説明

画像受信装置、および、プログラム

【課題】立体画像表示を視聴する際の利便性を向上させる。
【解決手段】移動体通信端末1は、視差バリアパネル173を備えた表示部170により、通信部120や放送受信部130が受信した画像データを用いた立体的な画像表示をおこなうことが可能である。制御部110は、移動体通信端末1の使用者によって録画が指定された場合に、受信された画像データを保存用画像として記録する通常録画をおこなう他に、受信した画像データを用いた立体画像表示をおこなう場合には、立体画像表示をおこなっている間、当該画像データを補助的な記録として記録する動作を自動的におこなう。すなわち、視認条件によっては立体的に視認されない場合に備えて、立体画像表示にかかる画像データの録画が自動的におこなわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像受信装置、および、プログラムに関し、特に、立体画像表示に好適な画像受信装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動体通信端末においては、例えば、テレビ放送受信機能などのような画像表示を伴う付加機能の高性能化が進んでいる。これに伴い、表示装置の構造にも種々の形態が存在する。移動体通信端末に用いられる表示装置は、液晶表示パネルを用いたものが主流であるが、電子式の視差バリア(スイッチング液晶パネル)を用いて、平面/立体映像が変換可能な表示システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−121553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、立体画像の場合、視認条件(視認距離や角度など)が適切でないと、立体画像として視認することができず、見にくい画像となってしまうという欠点がある。このため、例えば、立体表示させたテレビ番組を視聴している場合などでは、立体画像として正しく視認できないと、例えば、決定的なシーンのような、詳しく見たい内容を見逃してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、立体画像表示時の利便性を向上することのできる画像受信装置、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる画像受信装置は、
受信した画像データを用いて立体的な画像表示をおこなうことのできる画像受信装置において、
受信した前記画像データの記録が該画像受信装置の使用者によって指定された場合に、当該画像データを保存用画像として記録する第1の記録手段と、
前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段が、前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうと判別した場合、少なくとも当該画像データを用いた立体画像表示をおこなっている間、該画像データを補助的な記録として記録する第2の記録手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記画像受信装置において、
前記判別手段は、前記受信した画像データに付随する属性情報が、当該画像データが立体画像表示可能な画像データであることを示す場合、当該画像データを用いて立体画像表示をおこなうと判別することが望ましい。
【0008】
上記画像受信装置は、
前記使用者による操作に応じて、立体画像表示をおこなうか否かを示す指示信号を入力する入力手段をさらに備えていてもよく、この場合、
前記判別手段は、前記入力手段による前記指示信号に基づいて、前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうか否かを判別することが望ましい。
【0009】
上記画像受信装置は、
立体画像表示用の画像データではない画像データを立体画像表示用の画像データに変換する変換手段をさらに備えていることが望ましく、この場合、
該変換手段は、前記判別手段が、前記指示信号に基づいて立体画像表示をおこなうと判別した場合、前記受信した画像データを立体画像表示用の画像データに変換することが望ましい。
【0010】
上記画像受信装置において、
前記第2の記録手段は、実行している前記補助的な記録を、記録している前記画像データにかかる所定の条件に基づいて終了させる終了手段をさらに備えていることが望ましい。
【0011】
この場合、
前記終了手段は、前記画像データの受信にかかるチャンネルが切り換えられた場合に、前記補助的な記録を終了させてもよい。
【0012】
あるいは、
前記終了手段は、前記受信した画像データが示すコンテンツが終了した場合に、前記補助的な記録を終了させてもよい。
【0013】
上記画像受信装置は、
前記第2の記録手段による前記補助的な記録が終了した場合に、該補助的な記録によって記録された画像データがあることを前記使用者に通知する通知手段をさらに備えていることが望ましい。
【0014】
上記画像受信装置は、
前記第1の記録手段によって記録される画像データと、前記第2の記録手段によって記録される画像データとを識別可能に記憶する記憶手段をさらに備えていることが望ましい。
【0015】
上記画像受信装置において、
前記記憶手段は、前記第2の記録手段の動作にかかる設定情報を記憶し、
前記第2の記録手段は、前記判別手段による判別結果と、前記記憶手段が記憶する前記設定情報とに基づいて、前記補助的な記録にかかる動作をおこなうことが望ましい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
受信した画像データを用いて立体的な画像表示をおこなうことのできる画像受信装置を制御するコンピュータに、
受信した前記画像データの記録が該画像受信装置の使用者によって指定された場合に、当該画像データを保存用画像として記録する機能と、
前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうか否かを判別する機能と、
