説明

画像出力システム、制御装置、画像出力方法、画像出力プログラム、及び、そのプログラムを記憶した記憶媒体

【課題】 記録用紙上の画像出力位置のズレを調整する画像出力システムであって、記録用紙上の画像出力位置を簡便且つ正確に調整する画像出力システムを提供することにある。
【解決手段】 出力手段により記録用紙両面に出力された調整用画像を、それぞれ読取手段で読み込み、表裏合成表示手段によって合成表示し、かつ表示された各調整用画像を調整用画像移動手段によって移動させて、位置変化量算出手段によってこの移動した各調整用画像の位置変化量を算出し、調整値生成手段によってこの算出された位置変化量に応じて調整値を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像出力システム、制御装置、画像出力方法、画像出力プログラム、及び、そのプログラムを記憶した記憶媒体に関し、特に記録用紙上の画像の出力位置を簡便かつ利便性よく調整する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーレーザプリンタや、スキャナ・コピア・ファクシミリ機能を併せ持つ複合機等の画像形成装置は、記録用紙上の画像出力位置の調整が必要な場合がある。これは、記録用紙のサイズの相違や、給紙カセット毎の搬送経路の相違等によって、搬送精度にバラつきが生じるためで、記録用紙の給紙位置がずれるからである。特に、両面印刷の場合、表面と裏面における位置関係が相対的に大きなズレとなる場合があり、画像品位の低下を誘発する。そこで、従来は、画像を出力する際に、記録用紙の給紙位置のズレを反映させるべく、記録用紙上の画像位置を調整していた。
【0003】
例えば、記録用紙表面に所定ピッチの目盛を出力し、かつ裏面に複数の目盛を出力する。裏面の複数の目盛は、表面の目盛と意図的に位相がずらされており、それぞれが固有の位相を有する。そして、裏面のいずれが、表面の位相と近似したかを利用者に選択させ、選択に基づいて搬送方向の調整値を生成する(例えば、特許文献1参照。)。また、記録用紙端から評価マークまでの距離を計測して調整値を算出するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
すなわち、従来の画像出力位置の調整は、記録用紙に目盛やマークを出力して、この目盛やマークに基づいて調整値を設定するものであり、画像出力位置の完全調整においては、この目盛やマークの出力と調整値の設定を何度か繰り返すものであり、記録用紙上に出力しなおして、画像出力位置の調整結果を反映させる。
【0005】
ところで、従来オフィス用途として使用されていたカラーレーザプリンタや複合機等の画像形成装置は、性能向上によって、オフィス用途に限られず印刷分野においても使用され始めている。特に、POD(Print On Demand)やDCP(Digital Color Proof)作成の分野においてのこれら画像形成装置の要望は多い。
【0006】
PODは、DTP(Desk Top Publishing)などにより作成された画像データを、製版工程を経ずに直接記録用紙に出力するものである。すなわち、従来のオフセット印刷に比べて、必要時に必要量の印刷が可能であり、また1枚毎に印刷内容を変えたバリアブル印刷が可能となる。このPODは、少量印刷において特にその使用価値を高めており、したがって、画像形成単価が比較的安価であるカラーレーザプリンタや複合機等の画像形成装置が脚光を浴びているものである。また、DCP作成においても同様に安価で高品質なカラー出力を行うことができるカラーレーザプリンタや複合機等の画像形成装置が脚光を浴びている。
【0007】
PODやDCP等の印刷分野においては、オフィス用途に比べて高度な印刷精度が要求され、かつ頻繁に多種多様な記録用紙を各所の給紙カセットに入れ替え作業するために簡便かつ利便性のよい画像位置の調整が求められる。
【0008】
【特許文献1】特開2003−262990号公報
【特許文献2】特開平8−115011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の画像出力位置の調整手法によっては、調整結果を確認する場合に一度記録用紙に画像を出力する必要がある。画像出力位置の調整は、一度の調整で完全に調整することは困難であるから、調整値を微妙に変えて何度も記録用紙を出力しなくてはならない。従って、無駄に記録用紙を消費し、かつ時間を無用に消費する。
【0010】
特に、記録用紙の両面に画像を出力する場合、個々の画像出力位置の調整について、両面の画像の相対的な位置関係を考慮に入れてされなくてはならず、または個々の画像出力をそれぞれ別々に調整しなくてはならず、無駄になってしまう記録用紙がいっそう多くなり、また時間もそれだけ無用に消費する。
【0011】
特に、PODやDCP作成の上述の運用では、多種類の記録用紙を頻繁に入れ替えながら作業をしているため、記録用紙を入れ替えるたびに、画像出力位置の調整を行わなくてはならず、上述の問題点が顕著となる。
【0012】
この発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、画像出力位置の微調整と調整結果確認のための画像出力を繰り返すことなく、記録用紙上の画像の出力位置を簡便かつ利便性よく調整し、調整結果を記録用紙に出力することなく把握する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力システムであって、記録用紙両面に調整用画像を出力する出力手段と、前記出力手段により出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を両面それぞれについて生成する調整値生成手段と、を備え、前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて両面の画像出力位置調整を行い、前記出力手段により記録用紙上に画像が出力されること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力システムであって、予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶しておく許容値記憶手段と、記録用紙両面に調整用画像を出力する出力手段と、前記出力手段により出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出する相対位置ズレ算出手段と、前記許容値設定手段により記憶された前記許容値と、前記相対位置ズレ算出手段により算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知する報知手段と、前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を両面それぞれについて生成する調整値生成手段と、を備え、前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて両面の画像出力位置調整を行い、前記出力手段により記録用紙上に画像が出力されること、を特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、画像出力データを画像形成装置に転送して記録用紙上に画像を出力させる画像出力制御装置であって、記録用紙両面に出力された調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する調整値生成手段と、前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する画像出力データ調整手段と、調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備えること、を特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、画像出力データを画像形成装置に転送して記録用紙上に画像を出力させる画像出力制御装置であって、予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶しておく許容値記憶手段と、記録用紙両面に出力された調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出する相対位置ズレ算出手段と、前記許容値設定手段により記憶された前記許容値と、前記相対位置ズレ算出手段により算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知する報知手段と、前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する調整値生成手段と、前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する画像出力データ調整手段と、調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備えること、を特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力方法であって、記録用紙両面に調整用画像を出力し、出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取り、読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示し、表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させ、移動された前記調整用画像の位置変化量を算出し、算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成し、生成された前記調整値に基づいて表裏両面の画像出力位置調整を行い、記録用紙上に画像を出力すること、を特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力方法であって、予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶し、記録用紙両面に調整用画像を出力し、出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取り、読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示し、表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させ、移動された前記調整用画像の位置変化量を算出し、表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出し、予め記憶された前記許容値と、算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較し、比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知し、算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成し、生成された前記調整値に基づいて表裏両面の画像出力位置調整を行い、記録用紙上に画像を出力すること、を特徴とする。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、コンピュータで構成された画像出力制御装置に対し、読取手段と出力手段を備える画像形成装置に画像出力データを転送して記録用紙上に画像を出力させる処理を実行させる画像出力プログラムであって、記録用紙両面に調整用画像を出力させる処理を実行させ、出力された表裏両面の調整用画像を前記読取手段によって読み取らせる処理を実行させ、読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する処理を実行させ、表示された表裏両面の調整用画像がそれぞれ移動されると、移動された調整用画像の位置変化量を算出する処理を実行させ、算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する処理を実行させ、生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する処理を実行させ、調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する処理を実行させること、を特徴とする。