画像出力装置、操作画面表示方法およびコンピュータプログラム
【課題】プレビュー情報と共により多くの情報をユーザーに提供することのできる操作パネルを実現する。
【解決手段】操作パネルを有する画像出力装置は、入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を表示する画面表示手段と、操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示するポップアップ表示手段とを備える。
【解決手段】操作パネルを有する画像出力装置は、入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を表示する画面表示手段と、操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示するポップアップ表示手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルによる操作に応じた画像出力動作をする画像出力装置、画像出力装置の操作のための操作画面表示方法およびコンピュータプログラムに関する。画像出力装置には、画像を印刷する画像形成装置、画像を読み取って情報処理装置や記憶装置などの他の装置へ出力する画像読取り装置、および画像データを送信する通信装置が含まれる。
【背景技術】
【0002】
近年の多機能化した画像出力装置では、操作ボタンが機能分類ごとに区分けされ、操作画面が階層化されている。すなわち、操作パネルの表示を複雑にすることなくユーザーが必要に応じて様々な設定を行い得るように操作パネルが工夫されている。
【0003】
また、操作パネルに配置するディスプレイの解像度の向上にともない、出力結果の操作パネル上でのプレビュー表示が行われている。例えば、特許文献1の開示では、画像処理に用いる設定項目を示すアイコンと、設定項目を用いた画像処理の結果の概略を示すプレビュー情報とが操作パネルの同一画面上に表示される。操作画面にはプレビュー専用の領域が設けられ、ディスプレイの表示面の一部分を用いてプレビュー情報が表示される。そして、利用者が設定を変更すると、プレビュー情報が変更される。利用者がプレビューの拡大を指示すると、操作画面からプレビューを拡大して示すモニター画面に表示が切り替わる。
【0004】
一方、階層化された操作画面の表示に関して次の開示がある。特許文献2に記載されたプログラムは、操作案内をパーソナルコンピュータに表示させる表示制御プログラムであって、デフォルト画面以外の設定画面で変更があったとき、デフォルト画面にそれ以外の画面での設定内容を透過表示する。すなわち、このプログラムは、デフォルト画面より下位の画面におけるユーザーに設定が変更された項目の部分をデフォルト画面に組み入れて表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−221729号公報
【特許文献2】特開2008−83959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
操作パネルのディスプレイの表示面の大きさには限りがあるので、表示面の一部分をプレビュー専用の領域とすることによって、表示面内に配置可能な操作ボタンの数が少なくなり、操作画面の階層数が多くなっていた。階層数が多いと、ユーザーが下位の画面を表示させたいときに多くの画面切替え操作を行わなければならない。プレビュー専用の領域を小さくすれば、プレビュー情報と共に表示可能な操作ボタンを増やすことができるが、プレビューが見難くなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、プレビュー情報と共により多くの情報をユーザーに提供することのできる操作パネルの実現を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する装置は、画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置であって、入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を表示する画面表示手段と、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示するポップアップ表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示面積の限られたディスプレイにおいて、プレビュー表示のための領域を小さくすることなく、プレビュー情報と共により多くの情報をユーザーに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の外観の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】制御回路の機能構成を示す図である。
【図5】画像形成装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】操作画面の初期状態を示す図である。
【図7】操作画面のモニター表示状態を示す図である。
【図8】操作画面のプレビュー表示状態を示す図である。
【図9】操作画面におけるポップアップ表示の第1例を示す図である。
【図10】操作画面におけるポップアップ表示の第2例を示す図である。
【図11】操作画面におけるポップアップ表示の第3例を示す図である。
【図12】操作画面におけるポップアップ表示の第4例を示す図である。
【図13】操作画面におけるポップアップ表示の第5例を示す図である。
【図14】操作画面におけるポップアップ表示の第6例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に例示される画像情報処理システム1は、画像出力装置の一種である画像形成装置1,1bと、画像形成装置1,1bに各種のジョブを与えるクライアント5,6,7,8とを備える。例示の画像形成装置1,1bはMFP(Multifunction Peripherals)と呼ばれる複合機である。画像形成装置1,1bは、コピー、ネットワークプリンティング、イメージ入力、ファクシミリ通信、メール送受、ドキュメントの保存などの種々の機能を有する。クライアント5,6,7,8は、パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置である。画像形成装置1,1bおよびクライアント5,6,7,8は、ネットワーク4を介して相互のアクセスおよび相互のデータ交換が可能に接続される。ネットワーク4は、有線または無線の通信路を含むLAN(Local Area Network)であり、インターネットや公衆通信ネットワークといった広域ネットワーク9と接続されている。
【0012】
