説明

画像処理装置

【課題】非可逆圧縮された画像データを処理する画像処理装置において、精度良くモスキートノイズを検出する。
【解決手段】画像処理機能を有する複合機1は、画像データに含まれる画素データを順々に選択するとともに、該選択した画素データを中心とした探索範囲に含まれる複数の画素データの輝度成分から決定される該探索範囲の背景色が一定の濃度以下となる白背景であるか否かを判定する輝度判定処理(S4)と、探索範囲に含まれる複数の画素データの色差成分にばらつきが有るか否かを判定する色差判定処理(S8、S14)と、探索範囲に含まれる複数の画素データが、輝度判定処理により白背景であると判定され、かつ、色差判定処理によりばらつきが有ると判定された場合に、選択した画素データにモスキートノイズが有ると検出するノイズ検出処理(S10、S18)と、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される発明は、非可逆圧縮された画像データを処理する画像処理装置に用いられる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばJPEG圧縮などで圧縮された画像データを伸張して、伸張された画像データを用いて出力を行う画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。画像処理装置としては、例えば、プリンタ等の画像形成装置があり、画像形成装置では、圧縮画像を伸張した画像データを用紙に印刷して出力する。
【0003】
画像データの圧縮処理では、圧縮率を向上させるため、圧縮時に画像データの一部の情報が失われる非可逆処理が行われることがある。例えば、JPEG圧縮では、離散コサイン変換を施した際に得られる高周波成分を量子化によりカットする処理が行われる。すると、画像の急峻な変化を十分に表現できない為、圧縮画像を伸張した画像データでは、文字や線画の境界部分等のエッジ周辺にモスキートノイズが生じることがある。従来技術では、JPEG圧縮において、画像データを構成する複数の画素データのうち、エッジ部に相当する画素データの近傍でモスキートノイズの検出を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−262114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、モスキートノイズは、離散コサイン変換を行うブロック内で発生するため、画像データによっては、画像のエッジ部から離反した部分に相当する画素データにおいてモスキートノイズが生じることがある。その為、画像データを圧縮処理するブロックとモスキートノイズの検出を行う処理範囲の大小関係によっては、エッジ部から離反した部分に相当する画素データにおいてモスキートノイズが生じることがある。従来技術では、エッジ部に相当する画素データの近傍でしかモスキートノイズの検出を行わないことから、上記の場合にモスキートノイズが検出されない問題が生じていた。
【0006】
本発明は、非可逆圧縮された画像データを処理する画像処理装置において、精度良くモスキートノイズを検出する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される画像処理装置は、圧縮画像を伸張した画像データを入力する入力部と、制御部と、を備え、前記画像データは、複数の画素データによって構成されており、各画素データは、輝度成分と色差成分を含み、前記制御部は、前記画像データに含まれる前記画素データを順々に選択するとともに、該選択した画素データを中心とした所定範囲に含まれる複数の画素データの輝度成分から決定される該所定範囲の背景色が一定の濃度以下となる白背景であるか否かを判定する輝度判定処理と、前記所定範囲に含まれる複数の画素データの色差成分にばらつきが有るか否かを判定する色差判定処理と、前記所定範囲に含まれる複数の画素データが、前記輝度判定処理により白背景であると判定され、かつ、前記色差判定処理によりばらつきが有ると判定された場合に、該選択した画素データにモスキートノイズが有ると検出するノイズ検出処理と、を実行する。
【0008】
また、上記の画像処理装置では、前記画素データは、1つの輝度成分と2つの色差成分とを含み、前記色差判定処理では、少なくとも一方の色差成分にばらつきが有るか否かを判定する構成としても良い。
【0009】
また、上記の画像処理装置では、更に、前記ノイズ検出処理によりモスキートノイズが有ると検出された場合に、前記色差判定処理においてばらつきが有ると判定された色差成分に対して補正を行うノイズ補正処理を実行する構成としても良い。
【0010】
また、上記の画像処理装置では、前記色差判定処理では、2つの色差成分の各々に対してばらつきが有るか否かを判定し、前記ノイズ補正処理では、前記色差判定処理においてばらつきが有ると判定された色差成分毎に補正を行う構成としても良い。
【0011】
また、上記の画像処理装置では、前記輝度判定処理では、前記所定範囲に含まれる各画素データの輝度成分を基準輝度と比較し、前記基準輝度よりも高い輝度成分を有する前記画素データの数が基準数よりも大きい場合に、前記所定範囲が白背景であると判定する構成としても良い。
【0012】
