説明

画像処理装置

【課題】省電力状態の装置を通常状態に復帰させることなく管理対象の全画像処理装置の装置情報を調べて、より適切な所定台数の画像処理装置が通常状態になるように制御する画像処理装置を提供する。
【解決手段】各画像処理装置10は全画像処理装置の装置情報が登録されたテーブル40を保持すると共に、通常状態の画像処理装置10が最新のテーブル40を保持するように情報を受け渡しする。自装置を通常状態から省電力状態へ移行させるときに自装置のテーブル40を参照し、通常状態の画像処理装置が最低必要稼動台数(例えば1台)を超える場合は自装置を省電力にし、超えない場合は省電力状態の他の画像処理装置と自装置の装置情報を比較し、自装置が最適ならば自装置を通常状態に維持し、他の画像処理装置が最適ならばその装置を通常状態に復帰させ自装置は省電力状態に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタや複合機などの画像処理装置に係り、特に、電源状態として通常状態と省電力状態とを有する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機などの画像処理装置では、省電力の観点から、一定時間、待機状態が継続すると、電源状態を通常状態から省電力状態へ自動的に移行させる機能を備えたものが普及している。
【0003】
また、共用される画像処理装置が複数台ある場合に、そのすべての画像処理装置を通常状態で待機させると消費電力が嵩む。一方、すべての画像処理装置が省電力状態になると使用時に必ず通常状態へ復帰するための待ち時間が発生して利便性が低下する。そこで、同じネットワークに接続されている他の画像処理装置の電源状態に応じて自装置の電源状態を決定することで、一定台数が通常状態で待機するように制御する画像処理装置がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
詳細には、一定時間毎にネットワーク上の各画像処理装置に電源状態の問い合わせを行って記憶し、通常状態の他の画像処理装置が一定台数以上ある場合は自装置を省電力状態に移行させ、一定台数未満の場合は自装置を通常状態に変更するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−107167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常状態でジョブの投入を待機させる画像処理装置は、通常状態でジョブの投入を待機している際の消費電力(通常待機電力)の少ないものが好ましい。また、使用率の高いもの、消耗資材の残量が多いものなどの条件により、通常状態で待機させる装置を選択することが好ましい場合もある。
【0007】
しかし、先行技術では、通常状態の画像処理装置が一定台数未満の場合は自装置を通常状態にするので、自装置より通常待機電力の少ない画像処理装置が省電力状態となる場合や、通常状態で待機させることが好ましい画像処理装置が省電力状態になる場合などが生じ、必ずしも省電力や資材の残量などの観点から好ましい装置が通常状態にならないという問題があった。
【0008】
また、より好ましい画像処理装置を通常状態とするためには、既に省電力状態になっている画像処理装置と優劣を判断する必要がある。しかし、既に省電力状態になっている画像処理装置から資材の残量などに関する装置情報を得るためにその装置を通常状態に一旦復帰させると、省電力の観点から好ましくない。一方、省電力状態になっている画像処理装置の装置情報をサーバに記憶させる方法では、そのサーバの設置を要し、システムコストの上昇およびサーバを稼動させるための電力を要し、省電力に逆行する。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、省電力状態の装置を通常状態に復帰させたり専用サーバを設けたりすることなくネットワークに接続されている管理対象の全画像処理装置の装置情報を調べて、より適切な所定台数の画像処理装置が通常状態でジョブを待機するように制御することのできる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]電源状態として通常状態と、通常状態より消費電力の少ない省電力状態とを有し、電源状態の管理対象にされた画像処理装置であって、
管理対象にされた他の画像処理装置とネットワークを通じて通信する通信部と、
前記管理対象の全画像処理装置について、通常状態にする画像処理装置を選択する際の判断材料にされる1または2以上の項目の装置情報が登録された装置情報テーブルを記憶する記憶部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている前記装置情報テーブルに登録されている自装置の装置情報を自装置の状態変化に応じて更新すると共に、管理対象の画像処理装置のうち通常状態にある他の画像処理装置と情報をやりとりして前記装置情報テーブルの内容が通常状態にある管理対象の全画像処理装置で一致するようにし、
自装置を通常状態から省電力状態へ移行させる所定の移行条件が成立すると、前記ネットワークに接続されている他の画像処理装置の電源状態を調べ、通常状態にある管理対象の画像処理装置が所定の最低必要稼動台数の場合は、装置情報テーブルに登録されている装置情報に基づいて省電力状態にある他の管理対象の画像処理装置と自装置との中から通常状態にする画像処理装置を選択し、該選択した画像処理装置が自装置の場合は自装置を通常状態に維持し、前記選択した画像処理装置が他の画像処理装置の場合は、該選択した他の画像処理装置を通常状態に復帰させて自装置を省電力状態にし、