前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうと判別された場合、少なくとも当該画像データを用いた立体画像表示をおこなっている間、該画像データを補助的な記録として記録する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、立体画像表示における利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態にかかる移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した表示部の構成を説明するための図であり、(a)は、表示部の構成を模式的に示し、(b)は、表示部で表示される左目用画像の例を示し、(c)は、表示部で表示される右目用画像の例を示し、(d)は、3次元画像の画素配列の例を示す。
【図3】図3(a)に示す視差バリアパネルを説明するための図であり、(a)は、バリアパターンの例を示し、(b)は、バリアパターンによる画像透過の仕組みを模式的に示す。
【図4】図1に示す制御部によって実現される機能構成の例を示す図である。
【図5】図1に示す記憶部に格納される情報の例を示す図であり、(a)は「補助録画設定情報」の例を示し、(b)は「録画データ管理テーブル」の例を示す。
【図6】本発明の実施形態にかかる「補助録画実行処理」を説明するためのフローチャートである。
【図7】図5に示す「補助録画実行処理」で実行される「録画終了処理」を説明するためのフローチャートである。
【図8】図5に示す「補助録画実行処理」で実行される「補助録画通知処理」を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかる実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
【0020】
本実施形態では、本発明にかかる画像受信装置を、例えば、携帯電話などの移動体通信端末として実現した場合を例に説明する。
【0021】
このような移動体通信端末1の構成を、図1を参照して説明する。図1は、移動体通信端末1の構成を示すブロック図である。
【0022】
図示するように、移動体通信端末1は、制御部110、通信部120、放送受信部130、再生処理部140、記憶部150、操作部160、表示部170、などから構成されている。
【0023】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成され、所定の動作プログラムを実行することで移動体通信端末1の各部を制御する。すなわち、移動体通信端末1の各構成は制御部110によって制御されるとともに、各構成間の情報伝達などは制御部110を介しておこなわれる。
【0024】
通信部120は、移動体通信端末1が通信をおこなう際の無線アクセスにかかる構成であり、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)方式やGSM(Global Systems for Mobile communications)方式などの通信方式を用いた通信装置などで構成され、当該通信方式に対応したアンテナ121による無線送受信をおこなうことで、近傍の基地局と無線通信をおこなう。
【0025】
この通信部120の動作により、音声通信やデータ通信などの通信動作が実現される。本実施形態では、通信部120によって実現されるデータ通信により、例えば、インターネットなどの通信ネットワークを介して画像データが受信されるものとする。すなわち、インターネットなどを介してストリーミング配信されている動画像コンテンツなどが、通信部120の動作によって受信される。
【0026】
放送受信部130は、例えば、ワンセグメント放送などのデジタルテレビ放送のチューナモジュールなどから構成され、デジタル放送用のアンテナ131によって受信された放送電波の復調や選局などがおこなわれる。すなわち、放送受信部130の動作により、放送されている動画像コンテンツ(テレビ番組)などの受信がおこなわれる。
【0027】
再生処理部140は、例えば、動画像や音声にかかる種々の符号化方式に応じて画像データ(動画像データ)の復号をおこなう復号回路などから構成され、通信部120や放送受信部130によって受信された画像データ(動画像データ)の復号をおこない、動画像や音声の再生出力をおこなう。
【0028】
すなわち、再生処理部140は、画像データ(動画像データ)の復号によって得られる画像信号を表示部170に出力することで動画像の表示出力(再生)をおこない、動画像データに含まれている音声データの復号によって得られる音声信号をスピーカ141から出力することで、受信した動画像コンテンツにかかる音声の報音出力(再生)をおこなう。
【0029】
なお、本実施形態では、表示部170の構成(詳細後述)により、平面的な画像表示である通常の画像表示(以下、「2D表示」とする)の他に、立体画像表示(以下、「3D表示」とする)をおこなうことができるものとする。本実施形態では、表示部170に構成されている視差バリアにより、ユーザの左目で左目用画像を視認させ、右目で右目用画像を視認させる方式により3D表示機能が実現されるものとする。
【0030】
この場合、このような3D表示方式に対応した画像データが通信部120や放送受信部130によって受信される場合がある。すなわち、予め生成された左目用画像と右目用画像から構成された画像データ(動画像データ)がストリーミング配信されたり放送されたりする。このような画像データ(動画像データ)が受信された場合、再生処理部140は、それぞれについての復号による画像信号を表示部170に出力する。
【0031】
記憶部150は、例えば、フラシュメモリなどの記憶装置から構成され、制御部110が実行する動作プログラムや本発明を実現するために必要な種々のデータなどを格納する他、移動体通信端末1の各種処理によって取得・生成されたデータなどを保存する。本実施形態にかかる記憶部150には、内部記憶媒体151と外部記憶媒体152が含まれるものとする。
【0032】
内部記憶媒体151は、移動体通信端末1の内部に搭載されたフラッシュメモリなどによって構成され、主に、制御部110が実行する動作プログラムや本発明を実現するために必要な種々のデータ(例えば、各種パラメータや演算式など)を格納する。
【0033】
外部記憶媒体152は、移動体通信端末1に着脱可能なメモリカードなどによって構成され、主に、移動体通信端末1の各種処理によって取得・生成されたデータなどを保存する。外部記憶媒体152へのデータの保存は、主に、ユーザによる任意の操作によっておこなわれるものとする。
