画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラム
【課題】複雑な操作を必要とせずに、セキュリティを確保した状態で、複数のジョブをまとめて出力することができる画像出力装置を提供する。
【解決手段】認証装置で複数の認証カードが読み取られ(S101、S103)、画像出力装置で認証カードが認証されると(S105)、バインド印字処理が行われる。画像出力装置は、認証された認証カードに関連付けられたジョブを1つのジョブとしてまとめる(バインドする)(S107)。複数のジョブをまとめる順番やまとめたジョブの印字モードは、認証カードの認証順やジョブの優先順位などに基づいて設定される(S109,S111)。画像出力装置は、ジョブをまとめると、まとめたジョブを印字し、一式の印刷物を出力する(S113)。
【解決手段】認証装置で複数の認証カードが読み取られ(S101、S103)、画像出力装置で認証カードが認証されると(S105)、バインド印字処理が行われる。画像出力装置は、認証された認証カードに関連付けられたジョブを1つのジョブとしてまとめる(バインドする)(S107)。複数のジョブをまとめる順番やまとめたジョブの印字モードは、認証カードの認証順やジョブの優先順位などに基づいて設定される(S109,S111)。画像出力装置は、ジョブをまとめると、まとめたジョブを印字し、一式の印刷物を出力する(S113)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムに関し、特に、認証装置で認証媒体が読み取られたときにその認証結果に基づいて記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)のなかには、認証印刷機能を有するものがある。認証印刷機能は、認証装置で認証カードなどが読み取られたとき、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブ(ジョブ)を実行する機能である。認証印刷機能によれば、認証カードを有するユーザのみがジョブを実行させることができるので、高いセキュリティを確保することができる。
【0003】
下記特許文献1には、認証したジョブを印字した後、認証情報を入力することにより、印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データの再印刷を行う画像形成装置が開示されている。
【0004】
また、複数のジョブをまとめ、一式の印刷物として出力する機能を備えた画像形成装置が知られている。
【0005】
下記特許文献2には、ウェブサーバなどから取得した複数の電子ドキュメントを結合し、連続で出力させる画像出力装置が開示されている。結合する電子ドキュメントは、ユーザにより指定される。この画像出力装置では、電子ドキュメントを結合したものを一括して、ステープルでとじて出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−76034号公報
【特許文献2】特開2005−169838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2に記載されているように複数のジョブをまとめて出力する場合に、セキュリティを確保する目的で、特許文献1に記載されているような認証印刷を行おうとすると、以下に示すような問題が生じる。
【0008】
例えば、2人のユーザの各々のジョブをまとめて出力する場合を想定する。この場合において、両者のジョブをまとめるためには、まとめるジョブにアクセスする必要がある。そのため、画像形成装置において、特許文献1に記載されているように同時に一人のみが認証可能であるときは、ジョブをまとめるために複雑で煩わしい手順を踏む必要がある。すなわち、まず、一方のユーザは、まとめたいジョブのデータファイルを他方のユーザに渡す。その他方のユーザは認証を行い、そのデータファイルを自らのジョブとする。これにより、一方のユーザのジョブと他方のユーザ自身のジョブとが、共に他方のユーザにアクセス可能にされる。そして、他方のユーザは、両ジョブをまとめる指示を行う。
【0009】
上記のような場合、上記一方のユーザは他方のユーザに自らのデータファイルを渡すことを強いられ、上記他方のユーザは、まとめる対象となるジョブを選択する操作や出力指示の操作などを行うことを強いられる。これらの操作は、複雑で煩わしいものである。
【0010】
また、これらの問題点は、MFPなどの画像形成装置に限られたものではなく、スキャナ装置などのように画像を出力する機能を有する画像出力装置全般に共通するものであった。
【0011】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、複雑な操作を必要とせずに、セキュリティを確保しつつ、複数のジョブをまとめて出力することができる画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置は、記憶媒体に記憶されたジョブのうち、認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理手段と、処理手段によりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力手段とを備える。
【0013】
好ましくは処理手段は、認証装置により同時に又は所定時間内に複数の認証媒体が読み取られたときにジョブをまとめる。
【0014】
好ましくは画像出力装置は、ジョブを外部から受信する受信手段をさらに備え、記憶媒体は、受信したジョブを記憶する。
【0015】
好ましくは複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、処理手段は、複数の認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0016】
好ましくは処理手段は、複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0017】
好ましくは画像出力装置は、複数の認証媒体に記憶された、当該認証媒体を所有するユーザの属性を示す情報又は当該記憶媒体自身のカテゴリを示す情報に基づいて、当該認証媒体に対応付けされた複数のジョブの優先度を取得する優先度取得手段をさらに備え、処理手段は、優先度に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0018】
好ましくは複数のジョブにはジョブの優先度を示す情報が付与されており、処理手段は、ジョブに付与された優先度を示す情報に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0019】
好ましくは画像出力装置は、複数の認証媒体、又は複数のジョブの各々に対応付けられた画像出力手段での出力方法を取得する出力方法取得手段をさらに備え、画像出力手段は、取得された出力方法に基づいて、まとめられたジョブの画像出力を行う。
【0020】
好ましくは出力方法は、プリントの部数を含み、画像出力手段は、処理手段でまとめられた複数のジョブの各々に対応付けられたプリントの部数のうち、最も少ない部数でまとめられたジョブの画像出力を行う。
【0021】
好ましくは画像出力装置は、最も少ない部数での画像出力の後、認証装置で認証媒体が読み取られたときに、その認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う。
【0022】
好ましくは画像出力装置は、最も少ない部数での画像出力の後、ユーザから指示があったときに、認証装置で読み取られた認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う。
【0023】
好ましくは複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、画像出力手段は、認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、まとめられたジョブの出力方法を決定する。
【0024】
好ましくは画像出力手段は、複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、まとめられたジョブの出力方法を決定する。
【0025】
好ましくは画像出力手段は、取得された複数の出力方法のうち、ユーザが選択した出力方法で画像出力を行う。
【0026】
好ましくは画像出力装置は、複数のジョブの各々に対応付けられた、ジョブをまとめるか否かを示す情報を取得する情報取得手段をさらに備え、処理手段は、情報によりまとめると示されたジョブをまとめる。
【0027】
この発明の他の局面に従うと、認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御方法は、記憶媒体に記憶されたジョブのうち、認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとを備える。
【0028】
この発明のさらに他の局面に従うと、認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御プログラムは、記憶媒体に記憶されたジョブのうち、認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0029】
これらの発明に従うと、画像出力装置は、複数の認証媒体が読み取られたときに、各認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて実行する。したがって、複雑な操作を必要とせずに、セキュリティを確保した状態で、複数のジョブをまとめて出力することができる画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施の形態におけるMFP(画像出力装置の一例)を示す正面図である。
【図2】MFPのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】認証装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】認証カードを示す平面図である。
【図5】複数の認証カードの読み取りを行っている認証装置を示す側面図である。
【図6】MFP及び認証装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】MFP及び認証装置の動作の概要を示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施の形態における認証装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態におけるMFPの動作を示すフローチャートである。
【図10】MFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図11】HDDに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図15】残り部数印字確認画面が表示された操作パネルを示す図である。
【図16】第4の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図18】第5の実施の形態におけるMFPに設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【図19】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図20】第5の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図21】第6の実施の形態におけるMFPに設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【図22】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図23】第6の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図24】第7の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図25】第7の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図26】第8の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図27】印字モード選択画面が表示された操作パネルを示す図である。
【図28】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図29】第9の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図30】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図31】第10の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態における画像出力装置について説明する。
【0032】
画像出力装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。このようなMFPは、いわゆるデジタル複合機と呼ばれる。スキャナ機能では、MFPは、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)などに蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙などに印刷(プリント、印字)する。プリンタとしての機能では、PC(Personal Computer)などの外部端末からプリント指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置などからファクシミリデータを受信してそれをHDDに蓄積する。データ通信機能では、接続された外部装置との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDDに記憶したデータなどを共有可能にする。
【0033】
[第1の実施の形態]
【0034】
まず、第1の実施の形態におけるMFP(画像出力装置の一例)のハードウェア構成について説明する。
【0035】
図1は、第1の実施の形態におけるMFP(画像出力装置)を示す正面図である。
【0036】
図を参照してMFP1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、HDD(記憶媒体)11と、スキャン部13とを備える。
【0037】
給紙カセット3には、画像を形成するための用紙が収容されている。用紙の有無は、センサにより検出される。用紙がセットされていない場合、又は印字中に用紙がなくなった場合には、センサが状況を検出し、後述の操作パネル25などでユーザに知らせる。
【0038】
MFP1は、例えば3つの排紙トレイ5を有している。3つのうち1つの排紙トレイ5は、MFP1の中央部に配置されている。また、残りの2つの排紙トレイ5は、MFP1の側部上方及びその下方にそれぞれ配置されている。MFP1において印刷された印刷物は、MFP1の内部からこれらの排紙トレイ5のうちいずれかに排出される。
【0039】
HDD11は、MFP1の筺体内部に収容されている。スキャン部13は、MFP1の筺体の上部に配置されている。
【0040】
また、MFP1には、認証装置50が接続されている。認証装置50は、スキャン部13の側方に設けられた支持台上に配置されている。これにより、ユーザは、後述のようにカード認証を容易に行うことができる。
【0041】
図2は、MFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0042】
図を参照してMFP1は、さらに、通信モジュール15と、プリント部17と、ネットワークIF(インターフェイス)19と、RAM21と、ROM23と、操作パネル(表示・操作パネル)25と、CPU27とを備える。これらMFP1の各部は、それぞれシステムバスに接続され、互いに信号を送信又は受信可能である。
【0043】
HDD11は、ネットワークIF19を介して外部から送られたジョブ(JOB)のデータやスキャン部13で読み取った画像データなどを記憶する。また、HDD11は、後述のようにカード認証を行うための認証テーブルや、MFP1の設定情報や、MFP1の種々の動作を行うための制御プログラム(プログラム)11aなどを記憶する。HDD11は、1つのクライアントPC又は複数のクライアントPCなどから送信された複数のジョブを記憶可能である。
【0044】
HDD11には、データの保管場所として、複数のBOXが設定されている。BOXは、個々のユーザや、所定のユーザのグループなどに関連付けて設定された記憶領域である。個々のBOXは、それぞれ、複数のデータを記憶可能である。例えば、CPU27は、PC71,73から送信されたジョブのデータや、スキャン部13で読み取った画像データなどを、BOXに記憶させる。これにより、データを分類・整理してHDD11に記憶させることができる。また、CPU27は、BOX毎に認証の有無などに応じたアクセス制限を行う。これにより、BOXに記憶されているデータのセキュリティを確保することができる。さらにまた、CPU27は、BOX間でデータを移動したり複製したりすることができる。
【0045】
スキャン部13は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部13は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャン部13は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を、ADF(Auto Document Feeder)により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。読み取られた画像データは、CPU27によりアプリケーションデータ形式に変換され、BOXなどに記憶される。CPU27は、BOXなどに記憶された画像データを、PC71,73に送信可能である。
【0046】
通信モジュール15は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスであり、通信ケーブルを介して接続された外部装置とMFP1とを通信可能にする。通信モジュール15には、USBケーブルを介して、認証装置50が接続されている。
【0047】
プリント部17は、給紙カセット3から用紙を給紙してMFP1の内部で搬送する。また、プリント部17は、搬送される用紙に電子写真方式により画像を形成し、3つの排紙トレイ5のうちいずれかに排出する。用紙の排紙先は、CPU27による制御の下、例えばユーザにより選択された排紙トレイ5に設定される。プリント部17は、スキャン部13で読み取られて印刷可能形式に展開された画像データをプリント可能である。また、プリント部17は、PC71から送られたりHDD11に記憶されているアプリケーションデータ形式のデータに基づいて印刷可能形式に展開された画像データを、プリント可能である。CPU27は、RAM21などを用いて、データの印刷可能形式への展開を行う。プリント部17は、用紙にカラー画像を形成することができる。なお、プリント部17は、用紙にモノクロ(Black and White)画像のみを形成可能に構成されていてもよい。
【0048】
なお、プリント部17は、フィニッシャ29を有している。フィニッシャ29は、ステープル部(図示せず)、ソート部(図示せず)、又はスタンプ部(図示せず)などを有している。ステープル部は、ステープルにより、複数枚数の印刷物を1部毎にまとめてとじて、排紙トレイ5に出力する。ソート部は、複数枚数の印刷物を1部毎にまとめて、縦横方向を変えたり、出力位置を変更したりして、排紙トレイ5に出力する。また、スタンプ部は、複数枚数の印刷物に所定の印を押印してまとめ、排紙トレイ5に出力する。これらのフィニッシャ29の機能を用いることにより、印刷物を複数部数出力するときに、印刷物を容易に各部に分別することができる。これらのフィニッシャ29を用いた機能は、ユーザによる設定に基づいて、CPU27の制御により、適宜実行可能である。
【0049】
ネットワークIF19は、NIC(Network Interface Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。ネットワークIF19は、MFP1をLANなどの外部ネットワークに接続する。これにより、MFP1は、外部ネットワークに接続されているクライアントPCなどの外部装置と通信可能になる。図において、MFP1は、PC71やPC73などが接続された外部ネットワークに接続されている。MFP1は、PC71,73からジョブを受信可能である。また、MFP1は、スキャン部13で読み取った画像データを、PC71に送信したり、メールサーバなどを介してE−mailにより送信したりすることができる。なお、ネットワークIF19は、無線通信により外部ネットワークに接続可能に構成されていてもよい。
【0050】
RAM21は、CPU27のメインメモリである。RAM21は、後述のようにCPU27が制御プログラム11aを実行するときに必要なデータを記憶するのに用いられる。
【0051】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、MFP1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。ROM23には、HDD11と同様に、種々の制御プログラムやMFP1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU27は、所定の処理を行うことにより、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
【0052】
操作パネル(表示・操作パネル)25は、タッチパネル機能を有するLCD(Liquid Crystal Display)を用いて構成されている。操作パネル25は、LCDに画像を表示する機能や、タッチパネルによりユーザによる操作を受け付ける機能を有している。操作パネル25は、CPU27による制御に基づき、所定の操作メニュー画面をLCDに表示して、ユーザからの操作を受け付ける。また、操作パネル25は、MFP1の状態に関する情報を表示し、ユーザに通知する。操作パネル25にユーザによる操作がなされると、それに応じて、操作信号又は操作コマンドがCPU27に送信される。
【0053】
CPU27は、HDD11などに記憶された制御プログラム11aを実行することにより、MFP1の種々の動作を制御する。CPU27は、操作パネル25から操作信号が送られたり、PC71などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム11aを実行する。これにより、ユーザにより操作パネル25になされた操作やPC71からの指示に応じて、MFP1の所定の動作が行われる。
【0054】
次に、本実施の形態における認証装置50のハードウェア構成及び認証カード(認証媒体の一例)90について説明する。
【0055】
図3は、認証装置50のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0056】
図を参照して認証装置50は、認証媒体通信部51と、通信モジュール53と、RAM55と、ROM57と、CPU59とを備えている。認証装置50は、例えば、非接触ICカードリーダである。認証装置50は、後述するような認証カード(認証媒体)90との間で無線通信、すなわち非接触通信を行うことができる。
【0057】
認証媒体通信部51は、認証カード90と通信するための磁場を発生させるアンテナ及び無線回路や、受信した情報を復調し復号する回路などを有している。認証媒体通信部51は、CPU59により制御されて動作する。
【0058】
通信モジュール53は、例えば、USBインターフェイスである。通信モジュール53は、USBケーブルを介してMFP1の通信モジュール15に接続されている。これにより、認証装置50は、MFP1に通信可能に接続されている。
【0059】
CPU59は、RAM55を用いてROM57などに記憶された制御プログラムを実行することにより、認証装置50の種々の動作を制御する。CPU59は、MFP1と通信し、その結果に応じて、種々の制御プログラムを実行する。また、CPU59は、認証媒体通信部51に認証カード90が近づけられたときに、種々の制御プログラムを実行する。
【0060】
CPU59は、認証媒体通信部51に認証カード90が近づけられると、それを検知する。その後、CPU59は、認証媒体通信部51により、後述するようにしてその認証カード90に記憶された情報を読み取る。CPU59は、読み取った情報をMFP1に送信する。
【0061】
図4は、認証カード90を示す平面図である。
【0062】
認証カード90は、いわゆる非接触ICカードである。認証カード90の内部には、IC部90aと、アンテナ(図示せず)とが埋め込まれている。認証カード90が認証媒体通信部51のアンテナに近づけられると、電磁誘導により認証カード90のアンテナに電流が発生する。IC部90aは、その電流を電源として駆動される。IC部90aは、駆動されると、記憶している情報を変調してアンテナより電波を出力する。認証装置50は、その電波を受信し復調することにより、認証カード90に記憶されている情報を読み取ることができる。
【0063】
認証カード90は、MFP1の各ユーザに配布されて、各ユーザの認証に用いられる。各ユーザに配布される認証カード90のIC部90aには、そのユーザに関するユーザ属性情報及びその認証カード90に関するカード情報(カード種情報)が記憶されている。
【0064】
ユーザ属性情報は、その認証カード90を保有する個々のユーザの属性を示す情報である。ユーザ属性情報は、ユーザのユーザID、氏名、年齢、性別、役職(職級・階級)などに関する情報を含む。
【0065】
カード情報は、その認証カード90自身がどのカテゴリに属するものであるかを示す情報である。ここで、認証カード90は、予め設定された所定の数種類のカテゴリのいずかに属するものである。認証カード90のカテゴリとしては、ブラックカード、ゴールドカード、及び一般カードなどのカードクラス別のものを設定することができる。また、カテゴリとしては、コーポレートカード及び一般カードなどのユーザの所属会社別のカテゴリを設定することができる。また、カテゴリとしては、ユーザの所属部署別のカテゴリを設定することができる。
【0066】
なお、ユーザ属性情報やカード情報は、上述の例に限られない。ユーザ属性情報として、ユーザの所属などに関する情報を含んでいてもよい。また、IC部90aには、ユーザ属性情報のみが記憶され、カード情報が記憶されていなくてもよい。
【0067】
ここで、MFP1は、認証カード90によりカードを認証するカード認証機能を有している。カード認証機能により、認証されたカードを保有するユーザについて、個別の文書の印刷可否を設定したり、MFP1の各機能の利用制限を行うことができる。例えば、ユーザがカード認証を行っていない状態では、CPU27は、ジョブがPC71などから送られてもそれを出力せずに、ジョブのデータをHDD11の中の所定のBOXに記憶しておく。そして、CPU27は、後にユーザがカード認証を行うと、そのユーザに応じたジョブが出力されるようにする(タッチアンドプリント機能と呼ぶことがある)。これにより、MFP1について高いセキュリティを確保することができる。
【0068】
ユーザの認証は、認証装置50により認証カード90から読み取られてMFP1に送信されたユーザ属性情報を用いて行われる。すなわち、CPU27は、ユーザ属性情報から抽出したユーザIDと認証テーブルとを比較して、ユーザのカード認証を行う。認証テーブルには、認証可能ユーザのユーザIDなどの登録データが設定されている。認証テーブルは、HDD11から読み込まれたり、外部ネットワークに接続されているサーバ(図示せず)から読み込まれたりする。
【0069】
