説明

画像処理装置

【課題】記憶媒体が添付された原稿の記憶媒体の記憶情報と原稿表面の画像情報とを比較し、その結果に応じた出力を行う。
【解決手段】原稿に添付された記憶媒体から記憶情報を取得する取得手段と、原稿の画像から画像情報を読み取る読取手段と、記憶情報と画像情報との比較を行い、比較結果が既定の条件を満たすか否かを判断する判断手段と、判断手段によって判断した判断結果に応じた態様で出力を行う出力手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。さらに詳細には、記憶媒体から記憶情報を取得することが可能な画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転免許証等のIDカードを提示して身分証明を行い、その控えとしてIDカードをコピーすることが広く行われている。また、IDカードに添付された記憶媒体の記憶情報を基に認証を行う技術も広く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−54241
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、IDカードのスキャンやコピーを実行する際には、記憶媒体の記憶情報と原稿面の画像情報とが異なっていることもあった。例えば、IDカードが改ざんされて原稿面の画像情報が書き換えられていたり、記憶媒体の記憶情報が書き換えられていたりする場合である。従来では、スキャンやコピー等の出力を実行する際、記憶情報と画像情報とがどのような関係にあるか、例えば、両情報が同一か否か、に関わらず、画一的な出力が行われていた。そのため、ユーザは、記憶情報と画像情報とがどのような関係にあるかについて知ることなく、スキャンやコピー等の出力を得ていた。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、記憶媒体が添付された原稿の記憶媒体の記憶情報と原稿表面の画像情報とを比較した結果に応じた出力を行うことが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、第1の発明に係る画像処理装置は、原稿に添付された記憶媒体から記憶情報を取得する取得手段と、原稿から画像情報を読み取る読取手段と、前記記憶情報と前記画像情報との比較を行い、比較結果が既定の条件を満たすか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって判断した判断結果に応じた態様で出力を行う出力手段とを備える。
【0007】
第1の発明によれば、記憶情報と画像情報とが既定の条件を満たすか否かの判断結果に応じた態様で出力を行うため、ユーザは、その出力態様から記憶情報と画像情報とがどのような関係にあるかを推測することができる。
【0008】
また、第2の発明に係る画像処理装置は、前記原稿に記憶媒体が添付されているか否かを検知する検知手段を備え、前記出力手段は、前記検知手段により原稿に記憶媒体が添付されていると検知された場合、前記判断結果に応じた態様で出力を行い、前記検知手段により原稿に記憶媒体が添付されていないと検知された場合、原稿に記憶媒体が添付されていない場合に用いる、予め定められた態様で出力を行う、ことを特徴とする。
【0009】
第2の発明によれば、検知手段により記憶媒体が検知されたときに、記憶情報と画像情報とが、既定の条件を満たすか否かの判断結果に応じた態様で出力を行うことができ、検知しなかったときは記憶媒体が添付されていない場合に用いる、予め定められた態様で出力を行うことができる。
【0010】
また、第3の発明に係る画像処理装置は、ユーザからの、前記判断が必要か否かの指示を受け付ける第一の受付手段を備え、前記出力手段は、前記第一の受付手段が指示を受け付けた場合、前記判断結果に応じた態様で出力を行い、前記第一の受付手段が指示を受け付けなかった場合、指示を受け付けなかった場合に用いる、予め定められた態様で出力を行う、ことを特徴とする。
【0011】
第3の発明によれば、ユーザが指示したときに、記憶情報と画像情報とが既定の条件を満たすか否かの判断結果に応じた態様で出力を行うことができ、ユーザが指示しなかったときは指示しなかった場合に用いる、予め定められた態様で出力を行うことができる。
【0012】
また、第4の発明に係る画像処理装置は、前記画像情報を読み取る原稿面が、前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面か否かを判定する判定手段を備え、前記出力手段は、前記判定手段が前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面であると判定した場合、前記判断結果に応じた態様で出力を行い、前記判定手段が前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面でないと判定した場合、前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面でない場合に用いる、予め定められた態様で出力を行う、ことを特徴とする。
【0013】
第4の発明によれば、記憶情報と画像情報との比較結果が既定の条件を満たすか否かを判断する原稿面であるときは、判断結果に応じた態様で出力を行い、判断を行う原稿面でないときは、予め定められた態様で出力を行うことができる。
【0014】
また、第5の発明に係る画像処理装置は、原稿種別を特定する特定手段を備え、前記判断手段は、前記特定手段によって特定された原稿種別に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更することを特徴とする。
【0015】