【0034】
操作部160は、例えば、筐体の外面上に構成されたボタンやキーなどから構成され、移動体通信端末1のユーザによって操作される。操作部160は、各ボタンやキーなどと接続された入力回路などを備え、ユーザの操作に応じた入力信号を生成して制御部110に入力する。
【0035】
本実施形態では、通信部120や放送受信部130で受信した動画像の表示を、ユーザの任意操作により3D表示とするか2D表示にするかを切り換えるためのボタン(以下、「表示切換ボタン」とする)が操作部160に含まれているものとする。この場合、2D表示をしている際に表示切換ボタンを操作すると3D表示に切り換えられ、3D表示をしている際に表示切替ボタンを操作すると2D表示に切り換えられる。
【0036】
表示部170は、例えば、液晶表示装置などから構成された表示出力装置であり、制御部110の制御によって画像などを表示出力する。本実施形態にかかる表示部170は、3D表示可能な表示装置であるとする。このような3D表示可能な表示部170の構成を、図1および図2を参照して説明する。
【0037】
本実施形態にかかる表示部170は、図1に示すように、表示制御部171、表示パネル172、視差バリアパネル173、などから構成されることで、3D表示を実現している。
【0038】
表示制御部171は、再生処理部140からの画像信号に基づいて表示パネル172を駆動制御するとともに、3D表示をおこなう場合には視差バリアパネル173を駆動制御する駆動回路や、再生処理部140からの画像信号が3D表示用でない場合に、3D表示用の画像信号に変換する変換回路などから構成され、通信部120や放送受信部130で受信された動画像の表示出力動作を制御する。
【0039】
表示制御部171の変換回路は、例えば、特許文献1に開示されているような、既知の映像変換技術に基づく動作をおこなうことで、受信した動画像データが3D表示用でない(以下、「2D用データ」とする)場合に、再生処理部140からの画像信号を、本実施形態にかかる3D表示で必要となる左目用画像と右目用画像の画像信号に変換する。
【0040】
表示パネル172は、液晶表示パネルなどから構成され、表示画像を表示する。
【0041】
視差バリアパネル173は、液晶表示パネルと同様の構成を有し、表示パネル172における画像表示によって発生した光の透過方向を制御する。このため、視差バリアパネル173は、図2(a)に示すように、表示パネル172と、表示パネル172の表示画面を見る者(「鑑賞者」:移動体通信端末1の使用者など)との間に位置するよう、表示部170内に構成されている。
【0042】
このような構成の表示部170で3D表示をおこなう動作原理を、図2(b)〜図2(d)、および、図3を参照して説明する。
【0043】
視差バリアパネル173を用いて3D表示をおこなう場合、左目と右目の視差を利用する。このため、表示部170で3D表示をおこなう場合には、図2(b)に示すような左目用画像と、図2(c)に示すような右目用画像が用意される。左目用画像と右目用画像はいずれも同じ表示対象を示しているが、視差に応じて左右方向にずらしてある。本実施形態では、このような左目用画像と右目用画像によって構成されている画像データ(動画像データ)を3D表示用データ(3D用データ)とする。
【0044】
表示部170の表示パネル172は、左目用画像を構成する画素と、右目用画像を構成する画素の表示位置を、左右方向に異ならせて交互に表示する。つまり、図2(d)に示すように、右目用画像を構成している画素を奇数列に、左目用画像を構成している画素を偶数列に配列した画像として表示させる。
【0045】
換言すると、左目用画像と右目用画像のそれぞれを、1列(ライン)おきとなるよう画素配列させ、左目用画像と右目用画像とでラインが互い違いとなるよう表示させる。なお、画素配列のパターンは1列単位でなくてもよく、例えば、複数画素分でラインを構成してもよい。また、画素単位が整数値でなくてもよい。
【0046】
そして、表示パネル172は、このように左目用画像と右目用画像がストライプ状に配列された画像(以下、「3D画像」とする)を表示する。ここで、左目用画像の画素で構成されているラインが鑑賞者の左目に到達するようにし、右目用画像の画素で構成されているラインが鑑賞者の右目に到達するように表示することで、図2(b)および図2(c)で示したような視差のある2つの画像がそれぞれに対応する目で認識されることになる。この結果、各画像が鑑賞者の脳内で合成され、立体的な画像として視認される。
【0047】
ここで、視差バリアパネル173は、3D画像内の各ラインをそれぞれに対応した目の方向に表示させる動作をおこなう。上述したように、視差バリアパネル173は、液晶表示パネルと同様の構造であるため、各画素に対応する電極への電圧印加を制御することで、表示パネル172の画像表示によって発生した光を透過させたり、遮光したりすることができる。
【0048】
つまり、図3(a)に示すような、ストライプ上のバリアパターンを、表示パネル172に表示されている3D画像のラインに対応するよう形成する。そして、図3(b)に示すように、表示パネル172に表示された左右それぞれの画素は、視差バリアパネル173に形成したバリアパターンの透過列を透過して、鑑賞者の左右の目に到達する。
【0049】
このような原理により、表示パネル172に表示された画像が、鑑賞者には立体的な表示として視認される。ただし、立体的に視認されるためには、鑑賞者の目から表示部170までの距離や角度など(以下、「視認条件」とする)が適正である必要があり、これらの条件が合わないと立体的に視認されない場合がある。
【0050】
以上が本実施形態にかかる移動体通信端末1の主要な構成であるが、これらは本発明を実現するために必要な構成であり、移動体通信端末の主要機能や付加機能を実現するために必要となるその他の構成については適宜備えられているものとする。
【0051】
以上のような構成の移動体通信端末1の動作を説明する。本実施形態では、上述のように、インターネットなどを介した配信やデジタルテレビ放送によって提供される動画像コンテンツ(テレビ番組など)を通信部120や放送受信部130によって受信し、表示部170などによって出力する。このような本実施形態にかかる移動体通信端末1は、受信した動画像コンテンツを保存(録画)する機能を有しているものとする。このような録画(以下、「通常録画」とする)は、操作部160が操作されることによるユーザ指示やタイマ予約などによっておこなわれるものとする。