画像形成装置1,1bはコピーにおいて原稿画像をプリント出力し、ネットワークプリンティングにおいてクライアント5,6,7,8からのプリントデータを基に生成した画像をプリント出力する。プリントデータとは、クライアント5,6,7,8のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムが発行する描画命令を、プリンタドライバによって画像形成装置1,1bが処理可能なページ記述言語に変換したページ記述言語による描画命令、またはPDF、TIFF、JPEG、XPSなどのいわゆる画像ファイルフォーマットで記述されたドキュメントデータである。
【0013】
また、画像形成装置1,1bは、原稿から読み取った画像または予め記憶しているドキュメントを、ネットワーク4を介して、クライアント5,6,7,8または広域ネットワーク9に接続された他の機器へデータ通信の形で出力することができる。以下、画像形成装置1を代表として構成および動作を説明する。
【0014】
図2の例示において、画像形成装置1では、電子写真式のプリンタ23の上方に、ADF(Auto Document Feeder)21およびイメージスキャナ22が配置されている。ADF21は原稿台211および回収台212を有し、原稿台211から回収台212へ原稿Dを搬送する。原稿Dは読み取るべき情報が記録されたシート状記録媒体(用紙)である。原稿台211に複数の原稿Dが載置(セッティング)されたとき、ADF21は1枚ずつ順々に原稿Dを搬送する。ADF21による搬送の途中で、原稿Dは読取り位置を通過する。イメージスキャナ22は、読取り位置を通過する原稿Dに記録されている画像情報を光学的に読み取る。この読取りの形式は、光学系に対して原稿Dを移動させるシートスルー形式である。また、イメージスキャナ22は原稿固定式の読取りのための原稿台ガラスを有しており、その原稿台ガラスの上面を容易に露出させるために、ADF21は背面側を支点として開閉可能なようにイメージスキャナ22に組み付けられている。
【0015】
イメージスキャナ22の前側に操作パネル25が配置されている。操作パネル25は、種々の操作画面を表示するタッチパネル部25Aとテンキーを含む種々の固定キーが配置されたキーパネル部25Bとを有する。画像形成装置1のユーザーは、操作パネル25を用いる直接の操作、またはネットワーク4を介して接続されたクライアント5,6,7,8からのアクセスによって所望の動作を画像形成装置1に実行させることができる。
【0016】
例えばコピーにおいて、ADF21とイメージスキャナ22との連携による読取りの終了後または読取り途中の時点で、多段式の用紙ストッカ24から操作入力で指定されたサイズの用紙がプリンタ23に給紙される。プリンタ23において、原稿Dから読み取られた画像が用紙にカラー指定に応じた色で印刷される。画像が印刷された用紙は排紙トレイ232に排出される。
【0017】
図3のように、画像形成装置1は、上述の要素に加えて、制御回路26、画像処理回路27、ストレージ28、および外部接続インタフェース29を有する。制御回路26は、制御プログラムを記憶するROM261、制御プログラムを実行するCPU(central processing unit)262、プログラム実行のためのRAM263、および図示しないリアルタイムクロック集積回路を有する。RAM263は、ワークエリアとされるS−RAMと各種の設定を記憶するバッテリバックアップされたNV−RAM(不揮発性メモリ)とを含む。画像処理回路27はイメージスキャナ22の出力データの補正や印刷時のビットマップ展開を含む種々の画像処理を担う。ストレージ28はハードディスクドライブのような大容量記憶デバイスである。ストレージ28には、画像形成装置1の制御に係わるデータを記憶するメモリ領域とともに、各種ドキュメントのファイルを保存するメモリ領域(いわゆるボックス)が設けられる。外部接続インタフェース29は、画像形成装置1とネットワーク4とを接続し、LAN通信およびファクシミリ通信を可能にする。
【0018】
図4は、操作パネル25のコントローラとしての制御回路26の機能構成を示す。制御回路26は、表示処理部601、画面表示部602、およびポップアップ表示部603を有する。これら要素は、CPU262が表示制御プログラムを実行することによって実現される機能要素である。
【0019】
表示処理部601および画面表示部602は互いに連携して操作パネル25のディスプレイ251に操作画面を表示させる。表示にはROM261またはストレージ28からRAM263にロードされた操作画面データDQが用いられる。操作画面データDQは、階層化された複数の操作画面の画像および各画面内の位置と操作内容との対応を示す。ユーザーによる操作に応じて操作画面が切り替えられる。表示処理部601および画面表示部602は、表示している操作画面内の操作ボタンに対応する位置を示す信号がタッチ入力デバイス252から入力されると、当該操作ボタンが押下されたと認識する。
【0020】
ポップアップ表示部603は、予め定められた操作が行われたときに、表示中の操作画面に当該操作に関係する情報を含むサブウインドウをポップアップ表示させる。すなわち、ポップアップウインドウを操作画面に重ねるように合成した画面の表示を表示処理部601に要求する。特に、ポップアップ表示部603は、プレビュー領域を有する操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウをプレビュー領域に重ねて表示させる。また、ポップアップ表示部603は、プレビュー領域を有する操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響しない設定にかかわる第2種の操作が行われたときに、下地色が非透過色とされた第2ポップアップウインドウをプレビュー領域に重ねて表示させる。
【0021】
図5に示すフローチャートを参照して、画像形成装置1の全体動作の流れを説明する。制御回路26のCPU262は、電源投入またはリセット操作に呼応して初期化処理を実行する(S301)。制御パラメータを記憶するメモリがクリアされ、標準モードの設定が行われる。
【0022】
初期化処理が終了すると、操作パネル25のキーパネル部25B上のキースイッチ群、およびタッチパネル部25Aにおける操作を受け付ける。ユーザーから何らかの処理要求(コピー処理や各種の設定処理など)が為されたかどうかを確認する(S303)。要求が為されていなければ(S303でNo)、ステップS305に進む。
【0023】
ユーザーから何らかの処理要求が為された場合(S303でYes)、それが原稿のスキャン送信処理の要求かどうか確認する(S311)。スキャン送信処理の要求であれば(S311でYes)、送信処理を実行する(S313)。
【0024】
要求された処理が送信処理でなければ(S311でNo)、その要求された処理を実行する(S315)。ここで、送信処理以外の処理とは、例えば、原稿のコピーまたは読取り、RAM263に記憶されている各種設定を変更する処理などである。ユーザーから要求された処理が終了すると、ステップS305に進む。
