説明

画像出力システムおよびその制御方法、画像入力装置およびその制御方法、ならびに、画像出力装置およびその制御方法

【課題】近接無線通信を用いた画像出力装置の制御を柔軟に行うことを可能とする。
【解決手段】近接無線通信による通信が可能な状態でデジタルカメラからプリンタに対して印刷要求を送信し(SEQ501)、プリンタは、この印刷要求に応じて印刷処理を開始させる(SEQ502)。その後、デジタルカメラとプリンタとの距離が通信可能範囲外となり通信切断が発生した場合に(SEQ503)、プリンタの印刷処理を一時中断させる(SEQ504)。このとき、デジタルカメラにおいて、通信が再確立された場合にプリンタで行う処理を設定し、プリンタの出力処理を定義するスクリプトを生成する。このスクリプトを、再度、デジタルカメラとプリンタとの間の通信が確立された際に(SEQ505)、プリンタに送信する(SEQ509)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入力装置と画像出力装置との間でデータ通信を行う際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFIDやNFCなどに代表されるように、通信距離が1m未満といった近接無線通信によって情報をやり取りする技術の普及が進んでいる。なお、RFIDは、Radio Frequency Identificationの略称である。また、NFCは、Near Field Communicationの略称である。
【0003】
一方、近接無線通信は、無線通信であること、通信可能範囲が狭いこと、通信状況をユーザが把握するのが困難であることなどから、比較的簡単に通信の切断が発生してしまう。したがって、近接無線通信を用いた機器間の通信においては、通信切断への対処を十分に考える必要がある。特許文献1では、画像入力装置と画像出力装置間の通信切断に対して、通信切断が発生した場合に出力処理を中断し、通信が再度確立されたら出力処理を再開する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−252952
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、実行中の出力処理をキャンセルするためにユーザが意図的に通信を切断しても、通信の再確立時に出力処理が再開されてしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、画像入力装置と画像出力装置とを近接無線通信で接続し、画像入力装置から近接無線通信により送信された画像データを画像出力装置で出力する画像出力システムであって、画像入力装置は、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第1の検出手段と、画像出力装置に行わせる出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、少なくともユーザ操作受け付け手段に受け付けられたユーザ操作に応じて、出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成手段と、近接無線通信を行う第1の通信手段と、第1の通信手段により画像データの送信を行った後に第1の検出手段により切断が検出され、切断の検出の後に第1の検出手段により接続が再び検出されたら、スクリプト生成手段により生成された出力処理定義スクリプトを第1の通信手段で送信させる第1の制御手段とを備え、画像出力装置は、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第2の検出手段と、近接無線通信を行う第2の通信手段と、画像データを出力する画像出力手段と、第1の通信手段で送信された画像データを第2の通信手段で受信し、受信された画像データを画像出力手段で出力しているときに第2の検出手段により切断が検出されたら、画像出力手段による画像データの出力を中断させ、第2の検出手段により接続が再び検出されたら、第1の通信手段により送信され第2の通信手段で受信した出力処理定義スクリプトに応じて、画像出力手段による画像データの出力処理を制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とする画像出力システムである。
【0007】
また、第2の発明は、画像出力装置と近接無線通信で接続され、画像出力装置に対して近接無線通信により画像データを送信する画像入力装置は、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第1の検出手段と、画像出力装置に行わせる出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、少なくともユーザ操作受け付け手段に受け付けられたユーザ操作に応じて、出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成手段と、近接無線通信を行う第1の通信手段とを備え、画像出力装置は、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第2の検出手段と、近接無線通信を行う第2の通信手段と、画像データを出力する画像出力手段とを備える画像出力システムの制御方法であって、画像入力装置が第1の通信手段により画像データの送信を行う画像データ送信ステップと、画像出力装置が、画像データ送信ステップで送信された画像データを第2の通信手段で受信して画像出力手段で出力しているときに第2の検出手段により切断が検出されたら、画像出力手段による画像データの出力を中断させる中断ステップと、画像入力装置が、画像データ送信ステップにより画像データの送信を行った後に第1の検出手段により切断が検出され、切断の検出の後に第1の検出手段により接続が再び検出されたら、スクリプト生成手段により生成された出力処理定義スクリプトを第1の通信手段で送信する送信ステップと、画像出力装置が、第2の検出手段により接続が再び検出されたら、第1の通信手段で送信された出力処理定義スクリプトを第2の通信手段で受信し、受信した出力処理定義スクリプトに応じて、画像出力手段による画像データの出力処理を制御する制御ステップとを有することを特徴とする画像出力システムの制御方法である。
【0008】
また、第3の発明は、近接無線通信で接続された画像出力装置に対して画像データを送信する画像入力装置であって、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出手段と、画像出力装置の出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、少なくともユーザ操作受け付け手段に受け付けられたユーザ操作に応じて、画像出力装置に行わせる出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成手段と、近接無線通信を行う通信手段と、通信手段により画像データの送信を行った後に検出手段により切断が検出され、切断の検出の後に検出手段により接続が再び検出されたら、スクリプト生成手段により生成された出力処理定義スクリプトを通信手段で送信させる制御手段とを備えることを特徴とする画像入力装置である。
【0009】
また、第4の発明は、近接無線通信で接続された画像出力装置に対して画像データを送信する画像入力装置の制御方法であって、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出ステップと、画像出力装置の出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付けステップと、少なくともユーザ操作受け付けステップにより受け付けられたユーザ操作に応じて、画像出力装置に行わせる出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成ステップと、近接無線通信を行う通信ステップと、通信ステップにより画像データの送信を行った後に検出ステップにより切断が検出され、切断の検出の後に検出ステップにより接続が再び検出されたら、スクリプト生成ステップにより生成された出力処理定義スクリプトを通信ステップで送信させる制御ステップとを備えることを特徴とする画像入力装置の制御方法である。
【0010】
また、第5の発明は、近接無線通信により接続された画像入力装置から送信された画像データを出力する画像出力装置であって、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出手段と、近接無線通信を行う通信手段と、画像データを出力する画像出力手段と、通信手段で受信された、近接無線通信で送信された画像データを画像出力手段で出力しているときに検出手段により切断が検出されたら、画像出力手段による画像データの出力を中断させ、検出手段により接続が再び検出されたら、通信手段で受信した出力処理定義スクリプトに応じて、画像出力手段による画像データの出力処理を制御する制御手段とを備えることを特徴とする画像出力装置である。
【0011】
また、第6の発明は、近接無線通信により接続された画像入力装置から送信された画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出ステップと、近接無線通信を行う通信ステップと、画像データを出力する画像出力ステップと、通信ステップで受信された、近接無線通信で送信された画像データを画像出力ステップで出力しているときに検出ステップにより切断が検出されたら、画像出力ステップによる画像データの出力を中断させ、検出ステップにより接続が再び検出されたら、通信ステップで受信した出力処理定義スクリプトに応じて、画像出力ステップによる画像データの出力処理を制御する制御ステップとを備えることを特徴とする画像出力装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述した構成を有するため、近接無線通信を用いた画像出力装置の制御を柔軟に行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明は、画像入力装置(例えばデジタルカメラ)と、画像出力装置(例えばプリンタ)とを、近接無線通信で接続した際の、画像出力装置の制御に関する。
【0014】
なお、本明細書において、「近接無線通信」とは、通信距離が1m未満、特には数10cm未満であることを想定して規定された通信プロトコルに基づく無線通信を意味するものとする。このような通信プロトコルとしては、通信距離が約70cm以下の「近傍型」、同約10cm以下の「近接型」非接触通信プロトコルが知られている。具体的には、ISO/IEC 15693、ISO/IEC 14434、ECMA-340 (ISO/IEC 18092)などの規格が存在する。
【0015】
