説明

画像安定化方法及び画像形成装置

【課題】画像生産性の低下やトナー消費の増大を招くことなく短い周期で、頻度高く、画像濃度の安定化制御をおこなう。
【解決手段】タンデム型カラー画像形成装置100において、トナー画像を中間転写体120上に形成するにあたり各色ごとの印字量を検出し、各色ごとの印字量の積算値を算出し、最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの中間転写体上かぶりを予め定めたタイミングで形成させ、中間転写体上に形成されるトナーかぶりの量を検出し、該トナーかぶり量に基づいてトナー画像の濃度を左右するパラメータのうち少なくとも一つを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真方式の複写機、ファクシミリ機、これらを組み合わせた複合機といった画像形成装置、特に複数色のトナーを用いてカラー画像を形成できるカラー画像形成装置に関し、さらに特にカラー画像形成装置においてトナー画像濃度を安定化させることに関する。
【0002】
カラー画像形成装置には種々のタイプのものがあるが、本発明は特に中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる所謂タンデム型の画像形成装置に関係している。以下、このタイプの画像形成装置を「タンデム型画像形成装置」と称することがある。
【背景技術】
【0003】
電子写真方式の画像形成装置では静電潜像の現像性を左右する要因の変動で静電潜像の現像性が左右されるため、現像性を左右する要因の変動にかかわらず画像濃度を一定に保つための画像安定化制御を定期的に行なうのが一般的である。タンデム型画像形成装置においても画像安定化制御が行なわれるのが一般的である。
【0004】
画像安定化制御では、画像安定化制御用のトナーパターンを作り、そのトナーパターン濃度をトナー濃度検出手段にて検出し、その結果により現像性に関わるパラメータのうち少なくとも一つを目標トナー画像濃度が得られる方向へ補正する方法が一般的である。
【0005】
このような画像安定化制御は古くから行なわれており、例えば特開昭62−267779号公報に記載されている。同公報には、タンデム型画像形成装置において画像安定化制御を行なうにあたり、画像調整用の各色トナーのパッチパターンを中間転写体上に形成し、それらパッチパターンのトナー付着量をトナー付着量センサで検出し、該検出されたトナー付着量等に応じて各色の現像性に関わるパラメータ(同公報の場合、現像装置中のトナー濃度)を目標トナー画像濃度等が得られる方向へ補正する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−267779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、像担持体上に形成される静電潜像を現像する現像装置の現像部、すなわち、感光体のような像担持体上の静電潜像を現像する現像域へ現像剤を担持して搬送する現像ローラーのような現像部材が該像担持体に対向する現像部では現像装置使用環境の湿度によりトナーの含水率が左右されやすい。
【0008】
一方、現像装置におけるトナー収容部は気密性が高く、トナー収容部内のトナーの含水率は使用環境に左右されにくい。
【0009】
そのため、画像形成装置が高湿又は低湿環境に放置された場合(たとえば休日など空調管理されていないオフィスにて長時間印字(換言すると、画像形成)動作が行われていない状態で放置された場合)、現像部のトナーの含水率とトナー収容部のトナーの含水率が大きく違ってくる。
【0010】
このような状態から画像形成装置による印字(画像形成)が行われてゆくと、印字動作でトナーが消費されてトナー収容部からトナーが供給されることで現像部のトナーの含水率が変化し、それにより静電潜像の現像性が変化し、形成されるトナー画像の濃度が変化してしまう。
【0011】
この変化は現像部でのトナーの含水率や印字カバレッジに左右され、定期的に行われる画像安定化制御の周期では画像濃度調整が間に合わない場合が生じる。
【0012】
短い周期で濃度確認を行い、現像に関わるパラメータを補正すれば、より確実に画像濃度を安定させることができるのであるが、そのような短い周期で繰り返される画像安定化制御では、例えばカラー画像形成装置の場合、複数色トナーのそれぞれについて画像安定化制御用のトナーパターンを作り、そのトナーパターン濃度をトナー濃度検出手段にて検出することになるので、画像生産性が低下したり、プリント以外の、画像安定化制御用のトナーパターン形成等によるトナー消費量の増加を招くといった、ユーザーの不利益になる事態が生じる。
【0013】