なお、認証装置50は、互いに重ねられた複数の認証カード90が認証媒体通信部51に近づけられると、これらそれぞれの認証カード90との間で無線通信を行う。このとき、CPU59は、認証カード90の各々から情報を読み取る。また、MFP1では、読み取られた各認証カード90についてカード認証を行う。
【0070】
図5は、複数の認証カード90A,90Bの読み取りを行っている認証装置50を示す側面図である。
【0071】
図に示すように、2枚の認証カード90A,90Bが認証装置50に近づけられているとする。認証装置50は、認証カード90A,90Bが近づけられていることを検知すると、認証カード90A,90Bに電波を出力して認証カード90A,90Bを駆動させる。認証カード90A,90Bは、それぞれの認証カード90A,90B内に記憶されている情報を含む電波を出力する。認証装置50は、認証カード90A,90Bの各々から出力された電波を受信することにより、各認証カード90A,90Bから情報を読み取ることができる。なお、図では2枚の認証カード90A,90Bについて説明したが、認証装置50は、それより多い数の認証カード90が近づけられたときも同様に、それらの認証カード90の情報を読み取る。
【0072】
このとき、CPU27は、認証装置50から送られた、各認証カード90A,90Bからの電波の強度の情報又は電波の受信タイミングの情報などから、認証カード90A,90Bの重なり順を判別する。例えば、図に示すように、認証カード90Aが認証カード90Bよりも認証装置50から離れているとする。このとき、認証装置50で受信される認証カード90Aから出力された電波の強度は、認証装置50で受信される認証カード90Bから出力された電波の強度よりも小さくなる。また、認証装置50から電波を出力してから認証装置50で返ってくる電波を検出するまでの時間は、認証カード90Aの方が認証カード90Bよりも長くなる。したがって、CPU27は、受信された電波の強弱、又は電波を検出するまでの時間に基づき、認証カード90Aが認証カード90Bよりも認証装置50から離れていることを判別することができる。
【0073】
ここで、CPU27は、所定の時間内に複数の認証カード90が検出された場合には、複数のユーザが同時期にカード認証を行ったものとみなす(同時認証と呼ぶことがある)。同時認証としては、大まかに2つの場合が考えられる。すなわち、上述したように、複数ユーザ分の複数の認証カード90を重ねるなどして束とし、その束を認証装置50に近づけて行われる、第1の同時認証がある。また、複数のユーザが、次々と連続してカード認証を行う、第2の同時認証がある。第1の同時認証では、複数の認証カード90が同時に認証装置50に読み取られて、複数の認証カード90が認証される。他方、第2の同時認証では、厳密には、複数の認証カード90が同時に読み取られるわけではない。しかしながら、ここでは、CPU27は、前のユーザがカード認証を行ってから所定の時間(例えば、10秒間)内に次のユーザがカード認証を行った場合に、両者は同時に認証されたものとみなす。したがって、例えば3人のユーザについて、一人目と二人目及び二人目と三人目のそれぞれが所定時間以内の間隔でカード認証を行った場合、これらの3人の認証カード90について第2の同時認証が成立する。また、第1の同時認証と第2の同時認証とが所定の時間(例えば、10秒間)内に連続して行われた場合は、第1・第2の同時認証で検出されたすべての認証カード90について同時認証が行われたこととしてもよい。なお、以下の説明において、上記第1の同時認証が行われたこと又は第2の同時認証が行われたことに限って、複数の認証カード90について同時認証が成立するとしてもよい。
【0074】
本実施の形態において、MFP1は、ジョブバインド機能(バインド機能)を有している。バインド機能は、上記カード認証機能を利用して行われる。ここでいう“バインドする”とは、製本したりとじたりという概念に限られず、単に、まとめる、組み合わせる、又は結合するなどという概念も含む。MFP1は、バインド機能により、複数のジョブをまとめて、それより少ない数(例えば、1つ)のジョブとする。また、バインド機能において、MFP1は、まとめたジョブを実行することにより、複数のジョブ分の印刷物を一式の印刷物としてまとめて出力する。バインド機能は、複数の認証カード90について同時認証が行われたときに、その認証結果に応じて実行される。
【0075】
バインド機能によれば、次のように印刷物を出力することができる。すなわち、MFP1において、2つのジョブが記憶されているとする。この場合、バインド機能により、そのうち一方のジョブと他方のジョブとが続けて並んだ1冊の文書を1部又は複数部数出力することができる。さらに、このとき、フィニッシャ29を用いることにより、1冊にまとめた文書をステープルによりとじて出力したり、1部毎に排紙トレイ5上にソートして出力したりすることができる。各部に印を押印して出力することもできる。また、バインド機能によれば、3つ以上のジョブを同様にまとめて出力することもできる。
【0076】
以下、ジョブのバインド機能について説明する。まず、バインド機能の概略について説明する。
【0077】
図6は、MFP1及び認証装置50の機能構成を示すブロック図である。ジョブのバインド機能は、MFP1及び認証装置50の以下のような機能を用いて実行される。
【0078】
図を参照して認証装置50は、認証データ受信部61、及び認証データ送信部63を有する。
【0079】
また、図を参照してMFP1は、認証データ受信部31、認証データ記憶部33、認証データ解析部35、画像データ受信部37、画像データ記憶部39、優先度テーブル記憶部41、印字情報設定部43、印字・フィニッシャ部45、及び操作入力部47を有する。MFP1は、外部ネットワークに接続されているPC71,73などと通信可能である。
【0080】
図7は、MFP1及び認証装置50の動作の概要を示すシーケンス図である。
【0081】
MFP1は、認証装置50と共に動作し、大まかに、図に示すようにしてバインド機能を行う。バインド機能は、CPU27の制御に基づいて実行される。
【0082】
バインド機能が行われる前に、MFP1には、複数のジョブのデータが記憶されているものとする。ジョブは、外部のPC71,72などから送信される。このとき、ジョブは、画像データ受信部37により受信され、画像データ記憶部39によりHDD11の所定のBOXなどに記憶される。
【0083】
ステップS101において、認証装置50では、認証データ受信部61により、CPU59による制御の下、ユーザにより認証装置50にかざされた複数の認証カード90のデータの読み取りが行われる。認証カード90からのデータの読み取りは、上述した通りに行われる。
【0084】
ステップS103において、認証データ送信部63は、CPU59による制御の下、認証装置50からMFP1に、認証データ通信部61により読み取られた認証カード90のデータを送信する。
【0085】
ステップS105において、MFP1では、認証データ受信部31が、認証装置50から送信されたデータを受信する。また、認証データ記憶部33が、受信されたデータをHDD11のBOXなどに記憶する。また、認証データ解析部35が、認証装置50から送信されたデータの解析を行う。CPU27は、解析結果に基づいて、カード認証を行う。カード認証を行うと、CPU27は、認証された認証カード90を保有するユーザに対してMFP1の使用制限を解除し、ユーザがMFP1の機能を実行することができるようにする。
【0086】
同時認証が行われた場合には、ステップS107において、印字・フィニッシャ部45は、ジョブをまとめる(バインドする)。これにより、認証装置50により読み取られた複数の認証カード90に関連付けられている複数のジョブがまとめられる。
【0087】
このとき、印字・フィニッシャ部45は、複数のジョブを、所定の順番にしたがって出力されるようにまとめればよい(S109)。印字・フィニッシャ部45は、認証カード90の認証順や、ジョブの優先順などに応じて、所定の順番で出力されるようにジョブをまとめる。ジョブをまとめる順番の詳細については、後述する。なお、優先度テーブル記憶部41は、ジョブの優先度を決定するために参照される印字優先度テーブルを記憶している。
【0088】
また、このとき、印字情報設定部43は、まとめられたジョブについての印字モードの設定を行ってもよい(S111)。例えば、印字モード(プリント方法)は、認証された認証カード90に関連付けられたジョブの印字モードや、優先度に応じて選択されたジョブの印字モードなどに応じて設定される。また、印字モードとして、まとめたジョブのうち所定の1つのものを採用してもよいし、操作入力部47により受け付けたユーザの操作に応じて設定したものを採用してもよい。印字モードの設定の詳細については、後述の別の実施の形態において詳しく説明する。
【0089】
ステップS107においてジョブがまとめられると、ステップS113において、印字・フィニッシャ部45は、バインド印字を実行する。これにより、バインドされたジョブが印刷物として出力される。
【0090】
次に、バインド機能の詳細について説明する。本実施の形態において、認証装置50は、次に示すように動作する。
【0091】
図8は、第1の実施の形態における認証装置50の動作を示すフローチャートである。
【0092】
ステップS201において、CPU59は、認証媒体通信部51に複数の認証カード90が置かれたことを検知する。なお、CPU59は、認証媒体通信部51に認証カード90が近づけられたことを検知してもよい。
【0093】
ステップS203において、CPU59は、認証媒体通信部51により複数の認証カード90に電波を出力し、認証カード90から返ってきた電波を受信する。また、それぞれの認証カード90について、受信した電波の電波強度(以下、単に「受信電波強度」という)と、電波を出力してから電波を受信するまでの時間(以下、単に「電波応答時間」という)を測定する。
【0094】
ステップS205において、CPU59は、各認証カード90からユーザ属性情報・カード情報を読み取る(検知する)。
【0095】
ステップS207において、CPU59は、検知したユーザ属性情報及びカード情報と、受信電波強度の情報と、電波応答時間の情報とをMFP1に送信する。
【0096】
他方、MFP1は、次に示すように動作し、バインド機能を実行する。
【0097】
図9は、第1の実施の形態におけるMFP1の動作を示すフローチャートである。CPU27は、ROM23又はHDD11に記憶された制御プログラムを読み込み、そのプログラムに基づき図9に示すフローチャートの処理を行う。以下に示すフローチャート・シーケンス図についても同様であり、これについての説明は繰り返さない。
【0098】
ステップS301において、CPU27は、認証装置50から送信された情報を受信する。
【0099】
ステップS303において、CPU27は、認証装置50から送信されたユーザ属性情報と、MFP1に予め登録されている登録データとの照合を行う。照合は、認証テーブルを参照して行われる。
【0100】
ステップS305において、CPU27は、認証装置50で読み取られた各認証カード90について、認証が成功したかどうか確認する。
【0101】
ステップS305において認証が成立したときは、ステップS307において、CPU27は、認証が成功した認証カード90について関連付けられたジョブがHDD11に記憶されているかどうかを確認する。
【0102】
ステップS307においてジョブがあったときは、ステップS309において、CPU27は、それらのジョブについてバインド印字処理を行う。バインド印字処理は、後述するように行われる。なお、このとき、ジョブが1つしかなかったときには、CPU27は、そのジョブについて単独で印字するときと同様に印字すればよい。また、CPU27は、そのジョブについて、他のジョブとバインド印字を行うときと同様に印刷モードなどを設定して印字してもよい。
【0103】
バインド印字が終了したとき、ステップS305において認証が成立した認証カード90がなかったとき、又はステップS307において認証した認証カード90に関連付けられたジョブがなかったときは、CPU27は、処理を終了し、待機状態となる。
【0104】
図10は、MFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0105】
CPU27は、ステップS401において、バインド印字処理を開始すると、認証された認証カード90の各々に関連付いているジョブをHDD11のBOXから読み出す。
【0106】
ステップS403において、CPU27は、読み出したジョブについて、それらのジョブが出力される順番であるバインド順を決定する。
【0107】
ステップS405において、CPU27は、BOXから読み出されたジョブが決定したバインド順で出力されるように、読み出したジョブを1つにまとめる(バインドする)。
【0108】
ステップS407において、CPU27は、まとめたジョブをプリント部17に送信し、ジョブを実行する。これにより、まとめられたジョブが印字されて印刷物が出力され、バインド印字処理が終了する。
【0109】
なお、CPU27は、次のようにしてバインド順を決定する。
【0110】
CPU27は、上述の第1の同時認証が行われた場合、複数の認証カード90の重なり順に応じて、バインド順を決定する。認証カード90の重なり順は、上述のように、認証装置50から送られた受信電波強度情報と電波応答時間情報とに基づいて判定される。このとき、CPU27は、より電波強度が強い認証カード90に関連付いているジョブを、より順序が前になるようにバインド順を決定する。又は、CPU27は、電波応答時間がより短い認証カード90に関連付いているジョブを、より順序が前になるようにバインド順を決定する。すなわち、CPU27は、認証装置50に近い認証カード90ほど、順序が前になるようにしてバインド順を決定する。なお、CPU27は、より電波強度が弱い認証カード90に関連付いているジョブ、又は電波応答時間がより長い認証カード90に関連付いているジョブを、より順序が前になるようにバインド順を決定してもよい。すなわち、CPU27は、認証装置50から離れている認証カード90ほど、順序が前になるようにバインド順を決定してもよい。
【0111】
また、CPU27は、上述の第2の同時認証が行われた場合、複数の認証カード90の認証順に応じて、バインド順を決定する。ここで、認証カード90の認証順は、認証装置50により読み取られた順としてもよい。このとき、CPU27は、認証順が前の認証カード90に関連付けられたジョブの順序が前になるように、バインド順を決定する。なお、CPU27は、認証順が後の認証カード90に関連付けられたジョブの順序が前になるようにバインド順を決定してもよい。
【0112】
以上のような本実施の形態におけるバインド機能の一具体例について説明する。
【0113】
図11は、HDD11に記憶されているデータの一例を示す図である。
【0114】
HDD11には、バインド機能が行われるとき、予め、例えば4つのジョブ101〜104が記憶されているとする(図中(A))。また、HDD11には、予め、カード認証を行うための登録データが認証テーブルとして記憶されている(図中(B))。HDD11には、少なくとも、ユーザA〜Dの4人のユーザを認証するための登録データが記憶されている。
【0115】
ジョブ101〜104は、それぞれ、ジョブ属性情報を有している。ジョブ属性情報としては、そのジョブの印字モードに関するものがある。印字モードとしては、出力すべきカラーモード、印字部数、片面印字又は両面印字の別、バインドするかしないかの別(バインド設定)、及びステープルの有無の別などがある。また、ジョブ属性情報としては、さらに、ジョブを所有するユーザIDや、ジョブのデータが記憶されているBOXの番号(BOX番号)などがある。
【0116】
ジョブ属性情報は、ユーザにより行われたプリント指示の設定内容に基づいて設定されている。このとき、ジョブデータの送信を行ったユーザすなわちプリント指示を行ったユーザのユーザIDもジョブ属性情報に付加されている。すなわち、HDD11に記憶されているジョブは、いずれかのユーザのユーザIDに関連付けられている。また、認証カード90には、そのカードを所有するユーザのユーザIDが記憶されている。これにより、ユーザIDを介して、HDD11に記憶されているジョブと認証カード90とが関連付けられている。なお、ユーザID以外のユーザ属性情報、例えばユーザの氏名などを用いて、HDDに記憶されているジョブと認証カード90とを関連付けてもよい。
【0117】
いま、MFP1を4人のユーザA〜Dで使用しているとする。ユーザA〜Dは、それぞれ、自己のユーザ属性情報が記憶された認証カード90A〜Dを有しているものとする。ジョブ101は、ユーザID「A」を有しており、ユーザAに関連付けられている。同様に、ジョブ102は、ユーザBに関連付けられている。ジョブ103は、ユーザCに関連付けられている。ジョブ104は、ユーザDに関連付けられている。
【0118】
ここで、認証カード90Aと認証カード90Bとが認証装置50で読み取られ、同時認証が成立すると、以下のようにバインド印字が行われる。すなわち、CPU27は、認証カード90Aから読み取られたユーザ属性情報からユーザAのユーザIDを抽出する。また、CPU27は、そのユーザIDを有するジョブ101が認証カード90Aに関連付いていると判断する。また、CPU27は、同様に、認証カード90Bについて、ユーザBのジョブ102が関連付いていると判断する。また、CPU27は、ジョブ101及びジョブ102以外に、認証カード90A,90Bに関連付いているジョブがHDD11に記憶されていないことを確認する。
【0119】
このとき、認証カード90A,90Bに関連付いているジョブ101及びジョブ102があるので、CPU27は、それらのジョブ101及びジョブ102についてまとめて(バインドして)1つのジョブとし、まとめたジョブを実行する。これにより、ジョブ101及びジョブ102がまとめられて印字される。ジョブ101の原稿枚数は3枚であり、ジョブ102の原稿枚数は5枚であるので、合計8ページの印刷物が出力される。なお、ジョブ103及びジョブ104は、認証カード90A,90Bに関連付いていないので、バインドも印字も行われない。
【0120】
なお、このときの印刷物の出力部数は、ジョブ101とジョブ102とで設定されている部数の合計(2部+3部=5部)としてもよいし、認証装置50に最も近い(最も下に重ねられた)認証カード90に関連付いたジョブに設定されている部数としてもよい。また、認証装置50に最も遠い(最も上に重ねられた)認証カード90に関連付いたジョブに設定されている部数としてもよい。また、1部のみを出力することとしてもよい。
【0121】
このように、本実施の形態によれば、CPU27は、認証装置50により読み取られた複数の認証カード90に関連付いた複数のジョブを1つのジョブにまとめて、そのまとめたジョブを実行する。したがって、ユーザは、複数の認証カード90を認証装置50に読み取らせるだけで、複雑な操作を行うことなく、複数のジョブをまとめて出力させることができる。
【0122】
また、CPU27は、複数のジョブが出力される順番(バインド順)を、認証カード90の重なり順や認証順に応じて決定し、その順番で出力されるようにジョブをまとめる。これにより、ユーザは、バインド順をMFP1に指示するために必要な操作を行うことなく、所望のバインド順で複数のジョブをまとめて出力させることができる。したがって、MFP1の利便性がより向上する。
【0123】
[第2の実施の形態]
【0124】
第2の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第2の実施の形態では、CPU27は、バインド印字処理において、まとめた後のジョブの印字モードを、まとめる前のそれぞれのジョブのジョブ属性情報に基づいて決定する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0125】
図12は、第2の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0126】
バインド印字処理が開始すると、ステップS501において、CPU27は、認証された認証カード90の各々に関連付いているジョブを読み出してまとめる(バインドする)。
【0127】
ステップS503において、CPU27は、各認証カード90に対応する印字モードで、まとめたジョブの印字を行う。各認証カード90に対応する印字モードとしては、その認証カード90に関連付いているジョブのジョブ属性情報に含まれるものが設定される。
【0128】
第2の実施の形態における印字モードの設定例について、上述の第1の実施の形態における図11(A)の例に基づいて説明する。例えば、認証カード90A,90Bについて同時認証が行われ、ジョブ101及びジョブ102が1つのジョブにまとめられて印字されるとする。このとき、CPU27は、まとめたジョブについて、ジョブ101,102にそれぞれ対応する印字モードで、印字を行う。
【0129】
まず、CPU27は、ジョブ101に対応付けられている印字モードで、まとめたジョブを実行する。すなわち、このとき、フルカラーで、両面印字により、ステープルによりとじられて、まとめたジョブの合計8ページの印刷物が2部出力される。
【0130】
また、CPU27は、ジョブ102に対応付けられている印字モードで、まとめたジョブを実行する。すなわち、このとき、モノクロで、片面印字により、ステープルによりとじずに、まとめたジョブの合計8ページの印刷物が3部出力される。
【0131】
このように、第2の実施の形態では、CPU27は、認証された認証カード90の各々に関連付けられているジョブの印字モードで印字する。各ジョブの印字モードは、通常、ユーザによりプリント指示時などに設定されるものである。したがって、まとめたジョブについての印刷物を各ユーザの意図した通りに出力することができ、MFP1の利便性が高くなる。必要部数以上に出力したり、モノクロでプリントすればよい場合に高コストなフルカラーでプリントしたりすることがなくなるので、資源や費用の浪費を防止することができる。
【0132】
なお、各認証カード90にユーザ属性情報として、印字モードに関する情報を記憶させておき、CPU27が、バインド機能の実行時にその情報を抽出し、抽出した印字モードでまとめたジョブを実行するようにしてもよい。また、MFP1に、予め各認証カード90に対応付けて印字モード情報を記憶させておき、CPU27が、その記憶された印字モード情報のなかから認証された認証カード90に対応する印字モードを取得してジョブを実行するようにしてもよい。この場合にも、各ユーザの意図した通りの印字モードで印刷物を出力することができる。また、ユーザの登録情報に印字モードに関する情報を含め、ジョブに関連付けられたユーザに対応する印字モードを登録情報から取得して、ジョブを実行するようにしてもよい。
【0133】
また、CPU27は、上述のように異なる印字モードで出力した印刷物を、それぞれ、異なる排紙トレイ5に出力したり、出力方向や出力位置をシフトさせて出力したりするようにしてもよい。この場合、認証カード90毎に、それに対応する印字モードで出力した印刷物を他のものと分別しやすくなるので、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0134】
なお、まとめる複数のジョブのそれぞれを、それぞれに設定された印字モードで出力することとしてもよい。例えば、図11のジョブ101の部分に関してはフルカラー、両面印字で出力し、ジョブ102の部分に関してはモノクロ、片面印字で出力したものを1部の印刷物とするなどである。
【0135】
[第3の実施の形態]
【0136】
第3の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第3の実施の形態では、CPU27は、バインド印字処理において、まとめるジョブのジョブ属性情報に基づいて、所定の少量の部数分だけ、まとめたジョブの印字を行う。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0137】
図13は、第3の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0138】
バインド印字処理が開始すると、ステップS601において、CPU27は、認証された認証カード90の各々に関連付いているジョブを読み出してまとめる(バインドする)。
【0139】
ステップS603において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているジョブ属性情報すなわちまとめられた各ジョブのジョブ属性情報から、各ジョブについての印字指定部数を読み出す。CPU27は、読み出した印字指定部数のうち、最も少ない部数で、まとめた(バインドした)ジョブの印字を行う。例えば、まとめたジョブが2つである場合、CPU27は、印字指定部数が少ない方の部数分だけ、まとめたジョブを印字する。また、CPU27は、読み出した印字指定部数のうち、最も少ないものと最も多いものとの差分を算出し、記憶する。すなわち、この差分の部数が、まだ印字していない残りの部数となる。
【0140】
ステップS605において、CPU27は、認証装置50から、ユーザ属性情報を受信するまで待機する。CPU27は、所定時間(例えば、30秒間)だけ待機を行う。このとき、認証カード90が、再度ユーザにより認証装置50に近づけられ、認証装置50により読み取られると、その認証カード90から読み取られたユーザ属性情報がMFP1に送信される。
【0141】
ステップS605でユーザ属性情報を受信したとき、ステップS607において、CPU27は、受信したユーザ属性情報とMFP1に予め登録されている登録データとの照合を行う。照合は、上述の第1の実施の形態において行われるそれと同様にして行われる。
【0142】
ステップS609において、CPU27は、受信したユーザ属性情報について認証が成功したかどうかを確認する。
【0143】
ステップS609で認証が成功すると、ステップS611において、CPU27は、まとめたジョブの印字を、残りの部数分だけ行う。このとき出力される部数は、ステップS603において記憶された差分の部数である。これにより、先に出力されたものとの総計で、各ジョブのジョブ属性情報から読み出した印字指定部数のうち、最も多い部数分の印刷物が出力される。
【0144】
ステップS611で印字が行われた場合、ステップS605でCPU27が所定時間、ユーザ属性情報を受信しなかった場合は、バインド印字処理は終了する。ステップS609で認証が成立しなかった場合は、ステップS605へ戻る。
【0145】
第3の実施の形態におけるバインド印字処理の具体例について、上述の第1の実施の形態における図11(A)の例に基づいて説明する。例えば、認証カード90A,90Bについて同時認証が行われ、ジョブ101及びジョブ102が1つのジョブにまとめられて印字されるとする。このとき、ジョブ101の印字指定部数(部数)は、2部であり、ジョブ102の印字指定部数は、3部である。
【0146】
CPU27は、まず、印字指定部数が少ない方のジョブ101の印字指定部数分だけ、まとめたジョブを印字する。これにより、2部の印刷物が出力される。また、CPU27は、残りの部数として、1部(3部と2部との差分)を記憶する。その後、CPU27は、所定時間待機する。
【0147】
CPU27の待機中に、認証カード90A,90Bが再度読み取られ、再度同時認証されると、CPU27は、さらに、まとめたジョブについて、残りの1部分の印字を行う。これにより、合計3部の印刷物が出力される。
【0148】
ここで、ユーザAがバインド機能による印字を行っているときは、最初のジョブの実行時(S603)に、既に所望の2部(ユーザAのジョブ101の印字指定部数)の印刷物が出力されている。このとき、ユーザAは、印刷部数が足りているので、再度の認証カード90の読み取りを実行しないことにより、そのままバインド印字処理を終了させる(S605でNO)。他方、ユーザBがバインド機能による印字を行っているときは、最初のジョブの実行時(S603)の印刷部数が、所望の3部(ユーザBのジョブ102の印字指定部数)に足りていない。このとき、ユーザBは、認証カード90A,90Bの読み取り操作を再度行うことにより、残りの1部を出力させることができる。
【0149】