自装置が省電力状態から通常状態へ復帰したとき、通常状態にある管理対象の他の画像処理装置からその画像処理装置の記憶部に記憶されている装置情報テーブルを取得し、該取得した装置情報テーブルで自装置の記憶部に記憶されている装置情報テーブルを更新する
ことを特徴とする画像処理装置。
【0012】
上記発明では、管理対象の全画像処理装置について、通常状態にする画像処理装置を選択する際の判断材料にされる1または2以上の項目の装置情報が登録された装置情報テーブルを記憶すると共に、通常状態にある他の画像処理装置と情報をやりとりして、装置情報テーブルの内容が通常状態にある管理対象の全画像処理装置で一致するように更新する。自装置を通常状態から省電力状態へ移行させる移行条件が成立したとき、ネットワークに接続されている通常状態の画像処理装置が最低必要稼動台数の場合は、装置情報テーブルに登録されている装置情報に基づいて、既に省電力状態にある他の画像処理装置と自装置の中で指定された条件に最も合致するものを選択し、該選択した装置が自装置であれば自装置を通常状態に維持し、選択した装置が他の画像処理装置の場合は、該選択した他の画像処理装置を通常状態に復帰させて自装置を省電力状態にする。そして、自装置が省電力状態から通常状態へ復帰したとき、通常状態の他の画像処理装置からその画像処理装置が記憶している装置情報テーブルを取得し、該取得した装置情報テーブルで自装置の装置情報テーブルを更新する。
【0013】
[2]前記装置情報テーブルには2以上の項目の装置情報が登録されると共に、これらの項目には優先順位が付与されており、優先順位の高い項目を優先順位の低い項目より重要視して前記選択を行う
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
【0014】
[3]前記装置情報テーブルには、管理対象の全画像処理装置の電源状態が登録されており、
前記制御部は、
自装置の電源状態の変化を通常状態にある他のすべての管理対象の画像処理装置に送信してそれらの装置情報テーブルを更新させると共に、前記移行条件が成立して他の画像処理装置の電源状態や装置情報を調べる際に、これらを自装置の装置情報テーブルから取得する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像処理装置。
【0015】
上記発明では、自装置の電源状態が変化するとき、すなわち、自装置が通常状態から省電力状態へ移行するときや省電力状態から通常状態へ移行するときに、自装置の電源状態の変化を他の画像処理装置に通知する。また、省電力状態への移行条件が成立したとき、自装置の記憶している装置情報テーブルを参照して、他の画像処理装置の電源状態や装置情報を取得する。
【0016】
[4]前記省電力状態では、自装置の前記記憶部に記憶されている前記装置情報テーブルを読み出してその内容を他の画像処理装置に送信することはできないが、他の画像処理装置から送られてくる通常状態への復帰指示の受信および該復帰指示を受信した場合に自装置を通常状態へ移行させることが可能である
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0017】
[5]前記制御部は、前記移行条件が成立したときに、前記ネットワークに接続されている通常状態にある管理対象の画像処理装置が前記最低必要稼動台数を超えている場合は、自装置を省電力状態に移行させる
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0018】
[6]前記装置情報は、消耗品の残量もしくは交換時期、待機状態の消費電力、装置の使用率の中の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る画像処理装置によれば、管理対象の全画像処理装置の装置情報を、省電力状態の装置を通常状態に復帰させたり専用サーバを設置したりすることなく取得して、より適切な所定台数の画像処理装置が通常状態でジョブを待機するように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置が接続されたネットワークシステムを示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】装置情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図4】省電力状態から通常状態へ復帰する際のテーブルの取得動作を示す説明図である。
【図5】通常状態での画像処理装置の電源状態・テーブル管理に関する処理を示す流れ図である。
【図6】電源状態変更を伝えるパケットの受信に関する画像処理装置の動作を示す流れ図である。
【図7】電源状態変更要求を受信した画像処理装置の動作を示す流れ図である。
【図8】画像処理装置が行う省電力モードへの移行制御処理を示す流れ図である。
【図9】省電力状態から通常状態へ復帰する際の画像処理装置の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置10が接続されたネットワークシステム5の一例を示している。ネットワークシステム5では、管理対象の複数台の画像処理装置10(以後、MFPとも呼ぶ)と図示省略の複数台の端末装置(以後、PCとも呼ぶ)が、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2を介して接続されている。
