説明

画像形成システム、サーバ装置、及び画像形成装置

【課題】消費電力をより一層削減することが可能な画像形成システムを提供する。
【解決手段】この画像形成システムは、待機状態と節電状態とを切替え可能なMFP300と、MFP300に対して印刷指示を出力する複数のクライアントコンピュータ100と、MFP300及びクライアントコンピュータ100を管理するサーバコンピュータ200とを含む。複数のクライアントコンピュータ100には、それぞれ、そのクライアントコンピュータ100の利用者によってスケジュール情報が入力される。サーバコンピュータ200は、クライアントコンピュータ100からスケジュール情報を取得してそのスケジュール情報を解析する。サーバコンピュータ200は、解析によって得られた情報に基づいて、MFP300を待機状態から節電状態に切替える指示を当該MFP300に対して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、サーバ装置、及び画像形成装置に関し、特に、動作状態を切替えることが可能な画像形成装置、その画像形成装置を含む画像形成システム、及びその画像形成装置を管理するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報機器の1種として、多くの事業所(会社、事務所等)に画像形成装置(代表的にはコピー機)が導入されている。このような事業所において、プリント機能又はコピー機能等を備えた画像形成装置をネットワークに接続し、これらを複数のユーザで利用するケースが多くなっている。また、このような画像形成装置の1つである複合機(MFP(Multifunction Peripheral))のように、コピーモード、画像通信モード(代表的にはファクシミリモード)、ネットワーク対応のプリントモード、及びスキャナモードのように複数のモードを有するものも多くなってきている。
【0003】
例えば、後掲の特許文献1は、ネットワークを介して画像形成装置とホストコンピュータ(情報処理装置)とを接続した画像形成システムを開示している。この画像形成システムでは、ネットワークを介して、認証サーバコンピュータ、入出用カードリーダ及び退出用カードリーダがさらに接続されている。入出用カードリーダ及び退出用カードリーダは、それぞれ、画像形成装置が設置された居室等から利用者が入出及び退出する場合に電子錠を施錠又は解錠するためのカードを読取るカードリーダである。このカードリーダが認証サーバコンピュータ及び画像形成装置と連動することでプリントジョブを投入した人物が、画像形成装置が設置された居室等の一定の区画内に不在か否かを判定する。プリントジョブを投入した人物が一定の区画内に不在の場合には画像形成装置による画像出力ジョブを休止する。これにより、プリントジョブを投入した人物が会議等で居室等から退出した場合でも、本人不在のまま出力用紙が排紙トレイに放置されるのが抑制される。
【0004】
ところで、画像形成装置を複数のユーザ(利用者)で使用する場合、ユーザの印刷要求タイミングが個人個人により異なるので、画像形成装置は長時間にわたって電源が投入されていることが多く、消費電力の削減に対する対策が必要となっている。特に、MFP(複合機)のように、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数のモードを有する場合には、夜間及び休日等を含め終日にわたって主電源を遮断しないこともあり、消費電力の削減についてのニーズは一層高くなっている。
【0005】
このようなことから、MFPにおいて、コピー等の印刷出力が完了してから一定時間が経過した後、或いは、操作パネル上のキー操作が一定時間なかった場合には、通常の通電状態である待機モード(待機状態)から、電源をオフ状態又は使用しないユニット(モジュールともいう。)への電力供給を停止する節電モード(節電状態)に自動的に移行することが行なわれている。これにより、電力の消費が抑えられる。
【0006】
近年では、画像形成装置をしばらく使用しないことが予めわかっている場合に、利用者自身が画像形成装置を遮断したり、節電スイッチと呼ばれるキーを操作することで、画像形成装置を待機モードから節電モードに切替えたりすることが可能となっている。
【0007】
さらに昨今では、画像形成装置自身が自機の動作スケジュール管理機能を備えるようになってきており、そのスケジュールに応じて予め決められた時間帯に電源ON状態から待機モードへ、或いは待機モードから節電モードへ自動的に切替わるようにもなってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−347112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、画像形成装置においては、消費電力を削減するための技術が取入れられており節電が可能となっている。しかし、昨今の電力供給事情等を鑑みると、消費電力をより一層削減することが求められている。上記した特許文献1の画像形成システムでは、本人不在のまま出力用紙が排紙トレイに放置されるのが抑制されるため、セキュリティを高めることはできるものの、画像形成装置の節電については何ら考慮されていないため、消費電力をより一層削減するという要求に応えることが困難であるという問題がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、消費電力をより一層削減することが可能な画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面に係る画像形成システムは、待機状態と節電状態とを切替え可能な画像形成装置と、画像形成装置に対して印刷指示を出力する情報処理装置と、画像形成装置及び情報処理装置を管理するサーバ装置とを含む画像形成システムであって、情報処理装置は、利用者のスケジュール情報を入力するための入力手段を含み、サーバ装置は、スケジュール情報を取得して解析するための解析手段と、解析手段による解析によって得られた情報に基づき、画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための切替指示出力手段とを含む。
【0012】
サーバ装置がスケジュール情報を取得してその情報を解析することにより、情報処理装置の利用者の在席状況がわかる。情報処理装置の利用者は画像形成装置の利用者でもあるため、利用者が在席していない場合は、その利用者によって画像形成装置が使用される可能性は非常に低い。利用者のスケジュール情報を解析することにより得られた情報に基づいて、サーバ装置が画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力することにより、利用者が不在のために画像形成装置がほとんど不使用状態の場合には、画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えることができる。これにより、例えば動作スケジュール管理機能等によってその動作スケジュールに応じて待機状態から節電状態へ自動的に切替わるように設定されている場合でも、画像形成装置が不使用状態であると予測される場合には、画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えることができる。その結果、無駄な電力の消費をより一層抑えることができるので、消費電力をより一層削減できる。
【0013】
一方、画像形成装置の利用者が在席している状況では、画像形成装置が使用される可能性が高い。このような状況の場合、この画像形成システムでは画像形成装置を待機状態とできる。
【0014】
好ましくは、情報処理装置は、入力手段により入力されたスケジュール情報を記憶するための記憶手段をさらに含み、解析手段は、記憶手段からスケジュール情報を取得してスケジュール情報を解析する。このように、情報処理装置の利用者のスケジュール情報は、その情報処理装置に保持される構成であってもよい。
【0015】
また好ましくは、サーバ装置は、複数の情報処理装置から入力されたスケジュール情報を記憶するための記憶手段をさらに含み、解析手段は、記憶手段からスケジュール情報を取得してスケジュール情報を解析する。このように、情報処理装置の利用者のスケジュール情報は、サーバ装置に保持される構成とすることもできる。
【0016】
より好ましくは、画像形成システムは、複数の情報処理装置を含む。このように、画像形成装置を複数の利用者で使用している場合、複数の利用者の多くが在席していない状況の場合には、画像形成装置はほとんど不使用状態になる。利用者のスケジュール情報を解析することにより得られた情報に基づいて、サーバ装置が画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力することにより、例えば多くの利用者が不在で画像形成装置がほとんど不使用状態の場合には、画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えることができる。これにより、画像形成装置が不使用状態であると予測される場合には、画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えることができる。その結果、無駄な電力の消費をより一層抑えることが容易にできるので、容易に、消費電力をより一層削減できる。一方、例えば、画像形成装置を複数の利用者で使用している場合であって、複数の利用者の多くが在席しているような状況では、画像形成装置が使用される可能性が高い。このような状況の場合、この画像形成システムでは画像形成装置を待機状態とできる。
【0017】
さらに好ましくは、サーバ装置は、画像形成装置と画像形成装置の利用者が使用する情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、スケジュール情報は、画像形成装置の利用者が参加する会議の時間帯情報を含み、解析手段は、スケジュール情報から会議の時間帯情報を抽出するための抽出手段を含み、切替指示出力手段は、抽出された会議の時間帯情報に基づいて、画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための手段を含む。
【0018】
利用者が会議に参加している場合には、その利用者によって画像形成装置が使用される可能性は非常に低い。また、画像形成装置を複数の利用者で使用している場合、複数の利用者の多くが会議に参加している場合には、画像形成装置はほとんど不使用状態になる。したがって、そのような状況の場合には、画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えることにより、会議中はほとんど不使用状態となる画像形成装置の節電を容易に図ることができる。
