説明

画像印刷装置および方法、並びにプログラム

【課題】利用者による余計な操作を必要とせず、より簡単に、より見栄えのよい仕上がりの写真シールを提供する。
【解決手段】印刷制御部231は、カメラによって撮影された画像のシール紙への印刷を制御し、熱量設定部233は、画像について生成される撮影情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、撮影情報に対応づけられている転写熱量を、シール紙にオーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定する。そして、印刷制御部231は、熱量設定部233により設定された転写熱量での、シール紙へのオーバーコート層の印刷を制御する。本発明は、例えば、写真シール作成装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像印刷装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、より見栄えのよい仕上がりのシール紙を提供することができるようにする画像印刷装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者(被写体)を撮影し、得られた撮影画像に予め用意されている画像を合成したり、文字や線画を重畳させたりする落書き編集処理を行い、シール紙に印刷し、写真シールとして利用者に提供する写真シール機が存在する。
【0003】
この写真シール機は、例えば、ゲームセンタ等の娯楽(遊戯)施設に設置され、主に女子高校生や女子中学生等を中心とする利用者に有料でサービスを提供する。利用者は、写真シールの作成作業をゲームとして楽しむだけでなく、出力される様々なサイズの編集済み画像が印刷されている写真シールを仲間同士で切り分け合って、それぞれの所持品に貼り付けたりしている。
【0004】
通常、写真シール機においては、写真シールを印刷するプリンタとして、昇華型プリンタが用いられている。昇華型プリンタによれば、写真シールは、シール紙に印刷された編集済み画像を保護するために、編集済み画像が印刷されたシール紙の上に、表面加工として、透明のオーバーコート層がさらに印刷されて提供される。このオーバーコート層を印刷する際の転写熱量が所定の熱量より小さい場合には、写真シールの表面は光沢があるものとなり、転写熱量が所定の熱量より大きい場合には、写真シールの表面は光沢がないものとなる。
【0005】
そこで、ユーザからの光沢の有無を選択する指示に基づいて、写真シールの表面の質感を選択するようにした写真シール機がある(特許文献1参照)。
【0006】
また、シール紙に印刷された画像において、ユーザに指定された色に応じて、写真シールの表面に光沢の変化をもたせるようにしたものがある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−74540号公報
【特許文献2】特許4257078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1,2の手法においては、ユーザが写真シールの表面の質感を選択する必要があり、それはユーザにとって面倒な操作であった。特に、特許文献2の手法においては、特定の表色要素として画像の一部分を抽出して明度判定を行い、画像全体ではなく、特定の表色要素に対してのみ光沢の変化をもたせているが、その特定の表色要素をユーザに設定させるようにしている。したがって、初心者や写真シール機の操作に不慣れな利用者は、意図しない表色要素を設定してしまう恐れがあり、結果として、写真シールの仕上がりが見栄えの悪いものになってしまう恐れがあった。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、利用者による余計な操作を必要とせず、より簡単に、見栄えのよい仕上がりの写真シールを提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の画像印刷装置は、所定のシール紙に画像を印刷した上に、前記シール紙に印刷された前記画像を保護するためのオーバーコート層を印刷する画像印刷装置であって、被写体を撮影し前記画像を得る撮影手段と、前記撮影手段によって得られた前記画像の前記シール紙への印刷を制御する印刷制御手段と、前記画像について生成される画像情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、前記画像情報に対応づけられている転写熱量を、前記シール紙に前記オーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定する熱量設定手段とを備え、前記印刷制御手段は、前記熱量設定手段により設定された前記転写熱量での、前記シール紙の前記領域それぞれへの前記オーバーコート層の印刷を制御する。
【0011】
この画像印刷装置の撮影手段は、例えば、カメラにより構成され、印刷制御手段および熱量設定手段は、例えば、制御部がROMなどに格納されているプログラムを実行することにより実現される印刷処理部の印刷制御部および熱量設定部により構成される。
【0012】
本発明の一側面の画像印刷装置においては、被写体が撮影され画像が得られ、得られた画像のシール紙への印刷が制御され、画像について生成される画像情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、画像情報に対応づけられている転写熱量が、シール紙にオーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定され、設定された転写熱量での、シール紙の領域それぞれへのオーバーコート層の印刷が制御される。
【0013】
したがって、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、その表面は、編集済み画像について生成された撮影情報に応じた光沢の度合のオーバーコート層でオーバーコーティングされる。これによって、利用者による余計な操作を必要とせずに、より簡単に、見栄えのよい仕上がりの写真シールを提供することができる。
【0014】
前記画像印刷装置には、利用者としての前記被写体による選択または前記被写体の状態に応じて、前記画像情報を生成する画像情報生成手段をさらに設けることができる。
【0015】
この画像編集装置の画像情報生成手段は、例えば、撮影情報生成部により構成される。
【0016】
前記画像情報生成手段には、前記画像情報として、前記画像の画質を表す画質情報、前記画像に合成される合成用画像の分類を表す分類情報、前記合成用画像を特定する特定情報、および前記画像における前記被写体の部分の色を表す色情報の少なくともいずれか1つを生成させることができる。
【0017】
これによって、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、その表面は、編集済み画像が撮影されるときに選択される写りや、背景画像の色味の分類、背景画像の色味、または、被写体部分の色味に応じた光沢の度合のオーバーコート層でオーバーコーティングされるようになり、利用者による余計な操作を必要とせずに、撮影画像の雰囲気に応じた、見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することができる。
【0018】
前記熱量設定手段には、前記画像について生成される前記画像情報に応じて、前記シール紙の所定の領域毎に、異なる転写熱量を設定させることができる。
【0019】
したがって、より一層見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することが可能となる。
【0020】
前記画像印刷装置には、前記撮影手段によって得られた前記画像に対して利用者に落書き入力を行わせるための編集画面の表示を制御する表示制御手段をさらに設け、前記表示制御手段には、前記画像について生成される前記画像情報に応じた画像処理を施した前記編集画面の表示を制御させることができる。
【0021】
この画像編集装置の表示制御手段は、例えば、編集画面表示制御部により構成される。
【0022】
これにより、編集処理において、最終的に印刷される写真シールの表面の質感に近い編集画面が表示されるようになるので、利用者は、最終的に得られる写真シールをイメージしながら編集作業を行うことができるようになる。
【0023】
本発明の一側面の画像印刷方法は、所定のシール紙に画像を印刷した上に、前記シール紙に印刷された前記画像を保護するためのオーバーコート層を印刷する画像印刷装置の画像印刷方法であって、被写体を撮影し前記画像を得る撮影ステップと、前記撮影ステップの処理によって得られた前記画像の前記シール紙への印刷を制御する印刷制御ステップと、前記画像について生成される画像情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、前記画像情報に対応づけられている前記転写熱量を、前記シール紙に前記オーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定する熱量設定ステップとを含み、前記印刷制御ステップは、前記熱量設定ステップの処理により設定された前記転写熱量での、前記シール紙の前記領域それぞれへの前記オーバーコート層の印刷を制御する。
【0024】
本発明の一側面のプログラムは、所定のシール紙に画像を印刷した上に、前記シール紙に印刷された前記画像を保護するためのオーバーコート層を印刷する画像印刷処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、被写体の撮影を制御し前記画像を得る撮影制御ステップと、前記撮影制御ステップの処理によって得られた前記画像の前記シール紙への印刷を制御する印刷制御ステップと、前記画像について生成される画像情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、前記画像情報に対応づけられている前記転写熱量を、前記シール紙に前記オーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定する熱量設定ステップとを含む処理をコンピュータに実行させ、前記印刷制御ステップは、前記熱量設定ステップの処理により設定された前記転写熱量での、前記シール紙の前記領域それぞれへの前記オーバーコート層の印刷を制御する。
【0025】
このプログラムは、所定の記録媒体に記録されて、例えば、ドライブにより読み出され、写真シール作成装置にインストールされる。記録媒体は、フロッピ(登録商標)ディスクなどよりなる磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc-ROM)などよりなる光ディスク、MD(Mini Disc)(登録商標)などよりなる光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディアにより構成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、利用者による余計な操作を必要とせず、より簡単に、見栄えのよい仕上がりの写真シールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を適用した写真シール作成装置の構成例を示す斜視図である。
【図2】図1の写真シール作成装置を他の角度からみた斜視図である。
【図3】図1の写真シール作成装置の設置例を示す斜視図である。
【図4】写真シール作成装置における利用者の空間移動を説明する図である。
【図5】撮影ユニットの前方ユニットの正面の構成例を示す図である。
【図6】撮影ユニットの後方ユニットの正面の構成例を示す図である。
【図7】編集ユニットの側面の構成例を示す図である。
【図8】編集ユニットの他の側面の構成例を示す図である。
【図9】写真シール作成装置の内部の構成例を示すブロック図である。
【図10】制御部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図11】撮影処理部および印刷処理部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図12】記憶部に記憶されている対応情報について説明する図である。
【図13】印刷パラメータの例を示す図である。
【図14】印刷パラメータに応じたオーバーコート層の熱転写について説明する図である。
【図15】領域毎に異なる転写熱量のパターンの例を示す図である。
【図16】シール紙における領域について説明する図である。
【図17】写真シール作成ゲーム処理を説明するフローチャートである。
【図18】撮影処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図19】撮影処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図20】写り選択画面の例を示す図である。
【図21】撮影用合成用画像の選択画面の表示例を示す図である
【図22】印刷処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図23】対応情報の例を示す図である。
【図24】印刷処理の流れの他の例を説明するフローチャートである。
【図25】対応情報の他の例を示す図である。
【図26】印刷処理の流れのさらに他の例を説明するフローチャートである。
【図27】対応情報のさらに他の例を示す図である。
【図28】印刷処理の流れのさらに他の例を説明するフローチャートである。
【図29】対応情報のさらに他の例を示す図である。
【図30】編集処理部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図31】編集処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図32】編集画面の例を示す図である。
【図33】撮影処理部および編集処理部の他の構成例を示す機能ブロック図である。
【図34】撮影処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図35】編集処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態である写真シール作成装置1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として実行させ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供し、その対価を利用者から受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。
【0030】
ここで、本明細書における利用者などの用語を定義する。
【0031】