【0023】
画像処理装置10は、記録紙に画像を形成して出力する機能を備えたプリンタや複合機などである。本例では、画像処理装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へネットワークを通じて送信したりするスキャンジョブ、端末装置からネットワーク2を通じて受信した印刷データに係る画像を記録紙上に形成して印刷出力するプリントジョブなどのジョブを実行する機能を備えた複合機である。
【0024】
端末装置は、画像処理装置10に対して、スキャンジョブやプリントジョブなどのジョブを投入してその実行を要求する機能を備えた情報処理装置である。
【0025】
図2は、画像処理装置10の概略構成を示している。画像処理装置10は、当該画像処理装置10の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)11と、このCPU11にバス12を通じて接続されたROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、スキャナ部15と、プリンタ部16と、不揮発メモリ17と、ネットワークI/F部18と、ファクシミリ部19と、表示部21と、操作部22と、画像処理部23と、ハードディスク装置24などを備えている。
【0026】
また、画像処理装置10は、当該画像処理装置10の各部へ電力供給する電源部26を備えている。画像処理装置10は、電源状態として、すべての部分に通電されてジョブを実行可能な通常状態と、通常状態より電力消費の少ない省電力状態(スリープ状態とも呼ぶ)を備えている。
【0027】
CPU11では、OS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM13には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することでジョブの実行など画像処理装置10の各機能が実現される。RAM14はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。なお、その他の必要なプログラムはハードディスク装置24からRAM14にロードされて実行される。
【0028】
スキャナ部15は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部15は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0029】
プリンタ部16は、画像データに応じたトナー画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成され、トナーを色材として使用するプリンタである。なお、プリンタ部16は他の方式でもかまわない。
【0030】
ファクシミリ部19は、ファクシミリ送信および受信に係る動作を制御する。
【0031】
画像処理装置10の操作パネルは表示部21と操作部22を備えて構成される。表示部21は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部22は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部22は、表示部21の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0032】
画像処理部23は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。
【0033】
不揮発メモリ17は、電源がオフされても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、後述の装置情報テーブル40などが記憶される。ハードディスク装置24は、大容量不揮発の記憶装置であり、プログラムのほか、たとえば、印刷データや画像データの保存に使用される。
【0034】
ネットワークI/F部18は、ネットワーク2を通じて端末装置や他の画像処理装置10、外部装置と各種のデータを送受信する機能を果たす。
【0035】
電源部26は、商用電源を適宜のDC電圧に変換して画像処理装置10の各部へ電力を供給する。また、CPU11からの指示やネットワークI/F部18を通じて受信した外部からの復帰指示に従って、各部へ電力を供給するか供給停止するかを電力供給先別に制御する機能を備えている。ここでは、通常状態では全ての部分に電力供給し、省電力状態では、省電力状態から通常状態へ復帰するために必要な部分にのみ電力を供給する。たとえば、ネットワークI/F部18と電源部26の中の復帰制御部にのみ電力供給する。電源部26の復帰制御部は、ネットワークI/F部18が他の画像処理装置10から受信した復帰指示を受けた場合にCPU11を起動する制御を行う部分である。省電力状態は、これに限定されず、通常状態よりも電力消費が少ない電源状態であればよい。
【0036】
次に、電源状態を管理し制御する機能について説明する。
【0037】