【0052】
また、本実施形態にかかる移動体通信端末1は、3D表示機能を有している。上述したように、3D表示された画像が立体的に視認されるには、視認条件が適正である必要がある。ここで、本実施形態のような移動体通信端末の場合、ユーザが移動体通信端末1を保持した状態で動画像コンテンツを視聴することが多く、視認条件(鑑賞者の目から画面までの距離や角度など)を一定に維持することが困難である。このため、例えば、テレビ番組を移動体通信端末1で3D表示させて視聴している際に、正しく視認できない箇所が生じる可能性がある。よって、本実施形態では、移動体通信端末1で3D表示をおこなう場合に、本来の録画機能とは別の補助的な録画(以下、「補助録画」とする)を自動的におこなっておくことで、正しく視認できない箇所があっても事後的な再生によって補えるようにする。
【0053】
このような動作をおこなうため、記憶部150(内部記憶媒体151)に格納されている動作プログラムを制御部110が実行することで、図4に示すような機能が実現される。図示するように、制御部110は、録画条件設定部111、表示種別判別部112、再生制御部113、録画制御部114、などとして機能する。
【0054】
録画条件設定部111は、補助録画を実行する際の条件を設定し、設定内容を示す設定情報(補助録画設定情報)を記憶部150に格納する。この条件は、移動体通信端末1のユーザによって任意に設定されるものとする。この場合の設定動作は、例えば、移動体通信端末1で動画像コンテンツの受信を初めておこなう時に自動的に設定画面を表示するよう動作する他、ユーザの任意操作によって設定画面を表示させ、ユーザが所望する条件を設定する。
【0055】
記憶部150に記録される補助録画設定情報の例を図5(a)に示す。本実施形態では、補助録画設定情報を構成する項目として、例えば、「デフォルト表示モード」、「自動補助録画」、「チャンネル切換時の補助録画終了」、「コンテンツ終了時の補助録画終了」、「3D変換解除時の補助録画終了」、などが用意されているものとし、各項目についての動作要否(「有効」または「無効」)が記録されている。
【0056】
項目「デフォルト表示モード」は、動画像コンテンツを受信した際の既定表示モードを指定するものであり、選択肢として、例えば、「常時3D」、「常時2D」、「3D用データ時は3D」、などが用意される。「常時3D」は、受信した動画像データが2D用データであっても3D表示をおこなう動作を示し、「常時2D」は、受信した動画像データが3D用データであっても2D表示をおこなう動作を示し、「3D用データ時は3D」は、受信した動画像データが3D用データである場合は3D表示をおこない、2D用データである場合は2D表示をおこなう動作を示している。これらの選択肢のうち、ユーザが所望する動作が「有効」となるよう設定される。
【0057】
項目「自動補助録画」は、動画像コンテンツを3D表示させた際に、自動的に補助録画を実行するか否かを設定する項目である。選択肢「する」が「有効」となるよう設定されている場合は、3D表示をおこなうと自動的に補助録画が開始され、選択肢「しない」が「有効」となるよう設定されている場合は、3D表示をおこなっても補助録画は実行されない。
【0058】
項目「チャンネル切換時の補助録画終了」は、補助録画の終了条件の1つであり、放送受信部130の動作による放送受信によって動画像コンテンツを3D表示させている場合に、受信チャンネルが切り換えられたことを契機に、それまで実行していた補助録画を終了させるか否かを指定する項目である。選択肢「する」が「有効」となるよう設定されている場合は、受信チャンネルの切り換えによって、補助録画が自動的に終了され、選択肢「しない」が「有効」となるよう設定されている場合は、受信チャンネルが切り換えられても、補助録画を終了させない。
【0059】
項目「コンテンツ終了時の補助録画終了」は、補助録画の終了条件の1つであり、受信している動画像コンテンツを3D表示させている場合に、当該コンテンツが終了したことを契機に、それまで実行していた補助録画を終了させるか否かを指定する項目である。選択肢「する」が「有効」となるよう設定されている場合は、コンテンツの終了によって、補助録画が自動的に終了され、選択肢「しない」が「有効」となるよう設定されている場合は、コンテンツが終了しても、補助録画を終了させない。
【0060】
「3D変換解除時の補助録画終了」は、補助録画の終了条件の1つであり、受信している動画像コンテンツを3D表示させている場合に、表示切換ボタンの操作によって2D表示に切り換えられたことを契機に、それまで実行していた補助録画を終了させるか否かを指定する項目である。選択肢「する」が「有効」となるよう設定されている場合は、2D表示への切換によって、補助録画が自動的に終了され、選択肢「しない」が「有効」となるよう設定されている場合は、2D表示へ切り換えられても、補助録画を終了させない。
【0061】
図4に戻り、制御部110による機能の説明を続ける。
【0062】
表示種別判別部112は、受信した動画像データが3D用データであるか2D用データであるかの別、および、補助録画設定情報で設定されている表示条件に基づき、受信した動画像データを3D表示させるか2D表示させるかの判別をおこなう。
【0063】
再生制御部113は、再生処理部140および表示部170を制御し、表示種別判別部112が判別した表示種別(3Dか2Dか)で、受信した動画像データを再生させる。
【0064】
録画制御部114は、ユーザ指示による通常録画をおこなう他、再生制御部113による再生が3D表示である場合には、補助録画設定情報の内容に基づいて、補助録画を実行する。ここでの録画動作は、受信した動画像データを再生処理部140から取得して記憶部150に格納する。録画制御部114は、記憶部150に格納した動画像データ(録画データ)を管理するための「録画データ管理テーブル」を記憶部150に作成する。この「録画データ管理テーブル」の例を図5(b)に示す。
【0065】