【0019】
さらに好ましくは、サーバ装置は、画像形成装置と画像形成装置を利用する利用者グループの各利用者が使用する各々の情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、スケジュール情報は、画像形成装置の利用者が参加する会議の時間帯情報を含み、解析手段は、会議の時間帯情報を、スケジュール情報から抽出するための抽出手段と、抽出手段により抽出された会議の時間帯情報に基づき、画像形成装置を利用する利用者グループにおいて、会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多いか否かを判定するための判定手段とを含み、切替指示出力手段は、判定手段により会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多いと判定された場合には、画像形成装置を待機状態から節電状態に切替える指示を出力するための手段を含む。
【0020】
画像形成装置を利用する利用者グループにおいて、会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多い場合は、画像形成装置はほとんど不使用状態になる可能性が高い。このような状況の場合には、画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えることにより、画像形成装置の節電を容易に図ることができる。なお、各利用者が出席する会議は同じ会議であってもよいし、異なる会議であってもよい。
【0021】
この場合において、好ましくは、切替指示出力手段は、判定手段により会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多くないと判定された場合であって、画像形成装置が節電状態となっている場合には、画像形成装置を節電状態から待機状態に切替える指示を出力するための手段をさらに含む。
【0022】
会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多くない場合には、画像形成装置が使用される可能性が高くなる。このため、このような場合には、画像形成装置を待機状態とするのが好ましい。
【0023】
さらに好ましくは、サーバ装置は、画像形成装置と画像形成装置を利用する利用者グループの各利用者が使用する各々の情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、スケジュール情報は、画像形成装置の利用者が参加する会議の時間帯情報を含み、解析手段は、画像形成装置を利用する利用者グループのなかの複数の利用者が参加する会議の時間帯情報を、スケジュール情報から抽出するための抽出手段を含み、切替指示出力手段は、会議が行なわれている時間帯は画像形成装置が節電状態となるように、会議の時間帯情報に基づいて、画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための手段を含む。
【0024】
画像形成装置を利用する利用者グループのなかの複数人が会議に参加する場合、画像形成装置はほとんど不使用状態になる可能性がある。サーバ装置は、例えば、会議の開始時間となった場合に画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えるための指示を出力することにより、会議中はほとんど不使用状態となる画像形成装置の節電を図ることができる。サーバ装置はまた、例えば、会議の終了時間となった場合に画像形成装置を節電状態から待機状態に切替えることにより、画像形成装置が使用される可能性が高くなる会議終了後において、画像形成装置をすぐに使用できる状態にすることができる。
【0025】
さらに好ましくは、サーバ装置は、画像形成装置と画像形成装置を利用する利用者グループの各利用者が使用する各々の情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、スケジュール情報は、画像形成装置の利用者が在席していない時間帯情報を含み、解析手段は、画像形成装置を利用する利用者グループのなかの複数の利用者が在席していない時間帯情報を、スケジュール情報から抽出するための抽出手段を含み、切替指示出力手段は、抽出された時間帯は画像形成装置が節電状態となるように、抽出された時間帯情報に基づいて、画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための手段を含む。
【0026】
画像形成装置を利用する利用者グループのなかの複数人が在席していない場合、画像形成装置はほとんど不使用状態になる可能性がある。サーバ装置は、例えば、複数の利用者が在席していない時間帯の開始時間となった場合に画像形成装置を待機状態から節電状態に切替えるための指示を出力することにより、ほとんど不使用状態となる画像形成装置の節電を図ることができる。一方、複数の利用者が在席していない時間帯の終了時間となった場合、不在であった利用者が在席している状況となるため、画像形成装置が使用される可能性が高くなる。サーバ装置は、例えば、複数の利用者が在席していない時間帯の終了時間となった場合に画像形成装置を節電状態から待機状態に切替えることにより、画像形成装置をすぐに使用できる状態にすることができる。
【0027】
本発明の第2の局面によるサーバ装置は、画像形成装置及び情報処理装置を管理するサーバ装置であって、情報処理装置から入力された、利用者のスケジュール情報を取得するための情報取得手段と、情報取得手段により取得されたスケジュール情報を解析するための解析手段と、解析手段による解析によって得られた情報に基づいて、画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための切替指示出力手段とを含む。このようなサーバ装置を用いることにより、消費電力をより一層削減することが容易にできる。
【0028】
本発明の第3の局面による画像形成装置は、ネットワークを介して情報処理装置と接続される接続手段と、情報処理装置から入力された、利用者のスケジュール情報を取得するための情報取得手段と、情報取得手段により取得されたスケジュール情報を解析するための解析手段と、解析手段による解析によって得られた情報に基づいて、自機の動作状態を、待機状態又は節電状態に切替えるための切替手段とを含む。このような画像形成装置を用いることによっても、消費電力をより一層削減することが容易にできる。
【発明の効果】
【0029】
以上より、本発明によれば、消費電力をより一層削減することが可能な画像形成システム、サーバ装置、及び画像形成装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムを示す図である。
【図3】図1のクライアントコンピュータのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図4】図1のクライアントコンピュータのディスプレイに表示されるスケジュール表示画面の画面例を示す図である。
【図5】図1のサーバコンピュータのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図6】サーバコンピュータで記憶している管理用のテーブルの一例を示した図である。
【図7】図1のMFPのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図8】図1のサーバコンピュータで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムのサーバコンピュータのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図10】図9のサーバコンピュータで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成システムのサーバコンピュータのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図12】図11のサーバコンピュータで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成システムのサーバコンピュータのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成システムのMFPのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図15】図13のサーバコンピュータ及び図14のMFPで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図16】クライアントコンピュータのディスプレイに表示されるスケジュール表示画面の他の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。以下の説明においては、情報処理装置の一種であるクライアントコンピュータ(PC)からの印刷要求を受信して、記録用紙に画像を形成するための画像形成装置(典型的には印刷装置)は、MFPであるとする。しかしながら、本発明に係る画像形成装置は、少なくともネットワーク対応の印刷機能を備えた装置であればよく、MFPに限定されるものではない。
【0032】
(第1の実施の形態)
[全体システム構成]
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの全体構成について説明する。この画像形成システムは、印刷要求を発行するクライアントコンピュータ100(パーソナルコンピュータPC(1)〜PC(7))と、印刷要求を受信して紙媒体に画像を印刷するMFP300(MFP(1)〜MFP(3))と、クライアントコンピュータ100及びMFP300を管理するサーバコンピュータ200とを含む。これらのクライアントコンピュータ100、サーバコンピュータ200及びMFP300は、ネットワーク回線400により通信可能に接続されている。
【0033】
なお、図1に示したクライアントコンピュータ100、サーバコンピュータ200及びMFP300の台数及び配置は一例であって、図1に示した台数及び配置に限定されるものではない。同じ符号を付したMFPは、同じ機能を備えた画像形成装置である必要はないが、いずれのMFPも、印刷機能を備える。
【0034】
図2を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムは、サーバコンピュータ200が管理下にある複数台のクライアントコンピュータ100内に保持(保存)されている利用者のスケジュール情報を取得して解析し、得られた情報に基づいて、MFP300を待機状態(待機モード)から節電状態(節電モード)に、及び、節電状態から待機状態に切替える。