画像処理装置10は、ネットワーク2に接続されている管理対象の複数台の画像処理装置10の中の所定台数は通常状態でジョブを待機する通常状態に確保する。また、より条件に適した所定台数の画像処理装置10が通常状態になるように通常状態にする画像処理装置10を選択・制御する機能を備えている。なお、管理対象はネットワーク2に接続されているすべての画像処理装置10でもよいし、ネットワーク2に接続されている中の一部の設定された画像処理装置10のみとしてもよい。
【0038】
各画像処理装置10は、管理対象の全画像処理装置10について、通常状態にする画像処理装置10を選択する際の判断材料にされる1または2以上の条件に関する装置情報が登録された装置情報テーブルを記憶している。装置情報テーブルは、通常状態にすることがより適した画像処理装置10を選択するために使用される。
【0039】
図3は、装置情報テーブル40の一例を示している。装置情報テーブル40は各画像処理装置10の不揮発メモリ17に作成されて更新される。装置情報テーブル40には、管理対象の全画像処理装置10のそれぞれについて、端末名、IPアドレス、トナー残量、使用率、消費電力(待機状態での消費電力)、IU交換情報、電源状態などが登録されている。端末名はネットワーク管理者などが各画像処理装置10に割り当てた識別名称である。IPアドレスは、画像処理装置10のネットワーク2内のIPアドレスである。
【0040】
トナー残量、使用率、消費電力、IU交換情報は、通常状態にする画像処理装置10を選択する際の判断材料である。使用率は画像処理装置10で1日にジョブが実行される回数を示している。使用率は最新のN日の使用状況に基づく値であり、Nは、たとえば、1〜30の間で設定変更可能になっている。消費電力は通常状態でジョブ待機中の消費電力であり、たとえば、装置の製造会社から仕様データとして提供された値が予め記憶される。IU交換情報は、イメージユニット(感光体ドラムなど)の寿命の残存率を示している。
【0041】
装置情報テーブル40のプライオリティ欄には、上記判断材料の優先順位が登録されている。また、装置情報テーブル40には、当該装置情報テーブル40の内容を更新した最新の更新日時(秒を含めてもよい)が登録される。
【0042】
各画像処理装置10は、自装置に記憶している装置情報テーブル40を自装置の状態変化に応じて更新すると共に、通常状態にある管理対象のすべての画像処理装置10が記憶している装置情報テーブル40の内容が一致するように、通常状態にある管理対象の他の画像処理装置10と情報をやりとりして装置情報テーブル40を更新するようになっている。
【0043】
たとえば、一定時間毎に装置情報テーブル40の更新情報のやりとりを行って、更新日時が最新のものを共有する。さらにまた、少なくとも以下のやりとりを行う。
【0044】
(1)画像処理装置10が通常状態から省電力状態に移行する際にネットワーク2に対して電源状態を変更する旨のパケット(電源状態変更)をブロードキャストで送信する。その際に消費電力、トナー残量、消耗品の交換時期などの装置情報も送信する。これを受け取った画像処理装置10は自装置の装置情報テーブル40の内容を更新する(図1参照)。
(2)画像処理装置10が省電力状態から通常状態に移行した際に、電源状態を変更した旨とテーブルデータ取得要求をブロードキャストで送信する。テーブルデータ取得要求を受信した通常状態にある他の画像処理装置10は、テーブルデータ返信として、自装置の装置情報テーブル40を返信する。テーブルデータ取得要求の送信元の画像処理装置10は、受け取ったテーブルデータ返信の中で最新の装置情報テーブル40で、自装置の装置情報テーブル40を更新する(図4参照)。
【0045】
これらにより、通常状態にある画像処理装置10が最新の装置情報テーブル40を保持するようになる。
【0046】
画像処理装置10は、自装置を通常状態から省電力状態へ移行させる所定の移行条件(たとえば、無操作状態が一定時間継続)が成立すると、自装置の装置情報テーブル40を参照して、ネットワーク2に接続されている他の画像処理装置10の電源状態を認識し、通常状態にある管理対象の画像処理装置10が所定の最低必要稼動台数か否かを調べる。すなわち、自装置を省電力状態に移行させると通常状態の画像処理装置10が最低必要稼動台数未満になるか否かを判断する。最低必要稼動台数は、通常状態でジョブを待機する画像処理装置10の最低必要台数であり、使用環境などに応じて適宜の台数に設定される。
【0047】
自装置を省電力状態へ移行させても通常状態の画像処理装置10が最低必要稼動台数以上確保されるならば、自装置を省電力状態に移行させる。
【0048】
自装置を省電力状態へ移行させると通常状態の画像処理装置10が最低必要稼動台数未満になる場合は、装置情報テーブル40を参照し、省電力状態にある他の画像処理装置10と自装置の中から通常状態にするのに最も適した画像処理装置10を選択する。そして、この選択した画像処理装置10が自装置の場合は自装置を通常状態に維持し、他の画像処理装置10の場合は、該選択した他の画像処理装置10を通常状態に復帰させて自装置を省電力状態にするように制御する。
【0049】
また、通常状態にある最低必要稼動台数の画像処理装置10が順に入れ替わっても、前述したように、通常状態の画像処理装置10が最新の装置情報テーブル40を保持するように情報のやりとり(装置情報テーブル40の受け渡し)が行われる。
【0050】
