説明

画像処理装置

【課題】ユーザが記憶媒体を接続部に接続する際、印刷処理又は読み取り処理を実行するかを選択することなく、ユーザ所望の処理に対応する設定画面を表示する。
【解決手段】印刷処理又は読み取り処理の設定画面を表示する操作部60と、接続部30に外部メモリ2が接続されたときに、外部メモリ2に記憶されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、この抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されているか否かを判定する判定部71と、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていると判定された場合に、印刷処理の設定画面を操作部60に表示させ、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていないと判定された場合に、読み取り処理の設定画面を操作部60に表示させる機器制御部72とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷する印刷処理、及び印刷媒体から画像データを読み取る読み取り処理を実行する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ファイルを記憶した記録メディアをプリンタ等の画像処理装置のスロットに差し込むことにより、記録メディアから電子ファイルを読み出して印刷するダイレクトプリントが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、記録メディア取付部に取り付けられた記録メディアを認識すると、記録メディアをマウントし、表示処理部が、記録メディアのファイルシステムをパネルに表示し、ユーザが指示受付部を介して印刷するファイル(電子ファイル)を選択すると、選択されたファイルを記録メディアから読み出し、印刷する画像処理装置が提案されている。
【0004】
また、一般的に、記録メディアをプリンタ等の画像処理装置のスロットに差し込むことにより、スキャナなどにより読み取られた電子ファイルを記録メディアに記憶する機能を有するプリンタもよく知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−46554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術に、読み取られた電子ファイルを記録メディアに記憶する技術を組み合わせた場合、プリンタは、記録メディアから電子ファイルを読み出して印刷する印刷処理、又は読み取られた電子ファイルを記録メディアに記憶する読み取り処理のいずれの処理を実行するかを選択するための選択画面を表示し、ユーザに選択させる必要があった。
【0007】
そのため、ユーザは、記録メディア(記憶媒体)を記録メディア取付部(接続部)に取り付ける際、その都度、印刷処理又は読み取り処理を実行するかを選択する必要があり、この操作がユーザにとって煩わしかった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが記憶媒体を接続部に接続する際、その都度、印刷処理又は読み取り処理を実行するかを選択することなく、ユーザ所望の処理に対応する設定画面を表示する画像処理装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置の第1の特徴は、印刷媒体に印刷する印刷処理、及び印刷媒体から画像データを読み取る読み取り処理を実行する画像処理装置であって、前記印刷処理又は前記読み取り処理の設定画面を表示する表示手段と、記憶媒体を接続する接続手段と、前記接続手段に前記記憶媒体が接続されたときに、前記記憶媒体に記憶されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、この抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが前記記憶媒体に記憶されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていると判定された場合に、前記印刷処理の設定画面を前記表示手段に表示させ、前記経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていないと判定された場合に、前記読み取り処理の設定画面を前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えたことにある。
【0010】
本発明に係る画像処理装置の第2の特徴は、前記判定手段は、前記接続手段に前記記憶媒体が接続されたときに、前記記憶媒体に記憶されたデータ毎に、前記データが前記印刷処理を実行可能な種類のデータであるか否かを判定し、前記印刷処理を実行可能な種類のデータであると判定されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、前記抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが前記記憶媒体に記憶されているか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像処理装置の第3の特徴は、前記制御手段は、前記判定手段により、前記経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが複数記憶されていると判定された場合、これら複数のデータから1以上のデータを選択する選択画面を前記表示手段に表示させ、前記選択画面から1以上のデータを選択された場合に前記印刷処理の設定画面を前記表示手段に表示させることにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る画像処理装置の第1の特徴によれば、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていると判定された場合に、印刷処理の設定画面を表示手段に表示させ、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていないと判定された場合に、読み取り処理の設定画面を表示手段に表示させるので、ユーザが記憶媒体を接続部に接続する際、その都度、印刷処理又は読み取り処理を実行するかを選択することなく、ユーザ所望の処理に対応する設定画面を表示することができる。
【0013】
本発明に係る画像処理装置の第2の特徴によれば、接続手段に記憶媒体が接続されたときに、記憶媒体に記憶されたデータ毎に、データが前記印刷処理を実行可能な種類のデータであるか否かを判定するので、必要なデータのみを抽出することができるので、処理の負荷を低減することができる。