先ず、図1および図2を用いて、本発明の実施形態における画像出力システムに適用可能な画像入力装置および画像出力装置について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に適用可能な画像入力装置としてのデジタルカメラ100の一例の構成を示す。被写体からの光が、撮影レンズ10および絞り機構を備えるシャッタ12を介して、光学像を電気信号に変換する、CCDやCMOSセンサによる撮像素子を持つ撮像部14に入射される。A/D変換器16は、撮像部14から出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換し、画像データとして出力する。タイミング発生回路18は、メモリ制御回路22およびシステム制御部50により制御され、撮像部14、A/D変換器16およびD/A変換器26に対して、クロック信号や制御信号を供給する。
【0017】
画像処理回路20は、A/D変換器16やメモリ制御回路22から供給された画像データに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路20においては、A/D変換器16から供給される画像データを用いて所定の演算処理を行う。演算結果は、メモリ制御回路22を介してシステム制御部50に供給される。システム制御部50は、この演算結果に基づいて露光制御部40、測距制御部42、フラッシュ48に対して制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、ならびに、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。さらに、画像処理回路20においては、撮像したA/D変換器16から供給された画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0018】
メモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、ならびに、圧縮伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力された画像データは、画像表示メモリ24を介して、あるいは、直接的に、メモリ制御回路22に供給される。この画像データは、メモリ制御回路22により、画像表示メモリ24やメモリ30に書き込まれる。
【0019】
表示手段としての画像表示部28は、供給された画像データをLCDや有機ELディスプレイなどによる表示デバイスに表示させる。画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。撮像部14で撮像した画像データを画像表示部28で逐次表示すれば、電子ファインダ機能を実現することが可能である。また、画像表示部28は、システム制御部50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはデジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0020】
メモリ30は、撮像して得られた静止画像データや動画像データを格納し、所定枚数の静止画像データや所定時間の動画像データを格納するのに十分な記憶容量を備えている。そのため、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステム制御部50の作業領域としても使用することが可能である。
【0021】
圧縮伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで、適応離散コサイン変換(ADCT)、ウェーブレット変換などを用いた周知のデータ圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
【0022】
露光制御部40は、撮像部14の撮像素子への露光量を制御するための絞り機能を備えるシャッタ12を制御する。また、システム制御部50は、露光制御部40の測光結果に基づいてフラッシュ48によるフラッシュ調光機能を実現する。
【0023】
測距制御部42は、撮影レンズ10のフォーカシングを制御し、ズーム制御部44は撮影レンズ10のズーミングを制御する。バリア制御部46は、デジタルカメラ100の撮影レンズ10を覆うことにより、汚れや破損を防止するバリアである保護部102の動作を制御する。フラッシュ48は、撮影時の補助光源として機能し、調光機能も有する。また、AF補助光の投光機能も有する。露光制御部40、測距制御部42は、TTL方式を用いて制御されており、撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果に基づき、システム制御部50が露光制御部40、測距制御部42に対して制御を行う。
【0024】
第1の制御手段としてのシステム制御部50は、例えばマイクロプロセッサからなる。メモリ52は、例えばROMであって、システム制御部50の動作用の定数、変数、プログラムなどを予め記憶する。システム制御部50は、メモリ52に記憶されたプログラムなどに従い、デジタルカメラ100全体を制御する。
【0025】
また、スクリプト生成手段としてのシステム制御部50は、プログラムに従い、画像出力装置に対する出力処理を定義する出力処理定義スクリプト(以下、スクリプトと略称する)を作成する。そして、生成したスクリプトを、通信部110、コネクタ(アンテナ)112を介して、図示しない画像出力装置に送信する。図示しない画像出力装置からスクリプトが送信されてきた場合には、当該スクリプトは、コネクタ(アンテナ)112により受信され、通信部110からシステム制御部50に送られる。システム制御部50は、通信部110から送られたスクリプトを解析し、解析結果に基づいてデジタルカメラ100を動作させる。
【0026】
表示部54は、システム制御部50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを通知する。表示部54は、例えばデジタルカメラ100の操作部70近傍の視認し易い位置に、1または複数が設置され、LCDやLEDといった表示素子や、発音素子などの組み合わせにより構成される。また、表示部54は、その一部の機能が光学ファインダ104内に設置されている。
【0027】
表示部54の表示内容のうち、LCDなどに表示するものとしては、単写/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示およびシャッタスピード表示などがある。さらに、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示などが、LCDに表示される。さらにまた、外部記憶媒体93の情報および外部記憶媒体93の着脱状態表示や、日付、時刻表示などがLCDに表示される。
【0028】
また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示などがある。
【0029】
不揮発性メモリ56は、例えばEEPROMなどの電気的に消去および記録が可能なメモリが用いられる。不揮発性メモリ56には、例えばこのデジタルカメラ100における各種の設定情報が記憶される。
【0030】
モードダイアルスイッチ60は、電源オフ、自動撮影モード、撮影モード、パノラマ撮影モード、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モードなどの、デジタルカメラ100における各機能モードの切り替えを行う。
【0031】
シャッタスイッチ62は、AFやAE等の撮影スタンバイ動作を行うためのスイッチ(図中ではSW1と記す)で、シャッタスイッチ64は、シャッタスイッチ62の操作後、実際に撮影を行うための撮影スイッチ(図中ではSW2と記す)である。すなわち、シャッタスイッチ62は、シャッタボタンを半押し状態で作動し、シャッタスイッチ64は、シャッタボタンを押し込んだ状態で作動する。
【0032】
画像表示ON/OFFスイッチ66は、画像表示部28のON/OFFを設定する。この機能により、光学ファインダ104を用いて撮影を行う際に、LCDなどからなる画像表示部28への電流供給を遮断することにより、省電力を図ることが可能となる。
【0033】
クイックレビューON/OFFスイッチ68は、撮影直後に、撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定する。また、画像表示部28をOFFとした場合におけるクイックレビュー機能の設定をする機能も備える。
【0034】
ユーザ操作受け付け手段としての操作部70は、各種ボタンやタッチパネルといった操作子が設けられ、ユーザ操作を受け付ける。操作部70に設けられる操作子の例としては、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタンなどがある。操作部70には、さらに、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタンなどが設けられる。さらにまた、操作部70には、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、画像削除ボタン、画像削除取消しボタンなどが設けられる。これらの操作子は、それぞれ独立したスイッチなどで構成してもよいし、タッチパネル上の領域として構成してもよい。また、操作部70に上下左右方向をそれぞれ指定する方向キーと、決定キーとを設け、画像表示部28に表示される設定画面上のカーソル表示と組み合わせて、各操作子それぞれの機能を実現することもできる。
【0035】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などにより構成される。電源制御部80は、電源86の電池装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0036】
電源86は、アルカリ電池、リチウム電池といった一次電池や、NiCd電池NiMH電池、Li電池といった二次電池、ACアダプターなどからなり、コネクタ82およびコネクタ84を介して電源制御部80に接続される。
【0037】
I/F(インターフェイス)91は、外部記憶媒体93とのインターフェイスであり、システム制御部50の指示に応じたカードコントローラ90の制御に基づき、外部記憶媒体93に対するデータの記録および再生を行う。コネクタ92は、外部記憶媒体93との接続を行う。記録媒体着脱検知部98は、コネクタ92に外部記憶媒体93が装着されているか否かを検知する。
【0038】
すなわち、撮像部14における撮像により得られた画像データが圧縮伸長回路32で圧縮され、圧縮画像データとなる。この圧縮画像データが、システム制御部50の制御に基づき、カードコントローラ90およびインターフェイス91を介して外部記憶媒体93に供給され、ファイルとして記憶される。
【0039】
光学ファインダ104を利用すれば、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用することなく、撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダ104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示などが設けられる。