たとえば、最低必要稼動台数が1台の場合には、その1台の画像処理装置10が通常状態から省電力状態へ移行する際に、他の1台の画像処理装置10を省電力状態から通常状態へ復帰させる。その際、その通常状態へ復帰させる画像処理装置10に自装置が記憶している装置情報テーブル40を送信する。また、その後、この画像処理装置10が省電力状態へ移行する際には、他の1台の画像処理装置10を省電力状態から通常状態へ復帰させた後、その画像処理装置10へ自装置が記憶している装置情報テーブル40を送信する・・・というように装置情報テーブル40を受け渡しする。
【0051】
このようにすれば、通常状態の画像処理装置10は最新の装置情報テーブル40を保持することになる。また、省電力状態から通常状態へ復帰した画像処理装置10は、他の通常状態の画像処理装置10から装置情報テーブル40を取得することで、自装置の装置情報テーブル40を最新の状態に更新することができる。
【0052】
以下、画像処理装置10の電源状態の管理に関する動作をフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
図5は、電源状態が通常状態にある画像処理装置10が行う電源状態の管理に関する処理の一部を示している。トナー残量が一定以上変化する、使用率が一定以上増加するなど、装置情報テーブル40に登録される項目に係る自装置の状態が閾値を超えて変化したとき(ステップS101;Yes)、その変化後の状態で自装置の装置情報テーブル40の登録内容を更新する(ステップS102)。また、装置情報テーブル40の更新内容を表したテーブル更新通知をブロードキャストでネットワーク2に対して送信し(ステップS103)、ステップS101へ戻る。
【0054】
他の画像処理装置10から装置情報テーブル40の更新通知を受信した場合は(ステップS104;Yes)、更新通知で通知された更新内容に応じて自装置の装置情報テーブル40を更新し(ステップS105)ステップS101へ戻る。
【0055】
他の画像処理装置10から装置情報テーブル40の取得要求(テーブルデータ取得要求)を受信した場合は(ステップS106;Yes)、該取得要求の送信元の画像処理装置10へ自装置の記憶している装置情報テーブル40を送信して(ステップS107)ステップS101へ戻る。
【0056】
なお、図5では、自装置の装置情報テーブル40を更新した際にその更新内容を他の画像処理装置10へブロードキャストするようにしたが、これに加えて、もしくはこれに代えて、一定時間毎に自装置の装置情報テーブル40をブロードキャストする構成でもかまわない。また、更新内容に代えて、更新後の装置情報テーブル40全体を他の画像処理装置10へブロードキャストするように構成することもできる。
【0057】
図6は、他の画像処理装置10が通常状態から省電力状態へ移行する際に該他の画像処理装置10からの通知を受信した画像処理装置10の動作を示している。通常状態から省電力状態へ移行する他の画像処理装置10から電源状態変更を伝えるパケットを受信すると(ステップS121)、自装置の装置情報テーブル40に登録されている、このパケットの送信元の画像処理装置10の電源状態を、通常状態から省電力状態に変更する。さらに、電源状態変更を伝えるパケットには、送信元の画像処理装置10のIPアドレス、トナー残量、使用率などの装置情報が含まれるので、これらに応じて、自装置の装置情報テーブル40に登録されている、このパケットの送信元の画像処理装置10に関する装置情報を更新する(ステップS122)。
【0058】
図7は、他の画像処理装置10から電源状態変更要求を受信した画像処理装置10の動作を示している。他の画像処理装置10から電源状態変更要求(通常状態への復帰指示)を受信すると(ステップS141;Yes)、自装置がその電源状態変更要求が指示する通りに電源状態を変更可能か否かを調べる(ステップS142)。変更不可の場合は(ステップS142;No)、電源状態変更不可を示す応答パケットを、電源状態変更要求の送信元IPアドレスへ送信して(ステップS146)処理を終了する。
【0059】
電源状態変更要求が指示する通りに電源状態を変更可能な場合は(ステップS142;Yes)、電源状態変更可能を示す応答パケットを、電源状態変更要求の送信元IPアドレスへ送信する(ステップS143)。さらに、電源状態変更を伝えるパケットと、自装置のトナー残量、使用率などの装置情報をブロードキャストで送信し(ステップS144)、自装置の電源状態を電源状態変更要求が示す電源状態に変更して(ステップS145)処理を終了する。たとえば、省電力状態から通常状態へ電源状態を変更する旨の電源状態変更要求を受けた場合、画像処理装置10は、自装置を通常状態に復帰させた後、ジョブの投入を待機する。
【0060】
図8は、通常状態から省電力状態への移行条件が成立した場合の画像処理装置10の動作を示している。省電力状態への移行条件は、たとえば、一定期間ジョブを受けない、利用者の少ない時間帯になる、などである。
【0061】
省電力状態への移行条件が成立すると(ステップS201;Yes)、自装置の装置情報テーブル40を読み出して確認する(ステップS202)。そして、自装置の装置情報テーブル40を確認した結果、現時点で通常状態にある画像処理装置10が自装置を除いて最低必要稼動台数以上あるか否かを判定する(ステップS203)。通常状態の他の画像処理装置10が最低必要稼動台数以上の場合は(ステップS203;Yes)、自装置を省電力状態へ移行しても、通常状態の画像処理装置10が最低必要稼動台数確保される。