利用者とは、写真シール作成装置1にてゲームを行う人物を指す。利用者グループとは、写真シール作成装置1にてゲームの各工程(後述する撮影、編集など)を同伴して行う1人以上の利用者の集まりを指す。したがって、利用者グループの用語が単独の利用者を指す場合もあるし、2人以上の利用者達を指す場合もある。ただし、撮影を行うスペースや編集を行うスペースなどの制約により、通常、利用者グループは2乃至4人程度であると想定される。
【0032】
写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲームにおいて、利用者グループ(上述したように、1人であってもよいし、2人以上であってもよい)は、ゲームの対価(代金)を投入し、自身等らが被写体となって撮影を行い、その結果得られる1枚以上の撮影画像の中から編集対象とするもの(編集対象画像)を1枚以上選択し、これらを順次、編集対象画像として背景や前景となるフレーム画像、手書きの線画やスタンプ画像を合成する編集機能(落書き編集機能)を用いて編集を行うことにより、撮影画像を彩り豊かなもの(編集済み画像)にする。そしてゲーム終了後、利用者グループは、編集済み画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。
【0033】
写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。写真シール作成装置1を設置した経営者は、写真シール作成装置1を管理・運営し、女子中高校生に代表される利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。よって、店舗等の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。
【0034】
つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。さらに、各店舗の広さや形状は通常同じでなく、かつ、写真シール作成装置1とともに設置される他のゲーム機等も異なるため、その設置場所の自由度が高ければ高いほどよい。またさらに、利用者が複数回繰り返して利用するようになることが望ましい。
【0035】
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる必要がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる。ただし、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。つまり、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
【0036】
例えば、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームをプレイしたことのない人が「プレイしてみたい」と思うような期待度の高い機能を設けることにより利用者数を増加させることができる。また、プレイした利用者が「楽しかった、もう一度プレイしたい」と思うような満足度の高い機能を設けることにより、写真シール作成装置1は、常連の利用者、いわゆる、リピータを増加させ、利用者数をさらに増加させることができる。すなわち、写真シール作成装置1の収益が向上する。
【0037】
利用者グループにとって、写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームでは、自身を被写体として撮影を行うこと、撮影された画像に落書き編集を行うこと、成果物として写真シールなどを取得することなどの娯楽性がある。
【0038】
写真シール作成ゲームの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、撮影機能の高画質化、落書き等の編集機能の多機能化、操作性の向上、プレイ時間や待ち時間の調整が挙げられる。
【0039】
写真シールに対する利用者の満足度を向上させる方法としては、例えば、シール紙の品質向上、高画質印刷、および特殊色印刷等のようなハードウェアの向上や、写真シールにおける編集済み画像のサイズや配置などを工夫することなどが挙げられる。
【0040】
主な利用者層として想定される女子中高校生は、得られた写真シールを所有物に貼り付けるだけでなく、その写真シールを交換したり、その写真シールを話題にして会話したりする。従って、例えば、写真シールの画像内容が、派手だったり、面白かったり、希少性が高かったり、目新しさがあったりする場合、その画像を利用者自身が気に入るだけでなく、その写真シールを話題として会話が盛り上がることも期待できる。
【0041】
また、このような写真シールの利用により、写真シール自体が写真シール作成装置1の広告としての役割も果たすことが期待できる。従って、写真シールの娯楽性を向上させることは、単にその利用者の満足度を向上させるだけでなく、他者の期待度を向上させ、評判の広がりによる集客、すなわち、いわゆる口コミによる新規利用者の増加も期待できる。
【0042】
つまり、写真シール作成ゲームにおいて、利用者らが気に入るような画像を作成できる機能を提供することにより、利用者の写真シール作成ゲームに対する満足度だけでなく、写真シールに対する満足度も向上させることができ、さらに、写真シールの話題性や広告効果等も同時に向上させることができる。
【0043】
写真シール作成装置1について具体的に説明する。図1は、写真シール作成装置1の外観を示す斜視図である。
【0044】
この写真シール作成装置1は、図1に示されるように、その筐体10が、撮影ユニット12、編集ユニット13、天井照明ユニット14、および背景カーテンユニット15に大別される。
【0045】
撮影ユニット12は、写真シール作成ゲームの撮影コースを選択させたり、代金を投入させたり、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を映像や音声で案内(説明)したりする。このような受付けを済ませた後、さらに、撮影ユニット12には、被写体(利用者)を撮影する機能を有しており、後述する内部の空間(撮影空間32(図4))において被写体の撮影が行われる。
【0046】
この撮影ユニット12は、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bから構成される。
【0047】
前方ユニット12Aは、撮影空間32における利用者(被写体)と向き合う側に配置されるユニットであり、受付けや撮影を行うための構成(カメラ51、タッチパネルモニタ52、照明装置53など(図5))が設けられている。
【0048】
前方ユニット12Aの前面は、乳白アクリル板54(図5)が略半円筒形の曲面に形成されており、乳白アクリル板54の背面に設置されている照明装置(蛍光灯など(不図示))からの照射光が被写体に照射される。前方ユニット12Aの構成例については、図5を参照して後述する。
【0049】
後方ユニット12Bは、撮影空間32(図4)における利用者(被写体)の背後側に配置されるユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bの上部には、例えば、背景に利用する可動式のカーテン(背景カーテン)から成る背景カーテンユニット15が配置される。後方ユニット12Bの構成例については、図6を参照して後述する。
【0050】
編集ユニット13は、利用者グループが編集画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、タブレット内蔵モニタ62、タッチペン63等(図7))が設けられている。図7を参照して後述するように、編集ユニット13は、2組の利用者グループが同時に編集作業を行うことができるように、対向する2つの面のそれぞれに、落書き編集等を行うための構成が設けられている。
【0051】
これにより、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを並列的に実行することができる。換言すれば、複数の利用者グループが、同時に写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームをプレイすることができる。なお、より一層、写真シール作成ゲームのプレイの回転率を向上させるため、編集ユニット13に、2組以上の利用者グループが同時に落書き編集を行うことができるよう3つ以上の落書き編集等を行うための構成を設けるようにしてもよい。
【0052】
天井照明ユニット14は、撮影空間32(図4)の上方に設けられており、撮影タイミングに合わせて撮影空間32に向けて閃光を照射するフラッシュライトを内蔵する。この天井照明ユニット14は、さらに内部に蛍光灯などの照明装置が配置されており、撮影空間32を常時照らすように構成されている。なお、撮影空間32は、簡易的に閉鎖的な空間として構成されており、外部からの光が進入し難く、暗くなりがちであり、利用者の操作性が低下し得る。そこで、天井照明ユニット14が、内蔵する照明装置により撮影空間32を明るく照らすことにより、利用者の操作性の低下を抑止することができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aや後方ユニット12Bにも設けられている。
【0053】
図2は、図1の写真シール作成装置1を、編集ユニット13側から見た斜視図である。
【0054】
編集ユニット13は、撮影空間32(図4)に位置している利用者から見て、前方ユニット12Aの背後側に撮影ユニット12に隣接して設置される。編集ユニット13の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者グループが撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース13Aと第2編集インタフェース13Bがそれぞれ設けられている。
【0055】
つまり、編集ユニット13には、写真シール作成ゲームを行う2組の利用者グループが、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェース13Aおよび13Bが設けられている。これらの編集インタフェースの構成の詳細についても、図7を参照して後述する。
【0056】
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームの結果として印刷された写真シールが排出される写真シール排出部13Cが設けられている。
【0057】
図3は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
【0058】
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図3に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、側面カーテン21が設けられ、撮影作業が行われる撮影空間32や編集作業が行われる編集空間33(図4)等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、側面カーテン21は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部(待機中の次の利用者グループの利用者など)からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
【0059】
この側面カーテン21の外部側の面は、通常、写真シール作成装置1自身の宣伝を広告する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画などが描かれている。
【0060】
以上説明したように、写真シール作成装置1は、複数の利用者グループに対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。また、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の利用者グループに写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各利用者グループは、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させることになる。
【0061】
次に、写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者グループの空間の移動について説明する。
【0062】
図4は、ゲーム中の利用者グループの空間移動を、写真シール作成装置1の上方から見下ろした平面図により示したものである。
【0063】
図4に示されるように、写真シール作成ゲームをプレイしようとする利用者グループ(AまたはA’に位置する利用者グループ)は、写真シール作成装置1の外の待機領域31にて、撮影ユニット12の撮影空間32(図中点線で示される、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bとの間に形成された空間)が空いているかを確認し、空いていればそのまま撮影空間32に入場する。
【0064】
反対に、撮影ユニット12が先の利用者グループによって使用されている場合、撮影空間32が空くまで待機し、先の利用者グループが撮影を終えて編集ユニット13側に移動し、撮影空間32が空いた後、待機していた利用者グループは、待機領域31から撮影空間32に入場する。
【0065】
撮影空間32に入場した利用者グループ(Bに位置する利用者グループ)は、前方ユニット12Aの正面に設けられたタッチパネルモニタ52を操作して受付け処理(コースの選択、オプションの追加、代金の投入など)を行った後、自身が被写体となって撮影を実行させる撮影作業(本撮影)を行う。
【0066】
なお、撮影空間32で受付け処理を行うのではなく、待機領域31にて受付け処理を行うようにしてもよい。その場合、例えば、前方ユニット12Aの側面などに受付け処理のためのユーザインタフェースを設ければよい。
【0067】
撮影を終えた利用者グループに対しては、得られた撮影画像のうち、編集処理や印刷処理の対象とするために後段に送る複数の編集対象画像の選択が促される。この選択の後、タッチパネルモニタ52に表示される移動案内に従って、撮影空間32から、図中点線で示される、編集作業を行う第1編集空間33A(編集ユニット13の第1編集インタフェース13A側)または第2編集空間33B(編集ユニット13の第2編集インタフェース13B側)のうち、案内された方に移動する。なお、このときの移動案内では、通常、第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bの空いている方に案内される。
【0068】