また、上記の画像処理装置では、前記色差判定処理では、前記所定範囲に含まれる各画素データの色差成分と前記所定範囲に含まれる複数の画素データの色差成分の平均値との差分を求め、前記所定範囲における該差分の絶対値の合計から、色差成分にばらつきが有るか否かを判定する構成としても良い。
【0013】
また、上記の画像処理装置では、前記色差判定処理では、前記所定範囲に含まれる各画素データの色差成分と前記所定範囲に含まれる複数の画素データの色差成分の平均値との差分を求め、前記所定範囲における該差分の二乗値の合計から、色差成分にばらつきが有るか否かを判定する構成としても良い。
【0014】
また、上記の画像処理装置では、更に、前記圧縮画像を伸張して前記画像データを生成する伸張部を備え、前記入力部は、前記伸張部により生成された前記画像データを入力しており、前記圧縮画像では、輝度成分に比べて色差成分の圧縮率が高く設定されており、前記色差判定処理では、輝度成分の圧縮率に対する色差成分の圧縮率の比に基づいて、前記所定範囲に含まれる複数の画素データから所定データ数を減数し、減数された画素データの前記合計から、色差成分にばらつきが有るか否かを判定する構成としても良い。
【0015】
また、上記の画像処理装置では、前記画素データは、1つの輝度成分であるY成分と2つの色差成分であるCb成分とCr成分とを含む構成としても良い。
【0016】
また、上記の画像処理装置では、更に、JPEG圧縮画像を伸張して前記画像データを生成する伸張部を備え、前記入力部は、前記伸張部により生成された前記画像データを入力しており、前記所定範囲は、前記JPEG圧縮画像を伸張する際に実行されるDCT変換に必要な変換処理範囲よりも狭い構成としても良い。
【発明の効果】
【0017】
本明細書によって開示される画像処理装置では、選択した画素データを中心とした所定範囲にエッジ部に相当する画素データが有るか否かに関わらず、所定範囲が白背景である場合には、さらに所定範囲の色差のばらつきが有る場合にモスキートノイズが有ると検出する。そのため、従来技術のようにモスキートノイズが有ると検出される画素データが、エッジ部に相当する画素データの近傍に存在する画素データに限られず、エッジ部から離反した部分に相当する画素データに対してもモスキートノイズが有るか否かを検出することができ、精度良くモスキートノイズを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】複合機の斜視図
【図2】複合機の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図3】画像読取部によって読み取られた画像データが画像形成部によって印刷対象物に画像を形成するまでの流れを示す図
【図4】複数の画素データによって構成されている画像データと、JPEG圧縮/伸張処理のブロックを示す図
【図5】モスキートノイズ検出/除去回路の構成を概略的に示すシステム図
【図6】モスキートノイズ検出/除去処理を示すフローチャート
【図7】輝度判定処理を示すフローチャート
【図8】実施形態1の色度判定処理を示すフローチャート
【図9】処理範囲を示す図
【図10】実施形態2の色度判定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
実施形態1を、図1ないし図8を用いて説明する。
【0020】
1.複合機の構成
図1は、複合機1の概略構成を示す斜視図である。本形態の複合機1は、装置本体2と、この装置本体2の上部に配置された画像読取部20と、を備えている。装置本体2には、画像読取部20で読み取られた原稿の画像を印刷する画像形成部22が内蔵されている。また、複合機1の前面側には、USBインターフェイス(以下、USB I/F)24と、液晶ディスプレイからなる表示部26と、スタートキー、ストップキー、テンキー等から構成されるボタン群からなる操作部28と、が設けられている。
【0021】
図2は、複合機1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。複合機1は、更に、複合機1の各部を制御するASIC(特定用途向け集積回路)10を含む。画像読取部20は、原稿等を読み取り、その読み取られた画像データは、後述するJPEG圧縮回路15によってJPEG圧縮された上でRAM13に記憶される。USB I/F24は、外部装置であるUSBメモリに接続可能に構成されている。
【0022】
画像読取部20によって読み取られたJPEG圧縮された画像データやUSBメモリに記憶されたJPEG圧縮された画像データは、後述するJPEG伸張回路9によってJPEG伸張され、画像形成部22は、印刷対象物にその画像データの画像を形成する。
また、画像読取部20によって読み取られたJPEG圧縮された画像データやUSBメモリに記憶されたJPEG圧縮された画像データは、操作部28を介してユーザからの操作指令が入力されると、後述するJPEG伸張回路9によってJPEG伸張され、JPEG伸張された画像が表示部26に表示される。
【0023】
ASIC10は、中央処理装置(以下、CPU)11と、ROM12と、RAM13と、画像処理回路17と、を備え、これらにバス18を介して、画像読取部20、画像形成部22、USB I/F24などが接続されている。ASIC10のうち、CPU11と、ROM12と、RAM13と、画像処理回路17と、を含む構成群19は、制御部の一例である。