第5の発明によれば、特定手段によって特定された原稿種別に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更することができる。
【0016】
また、第6の発明に係る画像処理装置は、ユーザからの、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更する指示を受け付ける第二の受付手段を備え、前記判断手段は、前記第二の受付手段が受け付けた指示に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更することを特徴とする。
【0017】
第6の発明によれば、ユーザの指示によって比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更することができる。
【0018】
また、第7の発明に係る画像処理装置は、前記判断手段は、前記画像情報として、原稿の画像を光学文字認識した文字情報を用いる、ことを特徴とする。
【0019】
第7の発明によれば、記憶情報との比較に文字情報を使用することができる。
【0020】
また、請求項8記載の画像処理装置は、前記出力手段は、前記判断結果に応じた態様として、出力するという態様、及び出力しないという態様、を有している、ことを特徴とする。
【0021】
第8の発明によれば、判断結果に応じて、出力を行ったり行わなかったりすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、記憶媒体が添付された原稿の記憶媒体の記憶情報と原稿面の画像情報とを、比較した結果に応じた出力をすることができる画像処理装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態にかかるMFPの外観を示す図である。
【図2】MFPの画像読取部の構成を示す断面図である。
【図3】実施の形態にかかるMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態におけるコピー処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態におけるコピー処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明にかかる画像形成装置を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、原稿に添付された、例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の記憶媒体に記憶された情報を取得することが可能な複合機(MFP:Multi Function Peripheral)に本発明を適用したものである。
【0025】
[MFPの構成]
本実施形態のMFP100は、図1に示すように、用紙に画像を印刷する画像形成部10(出力手段の一例)と、原稿の画像を読み取る画像読取部20とを備えている。なお、画像形成部10の画像形成方式は、電子写真方式であっても、インクジェット方式であってもよい。また、カラー画像及びモノクロ画像の形成が可能であってもよいし、モノクロ画像のみの形成が可能であってもよい。画像読取部20も、カラー画像及びモノクロ画像の読み取りが可能であってもよいし、モノクロ画像のみの読み取りが可能であってもよい。
【0026】
画像読取部20(読取手段の一例)には、前面側に、液晶ディスプレイからなる表示部41(出力手段の一例)、各種のボタン(例えば、スタートキー,ストップキー,テンキーの各ボタン)によって構成されるボタン群42等を備えた操作パネル40(第一の受付手段,第二の受付手段の一例)が設けられている。MFP100では、この表示部41やボタン群42により、動作状況の表示やユーザによる入力が可能になっている。
【0027】
[画像読取部の構成]
画像読取部20は、図2に示すように、原稿(例えば図2中の原稿90)の画像の読み取りを行うスキャナ部21と、原稿の自動搬送を行うADF(Auto Document Feeder:自動原稿供給装置)22とを備えている。
【0028】
スキャナ部21は、その上面に位置する透明なプラテンガラス23、24と、その内部に位置するイメージセンサ25とを備えている。イメージセンサ25は、ADF22によって原稿が自動搬送される際には、プラテンガラス23下に固定され、原稿の画像を読み取る。また、イメージセンサ25は、原稿がプラテンガラス24上に載置される際には、副走査方向(図2の矢印A方向)に移動して、原稿の画像を読み取る。
【0029】
ADF22は、読み取り前の原稿を載置する原稿トレイ221と、読み取り後の原稿を載置する排出トレイ222とを備えている。ADF22は、原稿トレイ221に載置された原稿を1枚ずつ取り出し、搬送路223を介してプラテンガラス23に対向する位置に搬送する。そして、イメージセンサ25が主走査方向に1ラインずつ原稿の画像を読み取る。その後、その原稿を排出トレイ222上に排出する。
【0030】
画像読取部20は、記憶媒体を検知し、その記憶媒体に対してデータの取得及び書き込みを行うことが可能なR/W装置50(取得手段,検知手段の一例)を備えている。R/W装置50は、記憶媒体が添付された原稿が、原稿トレイ221上に載置された場合、あるいはプラテンガラス24上に載置された場合に、その記憶媒体にアクセス可能な範囲に配置される。なお、本発明によれば、取得手段は少なくとも原稿に添付された記憶媒体が記憶している記憶情報を取得できればいいので、書き込む機能は備えていなくてもよい。また、読取手段としての画像読取部20が取得手段であるR/W装置50を備えているが、取得手段と読取手段は別に設けてもよい。
【0031】
[MFPの電気的構成]