図示するように、「録画データ管理テーブル」は、各録画データに一意に付与されるファイル番号をキーとしたレコードによって構成され、各レコードには、当該動画像データが3D用データであるか2D用データであるかの別を示す情報(「データ形式」)、通常録画によるものか補助録画によるものであるかの別を示す情報(「録画種別」)、当該コンテンツを受信したチャンネルや受信日時、コンテンツ名、録画時間、などの情報(「コンテンツ概要」)、などが記録される。
【0066】
本実施形態では、「録画データ管理テーブル」に「録画種別」を記録することにより、録画データの実データである動画像データが、通常録画によるものか補助録画によるものかが識別可能となっている。すなわち、「録画データ管理テーブル」を作成することにより、通常録画による録画データと補助録画による録画データとが同じ記憶領域に格納されていても、録画種別による峻別をおこなうことができる。
【0067】
なお、通常録画による録画データと補助録画による録画データとを識別可能に記録する方法は任意である。例えば、通常録画による録画データと補助録画による録画データとを異なるフォルダに格納するようにしてもよい。あるいは、通常録画による録画データを外部記憶媒体152に格納し、補助録画による録画データを内部記憶媒体151に格納するようにしてもよい。このように、格納する記憶領域を異ならせた場合、上述した「録画データ管理テーブル」は、必ずしも作成されなくてもよい。
【0068】
以上のような機能構成によって実行される処理を説明する。ここでは、上述したような構成の移動体通信端末1で動画像コンテンツを受信した際に実行される「補助録画実行処理」を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。この「補助録画実行処理」は、補助録画設定情報(図5(a))の項目「自動補助録画」で選択肢「する」が「有効」となっている場合において、通信部120や放送受信部130によって動画像コンテンツを受信したことを契機に開始される。
【0069】
処理が開始されると、表示種別判別部112は、記憶部150の補助録画設定情報を参照し(ステップS101)、デフォルト表示モードの設定と、受信した動画像データのデータ形式(3D用か2D用か)に基づいて、当該動画像データの再生を3D表示とすべきか否かを判別する(ステップS102)。
【0070】
図5(a)に例示した補助録画設定情報の場合、「常時3D」が「有効」となっているのであれば、受信した動画像データが3D用であるか2D用であるかにかかわらず、3D表示すべきと判別する(ステップS102:Yes)。また、「3Dデータ時は3D」が「有効」となっているのであれば、受信した動画像データが3D用である場合にのみ、3D表示すべきと判別する(ステップS102:Yes)。
【0071】
一方、「常時2D」が「有効」となっている場合、あるいは、「3Dデータ時は3D」が「有効」となっており、受信した動画像データが2D用である場合は、3D表示すべきではない(2D表示すべき)と判別する(ステップS102:No)。
【0072】
表示種別判別部112は、ステップS102での判別内容を再生制御部113に通知する。ここで、3D表示すべきと判別された場合(ステップS102:Yes)、再生制御部113は、受信した動画像データのデータ形式が3D用であるか2D用であるかに基づいて、3D変換が必要であるか否かを判別する(ステップS103)。すなわち、受信した動画像データが2D用データである場合は、3D表示をおこなうために3D変換が必要であると判別する(ステップS103:Yes)。
【0073】
3D変換が必要であると判別した場合(ステップS103:Yes)、再生制御部113は、表示部170の表示制御部171に、3D変換の実行を指示するとともに、受信した動画像データの再生を再生処理部140に指示する。これにより、再生処理部140は、受信した動画像データの復号をおこない、復号した画像信号が表示部170の表示制御部171に送出される。この場合、表示制御部171は、再生処理部140からの画像信号に基づいて、左目用画像と右目用画像(3D画像)を生成する3D変換をおこなう(ステップS104)。
【0074】
一方、受信した動画像データが3D用データである場合、再生制御部113は、3D変換は不要であると判別する(ステップS103:No)。この場合、再生制御部113は、再生処理部140への再生指示のみをおこなう。すなわち、受信した動画像データが3D用データである場合は、左目用画像と右目用画像(3D画像)が予め含まれているので、表示部170の表示制御部171は、3D変換動作をおこなわない。
【0075】
表示制御部171は、3D変換によって生成した3D画像もしくは受信した動画像データから得られた3D画像を示す画像信号で表示パネル172と視差バリアパネル173を制御することで3D表示がおこなう(ステップS105)。これと同時に、3D表示が開始された旨を再生制御部113が録画制御部114に通知する。録画制御部114は、再生制御部113からの通知に応じて、補助録画を開始する(ステップS105)。この場合、録画制御部114は、3D表示によって再生している動画像データを記憶部150に順次記録するとともに、録画データ管理テーブルに、当該動画像データについての各種情報を記録する。
【0076】
このように、3D表示による再生がおこなわれると自動的に補助録画が開始されるので、補助録画の終了も自動的におこなう必要がある。よって、補助録画が開始されると、録画動作を終了させるための「録画終了処理」が実行される(ステップS200)。この「録画終了処理」を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0077】
本実施形態では、図5(a)に例示した「補助録画設定情報」で設定されている終了条件と合致する動作がおこなわれた場合に補助録画を終了させるものとする。この場合、補助録画の終了条件項目として、「チャンネル切換時の補助録画終了」、「コンテンツ終了時の補助録画終了」、「3D変換解除時の補助録画終了」が用意されているので、録画制御部114は、操作部160からの入力信号や、再生制御部113による再生動作状況などに基づいて、終了条件項目に示された動作を検出し、終了条件となっているか判別する。
【0078】
移動体通信端末1のユーザが、操作部160を操作することで受信チャンネルを切り換えた場合(ステップS201:Yes)、録画制御部114は、補助録画設定情報を参照し、チャンネルの切換が録画終了条件となっているか否かを判別する(ステップS202)。
