説明

画像定着装置用フィルム管状体及び画像定着装置

【課題】ヒータが内蔵された駆動ロ−ル1にフィルム管状体2をその外面を接触させて配設し、該フィルム管状体2の内面側に弾性体32を配設し、該弾性体32と前記駆動ロ−ル1とでフィルム管状体2の管壁を挾持し、駆動ロ−ル1の駆動で駆動ロ−ル1とフィルム管状体2との間に記録紙4を通過させると共にフィルム管状体2を弾性体32に摺動させつつ回転させる定着装置において、駆動ロ−ルの外周面及びフィルム管状体の外周面に離型層を設けても、フィルム管状体と弾性体との間に潤滑剤を介在させることなく記録紙のすべりの防止を可能にして装置の簡易化を図る。
【解決手段】弾性体32上に低摩擦シ−ト33を設け、この低摩擦シ−ト33の摩擦係数よりも大きい摩擦係数の離型層21をフィルム管状体2の外面に設けた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリンタ、複写機、ファクシミリ等における電子写真画像形成に使用する画像定着装置用フィルム管状体及び画像定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等における電子写真画像形成では、未定着トナ−像を形成した記録紙を定着装置に通し加熱加圧することによってトナ−像を定着させる過程を経ることが必要であり、かかる定着装置として各種の方式が提案されているが、基本的な方式として、図2の(イ)に示すように、ハロゲンランプ等の熱源11’を内蔵させた駆動式の定着ロ−ル1’に従動式の加圧ロ−ル2’を外接して両ロ−ル1’,2’の外周弾性層12’、22’の圧接でニップ領域n’を形成し、定着ロ−ル1’の駆動によって加圧ロ−ル2’を従動させ、記録紙4’をニップ領域に通し記録紙上の未定着トナ−像を加熱加圧により定着する方式が知られている。
【0003】しかしながら、この方式では、ニップ領域n’の巾を所定巾に設定するのに両ロ−ルの弾性層を厚くしなければならず、定着ロ−ルの厚肉化、定着ロ−ルのニップ圧の増大、弾性層の耐久性等に問題がある。かかる不具合を解消するために、図2の(ロ)に示すように、熱源11’を内蔵させた駆動方式の定着ロ−ル1’にフィルム管状体2”をその外面を接触させて配設し、該フィルム管状体2”の内面側に弾性体3’を配設し、該弾性体3’と前記駆動ロ−ル1’とでフィルム管状体2”の管壁を挾持し、駆動ロ−ル1’の駆動で駆動ロ−ル1’とフィルム管状体2”との間に記録紙4’を通過させると共にフィルム管状体2”を弾性体3’に摺動させつつ回転させる方式が提案されている。
【0004】上記何れの方式においても、オフセット防止の対策が必要である。而して、図2の(イ)に示す方式では、定着ロ−ル1’の外周面及び加圧ロ−ル2’の外周面に離型層を設けることが必要であり、図2の(ロ)に示す方式では、定着ロ−ル1’の外周面及びフィルム管状体2”の外周面に離型層を設けることが必要である。かかる離型層としては、フッ素樹脂層、鏡面仕上げのシリコ−ンゴム層やフッ素ゴム層が知られており、その離型層の摩擦係数は通常0.35未満である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図2の(イ)に示す方式では、摩擦摺動箇所が従動の加圧ロ−ル2’の軸受であり、この軸受の摩擦係数が極めて小さいために、定着ロ−ル1’及び加圧ロ−ル2’の外周面の摩擦係数が前記離型層のために相当に低くされても、定着ロ−ル1’と記録紙4’との間の摩擦係数μa及び加圧ロ−ル2’と記録紙4’との間の摩擦係数μbが加圧ロ−ル2’の軸受の摩擦係数μcより小さくなることがなく、定着ロ−ル1’と記録紙4’との間や加圧ロ−ル2’と記録紙4’との間ですべりが生じるようなことはない。
【0006】しかしながら、図2の(ロ)に示す方式では、フィルム管状体2”と弾性体3’との間の摩擦係数μcが相当に高いために、定着ロ−ル1’の外周面やフィルム管状体2”の外周面の摩擦係数μa,μbが前記離型層の形成のために低下されると、