なお、CPU27は、待機中に、認証カード90A,90Bのいずれか一方又は所定の一方のみが読み取られ、その認証カード90について認証されたときに、残りの部数分の印字を行うようにしてもよい。また、このとき、CPU27は、待機中に読み取られた認証カード90A,90Bの重ね方に応じて、ジョブ101,102のどちらに対応する印字モードで出力するかを決定するようにしてもよい。
【0150】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、まずは必要最小部数の印刷物を出力する。したがって、むだな印刷物を出力することが少なくなり、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができる。また、ユーザがさらに多くの部数を必要とする場合には、簡単な操作で残りの部数をMFP1に出力させることができるので、MFP1の利便性が高くなる。特に、再度カード認証を行うことにより、残りの部数を出力させることができるので、高いセキュリティを維持しつつ、バインド機能を実行させることができる。
【0151】
ここで、第3の実施の形態において、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合には、さらに段階的に少しずつ追加の部数の印字を行うようにしてもよい。以下、このようにしてバインド印字処理を行う第3の実施の形態の一変型例について、説明する。
【0152】
図14は、第3の実施の形態の変型例におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0153】
図中、ステップS651からS659における処理は、上述の第3の実施の形態の図13に示すフローチャートのステップS601からS609におけるそれと略同様である。
【0154】
ステップS659で認証装置50から送信されたユーザ属性情報について認証が成功すると、ステップS661において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。このとき、CPU27は、まとめられた各ジョブのジョブ属性情報から読み出した印字指定部数のうち、既に印字した部数よりも多い印字指定部数を抽出する。また、CPU27は、抽出した印字指定部数のうち最も小さいものを判定する。換言すると、CPU27は、既に印字した部数の次に多い印字指定部数を判定する。例えば、2部、4部、6部の3つのジョブの印字指定部数が読み出されており、既に2部印字されているとする。このとき、2部より多い4部及び6部のうち、最も小さい印字指定部数として4部が判定される。すなわち、2部の次に多い印字指定部数として4部が判定される。その後、CPU27は、判定した部数の、既に印字した部数からの増加部数分だけ、印字を行う。例えば、上記の例においては、CPU27は、判定した4部のうち、既に印字した2部からの増加部数分の2部の印字を行う。また、CPU27は、読み出した印字指定部数のうち最も多いものと既に印刷した部数との差分を算出し、記憶する。
【0155】
ステップS663において、CPU27は、既に印字した部数と最も多い印字指定部数とが等しいかどうかを確認する。すなわち、CPU27は、ステップS661で算出した差分の部数が0部であるかどうかを確認する。これにより、最も多い印字指定部数分だけ印字されたかどうかが確認される。
【0156】
ステップS663で最も多い印字指定部数分の印字がされていない場合、CPU27は、ステップS655からS661までの処理を再度行う。
【0157】
ステップS663で最も多い印字指定部数分の印字が行われていた場合、ステップS655において所定時間、ユーザ属性情報を受信しなかった場合、CPU27は、バインド印字処理を終了する。ステップS659において認証が成功しなかった場合には、ステップS655に戻る。
【0158】
このようにして行われるバインド印字処理の具体例について、上述と同様に、図11(A)の例に基づいて説明する。例えば、ユーザA〜Cの認証カード90A〜90Cについて同時認証が行われ、ジョブ101〜103が1つのジョブにまとめられて印字されるとする。このとき、ジョブ101〜103の印字指定部数(部数)の各々は、2部、3部、4部である。
【0159】
CPU27は、まず、まとめたジョブについて、印字指定部数が少ないジョブ101の印字指定部数分すなわち2部を印字する。また、CPU27は、残りの部数として、2部(4部と2部との差分)を記憶する。CPU27は、待機状態となる。
【0160】
CPU27の待機中に、認証カード90A〜90Cについて再度同時認証されると、CPU27は、さらに、まとめたジョブの印字を行う。このとき印字する部数は、ジョブ101の次に印字指定部数が多いジョブ102の印字指定部数(3部)から既に印字した部数(2部)を減じた1部である。これにより、合計3部の印刷物が出力されたものの、最も印字指定部数が多いジョブ103の印字指定部数分(4部)の印字はまだ行われていない。したがって、CPU27は、再度待機状態となる。
【0161】
CPU27の待機中に、認証カード90A〜90Cについて再度同時認証されると、CPU27は、さらに、残りの1部だけ、まとめたジョブの印字を行う。すなわち、このとき印字する部数は、ジョブ102の次に印字指定部数が多いジョブ103の印字指定部数(4部)から既に印字した部数(3部)を減じた1部である。これにより、最も印字指定部数が多いジョブ103の印字指定部数分(4部)の印字が行われたので、CPU27は、バインド印字処理を終了する。
【0162】
なお、CPU27は、待機中に、認証カード90A〜90Cのうち少なくとも1つ又はそのうち所定の1つ若しくは2つのみが読み取られ、その認証カード90について認証されたときに、更なる印字を行うようにしてもよい。また、このとき、CPU27は、待機中に読み取られた認証カード90の重ね方や、読み取られた認証カード90の組合せに応じて、そのとき行う印字に関する印字モードを設定してもよい。
【0163】
このように、本変型例においては、CPU27は、印字指定部数のうち最も少ない部数だけ印字した後、カード認証操作に応じて段階的に更なる印字を行う。それにより、上述と同様に、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができる。また、それにより、必要な場合には、簡単な操作で、高いセキュリティを維持しつつ残りの部数をMFP1に出力させることができる。特に、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合においても、各ユーザの所望する印刷部数に応じて必要なだけ出力することができるので、確実に、上記効果を得ることができる。
【0164】
[第4の実施の形態]
【0165】
第4の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第4の実施の形態では、CPU27は、第3の実施の形態と同様に、バインド印字処理において、まとめたジョブの印字を、その印字部数を2段階に分けて行う。ここで、2段階目の印字は、ユーザの操作入力に応じて行われる点が、第3の実施の形態と相違する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0166】
本実施の形態において、ユーザの操作入力は、操作パネル25に表示される残り部数印字確認画面(以下、確認画面という)200を介して受け付けられる。まず、確認画面200について説明する。
【0167】
図15は、確認画面200が表示された操作パネル25を示す図である。
【0168】
図を参照し、確認画面200は、CPU27により、操作パネル25のLCDに表示される。確認画面200は、残りの印字部数を印字するかどうかをユーザに確認する旨の表示を含んでいる。また、確認画面200は、残り部数印字開始ボタン(OKボタン)201とキャンセルボタン203とを有している。残り部数印字開始ボタン201及びキャンセルボタン203は、LCD上のそれらが表示されている位置にユーザが触れたときに、押下操作される。
【0169】
なお、操作パネル25には、実行中止ボタン25aが配置されている。実行中止ボタン25aが押下操作されると、CPU27は、MFP1で動作している機能を停止する。
【0170】
図16は、第4の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0171】
図中、ステップS701及びS703の処理は、第3の実施の形態における図13に示すフローチャートのステップS601及びS603におけるそれと同様にして行われる。
【0172】
ステップS705において、CPU27は、操作パネル25に、残り部数印字開始ボタン201を含む確認画面200を表示する。
【0173】
ステップS707及びS709において、CPU27は、操作パネル25においてユーザの操作が行われるまで待機する。
【0174】
ステップS707において残り部数印字開始ボタン201が押下操作されたときは、ステップS711において、CPU27は、残りの部数分だけ、まとめたジョブをさらに印字する。
【0175】
ステップS711において更なる印字を行ったとき、又はステップS707において残り部数印字開始ボタン201が押下されない場合であってステップS709においてキャンセルボタン203が押下操作されたときは、CPU27は、更なる印刷を行わず、バインド印字処理を終了する。
【0176】
なお、本実施の形態の具体例としては、第3の実施の形態の説明において述べたそれと略同様であるため、ここでの説明は行わない。すなわち、本実施の形態においては、上述の第3の実施の形態においてCPU27の待機中にカード認証が行われるのに替えて、確認画面200における所定の操作が行われることにより、残りの部数の出力が行われる。
【0177】
このように、本実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、CPU27は、まずは印字指定部数のうち最も少ない部数だけの印刷物を出力する。したがって、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができる。また、ユーザは、さらに多くの部数を必要とする場合には、操作パネル25を介した操作を行うことにより、第3の実施形態と同様に、残りの部数をMFP1に出力させることができる。特に、ユーザは、操作パネル25の表示を確認しながら残りの部数を出力させる操作を行うことができる。したがって、MFP1の利便性が高くなる。
【0178】
なお、確認画面200の表示は、上述のものに限られず、適宜変更可能である。CPU27は、確認画面200において、残りの印字部数などをより具体的に示して、ユーザからの操作を受け付けるようにしてもよい。
【0179】
ここで、第4の実施の形態において、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合には、さらに段階的に少しずつ追加の部数の印字を行うようにしてもよい。以下、このようにしてバインド印字処理を行う第4の実施の形態の一変型例について、説明する。
【0180】
図17は、第4の実施の形態の変型例におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0181】
図中、ステップS751からS759における処理は、上述の第3の実施の形態の図16に示すフローチャートのステップS701からS709におけるそれと同様である。なお、ステップS755において表示する確認画面200には、ユーザが残り部数印字開始ボタン201を押下したときに追加で出力される印字部数などを具体的に示してもよい。
【0182】
ステップS757において残り部数印字開始ボタン201が押下操作されたときは、ステップS761において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。このとき、CPU27は、まとめられた各ジョブのジョブ属性情報から読み出した印字指定部数のうち、既に印字した部数よりも多い印字指定部数を抽出する。また、CPU27は、抽出した印字指定部数のうち最も小さいものを判定する。換言すると、CPU27は、既に印字した部数の次に多い印字指定部数を判定する。その後、CPU27は、判定した部数の、既に印字した部数からの増加部数分だけ、印字を行う。また、CPU27は、読み出した印字指定部数のうち最も多いものと既に印刷した部数との差分を算出し、記憶する。
【0183】
ステップS763において、CPU27は、既に印字した部数が最も多い印字指定部数とが等しいかどうかを確認する。これにより、最も多い印字指定部数分だけ印字されたかどうかが確認される。
【0184】
ステップS763で最も多い印字指定部数分の印字がされていない場合、CPU27は、ステップS755からS761までの処理を再度行う。
【0185】
ステップS763で最も多い印字指定部数分の印字が行われていた場合、又はステップS757において残り部数印字開始ボタン201が押下されない場合であってステップS759においてキャンセルボタン203が押下操作されたときは、CPU27は、更なる印刷を行わず、バインド印字処理を終了する。
【0186】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、印字指定部数のうち最も少ない部数だけ印字した後、操作パネル25になされた操作に応じて段階的に更なる印字を行う。それにより、上述と同様に、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができ、必要な場合には、簡単な操作で残りの部数をMFP1に出力させることができる。特に、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合においても、各ユーザの所望する印刷部数に応じて必要なだけ出力することができるので、確実に、上記効果を得ることができる。
【0187】
[第5の実施の形態]
【0188】
第5の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第5の実施の形態では、CPU27は、バインド印字処理において、認証カード90に記憶されたユーザ属性情報に基づいて複数のジョブをまとめる順序を決定する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0189】
図18は、第5の実施の形態におけるMFP1に設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【0190】
印字優先度テーブルは、HDD11内に予め設定されて記憶されている。この印字優先度テーブルは、ユーザの役職情報と印字優先度との対応関係を示すものである。本実施の形態における印字優先度テーブルでは、印字優先度としては、優先されるものから順に、印字優先度「1」〜「5」の5段階がある。印字優先度「1」〜「5」には、それぞれ、ユーザの役職(会社役職)として、「本部長」、「センター長」、「部長」、「課長」、「役職なし」が割り当てられている。
【0191】
図19は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0192】
HDD11には、ユーザAのジョブ111及びユーザBのジョブ112が記憶されているとする。各ジョブ111,112には、上述と同様にジョブ属性情報が設定されている。
【0193】
ここで、本実施の形態において、各ジョブ111,112には、さらに、ユーザの役職情報(ユーザステータス)が関連付けられる。ユーザの役職情報の関連付けは、後述のように、そのジョブに関連付けされた認証カード90についてカード認証が行われたときに、CPU27により行われる。ユーザAの認証カード90には、役職が部長である旨のユーザ属性情報が記憶されている。また、ユーザBの認証カード90には、役職が課長である旨のユーザ属性情報が記憶されている。この場合、ユーザAによりカード認証がされることにより、ジョブ111には、ユーザの役職情報として「部長」が関連付けられる。また、ユーザBによりカード認証がされることにより、ジョブ112には、ユーザの役職情報として「課長」が関連付けられる。
【0194】
ジョブ111,112は、次に示すような印字優先度の高低関係を有する。すなわち、図18に示す印字優先度テーブルを参照してみるに、ジョブ111の印字優先度は、ユーザの役職「部長」に対応する「3」である。また、同様に、ジョブ112の印字優先度は、ユーザの役職「課長」に対応する「4」である。したがって、ジョブ111は、ジョブ112よりも印字優先度が高いことがわかる。
【0195】
図20は、第5の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0196】
本実施の形態において、バインド印字処理が開始すると、ステップS801において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているジョブをHDD11から読み出す。
【0197】
ステップS803において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているユーザの役職情報を、その認証カード90に関連付いているジョブに関連付ける。また、CPU27は、各認証カード90に関連付いているユーザの役職情報と印字優先度テーブルとを比較し、各ジョブの印字優先度を決定する。
【0198】
ステップS805において、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。ジョブのバインドは、印字優先度が高い順に各ジョブが並ぶようにして行われる。したがって、印字優先度が高いジョブほど、すなわち役職が比較的高いユーザのジョブほど、まとめられたジョブの中での並び順が前の方になる。
【0199】
ステップS807において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。その後、プリント印字が終了する。
【0200】
このように、本実施の形態によれば、役職が高いユーザのジョブほど、まとめられたジョブの中での並び順が前の方になり、出力される印刷物中でのページ順も前の方になる。ここで、役職が高いユーザは、比較的重要な書類を作成する機会が多い。したがって、バインド機能によりまとめて出力された印刷物のうちで、比較的重要な書類のページ順が前の方になり、印刷順が整った印刷物を出力しやすくなる。ユーザが、ジョブ毎の並び順を指定するような複雑な操作を行わなくても、印刷順を整えることができるので、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0201】
なお、各ジョブの印字優先度は、ユーザの役職情報に限らず、各認証カード90又は各ジョブに対応付けられたその他のユーザ属性情報やジョブ属性情報などに基づいて決定することができる。この場合、それらのユーザ属性情報やジョブ属性情報などに応じて印字優先度を設定するための印字優先度テーブルを予め設定しておけばよい。例えば、ユーザの年齢情報や、所属部署情報等に応じて、印字優先度を設定してもよい。また、例えば、カラーモードがフルカラーに設定されているジョブほど、まとめる順序を前の方にするなどしてもよい。
【0202】
また、印字優先度情報は、プリント指示の設定内容のひとつとして、ユーザより指定されて、ジョブ属性情報にそのまま含まれていてもよい。すなわち、それぞれのジョブには、予め印字優先度情報が付与されている。その場合、CPU27は、カード認証された認証カード90に対応する複数のジョブの印字優先度情報をジョブ属性情報から直接取得して、その印字優先度情報に基づいて、それらジョブのまとめる順序を決定することができる。この場合、印字優先度テーブルを予めHDD11などに設定しておく必要はない。
【0203】
[第6の実施の形態]
【0204】
第6の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第6の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、各認証カード90に記憶されたカード情報(カード種情報)に基づいて、複数のジョブをまとめる順序を決定する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0205】
図21は、第6の実施の形態におけるMFP1に設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【0206】
印字優先度テーブルは、第5の実施の形態におけるそれと同様に、HDD11内に予め設定されて記憶されている。印字優先度テーブルは、認証カード90についてのカテゴリと印字優先度との対応関係を示すものである。CPU27は、認証された認証カード90が属するカテゴリを、上述のように、その認証カード90に記憶されているカード情報から判別可能である。すなわち、CPU27は、印字優先度テーブルを参照して、あるジョブの認証印刷時にカード認証された認証カード90が属するカテゴリに基づいて、そのジョブの印字優先度を決定することができる。印字優先度としては、第5の実施の形態におけるそれと同様に、「1」〜「5」の5段階がある。
【0207】
本実施の形態における印字優先度テーブルでは、カード情報として、互いに分類方法が異なる3種類のものがある。第1のカード情報(カード情報(1))は、いわゆるカードクラス別のものであり、「ブラックカード(ブラック)」、「ゴールドカード(ゴールド)」、「シルバーカード(シルバー)」、「ブロンズカード(ブロンズ)」、及び「一般カード(一般)」の5つのカテゴリに分かれている。「ブラック」、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」、及び「一般」の各カテゴリは、それぞれ、印字優先度「1」、「2」、「3」、「4」、及び「5」に対応する。第2のカード情報(カード情報(2))は、ユーザの所属会社別のカテゴリであり、「コーポレートカード」及び「一般カード(一般)」の2つのカテゴリに分かれている。「コーポレートカード」のカテゴリには、その会社の社員などが所有する認証カード90が属し、「一般」には、それ以外の認証カード90が属する。「コーポレートカード」は印字優先度「1」に対応し、「一般」は印字優先度「2」に対応する。また、第3のカード情報(カード情報(3))は、ユーザの所属部署別のカテゴリであり、「当部署カード」及び「他部署カード」の2つのカテゴリに分かれている。「当部署カード」は印字優先度「1」に対応し、「他部署カード」は印字優先度「2」に対応する。
【0208】
なお、本実施の形態では、このような3種類のカード情報のうち、第1のカード情報(1)がジョブに関連付けられるものとする。
【0209】
図22は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0210】
HDD11には、ユーザAのジョブ121及びユーザBのジョブ122が記憶されているとする。各ジョブ121,122には、上述と同様にジョブ属性情報が設定されている。
【0211】
ここで、本実施の形態において、各ジョブ121,122には、さらに、カード情報(カードステータス)が関連付けられる。カード情報の関連付けは、後述のように、そのジョブに関連付けされた認証カード90についてカード認証が行われたときに、CPU27により行われる。ユーザAの認証カード90は、「ゴールドカード」のカテゴリに属するものであって、その旨のカード情報が記憶されている。また、ユーザBの認証カード90は、「一般カード」のカテゴリに属するものであって、その旨のカード情報が記憶されている。この場合、ジョブ121には、カード情報として「ゴールド」が関連付けられる。また、ジョブ122には、カード情報として「一般」が関連付けられる。
【0212】
ジョブ121,122は、次に示すような印字優先度の高低関係を有する。すなわち、図21に示す印字優先度テーブルを参照してみるに、ジョブ121の印字優先度は、カード情報「ゴールド」に対応する「2」である。また、同様に、ジョブ122の印字優先度は、カード情報「一般」に対応する「5」である。したがって、ジョブ121は、ジョブ122よりも印字優先度が高いことがわかる。
【0213】
図23は、第6の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0214】
ステップS901において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているジョブをHDD11から読み出す。
【0215】
ステップS903において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているカード情報をその認証カード90に関連付いているジョブに関連付ける。また、CPU27は、各認証カード90に関連付いているカード情報と印字優先度テーブルとを比較し、各ジョブの印字優先度を決定する。
【0216】
ステップS905において、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。ジョブのバインドは、印字優先度が高い順に、各ジョブの順番を並び替えて行われる。すなわち、印字優先度が高いカードに対応する順に、ジョブがまとめられる。
【0217】
ステップS907において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。その後、プリント印字処理が終了する。
【0218】
このように、本実施の形態によれば、印字優先度が高い認証カード90に対応するジョブほど、まとめられたジョブの中での並び順が前の方になり、出力される印刷物中でのページ順も前の方になる。したがって、ユーザが、ジョブ毎の並び順を指定するような複雑な操作を行わなくても、印刷順を整えて印刷物を出力することができ、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0219】
特に、上述のように、第1のカード情報(1)に基づいて印字優先度を決定する場合を考える。この場合、認証カード90をよく使うユーザには、「ブラックカード」、「ゴールドカード」など、カードクラスが高く、他よりも優先度の高いカテゴリに属する認証カード90が予め割り当てられているとする。認証カード90がクレジットカードとして使用可能である場合には、決済額が大きいユーザに、他のユーザよりも優先度の高い認証カード90が割り当てられる。バインド機能においては、このように他よりも優先度の高い認証カード90を有するユーザのジョブが他のユーザのジョブよりも優先されて印字されるため、各ユーザを満足させることができる。
【0220】
なお、本実施の形態では、第1のカード情報(1)に限らず、第2のカード情報(2)に基づいて印刷優先度を決定することができる。例えば、「コーポレートカード」である認証カード90を所有するユーザは、その会社に勤めていることにより優待を受けることができ、その意味で他のユーザよりも優先度が高い。この場合、第2のカード情報(2)に基づいて印字優先度を決定することにより、バインド機能において、優先度が高い「コーポレートカード」を所有するユーザのジョブを他のユーザのジョブよりも優先させて印字させることができる。したがって、各ユーザを満足させることができる。
【0221】
また、第3のカード情報(3)に基づいて印刷優先度を決定することができる。例えば、「当部署カード」である認証カード90を所有するユーザが、その部署に設置されているMFP1を優先して使用する権利を有しているとする。そのユーザは、その意味で他のユーザよりも優先度が高い。この場合、第3のカード情報(3)に基づいて印字優先度を決定することにより、バインド機能において、優先度の高いユーザのジョブを他のユーザのジョブよりも優先させて印字させることができる。したがって、各ユーザを満足させることができる。
【0222】
また、印字優先度テーブルは、上述の3種類のカード情報に関するものに限られない。印字優先度テーブルは、1種類若しくは2種類のカード情報、又は4種類以上のカード情報について、印字優先度との対応関係を示すようなものであってもよい。
【0223】
また、カード情報としては、印字優先度情報をそのまま含んでいてもよい。その場合、CPU27は、カード認証された認証カード90に記憶されている印字優先度情報を取得して、その印字優先度情報に基づいて、対応するジョブをまとめる順序を決定することができる。この場合、印字優先度テーブルを予めHDD11などに設定しておく必要はない。
