説明

画像形成システム、サーバ、及び画面データ管理プログラム

【課題】画像形成装置等の電気機器の表示部に、当該機器が表示用データを保有していない表示画面も表示可能とし、当該表示部に複数の表示画面を表示させる表示制御を行う場合の拡張可能性を高める。
【解決手段】サーバSV2は、表示対象パーツの選択指示を受け付けるパーツ選択指示受付部254と、選択された表示対象パーツの配置を指示するレイアウト指示を受け付けるレイアウト指示受付部255と、表示対象パーツにアクションを設定するアクション設定部252と、表示対象パーツ選択指示、レイアウト指示、及びアクション設定が示す内容で表示画面の画面データを生成する生成部253と、生成された当該画面データを記憶する記憶部22と、当該画面データを記憶部22から読み出してHTML形式に変換するScript Interpreter23と、変換されたデータを表示用データとして複合機1に送信する通信部21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、サーバ、及び画面データ管理プログラムに関し、特に、ユーザ所望の表示画面を自在に画像形成装置等の電気機器の表示部に表示させる際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザからの指示を受け付けて、当該指示が示す動作等を行う画像形成装置等の電気機器では、装置前面の操作パネルにLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部が設けられ、当該表示部に配設されたタッチパネル機能により、表示部に表示される表示画面内の各操作ボタンに対応する動作実行指示をユーザから受け付ける技術が採用されている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−232908号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記画像形成装置では、表示部において複数の表示画面を遷移させて表示する場合、当該画像形成装置内に表示用データが記憶されている表示画面しか表示部に表示させることができない。これは、ユーザが所望通りに操作ボタン等をカスタマイズして配置した表示画面を自在に表示部に表示させる表示制御を実現させたい場合、ユーザがカスタマイズした全ての表示画面の表示用データを、当該画像形成装置が保有しておかなければならず不便である。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、画像形成装置等の電気機器の表示部に、当該機器が表示用データを保有していない表示画面も表示可能とし、さらに、当該表示部に複数の表示画面を表示させる表示制御を行う場合の拡張可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、少なくともサーバと画像形成装置とを有する画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記画像形成装置の表示部の表示画面内に表示させる表示対象パーツの選択指示をユーザから受け付けるパーツ選択指示受付部と、前記選択された表示対象パーツについての前記表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付けるレイアウト指示受付部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示が示す表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応するアクションを関連付けて設定するアクション設定部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示、前記レイアウト指示受付部で受け付けられたレイアウト指示、及び前記アクション設定部による設定で定められた内容で前記表示画面の画面データを生成する生成部とを有する画面データ生成部と、
前記生成部によって生成された前記表示画面の画面データを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置の表示部での表示対象とされる表示画面の画面データを前記記憶部から読み出して解析し、前記表示部で表示可能なデータ形式に変換するデータ変換部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記画像形成装置に対して送信する画面データ送信部とを備え、
前記画像形成装置は、
前記表示画面を表示する表示部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記サーバから取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された表示用データを前記表示部に表示させる表示制御部とを備えるものである。
【0007】
また、請求項5に記載の発明は、画像形成装置に備えられる表示部の表示画面として表示させる画面データを生成及び管理するサーバであって、
前記画像形成装置の表示部の表示画面内に表示させる表示対象パーツの選択指示をユーザから受け付けるパーツ選択指示受付部と、前記選択された表示対象パーツについての前記表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付けるレイアウト指示受付部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示が示す表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応するアクションを関連付けて設定するアクション設定部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示、前記レイアウト指示受付部で受け付けられたレイアウト指示、及び前記アクション設定部による設定で定められた内容で前記表示画面の画面データを生成する生成部とを有する画面データ生成部と、
前記生成部によって生成された前記表示画面の画面データを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置の表示部での表示対象とされる表示画面の画面データを前記記憶部から読み出して解析し、前記表示部で表示可能なデータ形式に変換するデータ変換部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記画像形成装置に対して送信する画面データ送信部とを備えるものである。
【0008】
また、請求項7に記載の発明は、電気機器に備えられる表示部に表示させる画面データを生成及び管理するように、サーバを機能させる画面データ管理プログラムであって、
当該サーバを、
前記電気機器の表示部の表示画面内に表示させる表示対象パーツの選択指示をユーザから受け付けるパーツ選択指示受付部と、前記選択された表示対象パーツについての前記表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付けるレイアウト指示受付部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示が示す表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応するアクションを関連付けて設定するアクション設定部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示、前記レイアウト指示受付部で受け付けられたレイアウト指示、及び前記アクション設定部による設定で定められた内容で前記表示画面の画面データを生成する生成部とを有する画面データ生成部と、
前記生成部によって生成された前記表示画面の画面データを記憶する記憶部と、
前記電気機器の表示部での表示対象とされる表示画面の画面データを前記記憶部から読み出して解析し、前記表示部で表示可能なデータ形式に変換するデータ変換部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記電気機器に対して送信する画面データ送信部と
して機能させるものである。
【0009】
これらの発明では、サーバにおいて、ユーザから受け付けられた表示対象パーツの選択指示、及び当該表示対象パーツのレイアウト指示に従った上で、表示対象パーツに対してアクション設定を行って表示画面の画面データを生成し、当該生成された表示画面の画面データを記憶し、さらには、画像形成装置又は電気機器の表示部での表示対象とされる画面データを記憶部から読み出して、当該表示部で表示可能なデータ形式に変換して画像形成装置又は電気機器に送信する。このため、これらの発明によれば、ユーザが所望通りに操作ボタン等をカスタマイズして配置した表示画面を画像形成装置又は電気機器の表示部に自在に表示させる表示制御を実現させたい場合に、ユーザがカスタマイズした全ての表示画面の画面データを画像形成装置又は電気機器が保有しなくてもよい。
【0010】
また、これらの発明によれば、画像形成装置では、表示画面の画面データを表示部で表示可能なデータ形式に変換する必要がないので、ユーザがカスタマイズした表示画面の画面データをサーバに記憶させておけば、ユーザが生成した表示画面の画面データを画像形成装置に登録する等の操作を行わなくても、当該画像形成装置の表示部に、ユーザがカスタマイズした上記表示画面を表示可能である。これにより、画像形成装置の表示部に複数の表示画面を表示させる表示制御を行う場合の拡張可能性が高められる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムであって、前記サーバは、
前記表示画面を構成するいずれかの表示対象パーツが指定されたことを示すパーツ指定情報を前記画像形成装置から受信するパーツ指定情報受信部と、
前記受信されたパーツ指定情報が示す表示対象パーツに設定されているアクションを解析し、解析されたアクションを実行させる制御コマンドを生成する制御コマンド生成部と、
前記生成された制御コマンドを前記画像形成装置に送信する制御コマンド送信部とを更に備え、
前記画像形成装置は、
前記パーツ指定情報を前記サーバに対して送信するパーツ指定情報送信部と、
前記制御コマンド送信部から送信されてくる制御コマンドを受信する制御コマンド受信部と、
前記制御コマンド受信部によって前記サーバから受信された前記制御コマンドに従って各動作機構を制御する動作制御部とを更に備えるものである。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のサーバであって、前記表示画面を構成するいずれかの表示対象パーツが指定されたことを示すパーツ指定を前記画像形成装置から受信するパーツ指定受信部と、
前記受信されたパーツ指定が示す表示対象パーツに設定されているアクションを解析し、解析されたアクションを実行させる制御コマンドを生成する制御コマンド生成部と、
前記生成された制御コマンドを前記画像形成装置に送信する制御コマンド送信部とを更に備えるものである。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画面データ管理プログラムであって、前記サーバを、更に、
前記表示画面を構成するいずれかの表示対象パーツが指定されたことを示すパーツ指定を前記電気機器から受信するパーツ指定受信部と、
前記受信されたパーツ指定が示す表示対象パーツに設定されているアクションを解析し、解析されたアクションを実行させる制御コマンドを生成する制御コマンド生成部と、
前記生成された制御コマンドを前記電気機器に送信する制御コマンド送信部と
して更に機能させるものである。
【0014】
これらの発明によれば、サーバにおいて、パーツ指定情報受信部が、画像形成装置又は電気機器からパーツ指定情報を受信し、当該パーツ指定情報の示す表示対象パーツに設定されているアクションを実行させるための制御コマンドを制御コマンド生成部が生成し、制御コマンド送信部が当該制御コマンドを画像形成装置又は電気機器に送信すると、画像形成装置において、パーツ指定情報送信部、制御コマンド受信部及び動作制御部により、当該制御コマンドに従った各動作機構の制御が行われる。
【0015】
これにより、画像形成装置又は電気機器の表示部の表示制御、及び当該表示画面を構成する各表示画像パーツの指定に基づく動作制御を、サーバで集中して管理することができ、画像形成装置又は電気機器に特別な機能を持たせなくても、画像形成装置又は電気機器における表示部の表示内容及び動作制御の拡張可能性を高めることができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成システムであって、クライアントコンピュータを更に備え、
当該クライアントコンピュータは、当該クライアントコンピュータから前記サーバの前記画面データ生成部を操作可能なウェブウェブブラウザを備えるものである。
【0017】
この発明によれば、ユーザは、クライアントコンピュータのウェブウェブブラウザを操作することで、画像形成装置の表示部に表示させる表示画面の画面データを生成することができる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成システムであって、前記サーバに対して前記画像形成装置が複数台接続され、
前記サーバの画面データ送信部は、前記複数台の画像形成装置に対して前記変換された表示用データとしての画面データを送信するものである。
【0019】
この発明によれば、ユーザがカスタマイズした表示画面の画面データをサーバに記憶させておけば、当該複数の画像形成装置のそれぞれにユーザが上記生成した表示画面の画面データを登録する等の操作を行わなくても、当該複数の画像形成装置の表示部に、ユーザがカスタマイズした上記表示画面を表示可能であり、当該表示画面を構成する表示対象パーツに従った動作制御が可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像形成装置等の電気機器の表示部に、当該機器が表示用データを保有していない表示画面も表示可能とし、さらに、当該表示部に複数の表示画面を表示させる表示制御を行う場合の拡張可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの一例を示す図である。
【図2】サーバコンピュータ、PC及び複合機について表示画面の生成処理及び表示処理に必要な構成を示す図である。