【0025】
ステップS305では、ネットワーク4を介してクライアント5,6,7,8などの外部の装置から何らかの処理要求(文書のプリント処理、各種の設定処理、など)が為されたかどうか確認する(ステップS305)。外部の装置から何らかの処理要求が為された場合(S305でYes)、その要求された処理を実行する(S321)外部の装置から要求された処理がすべて終了すると、ステップS303に戻って上述の処理を繰り返し実行する。
【0026】
次に、画像形成装置1における操作パネルの表示形態を、図6から図14までの図を参照して説明する。
【0027】
図6は画像形成装置1が基本画面として表示する操作画面Q1の初期状態を示す。操作画面Q1の上端部にメッセージ領域41が配置され、メッセージ領域41の下にモニター領域43およびプレビュー領域44を有した画像表示領域42が配置されている。モニター領域43およびプレビュー領域44が左右に並ぶ。本例では左側にモニター領域43が、右側にプレビュー領域44が位置する。モニター領域43およびプレビュー領域44の下側には、画質設定や用紙設定などの設定に係わるボタン51,52,53,54,55,56が横一列に並べて配置されている。これらボタンのうち、Applicationボタン56は、さらに詳細な機能や設定を行うための設定メニューを呼び出すためのボタンである。
【0028】
操作画面Q1の下端部には、コピーボタン57、FAX/Scanボタン58、BOXボタン59、およびリセットボタン60といった用途選択のためのボタンが配置されている。例えば、ユーザーはコピーボタン57の押下によってコピー動作を選択することができ、FAX/Scanボタン58の押下によってファクシミリ送信またはデータ送信を選択することができる。リセットボタン60は設定をリセットするためのボタンである。
【0029】
操作画面Q1の下端の近傍に、スタートキー61およびストップキー62が有る。これらキーはキーパネル部25Bに配置された固定キーである。スタートキー61はジョブの実行を開始させるためのキーであり、ストップキーはジョブを停止させるためのキーである。
【0030】
例示では、コピーボタン57、FAX/Scanボタン58、BOXボタン59、およびリセットボタン60が操作画面Q1内に配置されているが、これらボタンを固定キーとしてキーパネル部25Bに配置してもよい。
【0031】
図7において、操作画面Q1のモニター領域43には、原稿画像のモニター画像が表示されている。例えば、コピー動作において、ユーザーがイメージスキャナ22の原稿固定式の原稿台ガラスに原稿をセッティングすると、イメージスキャナ22によって原稿が走査され、読み取られた原稿画像の縮小画像がモニター領域43に表示される。
【0032】
図8において、操作画面Q1のプレビュー領域44には、現時点の設定に従うコピー動作で得られる予定の出力結果を示すプレビュー画像が表示されている。例示では、1枚の用紙に原稿画像を並べて複写するリピート印刷設定の出力結果が示されている。
【0033】
図9において、操作画面Q1には、サブウインドウであるポップアップウインドウW1がプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW1の表示は、設定用のボタンの一つであるステープルボタン53の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW1の外形は、ステープルボタン53を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、ステープルボタン53が反転表示によって強調されている。
【0034】
ステープルボタン53は、印刷済み用紙をステープルで綴じる処理について設定するためのボタンであり、ステープルボタン53の押下は出力結果に影響する設定にかかわる第1種の操作である。つまり、ステープルボタン53の押下に続いてユーザーが行うべき設定作業では、プレビュー画像が作業の参考として有用である。このことから、ポップアップウインドウW1では、吹き出し形状の下地部の色が透過色とされている。例えば、ポップアップウインドウW1の下地色は薄い青色を呈する半透明色である。
【0035】
例示のポップアップウインドウW1は、ステープル処理の要否を決めるボタン91,92、ステープルで綴じる位置を決めるボタン94,95、および紙折りの要否を決めるボタン95,96を有する。これらボタンは、下地との区別がつき易いように、下地色と同系色で下地色とは透明度が異なる色とされている。例えば、下地色より濃い透明色または不透明色とされ、かつ押下されまたはデフォルトで選択されたボタンについては強調のためにさらに濃い色とされる。図では、ボタン91,93,95が強調表示されている。
【0036】
このようにポップアップウインドウW1の下地部分を透明化することで、ユーザーは、プレビュー表示された出力結果イメージを確認しながら、ポップアップウインドウW1上の設定ボタンを操作することができる。
【0037】
図10において、操作画面Q1では、サブウインドウであるポップアップウインドウW2がモニター領域43およびプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW2の表示は、設定用のボタンの一つである倍率ボタン54の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW2の外形は、倍率ボタン54を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、倍率ボタン54が反転表示によって強調されている。
【0038】
ポップアップウインドウW2の下地色が透過色である。例えば、上記ポップアップウインドウW1とは異なることが判りやすいように、ポップアップウインドウW1の下地色とは異なる色(例えば、ピンク系の色)が下地色とされている。また、プレビュー領域44と重なるボタン97,98を含めて、ポップアップウインドウW2内のボタンの色は下地色とは透明度が異なる色とされている。
【0039】
図11において、操作画面Q1では、サブウインドウであるポップアップウインドウW3がモニター領域43およびプレビュー領域44の上側部分に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW2の表示は、Applicationボタン56の押下に呼応して行われる。ポップアップウインドウW3は、ユーザーがより詳細な設定をするためのメニューウインドウであり、設定項目を示す横一列に並ぶボタンを有する。ポップアップウインドウW3の下地色は透過色であり、ポップアップウインドウW3内のボタンの色は下地とは透明度が異なる色である。
【0040】