【数1】μa,μb>μc ■の関係を満足させることが難しくなり、フィルム管状体2”と記録紙4’の間または定着ロ−ル1’と記録紙4’との間ですべりが生じてトナ−像の乱れが余儀なくされる。
【0007】そこで、弾性体表面に低摩擦シ−トを被覆し、この被覆層とフィルム管状体との摺動接触界面に潤滑剤を介在させることが提案されている(特開平10−213984号)。しかしながら、流動性の潤滑剤を前記摺動界面に安定に保持させることは容易ではなく、この潤滑剤の枯渇のもとでは、上記式■の関係を維持させ得なくなり、記録紙のすべりによる画像乱れが避けられない。
【0008】前記した通り、従来使用されている離型層の摩擦係数が低く(0.35未満)、前記図2の(ロ)の方式に対しては、離型層の形成による前記μa,μbの減少により式■の関係が満たされなくなるので、前記先行例(特開平10−213984号)では、μa,μbの減少に対応してμcを減少させている。
【0009】本発明の目的は、図2の(ロ)の方式において、フィルム管状体の外面に摩擦係数が弾性体上低摩擦シ−トの摩擦係数よりも大きい離型層を使用し、前記フィルム管状体と弾性体との摺動接触界面に潤滑剤を介在させることなく、前記式■の関係を満たさせるようにすることにある。すなわち、本発明の目的は、ヒータが内蔵された駆動ロ−ルにフィルム管状体をその外面を接触させて配設し、該フィルム管状体の内面側に弾性体を配設し、該弾性体と前記駆動ロ−ルとでフィルム管状体の管壁を挾持し、駆動ロ−ルの駆動で駆動ロ−ルとフィルム管状体との間に記録紙を通過させると共にフィルム管状体を弾性体に摺動させつつ回転させる定着装置において、駆動ロ−ルの外周面及びフィルム管状体の外周面に離型層を設けても、フィルム管状体と弾性体との間に潤滑剤を介在させることなく記録紙のすべりの防止を可能にして装置の簡易化を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像定着装置用フィルム管状体は、ヒータが内蔵された駆動ロ−ルにフィルム管状体をその外面を接触させて配設し、該フィルム管状体の内面側に低摩擦シ−ト被覆弾性体を配設し、該弾性体と前記駆動ロ−ルとでフィルム管状体の管壁を挾持し、駆動ロ−ルの駆動で駆動ロ−ルとフィルム管状体との間に記録紙を通過させると共にフィルム管状体を低摩擦シ−ト被覆弾性体に摺動させつつ回転させる定着装置におけるフィルム管状体であり、弾性体上低摩擦シ−トの摩擦係数よりも大きい摩擦係数の離型層を外面に設けたことを特徴とする構成である。
【0011】本発明に係る画像定着装置は、ヒータが内蔵された駆動ロ−ルにフィルム管状体をその外面を接触させて配設し、該フィルム管状体にの内面側に低摩擦シ−ト被覆弾性体を配設し、該弾性体と前記駆動ロ−ルとでフィルム管状体の管壁を挾持し、駆動ロ−ルの駆動で駆動ロ−ルとフィルム管状体との間に記録紙を通過させると共にフィルム管状体を低摩擦シ−ト被覆弾性体に摺動させつつ回転させる定着装置であり、フィルム管状体の外面に弾性体上低摩擦シ−トの摩擦係数よりも大きい摩擦係数の離型層を設け、記録紙とフィルム管状体との間の摩擦係数をフィルム管状体と弾性体との間の摩擦係数の1.1倍以上としたことを特徴とする構成である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る画像定着装置を示す図面である。図1において、1は駆動式の定着ロ−ルであり、ハロゲンランプ等のヒ−タ11を内蔵させた金属ロ−ル12の外周にシリコ−ンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性弾性層13を設けてある。2は定着ロ−ル1に外接した耐熱性のフィルム管状体であり、エンドレスキャスティグフィルム、エンドレス接合フィルム等を使用でき、後述の弾性体上低摩擦シ−トの摩擦係数よりも大きい摩擦係数の離型層21を表面に設けてある。Aは押圧ユニットを示し、支持台31上に弾性体32(シリコ−ンゴム等の耐熱性エラストマ−)を装着し、この弾性体32に低摩擦シ−ト33、例えばフッ素樹脂含浸ガラスクロスを被せ、この低摩擦シ−ト33の両端を支持台31に結着してある。34はバネであり、空気やオイルシリンダ−の使用も可能である。
