説明

画像化プロセス

【課題】本開示は、トナー粒子によって画像を生成するプロセスを提供する。
【解決手段】乳化重合会合製法による特定の粒径のトナー粒子を、未完成の単分子層としての基板に塗布し、その後、溶融させて、画像を形成する。前記画像の厚さは前記トナー粒子の直径の約70%未満の完成した単分子層であり、前記画像の形成に用いられる前記粒子の直径よりも小さな厚さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真装置(例えば、デジタル装置、イメージオンイメージ装置、および類似の装置)に適したトナーの提供において有用なプロセスに関する。画像形成におけるこのようなトナーの使用も提供される。
【背景技術】
【0002】
結晶性または半結晶性のポリエステル樹脂を非晶質樹脂と共に含むトナー混合物は、とても望ましい極めて低温でのメルト溶融が可能であることが最近分かったため、高速印刷と、フューザーの電力消費の低減とのどちらにおいても重要である。これらの種類の結晶性ポリエステル含有トナーは、乳化重合会合製法(EA)トナーおよび従来のジェット型トナーのどちらにも適していることが分かっている。非晶質ポリエステルおよび結晶性ポリエステルを組み合わせると、比較的低融点の特性(低融点、極低融点またはULMとも呼ぶ)のトナーを得ることができ、よりエネルギー効率が高くかつより高速の印刷が可能となる。
【0003】
高度に着色されたトナーを現像する場合、所望のサイズおよび形状トナー粒子の形成が困難なため、トナー形成プロセスに影響が出る場合がある。画像生成においてこのようなトナーを用いた場合において、所望の画像厚さがトナー粒子の直径よりも小さい場合、特に問題となることもある。
【0004】
トナー製造のための向上した方法が望まれており、また、このようなトナーによる画像生成方法も望まれている。
【0005】
本開示は、トナー粒子によって画像を生成するプロセスと、これによって生成される画像とを提供する。実施形態において、本開示のプロセスは、乳化重合会合製法によるトナー粒子を基板に塗布することと、前記トナー粒子を前記基板に対して溶融させて、画像を形成することとを含む。100%ベタ領域単色パッチ用の前記画像の厚さは約1μm〜約5μmであり、前記画像の前記厚さは、前記トナー粒子の直径の約70%よりも小さい。
【0006】
他の実施形態において、本開示のプロセスは、少なくとも1つのポリエステル樹脂、少なくとも1つの着色剤、少なくとも1つの界面活性剤および任意選択のワックスを含むトナー粒子を形成することと、前記トナー粒子を基板に塗布して、未完成の単分子層を形成することと、前記トナー粒子を前記基板に対して溶融させて、画像を形成することとを含む。前記画像は、完成した単分子層を含む。前記完成した単分子層の厚さは約1μm〜約5μmである。前記画像の前記厚さは、前記トナー粒子の直径の約70%よりも小さい。
【0007】
さらなる他の実施形態において、本開示のプロセスは、少なくとも1つのポリエステル樹脂と、少なくとも1つの着色剤、少なくとも1つの界面活性剤および任意選択のワックスとを接触させて、小粒子を有するエマルションを形成することと、前記小粒子を凝集させることと、金属塩(例えば、銅、鉄、およびその合金)を前記小粒子に付加することと、前記凝集した粒子を合体させて、トナー粒子を形成することと、前記トナー粒子を回復させることと、前記トナー粒子を基板に塗布して、未完成の単分子層を形成することと、前記トナー粒子を前記基板に対して溶融させて、画像を形成することとを含む。前記画像は、厚さが約1μm〜約5μmである完成した単分子層を含む。記画像の前記厚さは、前記トナー粒子の直径の約70%よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本開示のトナーの画像の形成(図1C)を示し、本開示のトナーの画像の形成(図1C)と、高度顔料ローディングによるより小型のトナー(図1B)およびノミナル顔料を用いた比較用トナー(図1A)とを比較している。
【図1B】本開示のトナーの画像の形成(図1C)を示し、本開示のトナーの画像の形成(図1C)と、高度顔料ローディングによるより小型のトナー(図1B)およびノミナル顔料を用いた比較用トナー(図1A)とを比較している。
【図1C】本開示のトナーの画像の形成(図1C)を示し、本開示のトナーの画像の形成(図1C)と、高度顔料ローディングによるより小型のトナー(図1B)およびノミナル顔料を用いた比較用トナー(図1A)とを比較している。
【図2A】本開示のトナーを比較用トナーと比較した場合の、顔料ローディング(図2Aおよび図2B)および粒径(図2Cおよび図2D)の関数として装填されるAゾーンおよびCゾーンを示すグラフである。
【図2B】本開示のトナーを比較用トナーと比較した場合の、顔料ローディング(図2Aおよび図2B)および粒径(図2Cおよび図2D)の関数として装填されるAゾーンおよびCゾーンを示すグラフである。
【図2C】本開示のトナーを比較用トナーと比較した場合の、顔料ローディング(図2Aおよび図2B)および粒径(図2Cおよび図2D)の関数として装填されるAゾーンおよびCゾーンを示すグラフである。
【図2D】本開示のトナーを比較用トナーと比較した場合の、顔料ローディング(図2Aおよび図2B)および粒径(図2Cおよび図2D)の関数として装填されるAゾーンおよびCゾーンを示すグラフである。