【図3】パネルクリエータ部による表示画面生成処理を示すフローチャートである。
【図4】(a)(b)は表示部に表示される表示画面の一例を示す図、(c)はパネルクリエータ部による生成処理で作成された表示画面の例を示す図である。
【図5】カスタマイズ受付画面の一例を示す図である。
【図6】画像形成システムによる、上記サーバコンピュータで生成された表示画面についての複合機の表示部での表示処理、及びユーザからの動作実行指示の受付処理を示すフローチャートである。
【図7】パネルクリエータ部による表示画面生成処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成システム、サーバ、及び画面データ管理プログラムについて図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成システムの一例を示す図である。画像形成システム10は、複数台の複合機1と、サーバコンピュータSV2と、各パーソナルコンピュータ(以下、PC)31乃至34とでなる。但し、画像形成システム10が備える複合機、サーバコンピュータ、及びPCの台数はこれに限定されない。
【0024】
画像形成装置の一例である複合機1は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を兼ね備えている。さらに、複合機1は、スキャナ部で読み取った原稿の文書データを複合機1の内部記憶装置や、LAN(local area network)等によって複合機1にネットワーク接続されたサーバコンピュータSV2、各PC31乃至34内の記憶部等に格納すると共に、複合機1の内部記憶装置、サーバコンピュータSV2及び各PC31乃至34内の記憶部に記憶されているプリント対象データを読み出してプリントアウトする等を行う文書管理機能を備えている。
【0025】
さらに、複合機1には、LCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部50が備えられている。また、サーバコンピュータSV2は、複合機1の表示部50で表示される表示画面の画面データ(以下、画面データという)を生成可能である。複合機1は、サーバコンピュータSV2から、表示部50に表示画面を表示させるために当該画面データを受け取って表示部50に表示する。画像形成システム10による上記画面データの生成処理、複合機1における上記表示画面を表示するための構成及び処理は後述する。
【0026】
次に、サーバコンピュータSV2、PC31乃至34、及び複合機1の内部構成であって、画面データの生成処理及び表示処理に必要な構成を説明する。図2は、サーバコンピュータ、PC及び複合機について表示画面の生成処理及び表示処理に必要な構成を示す図である。なお、PC31乃至34で表示画面の生成処理に必要な構成は同様であるため、図2にはPC31の構成を示す。
【0027】
PC31は、制御部310と、記憶部311とを備えている。
【0028】
記憶部311は、HDD等からなり、サーバコンピュータSV2との間で表示画面生成を行うためのプログラムが記憶されている。
【0029】
制御部310は、CPU等からなり、PC31の全体的な動作制御を司ると共に、記憶部311に記憶されている上記プログラムに従って動作することで、ウェブウェブブラウザ3100として機能する。
【0030】
ウェブブラウザ3100は、サーバコンピュータSV2に対して、パネルクリエータ部25の起動指示を送信し、パネルクリエータ部25をWebアプリケーションとして起動させる。すなわち、ウェブウェブブラウザ3100は、上記カスタマイズ受付画面の表示データ、上記表示画面の背景画像のデータ等を、LAN等を介してサーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25から受信してディスプレイに表示させる。また、ウェブブラウザ3100は、サーバコンピュータSV2のパネルシミュレータ部26から、パネルクリエータ部25で生成されてパネルシミュレータ部26によりHTML形式データに変換された画面データを表示用データとして受信して、ユーザによる確認用にパソコン31のディスプレイに表示させる。
【0031】
また、サーバコンピュータSV2は、本発明の一実施形態として必要な構成として、拡張アプリケーション20と、パネルクリエータ部25とを備える。
【0032】
パネルクリエータ部25は、複合機1の表示部50に表示される表示画面の画面データを、例えばXML(Extensible Markup Language)形式のデータで生成するツールである。パネルクリエータ部25は、表示画面を構成する各種ボタン等の各表示対象パーツのカスタマイズをユーザから受け付けて表示画面を生成する処理を行う。
【0033】
パネルクリエータ部25は、パーツ指定受付部254と、レイアウト指示受付部255と、アクション設定部252と、生成部253として機能する。
【0034】
パーツ指定受付部254は、複合機1の表示部50の表示画面内に表示させる例えば操作ボタン、アイコン、文字列等の表示対象パーツの指定を、サーバコンピュータSV2に備えられる図略の操作部(マウス又はキーボード等)を介してユーザから受け付ける。ユーザが指定可能な複数の表示対象パーツの画像データは、パネルクリエータ部25に記憶されている。例えば、ユーザにより図略の操作部を介してパネルクリエータ部25の起動指示が受け付けられると、パーツ指定受付部254は、サーバコンピュータSV2に備えられるLCD等のディスプレイにカスタマイズ受付画面を表示させる。このカスタマイズ受付画面には、上記表示対象パーツが表示され、当該表示中の表示対象パーツからユーザ所望の表示対象パーツが操作部の操作でユーザにより指定されると、パーツ指定受付部254が、当該指定された表示対象パーツの指定を受け付ける。
【0035】
レイアウト指示受付部255は、パーツ指定受付部254で指定された表示対象パーツについての表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付ける。例えば、レイアウト指示受付部255は、上記表示画面の背景画像のデータ(パネルクリエータ部25に記憶されている)を用いて、上記ディスプレイに当該表示画面の背景画像を擬似的に表示させ、当該背景画像中における任意の箇所がユーザにより上記操作部を用いて指定されると、当該指定された箇所を上記指定された表示対象パーツの配置箇所として受け付ける。
【0036】
アクション設定部252は、パーツ指定受付部254で指定された表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応するアクションを関連付けて設定する。すなわち、パーツ指定受付部254では、表示画面内に配置する表示対象パーツの種類がユーザにより指定されるが、アクション設定部252は、当該指定された表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応する複合機1の動作を関連付けて設定する。例えば、アクション設定部252は、「原稿サイズA3ボタン」という表示対象パーツがユーザにより指定された場合には、当該「原稿サイズA3ボタン」について予め対応付けられているアクションとして、「原稿サイズA3の記録用紙が格納されている給紙カセットから記録用紙を給紙させる指示を受け付ける動作」を「原稿サイズA3ボタン」に関連付けて設定する。