本発明は、中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置において画像濃度を安定化させる画像安定化方法であって、前記のように従来の画像形成装置において短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を繰り返す場合と比べると、画像生産性の低下や画像形成以外でのトナー消費量の増大を招くことなく短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を行なうことができる画像安定化方法を提供することを課題とする。
【0014】
また、本発明は、中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置であって、前記のように従来の画像形成装置において短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を繰り返す場合と比べると、画像生産性の低下や画像形成以外でのトナー消費量の増大を招くことなく短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を行なうことができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者の研究によると、図6に実線で示すように、含水率の高いトナーは帯電しにくく、そのため現像電界により像担持体へ移動する力が弱いので現像効率は良くなく、濃度を確保しにくい。このような状態では未帯電トナーが発生しやすく、カブリ(かぶり)として現れやすい。
【0016】
含水率が低いトナーは帯電しやすくなるが、帯電量が高くなりすぎると、現像電界により像担持体へ移動する力は強いが、同じ現像エネルギーで像担持体へ移動させ得るトナー量が少なくなり(換言すると、高帯電トナーが像担持体へ移動することで、少ないトナー量で像担持体の露光部分が直ぐに電気的にバランスがとれた状態に達してしまって像担持体へ移動させ得るトナー量が少なくなり)、そのため濃度を確保しにくい。また高帯電のトナーは未帯電トナーを像担持体へ運びやすく、カブリが現れやすい。
【0017】
ここで「カブリ」とか、「トナーカブリ」とは、感光体のような像担持体における本来ならトナーが付着すべきでない部分に散点状にトナーが付着した状態や、延いては中間転写体に散点状にトナーが付着した状態である。
【0018】
図6において破線で示すトナー帯電量ラインは、実線の現像効率(画像濃度)ライン及びカブリ量ラインとともに、トナー帯電量が低すぎても、高すぎてもカブリが発生しやすく、画像濃度が低下しやすいことを示している。
【0019】
本発明者の研究によると、このように画像濃度とカブリトナー量には相関関係があり、画像安定化処理あたっては、トナー濃度検出のためのトナーパターンを作成しなくても、カブリトナー量によってトナーの現像性を把握することが可能である。
【0020】
トナーパターンではなくカブリトナー量にて濃度確認を行うことで、画像濃度安定化処理の頻度を多くしても、問題視すべきほどにはトナー消費量は増えない。
【0021】
また、本発明者の研究によると、全ての色のトナーのカブリ量を確認しなくても、トナー消費が多く、現像部のトナーの入れ替わりが早く、従って濃度変化が大きくなる色のトナーについて、その色のカブリトナー量を求め、その結果に基づいて濃度を調整することでも画像濃度調整を行なうことができ、しかもそのような方法によると画像安定化処理時間を短縮でき、それにより、より確実な画像安定化処理を画像生産性の低下を抑制して頻度高く、きめ細かく行なえる。
【0022】
画像安定化処理時間を短縮できるので、中間転写体上に画像形成すべき頁数が連続する複数頁の画像形成のときには、各頁間でトナーカブリを形成して、より確実な画像安定化処理を画像生産性の低下を抑制して頻度高く、きめ細かく行なえる。
【0023】
トナー消費が多く、現像部のトナーの入れ替わりが早く、従って濃度変化が大きくなる色のトナーは、印字する画像の情報から判断できる。
【0024】
本発明はこのような知見に基づき次の画像安定化方法及び画像形成装置を提供する。
(1)画像安定化方法
中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置において画像濃度を安定化させる画像安定化方法であって、
目的とするトナー画像を前記画像形成部の1又は2以上を用いて前記中間転写体上に形成するにあたり該トナー画像を構成する各色ごとの印字量を検出する印字量検出ステップと、
前記印字量検出ステップで検出される各色ごとの印字量の積算値を算出する印字量積算値積算ステップと、
前記印字量積算値積算ステップで求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの前記中間転写体上かぶりを予め定められたタイミングで該色担当の前記画像形成部に形成させ、前記中間転写体上に画像形成すべき頁数が連続する複数頁のときは前記タイミングとして各頁間を採用するかぶり形成ステップと、
前記中間転写体上に形成されるトナーかぶりの量を検出するかぶり量検出ステップと、
前記かぶり量検出ステップで検出される前記中間転写体上のトナーかぶり量に基づいて前記トナー画像の濃度を左右するパラメータのうち少なくとも一つをトナー画像濃度が目標濃度へ向かうように調整する画像濃度調整スッテップを含む画像安定化方法。