【図3A】本開示のトナーの光学密度を比較用トナーと比較して、CX+紙およびDCEG紙上のトナー単位面積質量(TMA)の関数として示すグラフである。
【図3B】本開示のトナーの光学密度を比較用トナーと比較して、CX+紙およびDCEG紙上のトナー単位面積質量(TMA)の関数として示すグラフである。
【図4A】本開示のトナーを画質について比較用トナーと比較したグラフであり、それぞれ、モトル(図4A)、粒状性(図4B)、粒状性の関数としてのモトル(図4C)、および線幅および線密度(図4D)について比較している。
【図4B】本開示のトナーを画質について比較用トナーと比較したグラフであり、それぞれ、モトル(図4A)、粒状性(図4B)、粒状性の関数としてのモトル(図4C)、および線幅および線密度(図4D)について比較している。
【図4C】本開示のトナーを画質について比較用トナーと比較したグラフであり、それぞれ、モトル(図4A)、粒状性(図4B)、粒状性の関数としてのモトル(図4C)、および線幅および線密度(図4D)について比較している。
【図4D】本開示のトナーを画質について比較用トナーと比較したグラフであり、それぞれ、モトル(図4A)、粒状性(図4B)、粒状性の関数としてのモトル(図4C)、および線幅および線密度(図4D)について比較している。
【図5】本開示のトナーをCX+紙およびDCEG紙上で比較用トナーと比較した場合の発達(光学密度(O.D.))曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、当該印刷物上の色層の層厚さがトナー粒径よりも小さくなるように、トナー粒径を変化させることなくトナー層厚さを低減する印刷プロセスおよびトナーを提供する。
【0010】
実施形態において、本開示は、トナー粒子の調製プロセスを提供する。前記プロセスは、乳化重合会合製法による合成において遷移金属粉末および/または遷移金属塩をトナー粒子に付加して、前記トナー粒子の高速合体を促進することを含み、前記トナー粒子は、高レベルの真円度を有する。
【0011】
本開示のトナーは、ラテックス樹脂を顔料と共に含み得る。前記ラテックス樹脂は、当業者の知識の範囲内の任意の方法によって調製することができるが、実施形態において、前記ラテックス樹脂は、エマルション重合方法(例えば、半連続エマルション重合)によって調製され得、前記トナーは、乳化重合会合製法によるトナーを含み得る。乳化重合会合製法では、サブミクロンのラテックスおよび顔料粒子双方をトナーサイズ粒子に凝集させ、実施形態における粒径の成長は、例えば約0.1μm〜約15μmである。
【0012】
本開示のプロセスにおいて、任意のトナー樹脂を用いることができる。このような樹脂は、任意の適切な重合方法を介して任意の適切なモノマー(単数または複数)で構成してよい。実施形態において、前記樹脂は、エマルション重合以外の方法で調製してもよい。さらなる実施形態において、前記樹脂は、縮合重合によって調製してもよい。
【0013】
本開示のトナー組成物は、実施形態において、非晶質樹脂を含む。前記非晶質樹脂は、直鎖状樹脂であってもよいし、あるいは分枝鎖状樹脂であってもよい。
【0014】
実施形態において、適切な直鎖状非晶質ポリエステル樹脂は、以下の式(I)を有するポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−フマレート)樹脂であり得る。
【化I】


ここで、mは、約5〜約1000であり得る。
【0015】
実施形態において、前記低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、飽和非晶質ポリエステル樹脂または不飽和非晶質ポリエステル樹脂であり得る。
【0016】
前記低分子量直鎖状非晶質ポリエステル樹脂は一般的には、有機ジオール、二塩基酸またはジエステルおよび重縮合触媒の重縮合により、調製され得る。
【0017】
前記低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、分枝鎖状樹脂であり得る。本明細書中用いられる「分枝鎖状」または「分枝状」という用語は、分枝鎖状樹脂および/または架橋樹脂であり得る。
【0018】
飽和二塩基酸および不飽和二塩基酸(または無水物)と、二価アルコール(グリコールまたはジオール)との間の高精度のin situ反応が得られるように、直鎖状または分枝鎖状の不飽和ポリエステルを選択する。その結果得られた不飽和ポリエステルは、2つの前部上で(すなわち、(i)ポリエステル鎖に沿った不飽和部(二重結合)と、(ii)酸塩基反応を受け入れられる官能基(例えば、カルボキシル、ヒドロキシなどの基)との間)上で反応性(例えば、架橋性)となる。典型的な不飽和ポリエステル樹脂は、二塩基酸および/または無水物およびジオールを用いて、メルト重縮合または他の重合プロセスによって調製される。
【0019】
前記選択された非晶質ポリエステル樹脂の作製において用いられるモノマーは限定されず、用いられるモノマーは、例えば、エチレン、プロピレンなどのうちの任意の1つ以上のものを含み得る。公知の連鎖移動剤(例えば、ドデカンチオールまたは四臭化炭素)を用いて、前記ポリエステルの前記分子量特性を制御することができる。前記モノマーから前記非晶質ポリエステルまたは結晶性ポリエステルを形成するための任意の適切な方法を制限無く用いることができる。