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、コンピュータで構成された画像出力制御装置に対し、読取手段と出力手段を備える画像形成装置に画像出力データを転送して記録用紙上に画像を出力させる処理を実行させる画像出力プログラムであって、予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶させる処理を実行させ、記録用紙両面に調整用画像を出力させる処理を実行させ、出力された表裏両面の調整用画像を前記読取手段によって読み取らせる処理を実行させ、読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する処理を実行させ、表示された表裏両面の調整用画像がそれぞれ移動されると、移動された調整用画像の位置変化量を算出する処理を実行させ、表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出する処理を実行させ、設定された前記許容値と、前記相対位置ズレ算出手段により算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較する処理を実行させ、比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知する処理を実行させ、算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する処理を実行させ、生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する処理を実行させ、調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する処理を実行させること、を特徴とする。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または8のいずれかに記載の画像出力プログラムをコンピュータに読み出し可能に記憶したこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る画像出力システム、制御装置、画像出力方法、画像出力プログラム、及び、そのプログラムを記憶した記憶媒体によれば、記録用紙両面に出力された調整用画像を合成表示させ、かつ合成表示された各調整用画像を表示画面上で個々に移動させて、その位置変化量を調整値に反映するようにした。従って、調整結果の確認のために、微調整のたびに記録用紙に画像を出力する必要は無くなり、簡便かつ利便性よく画像出力位置の調整が可能となるとともに、記録用紙の無駄や時間の無駄を排することができる。特に、両面印刷の場合は、表面及び裏面の画像出力位置を一度に調整でき、両面の画像出力位置の調整が簡便性及び利便性は顕著である。さらに、調整過程における両面の相対的な位置関係を都度に把握でき、記録用紙の無駄や時間の無駄をいっそう排除することができるとともに、その相対的な位置関係を自由にカスタマイズすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の一実施形態について図1乃至図7に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像出力システムの全体構成を示す構成図である。図2は、本実施形態に係る画像出力システムの概略動作を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施形態に係る画像出力システムの機能ブロック図である。図4は、本発明の実施形態に係る画像出力システムの動作を示すPADチャート図である。図5は、表裏面の各調整用画像が合成された状態を示す図である。図6は、表裏面の各調整用画像の相対的位置ズレが許容値以内となり、それを報知することを説明する図である。図7は、表裏面の調整用画像が移動されたことを示す図である。
【0024】
本実施形態に係る画像出力システム1は、図1に示すように、片面もしくは両面印刷が可能なPODを行うシステムであり、各種記録用紙が使用され、例えば、ちらし等に用いられる微塗工紙、カタログ等に用いられるアート紙、その他、コート紙、キャスト紙、上質紙を含み、印刷用途に使用される記録用紙のいずれにおいても使用される。この画像出力システム1は、画像データの編集処理を行うクライアント端末2と、画像出力制御装置たる制御装置3と、画像形成装置4とをネットワーク接続して構成されている。
【0025】
制御装置3は、図示しないCPU、ROM、RAM、HDD、I/Fにより構成されており、ROMまたはHDDに記憶された画像出力プログラムを実行し、CPUが演算を行いつつ、I/Fによって適宜他の装置とデータの入出力を行うことによって後述する各機能が実現され各処理が実行される。また、図5乃至図7に示す表示画面やマウス・キーボード等のマンマシンインターフェースを備え、利用者の操作が可能である。この制御装置3は、第1に画像出力データ生成部5を備え、画像データの調整処理とRIP(Raster Image Process)処理を施し、必要に応じて色調整やスクリーン処理を行い、さらに画像データに画像出力位置情報等の画像形成装置4を制御する出力制御情報を付加した画像出力データを生成する。第2に調整値設定部6を備え、記録用紙上の画像位置を適正にして搬送精度によるズレを補正する調整値を設定する。この調整値は、画像出力データの生成時における画像データの調整に使用される。そして、調整された画像データを含む画像出力データを画像形成装置4に転送して画像出力処理を実行させる。
【0026】
画像形成装置4は、複数の給紙カセットとスキャナ等の読取部8と出力部7を備えた電子写真方式のカラーレーザプリンタにより構成される。出力部7は、画像出力データに基づき該当の給紙カセットから給紙を受けて記録用紙上に画像を出力する。特に調整値を設定する場合には、記録用紙両面に調整用画像を出力する。また、読取部8は、プラテンを有し、このプラテン上に置かれた記録用紙上の画像を読み取る。特に調整値を設定する場合には、記録用紙両面上の調整用画像を読み取る。
【0027】