【0224】
[第7の実施の形態]
【0225】
第7の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第7の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、各認証カードの重なり順に基づいて、まとめたジョブのプリント方法(印字モード)を決定する。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。
【0226】
図24は、第7の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0227】
ステップS1001において、CPU27は、認証された各認証カード90に関連付いているジョブを読み出す。また、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。ジョブのバインド順は、上述と同様に、認証カード90の認証順や設定された印字優先度順などに基づいて、適宜設定すればよい。
【0228】
ステップS1003において、CPU27は、認証された複数の認証カード90について、重なり順を判定する。重なり順の判定は、上述と同様にして行われる。すなわち、CPU27は、各認証カード90の電波応答時間の長短に基づき、認証カード90の重なり順を判定する。すなわち、CPU27は、認証装置50から送られた電波応答時間情報に基づいて重なり順の判定を行う。
【0229】
ステップS1005において、CPU27は、電波応答時間が最も短い認証カード90すなわち最も認証装置50に近い(最も下に重ねられた)認証カード90に対応するジョブのジョブ属性情報から、印字モードを読み込む。また、CPU27は、その印字モードでまとめたジョブを実行し、印刷物を出力する。印刷物が出力されると、バインド印字処理が終了する。
【0230】
本実施の形態において、例えば、上述の図11に示すようにジョブ101〜104がHDD11に記憶された状態で、図5に示すように2枚の認証カード90A,90Bの同時認証(第1の同時認証)が行われたとすると、次に示すようにバインド印字が行われる。すなわち、CPU27は、認証された認証カード90A,90Bそれぞれに対応するジョブ101,102をまとめる。このとき、認証カード90Bの方が認証装置50に近い(下に重ねられている)ので、CPU27は、印字モードとして、ジョブ102のものを採用する。したがって、CPU27は、ジョブ102の印字モードで、すなわち、モノクロで、片面印字で、かつステープルはなしで、合計8枚の印刷物を3部出力する。
【0231】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、認証カード90の重なり順に基づいて、まとめたジョブのプリント方法を決定する。すなわち、ユーザは、適用したいプリント方法に対応するジョブに関連付いている認証カード90が認証装置50に最も近くなる(最も下に重ねられる)ようにしてカード認証を行えばよい。したがって、ユーザは、直感的で容易な操作により、まとめて出力するジョブのプリント方法を決定することができる。ユーザは、プリント方法を選択・設定するために複雑な操作入力を行うことを強いられないので、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0232】
なお、CPU27は、受信電波強度の強弱に応じて認証カード90の重なり順を判定して、印字モードを決定してもよい。また、CPU27は、上述の第2の同時認証が行われたとき、認証カード90の認証順を判定し、最も先に認証された認証カード90に対応するジョブの印字モードをまとめたジョブのプリント方法としてもよい。
【0233】
ここで、CPU27は、第1の同時認証が行われたとき、認証装置50から最も離れている(最も上に重ねられた)認証カード90に関連付いている印字モードにより、まとめたジョブについて印字してもよい。ユーザによっては、第1の同時認証によりバインド機能を実行させる操作について、認証装置50から離れておりユーザ本人に近い(最も上に重ねられた)認証カード90に対応する印字モードでジョブが出力される方が、より直感的な操作であるように感じられる場合があり得る。以下に説明する変型例は、例えばこのような場合に有効である。
【0234】
図25は、そのような第7の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0235】
図中、ステップS1051及びステップS1053は、図24のフローチャートに示すステップS1001及びステップS1003と同様である。すなわち、CPU27は、同時認証された認証カード90に関連付いているジョブを読み出してバインドする(S1051)。その後、CPU27は、各認証カード90について、認証装置50に電波応答時間を判定する(S1053)。
【0236】
ステップS1055において、CPU27は、電波応答時間が最も長い認証カードに対応するジョブのジョブ属性情報から、印字モードを読み込む。また、CPU27は、その印字モードでまとめたジョブを印字し、印刷物を出力する。印刷物が出力されると、バインド印字処理が終了する。
【0237】
このように、バインド印字処理において、最も認証装置50から離れている(最も上に重ねられた)認証カード90に関連付いているジョブの印字モードを採用するようにしても、上述と同様に、ユーザは、直感的で容易な操作により、所望のプリント方法で印刷物を出力することができる。
【0238】
なお、CPU27は、第2の同時認証が行われたとき、認証カード90の認証順を判定し、最後に認証された認証カード90に対応するジョブに関連付いている印字モードをまとめたジョブのプリント方法としてもよい。
【0239】
[第8の実施の形態]
【0240】
第8の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第8の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、ユーザにより選択された認証カードに対応する印字モードでまとめたジョブを実行する。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。
【0241】
図26は、第8の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0242】
ステップS1101において、CPU27は、認証された各認証カードに関連付いているジョブを読み出してまとめる(バインドする)。
【0243】
ステップS1103において、CPU27は、操作パネル25に、印字モード選択画面210を表示する。印字モード選択画面210は、ユーザにどの認証カード90の印字モードを適用するか選択を求める画面である。ユーザは、印字モード選択画面210が表示された状態で、操作パネル25を操作することにより、まとめたジョブについての印字モードを指定する。印字モード選択画面210の詳細については、後述する。
【0244】
ステップS1105において、CPU27は、ユーザにより、まとめたジョブの印字に適用する印字モードに対応する認証カード90が指定されるまで待機する。
【0245】
ステップS1105で印字モードが指定されると、ステップS1107において、CPU27は、選択された認証カードに関連付けられているジョブの印字モードすなわち選択された認証カードに対応する印字モードで、まとめたジョブを印字する。ジョブが印字されると、バインド印字処理は終了する。
【0246】
図27は、印字モード選択画面210が表示された操作パネル25を示す図である。
【0247】
図を参照して印字モード選択画面210は、操作パネル25のLCDに表示される。印字モード選択画面210は、ユーザに、適用する印字モードに対応する認証カード90の選択を求める旨の文字情報を表示する。また、印字モード選択画面210の下方には、認証された認証カード90のうち印字モードを適用するものを選択するための選択ボタン211,213が表示される。選択ボタン211,213のいずれかがユーザにより押下操作されると、CPU27は、操作された選択ボタン211,213に対応する認証カード90に関連付いているジョブの印字モードを適用する。
【0248】
なお、図では選択ボタン211,213が2つのみ表示されているが、認証された認証カード90の枚数に応じて、3つ以上の選択ボタンを表示してもよい。また、認証された認証カード90のうちすべてについて選択ボタンを表示しなくてもよい。例えば、そのうち先に認証された(より下に重ねられた)所定枚数の認証カード90について選択ボタンを表示したり、高い印字優先度に対応する認証カード90についてのみ選択ボタンを表示したりしてもよい。また、選択ボタン211,213について、それぞれが対応する認証カード90を示す表示だけでなく、操作されたときに適用される印字モードの詳細情報に関する表示がなされるようにしてもよい。
【0249】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、バインド機能において、操作パネル25に印字モード選択画面210を表示し、ユーザに適用する印字モードの選択を求める。したがって、ユーザは、所望の印字モードで、まとめられたジョブをMFP1に出力させることができる。ユーザは、印字モードの選択を、印字モード選択画面210を見ながら、確実にかつ容易に行うことができる。
【0250】
なお、CPU27は、外部のPC71などで動作するプリンタドライバと連動して、そのPC71のモニタなどに所定の表示を行い、ユーザに印字モードの選択を求めるようにしてもよい。この場合であっても、同様に、ユーザは、所望の印字モードでまとめられたジョブをMFP1に出力させることができる。
【0251】
[第9の実施の形態]
【0252】
第9の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第9の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、バインド設定がされているジョブのみをまとめ、まとめたジョブを実行する。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。
【0253】
図28は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0254】
本実施の形態において、HDD11には、4つのジョブ131〜134が記憶されているとする。各ジョブ131〜134のジョブ属性情報には、バインド設定(図中「バインドする/しない」欄)が含まれている。バインド設定は、複数の認証カード90が同時認証されたときに、そのジョブをバインドする(まとめる)ものに含める(「(バインド)する」)か、含めない(「(バインド)しない」)かに関する設定である。ジョブについて(バインド)「する」に設定されているとき、そのジョブは、CPU27によりまとめられる。また、ジョブについて(バインド)「しない」に設定されているときは、そのジョブは、CPU27によってまとめられることはない。バインド設定は、ユーザによるプリント指示時に、そのジョブ毎に指定される。なお、バインド設定が「しない」である場合であっても、一枚の認証カード90のカード認証による認証プリント時には、そのジョブは印字されて出力される。図中、ジョブ131,134の2つのジョブは、(バインド)「する」に設定されている。他方、ジョブ132,133の2つのジョブは、(バインド)「しない」に設定されている。
【0255】
図29は、第9の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0256】
ステップS1201において、CPU27は、認証された認証カード90に関連付いているジョブのうち、バインド設定として(バインド)「する」に設定されているものを判別して読み出す。また、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。これにより、(バインド)「する」に設定されているジョブのみがまとめられ、(バインド)「しない」に設定されているジョブは、まとめられない。
【0257】
ステップS1203において、CPU27は、まとめたジョブについて、各認証カード90に対応する印字モードで印字を行う。この印字は、第2の実施の形態と同様にして行われる。まとめたジョブの印字を行うと、バインド印字処理が終了する。
【0258】
本実施の形態において、ジョブ131〜134のバインド設定に関して、上述の図28に示すように設定されているとする。このとき、ユーザA及びユーザBにそれぞれ対応する2枚の認証カード90A,90Bが同時認証されると、CPU27は、次に示すようにバインド印字処理を行う。
【0259】
すなわち、CPU27は、認証カード90Aに対応するジョブ131,133のうち、(バインド)「する」に設定されているジョブ131を読み出す。CPU27は、認証カード90Bに対応するジョブ132,134のうち、(バインド)「する」に設定されているジョブ134を読み出す。また、CPU27は、読み出したジョブ131,134をまとめて1つのジョブとし、印字する。このとき、CPU27は、まとめたジョブを、ジョブ131に対応する印字モードで実行し、2部出力する。また、CPU27は、まとめたジョブを、ジョブ134に対応する印字モードで実行し、3部出力する。なお、CPU27は、(バインド)「しない」に設定されているジョブ132,133については実行しない。
【0260】
このように、第9の実施の形態においては、CPU27は、バインド対象として指定されているジョブのみをまとめる。したがって、ユーザは、MFP1に、まとめることを所望するジョブについてのみまとめて出力させ、まとめる必要のないジョブについてはまとめられていない状態を維持することができる。したがって、まとめる必要のないジョブを、バインド機能への影響を気にすることなくMFP1に保存させておくことができ、MFP1の利便性がさらに向上する。
【0261】
なお、まとめたジョブの印字における印字モードは、上述の他の実施の形態と同様にして選択・適用されるようにしてもよい。
【0262】
[第10の実施の形態]
【0263】
第10の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第10の実施の形態では、CPU27は、各ジョブの印字優先度を、カード情報及びユーザ属性情報のそれぞれの設定の有無や設定内容に応じて決定し、バインド印字処理を行う。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。なお、HDD11には、第5の実施形態におけるそれと同一の、ユーザの役職情報に関する印字優先度テーブル(図18)と、第6の実施形態におけるそれと同一の、カード情報に関する印字優先度テーブル(図21)とが設定されている。
【0264】
図30は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0265】
本実施の形態において、HDD11には、2つのジョブ141,142が記憶されている。ジョブ141についてのカード情報は「ゴールド」であり、ジョブ142についてのカード情報は「一般」である。したがって、カード情報に基づくジョブ141及びジョブ142の印字優先度は、図21に示す印字優先度テーブルを参照し、それぞれ、「2」、「5」である。また、ジョブ141についてのユーザの役職情報は「部長」であり、ジョブ142についてのユーザの役職情報は「本部長」である。したがって、ユーザの役職情報に基づくジョブ141及びジョブ142の印字優先度は、図18に示す印字優先度テーブルを参照し、それぞれ、「3」、「1」である。
【0266】
ここで、CPU27は、バインド機能において、バインド対象となるジョブに対応する認証カード90に、ユーザの役職情報とカード情報の両方が記憶されていた場合には、ユーザの役職情報を優先してそれらのジョブの印字優先度を決定する。すなわち、上述のジョブ141,142の両方がバインド対象となる場合、CPU27は、ユーザの役職情報に基づく印字優先度が高いジョブ142をジョブ141よりも印字順が前になるようにしてジョブをまとめる。
【0267】
図31は、第10の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0268】
ステップS1301において、CPU27は、同時認証された認証カード90に関連付いているジョブを読み出す。
【0269】
ステップS1303において、CPU27は、各認証カード90から読み取られた情報に、各ジョブに対応するユーザの役職情報(会社役職情報)が含まれるかどうか判断する。
【0270】
ステップS1303でユーザの役職情報が含まれていれば、ステップS1305において、CPU27は、各認証カード90に対応するユーザの役職情報に基づいて、図18に示す印字優先度テーブルを参照する。また、CPU27は、各認証カード90に関連付けられているジョブについて、印字優先度を決定する。
【0271】
他方、ステップS1303でユーザの役職情報が含まれていなければ、ステップS1307において、CPU27は、各認証カード90から読み取られた情報に、各ジョブに対応するカード情報が含まれるかどうか判断する。
【0272】
ステップS1307でカード情報が含まれていれば、ステップS1309において、CPU27は、各認証カード90に対応するカード情報に基づき図21に示す印字優先度テーブルを参照し、各認証カード90に関連付けられているジョブについて、印字優先度を決定する。
【0273】
他方、ステップS1307でカード情報が含まれていなければ、ステップS1311において、CPU27は、各認証カード90の重なり順を判別し、その順に応じて印字優先度を決定する。なお、重なり順は、上述の第1の実施の形態における判別方法と同様にして判別される。また、上述の第2の同時認証が行われたときには、CPU27は、認証カード90の認証順に応じて印字優先度を決定する。
【0274】
ステップS1313において、CPU27は、決定した印字優先度にしたがって読み出したジョブをまとめる(バインドする)。
【0275】
ステップS1315において、CPU27は、バインドしたジョブを印字する。ジョブが印字され、印刷物が出力されると、バインド印字は終了する。
【0276】
このように、本実施形態においては、CPU27は、ユーザの役職情報をカード情報よりも優先して、ジョブをバインドする際の優先順を決定する。したがって、役職が比較的上位であるユーザによる、重要度が高い可能性が高いジョブの印刷順が前になるようにジョブをまとめることができる。また、ユーザの役職情報に基づいてジョブをまとめる順番を決定できない場合であっても、カード情報に基づいてその順番を決定することができる。したがって、ジョブを適切な順番でまとめることができる可能性が高くなる。また、ユーザの役職情報やカード情報に基づいてジョブをまとめる順番を決定することができない場合であっても、認証カード90の重なり順又は認証順に基づいて、ジョブをユーザの所望の順番で並べることができる。
【0277】
[実施の形態における効果]
【0278】
以上のように構成されたMFPでは、複数の認証カードが読み取られて同時認証されたとき、各認証カードに関連付いた複数のジョブがまとめられて実行される。したがって、ユーザは、まとめるジョブを指定する複雑な操作を行うことを強いられず、複数のジョブを容易にまとめて印刷物として出力させることができる。また、認証された認証カードに関連付いたジョブがまとめられるので、セキュリティを確保した状態で、まとめられたジョブを出力させることができる。
【0279】
また、認証カードの重なり順や認証順、又は操作パネルの表示を通じたユーザの入力操作などに応じて、CPUが、ジョブをまとめる順序や印字モードを決定する。この場合、ユーザは、容易に、MFPに所望の態様でジョブをまとめて出力させることができ、MFPの利便性がさらに高くなる。
【0280】
[その他]
【0281】
上述の第1〜第10の実施の形態における各処理を、適宜組み合わせてバインド機能を実現してもよい。このような場合であっても、MFPは、セキュリティを保ちつつ、複数のジョブを容易にまとめて出力することができる。例えば、第5の実施の形態と同様に、印字優先度に基づいた順序でジョブをまとめ、そのうえで、第4の実施の形態と同様に、まとめたジョブの印字を、ユーザの操作入力に応じて2段階に分けて行うようにしてもよい。
【0282】
また、ユーザの認証は、認証カードを認証装置に読み取らせて行われるものに限られない。例えば、認証カードに替えて、ユーザが保有する携帯電話などの携帯端末など、種々の認証媒体を用いることができる。また、この場合、その認証媒体の属性に応じて、その属性と印字優先度とを対応付ける印字優先度テーブルを設定することにより、ジョブについて印字優先度を決定し上述と同様にバインド機能が実行可能になる。
【0283】
また、認証テーブルや印字優先度テーブルやジョブなどは、例えばネットワークを介してMFPがアクセス可能な外部サーバに記憶されていてもよい。
【0284】
また、MFPは、認証装置を内蔵していてもよい。
【0285】
また、画像出力装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。また、電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
【0286】
また、画像出力装置としては、原稿の画像を読み取って、それをHDDなどに蓄積することができるスキャナ装置などであってもよい。そのスキャナ装置においては、ユーザ認証とともに画像データの読み取りが行われる。その画像データは、認証カードに関連付けられたジョブとして登録される。そのスキャナ装置において、複数の認証カードによって同時認証が行われた場合に、それらの認証カードに関連付けられた複数のジョブをまとめたのちに、所定の出力先に送信するようにしてもよい。また、ジョブを外部に送信するサーバ装置などにも、本発明を適用することができる。サーバは、データをユーザ情報に関連付けて記憶する。ユーザの同時認証が行われた場合に、それらのユーザに関連付けられたデータがまとめられ、所定の出力先に出力(送信など)される。
【0287】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0288】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0289】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0290】
1 MFP(画像出力装置)
11 HDD(記憶媒体)
11a 制御プログラム(プログラム)
27 CPU
25 操作パネル(表示・操作パネル)
50 認証装置
90 認証カード(認証媒体)
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムに関し、特に、認証装置で認証媒体が読み取られたときにその認証結果に基づいて記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)のなかには、認証印刷機能を有するものがある。認証印刷機能は、認証装置で認証カードなどが読み取られたとき、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブ(ジョブ)を実行する機能である。認証印刷機能によれば、認証カードを有するユーザのみがジョブを実行させることができるので、高いセキュリティを確保することができる。
【0003】
下記特許文献1には、認証したジョブを印字した後、認証情報を入力することにより、印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データの再印刷を行う画像形成装置が開示されている。
【0004】
また、複数のジョブをまとめ、一式の印刷物として出力する機能を備えた画像形成装置が知られている。
【0005】
下記特許文献2には、ウェブサーバなどから取得した複数の電子ドキュメントを結合し、連続で出力させる画像出力装置が開示されている。結合する電子ドキュメントは、ユーザにより指定される。この画像出力装置では、電子ドキュメントを結合したものを一括して、ステープルでとじて出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−76034号公報
【特許文献2】特開2005−169838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2に記載されているように複数のジョブをまとめて出力する場合に、セキュリティを確保する目的で、特許文献1に記載されているような認証印刷を行おうとすると、以下に示すような問題が生じる。
【0008】
例えば、2人のユーザの各々のジョブをまとめて出力する場合を想定する。この場合において、両者のジョブをまとめるためには、まとめるジョブにアクセスする必要がある。そのため、画像形成装置において、特許文献1に記載されているように同時に一人のみが認証可能であるときは、ジョブをまとめるために複雑で煩わしい手順を踏む必要がある。すなわち、まず、一方のユーザは、まとめたいジョブのデータファイルを他方のユーザに渡す。その他方のユーザは認証を行い、そのデータファイルを自らのジョブとする。これにより、一方のユーザのジョブと他方のユーザ自身のジョブとが、共に他方のユーザにアクセス可能にされる。そして、他方のユーザは、両ジョブをまとめる指示を行う。
【0009】
上記のような場合、上記一方のユーザは他方のユーザに自らのデータファイルを渡すことを強いられ、上記他方のユーザは、まとめる対象となるジョブを選択する操作や出力指示の操作などを行うことを強いられる。これらの操作は、複雑で煩わしいものである。
【0010】
また、これらの問題点は、MFPなどの画像形成装置に限られたものではなく、スキャナ装置などのように画像を出力する機能を有する画像出力装置全般に共通するものであった。
【0011】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、複雑な操作を必要とせずに、セキュリティを確保しつつ、複数のジョブをまとめて出力することができる画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置は、記憶媒体に記憶されたジョブのうち、認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理手段と、処理手段によりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力手段とを備える。
【0013】
好ましくは処理手段は、認証装置により同時に又は所定時間内に複数の認証媒体が読み取られたときにジョブをまとめる。
【0014】
好ましくは画像出力装置は、ジョブを外部から受信する受信手段をさらに備え、記憶媒体は、受信したジョブを記憶する。
【0015】
好ましくは複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、処理手段は、複数の認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0016】
好ましくは処理手段は、複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0017】
好ましくは画像出力装置は、複数の認証媒体に記憶された、当該認証媒体を所有するユーザの属性を示す情報又は当該記憶媒体自身のカテゴリを示す情報に基づいて、当該認証媒体に対応付けされた複数のジョブの優先度を取得する優先度取得手段をさらに備え、処理手段は、優先度に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0018】
好ましくは複数のジョブにはジョブの優先度を示す情報が付与されており、処理手段は、ジョブに付与された優先度を示す情報に基づいて、出力手段により複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように複数のジョブをまとめる。