【0035】
以下においては、図面等において、クライアントコンピュータ100を単にクライアントと、サーバコンピュータ200を単にサーバと記載する場合がある。
【0036】
[ハードウェア構成]
<クライアントコンピュータ100>
図3を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムを構成するクライアントコンピュータ100は、バス190と、バス190に接続されたCPU(Central Processing Unit)110と、バス190に接続されたROM(Read−Only Memory)120と、バス190に接続されたRAM(Random Access Memory)130と、バス190に接続されたハードディスク(HDD)140と、バス190に接続され、光ディスク182が装着可能で、光ディスク182に対する情報の書込及び光ディスク182からの情報の読出が可能な光ディスクドライブ180と、バス190に接続され、マウス152及びキーボード154との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力インターフェイス(以下「入力I/F」と呼ぶ。)150と、バス190に接続され、ディスプレイ162との間の接続に関するインターフェイスを提供するためのディスプレイインターフェイス(以下「ディスプレイI/F」と呼ぶ。)160と、有線又は無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線400への接続を提供するネットワークインターフェイス(以下「ネットワークI/F」と呼ぶ。)170とを含む。ネットワークI/F170は、クライアントコンピュータ100がノート型である場合を含めて、無線によりネットワーク回線400へ接続するインターフェイスの場合がある。また、クライアントコンピュータ100は、磁気ディスクが装着可能で、磁気ディスクに対する情報の書込及び磁気ディスクからの情報の読出が可能な磁気ディスクドライブを、光ディスクドライブ180に代えて/加えて、備えるようにしてもよい。
【0037】
バス190、ROM120、RAM130、ハードディスク140、光ディスクドライブ180、入力I/F150、ディスプレイI/F160及びネットワークI/F170は、いずれもCPU110の制御のもとに協調して動作し、クライアントコンピュータ100において種々のアプリケーションによる処理を実現する。それらアプリケーションは、例えば、ワードプロセッサ文書作成処理、表計算文書作成処理、又はこれらの作成処理により作成された電子データをMFP300へ送信する印刷処理等を含む。
【0038】
クライアントコンピュータ100には、上記アプリケーションに加えて、クライアントコンピュータ100を利用する利用者のスケジュール情報(利用者のスケジュール)を管理するためのスケジュール管理ソフト(以下、スケジューラと記載する場合がある。)がインストールされている。各クライアントコンピュータ100の利用者は、スケジュール管理ソフトを用いて、自身のスケジュール情報をクライアントコンピュータ100に入力できる。スケジュール情報としては、例えば、会議、出張、休み等がある。スケジュール情報として、例えば会議を入力する場合は、その会議が行なわれる日付に加えて、開始時間及び終了時間の時間帯情報も入力される。インストールされているスケジュール管理ソフトが、例えば、スケジューラの標準フォーマットを採用している場合、入力したスケジュール情報はその形式でハードディスク140等に保存される。
【0039】
スケジュール管理ソフトは、ネットワーク回線400を介して接続されている各クライアントコンピュータ100のスケジュール情報を共有する機能を有している。本実施の形態では、特定のグループのメンバー間でスケジュール情報が共有されている。
【0040】
図4を参照して、スケジュール管理ソフトのスケジュール表示画面500には、時間軸510、及び、特定のグループの各メンバーのスケジュールが表示される表示欄520(520a〜520e)が設けられている。図4に示すスケジュール表示画面500は、特定のグループのある日のスケジュールを表示している。スケジュール表示画面500の左端には、そのクライアントコンピュータ100の利用者A(メンバーA)のスケジュールが表示されており、メンバーAの右側には、特定のグループの他のメンバー(例えば、メンバーB、メンバーC、メンバーD及びメンバーE)のスケジュール(共有しているメンバーのスケジュール)が表示されている。
【0041】
入力されたスケジュール情報は、時間帯情報として表示及び保存されている。図4に示すスケジュール表示画面500は、一例として、メンバーA〜メンバーDが、10:00〜11:30まで会議Aに出席する予定があり、メンバーEは会議Aに出席する予定がない場合を示している。なお、スケジュール管理ソフトとしては、例えば、市販のソフト又はフリーのソフト等を適宜用いることができる。具体的には、スケジュール管理ソフトとして、例えば、マイクロソフト株式会社製の「アウトルック」を用いることができる。
【0042】
クライアントコンピュータ100に上述したような処理を行なわせるためのコンピュータプログラムは、光ディスクドライブ180に挿入される光ディスク182に記憶され、さらにハードディスク140に転送される。又は、プログラムはネットワーク回線400を通じてクライアントコンピュータ100に送信されハードディスク140に記載されてもよい。プログラムは実行の際にRAM130にロードされる。光ディスク182から、又はネットワーク回線400を介して、直接にRAM130にプログラムをロードしてもよい。
【0043】
これらのプログラムは、クライアントコンピュータ100に所定の処理を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかはクライアントコンピュータ100上で動作するオペレーティングシステム(OS)若しくはサードパーティのプログラム、又はクライアントコンピュータ100にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。したがって、このプログラムはこの実施の形態のシステムを実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能又は「ツール」を呼出すことにより、上記したクライアントコンピュータ100として所定の処理を実行する命令のみを含んでいればよい。クライアントコンピュータ100の実体であるコンピュータの一般的動作は周知であるので、ここでは繰返して説明しない。
【0044】
<サーバコンピュータ200>
図5を参照して、本実施の形態に係るクライアントコンピュータ100と通信するサーバコンピュータ200は、上述したクライアントコンピュータ100と同様の構成を備えるコンピュータである。このようなサーバコンピュータの構成部品には、いわゆるパーソナルコンピュータの構成部品よりも信頼性の高い部品が使用されている。
【0045】
サーバコンピュータ200は、バス290と、バス290に接続されたCPU210と、バス290に接続されたROM220と、バス290に接続されたRAM230と、バス290に接続されたHDD240と、バス290に接続され、光ディスク282が装着可能で、光ディスク282に対する情報の書込及び光ディスク282からの情報の読出が可能な光ディスクドライブ280と、バス290に接続され、マウス252及びキーボード254との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力I/F250と、バス290に接続され、ディスプレイ262との間の接続に関するインターフェイスを提供するためのディスプレイI/F260と、有線又は無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線400への接続を提供するネットワークI/F270とを含む。なお、このサーバコンピュータ200についてもクライアントコンピュータ100と同様に、磁気ディスクドライブを、光ディスクドライブに代えて/加えて、備えるようにしてもよい。
【0046】
バス290、ROM220、RAM230、ハードディスク240、光ディスクドライブ280、入力I/F250、ディスプレイI/F260及びネットワークI/F270は、いずれもCPU210の制御のもとに協調して動作し、本実施の形態に係るサーバコンピュータとしてサーバコンピュータ200は種々のアプリケーションによる処理を実現する。それらアプリケーションは、例えば、クライアントコンピュータ100に入力されたスケジュール情報(特定のグループのメンバーのスケジュール情報)を取得し、取得したスケジュール情報を解析することによって得られた情報に基づいて、クライアントコンピュータ100において使用されるMFPを好適に管理する画像形成システムにおけるサーバコンピュータを実現する。
【0047】
サーバコンピュータ200はまた、クライアントコンピュータ100及び画像形成装置(MFP300)を管理するための管理用のテーブル600(図6参照)を持っている。この管理用のテーブル600は、ハードディスク240又はROM220等に記憶されている。
【0048】
図6を参照して、管理用のテーブル600では、ネットワーク回線400に接続された画像形成装置(サーバコンピュータ200が管理するMFP300)のID(例えば、IPアドレス等)及び各画像形成装置を利用するメンバーのPC名が、互いに対応付けられて記憶されている。すなわち、サーバコンピュータ200には、画像形成装置を利用するメンバーのPC(クライアントコンピュータ100)が、利用する画像形成装置(MFP300)と対応付けて登録されている。より具体的には、管理用のテーブル600には、ある画像形成装置(MFP300)に対して、そのMFP300を使用するメンバーのPCがリストされている。例えば、特定のグループのメンバーのPCが、そのメンバーが利用するMFP300と対応付けて登録されている。
【0049】
サーバコンピュータ200はさらに、MFP300を待機状態から節電状態に、及び、節電状態から待機状態に切替えるか否かを判定するための閾値情報を、RAM230又はハードディスク240等に記憶している。
【0050】
サーバコンピュータ200に、本実施の形態に係る画像形成システムにおけるサーバコンピュータとしての動作を行なわせるためのコンピュータプログラムは、光ディスクドライブ280に挿入される光ディスク282に記憶され、さらにハードディスク240に転送される。又は、プログラムはネットワーク回線400を通じてサーバコンピュータ200に送信されハードディスク240に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM230にロードされる。光ディスク282から、又はネットワーク回線400を介して、直接にRAM230にプログラムをロードしてもよい。