【0024】
ROM12には、複合機1の動作を制御するための各種のプログラムが記憶されており、CPU11は、ROM12から読み出したプログラムに従って、各部の制御を行う。例えば、CPU11は、画像読取部20を制御して原稿等を読み取らせ、画像処理回路17を制御して画像データDに各種処理を実行させ、画像形成部22を制御して印刷対象物に画像を形成させる。
【0025】
画像処理回路17は、画像補正回路14と、JPEG圧縮回路(以下、圧縮回路)15と、JPEG伸張回路(以下、伸張回路)9と、モスキートノイズ検出/除去回路(以下、検出/除去回路)16と、を含む。
図3は、画像読取部20によって読み取られた画像データDが画像形成部22によって印刷対象物に画像を形成するまでの流れを示した図である。画像補正回路14は、画像読取部20が読み取った画像データDに対して読取補正の処理を行う。
【0026】
圧縮回路15は、画像補正回路14によって画像データDが各種補正された補正後データD1をJPEG圧縮して、JPEG圧縮された圧縮データD2を生成する。そして、その圧縮データD2がRAM13に記憶される。伸張回路9は、RAM13に記憶された圧縮データD2をJPEG伸張し、伸張データD3を生成する。伸張回路9は、伸張部の一例である。
【0027】
伸張された伸張データD3は、後述する検出/除去回路16によってノイズが除去され、検出/除去回路16でノイズが除去されたノイズ除去データD4に対して画像補正回路14で各種補正がなされる。そして、画像補正回路14で各種補正された出力データD5がRAM13に記憶される。画像形成部22は、RAM13に記憶された出力データD5を用いて、印刷対象物にその画像データの画像を形成する。
【0028】
図4に示すように、画像データDは、複数の画素データGによって構成されている。画像データDにおいて、画素データGは、i方向及びi方向に直交するj方向に並んで配置されている。各画素データGは、輝度成分であるY成分、及び色差成分であるCb成分及びCr成分を含む。圧縮回路15及び伸張回路9は、画像データDにJPEG圧縮及びJPEG伸張の処理を実行する際に、図4に示す8×8個の画素データGのブロック毎にブロック処理を実行する。
【0029】
圧縮回路15が行うJPEG圧縮処理は、ブロックに含まれる画素データGを離散コサイン変換(DCT変換)し、周波数データに変換する。得られた周波数データを量子化する事により、周波数データの高周波成分がカットされる。そして、圧縮回路15は、ハフマン符号化等の処理を行うことによって最終的にJPEG圧縮された圧縮データD2としてRAM13に記憶する。
【0030】
そして、伸張回路9が行うJPEG伸張処理は、圧縮データD2に逆DCT変換を施し、伸張データD3を生成する。生成された伸張データD3には、カットされた高周波成分に起因したモスキートノイズが含まれることがある。検出/除去回路16は、伸張データD3に後述するモスキートノイズ検出/除去処理(以下、検出/除去処理)を実行することで伸張データD3に含まれるモスキートノイズを除去し、ノイズ除去データD4を生成する。
【0031】
図5に、検出/除去回路16のシステム構成を概略的に示す。検出/除去回路16は、画像入力部30と、ノイズ検出部32と、ノイズ除去部34と、画像出力部36と、を含み、ノイズ検出部32は、輝度判定部40と、Cb色差判定部46及びCr色差判定部47を含む色差判定部42と、検出部48と、を備える。画像入力部30は、伸張回路9により生成された伸張データD3を入力する。ノイズ検出部32は、伸張データD3にモスキートノイズが有るか否かを検出する。ノイズ除去部34は、伸張データD3にモスキートノイズがある場合に、当該モスキートノイズを除去し、ノイズ除去データD4を生成する。画像出力部36は、ノイズ除去データD4を出力する。画像入力部30は、入力部の一例である。
【0032】
2.モスキートノイズ検出/除去処理
次に、図6ないし図8を参照して、検出/除去処理について説明する。
【0033】
図6は、検出/除去回路16が実行する検出/除去処理のフローチャートを示す。検出/除去回路16は、伸張回路9により生成された伸張データD3が画像入力部30に入力されると、処理を開始する。
【0034】
検出/除去回路16は、処理を開始すると、ノイズ検出部32を用いて、伸張データD3に含まれる複数の画素データGから1つの画素データGを選択し、図4に示すように、選択画素データSGを中心とした5×5個の画素データGを探索範囲THとして設定する(S2)。探索範囲THは、所定範囲の一例であり、ブロックよりも狭い範囲に設定されている。ノイズ検出部32は、探索範囲THが設定されると、輝度判定部40を用いて輝度判定処理を実行する(S4)。
【0035】
(輝度判定処理)
図7に、輝度判定処理のフローチャートを示す。輝度判定処理及び後述する色差判定処理において、輝度判定部40及び色差判定部42は、探索範囲THに含まれる画素データGの1つを対象画素データTGとして選択し、図4に矢印56で示すように、この対象画素データTGを探索範囲TH内で移動させて各処理を行う。以下の説明において、対象画素データTGの座標を(i、j)で示し、探索範囲THに含まれる画素データGのうち、i方向に並んだ画素データGを順にi=0、1、・・・4と示し、j方向に並んだ画素データGを順にj=0、1、・・・4と示す。