【0014】
本発明に係る画像処理装置の第3の特徴によれば、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが複数記憶されていると判定された場合、これら複数のデータから1以上のデータを選択する選択画面を表示手段に表示させ、選択画面から1以上のデータを選択された場合に印刷処理の設定画面を表示手段に表示させるので、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが複数記憶されていると判定された場合においても、ユーザの選択操作によって、所望の複数のデータを一括して印刷させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示した機能構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である画像処理装置の接続部周辺の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像処理装置における処理手順を示したフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の操作部の表示/入力パネルに表示された選択画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の一実施形態では、印刷媒体に印刷する印刷処理、及び印刷媒体から画像データを読み取る読み取り処理を実行するインクジェット式の画像処理装置を例に挙げて説明する。
【0018】
<画像処理装置の機能構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の機能構成を示した機能構成図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1は、印刷部10と、画像読み取り部20と、接続部30と、操作部60と、制御部70とを備えている。
【0020】
印刷部10は、印刷処理を実行する。具体的には、印刷部10は、複数の印字ヘッドが組み込まれたC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色のヘッドユニットを備え、印刷条件により定められる速度で印刷用紙を搬送しながら、ヘッドユニットからインクを吐出することにより、ライン単位で印刷用紙に印刷する。
【0021】
画像読み取り部20は、読み取り処理を実行する。具体的には、画像読み取り部20は、画像処理装置1の上部に設けられ、図示しないが、原稿を載置するコンタクトガラス、このコンタクトガラスに対して接離自在に設けられたカバー、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査する走査ユニット、走査された画像を集束するレンズ、及び集束された画像を処理する画像処理部20aを備えている。
【0022】
そして、走査ユニットがコンタクトガラス上に載置された原稿を1ライン毎に走査し、画像処理部20aが走査された画像を処理することにより、画像データを読み取る。
【0023】
接続部30は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等で構成された外部メモリ2が接続されることにより、外部メモリ2に記憶されているデータを読み出し、又はデータを外部メモリ2に記憶する。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態である画像処理装置1の接続部30周辺の斜視図である。
【0025】
図2に示すように、接続部30は、外部メモリ2を接続する接続口30aを備えており、この接続口30aに外部メモリ2が接続されることにより、外部メモリ2に記憶されているデータを読み出す。ここで、外部メモリ2に記憶されるデータは、テキストデータ、画像データ等であり、それぞれのデータ毎に、データの種類や、作成者、外部メモリに記憶された日時を示す時点情報などの属性データが付加されている。
【0026】
また、接続部30は、接続口30aに外部メモリ2が接続されることにより、データを外部メモリ2に記憶する。
【0027】
操作部60は、画像処理装置1の上部に設けられ、表示/入力パネル61と、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも図示せず)等の各種操作キーとを備え、利用者操作に基づく操作信号を制御部70に供給する。
【0028】
操作部60の表示/入力パネル61は、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置された液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。利用者は、液晶表示パネルの表示された印刷処理の設定画面や、読み取り処理の設定画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで、各種の設定操作等を行うことができる。
【0029】
制御部70は、画像処理装置1の中枢的制御を行う。また、制御部70は、その機能上、判定部71と、機器制御部72とを備えている。
【0030】
判定部71は、接続部30に外部メモリ2が接続されたときに、外部メモリ2に記憶されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、この抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されているか否かを判定する。
【0031】
機器制御部72は、判定部71により、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていると判定された場合に、印刷処理の設定画面を操作部60の表示/入力パネル61に表示させる。
【0032】
また、機器制御部72は、判定部71により、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが複数記憶されていると判定された場合、これら複数のデータから1以上のデータを選択する選択画面を操作部60の表示/入力パネル61に表示させ、選択画面から1以上のデータを選択された場合に印刷処理の設定画面を操作部60の表示/入力パネル61に表示させる。
【0033】
さらに、機器制御部72は、判定部71により、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていないと判定された場合に、読み取り処理の設定画面を操作部60の表示/入力パネル61に表示させる。
【0034】
<画像処理装置の作用>