【0025】
(2)画像形成装置
中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置であって、
目的とするトナー画像を前記画像形成部の1又は2以上を用いて前記中間転写体上に形成するにあたり該トナー画像を構成する各色ごとの印字量を検出する印字量検出手段と、
前記印字量検出手段で検出される各色ごとの印字量の積算値を算出する印字量積算値積算手段と、
前記印字量積算値積算手段で求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの前記中間転写体上かぶりを予め定められたタイミングで該色担当の前記画像形成部に形成させ、前記中間転写体上に画像形成すべき頁数が連続する複数頁のときは前記タイミングとして各頁間を採用するかぶり形成手段と、
前記中間転写体上に形成されるトナーかぶりの量を検出するためのかぶり量検出手段と、
前記かぶり量検出手段で検出される前記中間転写体上のトナーかぶり量に基づいて前記トナー画像の濃度を左右するパラメータのうち少なくとも一つをトナー画像濃度が目標濃度へ向かうように調整する画像濃度調整手段を含む画像形成装置。
【0026】
これら画像安定化方法及び画像形成装置において、「前記印字量積算値積算ステップ(前記印字量積算値積算手段)で求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色」の記載中の該「予め定めた色」は、最も大きい印字量積算値を示す色が一つのときはその色であり、最も大きい印字量積算値を示す色が複数のときはその複数色の中の予め定められた色である。例えば、中間転写体に沿って中間転写体表面移動方向においてイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの画像形成部がこの順序で配置されているとした場合において、イエロー及びシアンの印字量積算値が同じで最も大きかったとすると、画像形成部の配置順位が最も高いイエローが「予め定めた色」である場合を例示できる。
【0027】
本発明に係る画像安定化方法、画像形成装置によると、すべての色の濃度をトナーパターンを用いて検出し濃度調整を行うのではなく、印字する画像情報からトナー消費が多い色のトナーを選択して色数を減らして1回のトナーカブリ検出時間を短くし、その色のカブリ量を検出し、その情報をもとに画像濃度を調整でき、連続画像形成においては、これを記録シート間ごとに行うことが可能であり、そうすることで、画像生産性の低下やトナー消費量の増加を招くことなく画像濃度を安定させることができる。
【0028】
本発明に係る画像安定化方法においても、本発明に係る画像形成装置においても、前記各画像形成部は前記像担持体上の静電潜像を現像バイアスのもとに現像してトナー画像を形成するための現像装置を含むことができる。
前記カブリ形成ステップ(前記カブリ形成手段)では、前記印字量積算値積算ステップ(前記印字量積算値積算手段)で求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの前記中間転写体上カブリを該色担当の前記画像形成部に形成させるにあたり、該色担当の該画像形成部における現像装置については現像バイアスを印加し、他の画像形成部における現像装置については現像バイアスを印加しないで該カブリを形成させることができる。
【0029】
このようにカブリを形成させることで、検出すべき色以外のカブリトナーが中間転写体に現れるのを防止でき、それだけ精度よくカブリトナー量を検出することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置において画像濃度を安定化させる画像安定化方法であって、従来の画像形成装置において短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を繰り返す場合と比べると、画像生産性の低下や画像形成以外でのトナー消費量の増大を招くことなく短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を行なうことができる画像安定化方法を提供することができる。
【0031】
また、本発明によると、中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置であって、従来の画像形成装置において短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を繰り返す場合と比べると、画像生産性の低下や画像形成以外でのトナー消費量の増大を招くことなく短い周期で画像濃度を目標画像濃度へ向かわせる画像安定化制御を行なうことができる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る画像形成装置例を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置における装置制御部とそれに関連する部分を示すブロック図である。
