが選択されている場合には、認証機能は常に無効にされる。
【0039】
以下では、予め図3に示したように設定され、その設定内容がメモリ部12または記録部13に保存されていると仮定して説明する。
【0040】
ステップS1において、制御部11が画像入力部17または通信部16を制御して、画像データの入力を受け付け、メモリ部12に記憶する。
【0041】
ステップS2において、制御部11は、入力された画像データを記録部13に記録する必要性を判断する。記録せずに入力された画像データを処理できる場合には、ステップS6に移行して、指示された処理を実行し、ステップS1でメモリ部12に記憶した画像データを削除する。例えば、入力された画像データを直ちに画像出力部18から出力する場合には、記録部13に記録せずに、画像出力部18から出力すると、メモリ部12の画像データを削除する。一方、指定された処理を直ちに実行せずに、一旦記録部13に記録する場合には、ステップS3に移行して、入力された画像データを記録する。ステップS2で入力された画像データが、例えばFAX受信ホールドデータ、プリントホールドデータ、ドキュメントファイリングデータ等であれば、記録部13に記録される。
【0042】
ステップS3に続きステップS4において、判断部14は、ステップS3で記録した画像データが、秘匿すべきデータであるか否かを判断する。即ち、判断部14は、予め設定された対象データを特定する情報をメモリ部12または記録部13から読み出して、記録部13に記録されている画像データが対象データに該当するか否かを判断する。ここでは、図3のように設定されていると仮定したので、記録部13にFAX受信ホールドデータが存在するか否かを判断する。FAX受信ホールドデータが存在した場合、ステップS5に移行し、FAX受信データが存在しない場合、終了する。対象データを特定する情報には、後述するように、公知の種々の情報を使用することができる。
【0043】
ステップS5において、判断部14は、認証部15の機能、即ち認証機能を有効にして終了する。従って、認証機能が無効であれば有効になり、既に認証機能が有効になっていれば、その状態が維持される。
【0044】
以上によって、記録部13にFAX受信ホールドデータが存在している状態になれば、利用者が画像処理装置1を使用しようとする場合、認証部15の機能によって、認証を要求するメッセージが操作部19に提示され、認証をパスできなければ利用者は画像処理装置1を使用することができない。従って、秘匿すべきデータが記録されておらず、認証機能が無効になった状態で、FAX受信ホールドデータを受信した場合、直ちに認証機能を有効にすることができ、秘匿性を保証することができる。
【0045】
上記では、FAX受信ホールドデータのみが対象データとして指定されている場合を説明したが、これに限定されない。「プリントホールドデータ」、「アドレス帳」、「ドキュメントファイリイグ(親展データ)」、または「ドキュメントファイリングデータ(一般データ)」が選択されていてもよく、これらのうちの複数が任意に選択されていてもよい。さらには、図3に示した以外のデータを対象データとしてもよい。
【0046】
なお、「プリントホールドデータ」は、プリントホールドモードの状態で受信された印刷指示データを意味する。このモードではコンピュータから印刷指示され、画像処理装置1によって受信されたデータは、直ちには画像出力部18によって印刷されずに、一旦記録部13に記録され、操作部19の操作を受けて出力(印刷)される。出力されたプリントホールドデータは削除される。
【0047】
「アドレス帳」は、画像処理装置1が備えている画像送信機能の送信先情報(FAXの電話番号、I−FAXのメールアドレス、PC送信のアドレス情報など)である。例えば、外線のFAX番号、社外のメールアドレスなど、重要な取引先の送信先情報が登録されている場合に認証機能を有効にできる。
【0048】
「ドキュメントファイリングデータ」は、画像処理装置1の画像入力部(スキャナなど)17から取り込まれたデータである。そのうち、「親展データ」は、マル秘、重要、社名ロゴなどのマークが付加されたデータであり、それらマークがないデータが「一般データ」である。従って、ドキュメントの重要度に応じて、認証機能を有効にすることもできる。
【0049】
なお、図3で設定された、認証機能を有効にする条件を記録し、これを用いて対象データが存在するか否かを判断する方法は、公知の種々の方法を用いることが可能である。例えば、認証機能を有効にする対象データの候補(図3の場合5つの候補)の各々にフラグを割り当てておき、選択された候補に対応するフラグを初期状態から反転させる(例えば“0”から“1”にする)。判断部14は、反転したフラグ(“1”になっているフラグ)に対応する候補に該当するファイルの有無を判断する。候補に該当するファイルを識別するには、例えば、データの種類毎に異なる拡張子が付与される場合には拡張子を、ファイル内にデータの種類を特定する情報が記録される場合にはその情報を、識別情報として用いることができる。従って、判断部14は、記録部13に存在するファイルが、指定された識別情報を有するか否かを判断すればよい。また、データの種類に応じて保存するディレクトリが特定されている場合には、ディレクトリ名を識別情報とし、判断部14は、記録部13の指定されたディレクトリ内にファイルが存在するか否かを判断すればよい。
【0050】