【0020】
本開示のトナー粒子中の前記低分子量非晶質ポリエステル樹脂の量については、コア部内であろうと、任意のシェル部内であろうと、またはコア部およびシェル部の双方内であろうと、前記トナー粒子(すなわち、外部添加剤および水を除いたトナー粒子)の25〜約50重量パーセントの量で存在し得、実施形態において約30〜約45重量パーセントの量で存在し得、実施形態において約35〜約43重量パーセントの量で存在し得、る。
【0021】
実施形態において、前記トナー組成物は、少なくとも1つの結晶性樹脂(実施形態において、結晶性ポリエステル樹脂)を含む。本明細書中用いられる「結晶性ポリエステル樹脂」という用語は、示差走査熱量測定(DSC)において段階的な吸熱量変化ではなく明確な吸熱ピークを示す樹脂を含む。しかし、結晶性ポリエステル主鎖および少なくとも1つの他の成分の共重合によって得られたポリマーも、その他の成分が50重量%以下である場合に、本明細書中結晶性ポリエステルと呼ぶ場合がある。
【0022】
実施形態において、前記結晶性ポリエステル樹脂は、飽和結晶性ポリエステル樹脂または不飽和結晶性ポリエステル樹脂である。
【0023】
前記結晶性ポリエステル樹脂は、複数の供給源から入手可能であり、多様な融点(例えば、約30°C〜約120°C、実施形態において約50°C〜約90°C)を持ち得る。
【0024】
前記結晶性樹脂は、重縮合プロセスによって重縮合触媒の存在下で適切な有機ジオール(単数または複数)および適切な有機二塩基酸(単数または複数)を反応させることにより、調製することができる。
【0025】
本開示のトナー粒子中の前記結晶性ポリエステル樹脂の量は、コア部内であろうと、任意のシェル部内であろうと、またはコア部およびシェル部の双方内であろうと、前記トナー粒子(すなわち、外部添加剤および水を除いたトナー粒子)の1〜約15重量パーセント(実施形態において約5〜約10重量パーセント、実施形態において約6〜約8重量パーセント)の量で存在し得る。
【0026】
実施形態において、本開示のトナーは、少なくとも1つの高分子量分枝鎖状ポリエステル樹脂または架橋非晶質ポリエステル樹脂も含み得る。この高分子量樹脂は、実施形態において、例えば、分枝鎖状非晶質樹脂または非晶質ポリエステル、架橋非晶質樹脂または非晶質ポリエステル、またはその混合物、または架橋が行われた非架橋非晶質ポリエステル樹脂を含み得る。本開示によれば、約1重量%〜約100重量%の記高分子量非晶質ポリエステル樹脂を分枝鎖状または架橋とすることができ、実施形態において約2重量%〜約50重量%の前記より高分子量の非晶質ポリエステル樹脂を分枝鎖状または架橋にすることができる。
【0027】
前記高分子量非晶質樹脂は、複数の供給源から入手可能であり、多様なガラス転移開始温度(Tg)(例えば、示差走査熱量測定(DSC)によって測定されたガラス転移開始温度(Tg)が約40°C〜約80°C、実施形態において約50°C〜約70°C、実施形態において約54℃〜約68℃)を持ち得る。前記直鎖状非晶質ポリエステル樹脂および分枝鎖状非晶質ポリエステル樹脂は、実施形態において、飽和樹脂または不飽和樹脂であり得る。
【0028】
前記高分子量非晶質ポリエステル樹脂は、分枝状ポリエステル樹脂または架橋直鎖状ポリエステル樹脂により、調製され得る。一般的にポリエステルの分子量および多分散性を増加させる分岐剤(例えば、三官能性モノマーまたは多官能性モノマー)を用いることができる。
【0029】
実施形態において、架橋ポリエステル樹脂は、フリーラジカル条件下において反応し得る不飽和部分を含む直鎖状非晶質ポリエステル樹脂から作製され得る。
【0030】
実施形態において、架橋分枝鎖状ポリエステルは、高分子量非晶質ポリエステル樹脂として用いることができる。
【0031】
少なくとも2つの官能基を有する脂肪族多官能性酸は、約2〜約100個の炭素原子またはそのエステル(いくつかの実施形態において、約4〜約20個の炭素原子)を含む飽和酸および不飽和酸を含み得る。
【0032】
実施形態において、前記高分子量樹脂(例えば、分枝鎖状ポリエステル)は、本開示のトナー粒子の表面上に存在し得る。前記トナー粒子の表面上の前記高分子量樹脂は、実質的に微粒子であってもよく、その場合、高分子量樹脂粒子の直径は約100ナノメートル〜約300ナノメートル、実施形態において約110ナノメートル〜約150ナノメートルである。
【0033】
本開示のトナー粒子中の高分子量非晶質ポリエステル樹脂の量については、コア部内であろうと、任意のシェル部内であろうと、またはコア部およびシェル部の双方内であろうと、前記トナーの約25%〜約50重量%、実施形態において約30%〜約45重量%、他の実施形態において前記トナー(すなわち、外部添加剤および水を除いたトナー粒子)の約40%〜約43重量%であり得る。
【0034】
実施形態において、樹脂、ワックス、およびトナー組成物の形成に用いられる他の添加剤は、界面活性剤を含んで分散させることができる。さらに、トナー粒子を乳化重合会合製法によって形成することができ、この場合、前記トナーの樹脂および他の成分を1つ以上の界面活性剤中に配置し、エマルションを形成し、トナー粒子に対し、凝集、合体、任意選択の洗浄および乾燥および回復を行う。
【0035】