【0051】
このプログラムは、サーバコンピュータ200に本実施の形態に係る画像形成システムにおけるサーバコンピュータとして動作を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な機補的機能のいくつかはサーバコンピュータ200上で動作するオペレーティングシステム(OS)若しくはサードパーティのプログラム、又はサーバコンピュータ200にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。したがって、このプログラムはこの実施の形態のシステム及び方法を実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能又は「ツール」を呼出すことにより、上記したサーバコンピュータ200として所定の処理を実行する命令のみを含んでいればよい。サーバコンピュータ200の実体であるコンピュータの一般的動作は周知であるので、ここでは繰返して説明しない。
【0052】
<MFP300>
図7を参照して、画像形成システムを構成するMFP300は、バス390と、バス390に接続されたCPU310と、バス390に接続されたROM320と、バス390に接続されたRAM330と、バス390に接続されたハードディスク(HDD)340と、バス390に接続され、タッチパネルディスプレイ380との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力I/F350及びディスプレイI/F360と、バス390に接続され、有線又は無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線400への接続を提供するネットワークI/F370とを含む。
【0053】
バス390、ROM320、RAM330、ハードディスク340、入力I/F350、ディスプレイI/F360及びネットワークI/F370は、いずれもCPU310の制御のもとに協調して動作し、MFP300において、プリント処理、FAX送受信処理、スキャナ処理及びコピー処理等を実現する。なお、これらの処理は、図7においては図示していないMFP300を構成する各部品がCPU310により制御されて実行される。
【0054】
MFP300は、例えば、原稿読取部、画像形成部、給紙部、及び排紙処理装置を備える。MFP300においては、クライアントコンピュータ100から受信した画像データ又は原稿読取部により読取られた原稿の画像データに対して、CPU310により各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部へと出力される。なお、このMFP300は、レーザー光を感光に利用する、所謂レーザー方式(電子写真方式)の印刷機能を備える。しかしながら、他の形式の印刷機能を備えたものであってもよい。また、原稿読取部は、カラーモードで原稿を読取って、カラーの画像データを生成することができる(原稿がカラーの場合)。
【0055】
画像形成部は、画像データによって示される画像を記録用紙に印刷するものであって、例えば、感光体ドラム、帯電装置、レーザースキャンユニット、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、及び除電装置等を備えている。画像形成部には、例えば、搬送路が設けられており、給紙部から給紙されてきた記録用紙が搬送路に沿って搬送される。給紙部は、用紙カセットに収納された記録用紙、又は手差トレイに載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部の搬送路へと送り出す。
【0056】
画像形成部の搬送路に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラムと転写装置との間を通過し、更に定着装置を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0057】
感光体ドラムは、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置により均一に帯電される。レーザースキャンユニットは、印刷対象の画像データに基づいてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラムの表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラムの表面に形成する。現像装置は、トナーを感光体ドラムの表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの表面に形成する。
【0058】
転写装置は、転写装置と感光体ドラムとの間を通過していく記録用紙に感光体ドラムの表面のトナー像を転写する。定着装置は、記録用紙を加熱するための加熱ローラと、記録用紙を加圧するための加圧ローラとを含む。記録用紙は、加熱ローラによって加熱され、かつ、加圧ローラによって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。定着装置から排出された(印刷された)記録用紙は、排紙トレイに排出される。排紙処理装置においては、複数の記録用紙を各排紙トレイに仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、及び記録用紙の束にステープルする処理を施す場合がある。例えば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイに印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイに仕分けして排出し、排紙トレイごとに、各排紙トレイ上の記録用紙の束にパンチング処理又はステープル処理を施して印刷物を作成する。このような様々な処理が、CPU310による制御の元で行なわれる。なお、パンチング処理は、記録用紙1枚ずつに対して行なうようにしても構わない。
【0059】
MFP300はまた、通常の通電状態である待機状態と、電源をオフ状態又は使用しないユニット(モジュールともいう。)への電力供給を停止し、電力消費が抑制された節電状態とを切替え可能に構成されている。
【0060】
[ソフトウェア構成]
図8を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムにおいてMFP300の動作状態を管理するために、サーバコンピュータ200で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。なお、以下の説明では、MFP300の初期状態は待機状態であるものとする。
【0061】
このプログラムは、管理下にある複数のクライアントコンピュータ100を巡回して各クライアントコンピュータ100のスケジューラを検索し、スケジュール情報を取得するステップS1000と、ステップS1000の後、図6に示す管理用のテーブル600を参照することにより、特定のグループのメンバー(利用者)のスケジュール情報を抽出するステップS1010と、ステップS1010の後、ハードディスク240等に記憶されている閾値情報を取得する(読出す)ステップS1020とを含む。
【0062】
上記ステップS1010では、取得したスケジュール情報を解析することにより、取得したスケジュール情報から、あるMFP300を利用する特定のグループのメンバー(利用者)の会議時間帯情報を抽出する。具体的には、スケジュール情報を取得した時点におけるスケジュールに会議を入力している利用者の時間帯情報を抽出する。また、上記ステップS1020では、閾値情報として一定値(X)を取得する。
【0063】
このプログラムはさらに、ステップS1020の後、取得したスケジュール情報を解析することにより得られた情報(スケジュール情報から抽出した特定のグループのメンバーの会議時間帯情報)に基づいて、特定のグループのメンバー内で会議出席者数(N1)(会議に出席するメンバーの人数)が会議欠席者数(N2)(会議に出席しないメンバーの人数)より所定数(一定値(X))以上多いか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1030と、ステップS1030において、会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多いと判定された場合に、特定のグループが利用するMFP300に対して、動作状態(動作モード)を待機状態から節電状態に移行する(切替える)指示を出力するステップS1040とを含む。
【0064】
このプログラムはさらに、ステップS1030において、特定のグループのメンバー内で会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多くないと判定された場合に、特定のグループが利用するMFP300が節電状態であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1050と、ステップS1050において、MFP300が節電状態の場合には、そのMFP300に対して、動作状態を節電状態から待機状態に移行する(切替える)指示を出力するステップS1060と、ステップS1040及びステップS1060の後、並びに、ステップS1050において、MFP300が節電状態ではないと判定された場合に、スケジュール情報を取得してから所定の時間(例えば15分〜60分程度)が経過したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1070と、ステップS1070において、所定の時間が経過していないと判定された場合に、スケジュール情報が更新されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1080とを含む。
【0065】
ステップS1080において、スケジュール情報が更新されていないと判定された場合には、制御はステップS1070に戻る。ステップS1070において、所定時間が経過したと判定された場合、及び、ステップS1080において、スケジュール情報が更新されたと判定された場合は、制御はステップS1000に戻り、上述の処理を繰返す。
【0066】
[動作]
図4、図6及び図8を参照して、以上のような構造及びフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成システムの動作について説明する。
【0067】