【0019】
好ましくは画像出力装置は、複数の認証媒体、又は複数のジョブの各々に対応付けられた画像出力手段での出力方法を取得する出力方法取得手段をさらに備え、画像出力手段は、取得された出力方法に基づいて、まとめられたジョブの画像出力を行う。
【0020】
好ましくは出力方法は、プリントの部数を含み、画像出力手段は、処理手段でまとめられた複数のジョブの各々に対応付けられたプリントの部数のうち、最も少ない部数でまとめられたジョブの画像出力を行う。
【0021】
好ましくは画像出力装置は、最も少ない部数での画像出力の後、認証装置で認証媒体が読み取られたときに、その認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う。
【0022】
好ましくは画像出力装置は、最も少ない部数での画像出力の後、ユーザから指示があったときに、認証装置で読み取られた認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う。
【0023】
好ましくは複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、画像出力手段は、認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、まとめられたジョブの出力方法を決定する。
【0024】
好ましくは画像出力手段は、複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、まとめられたジョブの出力方法を決定する。
【0025】
好ましくは画像出力手段は、取得された複数の出力方法のうち、ユーザが選択した出力方法で画像出力を行う。
【0026】
好ましくは画像出力装置は、複数のジョブの各々に対応付けられた、ジョブをまとめるか否かを示す情報を取得する情報取得手段をさらに備え、処理手段は、情報によりまとめると示されたジョブをまとめる。
【0027】
この発明の他の局面に従うと、認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御方法は、記憶媒体に記憶されたジョブのうち、認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとを備える。
【0028】
この発明のさらに他の局面に従うと、認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御プログラムは、記憶媒体に記憶されたジョブのうち、認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0029】
これらの発明に従うと、画像出力装置は、複数の認証媒体が読み取られたときに、各認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて実行する。したがって、複雑な操作を必要とせずに、セキュリティを確保した状態で、複数のジョブをまとめて出力することができる画像出力装置、画像出力装置の制御方法、及び画像出力装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施の形態におけるMFP(画像出力装置の一例)を示す正面図である。
【図2】MFPのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】認証装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】認証カードを示す平面図である。
【図5】複数の認証カードの読み取りを行っている認証装置を示す側面図である。
【図6】MFP及び認証装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】MFP及び認証装置の動作の概要を示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施の形態における認証装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態におけるMFPの動作を示すフローチャートである。
【図10】MFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図11】HDDに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図15】残り部数印字確認画面が表示された操作パネルを示す図である。
【図16】第4の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図18】第5の実施の形態におけるMFPに設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【図19】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図20】第5の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図21】第6の実施の形態におけるMFPに設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【図22】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図23】第6の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図24】第7の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図25】第7の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図26】第8の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図27】印字モード選択画面が表示された操作パネルを示す図である。
【図28】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図29】第9の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【図30】HDDに記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【図31】第10の実施の形態におけるMFPのバインド印字処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態における画像出力装置について説明する。
【0032】
画像出力装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。このようなMFPは、いわゆるデジタル複合機と呼ばれる。スキャナ機能では、MFPは、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)などに蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙などに印刷(プリント、印字)する。プリンタとしての機能では、PC(Personal Computer)などの外部端末からプリント指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置などからファクシミリデータを受信してそれをHDDに蓄積する。データ通信機能では、接続された外部装置との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDDに記憶したデータなどを共有可能にする。
【0033】
[第1の実施の形態]
【0034】
まず、第1の実施の形態におけるMFP(画像出力装置の一例)のハードウェア構成について説明する。
【0035】
図1は、第1の実施の形態におけるMFP(画像出力装置)を示す正面図である。
【0036】
図を参照してMFP1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、HDD(記憶媒体)11と、スキャン部13とを備える。
【0037】
給紙カセット3には、画像を形成するための用紙が収容されている。用紙の有無は、センサにより検出される。用紙がセットされていない場合、又は印字中に用紙がなくなった場合には、センサが状況を検出し、後述の操作パネル25などでユーザに知らせる。
【0038】
MFP1は、例えば3つの排紙トレイ5を有している。3つのうち1つの排紙トレイ5は、MFP1の中央部に配置されている。また、残りの2つの排紙トレイ5は、MFP1の側部上方及びその下方にそれぞれ配置されている。MFP1において印刷された印刷物は、MFP1の内部からこれらの排紙トレイ5のうちいずれかに排出される。
【0039】
HDD11は、MFP1の筺体内部に収容されている。スキャン部13は、MFP1の筺体の上部に配置されている。
【0040】
また、MFP1には、認証装置50が接続されている。認証装置50は、スキャン部13の側方に設けられた支持台上に配置されている。これにより、ユーザは、後述のようにカード認証を容易に行うことができる。
【0041】
図2は、MFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0042】
図を参照してMFP1は、さらに、通信モジュール15と、プリント部17と、ネットワークIF(インターフェイス)19と、RAM21と、ROM23と、操作パネル(表示・操作パネル)25と、CPU27とを備える。これらMFP1の各部は、それぞれシステムバスに接続され、互いに信号を送信又は受信可能である。
【0043】
HDD11は、ネットワークIF19を介して外部から送られたジョブ(JOB)のデータやスキャン部13で読み取った画像データなどを記憶する。また、HDD11は、後述のようにカード認証を行うための認証テーブルや、MFP1の設定情報や、MFP1の種々の動作を行うための制御プログラム(プログラム)11aなどを記憶する。HDD11は、1つのクライアントPC又は複数のクライアントPCなどから送信された複数のジョブを記憶可能である。
【0044】
HDD11には、データの保管場所として、複数のBOXが設定されている。BOXは、個々のユーザや、所定のユーザのグループなどに関連付けて設定された記憶領域である。個々のBOXは、それぞれ、複数のデータを記憶可能である。例えば、CPU27は、PC71,73から送信されたジョブのデータや、スキャン部13で読み取った画像データなどを、BOXに記憶させる。これにより、データを分類・整理してHDD11に記憶させることができる。また、CPU27は、BOX毎に認証の有無などに応じたアクセス制限を行う。これにより、BOXに記憶されているデータのセキュリティを確保することができる。さらにまた、CPU27は、BOX間でデータを移動したり複製したりすることができる。
【0045】
スキャン部13は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部13は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャン部13は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を、ADF(Auto Document Feeder)により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。読み取られた画像データは、CPU27によりアプリケーションデータ形式に変換され、BOXなどに記憶される。CPU27は、BOXなどに記憶された画像データを、PC71,73に送信可能である。
【0046】
通信モジュール15は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスであり、通信ケーブルを介して接続された外部装置とMFP1とを通信可能にする。通信モジュール15には、USBケーブルを介して、認証装置50が接続されている。
【0047】
プリント部17は、給紙カセット3から用紙を給紙してMFP1の内部で搬送する。また、プリント部17は、搬送される用紙に電子写真方式により画像を形成し、3つの排紙トレイ5のうちいずれかに排出する。用紙の排紙先は、CPU27による制御の下、例えばユーザにより選択された排紙トレイ5に設定される。プリント部17は、スキャン部13で読み取られて印刷可能形式に展開された画像データをプリント可能である。また、プリント部17は、PC71から送られたりHDD11に記憶されているアプリケーションデータ形式のデータに基づいて印刷可能形式に展開された画像データを、プリント可能である。CPU27は、RAM21などを用いて、データの印刷可能形式への展開を行う。プリント部17は、用紙にカラー画像を形成することができる。なお、プリント部17は、用紙にモノクロ(Black and White)画像のみを形成可能に構成されていてもよい。
【0048】
なお、プリント部17は、フィニッシャ29を有している。フィニッシャ29は、ステープル部(図示せず)、ソート部(図示せず)、又はスタンプ部(図示せず)などを有している。ステープル部は、ステープルにより、複数枚数の印刷物を1部毎にまとめてとじて、排紙トレイ5に出力する。ソート部は、複数枚数の印刷物を1部毎にまとめて、縦横方向を変えたり、出力位置を変更したりして、排紙トレイ5に出力する。また、スタンプ部は、複数枚数の印刷物に所定の印を押印してまとめ、排紙トレイ5に出力する。これらのフィニッシャ29の機能を用いることにより、印刷物を複数部数出力するときに、印刷物を容易に各部に分別することができる。これらのフィニッシャ29を用いた機能は、ユーザによる設定に基づいて、CPU27の制御により、適宜実行可能である。
【0049】
ネットワークIF19は、NIC(Network Interface Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。ネットワークIF19は、MFP1をLANなどの外部ネットワークに接続する。これにより、MFP1は、外部ネットワークに接続されているクライアントPCなどの外部装置と通信可能になる。図において、MFP1は、PC71やPC73などが接続された外部ネットワークに接続されている。MFP1は、PC71,73からジョブを受信可能である。また、MFP1は、スキャン部13で読み取った画像データを、PC71に送信したり、メールサーバなどを介してE−mailにより送信したりすることができる。なお、ネットワークIF19は、無線通信により外部ネットワークに接続可能に構成されていてもよい。
【0050】
RAM21は、CPU27のメインメモリである。RAM21は、後述のようにCPU27が制御プログラム11aを実行するときに必要なデータを記憶するのに用いられる。
【0051】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、MFP1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。ROM23には、HDD11と同様に、種々の制御プログラムやMFP1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU27は、所定の処理を行うことにより、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
【0052】
操作パネル(表示・操作パネル)25は、タッチパネル機能を有するLCD(Liquid Crystal Display)を用いて構成されている。操作パネル25は、LCDに画像を表示する機能や、タッチパネルによりユーザによる操作を受け付ける機能を有している。操作パネル25は、CPU27による制御に基づき、所定の操作メニュー画面をLCDに表示して、ユーザからの操作を受け付ける。また、操作パネル25は、MFP1の状態に関する情報を表示し、ユーザに通知する。操作パネル25にユーザによる操作がなされると、それに応じて、操作信号又は操作コマンドがCPU27に送信される。
【0053】
CPU27は、HDD11などに記憶された制御プログラム11aを実行することにより、MFP1の種々の動作を制御する。CPU27は、操作パネル25から操作信号が送られたり、PC71などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム11aを実行する。これにより、ユーザにより操作パネル25になされた操作やPC71からの指示に応じて、MFP1の所定の動作が行われる。
【0054】
次に、本実施の形態における認証装置50のハードウェア構成及び認証カード(認証媒体の一例)90について説明する。
【0055】
図3は、認証装置50のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0056】
図を参照して認証装置50は、認証媒体通信部51と、通信モジュール53と、RAM55と、ROM57と、CPU59とを備えている。認証装置50は、例えば、非接触ICカードリーダである。認証装置50は、後述するような認証カード(認証媒体)90との間で無線通信、すなわち非接触通信を行うことができる。
【0057】
認証媒体通信部51は、認証カード90と通信するための磁場を発生させるアンテナ及び無線回路や、受信した情報を復調し復号する回路などを有している。認証媒体通信部51は、CPU59により制御されて動作する。
【0058】
通信モジュール53は、例えば、USBインターフェイスである。通信モジュール53は、USBケーブルを介してMFP1の通信モジュール15に接続されている。これにより、認証装置50は、MFP1に通信可能に接続されている。
【0059】
CPU59は、RAM55を用いてROM57などに記憶された制御プログラムを実行することにより、認証装置50の種々の動作を制御する。CPU59は、MFP1と通信し、その結果に応じて、種々の制御プログラムを実行する。また、CPU59は、認証媒体通信部51に認証カード90が近づけられたときに、種々の制御プログラムを実行する。
【0060】
CPU59は、認証媒体通信部51に認証カード90が近づけられると、それを検知する。その後、CPU59は、認証媒体通信部51により、後述するようにしてその認証カード90に記憶された情報を読み取る。CPU59は、読み取った情報をMFP1に送信する。
【0061】
図4は、認証カード90を示す平面図である。
【0062】
認証カード90は、いわゆる非接触ICカードである。認証カード90の内部には、IC部90aと、アンテナ(図示せず)とが埋め込まれている。認証カード90が認証媒体通信部51のアンテナに近づけられると、電磁誘導により認証カード90のアンテナに電流が発生する。IC部90aは、その電流を電源として駆動される。IC部90aは、駆動されると、記憶している情報を変調してアンテナより電波を出力する。認証装置50は、その電波を受信し復調することにより、認証カード90に記憶されている情報を読み取ることができる。
【0063】
認証カード90は、MFP1の各ユーザに配布されて、各ユーザの認証に用いられる。各ユーザに配布される認証カード90のIC部90aには、そのユーザに関するユーザ属性情報及びその認証カード90に関するカード情報(カード種情報)が記憶されている。
【0064】
ユーザ属性情報は、その認証カード90を保有する個々のユーザの属性を示す情報である。ユーザ属性情報は、ユーザのユーザID、氏名、年齢、性別、役職(職級・階級)などに関する情報を含む。
【0065】
カード情報は、その認証カード90自身がどのカテゴリに属するものであるかを示す情報である。ここで、認証カード90は、予め設定された所定の数種類のカテゴリのいずかに属するものである。認証カード90のカテゴリとしては、ブラックカード、ゴールドカード、及び一般カードなどのカードクラス別のものを設定することができる。また、カテゴリとしては、コーポレートカード及び一般カードなどのユーザの所属会社別のカテゴリを設定することができる。また、カテゴリとしては、ユーザの所属部署別のカテゴリを設定することができる。
【0066】
なお、ユーザ属性情報やカード情報は、上述の例に限られない。ユーザ属性情報として、ユーザの所属などに関する情報を含んでいてもよい。また、IC部90aには、ユーザ属性情報のみが記憶され、カード情報が記憶されていなくてもよい。
【0067】
ここで、MFP1は、認証カード90によりカードを認証するカード認証機能を有している。カード認証機能により、認証されたカードを保有するユーザについて、個別の文書の印刷可否を設定したり、MFP1の各機能の利用制限を行うことができる。例えば、ユーザがカード認証を行っていない状態では、CPU27は、ジョブがPC71などから送られてもそれを出力せずに、ジョブのデータをHDD11の中の所定のBOXに記憶しておく。そして、CPU27は、後にユーザがカード認証を行うと、そのユーザに応じたジョブが出力されるようにする(タッチアンドプリント機能と呼ぶことがある)。これにより、MFP1について高いセキュリティを確保することができる。
【0068】
ユーザの認証は、認証装置50により認証カード90から読み取られてMFP1に送信されたユーザ属性情報を用いて行われる。すなわち、CPU27は、ユーザ属性情報から抽出したユーザIDと認証テーブルとを比較して、ユーザのカード認証を行う。認証テーブルには、認証可能ユーザのユーザIDなどの登録データが設定されている。認証テーブルは、HDD11から読み込まれたり、外部ネットワークに接続されているサーバ(図示せず)から読み込まれたりする。
【0069】
なお、認証装置50は、互いに重ねられた複数の認証カード90が認証媒体通信部51に近づけられると、これらそれぞれの認証カード90との間で無線通信を行う。このとき、CPU59は、認証カード90の各々から情報を読み取る。また、MFP1では、読み取られた各認証カード90についてカード認証を行う。
【0070】
図5は、複数の認証カード90A,90Bの読み取りを行っている認証装置50を示す側面図である。
【0071】
図に示すように、2枚の認証カード90A,90Bが認証装置50に近づけられているとする。認証装置50は、認証カード90A,90Bが近づけられていることを検知すると、認証カード90A,90Bに電波を出力して認証カード90A,90Bを駆動させる。認証カード90A,90Bは、それぞれの認証カード90A,90B内に記憶されている情報を含む電波を出力する。認証装置50は、認証カード90A,90Bの各々から出力された電波を受信することにより、各認証カード90A,90Bから情報を読み取ることができる。なお、図では2枚の認証カード90A,90Bについて説明したが、認証装置50は、それより多い数の認証カード90が近づけられたときも同様に、それらの認証カード90の情報を読み取る。
【0072】
このとき、CPU27は、認証装置50から送られた、各認証カード90A,90Bからの電波の強度の情報又は電波の受信タイミングの情報などから、認証カード90A,90Bの重なり順を判別する。例えば、図に示すように、認証カード90Aが認証カード90Bよりも認証装置50から離れているとする。このとき、認証装置50で受信される認証カード90Aから出力された電波の強度は、認証装置50で受信される認証カード90Bから出力された電波の強度よりも小さくなる。また、認証装置50から電波を出力してから認証装置50で返ってくる電波を検出するまでの時間は、認証カード90Aの方が認証カード90Bよりも長くなる。したがって、CPU27は、受信された電波の強弱、又は電波を検出するまでの時間に基づき、認証カード90Aが認証カード90Bよりも認証装置50から離れていることを判別することができる。
【0073】
ここで、CPU27は、所定の時間内に複数の認証カード90が検出された場合には、複数のユーザが同時期にカード認証を行ったものとみなす(同時認証と呼ぶことがある)。同時認証としては、大まかに2つの場合が考えられる。すなわち、上述したように、複数ユーザ分の複数の認証カード90を重ねるなどして束とし、その束を認証装置50に近づけて行われる、第1の同時認証がある。また、複数のユーザが、次々と連続してカード認証を行う、第2の同時認証がある。第1の同時認証では、複数の認証カード90が同時に認証装置50に読み取られて、複数の認証カード90が認証される。他方、第2の同時認証では、厳密には、複数の認証カード90が同時に読み取られるわけではない。しかしながら、ここでは、CPU27は、前のユーザがカード認証を行ってから所定の時間(例えば、10秒間)内に次のユーザがカード認証を行った場合に、両者は同時に認証されたものとみなす。したがって、例えば3人のユーザについて、一人目と二人目及び二人目と三人目のそれぞれが所定時間以内の間隔でカード認証を行った場合、これらの3人の認証カード90について第2の同時認証が成立する。また、第1の同時認証と第2の同時認証とが所定の時間(例えば、10秒間)内に連続して行われた場合は、第1・第2の同時認証で検出されたすべての認証カード90について同時認証が行われたこととしてもよい。なお、以下の説明において、上記第1の同時認証が行われたこと又は第2の同時認証が行われたことに限って、複数の認証カード90について同時認証が成立するとしてもよい。
【0074】
本実施の形態において、MFP1は、ジョブバインド機能(バインド機能)を有している。バインド機能は、上記カード認証機能を利用して行われる。ここでいう“バインドする”とは、製本したりとじたりという概念に限られず、単に、まとめる、組み合わせる、又は結合するなどという概念も含む。MFP1は、バインド機能により、複数のジョブをまとめて、それより少ない数(例えば、1つ)のジョブとする。また、バインド機能において、MFP1は、まとめたジョブを実行することにより、複数のジョブ分の印刷物を一式の印刷物としてまとめて出力する。バインド機能は、複数の認証カード90について同時認証が行われたときに、その認証結果に応じて実行される。
【0075】
バインド機能によれば、次のように印刷物を出力することができる。すなわち、MFP1において、2つのジョブが記憶されているとする。この場合、バインド機能により、そのうち一方のジョブと他方のジョブとが続けて並んだ1冊の文書を1部又は複数部数出力することができる。さらに、このとき、フィニッシャ29を用いることにより、1冊にまとめた文書をステープルによりとじて出力したり、1部毎に排紙トレイ5上にソートして出力したりすることができる。各部に印を押印して出力することもできる。また、バインド機能によれば、3つ以上のジョブを同様にまとめて出力することもできる。
【0076】
以下、ジョブのバインド機能について説明する。まず、バインド機能の概略について説明する。
【0077】
図6は、MFP1及び認証装置50の機能構成を示すブロック図である。ジョブのバインド機能は、MFP1及び認証装置50の以下のような機能を用いて実行される。
【0078】
図を参照して認証装置50は、認証データ受信部61、及び認証データ送信部63を有する。
【0079】
また、図を参照してMFP1は、認証データ受信部31、認証データ記憶部33、認証データ解析部35、画像データ受信部37、画像データ記憶部39、優先度テーブル記憶部41、印字情報設定部43、印字・フィニッシャ部45、及び操作入力部47を有する。MFP1は、外部ネットワークに接続されているPC71,73などと通信可能である。
【0080】
図7は、MFP1及び認証装置50の動作の概要を示すシーケンス図である。
【0081】
MFP1は、認証装置50と共に動作し、大まかに、図に示すようにしてバインド機能を行う。バインド機能は、CPU27の制御に基づいて実行される。
【0082】
バインド機能が行われる前に、MFP1には、複数のジョブのデータが記憶されているものとする。ジョブは、外部のPC71,72などから送信される。このとき、ジョブは、画像データ受信部37により受信され、画像データ記憶部39によりHDD11の所定のBOXなどに記憶される。
【0083】
ステップS101において、認証装置50では、認証データ受信部61により、CPU59による制御の下、ユーザにより認証装置50にかざされた複数の認証カード90のデータの読み取りが行われる。認証カード90からのデータの読み取りは、上述した通りに行われる。