【0037】
生成部253は、パーツ指定受付部254での上記表示対象パーツ指定、レイアウト指示受付部255での上記レイアウト指示、及びアクション設定部252での上記アクション設定で定められた内容で表示画面を生成する処理を行う。すなわち、ユーザは、パーツ指定受付部254での上記表示対象パーツ指定、レイアウト指示受付部255での上記レイアウト指定を行うと、アクション設定部252によるアクション設定、及び生成部253による表示画面生成処理により、複合機1の表示部50に表示させる表示画面を所望通りにカスタマイズして作成することができる。本実施形態では、生成部253は、XML形式でScriptファイルに画面データをエクスポートする。なお、本実施形態では、表示画面のデータファイルとしてXML形式のScriptファイルを使用するが、システム構成上は、XML形式以外の他のマークアップ言語であっても構わない。
【0038】
パネルシミュレータ部26は、パネルクリエータ部25によってエクスポートされた上記Scriptファイルでなる画面データの内容を解析し、ディスプレイでの表示を可能にするために当該画面データをHTML形式のデータに変換するツールである。当該変換された当該HTML形式のデータは、サーバコンピュータSV2に備えられるLCD等のディスプレイに表示される。
【0039】
拡張アプリケーション20は、主に、通信部21と、記憶部22と、Script Interpreter 23、Business Logic24とを備える。
【0040】
拡張アプリケーション20は、サーバコンピュータSV2に後から追加インストール可能なアプリケーションである。
【0041】
通信部21は、PC31等との間で上記各指示や画面データ等を、LAN等を介して送受信すると共に、複合機1との間では、記憶部22に記憶されている画面データ、制御コマンド、ボタン指定情報等の送受信を行う。
【0042】
記憶部22は、パネルクリエータ部25で生成されたScriptファイルの画面データを記憶する。記憶部22は、HDD等からなり、さらに、サーバコンピュータSV2の全体的な動作制御プログラム、拡張アプリケーション20のプログラム(パネルクリエータのプログラムを含む)等が記憶されている。サーバコンピュータSV2の中央制御部であるCPUは、記憶部22に記憶されている各プログラムに従って動作することで、拡張アプリケーション20等として機能する。
【0043】
Script Interpreter (データ変換部)23は、記憶部22に記憶されている画面データを解析して、複合機1のウェブブラウザ16による表示部50での表示が可能なデータ形式(本実施形態ではHTML形式)に変換するデータ変換処理と、表示画面内に配置された操作ボタン等の表示対象パーツに関連付けられたアクションを実行するためのBusiness Logic24への展開処理とを行う。Script Interpreter 23は、上記表示用にHTML変換処理を行ったデータを、APIを介してBusiness Logic24に渡す。
【0044】
Business Logic24は、通信部21を介して複合機1のプラットフォーム13に、上記表示用にHTML変換処理が行われたデータを送信する。また、Business Logic24は、上記Script Interpreter23によるScriptファイルの解析で得られた情報(表示対象パーツを示す情報と、当該表示対象パーツに設定されているアクションを示す情報)を基に、複合機1によるアクション(複合機1の動作)を制御する。
【0045】
すなわち、Business Logic24は、複合機1のウェブブラウザ16により表示部50に表示される表示画面に表示されている操作ボタン等の表示対象パーツがユーザにより指定されると、いずれの表示対象パーツが指定されたかのボタン指定情報を、複合機1から通信部21を介して取得し、上記Script Interpreter23から渡された上記情報を基に、上記ボタン指定情報が示す表示対象パーツに設定されているアクションを解析し、解析したアクションを実行するために、当該解析したアクションに対応するAPI(制御コマンド)を呼び出す。すなわち、Business Logic24は、当該解析したアクションを複合機1に実行させるための制御コマンドを生成する。例えば、Business Logic24は、解析したアクションがスキャナ機能である場合は、複合機1にスキャナ機能を実行させるための制御コマンドとして、スキャナ送信APIを呼び出す。
【0046】
APIは、複合機1のコントローラ11によって実行される複合機1の上記基本機能をファームウェア以外から実行するためのインタフェイスである。APIは、複合機1のプラットフォーム13を通じて、複合機1のファームウェア内のコントローラ11にアクセスして複合機1の上記基本機能を実行させる。
【0047】
一方、複合機1は、コントローラ11と、記憶部12と、プラットフォーム13と、仲介アプリ14と、ウェブブラウザ16とを備えている。
【0048】
コントローラ11は、複合機1の全体的な動作制御を司る。コントローラ11は、ファームウェアとして備えられ、複合機1が有するスキャンデータ送信、印刷、データアクセス、システム設定、ネットワーク通信、JOB制御、データ登録などの基本機能を実行する。
【0049】
プラットフォーム13は、API(Application Programming Interface)等が動作するための基盤である。プラットフォーム13は、コントローラ11とAPIとを中継する責務も持つ。
【0050】
さらに、プラットフォーム13は、表示部50での表示対象とされる表示画面の表示用データ(Script Interpreter23によるHTML変換処理後のデータ)や各種指示を、サーバコンピュータSV2からLAN等を介して取得する。
【0051】
なお、コントローラ11は、例えば、表示部50に表示画面(例えば、図4(a)の第1表示画面51)等を表示させているときに、タッチパネル機能等によりユーザの「簡単スキャン」ボタン511の押下操作があると、プラットフォーム13を介してサーバコンピュータSV2の拡張アプリケーション20に問い合わせを行う。すなわち、コントローラ11は、プラットフォーム13を介して、「簡単スキャン」ボタン511(表示対象パーツの一例)がユーザにより指定されたことを示すボタン指定情報(表示パーツ指定情報)をサーバコンピュータSV2の拡張アプリケーション20に送り、拡張アプリケーション20が、当該ボタン指定情報の示すボタン(すなわち、「簡単スキャン」ボタン511)に対して設定されているアクションを解析する。
【0052】
なお、この例のように、ボタン指定情報の示すボタンが「簡単スキャン」ボタン511であり、拡張アプリケーション20によって解析されるアクションが複合機1での表示部50の表示画面遷移である場合は、例えば図4(b)に示すワークフロー選択画面52への複合機1での表示部50の表示画面遷移を可能にするために、拡張アプリケーション20のScript Interpreter 23及びBusiness Logic24は、記憶部22に記憶されているScriptファイルでなる画面データの解析及びHTML形式へのデータ変換を開始する。Business Logic24は、解析したアクションである表示画面遷移を複合機1に実行させるための制御コマンドを生成する。