図12において、操作画面Q1では、ポップアップウインドウW3とともに、ポップアップウインドウW4がモニター領域43およびプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW4の表示は、ポップアップウインドウW3内のボタン99の押下に呼応して行われる。ポップアップウインドウW4の下地色は透過色であり、ポップアップウインドウW4内のボタンの色は下地とは透明度が異なる色である。
【0041】
以上の各例はポップアップ表示が透明化された例であるが、透明化が不要な場合もある。
【0042】
図13において、操作画面Q1では、ポップアップウインドウW5がモニター領域43に重なりプレビュー領域44に重ならないように表示されている。ポップアップウインドウW5の表示は、ステープルボタン53の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW5の外形は、ステープルボタン53を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、ステープルボタン53が反転表示によって強調されている。
【0043】
ポップアップウインドウW5上での操作に際して原稿のモニター画像の必要性は大きくはない。このことから、プレビュー領域44に重ならない本例のポップアップウインドウW5の下地色は不透明の色とされている。ポップアップウインドウW5内のボタンも不透明である。ユーザーは、プレビュー領域44の出力結果のみに傾注して操作を行うことができる。
【0044】
図14において、操作画面Q1では、サブウインドウであるポップアップウインドウW6がモニター領域43およびプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW6の表示は、設定用のボタンの一つである用紙ボタン52の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW6の外形は、用紙ボタン52を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、用紙ボタン52が反転表示によって強調されている。
【0045】
用紙ボタン53は、用紙サイズを設定するためのボタンであり、用紙ボタン52の押下は出力結果に直接的には影響しない設定にかかわる第2種の操作とされている。用紙ボタン52の押下に続いてユーザーが行うべき設定作業では、プレビュー画像よりもむしろモニター画像が作業の参考として有用である。このことから、ポップアップウインドウW6では、モニター領域43と重なる左側部分の下地色が透過色とされ、プレビュー領域44と重なる右側部分が不透明とされている。不透明とすることで操作に不要な情報の表示が省かれ、操作画面Q1が簡素かされる。
【0046】
また、プレビュー描画を、ユーザーの設定操作に応じて動的に変化させるためにはCPU262に負荷がかかり、応答が遅くなってしまう場合があるので、プレビューの更新が不要になることによって負担が軽減される効果もある。
【0047】
以上の実施形態では、操作ボタンを有するポップアッブウインドウW1〜W6を例示したが、メッセージや状態を表示するためにサブウインドウをポップアップ表示する場合にもブレビュー表示の視認を可能にする下地色の透明化は有効である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置(画像出力装置)
25 操作パネル
26 制御回路(コントローラ)
44 プレビュー領域
43 モニター領域
Q1 操作画面
W1,W2,W3,W4,W5,W6 第1ポップアップウインドウ
W5,W6 第2ポップアップウインドウ
602 画面表示部(画面表示手段)
603 ポップアップ表示部(ポップアップ表示手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルによる操作に応じた画像出力動作をする画像出力装置、画像出力装置の操作のための操作画面表示方法およびコンピュータプログラムに関する。画像出力装置には、画像を印刷する画像形成装置、画像を読み取って情報処理装置や記憶装置などの他の装置へ出力する画像読取り装置、および画像データを送信する通信装置が含まれる。
【背景技術】
【0002】
近年の多機能化した画像出力装置では、操作ボタンが機能分類ごとに区分けされ、操作画面が階層化されている。すなわち、操作パネルの表示を複雑にすることなくユーザーが必要に応じて様々な設定を行い得るように操作パネルが工夫されている。
【0003】
また、操作パネルに配置するディスプレイの解像度の向上にともない、出力結果の操作パネル上でのプレビュー表示が行われている。例えば、特許文献1の開示では、画像処理に用いる設定項目を示すアイコンと、設定項目を用いた画像処理の結果の概略を示すプレビュー情報とが操作パネルの同一画面上に表示される。操作画面にはプレビュー専用の領域が設けられ、ディスプレイの表示面の一部分を用いてプレビュー情報が表示される。そして、利用者が設定を変更すると、プレビュー情報が変更される。利用者がプレビューの拡大を指示すると、操作画面からプレビューを拡大して示すモニター画面に表示が切り替わる。
【0004】
一方、階層化された操作画面の表示に関して次の開示がある。特許文献2に記載されたプログラムは、操作案内をパーソナルコンピュータに表示させる表示制御プログラムであって、デフォルト画面以外の設定画面で変更があったとき、デフォルト画面にそれ以外の画面での設定内容を透過表示する。すなわち、このプログラムは、デフォルト画面より下位の画面におけるユーザーに設定が変更された項目の部分をデフォルト画面に組み入れて表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−221729号公報
【特許文献2】特開2008−83959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
操作パネルのディスプレイの表示面の大きさには限りがあるので、表示面の一部分をプレビュー専用の領域とすることによって、表示面内に配置可能な操作ボタンの数が少なくなり、操作画面の階層数が多くなっていた。階層数が多いと、ユーザーが下位の画面を表示させたいときに多くの画面切替え操作を行わなければならない。プレビュー専用の領域を小さくすれば、プレビュー情報と共に表示可能な操作ボタンを増やすことができるが、プレビューが見難くなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、プレビュー情報と共により多くの情報をユーザーに提供することのできる操作パネルの実現を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する装置は、画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置であって、入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を表示する画面表示手段と、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示するポップアップ表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示面積の限られたディスプレイにおいて、プレビュー表示のための領域を小さくすることなく、プレビュー情報と共により多くの情報をユーザーに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の外観の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】制御回路の機能構成を示す図である。