このような画像出力システム1の概略動作を図2に基づき説明する。まず、クライアント端末2で、画像データの編集処理が行われる(S100)。編集処理を終えた画像データは、制御装置3に送信される(S110)。
【0028】
次に、画像データが送信された制御装置3は、調整値設定部6により設定された調整値に基づき、画像データを調整し、画像位置の調整を行う(S120)。
【0029】
画像位置の調整が行われた画像データは、画像出力データ生成部5により、まず、RIP処理が施され、CMYK四色分の色版別ラスター画像データが生成され(S130)、必要に応じて色調整・スクリーン処理が施され(S140)、さらに、画像出力位置情報等の出力制御情報が画像データに付加される(S150)ことにより、画像出力データが生成される。生成された画像出力データは、画像形成装置4に転送され(S160)、画像形成装置4の出力部7により、画像出力データに基づいて記録用紙上の適正位置に画像を出力する(S170)。
【0030】
このような画像出力システム1における調整値の設定について、制御装置3の調整値設定部6および画像形成装置4の出力部7、読取部8の構成及び動作に基づいて、詳細に説明する。
【0031】
本実施形態における画像出力システム1は、図3に示すように、調整値設定部6において、調整用画像記憶部9、表裏合成表示部10、調整用画像移動部11、位置変化量算出部12、調整値生成部13、位置ズレ量算出部14、許容値設定・記憶部15、比較部16、及び報知部17を備える。
【0032】
調整用画像出力データ記憶部9は、調整用画像出力データを記憶している。調整用画像出力データは、記録用紙両面に出力される表裏両面の調整用画像の画像データと、この画像データを出力する際の画像位置を規定する画像出力位置情報とが含まれたデータである。本実施形態における表裏両面の調整用画像は、それぞれ四分割の格子形状を有する枠体で構成されている。また、画像位置出力情報は、記録用紙の中心に枠体中心が位置するように設定されている。
【0033】
表裏合成表示部10は、表裏両面にそれぞれ出力される画像を合成して同時表示する。
【0034】
合成される画像としては、調整値を設定する際に読取部8が読み取った記録用紙両面上の調整用画像18a、18bや、各調整用画像18a、18bの相対的な位置ズレの許容範囲設定のために、調整用画像出力データ記憶部9から読み出される予め記憶されている各調整用画像データがある。
【0035】
調整値の設定における合成の際には、図5に示すように、読み取った記録用紙上における各調整用画像18a、18bの画像位置を維持したまま合成し、また各調整用画像18a、18bを個別に移動できるように個別のオブジェクトとして認識して合成する。
【0036】
同時表示する際には、基準マトリックス22上に表示させるようにし、本来記録用紙の中心にくるように設定されて出力されたはずの調整用画像18a、18bが出力過程を経ることによってどの程度ずれてしまうかを表裏面同時に目視させる。基準マトリックス22は、記録用紙の中心に原点がくるマトリックスである。すなわち、基準マトリックス22の原点は、調整用画像の画像出力位置情報との関係上、各調整用画像18a、18bの枠体中心が本来あるべき正規位置として表されることになる。
【0037】
また、表裏面同時に表示することによって、各調整用画像18a、18bの相対的な位置ズレを目視させる。すなわち、この表裏両面同時表示は、調整用画像を合成表示させることによって、搬送方向、搬送直交方向、画像の角度の相対的な位置ズレが同時に表現される。尚、表示方法として、各調整用画像18a、18bを拡大・縮小して微細な位置ズレを目視し易いようにしてもよい。
【0038】
調整用画像移動部11は、マウスやキーボード等のマンマシンインターフェースを監視しており、利用者の操作から利用者の要求を認識する。利用者の操作には、例えば、図5に示すように、表裏合成表示部10に合成された各調整用画像18a、18bの枠体中心をマウスでクリックすることが挙げられ、これにより調整用画像の選択を認識する。マウスをクリックしたまま動かすことが挙げられ、調整用画像の搬送方向もしくは搬送直交方向への移動を認識する。枠体隅をクリックしてマウスを動かすことが挙げられ、画像回転移動を認識する。また、図5に示すような表示画面上に表示されている自動調節ボタン20の押下、決定ボタン20の押下がある。
【0039】
位置変化量算出部12は、調整用画像移動部11への移動操作の入力をうけて、位置変化量を算出する。算出される位置変化量は、記録用紙搬送方向における各調整用画像18a、18bの出力当初の位置と移動後の位置との差である搬送方向位置変化量、同様に記録用紙直交方向における搬送直交方向位置変化量、各調整用画像18a、18bの記録用紙上の出力角度から回転移動後の角度との差である回転角位置変化量に分解されて算出される。この位置変化量は、例えばマウスが移動された方向および距離から算出されるものであり、実際の記録用紙上における調整用画像の位置変化量が算出される。尚、マウスが移動された方向及び距離からの位置変化量算出の他に、表示画面上の各調整用画像18a、18bの移動から算出してもよいが、この場合、表示画面の解像度を極力上げることが重要である。
【0040】
調整値生成部13は、位置変化量に基づき調整値を生成する。調整値は、位置変化量算出部12で算出された位置変化量に基づくものであり、画像データに加える余白データや画像データを回転させる回転角度データである。搬送方向の余白データ、搬送直交方向の余白データ、回転角度のデータがそれぞれ調整値として生成される。
【0041】
位置ズレ量算出部14は、搬送方向及び搬送直交方向に2つの座標がどの程度ずれているのかを算出し、表面の調整用画像18aと裏面の調整用画像18bの記録用紙に対する角度や各調整用画像18a、18bの相対的な角度がどの程度ずれているのかを算出する。
【0042】