続いて、MFP100の電気的構成について説明する。MFP100は、図3に示すように、CPU31(判断手段,特定手段,判定手段の一例)と、ROM32と、RAM33と、NVRAM(Non Volatile RAM)34とを備えた制御部30を備えている。また、制御部30は、画像形成部10と、画像読取部20と、操作パネル40と、ネットワークインターフェース37とに、電気的に接続されている。
【0032】
ROM32には、MFP100を制御するための制御プログラムであるファームウェアや各種設定、初期値等が記憶されている。RAM33及びNVRAM34は、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、あるいは印刷データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
【0033】
CPU31は、ROM32から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って、その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら、MFP100の各構成要素を制御する。
【0034】
ネットワークインターフェース37は、他の装置との通信を可能にするインターフェースである。MFP100は、ネットワークインターフェース37を介して他の装置から送信される印刷データを受信する。
【0035】
[MFPの制御]
続いて、MFP100の制御について説明する。MFP100は、記憶媒体が添付された原稿に対し、その記憶媒体に記憶された記憶情報と原稿の表面に形成された画像情報との比較を行い、比較結果が既定の条件を満たすか否かを判断し、その判断結果に応じた態様でコピーを行うIDコピーモードを有する。このIDコピーモードは、例えば運転免許証や保険証、あるいはパスポートといった特定の原稿をコピーする場合に好適である。なお、IDコピーモードを利用する際の原稿は、記憶媒体が添付された原稿であればよく、個人認証に用いられる原稿に限るものではない。
【0036】
なお、IDコピーモードでない場合は、非IDコピーモードが実行される。非IDコピーモードは、原稿に記憶媒体が添付されているか否かに関係なく、一般的なコピー、すなわち、原稿の表面に形成された画像情報を読み取って用紙にコピーするモードである。
【0037】
[コピー処理]
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態に関するコピー処理(取得手段,読取手段,判断手段,出力手段,検知手段,第一の受付手段,第二の受付手段,判定手段,特定手段の一例)について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0038】
第1の実施形態のコピー処理では、スタートキーの押下が検出されると、ユーザによってセットされている原稿の読み取りが開始される。原稿は、ADF20にセットされていてもよいし、プラテンガラス24にセットされていてもよい。
【0039】
ここで、操作パネル40の操作によってユーザから指定された指示(第一の受付手段の一例)に基づいて、原稿に添付された記憶媒体の記憶情報と原稿の画像情報との比較結果が、既定の条件を満たすか否かの判断が必要か否かをCPU31が判断する(S100)。なお、これはR/W装置50が原稿に添付された記憶媒体を検知したか否かとしてもよい(S100、検知手段の一例)。
【0040】
S100にて、ユーザによって判断が必要でないと指示される、またはR/W装置50が記憶媒体を検知しない(S100:No)ときは、制御部30によって非IDコピーモードに切り替え、予め定められた態様で出力を行う(S101)。例えば、そのまま読み取った画像を印刷する。
【0041】
一方、S100にてユーザによって判断が必要だと指示される、またはR/W装置50が記憶媒体を検知する(S100:Yes)と、制御部30によってIDコピーモードに切り替え、S102に移行する。
【0042】
S102では、画像読取部20が原稿の画像情報を読み取る(読取手段の一例)。次に、R/W装置50が原稿に添付された記憶媒体に記憶された記憶情報を取得する(S103、取得手段の一例)。続いて、取得した記憶情報と読み取った画像情報は、RAM33あるいはNVRAM34に記憶される。ここで、画像情報として、原稿の文字を光学文字認識した文字情報を記憶してもよい。これにより、比較結果が既定の条件を満たすか否かの判断に使用できる情報の選択肢が多くなったり、判断の精度が上がったりすることが期待できる。
【0043】
なお、S102とS103の順序は逆でもよいものとする。この場合は、S100にて判断が必要とされると(S100:Yes)、R/W装置50が原稿に添付された記憶媒体に記憶された記憶情報を取得し(S103)、次に画像読取部20が原稿の画像情報を読み取る(S102)。そしてS104に移行する。
【0044】
その後、CPU31が原稿の種別を特定する(S104、特定手段の一例)。例えば、取得した記憶情報あるいは読み取った画像情報に、名前と国籍が含まれていた場合、この原稿の種別はパスポートであると特定する。または、取得した記憶情報あるいは読み取った画像情報に、名前,住所及び免許種別が含まれていた場合、この原稿の種別は、運転免許証であると特定する。
【0045】
次に、S105にて、CPU31は特定された原稿種別に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報及び条件の少なくとも一つを変更する。ここでいう条件とは、例えば、完全一致,前方一致,類似等である。これにより、記憶情報と画像情報が既定の条件を満たすか否かを、特定された原稿種別に応じて適切に判断することが期待できる。
【0046】
そして、画像読取部20によって読み取った画像情報に、記憶情報との比較に用いる情報が含まれているか否かによって、判断を行う原稿面であるか否かを判定する(S105、判定手段の一例)。例えば、読み取った画像情報に名前,性別,住所のいずれかが含まれていれば、判断を行う原稿面であるとし、名前,性別,住所のいずれも含まれていなければ、判断を行う原稿面でないと判定する。