【0084】
ステップS103において、認証データ送信部63は、CPU59による制御の下、認証装置50からMFP1に、認証データ通信部61により読み取られた認証カード90のデータを送信する。
【0085】
ステップS105において、MFP1では、認証データ受信部31が、認証装置50から送信されたデータを受信する。また、認証データ記憶部33が、受信されたデータをHDD11のBOXなどに記憶する。また、認証データ解析部35が、認証装置50から送信されたデータの解析を行う。CPU27は、解析結果に基づいて、カード認証を行う。カード認証を行うと、CPU27は、認証された認証カード90を保有するユーザに対してMFP1の使用制限を解除し、ユーザがMFP1の機能を実行することができるようにする。
【0086】
同時認証が行われた場合には、ステップS107において、印字・フィニッシャ部45は、ジョブをまとめる(バインドする)。これにより、認証装置50により読み取られた複数の認証カード90に関連付けられている複数のジョブがまとめられる。
【0087】
このとき、印字・フィニッシャ部45は、複数のジョブを、所定の順番にしたがって出力されるようにまとめればよい(S109)。印字・フィニッシャ部45は、認証カード90の認証順や、ジョブの優先順などに応じて、所定の順番で出力されるようにジョブをまとめる。ジョブをまとめる順番の詳細については、後述する。なお、優先度テーブル記憶部41は、ジョブの優先度を決定するために参照される印字優先度テーブルを記憶している。
【0088】
また、このとき、印字情報設定部43は、まとめられたジョブについての印字モードの設定を行ってもよい(S111)。例えば、印字モード(プリント方法)は、認証された認証カード90に関連付けられたジョブの印字モードや、優先度に応じて選択されたジョブの印字モードなどに応じて設定される。また、印字モードとして、まとめたジョブのうち所定の1つのものを採用してもよいし、操作入力部47により受け付けたユーザの操作に応じて設定したものを採用してもよい。印字モードの設定の詳細については、後述の別の実施の形態において詳しく説明する。
【0089】
ステップS107においてジョブがまとめられると、ステップS113において、印字・フィニッシャ部45は、バインド印字を実行する。これにより、バインドされたジョブが印刷物として出力される。
【0090】
次に、バインド機能の詳細について説明する。本実施の形態において、認証装置50は、次に示すように動作する。
【0091】
図8は、第1の実施の形態における認証装置50の動作を示すフローチャートである。
【0092】
ステップS201において、CPU59は、認証媒体通信部51に複数の認証カード90が置かれたことを検知する。なお、CPU59は、認証媒体通信部51に認証カード90が近づけられたことを検知してもよい。
【0093】
ステップS203において、CPU59は、認証媒体通信部51により複数の認証カード90に電波を出力し、認証カード90から返ってきた電波を受信する。また、それぞれの認証カード90について、受信した電波の電波強度(以下、単に「受信電波強度」という)と、電波を出力してから電波を受信するまでの時間(以下、単に「電波応答時間」という)を測定する。
【0094】
ステップS205において、CPU59は、各認証カード90からユーザ属性情報・カード情報を読み取る(検知する)。
【0095】
ステップS207において、CPU59は、検知したユーザ属性情報及びカード情報と、受信電波強度の情報と、電波応答時間の情報とをMFP1に送信する。
【0096】
他方、MFP1は、次に示すように動作し、バインド機能を実行する。
【0097】
図9は、第1の実施の形態におけるMFP1の動作を示すフローチャートである。CPU27は、ROM23又はHDD11に記憶された制御プログラムを読み込み、そのプログラムに基づき図9に示すフローチャートの処理を行う。以下に示すフローチャート・シーケンス図についても同様であり、これについての説明は繰り返さない。
【0098】
ステップS301において、CPU27は、認証装置50から送信された情報を受信する。
【0099】
ステップS303において、CPU27は、認証装置50から送信されたユーザ属性情報と、MFP1に予め登録されている登録データとの照合を行う。照合は、認証テーブルを参照して行われる。
【0100】
ステップS305において、CPU27は、認証装置50で読み取られた各認証カード90について、認証が成功したかどうか確認する。
【0101】
ステップS305において認証が成立したときは、ステップS307において、CPU27は、認証が成功した認証カード90について関連付けられたジョブがHDD11に記憶されているかどうかを確認する。
【0102】
ステップS307においてジョブがあったときは、ステップS309において、CPU27は、それらのジョブについてバインド印字処理を行う。バインド印字処理は、後述するように行われる。なお、このとき、ジョブが1つしかなかったときには、CPU27は、そのジョブについて単独で印字するときと同様に印字すればよい。また、CPU27は、そのジョブについて、他のジョブとバインド印字を行うときと同様に印刷モードなどを設定して印字してもよい。
【0103】
バインド印字が終了したとき、ステップS305において認証が成立した認証カード90がなかったとき、又はステップS307において認証した認証カード90に関連付けられたジョブがなかったときは、CPU27は、処理を終了し、待機状態となる。
【0104】
図10は、MFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0105】
CPU27は、ステップS401において、バインド印字処理を開始すると、認証された認証カード90の各々に関連付いているジョブをHDD11のBOXから読み出す。
【0106】
ステップS403において、CPU27は、読み出したジョブについて、それらのジョブが出力される順番であるバインド順を決定する。
【0107】
ステップS405において、CPU27は、BOXから読み出されたジョブが決定したバインド順で出力されるように、読み出したジョブを1つにまとめる(バインドする)。
【0108】
ステップS407において、CPU27は、まとめたジョブをプリント部17に送信し、ジョブを実行する。これにより、まとめられたジョブが印字されて印刷物が出力され、バインド印字処理が終了する。
【0109】
なお、CPU27は、次のようにしてバインド順を決定する。
【0110】
CPU27は、上述の第1の同時認証が行われた場合、複数の認証カード90の重なり順に応じて、バインド順を決定する。認証カード90の重なり順は、上述のように、認証装置50から送られた受信電波強度情報と電波応答時間情報とに基づいて判定される。このとき、CPU27は、より電波強度が強い認証カード90に関連付いているジョブを、より順序が前になるようにバインド順を決定する。又は、CPU27は、電波応答時間がより短い認証カード90に関連付いているジョブを、より順序が前になるようにバインド順を決定する。すなわち、CPU27は、認証装置50に近い認証カード90ほど、順序が前になるようにしてバインド順を決定する。なお、CPU27は、より電波強度が弱い認証カード90に関連付いているジョブ、又は電波応答時間がより長い認証カード90に関連付いているジョブを、より順序が前になるようにバインド順を決定してもよい。すなわち、CPU27は、認証装置50から離れている認証カード90ほど、順序が前になるようにバインド順を決定してもよい。
【0111】
また、CPU27は、上述の第2の同時認証が行われた場合、複数の認証カード90の認証順に応じて、バインド順を決定する。ここで、認証カード90の認証順は、認証装置50により読み取られた順としてもよい。このとき、CPU27は、認証順が前の認証カード90に関連付けられたジョブの順序が前になるように、バインド順を決定する。なお、CPU27は、認証順が後の認証カード90に関連付けられたジョブの順序が前になるようにバインド順を決定してもよい。
【0112】
以上のような本実施の形態におけるバインド機能の一具体例について説明する。
【0113】
図11は、HDD11に記憶されているデータの一例を示す図である。
【0114】
HDD11には、バインド機能が行われるとき、予め、例えば4つのジョブ101〜104が記憶されているとする(図中(A))。また、HDD11には、予め、カード認証を行うための登録データが認証テーブルとして記憶されている(図中(B))。HDD11には、少なくとも、ユーザA〜Dの4人のユーザを認証するための登録データが記憶されている。
【0115】
ジョブ101〜104は、それぞれ、ジョブ属性情報を有している。ジョブ属性情報としては、そのジョブの印字モードに関するものがある。印字モードとしては、出力すべきカラーモード、印字部数、片面印字又は両面印字の別、バインドするかしないかの別(バインド設定)、及びステープルの有無の別などがある。また、ジョブ属性情報としては、さらに、ジョブを所有するユーザIDや、ジョブのデータが記憶されているBOXの番号(BOX番号)などがある。
【0116】
ジョブ属性情報は、ユーザにより行われたプリント指示の設定内容に基づいて設定されている。このとき、ジョブデータの送信を行ったユーザすなわちプリント指示を行ったユーザのユーザIDもジョブ属性情報に付加されている。すなわち、HDD11に記憶されているジョブは、いずれかのユーザのユーザIDに関連付けられている。また、認証カード90には、そのカードを所有するユーザのユーザIDが記憶されている。これにより、ユーザIDを介して、HDD11に記憶されているジョブと認証カード90とが関連付けられている。なお、ユーザID以外のユーザ属性情報、例えばユーザの氏名などを用いて、HDDに記憶されているジョブと認証カード90とを関連付けてもよい。
【0117】
いま、MFP1を4人のユーザA〜Dで使用しているとする。ユーザA〜Dは、それぞれ、自己のユーザ属性情報が記憶された認証カード90A〜Dを有しているものとする。ジョブ101は、ユーザID「A」を有しており、ユーザAに関連付けられている。同様に、ジョブ102は、ユーザBに関連付けられている。ジョブ103は、ユーザCに関連付けられている。ジョブ104は、ユーザDに関連付けられている。
【0118】
ここで、認証カード90Aと認証カード90Bとが認証装置50で読み取られ、同時認証が成立すると、以下のようにバインド印字が行われる。すなわち、CPU27は、認証カード90Aから読み取られたユーザ属性情報からユーザAのユーザIDを抽出する。また、CPU27は、そのユーザIDを有するジョブ101が認証カード90Aに関連付いていると判断する。また、CPU27は、同様に、認証カード90Bについて、ユーザBのジョブ102が関連付いていると判断する。また、CPU27は、ジョブ101及びジョブ102以外に、認証カード90A,90Bに関連付いているジョブがHDD11に記憶されていないことを確認する。
【0119】
このとき、認証カード90A,90Bに関連付いているジョブ101及びジョブ102があるので、CPU27は、それらのジョブ101及びジョブ102についてまとめて(バインドして)1つのジョブとし、まとめたジョブを実行する。これにより、ジョブ101及びジョブ102がまとめられて印字される。ジョブ101の原稿枚数は3枚であり、ジョブ102の原稿枚数は5枚であるので、合計8ページの印刷物が出力される。なお、ジョブ103及びジョブ104は、認証カード90A,90Bに関連付いていないので、バインドも印字も行われない。
【0120】
なお、このときの印刷物の出力部数は、ジョブ101とジョブ102とで設定されている部数の合計(2部+3部=5部)としてもよいし、認証装置50に最も近い(最も下に重ねられた)認証カード90に関連付いたジョブに設定されている部数としてもよい。また、認証装置50に最も遠い(最も上に重ねられた)認証カード90に関連付いたジョブに設定されている部数としてもよい。また、1部のみを出力することとしてもよい。
【0121】
このように、本実施の形態によれば、CPU27は、認証装置50により読み取られた複数の認証カード90に関連付いた複数のジョブを1つのジョブにまとめて、そのまとめたジョブを実行する。したがって、ユーザは、複数の認証カード90を認証装置50に読み取らせるだけで、複雑な操作を行うことなく、複数のジョブをまとめて出力させることができる。
【0122】
また、CPU27は、複数のジョブが出力される順番(バインド順)を、認証カード90の重なり順や認証順に応じて決定し、その順番で出力されるようにジョブをまとめる。これにより、ユーザは、バインド順をMFP1に指示するために必要な操作を行うことなく、所望のバインド順で複数のジョブをまとめて出力させることができる。したがって、MFP1の利便性がより向上する。
【0123】
[第2の実施の形態]
【0124】
第2の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第2の実施の形態では、CPU27は、バインド印字処理において、まとめた後のジョブの印字モードを、まとめる前のそれぞれのジョブのジョブ属性情報に基づいて決定する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0125】
図12は、第2の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0126】
バインド印字処理が開始すると、ステップS501において、CPU27は、認証された認証カード90の各々に関連付いているジョブを読み出してまとめる(バインドする)。
【0127】
ステップS503において、CPU27は、各認証カード90に対応する印字モードで、まとめたジョブの印字を行う。各認証カード90に対応する印字モードとしては、その認証カード90に関連付いているジョブのジョブ属性情報に含まれるものが設定される。
【0128】
第2の実施の形態における印字モードの設定例について、上述の第1の実施の形態における図11(A)の例に基づいて説明する。例えば、認証カード90A,90Bについて同時認証が行われ、ジョブ101及びジョブ102が1つのジョブにまとめられて印字されるとする。このとき、CPU27は、まとめたジョブについて、ジョブ101,102にそれぞれ対応する印字モードで、印字を行う。
【0129】
まず、CPU27は、ジョブ101に対応付けられている印字モードで、まとめたジョブを実行する。すなわち、このとき、フルカラーで、両面印字により、ステープルによりとじられて、まとめたジョブの合計8ページの印刷物が2部出力される。
【0130】
また、CPU27は、ジョブ102に対応付けられている印字モードで、まとめたジョブを実行する。すなわち、このとき、モノクロで、片面印字により、ステープルによりとじずに、まとめたジョブの合計8ページの印刷物が3部出力される。
【0131】
このように、第2の実施の形態では、CPU27は、認証された認証カード90の各々に関連付けられているジョブの印字モードで印字する。各ジョブの印字モードは、通常、ユーザによりプリント指示時などに設定されるものである。したがって、まとめたジョブについての印刷物を各ユーザの意図した通りに出力することができ、MFP1の利便性が高くなる。必要部数以上に出力したり、モノクロでプリントすればよい場合に高コストなフルカラーでプリントしたりすることがなくなるので、資源や費用の浪費を防止することができる。
【0132】
なお、各認証カード90にユーザ属性情報として、印字モードに関する情報を記憶させておき、CPU27が、バインド機能の実行時にその情報を抽出し、抽出した印字モードでまとめたジョブを実行するようにしてもよい。また、MFP1に、予め各認証カード90に対応付けて印字モード情報を記憶させておき、CPU27が、その記憶された印字モード情報のなかから認証された認証カード90に対応する印字モードを取得してジョブを実行するようにしてもよい。この場合にも、各ユーザの意図した通りの印字モードで印刷物を出力することができる。また、ユーザの登録情報に印字モードに関する情報を含め、ジョブに関連付けられたユーザに対応する印字モードを登録情報から取得して、ジョブを実行するようにしてもよい。
【0133】
また、CPU27は、上述のように異なる印字モードで出力した印刷物を、それぞれ、異なる排紙トレイ5に出力したり、出力方向や出力位置をシフトさせて出力したりするようにしてもよい。この場合、認証カード90毎に、それに対応する印字モードで出力した印刷物を他のものと分別しやすくなるので、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0134】
なお、まとめる複数のジョブのそれぞれを、それぞれに設定された印字モードで出力することとしてもよい。例えば、図11のジョブ101の部分に関してはフルカラー、両面印字で出力し、ジョブ102の部分に関してはモノクロ、片面印字で出力したものを1部の印刷物とするなどである。
【0135】
[第3の実施の形態]
【0136】
第3の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第3の実施の形態では、CPU27は、バインド印字処理において、まとめるジョブのジョブ属性情報に基づいて、所定の少量の部数分だけ、まとめたジョブの印字を行う。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0137】
図13は、第3の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0138】
バインド印字処理が開始すると、ステップS601において、CPU27は、認証された認証カード90の各々に関連付いているジョブを読み出してまとめる(バインドする)。
【0139】
ステップS603において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているジョブ属性情報すなわちまとめられた各ジョブのジョブ属性情報から、各ジョブについての印字指定部数を読み出す。CPU27は、読み出した印字指定部数のうち、最も少ない部数で、まとめた(バインドした)ジョブの印字を行う。例えば、まとめたジョブが2つである場合、CPU27は、印字指定部数が少ない方の部数分だけ、まとめたジョブを印字する。また、CPU27は、読み出した印字指定部数のうち、最も少ないものと最も多いものとの差分を算出し、記憶する。すなわち、この差分の部数が、まだ印字していない残りの部数となる。
【0140】
ステップS605において、CPU27は、認証装置50から、ユーザ属性情報を受信するまで待機する。CPU27は、所定時間(例えば、30秒間)だけ待機を行う。このとき、認証カード90が、再度ユーザにより認証装置50に近づけられ、認証装置50により読み取られると、その認証カード90から読み取られたユーザ属性情報がMFP1に送信される。
【0141】
ステップS605でユーザ属性情報を受信したとき、ステップS607において、CPU27は、受信したユーザ属性情報とMFP1に予め登録されている登録データとの照合を行う。照合は、上述の第1の実施の形態において行われるそれと同様にして行われる。
【0142】
ステップS609において、CPU27は、受信したユーザ属性情報について認証が成功したかどうかを確認する。
【0143】
ステップS609で認証が成功すると、ステップS611において、CPU27は、まとめたジョブの印字を、残りの部数分だけ行う。このとき出力される部数は、ステップS603において記憶された差分の部数である。これにより、先に出力されたものとの総計で、各ジョブのジョブ属性情報から読み出した印字指定部数のうち、最も多い部数分の印刷物が出力される。
【0144】
ステップS611で印字が行われた場合、ステップS605でCPU27が所定時間、ユーザ属性情報を受信しなかった場合は、バインド印字処理は終了する。ステップS609で認証が成立しなかった場合は、ステップS605へ戻る。
【0145】
第3の実施の形態におけるバインド印字処理の具体例について、上述の第1の実施の形態における図11(A)の例に基づいて説明する。例えば、認証カード90A,90Bについて同時認証が行われ、ジョブ101及びジョブ102が1つのジョブにまとめられて印字されるとする。このとき、ジョブ101の印字指定部数(部数)は、2部であり、ジョブ102の印字指定部数は、3部である。
【0146】
CPU27は、まず、印字指定部数が少ない方のジョブ101の印字指定部数分だけ、まとめたジョブを印字する。これにより、2部の印刷物が出力される。また、CPU27は、残りの部数として、1部(3部と2部との差分)を記憶する。その後、CPU27は、所定時間待機する。
【0147】
CPU27の待機中に、認証カード90A,90Bが再度読み取られ、再度同時認証されると、CPU27は、さらに、まとめたジョブについて、残りの1部分の印字を行う。これにより、合計3部の印刷物が出力される。
【0148】
ここで、ユーザAがバインド機能による印字を行っているときは、最初のジョブの実行時(S603)に、既に所望の2部(ユーザAのジョブ101の印字指定部数)の印刷物が出力されている。このとき、ユーザAは、印刷部数が足りているので、再度の認証カード90の読み取りを実行しないことにより、そのままバインド印字処理を終了させる(S605でNO)。他方、ユーザBがバインド機能による印字を行っているときは、最初のジョブの実行時(S603)の印刷部数が、所望の3部(ユーザBのジョブ102の印字指定部数)に足りていない。このとき、ユーザBは、認証カード90A,90Bの読み取り操作を再度行うことにより、残りの1部を出力させることができる。
【0149】
なお、CPU27は、待機中に、認証カード90A,90Bのいずれか一方又は所定の一方のみが読み取られ、その認証カード90について認証されたときに、残りの部数分の印字を行うようにしてもよい。また、このとき、CPU27は、待機中に読み取られた認証カード90A,90Bの重ね方に応じて、ジョブ101,102のどちらに対応する印字モードで出力するかを決定するようにしてもよい。
【0150】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、まずは必要最小部数の印刷物を出力する。したがって、むだな印刷物を出力することが少なくなり、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができる。また、ユーザがさらに多くの部数を必要とする場合には、簡単な操作で残りの部数をMFP1に出力させることができるので、MFP1の利便性が高くなる。特に、再度カード認証を行うことにより、残りの部数を出力させることができるので、高いセキュリティを維持しつつ、バインド機能を実行させることができる。
【0151】
ここで、第3の実施の形態において、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合には、さらに段階的に少しずつ追加の部数の印字を行うようにしてもよい。以下、このようにしてバインド印字処理を行う第3の実施の形態の一変型例について、説明する。
【0152】
図14は、第3の実施の形態の変型例におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0153】
図中、ステップS651からS659における処理は、上述の第3の実施の形態の図13に示すフローチャートのステップS601からS609におけるそれと略同様である。
【0154】
ステップS659で認証装置50から送信されたユーザ属性情報について認証が成功すると、ステップS661において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。このとき、CPU27は、まとめられた各ジョブのジョブ属性情報から読み出した印字指定部数のうち、既に印字した部数よりも多い印字指定部数を抽出する。また、CPU27は、抽出した印字指定部数のうち最も小さいものを判定する。換言すると、CPU27は、既に印字した部数の次に多い印字指定部数を判定する。例えば、2部、4部、6部の3つのジョブの印字指定部数が読み出されており、既に2部印字されているとする。このとき、2部より多い4部及び6部のうち、最も小さい印字指定部数として4部が判定される。すなわち、2部の次に多い印字指定部数として4部が判定される。その後、CPU27は、判定した部数の、既に印字した部数からの増加部数分だけ、印字を行う。例えば、上記の例においては、CPU27は、判定した4部のうち、既に印字した2部からの増加部数分の2部の印字を行う。また、CPU27は、読み出した印字指定部数のうち最も多いものと既に印刷した部数との差分を算出し、記憶する。
【0155】
ステップS663において、CPU27は、既に印字した部数と最も多い印字指定部数とが等しいかどうかを確認する。すなわち、CPU27は、ステップS661で算出した差分の部数が0部であるかどうかを確認する。これにより、最も多い印字指定部数分だけ印字されたかどうかが確認される。
【0156】
ステップS663で最も多い印字指定部数分の印字がされていない場合、CPU27は、ステップS655からS661までの処理を再度行う。
【0157】
ステップS663で最も多い印字指定部数分の印字が行われていた場合、ステップS655において所定時間、ユーザ属性情報を受信しなかった場合、CPU27は、バインド印字処理を終了する。ステップS659において認証が成功しなかった場合には、ステップS655に戻る。
【0158】
このようにして行われるバインド印字処理の具体例について、上述と同様に、図11(A)の例に基づいて説明する。例えば、ユーザA〜Cの認証カード90A〜90Cについて同時認証が行われ、ジョブ101〜103が1つのジョブにまとめられて印字されるとする。このとき、ジョブ101〜103の印字指定部数(部数)の各々は、2部、3部、4部である。
【0159】
CPU27は、まず、まとめたジョブについて、印字指定部数が少ないジョブ101の印字指定部数分すなわち2部を印字する。また、CPU27は、残りの部数として、2部(4部と2部との差分)を記憶する。CPU27は、待機状態となる。
【0160】
CPU27の待機中に、認証カード90A〜90Cについて再度同時認証されると、CPU27は、さらに、まとめたジョブの印字を行う。このとき印字する部数は、ジョブ101の次に印字指定部数が多いジョブ102の印字指定部数(3部)から既に印字した部数(2部)を減じた1部である。これにより、合計3部の印刷物が出力されたものの、最も印字指定部数が多いジョブ103の印字指定部数分(4部)の印字はまだ行われていない。したがって、CPU27は、再度待機状態となる。
【0161】
CPU27の待機中に、認証カード90A〜90Cについて再度同時認証されると、CPU27は、さらに、残りの1部だけ、まとめたジョブの印字を行う。すなわち、このとき印字する部数は、ジョブ102の次に印字指定部数が多いジョブ103の印字指定部数(4部)から既に印字した部数(3部)を減じた1部である。これにより、最も印字指定部数が多いジョブ103の印字指定部数分(4部)の印字が行われたので、CPU27は、バインド印字処理を終了する。
【0162】
なお、CPU27は、待機中に、認証カード90A〜90Cのうち少なくとも1つ又はそのうち所定の1つ若しくは2つのみが読み取られ、その認証カード90について認証されたときに、更なる印字を行うようにしてもよい。また、このとき、CPU27は、待機中に読み取られた認証カード90の重ね方や、読み取られた認証カード90の組合せに応じて、そのとき行う印字に関する印字モードを設定してもよい。
【0163】
このように、本変型例においては、CPU27は、印字指定部数のうち最も少ない部数だけ印字した後、カード認証操作に応じて段階的に更なる印字を行う。それにより、上述と同様に、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができる。また、それにより、必要な場合には、簡単な操作で、高いセキュリティを維持しつつ残りの部数をMFP1に出力させることができる。特に、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合においても、各ユーザの所望する印刷部数に応じて必要なだけ出力することができるので、確実に、上記効果を得ることができる。