【0079】
また、再生制御部113の再生動作に基づいて、受信しているコンテンツが終了したことが判別された場合(ステップS201:No、ステップS203:Yes)、録画制御部114は、補助録画設定情報を参照し、コンテンツの終了が録画終了条件となっているか否かを判別する(ステップS204)。
【0080】
あるいは、移動体通信端末1のユーザが、操作部160の表示切換ボタンを操作することで3D表示から2D表示への切り換えを指示した場合(ステップS201:No、ステップS203:No、ステップS205:Yes)、録画制御部114は、補助録画設定情報を参照し、2D表示への切換が録画終了条件となっているか否かを判別する(ステップS206)。
【0081】
これらの動作のいずれかが録画終了条件として設定されている場合(ステップS202:Yes、または、ステップS204:Yes、または、ステップS206:Yes)、録画制御部114は、補助録画を終了して(ステップS207)、「補助録画実行処理」(図6)のフローに戻る。すなわち、3D表示によって自動的に開始された補助録画は、予め設定された条件に基づいて自動的に終了する。
【0082】
また、これらの動作がおこなわれない(ステップS201:No、ステップS203:No、ステップS205:No)、あるいは、検出された動作が録画終了条件として設定されていない場合(ステップS202:No、ステップS204:No、ステップS206:No)、録画制御部114は、ユーザの任意操作による通常録画が指示されていないか判別する(ステップS208)。
【0083】
つまり、補助録画は自動的に開始されているため、ユーザは録画されていることに気づかず、自分の意志によって録画を開始する場合がある。このような場合(ステップS208:Yes)、録画制御部114は、実行していた補助録画を通常録画に切り換える。この場合、録画制御部114は、録画データ管理テーブル(図5(b))におけるデータ形式を示す属性情報を、「補助録画」から「通常録画」に変更する(ステップS209)。
【0084】
この通常録画は、ユーザの指示によって開始されたものであるため、その終了は、補助録画のような自動終了ではなく、ユーザの指示に基づいておこなう。よって、ユーザが操作部160を操作することによる録画終了指示が入力されるまで、録画動作がおこなわれる(ステップS210:No)。そして、録画終了指示が入力されたことに応じて、録画制御部114は、通常録画の録画動作を終了して(ステップS211)、「補助録画実行処理」(図6)のフローに戻る。
【0085】
なお、上記のような動作がいずれも発生しない場合(ステップS201:No、ステップS203:No、ステップS205:No、ステップS208:No)、あるいは、検出された動作が録画終了条件として設定されていない場合(ステップS202:No、ステップS204:No、ステップS206:No)、いずれの録画動作も終了させずに、「補助録画実行処理」(図6)のフローに戻る。
【0086】
そして、「録画終了処理」で録画動作が終了していなければ(ステップS106:No)、3D表示とともに補助録画動作が継続され、その間に随時「録画終了処理」がおこなわれる(ステップS105、ステップS200)。
【0087】
「録画終了処理」(ステップS200)の各種判別により、録画終了条件に該当する動作が検出され、補助録画の終了(図7、ステップS207)、もしくは、通常録画の終了(図7、ステップS211)となった場合(ステップS106:Yes)、終了した録画が補助録画であれば(ステップS107:Yes)、録画制御部114は、補助録画を終了した旨を再生制御部113に通知する。録画制御部114からの通知に応じて、再生制御部113は、「補助録画通知処理」を実行する(ステップ300)。この「補助録画通知処理」を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0088】
処理が開始されると、再生制御部113は、補助録画を実施した旨をユーザに通知する「補助録画通知画面」を表示部170に表示する(ステップS301)。すなわち、補助録画は3D表示とともに自動的に開始されていることから、ユーザがその実施に気づいていないことが考えられるため、録画されていたことを通知する。
【0089】
この補助録画通知画面には、例えば、3D表示をおこなっていた箇所を録画してある旨や、3D表示がうまく視認できなかった場合には再生により再度視聴できる旨などが示されていることが望ましい。よって、補助録画通知画面には、補助録画した動画像の再生を指示するためのボタンなどが併せて表示されているものとする。
【0090】
移動体通信端末1のユーザは、補助録画通知画面による通知を受け、録画されたコンテンツの再生を所望する場合、操作部160を操作することで、再生ボタンによる再生指示の入力をおこなう。この場合、再生制御部113は、再生する際の表示形式を3D表示とするか2D表示とするかをユーザに選択させるための選択画面を表示部170に表示する(ステップS303)。ユーザは、操作部160を操作することで、所望する表示形式を指定する。
【0091】
再生制御部113は、再生処理部140や表示部170を制御し、補助録画によって録画された動画像データを指定された表示形式で再生する(ステップS304)。
【0092】
この再生が終了すると(ステップS305:Yes)、再生制御部113は、補助録画によって記録された動画像データの削除方法を指定するための「削除メニュー画面」を表示部170に表示する(ステップS306)。
【0093】
この「削除メニュー画面」の表示は、補助録画した動画像データの再生が指示されなかった場合にもおこなわれる(ステップS302:No)。
【0094】
つまり、補助録画は、3D表示がうまく視認できない場合に備えておこなうものであるため、3D表示の視認に問題がなければ必ずしも保存しておく必要はない。これは、うまく視認できなかった箇所を再生で確認できた場合も同様である。さらに、ユーザがそのコンテンツの保存を所望するのであれば、通常録画をおこなうことができるため、補助録画として記録された動画像データは、使用されないか一時的な使用にとどまることが多い。よって、記憶部150の記憶領域を圧迫させないためにも、補助録画による録画データは容易に削除できることが望ましい。