あるMFP300を利用する特定のグループのメンバーが、各自のPC(クライアントコンピュータ100)にスケジュール情報を入力しているものとする。図4を参照して、例えば、MFP300の利用者であるメンバーA〜メンバーDは、10:00〜11:30まで会議Aに出席する予定が入っており、メンバーEは10:00〜11:30の時間帯には予定がない。
【0068】
サーバコンピュータ200は、図6に示す管理用のテーブル600を参照して、登録されているメンバーのPCを巡回し、所定の時間に、登録されているPCのスケジューラを検索して、スケジュール情報を取得する(図8のステップS1000)。サーバコンピュータ200は、例えば、10:00にスケジュール情報を取得したとする。サーバコンピュータ200は、スケジュール情報を取得すると、取得したスケジュール情報から特定のグループのメンバーの会議時間帯情報を抽出する。例えば、図4を参照して、メンバーA〜メンバーDは10:00〜11:30まで会議Aの予定が入っているため、メンバーA〜メンバーDが出席する会議Aの時間帯情報が抽出される(図8のステップS1010)。
【0069】
サーバコンピュータ200は、時間帯情報を抽出した後、閾値情報として一定値(X)を取得する(図8のステップS1020)。サーバコンピュータ200は、抽出した時間帯情報と閾値情報とを用いて、会議出席者数(N1)が会議欠席者数(N2)より所定数(一定数)以上多いか否かを判定する。具体的には、以下の(1)式を満たす(真)か否(偽)かを判定する。
【0070】
N1−N2>一定値(X) ・・・ (1)
(1)式を満たす場合は、会議出席者数(N1)が会議欠席者数(N2)より所定数以上(一定値(X)以上)多い(ステップS1030においてYES)と判定され、(1)式を満たさない場合は、会議出席者数(N1)が会議欠席者数(N2)より所定数以上多くない(ステップS1030においてNO)と判定される。
【0071】
ここで、例えば、一定値(X)を2とすると、図4に示す例では会議Aへの出席者は4名であり、欠席者は1名であるため、上記(1)式を満たす(4−1>2)。したがって、この場合は、会議出席者数(N1)が会議欠席者数(N2)より所定数以上多いと判定される。
【0072】
会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い場合、特定のグループのメンバーの多くが不在状態となるため、会議の時間帯(例えば、会議Aの時間帯である10:00〜11:30)は、このグループが利用しているMFP300はほとんど不使用状態となる。
【0073】
このような状況になった場合、サーバコンピュータ200は、MFP300に対して、動作状態を待機状態から節電状態に移行する指示を出力する(図8のステップS1040)。サーバコンピュータ200からの出力をMFP300が受信すると、MFP300の動作状態が待機状態から節電状態に移行する。
【0074】
一方、会議出席者数(N1)が会議欠席者数(N2)より所定数以上多くない場合(上記(1)式を満たさない場合)は、まず、サーバコンピュータ200が、MFP300が節電状態であるか否かを判定し、節電状態ではない場合(待機状態の場合(ステップS1050においてNO))は、サーバコンピュータ200は、動作状態を待機状態から節電状態に移行させる指示を出力せずに、待機状態を維持する。MFP300が節電状態になっている場合(ステップS1050においてYES)は、サーバコンピュータ200は、MFP300に対して、動作状態を節電状態から待機状態に移行する指示を出力する(図8のステップS1060)。例えば、メンバーの会議への参加により、MFP300が節電状態に移行した後、会議終了等により、上記(1)式を満たさなくなった場合は、サーバコンピュータ200から、動作状態を節電状態から待機状態に移行する指示が出力される。サーバコンピュータ200からの出力をMFP300が受信すると、MFP300の動作状態が節電状態から待機状態に移行する。
【0075】
サーバコンピュータ200がスケジュール情報を取得した後、所定の時間が経過した場合は、会議が終了している場合がある。そのため、このような場合(ステップS1070においてYES)は、サーバコンピュータ200によるプログラムの制御をステップS1000に戻し、同じ処理を繰返す。サーバコンピュータ200がスケジュール情報を取得した後、所定の時間が経過していない場合(ステップS1070においてNO)は、サーバコンピュータ200は、管理下にある複数のクライアントコンピュータ100を巡回して各クライアントコンピュータ100のスケジューラを検索し、新たにスケジュールが入力されたか否か(スケジュール情報が更新されたか否か)を判定する。スケジュール情報が更新されている場合(ステップS1080においてYES)は、サーバコンピュータ200によるプログラムの制御をステップS1000に戻し、同じ処理を繰返す。一方、スケジュール情報が更新されていない場合(ステップS1080においてNO)は、サーバコンピュータ200によるプログラムの制御をステップS1070に戻し、ステップS1070及びステップS1080の処理を繰返す。
【0076】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像形成システムを利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
【0077】
サーバコンピュータ200がスケジュール情報を取得してその情報を解析することにより、クライアントコンピュータ100の利用者(メンバー)の在席状況がわかる。クライアントコンピュータ100の利用者はMFP300の利用者でもあるため、利用者が在席していない場合は、その利用者によってMFP300が使用される可能性は非常に低い。MFP300を複数の利用者で使用している場合、複数の利用者の多くが在席していない状況の場合には、MFP300はほとんど不使用状態になる。
【0078】
スケジュール情報を解析することにより得られた情報に基づいて、サーバコンピュータ200がMFP300を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該MFP300に対して出力することにより、特定のグループのメンバーの内、多くのメンバーが会議への出席により不在でMFP300がほとんど不使用状態の場合には、自動的にMFP300を待機状態から節電状態に切替えることができる。これにより、例えば動作スケジュール管理機能等によってその動作スケジュールに応じて待機状態から節電状態へ自動的に切替わるように設定されている場合でも、MFP300が不使用状態であると予測される場合には、MFP300を待機状態から節電状態に切替えることができる。その結果、無駄な電力の消費をより一層抑えることができるので、消費電力をより一層削減できる。
【0079】
一方、特定のグループのメンバーの内、メンバーの多くが在席しているような状況では、MFP300が使用される可能性が高い。このような状況の場合、この画像形成システムではMFP300を待機状態とできる。
【0080】
また、MFP300を利用する特定のグループにおいて、会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多い場合は、MFP300はほとんど不使用状態になる可能性が高い。このような状況の場合には、MFP300を待機状態から節電状態に切替えることにより、MFP300の節電を図ることができる。一方、会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多くない場合には、MFP300が使用される可能性が高くなるため、このような場合には、MFP300を待機状態とできる。
【0081】
なお、本実施の形態では、日常的に使用しているスケジュール管理ソフト(例えば、「アウトルック」等)から情報を取得するため、新規にスケジュールを生成及び管理する必要がない。
【0082】
以上のように、本実施の形態に係る画像形成システムを用いることによって、消費電力をより一層削減できる。
【0083】
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成システムでは、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づき、会議の開始時間になると、MFP300の動作状態を待機状態から節電状態に移行させ、会議の終了時間になると、MFP300の動作状態を節電状態から待機状態に移行させる。
【0084】
[全体システム構成]
本実施の形態に係る画像形成システムは、上記した第1の実施の形態のサーバコンピュータ200に代えて、サーバコンピュータ200Aを含む。本実施の形態では、サーバコンピュータ200Aを含むことにより、上記のように、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づき、会議の開始時間になると、MFP300の動作状態を待機状態から節電状態に移行させ、会議の終了時間になると、MFP300の動作状態を節電状態から待機状態に移行させるように構成されている。
【0085】
[ハードウェア構成]
本実施の形態において、クライアントコンピュータ100及びMFP300の構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0086】
<サーバコンピュータ200A>
図9を参照して、本実施の形態に係るサーバコンピュータ200Aは、上記した第1の実施の形態のCPU210に代えてCPU210Aを含む。サーバコンピュータ200AがCPU210Aを含むことにより、後述するコンピュータプログラムを実行する。
【0087】
[ソフトウェア構成]
図10を参照して、本実施の形態に係る画像形成システム(サーバコンピュータ200A)において、ステップS2010、ステップS2020、ステップS2030、ステップS2040及びステップS2050における処理を除く各処理は、図8に示すコンピュータプログラムによって実行される各処理と同様である。また本実施の形態は、上記第1の実施の形態とは異なり、抽出した会議の時間帯情報に基づき、会議の終了時間になるとMFP300を待機状態に移行させるため、図8に示すステップS1050及びステップS1070は含まない。なお本実施の形態では、図8のステップS1010、ステップS1040及びステップS1060に代えて、それぞれ、ステップS2010、ステップS2030及びステップS2050を含む。以下、異なる部分について説明する。
【0088】