第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動した利用者グループ(CまたはC’に位置する利用者)は、落書き編集作業を行う。以下において、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとを個々に区別する必要がない場合、単に編集空間33と称する。
【0069】
この後、利用者グループは写真シールが印刷されるまで待機し、この待機の間、この編集空間33において利用者グループは、事後接客処理としてのミニゲームを行ったり、携帯端末に撮影画像や編集済み画像を送信したりすることができる。
【0070】
そして、印刷が終了すると、その旨が利用者グループに案内される。この案内に従い、利用者グループは、写真シール排出部13Cの前方の印刷物受取領域34に移動し、排出された写真シール紙を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。
【0071】
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、撮影空間32を占めていた利用者グループが第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、撮影空間32が空くので、写真シール作成装置1は、次の新たな利用者グループに撮影空間32を使用させることができる。さらに、第1編集空間33Aの利用者グループ、または第2編集空間33Bの利用者グループが、印刷物受取領域34に移動すると、その編集空間(第1編集空間33Aまたは第2編集空間33B)が空くので、写真シール作成装置1は、それまで撮影空間32にいた利用者グループにその編集空間を使用させることができる。
【0072】
つまり、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間当たりおよび単位床面積当たりの回転率を向上させるために、待機領域31、撮影空間32、第1編集空間33A、第2編集空間33B、および印刷物受取領域34を用いて、同時に、複数の利用者グループに対して写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客を行うことができる)。
【0073】
なお、上述した写真シール作成装置1の筐体10の構成は任意であり、上述した以外の構成であってもよい。同様に、多重接客の仕方も任意である。
【0074】
次に、写真シール作成装置1を構成する各ユニットについて詳述する。
【0075】
図5は、撮影ユニット12の前方ユニット12Aの正面図である。
【0076】
同図に示されるように、前方ユニット12Aの正面右下には、利用者が写真シール作成ゲームの代金を投入したり、お釣り等を利用者に返却したりする硬貨投入返却口50が設けられている。
【0077】
なお、写真シール作成ゲームをプレイするための代金の支払いは硬貨に限定されるものではなく、当然、紙幣でも支払い可能とすることができる。また、実際に流通している現金(硬貨および紙幣)の代わりに、写真シール作成装置1が設置されている遊技施設などで流通されているプリペイドカード、コイン、電子マネーなどでも支払い可能とするようにしてもよい。
【0078】
また、待機領域31にて待機する次の利用者グループが撮影空間32に入場する前に代金を投入できるようにしてもよい。この場合、硬貨投入返却口50を、例えば、前方ユニット12Aの外側の側面に設けるようにすればよい。さらに、この場合、撮影空間32が空くまで待機領域31にて次の利用者を待機させ、撮影空間32が空いた後に次の利用者グループを撮影空間32に誘導するための音声案内などを出力するようにしてもよい。
【0079】
前方ユニット12Aの正面には、カメラ51、タッチパネルモニタ52、フラッシュライト53−5およびスピーカ55−1が設けられている。また、前方ユニット12Aの正面横には、フラッシュライト53−1乃至53−4が設けられている。
【0080】
前方ユニット12Aの正面横および下の壁面は、略半円筒形の曲面に形成された乳白アクリル板54−1乃至54−4により構成されている。
【0081】
前方ユニット12Aの正面の左右下には、撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置場56−1,56−2が設けられている。
【0082】
カメラ51は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの撮像素子が採用されており、被写体の光学像を電気信号としての画像データに変換する撮像装置であり、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者を被写体として、写り具合の確認用に動画像を取得するとともに、所定のシャッタータイミングにおいて静止画像を撮影する。カメラ51の数や設置場所については任意である。
【0083】
なお、カメラ51は、従来の写真シール作成装置に比較して、その設置位置が若干上方に設置されるとともに、広角レンズが使用される。これにより、従来の写真シール作成装置においては困難であった、被写体が立った状態での全身撮影が容易に実現されている。
【0084】
タッチパネルモニタ52は、CRT(Cathode Ray Tube)、またはLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ123と、それに積層された無色透明のタッチパネル124(例えば、感圧式や電磁誘導式等)(いずれも図9)により構成される。
【0085】
ディスプレイ123は、受付時に利用者が撮影コースを選択したり、前景や背景を選択したりするための操作画面などを表示し、タッチパネル124は、例えば利用者の指等によるタップ操作を受け付けるようになされている。
【0086】
また、ディスプレイ123は、シャッタータイミングに先立ち、カメラ51によって取得される被写体の動画像を、背景または前景となる合成用画像が合成された状態で表示する(ライブビュー表示を行う)。ディスプレイ123に表示されたライブビュー表示を見ることにより利用者は、自身の写り具合を確認することができる。また、ディスプレイ123は、撮影結果として、カメラ51により撮影された静止画像に合成用画像を合成した合成静止画像を表示する。
【0087】
フラッシュライト53−1乃至53−5は、カメラ51による撮影タイミングに合わせて閃光し、被写体を照射する。以下、フラッシュライト53−1乃至53−5を個々に区別する必要がない場合、単にフラッシュライト53と称する。
【0088】
乳白アクリル板54−1乃至54−4の背後には、撮影空間32を照らす蛍光灯などの照明装置が設けられている。
【0089】
乳白アクリル板54−1乃至54−4とその背後に設けられた照明装置、および天井照明ユニット14により、側面カーテン21により囲まれた撮影空間32は、光で包まれた試着室であるかのように演出されるので、被写体(利用者)の全身を影なく照射してより美しく撮影することができる。さらに、利用者に対して、撮影空間32が広い、快適、清潔、明るいなどの好印象を与えることができる。
【0090】
なお、乳白アクリル板54−1乃至54−3の設置を省略し、蛍光灯などの照明装置を利用者から直接見える位置に配置するようにしてもよい。また、フラッシュライト53の代わりに、蛍光灯などの照明装置を配置してもよい。また、さらに、乳白アクリル板54−4の位置(背後を含む)にフラッシュライトを設置するようにしてもよい。
【0091】
スピーカ55−1乃至55−3(図6)は、写真シール作成ゲームの撮影作業における案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等を適宜出力する。なお、スピーカ55−1乃至55−3の設置場所は任意である。
【0092】
荷物置場56−1および荷物置場56−2は、撮影時における利用者が手荷物の置き場所として利用できる棚である。荷物置場56−1および荷物置場56−2は、いずれも、撮影の邪魔にならないような位置、すなわち、利用者が撮影ポーズをとる際に邪魔にならず、かつ、フラッシュライト53による閃光照射の妨げとならない位置に設けられている。
【0093】
利用者は、自身の手荷物を荷物置場56−1または荷物置場56−2に置くことにより、より快適に安心して撮影作業を行うことができる。以下において、荷物置場56−1および荷物置場56−2を個々に区別する必要のない場合、単に荷物置場56と称する。荷物置場56を設けることにより、手荷物を床面に置いたことにより汚してしまったり、利用者が置引きの被害に遭う事態を抑止することができる。
【0094】
もちろん、前方ユニット12Aの正面12A−1に上述した構成以外のものが設けられるようにしてもよい。
【0095】
図6は、撮影空間32において被写体となる利用者グループの背面に位置する撮影ユニット12の後方ユニット12Bの正面図である。
【0096】
同図に示されるように、後方ユニット12Bの左側には、上から順にスピーカ55−2、フラッシュライト53−6、および照明装置57−1が設けられている。同様に、後方ユニット12Bの右側には、上から順にスピーカ55−3、フラッシュライト53−7、および照明装置57−2が設けられている。
【0097】
なお、フラッシュライト53−6、および照明装置57−1、並びにフラッシュライト53−7、および照明装置57−2は、被写体に向くようやや内側に向けて設けられている。
【0098】
次に、編集ユニット13の構成について詳述する。
【0099】
図7は、編集ユニット13に2箇所設けられた編集空間33のうち、一方の第1編集空間33Aの構成例を示す図である。
【0100】
同図に示すように、第1編集インタフェース13Aの上部には、側面カーテン21等で仕切られているために暗くなっている第1編集空間33A(図4)を照らすための照明装置61が設けられている。
【0101】
この照明装置61により、側面カーテン21で覆われた編集空間33における利用者の編集作業効率の低下を抑制するとともに、第1編集空間33Aの安全性を向上させることができる。
【0102】
なお、図7の構成例においては、編集ユニット13の、照明装置61が設けられている第1編集インタフェース13Aの上部が、第2編集空間33B側に貫通しており、照明装置61が第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとで共有されている。つまり、照明装置61は、第1編集空間33Aだけでなく、第2編集空間33Bも照明している。なお、この照明装置61の設置位置および個数は任意である。
【0103】
第1編集インタフェース13Aには、その正面にタブレット内蔵モニタ62が設けられており、タブレット内蔵モニタ62の左右にはそれぞれタッチペン(タッチペン63−1およびタッチペン63−2)が配置されている。さらに、第1編集インタフェース13Aには、スピーカ64および追加硬貨投入返却口65が設けられている。
【0104】
タブレット内蔵モニタ62は、CRTやLCD等のディスプレイ141とそれに積層されたタブレット142(いずれも図9)により構成され、ディスプレイ141が撮影空間における撮影作業によって得られた撮影画像を編集するためのGUIである編集画面等を表示し、タブレット142がユーザの操作を入力する。
【0105】
なお、タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141に表示される編集画面は、利用者グループを構成する複数の利用者それぞれがタッチペン63−1、または63−2を用いて個別に、あるいは共同して落書き編集を行えるよう、編集する画像を同時に2枚表示できるようになされている。この同時に表示される落書き編集の対象となる2枚の画像は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0106】
タブレット内蔵モニタ62のタブレット142は、例えば、感圧式や電磁誘導式の入力デバイスであり、無色透明であって、タッチペン63−1またはタッチペン63−2を用いた利用者からの操作を位置情報に変換する。
【0107】
このタブレット内蔵モニタ62の左右に設けられたタッチペン63−1および63−2は、所定のアタッチメントにより編集ユニット13に着脱可能に固定されており、利用者グループを構成する複数の利用者が、これらのタッチペンをそれぞれ使用することにより、同時に、写真シール作成作業の編集作業の工程をプレイすることができるようになされている。そして、タッチペン63−1を用いた入力操作であるのか、またはタッチペン63−2を用いた入力操作であるのかも識別される。なお、以下において、タッチペン63−1およびタッチペン63−2を個々に区別する必要がない場合、単にタッチペン63と称する。
【0108】
タッチペン63は、編集ユニット13内部に設置された制御部101(図9)と有線または無線により電気的に接続されている。タッチペン63は、タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141の表示画面上に重畳された無色透明のタブレット142と連携して動作する。利用者がこれらのタッチペン63を操作して、そのタブレット142をタップ(タッチペン63とタブレット内蔵モニタ62の表示画面を接触(または近接)させること)したり、タブレット142上を移動させたりすることにより、これらは、利用者からの入力を受け付ける入力デバイスとして動作する。なお、タッチペン63の設置本数、設置位置、及び形状等は任意である。
【0109】
スピーカ64は、例えば、案内音声、効果音、BGM等の音声を出力する。なお、スピーカ64の設置個数、デザイン、および形状等は任意である。
【0110】
追加硬貨投入返却口65は、利用者グループが編集可能時間を延長させたいとき、写真シールを複数枚追加して印刷させるときなどに追加代金としての硬貨を投入したり、お釣り等を返却したりするために設けられている。なお、この追加代金の支払いも硬貨に限定されるものではなく、当然、紙幣でも支払い可能とすることができる。また、実際に流通している現金(硬貨および紙幣)の代わりに、写真シール作成装置1が設置されている遊技施設などで流通されているプリペイドカード、コイン、電子マネーなどでも支払いができるようしてもよい。
【0111】
ただし、編集可能時間の延長は、現在、撮影空間32にて撮影作業が行われていない場合(次の利用者がいない場合)、または、もう一方の編集インタフェース(いまの場合、第2編集インタフェース13B)が空いている場合にのみ可能であり、撮影空間32にて撮影作業が行われており、かつ、もう一方の編集インタフェースが利用されている場合には延長できないようにしてもよい。
【0112】
なお、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成例は、図7に示された第1編集空間33A側の構成例と基本的に同様であるので、その説明は省略する。
【0113】
図8は、編集ユニット13に設けられた写真シール排出部13Cの構成例を示す図である。
【0114】