【0040】
第1の通信手段としての通信部110は、このデジタルカメラ100と外部の機器との間のデータ通信を制御する。例えば、システム制御部50により外部記憶媒体93から読み出された画像データが、通信部110により、後述するコネクタ(アンテナ)112により外部の機器に送信される。
【0041】
通信部110に適用可能な通信方式は、外部の機器との間で双方向にデータ通信が可能であれば特に限定されない。例えば、USBやIEEE1394を通信部110に適用することができる。無線通信を通信部110に適用することもできる。これに限らず、RS232CやP1284、SCSI、モデム、LANなどを通信部110に適用してもよい。
【0042】
コネクタ(アンテナ)112は、通信部110が外部の機器との間でのデータ通信を行う際に、当該外部の機器との電気的な接続を行う。通信部110に対し、USBやIEEE1394といった有線による通信を行う通信方式が適用されている場合には、コネクタ(アンテナ)112は、物理的接触を行うための端子が設けられた構造とされる。すなわち、この場合、USBやIEEE1394のケーブルに設けられた端子と、コネクタ(アンテナ)112に設けられた端子とを物理的に接触させることで、通信部110と外部の機器とが電気的に接続される。また、通信部110に対し、データ通信を無線通信にて行う通信方式が適用されている場合には、コネクタ(アンテナ)112は、電波の送受信を行うためのアンテナとして構成される。
【0043】
本実施形態においては、通信部110が無線通信を行うようにされ、コネクタ(アンテナ)112がアンテナとして構成されているものとする。さらに、本実施形態においては、通信部110、ならびに、コネクタ(アンテナ)112は、近接無線通信を用いてデータ通信を行うものとし、コネクタ(アンテナ)112は、無線通信によるデータの送受信を行う送受信回路を含む(図示しない)。
【0044】
第1の検出手段としてのコネクタ(アンテナ)112は、近接無線通信による通信の接続および切断状態を検知することができる。一例として、コネクタ(アンテナ)112は、接続先の機器と一定間隔で通信を行い、接続先機器からのレスポンスが一定時間内に無かった場合、通信が切断状態になったと判断することができる。通信の接続も同様に、例えば、コネクタ(アンテナ)112は、接続が確立されていない状態で通信を試み、接続先機器からのレスポンスがあったら、通信が接続状態になったと判断することができる。これに限らず、例えば電磁誘導により接続先機器に電力を供給するタイプの近接無線通信では、コネクタ(アンテナ)112が電力供給側の場合、接続先機器がコネクタ(アンテナ)112に接近して電力が供給されることで通信が開始される。そして、当該機器がコネクタ(アンテナ)112から離れることで電力の供給が停止し、通信が中断される。コネクタ(アンテナ)112は、通信の接続または切断状態を検知し、システム制御部50に通知する。
【0045】
なお、通信部110により通信されるデータは、撮影によって得られた画像データに限らず、上述したように、接続先機器としての画像出力装置の出力処理を定義する出力処理定義スクリプトも含む。この出力定義スクリプトの詳細については、後述する。システム制御部50は、コネクタ(アンテナ)112により画像出力装置の近接無線通信による接続または切断状態が検知されたと通知されたら、通知された通信状態に応じて、画像出力装置に送信する出力処理定義スクリプトを作成する。作成された出力処理定義スクリプトは、通信部110およびコネクタ(アンテナ)112を介して、接続先の画像出力装置に送信される。
【0046】
図2は、本発明の実施形態に適用可能な画像出力装置としてのプリンタ200の一例の構成を示す。画像出力手段としてのプリントエンジン202は、用紙に対して実際に画像のプリントを行う。給紙部213から用紙を供給し、プリント処理部205によってデータ印刷処理を行い、カートリッジ装着部215に装着されたインクカートリッジのインクを使用してプリントを行い、排紙部214からプリントされた用紙を排紙する。
【0047】
第2の制御手段としてのシステムコントローラ207は、例えばマイクロプロセッサ、ROMおよびRAMを有し、ROMに予め記憶されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして用いてこのプリンタ200の全体を制御する。操作部204は、複数の操作子が設けられ、ユーザ操作を受け付ける。操作部204に設けられる操作子としては、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置などの1または複数の組み合わせが考えられる。操作部204に設けられた操作子が操作されると、操作に応じた制御信号がシステムコントローラ207に供給される。システムコントローラ207は、この制御信号に基づき、プリンタ200に対して操作に応じた動作を行わせる。
【0048】
表示部203は、LCDやLEDといった表示デバイスや、音声出力を行う音声デバイスを有する。表示処理部206は、システムコントローラ207からの指示により、表示部203で表示するためのデータを生成し、表示部203に供給する。
【0049】
不揮発性メモリ208は、例えばEEPROMなどの電気的に消去および記録が可能なメモリが用いられる。不揮発性メモリ208に対して、プリンタ200の無線設定情報を記憶することができる。メモリ209は、ROMであって、プリンタの動作用の定数、変数、プログラムなどが予め記憶される。
【0050】
第2の通信手段としての通信部216は、アンテナ217を介して行う無線通信を制御する。アンテナ217は、無線通信による電波の送受信を行うためのもので、無線通信によるデータの送受信を行う送受信回路を含む(図示しない)。なお、本実施形態においては、通信部216およびアンテナ217は、近接無線通信を行うようにされている。
【0051】
また、第2の検出手段としてのアンテナ217は、近接無線通信による通信の接続および切断状態を検知することができる。一例として、アンテナ217は、接続先の機器と一定間隔で通信を行い、接続先機器からのレスポンスが一定時間内に無かった場合、通信が切断状態になったと判断することができる。通信の接続も同様に、例えば、アンテナ217は、接続が確立されていない状態で通信を試み、接続先機器からのレスポンスがあったら、通信が接続状態になったと判断することができる。これに限らず、例えば電磁誘導により接続先機器に電力を供給するタイプの近接無線通信では、アンテナ217が電力供給側の場合、接続先機器がアンテナ217に接近して電力が供給されることで通信が開始される。そして、当該機器がアンテナ217から離れることで電力の供給が停止し、通信が中断される。アンテナ217は、通信の接続または切断状態を検知し、システムコントローラ207に通知する。
【0052】
システムコントローラ207は、アンテナ217から通知された通信状態に応じて、接続先機器としての画像入力装置に対して送信する出力処理定義スクリプトを作成する。作成された出力処理定義スクリプトは、通信部216およびアンテナ217を介して、接続先の画像入力装置に送信される。
【0053】
USBホストインターフェイス211は、パーソナルコンピュータといった外部ホスト機器と、USBを用いて接続するためのUSBインターフェイスである。また、USBデバイスインターフェイス212は、デジタルカメラなどの外部デバイス機器と、USBを用いて接続するためのUSBインターフェイスである。
【0054】
なお、上述したデジタルカメラ100、プリンタ200の制御は、それぞれ1つのハードウェアが実行してもよいし、複数のハードウェアが役割を分担し、全体として1つの制御部として機能するようにしてもよい。
【0055】
次に、本発明の実施形態による、近接無線通信を用いた通信制御方法を説明するのに先立って、図3に例示されるように、デジタルカメラ100とプリンタ200とを、例えばUSBケーブル250により接続して有線通信を行う一般的な例について説明する。すなわち、デジタルカメラ100から出力された画像データを、USBケーブル250を介して直接的にプリンタ200に送信して印刷させる、ダイレクトプリントを行う。この場合、デジタルカメラ100側のコネクタ(アンテナ)112は、USBに対応するコネクタとして構成される。
【0056】
なお、ダイレクトプリントとは、画像入力装置と画像出力装置を、直接的にUSBケーブルなどで接続し、画像入力装置から転送されてくる画像データを画像出力装置側で出力するものである。このダイレクトプリントを実現するための規格としてPictBridgeがあり、CIPA(カメラ映像機器工業会)により作成された技術規格書「CIPA DC-001-2003」により規定されている。以下では、デジタルカメラ100およびプリンタ200は、PictBridge規格に準拠した動作が可能であるものとする。
【0057】
図4は、PictBridgeによる通信プロトコルアーキテクチャを示す。最下層の物理通信レイヤとして例えばUSBを用い、その上のトランスポート層の通信プロトコルとしてPTPを用いる。なお、PTPは、Picture Transfer Protocolの略である。PTPトランスポート層と上位のDPSアプリケーション層との間にDPS層を設け、PTPプロトコルとのマッピングを行う。PictBridgeは、DPS層とDPSアプリケーション層とのインターフェイスプロトコルを規定する。
【0058】
PictBridgeのソフトウェアコンポーネントとして、DPS層内にあるDPS Discoveryが規定される。それと共に、DPSアプリケーション内にあるDPS Print SeverおよびClient、DPS Storage ServerおよびClientが規定される。DPS Discoveryは、接続された互いの機器がDPS機能を有するか否かのネゴシエーションを行うコンポーネントである。
【0059】
DPSアプリケーションの動作は、サーバ/クライアントモデルにより説明される。すなわち、DPSアプリケーションは、基本的に、クライアントからの要求に対してサーバが応答し、その結果をサーバからクライアントに返すというシーケンスで、各DPSオペレーションが完結する。また、サーバから発行される通知に対してクライアントが応答し、その受け取り確認をサーバに返すというシーケンスで、DPSイベントが完結する。
【0060】
図5は、PictBridgeを用いて、デジタルカメラ100において外部記憶媒体93に記憶された1つのファイルの画像データを、プリンタ200で出力する際の一例のシーケンスを示す。ここでは、特に通信の切断などが発生しない一般的な例について説明する。
【0061】
ユーザによりデジタルカメラ100とプリンタ200とがUSBケーブル250により接続されると、デジタルカメラ100およびプリンタ200との間で、USBケーブル250を介して電気的な接続が発生する(SEQ400)。すると、デジタルカメラ100およびプリンタ200は、DPS Discovery処理を実行し(SEQ401)、互いにPictBridgeによるダイレクトプリントに対応しているか否かのネゴシエーションを行う。