【0053】
記憶部12は、HDD等からなり、コントローラ11として動作させるための動作制御プログラム、ウェブブラウザ16のプログラム等が記憶されている。複合機1の中央制御部であるCPUが、記憶部12に記憶されている各プログラムに従って動作することで、コントローラ11及びウェブブラウザ16等として機能する。
【0054】
仲介アプリ14は、上記プラットフォーム13がサーバコンピュータSV2から受信した上記HTML変換処理が行われた表示用データを、ウェブブラウザ16で処理可能にするための仲介的な処理を行う。
【0055】
ウェブブラウザ16は、Web browserであり、上記Script Interpreter 23及びBusiness Logic24から得た上記HTML変換処理済みの表示用データを表示部50に表示させる。ウェブブラウザ16は、本実施形態では、拡張アプリケーション20で変換されたHTML変換処理後のファイルが示す画面構成に合わせて表示画面を表示部50に表示し、また、当該表示画面の表示中に、ユーザからの指示入力操作を表示部50のタッチパネル機能を介して受け付けるインタフェイスとなる。
【0056】
次に、パネルクリエータ部25による表示画面生成処理を説明する。図3はパネルクリエータ部25による表示画面生成処理を示すフローチャートである。図4(a)(b)は表示部50に表示される表示画面の一例を示す図、(c)はパネルクリエータ部25による生成処理で作成された表示画面の例を示す図である。図5はカスタマイズ受付画面の一例を示す図である。
【0057】
例えば、図4(a)に示すように、複合機1の表示部50には、複合機1の電源オン時又は、操作パネル上の図略のアプリケーションキー(例えばハードキー)をユーザが押下したときに、ウェブブラウザ16による表示制御で表示部50に第1表示画面51が表示される。第1表示画面51で例えば「簡単スキャン」ボタン511をユーザが押下すると、この押下操作を受けて、コントローラ11は、サーバコンピュータSV2の拡張アプリケーション20(Business Logic24)に対して、この押下操作に基づいて実行すべき動作制御を問い合わせる。拡張アプリケーション20は、例えば、この押下操作に基づいて実行すべき動作制御が、図4(b)に示すワークフロー選択画面52への画面表示遷移であることを解析すると、表示部50の表示をワークフロー選択画面52に遷移させるための処理を行う。
【0058】
さらに、当該ワークフロー選択画面52において、ユーザにより「紹介状」ボタン521が選択され、「詳細」ボタン522が押下されると、コントローラ11からの問い合わせに従って、Business Logic24が、この押下操作に基づいて実行すべき動作制御が、「紹介状」ボタン521に対応するワークフロー設定を行うための詳細設定画面53(図4(c))への画面表示遷移であると解析したとすると、Business Logic24は、ウェブブラウザ16に、表示部50の表示を詳細設定画面53に遷移させる。
【0059】
例えば、拡張アプリケーション20(Script Interpreter 23等)が、図5に示されるような表示画面の画面テンプレート、ボタンテンプレート及び文字列データを複数持っており、ユーザによりカスタマイズされてなる上記Scriptファイルを解析し、Scriptファイルが示す画面内で表示させるキーの個数や配置に応じて、持っている画面テンプレート等のデータを用いて、図4(c)に示す詳細設定画面53のように、画面やボタンに文字列を当てはめ、これをウェブブラウザ16により表示部50に表示させる。
【0060】
ユーザは、当該表示画面の生成処理を行う場合、例えば、サーバコンピュータSV2の操作部(図略)を操作してパネルクリエータ部25にパネルクリエータ起動指示を入力し、当該パネルクリエータ起動指示がパーツ指定受付部254に受け付けられると(S1)、パネルクリエータ部25が起動する(S2)。
【0061】
そして、パネルクリエータ部25は、例えば、図5に例を示すような、カスタマイズ受付画面54をサーバコンピュータSV2のディスプレイに表示させる(S3)。
【0062】
ユーザが当該カスタマイズ受付画面54において、マウス等の操作指示入力部を操作して、選択可能な表示対象パーツとして表示されている複数の操作ボタン541〜555やメッセージ表示556〜562の中から、所望の操作ボタン又はメッセージ表示を押下して所望の操作ボタン又はメッセージ表示を選択して指定すると、パーツ指定受付部254は、当該選択された操作ボタン又はメッセージ表示を、表示画面(すなわち、複合機1の表示部50に表示させる表示画面)に表示させる表示対象パーツとして受け付ける(S4)。更に、ユーザが、マウスのドラッグアンドドロップ操作を行って、当該選択された操作ボタン又はメッセージ表示を、カスタマイズ受付画面54に表示されているデフォルト画面570内の所望の位置にドラッグさせると、当該位置に上記選択された操作ボタン等を配置するレイアウト指示がレイアウト指示受付部255に受け付けられる(S4)。
【0063】
例えば、ユーザが、上記表示パーツ指定により、解像度の「600×600dpi」ボタン541を指定した場合は、アクション設定部252は、「600×600dpi」ボタン541に、スキャン動作時にスキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせる動作についての実行指示の入力というアクションを割り当てる。或いは、ユーザにより、上記表示パーツ指定により、「もどる」ボタン554が指定された場合は、アクション設定部252は、図4(b)のワークフロー選択画面52に表示部50の表示を遷移させる指示の入力を割り当てて設定する。このように、各表示対象パーツには、それぞれ対応するアクションが予め記憶されており、アクション設定部252によって、対応する個別のアクションが割り当てられる。
【0064】
上記S5の処理は、ユーザが、デフォルト画面570内に表示させたい表示対象パーツボタンの指定及び配置を行い、カスタマイズ受付画面54内の確定ボタン58をマウス等によりクリックし、ユーザからの当該指定及び配置の終了指示が入力されるまで各表示対象パーツについて実行される(S5)。
【0065】
上のように表示パーツの指定及びレイアウト指示の受付が終了すると(S5でYES)、パネルクリエータ部25のアクション設定部252が、当該受信された指示が示す各表示対象パーツに対応するアクション(すなわち、複合機1で実行される各動作についての実行指示の受付)を、内蔵する記憶領域から読み出し、選択された各表示対象パーツに関連付けて設定する(S6)。
【0066】
上記アクション設定後、生成部253は、上記表示対象パーツ指定、レイアウト指示、及びアクション設定によって定められた内容からなる画面データをScriptファイルで生成する(S7)。当該Scriptファイルで表現された画面データは、パネルクリエータ部25により記憶部22に保存される(S8)。
【0067】