同図に示されるように、写真シール排出部13Cには写真シール排出口71が設けられており、写真シール(編集済みの撮影画像が印刷されたシール紙162)が排出される。なお、写真シールは、編集ユニット13に内蔵されたプリンタ114(図9)により、編集ユニット13が操作されて作成された印刷用の画像がシール紙に印刷されて作成される。
【0115】
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
【0116】
図9は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。なお、上述した部位については、同一の符号を付しているので、その説明を省略する。
【0117】
写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する制御部101を有している。制御部101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部111、編集部113、およびプリンタ114がそれぞれ所定のバスを介して接続されている。
【0118】
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、制御部101より供給される各種設定情報をその記憶媒体に保存したり、記憶媒体に記録されている設定情報を読み出して制御部101に供給したりする。また、記憶部102には、各利用者グループが作成した写真シール(の画像データ)が記憶される。
【0119】
通信部103は、制御部101の制御に従い、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク、または単に通信ケーブル(いずれも不図示)を介して、他の通信装置、具体的には、例えば利用者の携帯型電話機、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等と通信を行う。より具体的には、通信部103は、制御部101より供給される送信情報を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信情報を制御部101に供給したりする。
【0120】
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc(商標))を含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御部101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
【0121】
ROM106には、制御部101によって実行されるプログラムやデータなどが予め格納されており、ROM106は、制御部101からの制御に従い、プログラムやデータを制御部101に供給する。RAM107は、制御部101が処理するデータやプログラムなどを一時的に保持する。
【0122】
撮影部111は、撮影ユニット12に関するブロックであり、背景カーテンユニット15、カメラ51、タッチパネルモニタ52、スピーカ55、硬貨処理部121、および照明制御部122を有する。
【0123】
背景カーテンユニット15は、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、背景として用いられる複数の昇降式カーテンとその制御を行う制御部を有するユニットである。各カーテンは互いに色、模様、絵柄等が異なり、互いに異なる背景となるようになされている。つまり、利用者はカーテンを選択することにより背景の色、模様、絵柄等を選択することができる。
【0124】
背景カーテンユニット15(の制御部)は、後方ユニット12Bの上部に設けられ、利用者により選択された1つまたは複数のカーテンを、撮影空間32の後方(被写体となる利用者の背後側)に吊設する。このとき、既に吊設されている不要なカーテンは、巻き上げて収納する。実際には、背景カーテンユニット15は、制御部101により制御されて動作し、制御部101より供給される背景制御信号に従ってカーテンを吊設したり収納したりする。
【0125】
なお、各カーテンの素材、形、大きさ等は任意であり、例えばパネル状や立体形状のものも含む。また、各カーテンの素材、形、大きさ等が、互いに異なるようにしてもよい(全てのカーテンにおいて素材、形、大きさ等が統一されている必要はない)。また、背景カーテンユニット15は、利用者が背景を選択できるようになされていればよく、例えば、スライド式、開閉式、折り畳み式等の昇降式以外のカーテンを用いるようにしてもよい。
【0126】
さらに、背景として使用されるカーテンは吊設されるのではなく、後方ユニット12Bの撮影空間32側の側面、つまり、撮影空間32において、前方ユニット12Aの正面12A−1に対向する、撮影空間32の背面となる面に張り付けられるようにしてもよい。また、制御部101を介さずに、利用者が手動で、背景カーテンユニット15に用意されたカーテンを選択し、設置するようにしてもよい。
【0127】
なお、撮影時の背景として、背景カーテンユニット15以外を用いることができるようにしてもよい。例えば、利用者が持参した絵やアイテムを撮影空間32の背面(またはカーテン)に貼り付けることができるようにしてもよいし、利用者が持参した、または、選択した画像を撮影空間32の背面(またはカーテン)に表示または映写するようにしてもよい。
【0128】
また、1枚のクロマキー用のカーテンを予め撮影空間32の背面に張り付けるか、または、昇降式クロマキー用カーテンを撮影空間32の背面に設けるようにし、合成用の背景画像を複数種類用意して編集処理において利用者が所望する背景画像をカーテンの部分に合成することができるようにしてもよい。
【0129】
以上のように、何らかの方法で利用者が背景を選択できるようにすることにより、利用者の要求により適した画像を提供することができる。
【0130】
カメラ51は、制御部101に制御されて、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の被写体(利用者)の撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御部101の制御の下、リアルタイムで利用者の動画像を取り込み、その取り込んだ動画像データを制御部101に供給する。また、カメラ51は、制御部101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像(静止画像)の取得を行い、取得した静止画像データを制御部101に供給する。
【0131】
タッチパネルモニタ52のディスプレイ123は、制御部101より供給されるRGB信号に基づく画像をそのディスプレイ123に表示する。また、タッチパネルモニタ52のタッチパネル124は、利用者が、自分自身の指等を用いてこのタッチパネルにタップ(接触または近接)すると、その位置情報を制御部101に供給する。制御部101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
【0132】
スピーカ55は、例えば、制御部101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
【0133】
硬貨処理部121は、硬貨投入返却口50に投入された硬貨の種類を識別して識別結果を制御部101に通知する。
【0134】
照明制御部122は、制御部101より供給される照明制御信号に基づいて、フラッシュライト53を閃光させたり、乳白アクリル板54の背後に設けられた照明装置や後方ユニット12Bの照明装置57などを点灯したり、消灯したりする。
【0135】
編集部113は、編集ユニット13に関するブロックであり、第1編集インタフェース13Aに対応する第1編集部113Aと、第2編集インタフェース13Bに対応する第2編集部113Bよりなる。第1編集部113Aおよび第2編集部113Bは、互いに同一の構成を有しており、以下においては第1編集部113Aについて説明するが、その説明は第2編集部113Bにも適用可能である。
【0136】
第1編集部113Aは、図7を参照して上述した、タブレット内蔵モニタ62、タッチペン63、およびスピーカ64に加えて、硬貨処理部130を有する。
【0137】
タブレット内蔵モニタ62は、上述したように、ディスプレイ141とタブレット142により構成される。タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141は、制御部101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮影画像等、編集に関する画像を表示する。
【0138】
さらに、タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141は、後述する事後接客処理において、ミニゲームの画面を表示したりする。
【0139】
タブレット内蔵モニタ62のタブレット142は、タッチペン63を用いた利用者によるタブレット142にタップ(接触または近接)する操作に対応して、そのタップされた位置を示す位置情報を制御部101に供給する。制御部101は、その位置情報を解析し、表示画像(GUI等)に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。つまり、撮影画像(撮影画像を用いて作成された合成画像)に対する編集入力は、これらの構成を用いて行われる。
【0140】
スピーカ64は、制御部101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、BGM等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する音声)を出力する。
【0141】
硬貨処理部130は、追加硬貨投入返却口65に投入された硬貨の種類を識別して識別結果を制御部101に通知する。
【0142】
プリンタ114は、内蔵する2つのヘッド151,152により、編集部113により行われた編集作業結果(以下、編集済み画像ともいう)をシール紙162に印刷する。また、プリンタ114は、カッター153を内蔵しており、編集済み画像を印刷したシール紙162を所定の位置で切断して出力する。
【0143】
すなわち、プリンタ114は、制御部101より第1編集部113Aにより行われた編集作業結果としての編集済み画像の印刷データを取得すると、給紙ユニット161よりシール紙162を取得し、ヘッド151によって編集済み画像を印刷する。また、プリンタ114は、制御部101より第2編集部113Bにより行われた編集作業結果としての編集済み画像の印刷データを取得すると、給紙ユニット161よりシール紙162を取得し、ヘッド152によって編集済み画像を印刷する。
【0144】
なお、プリンタ114は、いわゆる昇華型プリンタとして構成され、インクリボンに塗布されたシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のインクを、制御部101によって制御されたヘッド151,152により昇華(気化)させてシール紙162に熱転写することで編集済み画像を印刷する。インクリボンには、その長手方向にC,M,Yそれぞれのインクが塗布された領域と、C,M,Yのインクが熱転写されたシール紙162の表面を保護する(オーバーコーティングする)オーバーコート層が積層された領域とが同じ順番で繰り返し設けられている。すなわち、プリンタ114は、制御部101からの印刷制御信号によって熱量が制御されたヘッド151,152によって、C,M,Yのインクを熱転写した上に、オーバーコート層をさらに熱転写することで、表面が保護された写真シールを出力する。
【0145】
ところで、写真シールの表面の仕上がりは、オーバーコート層の転写熱量(転写温度)によって異なる。より具体的には、転写熱量が低いほど、写真シールの表面は透明度が高くなり(光沢の度合が上がり)、転写熱量が高いほど、写真シールの表面は透明度が低くなる(光沢の度合が下がる)。すなわち、転写熱量が低い場合、写真シールの表面は透明なオーバーコート層で保護され、転写熱量が高い場合、写真シールの表面は半透明なオーバーコート層で保護される。また、オーバーコート層には、もともと光沢の度合の大きい、つやありのオーバーコート層と、もともと光沢の度合の小さい、マットなオーバーコート層の2種類があり、適宜、使い分けられるようになされている。
【0146】
プリンタ114は、写真シールの印刷を終了すると、その印刷済みのシール紙162を、所定の位置で切断して写真シール排出口71より排出する。この印刷済みのシール紙162が、写真シール作成ゲームの成果物である写真シールとして利用者グループに提供される。
【0147】
このように、切断済みのシール紙162を排出することにより、利用者はハサミなどでシール紙162を切り分ける必要がなくなるので、利用者の手間を省くことができる。
【0148】
次に、制御部101について説明する。図10は、制御部101がROM106などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
【0149】
制御部101は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金に関する処理等を行う事前接客処理部201、利用者グループを撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部202、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部203、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部204、および、編集作業を終了した利用者グループを接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部205を有する。
【0150】
つまり、制御部101は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
【0151】
図11は、図10の撮影処理部202と、印刷処理部204のさらに詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【0152】
図11の例において、撮影処理部202は、進行制御部211、撮影準備処理部212、合成用画像選択制御部213、ライブビュー表示制御部214、撮影画像取得部215、合成画像処理部216、および撮影情報生成部217から構成される。
【0153】
進行制御部211は、撮影作業の工程の進行を制御する。
【0154】
撮影準備処理部212は、写りの調整や明るさの調整等、撮影の準備に関する処理を行う。
【0155】
合成用画像選択制御部213は、背景や前景などからなる合成用画像をタッチパネルモニタ52に表示して、利用者により行われる合成用画像の選択に関する処理を制御する。
【0156】