【図5】画像形成装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】操作画面の初期状態を示す図である。
【図7】操作画面のモニター表示状態を示す図である。
【図8】操作画面のプレビュー表示状態を示す図である。
【図9】操作画面におけるポップアップ表示の第1例を示す図である。
【図10】操作画面におけるポップアップ表示の第2例を示す図である。
【図11】操作画面におけるポップアップ表示の第3例を示す図である。
【図12】操作画面におけるポップアップ表示の第4例を示す図である。
【図13】操作画面におけるポップアップ表示の第5例を示す図である。
【図14】操作画面におけるポップアップ表示の第6例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に例示される画像情報処理システム1は、画像出力装置の一種である画像形成装置1,1bと、画像形成装置1,1bに各種のジョブを与えるクライアント5,6,7,8とを備える。例示の画像形成装置1,1bはMFP(Multifunction Peripherals)と呼ばれる複合機である。画像形成装置1,1bは、コピー、ネットワークプリンティング、イメージ入力、ファクシミリ通信、メール送受、ドキュメントの保存などの種々の機能を有する。クライアント5,6,7,8は、パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置である。画像形成装置1,1bおよびクライアント5,6,7,8は、ネットワーク4を介して相互のアクセスおよび相互のデータ交換が可能に接続される。ネットワーク4は、有線または無線の通信路を含むLAN(Local Area Network)であり、インターネットや公衆通信ネットワークといった広域ネットワーク9と接続されている。
【0012】
画像形成装置1,1bはコピーにおいて原稿画像をプリント出力し、ネットワークプリンティングにおいてクライアント5,6,7,8からのプリントデータを基に生成した画像をプリント出力する。プリントデータとは、クライアント5,6,7,8のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムが発行する描画命令を、プリンタドライバによって画像形成装置1,1bが処理可能なページ記述言語に変換したページ記述言語による描画命令、またはPDF、TIFF、JPEG、XPSなどのいわゆる画像ファイルフォーマットで記述されたドキュメントデータである。
【0013】
また、画像形成装置1,1bは、原稿から読み取った画像または予め記憶しているドキュメントを、ネットワーク4を介して、クライアント5,6,7,8または広域ネットワーク9に接続された他の機器へデータ通信の形で出力することができる。以下、画像形成装置1を代表として構成および動作を説明する。
【0014】
図2の例示において、画像形成装置1では、電子写真式のプリンタ23の上方に、ADF(Auto Document Feeder)21およびイメージスキャナ22が配置されている。ADF21は原稿台211および回収台212を有し、原稿台211から回収台212へ原稿Dを搬送する。原稿Dは読み取るべき情報が記録されたシート状記録媒体(用紙)である。原稿台211に複数の原稿Dが載置(セッティング)されたとき、ADF21は1枚ずつ順々に原稿Dを搬送する。ADF21による搬送の途中で、原稿Dは読取り位置を通過する。イメージスキャナ22は、読取り位置を通過する原稿Dに記録されている画像情報を光学的に読み取る。この読取りの形式は、光学系に対して原稿Dを移動させるシートスルー形式である。また、イメージスキャナ22は原稿固定式の読取りのための原稿台ガラスを有しており、その原稿台ガラスの上面を容易に露出させるために、ADF21は背面側を支点として開閉可能なようにイメージスキャナ22に組み付けられている。
【0015】
イメージスキャナ22の前側に操作パネル25が配置されている。操作パネル25は、種々の操作画面を表示するタッチパネル部25Aとテンキーを含む種々の固定キーが配置されたキーパネル部25Bとを有する。画像形成装置1のユーザーは、操作パネル25を用いる直接の操作、またはネットワーク4を介して接続されたクライアント5,6,7,8からのアクセスによって所望の動作を画像形成装置1に実行させることができる。
【0016】
例えばコピーにおいて、ADF21とイメージスキャナ22との連携による読取りの終了後または読取り途中の時点で、多段式の用紙ストッカ24から操作入力で指定されたサイズの用紙がプリンタ23に給紙される。プリンタ23において、原稿Dから読み取られた画像が用紙にカラー指定に応じた色で印刷される。画像が印刷された用紙は排紙トレイ232に排出される。
【0017】
図3のように、画像形成装置1は、上述の要素に加えて、制御回路26、画像処理回路27、ストレージ28、および外部接続インタフェース29を有する。制御回路26は、制御プログラムを記憶するROM261、制御プログラムを実行するCPU(central processing unit)262、プログラム実行のためのRAM263、および図示しないリアルタイムクロック集積回路を有する。RAM263は、ワークエリアとされるS−RAMと各種の設定を記憶するバッテリバックアップされたNV−RAM(不揮発性メモリ)とを含む。画像処理回路27はイメージスキャナ22の出力データの補正や印刷時のビットマップ展開を含む種々の画像処理を担う。ストレージ28はハードディスクドライブのような大容量記憶デバイスである。ストレージ28には、画像形成装置1の制御に係わるデータを記憶するメモリ領域とともに、各種ドキュメントのファイルを保存するメモリ領域(いわゆるボックス)が設けられる。外部接続インタフェース29は、画像形成装置1とネットワーク4とを接続し、LAN通信およびファクシミリ通信を可能にする。
【0018】
図4は、操作パネル25のコントローラとしての制御回路26の機能構成を示す。制御回路26は、表示処理部601、画面表示部602、およびポップアップ表示部603を有する。これら要素は、CPU262が表示制御プログラムを実行することによって実現される機能要素である。