搬送方向及び搬送直交方向における算出対象としては、表面の調整用画像18aと裏面の調整用画像18bとの相対的な位置ズレ量や、各調整用画像18a、18bの重心が基準マトリックス22の原点、または調整用画像記憶部9が保持している画像出力情報に基づく出力前の調整用画像の重心の原点(通常は基準マトリックス22の原点と一致)とどの程度ずれているのかを示す位置ズレ量がある。この算出には、各調整用画像18a、18bの重心となる枠体中心のベクトルを算出することで基準マトリックス22の原点とどの程度ずれているのかを示す位置ズレ量を算出し、またこれらベクトルの差の絶対値を求めることにより相対的な位置ズレ量を算出している。尚、相対的な位置ズレ量の算出や適正位置からの位置ズレの算出に画像出力情報を使用する場合には、画像出力情報に基づく出力前の調整用画像の重心を原点としたベクトルを算出し、また相対的な位置ズレ量を算出する場合は、単に各調整用画像18a、18bの距離を算出するようにしてもよい。
【0043】
角度のズレを算出する場合には、重心のズレの算出に加えて、各調整用画像18a、18bの枠帯隅のズレを算出する。この重心のズレと枠帯隅のズレを考慮することで最終的に角度のズレが算出される。
【0044】
許容値設定・記憶部15は、利用者に許容値を設定させ、それを記憶しておく。許容値は、表面の調整用画像18aと裏面の調整用画像18bとの相対的な位置ズレに関して利用者が許容する範囲を定めた値である。
【0045】
比較部16は、許容値設定・記憶部15で記憶されている許容値と位置ズレ量算出部14で算出された相対的な位置ズレ量を比較する。許容値及び相対的な位置ズレ量が上述のようにベクトルの絶対値で表される場合には、減算処理を行い、許容値内に相対的な位置ズレ量が含まれるか否かが判断される。
【0046】
報知部17は、相対的な位置ズレ量が許容範囲内である場合に、利用者にこれを報知する。報知部17は、比較部16の判断結果に基づき、許容範囲内である場合に報知する。報知は、例えば、図6に示すように、表示画面上に許容範囲内に入ったことを知らせる「許容範囲にはいりました」のダイアログ21を表示し、あるいはビープ音等を発する。
【0047】
これら各構成は、それぞれ単独動作、または協働動作することによって、調整値の設定を実現し、各調整用画像18a、18bの適正位置への移動の自動調節を実現し、表面の調整用画像18aと裏面の調整用画像18bの相対的な位置ズレが許容範囲内に入ったことの報知を実現する。
【0048】
調整値の設定は、表裏合成表示部10と調整用画像移動部11と位置変化量算出部12と調整値生成部13とにより実現される。すなわち、表裏合成表示部10は、画像形成装置4の読取部8により読み取られた表裏両面の調整用画像18a、18bを合成して表示する表裏合成表示手段となる。また、表裏合成表示部10により各調整用画像18a、18bをオブジェクトとして認識した上で、調整用画像移動部11は、各調整用画像18a、18bの選択及び移動を認識することによってそれぞれを所望の方向に移動させる調整世画像移動手段となる。同時に、各調整用画像18a、18bは再描画される。このとき、位置変化量算出部12は、移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段となる。さらに、調整値生成部13は、位置変化量に基づいて記録用紙上の画像位置を調整する調整値を両面それぞれについて生成する調整値生成手段となる。
【0049】
適正位置への自動調節は、表裏合成表示部10と位置ズレ量算出部14と位置変化量算出部12とにより構成される。すなわち、表裏合成表示部10は、読取部8により読み取られた表裏両面の調整用画像18a、18bを合成して表示する。同時に、位置ズレ量算出部14は、基準マトリックス22の中心を原点として、もしくは調整用画像記憶部9に記憶されている画像出力位置情報に基づく出力前の調整用画像の重心を原点として、各調整用画像18a、18bの重心の座標のベクトルをそれぞれ算出する。位置変化量算出部12は、この算出結果から、各調整用画像18a、18bが適正位置に移動する位置変化量を算出する。
【0050】
許容範囲に入ったことに対する報知は、許容値設定・記憶部15と位置ズレ量算出部14と比較部16と報知部17とにより構成される。すなわち、許容値設定・記憶部15は、予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶する許容値設定手段となる。位置ズレ量算出部14は、表面の調整用画像18aと裏面の調整用画像18bの相対的な位置ズレ量を検出する相対位置ズレ算出手段となる。そして、比較部16は、許容値設定・記憶部15で設定された許容値と位置ズレ量産種粒14で算出された相対的な位置ズレ量が比較する比較手段となる。報知部17は、相対的位置ズレが許容値以内である場合に許容範囲であることを報知する報知手段となる。尚、許容値設定・記憶部15の許容値の設定は、調整用画像記憶部9に記憶されている各調整用画像18a、18bの画像データを表示させて、位置ズレ量算出部14で相対的な位置ズレ量を検出させ、利用者が所望する許容範囲に収まった時点での相対的な位置ズレ量を許容値として設定すればよい。
【0051】
尚、上述の各構成における各調整用画像18a、18bの重心の検出は、画像処理、即ち読み取ったデータをサーチすることで検出すればよい。その後の重心の検出は、初回のサーチの検出結果に重心位置の変化を加算していけばよい。
【0052】
このように、各構成が動作し、各手段を実現するが、この各構成の動作は、表示画面上に再現され、利用者による目視のもとで処理される。図5は、各構成の動作により表示される表示画面である。図5に示すように、表裏合成部10によって、基準マトリックス22上に各調整用画像18a、18bが記録用紙上の画像位置を維持したまま合成表示される。
【0053】
表示画面中段には、位置変化量算出部12により算出された位置変化量が表示される。ここで表示される位置変化量は、利用者の便宜のため、搬送方向位置変化量を「右」として表示し、搬送直交方向位置変化量を「下」として表示し、回転角位置変化量を「角度」として表示する。
【0054】
表示画面下段には、自動調節ボタン19と決定ボタン20が配される。自動調節ボタン19は、各調整画像18a、18bの適正位置への移動を自動で行う。決定ボタン20は、調整値の最終的な値を決定し、処理を終了させるボタンであり、このボタンが押されない限りは、調整値の設定及び適正位置への自動調節を継続的かつ反復的に動作できるようになっている。
【0055】