このプログラムは、ステップS1000の後、特定のグループのメンバーのスケジュール情報を抽出するステップS2010と、ステップS1030において、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づいて、特定のグループのメンバー内で会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多いと判定された場合に、現時刻が、メンバーが参加する会議の開始時間か否かを判定し、会議の開始時間になるまで待機するステップS2020と、ステップS2020において、現時刻が、メンバーが参加する会議の開始時間であると判定された場合に、特定のグループが利用するMFP300に対して、動作状態を待機状態から節電状態に移行する指示を出力するステップS2030と、ステップS2030の後、現時刻が、メンバーが参加する会議の終了時間か否かを判定し、会議の終了時間になるまで待機するステップS2040と、ステップS2040において、現時刻が、メンバーが参加する会議の終了時間であると判定された場合に、特定のグループが利用するMFP300に対して、動作状態を節電状態から待機状態に移行する指示を出力するステップS2050とを含む。
【0089】
上記ステップS2010では、取得したスケジュール情報を解析することにより、取得したスケジュール情報から、あるMFP300を利用する特定のグループのメンバーの会議時間帯情報を抽出する。具体的には、スケジュール情報を取得した時点以降のスケジュールに会議が入力しているメンバーの時間帯情報を抽出する。
【0090】
ステップS1030において、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づいて、特定のグループのメンバー内で会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多くないと判定された場合、すなわち、会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議のスケジュールが入力されていない場合、制御はステップS1080に進む。ステップS1080では、スケジュール情報が更新されるまで待機し、スケジュール情報が更新されると制御はステップS1000に戻る。
【0091】
[動作]
図4及び図10を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムは以下のように動作する。なお、MFPの動作状態を移行させる動作を除いた動作は、上記第1の実施の形態と同様である。したがって、同様の動作についての詳細な説明は繰返さない。
【0092】
サーバコンピュータ200Aは、取得したスケジュール情報から特定のグループのメンバーの会議時間帯情報を抽出する。サーバコンピュータ200Aは、抽出した会議時間帯情報から、会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議の時間帯情報があるか否かを判定する(図10のステップS1030)。会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議の時間帯情報がある場合(ステップS1030においてYES)、サーバコンピュータ200Aは、現時刻が、その会議の開始時間か否かを判定し、会議の開始時間でない場合は会議の開始時間になるまで待機する(図10のステップS2020)。
【0093】
具体的には、例えば図4に示すように、会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議として会議Aが予定されているとする。会議Aの開始時間は10:00で、終了時間は11:30である。この場合、サーバコンピュータ200Aは、現時刻が10:00か否かを判定し、現時刻が10:00でない場合は、10:00になるまで待機する。
【0094】
現時刻が会議の開始時間になると、サーバコンピュータ200Aは、特定のグループのメンバーが利用するMFP300に対して、動作状態を待機状態から節電状態に移行する指示を出力する(図10のステップS2030)。サーバコンピュータ200Aからの出力をMFP300が受信すると、MFP300の動作状態が待機状態から節電状態に移行する。
【0095】
MFP300が節電状態に移行されると、サーバコンピュータ200Aは、その会議の終了時間になるまで待機する(図10のステップS2040)。現時刻が会議の終了時間(図4に示す例では11:30)になると、サーバコンピュータ200Aは、MFP300に対して、動作状態を節電状態から待機状態に移行する指示を出力する(図10のステップS2050)。サーバコンピュータ200Aからの出力をMFP300が受信すると、MFP300の動作状態が節電状態から待機状態に移行する。
【0096】
スケジュールの更新がされると、上記と同じ動作を繰返す。
【0097】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像形成システムを利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
【0098】
MFP300を利用する特定のグループにおいて、そのグループの複数人が会議に参加する場合、MFP300はほとんど不使用状態になる場合がある。例えば、特定のグループのメンバー内で会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い場合、その会議中は、MFP300はほとんど不使用状態になる可能性が非常に高い。サーバコンピュータ200Aは、会議の開始時間となった場合にMFP300を待機状態から節電状態に切替えるための指示を出力することにより、会議中はほとんど不使用状態となるMFP300の節電を図ることができる。サーバコンピュータ200Aはまた、会議の終了時間となった場合にMFP300を節電状態から待機状態に切替えることにより、MFP300が使用される可能性が高くなる会議終了後において、MFP300をすぐに使用できる状態にすることができる。
【0099】
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成システムでは、クライアントコンピュータ100から入力されたスケジュール情報がサーバコンピュータ200Bに記憶(保持)されて、クライアントコンピュータ100間でスケジュール情報が共有されている。すなわち、本実施の形態では、コンピュータネットワークを活用した情報共有のためのシステムソフトウェアであるグループウェアが用いられている。
【0100】
[全体システム構成]
本実施の形態に係る画像形成システムは、上記した第1の実施の形態のサーバコンピュータ200に代えて、サーバコンピュータ200Bを含む。本実施の形態では、サーバコンピュータ200Bを含むことにより、上記のように、クライアントコンピュータ100から入力されたスケジュール情報がサーバコンピュータ200Bに記憶されて、クライアントコンピュータ100間でスケジュール情報が共有されるように構成されている。
【0101】
[ハードウェア構成]
本実施の形態において、クライアントコンピュータ100及びMFP300の構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0102】
<サーバコンピュータ200B>
図11を参照して、本実施の形態に係るサーバコンピュータ200Bは、上記した第1の実施の形態のCPU210に代えてCPU210Bを含む。サーバコンピュータ200BがCPU210Bを含むことにより、後述するコンピュータプログラムを実行する。
【0103】
[ソフトウェア構成]
図12を参照して、本実施の形態に係る画像形成システム(サーバコンピュータ200B)において、ステップS3000における処理を除く各処理は、図8に示すコンピュータプログラムによって実行される各処理と同様である。なお本実施の形態は、上記第1の実施の形態とは異なり、サーバコンピュータ200Bがスケジュール情報を記憶するため、各クライアントコンピュータ100からスケジュール情報を取得する処理は不要である。したがって、本実施の形態においては、図8に示すステップS1000を含まない。以下、異なる部分について説明する。
【0104】
このプログラムは、各クライアントコンピュータ100から入力されたスケジュール情報を、サーバコンピュータ200Bのハードディスク240等に記憶するステップS3000を含む。
【0105】
[動作]
図1及び図12を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムは以下のように動作する。なお、クライアントコンピュータ100からのスケジュール情報の取得動作を除いた動作は、上記第1の実施の形態と同様である。したがって、同様の動作についての詳細な説明は繰返さない。
【0106】
各クライアントコンピュータ100からスケジュール情報が入力されると、ネットワーク回線400(図1参照)を介して、入力されたスケジュール情報がサーバコンピュータ200Bに記憶される(図12のステップS3000)。サーバコンピュータ200Bに記憶されたスケジュール情報は、クライアントコンピュータ100間で共有される。
【0107】
サーバコンピュータ200Bは、ハードディスク240等に記憶されているスケジュール情報から、特定のグループのメンバーの会議時間帯情報を抽出する。その後、上記第1の実施の形態と同様に動作する。
【0108】
[本実施の形態の効果]
本実施の形態に係る画像形成システムは、上記第1の実施の形態で示した画像形成システムと同様の効果を有する。
【0109】
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成システムでは、MFP300Aが動作スケジュール情報にしたがって動作状態を切替える機能を有しており、サーバコンピュータ200Cが、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づき、MFP300Aの動作スケジュール情報を更新する。
【0110】
[全体システム構成]
本実施の形態に係る画像形成システムは、上記した第1の実施の形態のサーバコンピュータ200及びMFP300に代えて、それぞれ、サーバコンピュータ200C及びMFP300Aを含む。本実施の形態では、サーバコンピュータ200C及びMFP300Aを含むことにより、上記のように、サーバコンピュータ200Cが、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づき、MFP300Aの動作スケジュール情報を更新し、MFP300Aは、動作スケジュール情報にしたがって自身の動作状態を待機状態又は節電状態に切替えるように構成されている。
【0111】
[ハードウェア構成]
本実施の形態において、クライアントコンピュータ100の構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、それについての詳細な説明は繰返さない。
【0112】