次に、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1における作用について説明する。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1における処理手順を示したフローチャートである。
【0036】
図3に示すように、まず、制御部70は、外部メモリ2が接続部30に接続されたことを検出すると(ステップS101)、制御部70の判定部71は、外部メモリ2に記憶されたデータ毎に、記憶された日時を示す時点情報を抽出する(ステップS103)。
【0037】
そして、判定部71は、抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されているか否かを判定する(ステップS105)。
【0038】
ユーザは、画像処理装置1に印刷をさせたい場合、例えば、自身が使用している端末などに外部メモリ2を接続し、この接続された外部メモリ2に印刷させたいデータを記憶させ、次に、このデータが記憶された外部メモリ2を画像処理装置1の接続部30に接続する。そのため、画像処理装置1に印刷をさせたい場合には、外部メモリ2に記憶された時点から比較的短い時間しか経過していないデータが記憶されている可能性が高い。
【0039】
一方、ユーザは、画像処理装置1に画像データの読み取りをさせたい場合、わざわざ、自身の端末を使用して、外部メモリ2にデータを記憶させる操作を行う必要がないので、外部メモリ2には、データが記憶されていないか、又は、外部メモリ2に記憶された時点から比較的長い時間が経過したデータが記憶させている可能性が高い。
【0040】
そこで、画像処理装置1は、後述するように、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されているか否かによって、画像処理又は読み取り処理のいずれを実行するかを判定する。
【0041】
具体的には、ステップS105において、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されていないと判定された場合(NOの場合)、機器制御部72は、動作モードを「読み取り処理モード」に設定する。ここで、「読み取り処理モード」が、設定されると、操作部60の表示/入力パネル61に、読み取り処理の設定画面が表示され、画像読み取り部20による読み取り処理の実行が可能なように各種準備動作を行われる。
【0042】
また、記憶時間閾値は、短すぎると、外部メモリ2に記憶された時点から短い時間しか経過していないのに、「読み取り処理モード」に設定してしまい、逆に、長すぎると、外部メモリ2に記憶された時点から比較的長い時間が経過したデータが記憶されているのに、後述する「画像処理モード」に設定してしまい、ユーザが意図した処理と異なる動作モードが設定されてしまう。そのため、例えば30(分)といったように、予め実測に基づいた適正な値を予め算出して設定しておく必要がある。
【0043】
次に、機器制御部72は、読み取り開始が要求されたか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、機器制御部72は、操作部60から、読み取りを開始させるためのスタートキーが押下操作された場合、読み取り開始が要求されたと判定する。
【0044】
ステップS109において、読み取り開始が要求されたと判定された場合(YESの場合)、機器制御部72は、画像読み取り部20に読み取り処理を実行させる(ステップS111)。具体的には、機器制御部72の指示に基づき、画像読み取り部20の走査ユニットがコンタクトガラス上に載置された原稿を1ライン毎に走査し、画像処理部20aが走査された画像を処理することにより、画像データを読み取る。そして、機器制御部72は、この読み取られた画像データを接続部30に接続された外部メモリ2に記憶させる。
【0045】
このように、判定部71により、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていないと判定された場合に、読み取り処理の設定画面を操作部60の表示/入力パネル61に表示させるので、ユーザは、画像処理装置1に画像データの読み取りをさせたい場合、外部メモリ2を接続部30に接続するだけで、自動的に、「読み取り処理モード」が、設定され、操作部60の表示/入力パネル61に、読み取り処理の設定画面が表示されるので、わざわざ印刷処理を実行するのか、又は読み取り処理を実行するのかを選択する操作を行うことなく、読み取りのスタートキーを押下操作することができる。
【0046】
一方、ステップS105において、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されていると判定された場合(YESの場合)、機器制御部72は、動作モードを「印刷処理モード」に設定する。ここで、「印刷処理モード」が、設定されると、操作部60の表示/入力パネル61に、印刷処理の設定画面が表示され、印刷部10による印刷処理の実行が可能なように各種準備動作を行われる。
【0047】
次に、機器制御部72は、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが1件か否かを判定する(ステップS115)。
【0048】
ステップS115において、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが複数あると判定された場合(NOの場合)、機器制御部72は、操作部60の表示/入力パネル61に、複数のデータを一覧表示し、この一覧表示されたデータから1以上のデータを選択するための選択画面を表示させる(ステップS117)。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の操作部60の表示/入力パネル61に表示された選択画面の一例を示した図である。
【0050】
図4に示すように、印刷処理の設定画面101の画面内に、選択画面102が表示されている。
【0051】
選択画面102には、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータの一覧が、色反転された状態(選択候補として指定された状態)でデータ一覧103に表示されている。そして、ユーザにより、OKボタン105が押下操作されると、機器制御部72は、色反転されたデータが選択されたと判定する。
【0052】
ここで、データ一覧103に表示された各データの全ては、予め色反転された状態で表示されているが、ユーザが、データ一覧103にタッチ操作することにより選択候補から解除することももちろん可能である。
【0053】
図3に戻り、ステップS119において、機器制御部72は、データが選択されたか否かを判定し、データが選択されたと判定された場合(YESの場合)、機器制御部72は、印刷開始が要求されたか否かを判定する(ステップS121)。具体的には、機器制御部72は、操作部60から、印刷を開始させるためのスタートキーが押下操作された場合、印刷開始が要求されたと判定する。