【0019】
表示処理部601および画面表示部602は互いに連携して操作パネル25のディスプレイ251に操作画面を表示させる。表示にはROM261またはストレージ28からRAM263にロードされた操作画面データDQが用いられる。操作画面データDQは、階層化された複数の操作画面の画像および各画面内の位置と操作内容との対応を示す。ユーザーによる操作に応じて操作画面が切り替えられる。表示処理部601および画面表示部602は、表示している操作画面内の操作ボタンに対応する位置を示す信号がタッチ入力デバイス252から入力されると、当該操作ボタンが押下されたと認識する。
【0020】
ポップアップ表示部603は、予め定められた操作が行われたときに、表示中の操作画面に当該操作に関係する情報を含むサブウインドウをポップアップ表示させる。すなわち、ポップアップウインドウを操作画面に重ねるように合成した画面の表示を表示処理部601に要求する。特に、ポップアップ表示部603は、プレビュー領域を有する操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウをプレビュー領域に重ねて表示させる。また、ポップアップ表示部603は、プレビュー領域を有する操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響しない設定にかかわる第2種の操作が行われたときに、下地色が非透過色とされた第2ポップアップウインドウをプレビュー領域に重ねて表示させる。
【0021】
図5に示すフローチャートを参照して、画像形成装置1の全体動作の流れを説明する。制御回路26のCPU262は、電源投入またはリセット操作に呼応して初期化処理を実行する(S301)。制御パラメータを記憶するメモリがクリアされ、標準モードの設定が行われる。
【0022】
初期化処理が終了すると、操作パネル25のキーパネル部25B上のキースイッチ群、およびタッチパネル部25Aにおける操作を受け付ける。ユーザーから何らかの処理要求(コピー処理や各種の設定処理など)が為されたかどうかを確認する(S303)。要求が為されていなければ(S303でNo)、ステップS305に進む。
【0023】
ユーザーから何らかの処理要求が為された場合(S303でYes)、それが原稿のスキャン送信処理の要求かどうか確認する(S311)。スキャン送信処理の要求であれば(S311でYes)、送信処理を実行する(S313)。
【0024】
要求された処理が送信処理でなければ(S311でNo)、その要求された処理を実行する(S315)。ここで、送信処理以外の処理とは、例えば、原稿のコピーまたは読取り、RAM263に記憶されている各種設定を変更する処理などである。ユーザーから要求された処理が終了すると、ステップS305に進む。
【0025】
ステップS305では、ネットワーク4を介してクライアント5,6,7,8などの外部の装置から何らかの処理要求(文書のプリント処理、各種の設定処理、など)が為されたかどうか確認する(ステップS305)。外部の装置から何らかの処理要求が為された場合(S305でYes)、その要求された処理を実行する(S321)外部の装置から要求された処理がすべて終了すると、ステップS303に戻って上述の処理を繰り返し実行する。
【0026】
次に、画像形成装置1における操作パネルの表示形態を、図6から図14までの図を参照して説明する。
【0027】
図6は画像形成装置1が基本画面として表示する操作画面Q1の初期状態を示す。操作画面Q1の上端部にメッセージ領域41が配置され、メッセージ領域41の下にモニター領域43およびプレビュー領域44を有した画像表示領域42が配置されている。モニター領域43およびプレビュー領域44が左右に並ぶ。本例では左側にモニター領域43が、右側にプレビュー領域44が位置する。モニター領域43およびプレビュー領域44の下側には、画質設定や用紙設定などの設定に係わるボタン51,52,53,54,55,56が横一列に並べて配置されている。これらボタンのうち、Applicationボタン56は、さらに詳細な機能や設定を行うための設定メニューを呼び出すためのボタンである。
【0028】
操作画面Q1の下端部には、コピーボタン57、FAX/Scanボタン58、BOXボタン59、およびリセットボタン60といった用途選択のためのボタンが配置されている。例えば、ユーザーはコピーボタン57の押下によってコピー動作を選択することができ、FAX/Scanボタン58の押下によってファクシミリ送信またはデータ送信を選択することができる。リセットボタン60は設定をリセットするためのボタンである。
【0029】
操作画面Q1の下端の近傍に、スタートキー61およびストップキー62が有る。これらキーはキーパネル部25Bに配置された固定キーである。スタートキー61はジョブの実行を開始させるためのキーであり、ストップキーはジョブを停止させるためのキーである。
【0030】
例示では、コピーボタン57、FAX/Scanボタン58、BOXボタン59、およびリセットボタン60が操作画面Q1内に配置されているが、これらボタンを固定キーとしてキーパネル部25Bに配置してもよい。
【0031】
図7において、操作画面Q1のモニター領域43には、原稿画像のモニター画像が表示されている。例えば、コピー動作において、ユーザーがイメージスキャナ22の原稿固定式の原稿台ガラスに原稿をセッティングすると、イメージスキャナ22によって原稿が走査され、読み取られた原稿画像の縮小画像がモニター領域43に表示される。
【0032】
図8において、操作画面Q1のプレビュー領域44には、現時点の設定に従うコピー動作で得られる予定の出力結果を示すプレビュー画像が表示されている。例示では、1枚の用紙に原稿画像を並べて複写するリピート印刷設定の出力結果が示されている。
【0033】
図9において、操作画面Q1には、サブウインドウであるポップアップウインドウW1がプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW1の表示は、設定用のボタンの一つであるステープルボタン53の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW1の外形は、ステープルボタン53を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、ステープルボタン53が反転表示によって強調されている。
【0034】
ステープルボタン53は、印刷済み用紙をステープルで綴じる処理について設定するためのボタンであり、ステープルボタン53の押下は出力結果に影響する設定にかかわる第1種の操作である。つまり、ステープルボタン53の押下に続いてユーザーが行うべき設定作業では、プレビュー画像が作業の参考として有用である。このことから、ポップアップウインドウW1では、吹き出し形状の下地部の色が透過色とされている。例えば、ポップアップウインドウW1の下地色は薄い青色を呈する半透明色である。