【0062】
DPS Discovery処理の結果、互いにPictBridgeによるダイレクトプリントに対応している場合には、デジタルカメラ100がプリンタ200にDPS_ConfigurePrintServiceスクリプトを送信する(SEQ402)。これにより、デジタルカメラ100の情報をプリンタ200に通知する。プリンタ200は、このDPS_ConfigurePrintServiceスクリプトに対して、タグdpsVersion、タグproductNameおよびタグvendorNameなどのパラメータを含む応答スクリプトをデジタルカメラ100に返す。デジタルカメラ100は、これらタグdpsVersion、タグproductNameおよびタグvendorNameなどのパラメータに基づき、プリンタ200を識別することができる。これらタグdpsVersion、タグproductNameおよびタグvendorNameなどのパラメータは、例えばデジタルカメラ100のメモリ30または不揮発性メモリ56に記憶される。
【0063】
プリンタ200は、DPS_ConfigurePrintServiceスクリプトによりデジタルカメラ100の情報を取得すると、デジタルカメラ100に対し、DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトを送信する(SEQ403)。DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトにより、デジタルカメラ100に対してプリンタ200の状態(ここではアイドル状態)が送信される。これにより、デジタルカメラ100に対して、プリンタ200が印刷処理を受信可能である旨が通知される。
【0064】
次に、デジタルカメラ100は、DPS_GetCapabilityスクリプトをプリンタ200に送信し、プリンタ200に対して能力情報(capability)を問い合わせる(SEQ404)。プリンタの能力情報とは、プリンタが扱うことができる用紙サイズ、用紙タイプ、出力可能な画像ファイルのフォーマットや、日付印刷、ファイル名印刷、画像補正、レイアウト印刷、固定サイズ印刷、トリミング印刷などに対応しているかを示すパラメータである。デジタルカメラ100は、このプリンタ200の能力情報を把握した上でプリンタ200に対してDPS_StartJobスクリプトを送信し、能力情報に応じた印刷開始要求を行う(SEQ405)。DPS_StartJobスクリプトについての詳細は、後述する。
【0065】
SEQ405の印刷開始要求に対して、プリンタ200は、DPS_GetFileInfoスクリプトをデジタルカメラ100に送信する(SEQ406)。このDPS_GetFileInfoスクリプトにより、デジタルカメラ100に対して、印刷が指示された画像データのファイルIDに基づきファイル情報が要求される。DPS_GetFileInfoスクリプトに応答して、デジタルカメラ100からプリンタ200に対して、ファイル情報(FileInfo)が送信される(SEQ407)。このファイル情報には、ファイル容量(ファイルサイズ)、サムネイル画像の有無、ファイルの属性などの情報が含まれる。
【0066】
プリンタ200は、SEQ407で送信されたファイル情報を受信して、ファイル情報に示されるファイルを処理可能であるか否かを判断する。若し、処理可能であると判断されれば、デジタルカメラ100に対してDPS_GetFileスクリプトを送信し、当該ファイルを要求する(SEQ408)。デジタルカメラ100は、DPS_GetFileスクリプトにより要求されたファイルの画像データ(Image File)を、プリンタ200に対して送信する(SEQ409)。
【0067】
プリンタ200は、SEQ409で送信された画像データを受け取ると、印刷中(Printing)を示すステータス情報が含まれるDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトを、デジタルカメラ100に対して送信する(SEQ410)。さらに、プリンタ200は、DPS_NotifyJobStatusスクリプトによって、印刷の進捗状況をカメラに通知する(SEQ411)。そして、プリンタ200は、SEQ409で受け取った画像データの印刷を開始する(SEQ412)。
【0068】
印刷処理が終了すると、プリンタ200は、アイドル状態(Idle)を示すステータス情報が含まれるDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトをデジタルカメラ100に送信する(SEQ413)。このDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトにより、デジタルカメラ100に、プリンタ200がアイドル状態になったことが通知される。
【0069】
なお、上述したDPS_NotifyJobStatusスクリプトおよびDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトの発行タイミングと、画像データの取得の順番は、一例であり、実装により様々なケースが起こり得る。また、図5に例示した印刷シーケンスは、USBの代わりに近接無線通信を用いて通信を行った場合でも、通信切断が発生しなければ同様のシーケンスとなる。
【0070】
次に、PictBridgeにおいて定義されるスクリプトのうち、本発明の実施形態に関わりの深いスクリプトについて説明する。なお、PictBridgeのスクリプトは、XML(Extensible Markup Language)を用いて記述される。XMLは、独自の定義が可能なタグを用いて情報を記述するようにした言語である。タグは、一般的には、範囲の開始および終了をそれぞれ示す一対の記号からなる。範囲の開始を示す開始タグは、予め定義された文字列を記号「<」と「>」とで囲んで表現される。終了を示す終了タグは、開始を示すタグ中に記される文字列と同一の文字列を記号「</」と「>」とで囲んで表現される。
【0071】
一対のタグによって指定された範囲に対して、記号「<」と「>」(あるいは記号「</」と「>」)とで囲まれた文字列によって、任意の意味を持たせることが可能である。また、タグ中に、所定のパラメータの記述を含ませることができる。タグは、入れ子構造を取ることが可能である。通常、XMLファイルの記述において、入れ子のレベルは、各行のインデントの深さで表現される。
【0072】
図6は、DPS_StartJobスクリプトの一例の構造を示す。DPS_StartJobスクリプトは、デジタルカメラ100がプリンタ200に対して印刷開始要求を行うスクリプトである。タグstartJobにより、このスクリプトがDPS_StartJobであることが示される。また、タグstartJobで指定される範囲に記述されるタグjobConfigは、この範囲にこの印刷ジョブのコンフィグレーションが記述されることを示す。同様に、タグprintInfoは、この範囲にプリント情報が記述されることを示す。
【0073】
コンフィグレーションにおいて、タグqualityは、印刷する画質を示す値(例えば標準、高画質など)が記述される。タグpaperSizeは、用紙サイズを示す値が記述される。タグpaperTypeは、用紙タイプを示す値(例えば普通紙、写真用紙、インクジェット用紙など)が記述される。タグfileTypeは、印刷する画像ファイルのタイプを指定する値が記述される。例えば、DPOFファイルを使用する場合には、このタグfileTypeにより指定される。
【0074】
タグdatePrintは、日付印刷の有無を示す値が記述される。タグfileNamePrintは、ファイル名の印刷の有無を示す値が記述される。タグimageOptimizeは、画像補正を行うかどうかを示す値が記述される。タグfixedSizeは、固定サイズの印刷を行うか否かを示す値が記述される。タグcroppingは、トリミング印刷を行うか否かを示す値が記述される。
【0075】
プリント情報において、タグfileIDは、印刷を行う画像データが格納されたファイルのファイルIDが記述される。タグdateは、日付情報が記述される。
【0076】
図7は、DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトの一例の構造を示す。DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトは、プリンタ200がデジタルカメラ100に対してプリンタ200の状態を通知するスクリプトである。タグnotifyDeviceStatusにより、このスクリプトがDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトであることが示される。
【0077】
タグdpsPrintServiceStatusは、プリンタ200の状態を示す値が記述される。プリンタ200の状態としては、アイドル状態、プリント状態、およびポーズ状態が含まれる。タグjobEndReasonは、プリント処理の終了状況を示す値が記述される。これは、最終ページの印刷が完了すると、プリンタ200からデジタルカメラ100に対して通知される。タグerrorStatusは、終了したプリント処理のエラーの状態を示す値が記述される。これは、エラーが発生した場合に通知される。タグerrorReasonは、エラーの発生理由を示す値が記述される。これは、タグerrorStatusと共に用いられる。
【0078】
タグdisconnectEnableは、通信が切断されても印刷可能か否かを示す値が記述される。タグcapabilityChangedは、プリンタ200における能力情報(capability)が変更されたか否かを示す値が記述される。タグnewJobOKは、プリンタ200が印刷要求を受付可能であるか否かを示す値が記述される。
【0079】
図8は、DPS_NotifyJobStatusスクリプトの一例の構造を示す。DPS_NotifyJobStatusスクリプトは、プリンタ200がデジタルカメラ100に対して印刷の進捗状況を通知するスクリプトである。タグnotifyJobStatusは、このスクリプトがDPS_NotifyJobStatusスクリプトであることを示す。タグprogressは、印刷要求のあった画像枚数を示す値と、現在何枚目を印刷中かを示す値とが、それぞれ3桁の十進数で記述される。一例として、6枚の印刷要求があり、4枚目の印刷を開始する際には、図8に例示されるように、「004/006」という文字列が、タグprogressに対して埋め込まれる。タグimagesPrintedは、複数枚の印刷指定を行った際の印刷済み枚数を示す値が、3桁の十進数で記述される。
【0080】
PictBridgeを使用した印刷処理では、以上のようにスクリプト中のタグに必要なパラメータを埋め込み、デジタルカメラとプリンタとの間で送受信することで、印刷処理を行う。
【0081】
<実施形態>