1つ、2つまたはそれ以上の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤は、イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤から選択することができる。「イオン界面活性剤」という用語には、イオン界面活性剤およびカチオン界面活性剤が含まれる。実施形態において、前記界面活性剤の量については、前記トナー組成物の約0.01%〜約5重量%(例えば、前記トナー組成物の約0.75%〜約4重量%、実施形態において前記トナー組成物の約1%〜約3重量%)の量で存在するように、用いればよい。
【0036】
上述した樹脂エマルションの樹脂(実施形態においてはポリエステル樹脂)は、トナー組成物の形成に用いることができる。このようなトナー組成物を挙げると、任意選択の着色剤、任意選択のワックス、および他の添加剤がある。トナー形成は、当業者の知識の範囲内の任意の方法(例えば、乳化重合会合製法(しかしこれに限定されない))を用いて行うことができる。
【0037】
上述したように生成されたラテックス粒子を着色剤に付加して、トナーを生成することができる。実施形態において、前記着色剤は分散状であり得る。このような着色剤の分散状態を挙げると、例えば、サブミクロンの着色剤粒子があり、このような着色剤粒子のサイズは、例えば体積平均直径が約50〜約500ナノメートルであり、実施形態において、体積平均直径が約100〜約400ナノメートルである。前記着色剤粒子は、イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、またはその組み合わせを含む水性水相中に懸濁され得る。適切な界面活性剤としては、上述した界面活性剤のうち任意のものがある。実施形態において、界面活性剤はイオン性であり得、前記着色剤の約0.1〜約25重量パーセント、実施形態において前記着色剤の約1〜約15重量パーセントの量で分散状態で存在し得る。
【0038】
実施形態において、本開示のトナーは、高顔料ローディングを持ち得る。本明細書中用いられる高顔料ローディングを挙げると、例えば、トナーの約7重量パーセント〜トナーの約40重量パーセント、実施形態においてトナーの約10重量パーセント〜トナーの約18重量パーセントの量の着色剤を有するトナーがある。
【0039】
その結果得られたラテックスは、任意選択的に分散状にすることができ、着色剤分散物を撹拌し、約35°C〜約70°C、実施形態において約40°C〜約65°Cの温度まで加熱することができる。その結果得られたトナー凝集物は、体積平均直径、が約2μm〜約10μmであり、実施形態において体積平均直径が約5μm〜約8μmである。
【0040】
任意選択的に、トナー粒子の形成において、ワックスを前記樹脂と組み合わせてもよい。ワックスを含める場合、ワックスの存在量としては、例えば、トナー粒子の約1重量パーセント〜約25重量パーセント、実施形態においてトナー粒子の約5重量パーセント〜約20重量パーセントである。
【0041】
トナー粒子の調製は、当業者の知識の範囲内の任意の方法によって行うことができる。トナー粒子生成に関連する実施形態について、乳化重合会合製法プロセスについて以下に説明するが、化学的プロセス(例えば、米国特許第5,290,654号および5,302,486号中に開示されている懸濁プロセスおよびカプセル化プロセス)などの、任意の適切なトナー粒子調製方法を用いることができる。実施形態において、トナー組成物およびトナー粒子の調製を凝集プロセスおよび合体プロセスによって行うことができ、その場合、小型樹脂粒子を凝集させて適切なトナー粒径とし、その後これらの粒子を合体させて、最終的なトナー粒子形状および形態を達成する。
【0042】
実施形態において、トナー組成物の調製を、乳化重合会合製法プロセス(例えば、任意選択のワックスおよび任意の他の所望のまたは必要な添加剤、および上述した樹脂を含むエマルションの混合物を任意選択的に上述した界面活性剤中に凝集させた後、前記凝集した混合物を合体させるプロセス)によって行うことができる。混合物の調製は、任意選択のワックスまたは他の材料(これもやはり任意選択的に界面活性剤を含む分散物(単数または複数)にしてよい)をエマルションに付加することにより、行うことができる。前記エマルションは、前記樹脂を含む2つ以上のエマルションの混合物であり得る。その結果得られた混合物のpHは、例えば酢酸、硝酸などの酸により、調節することができる。実施形態において、前記混合物のpHは、約2〜約4.5に調節することができる。さらに、実施形態において、前記混合物は均質化してもよい。前記混合物を均質化する場合、約600〜約4,000回転/分での混合により、均質化を達成することができる。
【0043】
上記混合物の調製の後、凝集剤が前記混合物に付加され得る。トナー形成のために、任意の適切な凝集剤を用いることができる。適切な凝集剤を挙げると、例えば、二価陽イオン材料または多価陽イオン材料の水溶液がある。
【0044】
用いられる混合物に凝集剤をを付加して、例えば前記混合物中の樹脂の約0.1%〜約8重量%(実施形態において約0.2%〜約5重量%、他の実施形態において約0.5%〜約5重量%)の量でトナーを形成する。その結果、十分な量の凝集剤が得られる。
【0045】
粒子の凝集および合体の制御のために、実施形態において、前記混合物中の前記凝集剤を経時的に測定してもよい。