ライブビュー表示制御部214は、タッチパネルモニタ52の表示(ライブビュー表示)に関する処理を行う。
【0157】
撮影画像取得部215は、撮影、特に、撮影画像の取得に関する処理を行う。
【0158】
合成画像処理部216は、撮影画像の合成等の、合成画像の生成に関する処理を行う。
【0159】
撮影情報生成部217は、撮影画像についての情報を表す画像情報である撮影情報の生成に関する処理を行う。
【0160】
印刷処理部204は、印刷制御部231、撮影情報取得部232、および熱量設定部233から構成される。
【0161】
印刷制御部231は、プリンタ114のヘッド151,152を制御して、編集部113からの編集済み画像(印刷データ)をシール紙162に印刷する処理、および、熱量設定部233によって設定された転写熱量で、編集済み画像が印刷されたシール紙にオーバーコート層をさらに印刷する処理を行う。
【0162】
撮影情報取得部232は、シール紙162に印刷される編集済み画像(撮影画像)について生成された画像情報である撮影情報を、記憶部102から取得する。
【0163】
熱量設定部233は、撮影情報取得部232によって取得された撮影情報に応じて、編集済み画像が印刷されたシール紙にオーバーコート層を印刷するための転写熱量を設定する。より具体的には、熱量設定部233は、記憶部102に予め記憶されている、撮影情報と転写熱量とが対応づけられた対応情報を参照し、撮影情報取得部232によって取得された撮影情報に対応づけられている転写熱量を設定する。
【0164】
ここで、図12を参照して、記憶部102に記憶されている対応情報について説明する。
【0165】
図12に示されるように、記憶部102には、撮影処理部202によって得られた撮影画像の画像データ251、およびその撮影画像について生成された撮影情報252が記憶されている他、対応情報253が記憶されている。
【0166】
対応情報253においては、撮影情報と、その撮影情報で表される画像の状態等に合った仕上がりとなるオーバーコート層が転写されるような転写熱量を設定するためのパラメータである印刷パラメータとが予め対応づけられている。図12の場合、撮影情報F1と印刷パラメータP1とが対応づけられ、撮影情報F2と印刷パラメータP2とが対応づけられている。
【0167】
すなわち、シール紙162に印刷される編集済み画像に対応する画像データ251についての撮影情報252が撮影情報F1である場合、撮影情報取得部232は、撮影情報F1を取得し、熱量設定部233は、対応情報253を参照して、撮影情報F1に対応づけられている印刷パラメータP1に基づいて、オーバーコート層の転写熱量を設定する。また、シール紙162に印刷される編集済み画像に対応する画像データ251についての撮影情報252が撮影情報F2である場合、撮影情報取得部232は、撮影情報F2を取得し、熱量設定部233は、対応情報253を参照して、撮影情報F2に対応づけられている印刷パラメータP2に基づいて、オーバーコート層の転写熱量を設定する。
【0168】
図13は、対応情報253によって撮影情報に対応づけられている印刷パラメータの例を示している。印刷パラメータによって、オーバーコート層の種類とともに、オーバーコート層の転写熱量を所定数の段階に分けた熱量度合Hが設定されるようになる。熱量度合Hは、例えば0乃至6の7段階に分けられた転写熱量を示しており、値が0である熱量度合Hが最も低い転写熱量(熱量を加えない)を示し、値が6である熱量度合Hが最も高い転写熱量を示している。
【0169】
すなわち、印刷パラメータP1によれば、図14の一番上に示されるように、つやありのオーバーコート層が、低い転写熱量(H=0)(熱量を加えない)でシール紙162に一様に熱転写され、印刷パラメータP2によれば、図14の上から2番目に示されるように、マットなオーバーコート層が、低い転写熱量(H=0)(熱量を加えない)でシール紙162に一様に熱転写される。また、印刷パラメータP3によれば、図14の上から3番目に示されるように、マットなオーバーコート層が、所定の転写熱量(H=3)でシール紙162に一様に熱転写され、印刷パラメータP4によれば、図14の上から4番目に示されるように、マットなオーバーコート層が、ランダムな転写熱量(H=0乃至6)でシール紙162の所定の領域毎に熱転写される。
【0170】
具体的には、印刷パラメータP4によれば、例えば、図15の一番左側に示されるように、シール紙162を5×4の20領域に区分したそれぞれの領域毎に異なる転写熱量(熱量度合の値)が設定され、オーバーコート層が熱転写される。各領域に設定される熱量度合の値のパターンは、図15の左から2番目に示されるようなパターンであってもよいし、その他のパターンであってももちろんよい。また、各領域の大きさは上述したものに限らず、図15の一番右側に示されるように、シール紙162を10×8の80領域に区分したそれぞれの領域毎に異なる熱量度合の値が設定されてもよいし、シール紙162に印刷されるドット毎に、異なる熱量度合の値が設定されてもよい。さらに、印刷パラメータP4を、P4-1,P4-2,・・・,P4-60等のように細かく定義し、それぞれの印刷パラメータについて、熱量度合の値のパターンが設定されるようにしてもよい。
【0171】
また、図16に示されるように、シール紙162には、複数の編集済み画像が印刷される。図16のシール紙162は、編集処理において利用者の操作によって決定される印刷レイアウトパターンに応じて複数に分割された印刷領域271と、その周囲の縁領域272とからなる。このようなシール紙162に対して、印刷パラメータP4によって、印刷領域271と縁領域272とで異なる熱量度合の値が設定されてもよいし、印刷領域271において分割された領域毎に(複数の編集済み画像毎に)異なる熱量度合の値が設定されてもよい。また、印刷領域271において分割された領域(編集済み画像)それぞれに、図15で示したような、所定の熱量度合の値のパターンが設定されてもよい。
【0172】
なお、シール紙162にオーバーコート層を熱転写する際の転写熱量が極端に大きい場合、手帳等の利用者の所持品に貼り付けられた写真シールの表面は、他の所持品等との摩擦によりオーバーコート層がはがれて劣化する恐れがある。そこで、熱量度合Hが最大の値6であるときの転写熱量は、写真シールの表面が劣化しない程度の転写熱量に設定されるようにする。これにより、写真シールの表面の劣化を防ぐことができる。
【0173】
次に、写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームの一連の処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
【0174】
写真シール作成ゲームを行う利用者は、待機領域31から撮影領域32に移動し、撮影ユニット12の前方ユニット12Aに設けられた硬貨投入返却口50にゲームの代金である硬貨を投入することにより支払う。この硬貨投入に応じて硬貨処理部121は、硬貨の種類を識別し識別結果を含む起動信号を制御部101に供給する。制御部101の事前接客処理部201は、ステップS1において、その起動信号に基づいて、代金が投入されたか否かを判定し、正当な代金が投入されたと判定された場合、処理はステップS2に進む。
【0175】
ステップS2において、撮影処理部202は、撮影部111の各部を制御し、撮影空間32内において行われる、写真シール作成ゲームの撮影作業に関する処理である撮影処理を実行する。なお、撮影処理については、その詳細を後述する。
【0176】
撮影作業が終了すると、撮影処理部202は、ステップS3において、撮影作業を終えた撮影空間32内の利用者に対して、画像や音声によって第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bへの移動を促す移動案内処理を行う。
【0177】
ステップS4において、編集処理部203は、編集空間33に移動した利用者からの、編集部113に対する操作に応じて、撮影処理によって得られた撮影画像に、予め用意された合成用画像を合成したり、文字や線画等を重畳させる編集処理を行う。
【0178】
編集作業が終了すると、ステップS5において、印刷処理部204は、プリンタ114を制御し、編集作業により得られた編集済み画像をシール紙に印刷する印刷処理を行う。なお、印刷処理については、その詳細を後述する。
【0179】
ステップS6において、印刷処理部204は、シール紙の印刷枚数を増やす追加印刷用代金が投入されたか否かを判定し、投入されたと判定された場合、処理はステップS7に進む。ステップS7において、印刷処理部204は、追加印刷処理を行い、増やした分のシール紙の印刷処理(追加印刷)を予約する。追加印刷は、通常の印刷処理が終了次第開始される。また、ステップS7においては、ステップS5の印刷処理と同様の処理が行われる。
【0180】
追加印刷処理が行われると、処理はステップS8に進む。また、ステップS6において、追加印刷用代金が投入されていないと判定された場合、印刷処理部204は、追加印刷処理は行わずに、処理はステップS8に進む。
【0181】
ステップS8において、事後接客処理部205は、印刷終了待機中の利用者に対して、ミニゲームや画像転送、アンケート入力等のサービスを提供する事後接客処理を行う。
【0182】
そして事後接客処理が終了すると、事後接客処理部205は、ステップS9において、編集空間33の利用者を印刷物受取領域34に移動させるための移動案内を行う。また、印刷処理が終了すると、印刷処理部204は、ステップS10において、プリンタ114を制御し、印刷済みのシール紙を適宜裁断して写真シール排出口71より排出させる。以上で、写真シール作成ゲームの一連の処理が終了する。
【0183】
次に、図18および図19のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS2の撮影処理の流れの例を説明する。
【0184】
撮影処理が開始されると、ステップS31において、撮影準備処理部212は、色合いやシャープネス等の画像の仕上がり(好みの画質)を利用者に選択させる、例えば図20に示されるような写り選択画面をタッチパネルモニタ52に表示させ、それに対する写り選択を受け付ける。利用者がタッチパネルモニタ52をタップする等していずれかを選択すると、撮影準備処理部212は、入力された写り選択に基づいて、撮影画像(取り込み画像)の画質調整の設定を行う。
【0185】
ステップS32において、撮影準備処理部212は、画像の明るさを利用者に選択させる明るさ選択画面をタッチパネルモニタ52に表示させ、それに対する明るさ選択を受け付ける。利用者がタッチパネルモニタ52をタップする等していずれかを選択すると、撮影準備処理部212は、入力された明るさ選択に基づいて、撮影画像(取り込み画像)の明るさの設定を行う。
【0186】
ステップS33において、合成用画像選択制御部213は、予め用意されている、撮影画像に合成される前景や背景の画像である撮影用合成用画像を選択させるための撮影用合成用画像選択画面(GUI)を、タッチパネルモニタ52に表示する。
【0187】
ステップS34において、合成用画像選択制御部213は、ステップS33の処理で表示された撮影用合成用画像の中から、利用者による撮影用合成用画像の選択を、最終的に得られる撮影画像の枚数(例えば6枚)分だけ受け付ける。
【0188】
ここで、撮影用合成用画像は、最終的に得られる撮影画像の枚数分だけ、利用者によって選択されるようにもできるが、撮影用合成用画像の分類に応じて、撮影画像の枚数分の撮影用合成用画像の集合を表示して、利用者に選択させるようにしてもよい。例えば、撮影用合成用画像が背景画像であるとすると、背景画像のテーマ毎の集合である背景セットを表示して、その背景セットを利用者に選択させるようにする。
【0189】
このとき、例えば、図21に示されるような画面がタッチパネルモニタ52に表示される。ここでは、背景セットのグループである背景セットグループとして「1色セット」、「カラフルセット」、「デザインセット」および「イベントセット」の4つの背景セットグループが設定されている。図21の例では、4つの背景セットグループに対応するタブ301乃至304が表示されており、タブ301は、「1色セット」、タブ302は、「カラフルセット」、タブ303は、「デザインセット」、タブ304は、「イベントセット」にそれぞれ対応している。
【0190】
図21において、画面上部には、「好きな背景セットを選んでね」と表示されており、上述した4つの背景セットグループのいずれかを、利用者に選択させる。図21の例では、タブ301が選択されており、背景セットグループ「1色セット」に含まれる、色味(色の感じ)で分類された背景セットを示す画像321乃至画像332が表示されている。
【0191】
背景セットを示す画像321乃至画像332は、それぞれモデルを被写体として得られた6枚の撮影画像それぞれに、背景セットグループ「1色セット」の各テーマ「パステル」、「ハート」、「ピンク」、「キラキラ」、「トリコロール」、「レインボー」、「ビビッド」、「ブラック」、「バレンタイン」、「ニコチャン」、「スター」、および「レッド」に対応する背景画像を合成して得られる12の画像であって、最終的に印刷される写真シールの見本となる画像とされる。
【0192】
これにより、利用者は、表示された画像321乃至画像332を選択することで、テーマ毎の背景セットにより色味で分類されている、撮影画像の枚数分の背景画像を一括で選択することができる。
【0193】
図18のフローチャートに戻り、ステップS35において、ライブビュー表示制御部214は、撮影用合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、タッチパネルモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
【0194】
ステップS36において、撮影画像取得部215は、タッチパネルモニタ52等にカウントダウンインジケータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像を得る。
【0195】
ステップS37において、合成画像処理部216は、撮影画像に撮影用合成用画像を合成し、合成画像を生成する。さらに、合成画像処理部216は、ステップS38において、生成した合成画像をタッチパネルモニタ52等に表示し、利用者に合成画像(撮影結果)を確認させる。
【0196】
ステップS39において、進行処理部211は、所定回数撮影したか否かを判定し、撮影枚数が予め定められている所定回数に達していない場合、処理は、ステップS35に戻り、それ以降の処理が繰り返される。例えば、撮影用合成用画像選択画面により選択された合成用画像のそれぞれと合成する撮影画像を得るための撮影が行われ、合計6回の撮影が行われた場合、ステップS39において所定回数撮影したと判定される。
【0197】
ステップS39において、所定回数撮影したと判定された場合、処理は、図19のステップS40に進む。
【0198】