次に、本発明の実施形態による通信処理について説明する。本発明の実施形態では、デジタルカメラ100とプリンタ200との間の通信を、上述した、通信距離が1m未満、特には数10cm未満であることを想定した通信プロトコルに基づく近接無線通信によって行う。この場合、図9に例示されるような通信可能範囲が存在し、デジタルカメラ100およびプリンタ200における、近接無線通信の送受信部がこの通信可能範囲外であれば、通信を行うことができない。
【0082】
すなわち、図9(a)に例示されるように、デジタルカメラ100およびプリンタ200における、近接無線通信の送受信部の位置が通信可能範囲内にあれば、デジタルカメラ100とプリンタ200との間で近接無線通信による通信が可能である。一方、例えばユーザがデジタルカメラ100を持って移動し、図9(b)に例示されるように、デジタルカメラ100およびプリンタ200における、近接無線通信の送受信部の位置が通信可能範囲外になったとする。この場合には、デジタルカメラ100とプリンタ200との間で、近接無線通信による通信が切断される。また、図9(b)の状態から再度、デジタルカメラ100をプリンタ200に近付けて図9(a)の状態にすると、近接無線通信による通信が再開される。
【0083】
なお、以下では、煩雑さを避けるために、「デジタルカメラ100およびプリンタ200における、近接無線通信の送受信部の位置が通信可能範囲内にある」ことを、「デジタルカメラ100とプリンタ200とが通信可能範囲内にある」と記載する。同様に、「デジタルカメラ100およびプリンタ200における、近接無線通信の送受信部の位置が通信可能範囲外にある」ことを、「デジタルカメラ100とプリンタ200とが通信可能範囲外にある」と記載する。
【0084】
本発明の実施形態では、PictBridgeによるダイレクトプリントを近接無線通信を用いて行う。その上で、本発明の実施形態は、デジタルカメラ100およびプリンタ200における近接無線通信の送受信部が通信可能範囲外になり通信が切断され、さらに、当該送受信部が通信可能範囲内になり通信が再開された場合の処理に関するものである。
【0085】
すなわち、近接無線通信による通信が可能な状態でデジタルカメラ100からプリンタ200に対して印刷要求を送信し、プリンタ200は、この印刷要求に応じて印刷処理を開始させる。その後、デジタルカメラ100とプリンタ200との距離が通信可能範囲外となり通信切断が発生した場合に、プリンタ200の印刷処理を一時中断させる。そして、この印刷処理の一時中断の後に再度通信が確立した場合のプリンタ200の印刷処理を変更可能にする。
【0086】
この中断のタイミングとしては、その時点で行っている画像データの用紙1枚に対する印刷が終了した後に中断、あるいは、その時点で行っている画像データの用紙1枚に対する印刷の途中で即時中断などが考えられる。さらに、デジタルカメラ100から取得済みの画像データによる印刷を全て終了した後に中断することも考えられる。以下では、その時点で行っている画像データの用紙1枚に対する印刷の終了後に、印刷処理が中断され、プリンタがポーズ状態になるものとして説明する。
【0087】
印刷処理の変更は、通信切断後に再度通信が確立した際にデジタルカメラ100からプリンタ200に送信するスクリプトを変更することで実現する。通信が再確立された場合にプリンタ200で行う処理の例としては、(1)中断されている印刷処理の中止、(2)中断されている印刷処理の再開、ならびに、(3)中断されている印刷処理の中止と新規の印刷処理の開始が挙げられる。
【0088】
図10は、本発明の実施形態による処理の流れを概略的に示すフローチャートである。デジタルカメラ100とプリンタ200との間での近接無線通信による通信が確立すると(ステップS10)、デジタルカメラ100からプリンタ200に画像データが転送され、プリンタ200においてこの画像データの印刷が開始される(ステップS11)。
【0089】
プリンタ200がステップS11で開始された印刷を行っている最中に、例えばユーザがデジタルカメラ100をプリンタ200から遠ざけ、デジタルカメラ100とプリンタ200とが通信可能範囲外になると、通信が切断される。通信が切断されると、プリンタ200は、ステップS11で開始された印刷を中断し、ポーズ状態となる(ステップS13)。
【0090】
プリンタ200がポーズ状態の間に、デジタルカメラ100は、選択画面を表示し、ユーザからの操作を受け付ける(ステップS14)。ユーザはデジタルカメラ100に対して、デジタルカメラ100とプリンタ200との間の通信が再確立された後の、プリンタ200の動作に関する設定を行うことができる。本実施形態では、下記(1)〜(3)の3通りの動作を設定可能である。
(1)中断されている印刷処理の中止
(2)中断されている印刷処理の再開
(3)中断されている印刷処理の中止と新規の印刷処理の開始
【0091】
なお、これら(1)〜(3)の動作のうち、(2)の「中断されている印刷処理の再開」は、例えば、ステップS14においてデジタルカメラ100に対して何も操作がなされない場合に、設定される。また、(3)の「中断されている印刷処理の中止と新規の印刷処理の開始」がユーザにより選択されると、ユーザは、デジタルカメラ100に対して、ステップS13で中断された印刷処理の中止と、新規の印刷処理の実行とを設定する。
【0092】
ユーザがデジタルカメラ100をプリンタ200に近付け、デジタルカメラ100とプリンタ200とが通信可能範囲内になると、近接無線通信による通信が再び確立される(ステップS15)。すると、デジタルカメラ100からプリンタ200に対して、ステップS14のユーザ操作に基づいて設定されたプリンタ200の動作を示す情報が送信される。
【0093】
プリンタ200は、デジタルカメラ100から送信されたこの情報に応じて、以降の処理を決定する(ステップS16)。すなわち、ステップS14におけるユーザ操作が、(1)の「中断されている印刷処理の中止」であれば、処理がステップS17に移行され、ステップS13で中断された印刷処理が中止される。また、ステップS14におけるユーザ操作が、(2)の「中断されている印刷処理の再開」であれば、処理がステップS18に移行され、ステップS13で中断された印刷処理が再開される。さらに、ステップS14におけるユーザ操作が、(3)の「中断されている印刷処理の中止と新規の印刷処理の開始」であれば、処理がステップS19に移行される。そして、ステップS13で中断された印刷処理が中止されると共に、新規の印刷処理が開始される。
【0094】
<中断されている印刷処理の中止>
先ず、(1)の、中断されている印刷処理を中止する例について説明する。図11は、この中断されている印刷ジョブを中止する際の一例のシーケンスを示す。先ず、ユーザが印刷ジョブAを作成し、デジタルカメラ100をプリンタ200に近付ける。そして、デジタルカメラ100がプリンタ200の通信可能範囲内に入ると、デジタルカメラ100とプリンタ200とが近接無線通信により接続される(SEQ500)。
【0095】
デジタルカメラ100とプリンタ200とが近接無線通信により接続されると、SEQ501により、印刷の前処理が行われ、印刷処理が開始される。すなわち、SEQ501では、図5を用いて説明したSEQ401〜SEQ411の処理により、DPS Doscovery処理によるネゴシエーション(SEQ401)が行われる。その後、各スクリプトにより互いの情報がやりとりされる(SEQ402〜SEQ404)。そして、デジタルカメラ100からプリンタ200に対して印刷ジョブAによる印刷要求を送信する。プリンタ200において、デジタルカメラ100から送信(画像データ送信ステップ)された画像データの印刷処理が開始される(SEQ405〜SEQ411)。
【0096】
印刷処理中(SEQ502)に、例えばユーザがデジタルカメラ100をプリンタ200から遠ざけて、デジタルカメラ100がプリンタ200の通信可能範囲外に出ると、近接無線通信による通信が切断される(SEQ503)。通信が切断されると、プリンタ200は、現在印刷中の画像データの1枚の用紙に対する印刷終了後に、印刷処理を中断し(SEQ504)、ポーズ状態となる。
【0097】
SEQ503における通信切断の発生時に、システム制御部50は、デジタルカメラ100の画像表示部28に対して、図12に例示されるように、印刷処理が中断している旨をユーザに通知するための表示300を行う。また、そのまま再度デジタルカメラ100をプリンタ200に近付けると、中断していた印刷が再開される旨を通知する表示301も行う。さらに、システム制御部50は、画像表示部28に対して、中断されている印刷処理のキャンセルを促す表示302も行うと共に、表示302に対応して、キャンセルボタン303が表示される。このように、画像表示部28に対して、デジタルカメラ100からプリンタ200に対して指定可能な出力処理を示す表示がなされる。
【0098】
キャンセルボタン303は、例えば操作部70に設けられる、上下左右の方向を指示する十字キー70Aを操作して選択した後、選択項目の決定を指示する決定キー70Bにより操作することができる。中断中の印刷処理を中止させるには、操作部70の操作子、例えば十字キー70Aと決定キー70Bによりキャンセルボタン303を操作し、デジタルカメラ100を再度、プリンタ200に近付ける。
【0099】
デジタルカメラ100をプリンタ200に近付けたことで、デジタルカメラ100とプリンタ200との間の通信が再度、確立される(SEQ505)。そこで、デジタルカメラ100は、DPS_ConfigurePrintServiceスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ506)。プリンタ200は、このDPS_ConfigurePrintServiceスクリプトを受信すると、受信された当該スクリプトに対する応答を、応答スクリプトを用いてデジタルカメラ100に対して返す。
【0100】
プリンタ200からの応答スクリプトを受信したデジタルカメラ100は、受信した応答スクリプトの中に存在するタグdpsVersion、タグproductNameおよびタグvendorNameなどのパラメータを取得する。そして、取得されたこれらのパラメータを、SEQ503による通信切断が発生する前のパラメータと比較する。そして、比較の結果、前回の通信確立時と同じプリンタであるかどうかを判断する。
【0101】
例えば、システム制御部50は、メモリ30または不揮発性メモリ56から、SEQ402に対するプリンタ200からの応答スクリプトのタグdpsVersion、タグproductNameおよびタグvendorNameなどのパラメータを読み出す。そして、読み出されたこれらのパラメータと、今回取得したパラメータとを比較する。
【0102】
パラメータの比較の結果、若し、前回の通信確立時と異なるプリンタであると判断されれば、デジタルカメラ100において、システム制御部50は、画像表示部28に対して印刷処理が継続できない旨の表示を行う。同様に、プリンタ200において、システムコントローラ207は、表示部203に対して印刷処理が継続できない旨の通知を行う。
【0103】