【0036】
輝度判定部40は、輝度判定処理を開始すると、白画素カウント数nを初期化(n=0)し(S32)、対象画素データTGを(i、j)=(0、0)に設定する(S34、36)。次に、輝度判定部40は、対象画素データTGのY成分を基準輝度KYと比較し(S38)、対象画素データTGのY成分が基準輝度KY(一定の濃度の一例)よりも高い場合(S38:YES)、白画素カウント数nを「1」増加させる(S40)。つまり、白画素カウント数nは、探索範囲THにおける基準輝度KYよりも高いY成分を有する画素データGの数を示すということができる。一方、対象画素データTGのY成分が基準輝度KY以下の場合(S38:NO)、白画素カウント数nを維持する。
【0037】
輝度判定部40は、対象画素データTGのi座標を確認し、i方向に対して処理が終了しているか否かを確認する(S42)。輝度判定部40は、i方向に対して処理が終了していない場合、つまり、i座標が「4」でない場合(S42:NO)、i座標が「1」増加する方向に対象画素データTGを移動させ(S44)、S38からの処理を繰り返す。一方、i方向に対して処理が終了している場合、つまり、i座標が「4」である場合(S42:YES)、S46の処理に進む。
【0038】
また、輝度判定部40は、対象画素データTGのj座標を確認し、j方向に対して処理が終了しているか否かを確認する(S46)。輝度判定部40は、j方向に対して処理が終了していない場合、つまり、j座標が「4」でない場合(S46:NO)、j座標を「1」増加する方向に対象画素データTGを移動させ(S48)、S36からの処理を繰り返す。一方、j方向に対して処理が終了している場合、つまり、j座標が「4」である場合(S46:YES)、S50の処理に進む。
【0039】
輝度判定部40は、i方向及びj方向に対して処理が終了すると(S42、S46:YES)、白画素カウント数nを基準数Knと比較し(S50)、現在の選択画素データSGに対する探索範囲THの背景色が白背景であるか否かを判定する。輝度判定部40は、白画素カウント数nが基準数Knよりも大きい場合(S50:YES)、探索範囲THが白背景と判定し(S52)、輝度判定処理を終了する。一方、白画素カウント数nが基準数Kn以下の場合(S50:NO)、探索範囲THが白背景でないと判定し(S54)、輝度判定処理を終了する。
【0040】
輝度判定処理終了後、ノイズ検出部32は、検出部48を用いて、輝度判定処理により白背景でないと判定された場合(S6:NO)、現在の選択画素データSGに対する処理を終了し、S20の処理に進む。一方、ノイズ検出部32は,輝度判定処理により白背景と判定された場合(S6:YES)、色差判定部42を用いてさらに色差判定処理を実行する(S8〜S18)。色差判定部42は、色差判定処理において、各々の色差成分に対して個別に色差判定処理を実行する。色差判定処理において、色差判定部42は、まず、Cb色差判定部46を用いてCb色差判定処理を実行する(S8)。
【0041】
(Cb色差判定処理)
図8に、色差判定処理のフローチャートを示す。Cb色差判定部46は、Cb輝度判定処理を開始すると、探索範囲THに含まれる全ての画素データGのCb成分を平均した平均値Hを算出する(S62)。次に、Cb色差判定部46は、差分合計値mを初期化(m=0)し(S64)、対象画素データTGを(i、j)=(0、0)に設定する(S66、68)。次に、Cb色差判定部46は、対象画素データTGのCb成分を平均値Hと比較し、その差分の絶対値Z1を取得する(S70)。Cb色差判定部46は、取得した絶対値Z1を差分合計値mに加算する(S72)。つまり、差分合計値mは、探索範囲THにおける絶対値Z1の合計ということができる。
【0042】
Cb色差判定部46は、対象画素データTGのi座標を確認し、i方向に対して処理が終了しているか否かを確認する(S74)。Cb色差判定部46は、i方向に対して処理が終了していない場合、つまり、i座標が「4」でない場合(S74:NO)、i座標が「1」増加するように対象画素データTGを移動させ(S76)、S70からの処理を繰り返す。一方、Cb色差判定部46は、i方向に対して処理が終了している場合、つまり、i座標が「4」である場合(S74:YES)、S78の処理に進む。
【0043】
また、Cb色差判定部46は、対象画素データTGのj座標を確認し、j方向に対して処理が終了しているか否かを確認する(S78)。Cb色差判定部46は、j方向に対して処理が終了していない場合、つまり、j座標が「4」でない場合(S78:NO)、j座標を「1」増加するように対象画素データTGを移動させ(S80)、S68からの処理を繰り返す。一方、Cb色差判定部46は、j方向に対して処理が終了している場合、つまり、j座標が「4」である場合(S78:YES)、S82の処理に進む。
【0044】