【0047】
これにより、不要な判断やエラー等の発生を抑えることができる。つまり、記憶情報との比較に用いる画像情報が含まれていない原稿面で、記憶情報と画像情報とが既定の条件を満たすか否かの、不要な判断を抑えられる。また、記憶情報と画像情報との比較ができずにエラーが発生したり、比較結果が既定の条件を満たさなかったと判断されたりすることも抑えられる。
【0048】
なお、判断を行う原稿面であるか否かの判定は、操作パネル40からのユーザの指示があったか否かで判定してもよい(第二の受付手段の一例)。例えば、操作パネル40のYesキーの押下が検出されると、CPU31は判断を行う原稿面であると判定し、Noキーが押下されると判断を行う原稿面でないと判定する(S105)。
【0049】
判断を行う原稿面であると判定されたら(S105:Yes)、CPU31は記憶情報と画像情報を比較し、比較結果が既定の条件を満たすか否かを判断する(S106、判断手段の一例)。例えば、原稿が運転免許証の場合に、記憶情報には名前,顔写真,住所,免許種別が情報として含まれ、画像情報には名前,顔写真,住所が情報として含まれているとする。
【0050】
そして、運転免許証という原稿種別に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件が、例えば、記憶情報の名前と画像情報の名前が完全一致するか否か、記憶情報の顔写真と画像情報の顔写真が部分一致するか否か、を判断すると変更されていたとする。
【0051】
この場合、記憶情報の名前と画像情報の名前が完全一致し、記憶情報の顔写真と画像情報の顔写真が類似していれば、既定の条件を満たすと判断する。一方、記憶情報の名前と画像情報の名前が完全一致しない、あるいは記憶情報の顔写真と画像情報の顔写真が類似していなければ、既定の条件を満たさないと判断する。
【0052】
なお、S105では、判断を行う原稿面であるか否かを判定せず、S104の後にS106へと移行してもよい。この場合、判断結果に応じた態様での出力は、原稿面ごとには行わない。例えば、全ての原稿面の画像情報を記憶しておき、全ての原稿面の読取が完了してから、記憶情報と画像情報とが既定の条件を満たすか否かの判断を行い、その判断結果に応じた態様で印刷を行ってもよい。
【0053】
続いて、S106にて判断された判断結果に応じた態様で、画像形成部10が出力を行う(出力手段の一例)。例えば、図4に示すように比較結果が既定の条件を満たしていれば(S106:Yes)、読み取った画像を印刷し(S107)、条件を満たしていなかった場合は(S106:No)印刷しない(S108)。これにより、既定の条件を満たすものを印刷することができる。
【0054】
上記第1の実施形態では、S104にて特定した原稿種別に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更している。しかし、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件は、操作パネル40の操作によってユーザから指定されたものでもよい。この場合、例えば、原稿が運転免許証だった場合、名前について完全一致するか否か、顔写真が類似するか否かを判断する、と操作パネル40から指示される。
【0055】
これにより、記憶情報と画像情報とが既定の条件を満たすか否かを、ユーザの意図するように適切に判断することが期待できる。なお、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件は、原稿種別やユーザの指示に基づかなくてもよい。この場合、例えば、記憶情報と画像情報が有している全ての情報について、完全一致するか否か、あるいは類似するか否かを判断してもよい。
【0056】
また、上記第1の実施形態では、図4に示すように比較結果が既定の条件を満たしていないと判断された場合、読み取った画像情報を印刷しないとした(S108)。しかしここでは、例えば記憶情報と画像情報とが既定の条件を満たさなかった旨を示す、異種類の画像を付加して印刷してもよい。例えば、×マークや不一致という文字を、読み取った画像とともに印刷したり、色を変えて印刷したりしてもよい。これにより、既定の条件を満たさなかったことが分かる状態で印刷することができる。
【0057】
また、上記実施の形態では、S107やS108において、S106にて判断した判断結果を、例えばPCやサーバ等の外部装置や、操作パネル40に通知してもよい。通知方法は、例えば表示部41に表示してもよいし、アナウンスやエラー音等でもよい。これにより、記憶情報と画像情報とが既定の条件を満たさなかったことを、ユーザが分かりやすくなる。
【0058】
[第2の実施形態]
続いて、IDコピーの別実施形態について、図5を参照しつつ説明する。本実施形態のIDコピーでは、記憶媒体に固有の記憶情報から得られた情報と画像情報とを比較する。この点、記憶媒体に記憶された記憶情報と原稿の画像情報を原稿種別やユーザの指定に基づいて比較判断する第1の実施形態とは異なる。なお、第1の実施形態と同じ処理については、第1の実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0059】
第2の実施形態のIDコピー処理では、S100からS105までの処理、S107からS108までの処理は、第1の実施形態と同様である。
【0060】
なお、第2の実施形態では、S103にて、記憶媒体に固有の記憶情報を取得する。記憶媒体に固有の記憶情報とは、書き換えが不可能な領域にある情報であり、例えばRFIDタグの製造番号等である。
【0061】