また、図6に示すように、相対的な位置ズレ量が許容範囲内となると、報知部17によって、それを報知するダイアログ21を表示して利用者にその旨を知らせる。また、調整用画像移動手段と位置変化量算出手段による各調整用画像18a、18bの移動は、図7に示すように、表示画面上に反映される。
【0056】
このような本実施形態に係る画像処理システムの調整値の設定動作を図4乃至図7に基づき詳細に説明する。
【0057】
まず、調整用画像記憶部9に記憶されている表裏両面の調整用画像18a、18bの画像データと記録用紙の中心に各画像データを出力するように規定した画像出力情報等によりなる画像出力データを出力部7に転送する。出力部7は、画像出力データに従い記録用紙の表面に調整用画像18aを出力し、裏面に調整用画像18bを出力する(S200)。
【0058】
このとき、出力された各調整用画像18a、18bは、記録用紙の搬送精度に基づく位置ズレの影響を受け、想定された適正位置とずれて出力されている。
【0059】
次に、読取部8により、記録用紙両面を読み取る。この結果、読取部8によって、各調整用画像18a、18bのそれぞれが画像位置の位置関係を含めて読み取られる(S210)。読み取られた記録用紙両面上の調整用画像18a、18bは、制御装置3に転送される(S220)。
【0060】
制御装置3に転送されたデータは、表裏合成表示部10に渡される。表裏合成表示部10にデータが渡されると、図5に示す表示画面を表示させる。図5に示すように、表裏合成表示部10は、基準マトリックス22上に記録用紙両面を合成して表示する。このとき、記録用紙両面上の調整用画像18a、18bも画像位置の位置関係を維持したまま合成表示される(S230)。
【0061】
次に、図5に示す決定ボタン20が押下されていないかを判断する(S240)。決定ボタン20が押下されない限りは、利用者による操作を自由に受け付ける状態となり、それ以降の入力操作、及び入力操作に基づく処理は、反復される。
【0062】
決定ボタン20が押下されていないと判断されると(S240Yes)、調整用画像移動部11は、調整用画像18a、18bが移動されたか否かを判断する(S250)。具体的には、マウスのクリックにより調整用画像18a、18bのいずれかが選択されたか否かの入力を検出し、かつマウスの移動方向及び移動距離の入力を検出する。
【0063】
調整用画像18a、18bの移動操作が入力されると(S250Yes)、位置変化量算出部12は、調整用画像移動部11への入力に応じて位置変化量を算出する(S260)。この位置変化量は、RAMに一時的に保存され、また図7に示すように、表示画面中段に表示され、同時に表裏合成表示部10によって各調整用画像18a、18bの画像出力位置が表示画面上で再描画される。
【0064】
位置変化量算出と連接して、位置ズレ量算出部14により、表面の調整用画像18aと裏面の調整用画像18bとの相対的な位置ズレ量が算出される(S270)。この相対的な位置ズレ量は、比較部16に渡される。同時に比較部16は、許容値設定・記憶部15から、予め設定されている許容値を読み出し、相対的な位置ズレ量と許容値の比較を行う。比較部16では、比較の結果によって、相対的な位置ズレ量が許容値以内にあるか否かを判断する(S280)。ここで、相対的位置ズレ量が許容値以内にある場合(S280Yes)、報知部17は、ビープ音を発すると共に、図6に示すようにダイアログ21を表示して、表面の調整用画像18aと裏面の調整用画像18bの相対的な位置ズレが許容範囲内に入ったことを報知する。
【0065】
また、決定ボタン20が押されない間は、このような各調整用画像18a、18bの移動に伴う処理と連接して、自動調節ボタン20が押下されたか否かが判断される(S300)。
【0066】
自動調節ボタン20が押下された場合(S300Yes)には、位置変化量算出部12により、各調整用画像18a、18bの重心と出力前の調整用画像の重心(通常は基準マトリックス22の原点)とがベクトルにより差分比較されて、適正位置(出力前の調整用画像の位置)に移動する位置変化量が算出される(S310)。そして、表裏合成表示部10は、この算出された位置変化量に基づいて、各調整用画像18a、18bを適正位置に再描画する(S320)。
【0067】
決定ボタン20が押されていない間(S240Yes)は、以上の処理を反復し、各調整用画像18a、18bが移動されたことに伴う位置変化量算出が行われ、また相対的な位置ズレ量を算出し、許容範囲内であれば報知する。また、自動調節ボタン19が押下されたことに伴う各調整用画像18a、18bの画像位置の自動調整を行う。この間、各調整用画像18a、18bの位置変化量は、絶えず加算処理されて更新保持される。
【0068】
一方、図7に示すように各調整用画像18a、18bが利用者所望の位置に移動されると、利用者は、決定ボタン20を押下して画像位置の調整を完了させる。決定ボタン20が押されると(S240No)、利用者の調整が完了したとみなす。そして、調整値生成部13に最終的な位置変化量が渡され、この位置変化量を基に記録用紙上の画像出力位置の調整値を生成する(S330)。尚、この時点で調整値を生成してもよいが、位置変化量が算出されるたびに調整値を修正生成し、決定ボタン20が押下された時点で調整値の生成を終了するようにしてもよい。
生成された調整値は、画像出力データ作成部5に渡され、画像データの調整に使用するために保存される(S340)。
【0069】
以上、本実施形態においては、HDDまたはROMに記憶された画像出力プログラムを実行させることで制御装置3に上述したような機能を備えるようにしたが、このような画像出力プログラムは、制御装置3が読取可能な記憶媒体、例えば、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)に記憶されているようにしてもよい。また、本実施形態において制御装置3は、画像出力プログラムを実行することで上述の機能を備えるようにしたが、専用回路を備えることで上述の機能を備えるようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態において調整値は、画像データを調整する調整値として生成した。この他、調整値は、画像出力位置情報を調整する値として設定されるようにすることもできる。すなわち、調整値は、画像出力位置の補正をするものであるから、画像出力データに含まれるいずれのデータを調整しても、記録用紙上の画像出力位置が調整されるものであればいかようにも設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態に係る画像出力システムの全体構成を示す構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像出力システムの概略動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る画像出力システムの機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像出力システムの動作を示すPADチャート図である。