【0013】この押圧ユニットAの低摩擦シ−ト33面をフィルム管状体2に内接し、バネ34の圧縮応力で弾性押圧部材32を定着ロ−ル1に押圧して圧縮変形させ、定着ロ−ル1とフィルム管状体2との間にニップ部を形成してある。34はフィルム管状体2に対する走行ガイドであり、前記支持台31に固定してある。
【0014】図1において、4は未定着トナ−41を形成した記録紙を示している。図1において、トナ−像を定着するには、定着ロ−ル1を内蔵ヒ−タ11により加熱し、定着ロ−ル1の表面温度が所定の温度に達したことをセンサ(図示されていない)で検知させて定着ロ−ル1を回転駆動し、ニップ部に記録紙4を通過させていく。
【0015】この定着ロ−ル1と記録紙4との間の摩擦係数μa及び記録紙4とフィルム管状体2との間の摩擦係数μbを弾性押圧部材表面の低摩擦シ−ト33とフィルム管状体2との間の摩擦係数μcの1.1倍以上、好ましくは1.3倍としてあり、低摩擦シ−ト33とフィルム管状体2との摺動接触面で摩耗が生じてμcが多少増加しても、
【数2】
μa,μb>μc ■の条件を満たさせ得るようにしてある。
【0016】本発明において使用するフィルム管状体の基材としては、耐熱性及び耐摩耗性に優れた樹脂、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾ−ル、ポリエ−テルエ−テルケトン、ポリエ−テルスルホン等を挙げることができるが、ポリイミド、ポリアミドイミドが特に好ましい。基材には、押圧部材との低摩擦性、耐摩耗性、熱伝導性、導電性等を付与するために有機粒子、無機粒子、金属粒子、金属酸化物粒子等の充填剤を添加することもできる。このフィルム管状体はフィルムをエンドレスに接合する方法、シ−ムレスにキャスティングする方法を使用でき、キャスティング法としては、円筒状金型内に前躯体溶液を塗布しこれを遠心成形する方法、円筒状金型内に前躯体溶液をディッピングする方法、円筒状金型内に前躯体溶液を塗布したのち弾丸状走行体を落下させる方法等がある。
【0017】上記低摩擦シ−ト33には、フッ素樹脂シ−ト、耐熱繊維布基材の両面にフッ素樹脂層を形成しこれを焼成したものを使用でき、この耐熱繊維布基材としては、厚み30μm〜600μmのガラスクロスや炭素繊維クロスが好適である。このフッ素樹製の低摩擦シ−トの製造には、耐熱性繊維布基材の両面にフッ素樹脂の水性ディスパ−ジョンを塗布するか、または基材を浸漬法により該ディスパ−ジョンに含浸させ、而るのち、焼成する方法を使用できる。この場合、焼成後の厚みを50μm〜1000μmとするようにフッ素樹脂の塗布量が調整される。フッ素樹脂の付着量は、形成するフッ素樹脂層の厚みによっても異なるが、50g/m〜100g/mとすることが好ましい。50g/m未満では、焼成しても前記摩擦係数の条件を満たさせることが難しいばかりか、フッ素樹脂層の摩耗により繊維布基材が露出してフィルム管状体内面の早期摩耗損傷が惹起され、100g/mを越えると低摩擦シ−トの必要以上の厚肉化が招来されるからである。上記フッ素樹脂の焼成度が低いとフッ素樹脂間の結着力が低くなって耐摩耗性や摩擦特性の低下が生じるから、結晶化度30%以上とするように焼成することが安全である。上記フッ素樹脂としては、耐熱性、機械特性の点からしてポリテトラフルオロエチレンが最適である。