【図3】図2に示す装置制御部の動作の概略を示すフローチャートの一部である。
【図4】図2に示す装置制御部の動作の概略を示すフローチャートの残部である。
【図5】画像安定化制御で用いる現像バイアス電圧の補正値テーブルを示す図である。
【図6】トナーの含水率とカブリ発生及び現像効率(画像濃度)の関係並びにトナー帯電量とカブリ発生及び現像効率(画像濃度)の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明に係る画像形成装置の例について説明する。
図1は画像形成装置の1例100の構成の概略を示している。画像形成装置100はタンデム型のフルカラープリンタである。
【0034】
このプリンタ100は印字部110と、印字データ展開部160と、装置制御部170と、現像バイアス電源部180を含んでいる。
【0035】
印字部110は中間転写ベルト120を含んでいる。中間転写ベルト120は図示省略の駆動部により回転駆動可能な駆動ローラーR1と、それに対向する対向ローラーR2に巻き掛けられており、図中CCW方向に回される。
【0036】
対向ローラーR2には転写ベルト120上の2次転写残トナー等を清掃するクリーニング装置CLが臨んでおり、駆動ローラーR1には2次転写ローラー121が臨んでいる。
【0037】
2次転写ローラー121は図示省略の押圧手段にて駆動ローラーR1に支持された中間転写ベルト120の部分に押圧され、中間転写ベルト120との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト120の回転に従動して、或いは後述するように該ニップ部に送り込まれる記録シートSの移動に従動して、或いは図示省略の駆動部に駆動されて回転することができる。2次転写ローラー121には、図示省略の電源から2次転写バイアスを印加することができる。
【0038】
中間転写ベルト120及び2次転写ローラー121の上方には定着装置122が配置されており、下方にはレジストローラー対130が配置されており、さらにその下方に、記録紙等の記録シートSを収容した記録シート収容カセット140が配置されている。
【0039】
定着装置122はハロゲンランプヒータ等の熱源を内蔵した定着加熱ローラーとこれに圧接される加圧ローラーとを含むものである。定着装置122は他のタイプのものでもよい。
【0040】
記録シート収容カセット140に収容された記録シートSは、供給ローラー装置141にて1枚ずつ引き出してレジストローラー対130へ供給することができる。
【0041】
中間転写ベルト120を巻き掛けたローラーR1、R2の間には、転写ベルト120に沿って、ローラーR2からローラーR1へ向けて、イエロー(Yellow)画像形成ユニット101Y、マゼンタ(Magenta)画像形成ユニット101M、シアン(Cyan)画像形成ユニット101C及びブラック(Black)画像形成ユニット101Bkがこの順序で配置されている。
【0042】
101Y、101M、101C、101Bkの各画像形成ユニットは、静電潜像担持体としてドラム型の感光体1を備えており、該感光体の周囲に帯電器2、現像装置4及びクリーニング装置5がこの順序で配置されている。
【0043】
これら画像形成ユニットの下側に画像露光装置123が配置されている。画像露光装置123は、イエロー画像形成ユニット101Yにおける感光体1に画像露光を施してイエロー画像用の静電潜像(イエロー静電潜像)を形成するイエロー露光部3Yを含んでいる。イエロー露光部3Yは、パーソナルコンピュータ、画像読取装置等の外部装置200から画像情報が提供される印字データー展開部160からのイエロー画像情報に基づいて感光体1にイエロー画像用の静電潜像(イエロー静電潜像)を形成する。
【0044】
画像露光装置123はユニット101M用のマゼンタ露光部3M、ユニット101C用のシアン露光部3C及びユニット101Bk用のブラック露光部3Bkも含んでいる。
各露光部は印字データー展開部160から提供される画像情報に応じてレーザービームの点滅により感光体1に画像露光を施せるものである。
【0045】
各画像形成ユニットの感光体1にはベルト120を間にして1次転写ローラー6が対向配置されている。1次転写ローラー6は、図示省略の押圧手段にて感光体1の方向へ押圧され、ベルト120に接触して従動回転するとともにベルト120を感光体1に接触させることができる。
【0046】
1次転写ローラー6には図示省略の電源から、感光体1上に形成されるトナー像をベルト120へ1次転写するための1次転写バイアスを印加できる。
【0047】
各画像形成ユニットにおける感光体1は、ここでは負帯電性の感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて図中時計方向回りに回転駆動できる。
【0048】
各画像形成ユニットにおける帯電器2は、本例ではスコロトロン帯電器であり、所定のタイミングで図示省略の電源から帯電用の電圧が印加される。なお、帯電器2は帯電ローラーを用いるもの等であってもよい。