【図5】表裏面の各調整用画像が合成された状態を示す図である。
【図6】表裏面の各調整用画像の相対的位置ズレが許容値以内となり、それを報知することを示す図である。
【図7】表裏面の調整用画像が移動されたことを示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1 画像出力システム
2 クライアント端末
3 制御装置
4 画像形成装置
5 画像出力データ生成部
6 調整値設定部
7 出力部
8 読取部
9 調整用画像記憶部
10 表裏合成表示部
11 調整用画像移動部
12 位置変化量算出部
13 調整値生成部
14 位置ズレ量算出部
15 許容値設定・記憶部
16 比較部
17 報知部
18a 表面の調整用画像
18b 裏面の調整用画像
19 自動調節ボタン
20 決定ボタン
21 ダイアログ
22 基準マトリックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力システムであって、
記録用紙両面に調整用画像を出力する出力手段と、
前記出力手段により出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、
前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、
前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、
前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を両面それぞれについて生成する調整値生成手段と、
を備え、
前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて両面の画像出力位置調整を行い、前記出力手段により記録用紙上に画像が出力されること、
を特徴とする画像出力システム。
【請求項2】
記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力システムであって、
予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶しておく許容値記憶手段と、
記録用紙両面に調整用画像を出力する出力手段と、
前記出力手段により出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、
前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、
前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、
前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出する相対位置ズレ算出手段と、
前記許容値設定手段により記憶された前記許容値と、前記相対位置ズレ算出手段により算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知する報知手段と、
前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を両面それぞれについて生成する調整値生成手段と、
を備え、
前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて両面の画像出力位置調整を行い、前記出力手段により記録用紙上に画像が出力されること、
を特徴とする画像出力システム。
【請求項3】
画像出力データを画像形成装置に転送して記録用紙上に画像を出力させる画像出力制御装置であって、
記録用紙両面に出力された調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、
前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、
前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、
前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する調整値生成手段と、
前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する画像出力データ調整手段と、
調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する転送手段と、
を備えること、
を特徴とする画像出力制御装置。
【請求項4】
画像出力データを画像形成装置に転送して記録用紙上に画像を出力させる画像出力制御装置であって、
予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶しておく許容値記憶手段と、
記録用紙両面に出力された調整用画像をそれぞれ読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する表裏合成表示手段と、
前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させる調整用画像移動手段と、
前記調整用画像移動手段によって移動された調整用画像の位置変化量を算出する位置変化量算出手段と、
前記表裏合成表示手段により表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出する相対位置ズレ算出手段と、