一方、パラメータの比較の結果、前回の通信確立時と同じプリンタであったと判断されたら、デジタルカメラ100は、プリンタ200の状態を把握するために、DPS_GetDeviceStatusスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ507)。
【0104】
上述したように、本発明の実施形態では、プリンタ200は、デジタルカメラ100からの画像データを印刷中に近接無線通信による通信切断が発生すると、実行中の印刷処理を一時中断状態とする。したがって、プリンタ200は、DPS_GetDeviceStatusスクリプトに応じて、ポーズ状態(Paused)であることを示す応答スクリプトを、デジタルカメラ100に対して送信する(SEQ508)。
【0105】
このポーズ状態を示す応答スクリプトを受信したデジタルカメラ100は、中断されている印刷処理をキャンセルするために、DPS_AbortJobスクリプトをプリンタ200に対して送信する(SEQ509)。プリンタ200は、このDPS_AbortJobスクリプトを受信すると、中断されている印刷処理を中止する(SEQ510)。プリンタ200は、印刷処理が中止され、アイドル状態(Idle)になったら、DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトをデジタルカメラ100に送信し、その旨を通知する(SEQ511)。
【0106】
なお、SEQ507でデジタルカメラ100がプリンタ200に対して状態を問い合わせた結果が、印刷中であった場合には、デジタルカメラ100は、プリンタ200に対して印刷中止処理を指示する。これは、デジタルカメラ100が、DPS_AbortJobスクリプト中のタグabortStyleのパラメータを変更してプリンタ200に対して送信することでなされる。
【0107】
タグabortStyleタグでは、プリンタ200の印刷中止処理の種類を指定することができる。具体的には、印刷途中であっても直ちに印刷処理を中止するか、現在印刷中の画像データの用紙1枚に対する印刷後に印刷処理を中止するかを指定できる。この印刷処理の中止の種類は、デジタルカメラ100、若しくは、プリンタ200のユーザ設定などで変更可能としても良い。この場合も、プリンタ200は、印刷中止処理の完了後、図11におけるSEQ510と同様にして、デジタルカメラ100に対してDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトを送信し、アイドル状態になった旨を通知する。
【0108】
<中断されている印刷処理の再開>
次に、(2)の、中断されている印刷処理を再開する例について説明する。図13は、中断されている印刷処理の再開の際の一例のシーケンスを示す。ここでは、用紙10枚に対する画像データの印刷要求を、デジタルカメラ100からプリンタ200に対して指示する場合を例に挙げて説明する。
【0109】
SEQ600およびSEQ601のシーケンスは、上述した図11のSEQ500および〜SEQ501のシーケンスと同様である。すなわち、ユーザが印刷ジョブAを作成し、デジタルカメラ100をプリンタ200に近付けると、デジタルカメラ100とプリンタ200とが近接無線通信により接続される(SEQ600)。そして、SEQ601により、プリンタ200において、図5を用いて説明したSEQ401〜SEQ411の処理により印刷の前処理が行われ、印刷処理が開始される。
【0110】
印刷処理中(SEQ602)にデジタルカメラ100がプリンタ200の通信可能範囲外に出ると、近接無線通信による通信が切断される(SEQ603)。通信が切断されると、プリンタ200は、現在印刷中の画像データの例えば1枚目の用紙に対する印刷終了後に、印刷処理を中断し(SEQ604)、ポーズ状態となる。
【0111】
また、SEQ603における通信切断の発生時に、システム制御部50は、デジタルカメラ100の画像表示部28に対して、図12に例示されるような、印刷処理の中断および再開を示す表示300および表示301を行う。それと共に、システム制御部50は、中断されている印刷処理のキャンセルを促す表示302も行うと共に、表示302に対応して、キャンセルボタン303が表示される。
【0112】
また、プリンタ200は、SEQ604においてポーズ状態になったら、次に印刷すべき画像データの取得を要求するために、表示部203におけるLED表示やLCD表示、音声表示を用いてその旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0113】
SEQ603の通信切断により中断された印刷処理(SEQ601)を再開させるには、SEQ604でプリンタ200がポーズ状態になった際に、再度、デジタルカメラ100をプリンタ200に近付ける。このとき、デジタルカメラ100に対する印刷処理のキャンセルの指定は行われない。すなわち、ユーザは、デジタルカメラ100の操作部70に対して何の操作も行う必要が無い。
【0114】
デジタルカメラ100をプリンタ200に近付けたことで、デジタルカメラ100とプリンタ200との間の通信が再度、確立される(SEQ605)。そこで、デジタルカメラ100は、DPS_ConfigurePrintServiceスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ606)。プリンタ200は、このDPS_ConfigurePrintServiceスクリプトを受信すると、受信された当該スクリプトに対する応答を、応答スクリプトを用いてデジタルカメラ100に対して返す。デジタルカメラ100は、既に説明したように、プリンタ200からの応答スクリプトのパラメータに基づき、接続されたプリンタ200が前回の通信確立時と同じプリンタ200であるかどうかを判断する。
【0115】
パラメータの比較の結果、若し、前回の通信確立時と異なるプリンタであると判断されれば、デジタルカメラ100において、システム制御部50は、の画像表示部28に対して印刷処理が継続できない旨の表示を行う。同様に、プリンタ200において、システムコントローラ207は、表示部203に対して印刷処理が継続できない旨の通知を行う。
【0116】
一方、パラメータの比較の結果、前回の通信確立時と同じプリンタであったと判断されたら、デジタルカメラ100は、プリンタ200の状態を把握するために、DPS_GetDeviceStatusスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ607)。プリンタ200は、DPS_GetDeviceStatusスクリプトに応じて、ポーズ状態であることを示す応答スクリプトを、デジタルカメラ100に対して送信する(SEQ608)。
【0117】
デジタルカメラ100は、SEQ608でプリンタ200から送信された応答スクリプトを受信すると、中断されている印刷処理の再開要求であるDPS_ContinueJobスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ609)。この印刷再開要求を受けたプリンタ200は、SEQ601において既に印刷要求のあった用紙10枚分の画像データのうち、1枚分の印刷が完了しているため、SEQ610以降のシーケンスにより、2枚目の画像データから印刷処理を開始する。
【0118】
なお、SEQ610以降のシーケンスは、図5を用いて説明したSEQ406〜SEQ413のシーケンスと同様である。すなわち、SEQ609の印刷再開要求に対して、プリンタ200は、DPS_GetFileInfoスクリプトをデジタルカメラ100に送信し、印刷を指示された画像データのファイル情報を要求する(SEQ610)。プリンタ200は、DPS_GetFileInfoスクリプトに応答してデジタルカメラ100から送信された(SEQ611)ファイル情報に基づき、ファイルを処理可能であるか否かを判断する。処理可能であると判断されれば、プリンタ200は、デジタルカメラ100に対してDPS_GetFileスクリプトを送信し、当該ファイルを要求する(SEQ612)。
【0119】
プリンタ200は、SEQ612による要求に応じてデジタルカメラ100から送信された(SEQ613)画像データを受信する。印刷処理中(Printing)であることを示すDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトがプリンタ200からデジタルカメラ100に対して送信される(SEQ614)。また、印刷の進捗情報をデジタルカメラ100に通知するDPS_NotifyJobStatusスクリプトが、プリンタ200からデジタルカメラ100に対して送信される(SEQ615)。そして、プリンタ200において、印刷処理が開始される(SEQ616)。
【0120】
用紙1枚に対する画像データの印刷が終了すると、シーケンスがSEQ610に戻される。そして、次に印刷すべき画像データのファイル情報が取得され、当該ファイル情報に示される画像データのファイルがデジタルカメラ100からプリンタ200に対して送信される。
【0121】
このSEQ610〜SEQ616のシーケンスが、SEQ601で印刷要求のあった枚数が完了するまで繰り返される。印刷の進捗情報をデジタルカメラ100に通知する、DPS_NotifyJobStatusスクリプトのタグprogressに示される、現在何枚目を印刷中かを示す値が、印刷処理が進行する毎に変化する。一方、SEQ614による、印刷処理中であることを示すDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトは、SEQ605による通信の再確立後の最初の印刷処理の時にのみ、送信される。
【0122】
印刷要求のあった全ての画像データの印刷が完了したら、プリンタ200は、DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトにより、アイドル状態となった旨をデジタルカメラ100に対して通知して(SEQ617)、一連の印刷処理が終了される。
【0123】
<中断されている印刷処理の中止と新規の印刷処理の開始>
次に、(3)の、中断されている印刷処理を中止し、新規の印刷処理を開始する例について説明する。図14は、中断されている印刷処理を中止し、新規の印刷処理を開始する際の一例のシーケンスを示す。ここでは、用紙10枚に対する画像データの印刷要求を、デジタルカメラ100からプリンタ200に対して指示する場合を例に挙げて説明する。
【0124】
SEQ700およびSEQ701のシーケンスは、上述した図11のSEQ500および〜SEQ501のシーケンスと同様である。すなわち、ユーザが印刷ジョブAを作成し、デジタルカメラ100をプリンタ200に近付けると、デジタルカメラ100とプリンタ200との間の近接無線通信による通信が確立される(SEQ700)。そして、SEQ701により、プリンタ200において、図5を用いて説明したSEQ401〜SEQ411の処理により印刷の前処理が行われ、印刷処理が開始される。
【0125】