【0095】
このため、「削除メニュー画面」には、削除方法として、例えば、「一括削除」や「選択削除」などが用意されており、ユーザは操作部160を操作することで、所望する削除方法を選択する。ここで、本実施形態では、上述したように、通常録画による録画データと補助録画による録画データとが識別可能に記録されているため、一括削除を容易におこなうことができる。本実施形態の場合では、「録画データ管理テーブル」の「録画種別」が「補助録画」となっている録画データを削除すればよい。また、ユーザが選択して削除したい場合であっても、補助録画の録画データの中から削除対象のファイルを選択させることができる。このことは、通常録画と補助録画とでフォルダや記憶媒体を変える場合も同様である。
【0096】
再生制御部113は、ユーザが選択した削除方法が「一括削除」であれば(ステップS307:Yes)、補助録画で記録されたファイル(録画データ)のすべてを記憶部150から削除し(ステップS308)、「選択削除」であれば(ステップS307:No)、ユーザが指定したファイル(録画データ)のみを記憶部150から削除して(ステップS309)、「補助録画実行処理」(図6)のフローに戻る。
【0097】
「補助録画実行処理」では、動画像コンテンツの受信終了や移動体通信端末1の電源オフなどの終了イベントが発生するまでステップS101以降の処理が繰り返しおこなわれる(ステップS108:No)。
【0098】
ここで、受信した動画像コンテンツを2D表示によって再生すべきと判別された場合(ステップS102:No)の処理を説明する。
【0099】
この場合、再生制御部113は、受信した動画像データが2D用データであるか3D用データであるかに基づき、2D変換が必要であるか否かを判別する(ステップS109)。すなわち、受信した動画像データが3D用データである場合は、2D表示をおこなうために2D変換が必要であると判別する(ステップS109:Yes)。
【0100】
2D変換が必要であると判別した場合(ステップS109:Yes)、再生制御部113は、表示部170の表示制御部171に、2D変換の実行を指示するとともに、受信した動画像データの再生を再生処理部140に指示する。これにより、再生処理部140は、受信した動画像データの復号をおこない、復号した画像信号が表示部170の表示制御部171に送出される。この場合、表示制御部171には、左目用画像と右目用画像(3D画像)の画像信号が再生処理部140から入力されるので、視差のない2D画像の画像信号を生成する2D変換をおこなう(ステップS110)。
【0101】
受信した動画像データが2D用データである場合(ステップS109:No)、このような2D変換をおこなう必要はない。よって、表示制御部171が生成した2D画像信号、もしくは、受信した2D用データから得られた2D画像信号に基づき、表示制御部171が表示パネル172や視差バリアパネル173を制御することで、受信した動画像コンテンツの2D表示がおこなわれる(ステップS111)。
【0102】
このようにして2D表示をしている際に、ユーザが、操作部160の表示切換ボタンを操作し、3D表示への切換を指示した場合(ステップS112:Yes)、上述したステップS103以降の処理をおこなうことで、3D表示がおこなわれるとともに、補助録画が開始される(ステップS103〜ステップS108)。
【0103】
一方、3D表示への切換指示はおこなわれず(ステップS112:No)、通常録画を指示する操作がなされた場合(ステップS113:Yes)は、録画制御部114により通常録画が実行され(ステップS114)、ユーザによる録画終了指示とともに録画動作を終了する(ステップS115:Yes、ステップS116)。
【0104】
通常録画の指示がない場合(ステップS113:No)や、通常録画が終了すると(ステップS116)、上述した終了イベントが発生するまでステップS101以降の処理が繰り返しおこなわれ(ステップS117:No)、終了イベントの発生とともに処理が終了する(ステップS117:Yes)。
【0105】
以上説明したように、本発明を上記実施形態の如く適用することにより、受信画像を立体画像表示(3D表示)する際に、リアルタイムでは見にくかった場合に備えて、受信画像を記録(録画)しておくことができる。
【0106】
この場合において、受信画像の情報(番組情報など)に基づいて立体画像であるか否かを判別するので、補助録画にかかる記録を迅速におこなうことができる。
【0107】
また、平面画像表示(2D表示)をおこなっている場合でも、ユーザによる立体画像表示(3D表示)への切換とともに補助的な記録(補助録画)を実行するので、リアルタイムでは見にくかった場合に備えた記録(録画)を確実におこなうことができる。
【0108】
また、受信した画像データが平面画像データ(2D用データ)であっても、立体画像に変換するので、あらゆるコンテンツで立体画像表示(3D表示)を視聴できるとともに、立体画像表示(3D表示)が見にくかった場合に備えた記録(録画)をおこなうことができる。
【0109】
また、補助的な記録(補助録画)は、所定の条件により自動的に終了させることができるので、不使用もしくは一時的な使用となりやすい補助的な記録(補助録画)で用いられる記録領域を節約することができる。
【0110】
また、補助的な記録(補助録画)がおこなわれたことをユーザに通知するので、視聴していたコンテンツが記録(録画)されていたことを知ることができ、リアルタイムでは見にくかった場合に再生して見直す操作を効率的におこなうことができる。
【0111】
さらに、補助的な記録(補助録画)によって記録された画像データと、通常の録画によって記録された画像データとを識別可能に記録するので、不使用もしくは一時的な使用となりやすい補助的な記録(補助録画)による画像データの削除を容易におこなうことができる。
【0112】
また、ユーザによる設定情報に基づいて、補助的な記録(補助録画)の実行や終了をおこなうので、ユーザの利用形態に応じた記録動作をおこなうことができる。
【0113】
上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0114】
例えば、上記実施形態では、本発明にかかる画像受信装置を移動体通信端末によって実現した場合を例示したが、画像を立体的に視認させる表示手段を備えたものであれば、移動体通信端末に限られず、種々の画像受信装置に本発明を適用することができる。