【0049】
各画像形成ユニットにおける現像装置4は、磁性キャリアと非磁性トナーを主成分とする所謂2成分現像剤を用いて、感光体1上に形成される静電潜像を、現像バイアス電源部180から現像バイアスが印加される現像ローラー41で反転現像することができる。現像装置4はトナーを主成分とする所謂1成分現像剤を用いて現像を行なうものでもよい。
【0050】
現像バイアス電源部180は後述する制御部170の指示のもとに、画像形成ユニット101Yの現像ローラー41にはイエロートナー像形成用のバイアスVdv_Yを印加できる。同様にユニット101Mの現像ローラー41にはマゼンタトナー像形成用のバイアスVdv_Mを、ユニット101Cの現像ローラー41にはシアントナー像形成用のバイアスVdv_Cを、ユニット101Bkの現像ローラー41にはブラックトナー像形成用のバイアスVdv_Bkをそれぞれ印加できる。
【0051】
前記各画像形成ユニットとそれに対応する前記露光部及び1次転写ローラーはそれぞれ担当色トナー像を電子写真方式で形成して中間転写ベルト120に1次転写する画像形成部を構成している。
【0052】
装置制御部170はプリンタ全体の動作を制御するもので、プリンタ各部はこの制御部170の指示のもとに所定のタイミングで動作する。
印字データ展開部160は外部装置200からの印字情報を印字のための画素データに展開するものであり、印字量算出部161を有している。印字量算出部161は印字1頁ごとの印字量を算出する。
【0053】
印字量算出部161は外部装置200からの印字情報を画像データに展開するたびに、イエロー画像形成ユニット101Y、マゼンタ画像形成ユニット101M、シアン画像形成ユニット101C、ブラック画像形成ユニット101Bkのそれぞれにかかる印字量Cov_Y、Cov_M、Cov_C、Cov_Bkを算出する。
ここで、印字量とは、感光体1を露光し、トナー像を形成するドットの数又はそれと相関のある値である。
【0054】
装置制御部170は印字データ展開部160から情報を受け取り、印字部110や現像バイアス電源部180を制御して画像形成装置100の動作を制御する。
【0055】
このプリンタによると、101Y、101M、101C、101Bkの画像形成ユニットのうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
画像形成ユニットのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成ユニット101Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト120に1次転写する。
【0056】
すなわち、イエロー画像形成ユニット101Yにおいて、感光体1が図中時計方向に回転駆動され、帯電器2にて表面が一様に所定電位に帯電され、該帯電域に露光装置123の露光部3Yからイエロー画像用の画像露光が施され、感光体1上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像装置4の現像バイアスVdv_Yが印加された現像ローラー41にて現像されて可視イエロートナー像となる。イエロートナー像は1次転写ローラー6にて転写ベルト120上に1次転写される。このとき、1次転写ローラー6には図示省略の電源から1次転写バイアスが印加される。
【0057】
同様にマゼンタ画像形成ユニット101Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト120に転写され、シアン画像形成ユニット101Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト120に転写され、ブラック画像形成ユニットBkにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト120に転写される。
【0058】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト120上に重ねて転写されるタイミングで形成される。
かくして転写ベルト120上に形成された多重トナー像は転写ベルト120の回動により2次転写ローラー121へ移動する。
【0059】
一方、記録シートSが記録シート収容カセット140から供給ローラー装置141にて引き出され、レジストローラー対130へ供給され、待機している。
【0060】
このようにレジストローラー対130のところで待機する記録シートSは、中間転写ベルト120にて送られてくる多重トナー像に合わせて、転写ベルト120と2次転写ローラー121とのニップ部に供給される。該多重トナー像は図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラー121にて記録シートS上に2次転写される。
【0061】