【0046】
所定かつ所望の粒径が得られるまで、粒子の凝集を行う。所定かつ所望のサイズとは、形成前に決定された、得られるべき所望の粒径のことを指し、成長プロセス時において、このような粒径に到達するまで、粒径を監視する。成長プロセス時においてサンプルを採取し、例えばコールターカウンターによって平均粒径について分析することができる。このように、凝集粒子が得られるように、撹拌を維持しつつ、高温を維持するかまたは温度を例えば約40℃〜約100℃まで上昇させた後混合物をこの温度で約0.5時間〜約6時間(実施形態において約時間1〜約5時間)維持することにより、凝集の促進を行うことができる。所定かつ所望の粒径に到達した後は、成長プロセスを停止させる。実施形態において、前記所定かつ所望の粒径は、上記したトナー粒径範囲内である。
【0047】
前記凝集剤の付加に続く前記粒子の成長および成形は、任意の適切な条件下で達成することができる。例えば、前記成長および成形は、凝集が合体と別に発生する条件下で行うことができる。凝集段階および合体段階を別個とするために、上述したような樹脂のガラス転移温度よりも低い高温(例えば約40℃〜約90℃、実施形態において約45℃〜約80℃)において、凝集プロセスを行えばよい。
【0048】
実施形態において、凝集後でありかつ合体前のタイミングにおいて、前記凝集した粒子にシェル部が付加され得る。
【0049】
シェル部の形成において用いることが可能な樹脂を非限定的に挙げると、上述したコア部内に用いられる非晶質樹脂がある。このような非晶質樹脂は、低分子量樹脂、高分子量樹脂またはその組み合わせであり得る。実施形態において、本開示に従ってシェル部の形成において用いることが可能な非晶質樹脂を挙げると、上記の式Iの非晶質ポリエステルがある。
【0050】
いくつかの実施形態において、シェル部の形成に用いられる非晶質樹脂は、架橋され得る。
【0051】
架橋剤および非晶質樹脂を十分な時間をかけかつ十分な温度で組み合わせることで、架橋ポリエステルゲルを形成することができる。
【0052】
単一のポリエステル樹脂をシェル部として用いてもよいし、あるいは、上述したように、実施形態において第1のポリエステル樹を脂他の樹脂と組み合わせてシェル部を形成してもよい。複数の樹脂を任意の適切な量で用いることができる。実施形態において、第1の非晶質ポリエステル樹脂(例えば、上記の式Iの低分子量非晶質樹脂)の存在量は、シェル部樹脂全体の約20重量パーセント〜約100重量パーセント、実施形態においてシェル部樹脂全体の約30重量パーセント〜約90重量パーセントであり得る。そのため、実施形態において、第2の樹脂(実施形態において、高分子量非晶質樹脂)は、シェル部樹脂全体の約0重量パーセント〜約80重量パーセント(実施形態において、シェル部樹脂全体の約10重量パーセント〜約70重量パーセント)の量だけシェル部樹脂内に存在し得る。
【0053】
その後、ラテックス、着色剤、任意選択のワックスおよび任意の添加剤の混合物を合体させる。合体は、撹拌と、約80°C〜約99°Cの温度での約0.5〜約12時間(実施形態において約1〜約6時間)の加熱とを含み得る。さらなる撹拌により、合体を加速させることができる。
【0054】
上記したように、本開示のトナーのための高顔料ローディングに関わる1つの問題として、pHが極めて低い場合にも、合体ステップ時におけるトナーの球状化能力が低下し得る点がある。そのため、実施形態において、合体プロセスの開始時に、遷移金属粉末および/または遷移金属塩を、ラテックス、着色剤、任意選択のワックスおよび任意の添加剤の混合物に付加すればよい。
【0055】
実施形態において、硝酸銅(例えば、硝酸銅(II))を金属塩として用いることができる。他の実施形態において、鉄塩(例えば、硝酸鉄)を金属塩として用いることができる。
【0056】
遷移金属粉末および/または遷移金属塩を使用することにより、高度に着色されたポリエステルトナーの高速合体が可能となる。合体は、約0.1時間〜約10時間(実施形態において、約0.5時間〜約3.5時間)にわたって発生し得る。
【0057】
驚くべきことに、遷移金属粉末および/または遷移金属塩を存在させることにより、高速トナー合体が促進され、これにより、約0.95を越える真円度を達成することができる。この向上したプロセスを用いない場合、高度に着色されたEAトナーン中のトナー真円度は、約0.94未満となり得る。得られたトナー粒子には、不溶性遷移金属粉末の付加および/または前記金属塩の付加に起因する不利な特性は発生しない。実際には、最終的なトナー内に残る金属はごく少量である。
【0058】
さらに、本開示の高度に着色されたトナーは、より高レベルの顔料を有し得る。
【0059】
実施形態において、合体後の混合物のpHは、例えば酸を付加してトナー凝集物をさらに合体させることにより、約3.5〜約6(実施形態において、約3.7〜約5.5)まで低下させることができる。
【0060】
混合物に対し、冷却、洗浄および乾燥が行われ得る。冷却は、約20°C〜約40°C(実施形態において約22°C〜約30°C)の温度で約1時間〜約8時間(実施形態において約1.5時間〜約5時間)にわたって行う。
【0061】