【0035】
例示のポップアップウインドウW1は、ステープル処理の要否を決めるボタン91,92、ステープルで綴じる位置を決めるボタン94,95、および紙折りの要否を決めるボタン95,96を有する。これらボタンは、下地との区別がつき易いように、下地色と同系色で下地色とは透明度が異なる色とされている。例えば、下地色より濃い透明色または不透明色とされ、かつ押下されまたはデフォルトで選択されたボタンについては強調のためにさらに濃い色とされる。図では、ボタン91,93,95が強調表示されている。
【0036】
このようにポップアップウインドウW1の下地部分を透明化することで、ユーザーは、プレビュー表示された出力結果イメージを確認しながら、ポップアップウインドウW1上の設定ボタンを操作することができる。
【0037】
図10において、操作画面Q1では、サブウインドウであるポップアップウインドウW2がモニター領域43およびプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW2の表示は、設定用のボタンの一つである倍率ボタン54の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW2の外形は、倍率ボタン54を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、倍率ボタン54が反転表示によって強調されている。
【0038】
ポップアップウインドウW2の下地色が透過色である。例えば、上記ポップアップウインドウW1とは異なることが判りやすいように、ポップアップウインドウW1の下地色とは異なる色(例えば、ピンク系の色)が下地色とされている。また、プレビュー領域44と重なるボタン97,98を含めて、ポップアップウインドウW2内のボタンの色は下地色とは透明度が異なる色とされている。
【0039】
図11において、操作画面Q1では、サブウインドウであるポップアップウインドウW3がモニター領域43およびプレビュー領域44の上側部分に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW2の表示は、Applicationボタン56の押下に呼応して行われる。ポップアップウインドウW3は、ユーザーがより詳細な設定をするためのメニューウインドウであり、設定項目を示す横一列に並ぶボタンを有する。ポップアップウインドウW3の下地色は透過色であり、ポップアップウインドウW3内のボタンの色は下地とは透明度が異なる色である。
【0040】
図12において、操作画面Q1では、ポップアップウインドウW3とともに、ポップアップウインドウW4がモニター領域43およびプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW4の表示は、ポップアップウインドウW3内のボタン99の押下に呼応して行われる。ポップアップウインドウW4の下地色は透過色であり、ポップアップウインドウW4内のボタンの色は下地とは透明度が異なる色である。
【0041】
以上の各例はポップアップ表示が透明化された例であるが、透明化が不要な場合もある。
【0042】
図13において、操作画面Q1では、ポップアップウインドウW5がモニター領域43に重なりプレビュー領域44に重ならないように表示されている。ポップアップウインドウW5の表示は、ステープルボタン53の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW5の外形は、ステープルボタン53を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、ステープルボタン53が反転表示によって強調されている。
【0043】
ポップアップウインドウW5上での操作に際して原稿のモニター画像の必要性は大きくはない。このことから、プレビュー領域44に重ならない本例のポップアップウインドウW5の下地色は不透明の色とされている。ポップアップウインドウW5内のボタンも不透明である。ユーザーは、プレビュー領域44の出力結果のみに傾注して操作を行うことができる。
【0044】
図14において、操作画面Q1では、サブウインドウであるポップアップウインドウW6がモニター領域43およびプレビュー領域44に重ねて表示されている。ポップアップウインドウW6の表示は、設定用のボタンの一つである用紙ボタン52の押下に呼応して行われる。そのことを表すように、ポップアップウインドウW6の外形は、用紙ボタン52を吹き出し位置とする吹き出し形状とされている。また、用紙ボタン52が反転表示によって強調されている。
【0045】
用紙ボタン53は、用紙サイズを設定するためのボタンであり、用紙ボタン52の押下は出力結果に直接的には影響しない設定にかかわる第2種の操作とされている。用紙ボタン52の押下に続いてユーザーが行うべき設定作業では、プレビュー画像よりもむしろモニター画像が作業の参考として有用である。このことから、ポップアップウインドウW6では、モニター領域43と重なる左側部分の下地色が透過色とされ、プレビュー領域44と重なる右側部分が不透明とされている。不透明とすることで操作に不要な情報の表示が省かれ、操作画面Q1が簡素かされる。
【0046】
また、プレビュー描画を、ユーザーの設定操作に応じて動的に変化させるためにはCPU262に負荷がかかり、応答が遅くなってしまう場合があるので、プレビューの更新が不要になることによって負担が軽減される効果もある。
【0047】
以上の実施形態では、操作ボタンを有するポップアッブウインドウW1〜W6を例示したが、メッセージや状態を表示するためにサブウインドウをポップアップ表示する場合にもブレビュー表示の視認を可能にする下地色の透明化は有効である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置(画像出力装置)
25 操作パネル
26 制御回路(コントローラ)
44 プレビュー領域
43 モニター領域
Q1 操作画面
W1,W2,W3,W4,W5,W6 第1ポップアップウインドウ
W5,W6 第2ポップアップウインドウ
602 画面表示部(画面表示手段)
603 ポップアップ表示部(ポップアップ表示手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置であって、
入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を表示する画面表示手段と、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示するポップアップ表示手段とを備える
ことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記第1ポップアップウインドウは、前記下地色よりも透明度の小さい色で下地部が塗り潰された操作ボタンを有する