その後記録シートSは定着装置122に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録シートSに定着される。記録シートSはひき続き、排出ローラー対DRにて排出トレイ124へ排出される。
【0062】
トナー像のベルト120への1次転写において感光体1上に残留する転写残トナー等はクリーニング装置5で清掃され、2次転写によりベルト120上に残留する2次転写残トナー等はクリーニング装置CLで清掃される。これら清掃除去されたトナーはそれぞれ図示省略の搬送手段にて廃棄容器へ送られる。
【0063】
このプリンタ100では、形成される画像の濃度を一定に保つための画像安定化制御が所定のタイミングで行なわれる。画像安定化制御に関連して前記装置制御部170についてさらに説明する。
【0064】
図2に示すように、制御部170は演算部171、印字量積算部172、カブリ量記憶部173、現像バイアス記憶部174、トナー補給量積算部175、電圧補正テーブル176及び時計部177を含んでいる。
【0065】
印字量積算部172は印字データ展開部160の印字量算出部161から受け取った各色の印字量Cov_Y、Cov_M、Cov_C、Cov_Bkを各色ごとに積算して各色の印字量積算値TTL_Cov_Y、TTL_Cov_M、TTL_Cov_C、TTL_Cov_Bkを求めるものである。
後述するようにトナー画像濃度安定化の制御のためにトナーカブリを形成する色のトナーを決定するにあたり、次の1頁分の各色ごとの印字量を求めるだけでなく、その頁に至るまでの頁について算出された各色の印字量も各色ごとにあわせて(積算して)、後述するように最も印字量積算値の大きい色のトナーを選択して、その色のトナーでカブリを形成する。
【0066】
カブリ量記憶部173は中間転写ベルト120上に後述するように形成される各色のカブリ量Fog_S_Y、Fog_S_M、Fog_S_C、Fog_S_Bkを記憶しておく部分である。
【0067】
現像バイアス記憶部174はプリント時に用いられる各色の現像バイアス値Vdv_m_Y、Vdv_m_M、Vdv_m_C、Vdv_m_Bkを記憶しておく部分である。
【0068】
電圧補正テーブル176は画像安定化制御にて決定した現像バイアス値に対して、補正をするための電圧補正値を算出するためのテーブルLUT_Y、LUT_M、LUT_C、LUT_Bkを含む部分である。
【0069】
時計部177は継続的に計時を行い、ある時点からの経過時間の算出を行うのに用いる。
【0070】
演算部171は印字データ展開部160からの情報を受けとるとともに、中間転写ベルト120上に後述するように形成されるカブリの量(カブリトナー量)を検出するトナー量検出部150からのカブリ量情報や周囲の温度や湿度を検出する環境センサ151からの環境情報を受け取り、上記の印字量積算部等を用いて画像濃度安定化のために現像バイアス電源部173などの制御を行う。
【0071】
トナー量検出部150はここでは中間転写ベルト120のカブリ形成部分へ光照射してその反射光量に基づいてカブリ量を求める、それ自体知られている、トナー濃度(画像濃度)等を検出する光学式濃度計を利用したものである。
【0072】
制御部170の画像安定化(画像濃度安定化)の制御動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
ステップS101にて外部装置200からの印字情報の有無を確認し、印字情報があれば次のステップに進む。
【0073】
外部装置200から印字情報を受け取ると、ステップS102にて前回の印字動作からの経過時間を時計部177を用いて確認する。
前回の印字動作から予め定めた長時間(本例では24時間以上)印字動作が行われていないと判断された場合は、現像装置4の現像部の現像剤の水分量がプリンタ100の置かれている環境の影響を受けた可能性があるので画像安定化制御を行い、濃度調整を行う(S103)。
【0074】
あわせて画像安定化制御直後の各色のカブリ量Fog_S_Y、Fog_S_M、Fog_S_C、Fog_S_Bkを測定し、カブリ量記憶部173に記憶させ(S104)、印字量積算部172の初期化を行う(S105)。
【0075】
受け取った印字情報は、印字データ展開部160にて露光データヘの展開を行う(S106)。このとき、印字量算出部161にて各色の印字量Cov_Y、Cov_M、Cov_C、Cov_Bkを算出し(S107)、印字量積算部172にて各色の印字量積算値TTL_Cov_Y、TTL_Cov_M、TTL_Cov_C、TTL_Cov_Bkを積算し(S108)、印字(画像形成)を開始する(S109)。
【0076】
中間転写ベルト120上にて1頁分の画像形成動作が行われ、ステップS110にて記録シート(図3では「用紙」)対応部分外のタイミングになったと判断されると、ステップS111にて各色の印字量積算値TTL_Cov_Y、TTL_Cov_M、TTL_Cov_C、TTL_Cov_Bkを比較し、最も印字量の多い(最も積算値の大きい)色を選択し、その結果に合わせた処理を行う(S200Y、S200M、S200C又はS200Bk)。