【0062】
そこで、自装置が通常状態から省電力状態に移行する旨、および自装置の装置情報テーブル40に登録されている自装置の装置情報(トナー残量、使用率など)を含むパケットをブロードキャストでネットワーク2に対して送信する(ステップS211)。その後、自装置の電源状態を省電力状態に移行させて(ステップS212)処理を終了する。
【0063】
現時点で通常状態にある画像処理装置10が自装置を除いて最低必要稼動台数以上ない場合は(ステップS203;No)、自装置の装置情報テーブル40に省電力状態の画像処理装置10が登録されているか否かを調べる(ステップS204)。省電力状態の画像処理装置10が登録されていない場合は(ステップS204;No)、ステップS201へ戻る。すなわち、自装置を通常状態に維持する。
【0064】
自装置の装置情報テーブル40に省電力状態の画像処理装置10が登録されている場合は(ステップS204;Yes)、それら省電力状態の画像処理装置10の装置情報を、装置情報テーブル40のプライオリティ欄に登録されている優先順位の高い条件から順に比較し(ステップS205)、条件に最も合致する画像処理装置10を復帰対象に選択する(ステップS206)。復帰対象に選択した他の画像処理装置10と自装置とを優先順位の高い条件について比較し、復帰対象に選択した他の画像処理装置10が自装置より条件に合致するものでない場合は(ステップS207;No)、ステップS201に戻って自装置を通常状態に維持する。
【0065】
復帰対象に選択した他の画像処理装置10の方が自装置より先の条件に合致する場合は(ステップS207;Yes)、復帰対象に選択した他の画像処理装置10に対して電源状態変更要求パケット(省電力状態から通常状態へ復帰する復帰指示)を送信する(ステップS208)。
【0066】
たとえば、消費電力が最も優先順位の高い条件に設定されている場合は、装置情報テーブル40の中から電源状態が省電力状態であって消費電力の値が最も少ない画像処理装置10をステップS206にて復帰対象に選択し、その消費電力と自装置の消費電力とをステップS207で比較する。復帰対象に選択した画像処理装置10の消費電力が自装置の消費電力より小さい場合は(ステップS207;Yes)、その選択した画像処理装置10へ電源状態変更要求パケット(復帰指示)を送信する(ステップS208)。
【0067】
自装置の消費電力の方が復帰対象に選択した画像処理装置10の消費電力より小さい場合は(ステップS207;No)、待機時の消費電力が一番小さいのは自装置になるので、通常状態を維持する。これにより、消費電力のより少ない画像処理装置10が通常状態になり、全体としての省電力化が図られる。
【0068】
また、使用率が最も優先順位の高い条件に設定されている場合は、装置情報テーブル40の中から電源状態が省電力状態であって使用率の値が最も高い画像処理装置10をステップS206にて復帰対象に選択し、その使用率と自装置の使用率とをステップS207で比較する。復帰対象に選択した画像処理装置10の使用率が自装置の使用率より高い場合は(ステップS207;Yes)、その選択した画像処理装置10へ電源状態変更要求パケット(復帰指示)を送信する(ステップS208)。
【0069】
自装置の使用率の方が復帰対象に選択した画像処理装置10より高い場合は(ステップS207;No)、使用率が一番高いのは自装置なので、通常状態を維持する。これにより、使用率のより高い画像処理装置10が通常状態に維持され、利便性を低下させることなく省電力を実現することができる。
【0070】
同様に、消耗品の交換までの時間(トナー残量やIU交換情報)に係る条件の優先順位を高くすれば、消耗品を交換するまでの期間の長い画像処理装置10が通常状態にされて使用されるので、サービスマンの訪れる回数を抑える事ができる。
【0071】
また、たとえば、装置情報テーブル40にジャム率の項目を設けた場合で、ジャム率を優先順位の高い条件にすれば、 ジャム率の一番低い画像処理装置10が通常状態にされるので、信頼性を確保しつつ、省電力を図ることができる。なお、ジャム率が用紙サイズ別の場合、一番使用率の高い用紙サイズでのジャム率が最も低い画像処理装置10を通常状態にするように選択すればよい。
【0072】
さらに、優先順位が最も高い条件に係る装置情報の値が同じ画像処理装置10が複数台あった場合は、次に優先順位の高い条件に係る装置情報の値をそれら複数台について比較し、この比較結果に基づいてその条件に最も合致する画像処理装置10を選択すればよい。
【0073】
図8に戻って説明を続ける。電源状態変更要求パケットの送信先の画像処理装置10から電源状態変更可能のパケットを受信した場合は(ステップS209;Yes)、電源状態変更要求パケットの送信先の画像処理装置10が実際に通常状態に復帰するのを待つ。そして、その画像処理装置10が通常状態に復帰したら(ステップS210;Yes)、自装置が通常状態から省電力状態に移行する旨、および自装置の装置情報(トナー残量、使用率など)を含むパケットをブロードキャストでネットワーク2に対して送信し(ステップS211)、その後、自装置の電源状態を省電力状態に移行させて(ステップS212)処理を終了する。
【0074】