図19のステップS40において、進行制御部211は、撮影可能時間内か否かを判定し、経過時間または残り時間に基づいて、また撮影可能か否かを判定する。ステップS40において、撮影可能であると判定された場合、処理は、ステップS41に進み、追加的な撮影、いわゆる「ボーナス撮影」の処理が行われる。
【0199】
ステップS41において、進行制御部211は、ボーナス撮影を案内するためのボーナス撮影用案内画面をタッチパネルモニタ52等に表示し、利用者にボーナス撮影の概要を確認させる。
【0200】
ステップS42において、合成用画像選択制御部213は、図18のステップS33と同様に、撮影用合成用画像選択画面をタッチパネルモニタ52に表示し、ステップS43において、ステップS34と同様に、利用者による撮影用合成用画像の選択を受け付ける。
【0201】
ステップS44において、ライブビュー表示制御部214は、ステップS35と同様に、合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、タッチパネルモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
【0202】
ステップS45において、撮影画像取得部215は、追加的な撮影であるボーナス撮影を行う。このボーナス撮影も上述した通常の撮影と同様に行われる。つまり、撮影画像取得部215は、ステップS36と同様に、タッチパネルモニタ52等にカウントダウンインジケータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像を得る。
【0203】
ステップS46において、合成画像処理部216は、ステップS37と同様に、撮影により得られた撮影画像に撮影用合成用画像を合成し、合成画像を生成する。
【0204】
ステップS47において、合成画像処理部216は、ステップS38と同様に、合成画像を、タッチパネルモニタ52に表示し、利用者に撮影結果を確認させる。
【0205】
ステップS48において、進行制御部211は、所定時間経過したか否かを判定し、まだ撮影可能である場合、処理は、ステップS42に戻り、それ以降の処理が繰り返され、ボーナス撮影が再度行われる。
【0206】
一方、ステップS48において、所定時間経過したと判定された場合、処理は、ステップS49に進む。また、先に述べたステップS40において、撮影可能時間内ではないと判定された場合も、ボーナス撮影が行われないため、ステップS41乃至ステップS48をスキップして、処理は、ステップS49に進む。
【0207】
ステップS49において、合成画像処理部216は、これまでに生成された合成画像を、タッチパネルモニタ52に表示させることで、それら複数枚(例えば6枚)の撮影画像を編集対象用画像として選択させる。なお、ボーナス撮影が行われた場合には、合成画像処理部216は、利用者に、複数枚(例えば6枚)の撮影画像とボーナス撮影による撮影画像の中から、複数枚(例えば6枚)編集対象用画像を選択させる。
【0208】
ステップS50において、撮影情報生成部217は、編集対象用画像として選択された撮影画像について生成された撮影情報を生成する。
【0209】
ここで、撮影画像について生成された撮影情報とは、撮影の前または後に、利用者により撮影画像に対して選択または設定された内容や、被写体(利用者)の状態を表す情報であるものとする。具体的には、撮影情報として、撮影によって得られる撮影画像の画質を表す画質情報、撮影画像に合成される合成用画像の分類を表す分類情報、撮影画像に合成される合成用画像を特定する特定情報、および撮影画像における被写体の部分の色を表す色情報が生成されるようになる。ここで、撮影画像の画質を表す画質情報としては、写り選択画面において選択された写りを表す情報があり、合成用画像の分類を表す分類情報としては、撮影用合成用画像選択画面において選択される個々の撮影用合成用画像の色味による分類(背景画像の色味群、例えば背景の色味のセット)を表す情報がある。また、合成用画像を特定する特定情報としては、撮影用合成用画像(背景画像)自体の色味を表す情報があり、被写体の部分の色を表す色情報としては、被写体(利用者)が着用している衣服や、利用者が手に持っている所持品の色味を表す情報がある。
【0210】
ステップS51において、合成画像処理部216は、編集対象用画像として選択された撮影画像を記憶部102に記憶させるとともに、撮影情報生成部217は、その撮影画像の撮影情報を記憶部102に記憶させる。
【0211】
ステップS55の処理が終了すると、撮影処理は終了され、処理は、図17のステップS2に戻る。
【0212】
次に、図22のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS5の印刷処理の流れの例を説明する。
【0213】
ステップS71において、印刷制御部231は、プリンタ114のヘッド151(またはヘッド152)を制御して、編集済み画像をシール紙162に印刷させる。より具体的には、印刷制御部231は、プリンタ114に対して、編集済み画像を印刷する旨の印刷制御信号を供給する。プリンタ114のヘッド151(またはヘッド152)は、印刷制御信号に応じた転写熱量(転写温度)で、編集処理部203からの印刷データに基づいて、C,M,Yのインクをシール紙162に熱転写する。
【0214】
ここで、シール紙162に印刷される編集済み画像について生成された撮影情報が、図20で示される写り選択画面において選択された写りを表す情報であるものとすると、ステップS72において、撮影情報取得部232は、編集処理部203からの印刷データに対応する編集済み画像について選択された写り、すなわち撮影画像の画質を表す、撮影情報としての写り選択情報を記憶部102から取得する。
【0215】
ステップS73において、熱量設定部233は、記憶部102に予め記憶されている対応情報を参照し、撮影情報取得部232によって取得された写り選択情報(撮影情報)に対応する印刷パラメータに基づいて、編集済み画像が印刷されたシール紙162にオーバーコート層を印刷するための転写熱量を設定する。
【0216】
ここで、記憶部102に、図23に示されるような対応情報が記憶されているとする。例えば、図20で示される写り選択画面において「くっきり」が選択された場合、記憶部102から写り選択情報「くっきり」が取得され、対応情報において写り選択情報「くっきり」が対応づけられている印刷パラメータP2に基づいて、マットなオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して一様に低い転写熱量(H=0)が設定される。
【0217】
また、図20で示される写り選択画面において「ふんわり」が選択された場合、記憶部102から写り選択情報「ふんわり」が取得され、対応情報において写り選択情報「ふんわり」が対応づけられている印刷パラメータP3に基づいて、マットなオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して一様に所定の転写熱量(例えば、H=3)が設定される。
【0218】
ステップS74において、印刷制御部231は、熱量設定部233によって設定された転写熱量で、編集済み画像が印刷されたシール紙162に、オーバーコート層をさらに印刷する。すなわち、印刷制御部231は、編集済み画像が印刷されたシール紙162にオーバーコート層をさらに熱転写する際、熱量設定部233によって設定された転写熱量に基づいて、ヘッド151(またはヘッド152)の転写熱量(転写温度)を、編集済み画像の画素単位で制御し、オーバーコート層をシール紙162に印刷する。
【0219】
このように、オーバーコート層が、編集済み画像が撮影されるときに選択された写り、すなわち画質に応じた転写熱量で印刷されて、印刷処理は終了する。
【0220】
以上の処理によれば、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、その表面は、編集済み画像が撮影されたときに選択される写りに応じた光沢の度合のオーバーコート層でオーバーコーティングされる。これによって、利用者による余計な操作を必要とせずに、撮影画像の雰囲気に応じた、見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することができる。
【0221】
なお、図22のフローチャートにおいては、ステップS71において編集済み画像がシール紙162に印刷された後に、ステップS72において編集済み画像の写り選択情報が取得されるようにしたが、ステップS71とステップS72の処理は並行して実行されてもよいし、また、逆の順番で実行されてもよい。
【0222】
また、写り選択情報に対応づけられている印刷パラメータは、図23に示されるものに限らず、他の印刷パラメータであってもよい。
【0223】
以上においては、シール紙162に印刷される編集済み画像について生成された撮影情報が、図20で示される写り選択画面において選択された写りを表す情報である場合の印刷処理について説明した。
【0224】
次に、撮影情報が、撮影用合成用画像選択画面において選択された撮影用合成用画像(背景画像)の色味による分類を表す情報である場合の印刷処理の流れの例について、図24のフローチャートを参照して説明する。
【0225】
なお、図24のフローチャートのステップS91,S94の処理は、図22のフローチャートのステップS71,S74の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0226】
ステップS92において、撮影情報取得部232は、編集処理部203からの印刷データに対応する編集済み画像について選択された背景の色味のセットである背景セット、すなわち背景画像の色味の分類を表す、撮影情報としての分類情報を記憶部102から取得する。
【0227】
ステップS93において、熱量設定部233は、記憶部102に予め記憶されている対応情報を参照し、撮影情報取得部232によって取得された分類情報(撮影情報)に対応する印刷パラメータに基づいて、編集済み画像が印刷されたシール紙162にオーバーコート層を印刷するための転写熱量を設定する。
【0228】
ここで、記憶部102に、図25に示されるような対応情報が記憶されているとする。例えば、撮影処理で、図21で示される背景セットの選択画面において、テーマが「ビビッド」である画像327が選択された場合、撮影情報生成部217により生成された分類情報「ビビッド」が記憶部102から取得され、対応情報において分類情報「ビビッド」が対応づけられている印刷パラメータP1に基づいて、つやありのオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して一様に、低い転写熱量(H=0)が設定される。
【0229】
また、撮影処理で、図21で示される背景セットの選択画面において、テーマが「パステル」である画像321が選択された場合、撮影情報生成部217により生成された分類情報「パステル」が記憶部102から取得され、対応情報において分類情報「パステル」が対応づけられている印刷パラメータP3に基づいて、マットなオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して一様に、所定の転写熱量(例えば、H=3)が設定される。
【0230】
これにより、オーバーコート層が、編集済み画像が撮影されるときに選択された背景セット、すなわち背景画像の色味の分類に応じた転写熱量で印刷されて、印刷処理は終了する。
【0231】
以上の処理によれば、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、その表面は、編集済み画像が撮影されるときに選択された背景画像の色味の分類に応じた光沢の度合のオーバーコート層でオーバーコーティングされる。これによって、利用者による余計な操作を必要とせずに、撮影画像の雰囲気に応じた、見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することができる。
【0232】
なお、分類情報に対応づけられている印刷パラメータは、図25に示されるものに限らず、他の印刷パラメータであってもよい。
【0233】
次に、撮影情報が、撮影用合成用画像選択画面において選択された個々の撮影用合成用画像(背景画像)の色味を表す情報である場合の印刷処理の流れの例について、図26のフローチャートを参照して説明する。
【0234】
なお、図26のフローチャートのステップS111,S114の処理は、図22のフローチャートのステップS71,S74の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0235】
ステップS112において、撮影情報取得部232は、編集処理部203からの印刷データに対応する編集済み画像について選択された背景画像を特定する、撮影情報としての特定情報を記憶部102から取得する。
【0236】
ステップS113において、熱量設定部233は、記憶部102に予め記憶されている対応情報を参照し、撮影情報取得部232によって取得された特定情報(撮影情報)に対応する印刷パラメータに基づいて、編集済み画像が印刷されたシール紙162にオーバーコート層を印刷するための転写熱量を設定する。
【0237】
ここで、記憶部102に、図27に示されるような対応情報が記憶されているとする。例えば、撮影処理で、背景画像の選択画面において、ある色味をもつ背景画像1が選択された場合、撮影情報生成部217により生成された特定情報「背景画像1」が記憶部102から取得され、対応情報において特定情報「背景画像1」が対応づけられている印刷パラメータP4-1に基づいて、マットなオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して、例えば図15の一番左側に示される熱量度合の値のパターンの転写熱量が設定される。
【0238】
また、撮影処理で、背景画像の選択画面において、ある色味をもつ背景画像2が選択された場合、撮影情報生成部217により生成された特定情報「背景画像2」が記憶部102から取得され、対応情報において特定情報「背景画像2」が対応づけられている印刷パラメータP4-2に基づいて、マットなオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して、例えば図15の左から2番目に示される熱量度合の値のパターンの転写熱量が設定される。
【0239】
さらに、撮影処理で、背景画像の選択画面において、ある色味をもつ背景画像60が選択された場合、撮影情報生成部217により生成された特定情報「背景画像60」が記憶部102から取得され、対応情報において特定情報「背景画像60」が対応づけられている印刷パラメータP4-60に基づいて、マットなオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して、例えば図15の一番右側に示される熱量度合のパターンの転写熱量が設定される。