<サーバコンピュータ200C>
図13を参照して、本実施の形態に係るサーバコンピュータ200Cは、上記した第1の実施の形態のCPU210に代えてCPU210Cを含む。サーバコンピュータ200CがCPU210Cを含むことにより、後述するコンピュータプログラムを実行する。
【0113】
<MFP300A>
図14を参照して、本実施の形態に係るMFP300Aは、上記した第1の実施の形態のCPU310に代えて、CPU310Aを含む。MFP300Aは、自身の動作状態を待機状態又は節電状態に切替えるための動作スケジュール情報をハードディスク340等に記憶しており、CPU310Aは、動作スケジュール情報にしたがって、動作状態を待機状態又は節電状態に切替える。動作スケジュール情報は更新可能(書替可能)とされており、サーバコンピュータ200Cからの指示により動作スケジュール情報が更新される(書替えられる)。
【0114】
動作スケジュール情報は、待機状態から節電状態に切替える第1の切替時間、及び、節電状態から待機状態に切替える第2の切替時間を含む時間帯情報からなる。現時刻が第1の切替時間になると、MFP300Aは、動作状態を待機状態から節電状態に切替える。一方、現時刻が第2の切替時間になると、MFP300Aは、動作状態を節電状態から待機状態に切替える。
【0115】
[ソフトウェア構成]
図15を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムにおいてMFPの動作状態の移行処理を行なうために、サーバコンピュータ200C及びMFP300Aで実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。
【0116】
図15の左側に示すプログラムは、サーバコンピュータ200CのCPU210Cにおいて実行される。本実施の形態に係る画像形成システムを構成するサーバコンピュータ200Cにおいて、ステップS4010及びステップS4020における処理を除く各処理は、図8に示すコンピュータプログラムによって実行される各処理と同様である。また本実施の形態は、上記第1の実施の形態とは異なり、サーバコンピュータ200CはMFP300Aの動作スケジュール情報を更新させるための指示を出力する構成であるため、図8に示すステップS1040、ステップS1050、ステップS1060及びステップS1070は含まない。なお本実施の形態では、図8のステップS1010に代えて、ステップS4010を含む。以下、サーバコンピュータ200Cにおいては異なる部分について説明する。
【0117】
このプログラムは、ステップS1000の後、特定のグループのメンバーのスケジュール情報を抽出するステップS4010と、ステップS1030において、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づいて、特定のグループのメンバー内で会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多いと判定された場合に、MFP300Aに対して動作スケジュール情報を更新させる指示を出力するステップS4020とを含む。
【0118】
上記ステップS4010では、取得したスケジュール情報を解析することにより、取得したスケジュール情報から、あるMFP300Aを利用する特定のグループのメンバーの会議時間帯情報を抽出する。具体的には、スケジュール情報を取得した時点以降のスケジュールに会議を入力しているメンバーの時間帯情報を抽出する。
【0119】
ステップS4020では、抽出した会議の時間帯情報に基づいて、MFP300Aの動作スケジュール情報を書替える。具体的には、例えば図4に示すように、会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議として会議Aが予定されているとする。会議Aの開始時間は10:00で、終了時間は11:30であるため、会議中はMFP300Aを節電状態とするために、待機状態から節電状態に切替える第1の切替時間が会議の開始時間である10:00とされ、節電状態から待機状態に切替える第2の切替時間が会議の終了時間である11:30とされるように、動作スケジュール情報を更新する。
【0120】
ステップS1030において、スケジュール情報から抽出した会議の時間帯情報に基づいて、特定のグループのメンバー内で会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多くないと判定された場合、すなわち、会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議のスケジュールがない場合、制御はステップS1080に進む。ステップS1080では、スケジュール情報が更新されるまで待機し、スケジュール情報が更新されると制御はステップS1000に戻る。
【0121】
図15の右側に示すプログラムは、MFP300AのCPU310Aにおいて実行される。なお、MFP300Aにおいては、予め動作スケジュール情報が記憶されているものとする。
【0122】
このプログラムは、記憶されている動作スケジュール情報に基づいて、現時刻が節電状態への移行開始時間(第1の切替時間)であるか否かを判定し、移行開始時間になるまで待機するステップS5000と、ステップS5000において、現時刻が移行開始時間であると判定された場合に、MFP300Aの動作状態を待機状態から節電状態に移行させるステップS5010と、ステップS5010の後、記憶されている動作スケジュール情報に基づいて、現時刻が待機状態への移行開始時間(第2の切替時間)であるか否かを判定し、移行開始時間になるまで待機するステップS5020とを含む。
【0123】
このプログラムはさらに、ステップS5020において、現時刻が移行開始時間であると判定された場合に、MFP300Aの動作状態を節電状態から待機状態に移行させるステップS5030と、ステップS5030の後、動作スケジュール情報の更新指示がサーバコンピュータ200Cからなされたか否かを判定し、サーバコンピュータ200Cから更新指示があるまで待機するステップS5040と、ステップS5040において、サーバコンピュータ200Cから更新指示を受信した場合に、記憶している動作スケジュール情報を更新し、制御をステップS5000に戻すステップS5050とを含む。
【0124】
[動作]
図15を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムは以下のように動作する。
【0125】
サーバコンピュータ200Cは、取得したスケジュール情報から特定のグループのメンバーの会議時間帯情報を抽出する(図15のステップS4010)。サーバコンピュータ200Cは、抽出した会議時間帯情報から、会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議の時間帯情報があるか否かを判定する(図15のステップS1030)。会議出席者数が会議欠席者数より所定数以上多い会議の時間帯情報がある場合(ステップS1030においてYES)、サーバコンピュータ200Cは、MFP300Aに対して、動作スケジュール情報を更新させる指示を出力する(図15のステップS4020)。
【0126】
その後、グループのメンバーによってスケジュール情報が更新されると(ステップS1080においてYES)、上記と同じ動作を繰返す。
【0127】
MFP300Aは、動作スケジュール情報にしたがって、節電状態への移行開始時間になると、自身の動作状態を節電状態に移行し、待機状態への移行開始時間になると、自身の動作状態を待機状態に移行する。サーバコンピュータ200Cから出力された動作スケジュール情報の更新指示を受信すると(ステップS5040においてYES)、記憶している動作スケジュール情報を更新する。
【0128】
具体的には、サーバコンピュータ200Cは、動作スケジュール情報の更新指示を出力するに際し、会議の時間帯情報と対応する新たな動作スケジュール情報(第1の切替時間、第2の切替時間)をMFP300Aに送信する。MFP300Aは、サーバコンピュータ200Cから送信された新たな動作スケジュール情報を受信すると、記憶されている動作スケジュール情報を、受信した動作スケジュール情報に書替える。
【0129】
その後、更新された動作スケジュール情報にしたがって、上記と同様に、自身の動作状態を節電状態及び待機状態に切替える。これにより、会議の開始時間になると、MFP300Aの動作状態が、待機状態から節電状態に自動的に切替わり、会議の終了時間になると、MFP300Aの動作状態が、節電状態から待機状態に自動的に切替わる。
【0130】
[本実施の形態の効果]
本実施の形態に係る画像形成システムは、上記第1の実施の形態で示した画像形成システムと同様の効果を有する。
【0131】
[変形例]
上記実施の形態では、スケジュール情報から会議の時間帯情報を抽出し、抽出した会議の時間帯情報に基づいて、MFPの動作状態を待機状態から節電状態に移行するように構成した例を示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。スケジュール情報から抽出する時間帯情報としては、会議の時間帯情報以外に例えば休日、出張、来客等の時間帯情報であってもよい。すなわち、スケジュール情報から抽出する時間帯情報は、メンバーが不在になる時間帯情報であればよい。
【0132】
また上記実施の形態では、特定のグループのメンバーが同じ会議に出席する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。メンバーが出席する会議は異なる会議であってもよい。図16を参照して、例えば、スケジュール表示画面500Aでは、メンバーAが13:00〜15:00まで会議Bに出席する予定が入っており、メンバーBは会議Bに14:00〜15:00まで参加し、その後、15:00〜16:00まで別の会議Cに出席する予定が入っている。メンバーDは、その日は休みであり、メンバーC及びメンバーEは、14:00〜16:00まで会議Dに出席する予定が入っている。このように、メンバーが参加する会議は異なる時間帯の異なる会議であってもよい。なお、この場合、メンバーA〜メンバーEで構成される特定のグループの多くが(この例では全員)が、14:00〜16:00の時間帯Hで不在となるため、この例では、スケジュール情報から14:00〜16:00の時間帯情報が抽出される。
【0133】
なお、同じ時間帯に会議以外のスケジュール(休日、出張等の不在になるスケジュール)が入っているメンバーは、会議に欠席としてカウントするのではなく、上記のように、その時間帯に不在となるスケジュールが入っているメンバーとしてカウントするのが好ましい。
【0134】