【0115】
また、本発明にかかる構成を予め備えた画像受信装置だけでなく、既存の画像受信装置にプログラムを適用することで、本発明にかかる画像受信装置として機能させることができる。
【0116】
このようなプログラムの適用方法は任意であり、例えば、CD−ROMやメモリカードなどの記憶媒体に格納して適用できる他、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。
【符号の説明】
【0117】
1…移動体通信端末、110…制御部、111…録画条件設定部、112…表示種別判別部、113…再生制御部、114…録画制御部、120…通信部、121…アンテナ、130…放送受信部、131…アンテナ、140…再生処理部、141…スピーカ、150…記憶部、151…内部記憶媒体、152…外部記憶媒体、160…操作部、170…表示部、171…表示制御部、172…表示パネル、173…視差バリアパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した画像データを用いて立体的な画像表示をおこなうことのできる画像受信装置において、
受信した前記画像データの記録が該画像受信装置の使用者によって指定された場合に、当該画像データを保存用画像として記録する第1の記録手段と、
前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段が、前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうと判別した場合、少なくとも当該画像データを用いた立体画像表示をおこなっている間、該画像データを補助的な記録として記録する第2の記録手段と、
を備えることを特徴とする画像受信装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記受信した画像データに付随する属性情報が、当該画像データが立体画像表示可能な画像データであることを示す場合、当該画像データを用いて立体画像表示をおこなうと判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像受信装置。
【請求項3】
前記使用者による操作に応じて、立体画像表示をおこなうか否かを示す指示信号を入力する入力手段をさらに備え、
前記判別手段は、前記入力手段による前記指示信号に基づいて、前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうか否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像受信装置。
【請求項4】
立体画像表示用の画像データではない画像データを立体画像表示用の画像データに変換する変換手段をさらに備え、
該変換手段は、前記判別手段が、前記指示信号に基づいて立体画像表示をおこなうと判別した場合、前記受信した画像データを立体画像表示用の画像データに変換する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像受信装置。
【請求項5】
前記第2の記録手段は、実行している前記補助的な記録を、記録している前記画像データにかかる所定の条件に基づいて終了させる終了手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像受信装置。
【請求項6】
前記終了手段は、前記画像データの受信にかかるチャンネルが切り換えられた場合に、前記補助的な記録を終了させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像受信装置。
【請求項7】
前記終了手段は、前記受信した画像データが示すコンテンツが終了した場合に、前記補助的な記録を終了させる、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の画像受信装置。
【請求項8】
前記第2の記録手段による前記補助的な記録が終了した場合に、該補助的な記録によって記録された画像データがあることを前記使用者に通知する通知手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像受信装置。
【請求項9】
前記第1の記録手段によって記録される画像データと、前記第2の記録手段によって記録される画像データとを識別可能に記憶する記憶手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像受信装置。
【請求項10】
前記記憶手段は、前記第2の記録手段の動作にかかる設定情報を記憶し、
前記第2の記録手段は、前記判別手段による判別結果と、前記記憶手段が記憶する前記設定情報とに基づいて、前記補助的な記録にかかる動作をおこなう、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像受信装置。
【請求項11】
受信した画像データを用いて立体的な画像表示をおこなうことのできる画像受信装置を制御するコンピュータに、
受信した前記画像データの記録が該画像受信装置の使用者によって指定された場合に、当該画像データを保存用画像として記録する機能と、
前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうか否かを判別する機能と、
前記受信した画像データを用いて立体画像表示をおこなうと判別された場合、少なくとも当該画像データを用いた立体画像表示をおこなっている間、該画像データを補助的な記録として記録する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−239562(P2010−239562A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87639(P2009−87639)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【特許番号】特許第4525831号(P4525831)
【特許公報発行日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】