Cb色差判定部46は、i方向及びj方向に対して処理が終了すると(S74、S78:YES)、差分合計値mを基準値KC1と比較し(S82)、現在の選択画素データSGにおける探索範囲THにCb成分のばらつきが有るか否かを判定する。Cb色差判定部46は、差分合計値mが基準値KC1よりも大きい場合(S82:YES)、Cb成分にばらつきが有ると判定し(S84)、Cb色差判定処理を終了する。一方、差分合計値mが基準値KC1以下の場合(S82:NO)、Cb成分にばらつきが無いと判定し(S86)、Cb色差判定処理を終了する。
【0045】
Cb色差判定処理終了後、ノイズ検出部32は、検出部48を用いて、輝度判定処理により白背景と判定され、かつCb色差判定処理によりCb成分にばらつきが有ると判定された場合(S6、S10:YES)、現在の選択画素データSGにモスキートノイズが有ると検出する。S10の処理は、ノイズ検出処理の一例である。
【0046】
この場合、ノイズ除去部34は、S10においてばらつきの有無が判定された現在の選択画素データSGのCb成分に対して補正を実行する(S12)。ノイズ除去部34は、現在の選択画素データSGのCb成分を「0」に変更し、S14の処理に進む。S12の処理は、ノイズ補正処理の一例である。一方、Cb色差判定処理によりCb成分にばらつきが無いと判定された場合(S10:NO)、S14の処理に進む。
【0047】
(Cr色差判定処理)
次に、色差判定部42は、Cr色差判定部47を用いてCr色差判定処理を実行する。Cr色差判定処理は、画素データGのCr成分を用いる他は、Cb色差判定処理と同一の処理であり、重複した説明を省略する。なお、Cb色差判定処理の基準値KC1とCr色差判定処理の基準値KC1とは、同一の値に設定されていても良ければ、異なる値に設定されていても良い。
【0048】
Cr色差判定処理終了後、ノイズ検出部32は、検出部48を用いて、輝度判定処理により白背景と判定され、かつCr色差判定処理によりCr成分にばらつきが有ると判定された場合(S6、S16:YES)、現在の選択画素データSGにモスキートノイズが有ると検出する。S16の処理は、ノイズ検出処理の別例である。
【0049】
この場合、ノイズ除去部34は、S16においてばらつきの有無が判定された現在の選択画素データSGのCr成分に対して補正を実行する(S18)。ノイズ除去部34は、現在の選択画素データSGのCr成分を「0」に変更するとともに、現在の選択画素データSGに対する処理を終了し、S20の処理に進む。S18の処理は、ノイズ補正処理の別例である。一方、Cr色差判定処理によりCr成分にばらつきが無いと判定された場合(S16:NO)、現在の選択画素データSGに対する処理を終了し、S20の処理に進む。
【0050】
現在の選択画素データSGに対する処理を終了すると、ノイズ検出部32は、伸張データD3に含まれる全ての画素データGが選択画素データSGとして選択されたか否かを確認する(S20)。ノイズ検出部32は、伸張データD3に含まれる画素データGの1つを選択画素データSGとして選択し、その選択画素データSGをi方向及びj方向に順々に移動させている。そして、ノイズ検出部32は、伸張データD3に含まれる全ての画素データGが選択画素データSGとして選択されたか否かを確認する際に、現在の選択画素データSGがi方向及びj方向の端に位置する画素データGであるか否かを確認する。ノイズ検出部32は、全ての画素データGが選択されていない場合(S20:NO)、選択画素データSGを移動させて更新し(S22)、S2からの処理を繰り返す。一方、ノイズ検出部32は、全て画素データGが選択されてた場合(S20:YES)、検出/除去処理を終了する。
【0051】
3.本実施形態の効果
(1)本実施形態の複合機1では、選択画素データSGにモスキートノイズが有ることを検出する際に、選択画素データSGを中心とした探索範囲THが白背景であるか否か、及び探索範囲THに色差成分のばらつきが有るか否かを判定し、探索範囲THに含まれる画素データGにエッジ部に相当する画素データGが含まれるか否かを判定しない。そのため、従来技術のようにモスキートノイズが有ると検出される画素データGが、エッジ部に相当する画素データGの近傍に存在する画素データGに限られず、エッジ部から離反した部分に相当する画素データGに対してもモスキートノイズが有るか否かを検出することができ、精度良くモスキートノイズを検出することができる。
【0052】
(2)本実施形態の複合機1では、選択画素データSGにモスキートノイズが有ると検出された場合に、その直前の処理においてばらつきの有無が判定された色差成分に対してノイズ補正処理を実行する。そのため、直前の処理においてばらつきの有無が判定されていない色差成分や、それ以前の処理においてばらつきが無いと判定された色差成分、更には以前の処理においてノイズ補正処理が既に実行された色差成分にまでノイズ補正処理が実行されることが抑制され、ノイズ補正処理に必要な時間を短縮することができる。
【0053】
(3)本実施形態の複合機1では、色差判定処理において、画素データGに含まれる2つの色差成分の各々に対してばらつきの有無を判定し、ノイズ補正処理では、ばらつきが有ると判定された色差成分毎に補正を行う。そのため、画素データGに含まれる2つの色差成分の各々に対してばらつきの有無を判定した場合でも、色差判定処理においてばらつきが無いと判定された色差成分にまで補正が行われることが抑制され、ノイズ補正に必要な時間を短縮することができる。
【0054】