実施形態において、合体したトナースラリーの冷却は、冷却媒体(例えば、氷、ドライアイスなど)の付加による急冷を含み得、これにより、約20°C〜約40°C(実施形態において約22°C〜約30°C)の温度まで急冷させることができる。
【0062】
その後、トナースラリーは洗浄され得る。洗浄は、約7〜約12のpH(実施形態において約9〜約11のpH)で実施することができる。
【0063】
乾燥は、約35°C〜約75°Cの温度(実施形態において約45°C〜約60°Cの温度)で行うことができる。粒子の水分レベルが設定目標値である約1重量%未満(実施形態において約0.7重量%未満)になるまで、乾燥を継続することができる。
【0064】
実施形態において、トナー粒子は、他の任意選択の添加剤を所望なだけまたは必要なだけ含み得る。例えば、トナーは、正電荷制御剤または負電荷制御剤を、例えばトナーの約0.1〜約10重量パーセント(実施形態において、トナーの約1〜約3重量パーセント)の量だけ含み得る。
【0065】
トナー粒子と、流動性改質剤を含む外部添加剤粒子とを混合してもよく、このような添加剤は、トナー粒子の表面上に存在し得る。
【0066】
実施形態において、本開示のトナーは、極低融点(ULM)トナーとして使用され得る。実施形態において、外面添加剤を除くドライトナー粒子は、以下の特性を有し得る。
【0067】
(1)数平均幾何標準偏差(GSDn)および/または体積平均幾何標準偏差(GSDv)は、約1.05〜約1.55(実施形態において約1.1〜約1.4)である。
【0068】
(2)ガラス転移温度は、約40°C〜約65°C(実施形態において約50°C〜約62°C)である。
【0069】
トナー粒子の特性は、任意の適切な技術および装置により、決定することができる。体積平均粒径D50v、GSDvおよびGSDnの測定は、測定器(例えば、ベックマンコールターマルチサイザー3)をメーカーからの指示事項に基づいて操作することにより、行うことができる。代表的なサンプリングは、以下のようにして行うことができる。約1グラムの少量のトナーサンプルを入手し、25マイクロメータスクリーンを通じて濾過した後、前記サンプルを等張液内に入れて濃度を約10%にした後、前記サンプルをベックマンコールターマルチサイザー3内に入れる。
【0070】
このように形成されたトナー粒子は、現像剤組成物として調合することができる。トナー粒子をキャリア粒子と混合して、二成分現像剤組成物を達成することができる。現像剤内のトナー濃度は、現像剤の総重量の約1%〜約25重量%(実施形態において、現像剤の総重量の約2%〜約15重量%)であり得る。
【0071】
選択されたキャリア粒子には、コーティングをしてもよいし、コーティングをしなくてもよい。実施形態において、キャリア粒子は、コーティングが表面に施されたコア部を含み得る。このコーティングは、帯電列内においてコア部に近接していないポリマー混合物から形成され得る。
【0072】
実施形態において、その結果得られるコポリマーの適切な粒径が保持できる限り、PMMAを任意の所望のコモノマーと任意選択的に共重合させることができる、適切なコモノマーを挙げると、モノアルキルまたはジアルキルアミン(例えば、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジイソプロピルアミノエチル、またはt−メタクリル酸ブチルアミノエチルなど)がある。キャリア粒子の調製は、コーティングされたときのキャリア粒子の重量に基づいたポリマーの量を約0.05〜約10重量パーセントの量(実施形態において、約0.01〜約3重量パーセントの量)とし、機械的固着および/または静電気引力によってこのポリマーがキャリアコア部に接着されるまでこのポリマーをキャリアコア部と混合することにより、行うことができる。
【0073】
多様な有効かつ適切な手段を用いて、前記ポリマーを前記キャリアコア部粒子の表面に塗布することができ、例えば、カスケードロール混合、転動、ミリング、振盪、静電粉末雲噴霧、流動層、静電ディスク処理、静電カーテン、その組み合わせなどを用いることができる。その後、キャリアコア部粒子およびポリマーの混合物を加熱して、前記ポリマーを溶融させ、キャリアコア部粒子にフューズさせることができる。その後、コーティングされたキャリア粒子を冷却し、その後所望の粒径に分類することができる。
【0074】
キャリア粒子は、多様な適切な組み合わせでトナー粒子と混合することができる。その濃度は、トナー組成物の約1%〜約20重量%であり得る。しかし、他のトナーおよびキャリアパーセントを用いて、所望の特性の現像剤組成物を達成することも可能である。
【0075】
前記トナーは、静電写真プロセスまたは電子写真プロセス(例えば、米国特許第4,295、990号に開示のもの)に用いることができる。実施形態において、任意の公知の種類の現像システムを、現像デバイス(例えば、マグネットブラシ現像、一成分ジャンピング現像、ハイブリッドスカベンジレス現像(HSD)など)において用いることができる。上記および類似の発達システムは、当業者の知識の範囲内である。
【0076】
実施形態において、本開示のトナーによる画像形成に用いることが可能な電子写真印刷装置は、半導体マグネットブラシ現像(SCMB)を用い得る。このような印刷装置は、当業者の知識の範囲内であり、その例としては、実施形態において、米国特許第7,546,069号に開示されているものがある。
【0077】