【0077】
なお、最も印字量の多い色が一つである場合はその色を選択するが、最も印字量の多い色が複数あった場合、ここでは、該複数の色のなかで、ベルト120の表面移動方向における画像形成ユニットの並び順位において最も高順位(早い順位)のユニットの色を選択する。
【0078】
以下はイエローの印字量積算値が最も大きく(TTL_Cov_Yの値が最も大きく)、ステップS200Yの処理に移った場合を例にとって図4のフローチャートを参照して説明を行う。
【0079】
全ての色の画像形成ユニットにおいて現像バイアスが印加された状態では、それぞれの色のカブリトナーが中間転写ベルト120上で重なってしまい、特定の色のカブリ量を検出するのは困難である。特定の色(前記選択した色のカブリトナー量)を精度よく検出するためには、カブリ量を測定する色以外のカブリトナーが中間転写ベルト120上に現れないことが望ましい。
【0080】
よって本例では、図4に示すように、ステップS201Yでイエローのカブリトナー量を確認するために現像バイアス電源部180に対してイエロー現像バイアスをON、マゼンタ現像バイアスをOFF、シアン現像バイアスをOFF、ブラック現像バイアスをOFFの指示を行う。
【0081】
これにより、イエロートナー以外は感光体1へのトナー移動が生じないので、中間転写ベルト120上に現れるカブリトナーはイエロートナーのみとなり、トナー量検出部150にて中間転写ベルト120上に現れたイエローのカブリトナー量を精度よく検出できる。
【0082】
他の色のトナーの場合も同様に、カブリトナー量を確認する色の現像バイアスはON、他の色の現像バイアスはOFFする。
【0083】
上記の設定にて中間転写ベルト120上のトナーカブリ量をトナー量検出部150にてFog_Yとして検出する。検出されたFog_Yと安定化時のカブリ量Fog_S _Yを元にカブリ量が変化した値Fog_d_Yを次式で算出する(S203)。
(Fog_d_Y)=|(Fog_S_Y)−(Fog_Y)|
【0084】
ステップS204Yでカブリトナー量が変化した値Fog_d_Yと予め決められた値Fog_TH_Yを比較し、カブリトナー量が変化した値Fog_d_Yが、予め決められた値Fog_TH_Y以下の場合は、濃度変化が無かったと判断し、電圧補正値の算出(S205Y)、補正(S206Y)、印字量積算値TTL_Cov_Yのリセット(S207Y)を行なわず、ステップS300へ移る。
【0085】
カブリトナー量が変化した値Fog_d_Yが予め決められた値Fog_TH_Yより大きい場合は、濃度変化があったと判断し、カブリトナー量が変化した値Fog_d_Yを元に電圧補正テーブル176のLUT_Y(図5ではLUT_Vdv_Y)から現像バイアスを補正する値を求め(S205Y)、次のように現像バイアス電圧(印加電圧)を補正する(S206Y)
印加電圧=安定化決定値(Vdv_m_Y)+補正値
図5のテーブルにおいてFog_Val_1、Fog_Val_2、 Fog_Val_3は画像濃度安定化を達成できるように予め実験等により定められた値である。
【0086】
ここで印加電圧、安定化決定値は負の値であり、絶対値が大きいほど画像濃度は濃くなる。補正値は0以上の値であり、補正値の絶対値が大きいほどトナー濃度を下げるように補正される。
【0087】
補正を行った後は印字量積算値TTL_Cov_Yをリセットし(S207Y)、次の処理(S300)に移る。ステップS111にて他の処理が選択された場合にも他の色に合わせた処理が行なわれる。
【0088】
ステップS300で次の頁の有無を判断し、次のページがある場合はステップS106へ移り、次ページが無い場合は終了する。
【0089】
以上の説明したように、プリンタ100における画像濃度の安定化処理では、すべての色の濃度をトナーパターンを用いて検出し濃度調整を行うのではなく、印字する画像情報からトナー消費が多い色のトナーを選択して色数を減らして1回のトナーカブリ検出時間を短くし、その色のカブリ量を検出し、その情報をもとに画像濃度を調整でき、連続画像形成においては、これを記録シート間ごとに行うことで、画像生産性の低下やトナー消費量の増加を招くことなく画像濃度を安定させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明はタンデム型カラー画像形成装置において、画像濃度の安定化処理を問題視すべき画像生産性の低下や安定化処理のためのトナー消費の増加を招くことなく、頻度高く、細かく行なうことに利用できる。
【符号の説明】
【0091】
100 プリンタ(画像形成装置の1例)
110 印字部
101Y イエロー画像形成ユニット
101M マゼンタ画像形成ユニット
101C シアン画像形成ユニット
101Bk ブラック画像形成ユニット
120 中間転写ベルト
121 2次転写ローラー
122 定着装置
123 画像露光装置
3Y イエロー画像露光部
3M マゼンタ画像露光部
3C シアン画像露光部
3Bk ブラック画像露光部
130 レジストローラー