電源状態変更要求パケットの送信先の画像処理装置10から電源状態変更不可のパケットを受信した場合(ステップS213;Yes)、もしくは、電源状態変更要求パケットの送信先の画像処理装置10から一定時間が経過しても応答パケットを受信しない場合(ステップS214;Yes)、もしくは、電源状態変更可能のパケットを受信したがそのパケットの送信元の画像処理装置10が規定時間内に通常状態に復帰しなかった場合は(ステップS210;No)、先ほどステップS206で選択した画像処理装置10を選択対象外に設定して(ステップS215)、ステップS204に戻り、処理を継続する。
【0075】
選択対象外に設定する処理として、たとえば、復帰対象に選択していた画像処理装置10について、装置情報テーブル40の電源状態の欄をクリア(省電力状態以外にする)する。すなわち、電源状態の欄の登録内容をクリアすると、ステップS204、S205では省電力状態の画像処理装置10として扱われなくなるので、選択対象外となる。
【0076】
図9は、省電力状態から通常状態へ復帰する際の画像処理装置10の動作を示している。省電力状態から通常状態へ電源状態変更を伝えるパケットと、現時点での自機のトナー残量、使用率などの装置情報をブロードキャストでネットワーク2に対して送信する(ステップS301)。さらに、装置情報テーブル40の取得要求(テーブルデータ取得要求)をブロードキャストでネットワーク2に対して送信する(ステップS302)。
【0077】
テーブルデータ取得要求に対する応答(テーブルデータ返信)を受信した場合は(ステップS303;Yes)、該応答の送信元の画像処理装置10が記憶している装置情報テーブル40の内容を該応答パケットから取得する(ステップS304)。そして、複数の画像処理装置10から取得した1または2以上の装置情報テーブル40の中で更新日時が最新の装置情報テーブル40を選択し(ステップS305)、この最新の装置情報テーブル40で自装置の装置情報テーブル40を更新して(ステップS306)処理を終了する。
【0078】
いずれの画像処理装置10からも応答を受信できなかった場合は(ステップS303;No)、自装置の装置情報テーブル40に登録されている自装置以外のすべての画像処理装置10に対して、省電力状態から通常状態への電源状態変更要求を送信し(ステップS307)、さらに、テーブルデータ取得要求をブロードキャストでネットワーク2に対して送信する(ステップS308)。
【0079】
そして、テーブルデータ取得要求に対する応答(テーブルデータ返信)から、その応答の送信元の画像処理装置10が記憶している装置情報テーブル40を取得する(ステップS309)。そして、他の画像処理装置10からの応答により取得した1または2以上の装置情報テーブル40の中で更新日時が最新の装置情報テーブル40を選択し(ステップS310)、この最新の装置情報テーブル40で自装置の装置情報テーブル40を更新して(ステップS311)処理を終了する。
【0080】
ただし、装置情報テーブル40の他の画像処理装置10の電源状態はすべて省電力状態にしておく。その後、ステップS307での電源状態変更要求によって電源状態を通常状態に移行させた他の画像処理装置10に対して、電源状態を通常状態から省電力状態に変更する旨の電源変更要求を送信し(ステップS312)本処理を終了する。すなわち、テーブルデータ返信を受け取れない場合は、他のすべての画像処理装置10は省電力状態もしくは電源オフ状態になると想定されるので、一旦、すべての他の画像処理装置10を通常状態に復帰させ、それらから装置情報テーブル40を取得し、その後、省電力状態へ戻すように制御している。
【0081】
以上のように本実施の形態に係る画像処理装置10では、電源状態が通常状態の画像処理装置10を、予め定めた最低必要稼動台数確保しつつ、装置状態が優先順位の高い条件に合致する画像処理装置10が通常状態になるように選択されるので、ユーザの望む利便性などの事項(優先順位の高い条件)と省電力とを両立させた運用環境を得ることができる。すなわち、最低必要稼動台数は通常状態にあるので、ジョブを投げたときに、通常状態にある画像処理装置10を使用可能な場合が多くなり、省電力状態から復帰させる待ち時間が省略されて利便性が確保される。また、ユーザの望む条件に合致した画像処理装置10が通常状態で待機する画像処理装置10に選択される。
【0082】
また、すべての画像処理装置10について電源状態や装置情報の登録された装置情報テーブル40を各画像処理装置10に記憶すると共に、通常状態の画像処理装置10が入れ替わっても、通常状態にある画像処理装置10の記憶している装置情報テーブル40が最新の状態に更新されるように装置情報テーブル40を受け渡しするので、省電力状態の装置を通常状態に復帰させたり専用サーバを設けたりすることなく、ネットワーク2に接続されている管理対象のすべての画像処理装置10の装置情報や電源状態を調べて、最も条件に合致する画像処理装置10を復帰対象に選択することができる。
【0083】
また、ジョブの実行を制御するメインCPUと、メインCPUより消費電力の少ないサブCPUを備え、通常状態では少なくともメインCPUが稼動し、省電力状態ではメインCPUはオフしてサブCPUが稼動し、少なくとも省電力状態で他の画像処理装置10から電源状態や装置状態の問い合わせを受けた場合はサブCPUがその問い合わせに対して返信するような装置構成を採用すれば、省電力状態にある画像処理装置10の装置情報を、そのメインCPUを省電力状態に維持させたまま取得することができる。しかし、サブCPUを設けると装置構成が複雑になりコストも上昇する。これに対して本実施の形態では、サブCPUを設けなくても、前述した装置情報テーブル40のやりとりにより、省電力状態の装置を通常状態に復帰させることなくその装置情報を確認することができる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0085】