【0018】上記摩擦係数が弾性体上低摩擦シ−ト33の摩擦係数よりも小さい離型層21には、シリコ−ンゴムやフッ素ゴムを使用でき、特に常温硬化型シリコ−ンゴム、低温硬化型シリコ−ンゴム、フルオロシリコ−ンゴム、フッ化ビニリデンゴム等の使用が好適であリ、スプレ−コ−トやデップコ−トで塗布でき、プライマ−を塗布したうえで形成することが好ましい。
【0019】本発明においては、フィルム管状体2の外周面の離型層21の摩擦係数を弾性体上低摩擦シ−ト33の摩擦係数よりも大きくしてあるから、フィルム管状体2と記録紙4との間の摩擦係数μbを、弾性体32表面の低摩擦シ−ト33とフィルム管状体2との間の摩擦係数μcよりも確実に大きくできる。すなわち、記録紙4の摩擦係数がフィルム管状体の基材自体(耐熱性プラスチックフィルム)の摩擦係数よりも大きく、かつ、フィルム管状体外面の離型層21の摩擦係数が弾性体上低摩擦シ−ト33の摩擦係数よりも大きいから、フィルム管状体2と記録紙4との間の摩擦係数μbを、弾性体32上の低摩擦シ−ト33とフィルム管状体2との間の摩擦係数μcよりも確実に大きくできる。また、定着ロ−ル1の外周の耐熱弾性層(シリコ−ンゴム)13と記録紙4との摩擦係数μaも、弾性体32上の低摩擦シ−ト33とフィルム管状体2との間の摩擦係数μcを確実に大きくできる。すなわち、記録紙4の摩擦係数がフィルム管状体基材自体(耐熱性プラスチックフィルム)の摩擦係数がよりも大きく、かつ、定着ロ−ル1の外周のシリコ−ンゴム層13の摩擦係数が弾性体32上の低摩擦シ−ト33の摩擦係数がよりも大きいから、定着ロ−ル1の外周の耐熱弾性層(シリコ−ンゴム)13と記録紙4との摩擦係数μaを弾性体32上の低摩擦シ−ト33との間の摩擦係数μcをより確実に大きくできる。従って、本発明においては、定着ロ−ルの外周面及びフィルム管状体の外周面に離型層を設けるにもかかわらず、前記
【数3】
μa,μb>μc ■の条件を確実に満たさせ得、記録紙のすべりを排除して鮮明な両面複写を保証できる。
【0020】
【実施例】以下の実施例及び比較例において、定着ロ−ルには外径30mmφ,周速160mm/秒,長さ360mm,外面温度ほぼ150℃のものを使用し、フィルム管状体の寸法は周囲長を94mm,長さを320mmとし、弾性押圧部材には摩擦係数0.15のフッ素樹脂塗布・焼成ガラス繊維シ−トを巾10mm,厚み5mm,長さ320mmのシリコ−ンゴム体に被覆したものを使用した。このフッ素樹脂塗布・焼成ガラス繊維シ−トは、厚さ250μmの平織りガラス繊維基材に固形分濃度40%のポリテトラフルオロエチレン水分散液を含浸塗布し(付着量280g/m)、焼成して厚み320μm、焼成結晶化度34%としたものを用した。バネには圧縮力30kgのものを使用した。
【0021】〔実施例〕金型内周面にポリアミド酸溶液を供給した後、コアを走行させて塗布厚みを均一にし、更に乾燥させて溶剤除去とイミド転化を行い厚さ75μmのポリイミドフィルム管状体を得た。このフィルム管状体の外周面にプライマ−処理を行い、この上に常温硬化型シリコ−ンゴムをスプレ−コ−トして厚み20μmシリコ−ンゴム離型層を設けた。この離型層の摩擦係数は0.5以上であり、前記低摩擦シ−ト(フッ素樹脂塗布・焼成ガラス繊維シ−ト)の摩擦係数(0.15)よりも大であった。このフィルム管状体を定着装置に組み込み500枚の両面複写を行ったところ、画像の乱れは観られず、フィルム管状体表面へのトナ−の付着もなく離型性も良好であった。
【0022】〔比較例1〕金型内周面にポリアミド酸溶液を供給した後、コアを走行させて塗布厚みを均一にし、更に加熱乾燥させたうえでプライマ−処理を行いパ−フルオロアロコキシフッ素樹脂(PFA)の水性分散液をスプレ−コ−トし、次いでPFA層の焼成と同時にイミド転化を行い、ポリイミドフィルム厚み75μm、PFA離型層厚み15μmのフィルム管状体を得た。このフィルム管状体の離型層の摩擦係数は0.12であり、前記低摩擦シ−ト(フッ素樹脂塗布・焼成ガラス繊維シ−ト)の摩擦係数(0.15)よりもやや小であった。このフィルム管状体を定着装置に組み込み両面複写を行ったところ、500枚中400枚に画像乱れが認められた。ただし、フィルム管状体表面へのトナ−の付着は認められず離型性は良好であった。