【0164】
[第4の実施の形態]
【0165】
第4の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第4の実施の形態では、CPU27は、第3の実施の形態と同様に、バインド印字処理において、まとめたジョブの印字を、その印字部数を2段階に分けて行う。ここで、2段階目の印字は、ユーザの操作入力に応じて行われる点が、第3の実施の形態と相違する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0166】
本実施の形態において、ユーザの操作入力は、操作パネル25に表示される残り部数印字確認画面(以下、確認画面という)200を介して受け付けられる。まず、確認画面200について説明する。
【0167】
図15は、確認画面200が表示された操作パネル25を示す図である。
【0168】
図を参照し、確認画面200は、CPU27により、操作パネル25のLCDに表示される。確認画面200は、残りの印字部数を印字するかどうかをユーザに確認する旨の表示を含んでいる。また、確認画面200は、残り部数印字開始ボタン(OKボタン)201とキャンセルボタン203とを有している。残り部数印字開始ボタン201及びキャンセルボタン203は、LCD上のそれらが表示されている位置にユーザが触れたときに、押下操作される。
【0169】
なお、操作パネル25には、実行中止ボタン25aが配置されている。実行中止ボタン25aが押下操作されると、CPU27は、MFP1で動作している機能を停止する。
【0170】
図16は、第4の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0171】
図中、ステップS701及びS703の処理は、第3の実施の形態における図13に示すフローチャートのステップS601及びS603におけるそれと同様にして行われる。
【0172】
ステップS705において、CPU27は、操作パネル25に、残り部数印字開始ボタン201を含む確認画面200を表示する。
【0173】
ステップS707及びS709において、CPU27は、操作パネル25においてユーザの操作が行われるまで待機する。
【0174】
ステップS707において残り部数印字開始ボタン201が押下操作されたときは、ステップS711において、CPU27は、残りの部数分だけ、まとめたジョブをさらに印字する。
【0175】
ステップS711において更なる印字を行ったとき、又はステップS707において残り部数印字開始ボタン201が押下されない場合であってステップS709においてキャンセルボタン203が押下操作されたときは、CPU27は、更なる印刷を行わず、バインド印字処理を終了する。
【0176】
なお、本実施の形態の具体例としては、第3の実施の形態の説明において述べたそれと略同様であるため、ここでの説明は行わない。すなわち、本実施の形態においては、上述の第3の実施の形態においてCPU27の待機中にカード認証が行われるのに替えて、確認画面200における所定の操作が行われることにより、残りの部数の出力が行われる。
【0177】
このように、本実施の形態においては、第3の実施の形態と同様に、CPU27は、まずは印字指定部数のうち最も少ない部数だけの印刷物を出力する。したがって、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができる。また、ユーザは、さらに多くの部数を必要とする場合には、操作パネル25を介した操作を行うことにより、第3の実施形態と同様に、残りの部数をMFP1に出力させることができる。特に、ユーザは、操作パネル25の表示を確認しながら残りの部数を出力させる操作を行うことができる。したがって、MFP1の利便性が高くなる。
【0178】
なお、確認画面200の表示は、上述のものに限られず、適宜変更可能である。CPU27は、確認画面200において、残りの印字部数などをより具体的に示して、ユーザからの操作を受け付けるようにしてもよい。
【0179】
ここで、第4の実施の形態において、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合には、さらに段階的に少しずつ追加の部数の印字を行うようにしてもよい。以下、このようにしてバインド印字処理を行う第4の実施の形態の一変型例について、説明する。
【0180】
図17は、第4の実施の形態の変型例におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0181】
図中、ステップS751からS759における処理は、上述の第3の実施の形態の図16に示すフローチャートのステップS701からS709におけるそれと同様である。なお、ステップS755において表示する確認画面200には、ユーザが残り部数印字開始ボタン201を押下したときに追加で出力される印字部数などを具体的に示してもよい。
【0182】
ステップS757において残り部数印字開始ボタン201が押下操作されたときは、ステップS761において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。このとき、CPU27は、まとめられた各ジョブのジョブ属性情報から読み出した印字指定部数のうち、既に印字した部数よりも多い印字指定部数を抽出する。また、CPU27は、抽出した印字指定部数のうち最も小さいものを判定する。換言すると、CPU27は、既に印字した部数の次に多い印字指定部数を判定する。その後、CPU27は、判定した部数の、既に印字した部数からの増加部数分だけ、印字を行う。また、CPU27は、読み出した印字指定部数のうち最も多いものと既に印刷した部数との差分を算出し、記憶する。
【0183】
ステップS763において、CPU27は、既に印字した部数が最も多い印字指定部数とが等しいかどうかを確認する。これにより、最も多い印字指定部数分だけ印字されたかどうかが確認される。
【0184】
ステップS763で最も多い印字指定部数分の印字がされていない場合、CPU27は、ステップS755からS761までの処理を再度行う。
【0185】
ステップS763で最も多い印字指定部数分の印字が行われていた場合、又はステップS757において残り部数印字開始ボタン201が押下されない場合であってステップS759においてキャンセルボタン203が押下操作されたときは、CPU27は、更なる印刷を行わず、バインド印字処理を終了する。
【0186】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、印字指定部数のうち最も少ない部数だけ印字した後、操作パネル25になされた操作に応じて段階的に更なる印字を行う。それにより、上述と同様に、プリントにかかる資源や費用の浪費を防止することができ、必要な場合には、簡単な操作で残りの部数をMFP1に出力させることができる。特に、認証された認証カード90が3枚以上あるような場合においても、各ユーザの所望する印刷部数に応じて必要なだけ出力することができるので、確実に、上記効果を得ることができる。
【0187】
[第5の実施の形態]
【0188】
第5の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第5の実施の形態では、CPU27は、バインド印字処理において、認証カード90に記憶されたユーザ属性情報に基づいて複数のジョブをまとめる順序を決定する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0189】
図18は、第5の実施の形態におけるMFP1に設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【0190】
印字優先度テーブルは、HDD11内に予め設定されて記憶されている。この印字優先度テーブルは、ユーザの役職情報と印字優先度との対応関係を示すものである。本実施の形態における印字優先度テーブルでは、印字優先度としては、優先されるものから順に、印字優先度「1」〜「5」の5段階がある。印字優先度「1」〜「5」には、それぞれ、ユーザの役職(会社役職)として、「本部長」、「センター長」、「部長」、「課長」、「役職なし」が割り当てられている。
【0191】
図19は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0192】
HDD11には、ユーザAのジョブ111及びユーザBのジョブ112が記憶されているとする。各ジョブ111,112には、上述と同様にジョブ属性情報が設定されている。
【0193】
ここで、本実施の形態において、各ジョブ111,112には、さらに、ユーザの役職情報(ユーザステータス)が関連付けられる。ユーザの役職情報の関連付けは、後述のように、そのジョブに関連付けされた認証カード90についてカード認証が行われたときに、CPU27により行われる。ユーザAの認証カード90には、役職が部長である旨のユーザ属性情報が記憶されている。また、ユーザBの認証カード90には、役職が課長である旨のユーザ属性情報が記憶されている。この場合、ユーザAによりカード認証がされることにより、ジョブ111には、ユーザの役職情報として「部長」が関連付けられる。また、ユーザBによりカード認証がされることにより、ジョブ112には、ユーザの役職情報として「課長」が関連付けられる。
【0194】
ジョブ111,112は、次に示すような印字優先度の高低関係を有する。すなわち、図18に示す印字優先度テーブルを参照してみるに、ジョブ111の印字優先度は、ユーザの役職「部長」に対応する「3」である。また、同様に、ジョブ112の印字優先度は、ユーザの役職「課長」に対応する「4」である。したがって、ジョブ111は、ジョブ112よりも印字優先度が高いことがわかる。
【0195】
図20は、第5の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0196】
本実施の形態において、バインド印字処理が開始すると、ステップS801において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているジョブをHDD11から読み出す。
【0197】
ステップS803において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているユーザの役職情報を、その認証カード90に関連付いているジョブに関連付ける。また、CPU27は、各認証カード90に関連付いているユーザの役職情報と印字優先度テーブルとを比較し、各ジョブの印字優先度を決定する。
【0198】
ステップS805において、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。ジョブのバインドは、印字優先度が高い順に各ジョブが並ぶようにして行われる。したがって、印字優先度が高いジョブほど、すなわち役職が比較的高いユーザのジョブほど、まとめられたジョブの中での並び順が前の方になる。
【0199】
ステップS807において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。その後、プリント印字が終了する。
【0200】
このように、本実施の形態によれば、役職が高いユーザのジョブほど、まとめられたジョブの中での並び順が前の方になり、出力される印刷物中でのページ順も前の方になる。ここで、役職が高いユーザは、比較的重要な書類を作成する機会が多い。したがって、バインド機能によりまとめて出力された印刷物のうちで、比較的重要な書類のページ順が前の方になり、印刷順が整った印刷物を出力しやすくなる。ユーザが、ジョブ毎の並び順を指定するような複雑な操作を行わなくても、印刷順を整えることができるので、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0201】
なお、各ジョブの印字優先度は、ユーザの役職情報に限らず、各認証カード90又は各ジョブに対応付けられたその他のユーザ属性情報やジョブ属性情報などに基づいて決定することができる。この場合、それらのユーザ属性情報やジョブ属性情報などに応じて印字優先度を設定するための印字優先度テーブルを予め設定しておけばよい。例えば、ユーザの年齢情報や、所属部署情報等に応じて、印字優先度を設定してもよい。また、例えば、カラーモードがフルカラーに設定されているジョブほど、まとめる順序を前の方にするなどしてもよい。
【0202】
また、印字優先度情報は、プリント指示の設定内容のひとつとして、ユーザより指定されて、ジョブ属性情報にそのまま含まれていてもよい。すなわち、それぞれのジョブには、予め印字優先度情報が付与されている。その場合、CPU27は、カード認証された認証カード90に対応する複数のジョブの印字優先度情報をジョブ属性情報から直接取得して、その印字優先度情報に基づいて、それらジョブのまとめる順序を決定することができる。この場合、印字優先度テーブルを予めHDD11などに設定しておく必要はない。
【0203】
[第6の実施の形態]
【0204】
第6の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第6の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、各認証カード90に記憶されたカード情報(カード種情報)に基づいて、複数のジョブをまとめる順序を決定する。バインド印字処理は、第1の実施の形態と同様に、バインド機能が実行されているときに行われる。
【0205】
図21は、第6の実施の形態におけるMFP1に設定されている印字優先度テーブルを示す図である。
【0206】
印字優先度テーブルは、第5の実施の形態におけるそれと同様に、HDD11内に予め設定されて記憶されている。印字優先度テーブルは、認証カード90についてのカテゴリと印字優先度との対応関係を示すものである。CPU27は、認証された認証カード90が属するカテゴリを、上述のように、その認証カード90に記憶されているカード情報から判別可能である。すなわち、CPU27は、印字優先度テーブルを参照して、あるジョブの認証印刷時にカード認証された認証カード90が属するカテゴリに基づいて、そのジョブの印字優先度を決定することができる。印字優先度としては、第5の実施の形態におけるそれと同様に、「1」〜「5」の5段階がある。
【0207】
本実施の形態における印字優先度テーブルでは、カード情報として、互いに分類方法が異なる3種類のものがある。第1のカード情報(カード情報(1))は、いわゆるカードクラス別のものであり、「ブラックカード(ブラック)」、「ゴールドカード(ゴールド)」、「シルバーカード(シルバー)」、「ブロンズカード(ブロンズ)」、及び「一般カード(一般)」の5つのカテゴリに分かれている。「ブラック」、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」、及び「一般」の各カテゴリは、それぞれ、印字優先度「1」、「2」、「3」、「4」、及び「5」に対応する。第2のカード情報(カード情報(2))は、ユーザの所属会社別のカテゴリであり、「コーポレートカード」及び「一般カード(一般)」の2つのカテゴリに分かれている。「コーポレートカード」のカテゴリには、その会社の社員などが所有する認証カード90が属し、「一般」には、それ以外の認証カード90が属する。「コーポレートカード」は印字優先度「1」に対応し、「一般」は印字優先度「2」に対応する。また、第3のカード情報(カード情報(3))は、ユーザの所属部署別のカテゴリであり、「当部署カード」及び「他部署カード」の2つのカテゴリに分かれている。「当部署カード」は印字優先度「1」に対応し、「他部署カード」は印字優先度「2」に対応する。
【0208】
なお、本実施の形態では、このような3種類のカード情報のうち、第1のカード情報(1)がジョブに関連付けられるものとする。
【0209】
図22は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0210】
HDD11には、ユーザAのジョブ121及びユーザBのジョブ122が記憶されているとする。各ジョブ121,122には、上述と同様にジョブ属性情報が設定されている。
【0211】
ここで、本実施の形態において、各ジョブ121,122には、さらに、カード情報(カードステータス)が関連付けられる。カード情報の関連付けは、後述のように、そのジョブに関連付けされた認証カード90についてカード認証が行われたときに、CPU27により行われる。ユーザAの認証カード90は、「ゴールドカード」のカテゴリに属するものであって、その旨のカード情報が記憶されている。また、ユーザBの認証カード90は、「一般カード」のカテゴリに属するものであって、その旨のカード情報が記憶されている。この場合、ジョブ121には、カード情報として「ゴールド」が関連付けられる。また、ジョブ122には、カード情報として「一般」が関連付けられる。
【0212】
ジョブ121,122は、次に示すような印字優先度の高低関係を有する。すなわち、図21に示す印字優先度テーブルを参照してみるに、ジョブ121の印字優先度は、カード情報「ゴールド」に対応する「2」である。また、同様に、ジョブ122の印字優先度は、カード情報「一般」に対応する「5」である。したがって、ジョブ121は、ジョブ122よりも印字優先度が高いことがわかる。
【0213】
図23は、第6の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0214】
ステップS901において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているジョブをHDD11から読み出す。
【0215】
ステップS903において、CPU27は、各認証カード90に関連付いているカード情報をその認証カード90に関連付いているジョブに関連付ける。また、CPU27は、各認証カード90に関連付いているカード情報と印字優先度テーブルとを比較し、各ジョブの印字優先度を決定する。
【0216】
ステップS905において、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。ジョブのバインドは、印字優先度が高い順に、各ジョブの順番を並び替えて行われる。すなわち、印字優先度が高いカードに対応する順に、ジョブがまとめられる。
【0217】
ステップS907において、CPU27は、まとめたジョブの印字を行う。その後、プリント印字処理が終了する。
【0218】
このように、本実施の形態によれば、印字優先度が高い認証カード90に対応するジョブほど、まとめられたジョブの中での並び順が前の方になり、出力される印刷物中でのページ順も前の方になる。したがって、ユーザが、ジョブ毎の並び順を指定するような複雑な操作を行わなくても、印刷順を整えて印刷物を出力することができ、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0219】
特に、上述のように、第1のカード情報(1)に基づいて印字優先度を決定する場合を考える。この場合、認証カード90をよく使うユーザには、「ブラックカード」、「ゴールドカード」など、カードクラスが高く、他よりも優先度の高いカテゴリに属する認証カード90が予め割り当てられているとする。認証カード90がクレジットカードとして使用可能である場合には、決済額が大きいユーザに、他のユーザよりも優先度の高い認証カード90が割り当てられる。バインド機能においては、このように他よりも優先度の高い認証カード90を有するユーザのジョブが他のユーザのジョブよりも優先されて印字されるため、各ユーザを満足させることができる。
【0220】
なお、本実施の形態では、第1のカード情報(1)に限らず、第2のカード情報(2)に基づいて印刷優先度を決定することができる。例えば、「コーポレートカード」である認証カード90を所有するユーザは、その会社に勤めていることにより優待を受けることができ、その意味で他のユーザよりも優先度が高い。この場合、第2のカード情報(2)に基づいて印字優先度を決定することにより、バインド機能において、優先度が高い「コーポレートカード」を所有するユーザのジョブを他のユーザのジョブよりも優先させて印字させることができる。したがって、各ユーザを満足させることができる。
【0221】
また、第3のカード情報(3)に基づいて印刷優先度を決定することができる。例えば、「当部署カード」である認証カード90を所有するユーザが、その部署に設置されているMFP1を優先して使用する権利を有しているとする。そのユーザは、その意味で他のユーザよりも優先度が高い。この場合、第3のカード情報(3)に基づいて印字優先度を決定することにより、バインド機能において、優先度の高いユーザのジョブを他のユーザのジョブよりも優先させて印字させることができる。したがって、各ユーザを満足させることができる。
【0222】
また、印字優先度テーブルは、上述の3種類のカード情報に関するものに限られない。印字優先度テーブルは、1種類若しくは2種類のカード情報、又は4種類以上のカード情報について、印字優先度との対応関係を示すようなものであってもよい。
【0223】
また、カード情報としては、印字優先度情報をそのまま含んでいてもよい。その場合、CPU27は、カード認証された認証カード90に記憶されている印字優先度情報を取得して、その印字優先度情報に基づいて、対応するジョブをまとめる順序を決定することができる。この場合、印字優先度テーブルを予めHDD11などに設定しておく必要はない。
【0224】
[第7の実施の形態]
【0225】
第7の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第7の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、各認証カードの重なり順に基づいて、まとめたジョブのプリント方法(印字モード)を決定する。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。
【0226】
図24は、第7の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0227】
ステップS1001において、CPU27は、認証された各認証カード90に関連付いているジョブを読み出す。また、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。ジョブのバインド順は、上述と同様に、認証カード90の認証順や設定された印字優先度順などに基づいて、適宜設定すればよい。
【0228】
ステップS1003において、CPU27は、認証された複数の認証カード90について、重なり順を判定する。重なり順の判定は、上述と同様にして行われる。すなわち、CPU27は、各認証カード90の電波応答時間の長短に基づき、認証カード90の重なり順を判定する。すなわち、CPU27は、認証装置50から送られた電波応答時間情報に基づいて重なり順の判定を行う。
【0229】
ステップS1005において、CPU27は、電波応答時間が最も短い認証カード90すなわち最も認証装置50に近い(最も下に重ねられた)認証カード90に対応するジョブのジョブ属性情報から、印字モードを読み込む。また、CPU27は、その印字モードでまとめたジョブを実行し、印刷物を出力する。印刷物が出力されると、バインド印字処理が終了する。
【0230】
本実施の形態において、例えば、上述の図11に示すようにジョブ101〜104がHDD11に記憶された状態で、図5に示すように2枚の認証カード90A,90Bの同時認証(第1の同時認証)が行われたとすると、次に示すようにバインド印字が行われる。すなわち、CPU27は、認証された認証カード90A,90Bそれぞれに対応するジョブ101,102をまとめる。このとき、認証カード90Bの方が認証装置50に近い(下に重ねられている)ので、CPU27は、印字モードとして、ジョブ102のものを採用する。したがって、CPU27は、ジョブ102の印字モードで、すなわち、モノクロで、片面印字で、かつステープルはなしで、合計8枚の印刷物を3部出力する。
【0231】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、認証カード90の重なり順に基づいて、まとめたジョブのプリント方法を決定する。すなわち、ユーザは、適用したいプリント方法に対応するジョブに関連付いている認証カード90が認証装置50に最も近くなる(最も下に重ねられる)ようにしてカード認証を行えばよい。したがって、ユーザは、直感的で容易な操作により、まとめて出力するジョブのプリント方法を決定することができる。ユーザは、プリント方法を選択・設定するために複雑な操作入力を行うことを強いられないので、MFP1の利便性がさらに高くなる。
【0232】
なお、CPU27は、受信電波強度の強弱に応じて認証カード90の重なり順を判定して、印字モードを決定してもよい。また、CPU27は、上述の第2の同時認証が行われたとき、認証カード90の認証順を判定し、最も先に認証された認証カード90に対応するジョブの印字モードをまとめたジョブのプリント方法としてもよい。
【0233】
ここで、CPU27は、第1の同時認証が行われたとき、認証装置50から最も離れている(最も上に重ねられた)認証カード90に関連付いている印字モードにより、まとめたジョブについて印字してもよい。ユーザによっては、第1の同時認証によりバインド機能を実行させる操作について、認証装置50から離れておりユーザ本人に近い(最も上に重ねられた)認証カード90に対応する印字モードでジョブが出力される方が、より直感的な操作であるように感じられる場合があり得る。以下に説明する変型例は、例えばこのような場合に有効である。
【0234】
図25は、そのような第7の実施の形態の変型例におけるMFPのバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0235】
図中、ステップS1051及びステップS1053は、図24のフローチャートに示すステップS1001及びステップS1003と同様である。すなわち、CPU27は、同時認証された認証カード90に関連付いているジョブを読み出してバインドする(S1051)。その後、CPU27は、各認証カード90について、認証装置50に電波応答時間を判定する(S1053)。
【0236】
ステップS1055において、CPU27は、電波応答時間が最も長い認証カードに対応するジョブのジョブ属性情報から、印字モードを読み込む。また、CPU27は、その印字モードでまとめたジョブを印字し、印刷物を出力する。印刷物が出力されると、バインド印字処理が終了する。
【0237】
このように、バインド印字処理において、最も認証装置50から離れている(最も上に重ねられた)認証カード90に関連付いているジョブの印字モードを採用するようにしても、上述と同様に、ユーザは、直感的で容易な操作により、所望のプリント方法で印刷物を出力することができる。
【0238】
なお、CPU27は、第2の同時認証が行われたとき、認証カード90の認証順を判定し、最後に認証された認証カード90に対応するジョブに関連付いている印字モードをまとめたジョブのプリント方法としてもよい。
【0239】
[第8の実施の形態]
【0240】
第8の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第8の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、ユーザにより選択された認証カードに対応する印字モードでまとめたジョブを実行する。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。
【0241】
図26は、第8の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0242】
ステップS1101において、CPU27は、認証された各認証カードに関連付いているジョブを読み出してまとめる(バインドする)。
【0243】
ステップS1103において、CPU27は、操作パネル25に、印字モード選択画面210を表示する。印字モード選択画面210は、ユーザにどの認証カード90の印字モードを適用するか選択を求める画面である。ユーザは、印字モード選択画面210が表示された状態で、操作パネル25を操作することにより、まとめたジョブについての印字モードを指定する。印字モード選択画面210の詳細については、後述する。