140 記録シート供給カセット
150 トナー量検出部
151 環境センサ
160 印字データ展開部
161 印字量算出部
170 装置制御部
171 演算部
172 印字量積算部
173 カブリ量記憶部
174 現像バイアス記憶部
175 トナー補給量積算部
178 電圧補正テーブル
180 現像バイアス電源部
200 外部装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置において画像濃度を安定化させる画像安定化方法であって、
目的とするトナー画像を前記画像形成部の1又は2以上を用いて前記中間転写体上に形成するにあたり該トナー画像を構成する各色ごとの印字量を検出する印字量検出ステップと、
前記印字量検出ステップで検出される各色ごとの印字量の積算値を算出する印字量積算値積算ステップと、
前記印字量積算値積算ステップで求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの前記中間転写体上かぶりを予め定められたタイミングで該色担当の前記画像形成部に形成させ、前記中間転写体上に画像形成すべき頁数が連続する複数頁のときは前記タイミングとして各頁間を採用するかぶり形成ステップと、
前記中間転写体上に形成されるトナーかぶりの量を検出するかぶり量検出ステップと、
前記かぶり量検出ステップで検出される前記中間転写体上のトナーかぶり量に基づいて前記トナー画像の濃度を左右するパラメータのうち少なくとも一つをトナー画像濃度が目標濃度へ向かうように調整する画像濃度調整スッテップを含むことを特徴とする画像安定化方法。
【請求項2】
前記各画像形成部は前記像担持体上の静電潜像を現像バイアスのもとに現像してトナー画像を形成するための現像装置を含んでおり、前記かぶり形成ステップでは、前記印字量積算値積算ステップで求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの前記中間転写体上かぶりを該色担当の前記画像形成部に形成させるにあたり、該色担当の該画像形成部における現像装置については現像バイアスを印加し、他の画像形成部における現像装置については現像バイアスを印加しないで該かぶりを形成させる請求項1記載の画像安定化方法。
【請求項3】
中間転写体と、前記中間転写体に沿って順次配置された複数の画像形成部を含み、前記各画像形成部は前記中間転写体に臨んで回転駆動される像担持体に担当色に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を担当色トナーを用いて現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を前記中間転写体に転写することができる画像形成部であり、前記中間転写体上の転写トナー画像は記録媒体へ転写できる画像形成装置であって、
目的とするトナー画像を前記画像形成部の1又は2以上を用いて前記中間転写体上に形成するにあたり該トナー画像を構成する各色ごとの印字量を検出する印字量検出手段と、
前記印字量検出手段で検出される各色ごとの印字量の積算値を算出する印字量積算値積算手段と、
前記印字量積算値積算手段で求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの前記中間転写体上かぶりを予め定められたタイミングで該色担当の前記画像形成部に形成させ、前記中間転写体上に画像形成すべき頁数が連続する複数頁のときは前記タイミングとして各頁間を採用するかぶり形成手段と、
前記中間転写体上に形成されるトナーかぶりの量を検出するためのかぶり量検出手段と、
前記かぶり量検出手段で検出される前記中間転写体上のトナーかぶり量に基づいて前記トナー画像の濃度を左右するパラメータのうち少なくとも一つをトナー画像濃度が目標濃度へ向かうように調整する画像濃度調整手段を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記各画像形成部は前記像担持体上の静電潜像を現像バイアスのもとに現像してトナー画像を形成するための現像装置を含んでおり、前記かぶり形成手段は、前記印字量積算値積算手段で求められる各色ごとの印字量積算値のうち最も大きい印字量積算値を示す色であり、且つ、予め定めた色である一つの色のトナーの前記中間転写体上かぶりを該色担当の前記画像形成部に形成させるにあたり、該色担当の該画像形成部における現像装置については現像バイアスを印加し、他の画像形成部における現像装置については現像バイアスを印加しないで該かぶりを形成させる請求項3記載の画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109043(P2013−109043A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252058(P2011−252058)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】