なお、この後、パネルシミュレータ部26が、当該Scriptファイルでなる画面データを読み込んで内容を解析し、PC31のディスプレイでの表示を可能にするためにHTML形式のデータに変換を行い、通信部21を介してPC31に送信する。このHTML形式の表示用データを受信したPC31では、ウェブウェブブラウザ3100がユーザの確認用に当該表示用データが示す表示画面をディスプレイに表示させる。
【0068】
次に、画像形成システム10による、上記サーバコンピュータSV2で生成された表示画面についての複合機1の表示部50での表示処理、及びユーザからの動作実行指示に基づく複合機1の動作実行制御を説明する。図6は画像形成システム10による、上記サーバコンピュータSV2で生成された表示画面についての複合機1の表示部50での表示処理、及びユーザからの動作実行指示に基づく複合機1の動作実行制御を示すフローチャートである。
【0069】
なお、サーバコンピュータSV2は、複数台の複合機1と接続している場合、接続されているいずれの複合機1との間でも、以下に示す処理を行って、各複合機1の表示部50に表示画面を表示させ、複合機1の動作実行制御を行うことが可能とされている。
【0070】
図3に示した一連の処理によりサーバコンピュータSV2で画面データが生成されると、サーバコンピュータSV2内の記憶部22に当該Scriptファイルでなる画面データが保存される(SS11)。
【0071】
ここで、複合機1において、ユーザによる画面遷移指示が図略の操作部を介してウェブブラウザ16に入力されると(F1でYES)、コントローラ11は、プラットフォーム13等を介してサーバコンピュータSV2の拡張アプリケーション20に問い合わせを行う(F2)。サーバコンピュータSV2における画面データを用いた表示処理は、このように、上記ユーザによる操作に基づいて行われるアクションとして、画面遷移処理が行われる場合に行われる。なお、当該画面遷移指示には、複合機1の電源スイッチがオンとされたときにウェブブラウザ16に入力される複合機1の起動開始指示が含まれ、上記画面遷移制御には、表示画面を非表示状態としている表示部50にスタート画面を表示させる表示制御も含まれる。
【0072】
例えば、コントローラ11がワークフロー画面52を表示部50に表示させているときに(図4(b)参照)、例えば「詳細」ボタン522をユーザがタッチパネル機能等により押下すると、コントローラ11は、プラットフォーム13等を介してサーバコンピュータSV2の拡張アプリケーション20に問い合わせ(次に表示すべき画面データの送信要求)を行う。すなわち、コントローラ11は、プラットフォーム13等を介してサーバコンピュータSV2の拡張アプリケーション20に、ユーザにより「詳細」ボタン522が指定されたことを示すボタン指定情報を送信する(F2)。
【0073】
サーバコンピュータSV2において、通信部21が、当該ボタン指定情報を受信すると(SS12)、Business Logic24が当該ボタン指定情報の示すボタン(ここでは、「詳細」ボタン522)に設定されているアクションを解析する(SS13)。解析されたアクションが、特定の表示画面への表示画面制御であるとすると、Script Interpreter 23は、それまで表示部50に表示させていた表示画面に対して遷移後の表示画面となる当該特定の表示画面の画面データ(Scriptファイル)を記憶部22から読み出し(SS14)、読み出した画面データを解析し、表示部50に表示画面を表示するためのHTML変換処理と、表示画面内に配置された操作ボタン等の表示対象パーツに関連付けられたアクションを実行するためのBusiness Logic24への展開処理とを行う(SS15)。
【0074】
すなわち、Script Interpreter 23は、複合機1のウェブブラウザ16による表示部50での表示が可能なデータ形式(本実施形態ではHTML形式)に変換するデータ変換処理を行い、Scriptファイルが示す画面内で表示させるキーの個数や配置に応じて、表示画面の構成要素である画面テンプレート、ボタンテンプレート及び文字列データを用いて、画面やボタンに文字列を当てはめ、当該Scriptファイルが示す表示画面を構成し、表示画面内に配置された操作ボタン等の表示対象パーツに関連付けられたアクションを実行するためのBusiness Logic24への展開処理を行う。
【0075】
続いて、Business Logic24は、Script Interpreter 23から得た上記HTML変換処理後のデータを表示部50での表示が可能となる表示用データとして、通信部21から複合機1のプラットフォーム13に送信する(SS16)。
【0076】
複合機1では、プラットフォーム13が上記表示用データを受信すると(F3)、ウェブブラウザ16は、当該受信された表示用データを表示部50に表示させる(F4)。これにより、それまで表示部50に表示されていた先の表示画面から次に遷移すべき表示画面として、サーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25で生成された表示画面(例えば、図4(c)に示した詳細設定画面53)が表示部50に表示される。この点で、ウェブブラウザ16が特許請求の範囲の表示制御部として機能する。
【0077】
このウェブブラウザ16による上記表示画面の表示中に、ユーザによるタッチパネル機能を利用した操作で、例えば図4(c)に示した詳細設定画面53のいずれかの表示ボタンが押下されると(F5でYES)、当該押下された表示ボタンを示すボタン指定情報が、ウェブブラウザ16からプラットフォーム13及び通信部21等を介して、サーバコンピュータSV2のBusiness Logic24に送られる(F6)。サーバコンピュータSV2における画面データを用いた表示処理は、例えば、このように、上記ユーザによる操作に基づいて行われるアクションとして、画面遷移処理が行われる場合に行われる。
【0078】
サーバコンピュータSV2において、Business Logic24が、上記Script Interpreter23から渡された情報(当該ボタン指定情報の示す表示ボタンに設定されているアクションに関する情報)を基に、当該ボタン指定情報の示す表示ボタンに関連付けられたアクションを解析する(SS17)。例えば、Business Logic24は、詳細設定画面53の「600×600dpi」ボタン541がユーザにより押下されると、当該「600×600dpi」ボタン541に対応する機能動作が、スキャン動作時にスキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせる動作についての実行指示の入力であることを、Script Interpreter23から渡された情報を基に解析する。
【0079】
続いて、Business Logic24は、上記解析した機能を実行するために、当該機能に対応するAPI(制御コマンド)を呼び出し、通信部21及びプラットフォーム13等を介して、当該APIを複合機1のコントローラ11に送信する(SS18)。例えば、Business Logic24は、詳細設定画面53の表示中に、「600×600dpi」ボタン541がユーザにより押下されると、当該「600×600dpi」ボタン531に対応する機能動作が、スキャン動作時にスキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせる動作についての実行指示の入力であることを、Script Interpreter23から渡された上記情報を基に解析し、当該「スキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせる動作についての実行指示の入力」を受け付ける。そして、Business Logic24は、「スキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせる動作」を実行するために「スキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせる動作」に対応するAPIを呼び出す。