(4)本実施形態の複合機1では、色差判定処理において、基準輝度KYよりも高いY成分を有する画素データGの数nを基準数Knと比較して探索範囲THが白背景であるか否かを判定する。
【0055】
一般に、画素データGのY成分の値と、画素データGの色の濃さを示す濃度の値とは、反比例の関係にあり、Y成分の高い画素データGでは、濃度が低くなる。そのため、基準輝度KYよりも高いY成分を有する画素データGの数nは、所定濃度よりも低い濃度を有する画素データGの数nを示しており、当該画素データGの数nから、探索範囲THの背景色が一定の濃度以下であるか、つまり、探索範囲THが白背景であるか否かを判定することができる。
【0056】
この複合機1では、基準輝度KYよりも高いY成分を有する画素データGの数nを用いて探索範囲THが白背景であるか否かを判定するので、探索範囲THが白背景であるか否かを判定しやすい。
【0057】
(5)本実施形態の複合機1では、色差判定処理において、各画素データGの色差成分と色差成分の平均値Hとの差分の絶対値Z1の合計mから色差成分にばらつきが有るか否かを判定するので、例えば差分の階乗値の合計から色差成分のばらつきを判定する場合に比べて、該判定に必要な演算量を抑制することができる。
【0058】
(6)本実施形態の複合機1では、JPEG圧縮及びJPEG伸張の処理において設定されるブロックよりも狭い探索範囲THにおいてモスキートノイズを検出するので、探索範囲THをブロックと同一の範囲に設定する場合に比べて、モスキートノイズの検出に必要な時間を抑制することができる。
【0059】
一般に、ブロックにエッジ部に相当する画素データGが含まれていた場合、そのブロックに含まれる画素データGにモスキートノイズが発生する可能性がある。そのため、従来技術のように、ブロックよりも狭い探索範囲THを設定し、かつその探索範囲THをエッジ部に相当する画素データGが含まれるように決定してしまうと、探索範囲THには含まれないがブロックには含まれる画素データGにモスキートノイズが含まれている場合、従来技術では、モスキートノイズを補正することができなかった。
【0060】
この複合機1では、探索範囲THをブロックよりも狭い範囲に設定することで、モスキートノイズの検出に必要な時間を抑制する効果を得ながら、探索範囲THをエッジ部に相当する画素データGが含まれる場合のみに設定するのではなく、画像データDに含まれる画素データGの各々に対して設定してモスキートノイズの検出を実行するので、精度良くモスキートノイズを検出することができる。
【0061】
<実施形態2>
実施形態2を、図9または図10を用いて説明する。本実施形態は、色差判定処理において実施形態1と異なる。本実施形態では、各色成分の空間的な間引きをあらわすサンプリングファクタ(Y:Cb:Cr)=(4:2:0)において、色差成分が輝度成分の4分の1に圧縮される形態を想定している。具体的には、図9に示すように、JPEG圧縮の際に、点線50で囲まれる4つの画素データGの各色差成分の平均値が求められ、その平均値を用いて圧縮データD2が生成される。そのため、圧縮データD2を伸張した伸張データD3においても、点線50で囲まれる4つの画素データGは、同一の色差成分を有している。
以下の説明では、実施形態1と同一の内容については重複した記載を省略する。
【0062】
1.Cb色差判定処理
図10に、本実施形態の色差判定処理のフローチャートを示す。Cb色差判定部46は、Cb輝度判定処理を開始すると、探索範囲THに含まれる全ての画素データGのCb成分を平均した平均値Hを算出する(S62)。次に、Cb色差判定部46は、差分合計値mを初期化(m=0)し(S64)、対象画素データTGを(i、j)=(0、0)に設定する(S66、68)。次に、Cb色差判定部46は、対象画素データTGのCb成分を平均値Hと比較し、その差分の2乗値Z2を取得する(S90)。Cb色差判定部46は、取得した2乗値Z2を差分合計値mに加算する(S92)。つまり、差分合計値mは、探索範囲THにおける2乗値Z2の合計ということができる。
【0063】
Cb色差判定部46は、対象画素データTGのi座標を確認し、i方向に対して処理が終了しているか否かを確認する(S74)。Cb色差判定部46は、i方向に対して処理が終了していない場合、つまり、i座標が「4」でない場合(S74:NO)、矢印52に示すように、i座標が「2」増加するように対象画素データTGを移動させ(S94)、S90からの処理を繰り返す。一方、Cb色差判定部46は、i方向に対して処理が終了している場合、つまり、i座標が「4」である場合(S74:YES)、S78の処理に進む。
【0064】
また、Cb色差判定部46は、対象画素データTGのj座標を確認し、j方向に対して処理が終了しているか否かを確認する(S78)。Cb色差判定部46は、j方向に対して処理が終了していない場合、つまり、j座標が「4」でない場合(S78:NO)、矢印54に示すように、j座標を「2」増加するように対象画素データTGを移動させ(S96)、S68からの処理を繰り返す。一方、Cb色差判定部46は、j方向に対して処理が終了している場合、つまり、j座標が「4」である場合(S78:YES)、S98の処理に進む。
【0065】