実施の形態では画像処理装置10が複合機の場合を例に説明したが、ネットワークに接続可能なプリンタや原稿を読み取るスキャナ装置など他の種類の画像処理装置であってもかまわない。
【0086】
省電力状態への移行条件は、実施の形態で例示した条件に限定されない。また、装置情報テーブル40に登録して共有する装置情報は、実施の形態で例示したものに限定されない。
【0087】
実施の形態では、画像処理装置10の電源状態を通常状態と省電力モードの2種類としたが、省電力モードはより他段階に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0088】
2…ネットワーク
5…ネットワークシステム
10…画像処理装置(MFP)
11…CPU
12…バス
13…ROM
14…RAM
15…スキャナ部
16…プリンタ部
17…不揮発メモリ
18…ネットワークI/F部
19…ファクシミリ部
21…表示部
22…操作部
23…画像処理部
24…ハードディスク装置
26…電源部
40…装置情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源状態として通常状態と、通常状態より消費電力の少ない省電力状態とを有し、電源状態の管理対象にされた画像処理装置であって、
管理対象にされた他の画像処理装置とネットワークを通じて通信する通信部と、
前記管理対象の全画像処理装置について、通常状態にする画像処理装置を選択する際の判断材料にされる1または2以上の項目の装置情報が登録された装置情報テーブルを記憶する記憶部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている前記装置情報テーブルに登録されている自装置の装置情報を自装置の状態変化に応じて更新すると共に、管理対象の画像処理装置のうち通常状態にある他の画像処理装置と情報をやりとりして前記装置情報テーブルの内容が通常状態にある管理対象の全画像処理装置で一致するようにし、
自装置を通常状態から省電力状態へ移行させる所定の移行条件が成立すると、前記ネットワークに接続されている他の画像処理装置の電源状態を調べ、通常状態にある管理対象の画像処理装置が所定の最低必要稼動台数の場合は、装置情報テーブルに登録されている装置情報に基づいて省電力状態にある他の管理対象の画像処理装置と自装置との中から通常状態にする画像処理装置を選択し、該選択した画像処理装置が自装置の場合は自装置を通常状態に維持し、前記選択した画像処理装置が他の画像処理装置の場合は、該選択した他の画像処理装置を通常状態に復帰させて自装置を省電力状態にし、
自装置が省電力状態から通常状態へ復帰したとき、通常状態にある管理対象の他の画像処理装置からその画像処理装置の記憶部に記憶されている装置情報テーブルを取得し、該取得した装置情報テーブルで自装置の記憶部に記憶されている装置情報テーブルを更新する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記装置情報テーブルには2以上の項目の装置情報が登録されると共に、これらの項目には優先順位が付与されており、優先順位の高い項目を優先順位の低い項目より重要視して前記選択を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記装置情報テーブルには、管理対象の全画像処理装置の電源状態が登録されており、
前記制御部は、
自装置の電源状態の変化を通常状態にある他のすべての管理対象の画像処理装置に送信してそれらの装置情報テーブルを更新させると共に、前記移行条件が成立して他の画像処理装置の電源状態や装置情報を調べる際に、これらを自装置の装置情報テーブルから取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記省電力状態では、自装置の前記記憶部に記憶されている前記装置情報テーブルを読み出してその内容を他の画像処理装置に送信することはできないが、他の画像処理装置から送られてくる通常状態への復帰指示の受信および該復帰指示を受信した場合に自装置を通常状態へ移行させることが可能である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記移行条件が成立したときに、前記ネットワークに接続されている通常状態にある管理対象の画像処理装置が前記最低必要稼動台数を超えている場合は、自装置を省電力状態に移行させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記装置情報は、消耗品の残量もしくは交換時期、待機状態の消費電力、装置の使用率の中の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−61566(P2013−61566A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201112(P2011−201112)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】