【0080】
複合機1のコントローラ11は、プラットフォーム13を介して上記APIを受信し、当該受信されたAPIに従って、指示された動作を実行する(F7)。例えば、コントローラ11は、「スキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせる動作」を実行する。すなわち、Business Logic24がAPIを介して、コントローラ11に、スキャナ部に600×600dpiの解像度で原稿を読み取らせることを設定する。
【0081】
なお、SS17で解析されたアクションが、表示画面遷移であった場合は、SS13乃至SS16、F3乃至F5と同様の処理が行われることになる。
【0082】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ユーザによるサーバコンピュータSV2の操作に基づいて表示画面の生成処理を行う場合を説明しているが、本発明は、当該実施形態に限定されない。
【0083】
例えば、図7に示すように、ユーザによるPC31の操作に基づいて表示画面の生成処理を行うことも可能である。なお、図3に示した表示画面の生成処理と同様の処理は説明を省略する。
【0084】
この場合、ユーザは、例えば、PC31の操作部(図略)を操作して、ウェブブラウザ3100から表示画面作成指示を入力する。当該ユーザによる表示画面作成指示の入力がウェブブラウザ3100に受け付けられると(P1)、ウェブブラウザ3100がサーバコンピュータSV2に対してパネルクリエータ部25の起動指示を送信する(P2)。
【0085】
サーバコンピュータSV2において、通信部21を介して、パネルクリエータ部25に上記パネルクリエータ起動指示が受信されると(SS1)、パネルクリエータ部25が起動する(SS2)。そして、パネルクリエータ部25は、通信部21から、例えば、図5に例を示すような、カスタマイズ受付画面54の表示データをPC31に送信する(SS3)。
【0086】
PC31のウェブブラウザ3100が当該カスタマイズ受付画面54の表示データを受信すると(P3)、パーツ指定受付部3101は、PC31のディスプレイに、当該受信された表示データを用いてカスタマイズ受付画面54を表示させる(P4)。
【0087】
ユーザは、PC31において、ウェブブラウザ3100を介して、表示対象パーツ指定指示及びレイアウト指示を入力すると(P5)、当該表示対象パーツ指定指示及びレイアウト指示をウェブブラウザ3100がサーバコンピュータSV2に送信する(P6)。すなわち、ユーザは、PC31のウェブブラウザ3100を介してサーバコンピュータSV2のパネルクリエータ部25をWebアプリケーションとして操作する。
【0088】
サーバコンピュータSV2では、パネルクリエータ部25のパーツ指定受付部254、レイアウト指示受付部255が、PC31からの表示パーツ指定及びレイアウト指示を受信すると(SS4)、アクション設定部252が、当該受信された指示が示す各表示対象パーツに対応するアクションを、内蔵する記憶領域から読み出し、選択された各表示対象パーツに関連付けて設定する(SS5)。
【0089】
上記P4乃至P6の処理は、ユーザが、PC31において、デフォルト画面570内に表示させたい表示対象パーツボタンの指定及び配置を行い、カスタマイズ受付画面54内の確定ボタン58をマウス等によりクリックし、ユーザからの当該指定及び配置の終了指示が入力されるまで各表示対象パーツについて実行される(P7)。
【0090】
ユーザによる上記表示対象パーツの指定及び配置が終了すると(P7でYES)、ウェブブラウザ3100が表示画面生成終了を示す終了指示をサーバコンピュータSV2に送信する(P8)。
【0091】
サーバコンピュータSV2において、パネルクリエータ部25が当該終了指示を受信すると(SS6)、生成部253は、上記表示対象パーツ指定、レイアウト指示、及びアクション設定によって定められた内容からなる画面データをScriptファイルで生成する(SS7)。当該Scriptファイルで表現された画面データは、パネルクリエータ部25により記憶部22に保存される(SS8)。この場合、PC31にパネルシミュレータ部を備えることで、当該パネルシミュレータ部により、サーバコンピュータSV2で生成された表示用データPC31が受信して当該表示用データを確認できる。
【0092】
また、上記実施形態では、サーバコンピュータSV2で生成された表示画面は複合機1で表示されるとして説明しているが、当該生成された表示画面は複合機1での表示に限定されるものではなく、他の電気機器の表示部への表示にも適用可能である。
【0093】
また、本発明の範囲は上記に示した各実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。上記実施形態では、本発明の実施形態の構成及び処理を図1乃至図7に示しているが、当該構成及び処理は本発明の実施形態の単なる一例に過ぎない。
【符号の説明】
【0094】
10 画像形成システム
1 複合機
50 表示部
51 表示画面
11 コントローラ
13 プラットフォーム
16 ウェブブラウザ
SV2 サーバコンピュータ
20 拡張アプリケーション
21 通信部
22 記憶部
23 Script Interpreter
24 Business Logic
25 パネルクリエータ部
252 アクション設定部
253 生成部
254 パーツ指定受付部
255 レイアウト指示受付部
26 パネルシミュレータ部
31 パーソナルコンピュータ
310 制御部
3100 ウェブブラウザ
311 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともサーバと画像形成装置とを有する画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記画像形成装置の表示部の表示画面内に表示させる表示対象パーツの選択指示をユーザから受け付けるパーツ選択指示受付部と、前記選択された表示対象パーツについての前記表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付けるレイアウト指示受付部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示が示す表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応するアクションを関連付けて設定するアクション設定部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示、前記レイアウト指示受付部で受け付けられたレイアウト指示、及び前記アクション設定部による設定で定められた内容で前記表示画面の画面データを生成する生成部とを有する画面データ生成部と、