Cb色差判定部46は、i方向及びj方向に対して処理が終了すると(S74、S78:YES)、差分合計値mを基準値KC2と比較し(S98)、現在の選択画素データSGにおける探索範囲THにCb成分のばらつきが有るか否かを判定する。Cb色差判定部46は、差分合計値mが基準値KC1よりも大きい場合(S98:YES)、Cb成分にばらつきが有ると判定し(S84)、Cb色差判定処理を終了する。一方、差分合計値mが基準値KC1以下の場合(S98:NO)、Cb成分にばらつきが無いと判定し(S86)、Cb色差判定処理を終了する。なお、Cr色差判定処理についても、画素データGのCr成分を用いる他は、Cb色差判定処理と同一である。
【0066】
2.本実施形態の効果
(1)本実施形態の複合機1では、色差成分が輝度成分の4分の1に圧縮されており、図9に点線50で囲まれる4つの画素データGの色差成分が同一であることを利用して、色差判定処理を簡略化する。つまり、探索範囲THに含まれる画素データGのうち、i方向及びj方向に並んだ2つの画素データGが同一の色差成分を有していることを利用して、対象画素データTGをi方向及びj方向に移動させる際に、「2」増加するように移動させる。そのため、「1」増加するように移動させる場合に比べて、色差判定処理に必要な演算量を抑制することができる。
【0067】
(2)本実施形態の複合機1では、色差判定処理において、各画素データGの色差成分と色差成分の平均値Hとの差分の2乗値Z2の合計mから色差成分にばらつきが有るか否かを判定するので、例えば差分の絶対値の合計から色差成分のばらつきを判定する場合に比べて、ばらつきを精度良く判定することができる。
【0068】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、スキャナ機能及びプリンタ機能を有する複合機1を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られない。例えば、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などのうちの少なくとも1つの機能を備えた装置であっても良い。
【0069】
(2)また、上記の機能を全く有していなくても良い。例えば、他の装置を用いてJPEG圧縮され、JPEG伸張されてUSBメモリに記憶された伸張データD3に対して検出/除去処理が実行されても良い。USB I/F24は、入力部の別例である。さらには、他の装置を用いてJPEG圧縮された圧縮データD2をUSB I/F24を介してRAM13に記憶し、伸張回路9を用いてこの伸張データD3を伸張し、伸張した伸張データD3に対して検出/除去処理が実行されても良い。
【0070】
(3)上記実施形態では、制御部がCPU11と、ROM12と、RAM13と、画像処理回路17と、を含む構成群19である例を用いて説明を行ったが、制御部がお互いに異なるCPU、ASICや、各種処理を実行する専用の機器などを用いて構成されていても良い。
【0071】
(4)また、CPU11が実行するプログラムが必ずしもROM12に記憶されている必要はなく、CPU11自身に記憶されていてもよければ、他の記憶装置に記憶されていても良い。
【0072】
(5)上記実施形態では、画素データGが色差成分としてCb成分及びCr成分を有する例を用いて説明を行ったが、Pb成分及びPr成分など、画素データGが他の形式の色差成分を有している場合にも適用することができる。
【0073】
(6)上記実施形態では、サンプリングファクタ(4:2:0)における、色差成分が輝度成分の4分の1に圧縮される形態を想定して説明を行ったが、4:2:2など、色差成分が輝度成分の2分の1に圧縮される形態を想定しても良い。この場合、色差判定処理において、対象画素データTGをi方向にのみ「2」増加するように移動させる。これにより、i方向に「1」増加するように移動させる場合に比べて、色差成分のばらつきの判定に必要な演算量を抑制することができる。
【0074】
(7)上記実施形態では、画像データDの圧縮/伸張形式として、JPEG圧縮/伸張を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られない。圧縮/伸張の処理において、非可逆処理を含み、検出/除去処理が必要な圧縮/伸張形式であれば、特に限定され無い。
【0075】
(8)上記実施形態では、輝度判定処理において、白画素カウント数nを探索範囲THにおける基準輝度KYよりも高いY成分を有する画素データGの数とし、これを基準数Knと比較することで、白背景であるか否かを判定したが、白背景の判定条件はこれに限られない。例えば、探索範囲THに含まれる全ての画素データGのY成分を平均した平均値HYを算出し、これを基準輝度KYと比較することで、白背景であるか否かを判定しても良い。
【0076】
(9)上記実施形態では、画素データGに含まれる2つの色差成分に各々色差判定処理を実行する例を用いて説明を行ったが、必ずしも2つの色差成分に色差判定処理を実行する必要はない。少なくとも一方の色差成分に対して色差判定処理を実行することで、モスキートノイズが有るか否かを検出することができ、当該色差判定処理が実行された色差成分に対してノイズ補正処理を実行することができる。
【符号の説明】
【0077】