画像化プロセスは、例えば、帯電成分、画像化成分、光導電性成分、現像成分、転写成分および溶融成分を含む電子写真デバイスにより画像を作製することを含む。実施形態において、前記現像成分は、キャリアと本明細書中記載されるトナー組成物とを混合することにより得られた現像剤を含み得る。電子写真デバイスを挙げると、高速プリンター、モノクロ高速プリンター、カラープリンターなどがある。
【0078】
適切な現像方法(例えば、上記した方法のうちの任意の1つ)を介してトナー/現像剤により画像を形成した後、この画像を画像受容媒体(例えば、紙など)上に転写することができる。実施形態において、前記トナーは、フューザーロール部材を用いた現像デバイスにおける画像の現像において用いることができる。フューザーロール部材は、当業者の知識の範囲内の接触加熱定着デバイスであり、前記ロールからの熱および圧力を用いて、トナーを画像受容媒体上で定着させることができる。実施形態において、前記フューザー部材は、画像受容基板上への溶融後または画像受容基板上への溶融時において、前記トナーの溶融温度を越える温度(例えば、約70℃〜約160℃の温度、実施形態において約80℃〜約150℃、他の実施形態において約90℃〜約140℃)に加熱することができる。
【0079】
トナー樹脂が架橋性である実施形態において、このような架橋は、任意の適切な様式で達成することができる。
【0080】
本開示の方法を用いれば、同じ画像を得る際により少量のトナーで済む、高度に着色されたトナーを製造することができる。これらの高度に着色されたトナーを用いた場合、顔料ローディングをノミナル値よりも約33〜約100%増加させることができる。印刷物上のトナー単位面積質量(TMA)を低減すると、トナー層がより肉薄となる。このTMA低減を補償しつつ正確な光学密度を得るためには、画像層の顔料の全体量が変わらないように、トナー中への顔料ローディング量を前記TMAに反比例して増加させることが必要である。その結果、前記TMA低減に比例してトナー使用コストを低減させることができる。トナー層がより肉薄となることによっても、オフセット印刷のような印刷物に近い仕上がりを得ることが可能となる。これは、オフセットインクを用いると、印刷物上の画像層を肉薄とすることができるからである。
【0081】
よって、図1に示すように、従来のトナー(図1A)、およびより小型の粒径(図1B)の高度に着色されたトナーと比較して、本開示のトナー(図1C)は、望ましいより薄い厚さおよびTMAのトナー層を達成しつつ、高度に着色されかつより大きなサイズとすることができる。
【0082】
例えば、本開示のトナーの平均トナー直径を約5.8μmとして、このトナーを用いて、厚さ約5.5μmのベタ領域パッチ単分子層のカラートナーを製造することができる。トナーサイズを直径約4μmに低減した場合、4.2μmのベタ領域パッチ単分子層の色厚さが得られ、これは、より大型のトナーと比較して、層厚さを約30%低減できたことになる。光学密度を整合させるために、顔料ローディングを約45%だけ増加させる必要がある。しかし、4μmのトナーを用いた場合、現像剤ラチチュードが実質的に低減する。なぜならば、トナー濃度(TC)が約12%以上であるときにCゾーンにおいてのみ、所望の画像密度が到達できるからである。Aゾーンにおけるラチチュードも低減しているが、装填量の低減により対応可能である。
【0083】
上記により、TMA量を通常みられる量よりも低減するように顔料ローディングを増加した場合、より小型のトナーで現像ラチチュードを維持できることが分かる。従って、従来よりも小型のサイズトナーを用いた場合も、トナー層の厚さは、トナー直径と差が無かった。本開示によれば、小型トナーを用いることにより、印刷物上のトナー層を、低減した粒径よりも薄くすることができ、よって高度に着色されたより小型のトナーよりも薄くすることができる。小型のトナーサイズに起因するラチチュード低減は、TMA低減の増進により、相殺することができる。
【0084】
トナー(特に、既に極めて小さなサイズとなっているため、トナーサイズの小型化による問題を最も被るであろう乳化重合会合製法(EA)によるトナー、およびEA極低融点(ULM)トナー)に関する別の選択肢として、トナーサイズは低減せず、かつ、画像上に現像されるトナーの量は低減する方法がある。トナー粒子は同一サイズに保持したままでTMAを低減した場合、初期の未溶融の現像トナー粒子は、全ベタ領域パッチ内の基板さえも完全に被覆することができない。溶融時において、EA ULMは良好に流動して画像内を満たし、これにより、粗い紙上でも、優れたベタ領域パッチを得ることができる。換言すれば、基板上に塗布されたトナー粒子は、溶融前の未完成層を形成した後、溶融後に、完成した単分子層を形成することができる。TMA低減の補償を支援しつつ、正確な光学密度を得るために、画像層中の顔料の総量が変わらないように、トナー中への顔料ローディングを前記TMA低減量に比例して増加させてもよい。実施形態において、その結果得られたトナーの直径は5μmを越え、その結果、トナー層厚さは5μm未満となる。下記例中で述べるように、TMAを30%低減した場合、このアプローチによるEAULMトナーを5.9μmとすることができ、その結果、顔料ローディングは45%増加する。
【0085】