上記実施の形態では、サーバコンピュータを含む画像形成システムについて示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、MFP(画像形成装置)が、上記実施の形態で示したサーバコンピュータの機能と同様の機能を有するように構成することにより、サーバコンピュータを含まない画像形成システムとしてもよい。具体的には、MFP(画像形成装置)がクライアントコンピュータから入力された利用者のスケジュール情報を取得して解析することにより、解析によって得られた情報に基づいて、MFP(画像形成装置)が、自身の動作状態を節電状態又は待機状態に切替えるように構成してもよい。
【0135】
上記実施の形態において、スケジュール管理ソフトの表示画面(スケジュール表示画面)は一例であり、上記以外の画面構成であってもよい。
【0136】
また上記実施の形態において、閾値情報としての一定値(X)は任意に変更可能である。例えば、会議出席者数が会議欠席者数よりも多ければ、MFPを節電状態に移行するように一定値(X)を設定してもよいし、特定のグループのメンバー全員が会議に出席する場合に、MFPを節電状態に移行するように一定値(X)を設定してもよい。また閾値情報は、一定値(X)以外に例えば会議出席者の割合としてもよい。
【0137】
さらに、スケジュール情報の形式(フォーマット)は、上記のように、スケジューラの標準フォーマットを用いてもよいし、これ以外のフォーマットを用いてもよい。標準フォーマット以外のフォーマットとしては、例えば、CSV形式等が挙げられる。CSV形式の場合、PC(クライアントコンピュータ)に入力されているスケジュールをCSV形式で抽出し、時間帯に対して会議が予定されている場合は、出席者としてカウントし、予定が空白の場合は欠席者としてカウントするようにすれば、上記と同様の効果が得られる。
【0138】
また上記実施の形態では、サーバコンピュータの管理用テーブルとして、ある画像形成装置に対してその画像形成装置を使用するメンバーがリストされたテーブルを用い、そのメンバーのPCを巡回してスケジュールを確認するように構成した例を示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。サーバコンピュータの管理用テーブルは、上記以外のテーブルであってもよい。例えば、ある画像形成装置に対して、その画像形成装置を使用するグループ(部課)がリストされた管理用テーブルであってもよい。この場合、部課に属するメンバーのPCが別のテーブルで管理されており、ある画像形成装置を使用する部課に属するメンバーのPC全てを巡回してスケジュールを確認するように構成されているのが好ましい。
【0139】
なお、上記で開示された技術を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0140】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0141】
100 クライアントコンピュータ
110、210、210A、
210B、210C、310、310A CPU
120、220、320 ROM
130、230、330 RAM
140、240、340 ハードディスク
152、252 マウス
154、254 キーボード
162、262 ディスプレイ
200、200A、200B、200C サーバコンピュータ
300、300A MFP
380 タッチパネルディスプレイ
400 ネットワーク回線
500 スケジュール表示画面
600 管理用のテーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
待機状態と節電状態とを切替え可能な画像形成装置と、
前記画像形成装置に対して印刷指示を出力する情報処理装置と、
前記画像形成装置及び前記情報処理装置を管理するサーバ装置とを含む画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、利用者のスケジュール情報を入力するための入力手段を含み、
前記サーバ装置は、前記スケジュール情報を取得して解析するための解析手段と、前記解析手段による解析によって得られた情報に基づき、前記画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための切替指示出力手段とを含む、画像形成システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記入力手段により入力されたスケジュール情報を記憶するための記憶手段をさらに含み、
前記解析手段は、前記記憶手段から前記スケジュール情報を取得して解析する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記複数の情報処理装置から入力されたスケジュール情報を記憶するための記憶手段をさらに含み、
前記解析手段は、前記記憶手段から前記スケジュール情報を取得して解析する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成システムは、複数の前記情報処理装置を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記画像形成装置と前記画像形成装置の利用者が使用する情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、
前記スケジュール情報は、前記画像形成装置の前記利用者が参加する会議の時間帯情報を含み、
前記解析手段は、前記スケジュール情報から前記会議の時間帯情報を抽出するための抽出手段を含み、
前記切替指示出力手段は、前記抽出された会議の時間帯情報に基づいて、前記画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための手段を含む、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記画像形成装置と前記画像形成装置を利用する利用者グループの各利用者が使用する各々の情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、
前記スケジュール情報は、前記画像形成装置の前記利用者が参加する会議の時間帯情報を含み、
前記解析手段は、
前記会議の時間帯情報を、前記スケジュール情報から抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記会議の時間帯情報に基づき、前記画像形成装置を利用する利用者グループにおいて、会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多いか否かを判定するための判定手段とを含み、
前記切替指示出力手段は、前記判定手段により会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多いと判定された場合には、前記画像形成装置を待機状態から節電状態に切替える指示を出力するための手段を含む、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記切替指示出力手段は、前記判定手段により会議への出席者数が欠席者数より所定数以上多くないと判定された場合であって、前記画像形成装置が節電状態となっている場合には、前記画像形成装置を節電状態から待機状態に切替える指示を出力するための手段をさらに含む、請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、前記画像形成装置と前記画像形成装置を利用する利用者グループの各利用者が使用する各々の情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、
前記スケジュール情報は、前記画像形成装置の利用者が参加する会議の時間帯情報を含み、
前記解析手段は、前記画像形成装置を利用する利用者グループのなかの複数の利用者が参加する会議の時間帯情報を、前記スケジュール情報から抽出するための抽出手段を含み、
前記切替指示出力手段は、前記会議が行なわれている時間帯は前記画像形成装置が節電状態となるように、前記会議の時間帯情報に基づいて、前記画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための手段を含む、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記サーバ装置は、前記画像形成装置と前記画像形成装置を利用する利用者グループの各利用者が使用する各々の情報処理装置とを対応付けて記憶するための手段をさらに含み、
前記スケジュール情報は、前記画像形成装置の利用者が在席していない時間帯情報を含み、
前記解析手段は、前記画像形成装置を利用する利用者グループのなかの複数の利用者が在席していない時間帯情報を、前記スケジュール情報から抽出するための抽出手段を含み、
前記切替指示出力手段は、前記抽出された時間帯は前記画像形成装置が節電状態となるように、前記抽出された時間帯情報に基づいて、前記画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための手段を含む、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項10】
画像形成装置及び情報処理装置を管理するサーバ装置であって、
前記情報処理装置から入力された、利用者のスケジュール情報を取得するための情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記スケジュール情報を解析するための解析手段と、
前記解析手段による解析によって得られた情報に基づいて、前記画像形成装置を待機状態又は節電状態に切替える指示を当該画像形成装置に対して出力するための切替指示出力手段とを含む、サーバ装置。
【請求項11】
ネットワークを介して情報処理装置と接続される接続手段と、
前記情報処理装置から入力された、利用者のスケジュール情報を取得するための情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記スケジュール情報を解析するための解析手段と、
前記解析手段による解析によって得られた情報に基づいて、自機の動作状態を、待機状態又は節電状態に切替えるための切替手段とを含む、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−109679(P2013−109679A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255692(P2011−255692)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】