1:複合機、9:JPEG伸張回路、10:ASIC、11:CPU、14:画像補正回路、15:JPEG圧縮回路、16:モスキートノイズ検出/除去回路、17:画像処理回路、24:USB I/F、30:画像入力部、32:ノイズ検出部、34:ノイズ除去部、36:画像出力部、40:輝度判定部、42:色差判定部、48:検出部、D:画像データ、D1:補正後データ、D2:圧縮データ、D3:伸張データ、D4:ノイズ除去データ、D5:出力データ、G:画素データ、SG:選択画素データ、TG:対象画素データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮画像を伸張した画像データを入力する入力部と、
制御部と、
を備え、
前記画像データは、複数の画素データによって構成されており、各画素データは、輝度成分と色差成分を含み、
前記制御部は、
前記画像データに含まれる前記画素データを順々に選択するとともに、該選択した画素データを中心とした所定範囲に含まれる複数の画素データの輝度成分から決定される該所定範囲の背景色が一定の濃度以下となる白背景であるか否かを判定する輝度判定処理と、
前記所定範囲に含まれる複数の画素データの色差成分にばらつきが有るか否かを判定する色差判定処理と、
前記所定範囲に含まれる複数の画素データが、前記輝度判定処理により白背景であると判定され、かつ、前記色差判定処理によりばらつきが有ると判定された場合に、該選択した画素データにモスキートノイズが有ると検出するノイズ検出処理と、
を実行する、画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記画素データは、1つの輝度成分と2つの色差成分とを含み、
前記色差判定処理では、少なくとも一方の色差成分にばらつきが有るか否かを判定する、画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
更に、
前記ノイズ検出処理によりモスキートノイズが有ると検出された場合に、前記色差判定処理においてばらつきが有ると判定された色差成分に対して補正を行うノイズ補正処理を実行する、画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置であって、
前記色差判定処理では、2つの色差成分の各々に対してばらつきが有るか否かを判定し、
前記ノイズ補正処理では、前記色差判定処理においてばらつきが有ると判定された色差成分毎に補正を行う、画像処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記輝度判定処理では、前記所定範囲に含まれる各画素データの輝度成分を基準輝度と比較し、前記基準輝度よりも高い輝度成分を有する前記画素データの数が基準数よりも大きい場合に、前記所定範囲が白背景であると判定する、画像処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記色差判定処理では、前記所定範囲に含まれる各画素データの色差成分と前記所定範囲に含まれる複数の画素データの色差成分の平均値との差分を求め、前記所定範囲における該差分の絶対値の合計から、色差成分にばらつきが有るか否かを判定する、画像処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記色差判定処理では、前記所定範囲に含まれる各画素データの色差成分と前記所定範囲に含まれる複数の画素データの色差成分の平均値との差分を求め、前記所定範囲における該差分の二乗値の合計から、色差成分にばらつきが有るか否かを判定する、画像処理装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の画像処理装置であって、
更に、
前記圧縮画像を伸張して前記画像データを生成する伸張部を備え、
前記入力部は、前記伸張部により生成された前記画像データを入力しており、
前記圧縮画像では、輝度成分に比べて色差成分の圧縮率が高く設定されており、
前記色差判定処理では、輝度成分の圧縮率に対する色差成分の圧縮率の比に基づいて、前記所定範囲に含まれる複数の画素データから所定データ数を減数し、減数された画素データの前記合計から、色差成分にばらつきが有るか否かを判定する、画像処理装置。
【請求項9】
請求項2ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記画素データは、1つの輝度成分であるY成分と2つの色差成分であるCb成分とCr成分とを含む、画像処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
更に、
JPEG圧縮画像を伸張して前記画像データを生成する伸張部を備え、
前記入力部は、前記伸張部により生成された前記画像データを入力しており、
前記所定範囲は、前記JPEG圧縮画像を伸張する際に実行されるDCT変換に必要な変換処理範囲よりも狭い、画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−114449(P2013−114449A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260053(P2011−260053)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】