印刷処理中(SEQ702)にデジタルカメラ100がプリンタ200の通信可能範囲外に出ると、近接無線通信による通信が切断される(SEQ703)。そして、プリンタ200は、現在印刷中の画像データの例えば1枚目の用紙に対する印刷終了後に、印刷処理を中断し(SEQ704)、ポーズ状態となる。
【0126】
また、SEQ703における通信切断の発生時に、システム制御部50は、デジタルカメラ100の画像表示部28に対して、図12に例示されるような、印刷処理の中断および再開を示す表示300および表示301を行う。それと共に、システム制御部50は、中断されている印刷処理のキャンセルを促す表示302も行うと共に、表示302に対応して、キャンセルボタン303が表示される。
【0127】
ここで、ユーザは、カメラの操作部70を操作してキャンセルボタン303を指定して、デジタルカメラ100側で印刷ジョブAをキャンセルする。さらに、ユーザがキャンセル後に表示されるメニュー画面(図示しない)から新たに印刷ジョブBを作成する。その後、ユーザがデジタルカメラ100をプリンタ200に近付けると、デジタルカメラ100とプリンタ200との間で近接無線通信による通信が確立される(SEQ705)。
【0128】
SEQ705によりデジタルカメラ100とプリンタ200との間の通信が再度、確立されると、デジタルカメラ100は、DPS_ConfigurePrintServiceスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ706)。デジタルカメラ100は、図11のSEQ506と同様に、SEQ706で送信されたスクリプトに対する応答スクリプトに基づき、接続されたプリンタ200が前回の通信確立時(SEQ701)と同じプリンタ200であるかどうかを判断する。
【0129】
若し、前回の通信確立時と異なるプリンタであると判断されれば、デジタルカメラ100の画像表示部28およびプリンタ200の表示部203に対し、印刷処理が継続できない旨の通知が行われる。
【0130】
一方、前回の通信確立時と同じプリンタであると判断されたら、デジタルカメラ100は、プリンタ200の状態を把握するために、DPS_GetDeviceStatusスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ707)。プリンタ200は、DPS_GetDeviceStatusスクリプトに応じて、ポーズ状態であることを示す応答スクリプトを、デジタルカメラ100に対して送信する(SEQ708)。この応答スクリプトに応じて、デジタルカメラ100は、中断されている印刷処理を中止するために、印刷処理の中止要求である、DPS_AbortJobスクリプトをプリンタ200に送信する(SEQ709)。プリンタ200は、このDPS_AbortJobスクリプトを受信すると、SEQ703による通信切断前で中断されていた、印刷ジョブAによる印刷を中止する(SEQ710)。
【0131】
なお、DPS_AbortJobスクリプト内のタグabortStyleタグでは、プリンタ200の印刷中止処理の種類を指定することができる。具体的には、印刷途中であっても直ちに印刷処理を中止するか、現在印刷中の画像データの用紙1枚に対する印刷後に印刷処理を中止するかを指定できる。
【0132】
プリンタ200は、SEQ709の印刷中止要求に応じて印刷中止処理を行った後、DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトにおけるタグnewJobOKの値を、印刷可能状態を示す"TRUE"とする。プリンタ200は、このDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトをデジタルカメラ100に送信する(SEQ711)。これにより、プリンタ200からデジタルカメラ100に対して、新規の印刷処理を受付可能である旨が通知される。デジタルカメラ100は、このDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトに応じて、新規の印刷ジョブBを示すDPS_StartJobをプリンタ200に送信する(SEQ712)。
【0133】
なお、SEQ712以降のシーケンスは、図5を用いて説明したSEQ406〜SEQ413のシーケンスと同様である。すなわち、SEQ712の、印刷ジョブBの印刷開始要求に対して、プリンタ200は、DPS_GetFileInfoスクリプトをデジタルカメラ100に送信し、印刷を指示された画像データのファイル情報を要求する(SEQ713)。プリンタ200は、DPS_GetFileInfoスクリプトに応答してデジタルカメラ100から送信された(SEQ714)ファイル情報に基づき、ファイルを処理可能であるか否かを判断する。処理可能であると判断されれば、プリンタ200は、デジタルカメラ100に対してDPS_GetFileスクリプトを送信し、当該ファイルを要求する(SEQ715)。
【0134】
プリンタ200は、SEQ715による要求に応じてデジタルカメラ100から送信された(SEQ716)画像データを受信する。印刷処理中であることを示すDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトがプリンタ200からデジタルカメラ100に対して送信される(SEQ717)。また、印刷の進捗情報をデジタルカメラ100に通知するDPS_NotifyJobStatusスクリプトが、プリンタ200からデジタルカメラ100に対して送信される(SEQ718)。そして、プリンタ200において、印刷処理が開始される(SEQ719)。
【0135】
用紙1枚に対する画像データの印刷が終了すると、シーケンスがSEQ713に戻される。そして、次に印刷すべき画像データのファイル情報の取得が取得され、当該ファイル情報に示される画像データのファイルがデジタルカメラ100からプリンタ200に対して送信される。
【0136】
このSEQ713〜SEQ719のシーケンスが、SEQ713で印刷要求のあった枚数が完了するまで繰り返される。印刷の進捗情報をデジタルカメラ100に通知する、DPS_NotifyJobStatusスクリプトのタグprogressに示される、現在何枚目を印刷中かを示す値が、印刷処理が進行する毎に変化する。一方、SEQ717による、印刷処理中であることを示すDPS_NotifyDeviceStatusスクリプトは、SEQ705による通信の再確立後の最初の印刷処理の時にのみ、送信される。
【0137】
印刷要求のあった全ての画像データの印刷が完了したら、プリンタ200は、DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトにより、アイドル状態となった旨をデジタルカメラ100に対して通知して(SEQ720)、一連の印刷処理が終了される。
【0138】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、近接無線通信を用いて、画像入力装置と画像出力装置間でダイレクトプリントを行う場合に、ユーザに煩雑な操作をさせることなく、出力処理の中断、再開および新規出力処理の開始を行うことが可能となる。
【0139】
<他の実施形態>
既に説明したように、上述の実施形態は、デジタルカメラ100側のメモリ52と、プリンタ200側のシステムコントローラ207が有するROMとに記憶されるコンピュータプログラムにより実現される。したがって、当該コンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0140】
なお、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU)で読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
【0141】
上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、上述のメモリ52およびシステムコントローラ207が有するROMに予め記憶されて提供される。これに限らず、記憶媒体又は有線/無線通信により装置に供給してもよい。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0142】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0143】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
【0144】
つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
【0145】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
【0146】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでに装置上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
【0147】
さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部を装置に装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の実施形態に適用可能な画像入力装置としてのデジタルカメラの一例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に適用可能な画像出力装置としてのプリンタの一例の構成を示すブロック図である。
【図3】デジタルカメラとプリンタとを有線接続して通信を行う一般的な例について説明するための図である。
【図4】PictBridgeによる通信プロトコルアーキテクチャを説明するための図である。
【図5】PictBridgeを用いて、デジタルカメラにおいて外部記憶媒体に記憶された1つのファイルの画像データを、プリンタで出力する際の一例のシーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図6】DPS_StartJobスクリプトの一例の構造を示す図である。
【図7】DPS_NotifyDeviceStatusスクリプトの一例の構造を示す図である。
【図8】、DPS_NotifyJobStatusスクリプトの一例の構造を示す図である。
【図9】近接無線通信による通信可能範囲を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態による処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態による、中断印刷ジョブを中止する際の一例のシーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図12】デジタルカメラの画像表示部に対する一例の表示を示す図である。
【図13】本発明の実施形態による、中断されている印刷処理の再開の際の一例のシーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図14】本発明の実施形態による、中断されている印刷処理を中止し、新規の印刷処理を開始する際の一例のシーケンスを示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0149】