次に、認証機能を無効にする方法について説明する。図4は、図2に示した処理によって一旦有効になった認証機能を無効にする処理を示すフローチャートである。図4に示した処理は、例えば認証機能が有効になっている場合に、所定の時間間隔または所定のスケジュールに従って定期的に実行される。
【0051】
ステップS20において、判断部14は、認証機能を有効にすべき対象データが記録部13に存在するか否かを判断する。対象データ(図3の例ではFAX受信ホールドデータ)が存在しなければ、ステップS21に移行して、判断部14は認証部15の機能(認証機能)を無効にして終了する。対象データが存在すれば、何もせず(認証機能を有効に維持したまま)終了する。
【0052】
これによって、一旦有効になった認証機能を自動的に無効にすることができる。従って、秘匿すべきデータが保存されていないにもかかわらず、利用者に不要な認証を要求することを防止することができ、利用効率の低下を抑制することができる。
【0053】
上記では、画像データが入力される毎に、入力された画像データが認証機能を有効にする対象データであるか否かを判断し、対象データに該当すれば、認証機能を有効にする場合を説明したが、これに限定されない。画像データが入力される毎に判断せず、図4と同様に、認証機能を有効にすべきデータが記録されているか否かを定期的に判断するようにしてもよい。例えば、図4に示した処理を変更することで対応してもよい。即ち、ステップS20において、認証機能を有効にすべき対象データが記録部13に存在すると判断した場合、認証機能を有効にして終了するようにすればよい。そして、そのプログラムを、認証機能の有効/無効の状態に関係なく、短い時間間隔で実行するようにすればよい。
【0054】
また、上記では、操作部19に図3のように表示され、操作部19が操作されることによって認証機能を有効にする条件が設定される場合を説明したが、これに限定されない。認証機能を有効にする条件の設定は、ネットワークに接続された外部のコンピュータから行なうことも可能である。
【0055】
また、図1では、制御部とは別に判断部および認証部を備えた構成になっているが、制御部が、これらの一方の機能を実行するようにしてもよく、両者の機能を実行するようにしてもよい。
【0056】
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 画像処理装置
11 制御部
12 メモリ部
13 記録部
14 判断部
15 認証部
16 通信部
17 画像入力部
18 画像出力部
19 操作部
20 バス
21 ネットワーク
22 電話回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データの入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段から入力される画像データを記録する記録手段と、
前記記録手段に記録されている画像データの秘匿性の有無を判断する判断手段と、
利用者の認証を行う認証手段とを備え、
前記記録手段に記録されている少なくとも1つの画像データが秘匿性を有すると判断された場合、前記認証手段を有効にすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記記録手段に記録されている全ての画像データが秘匿性を有しない場合、前記認証手段を無効にすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記入力手段が画像データの入力を受け付け、入力された該画像データが前記記録手段に記録された場合、前記判断手段は、記録された該画像データの秘匿性の有無を判断し、該画像データが秘匿性を有すると判断された場合、前記認証手段を有効にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
操作手段をさらに備え、
前記操作手段を介して、前記秘匿性を有する画像データの種類が指定されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
指定される前記種類が、一般のドキュメントファイリングデータ、親展のドキュメントファイリングデータ、アドレス帳、FAX受信ホールドデータ、及び、プリントホールドデータからなる群の中から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判断手段が、前記記録手段に記録されている画像データの秘匿性の有無を、定期的に判断することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記入力手段から入力された画像データに基づいて画像を形成することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記入力手段から入力された画像データを外部に送信することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−65254(P2012−65254A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209564(P2010−209564)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】