【0244】
ステップS1105において、CPU27は、ユーザにより、まとめたジョブの印字に適用する印字モードに対応する認証カード90が指定されるまで待機する。
【0245】
ステップS1105で印字モードが指定されると、ステップS1107において、CPU27は、選択された認証カードに関連付けられているジョブの印字モードすなわち選択された認証カードに対応する印字モードで、まとめたジョブを印字する。ジョブが印字されると、バインド印字処理は終了する。
【0246】
図27は、印字モード選択画面210が表示された操作パネル25を示す図である。
【0247】
図を参照して印字モード選択画面210は、操作パネル25のLCDに表示される。印字モード選択画面210は、ユーザに、適用する印字モードに対応する認証カード90の選択を求める旨の文字情報を表示する。また、印字モード選択画面210の下方には、認証された認証カード90のうち印字モードを適用するものを選択するための選択ボタン211,213が表示される。選択ボタン211,213のいずれかがユーザにより押下操作されると、CPU27は、操作された選択ボタン211,213に対応する認証カード90に関連付いているジョブの印字モードを適用する。
【0248】
なお、図では選択ボタン211,213が2つのみ表示されているが、認証された認証カード90の枚数に応じて、3つ以上の選択ボタンを表示してもよい。また、認証された認証カード90のうちすべてについて選択ボタンを表示しなくてもよい。例えば、そのうち先に認証された(より下に重ねられた)所定枚数の認証カード90について選択ボタンを表示したり、高い印字優先度に対応する認証カード90についてのみ選択ボタンを表示したりしてもよい。また、選択ボタン211,213について、それぞれが対応する認証カード90を示す表示だけでなく、操作されたときに適用される印字モードの詳細情報に関する表示がなされるようにしてもよい。
【0249】
このように、本実施の形態においては、CPU27は、バインド機能において、操作パネル25に印字モード選択画面210を表示し、ユーザに適用する印字モードの選択を求める。したがって、ユーザは、所望の印字モードで、まとめられたジョブをMFP1に出力させることができる。ユーザは、印字モードの選択を、印字モード選択画面210を見ながら、確実にかつ容易に行うことができる。
【0250】
なお、CPU27は、外部のPC71などで動作するプリンタドライバと連動して、そのPC71のモニタなどに所定の表示を行い、ユーザに印字モードの選択を求めるようにしてもよい。この場合であっても、同様に、ユーザは、所望の印字モードでまとめられたジョブをMFP1に出力させることができる。
【0251】
[第9の実施の形態]
【0252】
第9の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第9の実施の形態では、CPU27が、バインド印字処理において、バインド設定がされているジョブのみをまとめ、まとめたジョブを実行する。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。
【0253】
図28は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0254】
本実施の形態において、HDD11には、4つのジョブ131〜134が記憶されているとする。各ジョブ131〜134のジョブ属性情報には、バインド設定(図中「バインドする/しない」欄)が含まれている。バインド設定は、複数の認証カード90が同時認証されたときに、そのジョブをバインドする(まとめる)ものに含める(「(バインド)する」)か、含めない(「(バインド)しない」)かに関する設定である。ジョブについて(バインド)「する」に設定されているとき、そのジョブは、CPU27によりまとめられる。また、ジョブについて(バインド)「しない」に設定されているときは、そのジョブは、CPU27によってまとめられることはない。バインド設定は、ユーザによるプリント指示時に、そのジョブ毎に指定される。なお、バインド設定が「しない」である場合であっても、一枚の認証カード90のカード認証による認証プリント時には、そのジョブは印字されて出力される。図中、ジョブ131,134の2つのジョブは、(バインド)「する」に設定されている。他方、ジョブ132,133の2つのジョブは、(バインド)「しない」に設定されている。
【0255】
図29は、第9の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0256】
ステップS1201において、CPU27は、認証された認証カード90に関連付いているジョブのうち、バインド設定として(バインド)「する」に設定されているものを判別して読み出す。また、CPU27は、読み出したジョブをまとめる(バインドする)。これにより、(バインド)「する」に設定されているジョブのみがまとめられ、(バインド)「しない」に設定されているジョブは、まとめられない。
【0257】
ステップS1203において、CPU27は、まとめたジョブについて、各認証カード90に対応する印字モードで印字を行う。この印字は、第2の実施の形態と同様にして行われる。まとめたジョブの印字を行うと、バインド印字処理が終了する。
【0258】
本実施の形態において、ジョブ131〜134のバインド設定に関して、上述の図28に示すように設定されているとする。このとき、ユーザA及びユーザBにそれぞれ対応する2枚の認証カード90A,90Bが同時認証されると、CPU27は、次に示すようにバインド印字処理を行う。
【0259】
すなわち、CPU27は、認証カード90Aに対応するジョブ131,133のうち、(バインド)「する」に設定されているジョブ131を読み出す。CPU27は、認証カード90Bに対応するジョブ132,134のうち、(バインド)「する」に設定されているジョブ134を読み出す。また、CPU27は、読み出したジョブ131,134をまとめて1つのジョブとし、印字する。このとき、CPU27は、まとめたジョブを、ジョブ131に対応する印字モードで実行し、2部出力する。また、CPU27は、まとめたジョブを、ジョブ134に対応する印字モードで実行し、3部出力する。なお、CPU27は、(バインド)「しない」に設定されているジョブ132,133については実行しない。
【0260】
このように、第9の実施の形態においては、CPU27は、バインド対象として指定されているジョブのみをまとめる。したがって、ユーザは、MFP1に、まとめることを所望するジョブについてのみまとめて出力させ、まとめる必要のないジョブについてはまとめられていない状態を維持することができる。したがって、まとめる必要のないジョブを、バインド機能への影響を気にすることなくMFP1に保存させておくことができ、MFP1の利便性がさらに向上する。
【0261】
なお、まとめたジョブの印字における印字モードは、上述の他の実施の形態と同様にして選択・適用されるようにしてもよい。
【0262】
[第10の実施の形態]
【0263】
第10の実施の形態におけるMFP1及び認証装置50の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。また、認証カード90の構成やそれに記憶されている情報も、第1の実施の形態のそれらと同様である。第10の実施の形態では、CPU27は、各ジョブの印字優先度を、カード情報及びユーザ属性情報のそれぞれの設定の有無や設定内容に応じて決定し、バインド印字処理を行う。本実施の形態において、バインド印字処理は、上述の第1の同時認証が行われた場合であってバインド機能が実行されているときに行われる。なお、HDD11には、第5の実施形態におけるそれと同一の、ユーザの役職情報に関する印字優先度テーブル(図18)と、第6の実施形態におけるそれと同一の、カード情報に関する印字優先度テーブル(図21)とが設定されている。
【0264】
図30は、HDD11に記憶されているジョブのデータの一例を示す図である。
【0265】
本実施の形態において、HDD11には、2つのジョブ141,142が記憶されている。ジョブ141についてのカード情報は「ゴールド」であり、ジョブ142についてのカード情報は「一般」である。したがって、カード情報に基づくジョブ141及びジョブ142の印字優先度は、図21に示す印字優先度テーブルを参照し、それぞれ、「2」、「5」である。また、ジョブ141についてのユーザの役職情報は「部長」であり、ジョブ142についてのユーザの役職情報は「本部長」である。したがって、ユーザの役職情報に基づくジョブ141及びジョブ142の印字優先度は、図18に示す印字優先度テーブルを参照し、それぞれ、「3」、「1」である。
【0266】
ここで、CPU27は、バインド機能において、バインド対象となるジョブに対応する認証カード90に、ユーザの役職情報とカード情報の両方が記憶されていた場合には、ユーザの役職情報を優先してそれらのジョブの印字優先度を決定する。すなわち、上述のジョブ141,142の両方がバインド対象となる場合、CPU27は、ユーザの役職情報に基づく印字優先度が高いジョブ142をジョブ141よりも印字順が前になるようにしてジョブをまとめる。
【0267】
図31は、第10の実施の形態におけるMFP1のバインド印字処理(図9のS309)を示すフローチャートである。
【0268】
ステップS1301において、CPU27は、同時認証された認証カード90に関連付いているジョブを読み出す。
【0269】
ステップS1303において、CPU27は、各認証カード90から読み取られた情報に、各ジョブに対応するユーザの役職情報(会社役職情報)が含まれるかどうか判断する。
【0270】
ステップS1303でユーザの役職情報が含まれていれば、ステップS1305において、CPU27は、各認証カード90に対応するユーザの役職情報に基づいて、図18に示す印字優先度テーブルを参照する。また、CPU27は、各認証カード90に関連付けられているジョブについて、印字優先度を決定する。
【0271】
他方、ステップS1303でユーザの役職情報が含まれていなければ、ステップS1307において、CPU27は、各認証カード90から読み取られた情報に、各ジョブに対応するカード情報が含まれるかどうか判断する。
【0272】
ステップS1307でカード情報が含まれていれば、ステップS1309において、CPU27は、各認証カード90に対応するカード情報に基づき図21に示す印字優先度テーブルを参照し、各認証カード90に関連付けられているジョブについて、印字優先度を決定する。
【0273】
他方、ステップS1307でカード情報が含まれていなければ、ステップS1311において、CPU27は、各認証カード90の重なり順を判別し、その順に応じて印字優先度を決定する。なお、重なり順は、上述の第1の実施の形態における判別方法と同様にして判別される。また、上述の第2の同時認証が行われたときには、CPU27は、認証カード90の認証順に応じて印字優先度を決定する。
【0274】
ステップS1313において、CPU27は、決定した印字優先度にしたがって読み出したジョブをまとめる(バインドする)。
【0275】
ステップS1315において、CPU27は、バインドしたジョブを印字する。ジョブが印字され、印刷物が出力されると、バインド印字は終了する。
【0276】
このように、本実施形態においては、CPU27は、ユーザの役職情報をカード情報よりも優先して、ジョブをバインドする際の優先順を決定する。したがって、役職が比較的上位であるユーザによる、重要度が高い可能性が高いジョブの印刷順が前になるようにジョブをまとめることができる。また、ユーザの役職情報に基づいてジョブをまとめる順番を決定できない場合であっても、カード情報に基づいてその順番を決定することができる。したがって、ジョブを適切な順番でまとめることができる可能性が高くなる。また、ユーザの役職情報やカード情報に基づいてジョブをまとめる順番を決定することができない場合であっても、認証カード90の重なり順又は認証順に基づいて、ジョブをユーザの所望の順番で並べることができる。
【0277】
[実施の形態における効果]
【0278】
以上のように構成されたMFPでは、複数の認証カードが読み取られて同時認証されたとき、各認証カードに関連付いた複数のジョブがまとめられて実行される。したがって、ユーザは、まとめるジョブを指定する複雑な操作を行うことを強いられず、複数のジョブを容易にまとめて印刷物として出力させることができる。また、認証された認証カードに関連付いたジョブがまとめられるので、セキュリティを確保した状態で、まとめられたジョブを出力させることができる。
【0279】
また、認証カードの重なり順や認証順、又は操作パネルの表示を通じたユーザの入力操作などに応じて、CPUが、ジョブをまとめる順序や印字モードを決定する。この場合、ユーザは、容易に、MFPに所望の態様でジョブをまとめて出力させることができ、MFPの利便性がさらに高くなる。
【0280】
[その他]
【0281】
上述の第1〜第10の実施の形態における各処理を、適宜組み合わせてバインド機能を実現してもよい。このような場合であっても、MFPは、セキュリティを保ちつつ、複数のジョブを容易にまとめて出力することができる。例えば、第5の実施の形態と同様に、印字優先度に基づいた順序でジョブをまとめ、そのうえで、第4の実施の形態と同様に、まとめたジョブの印字を、ユーザの操作入力に応じて2段階に分けて行うようにしてもよい。
【0282】
また、ユーザの認証は、認証カードを認証装置に読み取らせて行われるものに限られない。例えば、認証カードに替えて、ユーザが保有する携帯電話などの携帯端末など、種々の認証媒体を用いることができる。また、この場合、その認証媒体の属性に応じて、その属性と印字優先度とを対応付ける印字優先度テーブルを設定することにより、ジョブについて印字優先度を決定し上述と同様にバインド機能が実行可能になる。
【0283】
また、認証テーブルや印字優先度テーブルやジョブなどは、例えばネットワークを介してMFPがアクセス可能な外部サーバに記憶されていてもよい。
【0284】
また、MFPは、認証装置を内蔵していてもよい。
【0285】
また、画像出力装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。また、電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
【0286】
また、画像出力装置としては、原稿の画像を読み取って、それをHDDなどに蓄積することができるスキャナ装置などであってもよい。そのスキャナ装置においては、ユーザ認証とともに画像データの読み取りが行われる。その画像データは、認証カードに関連付けられたジョブとして登録される。そのスキャナ装置において、複数の認証カードによって同時認証が行われた場合に、それらの認証カードに関連付けられた複数のジョブをまとめたのちに、所定の出力先に送信するようにしてもよい。また、ジョブを外部に送信するサーバ装置などにも、本発明を適用することができる。サーバは、データをユーザ情報に関連付けて記憶する。ユーザの同時認証が行われた場合に、それらのユーザに関連付けられたデータがまとめられ、所定の出力先に出力(送信など)される。
【0287】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0288】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0289】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0290】
1 MFP(画像出力装置)
11 HDD(記憶媒体)
11a 制御プログラム(プログラム)
27 CPU
25 操作パネル(表示・操作パネル)
50 認証装置
90 認証カード(認証媒体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置であって、
前記記憶媒体に記憶されたジョブのうち、前記認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、前記複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理手段と、
前記処理手段によりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力手段とを備えた、画像出力装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記認証装置により同時に又は所定時間内に複数の認証媒体が読み取られたときに前記ジョブをまとめる、請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
ジョブを外部から受信する受信手段をさらに備え、
前記記憶媒体は、前記受信したジョブを記憶する、請求項1又は2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、
前記処理手段は、前記複数の認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記複数の認証媒体に記憶された、当該認証媒体を所有するユーザの属性を示す情報又は当該記憶媒体自身のカテゴリを示す情報に基づいて、当該認証媒体に対応付けされた前記複数のジョブの優先度を取得する優先度取得手段をさらに備え、
前記処理手段は、前記優先度に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記複数のジョブにはジョブの優先度を示す情報が付与されており、
前記処理手段は、前記ジョブに付与された優先度を示す情報に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記複数の認証媒体、又は前記複数のジョブの各々に対応付けられた前記画像出力手段での出力方法を取得する出力方法取得手段をさらに備え、
前記画像出力手段は、前記取得された出力方法に基づいて、前記まとめられたジョブの画像出力を行う、請求項1から6のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記出力方法は、プリントの部数を含み、
前記画像出力手段は、前記処理手段でまとめられた複数のジョブの各々に対応付けられたプリントの部数のうち、最も少ない部数で前記まとめられたジョブの画像出力を行う、請求項7に記載の画像出力装置。
【請求項10】
前記最も少ない部数での画像出力の後、前記認証装置で認証媒体が読み取られたときに、その認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う、請求項8に記載の画像出力装置。
【請求項11】
前記最も少ない部数での画像出力の後、ユーザから指示があったときに、前記認証装置で読み取られた認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う、請求項8又は9に記載の画像出力装置。
【請求項12】
前記複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、
前記画像出力手段は、前記認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、前記まとめられたジョブの出力方法を決定する、請求項7から10のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項13】
前記画像出力手段は、前記複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、前記まとめられたジョブの出力方法を決定する、請求項7から11のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項14】
前記画像出力手段は、前記取得された複数の出力方法のうち、ユーザが選択した出力方法で画像出力を行う、請求項7から12のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項15】
前記複数のジョブの各々に対応付けられた、ジョブをまとめるか否かを示す情報を取得する情報取得手段をさらに備え、
前記処理手段は、前記情報によりまとめると示されたジョブをまとめる、請求項1から13のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項16】
認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御方法であって、
前記記憶媒体に記憶されたジョブのうち、前記認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、前記複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、
前記処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとを備えた、画像出力装置の制御方法。
【請求項17】
認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御プログラムであって、
前記記憶媒体に記憶されたジョブのうち、前記認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、前記複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、
前記処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとをコンピュータに実行させる、画像出力装置の制御プログラム。
【請求項1】
認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置であって、
前記記憶媒体に記憶されたジョブのうち、前記認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、前記複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理手段と、
前記処理手段によりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力手段とを備えた、画像出力装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記認証装置により同時に又は所定時間内に複数の認証媒体が読み取られたときに前記ジョブをまとめる、請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
ジョブを外部から受信する受信手段をさらに備え、
前記記憶媒体は、前記受信したジョブを記憶する、請求項1又は2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、
前記処理手段は、前記複数の認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記複数の認証媒体に記憶された、当該認証媒体を所有するユーザの属性を示す情報又は当該記憶媒体自身のカテゴリを示す情報に基づいて、当該認証媒体に対応付けされた前記複数のジョブの優先度を取得する優先度取得手段をさらに備え、
前記処理手段は、前記優先度に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記複数のジョブにはジョブの優先度を示す情報が付与されており、
前記処理手段は、前記ジョブに付与された優先度を示す情報に基づいて、前記出力手段により前記複数のジョブが出力される順序を決定し、当該順序で出力されるように前記複数のジョブをまとめる、請求項1から3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記複数の認証媒体、又は前記複数のジョブの各々に対応付けられた前記画像出力手段での出力方法を取得する出力方法取得手段をさらに備え、
前記画像出力手段は、前記取得された出力方法に基づいて、前記まとめられたジョブの画像出力を行う、請求項1から6のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記出力方法は、プリントの部数を含み、
前記画像出力手段は、前記処理手段でまとめられた複数のジョブの各々に対応付けられたプリントの部数のうち、最も少ない部数で前記まとめられたジョブの画像出力を行う、請求項7に記載の画像出力装置。
【請求項10】
前記最も少ない部数での画像出力の後、前記認証装置で認証媒体が読み取られたときに、その認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う、請求項8に記載の画像出力装置。
【請求項11】
前記最も少ない部数での画像出力の後、ユーザから指示があったときに、前記認証装置で読み取られた認証媒体に対応付けられたプリントの部数に基づいて追加の画像出力を行う、請求項8又は9に記載の画像出力装置。
【請求項12】
前記複数の認証媒体は、複数の認証カードであり、
前記画像出力手段は、前記認証カードの重なり順を判定し、その重なり順に基づいて、前記まとめられたジョブの出力方法を決定する、請求項7から10のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項13】
前記画像出力手段は、前記複数の認証媒体の認証順を判定し、その順に基づいて、前記まとめられたジョブの出力方法を決定する、請求項7から11のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項14】
前記画像出力手段は、前記取得された複数の出力方法のうち、ユーザが選択した出力方法で画像出力を行う、請求項7から12のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項15】
前記複数のジョブの各々に対応付けられた、ジョブをまとめるか否かを示す情報を取得する情報取得手段をさらに備え、
前記処理手段は、前記情報によりまとめると示されたジョブをまとめる、請求項1から13のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項16】
認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御方法であって、
前記記憶媒体に記憶されたジョブのうち、前記認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、前記複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、
前記処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとを備えた、画像出力装置の制御方法。
【請求項17】
認証装置で複数の認証媒体が読み取られたときに、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶されたジョブを実行する画像出力装置の制御プログラムであって、
前記記憶媒体に記憶されたジョブのうち、前記認証装置により読み取られた複数の認証媒体に関連付いた複数のジョブをまとめて、前記複数のジョブよりも少ない数のジョブとする処理ステップと、
前記処理ステップによりまとめられたジョブを実行することで画像を出力する画像出力ステップとをコンピュータに実行させる、画像出力装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2010−221468(P2010−221468A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69899(P2009−69899)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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