前記許容値設定手段により記憶された前記許容値と、前記相対位置ズレ算出手段により算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知する報知手段と、
前記位置変化量算出手段により算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する調整値生成手段と、
前記調整値生成手段により生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する画像出力データ調整手段と、
調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する転送手段と、
を備えること、
を特徴とする画像出力制御装置。
【請求項5】
記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力方法であって、
記録用紙両面に調整用画像を出力し、
出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取り、
読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示し、
表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させ、
移動された前記調整用画像の位置変化量を算出し、
算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成し、
生成された前記調整値に基づいて表裏両面の画像出力位置調整を行い、記録用紙上に画像を出力すること、
を特徴とする画像出力方法。
【請求項6】
記録用紙両面にそれぞれ画像を出力する画像出力方法であって、
予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶し、
記録用紙両面に調整用画像を出力し、
出力された表裏両面の調整用画像をそれぞれ読み取り、
読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示し、
表示された表裏両面の調整用画像をそれぞれ移動させ、
移動された前記調整用画像の位置変化量を算出し、
表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出し、
予め記憶された前記許容値と、算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較し、
比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知し、
算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成し、
生成された前記調整値に基づいて表裏両面の画像出力位置調整を行い、記録用紙上に画像を出力すること、
を特徴とする画像出力方法。
【請求項7】
コンピュータで構成された画像出力制御装置に対し、読取手段と出力手段を備える画像形成装置に画像出力データを転送して記録用紙上に画像を出力させる処理を実行させる画像出力プログラムであって、
記録用紙両面に調整用画像を出力させる処理を実行させ、
出力された表裏両面の調整用画像を前記読取手段によって読み取らせる処理を実行させ、
読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する処理を実行させ、
表示された表裏両面の調整用画像がそれぞれ移動されると、移動された調整用画像の位置変化量を算出する処理を実行させ、
算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する処理を実行させ、
生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する処理を実行させ、
調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する処理を実行させること、
を特徴とする画像出力プログラム。
【請求項8】
コンピュータで構成された画像出力制御装置に対し、読取手段と出力手段を備える画像形成装置に画像出力データを転送して記録用紙上に画像を出力させる処理を実行させる画像出力プログラムであって、
予め、表裏両面の調整用画像の相対的な位置ズレ量が許容される範囲を定める許容値を記憶させる処理を実行させ、
記録用紙両面に調整用画像を出力させる処理を実行させ、
出力された表裏両面の調整用画像を前記読取手段によって読み取らせる処理を実行させ、
読み取られた表裏両面の調整用画像を合成して表示する処理を実行させ、
表示された表裏両面の調整用画像がそれぞれ移動されると、移動された調整用画像の位置変化量を算出する処理を実行させ、
表示された表裏両面の前記調整用画像の相対的な位置ズレ量を算出する処理を実行させ、
設定された前記許容値と、前記相対位置ズレ算出手段により算出された前記相対的な位置ズレ量とを比較する処理を実行させ、
比較により前記相対的な位置ズレ量が前記許容値以内である場合に、許容範囲であることを報知する処理を実行させ、
算出された少なくとも最終的な位置変化量に基づき、記録用紙上の画像出力位置を調整する調整値を、表裏それぞれについて生成する処理を実行させ、
生成された前記調整値に基づいて画像出力データを調整する処理を実行させ、
調整された画像出力データを前記画像形成装置に転送する処理を実行させること、
を特徴とする画像出力プログラム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の画像出力プログラムをコンピュータに読み出し可能に記憶したこと、
を特徴とする記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−5487(P2006−5487A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177462(P2004−177462)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】