28 画像表示部
50 システム制御部
54 表示部
70 操作部
100 デジタルカメラ
110 通信部
112 コネクタ(アンテナ)
200 プリンタ
203 表示部
204 操作部
207 システムコントローラ
216 通信部
217 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像入力装置と画像出力装置とを近接無線通信で接続し、該画像入力装置から該近接無線通信により送信された画像データを該画像出力装置で出力する画像出力システムであって、
前記画像入力装置は、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第1の検出手段と、
前記画像出力装置に行わせる出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
少なくとも前記ユーザ操作受け付け手段に受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成手段と、
前記近接無線通信を行う第1の通信手段と、
前記第1の通信手段により画像データの送信を行った後に前記第1の検出手段により前記切断が検出され、該切断の検出の後に該第1の検出手段により前記接続が再び検出されたら、前記スクリプト生成手段により生成された前記出力処理定義スクリプトを前記第1の通信手段で送信させる第1の制御手段と
を備え、
前記画像出力装置は、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第2の検出手段と、
前記近接無線通信を行う第2の通信手段と、
画像データを出力する画像出力手段と、
前記第1の通信手段で送信された画像データを前記第2の通信手段で受信し、受信された該画像データを前記画像出力手段で出力しているときに前記第2の検出手段により前記切断が検出されたら、該画像出力手段による該画像データの出力を中断させ、該第2の検出手段により前記接続が再び検出されたら、前記第1の通信手段により送信され前記第2の通信手段で受信した前記出力処理定義スクリプトに応じて、前記画像出力手段による画像データの出力処理を制御する第2の制御手段と
を備える
ことを特徴とする画像出力システム。
【請求項2】
画像出力装置と近接無線通信で接続され、該画像出力装置に対して該近接無線通信により画像データを送信する画像入力装置は、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第1の検出手段と、
前記画像出力装置に行わせる出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
少なくとも前記ユーザ操作受け付け手段に受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成手段と、
前記近接無線通信を行う第1の通信手段と
を備え、
前記画像出力装置は、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する第2の検出手段と、
前記近接無線通信を行う第2の通信手段と、
画像データを出力する画像出力手段と
を備える画像出力システムの制御方法であって、
前記画像入力装置が前記第1の通信手段により画像データの送信を行う画像データ送信ステップと、
前記画像出力装置が、前記画像データ送信ステップで送信された前記画像データを前記第2の通信手段で受信して前記画像出力手段で出力しているときに前記第2の検出手段により前記切断が検出されたら、該画像出力手段による該画像データの出力を中断させる中断ステップと、
前記画像入力装置が、前記画像データ送信ステップにより前記画像データの送信を行った後に前記第1の検出手段により前記切断が検出され、該切断の検出の後に該第1の検出手段により前記接続が再び検出されたら、前記スクリプト生成手段により生成された前記出力処理定義スクリプトを前記第1の通信手段で送信する送信ステップと、
前記画像出力装置が、前記第2の検出手段により前記接続が再び検出されたら、前記第1の通信手段で送信された前記出力処理定義スクリプトを前記第2の通信手段で受信し、受信した該出力処理定義スクリプトに応じて、前記画像出力手段による画像データの出力処理を制御する制御ステップと
を有する
ことを特徴とする画像出力システムの制御方法。
【請求項3】
近接無線通信で接続された画像出力装置に対して画像データを送信する画像入力装置であって、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出手段と、
前記画像出力装置の出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付け手段と、
少なくとも前記ユーザ操作受け付け手段に受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記画像出力装置に行わせる出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成手段と、
前記近接無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により画像データの送信を行った後に前記検出手段により前記切断が検出され、該切断の検出の後に該検出手段により前記接続が再び検出されたら、前記スクリプト生成手段により生成された前記出力処理定義スクリプトを前記通信手段で送信させる制御手段と
を備えることを特徴とする画像入力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記画像出力装置で中断されている前記画像データの出力処理について、前記ユーザ操作に応じて、少なくとも該出力の中止と、該出力の再開と、該出力の中止および新規の前記画像データの出力の開始とのうち何れか1つを定義する前記出力処理定義スクリプトを、前記スクリプト生成手段に生成させる
ことを特徴とする請求項3に記載の画像入力装置。
【請求項5】
前記スクリプト生成手段は、
前記検出手段により前記切断が検出され、前記接続が再び検出されるまでの間、前記ユーザ操作受け付け手段に対して何も操作が行われなかったら、前記出力の再開を定義する前記出力処理定義スクリプトを生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像入力装置。
【請求項6】
前記画像入力装置は、
ユーザに対する通知を表示する表示手段をさらに有し、
前記制御手段は、
前記検出手段により前記切断が検出されたら、前記表示手段に対して、少なくとも前記接続が切断されていることを示す前記通知を表示させる
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の画像入力装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記検出手段により前記切断が検出されたら、前記表示手段に対して、さらに、前記画像入力装置と前記画像出力装置との前記近接無線通信が再び接続された際に該画像出力装置に対して指定可能な出力処理を示す前記通知を表示させる
ことを特徴とする請求項6に記載の画像入力装置。
【請求項8】
前記指定可能な出力処理を示す通知は、前記画像入力装置と前記画像出力装置とを再び接続する操作により、中断されている画像データの出力処理の再開が行われることを示す通知である
ことを特徴とする請求項7に記載の画像入力装置。
【請求項9】
近接無線通信で接続された画像出力装置に対して画像データを送信する画像入力装置の制御方法であって、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出ステップと、
前記画像出力装置の出力処理を指定するユーザ操作を受け付けるユーザ操作受け付けステップと、
少なくとも前記ユーザ操作受け付けステップにより受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記画像出力装置に行わせる出力処理を定義する出力処理定義スクリプトを生成するスクリプト生成ステップと、
前記近接無線通信を行う通信ステップと、
前記通信ステップにより画像データの送信を行った後に前記検出ステップにより前記切断が検出され、該切断の検出の後に該検出ステップにより前記接続が再び検出されたら、前記スクリプト生成ステップにより生成された前記出力処理定義スクリプトを前記通信ステップで送信させる制御ステップと
を備えることを特徴とする画像入力装置の制御方法。
【請求項10】
近接無線通信により接続された画像入力装置から送信された画像データを出力する画像出力装置であって、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出手段と、
前記近接無線通信を行う通信手段と、
画像データを出力する画像出力手段と、
前記通信手段で受信された、前記近接無線通信で送信された前記画像データを前記画像出力手段で出力しているときに前記検出手段により前記切断が検出されたら、該画像出力手段による該画像データの出力を中断させ、該検出手段により前記接続が再び検出されたら、前記通信手段で受信した出力処理定義スクリプトに応じて、前記画像出力手段による画像データの出力処理を制御する制御手段と
を備える
ことを特徴とする画像出力装置。
【請求項11】
近接無線通信により接続された画像入力装置から送信された画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記近接無線通信が接続されているか切断されているかを検出する検出ステップと、
前記近接無線通信を行う通信ステップと、
画像データを出力する画像出力ステップと、
前記通信ステップで受信された、前記近接無線通信で送信された前記画像データを前記画像出力ステップで出力しているときに前記検出ステップにより前記切断が検出されたら、該画像出力ステップによる該画像データの出力を中断させ、該検出ステップにより前記接続が再び検出されたら、前記通信ステップで受信した出力処理定義スクリプトに応じて、前記画像出力ステップによる画像データの出力処理を制御する制御ステップと
を備える
ことを特徴とする画像出力装置の制御方法。
【請求項12】
コンピュータを請求項1および請求項3乃至請求項8の何れか1項に記載の画像入力装置として機能させるプログラム。
【請求項13】
コンピュータを請求項1または請求項10に記載の画像出力装置として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−11364(P2010−11364A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171238(P2008−171238)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】