このように、本開示は、以下のような印刷プロセスおよびトナーを提案する。前記印刷プロセスおよびトナーによれば、印刷物上の単色100%ベタ領域画像層の最終的なトナー層厚さは、トナー粒径よりもずっと薄く、その結果、直径が5μmよりも大きなトナー粒子から、約5μm未満の層厚さを得ることが可能となる。
【0086】
よって、トナー粒子の体積直径は、約2μm〜約7μm(実施形態において約3〜約6μm)であり得る。他の実施形態において、トナー粒子の体積直径は、約3.5μm〜約5μm(実施形態において約4μm〜約4。5μm)であり得る。
【0087】
溶融後、基板上のトナー粒子は、画像を形成する。その結果得られた100%ベタ領域の単色画像の厚さは、約1μm〜約5μm(実施形態において、約2μm〜約4μm)であり得る。
【0088】
このように、本開示によれば、100%単色ベタ領域の画像の厚さを、画像の形成に用いられるトナー粒子の直径の約70%未満とすることができ、実施形態において、画像厚さを、画像の形成に用いられるトナー粒子の直径の約30%〜約65%(実施形態において、画像の形成に用いられるトナー粒子の直径の約40%〜約60%)とすることができる。言い換えれば、実施形態において、溶融後の単色ベタ領域層厚の溶融前の層厚さに対する比は、0.65未満(実施形態において約0.30〜約0.65、実施形態において約0.40〜約0.55)である。
【0089】
実施形態において、受容可能な印刷密度を、受容可能な画像モトル性能と共に達成することが望ましい。専門家による評価を用いて、受容可能なモトルが達成された後、反射光学密度(O.D.)と関連する時期を決定する。反射光学密度(O.D.)は、より高い密度における画像光沢および飽和に依存する。技術的目的のために、定着印刷物の反射O.D.を測定し、受容可能な画質が到達した時期と関連付ける。現時点では、受容可能な画質は、反射O.D.が少なくとも約1.6であるときに到達している。反射O.D.は、いくつかの要素のうち、基板および画質に依存し得る。本開示によれば、トナーの100%の単一層光学密度は、約1.6〜約2.3(実施形態において約1.7〜約2.2)であり得る。
【0090】
実施形態において、トナー粒子の体積直径に対する(基板上の画像によって発見される)トナー単位面積質量の比は、約0.050mg/cm/μm〜約0.075mg/cm/μm(実施形態において、約0.055mg/cm/μm〜約0.070mg/cm/μm)であり得る。
【0091】
実施形態において、本開示のプロセスを用いて、モノクロ画像(すなわち、単色が印刷された画像)を形成することができる。他の実施形態において、本開示のプロセスは、複数の色(実施形態において約2色〜約8色、他の実施形態において約3色〜約6色)の印刷を含み得る。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスであって、
乳化重合会合製法によるトナー粒子を基板に塗布することと、
前記トナー粒子を前記基板に対して溶融させて、画像を形成することと、
を含み、
100%ベタ領域単色パッチ用の前記画像の厚さは約1μm〜約5μmであり、画像の前記厚さは、前記トナー粒子の直径の約70%未満である、
プロセス。
【請求項2】
前記トナー粒子の体積直径は、約2μm〜約7μmであり、溶融後の前記単色ベタ領域層厚さと、溶融前の前記層厚さとの比は、0.65未満であり、前記100%単一層光学密度は約1.6〜約2.3であり、前記100%単一層光学密度は約1.7〜約2.2である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
プロセスであって、
少なくとも1つのポリエステル樹脂、少なくとも1つの着色剤、少なくとも1つの界面活性剤および任意選択のワックスを含むトナー粒子を形成することと、
前記トナー粒子を基板に塗布して、未完成の単分子層を形成することと、
前記トナー粒子を前記基板に対して溶融させて、画像を形成することと、
を含み、
前記画像は、厚さが約1μm〜約5μmである完成した単分子層を含み、前記画像の前記厚さは、前記トナー粒子の直径の約70%よりも小さい、
プロセス。
【請求項4】
プロセスであって、
少なくとも1つのポリエステル樹脂と、少なくとも1つの着色剤、少なくとも1つの界面活性剤および任意選択のワックスとを接触させて、小粒子を有するエマルションを形成することと、
前記小粒子を凝集させることと、
銅、鉄およびその合金からなる群から選択された金属塩を前記小粒子に付加することと、
前記凝集した粒子を合体させて、トナー粒子を形成することと、
前記トナー粒子を回復させることと、
前記トナー粒子を基板に塗布して、未完成の単分子層を形成することと、
前記トナー粒子を前記基板に対して溶融させて、画像を形成することと、
を含み、
前記画像は、厚さが約1μm〜約5μmである完成した単分子層を含み、前記画像の前記厚さは、前記トナー粒子の直径の約70%よりも小さい、
プロセス。

【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−221527(P2011−221527A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76634(P2011−76634)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】