前記生成部によって生成された前記表示画面の画面データを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置の表示部での表示対象とされる表示画面の画面データを前記記憶部から読み出して解析し、前記表示部で表示可能なデータ形式に変換するデータ変換部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記画像形成装置に対して送信する画面データ送信部とを備え、
前記画像形成装置は、
前記表示画面を表示する表示部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記サーバから取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された表示用データを前記表示部に表示させる表示制御部とを備える画像形成システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記表示画面を構成するいずれかの表示対象パーツが指定されたことを示すパーツ指定情報を前記画像形成装置から受信するパーツ指定情報受信部と、
前記受信されたパーツ指定情報が示す表示対象パーツに設定されているアクションを解析し、解析されたアクションを実行させる制御コマンドを生成する制御コマンド生成部と、
前記生成された制御コマンドを前記画像形成装置に送信する制御コマンド送信部とを更に備え、
前記画像形成装置は、
前記パーツ指定情報を前記サーバに対して送信するパーツ指定情報送信部と、
前記制御コマンド送信部から送信されてくる制御コマンドを受信する制御コマンド受信部と、
前記制御コマンド受信部によって前記サーバから受信された前記制御コマンドに従って各動作機構を制御する動作制御部とを更に備える請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
クライアントコンピュータを更に備え、
当該クライアントコンピュータは、当該クライアントコンピュータから前記サーバの前記画面データ生成部を操作可能なウェブウェブブラウザを備える請求項1又は請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記サーバに対して前記画像形成装置が複数台接続され、
前記サーバの画面データ送信部は、前記複数台の画像形成装置に対して前記変換された表示用データを送信する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
画像形成装置に備えられる表示部の表示画面として表示させる画面データを生成及び管理するサーバであって、
前記画像形成装置の表示部の表示画面内に表示させる表示対象パーツの選択指示をユーザから受け付けるパーツ選択指示受付部と、前記選択された表示対象パーツについての前記表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付けるレイアウト指示受付部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示が示す表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応するアクションを関連付けて設定するアクション設定部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示、前記レイアウト指示受付部で受け付けられたレイアウト指示、及び前記アクション設定部による設定で定められた内容で前記表示画面の画面データを生成する生成部とを有する画面データ生成部と、
前記生成部によって生成された前記表示画面の画面データを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置の表示部での表示対象とされる表示画面の画面データを前記記憶部から読み出して解析し、前記表示部で表示可能なデータ形式に変換するデータ変換部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記画像形成装置に対して送信する画面データ送信部とを備えるサーバ。
【請求項6】
前記表示画面を構成するいずれかの表示対象パーツが指定されたことを示すパーツ指定を前記画像形成装置から受信するパーツ指定受信部と、
前記受信されたパーツ指定が示す表示対象パーツに設定されているアクションを解析し、解析されたアクションを実行させる制御コマンドを生成する制御コマンド生成部と、
前記生成された制御コマンドを前記画像形成装置に送信する制御コマンド送信部とを更に備える請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
電気機器に備えられる表示部に表示させる画面データを生成及び管理するように、サーバを機能させる画面データ管理プログラムであって、
当該サーバを、
前記電気機器の表示部の表示画面内に表示させる表示対象パーツの選択指示をユーザから受け付けるパーツ選択指示受付部と、前記選択された表示対象パーツについての前記表示画面内での配置を指示するレイアウト指示をユーザから受け付けるレイアウト指示受付部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示が示す表示対象パーツに対して、当該表示対象パーツに対応するアクションを関連付けて設定するアクション設定部と、前記パーツ選択指示受付部で受け付けられた表示対象パーツ選択指示、前記レイアウト指示受付部で受け付けられたレイアウト指示、及び前記アクション設定部による設定で定められた内容で前記表示画面の画面データを生成する生成部とを有する画面データ生成部と、
前記生成部によって生成された前記表示画面の画面データを記憶する記憶部と、
前記電気機器の表示部での表示対象とされる表示画面の画面データを前記記憶部から読み出して解析し、前記表示部で表示可能なデータ形式に変換するデータ変換部と、
前記データ変換部によって変換された画面データを表示用データとして前記電気機器に対して送信する画面データ送信部と
して機能させる画面データ管理プログラム。
【請求項8】
前記サーバを、更に、
前記表示画面を構成するいずれかの表示対象パーツが指定されたことを示すパーツ指定を前記電気機器から受信するパーツ指定受信部と、
前記受信されたパーツ指定が示す表示対象パーツに設定されているアクションを解析し、解析されたアクションを実行させる制御コマンドを生成する制御コマンド生成部と、
前記生成された制御コマンドを前記電気機器に送信する制御コマンド送信部と
して更に機能させる請求項7に記載の画面データ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−239569(P2010−239569A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87901(P2009−87901)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】