請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記ポップアップ表示手段は、前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響しない設定にかかわる第2種の操作が行われたときに、下地色が非透過色とされた第2ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示する
請求項1または2記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記操作画面は、前記入力画像をモニター表示するための領域として前記プレビュー領域と並べて配置されたモニター表示領域を有する
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記ポップアップ表示手段は、前記第1ポップアップウインドウまたは第2ポップアップウインドウが表示された状態において、前記操作パネルによる操作が行われたときに、表示中のポップアップウインドウとは下地色が異なるポップアップウインドウを表示する
請求項3または4記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記操作画面は前記操作ボタンを有しており、
前記第1ポップアップウインドウは、前記操作画面の操作ボタンおよび前記プレビュー領域に重なる位置に配置される
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項7】
画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置の操作画面表示方法であって、
前記操作パネルにおける画面表示を制御するコントローラが、
入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を、前記操作パネルに表示させ、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示させる
ことを特徴とする操作画面表示方法。
【請求項8】
画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記画像出力装置に備わるコンピュータによって実行されたときに、
入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を前記操作パネルに表示させるステップと、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重なるように前記操作パネルに表示させるステップとを、前記コンピュータに実現させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置であって、
入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を表示する画面表示手段と、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示するポップアップ表示手段とを備える
ことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記第1ポップアップウインドウは、前記下地色よりも透明度の小さい色で下地部が塗り潰された操作ボタンを有する
請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記ポップアップ表示手段は、前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響しない設定にかかわる第2種の操作が行われたときに、下地色が非透過色とされた第2ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示する
請求項1または2記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記操作画面は、前記入力画像をモニター表示するための領域として前記プレビュー領域と並べて配置されたモニター表示領域を有する
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記ポップアップ表示手段は、前記第1ポップアップウインドウまたは第2ポップアップウインドウが表示された状態において、前記操作パネルによる操作が行われたときに、表示中のポップアップウインドウとは下地色が異なるポップアップウインドウを表示する
請求項3または4記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記操作画面は前記操作ボタンを有しており、
前記第1ポップアップウインドウは、前記操作画面の操作ボタンおよび前記プレビュー領域に重なる位置に配置される
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項7】
画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置の操作画面表示方法であって、
前記操作パネルにおける画面表示を制御するコントローラが、
入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を、前記操作パネルに表示させ、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重ねて表示させる
ことを特徴とする操作画面表示方法。
【請求項8】
画面表示が可能な操作パネルを有する画像出力装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
前記画像出力装置に備わるコンピュータによって実行されたときに、
入力画像に前記操作パネルによる操作に応じた処理を加えて出力する際の出力画像状態のプレビュー表示のためのプレビュー領域を有する操作画面を前記操作パネルに表示させるステップと、
前記操作画面が表示されている状態において、出力画像状態に影響する設定にかかわる第1種の操作が行われたときに、下地色が透過色とされた第1ポップアップウインドウを前記操作画面の前記プレビュー領域に重なるように前記操作パネルに表示させるステップとを、前記コンピュータに実現させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−257887(P2011−257887A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130503(P2010−130503)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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