そして、S105にて判断が必要な原稿面だと判定された後(S105:Yes)、記憶媒体に固有の記憶情報と画像情報の対応関係をデータベースより参照する(S201)。そして、画像情報とデータベースから参照した情報を比較する(S202)。例えば、RFIDの製造番号1111は、所有者Aさんであるという対応関係が参照された場合に、画像情報がAさんの情報を示しているか否かを判断するといった具合である。データベースは、例えばPCやサーバ等の外部装置にあってもよいし、プリンタ内のNVRAM24にあってもよい。
【0062】
なお、固有の記憶情報と画像情報をデータベースより参照するのは、S104の前でもS105の前でもよい。S104の前に行う場合、S103にて記憶情報を取得した後、固有の記憶情報と画像情報をデータベースより参照し(S201)、原稿の種別を特定するS104以降へと移行する。また、S105の前に行う場合、S104にて原稿の種別を特定した後、固有の記憶情報と画像情報をデータベースより参照し(S201)、判断が必要な原稿面か否かを判定するS105以降へと移行する。
【0063】
前述したように、第2の実施形態では、書き換えが不能な記憶媒体に固有の記憶情報を画像情報と画像情報とを比較する。そのため、比較の精度が高くなることが期待できる。
【0064】
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、MFPに限らず、複写機等、画像読取機能及び画像送信機能を備えるものであれば適用可能である。
【0065】
また、本実施形態では、出力の例として印刷を挙げているが出力とは印刷に限るものではない。例えば、読み取った画像情報を表示パネルに表示したり、PCに送信したりする、等がある。
【符号の説明】
【0066】
10 画像形成部
20 画像読取部
31 CPU
40 操作パネル
50 R/W装置
90 原稿
91 用紙
100 MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に添付された記憶媒体から記憶情報を取得する取得手段と、
原稿から画像情報を読み取る読取手段と、
前記記憶情報と前記画像情報との比較を行い、比較結果が既定の条件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって判断した判断結果に応じた態様で出力を行う出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記原稿に記憶媒体が添付されているか否かを検知する検知手段を備え、
前記出力手段は、
前記検知手段により原稿に記憶媒体が添付されていると検知された場合、前記判断結果に応じた態様で出力を行い、
前記検知手段により原稿に記憶媒体が添付されていないと検知された場合、原稿に記憶媒体が添付されていない場合に用いる、予め定められた態様で出力を行う、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、
ユーザからの、前記判断が必要か否かの指示を受け付ける第一の受付手段を備え、
前記出力手段は、
前記第一の受付手段が指示を受け付けた場合、前記判断結果に応じた態様で出力を行い、
前記第一の受付手段が指示を受け付けなかった場合、指示を受け付けなかった場合に用いる、予め定められた態様で出力を行う、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記画像情報を読み取る原稿面が、前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面か否かを判定する判定手段を備え、
前記出力手段は、
前記判定手段が前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面であると判定した場合、前記判断結果に応じた態様で出力を行い、
前記判定手段が前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面でないと判定した場合、前記既定の条件を満たすか否かの判断を行う原稿面でない場合に用いる、予め定められた態様で出力を行う、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像処理装置において、
原稿種別を特定する特定手段を備え、
前記判断手段は、前記特定手段によって特定された原稿種別に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更する、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置において、
ユーザからの、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更する指示を受け付ける第二の受付手段を備え、
前記判断手段は、前記第二の受付手段が受け付けた指示に基づいて、比較に用いる記憶情報,画像情報,及び条件の少なくとも一つを変更する、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記判断手段は、前記画像情報として、原稿の画像を光学文字認識した文字情報を用いる、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記出力手段は、前記判断結果に応じた態様として、出力するという態様、及び出力しないという態様、を有している、ことを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−93684(P2013−93684A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233629(P2011−233629)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】