【0240】
これにより、オーバーコート層が、編集済み画像が撮影されるときに選択された背景画像の色味の分類に応じた転写熱量で印刷されて、印刷処理は終了する。
【0241】
以上の処理によれば、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、その表面は、編集済み画像が撮影されるときに選択された背景画像の色味に応じた光沢の度合のオーバーコート層でオーバーコーティングされる。これによって、利用者による余計な操作を必要とせずに、撮影画像の雰囲気に応じた、見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することができる。
【0242】
特に、写真シールの領域毎に異なる転写熱量でオーバーコート層が印刷されるようにできるので、より一層見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することが可能となる。
【0243】
なお、特定情報に対応づけられている印刷パラメータは、図27に示されるものに限らず、他の印刷パラメータであってもよい。
【0244】
次に、撮影情報が、撮影画像における被写体(利用者)部分、例えば、利用者が着用している衣服や、利用者が手に持っている所持品の色味を表す情報である場合の印刷処理の流れの例について、図28のフローチャートを参照して説明する。
【0245】
なお、図28のフローチャートのステップS131,S134の処理は、図22のフローチャートのステップS71,S74の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0246】
ステップS132において、撮影情報取得部232は、編集処理部203からの印刷データに対応する編集済み画像における被写体部分の色味を表す、撮影情報としての色情報を記憶部102から取得する。
【0247】
なお、この色情報は、例えば、図19のステップS50において、撮影情報生成部217が、編集対象用画像として選択された撮影画像において被写体部分を抽出し、その被写体部分の色において最も占める割合の高い色に基づいて色味を判定することで生成される。生成された色情報は記憶部102に記憶される。
【0248】
ステップS133において、熱量設定部233は、記憶部102に予め記憶されている対応情報を参照し、撮影情報取得部232によって取得された色情報(撮影情報)に対応する印刷パラメータに基づいて、編集済み画像が印刷されたシール紙162にオーバーコート層を印刷するための転写熱量を設定する。
【0249】
ここで、記憶部102に、図29に示されるような対応情報が記憶されているとする。例えば、撮影処理で、撮影画像の被写体部分が濃い色味をもつと判定された場合、撮影情報生成部217により生成された色情報「濃い」が記憶部102から取得され、対応情報において色情報「濃い」が対応づけられている印刷パラメータP1に基づいて、つやありのオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して一様に、低い転写熱量(H=0)が設定される。
【0250】
また、撮影処理で、撮影画像の被写体部分が淡い色味をもつと判定された場合、撮影情報生成部217により生成された色情報「淡い」が記憶部102から取得され、対応情報において色情報「淡い」が対応づけられている印刷パラメータP3に基づいて、マットなオーバーコート層が選択され、シール紙162に対して、一様に所定の転写熱量(例えばH=3)が設定される。
【0251】
これにより、オーバーコート層が、編集済み画像が撮影されたときに判定された被写体部分の色味に応じた転写熱量で印刷されて、印刷処理は終了する。
【0252】
以上の処理によれば、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、その表面は、編集済み画像が撮影されたときに判定された被写体部分の色味に応じた光沢の度合のオーバーコート層でオーバーコーティングされる。これによって、利用者による余計な操作を必要とせずに、利用者の趣向(好み)に応じた仕上がりの写真シールを提供することができる。
【0253】
なお、色情報に対応づけられている印刷パラメータは、図29に示されるものに限らず、他の印刷パラメータであってもよい。
【0254】
以上においては、印刷処理において、撮影情報に応じて、写真シールに印刷されるオーバーコート層の転写熱量を設定するようにしたが、編集処理において、撮影情報に応じた画像処理を施した編集画面を表示するようにしてもよい。
【0255】
図30は、撮影情報に応じた画像処理を施した編集画面を表示するようにした編集処理部203の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【0256】
編集処理部203は、進行制御部351、編集準備処理部352、入力受付制御部353、編集画面表示制御部354、および落書き編集処理部355から構成される。
【0257】
進行制御部351は、編集作業の工程の進行を制御する。
【0258】
編集準備処理部352は、編集対象画像の選択等、編集の準備に関する処理を行う。
【0259】
入力受付制御部353は、タブレット142を制御し、ディスプレイ141に表示される各種のGUIに対して利用者により行われる操作入力を受け付ける処理を行う。
【0260】
編集画面表示制御部354は、ディスプレイ141に表示される編集画面の表示や、その編集画面上における各種のGUIの表示に関する処理を行う。
【0261】
落書き編集処理部355は、利用者によるタッチペン63を用いた入力操作に応じて、編集画像に対して落書き編集に関する処理を行う。
【0262】
次に、図31のフローチャートを参照して、図17のステップS4において実行される編集処理の詳細な流れの例を説明する。なお、この編集処理は、実際には、第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bのうち、図18および図19のフローチャートに対応する写真シール作成ゲームの撮影工程をプレイした利用者が移動した方の編集空間に対して実行されるが、いずれの編集空間に対する場合も同様の処理が実行されるので、以下においては説明の簡略化のため、利用者が第1編集空間33Aに移動したか第2編集空間33Bに移動したかを特に明言せずに、編集空間33に移動したものとして説明する。
【0263】
編集処理が開始されると、ステップS171において、編集準備処理部352は、撮影部112によって得られた撮影画像であって、落書き編集の対象として選択された編集対象画像を、撮影情報とともに記憶部102から取得する。ステップS172において、編集準備処理部352は、編集空間33のディスプレイ141に所定のGUI画面を表示し、移動してきた利用者に対し、事後接客処理のゲームの種類を選択させる。上述したように、事後接客処理部205は、印刷終了待機中の利用者に対してミニゲームや画像転送等のサービスを行う。編集準備処理部352は、このときに何を行うかを、利用者に対し、予め用意された選択肢の中から選択させる。利用者が事後接客処理の内容を選択すると、編集準備処理部352は、次に、ディスプレイ141に編集開始ボタンのGUI画像を表示する。利用者は、タッチペン63を操作して、その編集開始ボタンを押下操作する。編集開始ボタンが押下操作されると、ディスプレイ141に編集作業用のGUIである編集画面が表示されるので、利用者は落書き編集作業を開始することができる。
【0264】
ステップS173において、編集準備処理部352は、タブレット内蔵モニタ62から供給される情報に基づいて、その編集開始ボタンが利用者により操作されたか否かを判定し、操作されたと判定するまで待機する。編集開始ボタンが操作されたと判定した場合、編集準備処理部352は、処理をステップS174に進め、編集画面表示制御部354は、ディスプレイ141に、例えば、図32に示されるような、撮影画像に対する落書き編集を利用者に入力させるGUI画面である編集画面401を表示させる。このとき、編集画面表示制御部354は、記憶部102に予め記憶されている対応情報を参照し、記憶部102から取得した撮影情報に対応する印刷パラメータに応じた画像処理を、編集画面401に表示される画像全体に施し、その画像をディスプレイ141に表示させる。
【0265】
具体的には、編集画面表示制御部354は、印刷パラメータによって印刷処理において設定される転写熱量(熱量度合)に応じたフィルタ処理(ぼかし処理)を、編集画面401に表示される画像全体に施す。例えば、印刷パラメータによって設定される転写熱量が低い場合(光沢の度合の高いオーバーコート層が印刷される場合)、ぼかし度合の低いぼかし処理が編集画面401全体に施され、印刷パラメータによって設定される転写熱量が高い場合(光沢の度合の低いオーバーコート層が印刷される場合)、ぼかし度合の高いぼかし処理が編集画面401全体に施される。
【0266】
なお、上述した画像処理は、編集画面401全体ではなく、編集画面401に表示される編集対象用画像(編集画像A,B)のみに対して施されてもよいし、編集対象用画像(編集画像A,B)およびコンテンツパレット411−1,411−2に対して施されるようにしてもよい。さらに、上述した画像処理は、その画像処理の対象に一様なぼかし度合で施されるのではなく、所定の領域毎にランダムなぼかし度合で施されるようにしてもよい。
【0267】
例えば、編集画面401全体に対して、上述した画像処理が施されることで、シール紙162全体(全ての編集対象用画像)に一様にオーバーコート層が熱転写される場合(例えば、撮影画像の画質(写り)を表す画質情報や、撮影用合成用画像(背景画像)の色味群に応じた印刷パラメータに応じてオーバーコート層が印刷される場合)に最終的に得られる写真シールをイメージしながら編集作業を行うことができるようになる。
【0268】
また、例えば、編集対象用画像(編集画像A,B)のみに対して、上述した画像処理が施されるようにして、編集対象用画像毎にぼかし度合を設定することで、シール紙162の編集対象用画像(編集済み画像)毎で異なる転写熱量でオーバーコート層が熱転写される場合(例えば、合成用画像を特定する特定情報や、被写体の部分の色を表す色情報に応じた印刷パラメータに応じてオーバーコート層が印刷される場合)に最終的に得られる写真シールにおける個々の印刷画像をイメージしながら編集作業を行うことができるようになる。
【0269】
さらに、例えば、編集対象用画像(編集画像A,B)およびコンテンツパレット411−1,411−2に対して、上述した画像処理が施されるようにして、ペンやスタンプといった編集用合成用画像毎にぼかし度合を設定することで、編集対象用画像のみに対して画像処理を施した場合と同様の効果が得られる上に、最終的に得られる写真シールにおける編集用合成用画像の質感を感じながら編集作業を行うことができるようになる。
【0270】
ステップS175において、入力受付制御部353は、編集部113のタブレット142やタッチペン63を制御し、利用者による編集画面に対する落書き編集入力の受け付けを開始する。
【0271】
ステップS176において、入力受付制御部353は、タブレット内蔵モニタ62より供給される入力信号(すなわち、タッチペン63およびタブレット142により受け付けられた位置情報)に基づいて、利用者による指示が入力された(GUIに対する操作が行われた)か否かを判定する。利用者等によりタッチペン63が操作され、ディスプレイ141に表示された編集画面に対して、タブレット142に位置情報が入力されたと判定した場合、入力受付制御部353は、処理をステップS177に進め、落書き編集処理部355は、入力座標に基づいて入力された指示内容を把握し、その指示に対応する処理を行う。
【0272】
このような入力に対応する処理が終了すると、落書き編集処理部355は、処理をステップS178に進める。なお、ステップS176において指示が入力されていないと判定した場合、落書き編集処理部355は、ステップS177の処理を省略し、ステップS178に処理を進める。
【0273】
ステップS178において、進行制御部351は、所定の時間(制限時間)が経過したか、または、終了ボタンが操作されたか否かを判定し、制限時間にも達しておらず、終了ボタンも操作されていないと判定した場合、進行制御部351は、処理をステップS176に戻し、それ以降の処理を繰り返す。つまり、進行制御部351は、所定の時間が経過した、または、終了ボタンが操作されたと判定されるまで、ステップS176乃至ステップS178の処理を繰り返し、落書き編集入力に対する処理を行う。そして、ステップS178において、所定の時間が経過した、または、終了ボタンが操作されたと判定した場合、進行制御部351は、処理をステップS179に進める。
【0274】
ステップS179において、進行制御部351は、落書き編集が行われた編集画像(落書き編集結果)を印刷用の画像を作成するために、印刷対象画像として保存する。なお、この「保存する」とは、単に編集結果である編集画像を印刷処理に提供することを示すものであり、実際に、データを、RAM107や記憶部102に保存するかしないかは任意である。
【0275】
ステップS180において、進行制御部351は、編集画面の表示を終了し、編集入力の受け付けを終了する。ステップS180の処理を終了すると、進行制御部351は、編集処理を終了し、処理を図17のステップS4に戻し、ステップS5以降の処理が実行される。
【0276】
以上の処理によれば、編集画面に表示される画像に対して、撮影情報に応じた画像処理が施される。これによって、編集処理において、最終的に印刷される写真シールの表面の質感に近い編集画面が表示されるようになるので、利用者は、最終的に得られる写真シールをイメージしながら編集作業を行うことができるようになる。
【0277】
なお、以上においては、本発明を、撮影処理において、背景画像等の合成用画像を撮影画像に合成する構成に適用するようにしたが、編集処理において、背景画像等の合成用画像を撮影画像に合成する構成に適用することもできる。
【0278】
図33は、編集処理において背景画像等の合成用画像を撮影画像に合成する構成における撮影処理部501および編集処理部502の構成例を示す機能ブロック図である。
【0279】
なお、図33の撮影処理部501および編集処理部502において、図11の撮影処理部202および図30の編集処理部203に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は、適宜省略するものとする。
【0280】
すなわち、図33の撮影処理部501において、図11の撮影処理部202と異なるのは、合成用画像選択制御部213および合成画像処理部216を削除した点である。また、図33の編集処理部502において、図30の撮影処理部203と異なるのは、合成用画像選択制御部511および合成画像処理部512を新たに設けた点である。
【0281】