【0023】〔比較例2〕金型内周面にポリアミド酸溶液を供給した後、コアを走行させて塗布厚みを均一にし、更に乾燥させて溶剤除去とイミド転化を行い厚さ75μmのポリイミドフィルム管状体を得た。このフィルム管状体の摩擦係数は0.25であり、前記低摩擦シ−ト(フッ素樹脂塗布・焼成ガラス繊維シ−ト)の摩擦係数(0.15)よりも大であった。このフィルム管状体を定着装置に組み込み両面複写を行ったところ、画像乱れは500枚中50枚程度であり画像鮮明性は比較的良好であった。しかし、離型層を有しないため、フィルム管状体表面へのトナ−の付着が顕著であり離型性は不良であった。
【0024】なお、摩擦係数はJIS K 7218に準じ、摩擦係数測定器東洋ボ−ルドウィン社製EFM−III−Fを用いて測定した。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、加熱定着駆動ロ−ルにフィルム管状体を外接させ、その外接部位のフィルム管状体部分に低摩擦シ−ト被覆弾性押圧部材を内接させ、加熱定着ロ−ルと前記フィルム管状体との間にニップ部を形成する定着装置において、フィルム管状体の離型層の摩擦係数を低摩擦シ−トの摩擦係数よりも高くしているから、低摩擦シ−ト被覆弾性押圧部材とフィルム管状体との間に潤滑剤を介在させることなく、前記式■の条件を満たさせて記録紙のすべりを排除し、かつトナ−のフィルム管状体や定着ロ−ルへの付着を排除して画像性及び定着性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像定着装置を示す図面である。
【図2】従来の画像定着装置を示す図面である。
【符号の説明】
1 定着ロ−ル
2 フィルム管状体
21 離型層
32 弾性押圧部材
33 低摩擦シ−ト

【特許請求の範囲】
【請求項1】ヒータが内蔵された駆動ロ−ルにフィルム管状体をその外面を接触させて配設し、該フィルム管状体の内面側に低摩擦シ−ト被覆弾性体を配設し、該弾性体と前記駆動ロ−ルとでフィルム管状体の管壁を挾持し、駆動ロ−ルの駆動で駆動ロ−ルとフィルム管状体との間に記録紙を通過させると共にフィルム管状体を低摩擦シ−ト被覆弾性体に摺動させつつ回転させる定着装置におけるフィルム管状体であり、弾性体上低摩擦シ−トの摩擦係数よりも大きい摩擦係数の離型層を外面に設けたことを特徴とする画像定着装置用フィルム管状体。
【請求項2】低摩擦シ−トがフッ素樹脂製であり、離型層がシリコ−ンゴムまたはフッ素ゴム製である請求項1記載の画像定着装置用フィルム管状体。
【請求項3】ヒータが内蔵された駆動ロ−ルにフィルム管状体をその外面を接触させて配設し、該フィルム管状体の内面側に低摩擦シ−ト被覆弾性体を配設し、該弾性体と前記駆動ロ−ルとでフィルム管状体の管壁を挾持し、駆動ロ−ルの駆動で駆動ロ−ルとフィルム管状体との間に記録紙を通過させると共にフィルム管状体を低摩擦シ−ト被覆弾性体に摺動させつつ回転させる定着装置であり、フィルム管状体の外面に弾性体上低摩擦シ−トの摩擦係数よりも大きい摩擦係数の離型層を設け、記録紙とフィルム管状体との間の摩擦係数をフィルム管状体と弾性体との間の摩擦係数の1.1倍以上としたことを特徴とする画像定着装置。
【請求項4】低摩擦シ−トがフッ素樹脂製であり、離型層がシリコ−ンゴムまたはフッ素ゴム製である請求項3記載の画像定着装置。

【図1】
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【図2】
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