【0054】
ステップS121において、印刷開始が要求されたと判定された場合(YESの場合)、機器制御部72は、印刷部10に印刷処理を実行させる(ステップS123)。具体的には、印刷部10は、印刷条件により定められる速度で印刷用紙を搬送しながら、選択されたデータに基づいて、ヘッドユニットからインクを吐出することにより、ライン単位で印刷用紙に印刷する。
【0055】
このように、判定部71により、経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていると判定された場合に、印刷処理の設定画面を操作部60の表示/入力パネル61に表示させるので、ユーザは、画像処理装置1に印刷をさせたい場合、外部メモリ2を接続部30に接続するだけで、自動的に、「印刷処理モード」が設定され、操作部60の表示/入力パネル61に、印刷処理の設定画面が表示されるので、わざわざ印刷処理を実行するのか、又は読み取り処理を実行するのかを選択する操作を行うことなく、印刷のスタートキーを押下操作することができる。
【0056】
以上のように、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1によれば、ユーザが記憶媒体を接続部に接続する際、その都度、印刷処理又は読み取り処理を実行するかを選択することなく、ユーザ所望の処理に対応する設定画面を表示することができる。
【0057】
なお、本発明の一実施形態では、記憶時間閾値は、例えば30(分)といったように、予め実測に基づいた適正な値を予め算出して設定する画像処理装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、記憶時間閾値は、設定後に変更できるようにしてもよい。
【0058】
なお、本発明の一実施形態では、接続部30に外部メモリ2が接続されたときに、外部メモリ2に記憶されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、この抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されているか否かを判定する判定部71を備えた構成としたが、これに限らない。
【0059】
例えば、判定部71は、接続部30に外部メモリ2が接続されたときに、外部メモリ2に記憶されたデータ毎に、データが印刷処理を実行可能な種類のデータであるか否かを判定し、印刷処理を実行可能な種類のデータであると判定されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが外部メモリ2に記憶されているか否かを判定するようにしてもよい。
【0060】
ここで、データの種類は、時点情報と同様に印刷ジョブに含まれるデータ種別情報から抽出され、予め拡張子毎に印刷部10が実行可能か否かを定めた実行可能ルール情報に基づいて、外部メモリ2に記憶されたデータが印刷処理を実行可能な種類のデータであるか否かが判定される。
【0061】
例えば、実行可能ルール情報には、プリンタドライバで作成したファイルや、PDF(Portable Document Format)データや、文書作成ソフトや表計算ソフトにより作成されたデータを印刷処理が実行可能な種類のデータとし、アプリケーションのデータファイルや実行ファイルなどを印刷処が実行不可能な種類のデータとして予め記憶しておく。
【0062】
また、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1では、ライン単位で印刷を行うインクジェット方式のラインカラープリンタを例に挙げて説明したが、これに限らず、シリアルインクジェット方式、レーザ方式、又は孔版印刷方式等の画像処理装置であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…画像処理装置
2…外部メモリ(記憶媒体)
10…印刷部
20…画像読み取り部
20a…画像処理部
30…接続部
30a…接続口
60…操作部
61…表示/入力パネル
70…制御部
71…判定部
72…機器制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に印刷する印刷処理、及び印刷媒体から画像データを読み取る読み取り処理を実行する画像処理装置であって、
前記印刷処理又は前記読み取り処理の設定画面を表示する表示手段と、
記憶媒体を接続する接続手段と、
前記接続手段に前記記憶媒体が接続されたときに、前記記憶媒体に記憶されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、この抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが前記記憶媒体に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていると判定された場合に、前記印刷処理の設定画面を前記表示手段に表示させ、前記経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが記憶されていないと判定された場合に、前記読み取り処理の設定画面を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記接続手段に前記記憶媒体が接続されたときに、前記記憶媒体に記憶されたデータ毎に、前記データが前記印刷処理を実行可能な種類のデータであるか否かを判定し、前記印刷処理を実行可能な種類のデータであると判定されたデータ毎に、記憶された時点を示す時点情報を抽出し、前記抽出された時点情報に基づいて、記憶された時点から現在までの時間である経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが前記記憶媒体に記憶されているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記判定手段により、前記経過時間が所定の記憶時間閾値未満であるデータが複数記憶されていると判定された場合、これら複数のデータから1以上のデータを選択する選択画面を前記表示手段に表示させ、前記選択画面から1以上のデータを選択された場合に前記印刷処理の設定画面を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−46190(P2013−46190A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182255(P2011−182255)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】