合成用画像選択制御部511は、背景や前景などからなる合成用画像をディスプレイ141に表示して、利用者により行われる合成用画像の選択に関する処理を制御する。
【0282】
合成画像処理部512は、編集対象用画像の合成等の、合成画像の生成に関する処理を行う。
【0283】
次に、図34のフローチャートを参照して、図33の撮影処理部501によって実行される、図17のフローチャートにおけるステップS2の撮影処理の流れの例を説明する。
【0284】
撮影処理が開始されると、ステップS211において、撮影準備処理部212は、色合いやシャープネス等の画像の仕上がり(好みの画質)を利用者に選択させる写り選択画面(図20)をタッチパネルモニタ52に表示させ、それに対する写り選択を受け付ける。
【0285】
ステップS212において、ライブビュー表示制御部214は、撮影用合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、タッチパネルモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
【0286】
ステップS213において、撮影画像取得部215は、タッチパネルモニタ52等にカウントダウンインジケータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像を得る。
【0287】
ステップS214において、撮影画像取得部215は、得られた撮影画像をタッチパネルモニタ52等に表示し、利用者に合成画像(撮影結果)を確認させる。
【0288】
ステップS215において、進行処理部211は、所定回数撮影したか否かを判定し、撮影枚数が予め定められている所定回数に達していない場合、処理は、ステップS212に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0289】
ステップS215において、所定回数撮影したと判定された場合、処理は、ステップS216に進む。
【0290】
ステップS216において、進行制御部211は、撮影可能時間内か否かを判定し、経過時間または残り時間に基づいて、また撮影可能か否かを判定する。ステップS216において、撮影可能であると判定された場合、処理は、ステップS217に進み、追加的な撮影である「ボーナス撮影」の処理が行われる。
【0291】
ステップS217において、進行制御部211は、ボーナス撮影を案内するためのボーナス撮影用案内画面をタッチパネルモニタ52等に表示し、利用者にボーナス撮影の概要を確認させる。
【0292】
ステップS218において、ライブビュー表示制御部214は、ステップS212と同様に、合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、タッチパネルモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
【0293】
ステップS219において、撮影画像取得部215は、追加的な撮影であるボーナス撮影を行う。
【0294】
ステップS220において、進行制御部211は、所定時間経過したか否かを判定し、まだ撮影可能である場合、処理は、ステップS218に戻り、それ以降の処理が繰り返され、ボーナス撮影が再度行われる。
【0295】
一方、ステップS220において、所定時間経過したと判定された場合、処理は、ステップS221に進む。また、先に述べたステップS216において、撮影可能時間内ではないと判定された場合も、ボーナス撮影が行われないため、ステップS217乃至ステップS220をスキップして、処理は、ステップS221に進む。
【0296】
ステップS221において、撮影準備処理部212は、画像の明るさを利用者に選択させる明るさ選択画面をタッチパネルモニタ52に表示させ、それに対する明るさ選択を受け付ける。
【0297】
ステップS222において、撮影準備処理部212は、撮影画像における被写体(利用者)の目のサイズを利用者に選択させる目のサイズ選択画面をタッチパネルモニタ52に表示させ、それに対する目のサイズ選択を受け付ける。利用者がタッチパネルモニタ52をタップする等していずれかを選択すると、撮影準備処理部212は、入力された目のサイズ選択に基づいて、撮影画像における被写体の目のサイズの設定を行う。
【0298】
ステップS223において、撮影情報生成部217は、撮影画像についての撮影情報を生成する。この場合、例えば、撮影情報としては、写り選択画面において選択された写りを表す情報、または、撮影画像における被写体の部分の色を表す情報などがある。
【0299】
ステップS224において、撮影準備処理部212は、撮影画像を記憶部102に記憶させるとともに、撮影情報生成部217は、その撮影画像の撮影情報を記憶部102に記憶させる。
【0300】
ステップS224の処理が終了すると、撮影処理は終了され、処理は、図17のステップS2に戻る。
【0301】
次に、図35のフローチャートを参照して、図33の編集処理部502によって実行される、図17のフローチャートにおけるステップS4の編集処理について説明する。
【0302】
編集処理が開始されると、ステップS251において、編集準備処理部352は、撮影部112によって得られた撮影画像を、撮影情報とともに記憶部102から取得する。
【0303】
ステップS252において、編集準備処理部352は、記憶部102から取得した撮影画像を、ディスプレイ141に表示させることで、それら複数枚(例えば6枚)の撮影画像を編集対象用画像として選択させる。なお、ボーナス撮影が行われた場合には、編集準備処理部352は、利用者に、複数枚(例えば6枚)の撮影画像とボーナス撮影による撮影画像の中から、複数枚(例えば6枚)編集対象用画像を選択させる。
【0304】
ステップS253において、合成用画像選択制御部511は、予め用意されている、撮影画像に合成される前景や背景の画像である合成用画像を選択させるための合成用画像選択画面(GUI)を、編集空間33のディスプレイ141に表示する。このとき、合成用画像選択画面として、図21に示されるような画面が表示されてもよい。
【0305】
ステップS254において、合成用画像選択制御部511は、ステップS253の処理で表示された合成用画像の中から、利用者による合成用画像の選択を、選択された編集対象用画像の枚数(例えば6枚)分だけ受け付ける。
【0306】
ステップS255において、合成画像処理部512は、編集対象用画像に合成用画像を合成し、合成画像を生成する。さらに、合成画像処理部512は、ステップS256において、生成した合成画像をディスプレイ141に表示し、利用者に合成画像を確認させる。
【0307】
その後、ディスプレイ141に編集開始ボタンのGUI画像が表示され、利用者によって、タッチペン63が操作されて、その編集開始ボタンが押下操作されると、ステップS257において、編集画面表示制御部354は、ディスプレイ141に、撮影画像に対する落書き編集を利用者に入力させるGUI画面である編集画面401(図32)を表示させる。このとき、編集画面表示制御部354は、記憶部102に予め記憶されている対応情報を参照し、記憶部102から取得した撮影情報に対応する印刷パラメータに応じた画像処理を、編集画面401に表示される画像全体(または、編集画像A,Bのみ)に施し、その画像をディスプレイ141に表示させる。
【0308】
なお、以降、ステップS258乃至S263における処理は、図31のフローチャートのステップS175乃至S180における処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0309】
以上のように、編集処理において合成用画像を撮影画像に合成する構成においても、撮影画像についての撮影情報が生成されるので、印刷処理においては、オーバーコート層が、撮影画像についての撮影情報に応じた転写熱量で印刷されるようになる。結果として、利用者による余計な操作を必要とせずに、撮影画像の雰囲気に応じた、見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することができるようになる。
【0310】
また、編集処理において合成用画像を撮影画像に合成する構成によって、編集処理において、モデルではなく利用者自身が被写体となった撮影画像に対して合成用画像が合成されるようになるので、利用者は、最終的に得られる写真シールをイメージしながら編集作業を行うことができるようになる。
【0311】
なお、以上においては、撮影情報として、画質を表す画質情報、合成用画像の分類を表す分類情報、合成用画像を特定する特定情報、および、被写体の色を表す色情報のそれぞれを用いた例について説明したが、これらの撮影情報のうちのいずれか1つを選択的に用いるようにして印刷パラメータを設定するようにしてもよいし、撮影情報のうちのいずれか2つ以上を組み合わせて用いるようにして印刷パラメータを設定するようにしてもよい。
【0312】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0313】
この記録媒体は、例えば、図9に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア105により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM106や、記憶部102に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0314】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0315】
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
【0316】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0317】
1 写真シール作成装置
12 撮影ユニット
13 編集ユニット
51 カメラ
101 制御部
111 撮影部
113 編集部
114 プリンタ
151,152 ヘッド
201 事前接客処理部
202 撮影処理部
203 編集処理部
204 印刷処理部
205 事後接客処理部
217 撮影情報生成部
231 印刷制御部
232 撮影情報取得部
233 熱量設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のシール紙に画像を印刷した上に、前記シール紙に印刷された前記画像を保護するためのオーバーコート層を印刷する画像印刷装置において、
被写体を撮影し前記画像を得る撮影手段と、
前記撮影手段によって得られた前記画像の前記シール紙への印刷を制御する印刷制御手段と、
前記画像について生成される画像情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、前記画像情報に対応づけられている前記転写熱量を、前記シール紙に前記オーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定する熱量設定手段と
を備え、
前記印刷制御手段は、前記熱量設定手段によって設定された前記転写熱量での、前記シール紙への前記オーバーコート層の印刷を制御する
画像印刷装置。
【請求項2】
利用者としての前記被写体による選択または前記被写体の状態に応じて、前記画像情報を生成する画像情報生成手段をさらに備える
請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項3】
前記画像情報生成手段は、前記画像情報として、前記画像の画質を表す画質情報、前記画像に合成される合成用画像の分類を表す分類情報、前記合成用画像を特定する特定情報、および前記画像における前記被写体の部分の色を表す色情報の少なくともいずれか1つを生成する
請求項2に記載の画像印刷装置。
【請求項4】
前記熱量設定手段は、前記画像について生成される前記画像情報に応じて、前記シール紙の所定の領域毎に、異なる転写熱量を設定する
請求項3に記載の画像印刷装置。
【請求項5】
前記撮影手段によって得られた前記画像に対して利用者に落書き入力を行わせるための編集画面の表示を制御する表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記画像について生成される前記画像情報に応じた画像処理を施した前記編集画面の表示を制御する
請求項3に記載の画像印刷装置。
【請求項6】
所定のシール紙に画像を印刷した上に、前記シール紙に印刷された前記画像を保護するためのオーバーコート層を印刷する画像印刷装置の画像印刷方法において、
被写体を撮影し前記画像を得る撮影ステップと、
前記撮影ステップの処理によって得られた前記画像の前記シール紙への印刷を制御する印刷制御ステップと、
前記画像について生成される画像情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、前記画像情報に対応づけられている前記転写熱量を、前記シール紙に前記オーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定する熱量設定ステップと
を含み、
前記印刷制御ステップは、前記熱量設定手段によって設定された前記転写熱量での、前記シール紙への前記オーバーコート層の印刷を制御する
画像印刷方法。
【請求項7】
所定のシール紙に画像を印刷した上に、前記シール紙に印刷された前記画像を保護するためのオーバーコート層を印刷する画像印刷処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
被写体の撮影を制御し前記画像を得る撮影制御ステップと、
前記撮影ステップの処理によって得られた前記画像の前記シール紙への印刷を制御する印刷制御ステップと、
前記画像について生成される画像情報と転写熱量とを予め対応づけた対応情報に基づいて、前記画像情報に対応づけられている前記転写熱量を、前記シール紙に前記オーバーコート層を印刷するための転写熱量として設定する熱量設定ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させ、
前記印刷制御ステップは、前記熱量設定手段によって設定された前記転写熱量での、前記シール紙への前記オーバーコート層の印刷を制御する
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2012−192574(P2012−192574A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57245(P2011−57245)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【特許番号】特許第4899174号(P4899174)
【特許公報発行日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】